JP2020080858A - 細胞壁破壊装置及び該細胞壁破壊装置を用いた汚泥処理装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】消費エネルギーが小さく、装置のコンパクト化が可能で、かつ細胞壁破壊効果の高い微生物等の細胞壁破壊装置及び該細胞壁破壊装置を用いた汚泥処理装置の提供。【解決手段】水蒸気を導入する蒸気導入口及び液状物質を導入する液状物質導入口が設けられた流入部と、水蒸気と液状物質とが混合する混合部と、混合部の最下流部にあるのど部に連続して混合流体が昇圧される昇圧部とを有し、蒸気導入口から導入された水蒸気を液状物質導入口から導入された液状物質に接触させることで水蒸気を凝縮させて水蒸気と液状物質の混合流体の昇圧を行う蒸気インジェクタ7を有し、液状物質導入口に微生物等の有機物を含む液状物質を供給する液状物質供給手段9と、蒸気導入口に水蒸気を供給する水蒸気供給手段11と、蒸気インジェクタ7から排出される混合流体を後処理部へ送り出す送出管部13とを備えてなる、微生物の細胞壁破壊装置1。【選択図】図1

Description

本発明は、汚泥等に含まれる微生物等の細胞壁を破壊する細胞壁破壊装置及び該微生物等の細胞壁破壊装置を用いた汚泥処理装置に関する。
汚泥等に含まれる微生物の細胞壁破壊装置に関連する技術として、例えば特許文献1には、「汚泥に含まれる微生物の細胞壁を破壊して汚泥を可溶化する生物汚泥の処理装置であって、汚泥が流通する管路内に複数の抵抗体が配設され、汚泥と撹拌用気体とを攪拌して微生物の細胞壁に物理的に損傷を加える撹拌手段と、管路内を流通する汚泥を加熱して微生物の細胞壁破壊を促進する加熱手段とを備えたことを特徴とする生物汚泥の処理装置。」(特許文献1の請求項1参照)が開示されている。
上記の特許文献1に開示の装置において、微生物の細胞壁に物理的損傷を加える攪拌手段の具体的な構成として、「タンク2と静止型混合器3との間で汚泥を循環させながら、静止型混合器3で所要の時間に渡って連続的に汚泥と空気とが撹拌される。これにより、汚泥中の微生物の細胞壁に物理的に損傷を加えることができる。ここでは、加圧された空気が静止型混合器3の上流側で汚泥中に注入される。」(特許文献1の段落[0020]参照)という構成を採用している。
また、特許文献2には、「有機物を含む排水を生物処理槽にて微生物により有機物分解することにより発生した汚泥に水撃圧を加えて前記生物処理槽へ返送する返送手段を有する汚泥処理装置。」(特許文献2の請求項1参照)が開示されている。 そして、特許文献2の実施の形態において、水撃圧等について「水撃圧Pa=0.5〜1MPa、排水弁作動時間Δt=0.05〜0.1秒(昇圧速度Pa/Δt=5〜20MPa/秒)、弁室設定角度α=20〜40°、排水弁取付角度θ=60°〜80°、水撃サイクルta=1〜3秒としている。」と記載されている。
さらに、特許文献3には、「微細藻類に蓄積された油分を分離する油分分離装置であって、
水蒸気を生成する水蒸気生成手段と、蒸気エジェクタとを備え、
前記蒸気エジェクタは、前記微細藻類の懸濁液を吸引する第1開口部、前記水蒸気が流入する第2開口部、前記懸濁液と前記水蒸気とが混合される内室、前記第1開口部と前記内室とを連通する第1流路、前記第2開口部と前記内室とを連通する第2流路、及び前記内室に連通して前記懸濁液と前記水蒸気との混合物が流出する第3流路を有し、前記水蒸気を前記第2開口部から前記内室へ噴出させることにより前記内室に発生する負圧を利用して前記第1開口部から前記懸濁液を吸引し、前記懸濁液と前記水蒸気とを混合させて前記懸濁液中の微細藻類に蓄積された油分を分離することを特徴とする油分分離装置。」(特許文献3の請求項1参照)が開示されている。
特開2003−340493号公報 特開2014−486号公報 特開2017−79621号公報
しかし、各特許文献に開示の装置にはそれぞれ以下に示すような課題がある。
特許文献1に関し、静止型混合器内で適切に乱流を発生させて連続的に汚泥と空気とを撹拌するためには、静止型混合器内を流通する液状物質を一定の流速/圧力に維持するための大きなポンプ動力を必要とする。
また、加熱手段としての電熱ヒータで液状物質を所定温度まで加熱するにも大きな電力を必要とする。
このように、特許文献1の技術は、消費エネルギーが大きく効率の良い処理方法とは言い難い。
また、特許文献2に関し、ポンプの圧力を水撃装置で水撃圧にしているため、ポンプに水撃圧の影響を与えないためのアキュムレータをポンプと水撃装置の間に設置する必要があり、またポンプを使用しない場合であっても相当する水頭差が得られるタンクを必要とするため、装置が大型化する。さらに、水撃作用により発生する振動は装置の故障を誘発するという問題に対する措置や水撃音を緩和する措置等がさらに必要となるといった問題もある。
