JP2020077144A - 自律移動装置およびプログラム - Google Patents

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Abstract

【課題】追随対象者を追随する際に、通過することにより走行異常が発生する可能性のある障害物を通過して追随対象者が進路を変更したような場合でも、走行異常を発生させることなく追随対象者の追随継続を可能とする。【解決手段】移動部50は、自装置を移動させる。検出部41は、周囲の物体との距離及びその形状を検出する。制御部48は、移動部50を制御することにより、自装置の進路を追随対象者の進路に合わせて変更する際に、追随対象者が進路を変更した場合であっても、追随対象者の進路と自装置の進路との間に通過することにより走行異常が発生する可能性のある障害物がある場合には、自装置の進路を変更することなく走行を継続するよう移動部50を制御する。そして、制御部48は、追随対象者の進路と自装置の進路との間に障害物がなくなった場合に、自装置の進路を追随対象者の進路に合わせるような進路変更を行うよう移動部50を制御する。【選択図】図4

Description

本発明は、自律移動装置およびプログラムに関する。
特許文献1には、高速での追従走行が可能でかつ先導車の走行軌跡に対して追従精度の高い縦列での隊列走行を実現することを目的とした自動追従走行システムが開示されている。
特開2000−113399号公報
本発明の目的は、自装置の進路を追随対象者の進路に合わせて変更することにより追随対象者を追随する際に、通過することにより走行異常が発生する可能性のある障害物を通過して追随対象者が進路を変更したような場合でも、走行異常を発生させることなく追随対象者の追随を継続することが可能な自律移動装置およびプログラムを提供することである。
[自律移動装置]
請求項1に係る本発明は、
自装置を移動させるための移動手段と、
周囲の物体との距離及びその形状を検出する検出手段と、
前記移動手段を制御することにより、自装置の進路を追随対象者の進路に合わせて変更する際に、追随対象者が進路を変更した場合であっても、追随対象者の進路と自装置の進路との間に通過することにより走行異常が発生する可能性のある障害物がある場合には、自装置の進路を変更することなく走行を継続し、追随対象者の進路と自装置の進路との間に前記障害物がなくなった場合に、自装置の進路を追随対象者の進路に合わせるような進路変更を行うよう前記移動手段を制御する制御手段とを備えた自律移動装置である。
請求項2に係る本発明は、周囲の画像を撮像する撮像手段と、
前記撮像手段により撮像された画像に対して画像処理を行うことにより前記追随対象者の状態を取得する取得手段とをさらに備え、
前記制御手段は、前記取得手段により取得された前記追随対象者の状態が予め定められた特定の状態の場合には、追随対象者の進路と自装置の進路との間に前記障害物がなくなった場合でも、自装置の進路を追随対象者の進路に合わせるような進路変更を行わないよう前記移動手段を制御する請求項1記載の自律移動装置である。
請求項3に係る本発明は、前記制御手段が、自装置の進路を追随対象者の進路に合わせるような進路変更を開始する前に、前記追随対象者の状態が予め定められた特定の状態の場合には、進路変更を行わずに現在の進路を維持するよう前記移動手段を制御する請求項2記載の自律移動装置である。
請求項4に係る本発明は、前記制御手段が、自装置の進路を追随対象者の進路に合わせるような進路変更を開始した後であっても、前記追随対象者の状態が予め定められた特定の状態の場合には、進路変更を中止して進路変更前の進路を維持するよう前記移動手段を制御する請求項2記載の自律移動装置である。
請求項5に係る本発明は、前記制御手段が、追随対象者が進路変更を行う前の予め設定された期間内に、前記追随対象者の状態が予め定められた特定の状態であった場合には、追随対象者が進路変更を行った場合でも、自装置の進路を追随対象者の進路に合わせるような進路変更を行わないよう前記移動手段を制御する請求項2記載の自律移動装置である。
請求項6に係る本発明は、前記制御手段が、追随対象者が進路変更を行った後の予め設定された期間内に、前記追随対象者の状態が予め定められた特定の状態となった場合には、自装置の進路変更を行う前の場合であれば進路変更を行わずに現在の進路を維持し、自装置の進路変更を行った後であれば、進路変更後の進路を維持するよう前記移動手段を制御する請求項2記載の自律移動装置である。
請求項7に係る本発明は、前記予め定められた追随対象者の状態が、当該追随対象者の手により特定の動作が行われている状態である請求項2から6のいずれか記載の自律移動装置である。
請求項8に係る本発明は、自装置の進路を追随対象者の進路に合わせて変更することができずに、自装置と前記追随対象者とが並走状態となっている場合に、並走状態となっていること示す音又は光を発生する発生手段をさらに備えた請求項1記載の自律移動装置である。
請求項9に係る本発明は、周囲の騒音レベルを検知する音検知手段をさらに備え、
前記発生手段は、前記音検知手段により検知された騒音レベルに応じて決定される音量により、並走状態となっていることを示す音を発生する請求項8記載の自律移動装置である。
請求項10に係る本発明は、周囲の照度を検知する照度検知手段をさらに備え、
前記発生手段は、前記照度検知手段により検知された照度に応じて決定される輝度により、並走状態となっていることを示す光を発生する請求項8記載の自律移動装置である。
請求項11に係る本発明は、前記制御手段が、追随対象者との距離が予め設定された追随可能距離以上となった場合、当該追随対象者を追随する走行を停止するような制御を行う際に、自装置の進路と追随対象者の進路とが一致している場合の追随可能距離よりも、自装置の進路を追随対象者の進路に合わせて変更することができずに前記追随対象者と並走状態となっている場合の追随可能距離が長くなるように設定する請求項1記載の自律移動装置である。
請求項12に係る本発明は、前記制御手段は、前記追随対象者と並走状態となっている場合の追随可能距離を、自装置が走行中の歩道の幅を基準として算出する請求項11記載の自律移動装置である。
