JP2020081747A - 移動式放射線撮影装置、移動式放射線撮影装置の作動方法、および移動式放射線撮影装置の作動プログラム - Google Patents

移動式放射線撮影装置、移動式放射線撮影装置の作動方法、および移動式放射線撮影装置の作動プログラム Download PDF

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Abstract

【課題】より安全性の高い手動走行を実現することが可能な移動式放射線撮影装置、移動式放射線撮影装置の作動方法、および移動式放射線撮影装置の作動プログラムを提供する。【解決手段】第1取得部は、台車部の走行環境に関する情報として、台車部の現在位置を取得する。第2取得部は、第1取得部において取得した現在位置に応じた、台車部の適正走行条件として、走行速度の第1上限値を取得する。第3取得部は、台車部の走行状態に関する情報として、走行速度の第1計測値を取得する。走行状態補正制御部は、第2取得部において取得した適正走行条件から、第3取得部において取得した走行状態が逸脱した場合、適正走行条件を満足する走行状態に補正する走行状態補正制御を行う。すなわち、走行状態補正制御部は、第1計測値が第1上限値を超えた場合、台車部の走行速度を減速させる。【選択図】図14

Description

本開示の技術は、移動式放射線撮影装置、移動式放射線撮影装置の作動方法、および移動式放射線撮影装置の作動プログラムに関する。
病院内において、病室を回りながら放射線撮影を行う、移動式放射線撮影装置が知られている。移動式放射線撮影装置は、台車部とハンドルとを備えている。台車部は、走行用の複数の車輪を有する。ハンドルは、台車部を操縦するために、診療放射線技師等のオペレータによって把持される。オペレータは、ハンドルへの力の入れ方を変えたり、ハンドルに力を入れる向きを調節したりするハンドルの操作を行うことにより、台車部の走行速度および走行方向をコントロールする。以下、オペレータのハンドルの操作によって台車部を走行させる走行形態を、手動走行と呼ぶ。
特許文献1に記載の移動式放射線撮影装置は、台車部の車輪を回転駆動するモータ等の車輪駆動部を有し、車輪駆動部で手動走行をアシストしている。そして、車輪駆動部のアシスト力といった台車部の駆動条件をオペレータ毎に記憶し、駆動条件をオペレータ毎に変更している。
特開2010−082317号公報
前述のように、手動走行においては、台車部の走行速度および走行方向はオペレータによってコントロールされる。このため、オペレータによっては、台車部の走行環境に関わらず、比較的早い走行速度で台車部を走行させる者もいれば、片手に荷物を持っている等の理由で、走行方向が定まらず台車部を蛇行させてしまう者もいる。したがって、より高い手動走行の安全性を確保する観点からは懸念があった。
本開示の技術は、より安全性の高い手動走行を実現することが可能な移動式放射線撮影装置、移動式放射線撮影装置の作動方法、および移動式放射線撮影装置の作動プログラムを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本開示の移動式放射線撮影装置は、走行用の車輪を有し、本体部が搭載される台車部と、本体部に設けられ、台車部を操縦するためのハンドルと、オペレータのハンドルの操作によって台車部を走行させる手動走行をアシストするために、車輪を回転駆動する車輪駆動部と、台車部の走行環境に関する情報を取得する第1取得部と、第1取得部において取得した走行環境に関する情報に応じた、台車部の適正走行条件を取得する第2取得部と、手動走行における台車部の走行状態に関する情報を取得する第3取得部と、第2取得部において取得した適正走行条件から、第3取得部において取得した走行状態が逸脱した場合、車輪駆動部を制御することにより、適正走行条件を満足する走行状態に補正する走行状態補正制御を行う走行状態補正制御部と、を備える。
適正走行条件は、台車部が手動走行されるフロア内の、予め設定された複数の位置のそれぞれに対応付けて記憶部に記憶されており、第1取得部は、走行環境に関する情報として、フロア内における台車部の現在の位置を取得し、第2取得部は、第1取得部において取得した現在の位置に対応する適正走行条件を、記憶部から読み出して取得することが好ましい。
第2取得部は、適正走行条件として、台車部の走行通路の幅、走行通路が曲がり角であるか否か、走行通路に存在し、手動走行の障害となり得る障害物の多寡、走行通路の傾斜の状態、および走行通路の凹凸の状態のうちの少なくともいずれか1つに応じた台車部の走行速度の第1上限値を取得し、第3取得部は、走行状態に関する情報として、台車部の走行速度の第1計測値を取得し、走行状態補正制御部は、第2取得部において取得した第1上限値を、第3取得部において取得した第1計測値が超えた場合、走行状態補正制御を行うことが好ましい。
障害物の多寡に応じた第1上限値は、時間帯毎に設定されていることが好ましい。
第1取得部は、走行環境を検出する検出センサの検出結果に基づく、走行環境に関する情報を取得することが好ましい。
第1取得部は、走行環境に関する情報として、台車部の走行通路の幅、走行通路が曲がり角であるか否か、走行通路に存在し、手動走行の障害となり得る障害物の多寡、障害物との距離、走行通路の傾斜の状態、および走行通路の凹凸の状態のうちの少なくともいずれか1つを、検出結果に基づき取得することが好ましい。
第2取得部は、適正走行条件として、台車部の走行速度の第2上限値を取得し、第3取得部は、走行状態に関する情報として、台車部の走行速度の第2計測値を取得し、走行状態補正制御部は、第2取得部において取得した第2上限値を、第3取得部において取得した第2計測値が超えた場合、走行状態補正制御を行うことが好ましい。
第2取得部は、適正走行条件として、台車部の蛇行量の上限値を取得し、第3取得部は、走行状態に関する情報として、台車部の蛇行量の計測値を取得し、走行状態補正制御部は、第2取得部において取得した蛇行量の上限値を、第3取得部において取得した蛇行量の計測値が超えた場合、走行状態補正制御を行うことが好ましい。
走行状態補正制御を行っている原因を報知する制御を行う表示制御部を備えることが好ましい。
本開示の移動式放射線撮影装置の作動方法は、走行用の車輪を有し、本体部が搭載される台車部と、本体部に設けられ、台車部を操縦するためのハンドルと、オペレータのハンドルの操作によって台車部を走行させる手動走行をアシストするために、車輪を回転駆動する車輪駆動部とを備える移動式放射線撮影装置の作動方法であって、台車部の走行環境に関する情報を取得する第1取得ステップと、第1取得ステップにおいて取得した走行環境に関する情報に応じた、台車部の適正走行条件を取得する第2取得ステップと、手動走行における台車部の走行状態に関する情報を取得する第3取得ステップと、第2取得ステップにおいて取得した適正走行条件から、第3取得ステップにおいて取得した走行状態が逸脱した場合、車輪駆動部を制御することにより、適正走行条件を満足する走行状態に補正する走行状態補正制御を行う走行状態補正制御ステップと、を備える。
本開示の移動式放射線撮影装置の作動プログラムは、走行用の車輪を有し、本体部が搭載される台車部と、本体部に設けられ、台車部を操縦するためのハンドルと、オペレータのハンドルの操作によって台車部を走行させる手動走行をアシストするために、車輪を回転駆動する車輪駆動部とを備える移動式放射線撮影装置の作動方法であって、台車部の走行環境に関する情報を取得する第1取得部と、第1取得部において取得した走行環境に関する情報に応じた、台車部の適正走行条件を取得する第2取得部と、手動走行における台車部の走行状態に関する情報を取得する第3取得部と、第2取得部において取得した適正走行条件から、第3取得部において取得した走行状態が逸脱した場合、車輪駆動部を制御することにより、適正走行条件を満足する走行状態に補正する走行状態補正制御を行う走行状態補正制御部として、コンピュータを機能させるためのプログラムである。
本開示の技術によれば、より安全性の高い手動走行を実現することが可能な移動式放射線撮影装置、移動式放射線撮影装置の作動方法、および移動式放射線撮影装置の作動プログラムを提供することができる。
移動式放射線撮影装置を示す図である。 支柱部の回転方向および移動方向と、アーム部の移動方向と、照射部の回転方向とを示す図である。 照射部の回転方向を示す図である。 手動走行の様子を示す図である。 本体部を上面側から見た図である。 移動式放射線撮影装置のブロック図である。 移動式放射線撮影装置のCPUの制御部を示すブロック図である。 台車部制御部を示すブロック図である。 地図情報の一例を示す図である。 撮影予定情報の一例を示す図である。 適正走行条件テーブルの一例を示す図である。 第2取得部の処理の概要を示す図である。 走行状態補正制御部の処理の概要を示す図である。 走行状態補正制御部の処理の概要を示す図である。 走行状態補正制御により台車部の走行速度を減速させる様子を示す図である。 走行状態補正制御により制動期間内に台車部の速度を減速させることを示すグラフである。 原因報知画面を示す図であり、図17Aは、現在位置が人の出入りが多い位置であった場合を、図17Bは、現在位置が狭い通路であった場合を、それぞれ示す。 走行状態補正制御処理の手順を示すフローチャートである。 障害物の多寡に応じた第1上限値を、時間帯毎に設定した適正走行条件テーブルを示す図である。 第2実施形態の台車部制御部を示すブロック図である。 第2実施形態の適正走行条件テーブルを示す図である。 前方監視カメラの画像から画像認識した走行環境に関する情報を、第1取得部において取得する様子を示す図である。 第2実施形態における第2取得部の処理の概要を示す図である。 第2実施形態における走行状態補正制御部の処理の概要を示す図である。 第2実施形態における走行状態補正制御部の処理の概要を示す図である。 天井カメラの画像から、台車部が蛇行しているか否か、および台車部の蛇行量を導出する第3実施形態の構成を示す図である。 蛇行判定部の処理の概要を示す図である。 蛇行判定部の処理の概要を示す図である。 蛇行量計測部の処理の概要を示す図である。 第3実施形態の適正走行条件を示す図である。 第3実施形態における走行状態補正制御部の処理の概要を示す図である。 第3実施形態における走行状態補正制御部の処理の概要を示す図である。 走行状態補正制御により台車部を直進ルートに戻す様子を示す図である。 蛇行量を計測する別の方法を示す図である。
