JP2020078832A - ポーラスチャックテーブル及びポーラスチャックテーブルの製造方法 - Google Patents

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浩司 楠部
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Abstract

【課題】チャックテーブルの保持面で被加工物を直接吸引保持する場合に、ポーラスプレートの外周領域の気孔が切削屑等で詰まることを低減する。【解決手段】液体を供給しつつ切削ブレードで被加工物を切削する切削装置に設けられる、被加工物を吸引保持するためのポーラスチャックテーブルであって、被加工物が載置される保持面と、保持面とは反対側に位置する裏面と、保持面と裏面とを接続する側面とを有するポーラスプレートと、ポーラスプレートの側面を囲み、裏面を覆う枠体と、枠体に設けられ、吸引源に接続し該ポーラスプレートに負圧を作用させるための吸引路と、を備え、ポーラスプレートは、側面側に位置する粗ポーラス部と、粗ポーラス部によって側方を囲まれた密ポーラス部と、を有し、ポーラスプレートの保持面において、粗ポーラス部の気孔の大きさの平均は、密ポーラス部の気孔の大きさの平均よりも大きいポーラスチャックテーブルを提供する。【選択図】図2

Description

本発明は、被加工物を切削する切削装置に設けられるチャックテーブルであって、被加工物に接して被加工物を吸引保持するためのポーラスチャックテーブルに関する。
切削ブレードで半導体ウェーハ等の被加工物を表面から裏面まで切削する(即ち、フルカットする)ことにより、被加工物を複数のチップに分割する方法が知られている。しかし、切削ブレードで被加工物をフルカットすると、特に被加工物の裏面側にチッピングと呼ばれる欠けが生じやすい。
このチッピングを抑制するために、いわゆる先ダイシング(DBG:Dicing Before Grinding)という加工方法が開発された。先ダイシングでは、まず、切削ブレードで被加工物の表面側を切削して、裏面に至らない所定の深さを有する溝を形成する(即ち、被加工物をハーフカットする)。次に、研削した面に溝が露出するまで裏面側を研削することで、被加工物は複数のチップに分割される(例えば、特許文献1参照)。
被加工物は、ハーフカットされた時点では複数のチップに分割されない。それゆえ、フルカットの様に、ダイシングテープが無くとも被加工物をハンドリングできる。従って、被加工物は、ハーフカット時には、ダイシングテープを用いることなくその裏面がチャックテーブルの表面に接した状態で、チャックテーブルで吸引されて保持される。
チャックテーブルは、通常、上面側に凹部を有する金属製の枠体と、セラミックス等の多孔質材料で形成されたポーラスプレートとを有しており、ポーラスプレートは接着剤で枠体の凹部に固定されている。ポーラスプレートは、枠体の凹部に接続された流路を介して吸引源に接続されている。ポーラスプレートの表面は、被加工物の裏面側を吸引保持する保持面であり、保持面には吸引源から負圧が作用する。
特開2006−351790号公報
被加工物の裏面側を直接吸引して保持する場合には、通常、被加工物の径よりも小さい径の保持面を有するチャックテーブルが使用される。被加工物がチャックテーブルに載置された後、保持面に作用する負圧により、被加工物の裏面側は保持面に密着する。これに対して、被加工物の裏面側の外周部分は、被加工物を吸引しない枠体の表面に接しているので、枠体の表面に完全には密着しない。それゆえ、被加工物の裏面と枠体の表面との間に隙間が生じやすい。
被加工物をハーフカットする段階では、純水等の切削液を供給しながら被加工物を切削するので、切削屑を含む切削液が、被加工物の裏面と枠体の表面との隙間から、負圧が作用しているポーラスプレートの外周領域に吸い込まれる場合がある。これにより、ポーラスプレートの気孔が切削屑で詰まり、チャックテーブルの吸引力が弱くなるという問題がある。
本発明は係る問題点に鑑みてなされたものであり、チャックテーブルの保持面で被加工物を直接吸引保持する場合に、ポーラスプレートの外周領域の気孔が切削屑等で詰まることを低減するポーラスチャックテーブルを提供することを目的とする。
本発明の一態様によれば、被加工物に液体を供給しつつ切削ブレードで該被加工物を切削する切削装置に設けられる、該被加工物を吸引保持するためのポーラスチャックテーブルであって、該被加工物が載置される保持面と、該保持面とは反対側に位置する裏面と、該保持面と該裏面とを接続する側面とを有するポーラスプレートと、該ポーラスプレートの該側面を囲み、該ポーラスプレートの該裏面を覆う枠体と、該枠体に設けられ、吸引源に接続し該ポーラスプレートに負圧を作用させるための吸引路と、を備え、該ポーラスプレートは、該側面側に位置する粗ポーラス部と、該粗ポーラス部によって側方を囲まれた密ポーラス部と、を有し、該ポーラスプレートの該保持面において、該粗ポーラス部の気孔の大きさの平均は、該密ポーラス部の気孔の大きさの平均よりも大きいことを特徴とするポーラスチャックテーブルが提供される。
好ましくは、該密ポーラス部は、該ポーラスプレートの該保持面側の中央領域の凹部に設けられており、該ポーラスプレートの該裏面には達していない。
