JP2020081934A - オゾン酸化分解処理に用いられるフィルター体及びその製造方法 - Google Patents

オゾン酸化分解処理に用いられるフィルター体及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】VOCや気相無機還元性化合物をオゾンの酸化反応により分解処理を行う方法や装置に用いられるフィルター体であって、簡易な工程で製造することができ、かつ、オゾンの供給量が少量であっても処理対象成分の分解効率を高めることができつつ、分解性能を長時間維持することのできるフィルター体及びその製造方法を提供する。【解決手段】 処理対象成分であるVOC及び気相無機還元性化合物の少なくとも一方を含有するガスとオゾンとを混合させ、触媒を担持したフィルターに接触させて、該処理対象成分とオゾンの促進酸化により処理対象成分を分解処理するオゾン酸化分解処理に用いられるフィルター体の製造方法であって、フィルター体は、コバルト、マンガン、銅のうち一又は複数の酸化物である遷移金属含有酸化物多孔質体と高シリカ吸着材を水中で混合して混合スラリー状物とし、混合スラリー状物に基材を含浸させて焼成されてなる。【選択図】なし

Description

本発明は、VOCや気相無機還元性化合物をオゾンの酸化反応により分解処理を行う方法や装置に使用されるフィルター体及びその製造方法に関し、特に、簡易な工程でフィルター体の製造を可能とし、かつ該フィルターを用いることによって処理対象成分の分解処理性能を向上させることができるオゾン酸化分解処理に用いられるフィルター体及びその製造方法に関する。
揮発性有機化合物(VOC)は、常温常圧で大気中に容易に揮発する有機化学物質の総称であって、VOC(揮発性のアルコール類、ケトン類、エステル類、エーテル類、アルデヒド類や芳香族類等)は溶剤や燃料等として幅広く使用されている。しかしながら、環境中へ放出されると、健康被害を引き起こしたり悪臭の原因となる。特に、ホルムアルデヒドによるシックハウス症候群や化学物質過敏症が問題となっている。他にも、農作物はエチレンやアルデヒド、テルペン等に接触すると熟成が促進され鮮度保持に支障をきたす場合がある。
そこで、VOC等を酸化分解処理することが考えられる。例えば、VOCを含む排ガス処理において、ハニカムローターTSA(温度スイング吸着法)と触媒燃焼を用いる処理方法が多く採用されている。この処理方法は、例えば、排気ガス等に含まれるVOCを高シリカゼオライトに吸着させ、減容濃縮し、吸着したVOCを熱風により脱着させる。そして、脱離濃縮されたVOCを触媒燃焼で酸化分解する方法である。この方法は、濃縮した後に高温でVOCを分解するため効率的であるが、装置の複雑さや操作の煩雑さ等からコストがかかってしまう。
発明者らは、このことに鑑み、効率が良くコストの低減も望むことのできるVOC等のオゾン酸化処理を提案した(特許文献1参照)。この方法によると、VOCを含む排ガスにオゾンを供給した混合ガスを、ゼオライトと遷移金属含有酸化物よりなる吸着剤に接触させ、オゾンの酸化反応によりVOCを分解処理するものである。この処理方法は、装置が簡単な構成とすることができる。
特開2015−174017号公報
本発明は、VOCや気相無機還元性化合物をオゾンの酸化反応により分解処理を行う方法や装置に用いられるフィルター体であって、簡易な工程で製造することができ、かつ、オゾンの供給量が少量であっても処理対象成分の分解効率を高めることができつつ、分解性能を長時間維持することのできるフィルター体及びその製造方法を提供する。
