(第1の実施形態)
以下、図面を参照しながら本実施形態に係る放射線診断装置を説明する。なお、以下の説明において、既出の図に関して前述したものと同一又は略同一の機能を有する構成要素については、同一符号を付し、必要な場合にのみ重複説明する。また、同じ部分を表す場合であっても、図面により互いの寸法や比率が異なって表されている場合もある。
本実施形態に係る放射線診断装置は、X線コンピュータ断層撮影装置やX線診断装置、核医学診断装置に適用可能である。以下、本実施形態に係る放射線検出器は、X線を検出するX線検出器であるとする。本実施形態に係る放射線診断装置は、X線検出器を搭載したX線コンピュータ断層撮影装置であるとする。
X線コンピュータ断層撮影装置(CT装置)には、第3世代CT、第4世代CT等様々なタイプがあり、いずれのタイプでも本実施形態へ適用可能である。ここで、第3世代CTは、X線管と検出器とが一体として被検体の周囲を回転するRotate/Rotate−Typeである。第4世代CTは、リング状にアレイされた多数のX線検出素子が固定され、X線管のみが被検体の周囲を回転するStationary/Rotate−Typeである。
図1は、本実施形態に係るX線コンピュータ断層撮影装置1の構成を示す図である。X線コンピュータ断層撮影装置1は、X線管11から被検体Pに対してX線を照射し、照射されたX線をX線検出器12で検出する。X線コンピュータ断層撮影装置1は、X線検出器12からの出力に基づいて被検体Pに関するCT画像を生成する。
図1に示すように、X線コンピュータ断層撮影装置1は、架台10、寝台30及びコンソール40を有する。なお、図1では説明の都合上、架台10が複数描画されている。架台10は、被検体PをX線CT撮影するための構成を有するスキャン装置である。寝台30は、X線CT撮影の対象となる被検体Pを載置し、被検体Pを位置決めするための搬送装置である。コンソール40は、架台10を制御するコンピュータである。例えば、架台10及び寝台30はCT検査室に設置され、コンソール40はCT検査室に隣接する制御室に設置される。架台10、寝台30及びコンソール40は互いに通信可能に有線または無線で接続されている。なお、コンソール40は、必ずしも制御室に設置されなくてもよい。例えば、コンソール40は、架台10及び寝台30とともに同一の部屋に設置されてもよい。また、コンソール40が架台10に組み込まれてもよい。
図1に示すように、架台10は、X線管11、X線検出器12、回転フレーム13、X線高電圧装置14、制御装置15、ウェッジ16、コリメータ17及びデータ収集回路(DAS:Data Acquisition System)18を有する。
X線管11は、X線を被検体Pに照射する。具体的には、X線管11は、熱電子を発生する陰極と、陰極から飛翔する熱電子を受けてX線を発生する陽極と、陰極と陽極とを保持する真空管とを含む。X線管11は、高圧ケーブルを介してX線高電圧装置14に接続されている。陰極と陽極との間には、X線高電圧装置14により管電圧が印加される。管電圧の印加により陰極から陽極に向けて熱電子が飛翔する。陰極から陽極に向けて熱電子が飛翔することにより管電流が流れる。X線高電圧装置14からの高電圧の印加及びフィラメント電流の供給により、陰極(フィラメント)から陽極(ターゲット)に向けて熱電子が飛翔し、熱電子が陽極に衝突することによりX線が発生される。例えば、X線管11には、回転する陽極に熱電子を照射することでX線を発生させる回転陽極型のX線管がある。
なお、X線を発生させるハードウェアはX線管11に限られない。例えば、X線管11に代えて、第5世代方式を用いてX線を発生させることにしても構わない。第5世代方式は、電子銃から発生した電子ビームを集束させるフォーカスコイルと、電磁偏向させる偏向コイルと、被検体Pの半周を囲い偏向した電子ビームが衝突することによってX線を発生させるターゲットリングとを含む。
