JP2020085075A - 弾性体ローラの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】弾性体ローラの振れ精度を向上させることができる弾性体ローラの製造方法を提供する。【解決手段】芯金1の周囲に弾性層を有する弾性体ローラの製造方法であって、芯金を、弾性層の原料組成物が連続的に供給されるクロスヘッド内の円孔部を通過させて、芯金の周囲に原料組成物の被膜を形成する工程を有し、円孔部を通過する芯金を受け面に押付ける押付け機構を備え、押付け機構によって芯金に加えられる力(Fs)の方向は、芯金の周囲に被膜を形成するときに芯金に加わる力のうちの芯金の進行方向と直交する平面内で芯金を押し付ける力(Fp)の方向と同じ方向であり、力(Fs)の、円孔部の出口側の端部と芯金との接点回りのモーメントは、力(Fp)の接点回りのモーメントより大きく、芯金の受け面への押し付け位置の上流端から弾性体ローラの外径が決定される成形位置までの距離が、弾性体ローラの端部の非有効領域の長さよりも短い。【選択図】図6

Description

本発明は、プリンタや複写機などの電子写真プロセスを利用した画像形成装置において、帯電や転写等に用いられる弾性体ローラを製造する製造方法に関するものである。
電子写真装置では画像形成部において、帯電、露光、潜像、現像、転写、定着、及びクリーニングのプロセスによって画像が形成される。まず、帯電部材は感光体の表面を帯電させる。そして、帯電された感光体の表面をレーザー等の露光手段によって露光し、感光体の表面に静電潜像を形成する。次に、現像装置によって潜像にトナーを付着させ、トナー画像が可視像化される。トナー画像は、転写手段によって記録材の裏面からトナーと逆極性の電圧を印加されることによって記録材に転写される。そして、トナー画像は定着手段によって記録材に定着され画像形成物が得られる。感光体の表面はクリーニング手段によって残留トナー等が除去され、上記のプロセスを再度繰り返す。
上記のようなプロセスを有する画像形成装置において、帯電部材、現像部材、転写部材には、導電性の基体(以下、「芯金」とも記載する。)の外周面に弾性体材料を被覆したローラ(以下、「弾性体ローラ」とも記載する。)が用いられている。画像形成装置に用いられる弾性体ローラには高い寸法精度が求められる。例えば、弾性体ローラの一例である帯電ローラにおいて寸法精度が低い場合、感光体を均一に帯電させることができず、画像の品質を低下させる。
弾性体ローラの製造には、クロスヘッドを用い、芯金と弾性体材料を同時に押出すことによって芯金を弾性体材料で被覆する方法や、環状塗工ヘッドを有するリングコート機を用いて、芯金を弾性体材料で被覆する方法がある。何れの方法でも、芯金の中心と弾性体材料の中心の位置関係によって弾性体ローラの振れ精度が決定される。振れ精度が高ければ研磨工程による研磨量を少なくすることができる、もしくは研磨工程を省略することが可能となり、弾性体ローラの製造工程全体において歩留まりの向上が期待できる。
例えば、クロスヘッドを用いた押出し成形において、弾性体ローラの振れ精度を向上させるためには、クロスヘッド内部における芯金と弾性体材料の位置関係を一定に保つ必要がある。しかし、芯金の直径には製造時のばらつきがあるため、クロスヘッドに芯金を通す円孔部と芯金との間隙が少なからず生じてしまい、芯金の位置が一定とならず振れ精度の低下につながってしまっていた。
本課題を解決する方法として、振れ精度の良い弾性体ローラを製造することができる製造方法が特許文献1に開示されている。
特許第5049520号公報
本発明者らは、特許文献1に係る弾性体ローラの製造方法について検討を行った。その結果、クロスヘッドの円孔部の絞り部位置が規定されておらず、絞り部を通過した後の芯金の位置が安定しないため、弾性体ローラの高い振れ精度が必要とされる領域の全域に対して、高い振れ精度を維持することができない場合があった。また、絞り部の弾性による芯金の保持力が、芯金に働く外力に対して十分ではない可能性がある。
