以下、実施形態の冷蔵庫および冷蔵庫付属防災ユニットを、図面を参照して説明する。以下の説明では、同一または類似の機能を有する構成に同一の符号を付す。そして、それら構成の重複する説明は省略する場合がある。本明細書では、冷蔵庫の正面に立つユーザから冷蔵庫を見た方向を基準に、左右を定義している。また、冷蔵庫から見て冷蔵庫の正面に立つユーザに近い側を「前」、遠い側を「後ろ」と定義している。本明細書において「横幅方向」とは、上記定義における左右方向を意味する。
本明細書で「XXに基づく」とは、「少なくともXXに基づく」ことを意味し、XXに加えて別の要素に基づく場合も含む。また、「XXに基づく」とは、XXを直接に用いる場合に限定されず、XXに対して演算や加工が行われたものに基づく場合も含む。「XX」は、任意の要素(例えば、任意の情報)である。
(第1の実施形態)
[1.冷蔵庫の設置環境の一例]
図1から図14を参照して、第1の実施形態の冷蔵庫1について説明する。図1は、第1の実施形態の冷蔵庫1が設置される環境の一例を示す図である。冷蔵庫1は、例えば、無線通信部170を有し、ネットワークNWを介して端末装置2およびサーバ装置3と通信可能である。ネットワークNWは、インターネットやWAN(Wide Area Network)、家庭内のLAN(Local Area Network)などを含んでよい。ネットワークNWにおける一部または全部の通信は、無線で実現されてもよい。なお、冷蔵庫1は、端末装置2と直接に無線通信を行ってもよい。
端末装置2は、冷蔵庫1のユーザが使用する端末装置であり、例えば、スマートフォンやタブレット端末のような携帯型端末装置である。端末装置2は、表示装置2aを有する。表示装置2aは、液晶ディスプレイや有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイなどであり、画像や文字を表示可能な表示画面(表示領域)D1を有する。
サーバ装置3は、例えば、国や自治体などが管理するサーバ装置である。サーバ装置3は、地震や台風、大雨、洪水などの災害発生時に災害情報を発信する。災害情報は、例えば、地震発生時に発信される緊急地震速報を含む。冷蔵庫1は、サーバ装置3から発信された災害情報をネットワークNW経由で受信可能である。
[2.冷蔵庫の全体構成]
図2は、本実施形態の冷蔵庫1を示す正面図である。冷蔵庫1は、例えば、冷蔵庫本体100と、防災ユニット200とを有する。防災ユニット200は、「冷蔵庫付属防災ユニット」の一例である。
[3.冷蔵庫本体の構成]
まず、冷蔵庫本体100の構成について説明する。
冷蔵庫本体100は、例えば、断熱筐体110(図3参照)、複数の扉130、冷却ユニット140(図3参照)、表示装置150、操作部160、無線通信部170、電源回路部180、加速度センサAS、および制御部190を有する。
図3は、図2中に示された冷蔵庫1のF3−F3線に沿う断面図である。断熱筐体110は、例えば、外箱110aと、内箱110bと、外箱110aと内箱110bとの間に充填された断熱材110cとを有し、断熱性を持つ。断熱材110cは、例えば、発泡ウレタンのような発泡断熱材である。
断熱筐体110は、天井壁111、底壁112、左右の側壁113,114(図4参照)、および後壁115を有する。左右の側壁113,114は、底壁112の左右の端部から上方に起立し、天井壁111の左右の端部に繋がっている。後壁115は、底壁112の後端部から上方に起立し、天井壁111の後端部に繋がっている。
断熱筐体110の内部には、複数の貯蔵室120が設けられている。複数の貯蔵室120は、例えば、冷蔵室121、野菜室122、製氷室123(図2参照)、小冷凍室124、および主冷凍室125を含む。本実施形態では、最上部に冷蔵室121が配置され、冷蔵室121の下方に野菜室122が配置され、野菜室122の下方に製氷室123および小冷凍室124が配置され、製氷室123および小冷凍室124の下方に主冷凍室125が配置されている。ただし、貯蔵室120の配置は、上記例に限定されず、例えば野菜室122と主冷凍室125の配置が逆でもよい。断熱筐体110は、各貯蔵室120の前面側に、各貯蔵室120に対して食材の出し入れを可能にする開口Oを有する。
貯蔵室120の開口Oは、複数の扉130によって開閉可能に閉じられている。複数の130は、例えば、冷蔵室121の開口Oを閉じる左右の冷蔵室扉131A,132B(図2参照)、野菜室122の開口Oを閉じる野菜室扉132、製氷室123の開口Oを閉じる製氷室扉133(図2参照)、小冷凍室124の開口Oを閉じる小冷凍室扉134、主冷凍室125の開口Oを閉じる主冷凍室扉135を含む。左右の冷蔵室扉131A,131Bは、例えば、観音開き式の扉である。本実施形態では、右冷蔵室扉131Bの横幅方向の幅WBは、左冷蔵室扉131Aの横幅方向の幅WAよりも大きい(図2参照)。すなわち、左右の冷蔵室扉131A,131Bの境界は、冷蔵庫本体100の横幅方向の中心に対して左側に偏って位置する。野菜室扉132、製氷室扉133、小冷凍室扉134、および主冷凍室扉135は、例えば、引き出し式の扉である。
ここで、天井壁111の一例について詳しく説明する。
図4は、図3中に示された断熱筐体110のF4−F4線に沿う断面図である。天井壁111は、例えば、真空断熱材(VIP:Vacuum Insulation Panel)111aを含む。真空断熱材111aは、天井壁111の上面(または下面)と略平行な板状に形成され、内箱110bと断熱材110cと間に配置されている。真空断熱材111aが設けられると、後述する防災ユニット200の予備電源装置300が発熱する場合に、予備電源装置300の熱が貯蔵室120の内部に伝わることを抑制することができる。
天井壁111は、補強部材111bを有してもよい。補強部材111bは、例えば、外箱110aや内箱110b、断熱材110cよりも剛性が高い部材であり、例えば金属部材である。補強部材111bは、例えば、天井壁111の上面(または下面)と略平行に設けられ、外箱110aと断熱材110cとの間に配置されている。補強部材111bは、左側壁113の少なくとも一部の上方と、右側壁114の少なくとも一部の上方とに亘る。補強部材111bが設けられると、防災ユニット200の荷重を左側壁113と右側壁114とによって支持しやすくなる。ただし、補強部材111bは、必須の構成要素ではなく、十分な剛性が確保される場合は無くてもよい。
天井壁111には、後述する防災ユニット200の電気接続部材403が着脱可能に接続される端子部117が設けられている(図5参照)。端子部117は、例えば、電力を供給するための電流が流れる電力用端子PTと、信号が流れる信号用端子STとを含み、電力および信号を送受可能である。なお以下に説明する防災ユニット200の端子部313,314,316,323,331,803も、それぞれ電力用端子PTおよび信号用端子STを端子部117と同様に有し、電力および信号を送受可能である。
次に、図3に戻り、冷却ユニット140について説明する。冷却ユニット140は、例えば、複数の冷却器141,142、複数のファン143,144、圧縮機145、および放熱パイプ146(図5参照)を含む。
複数の冷却器141,142は、例えば、冷蔵室121または野菜室122の背後に設けられた冷蔵室用冷却器141と、主冷凍室125または小冷凍室124の背後に設けられた冷凍室用冷却器142とを含む。複数のファン143は、冷蔵室用冷却器141で冷却された空気(冷気)を冷蔵室121および野菜室122で循環させる冷蔵室用ファン143と、冷凍室冷却器142で冷却された空気(冷気)を製氷室123、小冷凍室124、および主冷凍室125で循環させる冷凍室用ファン144とを含む。
圧縮機145は、例えば、冷蔵庫1の底部の機械室に設けられている。圧縮機145は、貯蔵室120の冷却に用いられる冷媒ガスを圧縮する。圧縮機145により圧縮された冷媒ガスは、放熱パイプ146などを経由して、冷蔵室用冷却器141および冷凍室用冷却器142に送られる。
図5は、冷蔵庫本体100を示す平面図である。なお図5では、後述するガイド部材420などの図示は省略されている。放熱パイプ146は、放熱パイプ146内を流れる冷媒の熱を放出させ、冷媒の温度を低下させる。放熱パイプ146は、断熱筐体110の左右の側壁113,114や後壁115などに設けられている。放熱パイプ146の一部は、天井壁111に設けられ、例えば天井壁111の略中央部に配置されている。このため、天井壁111の一部は、放熱パイプ146から熱を受けて温度が上昇する場合がある。
次に、図2に戻り、冷蔵庫本体100の残りの構成について説明する。
表示装置150は、例えば、冷蔵室扉131Bの前面に設けられている。表示装置150は、液晶ディスプレイや有機ELディスプレイなどであり、画像や文字を表示可能な表示画面(表示領域)D2を有する。
操作部160は、例えば、タッチパネル式の入力装置であり、表示装置150の表示画面D2に対して重ねて設けられている。ユーザは、操作部160を操作することで、冷蔵庫本体100に対して所定の入力や選択を行うことができる。なお、操作部160は、タッチパネル式の入力装置に限定されず、冷蔵庫本体100に設けられたボタンなどでもよい。
無線通信部170は、高周波回路およびアンテナなどを含み、無線によりネットワークNWと接続可能である。例えば、無線通信部170は、冷蔵庫1が設置された家庭に設けられたアクセスポイントを介してネットワークNWに接続される。
電源回路部180は、例えば、1つ以上の電源回路基板によって実現され、冷蔵庫本体100の上端部に配置されている。電源回路部180は、冷蔵庫本体100の電源ケーブル185および家庭内のコンセントなどを介して、商用電源Pに電気的に接続される。電源回路部180には、通常時(非災害時)において、商用電源Pから交流電力が供給される。商用電源Pは、「外部電源」の一例である。
図6は、冷蔵庫1の電力線の接続関係を示すブロック図である。電源回路部180は、商用電源Pから供給される交流電力を、冷蔵庫1に含まれる個々の機器に適した電圧の直流電力に変換し、変換した直流電力を上記個々の機器に供給する。例えば、電源回路部180は、変換することで得られた直流電力を冷却ユニット140、表示装置150、および操作部160などに供給する。
加速度センサASは、断熱筐体110または扉130に設けられている。加速度センサASは、地震発生時に大きな加速度を検出する。加速度センサASの検出結果は、制御部190に出力される。加速度センサASは、「センサ」の一例である。
制御部190は、例えば、1つ以上の制御基板によって実現され、冷蔵庫本体100の上端部に配置されている。なお、電源回路部180と制御部190とは、1つの基板によって実現されてもよい。制御部190は、冷蔵庫1の全体を制御する。例えば、制御部190は、冷却ユニット140、表示装置150、操作部160、無線通信部170、電源回路部180、および防災ユニット200の動作を統括的に制御する。なお、制御部190の機能については、詳しく後述する。
[4.防災ユニットの構成]
次に、防災ユニット200の構成について説明する。
