JP2020079846A - 感光性樹脂組成物、パターン硬化膜及びその製造方法、半導体素子、並びに電子デバイス - Google Patents

感光性樹脂組成物、パターン硬化膜及びその製造方法、半導体素子、並びに電子デバイス Download PDF

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Abstract

【課題】基板に対して良好な密着性を有する硬化膜を形成することが可能な感光性樹脂組成物を提供する。【解決手段】アルカリ可溶性樹脂と、光によって酸を生成する化合物と、熱架橋剤と、エラストマと、チオール基を有する含窒素芳香族化合物と、を含有する、感光性樹脂組成物。【選択図】なし

Description

本発明は、感光性樹脂組成物、パターン硬化膜及びその製造方法、半導体素子、並びに電子デバイスに関する。
半導体素子の高集積化、小型化、及び微細化に伴い、半導体素子の表面保護層、層間絶縁層、及び再配線層を形成するために用いられる感光性樹脂組成物については、より優れた感度及び解像度を有するとともに、より微細で精密なパターン硬化膜を形成できることが求められている。このような特性を有する材料として、フェノール性水酸基を有するアルカリ可溶性樹脂を含有する感光性樹脂組成物が開発されている(例えば、特許文献1参照)。このような感光性樹脂組成物は、露光及び現像を経て形成されたパターン樹脂膜を加熱して硬化する工程において、低温での加熱硬化が可能であるという利点がある。
さらに、半導体素子の高集積化及び小型化に伴って、半導体素子の表面積に対して、金、銅、ニッケル等からなる配線の表面積が増大しつつある。そのため、半導体素子の表面保護層、層間絶縁層、及び再配線層を形成するために用いられる感光性樹脂組成物には、これら配線を有する基板との優れた密着性が必要となる。密着性を向上させる方法としては、例えば、2種類のフェノール性水酸基を用いる方法等が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
特開2003−215802号公報 特開2010−256508号公報
しかしながら、従来の感光性樹脂組成物は、機械特性には優れているものの、基板(配線を有する基板)との密着性が必ずしも充分ではなく、未だ改善の余地がある。
そこで、本発明は、基板に対して良好な密着性を有する硬化膜を形成することが可能な感光性樹脂組成物を提供することを主な目的とする。
本発明の一側面は、アルカリ可溶性樹脂と、光によって酸を生成する化合物と、熱架橋剤と、エラストマと、チオール基を有する含窒素芳香族化合物と、を含有する、感光性樹脂組成物を提供する。このような感光性樹脂組成物は、基板に対して良好な密着性を有する硬化膜を形成することが可能となる。
含窒素芳香族化合物は、3以上の窒素原子を有する芳香族化合物であってよい。含窒素芳香族化合物は、トリアジン化合物、トリアゾール化合物、及びテトラゾール化合物からなる群より選ばれる少なくも1種であってよい。
アルカリ可溶性樹脂は、下記一般式(21)で表される構造単位を有してよい。
Figure 2020079846
一般式(21)中、R21は水素原子又はメチル基を示し、R22は炭素数1〜10のアルキル基、炭素数6〜10のアリール基、又は炭素数1〜10のアルコキシ基を示し、aは0〜3の整数を示し、bは1〜3の整数を示す。aとbの合計は5以下である。
光によって酸を生成する化合物は、o−キノンジアジド化合物であってよい。
エラストマは、アクリル系エラストマを含んでいてよい。
感光性樹脂組成物は、シラン化合物をさらに含有していてもよい。
別の側面において、パターンを有し、パターンが上記の感光性樹脂組成物からなる樹脂膜の硬化物を含む、パターン硬化膜を提供する。
別の側面において、上記の感光性樹脂組成物を基板の一部又は全部に塗布して樹脂膜を形成する工程と、樹脂膜の一部又は全部を露光する工程と、露光後の樹脂膜をアルカリ水溶液によって現像してパターン樹脂膜を形成する工程と、パターン樹脂膜を加熱する工程と、を備える、パターン硬化膜の製造方法を提供する。
別の側面において、上記のパターン硬化膜を層間絶縁層又は表面保護層として備える、半導体素子を提供する。
別の側面において、上記の半導体素子を備える、電子デバイスを提供する。
本発明によれば、基板に対して良好な密着性を有する硬化膜を形成することが可能な感光性樹脂組成物が提供される。このような感光性樹脂組成物を用いたパターン硬化膜及びその製造方法、半導体素子、並びに電子デバイスが提供される。
半導体素子の製造工程の一実施形態を説明する概略図であり、(a)は概略斜視図であり、(b)は(a)におけるIb−Ib端面を示す概略端面図である。 半導体素子の製造工程の一実施形態を説明する概略図であり、(a)は概略斜視図であり、(b)は(a)におけるIIb−IIb端面を示す概略端面図である。 半導体素子の製造工程の一実施形態を説明する概略図であり、(a)は概略斜視図であり、(b)は(a)におけるIIIb−IIIb端面を示す概略端面図である。 半導体素子の製造工程の一実施形態を説明する概略図であり、(a)は概略斜視図であり、(b)は(a)におけるIVb−IVb端面を示す概略端面図である。 半導体素子の製造工程の一実施形態を説明する概略図であり、(a)は概略斜視図であり、(b)は(a)におけるVb−Vb端面を示す概略端面図である。 半導体素子の一実施形態を示す概略断面図である。 半導体素子の一実施形態を示す概略断面図である。
以下、本発明の実施形態について詳細に説明する。ただし、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。
本明細書における「(メタ)アクリル酸」とは、「アクリル酸」又は「メタクリル酸」を意味し、(メタ)アクリレート等の他の類似の表現においても同様である。
[感光性樹脂組成物]
一実施形態に係る感光性樹脂組成物は、アルカリ可溶性樹脂(以下、「(A)成分」という場合がある。)と、光によって酸を生成する化合物(以下、「(B)成分」という場合がある。)と、熱架橋剤(以下、「(C)成分」という場合がある。)と、エラストマ(以下、「(D)成分」という場合がある。)と、を含有する。感光性樹脂組成物は、ポジ型感光性樹脂組成物として好適に用いることができる。以下、ポジ型感光性樹脂組成物の形態について、詳細に説明する。
<(A)成分:アルカリ可溶性樹脂>
本明細書において、アルカリ可溶性樹脂は、アルカリ水溶液(現像液)に対して可溶である樹脂を意味する。なお、アルカリ水溶液とは、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)水溶液、金属水酸化物水溶液、有機アミン水溶液等のアルカリ性の溶液である。一般には、濃度が2.38質量%のテトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液が現像に用いられる。
(A)成分がアルカリ現像液で可溶であることは、例えば、以下のようにして確認することができる。
(A)成分を任意の溶剤に溶解して得られたワニスを、シリコンウェハ等の基板上にスピン塗布して形成することにより膜厚5μm程度の塗膜とする。これをTMAH水溶液、金属水酸化物水溶液又は有機アミン水溶液のいずれかに20〜25℃において、浸漬する。この結果、塗膜が均一に溶解し得るとき、その(A)成分はアルカリ性現像液で可溶と見なすことができる。