本発明の一態様は、より高い振れ精度の弾性体ローラを製造することができる弾性体ローラの製造方法の提供に向けたものである。
本発明の一態様によれば、芯金の周囲に弾性層を有する弾性体ローラの製造方法であって、
芯金を、弾性層の原料組成物が連続的に供給されるクロスヘッド内の円孔部を通過させて、該芯金の周囲に該原料組成物の被膜を形成する工程を有し、
該クロスヘッドは、
該円孔部内に、該円孔部を通過する該芯金の長手方向の所定の長さ部分が接し得る受け面を有し、
該円孔部を通過する該芯金を該受け面に押付ける押付け機構を備え、
該押付け機構によって該芯金に加えられる力(Fs)の方向は、該クロスヘッド内において、該芯金の周囲に該原料組成物の被膜を形成するときに該原料組成物によって該芯金に加わる力のうちの該芯金の進行方向と直交する平面内で該芯金を押し付ける力(Fp)の方向と同じ方向であり、
該力(Fs)の、該円孔部の出口側の端部と該芯金との接点回りのモーメントは、該力(Fp)の該接点回りのモーメントより大きく、
該押し付け機構による該芯金の該受け面への押し付け位置の上流端から該弾性体ローラの外径が決定される成形位置までの距離が、該弾性体ローラの端部の非有効領域の長さよりも短い、弾性体ローラの製造方法が提供される。
本発明の一態様によれば、弾性体ローラの振れ精度が要求される全域に対して、より高い振れ精度の弾性体ローラを製造することができる。
本発明の弾性体ローラの製造装置に使用可能な押出し成形機の一例を模式的に示した図である。 本発明の弾性体ローラの製造装置に使用可能な押出し成形機に用いることのできるクロスヘッドの一例を模式的に示した断面図である。 図2に示すクロスヘッドにおけるニップルの一例を模式的に示した断面図である。 図2に示すクロスヘッドにおける押付け機構に関する力を模式的に示した図である。 従来の弾性体ローラの製造装置において採用されているクロスヘッドにおけるニップルの一例を模式的に示した断面図である。 押付け機構によって芯金に加えられる力(Fs)と原料組成物によって芯金に加えられる力のうちの芯金の進行方向と直交する平面内で芯金を押し付ける力(Fp)との位置関係を表す模式図である。 (a)は弾性体ローラの成形部を表す模式図、(b)は成形直後の弾性体ローラの片端部を表す模式図、(c)は片端部の弾性層の不要部を除去した弾性体ローラを表す模式図である。 押し駒が摩耗によって位置変化する状態を表す模式図である。
本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
図1は本発明において用いることのできる弾性体ローラの押出し成形機の概略図である。押出し成形機は、芯金1の周囲に全周にわたって弾性体材料2を均一に被覆して、中心に芯金1が入り、芯金1の周囲に弾性層を有する弾性体ローラ3を製造するための装置である。
押出し成形機は、クロスヘッド4、芯金供給ユニット5、引取りユニット6を有する。押出し成形機には押出し機7が接続されており、押出し機7はクロスヘッド4に溶融状態の弾性体材料2を送り込むスクリュ8を有する。
芯金1を、溶融状態の弾性層の原料組成物が連続的に供給されるクロスヘッド4内の円孔部を通過させて、芯金1の周囲に原料組成物の被膜を形成する。
クロスヘッド4は、後述するように、芯金1を押付ける押付け機構と、芯金1が押付けられる所定長さの受け面とを、円孔部内に有する。
クロスヘッド4の上方には芯金供給ユニット5が設置されている。芯金供給ユニット5は、クロスヘッド4に連続的に芯金1を供給する。芯金供給ユニット5は、一対または複数対の送りローラ9を備えており、送りローラ9には送り用モータ10が接続されている。また、送りローラ9の各対は加圧機構11によって互いに押し付けられ、芯金1と送りローラ9との接触面に発生する摩擦力によって芯金1を下方向に送り込むことができる。