図7は、図3中に示された防災ユニット200のF7−F7線に沿う断面図である。防災ユニット200は、例えば、ケース210、前面カバー220(図10参照)、予備電源装置300、緩衝部材240、支持面形成部材250、液漏れ受け部260、予備電源固定部270、一対の脚部280、およびケース固定部290を有する。
[4.1 ケースおよび前面カバー]
まず、ケース210について説明する。
ケース210は、冷蔵庫本体100の上方に配置され、後述するケース固定部290により冷蔵庫本体100に固定されている。ケース210は、例えば、上壁211、底壁212、左右の側壁213,214、および後壁215を有する。上壁211および底壁212は、冷蔵庫本体100の天井壁111と略平行に広がる。左右の側壁213,214は、底壁212の左右の端部から上方に起立し、上壁211の左右の端部に繋がっている。後壁215は、底壁212の後端部から上方に起立し、上壁211の後端部に繋がっている。ケース210は、前面側に開口210aを有した箱状に形成されている。ケース210の横幅方向の中心は、冷蔵庫本体100の横幅方向の中心と略一致する。ケース210は、例えば合成樹脂製であり、電気絶縁性を有する。ケース210の内部には、災害の発生時に役立つ装置や用品などが収容される収容室(収容空間)が形成されている。
本実施形態では、ケース210の内部には、予備電源装置300が収容される予備電源収容室(予備電源収容空間)PSが形成されている。例えば、ケース210は、予備電源収容室PSに収容された予備電源装置300の左右の端部を下方から支持する一対の支持部401を有する。一対の支持部401は、冷蔵庫1の奥行方向に延びている。一対の支持部401は、冷蔵庫1の横幅方向において互いに離間している。一対の支持部401の間には、空間が設けられている。これにより、予備電源装置300とケース210の底壁212との間には、予備電源装置300の経年劣化時の膨張(後述するバッテリユニット312,322の膨張)を許容する隙間S1が形成されている。
前面カバー220は、ケース210の開口210aの前方に位置する。前面カバー220は、例えば不図示のヒンジにより軸支され、ケース210の開口210aを開閉可能に閉じている。前面カバー220は、冷蔵庫本体100の扉130と類似の素材で形成されている。例えば、前面カバー220は、冷蔵庫本体100の扉130がガラス板を有する場合は、ガラス板により形成されており、冷蔵庫本体100の扉130が金属板を有する場合は、金属板により形成されている。これにより、防災ユニット200と冷蔵庫本体100との統一感が高められている。
なお、前面カバー220は、透明な部材で形成されてもよい。この場合、後述する予備電源装置300の表示画面D4は、前面カバー220を通して外部から視認可能になる。また、前面カバー220の少なくとも一部は、透明または半透明な部材で形成されるとともに、前面カバー220の背後に設けられた表示装置によって表示領域D3(図2参照)が形成されてもよい。この場合、表示領域D3には、前面カバー220の背後に設けられた表示装置から前面カバー220に投射された文字や図形が表示される。
[4.2 予備電源装置]
[4.2.1 予備電源装置の全体構成]
次に、予備電源装置300について説明する。
予備電源装置300は、停電時(災害の発生時)に、商用電源Pの代わりに電力を供給する装置である。予備電源装置300は、ケーブルまたはバスバーのような電気接続部材403を介して冷蔵庫本体100と電気的に接続されている。これにより、予備電源装置300は、電気接続部材403、冷蔵庫本体100内の電力線404(図6参照)、および冷蔵庫本体100の電源ケーブル185などを介して商用電源Pと電気的に接続されている。
予備電源装置300は、通常時には、商用電源Pから冷蔵庫本体100に供給される電力の一部を用いて充電可能である。「商用電源Pから冷蔵庫本体100に供給される電力」とは、例えば、冷蔵庫本体100の電源ケーブル185を介して商用電源Pから冷蔵庫本体100の内部に導かれる電力を広く意味する。「商用電源Pから冷蔵庫本体100に供給される電力の一部を用いて充電可能」とは、商用電源Pから冷蔵庫本体100に供給された電力が冷蔵庫本体100で何も変換されずに予備電源装置300に供給される(例えば交流電力のまま供給される)ことで予備電源装置300が充電可能である場合と、商用電源Pから冷蔵庫本体100に供給された電力が冷蔵庫本体100で所望の電力(例えば直流電力)に変換されて予備電源装置300に供給されることで予備電源装置300が充電可能である場合とのいずれの場合も含む。言い換えると、予備電源装置300は、冷蔵庫本体100の電源回路部180を介さずに商用電源Pと電気的に接続されてもよく、冷蔵庫本体100の電源回路部180を介して商用電源Pと電気的に接続されてもよい。
また本明細書において「冷蔵庫本体100を介して商用電源Pから電力が供給されて充電可能」および「冷蔵庫本体100から電力が供給されて充電可能」とは、上述した「商用電源Pから冷蔵庫本体100に供給される電力の一部を用いて充電可能」と同じ意味で用いられている。すなわち、これら表現は互いに読み替え可能である。
本実施形態では、予備電源装置300の少なくとも一部は、ポータブル電源として冷蔵庫本体100から分離して使用可能である。本明細書において「冷蔵庫本体100から分離して使用可能」および「冷蔵庫本体100から分離可能」とは、冷蔵庫本体100の設置場所とは異なる場所に持ち運んで使用可能であることを意味する。また「ポータブル電源」とは、持ち運び可能な電源を広く意味し、比較的小型のモバイルバッテリーなども含む。
ここで、予備電源装置300の一例について詳しく説明する。予備電源装置300は、例えば、予備電源装置本体300U、本体コネクタ330、ファン340、電源回路部350、予備電源全体制御部360、および記憶部370(図14参照)を有する。
図8は、予備電源装置本体300Uを示す斜視図である。本実施形態では、予備電源装置本体300Uは、第1予備電源装置310と、第2予備電源装置320とを含む。
[4.2.2 第1予備電源装置]
まず、第1予備電源装置310の構成について説明する。
第1予備電源装置310は、停電時に冷蔵庫本体100に電力を供給する予備電源装置である。すなわち、第1予備電源装置310は、停電時に冷蔵庫本体100と一体に残され(防災ユニット200のケース210の内部に残され)、圧縮機145や冷却ユニット140を駆動するための電力など冷蔵庫1の冷却機能の維持に必要な電力を冷蔵庫本体100に供給する。
詳しく述べると、第1予備電源装置310は、例えば、第1予備電源ケース311、バッテリユニット312、第1端子部313、第2端子部314、電圧センサVS1(図6参照)、および電流センサIS1(図6参照)を有する。
第1予備電源ケース311は、例えば箱状に形成されている。第1予備電源ケース311は、第1端部311aと、第2端部311bとを有する。第1端部311aは、後述する本体コネクタ330に面する端部である。第2端部311bは、第1端部311aとは反対側に位置し、第2予備電源装置320に面する端部である。
バッテリユニット312は、第1予備電源ケース311の内部に収容されている。バッテリユニット312は、1つ以上の二次電池を含む。二次電池は、例えばリチウムイオン二次電池であるが、その他の種類の二次電池でもよく、その種類は特に問わない。これは、第2予備電源装置320についても同様である。例えば、第1予備電源装置310のバッテリユニット312の容量は、第2予備電源装置320のバッテリユニット322の容量よりも大きい。例えば、第1予備電源装置310のバッテリユニット312の容量は、冷蔵庫本体100の冷却機能を停電後の数日間に亘り維持可能な容量である。
第1端子部313は、第1予備電源ケース311の第1端部311aに設けられている。第1端子部313は、第1予備電源装置310と本体コネクタ330とを接続するための端子部である。第1予備電源装置310は、本体コネクタ330と接続されることで、本体コネクタ330、電源回路部350、および電気接続部材403を介して冷蔵庫本体100と電気的に接続される。これにより、第1予備電源装置310のバッテリユニット312は、冷蔵庫本体100から電力が供給されて充電可能である。
第2端子部314は、第1予備電源ケース311の第2端部311bに設けられている。第2端子部314は、第1予備電源装置310と第2予備電源装置320とを接続するための端子部である。
電圧センサVS1は、バッテリユニット312の端子電圧の電圧値を検出する。電流センサIS1は、バッテリユニット312に充電される、またはバッテリユニット312から放電される電流の電流値を検出する。電圧センサVS1および電流センサIS1の検出結果は、例えば第1端子部313および本体コネクタ330を介して予備電源全体制御部360に出力される。
[4.2.3 第2予備電源装置]
次に、第2予備電源装置320の構成について説明する。
第2予備電源装置320は、停電時や避難が必要な災害時に、ポータブル電源として冷蔵庫本体100から分離され、所望の場所に持ち運ばれて利用することができる予備電源装置である。すなわち、第2予備電源装置320は、防災ユニット200のケース210の外部に取り出され、リビングや寝室、避難所などに持ち運ばれた状態で予備電源装置として利用可能である。第2予備電源装置320は、例えば、ユーザが所有する各種の電子機器(スマートフォンやタブレット端末、ノート型パソコン、ラジオ、携帯テレビなど)の充電などに利用される。
なお、第2予備電源装置320は、冷蔵庫本体100から分離して使用されない場合、第1予備電源装置310とともに冷蔵庫本体100に電力を供給可能である。すなわち、第2予備電源装置320は、例えば、停電時の冷蔵庫本体100の運転継続可能時間を長くしたい場合、第1予備電源装置310とともに冷蔵庫本体100と一体に残される(防災ユニット200のケース210の内部に残される)ことで、第1予備電源装置310とともに冷蔵庫1の冷却機能の維持に必要な電力を冷蔵庫本体100に供給可能である。
詳しく述べると、第2予備電源装置320は、例えば、第2予備電源ケース321、バッテリユニット322、端子部323、取っ手324、表示装置325、複数のコネクタ326、電源回路部327、電圧センサVS2(図6参照)、電流センサIS2(図6参照)、および第2予備電源制御部328を有する。
第2予備電源ケース321は、例えば箱状に形成されている。第2予備電源ケース321は、第1端部321aと、第2端部321bとを有する。第1端部321aは、第1予備電源装置310に面する端部である。第2端部321bは、第1端部321aとは反対側に位置し、冷蔵庫1の前方に向けて配置される端部である。第2予備電源ケース321の内部には、バッテリユニット322が収容されている。バッテリリユニット322は、1つ以上の二次電池を含む。