本発明の他の態様によれば、被加工物に液体を供給しつつ切削ブレードで該被加工物を切削する切削装置に設けられる、該被加工物を吸引保持するためのポーラスチャックテーブルの製造方法であって、第1の粒径の粒状物質と、第2の粒径の気孔形成材と、結合材とを圧縮成形して、円盤状の第1の成形体を形成する段階と、該第1の成形体と、第3の粒径の粒状物質と、該第2の粒径よりも大きい径を有する第4の粒径の気孔形成材と、該結合材とを圧縮成形して、該第1の成形体よりも大きな径を有する円盤状の第2の成形体を形成する段階と、該第2の成形体を焼成してポーラスプレートを形成する焼成段階と、該焼成段階後の該ポーラスプレートの両面及び側面を研削する第1の研削段階と、金属で形成された枠体の凹部に該第1の研削段階後の該ポーラスプレートを接着させて固定する接着段階と、該接着段階後に、該枠体の上面から突出している該ポーラスプレートの表面を研削して、該ポーラスプレートを薄くする第2の研削段階と、を備えるポーラスチャックテーブルの製造方法が提供される。
本発明の一態様に係るポーラスチャックテーブルのポーラスプレートは、枠体の側面側(即ち、外周領域)に位置する粗ポーラス部と、外周領域よりも内側に位置する中央領域に設けられた密ポーラス部とを有する。粗ポーラス部の気孔の平均の大きさは、密ポーラス部の気孔の平均の大きさに比べて大きい。それゆえ、被加工物の裏面と枠体の表面との隙間から切削屑を含む切削液が吸引されたとしても、外周領域及び中央領域の両方を密ポーラス部で形成する場合に比べて、切削屑により気孔が詰まりにくくなる。
更に、中央領域では、気孔の平均の大きさが粗ポーラス部に比べて小さい密ポーラス部で被加工物を安定して吸引保持できるので、外周領域及び中央領域の両方を粗ポーラス部とする場合に比べて、安定して被加工物を切削加工できる。
また、一般的に、ポーラスプレートは、気孔の大きさが小さい方が衝撃によって破損しにいくい。それゆえ、一部に密ポーラス部を用いることにより、粗ポーラス部のみでポーラスプレートを構成する場合に比べて、チャックテーブルの使用中にポーラスプレートが破損するリスクを低減できる。
切削装置の構成例を示す斜視図である。 図2(A)は、保持面とウェーハとの関係を示す図であり、図2(B)は、保持面にウェーハを載置した状態を示す図である。 図3(A)は、チャックテーブル及び切削ユニットの一部断面側面図であり、図3(B)は、ウェーハをハーフカットする様子を示す図である。 図4(A)は、第1の成形体の上面図であり、図4(B)は、図4(A)の矢印における断面図であり、図4(C)は、第2の成形体の上面図であり、図4(D)は、図4(C)の矢印における断面図である。 焼成段階を示す断面図である。 ポーラスプレートの裏面側を研削する様子を示す図である。 ポーラスプレートの側面を研削する様子を示す図である。 図8(A)は、接着段階を示す図であり、図8(B)は、接着段階後のチャックテーブルを示す図である。 第2の研削段階後のチャックテーブルの断面図である。 チャックテーブルの製造方法のフロー図である。 図11(A)は、第1のポーラスプレートの保持面の写真であり、図11(B)は、密ポーラス部の一部の拡大写真であり、図11(C)は、粗ポーラス部の一部の拡大写真である。 第2の実施形態に係るチャックテーブルの断面図である。
添付図面を参照して、本発明の一態様に係る実施形態について説明する。図1は、切削装置2の構成例を示す斜視図である。なお、以下の説明において、X軸方向、Y軸方向及びZ軸方向は、互いに垂直である。図1に示すように、切削装置2は、各構造を支持する基台4を備えている。
基台4の前方の角部には、矩形状の開口4aが設けられており、この開口4a内には、カセット載置台6が昇降可能に設置されている。カセット載置台6の上面には、複数のウェーハ(被加工物)11を収容する直方体状のカセット8が載置される。なお、図1では、説明の便宜上、カセット8の概要を輪郭で示している。
開口4aの近傍には、ウェーハ11を搬出入する搬送装置16が設けられている。搬送装置16は、例えばウェーハ11の裏面11b側を吸引して、ウェーハ11をカセット8から取り出し、後述する第1の搬送ユニット24の直下まで搬出する。
ウェーハ11は、例えば、シリコン等の材料で成り、平面視で略円形の板状基板である。ウェーハ11は、表面11a側(図1では上面側)に、中央のデバイス領域と、デバイス領域を囲む外周余剰領域とを有する。
デバイス領域は、格子状に配列された分割予定ライン(ストリート)により複数の領域に区画されており、各領域にはIC等のデバイス15が形成されている。また、ウェーハ11の外周縁には、結晶方位を示す切り欠き部17が形成されている。
なお、ウェーハ11の材質、形状、構造、大きさ等に制限はない。例えば、ガリウムヒ素(GaAs)、炭化ケイ素(SiC)等から成る半導体基板、樹脂基板等をウェーハ11として用いることもできる。同様に、デバイス15の種類、数量、形状、構造、大きさ、配置等にも制限はない。
カセット載置台6の側方には、X軸方向(加工送り方向)に長い矩形状の開口4bが設けられている。この開口4bには、X軸移動テーブル10が設けられている。また、X軸移動テーブル10の下方には、X軸移動テーブル10をX軸方向に移動させる不図示のX軸移動機構が設けられている。
開口4bのX軸移動テーブル10を除いた領域には、X軸移動機構の上方を覆うように蛇腹状の防塵防滴カバー12が設けられている。X軸移動テーブル10の上方には、ウェーハ11を吸引保持するチャックテーブル14が設けられている。
チャックテーブル14は、上述のX軸移動機構によりX軸移動テーブル10と共にX軸方向に加工送りされる。チャックテーブル14は、モーター等の回転駆動源(不図示)と連結されており、Z軸方向(鉛直方向)に平行な回転軸の周りに回転可能に構成されている。