さらに、特許文献3に関し、蒸気エジェクタを用いることで装置のコンパクト化、低エネルギー化、耐久性向上化という効果はあるものの、蒸気エジェクタ内の圧力の変化は減圧に関するものであり、液状物質の加圧による細胞壁破壊の効果は期待できない。
本発明はかかる課題を解決するためになされたものであり、消費エネルギーが小さく、装置のコンパクト化が可能で、かつ細胞壁破壊効果の高い微生物等の細胞壁破壊装置及び該細胞壁破壊装置を用いた汚泥処理装置を提供することを目的としている。
(1)本発明に係る細胞壁破壊装置は、水蒸気を導入する蒸気導入口及び液状物質を導入する液状物質導入口が設けられた流入部と、前記水蒸気と前記液状物質とが混合する下流側に向かって縮径する混合部と、該混合部の最下流部にあるのど部に連続して混合流体が昇圧される下流側に向かって拡径する昇圧部とを有し、前記蒸気導入口から導入された水蒸気を前記液状物質導入口から導入された液状物質に接触させることで前記水蒸気を凝縮させて前記水蒸気と前記液状物質の混合流体の昇圧を行う蒸気インジェクタを有し、
前記液状物質導入口に微生物等の有機物を含む液状物質を供給する液状物質供給手段と、前記蒸気導入口に水蒸気を供給する水蒸気供給手段と、前記蒸気インジェクタから排出される混合流体を後処理部へ送り出す送出管部とを備えたことを特徴とするものである。
(2)また、上記(1)に記載のものにおいて、前記送出管部に設けられて送出管部に送出される混合流体の圧力を制御する圧力制御弁と、前記混合部の圧力を検知する第1圧力検知部と、前記昇圧部の下流端以降の圧力を検知する第2圧力検知部と、前記第1圧力検知部と前記第2圧力検知部の検知圧力を入力してこれらの圧力差が0.2MPa以上になるように前記圧力制御弁を制御する制御部とを備えたことを特徴とするものである。
(3)また、上記(1)に記載のものにおいて、前記送出管部に設けられて送出管部に送出される混合流体の圧力を制御する圧力制御弁をさらに有し、
前記水蒸気供給手段は、供給する蒸気の圧力と流量を調整する機能をさらに有し、
前記液状物質供給手段は、蒸気インジェクタに供給する液状物質の流量を調整する機能をさらに有し、
前記蒸気インジェクタの出口での混合流体を亜臨界状態(温度150〜200℃、圧力0.5〜2MPa)にするようにしたことを特徴とするものである。
(4)また、上記(1)乃至(3)のいずれかに記載のものにおいて、前記蒸気インジェクタは、前記液状物質導入口から導入される主流に対して接線方向となる副流を導入する副液状物質導入口を有し、
前記液状物質供給手段は、前記副液状物質導入口に微生物等の有機物を含む液状物質を供給する副液状物質供給手段を備えていることを特徴とするものである。
(5)また、上記(1)乃至(4)のいずれかに記載のものにおいて、前記送出管部に、混合流体を減圧してキャビテーションを発生させる流体ノズルを設けたことを特徴とするものである。
(6)また、上記(1)乃至(5)のいずれかに記載のものにおいて、前記送出管部に、混合流体を一時的に貯留する貯留槽を設けたことを特徴とするものである。
(7)また、上記(1)乃至(6)のいずれかに記載のものにおいて、前記送出管部に、混合流体を加熱する加熱手段を設けたことを特徴とするものである。
(8)本発明に係る汚泥処理装置は、上記(1)乃至(7)のいずれかに記載の細胞壁破壊装置を備えた汚泥処理装置であって、
最終沈殿池の沈殿物を濃縮する濃縮装置と、汚泥からメタンガスを発生させる消化槽とを有し、前記細胞壁破壊装置を、前記濃縮装置と前記消化槽との間に配設し、前記濃縮装置で濃縮された濃縮汚泥に対して細胞壁破壊処理を行って前記消化槽に送り出すようにしたことを特徴とするものである。
(9)また、上記(8)に記載のものにおいて、前記消化槽から排出された消化汚泥に対して細胞壁破壊処理を行う前記細胞壁破壊装置をさらに設け、該細胞壁破壊装置によって前記消化汚泥を処理した後、前記消化槽に戻すか又は脱水機以降のプロセスに送り出すようにしたことを特徴とするものである。
(10)また、上記(1)乃至(7)のいずれかに記載の細胞壁破壊装置を備えた汚泥処理装置であって、
汚泥からメタンガスを発生させる消化槽を有し、該消化槽から排出された消化汚泥に対して前記細胞壁破壊装置によって細胞壁破壊処理を行って前記消化槽に戻すか又は脱水機以降のプロセスに送り出すようにしたことを特徴とするものである。
本発明の細胞壁破壊装置によれば、蒸気インジェクタを有することで、消費エネルギーが小さく、装置のコンパクト化が可能で、かつ微生物等の細胞壁破壊効果を高めることができる。
本発明の実施の形態1に係る微生物の細胞壁破壊装置の説明図である。 図1に示した微生物の細胞壁破壊装置における要部の作用の説明図である。 本発明の実施の形態2に係る汚泥処理装置の構成を説明する説明図である。 図3に示した汚泥処理装置の効果を説明するグラフである。 本発明の実施の形態4に係る有機物の細胞壁破壊装置の説明図である。 本発明の実施の形態4に係る有機物の細胞壁破壊装置の他の態様の説明図である。 本発明の実施の形態5に係る有機物の細胞壁破壊装置の説明図である。