(A)成分としては、例えば、ポリエステル樹脂、ポリエーテル樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリウレタンイミド樹脂、ポリウレタンアミドイミド樹脂、シロキサンポリイミド樹脂、ポリエステルイミド樹脂、ポリベンゾオキサゾール樹脂、フェノキシ樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエーテルケトン樹脂、(メタ)アクリル共重合体、フェノール性水酸基を有する樹脂等が挙げられる。これらは1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。また、これらの樹脂の主鎖又は側鎖に、エチレングリコール、プロピレングリコール等のグリコール基、カルボキシル基、又は水酸基が付与されたものであってもよい。
これらの中で、高温接着性、耐熱性及びフィルム形成性の観点から、(A)成分は、フェノール性水酸基を有する樹脂であってよい。
フェノール性水酸基を有する樹脂としては、例えば、ポリヒドロキシスチレン又はヒドロキシスチレンを単量体単位として含む共重合体等のヒドロキシスチレン系樹脂、フェノール樹脂、ポリ(ヒドロキシアミド)等のポリベンゾオキサゾール前駆体、ポリ(ヒドロキシフェニレン)エーテル、ポリナフトールなどが挙げられる。(A)成分は、これらの樹脂のうちの1種のみで構成されていてもよく、また、2種以上を含んで構成されていてもよい。
これらの中で、電気特性(絶縁性)に優れること及び硬化時の体積収縮が小さいことから、ヒドロキシスチレン系樹脂であってよい。また、低価格であること、コントラストが高いこと、及び硬化時の体積収縮が小さいことから、フェノール樹脂であってよく、ノボラック型フェノール樹脂であってよい。
ヒドロキシスチレン系樹脂は、下記一般式(21)で表される構造単位を有する。
Figure 2020079846
一般式(21)中、R21は水素原子又はメチル基を示し、R22は炭素数1〜10のアルキル基、炭素数6〜10のアリール基又は炭素数1〜10のアルコキシ基を示し、aは0〜3の整数を示し、bは1〜3の整数を示す。aとbの合計は5以下である。
ヒドロキシスチレン系樹脂は、一般式(21)で表される構造単位を与えるモノマ等を重合させることで得ることができる。
一般式(21)において、R21で表わされる炭素数1〜10のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基等が挙げられる。これらの基は直鎖状であっても、分岐鎖状であってもよい。また、R22で表わされる炭素数6〜10のアリール基としては、例えば、フェニル基、ナフチル基等が挙げられる。R21で表わされる炭素数1〜10のアルコキシ基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、ペントキシ基、ヘキソキシ基、ヘプトキシ基、オクトキシ基、ノノキシ基、デコキシ基等が挙げられる。これらの基は直鎖状であっても、分岐鎖状であってもよい。
一般式(21)で表される構造単位を与えるモノマとしては、例えば、p−ヒドロキシスチレン、m−ヒドロキシスチレン、o−ヒドロキシスチレン、p−イソプロペニルフェノール、m−イソプロペニルフェノール、o−イソプロペニルフェノール等が挙げられる。これらのモノマはそれぞれ1種単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
ヒドロキシスチレン系樹脂は、その製造方法に制限されないが、例えば、一般式(21)で示される構造単位を与えるモノマの水酸基をt−ブチル基、アセチル基等で保護して水酸基が保護されたモノマとし、水酸基が保護されたモノマを重合して重合体を得て、さらに得られた重合体を、公知の方法(酸触媒下で脱保護してヒドロキシスチレン系構造単位に変換すること等)で脱保護することにより得ることができる。
ヒドロキシスチレン系樹脂は、一般式(21)で表される構造単位を与えるモノマのみからなる重合体又は共重合体であってもよく、一般式(21)で表される構造単位を与えるモノマとそれ以外のモノマとの共重合体であってもよい。ヒドロキシスチレン系樹脂が共重合体である場合、共重合体中の一般式(21)で示される構造単位の割合は、露光部のアルカリ現像液に対する溶解性の観点から、(A)成分100モル%に対して、10〜100モル%、20〜97モル、30〜95モル%、又は50〜95モル%であってよい。
ヒドロキシスチレン系樹脂は、未露光部のアルカリ現像液に対する溶解阻害性をより向上する観点から、さらに下記一般式(22)で表される構造単位を有するアルカリ可溶性樹脂であってよい。
Figure 2020079846
一般式(22)中、R23は水素原子又はメチル基を示し、R24は炭素数1〜10のアルキル基、炭素数6〜10のアリール基又は炭素数1〜10のアルコキシ基を示し、cは0〜3の整数を示す。
24で表わされる炭素数1〜10のアルキル基、炭素数6〜10のアリール基又は炭素数1〜10のアルコキシ基としては、それぞれR22と同様のものが例示できる。
一般式(22)で表される構造単位を有するアルカリ可溶性樹脂は、一般式(22)で表される構造単位を与えるモノマを用いることによって得られる。一般式(22)で表される構造単位を与えるモノマとしては、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、o−メトキシスチレン、m−メトキシスチレン、p−メトキシスチレン等の芳香族ビニル化合物などが挙げられる。これらのモノマはそれぞれ1種単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
ヒドロキシスチレン系樹脂が一般式(22)で示される構造単位を有するアルカリ可溶性樹脂である場合、未露光部のアルカリ現像液に対する溶解阻害性及びパターン硬化膜の機械特性の観点から、一般式(22)で示される構造単位の割合は(A)成分100モル%に対して、1〜90モル、3〜80モル%、5〜70モル%、又は5〜50モル%であってよい。
また、ヒドロキシスチレン系樹脂は、弾性率を低くする観点から、さらに下記一般式(23)で表される構造単位を有するアルカリ可溶性樹脂であってよい。
Figure 2020079846
一般式(23)中、R25は水素原子又はメチル基を示し、R26は炭素数1〜10のアルキル基又は炭素数1〜10のヒドロキシアルキル基を示す。
一般式(23)で表される構造単位を有するアルカリ可溶性樹脂は、一般式(23)で表される構造単位を与えるモノマを用いることで得られる。一般式(23)で表される構造単位を与えるモノマとしては、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸ペンチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸ヘプチル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸ノニル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシメチル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシペンチル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシヘキシル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシヘプチル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシオクチル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシノニル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシデシル等が挙げられる。これらのモノマはそれぞれ1種単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
