JP2020080880A - ヘアブラシ - Google Patents

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Abstract

【課題】ブラッシング時の毛髪へのダメージを低減することができるヘアブラシを提供すること。【解決手段】ヘアブラシ10は、棒状突起が立設されたブラシ面13を有するヘッド部12と柄12cとを有している。ブラシ面13は、長手方向X及び該長手方向と直交する幅方向Yを有している。ヘアブラシ10は、ブラシ面13に、断面積が0.10mm2以上0.3mm2以下の第1突起15,17が、相互間に間隔を設けて1本ずつ独立した状態で設けられた第1突起領域Aを有している。第1突起領域Aは、10mm四方当たり5本以上10本以下の存在密度で設けられた細突起領域A1を有している。【選択図】図2

Description

本発明は、ヘアブラシに関する。
毛髪の手入れを行う際に使用するヘアブラシとして、複数本のブリッスル束を折り曲げ、その折り曲げた部分をブラシ面に埋めこむことによってブリッするからなる複数の突起を立設させたものが知られている。また、特許文献1には、平面視細長形状に形成された多数の凹部それぞれに、2つに折り曲げられた1本のブラシ毛がその折り曲げ部を凹部内に固定した状態で配設され、これら各ブラシ毛の一対の折り曲げ片同士が、凹部の長手方向に沿って所定の隙間をあけた状態で保持されているヘアブラシが記載されている。
また、特許文献2には、小径の球を先端に有する長軸ブリッスルと大径の球を先端に有する短軸ブリッスルとを組み合わせたものがブラシ基台に埋め込まれたヘアブラシが記載されている。特許文献2によれば、適度の強さで効率よくマッサージすることができる。
特開2005−319217号公報 特開2003−245131号公報
ところで、ヘアブラシを用いてブラッシングを行う際、該ヘアブラシの突起と毛髪との間の摩擦が大きいと、摩擦により毛髪がダメージを受け易い。またドライヤーで乾燥させた毛髪は、熱風に晒されて絡まり易い状態となっており、ヘアブラシの突起に引っ掛かり易く、そのような場合に、過度に力を加えてブラッシングすることは、一層、毛髪にダメージを与えやすくなる。特許文献1に記載のヘアブラシは、ブラシ毛の折り曲げ片間に毛髪が挟まることがあり、ブラッシング時に毛髪にダメージを与え易い。また特許文献2に記載のヘアブラシは、ブラッシング時の毛髪へのダメージを考慮したものではない。
従って、本発明の目的は、従来技術が有する種々の課題を解決し得るヘアブラシを提供することにある。
本発明は、棒状突起が立設されたブラシ面を有するヘッド部と柄とを有するヘアブラシであって、前記ブラシ面は、長手方向及び該長手方向と直交する幅方向を有しており、
前記ブラシ面に、断面積が0.3mm以下の第1突起が、相互間に間隔を設けて1本ずつ独立した状態で設けられた第1突起領域を有しており、
前記第1突起領域は、前記第1突起が10mm四方当たり5本以上10本以下の存在密度で設けられた細突起領域を有している、ヘアブラシを提供するものである。
本発明のヘアブラシによれば、ブラッシング時の毛髪へのダメージを低減することができる。
図1は、本発明の一実施形態に係るヘアブラシの斜視図である。 図2は、図1に示すヘアブラシのブラシ面を示す斜視図である。 図3は、図1に示すヘアブラシにおける突起が立設された領域を模式的に示す平面図である。 図4は、図2のII-II線断面図(ブラシ面の幅方向に沿う断面図)である。 図5は、突起の曲げ剛性の測定方法を説明する模式図である。 図6は、図3に示す第1突起の配列を模式的に示す平面図である。 図7(a)〜(c)は、本発明に係る第1突起の立設態様を説明する断面図である。 図8は、本発明の別の実施形態に係るヘアブラシの図4相当図である。 図9は、本発明のさらに別の実施形態に係るヘアブラシの図4相当図である。
以下、本発明をその好ましい実施形態に基づき図面を参照しながら説明する。図1には、本発明に係るヘアブラシの一実施形態が示されている。本実施形態のヘアブラシ10は、人の頭髪をブラッシングに用いられるヘアブラシであり、図1及び図2に示すように、柄12cと、ブラシ面13を有するヘッド部12とを備えている。ヘッド部12のブラシ面13には、図2に示すように、複数の棒状の突起15〜17が立設されている。本実施形態においてブラシ面13は、後述するヘッド部12の装着開口12bを閉塞するように、該ヘッド部12にブラシ基部13aが嵌め込まれた状態において、該ブラシ基部13aの装着開口12bから露出した部分である。立設とは、立った状態に設けることをいう。
ヘアブラシ10は、毛髪の手入れを行う際に、柄12cを手で把持し、ヘアブラシ10を毛髪の根元側から毛先側に向かって移動させながら、ブラシ面13に立設された複数の突起15〜17で毛髪をブラッシングする。
ヘアブラシ10におけるブラシ面13は、長手方向X及び該長手方向Xに直交する幅方向Yを有している。ブラシ面13の長手方向Xは、柄12cの長手方向に対応する方向であり、ブラシ面13の幅方向Yは、ブラシ面の長手方向Xと直交する方向である。
ブラシ面13は、ブラシ面13の長手方向Xの長さが幅方向Yの長さ以上であり、通常、図2に示すように、長手方向Xの長さが幅方向Yの長さより長いことが好ましい。
ヘアブラシ10は、突起の断面積が0.10mm以上0.3mm以下の第1突起15,17を複数有している。本実施形態においては、断面積が0.10mm以上0.30mm以下であって、断面積が相互に異なる2種類の第1突起15,17を有している。これら第1突起15,17は、長さが同じである。本明細書において突起の断面積は、突起の突出方向に直交する断面の面積を意味する。本実施形態において、突起の突出方向は、ヘアブラシの厚み方向Zに対応する方向であり、突起の突出方向に直交する断面の面積は、ブラシ面と平行な平面による断面の面積である。