請求項13に係る本発明は、前記制御手段が、前記障害物が予め設定された高さ又は幅以上であるか否かに応じて、自装置の進路を追随対象者の進路に合わせるような進路変更を行うか否かを切り替えるよう前記移動手段を制御する請求項1から12のいずれか記載の自律移動装置である。
請求項14に係る本発明は、前記制御手段が、前記障害物が予め設定された高さ又は幅以上である場合に、自装置の進路を追随対象者の進路に合わせるような進路変更を行わないよう前記移動手段を制御する請求項13記載の自律移動装置である。
[プログラム]
請求項15に係る本発明は、自装置を移動させるための移動手段を制御することにより、自装置の進路を追随対象者の進路に合わせて変更する際に、追随対象者が進路を変更した場合であっても、追随対象者の進路と自装置の進路との間に通過することにより走行異常が発生する可能性のある障害物がある場合には、自装置の進路を変更することなく走行を継続するステップと、
追随対象者の進路と自装置の進路との間に前記障害物がなくなった場合に、自装置の進路を追随対象者の進路に合わせるような進路変更を行うステップとをコンピュータに実行させるためのプログラムである。
請求項1に係る本発明によれば、自装置の進路を追随対象者の進路に合わせて変更することにより追随対象者を追随する際に、通過することにより走行異常が発生する可能性のある障害物を通過して追随対象者が進路を変更したような場合でも、走行異常を発生させることなく追随対象者の追随を継続することが可能な自律移動装置を提供することができる。
請求項2に係る本発明によれば、追随対象者の特定の動作に応じて進路変更を行わないようにすることが可能な自律移動装置を提供することができる。
請求項3に係る本発明によれば、進路変更の開始前の追随対象者の特定の動作に応じて進路変更を行わないようにすることが可能な自律移動装置を提供することができる。
請求項4に係る本発明によれば、進路変更の開始後であっても、追随対象者の特定の動作に応じて実行中の進路変更を中止して元の進路を維持するようにすることが可能な自律移動装置を提供することができる。
請求項5に係る本発明によれば、追随対象者が進路変更を行う前の予め設定された期間内における追随対象者の特定の動作に応じて進路変更を行わないようにすることが可能な自律移動装置を提供することができる。
請求項6に係る本発明によれば、追随対象者が進路変更を行った後の設定された期間内における追随対象者の特定の動作に応じて、現在の進路を維持するようにすることが可能な自律移動装置を提供することができる。
請求項7に係る本発明によれば、追随対象者の手の特定の動作に応じて進路変更を行わないようにすることが可能な自律移動装置を提供することができる。
請求項8に係る本発明によれば、並走状態となっていることを追随対象者に把握させることが可能な自律移動装置を提供することができる。
請求項9に係る本発明によれば、周囲の騒音レベルが大きい場合でも、並走状態となっていることを追随対象者に把握させることが可能な自律移動装置を提供することができる。
請求項10に係る本発明によれば、周囲の照度が高い場合でも、並走状態となっていることを追随対象者に把握させることが可能な自律移動装置を提供することができる。
請求項11に係る本発明によれば、並走状態となったことにより追随対象者の追随を中止してしまうことを防ぐことが可能な自律移動装置を提供することができる。
請求項12に係る本発明によれば、幅の広い歩道を走行中に並走状態となった場合に、追随対象者の追随を中止してしまうことを防ぐことが可能な自律移動装置を提供することができる。
請求項13に係る本発明によれば、自装置の進路を追随対象者の進路に合わせて変更することにより追随対象者を追随する際に、予め設定された高さ又は幅以上の障害物を通過して追随対象者が進路を変更したような場合でも、走行異常を発生させることなく追随対象者の追随を継続することが可能な自律移動装置を提供することができる。
請求項14に係る本発明によれば、自装置の進路を追随対象者の進路に合わせて変更することにより追随対象者を追随する際に、予め設定された高さ又は幅以上の障害物を通過して追随対象者が進路を変更したような場合でも、走行異常を発生させることなく追随対象者の追随を継続することが可能な自律移動装置を提供することができる。
請求項15に係る本発明によれば、自装置の進路を追随対象者の進路に合わせて変更することにより追随対象者を追随する際に、通過することにより走行異常が発生する可能性のある障害物を通過して追随対象者が進路を変更したような場合でも、走行異常を発生させることなく追随対象者の追随を継続することが可能なプログラムを提供することができる。
本発明の一実施形態の自律移動装置10を用いたシステムの構成を示す図である。 本発明の一実施形態の自律移動装置10の外観を示す斜視図である。 本発明の一実施形態の自律移動装置10のハードウェア構成を示すブロック図である。 本発明の一実施形態の自律移動装置10の機能構成を示すブロック図である。 自律移動装置10が後追モードにて追随対象者1の後にて走行している場合の様子を説明するための図である。 追随対象者1との間の歩道の段差等の障害物の有無およびその高さを検出する様子を説明するための図である。 本発明の一実施形態の自律移動装置10の動作を説明するためのフローチャートである。 自律移動装置10が後追モードにて歩道上を歩いている追随対象者1の後ろを走行している際に、追随対象者1が段差を跨いで車道に降りた場合の動作例を説明するための図である。 自律移動装置10が後追モードにて歩道上を歩いている追随対象者1の後ろを走行している際に、追随対象者1が段差を跨いで車道に降りた場合の動作例を説明するための図である。 自律移動装置10が追随対象者1の後を追いかけて歩道の段差を通過した場合の様子を説明するための図である。 自律移動装置10が後追モードにて歩道上を歩いている追随対象者1の後ろを走行している際に、追随対象者1が段差を跨いで車道に降りた場合の動作例を説明するための図である。 自律移動装置10が後追モードにて歩道上を歩いている追随対象者1の後ろを走行している際に、追随対象者1が段差を跨いで車道に降りた場合の動作例を説明するための図である。 