X線検出器12は、X線管11から照射され被検体Pを通過したX線を検出し、検出されたX線の線量に対応した電気信号をデータ収集回路18に出力する。X線検出器12は、チャネル方向に複数のX線検出素子が配列されたX線検出素子列がスライス方向(列方向)に複数配列された構造を有する。X線検出器12は、例えば、グリッド、シンチレータアレイ及び光センサアレイを有する間接変換型の検出器である。シンチレータアレイは、複数のシンチレータを有する。シンチレータは、入射X線量に応じた光量の光を出力する。グリッドは、シンチレータアレイのX線入射面側に配置され、散乱X線を吸収するX線遮蔽板を有する。なお、グリッドは、コリメータ(1次元コリメータ又は2次元コリメータ)と呼ばれる場合もある。光センサアレイは、シンチレータからの光の光量に応じた電気信号に変換する。光センサとしては、例えば、フォトダイオードが用いられる。なお、X線検出器12は、直接変換型の検出器であってもよい。
回転フレーム13は、X線管11とX線検出器12とを回転軸(Z軸)回りに回転可能に支持する円環状のフレームである。具体的には、回転フレーム13は、X線管11とX線検出器12とを対向支持する。回転フレーム13は、固定フレーム(図示せず)に回転軸回りに回転可能に支持される。制御装置15により回転フレーム13が回転軸回りに回転することによりX線管11とX線検出器12とを回転軸回りに回転させる。回転フレーム13は、制御装置15の駆動機構からの動力を受けて回転軸回りに一定の角速度で回転する。回転フレーム13の開口部19には、画像視野(FOV)が設定される。
なお、本実施形態では、非チルト状態での回転フレーム13の回転軸又は寝台30の天板33の長手方向をZ軸方向、Z軸方向に直交し床面に対し水平である軸方向をX軸方向、Z軸方向に直交し床面に対し垂直である軸方向をY軸方向と定義する。
X線高電圧装置14は、高電圧発生装置及びX線制御装置を有する。高電圧発生装置は、変圧器(トランス)及び整流器等の電気回路を有し、X線管11に印加する高電圧及びX線管11に供給するフィラメント電流を発生する。X線制御装置は、X線管11が照射するX線に応じた出力電圧の制御を行う。高電圧発生装置は、変圧器方式であってもよいし、インバータ方式であっても構わない。X線高電圧装置14は、架台10内の回転フレーム13に設けられてもよいし、架台10内の固定フレーム(図示しない)に設けられても構わない。
ウェッジ16は、被検体Pに照射されるX線の線量を調節する。具体的には、ウェッジ16は、X線管11から被検体Pへ照射されるX線の線量が予め定められた分布になるようにX線を減衰する。例えば、ウェッジ16としては、ウェッジフィルタ(wedge filter)やボウタイフィルタ(bow-tie filter)等のアルミニウム等の金属板が用いられる。
コリメータ17は、ウェッジ16を透過したX線の照射範囲を限定する。コリメータ17は、X線を遮蔽する複数の鉛板をスライド可能に支持し、複数の鉛板により形成されるスリットの形態を調節する。なお、コリメータ17は、X線絞りと呼ばれる場合もある。
データ収集回路18は、X線検出器12により検出されたX線の線量に応じた電気信号をX線検出器12から読み出す。データ収集回路18は、読み出した電気信号を増幅し、ビュー期間に亘り電気信号を積分することにより当該ビュー期間に亘るX線の線量に応じたデジタル値を有する検出データを収集する。検出データは、投影データと呼ばれる。データ収集回路18は、例えば、投影データを生成可能な回路素子を搭載した特定用途向け集積回路(Application Specific Integrated Circuit:ASIC)により実現される。投影データは、非接触データ伝送装置等を介してコンソール40に伝送される。
なお、本実施形態では、積分型のX線検出器12及び積分型のX線検出器12が搭載されたX線コンピュータ断層撮影装置1を例として説明するが、本実施形態に係る技術は、光子計数型のX線検出器又は光子計数型のX線検出器が搭載されたX線コンピュータ断層撮影装置であっても適用可能である。