突起の突出方向において第1突起15,17の断面積が変化している場合、突起の断面積は、断面積の最大値を意味する。すなわち、第1突起15,17の断面積の最大値が0.30mm以下であればよい。また、本実施形態のように、第1突起15,17がその先端に球状体15a,17aを有している場合、突起の断面積は、球状体15a,17aを除く棒状の部分の断面積とする。
球状体15a,17aを設ける場合、球状体15a,17aの最大径部分の断面積は、頭皮への感触の点から、突起の断面積の110%以上400%以下が好ましく、より好ましくは120%以上250%以下である。
複数の第1突起15,17は、図3に示すように、相互間に間隔を空けて1本ずつ独立した状態に設けられている。より具体的には、複数の第1突起15,17は散在しており、長手方向X及び幅方向Yに間隔を空けて配されている。本実施形態のヘアブラシ10では、ブラシ面13に設けられた植毛穴18に、1本の突起が設けられている。このように、複数の第1突起が、相互間に間隔を設けて1本ずつ独立した状態で設けられた領域を、第1突起領域Aともいう。
第1突起領域Aは、前述した第1突起15,17が、ブラシ面13に10mm四方当たり5本以上10本以下の存在密度で設けられた細突起領域A1を有している。細突起領域A1は、平面視において、第1突起領域Aの全域に形成されていてもよく、第1突起領域Aの一部に形成されていてもよい。本実施形態においては、第1突起領域Aの全域に細突起領域A1が形成されている。
第1突起領域Aにおいて細突起領域A1があるか否かの決定方法は以下の通りである。
〔細突起領域の特定方法〕
先ず、ブラシ面13の複数の第1突起が形成された領域において、長手方向X及び幅方向Yの最も外方側に位置する第1突起の中心どうしを結んで形成される領域Aを設定する。この領域Aが第1突起領域である。次いで、10mm四方の正方形領域aを、その頂点の1つが、第1突起領域A内の個々の第1突起と対応するように設定する。この正方形領域a内に含まれる第1突起の本数が5本以上10本以下である場合、該正方形領域aを細突起領域A1又は細突起領域A1の一部と判定する。平面視における前記正方形領域aの外縁と第1突起とが重なっている場合、該正方形領域aの外縁と重なる第1突起は、正方形領域a内に含まれる第1突起としてカウントしない。前記正方形領域aに、断面積が0.30mm超の突起が含まれている場合、該正方形領域aは細突起領域A1ではないと判定する。このような判定は、正方形領域aの1つの頂点を、長手方向X又は幅方向Yに隣り合う第1突起に順次ずらしながら行う。具体的には、正方形領域aの4つの頂点のうち、何れか1つの頂点を選択し、その選択した頂点を第1突起領域Aにおける全ての第1突起に合わせて、前記の判定を行う。第1突起の本数が5本以上10本以下である正方形領域aが、長手方向X及び幅方向の少なくとも一方に連続して存在する場合、その連続した領域全域が細突起領域となる。
ヘアブラシ10は、細突起領域A1を有していることにより、ブラッシング時において毛髪に過度の力が加わり難く、毛髪へのダメージを低減することができる。具体的には、第1突起15,17の断面積が比較的小さいため、剛性が低く、毛髪と接触しても撓み易い。第1突起15,17が撓むことで、毛髪に加わる荷重を低減することができる。しかも、細突起領域A1は、相互間に間隔を設けて1本ずつ独立した状態の第1突起15,17が、前述した本数で設けられているため、第1突起15,17どうしの間を毛髪が通り易く、過度の力を加えなくてもブラッシングを行うことができる。特にドライヤー等を用いて、熱風に晒されながら乾燥させた毛髪は、毛髪どうしが絡まり易く、ブラッシングの際に絡まってヘアブラシの突起に引っ掛かり易くなっているが、ヘアブラシ10は、細突起領域A1において毛髪を通し易いため、毛髪の引っ掛かりを抑制すると共に、軽い荷重でブラッシングすることができる。このようにしてヘアブラシ10は、ブラッシング時の毛髪へのダメージを低減することができる。
一方、細突起領域A1を有していないヘアブラシでは、突起の剛性が高いため、毛髪に過度の荷重を加えてしまうことがある。また、ブラシ面の植毛穴に複数の突起が設けられていたり、細突起領域A1より突起の存在密度が高いと、毛髪が該突起に引っ掛かり易くなる。
ヘアブラシ10は、細突起領域A1を100mm超有していることが好ましい。例えば、細突起領域A1が平面方向に連続していてもよく、複数の細突起領域A1がブラシ面13上の複数個所に存在していても良い。ブラッシング時に毛髪に加えられる荷重をより低減する観点から、ブラシ面13における細突起領域A1の総面積は、仮領域Fの面積に対して好ましくは20%以上、より好ましくは30%以上、さらに好ましくは35%以上であり、また好ましくは100%以下、より好ましくは80%以下、さらに好ましくは70%以下であり、また好ましくは20%以上100%以下、より好ましくは30%以上80%以下、さらに好ましくは35%以上70%以下である。「仮領域F」は、ブラシ面13において、長手方向X及び幅方向Yの最も外方側に位置する突起の中心どうしを結んで形成される領域である。ここで、仮領域Fの外縁を形成する突起は、第1突起15,17に限られない。即ち、仮領域Fの外縁を形成する突起の断面積が0.30mm超であってもよい。
上記と同様の観点から、ブラシ面13における細突起領域A1の面積は、第1突起領域Aの面積に対して好ましくは20%以上、より好ましくは30%以上、さらに好ましくは35%以上であり、また好ましくは100%以下、より好ましくは90%以下、さらに好ましくは80%以下であり、また好ましくは20%以上100%以下、より好ましくは30%以上90%以下、さらに好ましくは35%以上80%以下である。細突起領域A1の面積が、第1突起領域Aの面積に対して100%とは、第1突起領域Aの全域に細突起領域A1が形成されていることを意味する。
上記と同様の観点から、ブラシ面13における細突起領域A1の総面積は、好ましくは1000mm以上、より好ましくは1300mm以上、さらに好ましくは1500mm以上であり、また好ましくは3500mm以下、より好ましくは3000mm以下、さらに好ましくは2500mm以下であり、また好ましくは1000mm以上3500mm以下、より好ましくは1300mm以上3000mm以下、さらに好ましくは1500mm以上2500mm以下である。