自律移動装置10が後追モードにて歩道上を歩いている追随対象者1の後ろを走行している際に、追随対象者1が段差を跨いで車道に降りた場合の動作例を説明するための図である。 追随対象者1が特定の動作を実行中または特定の状態で進路変更を行った場合の自律移動装置10の動作を説明するためのフローチャートである。 自律移動装置10が後追モードにて歩道上を歩いている追随対象者1の後ろを走行している際に、特定の状態の追随対象者1が段差を跨いで車道に降りた場合の動作例を説明するための図である。 自律移動装置10が後追モードにて歩道上を歩いている追随対象者1の後ろを走行している際に、特定の状態の追随対象者1が段差を跨いで車道に降りた場合の動作例を説明するための図である。 自律移動装置10が後追モードにて歩道上を歩いている追随対象者1の後ろを走行している際に、特定の状態の追随対象者1が段差を跨いで車道に降りた場合の動作例を説明するための図である。 自律移動装置10が後追モードにて歩道上を歩いている追随対象者1の後ろを走行している際に、特定の状態の追随対象者1が段差を跨いで車道に降りた場合の動作例を説明するための図である。 自律移動装置10が並走状態となっていることを追随対象者1に通知する場合の動作について説明するための図である。 音声・光発生部43により行われる音声出力の制御例を説明するためのフローチャートである。 音声・光発生部43により行われるLEDランプの点灯制御例を説明するためのフローチャートである。 自律移動装置10が走行停止状態となった場合の動作を説明するためのフローチャートである。 走行停止状態となった自律移動装置10が集配センターに回収される様子を説明するための図である。 並走状態の場合における追随可能距離を歩道の幅に基づいて算出する場合の一例を説明するための図である。 自律移動装置10が先行モードにて追随対象者1の前において走行している場合の様子を説明するための図である。
次に、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施形態の自律移動装置10を用いたシステムの構成を示す図である。
本発明の一実施形態の自律移動装置10を用いたシステムは、図1に示されるように、自律移動装置10と、この自律移動装置10を遠隔操作するための遠隔操作センターに設置されたサーバ12とから構成されている。
そして、自律移動装置10とサーバ12とは、例えば携帯電話通信網14、インターネット15を経由して相互に接続されている。
自律移動装置10は、携帯電話通信網14との間でデータ等を送受信するように構成されている。また、自律移動装置10は、自装置を移動させるための移動手段を有し、この移動手段により、追随する対象とする人である追随対象者1の動作に追随して自律的に移動することができるような構成となっている。ここで、追随とは、追随対象として認識した追随対象者1の動きに応じて、追随対象者1に先行して又は後追いして自律移動することを意味する。
具体的には、自律移動装置10は、追随対象者1の手、足等の動きを検出し、追随対象者1の後ろから後追いして移動する後追いモード、追随対象者1の前に先行して移動する先行モード、移動を停止する停止モードのいずれかの動作モードにより動作することが可能に構成されている。
ここで、後追モードとは、先行する追随対象者の後を追随するよう走行する動作モードである。そして、先行モードとは、自律移動装置10が追随対象者に先行して走行する動作モードである。
そして、自律移動装置10には、後追モードボタン、先行モードボタン、停止ボタンが設けられており、ユーザはこれらのボタンを操作することにより自律移動装置10の動作モードを切り替えることができるようになっている。
なお、本実施形態では、自律移動装置10は、荷台部を備え、この荷台部に荷箱等の荷物を積載して、荷物を集荷、配達する配達員等の追随対象者1に先行して又は後追いして移動又は停止する例を用いて説明する。
次に、自律移動装置10の構成を説明する。図2は、自律移動装置10の外観を示す斜視図である。
自律移動装置10は、装置本体部16、荷台部17、装置本体部16を移動させるための移動機構18、撮像手段としてのカメラ19、検出手段としてのセンサ20、LEDランプ21、スピーカ22を備えている。
荷台部17は、装置本体部16の上部に設けられており、荷箱等の荷物を積載する。
カメラ19は、周囲の画像、特に、追随対象者の足元の画像を撮像する。カメラ19は、装置本体部16の前面及び後面の2ヶ所に設けられている。
センサ20は、装置本体部16と荷台部17の間に設けられており、自装置の周囲360度に位置する物体との距離及びその形状を検出する。具体的には、センサ20は、レーザ光により物体との距離を検出するレーザレンジファインダ(レーザ距離センサ)等により構成され、LIDAR(Laser Imaging Detection and Ranging)と呼ばれる技術により自装置の周囲に位置する物体との距離及びその形状を検出する。
LEDランプ21は、装置本体部16の前面及び後面の2ヶ所に設けれ、光を発することにより追随対象者に何らかの情報を通知する。また、スピーカ22は、装置本体部16の左右両面の2ヶ所に設けれ、音声を発することにより追随対象者に何らかの情報を通知する。
移動機構18は、装置本体部16の下部に設けられており、カメラ19やセンサ20により検出された追随対象者1の動作に追随して自装置を移動させる。移動機構18としては、具体的には、車輪や、車輪を駆動する駆動源としてのモータや、操舵輪の舵角やブレーキ等を制御するためのアクチュエータ、油圧ポンプ等により構成されている。
図3は、自律移動装置10のハードウェア構成を示すブロック図である。
自律移動装置10は、図3に示されるように、CPU31、メモリ32、記憶装置33、無線通信部34、移動機構18、カメラ19、センサ20、LEDランプ21、スピーカ22を有し、これらが制御バス35を介して接続されている。
CPU31は、メモリ32または記憶装置33に格納された制御プログラムに基づいて所定の処理を実行して、自律移動装置10の動作を制御する。無線通信部34は、携帯電話通信網14との間で無線回線を介してデータの送受信を行っている。なお、本実施形態では、CPU31は、メモリ32または記憶装置33内に格納された制御プログラムを読み出して実行するものとして説明するが、当該プログラムをCD−ROM等の記憶媒体に格納してCPU31に提供することも可能である。
