JP2020076883A - 反射防止フィルム - Google Patents

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Takeshi Furuta
健 古田
涼介 塩野
Ryosuke Shiono
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【課題】広い光入射角度の範囲で反射低減効果が得られる反射防止フィルムの提供。【解決手段】本発明の反射防止フィルムは、フィルム状の基材2と、基材2上に形成される光調整層3とを備える。光調整層3が形成される側の表面1aの法線を基準とする入射角度が8°である光の反射スペクトルにおいて、波長430nm以上490nm以下の範囲に反射ピークがあると共に、反射ピークのピークトップにおける波長の反射率が、0.5%以上1.4%以下であり、かつ波長800nmにおける反射率が3.5%以上4.7%以下である。【選択図】図1

Description

本発明は、反射防止フィルムに関する。
ディスプレイ等の表示装置に反射防止フィルムを貼り付けることで、外光反射を低減し、表示装置の視認性を改善することが行われている。この種の反射防止フィルムとしては、例えば、誘電体多層膜を利用したものが知られている(特許文献1参照)。また、他の反射防止フィルムとしては、表面にモスアイ構造と呼ばれる微小突起列が設けられたものが知られている。
特開2003−139907号公報 特開2018−124595号公報
誘電体多層膜を利用した反射防止フィルムは、光入射角度(法線基準)が比較的小さい場合に、反射低減機能が発揮されるものの、光入射角度が大きくなると、反射低減機能が低下するという問題があった。光入射角度が大きいと、反射光によって表示装置を視認する利用者や背景が表示装置に写り込む形となり、表示装置の本来の表示内容が見え難くなる。
特に、車載コンソール等の大型の表示装置の場合、視認角度が利用者によって大きく異なることがあるため、広い光入射角度の範囲で、反射低減効果が要求される。しかしながら、誘電体多層膜を利用した反射防止フィルムでは、反射を低減できる光入射角度の範囲が狭いため、問題となっていた。
また、モスアイ構造を利用した反射防止フィルムは、反射を低減できる光入射角度の範囲が、誘電体多層膜を利用した反射防止フィルムと比べて広いものの、物理的な接触等の影響により、モスアイ構造が壊れ易いという問題があった。
本発明の目的は、広い光入射角度の範囲で反射低減効果が得られる反射防止フィルムを提供することである。
本発明者らは、前記目的を達成すべく鋭意検討を行った結果、光調整層が形成される側の表面の法線を基準とする入射角度が8°である光の反射スペクトルにおいて、波長430nm以上490nm以下の範囲に反射ピークがあると共に、前記反射ピークのピークトップにおける波長の反射率が、0.5%以上1.4%以下であり、かつ波長800nmにおける反射率が3.5%以上4.7%以下であると、広い光入射角度の範囲で反射低減効果が得られることを見出し、本願発明の完成に至った。
前記課題を解決するための手段は、以下の通りである。即ち、
<1> フィルム状の基材と、前記基材上に形成される光調整層とを備え、前記光調整層が形成される側の表面の法線を基準とする入射角度が8°である光の反射スペクトルにおいて、波長430nm以上490nm以下の範囲に反射ピークがあると共に、前記反射ピークのピークトップにおける波長の反射率が、0.5%以上1.4%以下であり、かつ波長800nmにおける反射率が3.5%以上4.7%以下である反射防止フィルム。
<2> 前記光調整層は、前記基材上に形成される第1高屈折率層と、前記第1高屈折率層上に形成される第1低屈折率層と、前記第1低屈折率層上に形成される第2高屈折率層と、前記第2高屈折率層上に形成される第2低屈折率層とを有する前記<1>に記載の反射防止フィルム。
<3> 前記基材の粗さ曲線要素の平均長さRSmに対する、前記基材の十点平均粗さRzjisの割合(Rzjis/RSm)が、0.008以上0.019以下である前記<1>又は<2>に記載の反射防止フィルム。
本願発明によれば、広い光入射角度の範囲で反射低減効果が得られる反射防止フィルムを提供することができる。