[第1実施形態]
図1において、移動式放射線撮影装置2は、台車部10を備えている。台車部10は、前輪11と、後輪12と、後輪駆動部13とを有する。前輪11と後輪12は、本開示の技術に係る「車輪」の一例である。また、後輪駆動部13は、本開示の技術に係る「車輪駆動部」の一例である。
前輪11は、移動式放射線撮影装置2の高さ方向を示すZ軸回りに旋回する左右一対のキャスターである。後輪12も前輪11と同じく左右一対ではあるが、Z軸回りには旋回しない。ただし、後輪12は、後輪駆動部13によって、移動式放射線撮影装置2の幅方向を示すY軸回りに回転する。前輪11は、この後輪12の回転に従動して回転する。すなわち、台車部10は4輪で、かつ後輪駆動型である。なお、後輪駆動型に限らず、前輪11が前輪駆動部によってY軸回りに回転する前輪駆動型であってもよい。また、前輪11が前輪駆動部によってY軸回りに回転し、かつ後輪12が後輪駆動部によってY軸回りに回転する、全輪駆動型であってもよい。
後輪駆動部13は、左右それぞれの後輪12に接続された2つのモータである。後輪駆動部13は、左右の後輪12をそれぞれ独立に回転させる。このため、後輪駆動部13によって、左側の後輪12よりも右側の後輪12の回転速度が速められた場合、移動式放射線撮影装置2は左に曲がる。一方、後輪駆動部13によって、右側の後輪12よりも左側の後輪12の回転速度が速められた場合、移動式放射線撮影装置2は右に曲がる。
移動式放射線撮影装置2は、台車部10によって病院内を移動可能である。移動式放射線撮影装置2は、病室を回りながら放射線撮影を行う、いわゆる回診撮影に用いられる。このため移動式放射線撮影装置2は回診車とも呼ばれる。また、移動式放射線撮影装置2は、手術室に持ち込んで、手術の最中に放射線撮影することも可能である。
台車部10には、本体部14が搭載されている。本体部14は、中央部15、支柱部16、アーム部17、および照射部18等が搭載されている。移動式放射線撮影装置2は、照射部18が中央部15の上部に収納された、図1に示す状態で移動される。
中央部15は、コンソール20と、カセッテ収納部21と、ハンドル22とを有している。コンソール20は、中央部15の傾斜した上面に埋め込まれている。コンソール20は、操作卓25とディスプレイ26とで構成される(図5参照)。操作卓25は、放射線の照射条件を設定する際等に、オペレータOPによって操作される。ディスプレイ26は、照射条件の設定画面をはじめとする各種画面、および放射線画像等を表示する。
カセッテ収納部21は、中央部15の背面に配置されている。カセッテ収納部21は、電子カセッテ30を収納する。電子カセッテ30は、周知のように、被写体を透過した放射線に基づいて、電気信号で表される放射線画像を検出する放射線画像検出器であって、バッテリー内蔵で無線通信が可能な可搬型の放射線画像検出器である。電子カセッテ30は、縦横のサイズが17インチ×17インチ、17インチ×14インチ、12インチ×10インチ等、複数の種類がある。カセッテ収納部21は、こうした複数の種類がある電子カセッテ30を、種類を問わず複数台収納することが可能である。また、カセッテ収納部21は、収納された電子カセッテ30のバッテリーを充電する機能を有している。
ハンドル22は、中央部15の上方に突き出した位置に設けられている。ハンドル22は、Y軸方向に長い円柱状をしている(図5参照)。ハンドル22は、台車部10を操縦するために、診療放射線技師等のオペレータOP(図4参照)により把持される。
カセッテ収納部21の上部には、照射スイッチ32が取り付けられている。照射スイッチ32は、オペレータOPが放射線の照射開始を指示するためのスイッチである。照射スイッチ32には延長ケーブル(図示せず)が接続されており、中央部15から取り外して使用することが可能である。照射スイッチ32は、例えば2段押下型である。照射スイッチ32は、1段目まで押された(半押しされた)ときにウォームアップ指示信号を発生し、2段目まで押された(全押しされた)ときに照射開始指示信号を発生する。なお、図示は省略するが、中央部15には、各部に電力を供給するバッテリーが内蔵されている。
支柱部16は角柱状であり、Z軸方向に沿って立設されている。支柱部16は、前輪11の上部の位置、かつY軸方向に関して台車部10の中央の位置に配置されている。支柱部16内には、電圧発生器33が設けられている。
アーム部17は、支柱部16と同じく角柱状である。アーム部17は、基端が支柱部16に取り付けられ、基端の反対側の自由端となる先端に照射部18が取り付けられている。
照射部18は、放射線管40と照射野限定器41とで構成される。放射線管40は、放射線として例えばX線を発生する。放射線管40には、フィラメント、ターゲット、グリッド電極等(いずれも図示せず)が設けられている。陰極であるフィラメントと陽極であるターゲットの間には、電圧発生器33からの電圧が印加される。このフィラメントとターゲットの間に印加される電圧は、管電圧と呼ばれる。フィラメントは、印加された管電圧に応じた熱電子をターゲットに向けて放出する。ターゲットは、フィラメントからの熱電子の衝突によって放射線を放射する。グリッド電極は、フィラメントとターゲットの間に配置されている。グリッド電極は、電圧発生器33から印加される電圧に応じて、フィラメントからターゲットに向かう熱電子の流量を変更する。このフィラメントからターゲットに向かう熱電子の流量は、管電流と呼ばれる。管電圧、管電流は、照射時間とともに照射条件として設定される。
照射スイッチ32が半押しされてウォームアップ指示信号が発生された場合、フィラメントが予熱され、同時にターゲットの回転が開始される。フィラメントが規定の温度に達し、かつターゲットが規定の回転数となったときにウォームアップが完了する。このウォームアップが完了した状態において、照射スイッチ32が全押しされて照射開始指示信号が発生された場合、電圧発生器33から管電圧が印加され、放射線管40から放射線が発生される。放射線の発生開始から、照射条件で設定された照射時間が経過したときに、管電圧の印加が停止され、放射線の照射が終了される。
照射野限定器41は、放射線管40から発生された放射線の照射野を限定する。照射野限定器41は、例えば、放射線を遮蔽する鉛等の4枚の遮蔽板が四角形の各辺上に配置され、放射線を透過させる四角形の出射開口が中央部に形成された構成である。照射野限定器41は、各遮蔽板の位置を変更することで出射開口の大きさを変化させ、これにより放射線の照射野を変更する。
図2に示すように、支柱部16は、第1支柱50および第2支柱51を有する。第1支柱50は、台車部10の上面に設けられている。第1支柱50は、台車部10に対して、Z軸回りに回転することが可能である。第2支柱51は、第1支柱50に対して、Z軸方向に沿って上下に移動することが可能である。
アーム部17は、固定アーム54、第1アーム55、および第2アーム56を有する。固定アーム54は、第2支柱51に対して、直角に折れ曲がっている。固定アーム54の基端は、第2支柱51に取り付けられている。固定アーム54の先端には、第1アーム55が取り付けられている。つまり固定アーム54は、第2支柱51と第1アーム55とを接続する。第2アーム56の先端には、照射部18が取り付けられている。第1アーム55は、固定アーム54に対して、Z軸に直交する、固定アーム54の折れ曲がった方向(図2では移動式放射線撮影装置2の前後方向を示すX軸方向)に沿って前後に移動することが可能である。第2アーム56は、第1アーム55に対して、Z軸に直交する、固定アーム54の折れ曲がった方向(図2ではX軸方向)に沿って前後に移動することが可能である。
照射部18は、その幅方向に平行な軸(図2ではY軸)回りに回転することが可能である。また、図3に示すように、照射部18は、その前後方向に平行な軸(図2ではX軸)回りに回転することが可能である。
照射野限定器41には、把手60が設けられている。把手60は、第2アーム56を、Z軸に直交する、固定アーム54の折れ曲がった方向に沿って前後に移動させる場合に、オペレータOPによって把持される。また、把手60は、照射部18を幅方向に平行な軸回りに回転させる場合、および照射部18を前後方向に平行な軸回りに回転させる場合に、オペレータOPによって把持される。
図4に示すように、移動式放射線撮影装置2は、手動走行で病院内を移動される。手動走行とは、オペレータOPのハンドル22の操作によって台車部10を走行させる走行形態である。オペレータOPのハンドル22の操作とは、オペレータOPがハンドル22を把持して、ハンドル22への力の入れ方を変えたり、ハンドル22に力を入れる向きを調節したりする操作である。手動走行においては、ハンドル22の操作によって、オペレータOPが主体的に台車部10の走行速度および走行方向を定めて台車部10を走行させる。図4では、オペレータOPが、右手RHと左手LHの両手でハンドル22を把持して、手動走行をしている様子を示している。