[実施の形態1]
本実施の形態に係る微生物の細胞壁破壊装置1は、図1、2に示すように、蒸気導入口3と液状物質導入口5を有する蒸気インジェクタ7と、液状物質導入口5に微生物を含む液状物質を供給する液状物質供給手段9と、蒸気導入口3に水蒸気を供給する水蒸気供給手段11と、蒸気インジェクタ7から排出される混合流体を後処理部へ送り出す送出管部13と、送出管部13に設けられて圧力を制御する圧力制御弁15と、第1圧力検知部17と、第2圧力検知部19と、第1圧力検知部17と第2圧力検知部19の圧力を検知してこれらの圧力差が0.2MPa以上になるように圧力制御弁15を制御する第1制御部21を備えている。
以下、各構成を詳細に説明する。
<蒸気インジェクタ>
蒸気インジェクタ7は、水蒸気を導入する蒸気導入口3と、液状物質の主流を導入する主液状物質導入口23及び液状物質の副流を導入する副液状物質導入口25からなる液状物質導入口5とを有し、蒸気導入口3から導入された水蒸気を蒸気噴出口27から噴出し、液状物質導入口5から導入されノズル29の先端から噴出される液状物質に接触させることで水蒸気を凝縮させて水蒸気と液状物質の混合流体の昇圧を行う装置である。
副液状物質導入口25は、主液状物質導入口23から導入される主流に対して接線方向となる方向に副流を噴射して旋回流を形成するものである。
蒸気インジェクタ7の内部をその機能で分割すると、図2に示すように、水蒸気及び液状物質が流入する流入部と、水蒸気と液状物質とが混合する下流側に向かって縮径する混合部と、混合部の最下流部にあるのど部31に連続して下流側に向かった拡径して昇圧する昇圧部と、昇圧部の下流側の流出部となる。
このような構造を有する蒸気インジェクタ7の作用を説明すると、蒸気導入口3から導入された水蒸気を混合部に噴出し、液状物質導入口5から導入されて噴出する液状物質と直接接触することで水蒸気の保有する運動エネルギーを液状物質に受け渡すと同時に水蒸気の凝縮により液状物質を加熱し、下流の昇圧部において流体のもつ運動エネルギーが圧力エネルギーに変換されることで、導入される水蒸気および液状物質いずれの圧力よりも高圧になる。
蒸気インジェクタ7ののど部31にはドレン管33が接続されており、ドレン管33は後述する貯留タンク37に接続されている。
ドレン管33は、起動時において、混合部(特にのど部31)に滞留するドレン(凝縮した温液状物質)を抜き出して、水蒸気を混合部に供給しやすくして、起動時における水蒸気の連続的な凝縮を円滑にできるようにするものである。
上記のドレン管33の機能を発揮するため、ドレン管33には開閉弁35が設けられており、この開閉弁35は蒸気インジェクタ7の混合部の圧力が昇圧部の下流端以降で圧力制御弁15の上流側の圧力より一定値以上高くなった場合に開放する。
<液状物質供給手段>
液状物質供給手段9は、蒸気インジェクタ7の液状物質導入口5に微生物を含む液状物質を供給するものであり、種々の装置から構成される。
本実施の形態の液状物質供給手段9は、図1に示すように、微生物を含む液状物質を受け入れて貯留する貯留タンク37と、貯留タンク37から液状物質を蒸気インジェクタ7に供給する主供給管39と、主供給管39に設けられて流量を計測する流量計41と、主供給管39に液状物質を送り出すポンプ(図示なし)と、主供給管39から分岐して蒸気インジェクタ7の副液状物質導入口25に供給する副供給管43とを備えている。
副供給管43を設けた理由は、副供給管43から蒸気インジェクタ7の副液状物質導入口25に液状物質を供給することで、液状物質の流れを旋回流とするためである。
液状物質の流れを旋回流にする理由は以下の通りである。
汚泥等の液状物質は、水に比べると粘性が高いため、液状物質導入口5から導入されてノズル29から噴出する液状物質の噴流と水蒸気流の接触面において水蒸気の凝縮熱が液状物質噴流の中心方向に伝わりにくく、液状物質噴流と水蒸気流の接触面の温度が上昇しやすい。このことは液状物質噴流と水蒸気流の接触面での水蒸気の凝縮の抑制につながる。このため、液状物質噴流と水蒸気流との運動量やエネルギーの交換が少なくなり、蒸気インジェクタ7の大型化や混合部から昇圧部にかけての昇圧が小さくなる可能性がある。
このような問題は、液状物質噴流を旋回流とすることで、液状物質噴流の全体と蒸気流との接触を促進することで解消される。なお、液状物質噴流の全体と水蒸気流との接触が促進されるメカニズムについては後述する。
貯留タンク37には液状物質の温度を計測する温度計45が設けられている。
また、主供給管39には主液状物質導入口23に供給する液状物質の流量を調整するための主流量制御弁47が設けられ、副供給管43には副液状物質導入口25に供給する液状物質の流量を調整する副流量制御弁49が設けられている。