チャックテーブル14は、いわゆるポーラスチャックテーブルであり、上面側に円盤状の凹部を有する金属製の枠体14bと、枠体14bの凹部に接着剤で固定された円盤状のポーラスプレート14cとを有する。ポーラスプレート14cは、セラミックス等の多孔質材料で形成されている。なお、チャックテーブル14の詳細については後述する。
基台4の上方には、門型の第1の支持構造18が開口4bを跨ぐように配置されている。第1の支持構造18の前面には、Y軸方向(割り出し送り方向)に平行な第1のレール20が固定されており、この第1のレール20には第1の昇降ユニット22の一端が連結されている。第1の昇降ユニット22は、第1のレール20をY軸方向に沿って移動可能である。
第1の昇降ユニット22の他端には、第1の搬送ユニット24が連結されている。第1の搬送ユニット24は、下面側に、吸引パッド(いわゆるベルヌーイチャック)を有している。吸引パッドは、ウェーハ11の表面11a側を非接触で吸着するために用いられる。
第1の搬送ユニット24の吸引パッドは、第1の昇降ユニット22によりZ軸方向に沿って上下に移動させられる。第1の搬送ユニット24は、搬送装置16からウェーハ11を受け取り、このウェーハ11をチャックテーブル14の保持面14a上に載置する。
第1の支持構造18の後方には、門型の第2の支持構造32が配置されている。第2の支持構造32の前面には、Y軸方向及びZ軸方向に移動可能な2つの移動ユニット34が設けられている。各移動ユニット34には、切削ユニット36が設けられており、切削ユニット36は、移動ユニット34によってY軸方向及びZ軸方向に移動させられる。
切削ユニット36は、スピンドル(不図示)を有し、スピンドルの一端には円環状の切削ブレード38aが装着されている。また、スピンドルの他端には、モーター部(不図示)が連結されている。
モーター部を駆動することにより、切削ブレード38aは高速で回転する。チャックテーブル14で吸引保持されたウェーハ11に対して、純水等の液体(切削液)を供給しつつ切削ブレード38aを切り込ませることで、ウェーハ11は切削加工される。
第1の支持構造18の前面には、第1のレール20の上方においてY軸方向に沿って第2のレール26が固定されており、この第2のレール26には、第2の昇降ユニット28の一端が連結されている。第2の昇降ユニット28は、第2のレール26をY軸方向に沿って移動可能である。
第2の昇降ユニット28の他端には、第2の搬送ユニット30が連結されている。第2の搬送ユニット30は、第1の搬送ユニット24と同様に、下面側に吸引パッドを有する。また、第2の搬送ユニット30の吸引パッドは、第2の昇降ユニット28によりZ軸方向に沿って上下に移動させられる。
開口4bに対して開口4aと反対側の位置には、円形状の開口4cが設けられている。開口4c内には、切削加工後のウェーハ11を洗浄する洗浄ユニット40が配置されている。切削ブレード38aで切削加工されたウェーハ11は、第2の搬送ユニット30により洗浄ユニット40へ搬送されて、洗浄ユニット40で洗浄される。
次に、図2(A)、図2(B)、図3(A)及び図3(B)を用いて、第1の実施形態に係るチャックテーブル14の構造の詳細と、ウェーハ11及びチャックテーブル14の配置関係とについて説明する。図2(A)は、保持面14aとウェーハ11との関係を示す図であり、図2(B)は、保持面14aにウェーハ11を載置した状態を示す図である。
また、図3(A)は、チャックテーブル14及び切削ユニット36の一部断面側面図であり、図3(B)は、ウェーハ11をハーフカットする様子を示す図である。なお、図3(A)及び図3(B)では、第2の吸引路14eの一部、電磁バルブ14g及び吸引源14hを線や記号で簡略化して示す。
図3(A)及び図3(B)に示す様に、枠体14bは、保持面14aとは反対側に位置するポーラスプレート14cの裏面を覆い、且つ、ポーラスプレート14cの裏面の端部と保持面14aの端部とを接続しているポーラスプレート14cの側面を囲んでいる。
枠体14bは、円盤状の底部と、環状の環状部とから成る。環状部は、底部上に位置し、その外周側面が底部の外周側面と面一に形成されている。即ち、枠体14bの底部及び環状部により、枠体14bの凹部が規定される。枠体14bの凹部には、上述のポーラスプレート14cが設けられ、枠体14bの底部の上面と環状部の内周面とは、接着剤によりポーラスプレート14cに固定される。
ポーラスプレート14cは、1mm以上10mm未満(例えば、2mmから3mm)の厚さを有し、且つ、保持面14aの中心Oを通る直径Dを有する円盤状の部材である。ポーラスプレート14cは、ポーラスプレート14cの側面側に位置する粗ポーラス部14cを有する。
図2(A)、図3(A)及び図3(B)に示す様に、粗ポーラス部14cは、円環状の環状部と円盤状の底部とで構成されている。粗ポーラス部14cの環状部は、保持面14a側に位置しており、直径Dの内径と、この内径よりも大きい直径Dの外径とを有し、径方向の幅がW(W=D−D)である。
これに対して、粗ポーラス部14cの底部は、保持面14aとは反対側に位置している。また、粗ポーラス部14cの底部の外周側面は、粗ポーラス部14cの環状部の外周側面と面一に形成されている。
即ち、粗ポーラス部14cの環状部及び底部により、ポーラスプレート14cの保持面14a側の中央領域には、凹部が形成されている。この凹部の底面は、保持面14aから所定深さに位置しており、ポーラスプレート14cの裏面には達していない。
粗ポーラス部14cの凹部には、密ポーラス部14cが設けられている。密ポーラス部14cの側方は、粗ポーラス部14cによって囲まれており、密ポーラス部14cの底部は、粗ポーラス部14cの底部により支持されている。
