JP2020076043A - 脂肪族ポリカーボネート含有溶液及びその製造方法、並びに脂肪族ポリカーボネート含有層及びその製造方法 - Google Patents

脂肪族ポリカーボネート含有溶液及びその製造方法、並びに脂肪族ポリカーボネート含有層及びその製造方法 Download PDF

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信貴 藤本
聖司 西岡
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聖司 西岡
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Abstract

【課題】高い寸法精度の凹凸を備える脂肪族ポリカーボネート含有層を実現するための原料、及び該脂肪族ポリカーボネート含有層を提供する。【解決手段】本発明の1つの脂肪族ポリカーボネート含有溶液は、全ての脂肪族ポリカーボネートのうち数平均分子量が10000以上の該脂肪族ポリカーボネートが99.0質量%以上である該脂肪族ポリカーボネートを含有する。該脂肪族ポリカーボネート含有溶液によれば、該溶液を用いて形成された脂肪族ポリカーボネート含有層22に対して凹凸を形成する際に、高い寸法精度の凹凸を備える脂肪族ポリカーボネート含有層を確度高く実現し得る。【選択図】図9

Description

本発明は、脂肪族ポリカーボネート含有溶液及びその製造方法、並びに脂肪族ポリカーボネート含有層及びその製造方法に関する。
様々な形態の情報端末や情報家電が産業界及び消費者に求められる中、微細化された電子デバイスに代表される、種々の分野の各種デバイスのための配線等の形成方法は、日進月歩で進化を続けている。
各種の電子デバイスのための配線等の形成方法として、長年に亘り、真空プロセスやフォトリソグラフィー法を用いたプロセス等、比較的長時間、及び/又は高価な設備を要する製造方法が採用されてきた。
一方、簡素化ないし省エネルギー化が可能であるとともに大面積化も容易なプロセスとして、「ナノ・インプリント」とも呼ばれる「型押し」加工法を用いた安価で簡便な手法によってパターニングの形成をする技術が開示されている(特許文献1)。「型押し」加工法は、工業性ないし量産性に優れた製造方法を提供し得る。
また、本願出願人は、脂肪族ポリカーボネートからなるバインダーを添加したペースト又は溶液を用いて印刷法による層を形成するときに、そのバインダーの曳糸性を適切に制御することが可能となる酸化物の前駆体を開示する。(特許文献2)。
国際公開第WO2011/138958号公報 国際公開第WO2016/098423号公報 国際公開第WO2013/069686号公報 国際公開第WO2017/047227号公報
上述のとおり、真空プロセスやフォトリソグラフィー法を用いたプロセスに代表される製造方法は、各種のデバイスを製造するために多くの処理と長時間を要するため、原材料や製造エネルギーの使用効率の低下又は悪化につながる。従って、そのような製造方法を採用することは、工業性又は量産性の観点から好ましくないだけでなく、大面積化を比較的困難にすることになる。
一方、印刷法に代表される低エネルギー製造プロセスは、電子デバイスのフレキシブル化、及び上述の工業性又は量産性の観点から、産業界において非常に注目を集めている。印刷法又は塗布法を用いれば、直接、基板上に所望の層をパターニングすることができるため、パターニングのためのエッチング処理工程を省くことができるという利点が得られる。しかしながら、脂肪族ポリカーボネートを含有する層について言えば、特に所望の凹凸(代表的には、微細な凹凸)を備える脂肪族ポリカーボネート含有層を形成しようとしたときの、高い寸法精度の凹凸を確度高く実現することは非常に困難である。
従って、微細化された電子デバイスに代表される、様々な分野の各種デバイスに用いられる可能性のある、高い寸法精度の凹凸を有する脂肪族ポリカーボネート含有層の実現に向けた研究及び開発は、未だ道半ばである。
本発明は、高い寸法精度の凹凸を備える脂肪族ポリカーボネート含有層を実現するための原料、及び該脂肪族ポリカーボネート含有層の実現に貢献し得るとともに、該原料及び該脂肪族ポリカーボネート含有層の製造方法の実現に大きく貢献し得る。
本発明者らは、既に開示されている技術情報に基づいて、高い寸法精度の凹凸を備える脂肪族ポリカーボネート含有層の実現に向けて鋭意研究と分析を重ねた。しかしながら、既知の分子量を有する脂肪族ポリカーボネートを採用したとしても、凹凸を有する脂肪族ポリカーボネート含有層を、寸法精度良く且つ確度高く実現することが困難であることを知得した。
そこで、本発明者らは、脂肪族ポリカーボネート含有層に対して凹凸を形成する際の加熱温度の調整を含めた様々な試行錯誤を行ったが、具体的な成果に至らない日が続いた。しかしながら、凹凸を有する脂肪族ポリカーボネート含有層の特殊性についてさらに分析と検討を重ねた結果、本発明者らは、これまでに着眼していた質量平均分子量ではなく、数平均分子量が凹凸形状の寸法精度に支配的に影響していることを知得した。
上述の新たな知見を踏まえ、本発明者らは、従来は一定程度有益と考えていた或る特定の分子量の脂肪族ポリカーボネートを可能な限り分離することに挑んだ。その結果、ある一定値以上の分子量が支配的になるとともに、高い数平均分子量を有する脂肪族ポリカーボネートが支配的な脂肪族ポリカーボネートを採用することによって、高い寸法精度の凹凸を備える脂肪族ポリカーボネート含有層を確度高く実現し得ることを知得した。本発明は上述の工夫によって創出された。
本発明の1つの脂肪族ポリカーボネート含有溶液は、該溶液中の全ての脂肪族ポリカーボネートのうち分子量が10000以上の該脂肪族ポリカーボネートが99.0質量%以上であり、且つ数平均分子量が10000以上である該脂肪族ポリカーボネートを含有する。
この脂肪族ポリカーボネート含有溶液は、分子量が10000未満の脂肪族ポリカーボネートを実質的に含まない、又は1.0質量%未満しか含まない。加えて、この脂肪族ポリカーボネート含有溶液は、数平均分子量が10000以上である該脂肪族ポリカーボネートを含む。従って、該脂肪族ポリカーボネート含有溶液を用いて形成された脂肪族ポリカーボネート含有層に対して、例えば、ナノ・インプリント法を用いて凹凸を形成する際に、高い寸法精度の凹凸を備える脂肪族ポリカーボネート含有層を確度高く実現し得る。
また、本発明のもう1つの脂肪族ポリカーボネート含有溶液は、脂肪族ポリカーボネートの分子量分布曲線において、分子量が10000である脂肪族ポリカーボネートの分布面積が該分子量分布曲線の全面積の99.0%以上を占め、且つ数平均分子量が10000以上である脂肪族ポリカーボネートを含有する。
この脂肪族ポリカーボネート含有溶液は、脂肪族ポリカーボネートの分子量分布曲線において、分子量が10000以上である脂肪族ポリカーボネートの分布面積が該分子量分布曲線の全面積の99.0%以上を占め、且つ数平均分子量が10000以上である脂肪族ポリカーボネートを含有する。換言すれば、この脂肪族ポリカーボネート含有溶液は、分子量が10000未満の脂肪族ポリカーボネートを実質的に又は殆ど含まず、且つ数平均分子量が10000以上である。従って、該脂肪族ポリカーボネート含有溶液を用いて形成された脂肪族ポリカーボネート含有層に対して、例えば、ナノ・インプリント法を用いて凹凸を形成する際に、高い寸法精度の凹凸を備える脂肪族ポリカーボネート含有層を確度高く実現し得る。