ブラッシング時、細突起領域A1において毛髪をより通し易くする観点から、細突起領域A1における第1突起の総断面積の割合は、好ましくは0.8%以上、より好ましくは1%以上であり、また好ましくは3%以下、より好ましくは2.5%以下であり、また好ましくは0.8%以上3%以下、より好ましくは1%以上2.5%以下である。細突起領域A1における第1突起の総断面積は、前述の〔細突起領域の特定方法〕により特定した細突起領域A1内に含まれる第1突起の断面積の合計である。ただし、平面視における細突起領域A1の外縁と第1突起とが重なっている場合、該第1突起の断面積の1/2を、前記総断面積として含むこととする。突起の突出方向において第1突起の断面積が変化している場合、その最大値を該第1突起の断面積とする。
ヘアブラシが連続する細突起領域A1を100mm超有している場合、細突起領域A1の一部が上記の範囲内であることが好ましく、細突起領域A1の全域が上記の範囲内であることがより好ましい。また、ヘアブラシが複数の散在する細突起領域A1を有している場合、一部の細突起領域A1が上記の範囲内であることが好ましく、全ての細突起領域A1が上記の範囲内であることがより好ましい。
第1突起15,17の断面積は、上述したように0.10mm以上0.30mm以下であるが、毛髪の流れを整えるブラッシング性能を確保すると共に、第1突起の剛性をより低くする観点から、第1突起の断面積は、好ましくは0.12mm以上、より好ましくは0.15mm以上であり、また好ましくは0.28mm以下、より好ましくは0.27mm以下であり、また好ましくは0.12mm以上0.28mm以下、より好ましくは0.15mm以上0.27mm以下である。突起の突出方向において第1突起の断面積が変化している場合、該断面積が上記範囲内であることが好ましい。
ブラッシング時に突起と毛髪が接触することによる抵抗力をより低減すると共に、ブラッシング性能を向上させる観点から、第1突起の長さL3(図4参照)は、好ましくは14mm以上、より好ましくは16mm以上、さらに好ましくは18mm以上であり、また好ましくは22mm以上、より好ましくは21mm以下、さらに好ましくは20mm以下であり、また好ましくは14mm以上22mm以下、より好ましくは16mm以上21mm以下、さらに好ましくは18mm以上20mm以下である。
細突起領域A1における10mm四方当りの第1突起15,17の存在密度は、5本以上10本以下であるが、ブラッシング性能を確保すると共に、ブラッシングの容易性を向上させる観点から、細突起領域A1における10mm四方当りの第1突起15,17の存在密度は、好ましくは6本以上であり、また好ましくは9本以下であり、また好ましくは6本以上9本以下である。
本実施形態において細突起領域A1は、図3に示すように、ブラシ面13の幅方向Yの中央域に、より詳細には、第1突起領域Aの幅方向Yの中央域に形成されている。斯かる構成により、ブラッシング時の毛髪の引っ掛かりをより抑制することができる。
上記の効果をより向上させる観点から、細突起領域A1は、長手方向Xの長さL1(図3参照)が、ブラシ面13の長手方向Xの全長L(図2参照)に対して好ましくは70%以上、より好ましくは80%以上であり、また好ましくは95%以下、より好ましくは93%以下であり、また好ましくは70%以上95%以下、より好ましくは80%以上93%以下である。
細突起領域A1の長手方向Xの長さL1(図3参照)は、前述した〔細突起領域の特定方法〕によって特定された細突起領域の長手方向Xにおける前端と後端との間の長さである。長手方向Xにおける前端とは、同方向Xの柄12cとは反対側の端部であり、長手方向Xにおける後端とは、同方向Xの柄12c側の端部である。
ブラッシング時の毛髪の引っ掛かりをより抑制する観点から、細突起領域A1は、幅方向Yの長さW1(図3参照)が、ブラシ面13の幅方向Yの全長W(図2参照)に対して好ましくは20%以上、より好ましくは30%以上、さらに好ましくは35%以上であり、また好ましくは95%以下、より好ましくは85%以下、さらに好ましくは75%以下であり、また好ましくは20%以上95%以下、より好ましくは30%以上85%以下、さらに好ましくは35%以上75%以下である。
細突起領域A1の幅方向Yの長さW1(図3参照)は、前述した〔細突起領域の特定方法〕によって特定された細突起領域の幅方向Yの一端と他端との間の長さである。
ブラッシング時に毛髪に加えられる荷重をより低減する観点から、細突起領域A1は、ブラシ面13の幅方向Yの全長Wを二等分する二等分線CLから両側それぞれに好ましくは20mm以下、より好ましくは15mm以下の範囲に亘って配されていることが好ましい。
ブラッシング時の毛髪の引っ掛かりをより抑制すると共に、ブラッシングをより容易に行う観点から、細突起領域A1の幅方向Yの長さW1を二等分する二等分線は、ブラシ面13の前記二等分線CLと一致していることが好ましい。
本実施形態のヘアブラシ10は、第1突起として、断面積が相互に異なる2種類の突起15,17を有している。説明の便宜上、本実施形態における第1突起のうち、断面積が小さい方の突起を第1小突起15ともいい、断面積が大きい方の突起を第1大突起17ともいう。第1大突起17の断面積は、断面積が0.3mm以下であることを条件として、第1小突起15の断面積に対して好ましくは110%以上、より好ましくは130%以上であり、また好ましくは180%以下、より好ましくは150%以下であり、また好ましくは110%以上180%以下、より好ましくは130%以上180%以下である。突起の突出方向において突起の断面積が変化している場合、その最大値を該太突起の断面積とする。