ヒドロキシスチレン系樹脂が一般式(23)で示される構造単位を有するアルカリ可溶性樹脂である場合、未露光部のアルカリ現像液に対する溶解阻害性及びパターン硬化膜の機械特性の観点から、一般式(23)で示される構造単位の割合は(A)成分100モル%に対して、1〜90モル%、3〜80モル%、5〜70モル%、又は5〜50モル%であってよい。
フェノール樹脂は、フェノール又はその誘導体とアルデヒド類との重縮合生成物である。重縮合は、通常、酸、塩基等の触媒存在下で行われる。酸触媒を用いた場合に得られるフェノール樹脂は、特にノボラック型フェノール樹脂と呼ばれる。ノボラック型フェノール樹脂としては、例えば、フェノール/ホルムアルデヒドノボラック樹脂、クレゾール/ホルムアルデヒドノボラック樹脂、キシレノール/ホルムアルデヒドノボラック樹脂、レゾルシノール/ホルムアルデヒドノボラック樹脂、フェノール−ナフトール/ホルムアルデヒドノボラック樹脂等が挙げられる。
フェノール樹脂を構成するフェノール誘導体としては、例えば、o−クレゾール、m−クレゾール、p−クレゾール、o−エチルフェノール、m−エチルフェノール、p−エチルフェノール、o−ブチルフェノール、m−ブチルフェノール、p−ブチルフェノール、2,3−キシレノール、2,4−キシレノール、2,5−キシレノール、2,6−キシレノール、3,4−キシレノール、3,5−キシレノール、2,3,5−トリメチルフェノール、3,4,5−トリメチルフェノール等のアルキルフェノール、メトキシフェノール、2−メトキシ−4−メチルフェノール等のアルコキシフェノール、ビニルフェノール、アリルフェノール等のアルケニルフェノール、ベンジルフェノール等のアラルキルフェノール、メトキシカルボニルフェノール等のアルコキシカルボニルフェノール、ベンゾイルオキシフェノール等のアリールカルボニルフェノール、クロロフェノール等のハロゲン化フェノール、カテコール、レゾルシノール、ピロガロール等のポリヒドロキシベンゼン、ビスフェノールA、ビスフェノールF等のビスフェノール、α−又はβ−ナフトール等のナフトール誘導体、p−ヒドロキシフェニル−2−エタノール、p−ヒドロキシフェニル−3−プロパノール、p−ヒドロキシフェニル−4−ブタノール等のヒドロキシアルキルフェノール、ヒドロキシエチルクレゾール等のヒドロキシアルキルクレゾール、ビスフェノールのモノエチレンオキサイド付加物、ビスフェノールのモノプロピレンオキサイド付加物等のアルコール性水酸基含有フェノール誘導体、p−ヒドロキシフェニル酢酸、p−ヒドロキシフェニルプロピオン酸、p−ヒドロキシフェニルブタン酸、p−ヒドロキシ桂皮酸、ヒドロキシ安息香酸、ヒドロキシフェニル安息香酸、ヒドロキシフェノキシ安息香酸、ジフェノール酸等のカルボキシル基含有フェノール誘導体などが挙げられる。これらは1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
フェノール樹脂を構成するアルデヒド類としては、例えば、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、フルフラール、ベンズアルデヒド、ヒドロキシベンズアルデヒド、メトキシベンズアルデヒド、ヒドロキシフェニルアセトアルデヒド、メトキシフェニルアセトアルデヒド、クロトンアルデヒド、クロロアセトアルデヒド、クロロフェニルアセトアルデヒド、グリセルアルデヒド、グリオキシル酸、グリオキシル酸メチル、グリオキシル酸フェニル、グリオキシル酸ヒドロキシフェニル、ホルミル酢酸、ホルミル酢酸メチル、2−ホルミルプロピオン酸、2−ホルミルプロピオン酸メチル等が挙げられる。これらは1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。また、パラホルムアルデヒド、トリオキサン等のホルムアルデヒドの前駆体、アセトン、ピルビン酸、レブリン酸、4−アセチルブチル酸、アセトンジカルボン酸、3,3’−4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸等のケトン類を反応に用いてもよい。
(A)成分がヒドロキシスチレン系樹脂又はフェノール樹脂を含有する場合、それぞれの重量平均分子量は、アルカリ水溶液に対する溶解性、感光特性及びパターン硬化膜の機械特性のバランスを考慮すると、重量平均分子量で1000〜500000が好ましく、2000〜200000がより好ましく、2000〜100000であることがさらに好ましい。ここで、重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法により測定し、標準ポリスチレン検量線より換算して得られる値である。
(A)成分の含有量は、(A)成分、(B)成分、(C)成分、(D)成分、及び(E)成分の総量を基準として、5〜95質量%であってよい。(A)成分の含有量は、10質量%以上、15質量%以上、又は20質量%以上であってもよく、90質量%以下、85質量%以下、又は80質量%以下であってもよい。
<(B)成分:光によって酸を生成する化合物>
(B)成分である光によって(光を受けることによって)酸を生成する化合物は、感光性樹脂組成物において感光剤として機能する。(B)成分は、光照射を受けて酸を生成させ、光照射を受けた部分のアルカリ水溶液への可溶性をより増大させる機能を有する。(B)成分としては、一般に光酸発生剤と称される化合物を用いることができる。(B)成分の具体例としては、o−キノンジアジド化合物、アリールジアゾニウム塩、ジアリールヨードニウム塩、トリアリールスルホニウム塩等が挙げられる。(B)成分は、これらの化合物の1種のみからなるものであってもよく、2種以上を含んで構成されるものであってもよい。これらの中で、感度が高いことから、(B)成分は、o−キノンジアジド化合物であってよい。
o−キノンジアジド化合物としては、例えば、o−キノンジアジドスルホニルクロリドと、ヒドロキシ化合物又はアミノ化合物等とを脱塩酸剤の存在下で縮合反応させることによって得られるもの等が挙げられる。
o−キノンジアジド化合物は、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−[4−{1−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルエチル}フェニル]エタンと1−ナフトキノン−2−ジアジド−5−スルホニルクロリドとの縮合物、トリス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、又はトリス(4−ヒドロキシフェニル)エタンと1−ナフトキノン−2−ジアジド−5−スルホニルクロリドとの縮合物であってよい。
