JP2020075976A - 光硬化性組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】無機基材に対する密着性が良く、高い硬度を備え防汚性の良好な硬化膜を形成可能な光硬化性組成物を提供すること。【解決手段】光硬化性組成物は、シランカップリング剤(A)、リン酸(メタ)アクリレートモノマー(B)、前記(A)および(B)以外の(メタ)アクリレートモノマー(C)、光重合開始剤(D)、溶剤(E)、ならびに撥液剤(F)を含んでいるから、光照射によって、無機基材に対する密着性が良く、高い硬度を備え防汚性の良好な硬化膜を形成することができる。【選択図】 なし

Description

本発明は、金属やガラスなどの無機基材に対する密着性が良く、高い硬度と耐摩耗性を備え、防汚性の良好な硬化物を形成できる、光硬化性組成物に関する。
従来、建築資材や電気・電子分野などで用いられる各種樹脂板、ガラス板、金属板などの基材表面に皮膜を形成し、基材を傷付きや汚染などから守ることを目的としたコーティング剤の研究が種々行われている。コーティング剤としては熱硬化性樹脂や光硬化性樹脂が用いられるが、光硬化性樹脂を用いた場合には、表面硬度の高い硬化膜が得られることが多く、また光照射により瞬時に硬化し生産性が高いことから、有機基材の表面保護用として光硬化性樹脂がしばしば使用されている。しかし、光硬化性樹脂を用いた硬化膜は、一般に無機基材に対する密着性が十分ではないことが多い。このため、密着性を向上させるためのプライマー層が基材上に設けられ、その上に光硬化性樹脂を用いた硬化膜が形成されることがある。また、プライマー層を設けずに無機基材との密着性を付与するための方法として、例えば、金属に対する密着性に優れたものとするため、不飽和シラン化合物および不飽和リン酸エステルを感光性樹脂組成物に加えることが特許文献1に記載されている。
また、特許文献2には、無機基材に対する密着性が良好な硬化膜の形成に用いられる光硬化性樹脂として、アクリル系樹脂(A)、エチレン性不飽和基を2個以上含有する不飽和化合物(B)、リン酸基含有エチレン性不飽和化合物(C)、およびシランカップリング剤(D)およびフッ素系化合物(E)を含有する活性エネルギー線硬化性樹脂組成物が記載されているが、当該組成物から得られる硬化物は硬度が十分ではないという問題がある。
特開昭58−204060号公報 特開2015−83658号公報
本発明の課題は、無機基材に対する密着性が良く、高い硬度と耐摩耗性を備え、防汚性の良好な硬化膜を形成可能な光硬化性組成物を提供することにある。
本発明者らは、前記問題点を解決すべく鋭意検討を行った結果、特定の成分の組み合わせにより無機基材に対する密着性が良く、高い硬度と耐摩耗性を備え、防汚性の良好な硬化膜を形成可能な組成物となることを見出した。本発明は、当該知見に基づいたものであり、以下の構成を備えている。
〔1〕 シランカップリング剤(A)、リン酸(メタ)アクリレートモノマー(B)、前記シランカップリング剤(A)およびリン酸(メタ)アクリレートモノマー(B)以外の(メタ)アクリレートモノマー(C)、光重合開始剤(D)、溶剤(E)、ならびに撥液剤(F)を含む光硬化性組成物。
〔2〕 前記撥液剤(F)がフルオロアルキルを有し、かつ重量平均分子量が100〜20,000の撥液剤である〔1〕に記載の光硬化性組成物。
〔3〕 前記シランカップリング剤(A)が光重合性官能基を有する〔1〕または〔2〕に記載の光硬化性組成物。
〔4〕 前記(メタ)アクリレートモノマー(C)が単官能モノマー(C−1)および1種類以上の多官能モノマー(C−2)からなり、前記多官能モノマーは2〜10官能である〔1〕〜〔3〕のいずれか1項に記載の光硬化性組成物。
〔5〕 前記多官能モノマー(C−2)が、少なくとも1種類のウレタンアクリレートモノマーを含む〔4〕に記載の光硬化性組成物。
〔6〕 前記多官能モノマー(C−2)の前記ウレタンアクリレートモノマーが、ウレタン結合および飽和環状脂肪族構造を有する2官能のウレタンアクリレートである〔5〕に記載の光硬化性組成物。
〔7〕 前記多官能モノマー(C−2)が、ウレタン結合および飽和環状脂肪族構造を有する2官能のウレタンアクリレートモノマーと、ジペンタエリスリトールポリアクリレートモノマーとからなる〔6〕に記載の光硬化性組成物。
〔8〕 前記ジペンタエリスリトールポリアクリレートモノマーの含有量と前記ウレタンアクリレートモノマーの含有量の比率(ジペンタエリスリトールポリアクリレートモノマー/ウレタンアクリレートモノマー)が10/2から10/10の範囲内である〔7〕に記載の光硬化性組成物。
〔9〕 さらに、無機微粒子(G)を含有する〔1〕〜〔8〕のいずれか1項に記載の光硬化性組成物。
〔10〕 前記無機微粒子(G)が表面改質されたシリカ微粒子である〔9〕に記載の光硬化性組成物。
〔11〕 〔1〕〜〔10〕のいずれか1項に記載の光硬化性組成物を硬化してなる硬化膜。
〔12〕 〔11〕に記載の硬化膜を含む積層体。
本発明の光硬化性組成物は、シランカップリング剤(A)、リン酸(メタ)アクリレートモノマー(B)、前記(A)および前記(B)以外の(メタ)アクリレートモノマー(C)、光重合開始剤(D)、溶剤(E)ならびに撥液剤(F)を含んでいるから、光照射によって、無機基材に対する密着性が良く、高い硬度と耐摩耗性を備え、防汚性の良好な硬化膜を形成することができる。