なお、貯留タンク37は必須ではなく、省略することが可能であり、また貯留タンク37を設けておいて、必要に応じて使用したりバイパスしたりするようにしてもよい。なお、貯留タンク37を省略したり、あるいはバイパスしたりする場合には、ドレン管33は送出管部13における圧力制御弁15の下流側に接続すればよい。
<水蒸気供給手段>
水蒸気供給手段11は、蒸気インジェクタ7の蒸気導入口3に水蒸気を供給するものであり、例えばボイラ等の蒸気発生器からの水蒸気を蒸気導入口3に供給するための蒸気供給管51と、蒸気供給管51に設けられて水蒸気の流量を計測する流量計53とを備えている。蒸気供給管51には、温度計55と圧力計57が設けられている。
<送出管部>
送出管部13は、蒸気インジェクタ7から排出される液状物質と水蒸気の混合流体を、例えば汚泥処理装置の消化槽等の後処理部へ送り出す配管等である。
<圧力制御弁>
圧力制御弁15は、送出管部13に設けられて送り出される混合流体の圧力を調整するものである。圧力制御弁15は、第1制御部21によってその開度が調整される。
<第1圧力検知部>
第1圧力検知部17は、蒸気インジェクタ7における混合部の圧力を検知するものであり、検出値を第1制御部21に送信する。第1圧力検知部17は、混合部であればほぼ圧力が同じになるので、どの位置であってもよく、例えばのど部31に設ける。
<第2圧力検知部>
第2圧力検知部19は、蒸気インジェクタ7における昇圧部の下流端以降の圧力を検知するものである。第2圧力検知部19を設ける位置は、昇圧部の下流端以降で圧力制御弁15の上流側であればよく、例えば送出管部13に設けてもよい。
<第1制御部>
第1制御部21は、第1圧力検知部17と第2圧力検知部19の圧力を入力してこれらの圧力差が0.2MPa以上になるように圧力制御弁15を制御するものである。
本実施の形態では、第1圧力検知部17の検知信号を入力して主流量制御弁47及び副流量制御弁49を制御する第2制御部59が設けられている。
なお、本発明は蒸気インジェクタ7がインジェクタとして作動することを前提としており、そのためには、水蒸気供給手段11や液状物質供給手段9に設置している各計器の値に基づいて、蒸気インジェクタ7に供給する液状物質及び水蒸気の流量を調整する必要があり、これらの制御は図示しない主制御手段によって行われることになるが、この点は、本願発明の前提事項であり、本願発明の特徴とは直接関わらないので、詳細な説明は省略している。
以上のように構成された本実施の形態の微生物の細胞壁破壊装置1の動作について説明する。
貯留タンク37に貯留された微生物を含む液状物質は図示しないポンプによって主供給管39に送り出され、主供給管39及び副供給管43を通じて蒸気インジェクタ7に導入される。
蒸気インジェクタ7における流入部において、主液状物質導入口23には主供給管39からの液状物質が供給され、副液状物質導入口25には副供給管43からの液状物質がそれぞれ導入される。また、蒸気導入口3には、蒸気供給管51から供給される水蒸気が導入される。
主液状物質導入口23から導入された主流は蒸気インジェクタ7の軸線方向に流れ、副液状物質導入口25から導入された副流は主流に対して直交する接線方向に流れて、主流に対して旋回流を形成する。したがって、副液状物質導入口25よりも下流側では、上流側から軸線方向に流れてきた液状物質も旋回流の影響を受け、液状物質全体が旋回流を形成してノズル29の先端から噴出する。
主流および副流の流量は、主流量調整弁47および副流量調整弁49のそれぞれの開度が第2制御部59によって調整されることにより制御される。
蒸気導入口3から導入された水蒸気は、ノズル29の外周を軸線方向に流れて、混合部において液状物質と混合される。
流入部における液状物質及び水蒸気の圧力は、図2に示すように、液状物質が約0.1MPaで、水蒸気が約0.15MPaである。
混合部では、液状物質に水蒸気が直接接触して凝縮し、減圧すると共に加熱(50°C〜80°C程度)される。そして、混合部では水蒸気の運動量が液状物質に効率よく受け渡され、のど部31に向かって加速される。
混合部における混合流体の圧力は、図2に示すように、0.03MPa程度まで減圧され、さらに凝縮する水蒸気による加熱と衝突によって液状物質に含まれる微生物の細胞壁が破壊される。
本実施の形態では、液状物質に旋回流を生じさせているため、液状物質が汚泥等の流体塊を含む場合には以下のような作用により、微生物の細胞壁破壊効果が促進される。
液状物質に旋回速度成分が付与され遠心力が作用する状態になると、汚泥噴流の中心付近にある密度の大きい流体塊が汚泥噴流の周縁部へ移動し水蒸気流との接触が促進され、他方、水蒸気の凝縮により温度上昇し密度が小さくなった流体塊が噴流の中心方向に移動するという動きが生ずる。
