JP2020082636A - 部材の製造方法 - Google Patents

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一浩 荒井
Kazuhiro Arai
一浩 荒井
法行 中井
Noriyuki Nakai
法行 中井
美和 高地
Miwa Takachi
美和 高地
順司 寺田
Junji Terada
順司 寺田
吉川 俊明
Toshiaki Yoshikawa
俊明 吉川
優 亀野
Masaru Kameno
優 亀野
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Abstract

【課題】 本発明は、フィルム状の型を基材に密着させる際に型の伸びを抑制できるので、基材の曲面に、型の微細構造を形状変化が少なく転写することができる部材の製造方法を提供することを目的とする。【解決手段】 曲面を有する基材と、前記基材の曲面上に微細構造が形成された層とを有する部材の製造方法であって、フィルム状の型を、型支持部材を用いて前記基材の曲面の形状に近づける変形工程と、前記型支持部材に支持された前記フィルム状の型と前記転写層とを接近させる接近工程と、流体の圧力を用いて、前記フィルム状の型と前記型支持部材を離間させてから、前記フィルム状の型と前記転写層を接触させて、前記型の微細構造の反転形状を前記転写層に転写させる転写工程と、前記微細構造が形成された転写層を離型して、前記基材の曲面上に微細構造が形成された層を有する部材を得る離型工程と、を有することを特徴とする部材の製造方法。【選択図】 図2

Description

本発明は、曲面に微細構造を有する部材の製造方法に関するものである。
近年、レンズ等の曲面に微細構造を形成するための微細加工技術の開発が行われている。このような曲面上への微細加工方法として、EB描画法、ドライエッチング法等を利用したプロセス開発が進められているが、コストが高く実用化が難しい。そこで、安価な方法で曲面上に微細構造を形成するための製造方法として、表面に微細構造が形成された柔軟性を有するフィルム状の型を用いて、曲面上に微細構造を転写するナノインプリント法の開発が行われている。
柔軟性の高いフィルム状の型を用いて曲面上に微細構造を転写する場合、フィルム状の型を曲面の全面に隙間なく密着させることが重要となる。
特許文献1は、基材の曲面形状に近い形状に変形させたフィルム状の型を用いて、曲面上に微細構造を転写する方法を開示している。特許文献1では、変形前のフィルム状の型の表面に、型が伸びることを考慮して圧縮された微細構造を形成することで、フィルム状の型の変形の際に生じる微細構造の伸びを補正している。
特開2013−256015号公報
しかしながら、曲面の形状によってフィルム状の型の変形量が異なるので、変形前のフィルム状の型表面に形成される微細構造も基材の曲面形状ごとに変化させる必要がある。このため、引用文献1に記載の微細構造の成形方法では、フィルム状の型の製造コストが高いという問題があった。
本発明は、フィルム状の型を曲面基材に密着させる際の微細構造の伸びを抑制することにより、曲面に微細構造を有する部材を低コストで製造する製造方法を提供することを目的とする。
本発明の部材の製造方法は、曲面を有する基材と、前記基材の曲面上に微細構造が形成された層とを有する部材の製造方法であって、前記基材の曲面上に、転写層が設けられた部材を用意する準備工程と、フィルム状の型を、型支持部材を用いて前記基材の曲面の形状に近づける変形工程と、前記型支持部材に支持された前記フィルム状の型と前記転写層とを接近させる接近工程と、流体の圧力を用いて、前記フィルム状の型と前記型支持部材を離間させてから、前記フィルム状の型と前記転写層を接触させて、前記型の微細構造の反転形状を前記転写層に転写させる転写工程と、前記微細構造が形成された転写層を離型して、前記基材の曲面上に微細構造が形成された層を有する部材を得る離型工程と、を有することを特徴とする。
本発明は、フィルム状の型を基材に密着させる際に型の伸びを抑制できるので、基材の曲面に、型の微細構造を形状変化が少なく転写することができる。また、本発明は、フィルム状の型の伸びを抑制できるので、型の伸びを考慮せずに型を低コストで作製できるので、低コストで曲面に微細構造を有する部材を製造することができる。
