JP2020076637A - 温度サイクル試験装置及びその方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】温度サイクル試験における冷却媒体のロスを低減する。また、試験の短時間化を図り試験回数を増やすことができるようにする。【解決手段】液状の冷却媒体を貯留する冷却室51と、冷却室51の上方に連通状態で設けられた加温室52と、冷却室51と加温室52の間の連通路53を開閉可能に仕切る仕切り機構54を備える。加温室52の上方には、下端部を加温室52内に位置させたときを上昇位置とする昇降軸55を垂直に支持し、昇降軸55の下端部に、試験体Tを着脱可能に保持する試験体ホルダ56を設ける。また昇降軸55には、試験体ホルダ56を冷却室51内の冷却媒体としての液化水素LH2中の位置と、加温室52内との間に往復動させる昇降機構を備える。動作を行う仕切り機構54と昇降機構には圧空作動式のものを使用し、パージボックス63,78で囲繞する。【選択図】図1

Description

この発明は、たとえば極低温温度(冷熱)サイクル試験が可能な温度サイクル試験装置及びその方法に関する。
温度サイクル試験装置として、下記特許文献1に開示された装置がある。この装置は、空気槽の下に腐食液を貯留した浸漬槽を重ね、その中央部に試料懸垂架腕を上端に有する垂直軸を設け、垂直軸の上下動によって試料が浸漬槽に浸漬され、または空気槽に引き上げられるように構成されている。空気槽には温風ボックスが接続されており、空気槽内に温風を送り込むことができる。また試料懸垂架腕の下端には、垂直軸の上下動によって上下する遮蔽板が設けられており、試料を空気槽に引き上げたときに2槽間を仕切ることが可能である。
ところで、自動車やロケットなどをはじめとする様々な分野における部品には、過酷な環境下でも耐久性があって性能が安定していることが要求されている。このため、液体酸素や液体窒素を用いた極低温温度サイクル試験のための装置も提案されている。
しかし、液化水素を用いた極低温温度サイクル試験装置は存在しなかった。
水素に対する耐性をみる試験として、試験体を液化水素に浸漬するための装置があるが、この装置は単に、開閉可能な蓋を有し保温性のある浸漬容器に試験体を浸漬させるものであって、温度サイクル試験を行うものではない。浸漬容器で温度サイクル試験を行おうとする場合には、試験体を浸漬して冷却した後、浸漬容器内に加温のための水素ガスもしくはヘリウムガスを供給して液化水素を気化させて加熱する必要があるが、加温のたびに液化水素を気化させることになり、液化水素のロスが多い。しかも、加温する際に液化水素が蒸発するまでの間、低温の水素ガスが試験体の周囲に存在するため、温度が上がりにくく、試験に時間がかかる。
また、水素は可燃性であって、扱いには注意が必要であるため、上下動する垂直軸を浸漬槽に貫通支持させなければならない特許文献1の装置の冷却媒体として液化水素を使用することはできない。これは、垂直軸と浸漬槽の間をシールすることができないからである。
特開昭61−155726号公報
この発明は、液化水素などの冷却媒体のロスを低減するとともに、試験の短時間化を図り試験回数を増やすことができるようにすることを主な目的とする。
そのための手段は、液状の冷却媒体を貯留する冷却室と、前記冷却室の上方に連通状態で設けられた加温室と、前記冷却室と前記加温室の間の連通路を開閉可能に仕切る仕切り機構を備え、前記加温室の上方には、下端部を前記加温室内に位置させたときを上昇位置とする昇降軸が垂直に支持され、前記昇降軸の下端部に、試験体を着脱可能に保持する試験体ホルダが形成されるとともに、前記昇降軸には、前記試験体ホルダを前記冷却室内の冷却媒体中の位置と、前記加温室内との間に往復動させる昇降機構が備えられた温度サイクル試験装置である。