本発明の光硬化性組成物(以下「組成物」ともいう。)は、シランカップリング剤(A)、リン酸(メタ)アクリレートモノマー(B)、前記(A)および前記(B)以外の(メタ)アクリレートモノマー(C)、光重合開始剤(D)、溶剤(E)、ならびに撥液剤(F)を含んでいる、本発明の組成物について以下に説明する。
[シランカップリング剤(A)]
シランカップリング剤としては、公知のものを用いることができる。無機基材に対する密着性を良好にする観点から、光重合性官能基を有するシランカップリング剤が好ましい。本発明の組成物中の固形分100重量部に対するシランカップリング剤の配合量は、2〜10重量部が好ましく、2.3〜9重量部がより好ましく、2.5〜8重量部がさらに好ましい。シランカップリング剤(A)は1種のみを用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。なお、1種のみを用いても2種以上を混合して用いてもよいことは、本発明の組成物中の他の成分についても同様である。組成物中の固形分とは、組成物を硬化させた硬化物を構成する成分をいう。
シランカップリング剤が備えることが好ましい光重合性官能基としては、(メタ)アクリル基、(メタ)アクリルアミド基、ビニルエーテル基、ビニルエステル基、アリルエーテル基、アリルエステル基などが挙げられる。
光重合性官能基を備えるシランカップリング剤には、シランカップリング剤および(メタ)アクリレートモノマーにも該当し得る化合物が存在する。このような化合物は、本発明ではシランカップリング剤にのみ該当し、(メタ)アクリレートモノマーに該当しないものとする。例えば、シランカップリング剤が(メタ)アクリル基を備えた(メタ)アクリレートモノマーでもある場合、本発明において当該化合物はシランカップリング剤であり、(メタ)アクリレートモノマーではないものとする。
光重合性官能基を有するシランカップリング剤としては、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシランなどが挙げられる。
[リン酸(メタ)アクリレートモノマー(B)]
リン酸(メタ)アクリレートモノマーは、リン酸基を有するアクリレートおよび/またはメタクリレートである。上述したシランカップリング剤同様、リン酸(メタ)アクリレートモノマーにあたる化合物は、本発明において(メタ)アクリレートモノマー(C)にはあたらないものとする。組成物中の固形分100重量部に対するリン酸(メタ)アクリレートモノマーの含有量は、0.1〜5重量部が好ましく、0.3〜3重量部がより好ましく、0.5〜2重量部がさらに好ましい。
[(メタ)アクリレートモノマー(C)]
(メタ)アクリレートモノマー(C)は、モノマーからなるものであり、通常、重量平均分子量が70〜10,000であり、好ましくは100〜9000であり、さらに好ましくは、200〜7000である。組成物中の固形分100重量部に対する(メタ)アクリレートモノマーの含有量は、20〜90重量部が好ましく、30〜80重量部がより好ましく、40〜75重量部がさらに好ましい。
上述したように、本発明では(メタ)アクリレートモノマー(C)は、シランカップリング剤(A)およびリン酸(メタ)アクリレートモノマー(B)に該当するものを含まない。(メタ)アクリレートモノマー(C)は、1種からなるものでもよいが、無機基材への接着性の良好な表面硬度が高い硬化膜を得る観点から、単官能(メタ)アクリレートモノマー(C−1)および多官能(メタ)アクリレートモノマー(C−2)を含有するものが好ましい。組成物中の単官能(メタ)アクリレートモノマーが硬化物の無機基材に対する密着性の向上に寄与するとともに、多官能(メタ)アクリレートモノマーが硬化物の硬度の向上に寄与すると考えられる。
[単官能(メタ)アクリレートモノマー(C−1)]
単官能(メタ)アクリレートモノマーとしては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ノルマルプロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、ノルマルブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、sec−ブチル(メタ)アクリレート、tert−ブチル(メタ)アクリレート、ノルマルペンチル(メタ)アクリレート、イソペンチル(メタ)アクリレート、ネオペンチル(メタ)アクリレート、ノルマルヘキシル(メタ)アクリレート、ノルマルヘプチル(メタ)アクリレート、ノルマルオクチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ノルマルデシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、フェニルフェノール(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、アダマンチル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニルオキシエチル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、メトキシエチレングリコール(メタ)アクリレート、エトキシエチレングリコール(メタ)アクリレート、ブトキシエチレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシエチレングリコール(メタ)アクリレート、ノニルフェノールエチレングリコール(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシルエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシプロピレングリコール(メタ)アクリレート、エトキシプロピレングリコール(メタ)アクリレート、ブトキシプロピレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、エトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ブトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ノニルフェノールポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシルポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、エトキシポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、ブトキシポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリロイルオキシエチルコハク酸、(メタ)アクリロイルオキシエチルフタル酸、2−(メタ)アクリロイルオキシエチル−2−ヒドロキシエチルフタル酸、(メタ)アクリロイルオキシエチルヘキサヒドロフタル酸、(メタ)アクリロイルモルホリン、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチル(メタ)アクリルアミド、N−イソプロピル(メタ)アクリルアミド、ヒドロキシエチル(メタ)アクリルアミドなどが挙げられる。
組成物中の固形分100重量部に対する単官能(メタ)アクリレートモノマーの含有量は、2〜30重量部が好ましく、3〜20重量部がより好ましく、4〜15重量部がさらに好ましい。
[多官能(メタ)アクリレートモノマー(C−2)]
無機基材に対する接着性の良好で表面硬度が高い硬化物を得る観点から、多官能(メタ)アクリレートモノマーの備える(メタ)アクリル基の数が2〜10個の2〜10官能(メタ)アクリレートモノマーが好ましい。
組成物中の固形分100重量部に対する多官能(メタ)アクリレートモノマーの含有量は、15〜80重量部が好ましく、20〜70重量部がより好ましく、25〜65重量部がさらに好ましい。
2官能(メタ)アクリレートモノマーとしては、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、1,10−デカンジオールジ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、3−メチルペンタンジオールジ(メタ)アクリレート、ポリテトラメチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、エトキシ化ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ビス[(メタ)アクリロイルオキシエトキシ]ビスフェノールA、ビス[(メタ)アクリロイルオキシエトキシ]水添ビスフェノールA、ビス[(メタ)アクリロイルオキシエトキシ]テトラブロモビスフェノールA、ビス[(メタ)アクリロイルオキシプロポキシ]ビスフェノールA、プロポキシ化エトキシ化ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、ビス[(メタ)アクリロイルオキシエトキシ]ビスフェノールF、ビス[(メタ)アクリロイルオキシエトキシ]水添ビスフェノールF、ビス[(メタ)アクリロイルオキシエトキシ]テトラブロモビスフェノールF、ビス[(メタ)アクリロイルオキシプロポキシ]ビスフェノールF、グリセリンジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジメタ−ノールジ(メタ)アクリレート、9,9−ビス[4−(2−アクリロイルオキシエトキシ)フェニル]フルオレン、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
3〜8官能(メタ)アクリルモノマーとしては、グリセリントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、エトキシ化グリセリントリ(メタ)アクリレート、エトキシ化トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、エトキシ化ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、プロポキシ化グリセリントリ(メタ)アクリレート、プロポキシ化トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、プロポキシ化ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジグリセリンテトラ(メタ)アクリレート、ジメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、エトキシ化ジグリセリンテトラ(メタ)アクリレート、エトキシ化ジメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、エトキシ化ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールオクタ(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