粗ポーラス部14cは、保持面14aにおいて、密ポーラス部14cと略同じ気孔率(即ち、保持面14aの面積に対する気孔の面積の割合)を有しているが、粗ポーラス部14cの気孔の大きさの平均は、密ポーラス部14cの気孔の大きさの平均よりも大きい。
例えば、粗ポーラス部14cの気孔の大きさの平均は、密ポーラス部14cの気孔の大きさの平均の1.2倍以上3倍以下であり、また例えば、1.3倍以上2.5倍以下である。
図3(A)及び図3(B)に示す様に、枠体14bの底部には、この底部を貫通する第1の吸引路14dが設けられており、第1の吸引路14dは、粗ポーラス部14cの底部に接続している。
チャックテーブル14の下方にはテーブル基台14fが位置しており、チャックテーブル14はテーブル基台14fに対して着脱可能に固定されている。テーブル基台14fには、第2の吸引路14eが設けられている。第2の吸引路14eの一端は、第1の吸引路14dに接続されており、第2の吸引路14eの他端は、電磁バルブ14gを介してエジェクタ等の吸引源14hに接続されている。
ウェーハ11の裏面11b側をポーラスプレート14c上に載置した状態で吸引源14hを作動させると、第1の吸引路14d及び第2の吸引路14eを介してウェーハ11に負圧が作用する。ポーラスプレート14cの上面はウェーハ11の保持面14aとなり、ウェーハ11はチャックテーブル14により吸引保持される。
次に、図3(A)及び図3(B)を用いて、ウェーハ11をハーフカットする加工方法について説明する。図3(A)に示す様に、本実施形態では、上述の切削ユニット36を用いてウェーハ11をハーフカットする。
切削ユニット36は、例えば円環状に構成された切削ブレード38aを有する。また、切削ブレード38aの両面を挟む様に、一対の切削液供給部38bが設けられている。切削液供給部38bは、Y軸方向に沿う略円筒状の部材であり、切削ブレード38aに対向する側の側部に切削液を噴射する複数のノズル(不図示)を有する。
ウェーハ11をハーフカットするときには、まず、保持面14aの中心Oとウェーハ11の中心とが合う様に、ウェーハ11を保持面14aに配置する。次に、吸引源14hを作動させた状態で電磁バルブ14gを開状態とすることにより、ポーラスプレート14cに負圧を作用させる。これにより、ウェーハ11は保持面14aに吸引保持される。
次に、図3(B)に示す様に、ノズルから切削ブレード38aやウェーハ11の表面11a側に純水等の切削液38cを供給しながら、高速で回転する切削ブレード38aをウェーハ11の表面11a側の分割予定ラインに沿って切り込ませる。これにより、ウェーハ11の裏面11bに至らない切削溝11cを形成する。
なお、切削液38cは、例えば、切削により生じた切削屑をウェーハ11から除去する機能を有する。ウェーハ11の表面11a側に供給された切削液38cは、その後、切削屑を含む使用済切削液38dとなり、この使用済切削液38dは、開口4bの下方に設けられている不図示の排水受け部に落下し、排水受け部に設けられている排水口から切削装置2の外部へ排出される。
上述の様に、ポーラスプレート14cでウェーハ11を吸引すると、ウェーハ11の裏面11bは密ポーラス部14c及び粗ポーラス部14cに密着するが、枠体14bの表面はウェーハ11の裏面11bの外周に密着しにくく、隙間Aが形成されてしまう。
それゆえ、ウェーハ11をハーフカットするときに、ウェーハ11の裏面11bと枠体14bの表面との隙間Aから使用済切削液38dが、ポーラスプレート14cの外周領域に入り込む場合がある。
しかしながら、本実施形態では、密ポーラス部14cに比べて大きい気孔を有する粗ポーラス部14cが、ポーラスプレート14cの外周領域に設けられている。それゆえ、ある程度の大きさの切削屑は粗ポーラス部14cの気孔を通り抜けることができる。
従って、仮に、隙間Aから使用済切削液38dが吸引されても、ポーラスプレート14c全体が密ポーラス部14cと同等の気孔の大きさを有する場合に比べて、切削屑により気孔が詰まりにくくなる。即ち、ポーラスプレート14cの目詰まりを低減できる。
加えて、気孔の大きさが小さい方が衝撃によって破損しにいくいので、粗ポーラス部14cのみでポーラスプレート14cを構成する場合に比べて、チャックテーブル14の使用中にポーラスプレート14cが破損するリスクを低減できる。
なお、粗ポーラス部14cの径方向の幅Wは、密ポーラス部14cの直径Dよりも小さくすることが望ましい。例えば、粗ポーラス部14cの幅Wは、密ポーラス部14cの直径Dの20%以下であることが好ましく、10%以下であることがより好ましい。
粗ポーラス部14cの幅Wを密ポーラス部14cの直径Dよりも小さくすることにより、保持面14aの中央領域では、局所的に大きな負圧が作用してウェーハ11が変形することを防ぐことができる。それゆえ、外周領域及び中央領域の両方を粗ポーラス部14cとする場合に比べて、密ポーラス部14cでウェーハ11を安定して吸引保持でき、安定してウェーハ11を切削加工できる。
ウェーハ11の全ての分割予定ラインに沿って切削溝11cを形成した後、ウェーハ11をハーフカットする切削工程を終了する。次に、電磁バルブ14gを閉状態にし、第2の搬送ユニット30等を用いてウェーハ11を保持面14aから剥離して洗浄ユニット40へ搬送する。
洗浄後のウェーハ11は、第2の搬送ユニット30により洗浄ユニット40から搬出され、その後、第2の搬送ユニット30から搬送装置16に受け渡されたウェーハ11は、カセット8に搬入される。
次に、図4(A)、図4(B)、図4(C)、図4(D)、図5、図6、図7、図8(A)、図8(B)、図9及び図10を用いて、チャックテーブル14の製造方法について説明する。チャックテーブル14の製造方法では、まず、第1の成形体52を形成する(S10)。