この構成では、試験体は昇降軸の下端の試験体ホルダに取り付けられて、下に位置する冷却室と、その上に位置する加温室との間を上下動するので、試験においては、冷却室内の冷却媒体を加温のたびに蒸発させることは不要である。また、試験体の加温に際しては、仕切り機構が冷却室と加温室との間の連通路を仕切るので、加温室内の気体が冷却室内に流入することや、逆に冷却室内の冷たいガスが加温室内に流入することを抑制する。試験体を昇降させる昇降軸は、加温室の上方に支持されるので、特別なシール構造なしに支持可能である。
この発明によれば、加温室を冷却室の上方に設けて、加温室の上方に支持した昇降軸の上下動で試験体に対して冷却と加温を繰り返し行えるように構成して特別なシール構造を不要にしたので、たとえば液化水素のような冷却媒体を用いた極低温温度サイクル試験装置を得ることができる。しかも、試験体の加温は垂直軸の上昇で行え、冷却媒体を蒸発させる必要がなく、仕切り機構で加温時に冷却室との間を仕切ることができるので、冷却媒体の消費を抑え無駄をなくすことが可能である。また加温室の昇温を速やかに行え、試験時間の大幅な短縮を図って試験回数を増やすことができる。
液化水素を用いた試験装置の概略構成図。 温度サイクル試験部の冷却室側の部分を示す断面図。 温度サイクル試験部の断面図。 温度サイクル試験部の加温室を示す断面図。 吹き付け手段の斜視図。 吹き付け手段の平面図。 液化水素を用いた温度サイクル試験方法を示すフロー図。
この発明を実施するための一形態を、以下図面を用いて説明する。
図1に、試験装置11を示す。この試験装置11は、液化水素温度まで冷却して耐久性を検証する長期浸漬試験部13と、この発明の「温度サイクル試験装置」としての、極低温温度サイクル試験を行う温度サイクル試験部15を有している。試験装置11では冷却媒体として液状の液化水素LHが使用される。
まず、長期浸漬試験部13について簡単に説明し、続いて、温度サイクル試験部15について説明する。
長期浸漬試験部13は、液化水素LHを貯留する冷却媒体貯留槽としての浸漬容器31で構成される。浸漬容器31は、上端が開口した容器本体32と、容器本体32の開口に着脱自在に取り付けられて容器本体32を閉塞する蓋体33を備え、容器本体32は真空断熱層34を有している。蓋体33は、容器本体32の上端部に嵌まり込む断熱材35を有しており、蓋体33には、液化水素供給ポート36と、水素ガス放出ポート37が設けられている。液化水素供給ポート36から下方には、供給管38が延設されており、供給管38の先端は容器本体32の内周面に沿わせてある。蓋体33の断熱材35より下には、バッフルプレート39が備えられている。
また蓋体33には、液面計40が備えられており、液面計40は、容器本体32に貯留する予め設定された液化水素LHの最大限度量、すなわち液面最大高さ41を検出する。
長期浸漬試験部13は、重量計42の上に載置され、重量計42の計測値に基づいて内部の液化水素LHの貯留量が判断される。
容器本体32には、上下に配設された2本の管が外部に向けて延びている。2本の管とは、容器本体32における液化水素LHが貯留されている液相部分に設けられた導入管43と、容器本体32における液化水素LHの液面より上の気相部分に設けられた連結管44である。連結管44は前述の液面最大高さ41より上に設けられる。
つぎに、温度サイクル試験部15について説明する。温度サイクル試験部15の概要は次のとおりである。
温度サイクル試験部15は、液化水素LHを貯留する冷却室51と、冷却室51の上方に連通状態で設けられた加温室52と、冷却室51と加温室52の間の連通路53を開閉可能に仕切る仕切り機構54を備えており、長期浸漬試験部13の浸漬容器31に、導入管43と連結管44を介して並設されている。
導入管43と連結管44が接続されるのは温度サイクル試験部15における冷却室51である。つまり、冷却室51の液相部分と浸漬容器31の液相部分が導入管43で連結され、冷却室51の気相部分と浸漬容器31の気相部分が連結管44で連結される。
