JP2020082242A - 部品組立装置 - Google Patents

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学 澁田
正紀 西澤
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正紀 西澤
健太郎 亀井
Kentaro Kamei
健太郎 亀井
佳剛 中垣
Yoshitake Nakagaki
佳剛 中垣
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Abstract

【課題】変形を許容する部分を有する部品を他の部品に簡単に組み立てることができるようにすること。【解決手段】部品組立装置(1)は、複合部品(P)を対象部品(Q)に組み立てるものである。複合部品は、対象部品との組み立て中と組み立て後とで形状が変化するコイルばね(P1)と、組み立て中と組み立て後とで同じ形状となる薄板部(P2)とを備えている。部品組立装置は、コイルばねを組み立て前の状態から変形させて複合部品を保持する保持手段(2)と、保持手段を移動して保持手段に保持された複合部品を対象部品に組み付ける移動手段(3)と、保持手段で保持された複合部品におけるコイルばね及び薄板部の形状を認識可能な認識手段(4)と、認識手段で認識したコイルばね及び薄板部のそれぞれの形状について、組み立て前での変形の有無を判定する事前判定部(113)とを備えている。【選択図】図5

Description

本発明は、部品組立装置に関し、特に、部品を保持してから移動して他の部品に組み立てることができる部品組立装置に関する。
従来、先端にハンドを搭載したマニピュレータ装置によって部品を組み立てる装置として、例えば特許文献1に記載された組立装置が提案されている。特許文献1の組立装置では、マニピュレータ装置により作業対象部品を移動させる際、把持した作業対象部品の方向、姿勢、及び発生力を教示して記憶している。
特開2004−160614号公報
ところで、組み立てる部品としては、例えば、ばね等の弾性変形し易い部分と、薄い金属片等の変形すると元の形状に復元し難い部分とを有する複合部品が用いられる場合がある。かかる複合部品の組み立てでは、把持した際には弾性変形し易い部分を圧縮変形させた状態とし、この状態を維持しながら穴等に挿入した後、圧縮を解放して嵌め込む手順が考えられる。
特許文献1にあっては、把持した部品の方向等を記憶しているが、把持した部品が変形する点について記載がなく、その変形を確認する手段についても記載されていない。従って、変形の際に形状誤差等が生じると、上述した複合部品を組み立てできなくなったり、不良品になったりするという問題がある。このため、かかる複合部品を組み立てるには、人手に頼らざるを得ない、という問題がある。
本発明は、このような実情に鑑みてなされたものであり、変形を許容する部分を有する部品を他の部品に簡単に組み立てることができる部品組立装置を提供することを目的とする。
本発明に係る部品組立装置は、複合部品を対象部品に組み立てる部品組立装置であって、前記複合部品は、前記対象部品との組み立て中と組み立て後とで形状が変化する変形許容部と、組み立て中と組み立て後とで同じ形状となる形状維持部と、を備え、前記変形許容部を組み立て前の状態から変形させて前記複合部品を保持する保持手段と、前記保持手段を移動して該保持手段に保持された前記複合部品を前記対象部品に組み付ける移動手段と、前記保持手段で保持された前記複合部品における前記変形許容部及び前記形状維持部の形状を認識可能な認識手段と、前記認識手段で認識した前記変形許容部及び前記形状維持部のそれぞれの形状について、前記保持手段に保持された状態で組み立て前での変形の有無を判定する事前判定部とを備えていることを特徴とする。