後輪駆動部13は、手動走行をアシストするために、後輪12を回転駆動する。ただし、この手動走行における後輪駆動部13の駆動は、あくまでもオペレータOPが台車部10に与えた力にしたがった駆動である。このため、台車部10が静止している状態において、オペレータOPの力が加わらなければ、当然ながら台車部10は走行しない。逆に、オペレータOPの力だけでは台車部10は走行せず、後輪駆動部13のアシストがあってはじめて、台車部10は走行する。なお、オペレータOPの力だけで台車部10を走行可能とし、後輪駆動部13のアシストは、オペレータOPの負荷を軽減するためのものであってもよい。
オペレータOPが台車部10に与えた力は、例えば圧電センサを用いて検出され、この検出結果に応じて、後輪駆動部13が駆動される。より詳しくは、圧電センサは左右に一対ずつ設けられている。そして、オペレータOPの主に左手LHによって加えられた力と、オペレータOPの主に右手RHによって加えられた力とを、別々に検出する。一対の圧電センサで検出された力が同じであった場合、後輪駆動部13は、左右それぞれの後輪12を同じ回転速度で回転させ、台車部10を直進させる。右側の圧電センサで検出された力のほうが、左側の圧電センサで検出された力よりも大きい場合、後輪駆動部13は、左側の後輪12よりも右側の後輪12の回転速度を速めて、台車部10を左に曲がらせる。左側の圧電センサで検出された力のほうが、右側の圧電センサで検出された力よりも大きい場合、後輪駆動部13は、右側の後輪12よりも左側の後輪12の回転速度を速めて、台車部10を右に曲がらせる。
図5に示すように、ハンドル22の前方部分の一帯には、後輪駆動部13による後輪12の回転ロックを解除するためのロック解除スイッチ65が設けられている。ロック解除スイッチ65は、オペレータOPがハンドル22を把持したことを検知する。より具体的には、ロック解除スイッチ65は、ハンドル22へのオペレータOPの手の接触を検知する。ロック解除スイッチ65は、例えば、静電容量の変化で手の接触を検知するセンサ、または温度の変化で手の接触を検知するセンサである。あるいは、ロック解除スイッチ65は、手で把持されていないときはハンドル22の表面から突出してオフしており、手で把持されることでハンドル22内に引っ込んでオンする、機械的なレバースイッチでもよい。なお、図5では、破線によって、オペレータOPの右手RHと左手LHの両手でハンドル22を把持している状態を示している。
図6において、移動式放射線撮影装置2は、前述の後輪駆動部13、コンソール20、および電圧発生器33に加えて、通信I/F(Interface)70、現在位置検出部71、走行速度計測部72、ROM(Read Only Memory)73、RAM(Random Access Memory)74、およびCPU(Central Processing Unit)75を有する。後輪駆動部13、コンソール20、電圧発生器33、通信I/F70、ROM73、RAM74、およびCPU75は、バスライン76を介して相互に接続されている。なお、ROM73、RAM74、CPU75、およびバスライン76は、本開示の技術に係る「コンピュータ」の一例である。
通信I/F70は、電子カセッテ30と無線通信する無線通信インターフェースを含む。また、通信I/F70は、電子カセッテ30以外の外部装置とネットワークを介して通信するネットワークインターフェースを含む。外部装置の一例としては、放射線撮影の予定を示す撮影予定情報96(図8および図10参照)といった放射線撮影に関する情報を管理する放射線科情報システム(RIS;Radiology Information System)が挙げられる。また、ネットワークの一例としては、インターネットあるいは公衆通信網等のWAN(Wide Area Network)が挙げられる。
現在位置検出部71は、台車部10が手動走行されるフロア内における台車部10の現在の位置を検出する。台車部10の現在の位置とは、例えば、前輪11の前方1mの位置を指す。以下、台車部10の現在の位置を、単に「現在位置」という。
現在位置検出部71の具体例としては、例えば以下が考えられる。すなわち、現在位置検出部71は、後輪12の回転量を検出するロータリーエンコーダ、ジャイロセンサ、加速度センサ等、台車部10の走行距離および走行方向を検出するセンサを含む。そして、こうしたセンサで検出した走行距離および走行方向から導出した台車部10の位置と、地図情報95(図8および図9)とを照らし合わせることで、現在位置を検出する。
上記の台車部10の走行距離および走行方向は、フロア内の基準位置に対する走行距離および走行方向である。基準位置は、例えば、フロアの地図をディスプレイ26に表示し、フロアの地図を介してオペレータOPに指定させる。
また、以下の構成を採用してもよい。すなわち、フロア内の複数の位置に、位置毎に異なるマーカーを配置する。移動式放射線撮影装置2にはカメラを搭載しておき、カメラでマーカーを撮影させ、画像認識部でマーカーを画像認識させる。そして、画像認識したマーカーで示される位置を、フロア内における台車部10の現在位置として検出する。この場合の現在位置検出部71は、マーカーを撮影するカメラと、マーカーを画像認識する画像認識部とを含む。なお、上記した方法の他にも、廊下に磁性体を埋め込んで、磁性体が発生する磁場を磁気センサで検出する構成、あるいは、LIDAR(Laser Imaging Detection And Ranging)といった測距センサを用いる構成を採用してもよい。
走行速度計測部72は、手動走行における台車部10の走行速度を計測する。以下、この走行速度計測部72において計測された台車部10の走行速度を、第1計測値という。
走行速度計測部72は、例えば、自動車等のスピードメーターの原理を用いた構成である。より詳しくは、走行速度計測部72は、後輪12の回転量を検出するロータリーエンコーダと、ロータリーエンコーダにおいて検出した回転量を、予め用意された換算式にて第1計測値に換算する換算部とを含む。
ROM73は、各種プログラム、並びに各種プログラムに付随する各種データを記憶する。RAM74は、CPU75が処理を実行するためのワークメモリである。CPU75は、ROM73に記憶されたプログラムをRAM74へ読み出し、読み出したプログラムにしたがった処理を実行する。これにより、CPU75は、移動式放射線撮影装置2の各部の動作を統括的に制御する。
CPU75には、前述の照射スイッチ32およびロック解除スイッチ65が接続されている。照射スイッチ32は、ウォームアップ指示信号および照射開始指示信号をCPU75に出力する。ロック解除スイッチ65は、オペレータOPの手の接触を検知した旨の検知信号をCPU75に出力する。
図7において、ROM73には、作動プログラム80が記憶されている。作動プログラム80は、本開示の技術に係る「移動式放射線撮影装置の作動プログラム」の一例である。CPU75は、作動プログラム80を実行することで、RAM74等と協働して、照射部制御部85、カセッテ制御部86、および台車部制御部87として機能する。
照射部制御部85は、照射部18に関連する制御部である。照射部制御部85は、操作卓25を介して入力された照射条件を受け付けて、受け付けた照射条件を電圧発生器33に設定する。また、照射部制御部85は、照射スイッチ32からのウォームアップ指示信号を受け付けて、放射線管40にウォームアップを行わせる。さらに、照射部制御部85は、照射スイッチ32からの照射開始指示信号を受け付けて、電圧発生器33の動作を制御し、設定された照射条件にて放射線管40から放射線を照射させる。
カセッテ制御部86は、電子カセッテ30に関連する制御部である。カセッテ制御部86は、通信I/F70を介して電子カセッテ30に様々な制御信号を送信することで、電子カセッテ30の動作を制御する。電子カセッテ30に送信する制御信号は、例えば、放射線の照射開始タイミングに合わせて、放射線に応じた電荷の蓄積を指示する信号、放射線の照射終了タイミングに合わせて、蓄積した電荷を読み出させる信号等である。カセッテ制御部86は、通信I/F70を介して電子カセッテ30から放射線画像を受け取る。カセッテ制御部86は、取得した放射線画像を、ディスプレイ26に表示する制御を行う。
台車部制御部87は、台車部10に関連する制御部である。台車部制御部87は、後輪駆動部13の駆動を制御する駆動部制御部を含む。駆動部制御部は、ロック解除スイッチ65からの検知信号を受け付けて、後輪駆動部13による後輪12の回転ロックを解除する。また、駆動部制御部は、圧電センサ等で検出された、オペレータOPが台車部10に与えた力に応じて、後輪駆動部13を駆動させる。
台車部制御部87は、走行状態補正制御処理(図18参照)を実行する。台車部制御部87は、走行状態補正制御処理を実行するため、図8に示すように、第1取得部90、第2取得部91、第3取得部92、走行状態補正制御部93、および表示制御部94を有する。
第1取得部90は、台車部10の走行環境に関する情報を取得する。本実施形態においては、第1取得部90は、走行環境に関する情報として、現在位置検出部71から現在位置を取得する。第1取得部90は、取得した現在位置を第2取得部91に出力する。
第2取得部91は、第1取得部90において取得した走行環境に関する情報(本実施形態においては現在位置)に応じた、台車部10の適正走行条件を取得する。第2取得部91は、取得した適正走行条件を走行状態補正制御部93に出力する。
第3取得部92は、手動走行における台車部10の走行状態に関する情報を取得する。本実施形態においては、第3取得部92は、走行状態に関する情報として、走行速度計測部72から第1計測値を取得する。第3取得部92は、取得した第1計測値を走行状態補正制御部93に出力する。
走行状態補正制御部93は、走行状態補正制御を行う。走行状態補正制御は、第2取得部91において取得した適正走行条件から、第3取得部92において取得した走行状態(本実施形態においては第1計測値)が逸脱した場合、後輪駆動部13を制御することにより、適正走行条件を満足する走行状態に補正する制御である。走行状態補正制御部93は、走行状態補正制御を行っている場合、その原因を表示制御部94に出力する。