端子部323は、第2予備電源ケース321の第1端部321aに設けられている。端子部323は、第1予備電源装置310と第2予備電源装置320とを接続するための端子部であり、第1予備電源装置310の第2端子部314と着脱可能に接続される。第2予備電源装置320は、第1予備電源装置310と接続されることで、第1予備電源装置310、本体コネクタ330、電源回路部350、および電気接続部材403を介して冷蔵庫本体100に電気的に接続される。これにより、第2予備電源装置320のバッテリユニット322は、冷蔵庫本体100から電力が供給されて充電可能になる。第2予備電源装置320のバッテリユニット322は、例えば、第1予備電源装置310のバッテリユニット312に対して電気的に並列に接続される。これに代えて、第2予備電源装置320のバッテリユニット322は、第1予備電源装置310のバッテリユニット312に対して電気的に直列に接続されてもよい。
取っ手324は、第2予備電源ケース321の第2端部321bに設けられている。取っ手324は、第2予備電源装置320を防災ユニット200のケース210から取り出す場合や、第2予備電源装置320を持ち運ぶ場合に、ユーザが手を掛ける部分である。取っ手324は、第2予備電源装置320が防災ユニット200のケース210に収容された状態で、ケース210の開口210aに対して予備電源装置本体300Uのなかで最も近くに位置する。取っ手324は、防災ユニット200の前面カバー220が開かれた場合、ケース210の開口210aを通じて、冷蔵庫1の前方に向けてケース210の外部に露出される。
表示装置325は、第2予備電源ケース321の第2端部321bに設けられている。表示装置325は、液晶ディスプレイや有機ELディスプレイなどであり、画像や文字を表示可能な表示画面(表示領域)D4を有する。なお、表示装置325は、異常の有無や充電の要否を色や点滅状態で示すLED素子などでもよい。
複数のコネクタ(電力供給部)326は、第2予備電源ケース321の第2端部321bに設けられている。複数のコネクタ326は、電力を必要とする各種機器が接続される接続部である。コネクタ326に接続された機器には、第2予備電源装置320のバッテリユニット322から電力が供給される。複数のコネクタ326は、例えば、USB(Universal Serial Bus)ポート、各種規格に対応したコンセント、およびシガーライターなどを含む。ただし、コネクタ326は、上記例に限定されず、microUSBや他の形式に対応したコネクタなどでもよい。
第2予備電源装置320の電源回路部327は、例えば1つ以上の電源回路基板によって実現され、第2予備電源ケース321の内部に収容されている。電源回路部327は、バッテリユニット322から出力される電力を所望の電圧の電力に変換して各コネクタ326に供給する。電源回路部327は、1つ以上のコネクタ326が交流電力に対応する場合、DC−ACコンバータを含む。
電圧センサVS2は、バッテリユニット322の端子電圧の電圧値を検出する。電流センサIS2は、バッテリユニット322に充電される、またはバッテリユニット322から放電される電流の電流値を検出する。電圧センサVS2および電流センサIS2の検出結果は、第2予備電源制御部328に出力される。また、電圧センサVS2および電流センサIS2の検出結果は、例えば端子部323,313,314および本体コネクタ330を介して予備電源全体制御部360に出力される。
第2予備電源制御部328は、例えば、1つ以上の制御基板により実現され、第2予備電源ケース321の内部に収容されている。なお、電源回路部327と第2予備電源制御部328とは、1つの基板によって実現されてもよい。第2予備電源制御部328は、第2予備電源装置320の全体を制御する。例えば、第2予備電源制御部328は、バッテリユニット322、表示装置325、電源回路部327の動作を制御する。
第2予備電源制御部328は、例えば、端子部323,313,314、および本体コネクタ330を介して予備電源全体制御部360と通信可能である。また、第2予備電源制御部328は、例えば、端子部323,313,314、本体コネクタ330、および電気接続部材403を介して、冷蔵庫本体100の制御部190と通信可能である。ただし、第2予備電源制御部328は、上記に代えて、Bluetooth(登録商標)または別方式の無線通信により予備電源全体制御部360および冷蔵庫本体100の制御部190と通信可能であってもよい。なお、第2予備電源制御部328の機能については、詳しく後述する。
ここで、冷蔵庫本体100において、左右の冷蔵庫扉131A,131Bの幅WA,WBが異なり、左右の冷蔵庫扉131A,131Bの境界は、冷蔵庫本体100の横幅方向の中心に対して左側に偏って位置する。その結果、左右の冷蔵庫扉131A,131Bが閉じられた時に防災ユニット200に加わる衝撃は、防災ユニット200のなかで右側寄り領域よりも左側寄り領域に伝わりやすい。そこで本実施形態では、第2予備電源装置320の電源回路部327および第2予備電源制御部328は、第2予備電源ケース321のなかで、第2予備電源ケース321の中心に対して右側に偏って配置されている。これにより、冷蔵庫扉131A,131Bが閉じられる時に防災ユニット200に加わる衝撃は、電源回路部327および第2予備電源制御部328には伝わりにくい。
[4.2.4 第1予備電源装置および第2予備電源装置の配置]
図9は、図7に示された防災ユニット200のF9―F9線に沿う断面図である。図10は、図7に示された防災ユニット200のF10―F10線に沿う断面図である。
本実施形態では、第2予備電源装置320は、防災ユニット200のケース210の内部で第1予備電源装置310の前方に配置され、第1予備電源装置310と比べてケース210の開口210aの近くに位置する。第2予備電源装置320は、第1予備電源装置310とは干渉せずにケース210の内部からケース210の前方に向けて(すなわち、冷蔵庫1の前方に向けて)取り外し可能である。第2予備電源装置320は、防災ユニット200のケース210が冷蔵庫本体100に固定された状態で、ケース210の内部からケース210の前方に向けて取り出し可能である。
別の観点で見ると、第1予備電源装置310は、第2予備電源装置320よりも大きく、第2予備電源装置320よりも重い。第1予備電源装置310は、防災ユニット200のケース210の内部で第2予備電源装置320よりも後方に配置されている。これにより、予備電源装置本体300Uの重心が後方側に位置しやすくなる。
本実施形態では、第1予備電源装置310と第2予備電源装置320とは、互いに略同じ高さに配置され、冷蔵庫1の前後方向に並べて配置されている。これにより、第1予備電源装置310と第2予備電源装置320とうちいずれか一方が高い位置に配置される場合と比べて、予備電源装置本体300Uの重心位置を低くすることができる。なお、第1予備電源装置310と第2予備電源装置320とが上下に配置される場合は、第1予備電源装置310は、防災ユニット200のケース210の内部で第2予備電源装置320よりも下方に配置される。これにより、予備電源装置本体300Uの重心位置を低くすることができる。
[4.2.5 予備電源装置のその他の構成]
次に、本体コネクタ330について説明する。
本体コネクタ330は、例えば、予備電源収容室PSの後端部に設けられ、冷蔵庫1の前後方向で予備電源装置本体300Uに面する。本体コネクタ330は、第1予備電源装置310の第1端子部313と着脱可能に接続される端子部331を有する。第1予備電源装置310の第1端子部313は、第1予備電源装置310が本体コネクタ330に向けて押されることで、本体コネクタ330の端子部331と接続される。本体コネクタ330は、予備電源装置300の電源回路部350と電気的に接続されている。
次に、ファン340について説明する。
ファン340は、予備電源収容室PSに設けられている。ここで、ケース210の左右の側壁213,214には、複数の吸気孔411が設けられている。一方で、ケース210の後壁215には、複数の排気孔412が設けられている。吸気孔411および排気孔412は、それぞれ予備電源収容室PSとケース210の外部とを連通させる通気孔である。なお、吸気孔411および排気孔412の配置は、上記例に限らず、それぞれケース210の別の部分に設けられてもよい。
ファン340は、予備電源収容室PSの空気を吸い込み、吸い込んだ空気を排気孔412からケース210の外部に排気する。ファン340が駆動されることで、ケース210の外部の比較的温度が低い空気が吸気孔411から予備電源収容室PSに流入する。予備電源収容室PSに流入した空気は、予備電源装置本体300U、電源回路部350、予備電源全体制御部360などの周囲を流れることで予備電源装置300の熱を奪う。予備電源装置300の熱を奪うことで温度が上昇した空気は、冷却ファン340によりケース210の外部に排気される。これにより、予備電源装置300の放熱が促進される。
ただし、予備電源装置300は、ファン340を有しなくてもよい。ファン340が設けられない場合でも、予備電源収容室PSとケース210の外部とを連通させる通気孔が設けられることで、予備電源装置300の放熱をある程度促進することができる。
次に、電源回路部350について説明する。
電源回路部350は、例えば、1つ以上の電源回路基板によって実現され、予備電源収容室PSの後端部に配置されている。電源回路部350は、電気接続部材403を介して冷蔵庫本体100と電気的に接続されている。電源回路部350には、冷蔵庫本体100から電力が供給される。電源回路部350は、冷蔵庫本体100から供給される電力を予備電源装置300のバッテリユニット312,322に適した電圧の直流電力に変換し、変換した直流電力をバッテリユニット312,322に供給する。これにより、バッテリユニット312,322が充電される。なお、電源回路部350の機能は、冷蔵庫本体100の電源回路部180の一部として設けられてもよい。この場合、予備電源装置300の電源回路部350は、省略されてもよい。
次に、予備電源全体制御部360について説明する。
予備電源全体制御部360は、例えば、1つ以上の制御基板によって実現され、予備電源収容室PSの後端部に配置されている。なお、電源回路部350と予備電源全体制御部360とは、1つの基板によって実現されてもよい。予備電源全体制御部360は、予備電源装置300の全体を制御する。例えば、予備電源全体制御部360は、ファン340および電源回路部350の動作を制御する。予備電源全体制御部360は、電気接続部材403を介して、冷蔵庫本体100の制御部190と通信可能である。ただし、予備電源全体制御部360は、上記に代えて、Bluetoothまたは別方式の無線通信により冷蔵庫本体100の制御部190と通信可能であってもよい。なお、予備電源全体制御部360の機能については、詳しく後述する。
電源回路部350および予備電源全体制御部360は、予備電源収容室PSのなかで、予備電源収容室PSの中心に対して右側に偏って配置されている。これにより、冷蔵庫扉131A,131Bが閉じる時に防災ユニット200に加わる衝撃は、電源回路部350および予備電源全体制御部360に伝わりにくい。
記憶部370は、例えば、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory)またはROM(read-only memory)により構成されている。なお、記憶部370に記憶される情報については、詳しく後述する。