本発明によれば、保持手段で保持された複合部品における変形許容部及び形状維持部の組み立て直前での変形の有無を確認することができる。言い換えると、保持された状態にて変形許容部が組み立て可能な形状となるまで変形した状態であるか確認でき、形状維持部に不良となる形状変化がないか確認することができる。これにより、人手による作業を行わずに複合部品の組み立てを簡単に行うことができ、作業負担の軽減、品質の均一化を図ることができる。
実施の形態に係る部品組立装置の概略斜視図である。 図2Aは、組み立て前の複合部品の平面図であり、図2Bは、図2Aの複合部品の分解側面図であり、図2Cは、複合部品の保持状態の説明図である。 図3Aは、組み立て前の対象部品の正面図であり、図3Bは、組み立て前の対象部品の平面図である。 図4Aは、複合部品及び対象部品の組み立て後の正面図であり、図4Bは、複合部品及び対象部品の組み立て後の側面図であり、図4Cは、複合部品及び対象部品を組み立てる中途段階の正面図である。 実施の形態に係る制御手段の機能ブロック図である。
以下に、本発明の実施の形態について、添付図面を参照して詳細に説明する。なお、本発明は、下記の実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を変更しない範囲内で適宜変形して実施することができるものである。また、以下の図においては、説明の便宜上、一部の構成を省略することがある。
図1は、実施の形態に係る部品組立装置の概略斜視図である。図1に示すように、部品組立装置1は、保持手段2、移動手段3及び認識手段4を備え、複合部品Pに対象部品Qを組み立てるものである。
ここで、部品組立装置1の説明の前に、図2ないし図4を参照して、実施の形態に係る部品組立装置により組み立てられる部品について説明する。図2Aは、組み立て前の複合部品の平面図であり、図2Bは、複合部品の分解側面図である。図2A及び図2Bに示すように、複合部品Pは、変形許容部としての圧縮コイルばねP1(以下、「コイルばね」と称する)と、形状維持部としての金属からなる薄板部P2とを備えている。
コイルばねP1は、Z方向の長さが短くなるよう弾性変形可能となっている。薄板部P2は、接点を形成するためのものであり、Y方向に細長い概略長方形状に形成されている。薄板部P2の面内中央部は、コイルばねP1の位置決め用に膨出した形状に形成される。また、薄板部P2の長辺を形成する端縁には、対象部品Qとの位置決め用の凸部P2aが形成される。凸部P2aは、平面視で薄板部P2の面内中央部を対称点として点対称となる位置に形成されている。
図3Aは、組み立て前の対象部品の正面図であり、図3Bは、組み立て前の対象部品の平面図である。図3A及び図3Bに示すように、対象部品Qは、Y方向に貫通する貫通穴Q1を複数備えた枠状に形成されている。貫通穴Q1の図3A中左側の内周面には、コイルばねP1(図2B参照)の位置決め用に膨出した部分が形成されている。
貫通穴Q1のZ方向の幅Qzは、薄板部P2のX方向の幅Px1(図2A参照)と概略同一若しくは若干大きく形成され、薄板部P2の凸部P2aの先端間におけるX方向の距離Px2(図2A参照)より小さく形成される。また、貫通穴Q1のY方向の幅Qyは、凸部P2aのY方向の離間距離Py(図2A参照)と概略同一若しくは若干小さく形成されている。
図4Aは、複合部品及び対象部品の組み立て後の正面図であり、図4Bは、複合部品及び対象部品の組み立て後の側面図であり、図4Cは、複合部品及び対象部品を組み立てる中途段階の正面図である。図4A及び図4Bに示すように、貫通穴Q1に薄板部P2を挿入して複合部品Pに対象部品Qを組み立てた状態では、組み立て前に対して複合部品PがY軸回りに90°回転した状態となる。
上述のように貫通穴Q1の幅Qzと薄板部P2の幅Px1とが概略同一となり、貫通穴Q1のZ方向両側の内周面と、薄板部P2の長辺とが近接することで、Z方向における複合部品Pと対象部品Qとの相対変位が規制される。また、上述のように貫通穴Q1の幅Qyと凸部P2aのY方向の離間距離Pyとが概略同一となり、凸部P2aと対象部品QのY方向両側面とが近接することで、Y方向における複合部品Pと対象部品Qとの相対変位が規制される。更に、コイルばねP1の付勢力によって薄板部P2が貫通穴Q1の図4A中右面に押し付けられ、X方向における複合部品Pと対象部品Qとの相対変位が規制される。