本実施形態のヘアブラシ10は、図3に示すように、ブラシ面13の幅方向Yの中央領域Mと、該中央領域Mを挟む一対のサイド領域S,Sとで、断面積が相互に異なる突起を有している。具体的には、中央領域Mは細突起領域A1となっており、複数の第1小突起15及び第1大突起17が長手方向X及び幅方向Yそれぞれに配列されている。サイド領域S,Sには、断面積が0.3mm超の第2突起16が配されている。従って、第2突起16は、第1突起15,17より断面積が大きい。本実施形態において第2突起16は、第1突起15,17よりも長さが短く、幅方向Yにおいて最も外方に配されている。これら突起15,16,17の長さL3,L5,L7は、突起のブラシ面13から先端までの長さである(図4参照)。
サイド領域S,Sにおいて、第2突起16はそれぞれ、長手方向Xに沿って複数形成されている。
本実施形態のように、ヘアブラシ10は、ブラシ面13における第1突起領域Aを挟む両側それぞれに、断面積が0.3mm超の第2突起16(以下、太突起とも称する)を有する太突起領域Bを有していることが好ましい。太突起領域Bは、各サイド領域S,Sにおいて、長手方向X及び幅方向Yの最も外方側に位置する太突起の中心どうしを結んで形成される領域である。第1突起15,17より断面積を大きくして、剛性を高くした第2突起16をサイド領域S,Sに設けることで、ブラッシング時に毛髪どうしの絡まりを容易に解くことができる。具体的には、第2突起16は、第1突起15,17よりも幅方向Yの外方に位置するため、該第2突起16が優先的に毛髪の絡まりと当接する。これにより、剛性が高い第2突起16によって、毛髪の絡まりを効果的に解くことができる。
上記の効果をより確実に奏させる観点から、太突起である第2突起16の断面積は、第1突起の断面積に対して好ましくは300%以上、より好ましくは500%以上であり、また好ましくは1000%以下、より好ましくは900%以下であり、また好ましくは300%以上1000%以下、より好ましくは500%以上900%以下である。突起の突出方向において太突起の断面積が変化している場合、その最大値を該太突起の断面積とする。本実施形態のように、断面積の異なる第1突起が複数種類存在する場合、該第1突起のうち、最も断面積の小さい突起の断面積に対する、第2突起16の断面積の割合(%)が、上述した範囲であることが好ましい。
本実施形態のヘアブラシ10は、太突起として、断面積が同一の第2突起16を複数有しているが、断面積が相互に異なる太突起を有していてもよい。この場合、毛髪どうしの絡まりをより容易に解くと共に、毛髪の引っ掛かりをより抑制する観点から、サイド領域Sにおいて、幅方向Yの最も外方側に配される太突起の断面積は、幅方向Yの最も内方側に配される太突起の断面積よりも大きいことが好ましい。
上記の効果をより確実に奏させる観点から、サイド領域Sにおいて、断面積が最も大きい太突起の断面積は、断面積が最も大きい第1突起の断面積に対して好ましくは100%超、より好ましくは400%以上であり、また好ましくは800%以下、より好ましくは600%以下であり、また好ましくは100%超800%以下、より好ましくは400%以上600%以下である。
本実施形態において各突起15,16,17それぞれは、ブラシ面13に対し略垂直に立設している。斯かる構成により、ブラッシング時に毛髪に加えられる荷重をより低減することができる。
第2突起16の剛性を高める観点から、第2突起16の長さL5(図4参照)は、第1突起15,17の長さL3,L7(図4参照)に対して好ましくは40%以上、より好ましくは50%以上であり、また好ましくは100%以下、より好ましくは80%以下であり、また好ましくは40%以上100%以下、より好ましくは50%以上80%以下である。
また、ブラッシングを効率的に行う観点から、第2突起の長さL5を第1大突起17の長さL7より短くすることが好ましい。即ち、第1大突起17の長さL7を第2突起の長さL5より長くすることが好ましい。斯かる構成により、毛髪に各突起を挿入して、ヘアブラシ10で毛髪を梳くと、毛髪どうしの強い絡まりを第2突起で解くことができ、さらに第1小突起15より剛性が高い第1大突起17によって、該突起の先端側で、毛髪どうしの弱い絡まりを効率的に解くと共に、毛髪の流れを効果的に整えることができる。第1大突起17の長さL7(図4参照)は、第1小突起15の長さL3(図4参照)に対して好ましくは85%以上、より好ましくは95%以上であり、また好ましくは100%以下、より好ましくは100%以下であり、また好ましくは85%以上100%以下、より好ましくは95%以上100%以下である。
各突起の剛性は、曲げ剛性で表すことができ、第1突起15、17は、第2突起16より曲げ剛性が低い。また、本実施形態における第1小突起15は、第1大突起17より曲げ剛性が低い。
ブラッシング時に突起と毛髪が接触することによる抵抗力をより低減する観点から、第1小突起15の曲げ剛性は、好ましくは0.04N以上、より好ましくは0.05N以上であり、また好ましくは0.13N以下、より好ましくは0.1N以下、さらに好ましくは0.08N以下であり、また好ましくは0.04N以上0.13N以下、より好ましくは0.04N以上0.1N以下、さらに好ましくは0.05N以上0.08N以下である。
上記と同様の観点から、第1大突起17の曲げ剛性は、第1小突起15の曲げ剛性に対して好ましくは130%以上、より好ましくは150%以上であり、また好ましくは230%以下、より好ましくは200%以下であり、また好ましくは130%以上230%以下、より好ましくは150%以上200%以下である。
ブラッシング時の前記抵抗力をより低減すると共に、ブラッシング性能を向上させる観点から、第2突起16の曲げ剛性は、第1小突起15の曲げ剛性に対して好ましくは200%以上、より好ましくは250%以上であり、また好ましくは450%以下、より好ましくは350%以下であり、また好ましくは200%以上450%以下、より好ましくは250%以上350%以下である。
突起の曲げ剛性(N)は、フォースゲージ(日本電産シンポ社製)用い、下記の方法で測定することができる。
〔曲げ剛性の測定方法〕