すなわち、第1の発明は、処理対象成分であるVOC及び気相無機還元性化合物の少なくとも一方を含有するガスとオゾンとを混合させ、触媒を担持したフィルターに接触させて、該処理対象成分とオゾンの促進酸化により前記処理対象成分を分解処理するオゾン酸化分解処理に用いられるフィルター体であって、前記フィルター体は、コバルト、マンガン、銅のうち一又は複数の酸化物である遷移金属含有酸化物多孔質体と高シリカペンタルゼオライト、脱アルミニウムフォージャサイト及びメソポーラスシリケートのいずれかよりなる高シリカ吸着材を1:3ないし1:50の重量比で含有する混合物を基材表面に担持してなることを特徴とするオゾン酸化分解処理に用いられるフィルター体に係る。
第2の発明は、処理対象成分であるVOC及び気相無機還元性化合物の少なくとも一方を含有するガスとオゾンとを混合させ、触媒を担持したフィルターに接触させて、該処理対象成分とオゾンの促進酸化により前記処理対象成分を分解処理するオゾン酸化分解処理に用いられるフィルター体の製造方法であって、前記フィルター体は、コバルト、マンガン、銅のうち一又は複数の酸化物である遷移金属含有酸化物多孔質体と高シリカ吸着材を水中で混合して混合スラリー状物とし、前記混合スラリー状物に基材を含浸させて焼成されてなることを特徴とするオゾン酸化分解処理に用いられるフィルター体の製造方法に係る。
第3の発明は、前記混合スラリー状物に含まれる前記遷移金属含有酸化物多孔質体分の割合が前記高シリカ吸着材分の割合よりも少ないことを特徴とする請求項2に記載のオゾン酸化分解処理に用いられるフィルター体の製造方法に係る。
第4の発明は、前記混合スラリー状物に含まれる前記遷移金属含有酸化物多孔質体分と前記高シリカ吸着材分が1:3ないし1:50の重量比である請求項2又は3に記載のオゾン酸化分解処理に用いられるフィルター体の製造方法に係る。
第5の発明は、前記遷移金属含有酸化物多孔質体のBET比表面積が100m2/g以上である請求項4に記載のオゾン酸化分解処理に用いられるフィルター体の製造方法に係る。
第6の発明は、前記高シリカ吸着材が、高シリカペンタルゼオライト、脱アルミニウムフォージャサイト及びメソポーラスシリケートのいずれかよりなる請求項2ないし5のいずれか1項に記載のオゾン酸化分解処理に用いられるフィルター体の製造方法に係る。
第1の発明に係るオゾン酸化分解処理に用いられるフィルター体によると、処理対象成分であるVOC及び気相無機還元性化合物の少なくとも一方を含有するガスとオゾンとを混合させ、触媒を担持したフィルターに接触させて、該処理対象成分とオゾンの促進酸化により前記処理対象成分を分解処理するオゾン酸化分解処理に用いられるフィルター体であって、前記フィルター体は、コバルト、マンガン、銅のうち一又は複数の酸化物である遷移金属含有酸化物多孔質体と高シリカペンタルゼオライト、脱アルミニウムフォージャサイト及びメソポーラスシリケートのいずれかよりなる高シリカ吸着材を1:3ないし1:50の重量比で含有する混合物を基材表面に担持してなるため、オゾンの供給量が少量であっても処理対象成分の除去率を高めることができ、かつ処理対象成分の分解性能を長時間維持することができる。
第2の発明に係るオゾン酸化分解処理に用いられるフィルター体の製造方法によると、処理対象成分であるVOC及び気相無機還元性化合物の少なくとも一方を含有するガスとオゾンとを混合させ、触媒を担持したフィルターに接触させて、該処理対象成分とオゾンの促進酸化により前記処理対象成分を分解処理するオゾン酸化分解処理に用いられるフィルター体の製造方法であって、前記フィルター体は、コバルト、マンガン、銅のうち一又は複数の酸化物である遷移金属含有酸化物多孔質体と高シリカ吸着材を水中で混合して混合スラリー状物とし、前記混合スラリー状物に基材を含浸させて焼成されてなるため、簡易な工程で、処理対象成分の除去率が高く、分解性能を長時間維持することが可能なフィルター体を製造することができる。