また、本発明の1つの脂肪族ポリカーボネート含有層においては、該溶液中の全ての脂肪族ポリカーボネートのうち分子量が10000以上の該脂肪族ポリカーボネートが99.0質量%以上であり、且つ数平均分子量が10000以上である。
この脂肪族ポリカーボネート含有層は、分子量が10000未満の脂肪族ポリカーボネートを実質的に含まない、又は1.0質量%未満しか含まない。加えて、この脂肪族ポリカーボネート含有層は、数平均分子量が10000以上である該脂肪族ポリカーボネートを含む。従って、該脂肪族ポリカーボネート含有層に対して、例えば、ナノ・インプリント法を用いて凹凸を形成する際に、高い寸法精度の凹凸を備える脂肪族ポリカーボネート含有層を確度高く実現し得る。
また、本発明のもう1つの脂肪族ポリカーボネート含有層は、脂肪族ポリカーボネートの分子量分布曲線において、分子量が10000以上である脂肪族ポリカーボネートの分布面積が該分子量分布曲線の全面積の99.0%以上を占める分子量分布曲線を有し、且つ数平均分子量が10000以上である脂肪族ポリカーボネートを含有する。
この脂肪族ポリカーボネート含有層は、脂肪族ポリカーボネートの分子量分布曲線において、分子量が10000以上である脂肪族ポリカーボネートの分布面積が該分子量分布曲線の全面積の99.0%以上を占め、且つ数平均分子量が10000以上である脂肪族ポリカーボネートを含有する。換言すれば、この脂肪族ポリカーボネート含有層は、分子量が10000未満の脂肪族ポリカーボネートを実質的に又は殆ど含まず、且つ数平均分子量が10000以上である。従って、該脂肪族ポリカーボネート含有層に対して、例えば、ナノ・インプリント法を用いて凹凸を形成する際に、高い寸法精度の凹凸を備える脂肪族ポリカーボネート含有層を確度高く実現し得る。
また、本発明の1つの脂肪族ポリカーボネート含有溶液の製造方法は、脂肪族ポリカーボネートを含有する脂肪族ポリカーボネート含有溶液から、分子量が10000以上の該脂肪族ポリカーボネートが99.0質量%以上であり、且つ数平均分子量が10000以上となるように、分子量が10000未満の該脂肪族ポリカーボネートを分離する分離工程を含む。
この脂肪族ポリカーボネート含有溶液の製造方法によれば、所定の分子量の脂肪族ポリカーボネートを分離する分離工程により、分子量が10000未満の脂肪族ポリカーボネートを実質的に含まない脂肪族ポリカーボネート含有溶液、又は1.0質量%未満しか含まない脂肪族ポリカーボネート含有溶液を製造することができる。加えて、この脂肪族ポリカーボネート含有溶液の製造方法によれば、数平均分子量が10000以上となる脂肪族ポリカーボネート含有溶液を製造することができる。従って、該脂肪族ポリカーボネート含有溶液を用いて形成された脂肪族ポリカーボネート含有層に対して、例えば、ナノ・インプリント法を用いて凹凸を形成する際に、高い寸法精度の凹凸を備える脂肪族ポリカーボネート含有層を確度高く実現し得る。
また、本発明のもう1つの脂肪族ポリカーボネート含有溶液の製造方法は、脂肪族ポリカーボネートを含有する脂肪族ポリカーボネート含有溶液から、脂肪族ポリカーボネートの分子量分布曲線において、分子量が10000以上である脂肪族ポリカーボネートの分布面積が該分子量分布曲線の全面積の99.0%以上を占め、且つ数平均分子量が10000以上となるように、分子量が10000未満の該脂肪族ポリカーボネートを分離する分離工程を含む。
この脂肪族ポリカーボネート含有溶液の製造方法によれば、所定の分子量の脂肪族ポリカーボネートを分離する分離工程により、脂肪族ポリカーボネートの分子量分布曲線において、分子量が10000以上である脂肪族ポリカーボネートの分布面積が該分子量分布曲線の全面積の99.0%以上を占める分子量分布曲線を有する脂肪族ポリカーボネートを含有する脂肪族ポリカーボネート含有溶液、あるいは分子量が10000未満の脂肪族ポリカーボネートを実質的に又は殆ど含まない脂肪族ポリカーボネート含有溶液を製造することができる。加えて、この脂肪族ポリカーボネート含有溶液の製造方法によれば、数平均分子量が10000以上となる脂肪族ポリカーボネート含有溶液を製造することができる。従って、該脂肪族ポリカーボネート含有溶液を用いて形成された脂肪族ポリカーボネート含有層に対して、例えば、ナノ・インプリント法を用いて凹凸を形成する際に、高い寸法精度の凹凸を備える脂肪族ポリカーボネート含有層を確度高く実現し得る。
また、本発明の1つの脂肪族ポリカーボネート含有層の製造方法は、該溶液中の全ての脂肪族ポリカーボネートのうち分子量が10000以上の該脂肪族ポリカーボネートが99.0質量%以上であり、且つ数平均分子量が10000以上である該脂肪族ポリカーボネートを含有する脂肪族ポリカーボネート含有溶液を、基材上又はその上方に層状に形成し、加熱することによって脂肪族ポリカーボネート含有層を形成する脂肪族ポリカーボネート含有層形成工程を含む。
この脂肪族ポリカーボネート含有層の製造方法は、該溶液中の全ての脂肪族ポリカーボネートのうち分子量が10000以上の該脂肪族ポリカーボネートが99.0質量%以上であり、且つ数平均分子量が10000以上である該脂肪族ポリカーボネートを含有する脂肪族ポリカーボネート含有溶液を用いて脂肪族ポリカーボネート含有層を形成する工程を含む。従って、該脂肪族ポリカーボネート含有層に対して、例えば、ナノ・インプリント法を用いて凹凸を形成する際に、高い寸法精度の凹凸を備える脂肪族ポリカーボネート含有層を確度高く実現し得る。
また、本発明のもう1つの脂肪族ポリカーボネート含有層の製造方法は、脂肪族ポリカーボネートの分子量分布曲線において、分子量が10000以上である脂肪族ポリカーボネートの分布面積が該分子量分布曲線の全面積の99.0%以上を占め、且つ数平均分子量が10000以上である脂肪族ポリカーボネートを含有する脂肪族ポリカーボネート含有溶液を、基材上又はその上方に層状に形成し、加熱することによって脂肪族ポリカーボネート含有層を形成する脂肪族ポリカーボネート含有層形成工程を含む。
この脂肪族ポリカーボネート含有層の製造方法は、脂肪族ポリカーボネートの分子量分布曲線において、分子量が10000以上である脂肪族ポリカーボネートの分布面積が該分子量分布曲線の全面積の99.0%以上を占め、且つ数平均分子量が10000以上である脂肪族ポリカーボネートを含有する脂肪族ポリカーボネート含有溶液を用いて脂肪族ポリカーボネート含有層を形成する工程を含む。従って、該脂肪族ポリカーボネート含有層に対して、例えば、ナノ・インプリント法を用いて凹凸を形成する際に、高い寸法精度の凹凸を備える脂肪族ポリカーボネート含有層を確度高く実現し得る。
ところで、本願においては、「液体からゲル状態に至る過程」は、代表的な例で言えば、熱処理によって溶媒をある程度(代表的には、溶媒全体に対する質量比において80%以上であるがこの数値に限定されない。)除去するが、脂肪族ポリカーボネートが実質的に分解又は除去されていない状況をいう。
また、本願における「層」は、層のみならず膜をも含む概念である。逆に、本願における「膜」は、膜のみならず層をも含む概念である。
また、本出願における「基材」とは、板状体の基礎に限らず、その他の形態(例えば、曲面状)の基礎ないし母材を含む。加えて、本願の後述する各実施形態においては、「塗布」とは、低エネルギー製造プロセス、代表的には印刷法、スピンコート法、バーコート法、スリットコート法、又はナノ・インプリント法によってある基材上に層を形成することをいう。