表示制御部94は、走行状態補正制御部93からの走行状態補正制御を行っている原因を報知する原因報知画面100(図17参照)を、ディスプレイ26に表示する制御を行う。
ROM73には、地図情報95、撮影予定情報96、および適正走行条件テーブル97が記憶されている。
図9に示すように、地図情報95は、台車部10が手動走行されるフロアにおける病室等の配置を示す情報である。図9では、一例として3階フロアの地図情報95を示している。病室は、301号室、302号室、303号室、305号室、306号室、307号室、308号室、310号室の計8部屋ある。その他に、準備室、処置室、ナースステーション等がある。
準備室は、移動式放射線撮影装置2が待機する部屋である。オペレータOPは、この準備室において、RISから撮影予定情報96をダウンロードしてROM73に記憶させたり、使用予定の電子カセッテ30をカセッテ収納部21に収納したりする。
台車部10は、準備室を出発点および終着点として、エレベーターホール、スロープ1、スロープ2、廊下1、廊下2、廊下3、廊下4、廊下5、凸部1、凸部2、曲がり角1、曲がり角2といった3階フロアの各位置を手動走行される。これらエレベーターホール、スロープ1、2、廊下1〜5、凸部1、2、曲がり角1、2は、本開示の技術に係る「走行通路」の一例である。
エレベーターホールは、2基のエレベーターとナースステーションで挟まれた部分である。スロープ1は、エレベーターホールから廊下1にかけて斜め下に傾斜した部分である。スロープ2は、エレベーターホールから廊下5にかけて斜め下に傾斜した部分である。廊下1、2は、準備室、301号室、および302号室を繋ぐ通路である。廊下4、5は、307号室、308号室、および309号室を繋ぐ部分である。廊下3は、305号室前の部分である。廊下3は、廊下1、2、4、5に対して直交する。廊下3は、廊下1、2、4、5よりも幅が狭い。
凸部1は、301号室と302号室との境界に存在する、例えば高さ2〜5cm程度、長さ2〜5cm程度の隆起部分である。凸部2は、307号室と308号室との境界に存在する、例えば高さ2〜5cm程度、長さ2〜5cm程度の隆起部分である。曲がり角1は、303号室前において、直交する廊下2および廊下3を繋ぐ、90°に折れ曲がった部分である。曲がり角2は、306号室前において、直交する廊下3および廊下4を繋ぐ、90°に折れ曲がった部分である。地図情報95には、こうした各部屋および各部分のフロア内における位置を表す座標が記憶されている。
図10において、撮影予定情報96には、患者ID(Identification Data)、患者氏名、病室、撮影部位といった情報が登録されている。ここでは、2018年11月13日における3階フロアの撮影予定情報96を示している。放射線撮影を予定している患者の病室は、302号室、305号室、および307号室である。なお、これらの他にも、患者の年齢、性別、病名、病室内のベッドの位置等の情報が登録されていてもよい。
撮影予定情報96は、オペレータOPの求めに応じて、ディスプレイ26に表示される。オペレータOPは、ディスプレイ26に表示された撮影予定情報96を見て、台車部10を走行させる経路を決定する。撮影予定情報96が図10に示す内容であった場合、オペレータOPは、準備室を出発点および終着点とし、302号室から305号室、さらには307号室へと、台車部10を順に移動させる、という経路を決定する。なお、台車部制御部87において、撮影予定情報96に基づき経路を作成してもよい。
図11において、適正走行条件テーブル97は、台車部10が手動走行されるフロア内の、予め設定された複数の位置のそれぞれに対応付けて、適正走行条件を登録したテーブルである。つまり、適正走行条件テーブル97が記憶されるROM73は、本開示の技術に係る「記憶部」の一例である。
図11では、台車部10が手動走行されるフロア内の、予め設定された複数の位置として、前述の3階フロア内の各部分、すなわちエレベーターホール、スロープ1、2、廊下1〜5、凸部1、2、曲がり角1、2が示されている。そして、適正走行条件として、台車部10の走行速度の第1上限値が登録されている。より詳しくは、エレベーターホールには1.0km/hが、スロープ1、2(下り坂の場合)には1.5km/hが、廊下1、2、4、5には3.0km/hが、それぞれ登録されている。また、凸部1、2には1.5km/hが、曲がり角1、2には1.0km/hが、廊下3には1.5km/hが、それぞれ登録されている。この第1上限値は、例えばオペレータOPの代表者が登録する。あるいは、オペレータOPの代表者が実際に手動走行したときの第1計測値に基づいて、第1上限値が登録されてもよい。なお、凸部に代えて、あるいは加えて、凹部を位置として登録してもよい。また、凸部および凹部が連続する部分を位置として登録してもよい。
エレベーターホールは人の出入りが多い。人は、走行通路に存在し、手動走行の障害となり得る障害物である。このため、エレベーターホールは、言い換えれば、手動走行の障害となり得る障害物が多い。したがって、エレベーターホールには、第1上限値として、比較的遅い1.0km/hが設定されている。このエレベーターホールの第1上限値は、本開示の技術に係る「手動走行の障害となり得る障害物の多寡に応じた第1上限値」の一例である。
スロープ1、2では、下り坂の場合、台車部10に加速がつく。したがって、スロープ1、2には、第1上限値として、比較的遅い1.5km/hが設定されている。このスロープ1、2の第1上限値は、本開示の技術に係る「走行通路の傾斜の状態に応じた第1上限値」の一例である。なお、スロープ1が下り坂の場合とは、エレベーターホールから廊下1に向けて台車部10を走行させた場合である。また、スロープ2が下り坂の場合とは、エレベーターホールから廊下5に向けて台車部10を走行させた場合である。
廊下1、2、4、5は、廊下3よりも幅が広い。したがって、廊下1、2、4、5には、第1上限値として、比較的速い3.0km/hが設定されている。対して廊下3には、第1上限値として、比較的遅い1.5km/hが設定されている。この廊下1〜5の第1上限値は、本開示の技術に係る「走行通路の幅に応じた第1上限値」の一例である。
凸部1、2では、台車部10に衝撃が加わる。したがって、凸部1、2には、第1上限値として、比較的遅い1.5km/hが設定されている。この凸部1、2の第1上限値は、本開示の技術に係る「走行通路の凹凸の状態に応じた第1上限値」の一例である。
曲がり角1、2は見通しが悪い。したがって、曲がり角1、2には、第1上限値として、比較的遅い1.0km/hが設定されている。この曲がり角1、2の第1上限値は、本開示の技術に係る「走行通路が曲がり角であるか否かに応じた第1上限値」の一例である。
図11においては、理解を助けるため、適正走行条件テーブル97の横に、各位置の第1上限値の設定原因を示している。この設定原因が、表示制御部94によって報知される、走行状態補正制御を行っている原因である。
図12において、第2取得部91は、第1取得部90において取得した現在位置に対応する適正走行条件(本実施形態においては第1上限値)を、ROM73の適正走行条件テーブル97から読み出して取得する。図12では、第1取得部90において取得した現在位置がエレベーターホールであった場合を例示している。この場合、第2取得部91は、エレベーターホールに対応する適正走行条件である第1上限値1.0km/hを、適正走行条件テーブル97から読み出して取得する。
現在位置を、前述のように前輪11の前方1mの位置とした場合を考える。この場合、第2取得部91において適正走行条件を取得するタイミングは、台車部10がその前方に存在する位置の手前1mに到達したときである。このため、台車部10の前方に存在する位置が例えば凸部1、2であった場合は、台車部10が凸部1、2の手前1mに到達したときに、凸部1、2の第1上限値である1.5km/hが第2取得部91において取得される。
図13に示すように、走行状態補正制御部93は、第2取得部91において取得した適正走行条件から、第3取得部92において取得した走行状態が逸脱していない場合、走行状態補正制御を行わない。本実施形態においては、適正走行条件が第1上限値、走行状態が第1計測値である。このため、前文を言い換えれば、走行状態補正制御部93は、第3取得部92において取得した第1計測値が、第2取得部91において取得した第1上限値以下の場合(第1上限値≧第1計測値)、走行状態補正制御を行わない、となる。
図13では、第2取得部91からの第1上限値が1.0km/h、第3取得部92からの第1計測値が0.8km/hであった場合を例示している。この場合、第1計測値は第1上限値以下であるため、走行状態補正制御部93は走行状態補正制御を行わない。
対して図14に示すように、走行状態補正制御部93は、第2取得部91において取得した適正走行条件から、第3取得部92において取得した走行状態が逸脱した場合、走行状態補正制御を行う。言い換えれば、走行状態補正制御部93は、第2取得部91において取得した第1上限値を、第3取得部92において取得した第1計測値が超えた場合(第1上限値<第1計測値)、走行状態補正制御を行う。走行状態補正制御部93は、走行状態補正制御として、第1上限値と第1計測値との差の分、予め設定された制動期間内に台車部10の速度を減速させる駆動制御信号を後輪駆動部13に出力する。なお、制動期間は数秒単位であり、例えば3秒である。
台車部10の速度を減速させる駆動制御信号は、具体的には、後輪12に後進方向の負荷を掛ける信号である。後進方向の負荷は、例えば、後輪12にブレーキを掛けることで生じさせる。あるいは、後輪12に後進方向のトルクを掛けることで生じさせる。後進方向の負荷は、当然ではあるが、オペレータOPが台車部10に与える力より小さい。
