JP2020079105A - キャップ本体およびキャップ - Google Patents

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Abstract

【課題】キャップの外径を大きくすることなく、簡便な構造により容易にキャップを開栓することが可能な、キャップ本体およびキャップを提供する。【解決手段】キャップ本体20は、天板30と、天板30の外周縁30eから下方に延び、キャッピング用のローレットK1が形成された筒状体40とを有する本体部50と、本体部50の筒状体40の外面に設けられた開栓用把持部60とを備えている。開栓用把持部60は、平面視において多角形状を有する。【選択図】図1

Description

本発明は、キャップ本体およびキャップに関する。
従来から、飲料用の容器に用いられるキャップとして、円筒形状のキャップが用いられている。このようなキャップでは、キャップ開栓時のグリップ性を向上させるために、キャップの外径を大きくし、キャップを握りやすくするなど、様々な工夫がなされている。キャップ開栓時のグリップ性を向上させるための手段として、例えば、キャップの外周面に開栓用すべり止めが設けられたキャップが提案されている(例えば、特許文献1)。特許文献1に示すキャップでは、その表面に凹部が設けられた開栓用すべり止めが設けられている。
特開2004−196383号公報
しかしながら、特許文献1に示すキャップでは、開栓用すべり止めの表面に凹部を設ける必要があり、生産性が低下するといった問題がある。また、内容物にゼリー飲料等が充填されるスパウト付き容器においては、外径の小さいキャップが望まれており、キャップの外径が小さい場合、外周面にすべり止めを設けただけでは、開栓時に指が滑りやすいといった問題がある。
本発明はこのような点を考慮してなされたものであり、キャップの外径を大きくすることなく、簡便な構造により容易にキャップを開栓することが可能な、キャップ本体およびキャップを提供することを目的とする。
本発明は、天板と、前記天板の外周縁から下方に延び、キャッピング用のローレットが形成された筒状体とを有する本体部と、前記本体部の前記筒状体の外面に設けられた開栓用把持部とを備え、前記開栓用把持部は、平面視において多角形状を有する、キャップ本体である。
本発明は、前記開栓用把持部は、エラストマー樹脂を含む、キャップ本体である。
本発明は、前記筒状体は、前記天板の下方に配置された小径部と、前記小径部の下方に配置された大径部とを含み、前記開栓用把持部は、前記大径部に設けられている、キャップ本体である。
本発明は、前記小径部に設けられ、円周方向に沿って互いに離間して配置された複数の把持部形成用補助部を更に備え、前記複数の把持部形成用補助部は、それぞれ前記開栓用把持部に接続されている、キャップ本体である。
本発明は、前記把持部形成用補助部は、エラストマー樹脂を含む、キャップ本体である。
本発明は、前記キャップ本体は、前記天板に設けられ、前記天板の中心から放射状に延びる複数の放射状部を更に備え、前記複数の放射状部は、それぞれ対応する前記把持部形成用補助部に接続されている、キャップ本体である。
本発明は、前記放射状部は、エラストマー樹脂を含む、キャップ本体である。
本発明は、前記開栓用把持部、前記把持部形成用補助部および前記放射状部は、互いに同一の材料からなる、キャップ本体である。
本発明は、本発明によるキャップ本体と、前記キャップ本体の前記筒状体に連結されたピルファープルーフバンドとを備える、キャップである。
本発明によれば、キャップの外径を大きくすることなく、簡便な構造により容易にキャップを開栓することができる。