本発明の一実施形態に係る反射防止フィルムの構成を模式的に表した説明図 光調整層が形成される側の反射防止フィルムの表面の法線を基準とする光の入射角度と、反射防止フィルムの光調整層によって反射された光(反射光)との関係を模式的に表した説明図 実施例1の反射防止フィルムの反射スペクトルを示すグラフ 実施例2の反射防止フィルムの反射スペクトルを示すグラフ 実施例3の反射防止フィルムの反射スペクトルを示すグラフ 実施例4の反射防止フィルムの反射スペクトルを示すグラフ 実施例5の反射防止フィルムの反射スペクトルを示すグラフ 比較例1の反射防止フィルムの反射スペクトルを示すグラフ 比較例2の反射防止フィルムの反射スペクトルを示すグラフ 比較例3の反射防止フィルムの反射スペクトルを示すグラフ 比較例4の反射防止フィルムの反射スペクトルを示すグラフ 比較例5の反射防止フィルムの反射スペクトルを示すグラフ 比較例6の反射防止フィルムの反射スペクトルを示すグラフ
〔反射防止フィルム〕
図1は、本発明の一実施形態に係る反射防止フィルム1の構成を模式的に表した説明図である。反射防止フィルム1は、広い光入射角度の範囲で反射低減機能を示すものであり、反射光を低減できる光の入射角度の依存性が低い。このような反射防止フィルム1は、フィルム状の基材2と、基材2上に形成される光調整層3とを備えている。
基材2は、光透過性を有し、光調整層3等を支持する樹脂製のフィルム状の部材からなる。基材2は、光透過性に優れ、光調整層3等の他の層を支持可能であり、適度な可撓性を備えたものであれば特に制限はない。基材2に使用される具体的な樹脂としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)等のポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂(PC)、ポリメタクリル酸メチル(PMMA)等のアクリル樹脂、トリアセチルセルロース樹脂(TAC)、シクロオレフィン樹脂(COP)、ポリカーボネート樹脂とポリメタクリル酸メチルの積層品(PC/PMMA)等が挙げられる。これらのうち、基材2を構成する樹脂としては、ポリエステル樹脂が好ましく、特にポリエチレンテレフタレート(PET)が好ましい。
なお、前記樹脂中には、必要に応じて、各種の添加剤(紫外線吸収剤、難燃剤、酸化防止剤、着色剤、老化防止剤、フィラー等)が添加されてもよい。
基材2の厚みは、本発明の目的を損なわない限り特に制限はないが、例えば、25μm〜5mmが好ましい。
基材2の表面のうち、少なくとも光調整層3等の他の層が形成される側の表面は、所定の微小な凹凸構造を備えていることが好ましい。基材2の表面が所定の微小な凹凸構造を備えていると、広い光入射角度の範囲で反射低減効果がより得られ易くなる。
基材2の粗さ曲線要素の平均長さRSmは、本発明の目的を損なわない限り特に制限はないが、例えば、40μm以上150μm以下が好ましい。
また、基材2の十点平均粗さRzjisは、本発明の目的を損なわない限り特に制限はないが、例えば、0.5μm以上1.5μm以下が好ましい。
また、基材2の粗さ曲線要素の平均長さRSmに対する、基材2の十点平均粗さRzjisの割合(Rzjis/RSm)は、本発明の目的を損なわない限り特に制限はないが、例えば、0.008以上0.019以下が好ましい。なお、本明細書において、RSm及びRzjisは、JIS B0601:2013に準拠した方法で測定された値を意味する。
基材2の表面における微細な凹凸構造は、基材2の表面に対して、プラズマ処理、コロナ放電処理、火炎処理等の表面処理を行うことで形成してもよいし、基材2を構成する樹脂中に、フィラーを添加し、そのフィラーの形状を利用して形成してもよい。フィラーの形状、配合量、大きさ等の諸条件は、目的に応じて適宜、設定されればよい。
基材2としては、単層状であってもよいし、多層状であってもよい。多層状の基材としては、例えば、樹脂製の芯層と、この芯層の少なくとも片面に積層されるハードコート層とを備えるものが挙げられる。この場合、芯層には、上述した樹脂が利用される。また、ハードコート層としては、本発明の目的を損なわない限り、特に制限はないが、例えば、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、紫外線硬化型アクリル樹脂等の公知の透明な樹脂が利用される。ハードコート層は、芯層の片面のみに形成されてもよいし、芯層の両面に形成されてもよい。ハードコート層の厚みは、本発明の目的を損なわない限り特に制限はないが、例えば、1μm以上10μm以下が好ましく、1μm以上5μm以下がより好ましい。
基材2の表面に、後述する光調整層3を直接、形成してもよいし、密着層を介して光調整層3を形成してもよい。密着層に使用される材料、厚み等の諸条件は、本発明の目的を損なわない限り、特に制限はない。