加温室52の上方には、下端部を加温室52内に位置させたときを上昇位置とする昇降軸55が垂直に支持され、昇降軸55の下端部に、試験体Tを着脱可能に保持する試験体ホルダ56が形成されている。昇降軸55はストロークなどを考慮して適宜長さ設定されており、下端部の試験体ホルダ56は、略円板状に形成され、適宜形態の試験体Tを保持できる適宜の保持手段が備えられている。
また試験体ホルダ56には、保持した試験体Tの温度を計測するための温度センサ57が内蔵されている(図3、図4参照)。
昇降軸55には、試験体ホルダ56を冷却室51内の液化水素LH中の位置と、加温室52内との間に往復動させる昇降機構58が備えられる(図3、図4参照)。この昇降機構58と、連通路53の仕切り機構54は、共に圧空作動式である。
具体的に説明すると、冷却室51は図2に示したように有底筒状であり、上端を除く全体に真空断熱層59を有している。冷却室51の下端部には導入管43が接続されており、浸漬容器31内の液化水素LHが自然に導入される構造である(図1参照)。このような構造であるため、冷却室51内の液化水素LHの液面は、浸漬容器31内の液化水素LHの液面と同じになる。
冷却室51の上部には、連結管44が接続されている。連結管44の接続位置は、浸漬容器31の液面最大高さ41と同じ液面最大高さ60よりも上である。
また、冷却室51の上端部には、内圧が異常に上昇したときに水素ガスGHを逃がす安全弁61が設けられている。
冷却室51の上が前述の連通路53であり、連通路53には、仕切り機構54の仕切弁62が進退可能に備えられている。仕切弁62は、連通路53を横断する方向に往復動可能に設けられており、前述のように圧空作動式である。つまり、図1、図3に示したように、仕切り機構54は圧縮空気の送り込みと排出で仕切弁62の開閉(OPEN/CLOSE)を行う。このような仕切り機構54にはゲートバルブが好適に使用できる。
仕切り機構54の圧空作動式のアクチュエータは、パージボックス63で包囲されている。パージボックス63には、図3に示したように、内部に不燃性ガスを出し入れする供給口63aと排出口63bが設けられており、離れた位置に設けられた供給源(図示せず)から例えば窒素などの不燃性ガスが少しずつ供給されるとともに排出されて、パージボックス63内を常に不燃性ガスで満たすようにしている。これはアクチュエータの駆動に必要なセンサに通電がなされるからである。
連通路53の上の加温室52は、図3、図4に示したように、上下が貫通した箱状であり、側面には開閉可能な扉体64が設けられている(図4参照)。加温室52を構成する筐体52aは、中空層65を有する二重壁構造であり、筐体52aには中空層65に加温用の流体を循環させる循環手段として、流体入口66と流体出口67が形成され(図3参照)、流体入口66と流体出口67には、図示しない流体供給源に接続されている。ここに用いる流体は、適宜選定できるが、例えば水や湯を利用できる。
加温室52には、試験体ホルダ56に取り付けられた試験体Tに加温用のガスを供給するガス導入路68とガス放出路69が備えられている(図4参照)。具体的には、筐体52aの側面の開口を開閉可能に塞ぐ扉体64に、ガス導入路68とガス放出路69が形成され、これらガス導入路68とガス放出路69には、離れた位置に設けられたガス供給源(図示せず)が接続されている。ガス導入路68とガス放出路69に接続されるガス供給源としては、前述の加温用のガスを供給するもののほか、置換用の不燃性ガスを供給するものも備える。
加温に用いるガスは、液化水素LHでの冷却温度よりも高い適宜の温度の水素ガスもしくはヘリウムガスを用いる。例えば水素に対する耐性を検証する場合には水素ガスを用いるとよく、試験体Tの取り出しを含めて取り扱い性を考えればヘリウムガスを用いるとよい。
加温のためのガスの供給は、単に流し込むだけでもよいが、より効率よい温度上昇を図るべく、加温室52内にガス吹き付け手段71が設けられる。