(B)成分の含有量は、露光部と未露光部との溶解速度差がより大きくなり、感度がより良好となる観点から、(A)成分100質量部に対して、5〜25質量部、6〜20質量部、又は7〜18質量部であってよい。
<(C)成分:熱架橋剤>
(C)成分は、例えば、2以上のアルコキシメチル基を有する化合物、2以上のエポキシ基を有する化合物等が挙げられる。
2以上のアルコキシメチル基を有する化合物は、パターン形成後の樹脂膜を加熱して硬化する際に、(A)成分と反応して橋架け構造(架橋構造)を形成し得るアルコキシメチル基を有する化合物である。これらは、2以上のアルコキシメチル基を有する化合物であれば特に制限されないが、例えば、下記一般式(2)で表される化合物又は下記一般式(3)で表される化合物であってよい。
Figure 2020079846
一般式(2)中、R〜Rは、それぞれ独立に炭素数1〜10のアルキル基を示す。
〜Rで表される炭素数1〜10のアルキル基は、R22と同様のものが例示できる。アルキル基の炭素数は、1〜5、1〜3、1若しくは2、又は1であってよい。
Figure 2020079846
一般式(3)中、R〜R12は、それぞれ独立に炭素数1〜10のアルキル基を示す。
〜R12で表される炭素数1〜10のアルキル基は、R22と同様のものが例示できる。アルキル基の炭素数は、1〜5、1〜3、1若しくは2、又は1であってよい。
2以上のエポキシ基を有する化合物は、パターン形成後の樹脂膜を加熱して硬化する際に、(A)成分と反応して橋架け構造(架橋構造)を形成し得るエポキシ基を有する化合物である。これらは、2以上のエポキシ基を有する化合物であれば特に制限されない。
2以上のエポキシ基を有する化合物としては、例えば、脂肪族エポキシ化合物、芳香族エポキシ化合物、脂環式エポキシ化合物、複素環式エポキシ化合物、ビスフェノール型エポキシ化合物、ノボラック型エポキシ化合物、グリシジルアミン型エポキシ化合物、ハロゲン化エポキシ化合物等が挙げられる。これらは1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。
これらの中でも、2以上のエポキシ基を有する化合物は、薬液耐性により優れる観点から、芳香環又は複素環を有するエポキシ化合物であってよい。2以上のエポキシ基を有する化合物は、複素環を有するエポキシ化合物であってもよく、含窒素複素環を有するエポキシ化合物であってもよい。
2以上のエポキシ基を有する化合物は、薬液耐性により優れる観点から、下記一般式(4)で表される化合物であってよい。
Figure 2020079846
一般式(4)中、R13〜R15は、それぞれ独立に炭素数1〜10のアルキレン基を示す。
一般式(4)において、R13〜R15で表わされる炭素数1〜10のアルキレン基としては、例えば、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ペンチレン基、ヘキシレン基、ヘプチレン基、オクチレン基、ノニレン基、デシレン基等が挙げられる。これらの基は直鎖状であっても、分岐鎖状であってもよい。アルキレン基の炭素数は、1〜8又は1〜6であってよい。
(C)成分の含有量は、残留応力及び薬液耐性により優れる観点から、(A)成分100質量部に対して、2〜35質量部、4〜30質量部、又は5〜25質量部であってよい。
<(D)成分:エラストマ>
(D)成分としては、例えば、スチレン系エラストマ、オレフィン系エラストマ、ウレタン系エラストマ、ポリエステル系エラストマ、ポリアミド系エラストマ、アクリル系エラストマ、シリコーン系エラストマ等が挙げられる。これらは1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。これらの中でも、(D)成分は、得られるパターン硬化膜の破断強度、破断伸び及び熱膨張性に優れることから、アクリル系エラストマを含んでいてよい。
アクリル系エラストマは、下記一般式(31)で表される構造単位を有してよい。
Figure 2020079846
一般式(31)中、R31は水素原子又はメチル基を示し、R32は炭素数2〜20のヒドロキシアルキル基を示す。
32で表わされる炭素数2〜20のヒドロキシアルキル基としては、例えば、ヒドロキシエチル基、ヒドロキシプロピル基、ヒドロキシブチル基、ヒドロキシペンチル基、ヒドロキシヘキシル基、ヒドロキシヘプチル基、ヒドロキシオクチル基、ヒドロキシノニル基、ヒドロキシデシル基、ヒドロキシウンデシル基、ヒドロキシドデシル基(ヒドロキシラウリル基という場合もある。)、ヒドロキシトリデシル基、ヒドロキシテトラデシル基、ヒドロキシペンタデシル基、ヒドロキシヘキサデシル基、ヒドロキシヘプタデシル基、ヒドロキシオクタデシル基、ヒドロキシノナデシル基、ヒドロキシエイコシル基等が挙げられる。
アクリル系エラストマは、さらに下記一般式(32)で表される構造単位、下記一般式(33)で表される構造単位、又は下記一般式(34)で表される構造単位を有していてもよい。
Figure 2020079846
一般式(32)中、R33は水素原子又はメチル基を示し、R34は1級、2級、又は3級アミノ基を有する1価の有機基を示す。
34で表わされる1級、2級、又は3級アミノ基を有する1価の有機基としては、例えば、アミノエチル基、N−メチルアミノエチル基、N,N−ジメチルアミノエチル基、N−エチルアミノエチル基、N,N−ジエチルアミノエチル基、アミノプロピル基、N−メチルアミノプロピル基、N,N−ジメチルアミノプロピル基、N−エチルアミノプロピル基、N,N−ジエチルアミノプロピル基、ピペリジン−4−イル基、1−メチルピペリジン−4−イル基、2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル基、1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジン−4−イル基、(ピペリジン−4−イル)メチル基、2−(ピペリジン−4−イル)エチル基等が挙げられる。
Figure 2020079846
一般式(33)中、R35は水素原子又はメチル基を示し、R36は炭素数4〜20のアルキル基を示す。
36で表わされる炭素数4〜20のアルキル基としては、例えば、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基(ラウリル基という場合もある。)、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、ノナデシル基、エイコシル基等が挙げられる。これらの基は、直鎖状であっても分岐鎖状であってもよい。
Figure 2020079846
一般式(34)中、R37は水素原子又はメチル基を示す。
アクリル系エラストマは、例えば、上記一般式(31)で表される構造単位を与えるモノマと、必要に応じて添加される一般式(32)、(33)、又は(34)で表される構造単位を与えるモノマとを配合し、乳酸エチル、トルエン、イソプロパノール等の溶媒中で撹拌し、必要に応じて加熱することによって得ることができる。
アクリル系エラストマの重量平均分子量は、2000〜100000、3000〜60000、5000〜50000、又は10000〜40000であってよい。ここで、重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法によって測定し、標準ポリスチレン検量線よって換算して得られる値である。