[4.2.6 予備電源装置および防災ユニットの重心位置]
次に、図3を参照し、予備電源装置300および防災ユニット200の重心位置について説明する。予備電源装置300の重心位置G3と防災ユニット200の重心位置G2とのうち少なくとも一方は、冷蔵庫本体100の複数の扉130の全てが全開位置にある状態で、冷蔵庫本体100の重心位置G1よりも後方に位置する。このような構成によれば、地震により冷蔵庫1が揺れた場合でも、防災ユニット200が設けられた冷蔵庫1が前方に転倒しにくくなる。
本実施形態では、予備電源装置300の重心位置G3と防災ユニット200の重心位置G2とのうち少なくとも一方は、冷蔵庫本体100の複数の扉103の全てが全閉位置にある状態でも、冷蔵庫本体100の重心位置G1よりも後方に位置する。このような構成によれば、地震により冷蔵庫1が揺れた場合でも、冷蔵庫1の安定性が増し、冷蔵庫1が前方に転倒しにくくなる。
別観点で見ると、図9に示すように、予備電源装置300の前後方向の寸法上の中心位置(例えば、予備電源装置本体300Uの前後方向の寸法上の中心位置)C3は、冷蔵庫本体100の前後方向の寸法上の中心位置C1よりも後方に位置する。また、防災ユニット200の前後方向の寸法上の中心位置C2は、冷蔵庫本体100の前後方向の寸法上の中心位置C1よりも後方に位置する。
また異なる別観点で見ると、予備電源装置300の後端(例えば予備電源装置本体300Uの後端)と、冷蔵庫本体100の後端との間の前後方向の距離L3aは、予備電源装置300の前端(例えば予備電源装置本体300Uの前端)と、冷蔵庫本体100の前端との間の前後方向の距離L3bよりも小さい。また、防災ユニット200の後端(例えばケース210の後端)と、冷蔵庫本体100の後端との間の前後方向の距離L2aは、防災ユニット200の前端(例えば前面カバー220の前端)と、冷蔵庫本体100の前端との間の前後方向の距離L2bよりも小さい。
図11は、水平面に対して前方に所定角度α(例えば8度)だけ傾いた冷蔵庫1を示す側面図である。予備電源装置300の重心位置G3と防災ユニット200の重心位置G2とのうち少なくとも一方は、冷蔵庫本体100の複数の扉130の全てが全開位置にあり、且つ、冷蔵庫1が前方に所定角度α(例えば8度)だけ傾いた状態で、冷蔵庫本体100の重心位置G1よりも後方に位置する。このような構成によれば、地震により冷蔵庫1が比較的大きく揺れた場合でも、冷蔵庫1が前方に転倒しにくくなる。
本実施形態では、予備電源装置300の重心位置G3と防災ユニット200の重心位置G2とのうち少なくとも一方は、冷蔵庫本体100の複数の扉130の全てが全閉位置にあり、且つ、冷蔵庫1が前方に所定角度α(例えば8度)だけ傾いた状態でも、冷蔵庫本体100の重心位置G1よりも後方に位置する。このような構成によれば、冷蔵庫1の安定性が増し、冷蔵庫1が前方に転倒しにくくなる。
また別の観点では、予備電源装置300の重心位置G3(または防災ユニット200の重心位置G2)は、冷蔵庫1が前方に所定角度α(例えば8度)だけ傾いた状態でも、冷蔵庫本体100の前脚部118よりも後方に位置する。このような構成によれば、防災ユニット200の重量は、冷蔵庫1の傾きを元に戻す方向に作用する。これにより、冷蔵庫1が前方に転倒しにくくなる。
次に、防災ユニット200の残りの構成について説明する。
[4.3 緩衝部材および支持表面形成部材]
図7を参照し、緩衝部材240および支持面形成部材250について説明する。
本実施形態では、ケース210の支持部401と予備電源装置300との間には、緩衝部材240と支持面形成部材250とが設けられている。
緩衝部材240は、ケース210の支持部401と予備電源装置本体300Uとの間に配置されている。緩衝部材240は、ゴムまたはばねのような弾性体で形成され、弾性変形可能である。予備電源装置本体300Uは、緩衝部材240を介してケース210の支持部401に支持されている。緩衝部材240が設けられることで、冷蔵庫本体100の振動(例えば冷蔵庫本体100の圧縮機145の振動)が予備電源装置本体300Uに伝わることが抑制される。なお、緩衝部材240は、上記例に代えて、後述する脚部280に設けられてもよい。すなわち、脚部280の一部が緩衝部材240によって形成されてもよい。
支持面形成部材250は、緩衝部材240と予備電源装置本体300Uとの間に配置されている。支持面形成部材250は、緩衝部材240と比べて摩擦係数が小さい部材で形成されている。支持面形成部材250は、例えば金属板であり、緩衝部材240の上面の全面に貼り付けられている。予備電源装置本体300U(第1および第2の予備電源装置310,320)は、支持面形成部材250の上を略水平方向に滑らせることでケース210内への挿入やケース210の外部への取り出しが行われる。これにより、災害の発生時における第2予備電源装置320の取り出しや、経年劣化による交換時における第1予備電源装置310の取り出しをスムーズに行うことができる。
[4.4 液漏れ受け部]
次に、図7を参照し、液漏れ受け部260について説明する。
本実施形態では、予備電源装置300の下方に液漏れ受け部260が設けられている。液漏れ受け部260は、例えば、予備電源収容室PSにおいて予備電源装置本体300Uの下方に配置されている。液漏れ受け部260は、地震の揺れなどに起因してバッテリユニット312,322が万が一に破損して液体が漏れる場合に、その液体を受けて貯留する。本実施形態では、液漏れ受け部260は、予備電源装置300を支持するケース210の一対の支持部401の間に設けられている。液漏れ受け部260は、例えばオイルパンであるが、これに限定されない。例えば、液漏れ受け部260は、ケース210の前端部に設けられて、漏れた液体がケース210の開口210aからケース210の外部に流出することを防止するリブ265(図10参照)などでもよい。
[4.5 予備電源固定部]
次に、図9を参照し、予備電源固定部270について説明する。
本実施形態では、予備電源装置300を固定するために予備電源固定部270が設けられている。予備電源固定部270は、例えば、第1予備電源装置310を固定する一対の第1電源固定部271と、第2予備電源装置320を固定する一対の第2電源固定部272とを含む。
一対の第1電源固定部271は、冷蔵庫1の横幅方向に沿って、互いに近付く方向と、互いに離れる方向とに移動可能である。一対の第1電源固定部271は、第1予備電源装置310がケース210に収容された後に、互いに近付く方向に移動される。これにより、第1電源固定部271と本体コネクタ330との間に第1予備電源装置310が挟まり、第1予備電源装置310の位置が固定される。一対の第1電源固定部271は、不図示の解除ボタンが操作されることで、互いに離れる方向に移動される。これにより、第1予備電源装置310を取り外すことができる。
同様に、一対の第2電源固定部272は、冷蔵庫1の横幅方向に沿って、互いに近付く方向と、互いに離れる方向とに移動可能である。一対の第2電源固定部272は、第2予備電源装置320がケース210に収容された後に、互いに近付く方向に移動される。これにより、第2電源固定部272と第1予備電源装置310との間に第2予備電源装置320が挟まり、第2予備電源装置320の位置が固定される。一対の第2電源固定部272は、不図示の解除ボタンが操作されることで、互いに離れる方向に移動される。これにより、第2予備電源装置320を取り外すことができる。
[4.6 脚部に関連する構成]
次に、図7を参照し、脚部280に関連する構成について説明する。
一対の脚部280は、例えば、防災ユニット200のケース210の底壁212の下面に設けられ、ケース210の前後方向に延びている。脚部280は、冷蔵庫本体100の天井壁111の上に載せられる。脚部280が設けられることで、防災ユニット200のケース210の底壁212と冷蔵庫本体100の天井壁111との間に隙間S2が形成されている。これにより、天井壁111の一部が放熱パイプ146の影響で熱くなる場合であっても、その熱が防災ユニット200に伝わることが抑制される。
図12は、本実施形態の冷蔵庫本体100を示す平面図である。冷蔵庫本体100の天井壁111は、天井壁111の上面に設けられたガイド部材420を有する。ガイド部材420は、防災ユニット200の脚部280を天井壁111の後端部に向けて案内する。ガイド部材420は、例えば、防災ユニット200の脚部280を挟むように起立した一対の起立部421を含む。防災ユニット200の脚部280は、一対の起立部421により案内されることで、冷蔵庫1の横幅方向の位置がずれることなく、天井壁111の後端部に向けて案内される。
本実施形態では、冷蔵庫本体100と防災ユニット200とは、互いに分離された状態で家庭内の設置場所に搬入される。そして、冷蔵庫本体100に対する防災ユニット200の設置は、家庭内の設置場所に冷蔵庫本体100が設置された後に行われる。例えば、冷蔵庫本体100に対する防災ユニット200の設置は、先に設置された冷蔵庫本体100の天井壁111の前端部に防災ユニット200の脚部280を載せることから始まる。そして、防災ユニット200の脚部280をガイド部材420に案内させながら冷蔵庫本体100の天井壁111の上面に沿って滑らせる。これにより、防災ユニット200の重量が比較的重い場合であっても、防災ユニット200を備える冷蔵庫1を比較的容易に設置することができる。
[4.7 ケース固定部]
次に、図9を参照し、ケース固定部290について説明する。
ケース固定部290は、一対の第1ケース固定部291と、一対の第2ケース固定部292とを有する。一対の第1ケース固定部291は、例えば、ケース210の前端部に設けられている。第1ケース固定部291は、ケース210に固定された第1部分291aと、冷蔵庫本体100の天井壁111に沿う第2部分291bとを有する。第2部分291bは、ねじ挿通穴293を有する(図7参照)。ねじ挿通穴293は、冷蔵庫本体100の天井壁111に設けられたねじ穴294(例えば、補強部材111bに設けられたねじ穴294)に面する。ねじ挿通穴293に通された締結部材(ボルトやねじなど)295がねじ穴294に係合することで、ケース210の前端部が冷蔵庫本体100の天井壁111に固定される。
一対の第2ケース固定部292は、例えば、ケース210の後端部に設けられている。第2ケース固定部292は、ケース210に固定された第1部分292aと、冷蔵庫本体100の天井壁111に沿う第2部分292bとを有する。第2部分292bは、係合穴296を有する。天井壁111は、係合穴296に着脱可能に係合する係合部297を有する。
図13は、係合部297の動きを示す断面図である。係合部297は、例えば、前端部から後端部に向かうに従い高さが高くなる傾斜部を有する。係合部297の後端部は、略鉛直方向に延びている。係合部297は、天井壁111の上面に対して上下方向に揺動可能に設けられており、防災ユニット200が係合部297に乗り上げた場合に、天井壁111の内部に向けて沈むことで防災ユニット200の通過を許容する。一方で、係合部297が係合穴296に係合した場合、防災ユニット200は、係合部297の後端部によって支持され、前方に向けては移動できなくなる。これにより、防災ユニット200の後端部が固定される。係合部297は、不図示の解除ボタンが操作されることで下方に移動される。これにより、冷蔵庫本体100の天井壁111から防災ユニット200を取り外すことができる。