図1は、本発明の一実施の形態によるキャップを示す斜視図である。 図2は、本発明の一実施の形態によるキャップを示す分解斜視図である。 図3は、本発明の一実施の形態によるキャップを示す平面図である。 図4Aは、本発明の一実施の形態によるキャップを示す断面図(図3のIVA-IVA線断面図)である。 図4Bは、本発明の一実施の形態によるキャップを示す断面図(図3のIVB-IVB線断面図)である。 図5Aは本発明の一実施の形態によるキャップを作製するための第1金型を示す断面図である。 図5Bは本発明の一実施の形態によるキャップを作製するための第2金型を示す断面図である。 図6A(a)−(b)は、本発明の一実施の形態によるキャップの製造方法を示す断面図である。 図6B(a)−(b)は、本発明の一実施の形態によるキャップの製造方法を示す断面図である。 図7A(a)−(b)は、本発明の一実施の形態によるキャップの製造方法を示す断面図である。 図7B(a)−(b)は、本発明の一実施の形態によるキャップの製造方法を示す断面図である。 図7C(a)−(b)は、本発明の一実施の形態によるキャップの製造方法を示す断面図である。
以下、図面を参照して本発明の一実施の形態について説明する。図1乃至図7Cは本発明の一実施の形態を示す図である。
まず、図1及び図2により、本実施の形態によるキャップの概要について説明する。本実施の形態によるキャップは、例えばスパウト付き容器や、PETボトル等の容器を閉栓する際に好適に使用することができる。なお、本明細書中、「上」および「下」とは、それぞれキャップ10を正立させた状態(図4A及び図4B)における上方および下方のことをいう。
図1及び図2に示すように、キャップ10は、キャップ本体20と、キャップ本体20の後述する筒状体40に連結されたピルファープルーフバンド70とを備えている。ここでは、まず、キャップ本体20について説明する。
キャップ本体
図1乃至図4Bに示すように、キャップ本体20は、天板30と、天板30の外周縁30eから下方に延び、キャッピング用のローレットK1が形成された筒状体40とを有する本体部50と、本体部50の筒状体40の外面に設けられた開栓用把持部60とを備えている。また、キャップ本体20は、本体部50の筒状体40の後述する小径部41に設けられ、円周方向に沿って互いに離間して配置された複数の把持部形成用補助部61を更に備えている。さらに、キャップ本体20は、本体部50の天板30に設けられ、天板30の中心から放射状に延びる複数の放射状部62を更に備えている。
本体部50の天板30は、円盤状に形成されており、天板30には、天板30の中心から放射状に延びる複数の放射状部用溝31が形成されている。この放射状部用溝31は、後述する放射状部62が射出成形により形成される際に、射出樹脂の流路としての役割を果たす。図1乃至図3に示すように、本実施の形態では、天板30には6つの放射状部用溝31が形成されている。また、図3に示すように、各々の放射状部用溝31は、平面視において約60°ずつ等配となるように配置されている。6本の放射状部用溝31は、天板30の中心に位置する中央部30cで互いに連結されている。また、図1乃至図3に示すように、複数の放射状部用溝31は、それぞれ対応する、後述する補助部用溝43に接続されている。これにより、開栓用把持部60を形成する際に、放射状部用溝31を通過した射出樹脂が、後述する補助部用溝43に供給されるように構成されている。このため、開栓用把持部60を形成する際に、把持部形成用補助部61を容易に形成することができるようになっている。なお、放射状部用溝31の個数は、形成する放射状部62の個数に基づいて任意に変更することができる。
また、図4A及び図4Bに示すように、天板30の内面のうち、略中央部には下方に突出した栓部32が設けられている。また、栓部32の先端部には環状アンダーカット33が設けられ、環状アンダーカット33が、図示しない容器の口部に嵌合するように構成されている。
本体部50の筒状体40は、図1乃至図3に示すように、天板30の下方に配置された小径部41と、小径部41の下方に配置された大径部42とを有している。このうち小径部41は、筒状体40の略上半分の領域に配置されている。一方、大径部42は、筒状体40の略下半分の位置に配置されている。小径部41および大径部42は、それぞれ全体として略均一な径をもつ円筒形状を有しており、大径部42は、小径部41よりも径が大きくなっている。なお、小径部41および大径部42は、六角形筒形状や八角形筒形状等の多角形筒形状を有していても良い。この場合、小径部41および大径部42が互いに異なる筒形状を有していても良い。