このように、液状物質を旋回流とすることで、水蒸気と接触する液状物質の流体塊の温度が低く維持されやすくなるため水蒸気の凝縮が促進され、凝縮に伴う微生物の加熱と衝突によって細胞壁破壊効果を促進できる。
なお、旋回速度成分の付与は、蒸気インジェクタ7における混合部に設置した第1圧力検知部17の圧力をあらかじめ設定した(あるいは液状物質と水蒸気の流入条件から演算した)目標値になるように、第2制御部59によって主流量制御弁47及び副流量制御弁49を制御する。具体的には、第1圧力検知部17の圧力が目標値よりも高ければ、旋回速度成分を増すために副流量制御弁49の開度を大きくして副流の流量を多くする。
のど部31を通過して昇圧部に入ると、流路が拡大することにより、運動エネルギーが圧力エネルギーに変換されて急激な圧力上昇(加圧)、具体的には圧力差0.2MPa以上、より好ましくは圧力差0.3MPa以上が生じ、微生物の細胞壁破壊が促進される(図2参照)。
これに対して、蒸気エジェクタの場合、図2に示すように、流出部の圧力は流入部の圧力よりも低くなり、加圧による細胞壁破壊を期待することはできない。
第1制御部21は、第1圧力検知部17と第2圧力検知部19の検出圧力を常時入力して、圧力差が0.2MPa以上になるように、圧力制御弁15の開度を制御する。具体的には、圧力差が小さくなる傾向にある場合には、圧力制御弁15を絞り、圧力差が大きく成りすぎる傾向にある場合には、圧力制御弁15の開度を大きくする制御を行う。
なお、蒸気インジェクタ7の昇圧部における急激な圧力上昇(0.2MPa以上)が見られる場合の昇圧部における液状物質の流速は20m/s程度以上の高速な流れで、急激な圧力上昇が見られる昇圧部の長さは100mm程度であるので、昇圧部における昇圧速度は40MPa/s程度以上となる。このように、蒸気インジェクタ7は昇圧部において大きな昇圧速度を得ることが可能なため、細胞壁破壊効果を促進できる。
細胞壁破壊がされた処理後流体である液状物質は、送出管部13を通じて後処理設備に送出される。
以上のように、本実施の形態によれば、蒸気インジェクタ7を用いて、微生物を含む液状物質の細胞壁破壊を行うようにしたので、消費エネルギーが小さく、装置のコンパクト化が実現され、かつ効率的かつ効果的に細胞壁破壊を行うことができる。
[実施の形態2]
実施の形態1で説明した微生物の細胞壁破壊装置1の好適な適用例として、汚泥処理装置における消化槽でのメタンガス発生を促進するために、消化槽に入る前に濃縮汚泥に含まれる微生物の細胞壁の破壊に適用することが考えられる。
本実施の形態においては、このような汚泥処理装置への適用例について、図3に基づいて説明する。
図3は、例えば下水処理場における汚泥処理装置の装置構成と処理の流れを示すものであり、一般的な設備と同様に、沈砂池61、最初沈殿池63、反応タンク65、最終沈殿池67、調整池69、濃縮装置71、消化槽73、濃縮槽75を備えている。
本実施の形態の特徴として、濃縮装置71と消化槽73との間に微生物の細胞壁破壊を行うための蒸気インジェクタ7を含む第1細胞壁破壊装置77を設けている。さらに、本実施の形態では、消化槽73から排出される消化汚泥を受け入れて消化汚泥に含まれている微生物の細胞壁破壊を行う蒸気インジェクタ7を含む第2細胞壁破壊装置79も設置されている。
図3に基づいて処理の流れを説明する。
下水が沈砂池61に流入して、沈砂池61で沈砂がされた下水が最初沈殿池63に流入する。最初沈殿池63では上澄み水が反応タンク65に移送され、沈殿した汚泥は濃縮槽75に移送される。濃縮槽75で濃縮された汚泥は消化槽73に移送される。
一方、反応タンク65に移送された上澄み水は微生物等により分解浄化され、最終沈殿池67に移送される。ここで、最終沈殿池67で沈殿した余剰汚泥は機械式の濃縮装置71に移送され、上澄み水は調整池69で消毒やpH調整された後放流される。
濃縮装置71で濃縮された濃縮汚泥は、実施の形態1で説明した微生物の細胞壁破壊装置1の構成機器である貯留タンク37に貯留される。貯留タンク37に貯留された濃縮汚泥は、実施の形態1で説明したように、蒸気インジェクタ7の作用によって微生物の細胞壁が破壊される。なお、本実施の形態では、蒸気インジェクタ7に水蒸気を供給する水蒸気供給手段11として、ガスエンジンの排熱回収ボイラが利用されており、ここで発生する水蒸気が蒸気インジェクタ7に供給される。
蒸気インジェクタ7から送出された汚泥は、消化槽73においてメタン発酵を行ってメタンガスが取りだされ、取りだされたメタンガスはガスエンジン等に供給される。蒸気インジェクタ7から送出される汚泥は、細胞壁破壊が効果的に行われているので、消化槽73におけるメタン発酵が効率的に行われ、多量のメタンガスを取りだすことができる。
消化槽73でメタンガスが取りだされた消化汚泥は脱水機以降のプロセスに送られて処理される。
なお、消化槽73から排出される消化汚泥の全部または一部を第2細胞壁破壊装置79に導入して、再度、消化槽73に戻すか、あるいは脱水機以降のプロセスに送り出すようにしてもよい。