[5.制御部]
次に、冷蔵庫本体100の制御部190、防災ユニット200の予備電源全体制御部360、および防災ユニット200の第2予備電源制御部328について説明する。本実施形態では、冷蔵庫本体100の制御部190、予備電源全体制御部360、および第2予備電源制御部328を纏めて、冷蔵庫1の制御部500と称する。
図14は、冷蔵庫1の制御部500の構成を示すブロック図である。ここで、以下に説明する各機能部の全部または一部は、CPU(Central Processing Unit)またはGPU(Graphics Processing Unit)などのハードウェアプロセッサが記憶部に格納されたプログラム(ソフトウェア)を実行することにより実現される。ただし、これらの機能部のうち一部または全部は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やPLD(Programmable Logic Device)、FPGA(Field Programmable Gate Array)などのハードウェア(回路部;circuitryを含む)によって実現されてもよいし、ソフトウェアとハードウェアとの協働によって実現されてもよい。
[5.1 冷蔵庫本体の制御部]
まず、冷蔵庫本体100の制御部190について説明する。
冷蔵庫本体100の制御部190は、例えば、災害検出部511、冷却ユニット制御部512、充放電制御部513、情報取得部514、情報生成部515、および表示制御部516を有する。ただし、これら機能部の一部は、冷蔵庫本体100に代えて、予備電源全体制御部360または第2予備電源制御部328の一部として設けられてもよい。
災害検出部511は、ネットワークNWを介して受信する災害情報と、加速度センサASの検出結果とのうち少なくとも一方に基づき、災害(例えば地震)の発生を検出する。災害検出部511は、災害の発生が検出された場合、災害の発生を示す所定の信号を予備電源全体制御部360および第2予備電源制御部328に送信する。また、災害検出部511は、ネットワークNWを介して受信する災害情報に基づいて災害(例えば大雨)の発生が迫っていることを検出し、災害の発生が迫っていることが検出された場合、上記所定の信号を予備電源全体制御部360および第2予備電源制御部328に送信する。以下では、説明の便宜上、「災害が実際に発生した場合」と「災害の発生が迫っている場合(災害が発生する可能性が高い場合)」とを纏めて「災害の発生」と称する。
冷却ユニット制御部512は、冷蔵室用ファン143、冷凍室用ファン144、および圧縮機145などの駆動を制御する。例えば、冷却ユニット制御部512は、災害検出部511により災害の発生が検出された場合、冷却ユニット140の消費電力を抑える低電力モードに移行する。
充放電制御部513は、通常時(非災害時)には、商用電源Pから冷蔵庫本体100に供給される電力を用いて、予備電源装置300のバッテリユニット312,322を充電状態に維持する。一方で、充放電制御部513は、停電時には、少なくとも第1予備電源装置310のバッテリユニット312を放電させ、放電させることで得られる電力を用いて冷却ユニット140を駆動させる。このとき、充放電制御部513は、冷蔵庫本体100に第2予備電源装置320のバッテリユニット322からも電力を供給させる指示を示すユーザの操作が冷蔵庫本体100の操作部160または端末装置2により受け付けられた場合、第1予備電源装置310のバッテリユニット312に加えて、第2予備電源装置320のバッテリユニット322も放電させ、放電させることで得られる電力を用いて冷却ユニット140を駆動させる。
また、充放電制御部513は、第2予備電源装置320がポータブル電源として使用されて残容量が低下した後に第1予備電源装置310と電気的に接続された場合、第1予備電源装置310のバッテリユニット312から放電される電力を用いて第2予備電源装置320のバッテリユニット322を充電してもよい。
情報取得部514は、予備電源装置300の異常の有無、予備電源装置300のバッテリユニット312,322の劣化状態、および予備電源装置300のバッテリユニット312,322の残容量を示す情報を、予備電源全体制御部360から取得する。例えば、情報取得部514は、通常時には、所定の周期(例えば1ヶ月に1回)で、上記情報を予備電源全体制御部360から取得する。一方で、情報取得部514は、災害検出部511により災害の発生が検出された場合、予備電源装置300の異常の有無、および予備電源装置300のバッテリユニット312,322の残容量を示す情報予備電源全体制御部360から取得する。
情報生成部515は、情報取得部514により取得された情報に基づき、冷蔵庫本体100の表示装置150の表示画面D2、端末装置2の表示装置2aの表示画面D1、予備電源装置300の表示装置325の表示画面D4、および防災ユニット200の前面カバー220の表示領域D3のうち少なくとも1つ(以下、「表示領域D」と称する)に表示させる情報を生成する。例えば、情報生成部515は、予備電源装置310,320の異常の有無を示す情報、予備電源装置310,320のバッテリユニット312,322の劣化状態に関する情報、および、予備電源装置310,320のバッテリユニット312,322の残容量に関する情報のうち少なくとも1つを、表示領域Dに表示させる情報として生成する。
ここで、「バッテリユニット312,322の劣化状態に関する情報」は、例えば、予備電源装置310,320のバッテリユニット312,322の交換目安時期と、バッテリユニット312,322の交換の要否とのうち少なくとも一方を示す情報を含む。「バッテリユニット312,322の残容量に関する情報」は、例えば、第1予備電源装置310から供給される電力で冷蔵庫本体100が運転される場合における冷蔵庫本体100の運転継続可能時間(どのくらいの期間、運転を継続することができるか)と、第2予備電源装置320から供給される電力で端末装置2または別の端末装置が充電される場合における充電可能回数を示す情報とのうち少なくとも一方を含む。また、「バッテリユニット312,322の残容量に関する情報」は、第1予備電源装置310および第2予備電源装置320の両方から供給される電力で冷蔵庫本体100が運転される場合における冷蔵庫本体100の運転継続可能時間を示す情報を含んでもよい。
情報生成部515は、通常時には、上記所定の周期で、予備電源装置310,320の異常の有無、予備電源装置310,320のバッテリユニット312,322の劣化状態を示す情報、および予備電源装置310,320のバッテリユニット312,322の残容量を示す情報を、表示領域Dに表示させる情報として生成する。一方で、情報生成部515は、災害検出部511により災害の発生が検出された場合、予備電源装置310,320の異常の有無、および、予備電源装置310,320のバッテリユニット312,322の残容量を示す情報を、表示領域Dに表示させる情報として生成する。
表示制御部516は、表示領域Dに表示させる情報が情報生成部515により生成された場合、その情報を冷蔵庫本体100の表示装置150、端末装置2の表示装置2a、第2予備電源装置320の表示装置325、および防災ユニット200の前面カバー220の背後に設けられる表示装置に送信し、その情報を表示領域Dに表示させる。
[5.2 防災ユニットの予備電源全体制御部]
次に、予備電源装置300の予備電源全体制御部360について説明する。
予備電源全体制御部360は、例えば、異常検出部521、劣化検出部522、および残容量検出部523を有する。ただし、これら機能部の一部は、予備電源装置300に代えて、冷蔵庫本体100の制御部190または第2予備電源制御部328の一部として設けられてもよい。
異常検出部521は、例えば、予備電源装置310,320のバッテリユニット312,322の試験放電を行い、電圧センサVS1,VS2および電流センサIS1,IS2の検出結果に基づき、予備電源装置310,320の異常の有無を検出する。異常検出部521の検出結果は、冷蔵庫本体100の制御部190および第2予備電源制御部328に送信される。
劣化検出部522は、予備電源装置310,320のバッテリユニット312,322の試験放電が行われる場合に、電圧センサVS1,VS2および電流センサIS1,IS2の検出結果に基づき、バッテリユニット312,322の劣化状態を検出する。ここで、予備電源装置300の記憶部370には、バッテリユニット312,322の劣化特性(例えば、放電量の積算値と端子電圧の電圧降下量との組み合わせと劣化度合いとの関係)を示す情報が記憶されている。劣化検出部522は、上記試験放電において検出されたバッテリユニット312,322からの放電量の積算値と、バッテリユニット312,322の端子電圧の電圧降下量と、記憶部370に記憶された劣化特性を示す情報とに基づき、バッテリユニット312,322の劣化状態を検出する。ただし、劣化状態の検出方法は、上記例に限定されず、既知の種々の方法が利用可能である。劣化検出部522の検出結果は、冷蔵庫本体100の制御部190および第2予備電源制御部328に送信される。
残容量検出部523は、電圧センサVS1,VS2により検出された予備電源装置310,320のバッテリユニット312,322の端子電圧の検出結果に基づき、バッテリユニット312,322の残容量を検出する。ただし、残容量の検出方法は、上記例に限定されず、既知の種々の方法が利用可能である。残容量検出部523の検出結果は、冷蔵庫本体100の制御部190および第2予備電源制御部328に送信される。
異常検出部521、劣化検出部522、および残容量検出部523は、通常時には、上記所定の周期でバッテリユニット312,322の試験放電などを行い、バッテリユニット312,322の異常の有無や劣化状態、バッテリユニット312,322の残容量を検出する。一方で、異常検出部521および残容量検出部523は、災害の発生を示す所定の信号を冷蔵庫本体100の災害検出部511から受信した場合に、例えば、バッテリユニット312,322の端子電圧の変化の有無などに基づき、バッテリユニット312,322の異常の有無およびバッテリユニット312,322の残容量を検出し、それら検出結果を冷蔵庫本体100の制御部190および第2予備電源制御部328に送信する。例えば、異常検出部521は、地震の発生を示す所定の信号を冷蔵庫本体100の災害検出部511から受信した場合、地震発生後(加速度センサASによる検出結果が閾値以内に収まった後)にバッテリユニット312,322の異常の有無を検出し、その検出結果を冷蔵庫本体100の制御部190および第2予備電源制御部328に送信する。
[5.3 防災ユニットの第2予備電源制御部]
次に、防災ユニット200の第2予備電源制御部328について説明する。