送りローラ9は、複数本の芯金1を軸方向に連続的にクロスヘッド4に送り込む。加圧機構11は、エアシリンダ、油圧シリンダ、ばねによる加圧など、既知の構成を用いることができる。また、複数対の送りローラ9の各々に加圧機構11を設けた構成としてもよい。送りローラの材質については、芯金の搬送時に芯金の側面を傷つけることがないような材質が好ましく、ポリアミド、ポリアセタール等の樹脂、もしくはアルミニウム合金、銅合金などを用いて形成されていても良い。
押出し機7は、スクリュ8の回転によって溶融状態の弾性体材料2をクロスヘッド4の内部に送り込む。芯金1は、芯金供給ユニット5によってクロスヘッド4内に送り込まれると、押出し機7からクロスヘッド4の内部に送り込まれた溶融状態の弾性体材料2に全周を覆われる。そして、芯金1は表面に弾性体材料2が付着した状態の弾性体ローラ3として送り出される。
クロスヘッド4の下方には引取りユニット6が設置され、クロスヘッド4から押出された弾性体ローラ3を引取る。芯金1の端部すなわち弾性体ローラ3の下部端面付近の側面を、引取りユニット6に備えられた下部把持機構13によって把持する。
上把持機構12および下把持機構13は、芯金供給ユニット5による芯金1の送り速度に同期して送り方向に移動する。
引取りユニット6は、上把持機構12aおよび下把持機構13a、ならびに上把持機構12bおよび下把持機構13bを有する。
下把持機構13aは、先に成形される弾性体ローラ3aを把持するとともに、先に成形される弾性体ローラ3a一本分の押出し成形が完了するまで芯金の送り速度に同期して鉛直下方向に先に成形される弾性体ローラ3aを引き下げる。
次に成形される弾性体ローラ3bの下端部がクロスヘッド4から押出された時点で、引取りユニット6に備えられたもう一方の下把持機構13bによって、次に成形される弾性体ローラ3bの下部端面付近の側面を直ちに把持する。
その後、押出し成形が完了した先に成形される弾性体ローラ3aの上部端面付近の側面を上把持機構12aによって把持し切断する。
上把持機構12aは、芯金1の直径にほぼ等しい半円状の切り欠きを有した爪を一対有し、芯金を把持すると同時に押出し成形が完了した先に成形される弾性体ローラ3aのゴム部を爪によって切断する。
以上の工程によって、弾性体ローラ3は芯金長さ分に切り取られ、排出ハンド(不図示)によって後工程に受け渡される。
なお、下部把持機構によって弾性体ローラを引き下げず、上把持機構が弾性体ローラを切断するタイミングと同じタイミングで下部把持機構が弾性体ローラを把持するように引取りユニットを動作させてもよい。
図2にクロスヘッド4内部の構造の例を模式的に示す。クロスヘッド4には芯金1を通すための円孔部14が設けられ、弾性体材料2と芯金1が合流する箇所にニップル15が備わっており、クロスヘッド4の出口にはダイス16が備わっている。
ニップル15によって芯金1の位置が規制され、ダイス16によって芯金1に対する弾性体材料2の同心位置が決定される。そのため、ダイス16を芯金1の進行方向に対して垂直な直交する二軸の方向に動かせるように調芯ボルト17を備える。なお、「調芯」とは芯(中心軸)の位置を調整することを意味し、「調芯ボルト」とは調芯のために使用されるボルトを意味する。
図2においては、芯金1を紙面に対して平行な方向に動かせる調芯ボルト17だけが示されていて、芯金1を紙面に垂直な方向に動かせる調芯ボルト17は省略されている。
調芯ボルト17は調芯用モータ18によって自動的に動作させることができる。調芯ボルトは、手動で動作させてもよいが、より高精度に調芯することができるためモータ等によって動作させることが好ましい。
図3にニップル15の構造の例の模式図を示す。ニップル15は、ニップル本体19と押付け力発生機構20と押し駒21によって構成される。