フォースゲージ(日本電産シンポ社製、品番FGP−5)を用いて、1本の突起Prの先端に6mmφの端子を当接させ、測定環境20℃、65%RH、速度30mm/minで、突起Prがその突出方向に対して曲がるように、荷重を水平方向に負荷させて、該突起Prを撓ませる(図5参照)。この際、突起Prの先端の移動距離が水平方向に10mmとなるまで、突起Prに荷重を負荷したときの最大強度を測定する。前記最大強度は3本の突起Prについて測定し、その平均値を曲げ剛性とする。
ブラッシング時の前記抵抗力を小さくすると共に、毛髪どうしの絡まりを容易に解く観点から、太突起領域Bには、太突起が長手方向Xに直列した太突起列を、幅方向Yに複数列有していることが好ましい。例えば、本実施形態において、各太突起領域Bは、第2突起16が長手方向Xに直列した第2突起列J3を有している。本実施形態の各太突起領域Bは、2本の第2突起列J3を有している。太突起列の列数は特に制限されないが、上記の効果をより確実に奏させる観点から、太突起領域Bにおける太突起列の列数は、好ましくは1本以上5本以下、より好ましくは1本以上3本以下である。
毛髪どうしの絡まりを容易に解く観点から、太突起領域Bは、長手方向Xに延びて形成されていることが好ましく、長手方向Xの長さが幅方向Yの長さに比して長いことがより好ましい。上記と同様の観点から、太突起領域Bの長手方向Xの長さL2(図3参照)は、ブラシ面13の長手方向Xの全長L(図2参照)に対して好ましくは70%以上、より好ましくは80%以上であり、また好ましくは95%以下、より好ましくは93%以下であり、また好ましくは70%以上95%以下、より好ましくは80%以上93%以下である。
上記と同様の観点から、太突起領域Bの幅方向Yの長さW2(図3参照)は、ブラシ面13の幅方向Yの全長W(図2参照)に対して好ましくは5%以上、より好ましくは10%以上であり、また好ましくは30%以下、より好ましくは25%以下であり、また好ましくは5%以上30%以下、より好ましくは10%以上25%以下である。
ヘアブラシ10は、図3に示すように、第1突起が長手方向Xに直列した第1突起列J1,J5を幅方向Yに複数列有している。具体的には、ヘアブラシ10は、第1突起列として、複数の第1小突起15が長手方向Xに直列した第1小突起列J1と、複数の第1大突起17が長手方向Xに直列した第1大突起列J5とを有している。ヘアブラシ10は、第1小突起列J1を複数列有し、該複数の第1小突起列J1が幅方向Yに相互に離間して配されている。また、第1大突起列J5は、第1小突起列J1よりも幅方向Yの外方に位置している。細突起領域A1における第1大突起列J5は、1列でもよく、複数列であってもよい。ヘアブラシ10において第1小突起15は、図3に示すように、複数の第1小突起15が一定の間隔で長手方向Xに沿って直列した第1小突起列J1と、複数の第1小突起15が一定の間隔で幅方向Yに沿って直列した幅方向第1小突起列J2とを形成するように配置されている。幅方向Yにおいて隣り合う第1小突起列J1どうしは、第1小突起15の配置位置が、長手方向Xに半ピッチ分ずれており、長手方向Xにおいて隣り合う幅方向第1小突起列J2どうしは、第1小突起15の配置位置が、幅方向Yに半ピッチ分ずれている。このように、細突起領域A1において第1小突起15は、千鳥状に配置されていることが好ましい。
ブラッシング時に毛髪に加えられる荷重をより低減する観点から、細突起領域A1における第1小突起列J1の列数は特に制限されないが、好ましくは4本以上10本以下、より好ましくは6本以上8本以下である。上記と同様の観点から、細突起領域A1における第1大突起列J5の列数は、好ましくは1本以上3本以下である。
ブラッシングを効果的に行う観点から、第1小突起列J1の配置ピッチP1(図6参照)は、好ましくは2mm以上、より好ましくは2.5mm以上であり、また好ましくは5mm以下、より好ましくは4mm以下であり、また好ましくは2mm以上5mm以下、より好ましくは2.5mm以上4mm以下である。第1小突起列J1の配置ピッチP1は、幅方向Yに隣り合う第1小突起列J1間の離間距離であり、幅方向Yにおけるこれら第1小突起列J1を構成する第1小突起15の中心間の最短距離である。
上記と同様の観点から、第1小突起列J1中の第1小突起15の配置ピッチP3(図6参照)は、好ましくは3mm以上、より好ましくは4mm以上であり、また好ましくは7mm以下、より好ましくは6.5mm以下であり、また好ましくは3mm以上7mm以下、より好ましくは4mm以上6.5mm以下である。第1小突起列J1中の第1小突起15の配置ピッチP3は、第1小突起列J1中の長手方向Xに隣り合う第1小突起15の中心間の距離である。第1小突起列J1と第1大突起列J5との離間距離は、第1小突起列J1の配置ピッチP1と同じであることが好ましい。また、ヘアブラシが第1大突起列J5を複数列有する場合、第1大突起列J5の配置ピッチ、即ち、幅方向Yに隣り合う第1大突起列J5間の離間距離は、第1小突起列J1の配置ピッチP1と同じであることが好ましい。第1大突起列J5中の第1大突起17の配置ピッチは、第1小突起列J1中の第1小突起15の配置ピッチP3と同じ範囲であることが好ましい。第1大突起列J5中の第1大突起17の配置ピッチは、第1大突起列J5中の長手方向Xに隣り合う第1大突起17の中心間の距離である。
また、第1大突起列J5は、幅方向Yにおいて隣り合う第1小突起列J1に対し、第1大突起17の配置位置が、長手方向Xに半ピッチ分ずれている。このように、細突起領域A1において第1突起は、第1大突起17も含めて千鳥状に配置されていることが好ましい。
なお、上述した第1突起列の配置ピッチ、及び第1突起列J1中の第1突起の配置ピッチは、ブラシ面13を平面視したときの、第1突起の先端の中心どうしの離間距離である。
本実施形態のヘアブラシ10は、ヘッド基部12aと柄12cとが一体成形された基台本体11、及び該ヘッド基部12aに固定されるブラシ基部13aを備えている。基台本体11は、ヘッド基部12aの長手方向Xの一端側に柄12cが延設されており、該ヘッド基部12aと柄12cとが連続している。ヘッド部12は、図4に示すように、ブラシ面13を有するブラシ基部13aと、矩形形状の装着開口12bを有するヘッド基部12aとを含んで構成されている。ヘッド基部12aの片方の面には、装着開口12bが形成されており、該装着開口12bを閉塞するようにブラシ基部13aが嵌め込まれ固定されている。