第2予備電源制御部328は、例えば、放電制御部531、残容量検出部532、情報生成部533、および表示制御部534を有する。ただし、これら機能部の一部は、第2予備電源装置320に代えて、冷蔵庫本体100の制御部190または予備電源全体制御部360の一部として設けられてもよい。
放電制御部531は、第2予備電源装置320がポータブル電源として使用され、コネクタ326に電力供給対象の機器が接続された場合に、第2予備電源装置320のバッテリユニット322を放電させ、放電させることで得られる電力をその機器に供給する。
残容量検出部532は、例えば第2予備電源装置320がポータブル電源として使用される場合に、電圧センサVS2により検出された第2予備電源装置320のバッテリユニット322の端子電圧の検出結果に基づき、バッテリユニット322の残容量を検出する。ただし、残容量の検出方法は、上記例に限定されず、既知の種々の方法が利用可能である。
情報生成部533は、例えば第2予備電源装置320がポータブル電源として使用される場合に、残容量検出部532の検出結果などに基づき、第2予備電源装置320の表示画面D4に表示させる情報を生成する。
表示制御部534は、表示画面D4に表示させる情報が情報生成部533により生成された場合、その情報を表示装置325に送信し、その情報を表示画面D4に表示させる。また、表示制御部534は、表示画面D4に表示させる情報を冷蔵庫本体100の制御部190または予備電源全体制御部360から受信した、その情報を表示装置325に送信し、その情報を表示画面D4に表示させる。
以上の構成によれば、ユーザの利便性の向上を図ることができる。すなわち、本実施形態では、冷蔵庫本体100の上方に配置される防災ユニット200のケース210が配置され、このケース210の内部には予備電源装置300が収容されている。このような構成によれば、デッドスペースになりやすい冷蔵庫本体100の上方の空間を利用して、災害の発生時に電気を確保することができる。
本実施形態では、予備電源装置300は、停電時に冷蔵庫本体100に電力を供給する第1予備電源装置310を有する。このような構成によれば、停電が生じた場合でも冷蔵庫本体100の運転を継続させることができ、復旧が進むまでの数日間の食糧を確保しやすくなる。また、本実施形態では、予備電源装置300は、ポータブル電源として使用可能な第2予備電源装置320を含む。このような構成によれば、家庭内の所望の場所や避難所などで第2予備電源装置320を使用することができる。
本実施形態では、第2予備電源装置320は、第1予備電源装置310と接続されることで、第1予備電源装置310を介して冷蔵庫本体100から電力が供給されて充電可能である。このような構成によれば、本体コネクタ330に第2予備電源装置320用の電気接続部を設ける場合と比べて、第2予備電源装置320を第1予備電源装置310の前方に配置しやすくなる。第1予備電源装置310の前方に第2予備電源装置320が配置されると、第2予備電源装置320の取り出しやすさが向上する。
本実施形態では、第1予備電源装置310は、第2予備電源装置320と比べて重いとともに、第2予備電源装置320よりも後方または第2予備電源装置320よりも下方に配置されている。このような構成によれば、防災ユニット200の重心が後方または下方になりやすく、防災ユニット200を備える冷蔵庫1が安定しやすくなる。
次に、第1の実施形態のいくつかの変形例について説明する。なお、各変形例において、以下に説明する以外の構成は、第1の実施形態の構成と同様である。
(第1変形例)
図15は、第1変形例の冷蔵庫1を一部断面で示す側面図である。ここで、冷蔵庫1は、家屋の壁Wに沿って配置される場合が多い。冷蔵庫本体100の底部の機械室には、圧縮機145の放熱を促進するための不図示のファンが設けられている。このファンにより送風された空気は、冷蔵庫本体100の後壁115と壁Wとの間の隙間を煙突効果で上昇する。すなわち、ファンにより送風された空気は、冷蔵庫本体100の後壁115に沿って上昇する。
図16は、本変形例の防災ユニット200を示す断面図である。本変形例では、複数の吸気孔411は、ケース210の後壁215に設けられている。一方で、複数の排気孔412は、ケース210の左右の側壁213,214に設けられている。
本変形例では、防災ユニット200は、例えばケース210の後壁215に設けられ、冷蔵庫本体100の後壁115に沿って上昇した空気の少なくとも一部をケース210の吸気孔411に向けて案内する案内部材601を有する。案内部材601は、例えば、吸気孔411の僅かに上方に設けられている。案内部材601は、ケース210の後方に突出し、冷蔵庫本体100の後壁115と壁Wとの間の隙間の上方に位置する。冷蔵庫本体100の後壁115に沿って上昇した空気は、案内部材601にぶつかり流れ方向が変わることで吸気孔411に案内され、吸気孔411から予備電源収容室PSに導かれる。本変形例では、ファン340は、設けられてもよく、省略されてもよい。
このような構成によれば、案内部材601が設けられることで、冷蔵庫本体100の後壁115に沿って煙突効果で上昇した空気の少なくとも一部をケース210の内部に効率的に取り込むことができる。これにより、予備電源装置300の放熱性の向上を図ることができる。
また、本変形例においてファン340が設けられた場合、ファン340が駆動されて吸気孔411から空気が取り入れられることで、冷蔵庫本体100の後壁115と壁Wとの間の隙間の空気をケース210の内部に積極的に導くことができる。冷蔵庫本体100の後壁115と壁Wとの間の隙間の空気をケース210の内部に積極的に導くことができると、冷蔵庫本体100の後壁115と壁Wとの間の隙間で空気が滞留しにくくなり、冷蔵庫本体100の後壁115に設けられた放熱パイプ146の放熱を促進することができる。これにより、冷蔵庫本体100の放熱性を高めることができる。
(第2変形例)
図17は、第2変形例の防災ユニット200を示す断面図である。本変形例では、防災ユニット200のケース210の後壁115の外表面にエンボス加工が施されている。すなわち、ケース210の後壁115の外表面は、複数の凹部605と複数の凸部606とを有する。凹部605と凸部606は、鉛直方向に互いに交互に配置されている。
このような構成によれば、冷蔵庫本体100の後壁115に沿って上昇する空気の一部が乱流状態になりやすく、防災ユニット200のケース210の後壁215と壁Wとの間の隙間を空気がスムーズに通過して上方に抜けやすくなる。これにより、冷蔵庫1の周囲の空気の循環性を高めることができ、冷蔵庫1の放熱性の向上を図ることができる。
(第3変形例)
図18は、第3変形例の冷蔵庫1を示す断面図である。本変形例では、冷蔵庫本体100の天井壁111は、第1領域R1と、第2領域R2とを有する。第1領域R1は、予備電源装置300の下方(予備電源収容室PSの下方)に位置する。第2領域R2は、第1領域R1を外れた場所に位置する。すなわち、第2領域R2は、予備電源装置300と鉛直方向で重ならない。
本変形例では、天井壁111の第1領域R1の少なくとも一部の断熱材110cの厚さT1は、天井壁111の第2領域R2の断熱材110cの厚さT2よりも薄い。例えば、断熱材110cは、第1領域R1のなかで、防災ユニット200の一対の脚部280の間の領域で薄くなっている。また本変形例では、少なくとも断熱材110cが薄くなっている領域では、真空断熱材111aが設けられていない。
このような構成によれば、冷蔵庫本体100の天井壁111の上面が貯蔵室120の冷気によって冷却されやすく、天井壁111の上面の温度が上昇しにくい。このため、冷蔵庫本体100の天井壁111と防災ユニット200との間の隙間S2の空気の温度が上昇しにくい。その結果、予備電源装置300の放熱性の向上を図ることができる。
(第4変形例)
図19は、第4変形例の冷蔵庫1を示す断面図である。本変形例では、天井壁111の第1領域R1の少なくとも一部の断熱材110cの厚さT1(真空断熱材111aを上下に挟むように断熱材110cが存在する場合は、真空断熱材111aの上側の断熱材110cの厚さt1と真空断熱材111aの下側の断熱材110cの厚さt2の合計)は、天井壁111の第2領域R2の断熱材110cの厚さT2よりも厚い。例えば、断熱材110cは、冷蔵庫1の横幅方向において、防災ユニット200の一対の脚部280の間の領域よりも大きな領域で厚くなっている。
このような構成によれば、予備電源装置300が発熱する場合に、予備電源装置300の熱が貯蔵室120の内部に伝わることが抑制される。これにより、貯蔵室120内の温度上昇を抑制することができる。
(第5変形例)
図20は、第5変形例の冷蔵庫1を示す断面図である。本変形例では、防災ユニット200のケース210の底壁212は、断熱性を持つ。言い換えると、ケース210は、予備電源収容室PSと冷蔵庫本体100との間に断熱性の壁部(底壁212)を有する。底壁212は、例えば、合成樹脂製の第1部分212aと、断熱性を持つ部材で形成された第2部分212bとを有し、第1部分212aと第2部分212bとは、鉛直方向に重なっている。第2部分212bは、例えば、真空断熱材により形成されている。なお、第2部分212bは、発泡ウレタンのような発泡断熱材により形成されてもよい。
このような構成によれば、予備電源装置300が発熱する場合に、予備電源装置300の熱が貯蔵室120の内部に伝わることが抑制される。これにより、貯蔵室120内の温度上昇を抑制することができる。
(第6変形例)
図21は、第6変形例の冷蔵庫1を示す断面図である。本変形例では、防災ユニット200のケース210の底壁212は、一対の傾斜面611,612を有する。傾斜面611,612の各々は、ケース210の外周側に進むに従い上方に位置する。本変形例では、ケース210の底壁212は、底壁212の中央部に位置した平面613と、平面613の左側に隣接する左傾斜面611と、平面613の右側に隣接する右傾斜面612とを有する。例えば、左傾斜面611の横幅方向の幅W1と右傾斜面612の横幅方向の幅W2の合計は、平面613の横幅方向の幅W3と略同じかそれよりも大きい。
このような構成によれば、防災ユニット200のケース210と冷蔵庫本体100の天井壁111との間の隙間S2に空気は、ケース210の外周側(左側または右側)に抜けやすくなる。これにより、隙間S2に空気が滞留しにくく、隙間S2に比較的冷たい空気が流入しやすくなる。これにより、予備電源装置300の放熱性の向上を図ることができるとともに、貯蔵室120内の温度上昇も抑制することができる。
(第2の実施形態)
次に、第2の実施形態の冷蔵庫1について説明する。本実施形態は、防災ユニット200が防災用品700を収容可能な防災用品収容室GS1,GS2,GS3を有した点で、第1の実施形態とは異なる。なお以下に説明する以外の構成は、第1の実施形態と同様である。
図22は、第2の実施形態の冷蔵庫1を示す正面図である。本実施形態では、防災ユニット200は、第1の実施形態と比べて大型のケース210を有する。ケース210の横幅方向の中心は、冷蔵庫本体100の横幅方向の中心と略一致する。例えば、ケース210は、4つの収容室を有する。
