JP2020077829A - スイッチング素子の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 GaN系半導体を有するスイッチング素子に電界緩和層を形成する。【解決手段】 スイッチング素子の製造方法であって、GaN系半導体によって構成されたn型のドリフト層上にGaN系半導体によって構成されたp型のボディ層をエピタキシャル成長させる工程と、前記ボディ層の表面に底面が前記ボディ層内に位置するトレンチを形成する工程と、前記トレンチの前記底面にn型不純物を注入することによって前記ボディ層内に前記トレンチの前記底面から前記ドリフト層まで分布するn型の底部層を形成する工程と、前記トレンチ内にゲート絶縁膜とゲート電極を形成する工程と、前記ボディ層によって前記底部層から分離されているとともに前記ゲート絶縁膜に接するn型のソース層を形成する工程を有する。【選択図】図3

Description

本明細書に開示の技術は、スイッチング素子の製造方法に関する。
特許文献1には、トレンチゲート型のスイッチング素子が開示されている。このスイッチング素子では、ボディ層が、トレンチの底面よりも下側まで伸びる電界緩和層を有している。ボディ層に電界緩和層を設けることで、トレンチの底面近傍のゲート絶縁膜に加わる電界を緩和し、スイッチング素子の耐圧を向上させることができる。
特開2015−138958号公報
特許文献1のスイッチング素子では、各半導体層がSiC(炭化シリコン)により構成されている。電界緩和層は、SiCにより構成されたドリフト層にp型不純物をイオン注入することによって形成される。
近年では、GaN(窒化ガリウム)系半導体により構成されたスイッチング素子の開発が進んでいる。なお、GaN系半導体とは、ガリウムと窒素の化合物を主材料とする半導体である。GaN系半導体には、GaN、AlGaN、AlInGaN等が含まれる。GaN系半導体のp型層をイオン注入によって形成することは極めて難しく、GaN系半導体のp型層はエピタキシャル成長によって形成するのが一般的である。このため、GaN系半導体を有するスイッチング素子において電界緩和層を設ける場合には、特許文献1のような工程(すなわち、p型不純物のイオン注入によって電界緩和層を形成する工程)を採用することは困難である。したがって、本明細書では、GaN系半導体を有するスイッチング素子において、電界緩和層を形成する技術を提案する。
本明細書が開示するスイッチング素子の製造方法は、ボディ層成長工程、トレンチ形成工程、底部層形成工程、ゲート形成工程、及び、ソース層形成工程を有している。前記ボディ層成長工程では、GaN系半導体によって構成されたn型のドリフト層上に、GaN系半導体によって構成されたp型のボディ層をエピタキシャル成長させる。前記トレンチ形成工程では、前記ボディ層の表面に、底面が前記ボディ層内に位置するトレンチを形成する。前記底部層形成工程では、前記トレンチの前記底面にn型不純物を注入することによって、前記ボディ層内に、前記トレンチの前記底面から前記ドリフト層まで分布するn型の底部層を形成する。前記ゲート形成工程では、前記トレンチ内に、ゲート絶縁膜とゲート電極を形成する。前記ソース層形成工程では、前記ボディ層によって前記底部層から分離されており、前記ゲート絶縁膜に接するn型のソース層を形成する。
なお、ソース層形成工程は、ボディ層を形成した後であればいつ行ってもよい。例えば、ソース層は、ゲート絶縁膜より先に形成されてもよいし、ゲート絶縁膜より後に形成されてもよい。すなわち、ソース層とゲート絶縁膜の両方が形成されたときにソース層がゲート絶縁膜に接していれば、ソース層とゲート絶縁膜の何れが先に形成されてもよい。