図14では、第2取得部91からの第1上限値は図13と同じく1.0km/hであるが、第3取得部92からの第1計測値が1.2kmであった場合を例示している。この場合、第1計測値が第1上限値を超えているため、走行状態補正制御部93は走行状態補正制御を行う。走行状態補正制御部93は、第1上限値と第1計測値との差が0.2km/hであるため、制動期間内に台車部10の速度を0.2km/h減速させる駆動制御信号を出力する。こうした走行状態補正制御を行うことにより、図15に示すように、移動式放射線撮影装置2の走行速度が、1.2km/hから1.0km/hに減速される。
図16に示すように、第1計測値Aのように第1上限値との差が比較的大きい場合、走行状態補正制御による後輪12への負荷は、制動期間内に速度を第1上限値とするために比較的大きいものとなる。対して、第1計測値Bのように第1上限値との差が比較的小さい場合、走行状態補正制御による後輪12への負荷は、第1計測値Aの場合と比較して小さいものとなる。このように、走行状態補正制御部93は、第1上限値と第1計測値との差に応じて、後輪12への負荷の掛け方を異ならせる。なお、第1上限値と第1計測値との差が大きい程、制動期間を長くする等、第1上限値と第1計測値との差に応じて、制動期間を変更してもよい。
図17において、原因報知画面100には、メッセージ101とOKボタン102とが表示される。メッセージ101は、走行状態補正制御を行っている原因、および走行状態補正制御の内容を示す文章である。OKボタン102は、原因報知画面100の表示を消すためのボタンである。
図17Aは、現在位置が、人の出入りが多い位置であるエレベーターホールであった場合の原因報知画面100を例示している。この場合、メッセージ101は、走行状態補正制御を行っている原因が「障害物の多寡」であり、走行速度を第1上限値の1.0km/h以下に制限している、という内容である。また、図17Bは、現在位置が、走行通路の幅が狭い位置である廊下3であった場合の原因報知画面100を例示している。この場合、メッセージ101は、走行状態補正制御を行っている原因が「走行通路の幅」であり、走行速度を第1上限値の1.5km/h以下に制限している、という内容である。
次に、上記構成による作用について、図18のフローチャートを参照して説明する。図18では、走行状態補正制御処理について説明する。走行状態補正制御処理は、作動プログラム80にしたがってCPU75によって実行される処理である。CPU75は、オペレータOPによってハンドル22が把持され、ロック解除スイッチ65によって後輪12の回転ロックが解除されて、手動走行が開始されたことを条件に、走行状態補正制御処理を実行する。走行状態補正制御処理は、図8で示した台車部制御部87、すなわち、第1取得部90、第2取得部91、第3取得部92、走行状態補正制御部93、および表示制御部94として、CPU75を機能させる処理である。
まず、第1取得部90において、走行環境に関する情報として、現在位置検出部71からの現在位置が取得される(ステップST100)。現在位置は、第1取得部90から第2取得部91に出力される。
図12で示したように、第1取得部90において取得した現在位置に対応する第1上限値が、第2取得部91によって適正走行条件テーブル97から読み出されて取得される(ステップST110)。第1上限値は、第2取得部91から走行状態補正制御部93に出力される。
また、第3取得部92において、走行状態に関する情報として、走行速度計測部72からの第1計測値が取得される(ステップST120)。第1計測値は、第3取得部92から走行状態補正制御部93に出力される。
図18では、説明の便宜上、ステップST100、ステップST110、およびステップST120の処理を分けて記載した。しかし、これらステップST100、ステップST110、およびステップST120の処理は、実際には並行して行われる。なお、ステップST100は、本開示の技術に係る「第1取得ステップ」の一例である。ステップST120は、本開示の技術に係る「第2取得ステップ」の一例である。ステップST130は、本開示の技術に係る「第3取得ステップ」の一例である。
図13で示したように、適正走行条件から走行状態が逸脱していない場合、すなわち、第1計測値が第1上限値以下の場合(ステップST130でNO)、走行状態補正制御部93において走行状態補正制御は行われない。対して図14で示したように、適正走行条件から走行状態が逸脱した場合、すなわち、第1上限値を第1計測値が超えた場合(ステップST130でYES)、走行状態補正制御部93において走行状態補正制御が行われる(ステップST140)。走行状態補正制御は、図14〜図16で示したように、第1上限値と第1計測値との差の分、制動期間内に台車部10の速度を減速させる駆動制御信号を後輪駆動部13に出力する制御である。なお、ステップST140は、本開示の技術に係る「走行状態補正制御ステップ」の一例である。
図17で示したように、表示制御部94によって、走行状態補正制御を行っている原因を報知する原因報知画面100が、ディスプレイ26に表示される(ステップST150)。なお、ステップST150の処理は、実際にはステップST140の処理と並行して行われる。
これらステップST100〜ステップST150までの処理は、オペレータOPの手がハンドル22から離れ、後輪12の回転ロックがなされて、手動走行が停止される(ステップST160でYES)まで繰り返し続けられる。
以上説明したように、移動式放射線撮影装置2は、走行状態補正制御部93において、適正走行条件から台車部10の走行状態が逸脱した場合、適正走行条件を満足する走行状態に補正する走行状態補正制御を行う。したがって、より安全性の高い手動走行を実現することが可能となる。例えば、エレベーターホールを3.0km/hで手動走行して、エレベーターから出てきた人に移動式放射線撮影装置2をぶつけそうになるおそれがない。また、曲がり角を2.0km/hで手動走行して、反対側から来た人に移動式放射線撮影装置2をぶつけそうになるおそれがない。あるいは、凸部を3.0km/hで手動走行して、凸部を越えたときの衝撃により移動式放射線撮影装置2が故障しそうになるおそれもない。
走行状態補正制御部93は、適正走行条件から台車部10の走行状態が逸脱していない場合は、走行状態補正制御を行わない。このため、適正走行条件内で台車部10を手動走行させているオペレータOPにとっては、自分の意に沿わない走行状態補正制御が行われることがないため、操作のストレスは少ない。
適正走行条件としての第1上限値は、適正走行条件テーブル97という形で、台車部10が手動走行されるフロア内の予め設定された複数の位置のそれぞれに対応付けてROM73に記憶されている。そして、第1取得部90は、走行環境に関する情報として現在位置を取得し、第2取得部91は、現在位置に対応する第1上限値を、ROM73から読み出して取得する。したがって、台車部10が手動走行されるフロアの実際の状態に即した適正走行条件を設定することができる。また、こうしてフロアの実際の状態に即して設定された適正走行条件に基づいて、フロアの実際の状態に即した走行状態補正制御を行うことができる。
適正走行条件は、走行通路の幅、曲がり角であるか否か、障害物の多寡、走行通路の傾斜の状態、および走行通路の凹凸の状態のうちの少なくともいずれか1つに応じた、台車部10の走行速度の第1上限値である。そして、第3取得部92は、走行状態に関する情報として第1計測値を取得する。走行状態補正制御部93は、第1上限値を第1計測値が超えた場合、走行状態補正制御を行う。したがって、各位置において安全を確保することが可能な走行速度で台車部10を手動走行させることができる。
表示制御部94は、走行状態補正制御を行っている原因を示す原因報知画面100をディスプレイ26に表示する制御を行う。走行状態補正制御によって台車部10が減速した場合に原因報知画面100が表示されないと、オペレータOPは故障と勘違いしたりして戸惑うおそれがある。しかし、原因報知画面100によって、走行状態補正制御がなぜ行われているのかをオペレータOPに報せるので、オペレータOPが戸惑うおそれはない。原因報知画面100を表示することに代えて、あるいは加えて、音声で報知してもよい。
なお、図19に示す適正走行条件テーブル105のように、障害物の多寡に応じた第1上限値を、時間帯毎に設定してもよい。
図19においては、障害物の多寡に応じた第1上限値として、エレベーターホールに対応する第1上限値を例に挙げて説明する。エレベーターホールに対応する第1上限値には、9:00〜18:00の時間帯の1.0km/hと、18:00以降の時間帯の3.0km/hの2つが設定されている。9:00は、例えば病院の始業時間であり、18:00は、例えば面会者の受け入れ終了時間である。このため、9:00〜18:00の時間帯は、患者、医師、看護師等が、回診、検査等でエレベーターホールを出入りしたり、患者の面会者がエレベーターホールを出入りしたりすることが考えられる。対して、18:00以降の時間帯は、エレベーターホールを人が出入りする頻度は少ないと考えられる。したがって、9:00〜18:00の時間帯には、第1上限値として、比較的遅い1.0km/hが、18:00以降の時間帯には、第1上限値として、比較的速い3.0km/hが、それぞれ設定されている。
このように、障害物の多寡に応じた第1上限値を、時間帯毎に設定すれば、フロアの実際の状態にさらに即した走行状態補正制御を行うことができる。
なお、図19で示した適正走行条件テーブル105は、あくまでも一例である。障害物の多寡に応じた第1上限値を、時間帯毎に設定する態様としては、以下のような態様を採用することが可能である。例えば、配膳車が動き回る食事の前後の時間帯の第1上限値を、比較的遅い値に設定する。あるいは、面会者が比較的多いと考えられる、休日の9:00〜11:00の時間帯の第1上限値を比較的遅い値に設定する。