第1の成形体52を形成する段階(S10)では、まず、第1の砥粒(第1の粒状物質)52a等から成る第1の混合物を形成する。第1の砥粒52aは、40μm以上80μm以下の平均粒子径(第1の粒径)を有する炭化ケイ素の砥粒であるが、平均粒子径が100μmよりも小さい炭化ケイ素、アルミナ、シリカ等の粒子であってもよい。
なお、平均粒子径は、例えば、1つの粒子の大きさを所定の粒子径(即ち、長さ)で表す場合に、この粒子径を用いて表した粒子群の度数分布に基づいて特定される。粒子径の表し方には、幾何学的径、相当径等の既知の手法がある。
幾何学的径には、フェレー(Feret)径、定方向最大径(即ち、Krummbein径)、Martin径、ふるい径等があり、相当径には、投影面積円相当径(即ち、Heywood径)、等表面積球相当径、等体積球相当径、ストークス径、光散乱径等がある。そして、粒子群について、横軸を粒子径(μm)とし、縦軸を頻度とした度数分布を作成した場合に、例えば、重量基準分布又は体積基準分布の平均径が平均粒子径となる。
第1の混合物には、第1の砥粒52aに加えて、100μm以上150μm以下の平均粒子径(第2の粒径)を有する気孔形成材52b、ガラス粉末等の結合材52c及びスラリーが分散されている。気孔形成材52bは、後述する焼結段階(S30)において燃焼してポーラスプレート14cの気孔となる有機材料の粒子である。
第1の混合物を形成した後、円盤状の第1の空間を有する金型(不図示)に第1の混合物を入れて、第1の混合物を一軸加圧成形により圧縮成形する。成形後に、金型から円盤状に成形された第1の成形体52を取り出す。図4(A)は、第1の成形体52の上面図であり、図4(B)は、図4(A)の矢印52dにおける断面図である。
第1の成形体52を形成する段階(S10)の後、第2の砥粒(第2の粒状物質)54a等から成る第2の成形体54を形成する(S20)。第2の成形体54を形成する段階(S20)では、まず、第2の砥粒54a等から成る第2の混合物を形成する。
第2の砥粒54aは、120μm以上200μm以下の平均粒子径(第3の粒径)を有する炭化ケイ素の砥粒であるが、120μm以上200μm以下の炭化ケイ素、アルミナ、シリカ等の粒子であってもよい。本実施形態の第2の砥粒54aの平均粒子径は、第1の砥粒52aの平均粒子径よりも大きいが、第1の砥粒52aの平均粒子径より小さくてもよい。
第2の混合物には、第2の砥粒54aに加えて、第2の粒径(気孔形成材52bの平均粒子径)よりも大きい200μm以上250μm以下の平均粒子径(第4の粒径)を有する気孔形成材54b、上述の結合材52c及びスラリーが分散されている。
第2の混合物を形成した後、第1の空間よりも大きな径と第1の空間よりも深い深さとを有する円盤状の第2の空間が設けられた金型(不図示)に、第2の混合物入れる。次いで、第2の空間の中心軸と円盤状の第1の成形体52の中心軸とが略一致する様に、第2の混合物上に第1の成形体52を配置する。
そして、第2の混合物と第1の成形体52とを一軸加圧成形により圧縮成形して、第2の成形体54を形成する。第2の成形体54は、第1の成形体52よりも大きな径と、第1の成形体52よりも厚い厚さとを有する円盤状の成形体である。成形後に、円盤状に成形された第2の成形体54は金型から取り出される。
図4(C)は、第2の成形体54の上面図であり、図4(D)は、図4(C)の矢印54cにおける断面図である。第2の成形体54は、第1の成形体52と、ベース部54dとから成る。このベース部54dは、上述の第2の砥粒54a、気孔形成材54b及び結合材52c等から形成されている。
図4(C)に示す様に、ベース部54dの上半分に位置する環状部は、第1の成形体52と略同心円状に形成されており、第1の成形体52の側部を囲む。なお、図4(D)に示す様に、ベース部54dの環状部の上面と、第1の成形体52の上面とは、面一となっている。
ベース部54dの下半分に位置する円盤状の底部は、第1の成形体52の裏面を覆う。また、第2の成形体54は、第2の成形体54の厚さが上述の枠体14bの凹部の深さよりも大きくなる様に、形成されている。
第2の成形体54を形成する段階(S20)の後、第2の成形体54を焼成して、ポーラスプレート14cを形成する(焼成段階(S30))。図5は、焼成段階を示す断面図である。
焼成段階(S30)では、まず、1300℃以上の高温での焼成に耐えうる金属又はセラミックスで形成された容器62aの凹部に第2の成形体54を入れる。そして、容器62aと同様の材料で形成された蓋部62bにより、容器62aの凹部内に第2の成形体54を閉じ込める。
次に、容器62a及び蓋部62bで閉じ込められた第2の成形体54を電気炉60に入れて、第2の成形体54を焼成する。焼成温度は、例えば800℃以上1000℃以下の所定の温度とする。これにより、円盤状のポーラスプレート14cを形成する。
焼結の過程で、気孔形成材52b及び54bは燃焼して気化し、大気に放出されるので、密ポーラス部14c及び粗ポーラス部14cには、気孔形成材52b及び54bの大きさに対応した気孔が形成される。
焼結段階(S30)後の気孔の大きさは、気孔形成材52b及び54b自体の大きさよりも若干縮小するが、密ポーラス部14cの気孔の大きさに対する粗ポーラス部14cの気孔の大きさ比率は、焼成前の気孔形成材52bに対する気孔形成材54bの大きさの比率がほぼそのまま反映される。