消化汚泥を第2細胞壁破壊装置79に導入して消化槽73に戻す目的は、消化汚泥には細胞壁破壊がされていない微生物が残留していることがあり、これを再度、蒸気インジェクタ7で細胞壁破壊を行うことで、メタンガスのさらなる採取効果を向上させるためである。
また、消化汚泥を第2細胞壁破壊装置79に導入してから脱水機以降のプロセスに送出する目的は、消化汚泥に含まれている細胞壁破壊がされていない微生物の細胞壁破壊をすることで、脱水機での脱水効率を向上させるためである。
本実施の形態の汚泥処理装置は、消化槽73において、濃縮装置71で濃縮された汚泥からのメタンガスの採取効率を向上させることができる。
また、消化槽73から排出される消化汚泥に対して、蒸気インジェクタ7を含む第2細胞壁破壊装置79によって微生物の細胞壁破壊を行って、再度、消化槽73に戻すようにすれば、メタンガスのさらなる採取効果を向上させることができる。
さらに、消化槽73から排出される消化汚泥に対して、蒸気インジェクタ7を含む第2細胞壁破壊装置79によって微生物の細胞壁破壊を行って、脱水機による脱水を行うようにすれば、脱水効率を向上させることができる。
図4に示すグラフは、本発明の効果を示す実験結果のグラフであり、縦軸が蒸気インジェクタ7による処理をしていない汚泥と処理をした汚泥とのメタンガス発生比を示しており、横軸は第1圧力検知部17と第2圧力検知部19の圧力差を示している。
図4のグラフに示されるように、圧力差が0.2MPa以上で蒸気インジェクタ7による処理をするとメタンガス発生率が1.3倍以上になっていることが分かる。このことから、圧力差を0.2MPa以上にすることで、蒸気インジェクタ7によって微生物の細胞壁破壊を効果的に行えることが実証された。
なお、実施の形態2で説明した汚泥処理装置は、図3に示すように、第1細胞壁破壊装置77と第2細胞壁破壊装置79の両方を備えたものであったが、本発明の汚泥処理装置は、第1細胞壁破壊装置77と第2細胞壁破壊装置79のいずれか一方のみを有すものも含まれる。
[実施の形態3]
実施の形態1においては、細胞壁破壊装置1が、蒸気インジェクタ7を有することで、消費エネルギーが小さく、装置のコンパクト化が可能で、かつ微生物の細胞壁破壊効果を高めることができるとしていた。また、特に混合部と昇圧部の下流端以降の圧力差を0.2MPa以上とすることで、細胞壁破壊効果を促進できるとしていた。
本実施の形態では、図1に示した蒸気インジェクタ7を用いた細胞壁破壊装置1の作動条件を工夫し、蒸気インジェクタ7の出口における混合流体を亜臨界状態にして、亜臨界状態における有機物の溶解作用と強い加水分解作用を利用することで細胞壁破壊効果をさらに促進するものである。
なお、実施の形態1では、微生物を含む液状物質を処理対象としていたが、汚泥中には微生物以外の有機物も含まれ、有機物を分解するにも本発明は有効である。そこで、本実施の形態では、処理対象を、有機物を含む液状物質として説明する。
ここで、亜臨界状態について、亜臨界水を例に挙げて簡単に説明する。
水の温度・圧力を374℃、22MPaにすると、水(液体)でも水蒸気(気体)でもない状態、すなわち臨界状態となる。この温度・圧力を水の臨界点といい、臨界点より高温高圧の領域を超臨界状態と呼び、臨界点よりもやや低い温度・圧力の領域を亜臨界状態と呼ぶ。
亜臨界状態は概ね150〜300℃、0.5〜10MPaの範囲と定められ、本発明では、蒸気インジェクタ7を利用することで、温度150〜200℃、圧力0.5〜2MPaの亜臨界状態を実現するものである。
細胞壁破壊装置1に蒸気インジェクタ7を用いることで、有機物を含む液状物質は蒸気インジェクタ7内部で蒸気との接触・蒸気の凝縮により加熱されると同時にその運動エネルギーを受け取り、その後、有機物を含む液状物質の運動エネルギーは圧力に変換される。つまり蒸気インジェクタ7により、有機物を含む液状物質を加熱と同時に昇圧して亜臨界状態となる。
液状物質を蒸気インジェクタ7出口で亜臨界状態(温度150〜200℃、圧力0.5〜2MPa)にするための、蒸気インジェクタ7に供給する蒸気と液状物質の条件を、液状物質の温度が25℃の場合について、下記の表1に示す。
表1に示されるように、液状物質の温度が25℃の場合、
・液状物質圧力=0.5〜1.6MPa
・蒸気圧力=2〜3MPa(飽和蒸気)
・蒸気/液状物質(質量流量比)=0.24〜0.38
となる。
蒸気インジェクタ7の出口の混合流体の圧力は、図1に示す圧力制御弁15によって制御できる。
また、蒸気の圧力と流量は、例えば蒸気を供給するボイラと蒸気インジェクタ7入口の間の蒸気供給管51に圧力調整弁、流量調整弁を設けて制御することができる。さらに、蒸気の温度はボイラの運転条件によって制御できる。
また、液状物質の圧力と流量は、液状物質を蒸気インジェクタ7に供給するポンプと流量調整弁で制御できる。また、液状物質の温度は、貯留タンク37の温度管理によって行うことができる。