本実施形態において、第1突起15,17は、個々の植毛穴18に対して1本ずつのみ立設された植毛突起である。
ブラシ基部13aのブラシ面13には、第1突起15,17が立設される植毛穴18が長手方向X及び幅方向Yに分散した状態に複数形成されており、該植毛穴18から突起15,17が突出している。ブラシ面13に形成される植毛穴18は、図7(a)に示すように、有底の凹陥部であってもよく、図7(b)及び(c)に示すようにブラシ基部13aをその厚み方向に貫通する貫通孔であってもよい。植毛穴18が前記凹陥部である場合、図7(a)に示すように、該凹陥部に棒状体を平線19で2つ折りにして形成された突起が立設されていてもよい。この場合、毛髪の引っ掛かりをより抑制する観点から、突起は、平線19を用いて、折り部の片側のみが植毛穴18から突出するように固定された棒状体から形成されていることが好ましい。平線19としては、真鍮等の金属で形成されたものが挙げられる。また、植毛穴18が前記貫通孔である場合、該貫通孔に棒状体を挿入することにより、突起が立設されていてもよい。この場合、突起は、図7(b)に示すように、該突起のブラシ面13とは反対側の端部に形成された留め部21によって固定されていてもよく、図7(c)に示すように、突起のブラシ面13とは反対側の端部が固定部23によって固定されていてもよい。留め部21及び固定部23としては、突起の形成材料と同じ材料からなるものを用いることが好ましい。
第2突起16は、第1突起15,17と同様に植毛突起であってもよく、ブラシ面13又は該ブラシ面13の下に配された連続部と一体に成形された成形突起であってもよい。ブラシ面13の下に配された連続部とは、ブラシ基部13aの下に設けられ、複数の突起のブラシ面13とは反対側の片端部どうしを連結するものである。ブラッシング性能を向上させる観点から、第2突起16は、前記成形突起であることが好ましい。
上述した各突起の形状は特に制限されず、先端に向けて先細りの形状であってもよく、突起の突出方向において断面積が同じ形状であってもよい。ブラッシング時の前記抵抗力をより低減する観点から、第1突起15,17は、突起の突出方向において断面積が同じ形状を有していることが好ましい。このような形状としては、例えば円柱、楕円柱状、角柱状等が挙げられる。
剛性をより高める観点から、第2突起16は、先端に向けて先細りの形状であることが好ましい。このような形状としては、例えば円錐台状、角錐台状等が挙げられる。
上述した各突起はその先端に球状体を有していてもよく、有していなくともよい。本実施形態における第1突起15,17は、その先端に球状体15a,17aを有している。このように、突起の先端に球状体を有していると、頭皮への当たりが柔らかくなる。
基台本体11のヘッド基部12aは、例えば長手方向Xの長さが70〜130mm程度、幅方向Yの長さが30〜90mm程度の大きさの平面視矩形形状に形成されている。基台本体11の柄12cは、平面視において台形形状に形成されており、ヘッド基部12aから長手方向Xに離れていくにつれ漸次幅が拡大している。より具体的には、柄12cは、長手方向Xの長さが70〜130mm程度、幅方向Yの短辺が15〜25mm、幅方向Yの長辺が20〜35mm程度の大きさの台形形状に形成されている。
ブラシ基部13aは、ヘッド基部12aの装着開口12bの開口形状に略一致する平面視矩形形状を有している。
基台本体11やブラシ基部13aは、合成樹脂からなるプラスチック製の成形品である。前記合成樹脂としては、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル樹脂、ABS(アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン共重合体)樹脂、PBT(ポリブチレンテレフタレート)樹脂、PP(ポリプロピレン)樹脂、PE(ポリエチレン)樹脂、PET(ポリエチレンテレフタレート)樹脂、PCTA(ポリシクロヘキサンジメチレンテレフタレート)樹脂、POM(ポリアセタール)樹脂、アクリル樹脂、AS(アクリル二トリルスチレン共重合体)樹脂、PS(ポリスチレン)樹脂、熱可塑性エラストマー樹脂等が挙げられる。前熱可塑性エラストマー樹脂としては、SBS、SIS、SEBS、SEPS等のスチレン系エラストマー(TPS)、オレフィン系エラストマー(TPO)、エステル系エラストマー(TPC)、ウレタン系エラストマー(TPU)、アミド系熱可塑性エラストマー(TPA)、熱可塑性ゴム架橋(TPV)等が挙げられる。これらのエラストマーは一種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることもできる。
上述した突起15,16,17は、合成樹脂製であることが好ましい。突起を形成する合成樹脂としては、例えば、上述した基台本体11やブラシ基部13aの形成材料として用いられる各種の合成樹脂や、ナイロン、ナイロン6等のポリアミド樹脂等が挙げられる。剛性を低くして、ブラッシング時の毛髪に加わる荷重をより低減する観点から、第1突起15,17の形成材料はナイロンであることが好ましい。
ヘアブラシ10の好ましい製造方法は、ヘッド基部12aを有する基台本体11、ブラシ基部13a、及び突起15,16,17をそれぞれ射出成形等により形成する。得られたブラシ基部13aのブラシ面13には、切削加工等の公知の方法を用いて、突起15,16,17を立設させる植毛穴18を形成し、該植毛穴18に突起15,16,17を植設する。そして、ブラシ面13に突起15,16,17が立設されたブラシ基部13aを、ヘッド基部12aの装着開口12bに嵌め込んで固定する。