[第2実施形態]
図20〜図25に示す第2実施形態では、走行環境を検出する検出センサの検出結果に基づく、走行環境に関する情報を取得する。
図20において、第2実施形態の台車部制御部110は、画像認識部111を有する。また、ROM73には、適正走行条件テーブル112が記憶されている。さらに、第3取得部92は、走行速度計測部113から、台車部10の走行速度の第2計測値を取得する。走行速度計測部113は、符号を変えただけで上記第1実施形態の走行速度計測部72と同じである。また、第2計測値も、名前を変えただけで上記第1実施形態の第1計測値と同じである。なお、上記第1実施形態と同じ構成については同じ符号を付し、説明を省略する。
画像認識部111は、前方監視カメラ114から、撮影した画像115(図22参照)を受け取る。画像認識部111は、受け取った画像を画像認識して、その画像認識結果を第1取得部90に出力する。第1取得部90は、画像認識部111からの画像認識結果を、走行環境に関する情報として取得する。前方監視カメラ114は、例えば、台車部10の前方側の支柱部16の面に取り付けられ、手動走行における進行方向である台車部10の前方を撮影する。前方監視カメラ114は、本開示の技術に係る「走行環境を検出する検出センサ」の一例である。前方監視カメラ114が撮影した画像115は、本開示の技術に係る「走行環境を検出する検出センサの検出結果」の一例である。
図21に示すように、適正走行条件テーブル112は、複数の走行環境にそれぞれ対応付けて、適正走行条件を登録したテーブルである。図21では、走行環境として、走行通路の幅が2.1m未満、走行通路の幅が2.1m以上、曲がり角、障害物あり、障害物との距離3m、障害物との距離2m、障害物との距離1m、走行通路に下り坂の傾斜あり、および走行通路に凹凸あり、の計9種が示されている。そして、適正走行条件として、台車部10の走行速度の第2上限値が登録されている。より詳しくは、走行通路の幅が2.1m未満には1.5km/hが、走行通路の幅が2.1m以上には3.0km/hが、曲がり角には1.0km/hが、それぞれ登録されている。また、障害物ありには1.0km/hが、障害物との距離3mには1.0km/hが、障害物との距離2mには0.8km/hが、障害物との距離1mには0.5km/hが、それぞれ登録されている。さらに、走行通路に下り坂の傾斜あり、および走行通路に凹凸ありには、ともに1.5km/hが登録されている。この第2上限値は、第1上限値と同じく、オペレータOPの代表者が登録するか、あるいはオペレータOPの代表者が実際に手動走行したときの第1計測値に基づいて登録される。図11の場合と同様に、図21においても、適正走行条件テーブル112の横に、第2上限値の設定原因を示している。
ここで、「障害物の多寡」とは、障害物が相対的に多い、少ないという概念である。このため、図21で示した適正走行条件テーブルの走行環境の「障害物あり」のように、障害物が1つでも存在する場合および障害物が1つも存在しない場合も、「障害物の多寡」という概念に含まれる。
図22に示すように、前方監視カメラ114で撮影した画像115には、台車部10の前方の走行通路の様子が映し出されている。画像認識部111は、こうした走行通路の様子が映し出された画像115を画像認識して、画像115から、走行通路の幅、走行通路が曲がり角であるか否か、障害物の多寡、障害物との距離、走行通路の傾斜の状態、および走行通路の凹凸の状態を画像認識結果として導出する。そして、導出したこれらの画像認識結果を、走行環境に関する情報として第1取得部90に出力する。
図22に示す画像115には、幅2.1m以上の走行通路、下り坂のスロープSL、および女性FMが2m前方に映し出されている。このため、画像認識部111は、走行通路の幅が2.1m以上、走行通路に下り坂の傾斜あり、障害物あり、および障害物との距離2mを画像認識結果として導出する。
図23において、第2取得部91は、第1取得部90において取得した走行環境に対応する適正走行条件(本実施形態においては第2上限値)を、ROM73の適正走行条件テーブル112から読み出して取得する。第1取得部90において取得した走行環境が複数あった場合、第2取得部91は、複数の走行環境に対応する適正走行条件のうちで、最も厳しい適正走行条件を読み出す。例えば、第1取得部90において取得した走行環境が、走行通路の幅2.1m以上、障害物との距離3m、および走行通路に凹凸ありであった場合、第2取得部91は、第2上限値が最も低く最も厳しい適正走行条件である、走行通路に凹凸ありの場合の第2上限値1.5km/hを読み出す。
図23では、第1取得部90において取得した走行環境が、障害物との距離1mであった場合を例示している。この場合、第2取得部91は、障害物との距離1mに対応する適正走行条件である第2上限値0.5km/hを、適正走行条件テーブル112から読み出して取得する。
図24に示すように、走行状態補正制御部93は、第3取得部92において取得した第2計測値が、第2取得部91において取得した第2上限値以下の場合(第2上限値≧第2計測値)、走行状態補正制御を行わない。図24では、第2取得部91からの第2上限値が0.5km/h、第3取得部92からの第2計測値が0.2km/hであった場合を例示している。この場合、第2計測値は第2上限値以下であるため、走行状態補正制御部93は走行状態補正制御を行わない。
対して図25に示すように、走行状態補正制御部93は、第2取得部91において取得した第2上限値を、第3取得部92において取得した第2計測値が超えた場合(第1上限値<第1計測値)、走行状態補正制御を行う。走行状態補正制御の内容は、上記第1実施形態と同じである。
図25では、第2取得部91からの第2上限値は図24と同じく0.5km/hであるが、第3取得部92からの第2計測値が0.8kmであった場合を例示している。この場合、第2計測値が第2上限値を超えているため、走行状態補正制御部93は走行状態補正制御を行う。走行状態補正制御部93は、第2上限値と第2計測値との差が0.3km/hであるため、制動期間内に台車部10の速度を0.3km/h減速させる駆動制御信号を出力する。こうした走行状態補正制御を行うことにより、移動式放射線撮影装置2の走行速度が、0.8km/hから0.5km/hに減速される。
このように、第2実施形態では、第1取得部90は、走行環境を検出する検出センサの検出結果に基づく、走行環境に関する情報を取得する。より詳しくは、第1取得部90は、走行環境に関する情報として、台車部10の走行通路の幅、走行通路が曲がり角であるか否か、障害物の多寡、障害物との距離、走行通路の傾斜の状態、および走行通路の凹凸の状態のうちの少なくともいずれか1つを、検出結果に基づき取得する。第2取得部91は、適正走行条件として、台車部10の走行速度の第2上限値を取得し、第3取得部92は、走行状態に関する情報として、台車部10の走行速度の第2計測値を取得する。そして、走行状態補正制御部93は、第2上限値を第2計測値が超えた場合、走行状態補正制御を行う。したがって、上記第1実施形態と同じく、より安全性の高い手動走行を実現することが可能となる。
また、検出センサによってリアルタイムで検出した走行環境の検出結果を用いるので、さらにフロアの実際の状態に即した走行状態補正制御を行うことができる。例えば、食事の配膳車、看護師が持ち運ぶ体温計等を搭載したカート等、位置が固定されていない障害物、あるいは設備工事等で突発的に生じた凸部といった、時々刻々と変化する走行環境にも対応することができる。
走行環境を検出する検出センサは、例示した前方監視カメラ114に限らない。超音波センサ、赤外線センサ、LIDARといった測距センサを用いて、障害物との距離を検出してもよい。また、MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)式モーションセンサを用いて、走行通路の傾斜および凹凸の状態を検出してもよい。
[第3実施形態]
図26〜図33に示す第3実施形態では、台車部10の蛇行量に基づいて、走行状態補正制御を行う。
図26において、天井カメラ120は、走行通路の天井に取り付けられ、走行通路を上から撮影する。このため、天井カメラ120によって撮影される画像121には、オペレータOPによって走行通路を手動走行する移動式放射線撮影装置2が映し出される。ここでは、オペレータOPが左手LHでハンドル22を把持しつつ手動走行している様子が映し出されている。移動式放射線撮影装置2には、天井カメラ120で撮影可能な箇所、例えば支柱部16の上面に、マーカー122が設けられている。
天井カメラ120は、通信I/F70を介して移動式放射線撮影装置2に接続されている。天井カメラ120は、撮影した画像121を、画像認識部125に出力する。画像認識部125は、画像121に映し出されたマーカー122を画像認識する。画像認識部125は、画像121内のマーカー122の位置を、第1取得部90に出力する。第1取得部90は、画像認識部125からの画像121内のマーカー122の位置を、走行環境に関する情報として取得する。第1取得部90は、取得した画像121内のマーカー122の位置を、蛇行判定部126および蛇行量計測部127に出力する。
図27および図28に示す枠130内のように、蛇行判定部126は、設定期間SPにおけるマーカー122の位置の軌跡に基づいて、台車部10が蛇行しているか否かを判定する。設定期間SPは数秒単位であり、例えば5秒である。
図27において、設定期間SPにおけるマーカー122の位置の軌跡が、走行通路の縁131に対して平行ではないが、マーカー122Aおよびマーカー122Bで示すように一方向に限定されていた場合、蛇行判定部126は、台車部10の動きは蛇行ではないと判定する。蛇行判定部126は、蛇行ではないとの判定結果を蛇行量計測部127に出力する。この場合、蛇行量計測部127は、蛇行量を計測しない。