加えて、本出願における「分子量が10000未満の脂肪族ポリカーボネートを実質的に含まない」とは、本願出願時における市販の分析装置(東ソー株式会社製、機種:HLC−8020)において検出限界値以下である、という意味である。
本発明の1つの脂肪族ポリカーボネート含有溶液によれば、該脂肪族ポリカーボネート含有溶液を用いて形成された脂肪族ポリカーボネート含有層に対して、例えば、ナノ・インプリント法を用いて凹凸を形成する際に、高い寸法精度の凹凸を備える脂肪族ポリカーボネート含有層を確度高く実現し得る。
また、本発明の1つの脂肪族ポリカーボネート含有層によれば、該脂肪族ポリカーボネート含有層に対して、例えば、ナノ・インプリント法を用いて凹凸を形成する際に、高い寸法精度の凹凸を備える脂肪族ポリカーボネート含有層を確度高く実現し得る。
また、本発明の1つの脂肪族ポリカーボネート含有溶液の製造方法によれば、該脂肪族ポリカーボネート含有溶液を用いて形成された脂肪族ポリカーボネート含有層に対して、例えば、ナノ・インプリント法を用いて凹凸を形成する際に、高い寸法精度の凹凸を確度高く実現し得る脂肪族ポリカーボネート含有層の原料を提供することができる。
また、本発明の1つの脂肪族ポリカーボネート含有層の製造方法によれば、例えば、ナノ・インプリント法を用いて凹凸を形成する際に、高い寸法精度の凹凸を確度高く実現し得る脂肪族ポリカーボネート含有層を提供することができる。
第1の実施形態の脂肪族ポリカーボネート含有溶液のTG−DTA特性の一例を示すグラフである。 第1の実施形態における脂肪族ポリカーボネート含有溶液に含まれる脂肪族ポリカーボネートの、ゲル透過クロマトグラフィー(以下、「GPC」ともいう)による分子量分布を示すグラフである。 第1の実施形態における他の脂肪族ポリカーボネート含有溶液に含まれる脂肪族ポリカーボネートの、GPCによる分子量分布を示すグラフである。 第1の実施形態における他の脂肪族ポリカーボネート含有溶液に含まれる脂肪族ポリカーボネートの、GPCによる分子量分布を示すグラフである。 第1の実施形態における他の脂肪族ポリカーボネート含有溶液に含まれる脂肪族ポリカーボネートの、GPCによる分子量分布を示すグラフである。 比較例の脂肪族ポリカーボネート含有溶液に含まれる脂肪族ポリカーボネートの、GPCによる分子量分布を示すグラフである。 第2の実施形態における複合部材の全体構成を示す側面図である。 第2の実施形態における複合部材の製造方法の一過程を示す断面模式図である。 第2の実施形態における複合部材の製造方法の一過程を示す断面模式図である。 第2の実施形態における複合部材の製造方法の一過程を示す断面模式図である。 第2の実施形態における複合部材の製造方法の一過程を示す段差測定結果を示すグラフの一例である。 比較例における複合部材の製造方法の一過程を示す断面模式図である。 第2の実施形態における複合部材の製造方法の一過程を示す断面模式図である。 第2の実施形態における複合部材の製造方法の一過程を示す断面模式図である。 第2の実施形態における複合部材の製造方法の一過程を示す断面模式図である。 第2の実施形態における複合部材の製造方法の一過程を示す断面模式図である。 第2の実施形態における複合部材の製造方法の一過程を示す断面模式図である。
本発明の実施形態である複合部材、脂肪族ポリカーボネート含有層、及び該複合部材の製造方法を、添付する図面に基づいて詳細に述べる。なお、この説明に際し、全図にわたり、特に言及がない限り、共通する部分には共通する参照符号が付されている。また、図中、各実施形態の要素は必ずしも互いの縮尺を保って記載されるものではない。さらに、各図面を見やすくするために、一部の符号が省略され得る。
<第1の実施形態>
1.脂肪族ポリカーボネート含有溶液及び脂肪族ポリカーボネート含有層、並びにそれらの製造方法
本実施形態の脂肪族ポリカーボネート含有溶液(不可避不純物を含み得る。以下、同じ)は、本実施形態の脂肪族ポリカーボネート含有層(不可避不純物を含み得る。以下、同じ)を製造するための原料である。また、高い寸法精度の凹凸が形成された該脂肪族ポリカーボネート含有層は、その後の簡便な工程によって高い寸法精度を有する脂肪族ポリカーボネート含有層のパターンを実現し得る。以下に、本実施形態の脂肪族ポリカーボネート含有溶液及び本実施形態の脂肪族ポリカーボネート含有層について説明する。
(脂肪族ポリカーボネート含有溶液及び脂肪族ポリカーボネート含有層について)
本実施形態においては、全ての脂肪族ポリカーボネートのうち分子量が10000以上の該脂肪族ポリカーボネートが99.0質量%以上であり、且つ数平均分子量が10000以上である脂肪族ポリカーボネートを、ある溶媒(代表的には、有機溶媒)中に溶解させた状態が、本実施形態の「脂肪族ポリカーボネート含有溶液」を構成する。なお、上述の「全ての」とは、脂肪族ポリカーボネート含有溶液中の全ての、という意味である。また、別の表現を採用すれば、脂肪族ポリカーボネートの分子量分布曲線において、分子量が10000以上である脂肪族ポリカーボネートの分布面積が該分子量分布曲線の全面積の99.0%以上を占め、且つ数平均分子量が10000以上である脂肪族ポリカーボネートを含有する脂肪族ポリカーボネート含有溶液が、本実施形態の「脂肪族ポリカーボネート含有溶液」である。
また、その脂肪族ポリカーボネート含有溶液を加熱することによって、ナノ・インプリント法又は各種の印刷法(例えば、スクリーン印刷法)に用いることができる程度に溶媒が除去された状態(代表的には、「ゲル状態」)の層は、本実施形態の「脂肪族ポリカーボネート含有層」である。
本実施形態の脂肪族ポリカーボネート含有溶液は、主として脂肪族ポリカーボネートを含むが、脂肪族ポリカーボネート以外の化合物、組成物、又は材料を含み得る。なお、該脂肪族ポリカーボネート含有溶液中の脂肪族ポリカーボネート含有量の下限値は特に限定されないが、代表的には、該脂肪族ポリカーボネートの、溶質の総量に対する質量比が80%以上である。また、該脂肪族ポリカーボネート含有溶液中の脂肪族ポリカーボネート含有量の上限値は特に限定されないが、代表的には、該脂肪族ポリカーボネートの、溶質の総量に対する質量比が100%以下である。
なお、該脂肪族ポリカーボネート含有層は、例えば、後述する型押し工程によって、凹凸が形成された該脂肪族ポリカーボネート含有層になる。
(脂肪族ポリカーボネート含有溶液及び脂肪族ポリカーボネート含有層の例)
本実施形態においては、熱分解性の良い脂肪族ポリカーボネートが用いられる。このような脂肪族ポリカーボネートは、酸素含有量が高く、比較的低温で低分子化合物に分解することが可能である。
また、本実施形態において、脂肪族ポリカーボネートを含む溶液である「脂肪族ポリカーボネート含有溶液」に採用され得る有機溶媒は、脂肪族ポリカーボネートを溶解可能な有機溶媒であれば特に限定されない。有機溶媒の具体例は、国際公開第WO2016/098423号公報において開示されている、有機溶媒が好適に用いられる。
また、脂肪族ポリカーボネートを含む溶液である脂肪族ポリカーボネート含有溶液には、所望により、国際公開第WO2016/098423号公報において開示されている、分散剤及び/又は可塑剤等をさらに添加することができる。