このように、本実施の形態によれば、実施の形態1において述べた、消費エネルギーが小さく、装置のコンパクト化が可能で、かつ微生物の細胞壁破壊効果を高めることができるという効果に加えて、亜臨界状態による有機物の溶解作用と強い加水分解作用を利用することで細胞壁破壊効果、有機物の分解効果をさらに促進できる。
[実施の形態4]
本実施の形態の有機物の細胞壁破壊装置81は、図5に示すように、蒸気インジェクタ7で有機物を含む液状物質を所定温度・圧力まで昇温昇圧して亜臨界状態の混合流体とした後、減圧して後工程に流送するシステムとして構成したものである。
図5において、図1と同一部分には同一の符号を付してある。また、図1では図示を省略していた、液状物質を供給するポンプ83、液状物質の供給流量を調整する流量調整弁85、及び蒸気供給手段としてのボイラ87を図示している。また、液状物質の主供給管39には温度計89、圧力計91を設置し、蒸気インジェクタ7の出口には温度計93を設置している。
なお、図1において示していた制御線や制御部については、図面の煩雑化を避けるために図示を省略している。
本実施の形態の有機物の細胞壁破壊装置81は、後工程へ移送される前の送出管部において、図5に示すように、流体ノズル95を配置し、流体ノズル95内部の流動現象で減圧とキャビテーションなどを発生させ、有機物の可溶化を促進させるようにしている。
キャビテーションは流体が持つ静圧がその流体の飽和圧力より低い時に発生し、また、流体の液温が高いほど飽和圧力は高い。
口径を絞って静圧を動圧に変換する圧力降下を利用してキャビテーションを発生できる流体ノズルとして、例えばベンチュリノズルを適用できる。
また、後工程において混合流体が高温である必要がない場合には、混合流体の有する熱を有効利用するのが好ましく、本実施の形態では、図5に示すように、第1熱交換器97を利用してボイラ給水に混合流体の熱を回収するようにしている。
本実施の形態によれば、実施の形態3の効果に加えて、流体ノズル95による可溶化の促進が期待でき、また亜臨界状態の熱を有効利用できる。
亜臨界状態となった混合流体は、減圧された後、後工程へ移送されるが、図6に示すように、送出管部13に配置された流体ノズル95に入る前に、一定時間(例:5〜90分)混合流体を一時的に貯留できる一時貯留タンク99を設け、亜臨界状態を所定時間維持することにより、可溶化を促進するようにしてもよい。
[実施の形態5]
実施の形態3、4では、蒸気インジェクタ7の出口、あるいは流体ノズル95の入り口において亜臨界状態になるものであったが、運転条件等によっては蒸気インジェクタ7の出口での温度が低くて混合流体が亜臨界状態に至らない場合もある。
そこで、本実施の形態の有機物の細胞壁破壊装置101では、蒸気インジェクタ7で昇圧後に所定温度に加熱して混合流体を亜臨界状態にするようにしたものである。
蒸気インジェクタ7の出口において混合流体を加熱する加熱手段としては、ボイラ蒸気を利用することが考えられ、図7に示すように、混合流体とボイラ蒸気を第2熱交換器103によって熱交換することで液状物質を加熱する。
作動例として、蒸気インジェクタ7に流入する蒸気を2MPaの飽和蒸気、蒸気インジェクタ7に流入する有機物を含む液状物質の温度25℃、圧力0.3MPa、蒸気と有機物を含む液状物質の質量流量比(蒸気/有機物)0.2のとき、蒸気インジェクタ7出口の混合流体は130℃、2MPaの高温高圧状態となる。この状態の混合流体を、ボイラ蒸気を利用した第2熱交換器103で所定温度(例えば180℃)まで加熱することで亜臨界状態にする。
本実施の形態では、蒸気インジェクタ7の出口において混合流体を加熱する加熱手段として第2熱交換器103を設けたことにより、作動条件等によって蒸気インジェクタ7の出口において混合流体の温度が亜臨界状態に至らない場合であっても、加熱手段による加熱によって混合流体を亜臨界状態にして可溶化を促進できる。
なお、図1や図7に示した例に、図6に示した一時貯留タンク99を設けてもよい。また、上記の説明では、送出管部13に流体ノズル95や一時貯留タンク99を設けたり、あるいは第1熱交換器97、第2熱交換器103を設けたりすることは、混合流体を亜臨界状態にすることを特定していない実施の形態1においても有機物の可溶化の観点から効果が期待できる。
1 微生物の細胞壁破壊装置
3 蒸気導入口
5 液状物質導入口
7 蒸気インジェクタ
9 液状物質供給手段
11 水蒸気供給手段
13 送出管部
15 圧力制御弁
17 第1圧力検知部
19 第2圧力検知部
21 第1制御部
23 主液状物質導入口
25 副液状物質導入口
27 蒸気噴出口
29 ノズル
31 のど部
33 ドレン管
35 開閉弁
37 貯留タンク
39 主供給管
41 流量計(主供給管)
43 副供給管
45 温度計(貯留タンク)