本実施形態では、第1の混合物中の気孔形成材52bが100μm以上150μm以下の平均粒子径を有し、第2の混合物中の気孔形成材54bが200μm以上250μm以下の平均粒子径を有する。それゆえ、焼結後、粗ポーラス部14cの気孔の大きさの平均は、密ポーラス部14cの気孔の大きさの平均の1.3倍以上2.5倍以下となる。
焼成段階(S30)の後、容器62aからポーラスプレート14cを取り出す。そして、ポーラスプレート14cの両面(表面14i及び裏面14j)及び側面14kを研削して、ポーラスプレート14cの形状を修正する(第1の研削段階(S40))。
第1の研削段階(S40)では、まず、ポーラスプレート14cの表面14i及び裏面14jを研削する。例えば、まず、ポーラスプレート14cの表面14iに、ポーラスプレート14cと略同径の円形の樹脂製の保護テープ84を貼り付ける。次いで、裏面14jが上になる様に、ポーラスプレート14cをチャックテーブル80上に配置する。
チャックテーブル80は、保護テープ84よりも小さな径を有し、多孔質材料から成るポーラスプレートの表面(即ち、保持面80a)を有する。保持面80aは、流路82を介して電磁バルブ86に接続されており、電磁バルブ86はエジェクタ等の吸引手段88に接続されている。電磁バルブ86を開状態にすると、吸引手段88が発生する負圧により、表面14i側が保護テープ84を介して保持面80aに吸引保持される。
チャックテーブル80は、不図示のモーターにより、保持面80aの中心を軸として回転可能に構成されている。また、チャックテーブル80の上方には研削ユニット70が配置されている。
研削ユニット70は、Z軸方向に概ね平行な回転軸となるスピンドル72を備えている。スピンドル72は、昇降機構(不図示)で昇降される。スピンドル72の下端側には、ステンレス鋼等の金属材料で形成された円盤状のホイールマウント74が固定されている。
ホイールマウント74の下面には、ホイールマウント74と略同径の研削ホイール76が装着されている。研削ホイール76は、ステンレス鋼等の金属材料で形成された環状のホイール基台78aを備えている。
ホイール基台78aの上面側が、ホイールマウント74に固定されることで、ホイール基台78aはスピンドル72に接続される。また、ホイールマウント74とは反対側に位置するホイール基台78aの環状の下面には複数の研削砥石78bが装着される。
研削砥石78bは、略直方体形状を有しており、ホイール基台78aの環状の下面の全周において、隣り合う研削砥石78b同士の間に間隙が設けられる態様で環状に配列されている。
研削砥石78bは、例えば、金属、セラミックス、樹脂等の結合材に、ダイヤモンド、cBN(cubic boron nitride)等の砥粒を混合して形成される。ただし、結合材や砥粒に制限はなく、研削砥石78bの仕様に応じて適宜選択される。
チャックテーブル80とスピンドル72とを、それぞれ同じ方向に回転させつつ、スピンドル72を降下させ、ポーラスプレート14cに研削砥石78bを押し当てることにより、ポーラスプレート14cの裏面14j側を研削する。これにより、裏面14j側が平坦化される。図6は、ポーラスプレート14cの裏面14j側を研削する様子を示す図である。
なお、ポーラスプレート14cの裏面14j側が突出するように、ポーラスプレート14cの表面14i及び側面14kを覆う金属製の型枠をポーラスプレート14cに取り付けた上で、裏面14j側を研削ユニット70で研削してもよい。この場合、チャックテーブル80には、磁力により金属製の型枠を固定する電磁チャックが用いられる。
次に、チャックテーブル80の回転を停止し、電磁バルブ86を閉状態にして、ポーラスプレート14cを保持面80aから取り外す。そして、ポーラスプレート14cの裏面14jに保護テープ84を貼り付け、表面14iが上になる様に、ポーラスプレート14cをチャックテーブル80上に配置する。そして、再び、電磁バルブ86を開状態にして、裏面14j側を保持面80aで吸引保持する。
その後、チャックテーブル80とスピンドル72とを、再び同じ方向に回転させつつ、スピンドル72を降下させ、ポーラスプレート14cに研削砥石78bを押し当てることにより、表面14i側を研削する。これにより、表面14i側が平坦化される。なお、表面14i側を平坦化した後に、裏面14j側を平坦化してもよいのは勿論である。また、表面14i側の研削に、電磁チャックが用いられてもよい。
ポーラスプレート14cの両面を研削した後、円筒研磨装置90を用いてポーラスプレート14cの側面14k(即ち、粗ポーラス部14cの外周側面)を研削(研磨)する。円筒研磨装置90は、円筒形状を有し円筒の長さ方向に回転可能に構成された円筒砥石92を有する。
円筒砥石92の側面には、金属、セラミックス、樹脂等のボンド材(結合材)に、ダイヤモンド、cBN等の砥粒を混合して形成された砥石が設けられている。円筒砥石92の円筒の中心軸の一端側は、モーター等の駆動装置に接続されており、円筒砥石92は、円筒の中心軸を回転軸として回転する。
円筒研磨装置90では、円筒砥石92に隣接して一対の回転挟持部94a及び94bが配置される。一対の回転挟持部94a及び94bは、各々の軸心が一致するように配置されており、ポーラスプレート14cの表面14i及び裏面14jは、一対の回転挟持部94a及び94bにより挟持される。
回転挟持部94aは、円盤状の押圧部96aを有する。押圧部96aは、ポーラスプレート14cよりも径の小さな円盤形状であり、ポーラスプレート14cの一方の面(例えば、裏面14j)に接する。押圧部96aのポーラスプレート14cと接する面とは反対側には、円筒砥石92の回転軸と平行な軸心を有する円柱状の回転部98aが接続している。