本実施形態の部材の概略図である。 本実施形態の部材の部材の製造方法についての工程を示す概略図である。 実施例1の工程を示す概略図である。 実施例2の工程を示す概略図である。 実施例3の工程を示す概略図である。 実施例4の工程を示す概略図である。 実施例1の部材における層表面の電子顕微鏡写真である。 (a)比較例1の部材における層表面の電子顕微鏡写真である。(b)比較例2の部材における層表面の電子顕微鏡写真である。
以下に、本発明の実施形態について、図面を用いて詳細に説明する。
(部材)
本実施形態の部材10は、図1に示すように、基材1上に層2が設けられている。層2には微細構造3が形成されている。
部材10は、ガラスレンズ、プラスチックレンズ、ミラー、型、射出成形の成形駒等に用いることができる。
基材1は、ガラス基材、プラスチック基材、ミラー、金属基材、合金基材等を用いることができる。
層2は、熱硬化樹脂や光硬化樹脂、塗布材料(SOG材料)を用いることができる。熱硬化樹脂としては、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、アルキド樹脂、ポリウレタン、熱硬化性ポリイミドを用いることができる。これらの中で、耐熱性や耐酸性に優れているので、フェノール樹脂やエポキシ樹脂を用いることが好ましい。光硬化性樹脂としては、光硬化性樹脂の例としては、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、アクリル系樹脂を用いることができる。塗布材料としては、シラザン材料、ゾルゲル材料を用いることができる。
微細構造3は、円柱、円柱穴、角柱、角柱穴、ラインアンドスペース等を用いることができる。微細構造のピッチは、100nm以上900nm以下であることが好ましく、300nm以上500nm以下であることがより好ましい。
(部材の製造方法)
次に、部材の製造方法について説明する。
図2(a)に示すように、曲面を有する基材11の曲面上に、転写層12が設けられた部材を用意する(準備工程)。基材11の曲面上に転写層12を設ける方法としては、基材の曲面上に樹脂を塗工して乾燥させることにより作製することができる。基材11および転写層12は、上記のものを用いることができる。
部材10がガラスレンズやプラスチックの場合には、直径10nm以上150mm以下で曲率半径が10mm以上200mm以下の球面を有する基材や、非球面の曲面を有する基材を用いることができる。
部材10がミラーの場合には、直径10nm以上300mm以下で曲率半径が5mm以上450mm以下の球面を有する基材や、非球面の曲面を有する基材を用いることができる。
部材10が型や射出成形駒の場合には、直径10nm以上500mm以下で曲率半径が5mm以上1000mm以下の球面を有する基材や、非球面の曲面を有する基材を用いることができる。
図2(b)に示すように、ステージ13に置かれた基材11に対して、型保持部材15で保持された転写する微細構造の反転形状が設けられたフィルム状の型14を、型支持部材16を駆動手段(不図示)によって下方に移動させる。これにより、フィルム状の型14を、型支持部材16を用いて基材11の曲面の形状に近づける(変形工程)。また、型支持部材16に支持されたフィルム状の型14と転写層12とを接近させる(接近工程)。
フィルム状の型14の材質は、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリカーボネート(PC)を用いることが好ましい。フィルム状の型は、引張り伸びが、100%以上900%であることが好ましく、100%以上600%以下であることがより好ましい。引張り伸びが80%未満だとフィルム状の型が変形し難く接近工程で型がひび割れ易くなり、600%を超えると型の反転形状を転写層に転写し難くなる。引張り伸びの測定は、ASTM D638に規定されている方法で行う。
フィルム状の型14の厚さは、50μm以上300μm以下が好ましく、100μm以上200μm以下がより好ましい。フィルム形状の型の厚さが50μm以下だと微細構造の反転形状の転写性が低下し、300μmを超えると後に記載する流体の圧力を用いて型と転写層を接触し難くなり転写性が低下する。
支持部材16としては、ガラス、金属、合金、石英等の無機材料でできた部材を用いることができる。支持部材の形状は、基材の曲面の形状に近いことが好ましい。基材の曲面が曲率半径(Rb)の球面の場合、支持部材の曲率(Rs)は、0.8≦(Rs/Rb)≦1.2を満たすことが好ましく、1.0≦(Rs/Rb)≦1.2を満たすことがより好ましい。