ガス吹き付け手段71は、ガス導入路68に接続されており、図4に示したように扉体64の内面に一体に備えられている。ガス吹き付け手段71が扉体64に設けられているため、扉体64を開いたときにガス吹き付け手段71は加温室52から出て、扉体64を閉じるとガス吹き付け手段71は試験体Tを囲む構造である。
図5に扉体64の概略構造の斜視図を示す。ガス吹き付け手段71は、ガス導入路68に接続されて平面視U字状をなす幹部72と、幹部72の下面に配設された複数の円筒状のノズル73で構成されている。幹部72は平面視U字状であるので、半円弧状の円弧部72aと、円弧部72aの両側からまっすぐに延びる直線部72bを有している。直線部72b同士の間隔は、試験体ホルダ56や試験体Tの大きさよりも大きく設定され、直線部72b同士の間が試験体ホルダ56又は試験体Tが相対移動する出入り口となる。
幹部72の縦断面形状は方形であり、幹部72の太さはノズル73の直径より太く形成されている。ノズル73は、外周面の一部に長手方向に沿って配設された複数の噴口73aを有している。
ノズル73の配置は、図6に示したように、試験体Tの水平方向の周囲を取り囲む配置である。つまり、平面視U字状の幹部72における円弧部72a分の中心点Pを中心にした円周上にノズル73が配設されている。そしてノズル73の噴口73aの向き、すなわち噴射方向は、円弧部72aの中心点Pに、つまり試験体Tに向けられている。
扉体64の外面には、開閉のための取っ手74が設けられている。扉体64は筐体52aの開口に対してボルト止めなどの適宜の閉鎖手段で固定される。図面では扉体64の閉鎖手段の図示を省略している。
加温室52の上には前述の昇降機構58が設けられる。昇降機構58は、昇降軸55に沿って立設された2本のレール部75と、これらレール部75上を走行するスライダ76で構成される。スライダ76は、昇降軸55の上端部に保持され昇降軸55と直交する方向に広がるスライダ取り付け板77の縁から垂設されている。スライダ76の上昇と下降は、前述のとおり仕切り機構54と同様に圧空作動式である。つまり、昇降機構58は圧縮空気の送り込みと排出によってスライダ76が上下動(UP/DOWN)する構造である。
この昇降機構58においても、前述の仕切り機構54の場合と同様、パージボックス78が設けられている。すなわち、図4に示したように、パージボックス78には内部に不燃性ガスを出し入れする供給口78aと排出口78bが設けられており、供給口78aと排出口78bには、離れた位置に設けられた供給源(図示せず)が接続されている。
また、昇降機構58の昇降軸55の周囲には、加温室52内の気体がパージボックス78内のセンサなどの電子部品に影響を与えないように囲い込むためのベローズ81が設けられている。具体的には、図4に示したように、スライダ取り付け板77の下面にベローズ81の上端の上端板部82が設けられ、上端板部82の中央の貫通穴82aに対して気密性を持たせて昇降軸55を挿通している。ベローズ81の下端の下端板部83は、加温室52との間の連通部を塞いで加温室52の上端面に固定され、下端板部83の貫通穴83aに対して気密性を持たせて昇降軸55を挿通している。
以上のように構成された試験装置11では、図7に示したような工程で温度サイクル試験を行う。
すなわち、垂直に支持された昇降軸55の下端の試験体ホルダ56に、加温室52において試験体Tを取り付ける試験体取り付け工程S1と、加温室52内を不燃性ガスで置換する置換工程S2と、加温室52と加温室52の下方の冷却室51との間に設けられた仕切りを開ける開放工程S3と、加温室52内の試験体Tを冷却室51内に降下させる試験体降下工程S4と、冷却室51内の液化水素LH内で試験体Tを所定温度まで冷却する冷却工程S5と、冷却室51内の試験体Tを加温室52内へ上昇させる試験体上昇工程S6と、仕切りを閉じる閉鎖工程S7と、加温室52内に加温のためのガスを供給するガス供給工程S8と、試験体Tを所定温度まで昇温させる昇温工程S9と、仕切りを開放するとともにガス供給工程S8でのガスの供給を停止する再冷却準備工程S10を順に経たのち、試験体降下工程S4から再冷却準備工程S10までの工程を複数回繰り返してから、さらに昇温工程S9まで終えた後、ガス供給工程S8でのガスの供給を停止する取り出し準備工程S11と、加温室52内において試験体ホルダ56から試験体Tを取り外す試験体取り出し工程S12を有する温度サイクル試験方法である。