同様に、回転挟持部94bは、円盤状の押圧部96bを有する。押圧部96bは、ポーラスプレート14cよりも径の小さな円盤形状であり、ポーラスプレート14cの他方の面(例えば、裏面14j)に接する。また、押圧部96bのポーラスプレート14cと接する面とは反対側には、円筒砥石92の回転軸と平行な軸心を有する円柱状の回転部98bが接続している。
ポーラスプレート14cを挟持するように押圧部96a及び96bを互いに近づく向きに押し込む。このとき、回転部98a及び98bの軸心と、表面14i及び裏面14jの各中心とは、一直線上に配置される。そして、各々の軸心を中心に回転部98a及び98bを回転させることで、ポーラスプレート14cを回転させることができる。
そして、ポーラスプレート14cの側面14kに、回転する円筒砥石92の側面を接触させることで、ポーラスプレート14cの側面14kは研削される。図7は、ポーラスプレート14cの側面14kを研削する様子を示す図である。
側面14kを研削した後に、他の切削装置(不図示)を用いて、粗ポーラス部14cの一部に、ポーラスプレート14cとウェーハ11との中心位置合わせに利用されるオリエンテーションフラット(Orientation Flat)(以下、OFと略記する)を形成してもよい。
例えば、粗ポーラス部14cの外周を横切り、且つ、密ポーラス部14cを横切らないように、ポーラスプレート14cの表面14iから裏面14jまで粗ポーラス部14cを切削することにより、OFは形成される。
第1の研削段階(S40)の後、金属で形成された枠体14bの凹部14bに、ポーラスプレート14cを接着させて固定する(接着段階(S50))。図8(A)は、接着段階を示す図であり、枠体14b及びポーラスプレート14cの断面を示す。
上述の様に、枠体14bは、円盤状の底部14bと、底部14b上に設けられた環状部14bとから成る。底部14b及び環状部14bにより規定される円盤状の空間(即ち、凹部14b)には、ポーラスプレート14cが樹脂等の接着剤により固定される。なお、ポーラスプレート14cがOFを有する場合には、環状部14bの内径にはOFに対応する直線部が形成される。
図8(B)は、接着段階(S50)後のチャックテーブル14を示す図である。図8(B)に示す様に、接着段階(S50)後のポーラスプレート14cの表面14iは、枠体14bの環状部14bの上面14bよりも突出している。
そこで、接着段階(S50)後、ポーラスプレート14cのいわゆる面精度出しを行う。具体的には、ポーラスプレート14cの表面14i側を研削することによりポーラスプレート14cを薄くして、表面14iと環状部14bの上面14bとを面一にする(第2の研削段階(S60))。
第2の研削段階(S60)は、上述の研削ユニット70及びチャックテーブル80を用いて行われる。第2の研削段階(S60)では、底部14bの下側に保護テープ84を貼り付けて、底部14bの下側を保持面80aに接するように配置する。
そして、保持面80aで吸引保持されたポーラスプレート14cの表面14i側を研削砥石78bで研削する。これにより、ポーラスプレート14cの表面14iは、環状部14bの上面14bと面一である保持面14aとなる。図9は、第2の研削段階(S60)後のチャックテーブル14の断面図である。
図9に示す様に、ポーラスプレート14cの裏面14jは、枠体14bの底部14bにより覆われ、ポーラスプレート14cの側面14kは、枠体14bの環状部14bにより囲まれる。このようにして、チャックテーブル14は製造される。なお、図10は、ポーラスチャックテーブルの製造方法のフロー図である。
次に、上述の製造方法で作成したポーラスプレート14cの例を説明する。図11(A)は、ポーラスプレート14cの保持面14aの写真である。図11(A)から明らかなように、気孔の大きさの違いに起因して、密ポーラス部14cと粗ポーラス部14cとの間には、略円形の境界14lが確認される。
また、図11(B)は、密ポーラス部14cの一部の拡大写真であり、図11(C)は、粗ポーラス部14cの一部の拡大写真である。同一スケールで撮像された図11(B)及び図11(C)において、気孔14mは黒で示されており、気孔14m以外は白又は灰色で示されている。なお、白又は灰色の部分は、第1の砥粒52a、第2の砥粒54a、結合材52cで構成されている。
気孔14mの大きさにはある程度のばらつきがあるものの、図11(B)及び図11(C)から明らかな様に、密ポーラス部14cの気孔14mは、概して、粗ポーラス部14cの気孔14mよりも大きい。これは、上述の気孔形成材52b及び54bの違いが反映されている。
なお、ポーラスプレート14cの製造方法を鑑みれば、ポーラスプレート14cの所定の深さ位置における保持面14aと平行な断面においても、ポーラスプレート14cは保持面14aと同様の構造を有すると考えられる。
ところで、各気孔14mの正確な大きさは測定されてはいないが、必要であれば、上述の幾何学的径又は相当径を用いて平均粒子径を算出することにより、粗ポーラス部14cの気孔14mの大きさの平均が、密ポーラス部14cの気孔14mの大きさの平均よりも大きいことは確認可能である。
次に、第2の実施形態に係るチャックテーブル14について説明する。図12は、第2の実施形態に係るチャックテーブル14の断面図である。第2の実施形態に係るポーラスプレート14cの密ポーラス部14cは、円盤部14c1Aを有する。円盤部14c1Aは、保持面14aに露出しており、ポーラスプレート14cの保持面14a側の中央領域の凹部に形成された密ポーラス部14cの一部である。