第3の発明に係るオゾン酸化分解処理に用いられるフィルター体の製造方法によると、第2の発明において、前記混合スラリー状物に含まれる前記遷移金属含有酸化物多孔質体分の割合が前記高シリカ吸着材分の割合よりも少ないため、安価であり、フィルター体の分解性能が高くなる。
第4の発明に係るオゾン酸化分解処理に用いられるフィルター体の製造方法によると、第2又は3の発明において、前記混合スラリー状物に含まれる前記遷移金属含有酸化物多孔質体分と前記高シリカ吸着材分が1:3ないし1:50の重量比であるため、フィルター体の性能がより高くなる。
第5の発明に係るオゾン酸化分解処理に用いられるフィルター体の製造方法によると、第2ないし4の発明において、前記遷移金属含有酸化物多孔質体のBET比表面積が100m2/g以上であるため、フィルター体の分解性能が高くなる。
第6の発明に係るオゾン酸化分解処理に用いられるフィルター体の製造方法によると、第2ないし5の発明において、前記高シリカ吸着材が、高シリカペンタルゼオライト、脱アルミニウムフォージャサイト及びメソポーラスシリケートのいずれかよりなるため、フィルター体の分解性能を安定させることができる。
本発明により製造されたフィルター体は、処理対象成分であるVOCや気相無機還元性化合物をオゾンによる酸化分解処理方法ないし装置に用いられる。
この方法ないし装置においては、処理対象成分であるVOCを含有する排ガスをオゾンを混合し、当該フィルター体に混合した気体を供給することによって、フィルター体に接触させる。フィルター体に担持された高シリカ吸着材がVOCを吸着して濃縮し、遷移金属含有酸化物多孔体の触媒反応によりオゾンの酸化反応を促進して効率よくVOCの分解除去を行う。
フィルター体は、遷移金属含有酸化物多孔質体と高シリカ吸着材の混合物を基材表面に担持してなる。はじめに、遷移金属含有酸化物多孔質体としてコバルト、マンガン、銅のうち一又は複数の酸化物と、高シリカ吸着材として高シリカペンタルゼオライト、脱アルミニウムフォージャサイト及びメソポーラスシリケートのいずれかが用意され、遷移金属含有酸化物多孔質体と高シリカ吸着材は適量水中に分散され、十分に撹拌された混合スラリー状物が調製される。
これらの混合物を担持する基礎として基材が用いられる。基材は、例えば、ガラス製やアルミナ製、活性炭製等が挙げられる。該基材を混合スラリー状物に含浸させ、基材表面に遷移金属含有酸化物多孔質体と高シリカ吸着材の混合物を付着させて、100℃〜150℃で乾燥させ、200〜500℃で焼成する。基材の形状としては、装置の形状に応じて適宜決定され、例えば、ハニカム形状や平板と波板を組み合わせた段ボール形状等が挙げられる。乾燥時に、基材表面の混合物の量が少ないときは、再度、基材をスラリー状物に含浸させて乾燥させる工程を繰り返すのがよい。
遷移金属含有酸化物多孔質体は、コバルト、マンガン、銅のうち一又は複数の酸化物であり、実施例ではコバルト、マンガン、銅の3種類からなる複合酸化物を用いた。これら酸化物は、各金属塩水溶液と苛性ソーダ等のアルカリ水溶液をそれぞれ水媒体中に滴下し、3種金属の共沈物を析出させ、該共沈物を、濾過、水洗いし、乾燥させたのちに100〜500℃の範囲で熱処理をして得る。金属塩は、特に限定されず、硫酸塩、硝酸塩等が使用される。アルカリ水溶液は、苛性ソーダの他に、ソーダ灰や重曹等、様々なものを使用することができる。各金属塩の割合として、各金属の全体に対するモル比として、コバルトは40mol%以下、マンガンは30〜70mol%、銅は25〜45mol%の範囲が好適である。金属塩の水溶液の濃度は、おおよそ5〜50質量%が適当である。沈殿条件として、沈殿pHをpH5〜14の範囲、より好ましくはpH9〜13の範囲がよい。熱処理の温度はより好ましくは100〜300℃の範囲がよい。この際、熱処理の温度が高すぎると比表面積が減少してVOCの吸着性能が低下するため、BET比表面積が100m2/g以上となるよう熱処理温度を調節することによって吸着性能の高い遷移金属含有酸化物多孔質体を得ることができる。