試験体取り付け工程S1では、加温室52の扉体64を開けて、上昇位置にある昇降軸55の試験体ホルダ56を露出させて試験体Tを取り付ける。試験体ホルダ56に備えられる保持手段は、図3、図4の例では、円筒形状の試験体Tを外周面に嵌める短柱状の保持体56aである。保持体56aは、試験体ホルダ56に対する螺合や、他の部材を用いた結合などによって試験体ホルダ56の下面に取り付け可能に構成されている。このような保持体56aなしに試験体ホルダ56に対して直接ボルト固定するなど、取り付け構造に応じて試験体Tの取り付けがなされる。
このとき、加温室52の中には可燃性ガスや有毒ガスがない状態であり、連通路53における前述の仕切りとしての仕切弁62は閉鎖されている。冷却室51内の液化水素LHは存在しない場合も存在する場合もある。
置換工程S2では、安全のために不活性ガスなどの不燃性ガスで雰囲気を置換する。この置換工程S2では、扉体64に設けたガス導入路68からガス吹き付け手段71を介して不燃性ガスを供給する。不燃性ガスによる置換操作の代わりに、真空引きを行ってもよい。
このあと、冷却室51に液化水素LHが貯留されていない場合には、浸漬容器31の液化水素供給ポート36から所定量の液化水素LHを供給する。
続く開放工程S3では、閉じてあった仕切弁62を開いて試験体Tの冷却準備を行う。
試験体降下工程S4では、昇降機構58を駆動して昇降軸55を下げ、試験体Tを液化水素LHの中に浸して冷却工程S5に移行する。試験体Tが浸漬されることによって液化水素LHが万が一突沸したとしても、冷却室51には液面最大高さ60より上に浸漬容器31につながる連結管44が設けられているので、水素ガスGHは浸漬容器31に逃がされ、安全は確保される。
試験体ホルダ56に備えた温度センサ57の検知に基づいて、試験体Tが所定の冷却温度になったと判断されたあとは、冷却工程S5を終了し、昇降機構58が駆動して昇降軸55を上げる試験体上昇工程S6に移行する。
試験体上昇工程S6によって、試験体Tは加温室52内に収容されることになる。
続く閉鎖工程S7では、仕切り機構54が駆動して仕切弁62で連通路53を閉じて冷却室51を隔絶する。これにより、冷却室51内の液化水素LHが気化した水素ガスGHが加温室52に入り込むことを防止するとともに、加温室52内の気体が冷却室51に入って液化水素LHの気化が促進されることを防止する。
このあと、ガス供給工程S8に移行して、扉体64のガス導入路68から加熱のためのガスを供給し、試験体Tに作用したガスをガス放出路69から出す。このガスには、常温の水素ガスGHや加熱した水素ガスGHが用いられる。このほか、ヘリウムガスを用いてもよい。
なお、加温室52の筐体52aには、流体入口66から供給された水や湯などの加温のための流体が循環しており、加温室52は温められている。この作用と、前述のように仕切弁62が冷却室51を隔絶することによって、試験体Tの加温は円滑になされる。
しかも、ガス導入路68から取り込まれる加温のためのガスは、ガス吹き付け手段71によって、試験体Tに向けて吹き付けられるので、試験体Tは速やかに温度上昇する。
試験体ホルダ56に備えた温度センサ57の検知に基づいて、試験体Tが所定の加温温度になったと判断されたあとは、昇温工程S9を終了し、再冷却準備工程S10に移行する。つまり、仕切り機構54を駆動して仕切弁62を開くとともにガス導入路68からのガスの導入を停止する。
このあとは、前述した試験体降下工程S4から再冷却準備工程S10までの各工程を必要な複数回繰り返す。