(D)成分の含有量は、破断強度及び破断伸びにより優れる観点から、(A)成分100質量部に対して、1〜35質量部、3〜30質量部、又は5〜25質量部であってよい。
<(E)成分:チオール基を有する含窒素芳香族化合物>
(E)成分は、含窒素芳香族化合物であって、1分子中にチオール基(SH基)を1以上有するものであれば特に制限されない。(E)成分における含窒素芳香族化合物は、3以上の窒素原子を有する芳香族化合物であってよく、トリアジン化合物、トリアゾール化合物、及びテトラゾール化合物からなる群より選ばれる少なくも1種であってよく、トリアジン化合物及びテトラゾール化合物からなる群より選ばれる少なくも1種であってよい。感光性樹脂組成物に(E)成分を含有させることによって、基板に対して良好な密着性を有する硬化膜を形成することが可能となる。
チオール基を有するトリアジン化合物は、下記一般式(51)で表される化合物であってよい。
Figure 2020079846
一般式(51)中、R51、R52、及びR53は、それぞれ独立に−SH基又は−R54−SHを示し、R54は、2価の炭化水素基を示す。R54における2価の炭化水素基は、アルキレン基であってよい。
チオール基を有するトリアジン化合物としては、例えば、トリチオシアヌル酸、6−ジアルキルアミノ−1,3,5−トリアジン−4,6−ジチオール、2−アミノ−1,3,5−トリアジン−4−チオール等が挙げられる。これらのうち、チオール基を有するトリアジン化合物は、入手のし易さの観点から、トリチオシアヌル酸であってよい。
チオール基を有するトリアゾール化合物及びチオール基を有するテトラアゾール化合物は、下記一般式(52)で表される化合物であってよい。
Figure 2020079846
一般式(52)中、R55は、−SH基又は−R57−SHを示し、R57は、2価の炭化水素基を示す。R56は、水素原子又は炭化水素基を示し、X及びYは、それぞれ独立に、水素原子を有する炭素原子(C−H)又は窒素原子を示す。
57における2価の炭化水素基は、アルキレン基であってよい。R56における炭化水素基は、飽和炭化水素基であっても、不飽和炭化水素基であってもよい。R56における炭化水素基は、ヘテロ原子(窒素原子、酸素原子、硫黄原子等)を有していてもよい。
チオール基を有するトリアゾール化合物及びチオール基を有するテトラアゾール化合物は、入手のし易さの観点から、1−アリル−5−メルカプトテトラゾール又は1−フェニル−5−メルカプトテトラゾールであってよい。
本実施形態の感光性樹脂組成物は、上記(A)〜(E)成分以外に、その他の成分として、シラン化合物(以下、「(F)成分」という場合がある。)、溶解促進剤(以下、「(G)成分」という場合がある。)、溶剤、加熱によって酸を生成する化合物、溶解阻害剤、界面活性剤、レベリング剤等の成分を含有していてもよい。
<(F)成分:シラン化合物>
(F)成分は、特に制限されないが、下記一般式(6)で表されるシラン化合物であってよい。
Figure 2020079846
一般式(6)中、R61はアルキレン基を示し、R62はアルコキシ基又はアルコキシアルキル基を示す。複数あるR62は同一であっても異なっていてもよい。
62は、安価で入手し易いこと及び基板への接着性に優れることから、R62は、メトキシ基、エトキシ基等のアルコキシ基であってよい。
一般式(6)で表されるシラン化合物は、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン又は3−グリシドキシプロピルトリエトキシシランであってよい。
<(G)成分:溶解促進剤>
感光性樹脂組成物に(G)成分を用いることによって、アルカリ水溶液で現像する際の露光部の溶解速度を増加させ、感度及び解像性を向上させることができる。(G)成分としては従来公知のものを用いることができる。その具体例としては、カルボキシル基、スルホン酸、スルホンアミド基等を有する化合物などが挙げられる。
(G)成分は、下記一般式(41)〜(43)で表されるフェノール性低分子化合物のいずれかであってよい。
Figure 2020079846
一般式(41)中、R41は水素原子又はメチル基を示す。a1〜f1は0〜3の整数を示し、d1〜f1の合計は1以上であり、a1とd1の合計は5以下であり、b1とe1の合計は5以下であり、c1とf1の合計は5以下である。
Figure 2020079846
一般式(42)中、R42は水素原子又はメチル基を示す。a2〜c2は0〜3の整数を示し、d2〜f2は1〜3の整数を示し、a2とd2の合計は5以下であり、b2とe2の合計は5以下であり、c2とf2の合計は5以下である。
Figure 2020079846
一般式(43)中、a3、c3、h、及びiは0〜3の整数を示し、d3及びf3は1〜3の整数を示し、a3とd3の合計は5以下であり、c3とf3の合計は5以下であり、hとiの合計は4以下である。
<溶剤>
感光性樹脂組成物に溶剤を用いることによって、基板上への塗布を容易にし、均一な厚さの塗膜を形成することができる。溶剤としては、例えば、γ−ブチロラクトン、乳酸エチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、酢酸ベンジル、n−ブチルアセテート、エトキシエチルプロピオナート、3−メチルメトキシプロピオネート、1−メトキシ−2−プロパノール、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、ヘキサメチルホスホリルアミド、テトラメチレンスルホン、ジエチルケトン、ジイソブチルケトン、メチルアミルケトン、シクロヘキサノン、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル等が挙げられる。これらは1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。これらの中でも、溶剤は、溶解性及び塗布膜の均一性の観点から、乳酸エチル又は1−メトキシ−2−プロパノールであってよい。
<加熱によって酸を生成する化合物>
感光性樹脂組成物に加熱によって酸を生成する化合物を用いることによって、パターン樹脂膜を加熱する際に酸を発生させることが可能となるため、(A)成分と(C)成分との反応、すなわち熱架橋反応が促進され、パターン硬化膜の耐熱性が向上する。また、加熱によって酸を生成する化合物は光照射によっても酸を発生するため、露光部のアルカリ水溶液への溶解性が増大する。よって、未露光部と露光部とのアルカリ水溶液に対する溶解性の差がさらに大きくなり解像度がより向上する。
このような加熱によって酸を生成する化合物は、例えば、50〜250℃まで加熱することによって酸を生成するもの等が挙げられる。加熱によって酸を生成する化合物の具体例としては、オニウム塩等の強酸と塩基とから形成される塩、イミドスルホナートなどが挙げられる。
<溶解阻害剤>
溶解阻害剤は、(A)成分のアルカリ水溶液に対する溶解を阻害する化合物であり、残膜厚、現像時間、及びコントラストを制御するために用いられる。溶解阻害剤としては、例えば、ジフェニルヨードニウムニトラート、ビス(p−tert−ブチルフェニル)ヨードニウムニトラート、ジフェニルヨードニウムブロミド、ジフェニルヨードニウムクロリド、ジフェニルヨードニウムヨージド等が挙げられる。
<界面活性剤又はレベリング剤>