また、本実施形態の脂肪族ポリカーボネート含有層を形成する方法は、特に限定されない。低エネルギー製造プロセスによる層の形成は、好適な一態様である。より具体的には、特に簡便な方法であるナノ・インプリント法等により、基材上に凹凸が形成された脂肪族ポリカーボネート含有層を形成することが好ましい。
<TG−DTA(熱重量測定及び示差熱)特性>
ここで、比較的低温で低分子化合物に分解することが可能となる脂肪族ポリカーボネートについて、本発明者らは、より具体的にその分解及び消失の過程を調査した。
図1は、脂肪族ポリカーボネートの代表例であるポリプロピレンカーボネートを溶質とする溶液(すなわち、本実施形態の脂肪族ポリカーボネート含有溶液)のTG−DTA特性の一例を示すグラフである。なお、このグラフは、ポリプロピレンカーボネートを6.25質量%含むDEGMEA溶液の常圧下における結果が示されている。また、図1に示すように、図中の実線は、熱重量(TG)測定結果であり、図中の点線は示差熱(DTA)測定結果である。
図1に示す熱重量測定の結果から、140℃付近から190℃付近にかけて、脂肪族ポリカーボネート含有溶液の溶媒の消失とともに、ポリプロピレンカーボネート自身の一部の分解ないし消失による重量の顕著な減少が見られた。なお、この分解により、ポリプロピレンカーボネートは、二酸化炭素と水に変化していると考えられる。また、図1に示す結果から、190℃付近において、該脂肪族ポリカーボネートが90wt%以上分解され、除去されていることが確認された。さらに詳しく見ると、250℃付近において、該脂肪族ポリカーボネートが95wt%以上分解され、260℃付近において、該脂肪族ポリカーボネートがほぼ全て(99wt%以上)分解されていることが分かる。従って、250℃以上(より好ましくは260℃以上)の加熱処理を行うことによって、実質的に又はほぼ消失又は除去される脂肪族ポリカーボネート含有溶液を採用することにより、脂肪族ポリカーボネート含有溶液の層を加熱することによって形成される脂肪族ポリカーボネート含有層は、分解又は除去され得る。そのため、例えば、高い寸法精度の凹凸が形成された該脂肪族ポリカーボネート含有層から形成される高い寸法精度を有する脂肪族ポリカーボネート含有層のパターンを利用して形成される金属層の形成のための犠牲層としての役割を果たし得る。換言すれば、該脂肪族ポリカーボネート含有層のパターンは、実質的に自身の残渣を残すことなく分解又は除去されることが可能となる。
なお、上述の結果は、比較的短時間の加熱処理による該脂肪族ポリカーボネートの分解についての結果であるが、より長時間加熱処理する場合は、より低温(例えば、180℃)であっても十分に該脂肪族ポリカーボネートが分解することが確認されている。換言すれば、加熱による該脂肪族ポリカーボネートの分解又は除去される温度の下限値が、代表的には180℃であるといえる。但し、この下限値の温度は、該脂肪族ポリカーボネートの中の1つ又は数個の結合だけが切れる温度という意味ではなく、該脂肪族ポリカーボネートが実質的に又はほぼ分解することによって質量の減少が確認される温度である。従って、180℃以上で加熱したときに、実質的に又はほぼ分解又は除去される脂肪族ポリカーボネート含有層を採用することにより、上述の同様に、例えば、高い寸法精度を有する脂肪族ポリカーボネート含有層のパターンを利用して形成される金属層の形成のための犠牲層としての役割を果たし得る。換言すれば、該脂肪族ポリカーボネート含有層のパターンは、実質的に自身の残渣を残すことなく分解又は除去されることが可能となる。
なお、該脂肪族ポリカーボネート含有層のパターンの代表的な例は、ナノ・インプリント分野、あるいは半導体分野又は電子デバイス分野において採用され得るライン・アンド・スペース又はドットに代表されるパターンであるが、本実施形態のパターンの形状は、それらに限定されない。各種の公知のパターン形状を有する脂肪族ポリカーボネート含有層も、本実施形態の「脂肪族ポリカーボネート含有層のパターン」に含まれ得る。
(脂肪族ポリカーボネートの種類について)
本実施形態においては、脂肪族ポリカーボネートの例として、ポリプロピレンカーボネートが採用されているが、本実施形態で用いられる脂肪族ポリカーボネートの種類は特に限定されない。例えば、エポキシドと二酸化炭素とを重合反応させた脂肪族ポリカーボネートも、本実施形態において採用し得る好適な一態様である。このようなエポキシドと二酸化炭素とを重合反応させた脂肪族ポリカーボネートを用いることにより、脂肪族ポリカーボネートの構造を制御することで熱分解性を向上させられる、所望の分子量を有する脂肪族ポリカーボネートが得られるという効果が奏される。とりわけ、脂肪族ポリカーボネートの中でも酸素含有量が高く、比較的低温で低分子化合物に分解する観点から言えば、脂肪族ポリカーボネートは、ポリエチレンカーボネート、ポリプロピレンカーボネート、及びポリブチレンカーボネートからなる群より選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。さらに、脂肪族ポリカーボネート含有層としてより高い撥液性を実現する観点から言えば、脂肪族ポリカーボネートは、ポリプロピレンカーボネート、及びポリブチレンカーボネートからなる群より選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。
また、上述のエポキシドは、二酸化炭素と重合反応して主鎖に脂肪族を含む構造を有する脂肪族ポリカーボネートとなるエポキシドであれば特に限定されない。例えば、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、1−ブテンオキシド、2−ブテンオキシド、イソブチレンオキシド、1−ペンテンオキシド、2−ペンテンオキシド、1−ヘキセンオキシド、1−オクテンオキシド、1−デセンオキシド、シクロペンテンオキシド、シクロヘキセンオキシド、スチレンオキシド、ビニルシクロヘキセンオキシド、3−フェニルプロピレンオキシド、3,3,3−トリフルオロプロピレンオキシド、3−ナフチルプロピレンオキシド、3−フェノキシプロピレンオキシド、3−ナフトキシプロピレンオキシド、ブタジエンモノオキシド、3−ビニルオキシプロピレンオキシド、及び3−トリメチルシリルオキシプロピレンオキシド等のエポキシドは、本実施形態において採用し得る例である。これらのエポキシドの中でも、二酸化炭素との高い重合反応性を有する観点から、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、及び1,2−ブチレンオキシドが好適に用いられる。なお、上述の各エポキシドは、それぞれ単独で使用されてもよいし、2種以上を組み合わせて用いられることもできる。
(脂肪族ポリカーボネートの製造方法について)
本実施形態の脂肪族ポリカーボネートの製造方法の一例として、エポキシドと二酸化炭素とを金属触媒の存在下で重合反応させる方法等が採用され得る。
ここで、脂肪族ポリカーボネートの製造例は、次のとおりである。
攪拌機、ガス導入管、温度計を備えた、容積が1L(リットル)のオートクレーブの系内をあらかじめ窒素雰囲気に置換した後、有機亜鉛触媒を含む反応液、ヘキサン、及びプロピレンオキシドを仕込んだ。次に、攪拌しながら二酸化炭素を加えることによって反応系内を二酸化炭素雰囲気に置換し、反応系内が約1.5MPaとなるまで二酸化炭素を充填した。その後、そのオートクレーブを60℃に昇温し、反応により消費される二酸化炭素を補給しながら数時間重合反応を行った。反応終了後、オートクレーブを冷却して脱圧し、ろ過した。その後、減圧乾燥することによりポリプロピレンカーボネートを得た。