このうち、小径部41には、上述したローレットK1が複数形成されている。また、小径部41には、円周方向に沿って互いに離間して配置された複数の補助部用溝43が形成されている。この補助部用溝43は、後述する把持部形成用補助部61が射出成形により形成される際に、射出樹脂の流路としての役割を果たす。図3に示すように、本実施の形態では、小径部41には6つの補助部用溝43が形成されている。各々の補助部用溝43は、平面視において約60°ずつ等配となるように配置されている。また、図1及び図2に示すように、補助部用溝43は、上下方向に沿って延びている。上述したように、これらの複数の補助部用溝43の上端は、それぞれ対応する、天板30に設けられた放射状部用溝31に接続されている。また、複数の補助部用溝43の下端は、それぞれ対応する、後述する把持部用溝44に接続されている。これにより、開栓用把持部60を形成する際に、補助部用溝43を通過した射出樹脂が、後述する把持部用溝44に供給されるように構成されている。このため、開栓用把持部60を容易に形成することができるようになっている。なお、上述したローレットK1は、円周方向に隣接する補助部用溝43の間に配置されており、ローレットK1は、円周方向に隣接する補助部用溝43の間に5本ずつ、合計30本設けられている。
また、筒状体40の大径部42には、円周方向に沿って互いに離間して配置された複数の把持部用溝44が形成されている。この把持部用溝44は、後述する開栓用把持部60が射出成形により形成される際に、射出樹脂の流路としての役割を果たす。図3に示すように、本実施の形態では、大径部42には6つの把持部用溝44が形成されている。各々の把持部用溝44は、平面視において約60°ずつ等配となるように配置されている。また、図1及び図2に示すように、把持部用溝44は、上下方向に沿って延びている。上述したように、これらの複数の把持部用溝44の上端は、それぞれ対応する、小径部41に設けられた補助部用溝43に接続されている。また、複数の把持部用溝44の下端は、それぞれ大径部42で終端している。なお、把持部用溝44が大径部42の高さ方向の全域に亘って延びていても良い。
また、図4A及び図4Bに示すように、筒状体40の大径部42の内面に、図示しない容器の口部のねじ部に螺合するねじ部45が形成されている。なお、キャップ本体20は、打栓式であっても良い。
また、大径部42の下端に、樹脂受け部46が設けられている。この樹脂受け部46は、平面視において多角形状を有しており、開栓用把持部60の後述する平面視形状と略同一の平面視形状を有している。大径部42の下端に開栓用把持部60と略同一の平面視形状を有する樹脂受け部46を設けることにより、本体部50と開栓用把持部60との一体性を高めることができ、キャップ本体20の意匠性を向上させることができる。
次に、キャップ本体20の開栓用把持部60について説明する。
図1乃至図3に示すように、開栓用把持部60は、筒状体40の大径部42の外面42aに設けられている。この場合、上述したように、大径部42は、筒状体40の略下半分の領域に配置されている。このため、大径部42に設けられた開栓用把持部60は、キャップ本体20の略下半分の領域に配置されている。このように、開栓用把持部60が大径部42に設けられることにより、使用者が開栓用把持部60を把持しやすくすることができ、キャップ10のグリップ性を向上させることができる。この開栓用把持部60は、図3に示すように、平面視において多角形状を有している。多角形は、角部60aを含み、角部60aは、多角形(この場合、正六角形)の各角に配置されている。ここで、「多角形状」とは、多角形の角部が丸められていたり、多角形の各辺に凹凸(例えば、後述するローレットK2)が設けられていたりする形状を含む概念である。本実施の形態では、図3に示すように、多角形の角部60aが丸められ、角部60aの円周方向両側に半径方向内方に窪む凹部60bが設けられている。開栓用把持部60が平面視において多角形状を有することにより、使用者がキャップ10を開栓する際に、開栓用把持部60に対する使用者の指の指掛かり性を向上させることができ、キャップ10のグリップ性を向上させることができる。すなわち、使用者がキャップ10を開栓する際に、まず、使用者の指が、開栓用把持部60のうち、平面視において多角形状の角部60aと角部60aとの間の辺を構成する平面に当接する。そして、使用者がキャップ10を開栓方向に回転させると、使用者の指が、開栓用把持部60の角部60aに引っ掛かる。