この製造方法では、ボディ層の表面に底面がボディ層内に位置するトレンチを形成し、その後に、トレンチの底面にn型不純物を注入する。これによって、トレンチの底部近傍のボディ層をn型化し、トレンチの底面からドリフト層まで分布するn型の底部層を形成する。n型化せずに残存したボディ層は、トレンチの底面よりも上側に位置する部分(メインボディ層)と、トレンチの底面よりも下側に位置する部分(電界緩和層)を有する。その後、ゲート形成工程とソース層形成工程を行われる。このように各工程を実施すると、電界緩和層がトレンチの底面(すなわち、ゲート構造の下端)よりも下側まで伸びている構造が得られる。ゲート電極の電位をゲート閾値以上まで上昇させると、ゲート絶縁膜に接する範囲でメインボディ層にチャネルが形成される。すると、チャネルと底部層を介してソース層とドリフト層の間が接続され、スイッチング素子がオンする。ゲート電極の電位をゲート閾値未満まで低下させると、チャネルが消失し、スイッチング素子がオフする。このとき、電界緩和層から底部層へ空乏層が広がることで、トレンチの底面近傍のゲート絶縁膜に加わる電界が緩和される。このように、この製造方法によれば、電界緩和層によってトレンチの底面近傍の電界を緩和することが可能なスイッチング素子を製造することができる。また、この製造方法では、エピタキシャル成長によって電界緩和層を含むボディ層を形成するので、GaN系半導体により構成されたp型の電界緩和層を好適に形成することができる。
実施形態のスイッチング素子の断面図。 実施形態のスイッチング素子の製造方法の説明図。 実施形態のスイッチング素子の製造方法の説明図。 実施形態のスイッチング素子の製造方法の説明図。 実施形態のスイッチング素子の製造方法の説明図。
図1に示す実施形態のスイッチング素子10は、MOSFET(metal-oxide-semiconductor field effect transistor)である。スイッチング素子10は、GaNにより構成された半導体基板12を有している。半導体基板12の表面(上面)12aには、トレンチ20が形成されている。トレンチ20内に、ゲート絶縁膜22とゲート電極24が配置されている。ゲート絶縁膜22は、トレンチ20の内面を覆っている。ゲート電極24は、ゲート絶縁膜22によって半導体基板12から絶縁されている。ゲート電極24の表面は、層間絶縁膜26によって覆われている。半導体基板12の表面12aに、ソース電極30が配置されている。ソース電極30は、層間絶縁膜26によってゲート電極24から絶縁されている。半導体基板12の裏面12bに、ドレイン電極32が配置されている。
半導体基板12は、ソース層40、ボディ層42、底部層46、高濃度層48、ドリフト層50、及び、ドレイン層52を有している。
ソース層40は、n型層であり、ソース電極30に接している。ソース層40は、トレンチ20の上端でゲート絶縁膜22に接している。
ボディ層42は、p型層であり、ソース層40の側方と下側に配置されている。ボディ層42によって、ソース層40が底部層46、高濃度層48、ドリフト層50、及び、ドレイン層52から分離されている。ボディ層42は、ボディコンタクト層42a、メインボディ層42b、及び、電界緩和層42cを有している。
ボディコンタクト層42aは、メインボディ層42b、及び、電界緩和層42cよりも高いp型不純物濃度を有している。ボディコンタクト層42aは、ソース層40の側方に配置されており、ソース電極30に接している。
メインボディ層42bは、ソース層40とボディコンタクト層42aの下側に配置されている。メインボディ層42bは、ボディ層42のうちのトレンチ20の底面とソース層40の間の深さ範囲内に位置する部分である。メインボディ層42bは、ソース層40の下側でゲート絶縁膜22に接している。
電界緩和層42cは、メインボディ層42bの下側に配置されている。電界緩和層42cは、ボディ層42のうちのトレンチ20の底面よりも下側に位置する部分である。電界緩和層42cは、メインボディ層42bと略同じp型不純物濃度を有している。電界緩和層42cは、トレンチ20の直下には存在していない。
底部層46は、n型層であり、トレンチ20の直下に配置されている。底部層46は、トレンチ20の底面においてゲート絶縁膜22に接している。底部層46は、2つの電界緩和層42cの間に配置されている。
高濃度層48は、n型層であり、底部層46の直下に配置されている。高濃度層48は、底部層46及びドリフト層50よりも高いn型不純物濃度を有している。
ドリフト層50は、n型層であり、高濃度層48及び電界緩和層42cの下側に配置されている。