押付け力発生機構20は、圧縮バネ22と押しボルト23とによって構成される。押し駒21と圧縮バネ22と押しボルト23とが、ニップル本体19の先端の内部に組み込まれる構造となっている。押付け力発生機構20は、押しボルト23を下方に送ることによって圧縮バネ22を圧縮し弾性力を発生させることができ、押しボルト23の送り量によって弾性力を調整し、芯金に加えられる力(Fs)の大きさを調整することができる。なお、力(Fs)の発生には、圧縮バネを用いる代わりに又は圧縮バネと共に、圧縮空気の空気圧や圧縮油の油圧、電動アクチュエータの駆動力など既知の手段を用いることができる。
押し駒21は、圧縮バネなどによって発生された力(Fs)によって押されても変形しない程度の剛性を有する。押し駒21は、押付け力発生機構から力(Fs)を受ける第1の端部と、芯金1の外周面に対向し該外周面に押付けられる第2の端部とを有する。
押し駒21は、ニップル本体19と接触し、かつ芯金1に近づく方向に傾斜した傾斜形状部を有し、ニップル本体19は押し駒21の傾斜形状部と接する押し駒支持部を有する。押し駒支持部の形状は、図3などに示すように断面形状が角ばったものでも良く、また丸みをおびたものでも良い。
ニップル15を図3に示すように構成した場合、圧縮バネ22によって発生する弾性力は芯金1の進行方向と同じ方向に発生し、押し駒21を押し下げる。押し下げられた押し駒21の傾斜形状部が前記押し駒支持部から受ける反力は、前記弾性力の方向に対して平行な方向の力と、前記弾性力の方向に対して垂直な方向の力とに分解することができる。前記弾性力の方向に対して垂直な方向の力は、押し駒21の傾斜形状部を芯金1の方向に押す力となる。
図4に示すように、押し駒21が押し駒21の下部に有する傾斜形状部と、ニップル本体19が有しかつ前記傾斜形状部に接する押し駒支持部とによって、押し駒21の進行方向は傾斜方向に規制される。このため芯金1が進む方向と直交する方向にも力を作用させることができる。よって、弾性力を、芯金が進む方向と直交する方向(芯金の進行方向と直交する平面内)に変換することができ、その力を力(Fs)として芯金1に作用させることができる。その結果、押し駒21の第2の端部を芯金1に押し当てることができる。
ニップル本体19の円孔部は、芯金1の出口側から所定の長さ部分だけ小径となっておりその内周面は受け面24として機能する。受け面24は押し駒21の一部であって芯金1に接触する面(以下、「押し面」とも記載する。)の対向側に位置し、芯金1は押し面から受ける力(Fs)によって受け面24に押し付けられる。また、ニップル本体の円孔部の出口側において、芯金との隙間を小さくすることによって溶融状態の弾性体材料がニップルの先端部から内部に進入してくることを防ぐ。
芯金1の直径は公差の範囲内でばらつくため、それに応じて押し駒21の位置も変動し、圧縮バネの圧縮量も変動するが、芯金1と押し駒21とは常に接触した状態を維持する。その際の弾性力の変化量を小さく抑えるためには、圧縮バネの弾性係数は小さく、圧縮量が大きい方が好ましい。このため、図3に示すように圧縮バネ22の長手方向と芯金1の進行方向とが同じになるように、かつ圧縮バネ22に押された押し駒21が芯金1を押す方向と芯金1の進行方向とが直交するように構成される。
ただし、力(Fs)を発生する機構の構造によっては、芯金に押付けられる部材(押し駒21に相当。)の一端を押す部材(圧縮バネ22に相当。)の長手方向と、芯金の進行方向とが異なってもよい。例えば、力(Fs)の大きさや実装可能なスペースに応じて、芯金の進行方向に対して直交方向に力(Fs)を発生させ、その力の向きを変えることなく、芯金に作用させる構成としてもよい。
次に、上述のように構成された弾性体ローラの製造装置による、弾性体ローラの製造方法について説明する。
図5は従来の弾性体ローラの製造装置において採用されている一般的なニップル内部での芯金の挙動を表す模式図である。図5(a)は芯金に作用する弾性体材料の圧力差によって芯金に加わる力のうちの芯金の進行方向と直交する平面内で芯金を押し付ける力(Fp)の向きを表す模式図である。図5(b)は力(Fp)を受ける芯金の挙動を示す模式図である。
