JP2020081366A - 吸収性物品 - Google Patents
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Abstract
Description
本発明の吸収性物品は、液透過性のトップシートと、液不透過性のバックシートと、それらの間に介在する吸収体とを有する吸収性物品である。
本発明の吸収性物品における吸収体は、上層吸収体と下層吸収体の2層で構成されており、上層吸収体は針葉樹パルプで構成され、下層吸収体は針葉樹パルプとユーカリパルプの重量比が67:33〜33:67である混合物で構成されており、吸収体は、その股部近傍に位置し、重ねられた上層吸収体と下層吸収体とを貫くように形成され、長手方向に延びる略平行の左右一対のスリットを有し、スリットの長さが130mm以上であって、吸収体の最大長さに対して20〜38%であり、スリットが吸収体の幅方向中心から幅70mm以内に配置されている。
本発明において、トップシートとしては、体液が吸収体へと移動するような液透過性を備えた基材から形成されればよく、例えば、エアスルー不織布、サーマルボンド不織布、スパンボンド不織布等の不織布、サーマルボンド/スパンボンドを積層した複合不織布、ポリエチレンフォーム、ウレタンフォーム等の発泡フィルム、あるいは、これらを積層した複合シートといった材料から形成される。好ましくは、エアスルー不織布が挙げられる。また、トップシートには、液透過性を向上させるために、表面にエンボス加工や穿孔加工を施してもよい。これらのエンボス加工や穿孔加工を施すための方法としては、公知の方法を制限なく実施することができる。
本発明において、バックシートとしては、吸収体が保持している体液が吸収性物品から濡れないような液不透過性を備えた基材を用いて形成されればよく、樹脂フィルムや、樹脂フィルムと不織布とを積層した複合シートといった材料から形成される。複合シートに用いられる不織布としては、製法を特に限定せず、例えば、スパンボンド不織布やメルトブロー不織布、あるいは、スパンボンド/メルトブロー、スパンボンド/メルトブロー/スパンボンドを積層した複合不織布及びこれらの複合材料が挙げられる。また、樹脂フィルムとしては、例えば、ポリエステル、ポリビニルアルコール、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンとポリプロピレンの複合フィルム等が挙げられる。
後述の実施例に記載の通り、本発明の吸収性物品は紙おむつ着用者による1週間使用のモニター評価で高い肌当たりとドライ性の評価が得られた。特に、座位のように高い体圧が紙おむつにかかる状態(150gf/cm2)で、本発明の吸収性物品(実施例1)は、従来の針葉樹パルプのみからなる吸収性物品(比較例1)と比較して、逆戻り量が優位に低く、高吸収性ポリマーがユーカリパルプ繊維間に密に絡み合っていることで高い圧力下でも、高い保水性を有していることが分かる。従来の針葉樹パルプのみからなる吸収性物品(比較例1)では、繰り返し注水の試験において、初期の吸収で高吸収性ポリマーが膨潤してしまい、拡散性が低下し、逆戻りが増えてしまうが、本発明のように針葉樹パルプとユーカリパルプを配合することで、拡散性が高まり、繰り返し注水を行っても逆戻りが低減される。
吸収体及び吸収性物品は、従来、公知の方法で製造することができる。具体的には、針葉樹パルプ及びユーカリパルプを準備する。下層吸収体に用いる針葉樹パルプとユーカリパルプの混合物は、例えば、ハンマーミル粉砕時に、パルプシートの投入枚数によって調整することができる。例えば、針葉樹パルプ2枚とユーカリパルプ1枚を用いることで、67:33の混合物を調製することができる。例えば、後述の実施例1の吸収性物品の調製と同様にして、吸収性物品を製造することができる。なお、吸収体マットは低いプレス圧、例えば0.7〜1.6kgf/cm2で形成することが好ましい。
<紙おむつ着用者による1週間使用のモニター評価>
日常を主に寝た状態で生活する紙おむつ着用者8人の各パネラーの協力の下、実施例及び比較例の各吸収体を用いた紙おむつ(吸収性物品)を着用した場合の、着用感(つけ心地のやわらかさ、動きやすさ)と吸収性(排尿後装着時のドライ感)について、「良い」又は「悪い」の2択で官能評価を行った。着用者は1回あたり8時間使用し、1週間使用してもらい就寝時の体勢変換や食事、脱衣といった日常動作における評価を行い、その結果を表2に示した。