高シリカ吸着材は、処理対象成分とオゾンを吸着すればよく、いずれも使用することができるが、高シリカペンタルゼオライト、脱アルミニウムフォージャサイト及びメソポーラスシリケートとするとより吸着性能を高めることができる。
本発明のフィルター体が使用されるオゾン酸化分解処理方法は、VOC等の処理対象成分を含む排ガスとオゾン発生装置により生じたオゾンガスとを混合させ、フィルター体が備えられた処理塔内に注入して該フィルター体に接触させ、フィルター体表面においてオゾンによる処理対象成分の酸化分解処理を行う。このとき、オゾンと排ガスに含まれる処理対象成分の濃度比(オゾン濃度/(C1換算濃度ppmC))が0.8よりも大きい方が好ましい。また、オゾン濃度が高ければ高いほどVOC等の処理対象成分の分解処理は安定して高い除去率を維持することができる。
[測定項目と測定方法]
発明者らは、後記する各試作例及び比較例のフィルター体に関し、処理対象成分をトルエンとし、オゾンによる分解処理実験を行い吸着分解性能を評価した。処理対象成分のトルエンを70ppm(490ppmC)の濃度で含有する排ガスを用い、オゾンガス(735ppm又は2450ppmの濃度)を注入して混合させ、各試作例又は比較例のフィルター体に接触させ時間経過毎の処理塔入口のトルエン濃度と処理塔出口のトルエン濃度を測定した。
[試作例及び比較例のフィルター体の製造]
〈試作例1〉
遷移金属含有酸化物多孔質体(『DAIPYROXIDE #7812』:大日精化工業株式会社製)13.5gと高シリカゼオライト(USKY700:ユニオン昭和株式会社製)4.5gにバインダー(『スノーテックスC』:日産化学株式会社製)21.6gと精製水72.0gとを混合させた混合スラリー状物に活性炭製のハニカム形状の基材(ピッチ3mm、山高1.6mm、縦幅20mm、横幅20mm、奥行100mm、体積40cm3)を含浸させて基材表面を該スラリー状物で被覆させ、120℃で乾燥し、450℃で焼成して試作例1のフィルター体を得た(遷移金属含有酸化物多孔質体と高シリカ吸着材の重量比は3:1である)。
〈試作例2〉
遷移金属含有酸化物多孔質体13.5gと高シリカゼオライト4.5gにバインダー21.6gと精製水72.0gとを混合させた混合スラリー状物にガラス製のハニカム形状に成形された基材(ピッチ3mm、山高1.6mm、縦幅20mm、横幅20mm、奥行100mm、体積40cm3)を含浸させて基材表面を該スラリー状物で被覆させ、120℃で乾燥し、450℃で焼成して試作例2のフィルター体を得た(遷移金属含有酸化物多孔質体と高シリカ吸着材の重量比は3:1である)。試作例2の作成に際し、用いた遷移金属含有酸化物多孔質体、高シリカゼオライト及びバインダーは、試作例1と同様である。
〈試作例3〉
遷移金属含有酸化物多孔質体の量を9.0g、高シリカゼオライトの量を9.0gとした以外は試作例2に準じ、試作例3のフィルター体を得た(遷移金属含有酸化物多孔質体と高シリカ吸着材の重量比は1:1である)。
〈試作例4〉
遷移金属含有酸化物多孔質体の量を4.5g、高シリカゼオライトの量を13.5gとした以外は試作例2に準じ、試作例4のフィルター体を得た(遷移金属含有酸化物多孔質体と高シリカ吸着材の重量比は1:3である)。
〈試作例5〉