必要回数の冷却工程S5を終えたあとは、さらに試験体上昇工程S6、閉鎖工程S7、ガス供給工程S8、昇温工程S9を経て、次に取り出し準備工程S11に移行する。つまりガス導入路68からのガスの供給を停止して加温室52内を不燃性ガスで置換する。ガス供給工程S8で用いるガスが不燃性ガスである場合には、置換は省略できる。
最後に、加温室52の扉体64を開けて試験体ホルダ56から試験体Tを取り外す。
このように、試験体Tは下に位置する冷却室51とその上に位置する加温室52との間を上下動して冷却と加温を繰り返すので、試験において冷却室51内の液化水素LHを加温のたびに蒸発させることは不要である。このため、液化水素LHの消費を大幅に削減でき、液化水素LHの無駄をなくすことができる。
液化水素LHの無駄削減の効果は、試験体Tの加温に際して仕切り機構54が冷却室51と加温室52の間の連通路53を仕切ることで、液化水素LHの気化を抑制することによっても高められる。
また、試験体Tの昇温は、加温室52を冷却室51から仕切った状態で行われるので、冷却室51内の冷たい水素ガスGHが加温室52内に流入することを抑制できる。このため、流体を用いた加温室52の加温とガス吹き付け手段71による積極的で効果的な加温と相まって、試験体Tの昇温が速やかに行える。
この結果、試験体Tの昇温に液化水素LHの蒸発が不要であることも相まって、冷却と昇温のサイクルの短時間化を図ることができるようになり、試験の回数を大幅に増やすことが可能である。
付言すると、試験体の昇温に際して液化水素を蒸発させる方法で温度サイクル試験を行う場合、約20kgの液化水素を使用するとき、試験体の温度を一度下げてから上げるまでを1サイクルとすると、1サイクルには3日間を要していた。つまり、試験容器内に試験体を設置し、試験容器内に液化水素を供給して試験体の冷却を行い、このあと試験容器内の液化水素を放置することで蒸発させるわけであるが、蒸発するまでに約3日間が必要であった。しかも、液化水素の消費量は供給した量の約20kgである。
これに対して、前述した試験装置11を用いて温度サイクル試験を行った場合には、同じ約20kgの液化水素を用いた場合でも、1サイクルにかかる時間は約1時間であり、液化水素のロス量は0.5kgであった。
このように、温度サイクル試験に要する時間の大幅な短縮と、液化水素の無駄の顕著な削減を実現できることがわかる。
また、昇降機構58と仕切り機構54は圧空作動式であってモータ駆動式ではないので、可燃性ガスである水素を、電気機器や電子部品から隔離して封じ込めやすい。そのうえ昇降機構58と仕切り機構54はパージボックス63,78を備えているので、安全を確保できる。このため、冷却媒体として液化水素のような可燃性液体を用いても安全装置が得られる。
そのうえ試験装置11は、温度サイクル試験部15を用いた温度サイクル試験のほかに、長期浸漬試験部13を用いた長期浸漬試験もできるので、利便性が高い。
以上の構成はこの発明を実施するための一形態であって、この発明は前述の構成のみに限定されるものではなく、その他の構成を採用することができる。
例えば、長期浸漬試験部13に代えて、液化水素LHを単に貯留する液化水素貯留槽を備えてもよい。
試験装置11や温度サイクル試験装置(温度サイクル試験部15)の冷却媒体には、前述の液化水素LHのほか、例えば液化窒素や液化ヘリウム、液化天然ガスなどの適宜の冷却媒体を用いることができ、加温のためのガスも適宜設定される。
15…温度サイクル試験部
31…浸漬容器
43…導入管
44…連結管
51…冷却室
52…加温室
53…連結路
54…仕切り機構
55…昇降軸
56…試験体ホルダ
58…昇降機構
63…パージボックス
65…中空層
66…流体入口
67…流体出口
68…ガス導入路
69…ガス放出路
71…ガス吹き付け手段
73…ノズル
78…パージボックス
T…試験体

Claims (12)

  1. 液状の冷却媒体を貯留する冷却室と、
    前記冷却室の上方に連通状態で設けられた加温室と、
    前記冷却室と前記加温室の間の連通路を開閉可能に仕切る仕切り機構を備え、