このように、使用者の指が開栓用把持部60の角部60aに引っ掛かることにより、開栓用把持部60に対する使用者の指の指掛かり性を向上させることができ、キャップ10のグリップ性を向上させることができる。このため、キャップ10に対して、開栓方向の力を作用させやすくなり、容易にキャップ10を開栓することができる。本実施の形態では、開栓用把持部60は、平面視において六角形状を有している。なお、開栓用把持部60は、平面視において多角形状を有していれば良く、例えば五角形状や八角形状であっても良い。また、開栓用把持部60の角部60aの円周方向両側に、凹部60bが設けられていなくても良い。
また、図1乃至図3に示すように、この開栓用把持部60は、筒状体40の大径部42の外面42aの全域を覆うように設けられている。これにより、使用者がキャップ10を開栓する際に、使用者の指が開栓用把持部60に確実に当接し、開栓用把持部60に対する使用者の指の指掛かり性を更に向上させることができる。さらに、開栓用把持部60は、使用者がキャップ10を開栓する際に、使用者の指掛かり性を向上させるためのローレットK2を含んでいる。このローレットK2は、開栓用把持部60のうち、平面視において多角形状の角部60aと角部60aとの間の辺を構成する平面において、大径部42の円周方向に沿って略等間隔で形成されている。この場合、例えばローレットK2のピッチPは、1.5mm程度とすることができる。また、図3に示すように、ローレットK2は、角部60aよりも高さ(径方向距離)が低くなっていても良い。また、ローレットK2は、大径部42の高さ方向全域に延在していても良い。
また、キャップ本体20は、本体部50の筒状体40の小径部41に設けられ、円周方向に沿って互いに離間して配置された複数の把持部形成用補助部61を更に備えている。この場合、上述したように、小径部41は、筒状体40の略上半分の領域に配置されている。このため、小径部41に設けられた各々の把持部形成用補助部61は、キャップ本体20の略上半分の領域に配置されている。このように、小径部41に把持部形成用補助部61が設けられることにより、後述するように、上述した開栓用把持部60を容易に形成することができる。また、使用者がキャップ10を開栓する際に、把持部形成用補助部61に使用者の指が当接し得る。これにより、キャップ10に対する使用者の指の指掛かり性を更に向上させることもできる。また、図3に示すように、本実施の形態では、小径部41には6つの把持部形成用補助部61が設けられている。この把持部形成用補助部61は、上述した補助部用溝43に対応する位置に設けられており、各々の把持部形成用補助部61は、平面視において約60°ずつ等配となるように配置されている。また、図1及び図2に示すように、把持部形成用補助部61は、上下方向に沿って延びている。これらの複数の把持部形成用補助部61の上端は、それぞれ対応する、天板30に設けられた放射状部62に接続されている。また、複数の把持部形成用補助部61の下端は、それぞれ開栓用把持部60に接続されている。この把持部形成用補助部61は、後述するように、開栓用把持部60を形成する際に、補助部用溝43を通る射出樹脂により設けられたものである。
また、図1乃至図3に示すように、キャップ本体20は、本体部50の天板30に設けられ、天板30の中心から放射状に延びる複数の放射状部62を更に備えている。本実施の形態では、天板30には6つの放射状部62が設けられている。この放射状部62は、上述した放射状部用溝31に対応する位置に設けられており、各々の放射状部62は、平面視において約60°ずつ等配となるように配置されている。6本の放射状部62は、天板30の中心に位置する中央部62cで互いに連結されている。また、上述したように、複数の放射状部62は、それぞれ対応する把持部形成用補助部61に接続されている。この放射状部62は、後述するように、開栓用把持部60を形成する際に、放射状部用溝31を通る射出樹脂により設けられたものである。
ピルファープルーフバンド