なお、上述の金属触媒として、国際公開第WO2016/098423号公報において開示されている触媒、特に有機亜鉛触媒が好適に用いられる。
また、上述の有機亜鉛触媒として、国際公開第WO2016/098423号公報において開示されている触媒が好適に用いられる。
ここで、有機亜鉛触媒の製造例は、次のとおりである。
まず、攪拌機、窒素ガス導入管、温度計、還流冷却管を備えた四つ口フラスコに、酸化亜鉛、グルタル酸、酢酸、及びトルエンを仕込んだ。次に、反応系内を窒素雰囲気に置換した後、そのフラスコを55℃まで昇温し、同温度で4時間攪拌することにより、前述の各材料の反応処理を行った。その後、110℃まで昇温し、さらに同温度で4時間攪拌して共沸脱水させ、水分のみを除去した。その後、そのフラスコを室温まで冷却することにより、有機亜鉛触媒を含む反応液を得た。なお、この反応液の一部を分取し、ろ過して得た有機亜鉛触媒について、IRを測定(サーモニコレージャパン株式会社製、商品名:AVATAR360)した。その結果、カルボン酸基に基づくピークは認められなかった。
なお、重合反応に用いられる上述の金属触媒の使用量は、国際公開第WO2016/098423号公報において開示されている量が好ましい。
また、上述の重合反応において必要に応じて用いられる反応溶媒は、特に限定されるものではない。具体的には、国際公開第WO2016/098423号公報において開示されている例を採用し得る。
なお、上述の反応溶媒の使用量は、国際公開第WO2016/098423号公報において開示されている量が好ましい。
また、上述の重合反応において、エポキシドと二酸化炭素とを金属触媒の存在下で反応させる方法としては、特に限定されるものではない。例えば、国際公開第WO2016/098423号公報において開示されている方法が採用され得る。
加えて、上述の重合反応において用いられる二酸化炭素の使用圧力は、特に限定されない。代表的には、国際公開第WO2016/098423号公報において開示されている圧力が採用され得る。
さらに、上述の重合反応における重合反応温度は、特に限定されない。代表的には、30℃以上100℃以下であることが好ましく、40℃以上80℃以下であることがより好ましい。重合反応温度が30℃未満の場合、重合反応に長時間を要するおそれがある。また、重合反応温度が100℃を超える場合、副反応が起こり、収率が低下するおそれがある。重合反応時間は、重合反応温度により異なるために一概には言えないが、代表的には、2時間〜40時間であることが好ましい。
重合反応終了後、得られた脂肪族ポリカーボネートに対して、下記の工程を行うことにより、本実施形態の脂肪族ポリカーボネート含有溶液が製造される。
(脂肪族ポリカーボネート含有溶液の製造方法について)
本実施形態においては、上述の脂肪族ポリカーボネートを既に説明した、脂肪族ポリカーボネートを溶解可能な有機溶媒(例えば、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート)に溶解させた後、上述の触媒をろ過により除去する。その後、特定の数値範囲の分子量の脂肪族ポリカーボネートを可能な限り分離する分離工程を採用することにより、本実施形態の脂肪族ポリカーボネート含有溶液が製造される。
[分離工程]
具体的には、本実施形態の分離工程においては、上述のろ過されたろ液から、分画分子量が10000の限界ろ過膜(UF膜)を用いて、分子量が10000未満の脂肪族ポリカーボネートを透過ろ液側に排出させることにより分離する。その後、透過しなかったろ液を、濃縮及び乾燥する。
上述の分離工程を行うことによって得られた、特定の数値範囲の分子量の脂肪族ポリカーボネートを、脂肪族ポリカーボネートを溶解可能な有機溶媒(例えば、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート)に溶解させる。その結果、後述する分析の結果、以下の(X)又は(Y)を満たす本実施形態の脂肪族ポリカーボネート含有溶液を製造することができる。
(X)全ての脂肪族ポリカーボネートのうち分子量が10000以上の該脂肪族ポリカーボネートが99.0質量%以上であり、且つ数平均分子量が10000以上である該脂肪族ポリカーボネートを含有する脂肪族ポリカーボネート含有溶液
(Y)分子量が10000以上の部分が全面積の99.0%以上を占める分子量分布曲線を有し、且つ数平均分子量が10000以上である脂肪族ポリカーボネートを含有する脂肪族ポリカーボネート含有溶液
上述の分離工程を採用することによって得られる脂肪族ポリカーボネート含有溶液の幾つかの例について以下に説明する。
図2乃至図5は、本実施形態における脂肪族ポリカーボネート含有溶液に含まれる脂肪族ポリカーボネートのGPCによる分子量分布の測定結果を示すグラフである。また、図6は、上述の分離工程が行われることなく得られた比較例としての脂肪族ポリカーボネート含有溶液に含まれる脂肪族ポリカーボネートのGPCによる分子量分布の測定結果を示すグラフである。なお、図2乃至図6においては、実線が微分分子量分布曲線を示し、破線が積分分子量分布曲線を示す。
また、図2乃至図6に示す各脂肪族ポリカーボネート含有溶液に含まれる脂肪族ポリカーボネートの数平均分子量の数値及び質量平均分子量の数値を算出した。なお、測定条件は、以下の通りである。
機種:HLC−8020(東ソー株式会社製)
カラム:GPCカラム(東ソー株式会社の商品名:TSK GEL Multipore HXL−M)
カラム温度:40℃
溶出液:クロロホルム
流速:1mL/分
上述の算出を行った結果、図2乃至図6に示す各脂肪族ポリカーボネート含有溶液における各脂肪族ポリカーボネートの数平均分子量の数値及び質量平均分子量の数値は、以下のとおりである。
(a)図2に示す脂肪族ポリカーボネートの数平均分子量(Mn)は約93400であり、質量平均分子量(Mw)は約113000である。また、MwをMnで除した値(Mw/Mn)は、約1.21である。
(b)図3に示す脂肪族ポリカーボネートの数平均分子量(Mn)は約308000であり、質量平均分子量(Mw)は約354000である。また、MwをMnで除した値(Mw/Mn)は、約1.15である。
(c)図4に示す脂肪族ポリカーボネートの数平均分子量(Mn)は約171000であり、質量平均分子量(Mw)は約494000である。また、MwをMnで除した値(Mw/Mn)は、約2.89である。
(d)図5に示す脂肪族ポリカーボネートの数平均分子量(Mn)は約170500であり、質量平均分子量(Mw)は約590000である。また、MwをMnで除した値(Mw/Mn)は、約3.46である。
(e)図6に示す脂肪族ポリカーボネートの数平均分子量(Mn)は約44800であり、質量平均分子量(Mw)は約358000である。また、MwをMnで除した値(Mw/Mn)は、約7.99である。
ここで、図2乃至図4に示すように、本実施形態の脂肪族ポリカーボネート含有溶液においては、Log分子量(X軸)が4.0(より狭義には、3.5)以下の脂肪族ポリカーボネートがグラフから確認できない程度まで、低分子量の脂肪族ポリカーボネートが分離されている。なお、Log分子量(X軸)が4.0であるときの数平均分子量(Mn)は、約10000を意味する。一方、図5及び図6に示す比較例においては、Log分子量(X軸)が3.8以下の低分子量の脂肪族ポリカーボネートの存在を確認することができる。