なお、センサ20には、上述したレーザレンジファインダだけでなく、周囲の音を検知する音センサや、周囲の照度を検知する照度センサ等が含まれる。
図4は、上記の制御プログラムが実行されることにより実現される自律移動装置10の機能構成を示すブロック図である。
本実施形態の自律移動装置10は、図4に示されるように、検出部41と、撮像部42と、音声・光発生部43と、データ記憶部44と、画像処理部45と、照度検知部46と、音検知部47と、制御部48と、データ送受信部49と、移動部50を備えている。
データ送受信部49は、制御部48による制御に基づいて、サーバ12との間でデータの送受信を行う。
検出部41は、周囲の物体との距離及びその形状を検出する。具体的には、検出部41は、追随対象者1の足元を含む、周囲の地面付近の物体との距離及び形状を検出する。
例えば、図5(A)に示すように、自律移動装置10が後追モードにて追随対象者1の後にて走行している場合、検出部41は、図5(B)に示すように、追随対象者1の足元との距離や形状を検出する。
そして、追随対象者1との間に歩道の段差等の障害物がある場合、図6に示すように、検出部41は、この段差の有無およびその高さを検出することができる。
移動部50は、自装置を移動させるための移動手段であり、制御部48による制御に基づいて、検出部32により検出された追随対象者1の動作に追随して自装置を移動させる。
データ記憶部44は、制御部48による制御に基づいて、自装置の移動制御を行うための各種データを記憶する。
制御部48は、移動部50を制御することにより、自装置の進路を追随対象者の進路に合わせて変更する際に、追随対象者が進路を変更した場合であっても、追随対象者の進路と自装置の進路との間に通過することにより走行異常が発生する可能性のある障害物がある場合には、自装置の進路を変更することなく走行を継続するよう移動部50を制御する。そして、制御部48は、追随対象者の進路と自装置の進路との間に障害物がなくなった場合に、自装置の進路を追随対象者の進路に合わせるような進路変更を行うよう移動部50を制御する。
ここで、通過することにより走行異常が発生する可能性のある障害物とは、予め設定された高さ又は幅以上である障害物である。つまり、制御部48は、障害物が予め設定された高さ又は幅以上であるか否かに応じて、自装置の進路を追随対象者の進路に合わせるような進路変更を行うか否かを切り替えるよう移動部50を制御する。
ここで、予め設定された高さ以上の障害物とは、例えば10cm以上の段差であり、予め設定された幅以上の障害物とは、例えば幅20cm以上の窪みや穴のように、自律移動装置10が通過すると転倒や走行不能等の何らかの走行異常が発生する可能性があるような障害物である。なお、この障害物として判定する高さや幅等の値は、移動部50における車輪の径、自律移動装置10の最低地上高等の値に基づいて決定される値である。
そして、制御部48は、障害物が予め設定された高さ又は幅以上である場合に、自装置の進路を追随対象者の進路に合わせるような進路変更を行わないよう移動部50を制御する。
なお、本実施形態では、通過することにより走行異常が発生する可能性のある障害物の一例として、予め設定された高さ以上の段差(以下、単に段差と称する。)を用いて説明するが、本発明はこのような場合に限定されるものではなく、予め設定された幅以上の溝や、予め設定された直径以上の穴や、予め設定された高さ以上の突起物等が障害物である場合にも同様に適用することができるものである。
撮像部42は、自装置の周囲の画像を撮像する。画像処理部45は、撮像部42により撮像された画像に対して画像処理を行うことにより追随対象者の状態を取得する。
そして、制御部48は、画像処理部45により取得された追随対象者の状態が予め定められた特定の状態の場合には、追随対象者の進路と自装置の進路との間に、段差がなくなった場合でも、自装置の進路を追随対象者の進路に合わせるような進路変更を行わないよう移動部50を制御する。
つまり、制御部48は、自装置の進路を追随対象者の進路に合わせるような進路変更を開始する前に、追随対象者の状態が予め定められた特定の状態の場合には、進路変更を行わずに現在の進路を維持するよう移動部50を制御する。
そして、制御部48は、自装置の進路を追随対象者の進路に合わせるような進路変更を開始した後であっても、追随対象者の状態が予め定められた特定の状態の場合には、進路変更を中止して進路変更前の進路を維持するよう移動部50を制御するようにしても良い。
さらに、制御部48は、追随対象者が進路変更を行う前の予め設定された期間内、例えば、進路変更を行う前の5秒間に、追随対象者の状態が予め定められた特定の状態であった場合には、追随対象者が進路変更を行った場合でも、自装置の進路を追随対象者の進路に合わせるような進路変更を行わないよう移動部50を制御するようにしても良い。
さらに、制御部48は、追随対象者が進路変更を行った後の予め設定された期間内、例えば、進路変更を行った後の5秒間に、追随対象者の状態が予め定められた特定の状態となった場合には、自装置の進路変更を行う前の場合であれば進路変更を行わずに現在の進路を維持し、自装置の進路変更を行った後であれば、進路変更後の進路を維持するよう移動部50を制御するようにしても良い。
ここで、本実施形態における、予め定められた追随対象者の状態とは、例えば、追随対象者の手により特定の動作が行われている状態である。追随対象者の手により特定の動作が行われている状態とは、一例としては、追随対象者が右手を上に挙げている状態である。また、予め定められた追随対象者の状態とは、例えば、追随対象者が通常とは逆方向で帽子を頭に装着しているような状態である。
追随対象者は、自律移動装置10に先行して歩行している際に、進路変更を行った場合、直ぐに元の進路に戻る予定であるため、自律移動装置10には進路変更をして欲しくないような場合、このような特定の動作や特定の状態となることにより、自律移動装置10の進路変更を防止することが可能となる。