次に、ピルファープルーフバンドについて説明する。図1、図2、図4A及び図4Bに示すように、ピルファープルーフバンド70は、筒状体40の下端部に、樹脂受け部46に結合された複数のブリッジ71を介して連結されている。この複数のブリッジ71のうち、少なくとも1つは、破断可能になっている。また、ピルファープルーフバンド70は、周方向に分割された複数のリング分割体70aを有している。この場合、周方向で互いに隣接するリング分割体70aは、破断可能な連結部材72により、互いに連結されている。
キャップ10が上述したピルファープルーフバンド70を備えていることにより、ブリッジ71が破断されているかどうかを確認することにより、あるいは、連結部材72が破断されているかどうかを確認することにより、キャップ10の不正な開封が生じていたかどうかを判断することができる。
また、ピルファープルーフバンド70の上端に、円周方向において、キャップ本体20の開栓用把持部60の多角形状の角部60aに重なるように位置する複数の台座73が形成されている。これにより、キャップ10を、後述するリテイナー84によって後述する第2金型80Bから離型させる際に、ピルファープルーフバンド70の変形を抑制することができ、キャップ10をスムーズに離型させることができる。
ところで、上述したキャップ10のうち、キャップ本体20の本体部50、ピルファープルーフバンド70、ブリッジ71及び連結部材72は、合成樹脂材料を射出成形することにより一体に製作することができる。この場合の材料としては、例えば、PP(ポリプロピレン)、PE(ポリエチレン)等を用いることができる。
また、上述した開栓用把持部60、把持部形成用補助部61及び放射状部62は、エラストマー樹脂を含んでいても良い。開栓用把持部60、把持部形成用補助部61及び放射状部62が、エラストマー樹脂を含んでいることにより、キャップ10の滑り防止機能を向上させることができる。また、この場合、開栓用把持部60、把持部形成用補助部61及び放射状部62は、互いに同一の材料からなっていても良い。開栓用把持部60、把持部形成用補助部61及び放射状部62が、互いに同一の材料からなっていることにより、開栓用把持部60、把持部形成用補助部61および放射状部62を容易に形成することができ、キャップ10の生産性を向上させることができる。また、この場合、エラストマー樹脂としては、従来公知の熱可塑性エラストマー、例えば、スチレン系エラストマー、オレフィン系エラストマー、ウレタン系エラストマー、ポリエステル系エラストマー、ポリアミド系エラストマー等が挙げられる。また、これらの熱可塑性エラストマーの1種のみ使用しても良く、また2種以上を組み合わせて使用しても良い。
(金型の構成)
次に、図5Aおよび図5Bにより、合成樹脂材料を射出成形してキャップ本体20(キャップ10)を作製する第1金型80A、および第2金型80Bについて、説明する。
図5Aに示すように、第1金型80Aは、キャップ本体20の本体部50を作製するための第1キャビティ付き金型81Aと、第1キャビティ付き金型81A内に収容される第1コア82aおよび第2コア82bと、一対のスライドコア83と、一対のリテイナー84とを有している。このうち、第1キャビティ付き金型81Aには、本体部50の放射状部用溝31、補助部用溝43及び把持部用溝44にそれぞれ対応する凸部31a、43a、44aが形成されている。また、第1キャビティ付き金型81Aのうち、本体部50の天板30の中心に対応する位置に、射出樹脂を射出するためのゲート(注入口)81aが形成されている。この場合、第1キャビティ付き金型81A内に第1コア82aおよび第2コア82bが収容された状態で、第1キャビティ付き金型81Aと第2コア82bとの間の空間に射出樹脂(例えば、ポリプロピレン、ポリエチレン)が射出されることにより、キャップ本体20の本体部50が作製されるようになっている。また、一対のスライドコア83には、ピルファープルーフバンド70に対応する凹部83aが形成されている。
一方、図5Bに示すように、第2金型80Bは、キャップ本体20の開栓用把持部60、把持部形成用補助部61および放射状部62を作製するための第2キャビティ付き金型81Bと、第2キャビティ付き金型81B内に収容される、上述した第1コア82aおよび第2コア82bと、一対のスライドコア83と、一対のリテイナー84とを有している。