但し、このように組み立てた状態とするには、貫通穴Q1に薄板部P2を挿入するにあたり、図4Cに示すように、貫通穴Q1の対角線上に薄板部P2が位置するような向きとしつつ、コイルばねP1を圧縮した状態とする必要がある。本実施の形態の部品組立装置1にあっては、手作業を伴うことなく複合部品Pに対象部品Qを自動で組み立て可能とするものである。
図1に戻り、保持手段2は、アクチュエータやサーボモータ等を含む駆動手段21によってZ方向に離間接近可能な一対の挟持部材22を備えている。挟持部材22は、Y方向に細長い片状に形成されて複合部品PをZ方向両側から挟み込んで保持可能に設けられている。ここで、挟持部材22で複合部品Pを保持する場合、挟持部材22によってコイルばねP1を圧縮した状態として保持する(図2C参照)。
保持手段2と移動手段3との間には、力覚認識手段としての力覚センサ6が設けられている。力覚センサ6は、XYZの各軸方向の力と各軸回りのモーメントを検出可能な6軸力覚センサによって構成することが例示できる。
移動手段3は、ベース7上におけるY方向一端側に配設されている。移動手段3は、力覚センサ6を介して保持手段2を支持するθ軸駆動部31と、θ軸駆動部31を下方から支持してY方向に駆動するY軸駆動部32と、Y軸駆動部32を下方から支持してX方向に駆動するX軸駆動部33とを備えている。θ軸駆動部31は、保持手段2をY軸回りに回動可能に設けられている。各駆動部31〜33は、アクチュエータやサーボモータ等の駆動機構を含んで構成される。
ベース7上におけるY方向他端側であって保持手段2に対向する位置には、支持テーブル8と固定治具9とが設けられている。支持テーブル8及び固定治具9は、脚部材81、91を介して保持手段2に対応する高さ位置に配置されている。支持テーブル8は、上面側に複合部品Pを位置決めして支持する複数の溝82を備えている。固定治具9は、支持テーブル8とX方向に並んで設けられ、対象部品Qを一定の位置に固定して支持可能に設けられている。
認識手段4は、第1撮像手段41と、第2撮像手段42と、第3撮像手段43とを備えている。第1〜第3撮像手段41〜43としては、内部にCCDやCMOSなどの撮像素子を備えた撮像カメラが例示できる。
第1撮像手段41は、保持手段2が保持して対象部品Qに組み立てる直前の教示点に位置する複合部品Pを撮像する。第2撮像手段42は、組み立て中の対象部品Q及び複合部品Pを撮像する。第3撮像手段43は、組み立て完了後の対象部品Q及び複合部品Pを撮像する。
図5は、実施の形態に係る制御手段の機能ブロック図である。図5に示すように、本実施の形態に係る部品組立装置1は制御手段10を備え、制御手段10は、部品組立装置1の各部を統括制御するものであり、各種処理を実行するプロセッサやメモリ等を含んで構成される。メモリは、用途に応じてROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等の一つ又は複数の記憶媒体で構成される。制御手段10は、駆動制御部101、認識制御部102、検出制御部103、演算部112、事前判定部113、動作中判定部114、事後判定部115、記憶部116として機能する。なお、図5に示す制御手段10の機能ブロックは、本発明に関連する構成のみを示しており、それ以外の構成については省略している。
駆動制御部101では、組み立て中及びその前後において、保持手段2における複合部品Pの保持状態、駆動する移動手段3の現在位置が入力される。また、駆動制御部101は、演算部112によって演算処理された各種の指令、教示点、座標位置等に応じ、保持手段2による複合部品Pの保持及び保持の解放、移動手段3における各駆動部31〜33の移動等を制御する。駆動制御部101による移動手段3の制御によって、保持手段2により複合部品Pを保持し、第1撮像手段41で複合部品Pを撮像可能な教示点を経由するよう移動してから、固定治具9に固定された対象部品Qに複合部品Pを組み付けることができる。
認識制御部102は、第1〜第3撮像手段41〜43に撮像指令を出力して撮像のタイミングや撮像条件等を制御する。また、認識制御部102は、第1〜第3撮像手段41〜43から出力された画像データにて所定領域を抽出する画像処理を行ったり、抽出した画像データの座標位置、寸法、形状、方向、姿勢等を特定する処理を行ったりする。具体例としては、第1及び第2撮像手段41、42が撮像した撮像画像から、保持手段2に保持された複合部品PのコイルばねP1及び薄板部P2それぞれの形状を抽出する画像処理を行う。そして、コイルばねP1及び薄板部P2の座標位置、寸法、形状等を特定する。また、第3撮像手段43が撮像した撮像画像から、組み立て後の複合部品Pにおける薄板部P2の形状を抽出する画像処理を行い、薄板部P2の座標位置、寸法、形状等を特定する。認識制御部102は、複合部品PのコイルばねP1及び薄板部P2に関するデータを各判定部113〜115に出力する。
検出制御部103は、力覚センサ6に測定指令を出力して力覚値の測定及び力覚センサ6での監視等を制御する他、力覚センサ6から出力された力覚値を入力して駆動制御部101に出力する。
演算部112は、記憶部116に記憶されているプログラム等に従い、入力される情報に対する各種の演算処理や、各種の制御処理(出力部122の表示制御等)を行う。例としては、記憶部116に記憶されているデータ等に従い、保持手段2に保持された複合部品Pが移動手段3によって所定の教示点を通過するよう移動する駆動指令を演算する。また、該教示点の修正量が事前判定部113で演算された場合には、それらに基づく移動手段3の駆動指令を演算する。他には、力覚センサ6での力覚値と記憶部116に記憶した閾値とを比較し、該閾値を超えた場合、移動手段3を停止する停止指令を駆動制御部101に出力する。
また、演算部112には、入力部121及び出力部122が接続されている。入力部121は、例えば、キーボード、ボタン、キー、タッチパネル型ディスプレイ、マイク等を含み、オペレータ等からの操作によるデータを取得して演算部112に出力する。また、入力部121は、通信インターフェースとしてパソコン等の外部装置から有線又は無線通信によってデータを取得するようにしたり、データを内蔵するメモリーカード等の記憶媒体を接続可能なスロット等のインターフェースとしたりしてもよい。
出力部122は、ディスプレイやスピーカ等によって構成され、オペレータに対し、演算部112での演算処理結果や、移動手段3を停止した場合等のアラームを表示、報知する。
事前判定部113は、第1撮像手段41で認識されたコイルばねP1及び薄板部P2それぞれの形状について、保持手段2での保持後であって対象部品Qに組み立てる前の段階での変形の有無を判定する。具体的には、事前判定部113は、記憶部116に記憶された保持手段2で把持した状態のコイルばねP1及び薄板部P2の基準データ(閾値)を取得する。更に、かかる基準データに対応するデータとして、第1撮像手段41の撮像結果(認識結果)から認識制御部102で演算したコイルばねP1及び薄板部P2の各種データを取得する。そして、これらデータを比較し、基準データに対するコイルばねP1及び薄板部P2の変形量及び変位量を演算する。
事前判定部113では、かかる変形量が、予め設定して記憶部116に記憶された許容範囲(閾値)内であるかを判定する。許容範囲内であれば、組み立てを続行する指令を、許容範囲外であれば移動手段3を停止する停止指令を駆動制御部101に出力する。また、事前判定部113では、基準データに対するコイルばねP1及び薄板部P2の変位量が、予め設定して記憶部116に記憶された許容範囲(閾値)内であるかを判定する。許容範囲内であれば、組み立てを続行する指令を出力し、許容範囲外であれば変位量に基づき教示点の修正量を演算し、該修正量を駆動制御部101に出力する。