植毛穴18に突起15,16,17を立設する方法としては、公知の方法を採用することができる。例えば、植毛穴に棒状体を平線で2つ折りにして打ち込む方法や、植毛穴としての貫通孔に棒状体を挿入して、該貫通孔から突出する棒状体の片端部を加熱し、該端部に留め部21を形成して固定する方法、植毛穴としての貫通孔に棒状体を挿入して、該貫通孔から突出する突起の片端部を配した金型内に溶融樹脂を注入し、該溶融樹脂を固化して形成した固定部23によって該棒状体を固定する方法等を用いることができる。「植毛穴に棒状体を平線19で2つ折りにして打ち込む方法」では、毛髪が突起の根元付近に挟まることを抑制する観点から、棒状体を2つ折りにしたときの一方の折り曲げ部がブラシ面13から突出していないことが好ましい。斯かる構成により、1個の植毛穴につき、1本の突起を設けることができる。
本発明は上述した各実施形態に限定されることなく種々の変更が可能である。
例えば、上述した実施形態におけるブラシ面13は平坦であったが、図8に示すヘアブラシ10aのように、ブラシ面13は、幅方向Yに沿う断面において、突起の突出方向に突出するように湾曲していてもよい。
また、上述した実施形態における第1突起15,17はその先端に球状体15a,17aを有していたが、図8に示すように、第1突起15,17はその先端に球状体15a,17aを有していなくともよい。
また、上述した実施形態における第2突起16はその先端に球状体16aを有していなかったが、図8に示すように、第2突起16はその先端に球状体16aを有していてもよい。
上述した実施形態におけるヘアブラシ10は、ブラシ面13のサイド領域Sに、太突起として第1突起15,17より長さの短い第2突起16を有していたが、図9に示すヘアブラシ10bのように、第1突起15,17と長さが同じ太突起のみをサイド領域Sに有していてもよい。
本発明のヘアブラシは、主にヒトの頭髪のブラッシングに使用されるが、ペットや家畜等の身体や体毛のケア用に用いることもできる。
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明する。しかしながら本発明の範囲は、かかる実施例に制限されない。
〔実施例1〕
実施例1として、下記表3に示す棒状突起が立設されたブラシ面と、該ブラシ面を有するヘッド部と、柄とを有するヘアブラシを製造した。また、実施例1のヘアブラシとして、第1小突起及び第1大突起を複数有する第1突起領域の全域に、細突起領域が形成されたものを作製した。ブラシ面は、幅方向の長さが60mmであり、長手方向の長さが60mmであった。各棒状突起は、長手方向及び幅方向に互いに離間させ、且つ千鳥状に設けた。第1小突起の幅方向における配置ピッチP1、及び第1小突起の長手方向における配置ピッチP3を下記表3に示す。ブラシ面には、第1小突起がヘアブラシの長手方向に9本直列した第1小突起列を8列設け、更に第1小突起の幅方向外方の両側にそれぞれ第1大突起がヘアブラシの長手方向に9本直列した第1大突起列を1列設けた。また、第1突起領域の幅方向外方の両側それぞれに、即ち第1大突起列の幅方向外側に、第2突起がヘアブラシの長手方向に9本直列した第2突起列を3列設けた。即ち、第1大突起列は、幅方向において第1小突起列と第2突起列との間に配置した。第1小突起列と第1大突起列との幅方向における離間距離を3mmとし、第1大突起列と第2突起列との幅方向における離間距離を6mmとし、第2突起列間の幅方向における離間距離を3mmとした。第1小突起及び第1大突起は、ナイロン樹脂を用いて作製し、第2突起はポリエステル系エラストマー樹脂を用いて射出成形によって作製した。ヘアブラシの基台本体及びブラシ基部は、アクリル樹脂を用いて射出成形によって作製した。各棒状突起は、図7(b)に示す突起と同様に、植毛穴である貫通孔に棒状体を挿入し、該棒状体におけるブラシ面とは反対側の端部を加熱して留め部を形成することによって固定した。
〔実施例2〕
ブラシ面の幅方向の長さを30mmとし、第1小突起の断面積を0.27mmとし、さらに第2突起及び第1大突起を設けなかった以外は、実施例1と同様にして、ヘアブラシを作製した。
〔実施例3〕
第1小突起の断面積を0.18mmとした以外は、実施例2と同様にして、ヘアブラシを作製した。
〔実施例4〕
第2突起を設けなかった以外は、実施例1と同様にして、ヘアブラシを作成した。
〔実施例5〕
第1小突起がヘアブラシの長手方向に9本直列した第1小突起列を4列設け、細突起領域の幅方向の長さを短くした以外は、実施例2と同様にして、ヘアブラシを作製した。
〔実施例6及び7〕
第1小突起の幅方向における配置ピッチP1を変更した以外は、実施例3と同様にして、ヘアブラシを作製した。
〔比較例1〕
第1小突起の断面積を0.09mmとした以外は、実施例4と同様にして、ヘアブラシを作製した。
〔比較例2〜4〕
第1小突起の断面積を変更した以外は、実施例2と同様にして、ヘアブラシを作製した。
〔比較例5〕
第1小突起がヘアブラシの長手方向に8本直列した第1小突起列を4列設け、第1小突起列の幅方向における配置ピッチP1を変更した以外は、実施例2と同様にして、ヘアブラシを作製した。
〔比較例6〕
第1小突起がヘアブラシの長手方向に18本直列した第1小突起列を16列設け、第1小突起の長手方向における配置ピッチP3を変更し、さらに第1大突起を設けなかった以外は、実施例4と同様にして、ヘアブラシを作製した。
〔比較例7〕
第1小突起がヘアブラシの長手方向に9本直列した第1小突起列を8列設け、第1小突起列の幅方向における配置ピッチP1、及び第1小突起列中の第1小突起の長手方向における配置ピッチP3を変更した以外は、比較例6と同様にして、ヘアブラシを作製した。
〔比較例8〕
第1小突起の断面積を0.09mmとした以外は、比較例7と同様にして、ヘアブラシを作製した。
〔比較例9〕
第1小突起がヘアブラシの長手方向に9本直列した第1小突起列を8列設けた以外は、比較例6と同様にして、ヘアブラシを作製した。
〔比較例10〕
第1小突起の断面積を0.33mmとした以外は、比較例7と同様にして、ヘアブラシを作製した。
〔比較例11〕
第1小突起の断面積を0.33mmとした以外は、比較例9と同様にして、ヘアブラシを作製した。