前記多官能(メタ)アクリレートモノマーは、無機基材に対する接着性の良好な硬化物を得る観点から、少なくとも1種類のウレタンアクリレートモノマーを含むことが好ましい。ウレタンアクリレートモノマーとしては、例えば、ウレタン結合および飽和環状脂肪族構造を有する2官能のウレタンアクリレートモノマーが好ましく用いられる。当該2官能のウレタンアクリレートモノマーの製造方法として、例えば、特開2017−78840に製造例1として記載されている製造方法を用いることができる。
無機基材に対する接着性の良好な硬化物を得る観点から、(メタ)アクリル基の数が異なる複数種の多官能(メタ)アクリレートモノマーを併用することがさらに好ましい。複数種の多官能(メタ)アクリレートモノマーを用いる場合、官能基数が2のものと、官能基数が5〜6のものとを併用することが好ましい。好ましい組み合わせとして、官能のウレタンアクリレートモノマーと5および/または6官能のジペンタエリスリトールポリアクリレートモノマーとの組合せを挙げることができる。
組成物中の固形分100重量部に対する2官能のウレタンアクリレートモノマーの含有量は、3〜40重量部が好ましく、4〜30重量部がより好ましく、5〜20重量部がさらに好ましい。
組成物中の固形分100重量部に対する5および/または6官能のジペンタエリスリトールポリアクリレートモノマーの含有量は、10〜60重量部が好ましく、12〜50重量部がより好ましく、15〜45重量部がさらに好ましい。
組成物がジペンタエリスリトールポリアクリレートモノマーとウレタンアクリレートモノマーとを含有する場合、両者の含有量(重量部)の比率(ジペンタエリスリトールポリアクリレート/ウレタンアクリレート)は、10/2〜10/10が好ましく、10/3〜10/6がより好ましい。
上記ウレタンアクリレートモノマーは、市販品として、例えば、新中村化学工業(株)製、製品名:UA−200PA、UA−160TM、UA−290TM、UA4200、UA4400、UA−122P;日本合成化学工業(株)製、製品名:紫光シリーズUV−6630B、UV−6640B、UV−3000B、UV−3200B、UV−3300B、UV−3700B;亜細亜工業(株)製、製品名:EXCELATEシリーズRUA−012、SUA−008、SUA−023、SUA−074;ダイセル・オルネクス(株)製、製品名:EBECRYL230、EBECRYL270、EBECRYL4858、EBECRYL8402、EBECRYL8804、EBECRYL8807、EBECRYL9270、KRM8191などが挙げられる。また、アクリル酸(2−ヒドロキシエチル)とイソシアン酸(3−イソシアナトメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキシル)とトリシクロ[5.2.1.02,6]デカン−4,8−ジメタノールとヘキサノ−6−ラクトンとの反応生成物を用いてもよい。
[光重合開始剤(D)]
本発明の感光性組成物に含有される光重合開始剤は、本発明の組成物が含有するモノマー成分の重合を開始し得る、紫外線、可視光線、電磁波等の照射によってラジカルを発生する化合物であればよく、一般に用いられるものを使用できる。光重合開始剤の具体例としては、ベンゾフェノン、ミヒラーズケトン、4,4′−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、キサントン、チオキサントン、イソプロピルキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2−エチルアントラキノン、アセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−4′−イソプロピルプロピオフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、イソプロピルベンゾインエーテル、イソブチルベンゾインエーテル、2,2−ジエトキシアセトフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、1,1′−(メチレン−ジ−4,1−フェニレン)ビス(2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパノン)、カンファーキノン、ベンズアントロン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノプロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタノン−1,4−ジメチルアミノ安息香酸エチル、4−ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、4,4′−ジ(tert−ブチルペルオキシカルボニル)ベンゾフェノン、3,4,4′−トリ(tert−ブチルペルオキシカルボニル)ベンゾフェノン、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド、2−(4′−メトキシスチリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(3′,4′−ジメトキシスチリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(2′,4′−ジメトキシスチリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(2′−メトキシスチリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(4′−ペンチルオキシスチリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−[p−N,N−ジ(エトキシカルボニルメチル)]−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、1,3−ビス(トリクロロメチル)−5−(2′−クロロフェニル)−s−トリアジン、1,3−ビス(トリクロロメチル)−5−(4′−メトキシフェニル)−s−トリアジン、2−(p−ジメチルアミノスチリル)ベンズオキサゾール、2−(p−ジメチルアミノスチリル)ベンズチアゾール、2−メルカプトベンゾチアゾール、3,3′−カルボニルビス(7−ジエチルアミノクマリン)、2−(o−クロロフェニル)−4,4′,5,5′−テトラフェニル−1,2′−ビイミダゾール、2,2′−ビス(2−クロロフェニル)−4,4′,5,5′−テトラキス(4−エトキシカルボニルフェニル)−1,2′−ビイミダゾール、2,2′−ビス(2,4−ジクロロフェニル)−4,4′,5,5′−テトラフェニル−1,2′−ビイミダゾール、2,2′−ビス(2,4−ジブロモフェニル)−4,4′,5,5′−テトラフェニル−1,2′−ビイミダゾール、2,2′−ビス(2,4,6−トリクロロフェニル)−4,4′,5,5′−テトラフェニル−1,2′−ビイミダゾール、3−(2−メチル−2−ジメチルアミノプロピオニル)カルバゾール、3,6−ビス(2−メチル−2−モルホリノプロピオニル)−9−n−ドデシルカルバゾール、ビス(η5−2,4−シクロペンタジエン−1−イル)−ビス(2,6−ジフルオロ−3−(1H−ピロール−1−イル)−フェニル)チタニウム、3,3′,4,4′−テトラ(tert−ブチルペルオキシカルボニル)ベンゾフェノン、3,3′,4,4′−テトラ(tert−ヘキシルペルオキシカルボニル)ベンゾフェノン、3,3′−ジ(メトキシカルボニル)−4,4′−ジ(tert−ブチルペルオキシカルボニル)ベンゾフェノン、3,4′−ジ(メトキシカルボニル)−4,3′−ジ(tert−ブチルペルオキシカルボニル)ベンゾフェノン、4,4′−ジ(メトキシカルボニル)−3,3′−ジ(tert−ブチルペルオキシカルボニル)ベンゾフェノンなどである。市販品として、例えば、BASF製、製品名:Irgacure127、Irgacure184、IGM Resins B.V.製、製品名:Omnirad127、Omnirad184などが挙げられる。
組成物中の固形分100重量部に対する光重合開始剤の含有量は、1〜15重量部が好ましく、1.5〜10重量部がより好ましく、2〜7.5重量部がさらに好ましい。
[溶剤(E)]
本発明の組成物は、上述した(A)から(D)および後述する(F)の成分を溶解する溶剤を含有している。溶剤は、(A)から(D)の各成分を溶解可能なものであればよく、例えば、1−プロパノール、1−ブタノールなどの第1級アルコール類、2−プロパノール、2−ブタノールなどの第2級アルコール類、プロピレングリコールモノメチルエーテル(1−メトキシ−2−プロパノール)、プロピレングリコールモノエチルエーテル(1−エトキシ−2−プロパノール)などのグリコールエーテル類、シクロペンチルメチルエーテルなどのエーテル類、2−ヒドロキシイソ酪酸メチルなどのエステル類、ケトン類、炭化水素類、ハロゲン化炭化水素類、ニトリル類、カーボネート類などが挙げられる。
組成物100重量部に対する溶剤の含有量は、30〜95重量部が好ましく、35〜90重量部がより好ましく、40〜85重量部がさらに好ましい。
[撥液剤(F)]
撥液剤(F)としては、公知一般のフッ素原子を含有する化合物(以下、適宜、「フッ素系化合物」ともいう。)を用いればよい。フッ素系化合物としては、フルオロアルキルを含有するフルオロアルキル含有化合物、フルオロアルキルと(メタ)アクリロイル等の光反応基とを含むフルオロ(メタ)アクリレート、フルオロシルセスキオキサンに由来する構成単位を含むフッ素系重合体(例えば特許5375100参照)などが挙げられる。フルオロ(メタ)アクリレートとしては、パーフルオロポリエーテル単位を有する基と(メタ)アクリロイル基を有する単量体であるパーフロオロポリエーテル(メタ)アクリレートが挙げられる。
市販されている撥液剤の製品としては、(株)ネオス製、製品名:フタージェントシリーズ601AD、601ADH2、602A、DIC(株)製、製品名:メガファックシリーズRS−75、RS−72−K、RS−76−E、RS−76−NS、RS−78などが挙げられる。
撥液剤の重量平均分子量(Mw)は、好ましくは100〜20,000、さらに好ましくは150〜10,000、特に好ましくは200〜5,000である。組成物が含有する撥液剤の重量平均分子量が、大きすぎると得られる硬化物のガラスに対する密着性が低下する傾向にあり、小さすぎると得られる硬化物の耐久性が低下する傾向にある。