照度検知部46は、自装置の周囲の照度を検知する。また、音検知部47は、自装置の周囲の騒音レベルを検知する。
そして、音声・光発生部43は、自装置の進路を追随対象者1の進路に合わせて変更することができずに、自装置と追随対象者1とが並走状態となっている場合に、並走状態となっていること示す音又は光を発生する。
具体的には、音声・光発生部43は、音検知部47により検知された騒音レベルに応じて決定される音量により、並走状態となっていることを示す音を発生する。また、音声・光発生部43は、照度検知部46により検知された照度に応じて決定される輝度により、並走状態となっていることを示す光を発生する。
上記のような制御が行われることにより、自律移動装置10は、追随対象者が段差等の障害物を跨いで進路を変更したような場合、自装置の進路を変更しない場合がある。すると、自律移動装置10と追随対象者とが並走状態となる場合がある。そこで、上述したような音声・光発生部43により、音声または光を発生させて追随対象者に並走状態となっていることを認識されるようなことが必要となる。しかし、周囲の騒音レベルが大きい場合、一定の出力レベルで音声を出力したとしても追随対象者に音声が届かない場合がある。また、周囲の照度が明るい場合、一定の輝度で光を発生したとしても追随対象者が気付かない場合がある。
そのため、例えば、音声・光発生部43は、音検知部47により検知された騒音レベルが予め設定された値よりも大きい場合には、その騒音レベルよりも大きな音量、例えば検知された騒音レベルを1.1倍した音量により、並走状態となっていることを示す音を発生する。また、音声・光発生部43は、照度検知部46により検知された照度が予め設定された値よりも大きい場合には、その輝度よりも明るい輝度により、並走状態となっていることを示す光を発生する。
なお、トンネル内等のように周囲の照度が予め設定された値よりも低くて暗い場合には、追随対象者は自律移動装置10を視認することができなくなる。そのため、音声・光発生部43は、照度検知部46により検知された照度が予め設定された値以上の場合には、並走状態となっていることを追随対象者には通知しないが、検知された照度が予め設定された値よりも小さい場合には、並走状態となっていることを追随対象者に通知するようにしても良い。
ここで、制御部48は、追随対象者との距離が予め設定された追随可能距離以上となった場合、その追随対象者を追随する走行を停止するような制御を行っている。例えば、制御部48は、追随対象者との距離が1m以上となった場合、その追随対象者を追随することは困難であると判定して、走行を停止するような制御を行っている。
しかし、上記のような制御が行われることにより自律移動装置10と追随対象者とが並走状態となった場合、自律移動装置10と追随対象者との距離は通常の状態よりも長くなる。そのため、上記のような通常の状態における追随可能距離を並走状態においてもそのまま使用したのでは、まだ追随動作を継続することが可能な場合でも自律移動装置10が停止してしまう可能性がある。
そのため、制御部48は、追随対象者との距離が予め設定された追随可能距離以上となった場合、追随対象者を追随する走行を停止するような制御を行う際に、自装置の進路と追随対象者の進路とが一致している場合の追随可能距離よりも、自装置の進路を追随対象者の進路に合わせて変更することができずに追随対象者と並走状態となっている場合の追随可能距離が長くなるように設定する。
具体的には、制御部48は、追随対象者と並走状態となっている場合の追随可能距離を、自装置が走行中の歩道の幅を基準として算出する。例えば、制御部48は、自装置が走行中の歩道の幅の3倍の距離を、追随対象者と並走状態となっている場合の追随可能距離として算出する。
なお、制御部48は、通常の状態における追随可能距離に予め設定された数を状態した値を、追随対象者と並走状態となっている場合の追随可能距離として算出するようにしても良い。例えば、制御部48は、通常の状態における追随可能距離である1mを3倍として、追随対象者と並走状態となっている場合の追随可能距離を3mと算出するようにしても良い。
次に、本実施形態の自律移動装置10の動作について詳細に説明する。
先ず、本実施形態の自律移動装置10の動作を図7のフローチャートを参照して説明する。
自律移動装置10を用いて運搬しようとするユーザが、自律移動装置10に設けられた後追モードボタンを押下すると、検出部41により検出されたユーザが追随対象者として認識される(ステップS101)。
そして、制御部48が移動部50を制御することにより、自律移動装置10は、認識した追随対象者を後追モードについて追随する動作を開始する(ステップS102)。
ここで、追随対象者が進路変更しなければ(ステップS103においてno)、自律移動装置10は、追随対象者の後ろについて走行を行う後追モードにて移動を継続する(ステップS102)。
そして、追随対象者が進路変更した場合(ステップS103においてyes)、制御部48は、検出部41により検出された周囲の形状等の情報に基づいて、追随対象者と自装置との間に所定の高さ以上の段差があるか否かを判定する(ステップS104)。
そして、そのような段差が存在しない場合(ステップS104においてno)、制御部48は、追随対象者の進路と一致するように自装置の進路を変更する(ステップS106)。そして、制御部48は、追随対象者の追随を継続するよう移動部50の制御を継続する(ステップS102)。
ここで、追随対象者と自装置との間に段差が存在する場合(ステップS104においてyes)、制御部48は、自装置の進路変更を行わずに現在の進路を維持する。そのため、結果として自律移動装置10は追随対象者と並走状態となる(ステップS105)。
そして、このような並走状態において走行継続中に、追随対象者と自装置との間に段差が存在しなくなった場合(ステップS104においてno)、制御部48は、追随対象者の進路と一致するように自装置の進路を変更する(ステップS106)。そして、制御部48は、追随対象者の追随を継続するよう移動部50の制御を継続する(ステップS102)。
次に、図8〜図13を参照して、自律移動装置10が後追モードにて歩道上を歩いている追随対象者1の後ろを走行している際に、追随対象者1が段差を跨いで車道に降りた場合の動作例について説明する。