一般に、クロスヘッド内部での弾性体材料の圧力分布は押出し機側(図5の例では右側)の圧力が高く、押出し機のスクリュの長手方向に対して水平面直交方向の圧力はほぼ均一である。そのため、弾性体材料と芯金が合流する位置において、図5(a)に示すように芯金1は押出しのスクリュ長手方向に弾性体材料の圧力差によって生じる力(Fp)を受ける。芯金1がそのような力を受けることによって、芯金1の下端の位置が水平方向(図5の例では左方向)に変化し、弾性体材料との同軸が変化することで振れ精度が低下する。
ここで、芯金の外径は製作公差内でばらついている。例えば、芯金の外径5mmに対して公差等級9級(以下、f9とも記載する。)を想定すると、外径の最大値(4.990mm)と最小値(4.960mm)との間には0.030mmの差が生じる。一方、一般的に用いられるニップルの内径は芯金が詰まらないように芯金の外径より0.05mm程度大きく製作される。したがって、外径5mmf9の芯金と内径5.050mmのニップルとを用いた場合には、芯金の外周面とニップルの内周面との間に最大で0.090mmの隙間が生じることになり、その隙間量に相当して弾性体ローラの振れ精度がばらつく可能性がある。
図5(b)に示すように、芯金1の外周面とニップル15の内周面との間に隙間がある場合、芯金の上端および下端の位置が下方になるにつれて芯金1の傾きが大きくなり、成形位置25での芯金1の水平方向の位置変化も大きくなる。よって、押出し成形中の芯金の位置を安定させるためにはニップルの内筒面と芯金の外周面との隙間をできるだけ小さくし、芯金の傾きを抑制する必要がある。
そこで、本発明においては図6に示すように、押し駒21がニップル15の先端から上方にLs[mm]の位置を中心として芯金1をニップル15の内筒面に力Fs[N]で押し付ける。一方で、芯金1はニップル15の先端から下方にLp[mm]の位置を中心として弾性体材料の圧力差によって生じる力(Fp)[N]を受ける。
図6に示すように、押付け機構が芯金1を押し付ける力(Fs)の方向は、溶融状態の原料組成物によって芯金1に加わる圧力のうち、芯金1の進行方向と直交する平面内で芯金1を押し付ける方向の力(Fp)の方向と同じ方向である。
弾性体材料の圧力によって芯金1が傾かず芯金1の位置変動を抑制するためには、以下のようにする必要がある。すなわち、ニップル15の出口側の端部と芯金との接点回りのモーメントについて、力(Fs)によって生じるモーメントが、力(Fp)によって生じるモーメントよりも大きくなるようにする必要がある。そのため、力(Fs)の向きが弾性体材料の圧力差によって生じる力(Fp)の向きと同じ方向になるように押付け機構20の芯金進行方向回りの位相を決定する。このとき、ニップル15の出口側の端部と芯金との接点回りのモーメントについて、下記式(1)が成立する必要がある。
力(Fs)を大きく設定すれば前記式(1)を成立させることができる。一方で、力(Fs)が大きい場合、押し駒およびニップル本体の内筒面と芯金との間の摩擦力も大きくなるため、芯金を下方向に押し込むために必要な推力も大きくなる。よって、芯金供給ユニットの送り用モータによって得られる推力と、芯金が弾性体材料から受ける圧力が圧力を受ける方向に応じて差があることによって生じる力(Fp)とを鑑みて、力(Fs)を必要十分に設定する必要がある。
このように、芯金をニップル内部でニップルの内筒面に一方向から押し付けることによって、ニップルの中で芯金が移動する余地をなくし、弾性体材料の圧力差によって生じる力で芯金が傾くことを抑制できる。
また、弾性体材料の圧力差によって生じる力はニップル全体を変位させ得る。定常的に作用する一定の力に対しては、芯金がニップルに押し付けられている状態を維持していればニップルの変位に伴う芯金の位置変位は一定である。そのため、ダイスの調芯によって芯金と弾性体材料との偏芯を抑制することが可能である。しかし、圧力の変動による芯金の位置変動は振れ精度の変動に相当するため抑制する必要がある。そのため、ニップルは圧力変動に対して振れ精度が満足できるように十分な剛性を有する必要がある。