撥液剤の含有量は、(メタ)アクリレートモノマー(C)および無機微粒子(G)の固形分換算量100重量部に対して、通常0.1〜20重量部であり、好ましくは0.5〜15重量部、特に好ましくは0.8〜10重量部、さらに好ましくは1.0〜5重量部である。
撥液剤(F)の含有量が多すぎると、他の成分との相溶性が低下したり、組成物を硬化して得られる硬化物のガラス密着性が低下する傾向があり、少なすぎると、硬化物の撥水性の低下や耐摩耗性の効果が十分に発揮されづらい傾向がある。
[無機微粒子(G)]
本発明の組成物は、高い硬度を備えた硬化膜を形成するために、上述した(A)〜(F)の各成分に加えてさらに、無機微粒子を含有することが好ましい。無機微粒子としては、シリカ微粒子、アルミナ微粒子、ジルコニア微粒子、酸化チタン微粒子などが挙げられる。透明性と高い硬度を備えた硬化膜を形成する観点から、無機微粒子は表面改質されたシリカ微粒子が好ましい。ここで、「表面改質」とは、シリカ表面の全体又は一部をシリカ以外の素材で覆うことにより、シリカを変質させることをいう。シリカ表面を覆う素材として、シランカップリング剤などが挙げられる。
無機微粒子の平均粒径は、レーザー光を用いた光散乱法による球相当径(メジアン径、D50)をいい、1〜100nmが好ましく、透明性の観点から、1〜40nmであることがより好ましく、さらに好ましくは1〜20nmである。また、粒度分布は狭いほうが好ましい。
無機微粒子の形状は特に限定されないが、球状、不定形、りん片状等のいずれの形態であってもよい。密着性向上、透明性の観点から、球状が好ましい。
本発明の組成物において、組成物中の固形分100重量部に対する無機微粒子の含有量は、5〜50重量部であることが好ましく、10〜45重量部であることがより好ましい。
本発明の組成物は、目的とする特性に応じて、上述した成分以外の添加剤を含有してもよい。添加剤としては、例えば、反応促進剤、界面活性剤、エポキシ化合物、エポキシ硬化剤、ポリイミド樹脂、(メタ)アクリレートモノマー(C)以外の重合性モノマー、帯電防止剤、pH調整剤、防錆剤、防腐剤、防黴剤、酸化防止剤、還元防止剤、蒸発促進剤、キレート化剤、水溶性ポリマー、紫外線吸収剤、ヒンダードアミン系光安定剤(HALS)、重合禁止剤、活性エネルギー線増感剤などが挙げられる。また、基材との密着性を補う成分として、光硬化性接着剤を追加してもよい。市販の光硬化性接着剤としては、例えば(株)スリーボンド製:製品名ThreeBondシリーズ3013Q、3027G、3042、3052、3055、3067B、ヘンケルジャパン(株)製:製品名ロックタイトシリーズ3103、3105、3106、3108、デンカ(株)製:製品名ハードロックシリーズOP−1020Z、OP−1030Z、OP−1050Z、OP−1805、OP−1540、OP−1903R、UVX−7000、UVX−3037P、UVX−8204、東亜合成(株)製:製品名アロニックスシリーズLCR0628A、LCR0632、LCR0305E、BU−810、BU−510U、BU−730UF、UV−3300、UV−3600、UV−3610などが挙げられる。また、所望の用途に応じて顔料または染料を含有してもよい。
(硬化膜)
本発明の硬化膜は、前記本発明の組成物を硬化させることによって得られる膜であれば特に制限されない。本発明の硬化膜は、例えば、本発明の組成物を、基板上に塗布し、乾燥後に光照射をすることにより得られる。なお、光照射の後にアニール処理を目的として加熱を行ってもよい。
以下、本発明の組成物を用いた硬化膜の形成方法における、塗布方法および硬化方法について説明する。
基板上への本発明の組成物の塗布は、スプレーコート法、スピンコート法、ロールコート法、ディッピング法、スリットコート法、バーコート法、グラビア印刷法、フレキソ印刷法、オフセット印刷法、ディスペンサー法、スクリーン印刷法、インクジェット印刷法、ダイコート法、エアナイフコート法、カーテンコート法など従来から公知の方法により行うことができる。
例えば、本発明の組成物から透明絶縁膜を形成する場合、パターン形成が容易であるという点で、グラビア印刷法、フレキソ印刷法、オフセット印刷法、ディスペンサー法、スクリーン印刷法およびインクジェット印刷法などの印刷法が好ましい。
また、例えば、本発明の組成物からオーバーコートを形成する場合、全面印刷が容易であるという点で、スピンコート法、スリットコート法、ダイコート法、グラビア印刷法、フレキソ印刷法、オフセット印刷法、ディスペンサー法、スクリーン印刷法などの塗布法が好ましい。
本発明の組成物を塗布した後に、基板上に塗布された組成物を乾燥した後、紫外線などの活性エネルギー線を照射して硬化膜を得ることができる。活性エネルギー線照射工程で用いられる光源としては、用いる活性エネルギー線硬化剤(光重合開始剤)の性質に応じて、例えばUV−LED(紫外線LED)、低圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、メタルハライドランプ、カーボンアーク、キセノンアーク、気体レーザー、固体レーザー、電子線照射装置などが挙げられる。
組成物を硬化して硬化物とする際、上述した紫外線照射工程および加熱工程の他の工程を実施しても良い。例えば、上述したように、紫外線照射工程の前に、組成物中の溶媒をある程度を乾燥させる乾燥工程を行っても良い。