動作中判定部114は、第2撮像手段42で認識されたコイルばねP1及び薄板部P2それぞれの形状について、対象部品Qに組み立てている最中の変形の有無を判定する。具体的には、動作中判定部114は、記憶部116に記憶された保持手段2で把持した状態のコイルばねP1及び薄板部P2の基準データ(閾値)を取得する。更に、かかる基準データに対応するデータとして、第2撮像手段42の撮像結果から認識制御部102で演算したコイルばねP1及び薄板部P2の各種データを取得する。そして、これらデータを比較し、基準データに対するコイルばねP1及び薄板部P2の変形量を演算し、かかる変形量が、予め設定して記憶部116に記憶された許容範囲(閾値)内であるかを判定する。許容範囲内であれば、組み立てを続行する指令を、許容範囲外であれば移動手段3を停止する停止指令を駆動制御部101に出力する。
事後判定部115は、第3撮像手段43で認識された薄板部P2の形状について、変形の有無を判定する。具体的には、事後判定部115は、記憶部116に記憶されている対象部品Qに組み立てられた状態の薄板部P2の基準データ(閾値)を取得する。更に、かかる基準データに対応するデータとして、第3撮像手段43の撮像結果から認識制御部102で演算した薄板部P2の各種データを取得する。そして、これらデータを比較し、基準データに対する薄板部P2の変形量を演算し、かかる変形量が、予め設定して記憶部116に記憶された許容範囲(閾値)内であるかを判定する。許容範囲内であれば、対象部品Qに対する複合部品Pの組み立てが正常に完了となり、許容範囲外であれば所定のエラー処理を行う。
記憶部116には、上述した各基準データ(閾値)や許容範囲、各撮像手段41〜43から出力される画像データ、認識制御部102の画像処理結果、演算部112の演算処理結果、各判定部113〜115の判定結果が記憶される。また、記憶部116には、演算部112が各種の演算、制御を行うためのプログラムや、アプリケーションとして機能するためのプログラム、データ等が記憶される。
次に、実施の形態に係る部品組立工程の流れについて説明する。ここでは、図1に示すように、対象部品Qが固定治具9に固定され、複合部品Pが支持テーブル8の溝82内に位置決めされているものとする。先ず、駆動制御部101により移動手段3を駆動制御し、挟持部材22で複合部品Pを挟持できる位置まで保持手段2を移動する。その後、検出制御部103によって力覚センサ6の制御し、力覚センサ6での力覚値の測定及び監視を開始する。その後、駆動制御部101により保持手段2を駆動制御し、保持手段2における挟持部材22によって複合部品Pを保持する。このとき、図2Cに示すように、挟持部材22によってコイルばねP1を圧縮変形した状態で挟持する。
検出制御部103での監視において、力覚センサ6での力覚値が事前に設定及び記憶した閾値を超えた場合、検出制御部103が駆動制御部101に停止指令を出力する。駆動制御部101は停止指令を受信した時点で移動手段3の駆動を停止する。検出制御部103での監視は、保持手段2による複合部品Pの保持が解放されるまで継続される。また、移動手段3の駆動を停止した場合には、演算部112による制御で出力部122からアラーム等を出力する。なお、以下においても移動手段3の駆動停止後は同様の処理が実施される。よって、かかる処理の以下における記載を省略する。
保持手段2での複合部品Pの保持後、駆動制御部101により移動手段3の駆動を制御し、保持手段2に保持された複合部品Pを対象部品Qの貫通穴Q1に挿入する直前の教示点へ複合部品Pを移動する。この移動では、図4Cに示すように、貫通穴Q1の対角線上に複合部品Pの薄板部P2を位置させる回転移動を含む。かかる移動後、認識制御部102から第1撮像手段41に撮像指令を出力し、保持手段2に保持された複合部品Pを第1撮像手段41によって撮像する。