先ず、自律移動装置10が歩道上を歩いている追随対象者1の後ろを走行している様子を図8に示す。図8では、自律移動装置10及び追随対象者1はともに歩道上を移動している。
そして、このような状態において追随対象者1が車道に降りた場合の様子を図9に示す。図9では、追随対象者1が、歩道と車道との間における段差を跨いて歩道から車道に移動して進路変更を行った場合が示されている。
仮に、ここで自律移動装置10が追随対象者1の後を追いかけて歩道の段差を通過した場合、図10に示すように、搭載した荷物が落下したり、転倒してしまったり、あるいは自律移動装置10の底部が段差に接触して走行不能になる等の何らかの走行異常が発生する可能性がある。
そこで、本実施形態の自律移動装置10では、追随対象者1との間に予め設定された高さ、例えば10cm以上の高さの段差があることが検出部41により検出された場合、その段差を通過して追随対象者1の後ろに付くような進路変更を行わないような制御が行われる。
その結果、図11に示すように、自律移動装置10は、歩道上においてそのままの進路を維持して走行することにより、自律緯度装置10と追随対象者1とが並走状態となる。
その後、図12に示すように、自律移動装置10と追随対象者1との間に歩道と車道の段差が無い箇所、あるいは予め設定された高さ以下の段差となる箇所に到達すると、自律移動装置10は自装置の進路変更を行って追随対象者1の後ろの位置に移動する。
そして、その後は図13に示すように、追随対象者1の後ろに付いて走行する後追モードによる追随動作を継続する。
上記の図8〜図13を参照して説明した例では、追随対象者1が歩道を降りて車道を横断して道路の反対側に移動したり、経路確認のために車道に降りるような場合について説明した。しかし、例えば歩道が混在していて追随対象者1が一旦歩道から車道に降りた場合であっても、追随対象者1が元の歩道に戻ろうとするような場合がある。このような場合に、自律移動装置1が追随対象者1の後を追いかけて車道に出てしまうと、追随対象者1が歩道に戻った場合、自律移動装置1はさらに歩道に戻るような進路変更を行う必要があり、無駄な進路変更を繰り返すことになる。
そのため、本実施形態の自律移動装置10では、追随対象者1が特定の状態の場合には、追随対象者が進路変更を行って、自装置と追随対象者1との間に段差が無い場合でも、自装置の進路変更を行わないような制御が行われる。
このような制御が行われる場合の自律移動装置10の動作を図14のフローチャートを参照して説明する。
なお、図14に示したフローチャートは、図7にしめしたフローチャートに対してステップS201の処理が追加されているだけであるため、この追加部分についてのみ説明する。
追随対象者が進路変更した場合(ステップS103においてyes)、制御部48は、検出部41により検出された周囲の形状等の情報に基づいて、追随対象者と自装置との間に所定の高さ以上の段差があるか否かを判定する(ステップS104)。
そして、そのような段差が存在しない場合(ステップS104においてno)、制御部48は、追随対象者が特定の状態でなければ(ステップS201においてno)、追随対象者の進路と一致するように自装置の進路を変更する(ステップS106)。
そして、追随対象者が特定の状態である場合(ステップS201においてyes)、制御部48は、自装置の進路変更を行わずに現在の進路を維持する。そのため、結果として自律移動装置10は追随対象者と並走状態となる(ステップS105)。
次に、図15〜図18を参照して、自律移動装置10が後追モードにて歩道上を歩いている追随対象者1の後ろを走行している際に、特定の状態の追随対象者1が段差を跨いで車道に降りた場合の動作例について説明する。
以下の説明では、追随対象者1の特定の状態が、右腕を挙げた状態、又は帽子を逆向きに被った状態である場合を例として用いる。
歩道上を歩いていた追随対象者1が右手を挙げた状態又は帽子を逆向きに被った状態で車道に降りた場合の様子を図15に示す。図15では、特定の状態の追随対象者1が、歩道と車道との間における段差を跨いて歩道から車道に移動して進路変更を行った場合が示されている。
ここで、本実施形態の自律移動装置10では、追随対象者1との間に予め設定された高さの段差があることが検出部41により検出されるため、その段差を通過して追随対象者1の後ろに付くような進路変更を行わないような制御が行われ、図16に示すように、自律緯度装置10と追随対象者1とが並走状態となる。
その後、図17に示すように、自律移動装置10と追随対象者1との間に歩道と車道の段差が無い箇所、あるいは予め設定された高さ以下の段差となる箇所に到達した場合であっても、撮像部42により撮像された画像に基づいて追随対象者1が右腕を挙げた状態、又は帽子を逆向に被った状態であると判定されると、自律移動装置10では自装置の進路変更を行わずに現在の進路を維持して走行を継続するような制御が行われる。その結果、自律緯度装置10と追随対象者1とは並走状態のままとなる。
そして、図18に示すように、後追随対象者1が元の歩道に戻ると、自律移動装置10は、追随対象者1の後ろに付いて走行する後追モードによる追随動作を継続する。
次に、自律移動装置10が並走状態となっていることを追随対象者1に通知する場合の動作について図19を参照して説明する。
本実施形態の自律移動装置10では、図19に示すように、自装置と追随対象者1とが並走状態となっている場合に、音声・光発生部43は、並走状態となっていること示す音又は光を発生する。
具体的には、音声・光発生部43は、スピーカ22から「並走状態です!」という音声を出力させたり、LEDランプ21を点灯させて光を出力させることにより、追随対象者1に並走状態となっていることを通知する。
ただし、一定の音声レベルで音声を出力したとしても周囲の騒音レベルが大きい場合には、スピーカ22から出力した音声が追随対象者1に届かない場合がある。そのため、音声・光発生部43は、図20に示すような音声出力の制御を行って、音声出力を周囲の騒音レベルに応じて変化させる。
この音声出力の制御例について図20のフローチャートを参照して説明する。