フィルム状の型14を、型支持部材16を用いて基材11の曲面の形状に近づけるとともに、フィルム状の型14と転写層12とを接近させる時に、転写層12とフィルム状の型14の距離の最短は0.002mm以上30mm以下であることが好ましい。転写層12とフィルム状の型14の距離の最短が0.002mm未満だと、転写層12とフィルム状の型14の間隔の制御が難しい。転写層12とフィルム状の型14の距離の最短が30mmを超えると、基材の曲面にある転写層にフィルム状の型を接触させるのが難しい。
図2(c)に示すように、導入管17から流体を導入することにより、流体の圧力によってフィルム状の型14と転写層12を接触させて、フィルム状の型14の微細構造を転写層12に転写させる(転写工程)。フィルム状の型14と転写層12を接近させてから、流体の圧力によって微細構造を転写するので、フィルム状の型14に平準化された力を加えることができるので、転写性が良好となる。
流体としては、液体や気体を用いることができる。流体としては、製造装置を簡易にできるので気体を用いることができる。気体は、空気、窒素、酸素等を用いることができる。
転写工程では、フィルム状の型14と転写層12の密着を保持した状態で転写層12を硬化することにより、フィルム状の型14に形成された微細構造を転写層12に転写することができる。
図2(c)では、フィルム状の型14の転写層12と対向していない側から、型14に流体を流すことにより、型14と転写層12とを接近させている。しかし、型14と転写層12の間にある気体を排出することにより、型14と転写層12とを接近させることもできる。
図2(d)に示すように、不図示の移動機構(不図示)により型14を基材11から遠ざかる方に移動することにより、微細構造が形成された転写層12を離型して、基材11の曲面上に微細構造が形成された層を有する部材を得る(離型工程)。
本実施形態の部材の製造方法では、フィルム状の型を、支持部材を用いて基材の形状に近づけるとともに、型と転写層を接近させている。フィルム状の型と型支持部材の間に生じる摩擦力によって、フィルム状の型の一部だけが伸びることを抑制できると考えられる。その後、流体の圧力を用いて、フィルム状の型と型支持部材を離間させてから、フィルム状の型と転写層を接触させて型の微細構造を転写層に転写させる。このように流体の圧力を用いるので、フィルム状の型を転写層に均一性の高い力で押し付けることにより、曲面上に微細構造の反転形状を一様に転写層に転写することができる。
(実施例1)
図3は実施例1の工程を示す本発明の第1の実施例に係る工程断面模式図である。
実施例1では、まず、図3(a)に示すように、転写層101を塗布した曲面基材102を下部ステージ103に設置し、転写層101側に微細構造が向くようにフィルム状の型104を配置した。実施例1では、転写層101として熱硬化樹脂を用い、曲面基材102として、直径25mm、曲率半径20mmの球面を有するガラスレンズを用いた。また、フィルム状の型104として、引張り伸びが約200%、厚さ150μmのPETフィルムを用いた。フィルム状の型104の表面に形成された微細構造の形状は、ピッチが約250nm、直径が約200nmで三角格子配列のピラー構造であった。
次に、図3(b)に示すように、フィルム状の型104の転写層101側とは反対側にフィルム状の型を変形させる型支持部材105及び上部ステージ106を配置した。実施例1では、型支持部材105として、直径25mm、曲率半径22mmの球面を有するガラス製部材を用いた。また、上部ステージ106は図示されていない移動機構に保持されており、上部ステージ106は下部ステージ103に対して接離方向(紙面の上下方向)に移動可能とした。
次に、図3(c)に示すように、型支持部材105を曲面基材102側に移動することにより、フィルム状の型104を変形させた。ここで、フィルム状の型104は保持冶具107により上部ステージ106に保持され、フィルム状の型104と上部ステージ106で囲まれた空間108は封止された状態とした。
次に、図3(d)に示すように、図示していないポンプを用いて開口部109から空間108の空気を排気することにより、フィルム状の型104を型支持部材105に追従させた。ここで、実施例1では、転写層101の材料として熱硬化樹脂を用いているため、図3(c)及び図3(d)に示したフィルム状の型の接近工程において、フィルム状の型104の加熱は行わず、室温(25℃)で変形を実施した。