感光性樹脂組成物に界面活性剤又はレベリング剤を用いることによって、塗布性をより向上することができる。具体的には、例えば、感光性樹脂組成物が界面活性剤又はレベリング剤を含有することによって、ストリエーション(膜厚のムラ)をより充分に防ぐことができ、現像性をより向上させることができる。界面活性剤又はレベリング剤としては、例えば、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェノールエーテル等が挙げられる。
溶剤の含有量は、(A)成分、(B)成分、(C)成分、(D)成分、及び(E)成分の総量を100質量部として、10〜90質量部であってよい。
溶剤以外のその他の成分の含有量は、(A)成分100質量部に対して、0.01〜20質量部であってよい。
本実施形態の感光性樹脂組成物によれば、基板に対して良好な密着性を有する硬化膜を形成することが可能となる。本実施形態の感光性樹脂組成物は、ポジ型感光性樹脂組成物として好適に用いることができる。
[パターン硬化膜及びその製造方法]
一実施形態のパターン硬化膜は、パターンを有し、パターンが上述の感光性樹脂組成物からなる樹脂膜の硬化物を含む。パターン硬化膜は、上述の感光性樹脂組成物を加熱することによって得られる。以下、パターン硬化膜の製造方法について説明する。
本実施形態のパターン硬化膜の製造方法は、上述の感光性樹脂組成物を基板の一部又は全部に塗布及び乾燥し樹脂膜を形成する工程(塗布・乾燥(成膜)工程)と、樹脂膜の一部又は全部を露光する工程(露光工程)と、露光後の樹脂膜をアルカリ水溶液によって現像してパターン樹脂膜を形成する工程(現像工程)と、パターン樹脂膜を加熱する工程(加熱処理工程)とを備える。以下、各工程について説明する。
<塗布・乾燥(成膜)工程>
まず、本実施形態の感光性樹脂組成物を基板上に塗布し乾燥して樹脂膜を形成する。この工程では、ガラス基板、半導体、金属酸化物絶縁体(例えば、TiO、SiO等)、窒化ケイ素等の基板上に、本実施形態の感光性樹脂組成物を、スピンナー等を用いて回転塗布し、塗膜を形成する。塗膜の厚さは特に制限されないが、0.1〜40μmであってよい。この塗膜が形成された基板をホットプレート、オーブン等を用いて乾燥する。乾燥温度及び乾燥時間は特に制限されないが、80〜140℃、1〜7分間であってよい。これによって、支持基板上に樹脂膜が形成される。樹脂膜の厚さは特に制限されないが、0.1〜40μmであってよい。
<露光工程>
次に、露光工程では、基板上に形成した樹脂膜に、マスクを介して紫外線、可視光線、放射線等の活性光線を照射する。本実施形態の感光性樹脂組成物において、(A)成分はi線に対する透明性が高いので、i線の照射を好適に用いることができる。なお、露光後、必要に応じて、溶解速度を向上させる観点から露光後加熱(PEB)を行うこともできる。露光後加熱を行なう場合の温度は70℃〜140℃、露光後加熱の時間は1〜5分間であってよい。
<現像工程>
現像工程では、露光工程後の樹脂膜の露光部を現像液で除去することによって、樹脂膜がパターン化され、パターン樹脂膜が得られる。現像液としては、例えば、炭酸ナトリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、ケイ酸ナトリウム、アンモニア、エチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、トリエタノールアミン、水酸化テトラメチルアンモニウム(TMAH)等のアルカリ水溶液が好適に用いられる。これらの水溶液の塩基濃度は、0.1〜10質量%であってよい。さらに、上記現像液にアルコール類又は界面活性剤を添加して使用することもできる。これらはそれぞれ、現像液100質量部に対して、0.01〜10質量部又は0.1〜5質量部の範囲で配合してよい。現像液を用いて現像を行なう場合は、例えば、シャワー現像、スプレー現像、浸漬現像、パドル現像等の方法によって、現像液を樹脂膜上に配し、18〜40℃の条件下、30〜360秒間放置する。放置後、水洗しスピン乾燥を行うことによってパターン樹脂膜を洗浄する。
<加熱処理工程>
次いで、加熱処理工程では、パターン樹脂膜を加熱処理することによって、パターン硬化膜を形成することができる。加熱処理工程における加熱温度は、半導体装置に対する熱によるダメージを充分に防止する点から、250℃以下又は230℃以下であってよい。
加熱処理は、例えば、石英チューブ炉、ホットプレート、ラピッドサーマルアニール、縦型拡散炉、赤外線硬化炉、電子線硬化炉、マイクロ波硬化炉等のオーブンを用いて行うことができる。また、大気中又は窒素等の不活性雰囲気中いずれを選択することもできるが、窒素下で行う方がパターンの酸化を防ぐことができるので望ましい。上述の加熱温度の範囲は従来の加熱温度よりも低いため、支持基板及び半導体装置へのダメージを小さく抑えることができる。従って、本実施形態のパターン硬化膜の製造方法を用いることによって、電子デバイスを歩留まり良く製造することができる。また、プロセスの省エネルギー化につながる。さらに、本実施形態の感光性樹脂組成物によれば、感光性ポリイミド等に見られる加熱処理工程における体積収縮(硬化収縮)が小さいため、寸法精度の低下を防ぐことができる。
加熱処理工程における加熱処理時間は、感光性樹脂組成物が硬化するのに充分な時間であればよいが、作業効率との兼ね合いから、5時間以下であってよい。
また、加熱処理は、上述のオーブンの他、マイクロ波硬化装置又は周波数可変マイクロ波硬化装置を用いて行うこともできる。これらの装置を用いることによって、基板及び半導体装置の温度を所望の温度(例えば、200℃以下)に保ちつつ、樹脂膜のみを効果的に加熱することが可能である(J.Photopolym.Sci.Technol.,18,327−332(2005)参照)。
上述の本実施形態のパターン硬化膜の製造方法によれば、充分に高い感度及び解像度で、密着性及び熱衝撃性にも優れるパターン硬化膜が得られる。
[層間絶縁層、表面保護層]
本実施形態のパターン硬化膜は、半導体素子の層間絶縁層又は表面保護層として用いることができる。
[半導体素子]
一実施形態の半導体素子は、本実施形態の層間絶縁層又は表面保護層を備える。本実施形態の半導体素子は、特に制限されないが、多層配線構造、再配線構造等を有する、メモリ、パッケージ等のことを意味する。
ここで、半導体素子の製造工程の一例を図面に基づいて説明する。図1〜5は、多層配線構造を有する半導体素子の製造工程の一実施形態を示す概略図(概略斜視図及び概略端面図)である。図1〜5中、(a)は概略斜視図であり、(b)は、それぞれ(a)におけるIb−Ib〜Vb−Vb端面を示す概略端面図である。
まず、図1に示す構造体100を準備する。構造体100は、回路素子を有するSi基板等の半導体基板1と、回路素子が露出する所定のパターンを有し、半導体基板1を被覆するシリコン酸化膜等の保護膜2と、露出した回路素子上に形成された第1導体層3と、保護膜2及び第1導体層3上にスピンコート法等によって成膜されたポリイミド樹脂等からなる層間絶縁層4とを備える。
次に、層間絶縁層4上に窓部6Aを有する感光性樹脂層5を形成することによって、図2に示す構造体200を得る。感光性樹脂層5は、例えば、塩化ゴム系、フェノールノボラック系、ポリヒドロキシスチレン系、ポリアクリル酸エステル系等の感光性樹脂を、スピンコート法により塗布することによって形成される。窓部6Aは、公知の写真食刻技術によって所定部分の層間絶縁層4が露出するように形成される。