ここで、第2キャビティ付き金型81Bと第2コア82bとの間の空間は、上述した第1キャビティ付き金型81Aと第2コア82bとの間の空間よりも広くなっている。具体的には、第1金型80Aによって作製され、第2コア82bに取り付けられた本体部50と、第2キャビティ付き金型81Bとの間に空間が形成されるように構成されている。とりわけ、第2コア82bに取り付けられた本体部50のうち、放射状部用溝31、補助部用溝43及び把持部用溝44と、第2キャビティ付き金型81Bとの間に隙間が形成されるようになっている。また、第2コア82bに取り付けられた本体部50のうち、開栓用把持部60が設けられる部分と、第2キャビティ付き金型81Bとの間に空間が形成されるようになっている。このため、第1金型80Aによって作製された本体部50の外周面上に、開栓用把持部60、把持部形成用補助部61および放射状部62を形成することができるように構成されている。また、第2キャビティ付き金型81Bのうち、本体部50の天板30の中心に対応する位置に、射出樹脂を射出するためのゲート(注入口)81bが形成されている。この場合、第2キャビティ付き金型81B内に、作製された本体部50および第1コア82aおよび第2コア82bが収容された状態で、作製された本体部50と、第2キャビティ付き金型81Bとの間の空間に射出樹脂(例えば、エラストマー樹脂)が射出されることにより、キャップ本体20の開栓用把持部60、把持部形成用補助部61および放射状部62が形成されるようになっている。なお、図示はしないが、第2キャビティ付き金型81Bには、ローレットK2に対応する凹部が形成されている。
次に、本実施の形態による作用について説明する。ここでは、キャップ10の製造方法について、図6A乃至図7Cにより説明する。
(キャップの製造方法)
まず、第1キャビティ付き金型81Aと、第1コア82aと、第2コア82bと、一対のスライドコア83と、一対のリテイナー84とを有する第1金型80Aを準備する。
次に、図6A(a)に示すように、第1キャビティ付き金型81A内に第1コア82aおよび第2コア82bを収容するとともに、一対のスライドコア83と、一対のリテイナー84とを装着する。このようにして、図6A(b)に示すように、第1キャビティ付き金型81Aと、第1コア82aと、第2コア82bと、一対のスライドコア83と、一対のリテイナー84とが型締めされる。
次いで、図6B(a)に示すように、第1金型80A内に、射出樹脂を射出する。この際、第1キャビティ付き金型81Aと第2コア82bとの間の空間に、ゲート81aから射出樹脂を射出する。射出樹脂としては、例えば、ポリプロピレン、ポリエチレンを用いることができる。射出された射出樹脂は、第1キャビティ付き金型81Aおよび一対のスライドコア83と、第2コア82bとの間に侵入し、この射出樹脂によりキャップ本体20の本体部50およびピルファープルーフバンド70が成形される。この際、第1キャビティ付き金型81Aには、本体部50の放射状部用溝31、補助部用溝43及び把持部用溝44にそれぞれ対応する凸部31a、43a、44aが形成されている(図5A参照)。これにより、本体部50に、放射状部用溝31、補助部用溝43及び把持部用溝44がそれぞれ形成される。
そして、図6B(b)に示すように、第1金型80Aのうち、第1キャビティ付き金型81Aが、第2コア82bに取り付けられた本体部50から取り外される。
次に、第2金型80Bの第2キャビティ付き金型81Bを準備する。次いで、図7A(a)に示すように、第2キャビティ付き金型81Bを、作製された本体部50に装着する。このようにして、図7A(b)に示すように、第2キャビティ付き金型81Bと、第1コア82aと、第2コア82bと、一対のスライドコア83と、一対のリテイナー84とが型締めされる。