次に、図3(e)に示すように、フィルム状の型104の変形を保ったまま、フィルム状の型104と型支持部材105を転写層101に接近させた。この際、フィルム状の型104と転写層101は接触させず、フィルム状の型104の表面と転写層101の最小間隔を0.5mmに接近させた。
次に、図3(f)に示すように、図示していない圧縮空気ボンベを用いて開口部109からフィルム状の型104と型支持部材105の間に圧縮空気を導入し、フィルム状の型104の微細構造が形成された面を転写層101に密着させた。これにより、フィルム状の型104の微細構造の凹部に転写層が充填された。実施例1では、空間108の圧力をゲージ圧力で約0.5MPaとした。その後、フィルム状の型104と転写層101の密着を保持した状態で転写層101を硬化することにより、フィルム状の型104に形成された微細構造を転写層101に転写した。実施例1での転写層101の硬化条件は、硬化温度を約25℃、硬化時間を約24時間とした。
次に、図3(g)に示すように、フィルム状の型104を転写層101から離型した。
このようにして、基材102の曲面上に設けられた層に微細構造を形成した。実施例1で用いたものを表1に記載する。
実施例1で得られた曲面基材表面の電子顕微鏡観察結果を図7に示す。電子顕微鏡画像で、ガラスレンズの中央部から端まで一様に、フィルム状の型の微細構造の反転構造を転写できていることが分かった。
(実施例2)
図4は、実施例2の工程を示す概略図である。
実施例2では、図4(a)、(b)及び(c)では、実施例1と同様に、転写層201を塗布した曲面基材202、フィルム状の型204及び型支持部材205を配置した後、型支持部材205を用いて、フィルム状の型204を変形させた。実施例2では、転写層201として熱硬化樹脂を用い、曲面を有する基材202として、直径150mm、曲率半径120mmの球面を有するミラー素子を用いた。また、フィルム状の型204として、引張り伸びが100%、厚さ200μmのPCフィルムを用いた。フィルム状の型204の表面に形成された微細構造の形状は、ピッチが約400nm、ライン幅が約200nmのラインアンドスペース構造とした。型支持部材205として、直径130mm、曲率半径100mmの球面を有するニッケル合金部材を用いた。
次に、図4(d)に示すように、フィルム状の型204の変形を保ったまま、フィルム状の型204と型支持部材205を転写層201に接近させた。この際、フィルム状の型204と転写層201は接触させず、フィルム状の型204の表面と転写層201の最小間隔を30mmとした。
図4(e)及び(f)では、実施例1と同様に、圧縮空気を用いて、フィルム状の型204の微細構造が形成された面を転写層201に密着させた後、転写層101を硬化することにより、フィルム状の型204に形成された微細構造を転写層201に転写した。その後、フィルム状の型を離型した。実施例2例では、空間208の圧力をゲージ圧力で約0.9MPaとした。また、転写層201の硬化条件は、硬化温度を約80℃、硬化時間を約2時間とした。
このようにして、曲面基材表面に微細構造を形成した。実施例2で用いたものを表1に記載する。
実施例2では、型支持部材の移動のみでフィルム状の型を変形させることにより、引張り伸びが小さいフィルム状の型を用いても、ひび割れやしわが発生なくフィルム状の型を変形することができた。
(実施例3)
図5は、実施例3の工程を示す概略図である。
実施例3では、図5(a)及び(b)では、実施例1と同様に、転写層301を塗布した曲面基材302、フィルム状の型304及び型支持部材305を配置した。実施例3では、転写層301としてUV硬化樹脂を用い、曲面基材302として、直径60mm、曲率半径80mmの球面を有するプラスチックレンズを用いた。また、フィルム状の型304として、引張り伸びが約600%、厚さ100μmのフッ素樹脂フィルムを用いた。フィルム状の型304の表面に形成された微細構造の形状は、ピッチが約250nm、直径が約200nmで三角格子配列のピラー構造とした。さらに、型支持部材305として、直径60mm、曲率半径80mmの球面を有する石英製部材を用いた。