遷移金属含有酸化物多孔質体の量を1.63g、高シリカゼオライトの量を16.3gとした以外は試作例2に準じ、試作例5のフィルター体を得た(遷移金属含有酸化物多孔質体と高シリカ吸着材の重量比は1:10である)。
〈試作例6〉
遷移金属含有酸化物多孔質体の量を0.69g、高シリカゼオライトの量を17.3gとした以外は試作例2に準じ、試作例6のフィルター体を得た(遷移金属含有酸化物多孔質体と高シリカ吸着材の重量比は1:25である)。
〈試作例7〉
遷移金属含有酸化物多孔質体の量を0.35g、高シリカゼオライトの量を17.6gとした以外は試作例2に準じ、試作例7のフィルター体を得た(遷移金属含有酸化物多孔質体と高シリカ吸着材の重量比は1:50である)。
〈試作例8〉
遷移金属含有酸化物多孔質体の量を1.12g、高シリカゼオライトの量を16.8gとした以外は試作例2に準じ、試作例8のフィルター体を得た(遷移金属含有酸化物多孔質体と高シリカ吸着材の重量比は1:15である)。
〈試作例9〉
遷移金属含有酸化物多孔質体の量を0.85g、高シリカゼオライトの量を17.1gとした以外は試作例2に準じ、試作例9のフィルター体を得た(遷移金属含有酸化物多孔質体と高シリカ吸着材の重量比は1:20である)。
〈試作例10〉
遷移金属含有酸化物多孔質体の量を0.85g、高シリカゼオライトの量を17.4gとした以外は試作例2に準じ、試作例10のフィルター体を得た(遷移金属含有酸化物多孔質体と高シリカ吸着材の重量比は1:30である)。
〈比較例1〉
遷移金属含有酸化物多孔質体の量を9.0g、高シリカゼオライトの量を0.0gとした以外は試作例1に準じ、比較例1のフィルター体を得た(遷移金属含有酸化物多孔質体と高シリカ吸着材の重量比は1:0である)。
〈比較例2〉
はじめに、高シリカ吸着材18.0gとバインダー21.6gと精製水21.6gとを混合したスラリー状物に基材を含浸させて乾燥、焼成した後に、遷移金属含有酸化物多孔質体9.0gとバインダー21.6gと精製水72.0とを混合したスラリー状物に再度含浸させて乾燥、焼成して高シリカ吸着材と遷移金属含有酸化物多孔質体を基材表面に積層して担持する比較例2のフィルター体を得た(遷移金属含有酸化物多孔質体と高シリカ吸着材の重量比は1:3である)。原料や乾燥、焼成温度は試作例1と同様である。
〈比較例3〉
遷移金属含有酸化物多孔質体の量を9.0g、高シリカゼオライトの量を0.0gとした以外は試作例2に準じ、比較例3のフィルター体を得た(遷移金属含有酸化物多孔質体と高シリカ吸着材の重量比は1:0である)。
〈比較例4〉
遷移金属含有酸化物多孔質体の量を0.0g、高シリカゼオライトの量を9.0gとした以外は試作例2に準じ、比較例4のフィルター体を得た(遷移金属含有酸化物多孔質体と高シリカ吸着材の重量比は0:1である)。
[トルエンの分解性能評価]
試作例2〜10及び比較例3,4のフィルター体に関し、処理対象成分をトルエンとし、分解性能を通気試験により評価した。表1はそれぞれの試験条件である。
Figure 2020081934
試作例1及び比較例1,2のフィルター体について、試験No.1の条件でトルエンの分解試験を行い、各フィルター体の分解性能を表2に示した。各経過時間ごとに入口のトルエンの濃度(ppmC)と出口のトルエンの濃度(ppmC)を計測し、トルエンの除去率(%)を測定した。
Figure 2020081934
[結果と考察]
表2から理解されるように、試作例1のフィルター体は、比較例1及び2のフィルター体よりもトルエン分解性能が高いことを示した。試作例1は比較例1よりも遷移金属含有酸化物多孔質体の量を少なくしても高い分解性能を示した。また、高シリカ吸着材と遷移金属含有酸化物多孔質体の混合物を基材表面に担持する試作例1は、基材表面に高シリカ吸着材と遷移金属含有酸化物多孔質体を積層して担持する比較例2よりも分解性能が高いことが示された。つまり、本発明のフィルター体は安価かつ省工程で容易に製造が可能でありながら従来と同等以上のVOCの分解性能を有することが分かった。