自律移動装置10が追随対象者1に追随して移動している際(ステップS301)、上記で説明したような条件により追随対象者1と並走状態となった場合(ステップS302においてyes)、音検知部47により周囲の騒音レベルの測定が行われる(ステップS303)。
そして、測定された騒音レベルが予め設定された値、例えば60(dB)より小さい場合(ステップS304においてno)、音声・光発生部43は、予め設定された出力レベル、例えば60(dB)により音声出力を行う(ステップS305)。
なお、測定された騒音レベルが予め設定された値、例えば60(dB)以上である場合(ステップS304においてyes)、音声・光発生部43は、測定された騒音レベルの値に1.1を乗算した出力レベル(dB)により音声出力を行う(ステップS306)。
また、一定の輝度にて光を出力したとしても周囲の照度が大きい場合には、LEDランプ21から出力した光が追随対象者1に届かない場合がある。そのため、音声・光発生部43は、図21に示すようなLEDランプ21の点灯制御を行って、出力する光の輝度を周囲の照度に応じて変化させる。
このLEDランプの点灯制御例について図21のフローチャートを参照して説明する。
自律移動装置10が追随対象者1に追随して移動している際(ステップS401)、上記で説明したような条件により追随対象者1と並走状態となった場合(ステップS402においてyes)、照度検知部46により周囲の照度の測定が行われる(ステップS403)。
そして、測定された照度が予め設定された値、例えば300(ルクス)より小さい場合(ステップS404においてno)、音声・光発生部43は、追随対象者1に届いた際の照度が、例えば300(ルクス)となるような輝度によりLEDランプ21を点灯させるような制御を行う(ステップS405)。
なお、測定された照度が予め設定された値、例えば300(ルクス)以上である場合(ステップS404においてyes)、音声・光発生部43は、追随対象者1に届いた際の照度が、例えば800(ルクス)となるような輝度によりLEDランプ21を点灯させるような制御を行う(ステップS405)。
ここで、本実施形態の自律移動装置10は、追随対象者との距離を測定しつつ追随対象者との距離が一定の距離となるように追随して走行を行っている。しかし、何らかの理由により、追随対象者との間の距離が予め設定された追随可能距離を超えた場合、自律移動装置10は、走行を停止してその場に留まるように設定されている。
このような状態となった場合の自律移動装置10の動作を図22のフローチャートを参照して説明する。
自律移動装置10では、追随対象者の動作に追随して走行中は、検出部41により追随対象者との距離を測定している(ステップS501)。
そして、測定された追随対象者との距離が追随可能距離以下である場合(ステップS502においてyes)、そのまま追随動作は継続される。
そして、測定された追随対象者との距離が追随可能距離よりも大きくなった場合(ステップS502においてno)、制御部48は、移動部50を制御して自律移動装置10を走行停止状態とする(ステップS503)。ここで、測定された追随対象者との距離が追随可能距離よりも大きくなった場合とは、例えば、連続して5秒以上継続して測定された追随対象者との距離が追随可能距離よりも大きくなった場合を意味する。
そして、制御部48は、図23に示すように、データ送受信部49を介して遠隔操作センターのサーバ12に、自装置が走行停止状態となった旨の連絡を行う(ステップS504)。この連絡の際に、自律移動装置10では、GPS受信機(不図示)等により得られた自装置の位置情報が遠隔操作センターのサーバ12に送信される。
すると、自律移動装置10からの停止連絡を受信した遠隔操作センターのサーバ12は、走行停止状態となった自律移動装置10の位置に最も近い集配センターを選択して、自律移動装置10に対して選択した集配センターに移動するような移動指示を行う。
すると、自律移動装置10では、この遠隔操作センターのサーバ12からの移動指示を受信すると(ステップS505)、指示された集配センターに移動するような制御が行われる(ステップS506)。
このような一連の処理により、走行停止した自律移動装置10は、最も近くに位置する集配センターに回収されることになる。
しかし、追随対象者が歩道上の障害物回避や、車道横断等のために車道に降りて並走状態となった場合、自律移動装置10と追随対象者との間の距離が一時的に長くなる場合が多いため、並走状態でない通常の状態の場合の追随可能距離を用いて追随可能か否かを判定したのでは自律移動装置10が走行停止してしまう場合が多くなってしまう可能性がある。
そこで、本実施形態の自律移動装置10では、このような走行停止をするか否かの判定基準となる追随可能距離を、並走状態の場合には通常の状態よりも長くなるように設定する。
例えば、並走状態の場合における追随可能距離を歩道の幅に基づいて算出する場合の一例について図24を参照して説明する。
図24に示した例では、自律移動装置10が歩道上を走行し、追随対象者1が車道を歩行していることにより並走状態となっているため、自律移動装置10では、歩道の幅を測定し、追随可能距離を歩道の幅の3倍の値となるように設定する場合が示されている。
例えば、歩道の幅が1.2mの場合には、追随可能距離は、3.6m(1.2m×3)に設定されることになる。
また、自律移動装置10では、追随可能距離を歩道の幅に基づいて算出するのではなく、並走状態でない場合の追随可能距離に予め設定された値を乗算して並走状態の場合の追随可能距離として設定するようにしても良い。
例えば、予め設定された値を3とした場合には、通常の状態における追随可能距離が1mの場合には、並走状態における追随可能距離は3m(1m×3)に設定されることになる。
上記の実施形態では、主として、追随対象者の後ろを自律移動装置10が付いていく後追モードにより追随動作が行われる場合について説明したが、本発明は、追随対象者の前を自律移動装置10が走行する先行モードにより追随動作が行われる場合でも同様に適用可能である。