次に、図5(c)に示すように、型支持部材305を曲面基材302側に移動することにより、フィルム状の型304を変形させた。ここで、実施例3では、予め曲面基材302とフィルム状の型304を接近させた状態で配置することにより、型支持部材305の移動と同時にフィルム状の型304と転写層301を十分接近させることができた。また、フィルム状の型304を上部ステージ306と下部ステージ303で挟みこむことにより、フィルム状の型304と上部ステージ306で囲まれた空間308及びフィルム状の型304と下部ステージ309で囲まれた空間109を封止された状態とした。
次に、図5(d)に示すように、図示されていない昇圧機を用いて開口部310から空間309に圧縮空気を導入することにより、フィルム状の型304を型支持部材305に追従させた。この際、開口部311は大気解放状態とした。
次に、図5(e)に示すように、図示していない圧縮空気ボンベを用いて開口部311からフィルム状の型304と型支持部材305の間308に圧縮空気を導入し、フィルム状の型304の微細構造が形成された面を転写層301に密着させた。ここで、圧縮空気の導入に合わせて開口部310は大気解放状態とした。実施襟3では、空間308の圧力をゲージ圧力で約0.2MPaとした。その後、フィルム状の型304と転写層301の密着を保持した状態でUV光源307を用いて転写層301UV光を照射することにより、転写層301を硬化し、フィルム状の型304に形成された微細構造を転写層301に転写した。
次に、図5(f)に示すように、フィルム状の型304を転写層301から離型した。
このようにして、曲面基材表面に微細構造を形成した。実施例3で用いたものを表1に記載する。
実施例3では、UV光を透過する型支持部材及びフィルム状の型を用いることにより、転写層としてUV硬化樹脂を用いることができた。
(実施例4)
図6を用いて実施例4について説明する。図6は、実施例4の工程を示す概略図である。
まず、図4(a)に示すように、転写層401を塗布した曲面基材402を下部ステージ403に設置し、転写層401側に微細構造が向くようにフィルム状の型404を可動部405に設置した。実施例4では、転写層401として熱硬化材料を用い、曲面を有する基材402として、直径25mm、曲率半径20mmの球面を有するガラスレンズを用いた。また、フィルム状の型404の材料として、引張り伸びが約600%、厚さ100μmのフッ素樹脂フィルムを用いた。フィルム状の型404の表面に形成された微細構造の形状は、ピッチが約400nm、直径が約300nmで三角格子配列のホール構造とした。
次に、図6(b)に示すように、フィルム状の型404の転写層401側とは反対側にフィルム状の型変形用の型支持部材406及び上部ステージ407を配置した。実施例4では、型支持部材406として、直径30mm、曲率半径18mmの球面を有するガラス製部材を用いた。また、上部ステージ407は図示されていない移動機構に保持されており、上部ステージ407は下部ステージ403に対して接離方向に移動可能とした。
次に、図6(c)に示すように、型支持部材406を曲面基材402側に移動することにより、フィルム状の型404を変形させた。ここで、フィルム状の型404を上部ステージ407と可動部405で挟みこむことにより、フィルム状の型404と上部ステージ406で囲まれた空間408を封止された状態とした。また、フィルム状の型404、稼働部405及び下部ステージ403で囲まれた空間409も封止された状態とした。
次に、図6(d)に示すように、図示していないポンプを用いて開口部410及び開口部411から空間408及び空間409の空気を排気した。この際、空間408圧力を空間409の圧力より相対的に低くすることにより、フィルム状の型404を型支持部材406に追従させた。
次に、図6(e)に示すように、フィルム状の型404の変形を保ったまま、フィルム状の型404と型支持部材406を転写層401に接近させた。ここで、フィルム状の型404の表面と転写層401の最小間隔を0.002mmとした。
次に、図6(f)に示すように、図示していない圧縮空気ボンベを用いて開口部411からフィルム状の型404と型支持部材405の間に圧縮空気を導入し、フィルム状の型404の微細構造が形成された面を転写層401に密着させた。このことにより、フィルム状の型404の微細構造の凹部に転写層が充填された。実施例4では、空間408の圧力をゲージ圧力で約0.2MPaとした。その後、フィルム状の型404と転写層401の密着を保持した状態で転写層401を硬化することにより、フィルム状の型404に形成された微細構造を転写層401に転写した。実施例4での転写層401の硬化条件は、硬化温度を約25℃、硬化時間を約24時間とした。