図2乃至図4の結果、及び本発明者らによる他の追加実験の結果(例えば、数平均分子量(Mn)は約141000、質量平均分子量(Mw)は約212000、Mw/Mnは、約1.5)から、本実施形態における脂肪族ポリカーボネート含有溶液に含まれる脂肪族ポリカーボネートは、上述の(X)又は(Y)を満たす脂肪族ポリカーボネート含有溶液であることを確認した。
<第2の実施形態>
(脂肪族ポリカーボネート含有層の製造方法について)
続いて、本発明者らは、第1の実施形態の脂肪族ポリカーボネート含有溶液を用いて、基材上に形成される脂肪族ポリカーボネート含有層と、その脂肪族ポリカーボネート含有層を利用して作製することが可能な複合部材とを製造した。
図7は本実施形態における複合部材100の全体構成を示す側面図である。図7に示すように、複合部材100は、基材10上に、本実施形態の脂肪族ポリカーボネート含有層24と金属インク72とを備える。より具体的には、複合部材100は、基材10上に配置された、複数の島状の該脂肪族ポリカーボネート含有層24,24,24の、各々の脂肪族ポリカーボネート含有層24,24,24の間に挟まれた領域の少なくとも一部に、基材10上の金属インク72を備えている。図7においては、「V」が示す空間は、金属インクが配置されていないことを示している。言うまでも無く、この「V」が示す空間に金属インクを配置することも採用し得る他の一態様である。なお、本実施形態の基材10の材質は特に限定されないが、代表的には、各種のガラス材、シリコン、その他の公知の絶縁材料(樹脂材料を含む)又は半導体材料が基材10となり得る。また、複合部材200は、基材10と基材10上に配置された金属インクを出発材とする金属層74とを備える部材である。複合部材200については後述する。また、本実施形態の基材10は、基材10上に、予め、導電体層、半導体層、又は絶縁体層のパターンが形成されているものを含み得る。従って、本実施形態の1つの変形例は、その導電体層上、半導体層上、又は絶縁体層上に、本実施形態の複数の島状の該脂肪族ポリカーボネート含有層24,24,24が形成された複合部材である。
(複合部材の製造方法)
次に、複合部材100及び複合部材200の製造方法を、図8乃至図16に示しつつ説明する。
[脂肪族ポリカーボネート含有層形成工程]
本実施形態においては、図8に示すように、基材10であるガラス又はポリイミド上に、脂肪族ポリカーボネート含有層22の一例であるポリプロピレンカーボネート含有層を公知のスピンコート法又はバーコート法を用いて形成する。この工程が、脂肪族ポリカーボネート含有層形成工程の例である。なお、本実施形態の脂肪族ポリカーボネート含有層22の厚みは特に限定されないが、その代表的な厚みは、300nm以上4000nm以下である。
[凹部形成工程/型押し工程]
次に、その後のナノ・インプリント法による型押し構造を形成できる程度まで脂肪族ポリカーボネート含有層22を加熱することにより、脂肪族ポリカーボネート含有層22中に含まれる溶媒成分を除去する工程(予備焼成工程又は乾燥工程、以下、総称して「予備焼成工程」という)が行われる。本実施形態においては、予備焼成工程として、100℃〜150℃の加熱処理が行われた。
続いて、図9に示すように、脂肪族ポリカーボネート含有層22に対して、型M1を、0.1MPa以上20MPa以下の圧力を加えて押圧することにより、脂肪族ポリカーボネート含有層22の型押し構造を形成する型押し工程が行われる。型押し加工が施されることにより、図10Aに示すように、型M1の凸部によって押圧された領域22aの厚みがその他の領域に比べて薄くなることにより、凹部が形成される。従って、本実施形態においては、前述の型押し加工が施される工程が、凹部形成工程/型押し工程である。なお、該凹部の形成は、見方を変えれば凸部を形成する工程である、と言うこともできる。
ところで、本実施形態のナノ・インプリント法においては、複数の島状の脂肪族ポリカーボネート含有層22が、40℃以上150℃以下で加熱された状態で型押し加工が施される。なお、型押し加工を施している間、換言すれば、加圧状況下においては、脂肪族ポリカーボネート含有層22は完全に分解されずに残留し得る。また、型押し加工を施している間、例えば、国際公開公報第WO2013/069686号公報において開示される技術思想と同様に、基材10を公知のヒーターによって加熱するとともに、型M1自身も公知のヒーターによって加熱している。型押し加工を施している間の基材10及び型M1の各温度は適宜調整されるが、代表的な基材10の加熱温度は40℃以上150℃以下であり、また、その間の代表的な型M1の加熱温度は40℃以上150℃以下である。
なお、上述の圧力の数値範囲に対する技術思想は、国際公開第2017/047227号公報において開示される技術思想と同様である。
(脂肪族ポリカーボネートの数平均分子量と質量平均分子量について)
ここで、本発明者らは、凹凸を有する脂肪族ポリカーボネート含有層を細部に亘って観察することにより、寸法精度に影響し得る幾つかの課題を見出した。具体的には、例えば、第1の実施形態の比較例(図6)として示した脂肪族ポリカーボネート含有溶液を採用した場合は、型M1による押圧後に型M1を引き上げた際、図11に示すように、脂肪族ポリカーボネート含有層の凹部の底部23bが盛り上がるという不具合、及び/又は該脂肪族ポリカーボネート含有層の凸部(換言すれば、凹部の縁)において突起23aが形成される不具合が発生し得る。従って、凹凸を有する脂肪族ポリカーボネート含有層22を、寸法精度良く且つ確度高く実現するためには、前述の各不具合が生じないように工夫する必要がある。この工夫は、本実施形態においては、最終的に複合部材100及び複合部材200の精度の良し悪しに影響し得る。
本発明者らは、質量平均分子量ではなく、数平均分子量が凹凸形状の寸法精度に支配的に影響していることを見出した。そこで、上述の(X)及び/又は(Y)の条件を満たす第1の実施形態の脂肪族ポリカーボネート含有溶液を出発材として脂肪族ポリカーボネート含有層を形成することにより、上述の不具合の発生を確度高く抑えることができた。その結果、本発明者らは、図10Aに示すように、高い寸法精度の凹凸を有する脂肪族ポリカーボネート含有層を確度高く実現し得ることを知得した。
図10Bは、本実施形態における複合部材の製造方法の一過程を示す段差測定結果を示すグラフの一例である。図10Bの「S」で示す箇所のように、本実施形態の脂肪族ポリカーボネート含有層が有する凹部の縁の形状は、ほぼ垂直であり、突起状の不具合も見当たらない。また、図10Bに示すように、本実施形態の脂肪族ポリカーボネート含有層が有する凹部の底部が盛り上がるという不具合も見当たらない。
なお、本実施形態においては、凹部の縁の突起の平面に対する高さが、該平面の厚みを1としたときに、0以上0.5以下(より好適には、0以上0.15以下)であれば、最終的に高い精度の複合部材100及び複合部材200を得ることができる。なお、前述の「平面」とは、図11のFで示された領域のように、一様な厚みの層状の脂肪族ポリカーボネート含有層が形成された後に上述の型押し加工が施されたとき、突起23aから十分に離れている場所であって、突起23aの裾野の端を少し越えた場所(代表的には、突起23aの頂点から1μm離れた場所)を意味する。