次に、試作例2〜4及び比較例3,4のフィルター体について、試験No.1の条件でトルエンの分解試験を行い、各フィルター体の分解性能を表3に示した。また、試験No.2の条件で行った分解試験の結果を表4に示した。各経過時間ごとに入口のトルエンの濃度(ppmC)と出口のトルエンの濃度(ppmC)を計測し、トルエンの除去率(%)を測定した。
Figure 2020081934
Figure 2020081934
[結果と考察]
表3及び4から理解されるように、試作例2〜4のフィルター体は、いずれも比較例3及び4のトルエンの分解性能と同等又はそれ以上であることを示した。本発明のフィルター体は安価かつ省工程で容易に製造が可能でありながら従来と同等以上のVOCの分解性能を有することが分かった。特に、遷移金属含有酸化物多孔質体の割合が高シリカ吸着材分よりも小さい試作例4については、長時間にわたりトルエンの除去率が高く維持されていることが分かった。また、表3及び4の試験結果から、オゾンの供給量を増加させることでトルエンの除去率が向上することがわかった。
次に、表3及び4の結果から、遷移金属含有酸化物多孔質体の割合が小さい(高シリカ吸着材の割合が大きい)フィルター体の性能が高いことが理解されたため、遷移金属含有酸化物多孔質体と高シリカ吸着材の比率を変更した試作例5〜7で同様の試験を行った。試験No.1の条件でトルエンの通気試験の結果を表5、試験No.2の条件での通気試験を表6に示す。
Figure 2020081934
Figure 2020081934
[結果と考察]
試作例5〜7のいずれのフィルター体についても比較例3及び4のフィルター体よりもトルエンの分解性能が高い。また、試作例4のフィルター体と比較しても、より分解性能が向上した。特に、遷移金属含有酸化物多孔質体と高シリカ吸着材の比率が1:25(遷移金属含有酸化物多孔質体の比率が3.8%)である試作例6のフィルター体の分解性能が最も高く、長時間除去率を高く維持することができた。
また、表3及び4の結果と同様に、いずれもオゾンの供給量を増加させることで処理対象成分であるトルエンの分解性能が向上することが示された。
ここで、さらに良好な性能のフィルター体を導くために、遷移金属含有酸化物多孔質体と高シリカ吸着材の比率をより細かく変更した試作例8〜10で実験を行った。試験No.1の条件でトルエンの分解試験の結果を表7に示す。
Figure 2020081934
[結果と考察]
表7に示される通り、遷移金属含有酸化物多孔質体と高シリカ吸着材の比率が1:20(遷移金属含有酸化物多孔質体の比率が4.7%)である試作例9のフィルター体の分解性能が最も高く、除去率を長時間高く維持できることがわかった。
試作例2〜10の試験No.1の条件で216時間(9日間)経過後除去率のまとめを表8に示す。
Figure 2020081934
表8に示されるように、遷移金属含有酸化物多孔質体の割合が小さい(高シリカゼオライトの割合が大きい)フィルター体は、試作例2及び3と比べて処理対象成分であるトルエンの分解性能が高いことが示された。また、試作例9の分解性能が最も高く、試作例6,8及び10の分解性能も特に高いことから、遷移金属含有酸化物多孔質体の比率が3〜7%、特には5%前後であるフィルター体とすると、より分解性能を向上させることができることが分かった。これらは、オゾンの供給量が少ない場合でも高い分解性能を示し、経済的で殊更有用である。