認識制御部102は第1撮像手段41から入力した撮像結果を事前判定部113に出力する。事前判定部113では、第1撮像手段41の撮像結果と、事前に設定及び記憶した基準データ(閾値)とを比較し、複合部品Pの変形量及び変位量を演算する。そして、事前判定部113では、かかる変形量が事前に設定した許容範囲内であるかを判定し、許容範囲外である場合は移動手段3の駆動を停止する。また、変位量つまり複合部品Pを保持する位置が許容範囲外である場合は、その変位量に基づき教示点の修正量を演算し、該修正量を駆動制御部101に出力する。駆動制御部101では、出力された教示点の修正量と、当初の教示点とに基づき移動手段3を駆動し、保持手段2に保持された複合部品Pを移動する。
その後、移動手段3の駆動を制御し、保持手段2に保持された複合部品Pを対象部品Qの貫通穴Q1に挿入する。挿入動作中、認識制御部102から第2撮像手段42に撮像指令を出力して複合部品Pを第2撮像手段42によって撮像する。認識制御部102は第2撮像手段42から入力した撮像結果を動作中判定部114に出力する。動作中判定部114では、第2撮像手段42の撮像結果と、事前に設定及び記憶した基準データ(閾値)とを比較し、複合部品Pの変形量を演算する。そして、動作中判定部114では、かかる変形量が事前に設定した許容範囲内であるかを判定し、許容範囲外である場合は移動手段3の駆動を停止する。
引き続き移動手段3の駆動を制御することで、複合部品Pを貫通穴Q1に挿入した後は、薄板部P2がZ方向に向くまで回転した後、挟持部材22による保持を解放する。これにより、薄板部P2が貫通穴Q1内に挿入されつつコイルばねP1が伸長した状態となって貫通穴Q1内に配置された状態となる。その後、複合部品Pを挿入する直前の教示点に保持手段2を移動する。かかる移動後、認識制御部102から第3撮像手段43に撮像指令を出力し、対象部品Qに組み付けられた複合部品Pの薄板部P2を第3撮像手段43によって撮像する。
認識制御部102は第3撮像手段43から入力した撮像結果を事後判定部115に出力する。事後判定部115では、第3撮像手段43の撮像結果と、事前に設定及び記憶した基準データ(閾値)とを比較し、複合部品Pの薄板部P2の変形量を演算する。そして、事後判定部115では、かかる変形量が事前に設定した許容範囲内であるかを判定し、許容範囲内である場合は組み立てを完了し、許容範囲外である場合は出力部122を介してエラーが発生したことを出力する。組み立てを完了した後では、組み立て中となる保持手段2で保持された状態に対し、コイルばねP1は形状が変化し、薄板部P2は同じ形状となる。
以上説明したように、本実施の形態に係る部品組立装置1では、保持手段2に保持された複合部品Pを対象部品Qに組み立てる直前に、第1撮像手段41によって撮像して複合部品Pの変形の有無を判定することができる。これにより、図2Cに示すように、挟持部材22によってコイルばねP1を圧縮して保持した場合でも、コイルばねP1が所定形状まで圧縮変形し、薄板部P2が変形していないことを確認した状態として組み立ての工程を継続することができる。この結果、人手による作業を行わずに、コイルばねP1の圧縮、貫通穴Q1への複合部品Pの挿入及び回転を自動的に行うことができ、作業の効率化、作業負担の軽減、品質の均一化を図ることができる。
このとき、基準データに対するコイルばねP1及び薄板部P2の変形量を演算して許容範囲内であるか否かを判定するので、該許容範囲を調整することで貫通穴Q1へ複合部品Pを挿入及び回転可能としつつ良好に組み立てを行えるように設定することができる。
更に、組み立て時には、力覚センサ6及び検出制御部103で保持手段2に作用する力覚値の監視が同時に行われるので、該力覚値が正常値であることも組み立て工程を継続する条件とすることができる。これにより、薄板部P2が変形した場合には力覚センサ6によっても検出し得るようになり、薄板部P2の変形防止をより良く達成することができる。
また、第2撮像手段42の撮像結果に基づき組み立ての最中の変形の有無を判定するので、コイルばねP1に組み立て不能になるような変形が生じていないか、薄板部P2が塑性変形するような変形が生じていないかを監視することができる。言い換えると、組み立て中、コイルばねP1や薄板部P2での若干の変形は許容しつつも組み立てや品質に影響を及ぼすような変形が生じることを防止でき、人手による作業に近付けつつ自動的に組み立てを行うことができる。