本発明の組成物を硬化させた硬化物は高い撥水性を有している。このため、製造直後の時点における初期の水との接触角を85度以上にすることができ、撥水剤の配合量を調整することにより、水との接触角を100度以上にすることも可能である。このように、本発明の組成物を硬化させることにより、防汚性が高い硬化膜が得られる。
(積層体)
本発明は、上述した硬化膜を含む積層体として実施することができる。当該積層板としては、例えば、硬化膜付き基板、電子部品、光学部品、ディスプレイ、透明導電フィルム、バリアフィルム、レンズなどが挙げられる。硬化膜付き基板は、本発明の硬化膜を有すれば特に制限されない。本発明の組成物は、無機基材に対する密着性が良好であるから、表面が無機物からなる基板表面に硬化膜を形成するのに適している。無機基材としては、金属酸化物(例えば、石英、ガラス、シリカ、アルミナ、サファイア、インジウムドープ酸化スズ)、金属(例えば、鉄、クロム、ニッケル、銅、銀、金、白金、チタン、アルミニウム、亜鉛、シリコン)、合金(前記金属の組み合わせ)、窒化物(例えば、チッ化ケイ素)などが挙げられる。また有機基材としては、ポリカーボネート、ポリエステル、アクリル樹脂、塩化ビニール樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアミドイミド、ポリイミド、トリアセテート、ジアセテートなどの合成樹脂製シート、フィルム;ノルボルネン系樹脂を含むシクロオレフィン系樹脂(商品名;ゼオノア、ゼオネックス、日本ゼオン(株)、商品名;アートン、JSR(株)、メタクリルスチレン、ポリサルフォン、脂環式アクリル樹脂、ポリアリレートなどの光学用途に用いる透明樹脂基板、ウレタンゴム、スチレンゴムなどが挙げられる。
このような硬化膜付き基板は、例えば、無機基材の表面からなる基板上に、本発明の組成物を前記塗布法などによって全面または所定のパターン状(ライン状など)に塗布し、その後、前記で説明したような乾燥処理および硬化処理を経ることで、形成することができる。
以下、本発明を実施例により説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。実施例で用いた成分の名称ならびにその略号を示す。以下の記述にはこれらの略号を使用する。実施例および比較例の組成物では、溶媒(E)を除いた(A)〜(D)、(F)、(G)および他の成分が固形分である。
<シランカップリング剤(A)>
S710:メタクリル酸3−(トリメトキシシリル)プロピル、サイラエースS710(製品名、JNC(株)製)
<リン酸(メタ)アクリレートモノマー(B)>
P−2M:2−メタクロイロキシエチルアシッドホスフェート、ライトエステルP−2M(製品名、共栄社化学(株)製)
<(メタ)アクリレートモノマー(C)>
<単官能(メタ)アクリレートモノマー(C−1)>
AMP−20GY:フェノキシジエチレングリコールアクリレート、NKエステルAMP−20GY(製品名、新中村化学工業(株)製)
<多官能(メタ)アクリレートモノマー(C−2)>
UA:ウレタンアクリレートモノマー(2官能、ウレタン結合および飽和環状脂肪族構造を有する、特開2017−78840の製造例1に記載のウレタンアクリレートモノマー)
A−DPH:ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(6官能)、NKエステルA−DPH(製品名、新中村化学工業(株)製)
<光重合開始剤(D)>
Omnirad127(製品名、IGM Resins B.V.製):1,1′−(メチレン−ジ−4,1−フェニレン)ビス(2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパノン)
<溶剤(E)>
PGME:プロピレングリコールモノメチルエーテル(1−メトキシ−2−プロパノール)
NPA:ノルマルプロピルアルコール
<撥液剤(F)>
601ADH2(製品名、(株)ネオス製)
RS−72−K(製品名、DIC(株)製):含フッ素基(フルオロアルキル)・親水性基・親油性基・UV反応性基含有オリゴマー
RS−75(製品名、DIC(株)製):含フッ素基(フルオロアルキル)・親水性基・親油性基・UV反応性基含有オリゴマー
フッ素系化合物:フルオロセスキオキサン骨格を有するフッ素重合体
<無機微粒子(G)>
PGM−AC−2140Y(製品名、日産化学(株)製):プロピレングリコールモノメチルエーテル分散シリカゾルの表面改質グレード、表1にはフィラー分の配合量を記載し、分散媒は溶剤(E)に含めて記載した。
<他の成分>
BYK342(製品名、ビックケミー・ジャパン(株)製):界面活性剤

UP−1000:オールアクリル構造の無溶剤型アクリル樹脂、ARUFON UP−1000(製品名、東亜合成(株)製)
[実施例、比較例]
(塗剤調製)
表1に示す各成分を、表1に記載の割合となるように混合し、最終的に固形分濃度が51重量%、溶剤組成がNPA/PGME=50/50となるようにNPAとPGMEを加え、室温下で攪拌して均一な溶液を得た。
(硬化膜調製)
得られた溶液(組成物)を、コーニング社製無アルカリガラス(Eagle XG)上にスピンコートし、塗膜を得た。
得られた塗膜付きガラスを150℃のオーブンで2分間乾燥させ、岩崎電気(株)製高圧水銀ランプ(H08−L41、定格 160W/cm)が付属したコンベア式UV照射装置を用いて、照度200mW/cm、露光量500mJ/cmで紫外線を照射し、膜厚4μmの透明な硬化膜を有するガラス基板を得た。露光量は、岩崎電気(株)製照度計(UVPF−A1/PD−365)で測定した。