図23は、本実施形態の防災ユニット200を示す断面図である。本実施形態では、ケース210は、予備電源装置300が収容される予備電源収容室PSに加え、第1から第3の防災用品収容室(防災用品収容空間)GS1,GS2,GS3を有する。防災用品収容室GS1,GS2,GS3と予備電源収容室PSとを含む4つの収容室は、ケース210の内部に設けられた仕切り壁217によって互いに仕切られている。例えば、仕切り壁217は、合成樹脂製であり、電気絶縁性を有する。これにより、例えば地震の揺れにより万が一に予備電源装置300が破損した場合であっても、防災用品収容室GS1,GS2,GS3の内部の電気的な安全性がより確実に確保されている。
図24は、図23中に示された防災ユニット200のF24−F24線に沿う断面図である。図25は、図23中に示された防災ユニット200のF25−F25線に沿う断面図である。第1から第3の防災用品収容室GS1,GS2,GS3は、例えば、冷蔵庫本体100の前後方向において予備電源収容室PSと略同じ奥行きを有する。
防災用品収容室GS1,GS2,GS3の各々には、防災用品(防災グッズ)700が収容される。防災用品700は、例えば、飲料水のペットボトル、長期保存可能な食糧(乾パン、缶詰、レトルト食品、インスタント食品、飴やチョコレートなど)、給水用ポリタンク、カセットコンロ・ボンベ、携帯ラジオ、ヘルメット、防災ずきん、厚手の手袋、懐中電灯、万能ナイフ、マスク、ティッシュペーパー、ウェットティッシュ、簡易トイレ、救急用品セット、薬、携帯カイロ、ライター・マッチ、ロウソクなどであるが、これらに限らない。これらの一部または全部は、非常持ち出し品袋に入れられた状態で、防災用品収容室GS1,GS2,GS3に収容されている。
次に、図23に戻り、3つの防災用品収容室GS1,GS2,GS3と、予備電源収容室PSとの配置関係について説明する。本実施形態では、第1および第2の防災用品収容室GS1,GS2は、予備電源収容室PSの左方に配置されている。第1防災用品収容室GS1と予備電源収容室PSとは、略同じ高さ位置に配置されている。第2防災用品収容室GS2は、第1防災用品収容室GS1の上方に配置され、予備電源収容室PSよりも高い位置に配置されている。第3防災用品収容室GS3は、予備電源収容室PSの上方に配置されている。第2防災用品収容室GS2と第3防災用品収容室GS3とは互いに同じ高さに配置されている。
以上の配置を言い換えると、予備電源収容室PSは、第1から第3の防災用品収容室GS1,GS2,GS3と予備電源収容室PSとを含む4つの収容室のなかで、最も下方に位置する。ここで、予備電源装置300の重量は、防災用品700の重量よりも重い。このため、予備電源収容室PSが下方に設けられると、防災ユニット200の重心が低くなり、防災ユニット200が安定しやすくなる。
また、以上の配置を別の観点で見ると、予備電源収容室PSは、ケース210の横幅方向の中心に対して、右側(冷蔵庫本体100の横幅方向の中心に対して左右の冷蔵室扉131A,131Bの境界が偏る側とは反対側)に偏って配置されている。これにより、冷蔵庫扉131A,131Bが閉じられた時に防災ユニット200に加わる衝撃が予備電源装置300に伝わりにくい。本実施形態では、予備電源収容室PSの全体は、左右の冷蔵室扉131A,131Bの境界に対して冷蔵庫1の前後方向で重ならない位置まで、左右の冷蔵室扉131A,131Bの境界に対して右側にずれて配置されている。
このような構成によれば、デッドスペースになりやすい冷蔵庫本体100の上方の空間を利用して、災害の発生時に電気および食料を確保することができる。なお、防災用品収容室は、3つ設けられる必要はなく、1つや2つでもよく、4つ以上でもよい。
(第3の実施形態)
次に、第3の実施形態の冷蔵庫1について説明する。本実施形態は、防災ユニット200が照明装置800を収容可能な照明装置収容室LSを有した点で、第2の実施形態とは異なる。なお以下に説明する以外の構成は、第2の実施形態と同様である。
図26は、第3の実施形態の防災ユニット200を示す断面図である。本実施形態では、ケース210は、予備電源収容室PSと、第1から第3の防災用品収容室GS1,GS2,GS3とに加え、照明装置800が収容される照明装置収容室(照明装置収容空間)LSを有する。
本実施形態では、照明装置収容室LSは、予備電源収容室PSの右方に配置されている。照明装置収容室LSと予備電源収容室PSとは、略同じ高さ位置に配置されている。別の観点で見ると、照明装置収容室LSは、第3防災用品収容室GS3の下方に配置されている。このような構成によれば、照明装置収容室LSが第1防災用品収容室GS1と予備電源収容室PSとの間に配置される場合と比べて、予備電源装置300がケース210の横幅方向の中心近くに配置されやすくなる。これにより、防災ユニット200を備える冷蔵庫1の横幅方向の安定性を高めることができる。
防災用品収容室GS3と照明装置収容室LSとは、ケース210の内部に設けられた仕切り壁217によって互いに仕切られている。一方で、本実施形態では、予備電源収容室PSと照明装置収容室LSとの間には、ケース210に対して着脱可能な仕切り壁218が設けられている。仕切り壁218は、合成樹脂製であり、電気絶縁性を有する。予備電源収容室PSと照明装置収容室LSとの間に仕切り壁218が設けられると、例えば地震の揺れにより万が一に予備電源装置300が破損した場合であっても、照明装置収容室LSの内部の電気的な安全性がより確実に確保される。また、仕切り壁218がケース210から取り外すことができると、第1予備電源装置310が第2予備電源装置320よりも大きい場合でも、第1予備電源装置310をケース210の前方に取り出すことができる。
本実施形態では、照明装置800は、ポータブルライトとして冷蔵庫本体100から分離して使用可能(防災ユニット200のケース210から分離して使用可能)である。すなわち、照明装置800は、冷蔵庫本体100の設置場所とは異なる場所に持ち運んで使用可能である。
図27は、本実施形態の照明装置800を示す斜視図である。照明装置800は、例えば、照明装置ケース801、バッテリ802(図28参照)、端子部803、第1ライト部804、第2ライト部805、取っ手806、および制御部807を有する。
照明装置ケース801は、例えば長細い箱状に形成されている。照明装置ケース801は、第1端部801aと、第2端部801bとを有する。第1端部801aは、第1予備電源装置310に面する端部である(図28参照)。第2端部801bは、第1端部801aとは反対側に位置し、冷蔵庫1の前方に向けて配置される端部である。バッテリ802は、照明装置ケース801の内部に収容されている。
端子部803は、照明装置ケース801の第1端部801aに設けられている。端子部803は、例えば、照明装置800と第1予備電源装置310とを接続するための端子部であり、後述する第1予備電源装置310の第3端子部316と着脱可能に接続される。照明装置800は、第1予備電源装置310と接続されることで、第1予備電源装置310、本体コネクタ330、電源回路部350、および電気接続部材403を介して冷蔵庫本体100に電気的に接続される。これにより、照明装置800のバッテリ802は、冷蔵庫本体100から電力が供給されて充電可能になる。本実施形態では、照明装置800のバッテリ802は、電源回路部350から電力が供給されて充電可能になる。
第1ライト部804は、例えば、照明装置ケース801の第2端部801bに設けられている。第1ライト部804は、非常灯として機能するライト部である。例えば、第1ライト部804は、照明装置ケース801の第2端部801bの端面に設けられ、前方に向けて突出した半球状のレンズ804aを有する。第1ライト部804は、半球状のレンズ804aを有することで、第1ライト部804の前方および周囲に対して放射状に光を放つ。また、第1ライト部804から放射される光の一部は、レンズ804aが半球状に形成されていることで、照明装置ケース801の第2端部801bの端面よりも後方(第1端部801a側)にも向かう。
第2ライト部805は、例えば、照明装置ケース801において第1端部801aと第2端部801bとの間に設けられている。第2ライト部805は、第1ライト部804よりも大きいライトである。第2ライト部805は、例えば照明装置800がポータブルライトとして使用され、第1ライト部804よりも大きな光量が必要な場合に点灯される。
取っ手806は、照明装置ケース801の第2端部801bに設けられている。取っ手806は、照明装置800を防災ユニット200のケース210から取り出す場合や、照明装置800を持ち運ぶ場合に、ユーザが手を掛ける部分である。取っ手806は、照明装置800が防災ユニット200のケース210に収容された状態で、ケース210の開口210aに対して照明装置800のなかで最も近くに位置する。取っ手806は、防災ユニット200の前面カバー220が開かれた場合、ケース210の開口210aを通じて、ケース210の前方に向けてケース210の外部に露出される。
制御部807は、例えば、1つ以上の制御基板により実現されている。制御部807は、第1ライト部804および第2ライト部805の点灯を制御する。本実施形態では、冷蔵庫本体100の災害検出部511は、ネットワークNWを介して受信する災害情報と加速度センサASの検出結果とのうち少なくとも一方に基づき災害の発生を検出した場合、災害の発生を示す所定の信号を照明装置800の制御部807にも送信する。照明装置800の制御部807は、上記所定の信号を受信した場合、解除の操作がされるまで一定時間に亘り第1ライト部804を点灯させる。
図28は、図26中に示された防災ユニット200のF28―F28線に沿う断面図である。本実施形態では、第1予備電源装置310の横幅方向の幅W4は、第2予備電源装置320の横幅方向の幅W5よりも大きい。第1予備電源装置310は、第1領域310aと、第2領域310bとを有する。第1領域310aは、冷蔵庫1の前後方向で第2予備電源装置320と面する。第1領域310aは、第2予備電源装置320と接続される第2端子部314を有する。一方で、第2領域310bは、冷蔵庫1の前後方向で照明装置800と面する。第2領域310bは、照明装置800と接続される第3端子部316を有する。
本実施形態では、照明装置800の第1ライト部804の少なくとも一部は、予備電源装置300の前端部(例えば第2予備電源装置320の第2端部321b)よりも前方に位置する。これにより、第1ライト部804は、第2予備電源装置320の取っ手324や表示画面D4、コネクタ326などを照らすことができる。例えば、第1ライト部804の少なくとも一部は、照明装置収容室LSと予備電源収容室PSとの間に位置する仕切り壁218の前端部よりも前方に位置する。これにより、第1ライト部804は、仕切り壁218に邪魔されずに、第2予備電源装置320の取っ手324や表示画面D4、コネクタ326などを照らすことができる。