層間絶縁層4をエッチングして窓部6Bを形成した後に、感光性樹脂層5を除去し、図3に示す構造体300を得る。層間絶縁層4のエッチングには、酸素、四フッ化炭素等のガスを用いるドライエッチング手段を用いることができる。このエッチングによって、窓部6Aに対応する部分の層間絶縁層4が選択的に除去され、第1導体層3が露出するように窓部6Bが設けられた層間絶縁層4が得られる。次いで、窓部6Bから露出した第1導体層3を腐食することなく、感光性樹脂層5のみを腐食するようなエッチング溶液を用いて感光性樹脂層5を除去する。
さらに、窓部6Bに対応する部分に第2導体層7を形成し、図4に示す構造体400を得る。第2導体層7の形成には、公知の写真食刻技術を用いることができる。これによって、第2導体層7と第1導体層3との電気的接続が行われる。
最後に、層間絶縁層4及び第2導体層7上に表面保護層8を形成し、図5に示す半導体素子500を得る。本実施形態では、表面保護層8は次のようにして形成する。まず、上述の感光性樹脂組成物をスピンコート法によって層間絶縁層4及び第2導体層7上に塗布し、乾燥して樹脂膜を形成する。次に、所定部分に窓部6Cに対応するパターンを描いたマスクを介して光照射した後、露光後の樹脂膜をアルカリ水溶液にて現像してパターン樹脂膜を形成する。その後、パターン樹脂膜を加熱によって硬化さえることで、表面保護層8として用いられるパターン硬化膜が形成される。この表面保護層8は、第1導体層3及び第2導体層7を外部からの応力、α線等から保護するものであり、本実施形態の表面保護層8を用いた半導体素子500は信頼性に優れる。
なお、上述の実施形態では2層の配線構造を有する半導体素子の製造方法を示したが、3層以上の多層配線構造を形成する場合は、上述の工程を繰り返して行い、各層を形成することができる。すなわち、層間絶縁層4を形成する各工程、及び表面保護層8を形成する各工程を繰り返すことによって、多層のパターンを形成することが可能である。また、上記例において、表面保護層8のみでなく、層間絶縁層4も本実施形態の感光性樹脂組成物を用いて形成することが可能である。
本実施形態の電子デバイスは、上述の感光性樹脂組成物を用いて形成される表面保護層、カバーコート層又は層間絶縁層を有するものに限られず、様々な構造をとることができる。
図6及び7は、半導体素子の一実施形態を示す概略断面図である。より具体的には、再配線構造を有する半導体素子の一実施形態を示す概略断面図である。本実施形態の感光性樹脂組成物は、応力緩和性、接着性等にも優れるため、近年開発された図6及び7で示す再配線構造を有する半導体素子において使用することができる。
図6に示す半導体素子600は、シリコン基板23と、シリコン基板23の一方面側に設けられた層間絶縁層11と、層間絶縁層11上に形成された、パッド部15を含むパターンを有するAl配線層12と、パッド部15上に開口を形成しながら層間絶縁層11及びAl配線層12上に順次積層された絶縁層13(例えば、P−SiN層等)及び表面保護層14と、表面保護層14上で開口近傍に配された島状のコア18と、絶縁層13及び表面保護層14の開口内でパッド部15と接するとともにコア18の表面保護層14とは反対側の面に接するように表面保護層14上に延在する再配線層16とを備える。さらに、半導体素子600は、表面保護層14、コア18、及び再配線層16を覆って形成され、コア18上の再配線層16の部分に開口が形成されているカバーコート層19と、カバーコート層19の開口においてバリアメタル20を間に挟んで再配線層16と接続された導電性ボール17と、導電性ボールを保持するカラー21と、導電性ボール17周囲のカバーコート層19上に設けられたアンダーフィル22とを備える。導電性ボール17は外部接続端子として用いられ、はんだ、金等から形成される。アンダーフィル22は、半導体素子600を実装する際に応力を緩和するために設けられている。
図7の半導体素子700においては、シリコン基板23上にAl配線層(図示せず)及びAl配線層のパッド部15が形成されており、その上部には絶縁層13が形成され、さらに素子の表面保護層14が形成されている。パッド部15上には、再配線層16が形成され、この再配線層16は、導電性ボール17との接続部24の上部まで伸びている。さらに、表面保護層14の上には、カバーコート層19が形成されている。再配線層16は、バリアメタル20を介して導電性ボール17に接続されている。
図6及び7の半導体素子において、感光性樹脂組成物は、層間絶縁層11及び表面保護層14ばかりではなく、カバーコート層19、コア18、カラー21、アンダーフィル22等を形成するための材料として使用することができる。本実施形態の感光性樹脂組成物を用いたパターン硬化膜は、Al配線層12、再配線層16等のメタル層、封止剤などとの接着性に優れ、応力緩和効果も高いため、このパターン硬化膜を層間絶縁層11、表面保護層14、カバーコート層19、コア18、はんだ等のカラー21、フリップチップ等で用いられるアンダーフィル22等に用いた半導体素子は、極めて信頼性に優れるものとなる。
本実施形態の感光性樹脂組成物は、図6及び7における再配線層16を有する半導体素子の層間絶縁層11、表面保護層14、又はカバーコート層19に用いることが好適である。
層間絶縁層11、表面保護層14及び上記カバーコート層19の膜厚は、3〜20μm又は5〜15μmであってよい。
[電子デバイス]
一実施形態の電子デバイスは、本実施形態の半導体素子を有する。電子デバイスとは、上述の半導体素子を含むものであり、例えば、携帯電話、スマートフォン、タブレット型端末、パソコン、ハードディスクサスペンション等が挙げられる。
以下に、本発明を実施例に基づいて具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
実施例で用いた材料を以下に示す。
<(A)成分:アルカリ可溶性樹脂>
A1:4−ヒドロキシスチレン/スチレン(85/15(モル比))の共重合体(重量平均分子量:10000、丸善石油化学株式会社製、商品名「マルカリンカーCST」)
A2:4−ヒドロキシスチレン/スチレン(70/30(モル比))の共重合体(重量平均分子量:10000、丸善石油化学株式会社製、商品名「マルカリンカーCST」)
なお、重量平均分子量は、それぞれゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法を用いて、標準ポリスチレン換算によって求めた。
具体的には、以下の装置及び条件にて重量平均分子量を測定した。
測定装置:
検出器:株式会社日立製作所製L4000UV
ポンプ:株式会社日立製作所製L6000
カラム:Gelpack GL−S300MDT−5×2本
測定条件:
溶離液:THF
LiBr(0.03mol/l)、HPO(0.06mol/l)
流速:1.0ml/分、検出器:UV270nm
試料0.5mgに対して溶媒[THF/DMF=1/1(容積比)]1mlの溶液を用いて測定した。
<(B)成分:光によって酸を生成する化合物>
B1:o−キノンジアジド化合物(4,4'−(1−{4−[1−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルエチル]フェニル}エチリデン)ビスフェノールと1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホニルクロライドとの縮合物、ダイトーケミックス株式会社製、商品名「PA−28」)
<(C)成分:熱架橋剤>
C1:ヘキサキス(メトキシメチル)メラミン(日本サイテックインダストリーズ株式会社製、商品名「Cymel−300」)