◎:「良い」を選んだ着用者が7人以上8人以下のとき
〇:「良い」を選んだ着用者が5人以上6人以下のとき
△:「良い」を選んだ着用者が3人以上4人以下のとき
×:「良い」を選んだ着用者が1人若しくは2人のとき、又は「良い」を選んだ着用者が1人もいないとき
日常を主に寝た状態で生活する紙おむつ着用者8人の各パネラーと介護担当者の協力の下、実施例及び比較例の各吸収体を用いた紙おむつを着用者に一晩装着してもらい、吸収性物品の形状の保存状態を、介護担当者によって「良い」又は「悪い」の2択で官能評価を行い、その結果を表2に示した。
◎:介護担当者が「良い」を選んだ着用者が7人以上8人以下のとき
〇:介護担当者が「良い」を選んだ着用者が5人以上6人以下のとき
△:介護担当者が「良い」を選んだ着用者が3人以上4人以下のとき
×:介護担当者が「良い」を選んだ着用者が1人若しくは2人のとき、又は「良い」を選んだ着用者が1人もいないとき
特開2018−75141の[0047]に記載された「繰り返し吸収速度」の試験方法に従って、吸収速度を測定した。ただし、0.9%生理食塩水150mLの注入回数を7回ではなく、3回とし、吸収するまでの1〜3回目の時間の合計時間(秒)を吸収速度とした。
ハンディ圧縮試験機KES−G5(カトーテック社製)を用いて、圧縮エネルギーWC値を測定した。具体的には、加圧棒(接触面積2.0cm2)に対する反発力が100gf/cm2になるまでに要するエネルギーの総量(WC値;gf・cm/cm2)を求めた。圧縮エネルギーWC値が大きいほど圧縮されやすいことを表し、製品のやわらかさの指標として用いられる。
(a)1000mL注入の逆戻り量(150gf/cm2の圧力)
吸収性物品を水平な平滑面に広げた状態で固定し、吸収性物品の中央部に1000mLの0.9%生理食塩水を注入し、あらかじめ重量を測定したろ紙(ADVANTEC社製、No.2 ろ紙、直径55mm)を注入部の中心に置き、ろ紙の上に2944gの錘を乗せて150gf/cm2の圧力で、ろ紙を密着させる。この150g/cm2の圧力は、座位臀部高圧箇所に相当する。注入完了から10分経過後に錘を載せ、1分経過後に、ろ紙の重量を測定し、試験前後のろ紙の重量差(g)を液戻り量とする。液戻り量の測定は、n=10で測定し、その平均値とする。
上記の逆戻り量の試験において、150gf/cm2の圧力(2944gの錘)の代わりに、35gf/cm2の圧力(687gの錘)をかけて、逆戻り量を試験する。この35gf/cm2の圧力は、仰臥位臀部平均体圧に相当する。
(c)150mL×6回注入の逆戻り量(150gf/cm2の圧力)
上記の逆戻り量の試験において、吸収性物品の中央部に150mLの0.9%生理食塩水を10分ごとに6回注入して、6回目の注入から10分経過後、1分間150gf/cm2の圧力で、ろ紙を密着させて、そのろ紙の重量変化を測定することで、逆戻り量を試験する。この150gf/cm2の圧力は、座位臀部高圧箇所に相当する。
表1に記載された原料、重量、長さ等に従って、吸収性物品を調製した。
具体的には、針葉樹パルプシートを粉砕して解繊したフラッフパルプ22.5重量部と高吸収性ポリマー11.0重量部をともに積繊した上層吸収体マットを準備し、上層吸収体マットを長さ546mm、幅は腹側部で220mm、股部で180mm及び背側部で260mmにカットし上層吸収体とした。そして、上層吸収体の股部に、幅方向の寸法が15mm、長手方向の寸法が140mmの左右一対のスリット部を上層吸収体の長手方向に直線状に二本設けた。なお、上層吸収体には針葉樹パルプ22.5gと高吸収性ポリマー11.0gを含有した。
比較例1では、実施例1の吸収性物品において、下層吸収体の原料パルプを、針葉樹パルプシート40%とユーカリパルプシート60%の混合物の代わりに、針葉樹パルプシートのみを用いて、吸収性物品を調製した。
比較例2では、実施例1の吸収性物品において、下層吸収体の原料パルプを、針葉樹パルプシート40%とユーカリパルプシート60%の混合物の代わりに、針葉樹パルプシート20%とユーカリパルプシート80%の混合物を用いて、吸収性物品を調製した。
比較例3では、実施例1の吸収性物品でスリットを有しないものを調製した。