次いで、図7B(a)に示すように、第2金型80B内に、射出樹脂を射出する。この際、第2キャビティ付き金型81Bと本体部50との間の空間に、ゲート81bから射出樹脂を射出する。射出樹脂としては、例えば、エラストマー樹脂を用いることができる。射出された射出樹脂は、第2キャビティ付き金型81Bと本体部50との間に侵入する。ここで、第2キャビティ付き金型81Bと第2コア82bとの間の空間は、第1キャビティ付き金型81Aと第2コア82bとの間の空間よりも広くなっている。すなわち、第2コア82bに取り付けられた本体部50と、第2キャビティ付き金型81Bとの間に空間が形成されるように構成されている。とりわけ、第2コア82bに取り付けられた本体部50のうち、放射状部用溝31、補助部用溝43及び把持部用溝44と、第2キャビティ付き金型81Bとの間に隙間が形成されている。また、第2コア82bに取り付けられた本体部50のうち、開栓用把持部60が設けられる部分と、第2キャビティ付き金型81Bとの間に空間が形成されている。このため、射出された射出樹脂は、天板30の中心から、放射状部用溝31を通って天板30上を放射状に広がり、補助部用溝43に到達する。そして、補助部用溝43に到達した射出樹脂は、把持部用溝44に到達する。その後、把持部用溝44に到達した射出樹脂は、本体部50の筒状体40の大径部42と、第2キャビティ付き金型81Bとの間に広がり、開栓用把持部60、把持部形成用補助部61および放射状部62が形成される。
このようにして、第2金型80B内でキャップ本体20(キャップ10)が得られる。次に、図7B(b)に示すように、第2金型80Bのうち、第2キャビティ付き金型81Bが、第2コア82bに取り付けられたキャップ本体20(キャップ10)から取り外される。また、この際、第1コア82aが、第2コア82bから離れるように移動する。
次に、図7C(a)に示すように、第1コア82aおよび第2コア82bが、キャップ本体20(キャップ10)から取り外される。
次いで、一対のスライドコア83を互いに離間する方向へスライドさせた後に、一対のリテイナー84をキャップ本体20(キャップ10)に対して押し付けることにより、キャップ本体20(キャップ10)が取り出される。このようにして、本体部50と、本体部50の筒状体40の外面42aに設けられた開栓用把持部60とを備えるキャップ本体20が得られる。
ここで、筒状体40の大径部42の外面42aに設けられた開栓用把持部60は、平面視において多角形状を有している(図3参照)。これにより、使用者がキャップ10を開栓する際に、開栓用把持部60に対する使用者の指の指掛かり性を向上させることができる。すなわち、使用者がキャップ10を開栓する際に、まず、使用者の指が、開栓用把持部60のうち、平面視において多角形状の角部と角部との間の辺を構成する平面に当接する。そして、使用者がキャップ10を開栓方向に回転させると、使用者の指が、開栓用把持部60の角部60aに引っ掛かる。このように、使用者の指が開栓用把持部60の角部60aに引っ掛かることにより、開栓用把持部60に対する使用者の指の指掛かり性を向上させることができ、キャップ10のグリップ性を向上させることができる。このため、キャップ10に対して、開栓方向の力を作用させやすくなり、容易にキャップ10を開栓することができる。
以上のように本実施の形態によれば、開栓用把持部60が、平面視において多角形状を有している。これにより、使用者がキャップ10を開栓する際に、使用者の指と、開栓用把持部60との間の指掛かり性を向上させることができる。このため、キャップ10に対して、開栓方向の力を作用させやすくなり、容易にキャップ10を開栓することができる。
また、本実施の形態によれば、開栓用把持部60が、エラストマー樹脂を含んでいる。これにより、キャップ10の滑り防止機能を向上させることができる。このため、更に容易にキャップ10を開栓することができる
また、本実施の形態によれば、筒状体40は、天板30の下方に配置された小径部41と、小径部41の下方に配置された大径部42とを有し、開栓用把持部60は、大径部42に設けられている。このように、開栓用把持部60が大径部42に設けられることにより、使用者が開栓用把持部60を把持しやすくすることができる。このため、キャップ10のグリップ性を更に向上させることができる。
また、本実施の形態によれば、小径部41には、円周方向に沿って互いに離間して配置された複数の把持部形成用補助部61が設けられ、複数の把持部形成用補助部61は、それぞれ開栓用把持部60に接続されている。これにより、開栓用把持部60を形成する際に、補助部用溝43を通過した射出樹脂が、把持部用溝44に供給され、開栓用把持部60を容易に形成することができる。また、使用者がキャップ10を開栓する際に、把持部形成用補助部61に使用者の指が当接し得る。これにより、キャップ10に対する使用者の指の指掛かり性を更に向上させることもできる。このため、キャップ10の滑り止め機能を向上させることができ、使用者がキャップ10の開栓作業を更に容易に行うことができる。