47 主流量制御弁
49 副流量制御弁
51 蒸気供給管
53 流量計(蒸気供給管)
55 温度計(蒸気供給管)
57 圧力計(蒸気供給管)
59 第2制御部
61 沈砂池
63 最初沈殿池
65 反応タンク
67 最終沈殿池
69 調整池
71 濃縮装置
73 消化槽
75 濃縮槽
77 第1細胞壁破壊装置
79 第2細胞壁破壊装置
81 有機物の細胞壁破壊装置(実施の形態4)
83 ポンプ
85 流量調整弁
87 ボイラ
89 温度計(主供給管)
91 圧力計(主供給管)
93 温度計(蒸気インジェクタ出口)
95 流体ノズル
97 第1熱交換器
99 一時貯留タンク
101 有機物の細胞壁破壊装置(実施の形態5)
103 第2熱交換器

Claims (10)

  1. 水蒸気を導入する蒸気導入口及び液状物質を導入する液状物質導入口が設けられた流入部と、前記水蒸気と前記液状物質とが混合する下流側に向かって縮径する混合部と、該混合部の最下流部にあるのど部に連続して混合流体が昇圧される下流側に向かって拡径する昇圧部とを有し、前記蒸気導入口から導入された水蒸気を前記液状物質導入口から導入された液状物質に接触させることで前記水蒸気を凝縮させて前記水蒸気と前記液状物質の混合流体の昇圧を行う蒸気インジェクタを有し、
    前記液状物質導入口に微生物等の有機物を含む液状物質を供給する液状物質供給手段と、前記蒸気導入口に水蒸気を供給する水蒸気供給手段と、前記蒸気インジェクタから排出される混合流体を後処理部へ送り出す送出管部とを備えたことを特徴とする細胞壁破壊装置。
  2. 前記送出管部に設けられて送出管部に送出される混合流体の圧力を制御する圧力制御弁と、前記混合部の圧力を検知する第1圧力検知部と、前記昇圧部の下流端以降の圧力を検知する第2圧力検知部と、前記第1圧力検知部と前記第2圧力検知部の検知圧力を入力してこれらの圧力差が0.2MPa以上になるように前記圧力制御弁を制御する制御部とを備えたことを特徴とする請求項1記載の細胞壁破壊装置。
  3. 前記送出管部に設けられて送出管部に送出される混合流体の圧力を制御する圧力制御弁をさらに有し、
    前記水蒸気供給手段は、供給する蒸気の圧力と流量を調整する機能をさらに有し、
    前記液状物質供給手段は、蒸気インジェクタに供給する液状物質の流量を調整する機能をさらに有し、
    前記蒸気インジェクタの出口での混合流体を亜臨界状態(温度150〜200℃、圧力0.5〜2MPa)にするようにしたことを特徴とする請求項1記載の細胞壁破壊装置。
  4. 前記蒸気インジェクタは、前記液状物質導入口から導入される主流に対して接線方向となる副流を導入する副液状物質導入口を有し、
    前記液状物質供給手段は、前記副液状物質導入口に微生物等の有機物を含む液状物質を供給する副液状物質供給手段を備えていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の細胞壁破壊装置。
  5. 前記送出管部に、混合流体を減圧してキャビテーションを発生させる流体ノズルを設けたことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の細胞壁破壊装置。
  6. 前記送出管部に、混合流体を一時的に貯留する貯留槽を設けたことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の細胞壁破壊装置。
  7. 前記送出管部に、混合流体を加熱する加熱手段を設けたことを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一項に記載の細胞壁破壊装置。
  8. 請求項1乃至7のいずれかに記載の細胞壁破壊装置を備えた汚泥処理装置であって、
    最終沈殿池の沈殿物を濃縮する濃縮装置と、汚泥からメタンガスを発生させる消化槽とを有し、前記細胞壁破壊装置を、前記濃縮装置と前記消化槽との間に配設し、前記濃縮装置で濃縮された濃縮汚泥に対して細胞壁破壊処理を行って前記消化槽に送り出すようにしたことを特徴とする汚泥処理装置。
  9. 前記消化槽から排出された消化汚泥に対して細胞壁破壊処理を行う前記細胞壁破壊装置をさらに設け、該細胞壁破壊装置によって前記消化汚泥を処理した後、前記消化槽に戻すか又は脱水機以降のプロセスに送り出すようにしたことを特徴とする請求項8記載の汚泥処理装置。
  10. 請求項1乃至7のいずれかに記載の細胞壁破壊装置を備えた汚泥処理装置であって、
    汚泥からメタンガスを発生させる消化槽を有し、該消化槽から排出された消化汚泥に対して前記細胞壁破壊装置によって細胞壁破壊処理を行って前記消化槽に戻すか又は脱水機以降のプロセスに送り出すようにしたことを特徴とする汚泥処理装置。
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