一方、図28において、設定期間SPにおけるマーカー122の位置の軌跡が、マーカー122C、マーカー122D、およびマーカー122Eで示すように、走行通路の縁131に対して平行でない二つの方向で構成されていた場合、蛇行判定部126は、台車部10の動きは蛇行であると判定する。蛇行判定部126は、蛇行であるとの判定結果を蛇行量計測部127に出力する。この場合、蛇行量計測部127は、蛇行量を計測する。このように、マーカー122の位置の軌跡に基づいて、台車部10が蛇行しているか否かを判定するので、病室に進入する等の理由で、単に台車部10が曲げられているのか、蛇行であるのかを峻別することができる。
図29において、蛇行量計測部127は、枠135内に示すように、第1取得部90からのマーカー122の位置に基づいて、台車部10の蛇行量の計測値を導出する。より詳しくは、蛇行量計測部127は、現在のマーカー122Eの位置から、直進ルートLRに下した垂線の長さSM1を、蛇行量の計測値とする。直進ルートLRは、設定期間SPの最初のマーカー122Cの位置を通り、かつ走行通路の縁131と平行な線である。蛇行量計測部127は、こうして導出した蛇行量の計測値を、第3取得部92に出力する。第3取得部92は、蛇行量計測部127からの蛇行量の計測値を、走行状態に関する情報として取得する。
図30に示すように、本実施形態においては、適正走行条件として、台車部10の蛇行量の上限値がROM73に記憶されている。第2取得部91は、ROM73から蛇行量の上限値を読み出して取得する。
図31に示すように、走行状態補正制御部93は、第3取得部92において取得した蛇行量の計測値が、第2取得部91において取得した蛇行量の上限値以下の場合(上限値≧計測値)、走行状態補正制御を行わない。図31では、第2取得部91からの蛇行量の上限値が50cm、第3取得部92からの蛇行量の計測値が20cmであった場合を例示している。この場合、蛇行量の計測値は蛇行量の上限値以下であるため、走行状態補正制御部93は走行状態補正制御を行わない。
対して図32に示すように、走行状態補正制御部93は、第2取得部91において取得した蛇行量の上限値を、第3取得部92において取得した蛇行量の計測値が超えた場合(上限値<計測値)、走行状態補正制御を行う。走行状態補正制御部93は、走行状態補正制御として、台車部10を、制動期間内に直進させる駆動制御信号を後輪駆動部13に出力する。なお、制動期間は、上記第1実施形態と同じく数秒単位であり、例えば3秒である。
台車部10を直進させる駆動制御信号は、具体的には、蛇行している方向とは反対の方向に台車部10を曲げる信号である。台車部10を曲げる方法は、例えば、曲げたい方向とは反対側の後輪12の回転速度を速めるか、または曲げたい方向と同じ側の後輪12に、後進方向の負荷を掛けるか、である。
図32では、第3取得部92からの蛇行量の計測値が51cmであった場合を例示している。この場合、蛇行量の計測値が蛇行量の上限値を超えているため、走行状態補正制御部93は走行状態補正制御を行う。走行状態補正制御を行うことにより、図33に示すように、移動式放射線撮影装置2が、50cm以上蛇行している状態から、直進している状態に戻される。
このように、第3実施形態では、第2取得部91は、適正走行条件として、台車部10の蛇行量の上限値を取得する。第3取得部92は、走行状態に関する情報として、台車部10の蛇行量の計測値を取得する。そして、走行状態補正制御部93は、蛇行量の上限値を蛇行量の計測値が超えた場合、走行状態補正制御を行う。
図26の画像121で示したように、片手に荷物を持っている等の理由で、オペレータOPが片手でハンドル22を操作する場合等、台車部10を蛇行させてしまうことがある。また、オペレータOPの癖、例えば左手LHよりも右手RHの力が強いといった理由で、台車部10を蛇行させてしまうこともある。しかし、第3実施形態によれば、こうした台車部10を蛇行させてしまうような状況においても、蛇行量は上限値以内に抑えられるので、手動走行の安全性を確保することができる。
画像認識部125は、移動式放射線撮影装置2以外のコンピュータに設けられていてもよい。この場合、天井カメラ120は、移動式放射線撮影装置2以外のコンピュータに画像121を出力する。また、第1取得部90は、移動式放射線撮影装置2以外のコンピュータの画像認識部125から、画像121内のマーカー122の位置を取得する。
蛇行量を計測する方法は、天井カメラ120で撮影した画像121を解析する上記の方法に限らない。例えば以下の方法を採用してもよい。すなわち、走行通路の複数箇所に、異なる周波数の電波を送信する複数台の電波送信機を設けておく。また、移動式放射線撮影装置2には、電波送信機からの電波を受信する電波受信機を設けておく。移動式放射線撮影装置2では、電波受信機で受信した電波の周波数および強度から、走行通路における位置を特定する。そして、特定した位置の軌跡に基づいて、蛇行量を導出する。また、ジャイロセンサ、加速度センサを用いてもよい。
図34に示すように、現在位置検出部71において検出した現在位置Lに基づいて、蛇行量を計測してもよい。すなわち、現在位置Lと走行通路の縁131との距離SM2を、蛇行量の計測値として算出する。この場合、各走行通路における台車部10の走行領域DAを、予め地図情報95に登録しておく。走行状態補正制御部93は、現在位置Lと走行通路の縁131との距離SM2に基づいて、現在位置Lが走行領域DA内にあるか否かを判定する。図34に例示するように、現在位置Lが走行領域DA内にない場合、走行状態補正制御部93は、現在位置Lが走行領域DA内にないと判定し、走行状態補正制御を行う。つまり、この場合は、走行領域DAの幅が、本開示の技術に係る「蛇行量の上限値」の一例である。
また、現在位置Lと走行通路の縁131との距離SM2を、所定間隔、例えば1秒間隔でサンプリングし、その結果得られた距離SM2の履歴に基づいて、蛇行量を計測してもよい。この場合、計測した蛇行量の単位時間当たり、例えば5秒当たりの変動量が、予め設定された蛇行量の上限値を越えた場合、走行状態補正制御部93は、走行状態補正制御を行う。
上記各実施形態では、走行通路の傾斜の状態に関して、傾斜が下り坂の場合のみに言及したが、傾斜が上り坂の場合も走行状態補正制御を行ってもよい。ただし、傾斜が上り坂の場合の走行状態補正制御は、走行速度の計測値が走行速度の下限値以下となった場合に、走行速度を下限値まで加速する制御となる。
第1取得部90、第2取得部91、および第3取得部92は、1つの取得部が担ってもよい。
上記各実施形態において、例えば、第1取得部90、第2取得部91、第3取得部92、走行状態補正制御部93、表示制御部94、画像認識部111、125、および蛇行量計測部127といった各種の処理を実行する処理部(Processing Unit)のハードウェア的な構造としては、次に示す各種のプロセッサ(Processor)を用いることができる。各種のプロセッサには、上述したように、ソフトウェア(作動プログラム80)を実行して各種の処理部として機能する汎用的なプロセッサであるCPUに加えて、FPGA(Field Programmable Gate Array)等の製造後に回路構成を変更可能なプロセッサであるプログラマブルロジックデバイス(Programmable Logic Device :PLD)、および/またはASIC(Application Specific Integrated Circuit)等の特定の処理を実行させるために専用に設計された回路構成を有するプロセッサである専用電気回路等が含まれる。
1つの処理部は、これらの各種のプロセッサのうちの1つで構成されてもよいし、同種または異種の2つ以上のプロセッサの組み合わせ(例えば、複数のFPGAの組み合わせ、および/または、CPUとFPGAとの組み合わせ)で構成されてもよい。また、複数の処理部を1つのプロセッサで構成してもよい。
複数の処理部を1つのプロセッサで構成する例としては、第1に、クライアントおよびサーバ等のコンピュータに代表されるように、1つ以上のCPUとソフトウェアの組み合わせで1つのプロセッサを構成し、このプロセッサが複数の処理部として機能する形態がある。第2に、システムオンチップ(System On Chip:SoC)等に代表されるように、複数の処理部を含むシステム全体の機能を1つのIC(Integrated Circuit)チップで実現するプロセッサを使用する形態がある。このように、各種の処理部は、ハードウェア的な構造として、上記各種のプロセッサの1つ以上を用いて構成される。
さらに、これらの各種のプロセッサのハードウェア的な構造としては、より具体的には、半導体素子等の回路素子を組み合わせた電気回路(circuitry)を用いることができる。
以上の記載から、以下の付記項1に記載の発明を把握することができる。
[付記項1]
走行用の車輪を有し、本体部が搭載される台車部と、
前記本体部に設けられ、前記台車部を操縦するためのハンドルと、
オペレータの前記ハンドルの操作によって前記台車部を走行させる手動走行をアシストするために、前記車輪を回転駆動する車輪駆動部と、
前記台車部の走行環境に関する情報を取得する第1取得プロセッサと、
前記第1取得プロセッサにおいて取得した前記走行環境に関する情報に応じた、前記台車部の適正走行条件を取得する第2取得プロセッサと、
前記手動走行における前記台車部の走行状態に関する情報を取得する第3取得プロセッサと、
前記第2取得プロセッサにおいて取得した前記適正走行条件から、前記第3取得プロセッサにおいて取得した前記走行状態が逸脱した場合、前記車輪駆動部を制御することにより、前記適正走行条件を満足する走行状態に補正する走行状態補正制御を行う走行状態補正制御プロセッサと、
を備える移動式放射線撮影装置。