比較例4では、実施例1の吸収性物品でスリットの長さが245mmのものを調製した。
比較例5では、実施例1の吸収性物品でスリットの長さが120mmのものを調製した。
比較例6及び比較例7では、実施例1の吸収性物品で、それぞれ上層吸収体及び下層吸収体のフラッフ坪量並びに吸収体密度等が低いものと高いものを調製した。
具体的には、表1に記載された原料、重量、長さ等に従って、比較例1〜7の吸収性物品を調製した。
実施例1、比較例1〜7の吸収性物品について、紙おむつ着用者による1週間使用のモニター評価、一晩装着後の吸収性物品の保形性、吸収速度、圧縮エネルギーWC値、逆戻り量について、評価を行った。その結果を表2に示す。
比較例4の吸収性物品は、スリットの長さが245mmである。比較例4の吸収性物品は、紙おむつ着用者による1週間使用のモニター評価における排尿後装着時のドライ感が不良であり、一晩装着後の吸収性物品の保形性も不良であり、逆戻り量が非常に高かった。スリットの長さが吸収体の最大長さに対して38%を超えることが好ましくないことが分かった。また、比較例4の吸収性物品の製造で、スリット形状によって仕損率が高く、製造コストが高いことが分かる。
以上より、スリットの長さは130mm以上であって、前記吸収体の最大長さに対して20〜38%であることが好ましいことが分かった。
比較例7の吸収性物品は、実施例1の吸収性物品で上層吸収体及び下層吸収体のフラッフ坪量並びに吸収体密度等が高いものである。比較例7の吸収性物品では、紙おむつ着用者による1週間使用のモニター評価で、下層吸収体が固く、全体としてゴワゴワしており、つけ心地のやわらかさ、動きやすさが良くなかった。また、パルプの使用量が多いため、製造コストが高い。
以上より、上層吸収体及び下層吸収体のフラッフ坪量が、それぞれ180〜360g/m2及び160〜310g/m2であり、上層吸収体及び下層吸収体の密度が、それぞれ0.009〜0.027g/cm3及び0.011〜0.033g/cm3であることが好ましいことが分かった。
Claims (6)
- 液透過性のトップシートと、液不透過性のバックシートと、それらの間に介在する吸収体とを有する吸収性物品であって、
前記吸収体は上層吸収体と下層吸収体の2層で構成されており、
前記上層吸収体は針葉樹パルプで構成され、前記下層吸収体は針葉樹パルプとユーカリパルプの重量比が67:33〜33:67である混合物で構成されており、
前記吸収体は、その股部近傍に位置し、重ねられた前記上層吸収体と前記下層吸収体とを貫くように形成され、長手方向に延びる略平行の左右一対のスリットを有し、
前記スリットの長さが130mm以上であって、前記吸収体の最大長さに対して20〜38%であり、前記スリットが前記吸収体の幅方向中心から幅70mm以内に配置されている、吸収性物品。 - 前記上層吸収体及び前記下層吸収体のフラッフ坪量が、それぞれ180〜360g/m2及び160〜310g/m2であり、
前記上層吸収体及び前記下層吸収体の密度が、それぞれ0.009〜0.027g/cm3及び0.011〜0.033g/cm3であり、
ハンディ圧縮試験機KES−G5を用いて測定した前記吸収性物品の圧縮エネルギーWC値が4.0gf・cm/cm2以上であり、
前記吸収性物品の中央部に1000mLの0.9%生理食塩水を注入して20分経過後、1分間150gf/cm2の圧力でろ紙を密着させて測定したろ紙への逆戻り量が17g以下である、請求項1に記載の吸収性物品。 - スリットの幅がそれぞれ5mm以上20mm以下である、請求項1又は2に記載の吸収性物品。
- 前記上層吸収体及び前記下層吸収体の厚さが、それぞれ22〜33mm及び17〜24mmである、請求項1〜3のいずれかに記載の吸収性物品。
- 前記吸収性物品の中央部に1000mLの0.9%生理食塩水を注入して20分経過後、1分間35gf/cm2の圧力でろ紙を密着させて測定したろ紙への逆戻り量が3g以下である、請求項1〜4のいずれかに記載の吸収性物品。
- 前記吸収性物品の中央部に150mLの0.9%生理食塩水を10分ごとに6回注入して、6回目の注入から10分経過後、1分間150gf/cm2の圧力でろ紙を密着させて測定したろ紙への逆戻り量が20g以下である、請求項1〜5のいずれかに記載の吸収性物品。
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