高シリカ吸着材は、オゾンよりもVOCを吸着しやすく、フィルター体に担持された高シリカ吸着材によってVOCは吸着されて濃縮されるため、オゾンとの接触効率が上がったと考えられる。遷移金属含有酸化物多孔質体は少量であってもVOCとオゾンの触媒反応を促進することができることが分かった。
[まとめ]
比較例2の基材表面に高シリカ吸着材と遷移金属含有酸化物多孔質体を積層して担持するフィルター体と、試作例1の高シリカ吸着材と遷移金属含有酸化物多孔質体の混合物を基材表面に担持するフィルター体を比較して、試作例1の性能が高いことが示された。また、試作例2〜10を用いた分解実験により、遷移金属含有酸化物多孔質体の割合が小さい(高シリカ吸着材の割合が大きい)試作例のフィルター体の性能が高いことが示され、さらには遷移金属含有酸化物多孔質体の比率が5%前後とすると、特に性能が向上することが分かった。高シリカ吸着材及び遷移金属含有酸化物多孔質体それぞれがフィルター体の表面に露出することにより、VOCを吸着しつつ、オゾンによる分解を促進することができると考えられる。
本発明の製造方法は、簡易な工程で分解性能に優れたフィルター体を製造することができ、経済的であり環境負荷を抑えることができる。また、本発明の製造方法により製造されたフィルター体は、処理対象成分の分解性能が高く、さらに分解性能を長時間維持することができるため、経済的であり極めて有望である。

Claims (6)

  1. 処理対象成分であるVOC及び気相無機還元性化合物の少なくとも一方を含有するガスとオゾンとを混合させ、触媒を担持したフィルターに接触させて、該処理対象成分とオゾンの促進酸化により前記処理対象成分を分解処理するオゾン酸化分解処理に用いられるフィルター体であって、
    前記フィルター体は、コバルト、マンガン、銅のうち一又は複数の酸化物である遷移金属含有酸化物多孔質体と高シリカペンタルゼオライト、脱アルミニウムフォージャサイト及びメソポーラスシリケートのいずれかよりなる高シリカ吸着材を1:3ないし1:50の重量比で含有する混合物を基材表面に担持してなる
    ことを特徴とするオゾン酸化分解処理に用いられるフィルター体。
  2. 処理対象成分であるVOC及び気相無機還元性化合物の少なくとも一方を含有するガスとオゾンとを混合させ、触媒を担持したフィルターに接触させて、該処理対象成分とオゾンの促進酸化により前記処理対象成分を分解処理するオゾン酸化分解処理に用いられるフィルター体の製造方法であって、
    前記フィルター体は、コバルト、マンガン、銅のうち一又は複数の酸化物である遷移金属含有酸化物多孔質体と高シリカ吸着材を水中で混合して混合スラリー状物とし、前記混合スラリー状物に基材を含浸させて焼成されてなる
    ことを特徴とするオゾン酸化分解処理に用いられるフィルター体の製造方法。
  3. 前記混合スラリー状物に含まれる前記遷移金属含有酸化物多孔質体分の割合が前記高シリカ吸着材分の割合よりも少ないことを特徴とする請求項2に記載のオゾン酸化分解処理に用いられるフィルター体の製造方法。
  4. 前記混合スラリー状物に含まれる前記遷移金属含有酸化物多孔質体分と前記高シリカ吸着材分が1:3ないし1:50の重量比である請求項2又は3に記載のオゾン酸化分解処理に用いられるフィルター体の製造方法。
  5. 前記遷移金属含有酸化物多孔質体のBET比表面積が100m2/g以上である請求項4に記載のオゾン酸化分解処理に用いられるフィルター体の製造方法。
  6. 前記高シリカ吸着材が、高シリカペンタルゼオライト、脱アルミニウムフォージャサイト及びメソポーラスシリケートのいずれかよりなる請求項2ないし5のいずれか1項に記載のオゾン酸化分解処理に用いられるフィルター体の製造方法。
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