本開示の技術は、上述の種々の実施形態および種々の変形例のうちの少なくともいずれか2つを適宜組み合わせることも可能である。また、上記各実施形態に限らず、要旨を逸脱しない限り種々の構成を採用し得ることはもちろんである。さらに、本開示の技術は、プログラムに加えて、プログラムを非一時的に記憶する記憶媒体にもおよぶ。
以上に示した記載内容および図示内容は、本開示の技術に係る部分についての詳細な説明であり、本開示の技術の一例に過ぎない。例えば、上記の構成、機能、作用、および効果に関する説明は、本開示の技術に係る部分の構成、機能、作用、および効果の一例に関する説明である。よって、本開示の技術の主旨を逸脱しない範囲内において、以上に示した記載内容および図示内容に対して、不要な部分を削除したり、新たな要素を追加したり、置き換えたりしてもよいことはいうまでもない。また、錯綜を回避し、本開示の技術に係る部分の理解を容易にするために、以上に示した記載内容および図示内容では、本開示の技術の実施を可能にする上で特に説明を要しない技術常識等に関する説明は省略されている。
本明細書において、「Aおよび/またはB」は、「AおよびBのうちの少なくとも1つ」と同義である。つまり、「Aおよび/またはB」は、Aだけであってもよいし、Bだけであってもよいし、AおよびBの組み合わせであってもよい、という意味である。また、本明細書において、3つ以上の事柄を「および/または」で結び付けて表現する場合も、「Aおよび/またはB」と同様の考え方が適用される。
本明細書に記載された全ての文献、特許出願および技術規格は、個々の文献、特許出願および技術規格が参照により取り込まれることが具体的かつ個々に記された場合と同程度に、本明細書中に参照により取り込まれる。
2 移動式放射線撮影装置
10 台車部
11 前輪(車輪)
12 後輪(車輪)
13 後輪駆動部(車輪駆動部)
14 本体部
15 中央部
16 支柱部
17 アーム部
18 照射部
20 コンソール
21 カセッテ収納部
22 ハンドル
25 操作卓
26 ディスプレイ
30 電子カセッテ
32 照射スイッチ
33 電圧発生器
40 放射線管
41 照射野限定器
50 第1支柱
51 第2支柱
54 固定アーム
55 第1アーム
56 第2アーム
60 把手
65 ロック解除スイッチ
70 通信I/F
71 現在位置検出部
72、113 走行速度計測部
73 ROM
74 RAM
75 CPU
76 バスライン
80 作動プログラム
85 照射部制御部
86 カセッテ制御部
87、110 台車部制御部
90 第1取得部
91 第2取得部
92 第3取得部
93 走行状態補正制御部
94 表示制御部
95 地図情報
96 撮影予定情報
97、105、112 適正走行条件テーブル
100 原因報知画面
101 メッセージ
102 OKボタン
111、125 画像認識部
115、121 画像
120 天井カメラ
122、122A、122B、122C、122D、122E マーカー
126 蛇行判定部
127 蛇行量計測部
130、135 枠
131 走行通路の縁
DA 走行領域FM 女性
L 現在位置
LH 左手
LR 直進ルート
OP オペレータ
RH 右手
SL スロープ
SM1 マーカーの位置から直進ルートに下した垂線の長さ(蛇行量の計測値)
SM2 現在位置と走行通路の縁との距離(蛇行量の計測値)
SP 設定期間
ST100〜ST160 ステップ
X 移動式放射線撮影装置の前後方向を示す軸
Y 移動式放射線撮影装置の幅方向を示す軸
Z 移動式放射線撮影装置の高さ方向を示す軸

Claims (11)

  1. 走行用の車輪を有し、本体部が搭載される台車部と、
    前記本体部に設けられ、前記台車部を操縦するためのハンドルと、
    オペレータの前記ハンドルの操作によって前記台車部を走行させる手動走行をアシストするために、前記車輪を回転駆動する車輪駆動部と、
    前記台車部の走行環境に関する情報を取得する第1取得部と、
    前記第1取得部において取得した前記走行環境に関する情報に応じた、前記台車部の適正走行条件を取得する第2取得部と、
    前記手動走行における前記台車部の走行状態に関する情報を取得する第3取得部と、
    前記第2取得部において取得した前記適正走行条件から、前記第3取得部において取得した前記走行状態が逸脱した場合、前記車輪駆動部を制御することにより、前記適正走行条件を満足する走行状態に補正する走行状態補正制御を行う走行状態補正制御部と、
    を備える移動式放射線撮影装置。
  2. 前記適正走行条件は、前記台車部が手動走行されるフロア内の、予め設定された複数の位置のそれぞれに対応付けて記憶部に記憶されており、
    前記第1取得部は、前記走行環境に関する情報として、前記フロア内における前記台車部の現在の位置を取得し、
    前記第2取得部は、前記第1取得部において取得した前記現在の位置に対応する前記適正走行条件を、前記記憶部から読み出して取得する請求項1に記載の移動式放射線撮影装置。
  3. 前記第2取得部は、前記適正走行条件として、前記台車部の走行通路の幅、前記走行通路が曲がり角であるか否か、前記走行通路に存在し、前記手動走行の障害となり得る障害物の多寡、前記走行通路の傾斜の状態、および前記走行通路の凹凸の状態のうちの少なくともいずれか1つに応じた前記台車部の走行速度の第1上限値を取得し、
    前記第3取得部は、前記走行状態に関する情報として、前記台車部の走行速度の第1計測値を取得し、
    前記走行状態補正制御部は、前記第2取得部において取得した前記第1上限値を、前記第3取得部において取得した前記第1計測値が超えた場合、前記走行状態補正制御を行う請求項2に記載の移動式放射線撮影装置。
  4. 前記障害物の多寡に応じた前記第1上限値は、時間帯毎に設定されている請求項3に記載の移動式放射線撮影装置。
  5. 前記第1取得部は、前記走行環境を検出する検出センサの検出結果に基づく、前記走行環境に関する情報を取得する請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の移動式放射線撮影装置。
  6. 前記第1取得部は、前記走行環境に関する情報として、前記台車部の走行通路の幅、前記走行通路が曲がり角であるか否か、前記走行通路に存在し、前記手動走行の障害となり得る障害物の多寡、前記障害物との距離、前記走行通路の傾斜の状態、および前記走行通路の凹凸の状態のうちの少なくともいずれか1つを、前記検出結果に基づき取得する請求項5に記載の移動式放射線撮影装置。
  7. 前記第2取得部は、前記適正走行条件として、前記台車部の走行速度の第2上限値を取得し、
    前記第3取得部は、前記走行状態に関する情報として、前記台車部の走行速度の第2計測値を取得し、
    前記走行状態補正制御部は、前記第2取得部において取得した前記第2上限値を、前記第3取得部において取得した前記第2計測値が超えた場合、前記走行状態補正制御を行う請求項5または請求項6に記載の移動式放射線撮影装置。
  8. 前記第2取得部は、前記適正走行条件として、前記台車部の蛇行量の上限値を取得し、
    前記第3取得部は、前記走行状態に関する情報として、前記台車部の蛇行量の計測値を取得し、
    前記走行状態補正制御部は、前記第2取得部において取得した前記蛇行量の上限値を、前記第3取得部において取得した前記蛇行量の計測値が超えた場合、前記走行状態補正制御を行う請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の移動式放射線撮影装置。
  9. 前記走行状態補正制御を行っている原因を報知する制御を行う表示制御部を備える請求項1から請求項8のいずれか1項に記載の移動式放射線撮影装置。
  10. 走行用の車輪を有し、本体部が搭載される台車部と、前記本体部に設けられ、前記台車部を操縦するためのハンドルと、オペレータの前記ハンドルの操作によって前記台車部を走行させる手動走行をアシストするために、前記車輪を回転駆動する車輪駆動部とを備える移動式放射線撮影装置の作動方法であって、
    前記台車部の走行環境に関する情報を取得する第1取得ステップと、
    前記第1取得ステップにおいて取得した前記走行環境に関する情報に応じた、前記台車部の適正走行条件を取得する第2取得ステップと、
    前記手動走行における前記台車部の走行状態に関する情報を取得する第3取得ステップと、
    前記第2取得ステップにおいて取得した前記適正走行条件から、前記第3取得ステップにおいて取得した前記走行状態が逸脱した場合、前記車輪駆動部を制御することにより、前記適正走行条件を満足する走行状態に補正する走行状態補正制御を行う走行状態補正制御ステップと、
    を備える移動式放射線撮影装置の作動方法。
  11. 走行用の車輪を有し、本体部が搭載される台車部と、前記本体部に設けられ、前記台車部を操縦するためのハンドルと、オペレータの前記ハンドルの操作によって前記台車部を走行させる手動走行をアシストするために、前記車輪を回転駆動する車輪駆動部とを備える移動式放射線撮影装置の作動プログラムであって、
    前記台車部の走行環境に関する情報を取得する第1取得部と、
    前記第1取得部において取得した前記走行環境に関する情報に応じた、前記台車部の適正走行条件を取得する第2取得部と、
    前記手動走行における前記台車部の走行状態に関する情報を取得する第3取得部と、
    前記第2取得部において取得した前記適正走行条件から、前記第3取得部において取得した前記走行状態が逸脱した場合、前記車輪駆動部を制御することにより、前記適正走行条件を満足する走行状態に補正する走行状態補正制御を行う走行状態補正制御部として、
    コンピュータを機能させるための移動式放射線撮影装置の作動プログラム。
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