ドレイン層52は、n型層であり、ドリフト層50の下側に配置されている。ドレイン層52は、ドリフト層50よりも高いn型不純物濃度を有している。ドレイン層52は、ドレイン電極32に接している。
スイッチング素子10の使用時には、ドレイン電極32にソース電極30よりも高い電位が印加される。ゲート電極24の電位をゲート閾値以上まで上昇させると、ゲート絶縁膜22近傍のメインボディ層42bにチャネルが形成され、チャネルによってソース層40が底部層46に接続される。すると、ソース電極30から、ソース層40、チャネル、底部層46、高濃度層48、ドリフト層50、及び、ドレイン層52を介して、ドレイン電極32へ電子が流れる。すなわち、スイッチング素子10がオンする。底部層46の下部にn型不純物濃度が高い高濃度層48が設けられていることで、電子が流れる経路の抵抗の低減が図られている。したがって、このスイッチング素子10は低いオン抵抗を有している。
ゲート電極24の電位をゲート閾値未満まで低下させると、チャネルが消失し、スイッチング素子10がオフする。スイッチング素子10がオフすると、ボディ層42から底部層46、高濃度層48、及び、ドリフト層50へ空乏層が広がる。底部層46、高濃度層48、及び、ドリフト層50に広がった空乏層によって、ボディ層42とドレイン層52の間の電位差が保持される。また、このスイッチング素子10では、底部層46の横に電界緩和層42cが配置されており、底部層46が電界緩和層42cによって挟まれている。したがって、底部層46が両側の電界緩和層42cから伸びる空乏層によって空乏化される。このため、スイッチング素子10がオフすると、底部層46へ瞬時に空乏層が広がり、トレンチ20の底面近傍のゲート絶縁膜22に電界が集中することが抑制される。すなわち、電界緩和層42cによって、トレンチ20の底面近傍に生じる電界が緩和される。このため、このスイッチング素子10は、高い耐圧を有している。
次に、スイッチング素子10の製造方法について説明する。スイッチング素子10は、GaNにより構成されたドレイン層52を有する半導体ウエハから製造される。まず、図2に示すように、ドレイン層52上にGaNにより構成されたn型のドリフト層50をエピタキシャル成長させる。ここでは、厚さが約4.9μmであり、n型不純物濃度が約2×1016/cmであるドリフト層50を形成する。次に、ドリフト層50上に、GaNにより構成されたp型のボディ層42をエピタキシャル成長させる。ここでは、厚さが約2.3μmであり、p型不純物濃度が約5×1017/cmであるボディ層42を形成する。
次に、図3に示すように、ボディ層42の表面に、ボディ層42内に底面を有するトレンチ20を形成する。
次に、図4に示すように、ボディ層42の表面に、トレンチ20を覆わないようにマスク60を形成する。そして、マスク60を介して、トレンチ20の底面にn型不純物(例えば、Si(シリコン))をイオン注入する。ここでは、n型不純物の注入エネルギーを調整することによって、図4の範囲62に示すように、トレンチ20の底面からドリフト層50に跨る深さ範囲にn型不純物が分布するようにn型不純物を注入する。次に、注入したn型不純物を活性化させる。これによって、範囲62内のボディ層42をn型化し、図5に示すようにトレンチ20の直下のボディ層42内にn型の底部層46を形成する。ここでは、n型不純物濃度が約5.5×1017/cmである底部層46を形成する。また、底部層46の直下には、n型のドリフト層50にn型不純物が注入されることによって、n型不純物濃度が高い高濃度層48が形成される。高濃度層48は、ドリフト層50及び底部層46よりも高いn型不純物濃度を有する。また、n型化しなかったボディ層42のうち、トレンチ20の底面よりも下側の部分は、電界緩和層42cとなる。n型化しなかったボディ層42のうち、トレンチ20の底面よりも上側の部分は、メインボディ層42bとなる。