[評価方法]
(密着性:碁盤目剥離試験)
得られた硬化膜を1mm×1mmの正方形状(碁盤目)状にクロスカットして、切り目に囲まれた100個の領域を作製した。その領域の上から粘着性のある剥離用のテープを貼り付けて、剥がした時の剥がれた領域の数により評価を行った。その結果を下記評価基準にのっとり評価した。剥離用のテープは、Scotch#610(製品名、スリーエム社製)、402N/100mm(縦方向)を使用した。
評価基準
5B:100個の領域のうち1個も剥がれない。
4B:欠損エリア(剥がれた領域)が5%以下
3B:欠損エリア5%を超えて15%以下
2B:欠損エリアが15%を超えて35%以下
1B:欠損エリアが35%を超えて65%以下
0B:上記4つの分類に属さないもの(欠損エリアが65%を超える)
(表面硬度:鉛筆硬度)
上述のようにしてガラス基板上に調製した硬化膜を用いて、JIS−K−5600−5−4に順じ、鉛筆硬度計で硬化膜表面の鉛筆硬度を測定した。
(硬化膜の撥水性:水の接触角)
実施例および比較例の組成物を硬化させて得られた硬化膜について、協和界面科学(株)製接触角計DM−500を用いて、水の接触角を測定した。
(硬化膜の透明性:Haze)
実施例および比較例の組成物を硬化させて得られた硬化膜について、日本電色工業(株)製ヘイズメーターNDH5000を用いて、ASTM D1003に基づきHaze(曇り度、ヘイズ)を測定した。
(耐摩耗性:Taber試験)
実施例および比較例の組成物から得られた硬化膜について、(株)安田精機製作所製Taber摩耗試験機No.101を用いて、ASTM D1044に基づき、CS−10の摩耗輪を使用し、1kgf(9.8N)の荷重をかけて硬化膜上で10回転させた後における水の接触角、およびHazeを測定し、試験前に測定した値との差を算出した。
表1に示す実施例および比較例の評価結果から、以下のことが分かった。
モノマー成分(A)〜(C)を含有する組成物を用いることにより、ガラス基材に対する密着性が良好な硬化膜が得られる。
無機微粒子を(G)を含有する組成物を用いることにより、表面硬度が高い(4H以上)硬化物が得られる。
撥液剤(F)および無機微粒子(G)を含有する組成物を用いて調製された硬化物はいずれも、Taber試験前後のHazeの変化(ΔHaze)が5%以下であり、良好な耐摩耗性を示す。また、当該硬化物は、調製直後における水との接触角が大きく、また、Taber試験後においても大きな接触角を維持していることから、防汚性に優れているといえる。実施例の組成物は、含有する撥液剤(F)の種類によらず、高い耐摩耗性および防汚性を示す硬化膜を形成した。耐摩耗性の良好な硬化物を形成する観点から、組成物100重量部中の撥液剤の配合量は0.5〜1重量部が好ましく、0.7から1重量部がより好ましい。
本発明の光硬化性組成物から得られる硬化膜は、無機基材を保護する表面保護膜として利用することができる。

Claims (12)

  1. シランカップリング剤(A)、
    リン酸(メタ)アクリレートモノマー(B)、
    前記シランカップリング剤(A)およびリン酸(メタ)アクリレートモノマー(B)以外の(メタ)アクリレートモノマー(C)、
    光重合開始剤(D)、
    溶剤(E)、ならびに
    撥液剤(F)を含む光硬化性組成物。
  2. 前記撥液剤(F)がフルオロアルキルを有する基を有し、かつ重量平均分子量が100〜20,000の撥液剤である請求項1に記載の光硬化性組成物。
  3. 前記シランカップリング剤(A)が光重合性官能基を有する請求項1または2に記載の光硬化性組成物。
  4. 前記(メタ)アクリレートモノマー(C)は単官能モノマー(C−1)および1種類以上の多官能モノマー(C−2)からなり、前記多官能モノマーは2〜10官能である請求項1〜3のいずれか1項に記載の光硬化性組成物。
  5. 前記多官能モノマー(C−2)は、少なくとも1種類のウレタンアクリレートモノマーを含む請求項4に記載の光硬化性組成物。
  6. 前記多官能モノマー(C−2)の前記ウレタンアクリレートモノマーは、ウレタン結合および飽和環状脂肪族構造を有する二官能のウレタンアクリレートである請求項5に記載の光硬化性組成物。
  7. 前記多官能モノマー(C−2)は、ウレタン結合および飽和環状脂肪族構造を有する二官能のウレタンアクリレートモノマーと、ジペンタエリスリトールポリアクリレートモノマーとからなる請求項6に記載の光硬化性組成物。
  8. 前記ジペンタエリスリトールポリアクリレートモノマーの含有量と前記ウレタンアクリレートモノマーの含有量の比率(ジペンタエリスリトールポリアクリレートモノマー/ウレタンアクリレートモノマー)が10/2から10/10の範囲内である請求項7に記載の光硬化性組成物。
  9. さらに、無機微粒子(G)を含有する請求項1〜8のいずれか1項に記載の光硬化性組成物。
  10. 前記無機微粒子(G)が表面改質されたシリカ微粒子である請求項9に記載の光硬化性組成物。
  11. 請求項1〜10のいずれか1項に記載の光硬化性組成物を硬化してなる硬化膜。
  12. 請求項11に記載の硬化膜を含む積層体。
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