なお、光調整層3等が形成されない側の基材2の表面には、粘着剤層等の他の層が形成されてもよい。
光調整層3は、反射防止フィルム1に所定の角度で入射した光に対して、反射を低減する機能を備えている。光調整層3は、光調整層3が形成される側の反射防止フィルム1の表面の法線を基準とする入射角度が8°である光の反射スペクトルにおいて、波長430nm以上490nm以下の範囲に反射ピークがあると共に、前記反射ピークのピークトップにおける波長の反射率が、0.5%以上1.4%以下であり、かつ波長800nmにおける反射率が3.5%以上4.7%以下となるように、層構成、組成、屈折率、厚み等の諸条件が、適宜、設定される。なお、波長430nm以上490nm以下の範囲に反射ピークは、通常、1つである。反射ピークが複数の場合は、もっとも大きな(反射率の高い)反射ピークが選択される。
前記法線を基準とする光の入射角度が8°の場合に、反射スペクトルが上述した各条件を満たすと、前記法線を基準とする光の入射角度が大きくなっても、可視光領域の光(380nm〜780nm)の反射が低く抑えられ、特に、視感反射率が低く抑えられる。例えば、前記法線を基準とする光の入射角度θが50°以下の場合(好ましくは45°以下の場合)、可視光領域の光の反射が低く抑えられる。図2には、光調整層3が形成される側の反射防止フィルム1の表面1aの法線Xを基準とする入射角度θで入射する光L1と、反射防止フィルム1の光調整層3によって反射された反射光L2との関係が模式的に示されている。
光調整層3の一例としては、例えば、図1に示されるように、高屈折率層と低屈折率層とが交互に積層されたものからなる。その場合、最も基材2側に配される層が、第1高屈折率層4であり、その第1高屈折率層4上に形成される層が、第1低屈折率層5であり、その第1低屈折率層5上に形成される層が、第2高屈折率層6であり、その第2高屈折率層6上に形成される層が、第2低屈折率層7である。第2低屈折率層7は、これらの中では、最も外側に配される層である。高屈折率層及び低屈折率層は、反射防止機能を確保し易い等の観点より、4層以上に積層されることが好ましく、特に4層が好ましい。
なお、本明細書において、高屈折率層(第1高屈折率層4、第2高屈折率層6等)は、波長500nm〜550nmにおける光の屈折率が1.9以上の層であり、低屈折率層(第1低屈折率層5、第2低屈折率層7等)は、波長500nm〜550nmにおける光の屈折率が1.5以下の層である。
高屈折率層を構成する材料としては、本発明の目的を損なわない限り特に制限はないが、例えば、Nb、ZrO、TiO、SiO、ZnO、In、Ta等の金属酸化物が挙げられる。また、これらの例示された材料(金属酸化物)に対して、異なる元素をドーピングしたものも、高屈折率層の材料として用いることができる。高屈折率層の厚みは、特に制限はないが、例えば、10nm以上200nm以下が好ましい。
光調整層3が4層構造の場合、第1高屈折率層の厚みは、第2高屈折率層の厚みよりも小さいことが好ましい。第1高屈折率層の厚みは、例えば、10nm以上が好ましく、50nm以下が好ましく、30nm以下がより好ましく、20nm以下が更に好ましい。第2高屈折率層の厚みは、例えば、80nm以上が好ましく、90nm以上がより好ましく、100nm以上が更に好ましく、200nm以下が好ましく、150nm以下がより好ましく、120nm以下が更に好ましい。
低屈折率層を構成する材料としては、本発明の目的を損なわない限り特に制限はないが、例えば、SiOx(1<x≦2)、MgF、NaAl14(チオライト)、NaAlF(クリオライト)等が挙げられる。低屈折率層の厚みは、特に制限はないが、例えば、30nm以上130nm以下が好ましい。
光調整層3が4層構造の場合、第1低屈折率層の厚みは、第2低屈折率層の厚みよりも小さいことが好ましい。第1低屈折率層の厚みは、例えば、30nm以上が好ましく、35nm以上がより好ましく、60nm以下が好ましく、50nm以下がより好ましく、40nm以下が更に好ましい。第2低屈折率層の厚みは、例えば、70nm以上が好ましく、75nm以上がより好ましく、80nm以上が更に好ましく、130nm以下が好ましく、110nm以下がより好ましく、95nm以下が更に好ましい。
光調整層3(高屈折率層、低屈折率層)を、基材2上に成膜する方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択される。成膜方法としては、基材2に対して確実に積層し易い等の理由により、スパッタリング法が特に好ましい。