また、本実施の形態によれば、把持部形成用補助部61は、エラストマー樹脂を含んでいる。これにより、キャップ10の滑り防止機能を向上させることができ、使用者が把持部形成用補助部61を把持することにより、キャップ10を更に握りやすくすることができる。
また、本実施の形態によれば、天板30には、天板30の中心から放射状に延びる複数の放射状部62が設けられ、複数の放射状部62は、それぞれ対応する把持部形成用補助部61に接続されている。これにより、開栓用把持部60を形成する際に、放射状部用溝31を通過した射出樹脂が、補助部用溝43に供給され、開栓用把持部60を形成する際に、把持部形成用補助部61を容易に形成することができる。
また、本実施の形態によれば、開栓用把持部60、把持部形成用補助部61および放射状部62は、互いに同一の材料からなっている。これにより、開栓用把持部60、把持部形成用補助部61および放射状部62を容易に形成することができ、キャップ10の生産性を向上させることができる。
なお、上述した本実施の形態において、ピルファープルーフバンド70が、複数のブリッジ71を介して連結されている例について説明したが、これに限られない。例えば、図示はしないが、ピルファープルーフバンド70が、単一のブリッジ71を介して筒状体40に連結されていても良い。
また、上述した本実施の形態において、ピルファープルーフバンド70が、周方向に分割された複数のリング分割体70aを有している例について説明したが、これに限られない。例えば、図示はしないが、単一の部材により構成されていても良い。
上記実施の形態および変形例に開示されている複数の構成要素を必要に応じて適宜組合せることも可能である。あるいは、上記実施の形態および変形例に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。
10 キャップ
20 キャップ本体
30 天板
31 放射状部用溝
40 筒状体
41 小径部
42 大径部
43 補助部用溝
44 把持部用溝
50 本体部
60 開栓用把持部
61 把持部形成用補助部
62 放射状部
70 ピルファープルーフバンド
K1 ローレット

Claims (9)

  1. 天板と、前記天板の外周縁から下方に延び、キャッピング用のローレットが形成された筒状体とを有する本体部と、
    前記本体部の前記筒状体の外面に設けられた開栓用把持部とを備え、
    前記開栓用把持部は、平面視において多角形状を有する、キャップ本体。
  2. 前記開栓用把持部は、エラストマー樹脂を含む、請求項1に記載のキャップ本体。
  3. 前記筒状体は、前記天板の下方に配置された小径部と、前記小径部の下方に配置された大径部とを含み、前記開栓用把持部は、前記大径部に設けられている、請求項1または2に記載のキャップ本体。
  4. 前記小径部に設けられ、円周方向に沿って互いに離間して配置された複数の把持部形成用補助部を更に備え、前記複数の把持部形成用補助部は、それぞれ前記開栓用把持部に接続されている、請求項3に記載のキャップ本体。
  5. 前記把持部形成用補助部は、エラストマー樹脂を含む、請求項4に記載のキャップ本体。
  6. 前記キャップ本体は、前記天板に設けられ、前記天板の中心から放射状に延びる複数の放射状部を更に備え、前記複数の放射状部は、それぞれ対応する前記把持部形成用補助部に接続されている、請求項4または5に記載のキャップ本体。
  7. 前記放射状部は、エラストマー樹脂を含む、請求項6に記載のキャップ本体。
  8. 前記開栓用把持部、前記把持部形成用補助部および前記放射状部は、互いに同一の材料からなる、請求項6または7に記載のキャップ本体。
  9. 請求項1乃至8のいずれか一項に記載のキャップ本体と、
    前記キャップ本体の前記筒状体に連結されたピルファープルーフバンドとを備える、キャップ。
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