    前記加温室の上方には、下端部を前記加温室内に位置させたときを上昇位置とする昇降軸が垂直に支持され、前記昇降軸の下端部に、試験体を着脱可能に保持する試験体ホルダが形成されるとともに、
    前記昇降軸には、前記試験体ホルダを前記冷却室内の冷却媒体中の位置と、前記加温室内との間に往復動させる昇降機構が備えられた
    温度サイクル試験装置。
  2. 前記冷却媒体が可燃性液体であり、
    前記仕切り機構と前記昇降機構が圧空作動式である
    請求項1に記載の温度サイクル試験装置。
  3. 前記仕切り機構と前記昇降機構が、内部に不燃性ガスが供給されるパージボックスで包囲された
    請求項1または請求項2に記載の温度サイクル試験装置。
  4. 前記加温室に、前記試験体に加温用のガスを供給するガス導入路とガス放出路が備えられた
    請求項1から請求項3のうちいずれか一項に記載の温度サイクル試験装置。
  5. 前記加温室内に、前記ガス導入路に接続されるガス吹き付け手段が設けられ、
    前記ガス吹き付け手段に複数のノズルが設けられ、
    前記ノズルの配置が、前記試験体の水平方向の周囲を取り囲む配置であり、
    前記ノズルの噴射方向が前記試験体に向けられた
    請求項4に記載の温度サイクル試験装置。
  6. 前記加温室を構成する筐体が、中空層を有する二重壁構造に形成され、
    前記中空層に加温用の流体を循環させる循環手段が備えられた
    請求項1から請求項5のうちいずれか一項に記載の温度サイクル試験装置。
  7. 前記冷却室に、液化水素を貯留する液化水素貯留槽が並設されるとともに、
    前記冷却室の液相部分と前記液化水素貯留槽の液相部分が、導入管で連結され、
    前記冷却室の気相部分と前記液化水素貯留槽の気相部分が、連結管で連結された
    請求項1から請求項6のうちいずれか一項に記載の温度サイクル試験装置。
  8. 前記液化水素貯留槽が、前記試験体を浸漬して試験する浸漬容器である
    請求項7に記載の温度サイクル試験装置。
  9. 垂直に支持された昇降軸の下端の試験体ホルダに、加温室において試験体を取り付ける試験体取り付け工程と、
    前記加温室と前記加温室の下方の冷却室との間に設けられた仕切りを開ける開放工程と、
    前記加温室内の前記試験体を前記冷却室内に降下させる試験体降下工程と、
    前記冷却室内における液状の冷却媒体内で前記試験体を所定温度まで冷却する冷却工程と、
    前記冷却室内の前記試験体を前記加温室内へ上昇させる試験体上昇工程と、
    前記仕切りを閉じる閉鎖工程と、
    前記加温室内に加温のためのガスを供給するガス供給工程と、
    前記試験体を所定温度まで昇温させる昇温工程と、
    前記仕切りを開放するとともに前記ガス供給工程でのガスの供給を停止する再冷却準備工程を順に経たのち、前記試験体降下工程から前記再冷却準備工程までの工程を複数回繰り返してから、さらに前記昇温工程まで終えた後、
    前記ガス供給工程でのガスの供給を停止する取り出し準備工程と、
    前記加温室内において前記試験体ホルダから前記試験体を取り外す試験体取り出し工程を有する
    温度サイクル試験方法。
  10. 前記冷却媒体が可燃性液体である
    請求項9に記載の温度サイクル試験方法。
  11. 前記冷却媒体が液化水素であり、
    前記ガス供給工程で、水素ガスを供給する
    請求項9に記載の温度サイクル試験方法。
  12. 前記冷却室内の前記冷却媒体を、前記冷却室に並設された冷却媒体貯留槽のうちの液相部分に連結された導入管を通して導くとともに、
    前記冷却室の気化したガスを、前記冷却媒体貯留槽の気相部分に逃がす
    請求項9から請求項11のうちいずれか一項に記載の温度サイクル試験方法。
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