先行モードでは、図25に示すように、追随対象者1よりも進行方向の前方を自律移動装置10が走行している。このような状態で、追随対象者1が車道に降りた場合、自装置の進路を追随対象者1の進路に合わせるためには、自律移動装置10も車道に降りる必要がある。そのような場合でも、自律移動装置10は、検出部41により段差が検出された場合には、進路変更を行わずに、段差が検出されなくなると、進路変更を行って車道に降りることにより追随対象者1の前に出て先行モードによる追随動作を継続する。
1 追随対象者
10 自律移動装置
12 サーバ
14 携帯電話通信網
15 インターネット
16 装置本体部
17 荷台部
18 移動機構
19 カメラ
20 センサ
21 LEDランプ
22 スピーカ
31 CPU
32 メモリ
33 記憶装置
34 無線通信部
35 制御バス
41 検出部
42 撮像部
43 音声・光発生部
44 データ記憶部
45 画像処理部
46 照度検知部
47 音検知部
48 制御部
49 データ送受信部
50 移動部

Claims (15)

  1. 自装置を移動させるための移動手段と、
    周囲の物体との距離及びその形状を検出する検出手段と、
    前記移動手段を制御することにより、自装置の進路を追随対象者の進路に合わせて変更する際に、追随対象者が進路を変更した場合であっても、追随対象者の進路と自装置の進路との間に通過することにより走行異常が発生する可能性のある障害物がある場合には、自装置の進路を変更することなく走行を継続し、追随対象者の進路と自装置の進路との間に前記障害物がなくなった場合に、自装置の進路を追随対象者の進路に合わせるような進路変更を行うよう前記移動手段を制御する制御手段と、
    を備えた自律移動装置。
  2. 周囲の画像を撮像する撮像手段と、
    前記撮像手段により撮像された画像に対して画像処理を行うことにより前記追随対象者の状態を取得する取得手段とをさらに備え、
    前記制御手段は、前記取得手段により取得された前記追随対象者の状態が予め定められた特定の状態の場合には、追随対象者の進路と自装置の進路との間に前記障害物がなくなった場合でも、自装置の進路を追随対象者の進路に合わせるような進路変更を行わないよう前記移動手段を制御する請求項1記載の自律移動装置。
  3. 前記制御手段は、自装置の進路を追随対象者の進路に合わせるような進路変更を開始する前に、前記追随対象者の状態が予め定められた特定の状態の場合には、進路変更を行わずに現在の進路を維持するよう前記移動手段を制御する請求項2記載の自律移動装置。
  4. 前記制御手段は、自装置の進路を追随対象者の進路に合わせるような進路変更を開始した後であっても、前記追随対象者の状態が予め定められた特定の状態の場合には、進路変更を中止して進路変更前の進路を維持するよう前記移動手段を制御する請求項2記載の自律移動装置。
  5. 前記制御手段は、追随対象者が進路変更を行う前の予め設定された期間内に、前記追随対象者の状態が予め定められた特定の状態であった場合には、追随対象者が進路変更を行った場合でも、自装置の進路を追随対象者の進路に合わせるような進路変更を行わないよう前記移動手段を制御する請求項2記載の自律移動装置。
  6. 前記制御手段は、追随対象者が進路変更を行った後の予め設定された期間内に、前記追随対象者の状態が予め定められた特定の状態となった場合には、自装置の進路変更を行う前の場合であれば進路変更を行わずに現在の進路を維持し、自装置の進路変更を行った後であれば、進路変更後の進路を維持するよう前記移動手段を制御する請求項2記載の自律移動装置。
  7. 前記予め定められた追随対象者の状態が、当該追随対象者の手により特定の動作が行われている状態である請求項2から6のいずれか記載の自律移動装置。
  8. 自装置の進路を追随対象者の進路に合わせて変更することができずに、自装置と前記追随対象者とが並走状態となっている場合に、並走状態となっていること示す音又は光を発生する発生手段をさらに備えた請求項1記載の自律移動装置。
  9. 周囲の騒音レベルを検知する音検知手段をさらに備え、
    前記発生手段は、前記音検知手段により検知された騒音レベルに応じて決定される音量により、並走状態となっていることを示す音を発生する請求項8記載の自律移動装置。
  10. 周囲の照度を検知する照度検知手段をさらに備え、
    前記発生手段は、前記照度検知手段により検知された照度に応じて決定される輝度により、並走状態となっていることを示す光を発生する請求項8記載の自律移動装置。
  11. 前記制御手段は、追随対象者との距離が予め設定された追随可能距離以上となった場合、当該追随対象者を追随する走行を停止するような制御を行う際に、自装置の進路と追随対象者の進路とが一致している場合の追随可能距離よりも、自装置の進路を追随対象者の進路に合わせて変更することができずに前記追随対象者と並走状態となっている場合の追随可能距離が長くなるように設定する請求項1記載の自律移動装置。
  12. 前記制御手段は、前記追随対象者と並走状態となっている場合の追随可能距離を、自装置が走行中の歩道の幅を基準として算出する請求項11記載の自律移動装置。
  13. 前記制御手段は、前記障害物が予め設定された高さ又は幅以上であるか否かに応じて、自装置の進路を追随対象者の進路に合わせるような進路変更を行うか否かを切り替えるよう前記移動手段を制御する請求項1から12のいずれか記載の自律移動装置。
  14. 前記制御手段は、前記障害物が予め設定された高さ又は幅以上である場合に、自装置の進路を追随対象者の進路に合わせるような進路変更を行わないよう前記移動手段を制御する請求項13記載の自律移動装置。
  15. 自装置を移動させるための移動手段を制御することにより、自装置の進路を追随対象者の進路に合わせて変更する際に、追随対象者が進路を変更した場合であっても、追随対象者の進路と自装置の進路との間に通過することにより走行異常が発生する可能性のある障害物がある場合には、自装置の進路を変更することなく走行を継続するステップと、
    追随対象者の進路と自装置の進路との間に前記障害物がなくなった場合に、自装置の進路を追随対象者の進路に合わせるような進路変更を行うステップと、
    をコンピュータに実行させるためのプログラム。
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