また、スパッタリング法としては、成膜速度の観点より、金属を成膜する場合は、DC電源を用いたマグネトロンスパッタリング法が好ましく、導電性の金属酸化物を成膜する場合は、DCpulse電源を用いた反応性スパッタリング法が好ましく、絶縁性の高いSiOxを成膜する場合は、MF電源を用いたデュアルマグネトロンカソードによる反応性スパッタリング法が好ましい。なお、スパッタリング法により多層成膜する場合、1つのチャンバで複数のターゲットから交互又は順番に成膜する1チャンバ法であってもよいし、複数のチャンバで連続的に成膜するマルチチャンバ法であってもよいが、生産性及び材料コンタミネーションを防止する等の観点より、マルチチャンバ法が好ましい。
反射防止フィルム1では、本発明の目的を損なわない限り、光調整層3上に、更に他の層が形成されてもよい。他の層としては、フッ素コーティング剤からなる保護層等が挙げられる。保護層の厚みは、本発明の目的を損なわない限り、特に制限はないが、例えば、1nm以上20nm以下が好ましい。
反射防止フィルム1は、本発明の目的を損なわない限り、更に、バリア層、中間層等の他の層を備えてもよい。
反射防止フィルム1は、広い光入射角度の範囲で反射低減機能を示すものであり、例えば、自動車等の乗り物のディスプレイ、インストルメントパネル、車載コンソール、センターインフォメーションディスプレイ、メーターパネル、カーナビゲーションシステム等の表示面や、スマートフォン、タブレット端末等の携帯型機器の表示面等に貼り付けて、反射防止・低減等の目的で用いることができる。特に、反射防止フィルムは、広い光入射角度の範囲で反射低減効果が得られるため、大型の表示装置に対して好適に用いることができる。また、反射防止フィルム1は、光透過性を有する部材(例えば、窓ガラス等のガラス製品)等の表示装置以外の物に対して用いてもよい。
以下、実施例に基づいて本発明を更に詳細に説明する。なお、本発明はこれらの実施例により何ら限定されるものではない。
〔反射スペクトルの検証〕
(実施例1〜5及び比較例1〜6)
光学薄膜設計ソフトウェアを利用したシミュレーションにより、表1及び表2に示される層構成を備えた実施例1〜5及び比較例1〜6の反射防止フィルムについて、反射スペクトルを求めた。反射スペクトルとしては、光入射角度が8°の場合、30°の場合、及び40°の場合の3つ場合のものを得た。結果は、図3〜図13に示した。
また、各実施例及び各比較例の反射防止フィルムについて、同様のソフトウェアを利用したシミュレーションにより、視感反射率(%)を求めた。視感反射率(%)は、光入射角度が8°の場合、30°の場合、及び40°の場合の3つの場合のものを求めた。結果は、表1及び表2に示した。
また、各実施例及び各比較例について、光入射角度が8°の場合の反射スペクトルより、波長430nm以上490nm以下の範囲にある光の反射ピーク(ピークトップ)における波長の反射率(%)、及び波長800nmにおける光の反射率(%)を求めた。結果は、表1及び表2に示した。
Figure 2020076883
Figure 2020076883
実施例1〜5では、表1に示されるように、光入射角度が8°の場合における視感反射率が、0.3%以下となり、光入射角度が30°の場合における視感反射率が、0.25%以下となり、光入射角度が40°の場合における視感反射率が、0.50%以下となった。このように、実施例1〜5の反射防止フィルムは、光入射角度が大きくなっても、十分な反射低減効果が得られることが確かめられた。
なお、比較例1は波長430nm以上490nm以下の範囲にある反射ピークのピークトップにおける波長の反射率が、所定の条件を満たさない場合である。比較例2、比較例3、比較例5、及び比較例6は、光入射角度が8°の場合における反射スペクトルにおいて、波長430nm以上490nm以下の範囲にある反射ピークのピークトップにおける波長の反射率と、波長800nmにおける反射率が、所定の条件を満たさない場合である。また、比較例4は、波長800nmにおける反射率が、所定の条件を満たさない場合である。
〔基材表面の凹凸構造による光学的効果の検証〕
(実施例6〜10及び比較例7〜10)