各実施例及び比較例におけるヘアブラシの構成を下記表3及び4に示す。表3及び4における棒状突起の断面積、長さ及び曲げ剛性、細突起領域における10mm四方当たり第1突起、即ち第1小突起及び第1大突起の本数、細突起領域における第1突起の総数、ブラシ面の幅方向の全長Wに対する細突起領域の幅方向の長さW1、並びに細突起領域における第1突起の総断面積を、上述した方法により求めた。
〔評価用毛束〕
化学的処理履歴の無い日本人黒髪直毛で重さ40g、長さ35cm、幅5.5cmの毛束(トレス)を、市販のブリーチ剤(花王株式会社製、泡カラーハイブリーチ、1剤と2剤の混合比:1対2)でブリーチ処理した。このブリーチ処理として、以下の第1〜第3工程を行った。
第1工程:毛束と同質量の前記ブリーチ剤を該毛束に塗布し、30分間室温で処理した後、40℃の水道水で30秒間すすぎ流した。
第2工程:次いで、毛束に、下記表1に処方を示すモデルシャンプーを3.0g塗布して30秒間泡立てて洗浄し、該毛束を40℃の水道水で1分間すすぎ流した。
第3工程:次いで、毛束に対しタオルドライを行い、該毛束をドライヤー(TESCOM社製、商品名「NB1902」、600W温風)で、第1工程前の初期の乾燥状態の毛束重量と同等となるように完全に乾かした。ドライヤーによる乾燥は、毛束とドライヤー送風口との離間距離を10cmとし、乾燥時間を6分間とした。
前記ブリーチ処理を3回行った毛束を、評価用毛束とし、下記のブラッシング時の抵抗性及び毛髪の絡まり性について評価した。
Figure 2020080880
〔ブラッシングの抵抗性及び毛髪の絡まり性の評価〕
評価用毛束を、40℃の流水(水道水)で30秒間濡らした後、表1に示すモデルシャンプーを3.0g塗布し、30秒間泡立てて洗浄し、さらに40℃流水で1分間すすぎ流した。この評価用毛束に対し、下記表2に示すモデルコンディショナーを3.0g塗布し、30秒間なじませた後、40℃の流水で1分間すすいで、水を指で軽く切り、タオルで30秒間拭いた。
Figure 2020080880
次いで、ドライヤー(TESCOM社製、商品名「NB1902」、600W温風)を用いて評価用毛束を、上記のブリーチ処理における第3工程と同様の方法で完全に乾燥した後、該評価用毛束に対し各実施例及び比較例で得たヘアブラシを用い、ブラッシングを10回行い、ブラッシング時の抵抗性を評価した。さらに、このブラッシング後の評価用毛束に残った毛髪の絡まり性を評価した。
ブラッシング時の抵抗性の評価は、3名の専門パネラーが下記に示す5段階評価に基づき評価し、その平均点を評価点として算出した。評価点を下記表3及び4に示す。
5点:ブラッシング時の抵抗が弱い。
4点:ブラッシング時の抵抗がやや弱い。
3点:ブラッシング時の抵抗を感じる。
2点:ブラッシング時の抵抗がやや強い。
1点:ブラッシング時の抵抗が強い。
ブラッシング後の毛髪の絡まり性の評価は、3名の専門パネラーが、前記のブラッシング後の評価用毛束に指をとおした際の指どおりによって評価した。本評価は、下記に示す5段階評価に基づき評価し、その平均点を評価点として算出した。評価点を下記表3及び4に示す。
5点:指どおりが良好であり、毛髪の絡まりが残っていない。
4点:指どおりがやや良好であり、毛髪の絡まりがほぼ残っていない。
3点:毛髪の引っ掛かりを弱く感じる程度に、毛髪の絡まりがやや残っている。
2点:毛髪の引っ掛かりを感じる程度に、毛髪の絡まりが残っている。
1点:毛髪の引っ掛かりを強く感じる程度に、毛髪の絡まりが残っている。
Figure 2020080880
Figure 2020080880
上記の表3及び4に示すように、実施例1〜7のヘアブラシは、ブラッシング時の抵抗性の評価点が3.0点以上であり、ブラッシング後の毛髪の絡まり性の評価点が3.3以上であった。一方、比較例1〜11のヘアブラシは、ブラッシング時の抵抗性及びブラッシング後の毛髪の絡まり性の何れか一方又は双方の評価点が3.0点を下回る評価であった。以上の結果から、実施例1〜7のヘアブラシでは、毛髪に対する抵抗を抑えながら、毛髪の絡まりを解消させることができた。即ち、軽い荷重で効果的にブラッシングすることができるため、ブラッシング時の毛髪へのダメージを低減することができる。
10 ヘアブラシ
11 基台本体
12 ヘッド部
12a ヘッド基部
12b 装着開口
12c 柄
13 ブラシ面
13a ブラシ基部
15 第1小突起
16 第2突起
17 第1大突起
18 植毛穴
A 第1突起領域
A1 細突起領域
B 太突起領域
F 仮領域
X 長手方向
Y 幅方向

Claims (5)

  1. 棒状突起が立設されたブラシ面を有するヘッド部と柄とを有するヘアブラシであって、
    前記ブラシ面は、長手方向及び該長手方向と直交する幅方向を有しており、
    前記ブラシ面に、断面積が0.10mm以上0.30mm以下の複数の第1突起が、相互間に間隔を設けて1本ずつ独立した状態で設けられた第1突起領域を有しており、
    前記第1突起領域は、前記第1突起が10mm四方当り5本以上10本以下の存在密度で設けられた細突起領域を有している、ヘアブラシ。
  2. 前記細突起領域は、前記幅方向の中央域に形成され、該細突起領域の前記幅方向の長さが、前記ブラシ面の前記幅方向の全長に対して20%以上85%以下である、請求項1に記載のヘアブラシ。
  3. 前記第1突起領域は、前記長手方向に延びて形成されている、請求項1又は2に記載のヘアブラシ。
  4. 前記幅方向において前記第1突起領域を挟む両側それぞれに、断面積が0.30mm超の複数の突起が設けられた太突起領域を有している、請求項1〜3の何れか1項に記載のヘアブラシ。
  5. 前記細突起領域において、第1突起が前記長手方向に直列した第1突起列を前記幅方向に複数列有しており、
    前記第1突起列の配置ピッチが2mm以上5mm以下であり、
    前記第1突起列中の前記第1突起の配置ピッチが3mm以上7mm以下であり、且つ隣り合う前記第1突起列の前記第1突起の前記長手方向の位置が半ピッチ分ずれている、請求項1〜4の何れか1項に記載のヘアブラシ。
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