次に、図1に示すように、トレンチ20の内部に、ゲート絶縁膜22とゲート電極24を形成する。次に、メインボディ層42bの一部にn型不純物とp型不純物を選択的に注入することによって、ソース層40とボディコンタクト層42aを形成する。次に、ゲート電極24の表面に層間絶縁膜26を形成する。さらに、層間絶縁膜26、ソース層40、及び、ボディ層42の表面を覆うようにソース電極30を形成する。次に、ドレイン層52の裏面にドレイン電極32を形成する。以上の工程を実施することで、図1に示すスイッチング素子10が完成する。
以上に説明したように、この製造方法によれば、エピタキシャル成長によって形成されたボディ層42の一部が電界緩和層42cとなる。すなわち、エピタキシャル成長によって、GaNにより構成されているとともにトレンチ20の底面よりも下側に突出するp型の電界緩和層42cを形成することができる。すなわち、実施形態の製造方法によれば、p型不純物のイオン注入を行うことなく、エピタキシャル成長とn型不純物のイオン注入によって各半導体層を形成することができる。エピタキシャル成長とn型不純物のイオン注入は、GaN系半導体に対して好適に実施することができる。したがって、実施形態の製造方法によれば、スイッチング素子10を好適に製造することができる。
また、この製造方法によれば、底部層46の下部にn型不純物濃度が高い高濃度層48を形成できるので、スイッチング素子10のオン抵抗を低減することができる。また、高濃度層48がトレンチ20に接しない位置に形成されるので、電界緩和層42cから伸びる空乏層がトレンチ20の底面周辺まで広がり易く、トレンチ20の底面における電界集中を効果的に緩和することができる。
本明細書が開示する技術要素について、以下に列記する。なお、以下の各技術要素は、それぞれ独立して有用なものである。
本明細書が開示する一例の製造方法においては、底部層を形成する工程では、ボディ層からドリフト層に跨る範囲にn型不純物を注入することによって、底部層の下部に底部層及びドリフト層よりもn型不純物濃度が高い高濃度層を形成してもよい。
この構成によれば、スイッチング素子のオン抵抗を低減することができる。
以上、実施形態について詳細に説明したが、これらは例示にすぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例をさまざまに変形、変更したものが含まれる。本明細書または図面に説明した技術要素は、単独あるいは各種の組み合わせによって技術有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組み合わせに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成するものであり、そのうちの1つの目的を達成すること自体で技術有用性を持つものである。
10 :スイッチング素子
12 :半導体基板
20 :トレンチ
22 :ゲート絶縁膜
24 :ゲート電極
26 :層間絶縁膜
30 :ソース電極
32 :ドレイン電極
40 :ソース層
42 :ボディ層
42a :ボディコンタクト層
42b :メインボディ層
42c :電界緩和層
46 :底部層
48 :高濃度層
50 :ドリフト層
52 :ドレイン層

Claims (2)

  1. スイッチング素子の製造方法であって、
    GaN系半導体によって構成されたn型のドリフト層上に、GaN系半導体によって構成されたp型のボディ層をエピタキシャル成長させる工程と、
    前記ボディ層の表面に、底面が前記ボディ層内に位置するトレンチを形成する工程と、
    前記トレンチの前記底面にn型不純物を注入することによって、前記ボディ層内に、前記トレンチの前記底面から前記ドリフト層まで分布するn型の底部層を形成する工程と、
    前記トレンチ内に、ゲート絶縁膜とゲート電極を形成する工程と、
    前記ボディ層によって前記底部層から分離されており、前記ゲート絶縁膜に接するn型のソース層を形成する工程、
    を有する製造方法。
  2. 前記底部層を形成する前記工程では、前記ボディ層から前記ドリフト層に跨る範囲にn型不純物を注入することによって、前記底部層の下部に前記底部層及び前記ドリフト層よりもn型不純物濃度が高い高濃度層を形成する、請求項1の製造方法。
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