更に、第3撮像手段43の撮像結果に基づき、組み立て後の薄板部P2の変形の有無を判定するので、組み立て工程完了時点での薄板部P2における塑性変形等を確認することができる。これにより、品質不良となるような変形が生じた状態で完成品となることを防止でき、品質の均一化を図ることができる。
なお、本発明は上記実施の形態に限定されず、さまざまに変更して実施可能である。上記実施の形態において、添付図面に図示されている大きさや形状、方向などについては、これに限定されず、本発明の効果を発揮する範囲内で適宜変更が可能である。その他、本発明の目的の範囲を逸脱しない限りにおいて適宜変更して実施可能である。
例えば、上記実施の形態の複合部品Pでは、変形許容部をコイルばねP1、形状維持部を薄板部P2としたが、これに限られるものでなく、変更してもよい。変形許容部は、組み立て中と組み立て後とでの変形を許容するものであれば、板ばね等の他の弾性部材やスポンジ状のものとしてもよい。また、形状維持部は、組み立て中と組み立て後とで同じ形状とするものであれば、長尺状や箱状にする等、所定の定形性を維持できればよい。
また、対象部品Qは、複合部品Pが組み付け可能な構成であれば、貫通穴Q1以外の形状を有する構成としてもよい。
また、保持手段2は、複合部品Pの変形許容部を変形させつつ保持可能であれば、上述した構成に限定されるものでなく、例えば、吸着を利用した構成としてもよい。
また、移動手段3は、複合部品Pの組み付けに必要な移動を行うものであれば、種々の変更が可能であり、上記実施の形態の移動手段3に対してZ軸駆動部を設けてもよい。また、移動手段3は、組み立てる部品に応じてθ軸駆動部31、Y軸駆動部32、X軸駆動部33の何れかを省略したり、6軸多関節ロボットで構成したりしてもよい。
以上説明したように、本発明は、変形を許容する部分を有する部品を他の部品に簡単に組み立てることができるという効果を有する。
1 部品組立装置
2 保持手段
3 移動手段
4 認識手段
113 事前判定部
115 事後判定部
P 複合部品
P1 コイルばね(変形許容部)
P2 薄板部(形状維持部)
Q 対象部品
Q1 貫通穴

Claims (4)

  1. 複合部品を対象部品に組み立てる部品組立装置であって、
    前記複合部品は、前記対象部品との組み立て中と組み立て後とで形状が変化する変形許容部と、組み立て中と組み立て後とで同じ形状となる形状維持部と、を備え、
    前記変形許容部を組み立て前の状態から変形させて前記複合部品を保持する保持手段と、
    前記保持手段を移動して該保持手段に保持された前記複合部品を前記対象部品に組み付ける移動手段と、
    前記保持手段で保持された前記複合部品における前記変形許容部及び前記形状維持部の形状を認識可能な認識手段と、
    前記認識手段で認識した前記変形許容部及び前記形状維持部のそれぞれの形状について、前記保持手段に保持された状態で組み立て前での変形の有無を判定する事前判定部とを備えていることを特徴とする部品組立装置。
  2. 前記対象部品は貫通穴を備え、
    前記対象部品と前記複合部品との組み立てで、前記形状維持部が前記貫通穴に挿入され、前記変形許容部が前記貫通穴内に配置されることを特徴とする請求項1に記載の部品組立装置。
  3. 前記事前判定部は、前記認識手段の認識結果と基準データと比較して前記変形許容部及び前記形状維持部の変形量を求め、該変形量に基づいて組み立て前での変形の有無を判定することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の部品組立装置。
  4. 前記複合部品を前記対象部品に組み立てた後の前記形状維持部の変形の有無を判定する事後判定部を更に備えていることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の部品組立装置。
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