図7(a)に弾性体ローラ3の成形部を表す模式図、図7(b)に成形直後の弾性体ローラ3の片端部を表す模式図、図7(c)に片端部の弾性層の不要部(非有効領域)が除去され、芯金が露出された状態の弾性体ローラ3を表す模式図をそれぞれ示す。
なお、図7(a)は、弾性層を形成中の芯金1aの上端部が、該受け面への該押し駒21による押し付け位置の上端26に接している状態を示している。なお、このとき、次に弾性層が形成される芯金1bの下端部が、該受け面に対して、該押し駒21によって押し付けられている。
弾性体ローラ3の外径は、弾性体材料2がダイス16の下端の位置である成形位置25を通過するタイミングで決定される。図7(c)に示すように、弾性体ローラ3における両端部の弾性層は、規定の長さ分だけ後工程で除去され、芯金1が露出された状態となる。そのため、弾性体ローラ3の両端部の一定領域は、外形精度や振れ精度が要求されない非有効領域となる。後工程で除去されない範囲は、外形精度や振れ精度が要求される有効領域となる。
押し駒21による芯金1aの受け面への押し付け位置の上流端26から成形位置25までの距離Laが、非有効領域の長さLbよりも長い場合、精度が要求される有効領域の成形中に芯金1を拘束できないため、有効領域全域で振れ精度を維持することができない。なお、ここで、「受け面への押し付け位置の上流端」とは、押し駒21による芯金1aの受け面への押し付け位置のうち、芯金1aの進行方向に対して最も上流側に位置する端部をいう。
「距離La」は「押し駒による芯金の受け面への押し付け位置の上流端から弾性体ローラの外径が決定される成形位置までの距離」の一例、「距離Lb」は「弾性体ローラの端部の非有効領域の長さ」の一例である。
一方、図7(a)〜(c)に示すように、押し駒による芯金の受け面への押し付け位置の上流端26から成形位置25までの距離が、非有効領域の長さよりも短い場合、精度が要求される有効領域の成形中、芯金1の上端部は、押し駒による芯金の受け面への押し付け位置の上流端26の上方に位置する。このため、有効領域の成形中、芯金1は押し駒21によって受け面24に押付け続けられ、芯金1は拘束し続けられるため、有効領域全域で振れ精度を維持することができる。
よって、押し駒による芯金の受け面への押し付け位置の上流端26から成形位置25までの距離Laが、端部の非有効領域の長さLbよりも短くなるように、押し駒による芯金の受け面への押し付け位置の上流端26の位置を設定する必要がある。
ここで、押し駒は芯金との摺動によって摩耗し寸法が変化し得る。そのため、長期的に使用する場合、摩耗によって減少する寸法を考慮した形状にする必要がある。
図8に押し駒21が摩耗によって位置変化する状態を示した模式図を示す。押し駒21の下方に設けられた傾斜形状部211と、ニップル本体19に設けられかつ傾斜形状部211に接する押し駒支持部191とによって、押し駒21は芯金1との摺動面212が多少摩耗しても押付け方向に移動することができる。それによって、芯金の押付け状態を維持することができる。しかし、摩耗によって押付け位置が変化し得るため、前記式(1)を満たす範囲で使用する必要がある。
ニップルや押し駒の材質としては、芯金を傷付けることが許容されない場合、芯金よりも強度が低い材質が好ましい。例えば、芯金の材質として炭素鋼などの鉄系材料を用いる場合、ニップルや押し駒の材質は銅合金やアルミニウム合金などを用いることができる。一方で、芯金との摺動によってニップルや押し駒が摩耗することを考慮すると、ニップルや押し駒の耐久性を向上させるという観点から芯金よりも強度が高い材質が好ましい。芯金に傷がつくことが許容され、芯金に対する傷よりもニップルや押し駒の耐久性を優先するのであれば、焼入れ鋼や超硬合金などを用いることができる。また、ニップルや押し駒と芯金との接触面のみに硬質クロムメッキやDLC(ダイヤモンド・ライク・カーボン)被膜を設けることも有効である。押し駒やニップルの摩耗量や芯金の傷付きの程度は力(Fs)に比例するため、摩耗や傷の観点からは力(Fs)を極力小さくすることが好ましい。