表3に示されるような、粗さ曲線要素の平均長さRSm、及び十点平均粗さRzjisを有するPET製の基材を用意した。そして、各基材の表面に、スパッタリングにより、酸化ニオブ(Nb)の膜からなる第1高屈折率層(厚み:15nm)、酸化ケイ素(SiOx、1<x≦2)の膜からなる第1低屈折率層(厚み:30nm)、酸化ニオブ(Nb)の膜からなる第2高屈折率層(厚み:117nm)、及び酸化ケイ素(SiOx、1<x≦2)の膜からなる第2低屈折率層(厚み:89nm)を、この順で積層し、各実施例及び各比較例の反射防止フィルムを得た。スパッタリングの成膜条件は、以下の通りである。なお、表3には、基材の粗さ曲線要素の平均長さRSmに対する、基材の十点平均粗さRzjisの割合(Rzjis/RSm)も示した。
<成膜条件:第1高屈折率層及び第2高屈折率層>
ターゲット:導電性Nbターゲット(三菱マテリアル社製)、成膜圧力:0.3Pa、DCパワー:2.5W/cm
<成膜条件:第1低屈折率層及び第2低屈折率層>
ターゲット:Siターゲット(アルバック社製)、成膜圧力:0.3Pa、DCパワー:1.9W/cm
なお、上記スパッタリングにおける成膜では、ロール・トゥ・ロール方式のマグネトロンスパッタリング装置を用いた。また、スパッタリング装置の各チャンバ内に供給されるガス(例えば、アルゴンガス)の流量は、所定のマスフローコントローラを用いて、適宜、調節した。
得られた各実施例及び各比較例の反射防止フィルムについて、光の入射角度が8°の場合、及び40°の場合における反射率(%)を、分光光度計(製品名「UH4150」、株式会社日立ハイテクサイエンス製)を使用して測定した。具体的には、光源として、タングステンハロゲンランプ(可視・近赤外域)、及び重水素ランプ(紫外域)を使用し、分光光度計と、角度調整冶具を用いて各反射防止フィルムの透過率(%)を測定し、その透過率(%)の値と、吸収率(%)の値(計算値)とを利用して、下記に示される計算式(1)より、反射率(%)を求めた。
反射率(%)=100−透過率(%)−吸収率(%)(計算値) ・・・・・(1)
なお、吸収率(%)(計算値)は、光入射角度が8°の場合における反射率(%)及び透過率(%)の各測定値と、上記計算式(1)とを利用して求めた値である。
光入射角度が8°の場合の反射率(%)、及び光入射角度が40°の場合の反射率(%)をそれぞれ求めた後、更に、それら反射率比(光入射角度が40°の場合の反射率(%)に対する、光入射角度が8°の場合の反射率(%)の割合)を求めた。結果は、表3に示した。
Figure 2020076883
実施例6〜10は、表3に示されるように、Rzjis/RSmが所定の範囲を満たす場合である。このような実施例6〜10では、反射率比が、比較例7〜10と比べて、低い値となった。このことより、実施例6〜10は、光の入射角度が8°から40°へ大きくなっても、反射光が低減されることが確かめられた。
なお、比較例10は、表面粗さRzjisの値が小さく、基材表面が平坦な場合である。このように、基材表面が平坦であると、反射率比が最も大きな値となった。比較例7は、基材表面に、ある程度の大きさの凹凸構造が存在するものの、Rzjis/RSmの値が小さ過ぎる場合である。また、比較例8,9も、基材表面に、ある程度の大きさの凹凸構造が存在するものの、Rzjis/RSmの値が大き過ぎる場合である。このような比較例7〜9では、光の入射角度が8°から40°へ大きくなると、反射光の割合が増加し、反射率比が大きくなる結果となった。
1…反射防止フィルム、1a…表面、2…基材、3…光調整層、4…第1高屈折率層、5…第1低屈折率層、6…第2高屈折率層、7…第2低屈折率層

Claims (3)

  1. フィルム状の基材と、
    前記基材上に形成される光調整層とを備え、
    前記光調整層が形成される側の表面の法線を基準とする入射角度が8°である光の反射スペクトルにおいて、波長430nm以上490nm以下の範囲に反射ピークがあると共に、前記反射ピークのピークトップにおける波長の反射率が、0.5%以上1.4%以下であり、かつ波長800nmにおける反射率が3.5%以上4.7%以下である反射防止フィルム。
  2. 前記光調整層は、前記基材上に形成される第1高屈折率層と、前記第1高屈折率層上に形成される第1低屈折率層と、前記第1低屈折率層上に形成される第2高屈折率層と、前記第2高屈折率層上に形成される第2低屈折率層とを有する請求項1に記載の反射防止フィルム。
  3. 前記基材の粗さ曲線要素の平均長さRSmに対する、前記基材の十点平均粗さRzjisの割合(Rzjis/RSm)が、0.008以上0.019以下である請求項1又は請求項2に記載の反射防止フィルム。
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