また、分析と検討をさらに重ねた本発明者らは、数平均分子量は凹凸形状の寸法精度に支配的に影響しているが、高い寸法精度の凹凸形状をより確度高く実現するためには、数平均分子量と質量平均分子量との関係を調整する必要があることを知得した。
本発明者らによる分析と検討の結果、脂肪族ポリカーボネートの質量平均分子量(Mw)を、脂肪族ポリカーボネートの数平均分子量(Mn)で除した値、すなわち、Mw/Mnの値が、1以上5以下(より好適には、1以上3.5以下)であれば、最終的に高い精度の複合部材100及び複合部材200を得ることができる。
なお、本実施形態の脂肪族ポリカーボネート含有層及び第1の実施形態の脂肪族ポリカーボネート含有溶液が適用され得る技術分野は広範に及ぶため、それらの用途は制限されないことを付言する。例えば、高い寸法精度の凹凸を備える脂肪族ポリカーボネート含有層を採用することの1つの利点は、後述するように、公知のアッシング装置を用いて凹部の脂肪族ポリカーボネートを分解又は除去することによって得られる、高い寸法精度を有する脂肪族ポリカーボネート含有層のパターンを実現し得る点である。該脂肪族ポリカーボネート含有層のパターンが採用されれば、公知のレジストが採用されたときのようにプラズマ又は剥離液を用いることなく、比較的低温の加熱処理のみによって極めて簡便に、かつ確度高く該脂肪族ポリカーボネート含有層を分解又は除去し得る。よって、高い寸法精度を有する脂肪族ポリカーボネート含有層のパターンを形成することにより、仮に高熱(例えば、300℃以上)の環境への耐性が低い材質が基材として採用された場合であっても、該基材上を変質させない、汎用性の非常に高い技術が提供されることになる点は、特筆に値する。
本実施形態においては、その後、ナノ・インプリント法によって形成された型押し構造を有する脂肪族ポリカーボネート含有層22の全面を、大気圧雰囲気において発生させたプラズマに曝露することによってエッチングするエッチング処理が施される。なお、本実施形態のプラズマを形成するために処理室内へ導入された具体的なガスは、酸素、アルゴン、及びヘリウムである。また、印加した高周波電力は約500Wである。本実施形態においては、ヤマト科学株式会社製(型式,YAP510S)の大気圧プラズマ装置が用いられた。その結果、図12に示すように、複数の島状の、脂肪族ポリカーボネート含有層22,22,22が形成される。
なお、大気圧雰囲気において発生させたプラズマに加えて、補助的に減圧下における酸素プラズマによるエッチング処理を併用し得ること、国際公開第2017/047227号公報において開示される技術思想と同様である。
ここで、複数の島状の、脂肪族ポリカーボネート含有層22,22,22における、各々の脂肪族ポリカーボネート含有層22,22,22の間の最短距離(換言すれば、各々の脂肪族ポリカーボネート含有層22,22,22の最も短い間隔)は、少なくともインプリント法に代表されるパターン形成方法を用いたときは、500nm以上20μm以下を実現し得る。
また、本実施形態においては、大気圧下のプラズマを用いて、型押し構造を有する脂肪族ポリカーボネート含有層22の全面をエッチングする処理を施すことにより、複数の島状の脂肪族ポリカーボネート含有層22,22,22が形成されている。しかしながら、複数の島状の脂肪族ポリカーボネート含有層22,22,22の形成方法は、前述の方法に限定されない。例えば、スクリーン印刷法を用いれば、基材10上に脂肪族ポリカーボネート含有層22を塗布したときに、既に、複数の島状の脂肪族ポリカーボネート含有層22,22,22を形成することができる。
次に、本実施形態においては、図13に示すように、公知の紫外光照射装置80(マルチプライ株式会社製、型式,MHU−110WB)を用いて、複数の島状の脂肪族ポリカーボネート含有層22,22,22、及び脂肪族ポリカーボネート含有層22が配置されていない基材10の表面10aのいずれにも対して、波長180nm以上370nm以下を含む紫外光を照射する紫外光照射工程が行われる。なお、本実施形態における、波長180nm以上370nm以下を含む紫外光を照射する紫外光照射装置の他の例は、市販の365nmを主波長とする紫外光ランプ(アズワン株式会社製、型式,SLW−8)である。
その結果、紫外光への曝露により、それまでの本実施形態の各工程を経ることによる表面10aの有機物等の汚染物質又は経時的な外気への曝露によって付着した有機物等の汚染物質などを、分解及び/又は除去することができる。加えて、基材10の表面10aは、親水性を確度高く得ることが可能となるため、その後の金属インクの配置が行われる際に、該金属インクと基材10との高い親和性、換言すれば高い濡れ性(以下、総称して、「高い濡れ性」という)を実現することができる。
なお、上述においても述べたように、本実施形態の基材10は、基材10上に、予め、導電体層、半導体層、又は絶縁体層のパターンが形成されているものを含み得る。ここで、例えば、母材がシリコン基板であって、母材の表面と脂肪族ポリカーボネート含有層22との間に別の層(例えば、酸化シリコン層)が介在している場合は、金属インクとその「別の層」の表面との高い濡れ性を実現する必要が生じる。その場合の紫外光照射工程においては、直接的には、その「別の層」の表面に対して上述の紫外光が照射される。従って、その場合の基材10は、母材であるシリコン基板と該シリコン基板の表面上に設けられた「別の層」とを一体物として捉えたものである。
一方、紫外光照射工程によって紫外光が照射された脂肪族ポリカーボネート含有層24は、その後の金属インクの配置が行われる際に、該金属インクに対する高い撥液性を維持することが要求される。この高い撥液性を得るための手段として、国際公開第2017/047227号公報において開示される手段を採用し得る。
本実施形態においては、複数の島状の(代表的にはパターンが形成された)、紫外光が照射された脂肪族ポリカーボネート含有層24,24,24が形成された後、図14に示すように、公知の金属インクの塗布装置(例えば、インクジェット法による塗布装置)90を用いて基材10上に金属インク72を配置する配置工程が行われる。なお、本実施形態の金属インク72は、公知の金属触媒ナノ粒子を採用することができる。また、本実施形態においては、各々の該脂肪族ポリカーボネート含有層24,24,24に挟まれた領域内のうち、一部にのみ金属インク72が配置されているが、全ての該領域内に金属インク72が配置されることも採用し得る他の一態様である。
上述の金属インク72の配置工程を経ることにより、図15に示す複合部材100が製造される。この金属インク72は、後述するように、金属配線用中間材としての役割を担うことができる。
本実施形態においては、さらに、上述の配置工程の後、脂肪族ポリカーボネート含有層24,24,24及び金属インク72を、脂肪族ポリカーボネート含有層24,24,24が分解又は除去される温度以上であり、かつ金属インク72から金属層74が形成される温度以上に加熱する、加熱工程が行われる。その結果、図16に示すように、基材10上に金属層74が配置された複合部材200を製造することができる。ここで、この加熱工程によって、犠牲層としての脂肪族ポリカーボネート含有層24,24,24は、確度高く、換言すれば、実質的に分解又は除去されることになる。その結果、実質的に残渣が残らない状態の基材10上に配置された金属層74を備えるため、複合部材200は信頼性ないし安定性の高い複合部材となる。