以上で説明したように本発明によれば、ニップルに芯金を押付けることによって押出し成形時の芯金の位置を安定させることができる。それによって、芯金の中心軸の位置と弾性体材料の中心軸の位置とのずれを抑制することができ、弾性体ローラの振れ精度を向上させることができる。弾性体ローラの振れ精度の向上によって、弾性体ローラの接触均一性も向上するため、電子写真装置における画質の向上も実現することができる。また、振れ精度が高ければ、振れ精度を仕上げる研磨工程による研磨量を少なくできる、もしくは研磨工程を省略することが可能となり、弾性体ローラの製造工程全体において歩留まりの向上が期待できる。
1 芯金
2 弾性体材料
3 弾性体ローラ
3a 先に成形される弾性体ローラ
3b 次に成形される弾性体ローラ
4 クロスヘッド
5 芯金供給ユニット
6 引取りユニット
7 押出し機
8 スクリュ
9 送りローラ
10 送り用モータ
11 加圧機構
12 上把持機構
13 下把持機構
14 円孔部
15 ニップル
16 ダイス
17 調芯ボルト
18 調芯用モータ
19 ニップル本体
191 押し駒支持部
20 押付け機構
21 押し駒
211 傾斜形状部
22 圧縮バネ
23 押しボルト
24 受け面
25 成形位置
26 受け面の上流端

Claims (4)

  1. 芯金の周囲に弾性層を有する弾性体ローラの製造方法であって、
    芯金を、弾性層の原料組成物が連続的に供給されるクロスヘッド内の円孔部を通過させて、該芯金の周囲に該原料組成物の被膜を形成する工程を有し、
    該クロスヘッドは、
    該円孔部内に、該円孔部を通過する該芯金の長手方向の所定の長さ部分が接し得る受け面を有し、
    該円孔部を通過する該芯金を該受け面に押付ける押付け機構を備え、
    該押付け機構によって該芯金に加えられる力(Fs)の方向は、該クロスヘッド内において、該芯金の周囲に該原料組成物の被膜を形成するときに該原料組成物によって該芯金に加わる力のうちの該芯金の進行方向と直交する平面内で該芯金を押し付ける力(Fp)の方向と同じ方向であり、
    該力(Fs)の、該円孔部の出口側の端部と該芯金との接点回りのモーメントは、該力(Fp)の該接点回りのモーメントより大きく、
    該押し付け機構による該芯金の該受け面への押し付け位置の上流端から該弾性体ローラの外径が決定される成形位置までの距離が、該弾性体ローラの端部の非有効領域の長さよりも短いことを特徴とする弾性体ローラの製造方法。
  2. 前記押付け機構は押し駒と押付け力発生機構と押し駒支持部とを有し、
    前記押し駒は、
    前記押付け力発生機構から前記力(Fs)を受ける第1の端部と、
    前記芯金の外周面に押付けられる第2の端部と、
    前記第1の端部と前記第2の端部との間に前記芯金の方向に傾斜した傾斜形状部と
    を有し、
    前記押し駒支持部は、前記押し駒の前記傾斜形状部に接し、
    前記第1の端部が前記力(Fs)を受けて、前記押し駒が前記芯金の進行方向に対して平行な方向に変位したときに、前記傾斜形状部は、前記押し駒支持部から、前記第2の端部を前記芯金の外周面に押付ける方向の力を受ける請求項1に記載の弾性体ローラの製造方法。
  3. 前記押付け力発生機構が弾性体の弾性力によって前記力(Fs)を発生させる請求項2に記載の弾性体ローラの製造方法。
  4. 前記押付け力発生機構が圧縮空気の空気圧、圧縮油の油圧または電動アクチュエータの駆動力によって前記力(Fs)を発生させる請求項2に記載の弾性体ローラの製造方法。

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