但し、第2実施形態のポーラスプレート14cの密ポーラス部14cは、円盤部14c1Aに加えて、円柱部14c1Bを更に有する。円柱部14c1Bは、円盤部14c1Aの下方において、円盤部14c1Aと同軸上に配置されている。円柱部14c1Bは、円盤部14c1Aよりも小さい径を有し、ポーラスプレート14cの裏面14jに露出している。
即ち、粗ポーラス部14cの底部には、円柱部に相当する貫通開口が形成されており、この貫通開口に密ポーラス部14cの円柱部14c1Bが形成されている。係る点において、第2実施形態のポーラスプレート14cは、第1の実施形態と異なる。
第2の実施形態でも、仮に、ウェーハ11の裏面11bと枠体14bの上面14bとの隙間Aから使用済切削液38dが吸引されても、ポーラスプレート14c全体が密ポーラス部14cと同等の気孔14mの大きさを有する場合に比べて、切削屑により気孔14mがつまりにくくなる。
加えて、密ポーラス部14cを用いることにより、粗ポーラス部14cのみでポーラスプレート14cを構成する場合に比べて、チャックテーブル14の使用中にポーラスプレート14cが破損するリスクを低減できる。
更に、保持面14aの中央領域では、密ポーラス部14cによりウェーハ11を吸引保持できるので、外周領域及び中央領域の両方を粗ポーラス部14cとする場合に比べて、より安定してウェーハ11を切削加工できる。
その他、上記実施形態に係る構造、方法等は、本発明の目的の範囲を逸脱しない限りにおいて適宜変更して実施できる。
2 切削装置
4 基台
4a,4b,4c 開口
6 カセット載置台
8 カセット
10 X軸移動テーブル
11 ウェーハ(被加工物)
11a 表面
11b 裏面
11c 切削溝
12 防塵防滴カバー
14 チャックテーブル
14a 保持面
14b 枠体
14b 凹部
14b 底部
14b 環状部
14b 上面
14c ポーラスプレート
14c 密ポーラス部
14c1A 円盤部
14c1B 円柱部
14c 粗ポーラス部
14d 第1の吸引路
14e 第2の吸引路
14f テーブル基台
14g 電磁バルブ
14h 吸引源
14i 表面
14j 裏面
14k 側面
14l 境界
14m 気孔
A 隙間
O 中心
、D 直径

15 デバイス
16 搬送装置
17 切り欠き部
18 第1の支持構造
20 第1のレール
22 第1の昇降ユニット
24 第1の搬送ユニット
26 第2のレール
28 第2の昇降ユニット
30 第2の搬送ユニット
32 第2の支持構造
34 移動ユニット
36 切削ユニット
38a 切削ブレード
38b 切削液供給部
38c 切削液
38d 使用済切削液
40 洗浄ユニット
52 第1の成形体
52a 第1の砥粒(第1の粒状物質)
52b 気孔形成材
52c 結合材
52d 矢印
54 第2の成形体
54a 第2の砥粒(第2の粒状物質)
54b 気孔形成材
54c 矢印
54d ベース部
60 電気炉
62a 容器
62b 蓋部
70 研削ユニット
72 スピンドル
74 ホイールマウント
76 研削ホイール
78a ホイール基台
78b 研削砥石
80 チャックテーブル
80a 保持面
82 流路
84 保護テープ
86 電磁バルブ
88 吸引手段
90 円筒研磨装置
92 円筒砥石
94a、94b 回転挟持部
96a、96b 押圧部
98a、98b 回転部

Claims (3)

  1. 被加工物に液体を供給しつつ切削ブレードで該被加工物を切削する切削装置に設けられる、該被加工物を吸引保持するためのポーラスチャックテーブルであって、
    該被加工物が載置される保持面と、該保持面とは反対側に位置する裏面と、該保持面と該裏面とを接続する側面とを有するポーラスプレートと、
    該ポーラスプレートの該側面を囲み、該ポーラスプレートの該裏面を覆う枠体と、
    該枠体に設けられ、吸引源に接続し該ポーラスプレートに負圧を作用させるための吸引路と、を備え、
    該ポーラスプレートは、
    該側面側に位置する粗ポーラス部と、
    該粗ポーラス部によって側方を囲まれた密ポーラス部と、
    を有し、
    該ポーラスプレートの該保持面において、該粗ポーラス部の気孔の大きさの平均は、該密ポーラス部の気孔の大きさの平均よりも大きいことを特徴とするポーラスチャックテーブル。
  2. 該密ポーラス部は、該ポーラスプレートの該保持面側の中央領域の凹部に設けられており、該ポーラスプレートの該裏面には達していないことを特徴とする請求項1記載のポーラスチャックテーブル。
  3. 被加工物に液体を供給しつつ切削ブレードで該被加工物を切削する切削装置に設けられる、該被加工物を吸引保持するためのポーラスチャックテーブルの製造方法であって、
    第1の粒径の粒状物質と、第2の粒径の気孔形成材と、結合材とを圧縮成形して、円盤状の第1の成形体を形成する段階と、
    該第1の成形体と、第3の粒径の粒状物質と、該第2の粒径よりも大きい径を有する第4の粒径の気孔形成材と、該結合材とを圧縮成形して、該第1の成形体よりも大きな径を有する円盤状の第2の成形体を形成する段階と、
    該第2の成形体を焼成してポーラスプレートを形成する焼成段階と、
    該焼成段階後の該ポーラスプレートの両面及び側面を研削する第1の研削段階と、
    金属で形成された枠体の凹部に該第1の研削段階後の該ポーラスプレートを接着させて固定する接着段階と、
    該接着段階後に、該枠体の上面から突出している該ポーラスプレートの表面を研削して、該ポーラスプレートを薄くする第2の研削段階と、
    を備えることを特徴とするポーラスチャックテーブルの製造方法。
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