なお、金属インク72が、金属配線用中間材としての役割を担う場合は、金属インク72の加熱処理によって形成される金属層74は、金属配線となる。但し、金属インク72を出発材として形成される金属層74は、配線としての役割以外の役割(例えば、電極など)を果たすこともできる。
本実施形態の加熱工程についてより具体的に説明する。本実施形態では、基材10上に配置されている脂肪族ポリカーボネート含有層24,24,24及び金属インク72に対して、公知のヒーターを用いて、例えば、約150℃で、あるいは180℃以上(好ましくは250℃以上、更に好ましくは260℃以上)で約十数分間〜約30分間加熱する加熱処理を施した。その結果、微細な幅を有する金属層74を備えた複合部材200を製造することができる。なお、本実施形態の公知のヒーターは、アズワン株式会社製のホットプレート(型式,TH−900)であるが、加熱手段はそのようなヒーターに限定されない。例えば、その他の公知のホットプレート等のヒーターは、採用し得る他の一態様である。
<第2の実施形態の変形例>
ところで、第2の実施形態においては、金属層74を形成するために出発材として金属インク72を用いたが、第2の実施形態の変形例として、金属インク72の配置の代わりに、公知の無電解めっき法に用いるための出発材層、すなわち金属めっき層の出発材層を形成する工程を採用することもできる。
例えば、基材10上の、各々の脂肪族ポリカーボネート含有層24,24,24に挟まれた領域の少なくとも一部に金属めっき層の出発材層を配置する配置工程が行われた後、国際公開第2017/047227号公報において開示される手段によって、図16に示すように、金属層74を備える複合部材200を製造することができる。また、国際公開第2017/047227号公報において開示される各実施形態の手段を、本実施形態においても適宜採用し得ることは言うまでもない。
また、第2の実施形態においては、紫外光が照射された脂肪族ポリカーボネート含有層24を備える複合部材200を開示するが、第2の実施形態は、そのような態様に限定されない。例えば、紫外光が照射されない状態の脂肪族ポリカーボネート含有層を備える複合部材も、撥液性と親水性の観点おいて複合部材200に劣る面があるが、種々のデバイスにおいて採用され得る。
以上述べたとおり、上述の各実施形態の開示は、それらの実施形態の説明のために記載したものであって、本発明を限定するために記載したものではない。加えて、各実施形態の他の組み合わせを含む本発明の範囲内に存在する変形例もまた、特許請求の範囲に含まれるものである。
本発明は、各種の半導体素子を含む携帯端末、情報家電、センサー、その他の公知の電化製品、MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)又はNEMS(Nano Electro Mechanical Systems)、及び医療機器等を含む電子デバイス分野等に広く適用され得る。
10 基材
10a 基材の表面
22 脂肪族ポリカーボネート含有層
22a 型M1の凸部によって押圧された領域
23a 突起
23b 底部
24 紫外光が照射された脂肪族ポリカーボネート含有層
72 金属インク
74 金属層
80 紫外光照射装置
90 塗布装置
100,200 複合部材

Claims (12)

  1. 全ての脂肪族ポリカーボネートのうち分子量が10000以上である前記脂肪族ポリカーボネートが99.0質量%以上であり、且つ数平均分子量が10000以上である前記脂肪族ポリカーボネートを含有する、
    脂肪族ポリカーボネート含有溶液。
  2. 脂肪族ポリカーボネートの分子量分布曲線において、分子量が10000以上である脂肪族ポリカーボネートの分布面積が該分子量分布曲線の全面積の99.0%以上を占め、且つ数平均分子量が10000以上である脂肪族ポリカーボネートを含有する、
    脂肪族ポリカーボネート含有溶液。
  3. 前記脂肪族ポリカーボネートの質量平均分子量(Mw)を前記脂肪族ポリカーボネートの数平均分子量(Mn)で除した値が、1以上5以下である、
    請求項1又は請求項2に記載の脂肪族ポリカーボネート含有溶液。
  4. 全ての脂肪族ポリカーボネートのうち分子量が10000以上である前記脂肪族ポリカーボネートが99.0質量%以上であり、且つ数平均分子量が10000以上である、
    脂肪族ポリカーボネート含有層。
  5. 脂肪族ポリカーボネートの分子量分布曲線において、分子量が10000以上である脂肪族ポリカーボネートの分布面積が該分子量分布曲線の全面積の99.0%以上を占め、且つ数平均分子量が10000以上である脂肪族ポリカーボネートを含有する、
    脂肪族ポリカーボネート含有層。
  6. 前記脂肪族ポリカーボネートの質量平均分子量(Mw)を前記脂肪族ポリカーボネートの数平均分子量(Mn)で除した値が、1以上5以下である、
    請求項4又は請求項5に記載の脂肪族ポリカーボネート含有層。
  7. 型押し加工が施された凹部と平面とを備え、且つ
    前記凹部の縁の突起の前記平面に対する高さが、前記平面の厚みを1としたときに、0以上0.5以下である、
    請求項4又は請求項5に記載の脂肪族ポリカーボネート含有層。
  8. 脂肪族ポリカーボネートを含有する脂肪族ポリカーボネート含有溶液から、分子量が10000以上の前記脂肪族ポリカーボネートが99.0質量%以上であり、且つ数平均分子量が10000以上となるように、分子量が10000未満の前記脂肪族ポリカーボネートを分離する分離工程を含む、
    脂肪族ポリカーボネート含有溶液の製造方法。
  9. 脂肪族ポリカーボネートを含有する脂肪族ポリカーボネート含有溶液から、脂肪族ポリカーボネートの分子量分布曲線において、分子量が10000以上である脂肪族ポリカーボネートの分布面積が該分子量分布曲線の全面積の99.0%以上を占め、且つ数平均分子量が10000以上となるように、分子量が10000未満の前記脂肪族ポリカーボネートを分離する分離工程を含む、
    脂肪族ポリカーボネート含有溶液の製造方法。
  10. 全ての脂肪族ポリカーボネートのうち分子量が10000以上である前記脂肪族ポリカーボネートが99.0質量%以上であり、且つ数平均分子量が10000以上である前記脂肪族ポリカーボネートを含有する脂肪族ポリカーボネート含有溶液を、基材上又はその上方に層状に形成し、加熱することによって脂肪族ポリカーボネート含有層を形成する脂肪族ポリカーボネート含有層形成工程を含む、
    脂肪族ポリカーボネート含有層の製造方法。
  11. 分子量が10000以上の部分が全面積の99.0%以上を占める分子量分布曲線を有し、且つ数平均分子量が10000以上である脂肪族ポリカーボネートを含有する脂肪族ポリカーボネート含有溶液を、基材上又はその上方に層状に形成し、加熱することによって脂肪族ポリカーボネート含有層を形成する脂肪族ポリカーボネート含有層形成工程を含む、
    脂肪族ポリカーボネート含有層の製造方法。
  12. さらに、前記脂肪族ポリカーボネート含有層に型押し加工を施すことによって凹部を含む型押し構造を形成する型押し工程と、を含む、
    請求項10又は請求項11に記載の脂肪族ポリカーボネート含有層の製造方法。
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