<(D)成分:エラストマ>
D1:撹拌機、窒素導入管、及び温度計を備えた100mlの三口フラスコに、乳酸エチル55gを秤取し、別途に秤取した重合性単量体(アクリル酸n−ブチル(BA)34.7g、アクリル酸ドデシル(DDA)2.2g、アクリル酸(AA)3.9g、1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジン−4−イルメタクリレート(商品名:LA82、日立化成株式会社製)1.7g、及びアクリル酸ヒドロキシブチル(HBA)2.6g、並びにアゾビスイソブチロニトリル(AIBN)0.29gを加えた。室温にて約160rpmの撹拌回転数で撹拌しながら、窒素ガスを400ml/分の流量で30分間流し、溶存酸素を除去した。その後、窒素ガスの流入を止め、フラスコを密閉し、恒温水槽にて約25分で65℃まで昇温した。同温度を10時間保持して重合反応を行い、アクリル系エラストマを得た。この際の重合率は99%であった。また、アクリル系エラストマの重量平均分子量は、約22000であった。なお、アクリル系エラストマにおける重合性単量体のモル比は以下のとおりである。
BA/DDA/AA/LA82/HBA=70.5/2.5/20/2/5(mol%)
<(E)成分:チオール基を有する含窒素芳香族化合物>
E1:トリチオシアヌル酸
E2:1−アリル−5−メルカプトテトラゾール
<(e)成分:チオール基を有しない含窒素芳香族化合物>
e1:5−アミノ−1H−テトラゾール
e2:1H−テトラゾール
<(F)成分:シラン化合物>
F1:3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(信越化学工業株式会社製、商品名「KBM−403」)
<(G)成分:溶解促進剤>
G1:4,4’−(1−(4−(1−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルエチル)−フェニル)−エチリデン)−ビスフェノール(本州化学工業株式会社製、商品名「TrisP−PA−MF」)
(実施例1、2及び比較例1〜4)
表1に示す配合量(質量部)の(A)〜(G)成分に、さらに乳酸エチル160質量部及び1−メトキシ−2−プロパノール5質量部を配合した。得られた混合液を3μm孔のテフロン(登録商標)フィルターを用いて加圧ろ過して、実施例1、2及び比較例1〜4の感光性樹脂組成物を調製した。
<密着性の評価>
実施例1、2及び比較例1〜4の感光性樹脂組成物を、以下の種々の基板上にスピンコートして、120℃で3分間加熱し、膜厚約11〜12μmの樹脂膜を形成した。得られた樹脂膜を、縦型拡散炉(光洋サーモシステム株式会社製、商品名「μ−TF」)を用いて、窒素中、温度230℃(昇温時間1.5時間)で2時間、塗膜を加熱処理(硬化)し、膜厚約10μmの硬化膜を得た。得られた硬化膜付き基板を、小型高温チャンバー(エスペック株式会社製、商品名「ST−120」)内に入れ、150℃、1000時間の条件(条件1)又は175℃、1000時間(条件2)の条件で加熱した。加熱後の硬化膜に、クロスカットガイド(コーテック株式会社製)を用いてカミソリで10×10の碁盤目の切り込みを入れ、硬化膜を100個の小片に分割し、評価サンプルを作製した。粘着テープ(ニチバン株式会社製)を貼り付けた後、剥離した。粘着テープを剥離したときの基板に残存する小片の残存面積に基づき、以下の評価基準で密着性を評価した。評価基準は、以下のとおりである。結果を表1に示す。
A:95%以上
B:80%以上95%未満
C:80%未満
密着性の評価に用いた基板は、以下のとおりである。
銅基板1:アドバンスマテリアルズテクノロジー株式会社製、商品名「銅メッキウェハ」
銅基板2:アドバンスマテリアルズテクノロジー株式会社製、商品名「銅スパッタウェハ」
パラジウム基板:株式会社アドバンテック製、商品名「パラジウムウェハ」
なお、比較例1〜4の感光性樹脂組成物は、銅基板に対する密着性が充分でなかったことから、パラジウム基板に対する密着性の評価を行わなかった。
Figure 2020079846
表1に示すように、チオール基を有する含窒素芳香族化合物を含有する実施例1、2の感光性樹脂組成物は、それを含有しない比較例1〜4の感光性樹脂組成物に比べて、得られた硬化膜において、基板に対する密着性に優れていた。このような結果から、本発明の感光性樹脂組成物が、基板に対して良好な密着性を有する硬化膜を形成することが可能であることが確認された。
1…半導体基板、2…保護膜、3…第1導体層、4…層間絶縁層、5…感光性樹脂層、6A,6B,6C…窓部、7…第2導体層、8…表面保護層、11…層間絶縁層、12…Al配線層、13…絶縁層、14…表面保護層、15…パッド部、16…再配線層、17…導電性ボール、18…コア、19…カバーコート層、20…バリアメタル、21…カラー、22…アンダーフィル、23…シリコン基板、24…接続部、100,200,300,400…構造体、500,600,700…半導体素子。

Claims (11)

  1. アルカリ可溶性樹脂と、
    光によって酸を生成する化合物と、
    熱架橋剤と、
    エラストマと、
    チオール基を有する含窒素芳香族化合物と、
    を含有する、感光性樹脂組成物。
  2. 前記含窒素芳香族化合物が、3以上の窒素原子を有する芳香族化合物である、請求項1に記載の感光性樹脂組成物。
  3. 前記含窒素芳香族化合物が、トリアジン化合物、トリアゾール化合物、及びテトラゾール化合物からなる群より選ばれる少なくも1種である、請求項1又は2に記載の感光性樹脂組成物。
  4. 前記アルカリ可溶性樹脂が、下記一般式(21)で表される構造単位を有する、請求項1〜3のいずれか一項に記載の感光性樹脂組成物。
    Figure 2020079846

    [一般式(21)中、R21は水素原子又はメチル基を示し、R22は炭素数1〜10のアルキル基、炭素数6〜10のアリール基、又は炭素数1〜10のアルコキシ基を示し、aは0〜3の整数を示し、bは1〜3の整数を示す。aとbの合計は5以下である。]
  5. 前記光によって酸を生成する化合物が、o−キノンジアジド化合物である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の感光性樹脂組成物。
  6. 前記エラストマが、アクリル系エラストマを含む、請求項1〜5のいずれか一項に記載の感光性樹脂組成物。
  7. シラン化合物をさらに含有する、請求項1〜6のいずれか一項に記載の感光性樹脂組成物。
  8. パターンを有し、前記パターンが請求項1〜7のいずれか一項に記載の感光性樹脂組成物からなる樹脂膜の硬化物を含む、パターン硬化膜。
  9. 請求項1〜7のいずれか一項に記載の感光性樹脂組成物を基板の一部又は全部に塗布して樹脂膜を形成する工程と、
    前記樹脂膜の一部又は全部を露光する工程と、
    露光後の前記樹脂膜をアルカリ水溶液によって現像してパターン樹脂膜を形成する工程と、
    前記パターン樹脂膜を加熱する工程と、
    を備える、パターン硬化膜の製造方法。
  10. 請求項8に記載のパターン硬化膜を層間絶縁層又は表面保護層として備える、半導体素子。
  11. 請求項10に記載の半導体素子を備える、電子デバイス。
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