また、第1ライト部804の少なくとも一部は、防災用品収容室GS1,GS2,GS3と予備電源収容室PSとの間に位置する仕切り壁217の前端部よりも前方に位置する。これにより、第1ライト部804は、仕切り壁217に邪魔されずに、第1から第3の防災用品収容室GS1,GS2,GS3の前端部を照らすことができる。
本実施形態では、冷蔵庫本体100の充放電制御部513は、照明装置800がポータブルライトとして使用されてバッテリ802の残容量が低下した後に第1予備電源装置310と電気的に接続された場合、第1予備電源装置310のバッテリユニット312から放電される電力を用いて照明装置800のバッテリ802を充電してもよい。
このような構成によれば、デッドスペースになりやすい冷蔵庫本体100の上方の空間を利用して、災害の発生時に電気、食料、および照明を確保することができる。なお、照明装置800の構成は、上記例に限定されない。例えば、照明装置800は、第1ライト部804と第2ライト部805とのうち一方のみを有してもよい。また、照明装置800は、ポータブルライトとして使用可能な照明装置に限らず、防災ユニット200のケース210に固定された照明装置でもよい。
次に、第3の実施形態のいくつかの変形例について説明する。なお、各変形例において、以下に説明する以外の構成は、第3の実施形態の構成と同様である。
(第1変形例)
図29は、第1変形例の冷蔵庫1を示す図である。図29中の(b)は、図29中の(a)におけるb−b線に沿う断面図である。本変形例では、前面カバー220は、透光性の部材で形成されている。「透光性の部材」とは、透明でもよく、半透明でもよく、有色であってもよい。例えば、前面カバー220は、導光板として形成されている。すなわち、前面カバー220は、前方に向いた第1面220aと、第1面220aとは反対側に位置した第2面220bと、第1面220aと第2面220bとの間に位置する光透過部220cとを有する。第2面220bには、光を拡散させる凹凸が設けられている。
本変形例では、防災ユニット200の前面カバー220は、照明装置800を避ける切欠き部Cを有する。照明装置800の前端部は、ケース210の外部に突出している。照明装置800の第1ライト部804は、前面カバー220の切欠き部Cに配置され、前面カバー220の一部の下方に位置するとともに、前面カバー220の一部の側方に位置する。照明装置800は、前面カバー220の下方または側方から、前面カバー220の光透過部220cに向けて光を入射する。前面カバー220の光透過部220cに入射された光は、前面カバー220の内部を進むとともに、第2面220bによって拡散される。これにより、前面カバー220の全体が明るくなる。このような構成によれば、停電時に防災ユニット200の位置がより分かりやすくなる。
(第2変形例)
図30は、第2変形例の防災ユニット200を示す断面図である。本変形例では、ケース210の上壁211の前端部は、ケース210の底壁212の前端部と比べて、後方に位置する。本変形例では、前面カバー220は、上方に進むに従い後方に位置するように鉛直方向に対して傾けて配置されている。このような構成によれば、冷蔵庫1の前方から見た場合の圧迫感を小さくすることができる。
(第1の参考形態)
次に、第1の参考形態の冷蔵庫1について説明する。本参考形態は、予備電源装置300が主冷凍室125と床面Fとの間に配置された点で、第1の実施形態とは異なる。なお以下に説明する以外の構成は、第1の実施形態と同様である。
図31は、第1の参考形態の冷蔵庫1を示す斜視図である。本参考形態では、冷蔵庫本体100の断熱筐体110は、複数の貯蔵室120のなかで最下段の貯蔵室(例えば主冷凍室125)と、冷蔵庫1が設置される床面Fとの間に、防災ユニット収容部900を有する。防災ユニット収容部900は、例えば、予備電源装置300が収容される予備電源収容室PSと、照明装置800が収容される照明装置収容室LSとを有する。
断熱筐体110は、最下段の貯蔵室(例えば主冷凍室125)と、防災ユニット収容部900(予備電源収容室PS、照明装置収容室LS)との間に断熱性の仕切り壁910を有する(図32参照)。仕切り壁910は、断熱材110cを含む。なお、仕切り壁910は、真空断熱材を含んでもよい。
本参考形態では、予備電源装置300は、冷蔵庫1が設置される床面Fと略平行な平状に形成されている。例えば、第1予備電源装置310および第2予備電源装置320の各々は、床面Fと略平行な平状に形成されている。例えば、第1予備電源装置310および第2予備電源装置320は、互いに略同じ厚さに形成されている。予備電源装置300(第1および第2の予備電源装置310,320)は、予備電源収容室PSに収容され、最下段の貯蔵室(例えば主冷凍室125)と、床面Fとの間に位置する。予備電源装置300は、最下段の貯蔵室(例えば主冷凍室125)と、床面Fとの間から冷蔵庫1の前方に向けて取り出し可能である。
第1予備電源装置310は、第1の実施形態と同様に、停電時に冷蔵庫本体100と一体に残され、冷蔵庫本体100に電力を供給する予備電源装置である。第1予備電源装置310は、経年劣化による交換時における冷蔵庫本体100から取り外される。
第2予備電源装置320は、第1の実施形態と同様に、停電時にポータブル電源として冷蔵庫本体100から分離され、所望の場所に持ち運ばれて利用することができる予備電源装置である。第2予備電源装置320は、第1予備電源装置310の少なくとも一部の前方に位置し、第1予備電源装置310とは干渉せずに冷蔵庫1の前方に向けて取り出し可能である。
本参考形態では、第1予備電源装置310は、予備電源収容室PSから冷蔵庫1の前方に向けて取り出し可能である。例えば、第1予備電源装置310は、第1部分921と、第2部分922とを有する。第1部分921は、第2予備電源装置320の後方に位置する。一方で、第2部分922は、冷蔵庫1の前後方向で第2予備電源装置320とは重ならない。本参考形態では、第2部分922の前端部は、冷蔵庫1の前後方向において、第2予備電源装置320の前端部と略同じ位置に配置されている。第2部分922は、例えば、取っ手930を有する。取っ手930は、第1予備電源装置310を冷蔵庫本体100から取り出す場合に、ユーザが手を掛ける部分である。このような構成によれば、経年劣化による交換時に第1予備電源装置310が冷蔵庫本体100から取り外しやすい。
本実施形態では、冷蔵庫1は、冷蔵庫本体100に着脱可能に取り付けられる化粧カバー940をさらに備える。化粧カバー940は、予備電源装置300および照明装置800の前方に配置され、予備電源装置300および照明装置800を冷蔵庫1の外部から覆い隠す。予備電源装置300および照明装置800は、化粧カバー940が冷蔵庫本体100から取り外された場合、冷蔵庫1の前方に向けて冷蔵庫1の外部に露出される。本参考形態では、予備電源装置300の取っ手324,930、および照明装置800の取っ手806は、化粧カバー940が冷蔵庫本体100から取り外された場合、冷蔵庫1の前方に向けて冷蔵庫1の外部に露出する。
図32は、第1の参考形態の冷蔵庫1のF32−F32線に沿う断面図である。本参考形態では、防災ユニット収容部900は、例えば、支持部401、緩衝部材240、および支持面形成部材250を有する。支持部401は、予備電源装置300を下方から支持する。緩衝部材240は、支持部401と予備電源装置300との間に位置する。支持面形成部材250は、緩衝部材240と予備電源装置300との間に位置する。ただし、予備電源装置300の耐震性が比較的高い場合、緩衝部材240や支持面形成部材250は省略されてもよい。
このような構成によれば、災害の発生時に電気を確保することができる。また本参考形態では、重量が重たい予備電源装置300が冷蔵庫本体100の最も下方に配置される。これにより、地震などに対する冷蔵庫1の安定性を高めることができる。また、予備電源装置300が冷蔵庫本体100の最も下方に配置されると、冷蔵庫本体100の上方に予備電源装置300が配置される場合と比べて、冷蔵庫1から予備電源装置300を取り外しやすくなる。これにより、経年劣化による交換時における第1予備電源装置310の取り外しや、災害の発生時の第2予備電源装置320の取り外しをよりスムーズに行うことができるようになる。
(第2の参考形態)
次に、第2の参考形態の冷蔵庫1について説明する。本参考形態は、防災ユニット200が冷蔵庫本体100の側方に配置された点で、第1の参考形態とは異なる。なお以下に説明する以外の構成は、第1の参考形態と同様である。
図33は、第2の参考形態の冷蔵庫1を示す斜視図である。本参考形態では、防災ユニット200のケース210は、冷蔵庫本体100の側方(図中では右側方であるが、左側方でもよい)に配置されている。本変形例では、ケース210、予備電源装置300、および照明装置800は、冷蔵庫本体100の右側壁114(または左側壁113に沿うようにして縦置きに配置されている。ケース210の開口210aは、上方に向けて開口している。予備電源装置300および照明装置800は、ケース210から上方に向けて取り外される。
このような構成によれば、災害の発生時に電気を確保することができる。また本参考形態では、重量が重たい予備電源装置300が冷蔵庫本体100の高い位置には配置されない。これにより、地震などに対する冷蔵庫1の安定性を高めることができる。また、予備電源装置300が冷蔵庫本体100の側方に配置されると、冷蔵庫本体100の上方に予備電源装置300が配置される場合と比べて、冷蔵庫1から予備電源装置300を取り外しやすくなる。これにより、経年劣化による交換時における第1予備電源装置310の取り外しや、災害の発生時の第2予備電源装置320の取り外しをよりスムーズに行うことができるようになる。
以上、いくつかの実施形態および変形例について説明したが、実施形態は、上記例に限定されない。例えば、第1から第3の実施形態、それらの変形例、ならびに第1および第2の参考形態は、互いに組み合わせて実現可能である。
また、防災ユニット200は、予備電源装置300を必ず備える必要はなく、防災用品700が収容される少なくとも1つの防災用品収容室のみを有してもよく、照明装置800が収容される照明装置収容室のみを有してもよい。
予備電源装置300は、第1予備電源装置310と第2予備電源装置320とを含む構成に限定されない。例えば、予備電源装置300は、第1予備電源装置310のみによって構成されてもよいし、第2予備電源装置320のみによって構成されてもよい。また、上述した実施形態および参考形態では、第2予備電源装置320は、第1予備電源装置310を介して冷蔵庫本体100に電気的に接続される。これに代えて、第2予備電源装置320は、本体コネクタ330に設けられた端子部に直接接続されることで、第1予備電源装置310を介さずに冷蔵庫本体100と電気的に接続され、冷蔵庫本体100から供給される電力により充電されてもよい。
以上説明した少なくともひとつの実施形態によれば、予備電源装置と、防災用品と、照明装置とのうち少なくとも1つを収容可能なケースを有し、冷蔵庫本体の上方に配置されて前記冷蔵庫本体に固定される防災ユニットを備えることで、ユーザの利便性の向上を図ることができる。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。