次に、図6(g)に示すように、フィルム状の型404を転写層401から離型した。
このようにして、曲面基材表面に微細構造を形成した。実施例4で用いたものを表1に記載する。
本実施例のように、フィルム状の型と転写層の間の空気を排気することにより、残留空気による転写不良を改善することができた。
(比較例1)
比較例1は、フィルム状の型以外は実施例2と同様に行った。比較例1では実施例2とは異なり、フィルム状の型材料として、引張り伸びが50%で厚さ100μmの環状オレフィンポリマー(COP)フィルムを用いた。COPフィルムは熱インプリント用材料として広く用いられている材料であるため、熱インプリント法によりフィルム状の型の作製は容易であったが、フィルム状の型の接近工程においてフィルム状の型の表面にひび割れが発生してしまった。このため、曲面基材上に塗布された転写層には微細構造の他にひびも転写されてしまい、所望の素子特性を得ることができなかった。比較例1で作製した曲面有する基材の層表面の電子顕微鏡観察結果を図8(a)に示す。
(比較例2)
比較例2は、フィルム状の型以外は実施例3と同様に行った。比較例3では、実施例3とは異なり、フィルム状の型材料として、引張り伸びが50%で厚さ188μmの環状オレフィンポリマー(COP)フィルムを用いた。また、比較例1より、COPフィルムでは接近工程においてフィルム状の型の表面にひび割れが発生したため、接近工程時のフィルム状の型の温度をフィルム状の型材料のガラス転移温度まで加熱した。このことにより、ひび割れなくフィルム状の型を変形することができた。しかし、フィルム状の型表面の微細構造を電子顕微鏡で確認したところ、熱変形により形状が著しく変化しており、所望の素子特性を得ることができなかった。本比較例で使用したフィルム状の型表面の電子顕微鏡観察結果を図8(b)に示す。
(評価)
実施例1のように、型支持部材105を用いることにより、フィルム状の型104の表面に形成されている微細構造を伸ばすことなくフィルム状の型を変形させることができた。これは、フィルム状の型と型支持部材の間に生じる摩擦力によって、フィルム状の型の転写に用いられる領域の伸びが抑制されたためであると考えられる。また、変形後のフィルム状の型104を転写層101に接近させることにより、流体圧力を用いてフィルム状の型を転写層に密着させる際のフィルム状の型の伸び量を抑制することができた。
101、201、301、401 転写層
102、202、302、402 基材
104、204、304、404 フィルム状の型
105、205、305、406 型支持部材

Claims (6)

  1. 曲面を有する基材と、前記基材の曲面上に微細構造が形成された層とを有する部材の製造方法であって、
    前記基材の曲面上に、転写層が設けられた部材を用意する準備工程と、
    フィルム状の型を、型支持部材を用いて前記基材の曲面の形状に近づける変形工程と、
    前記型支持部材に支持された前記フィルム状の型と前記転写層とを接近させる接近工程と、
    流体の圧力を用いて、前記フィルム状の型と前記型支持部材を離間させてから、前記フィルム状の型と前記転写層を接触させて、前記型の微細構造の反転形状を前記転写層に転写させる転写工程と、
    前記微細構造が形成された転写層を離型して、前記基材の曲面上に微細構造が形成された層を有する部材を得る離型工程と、を有することを特徴とする部材の製造方法。
  2. 前記接近工程で、前記型と前記転写層とが最も接近している距離が、0.002mm以上30mm以下であることを特徴とする請求項1に記載の部材の製造方法。
  3. 前記流体は、気体であることを特徴とする請求項1又は2に記載の部材の製造方法。
  4. 前記気体は、空気であることを特徴とする請求項3に記載の部材の製造方法。
  5. 前記接近工程では、前記型の前記転写層と対向していない側から、前記型に前記気体を流すことにより、前記型と前記転写層とを接近させることを特徴とする請求項3又は4に記載の部材の製造方法。
  6. 前記接近工程では、前記型と前記転写層の間にある気体を排出することにより、前記型と前記転写層とを接近させることを特徴とする請求項3又は4に記載の部材の製造方法。
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