制御装置15は、コンソール40の処理回路44のシステム制御機能441に従いX線CT撮影を実行するためにX線高電圧装置14やデータ収集回路18を制御する。制御装置15は、CPU(Central Processing Unit)あるいはMPU(Micro Processing Unit)等を有する処理回路と、モータ及びアクチュエータ等の駆動機構とを有する。処理回路は、ハードウェア資源として、CPU等のプロセッサとROM(Read Only Memory)やRAM(Random Access Memory)等のメモリとを有する。また、制御装置15は、ASICやフィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ(Field Programmable Gate Array:FPGA)により実現されてもよい。また、制御装置15は、他の複合プログラマブル論理デバイス(Complex Programmable Logic Device:CPLD)又は単純プログラマブル論理デバイス(Simple Programmable Logic Device:SPLD)により実現されてもよい。制御装置15は、コンソール40若しくは架台10に取り付けられた、後述する入力インターフェース43からの入力信号を受けて、架台10及び寝台30の動作制御を行う機能を有する。例えば、制御装置15は、入力信号を受けて回転フレーム13を回転させる制御や、架台10をチルトさせる制御、及び寝台30及び天板33を動作させる制御を行う。なお、架台10をチルトさせる制御は、架台10に取り付けられた入力インターフェースによって入力される傾斜角度(チルト角度)情報により、制御装置15がX軸方向に平行な軸を中心に回転フレーム13を回転させることによって実現される。なお、制御装置15は架台10に設けられてもよいし、コンソール40に設けられても構わない。
寝台30は、基台31、支持フレーム32、天板33及び寝台駆動装置34を備える。基台31は、床面に設置される。基台31は、支持フレーム32を、床面に対して垂直方向(Y軸方向)に移動可能に支持する筐体である。支持フレーム32は、基台31の上部に設けられるフレームである。支持フレーム32は、天板33を回転軸(Z軸)に沿ってスライド可能に支持する。天板33は、被検体Pが載置される柔軟性を有する板である。
寝台駆動装置34は、寝台30の筐体内に収容される。寝台駆動装置34は、被検体Pが載置された支持フレーム32と天板33とを移動させるための動力を発生するモータ又はアクチュエータである。寝台駆動装置34は、コンソール40等による制御に従い作動する。
コンソール40は、メモリ41、ディスプレイ42、入力インターフェース43及び処理回路44を有する。メモリ41とディスプレイ42と入力インターフェース43と処理回路44との間のデータ通信は、バス(BUS)を介して行われる。なお、コンソール40は架台10とは別体として説明するが、架台10にコンソール40又はコンソール40の各構成要素の一部が含まれてもよい。
メモリ41は、種々の情報を記憶するHDD(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Drive)、集積回路記憶装置等の記憶装置である。メモリ41は、例えば、投影データや再構成画像データを記憶する。メモリ41は、HDDやSSD等以外にも、CD(Compact Disc)、DVD(Digital Versatile Disc)、フラッシュメモリ等の可搬性記憶媒体であってもよい。メモリ41は、フラッシュメモリ、RAM(Random Access Memory)等の半導体メモリ素子等との間で種々の情報を読み書きする駆動装置であってもよい。また、メモリ41の保存領域は、X線コンピュータ断層撮影装置1内にあってもよいし、ネットワークで接続された外部記憶装置内にあってもよい。メモリ41には、後述するデータベースを記憶する。
ディスプレイ42は、各種の情報を表示する。例えば、ディスプレイ42は、処理回路44によって生成された医用画像(CT画像)や、操作者からの各種操作を受け付けるためのGUI(Graphical User Interface)等を出力する。ディスプレイ42としては、種々の任意のディスプレイが、適宜、使用可能となっている。例えばディスプレイ42として、液晶ディスプレイ(LCD:Liquid Crystal Display)、CRT(Cathode Ray Tube)ディスプレイ、有機ELディスプレイ(OELD:Organic Electro Luminescence Display)又はプラズマディスプレイが使用可能である。また、ディスプレイ42は、架台10に設けられてもよい。また、ディスプレイ42は、デスクトップ型でもよいし、コンソール40本体と無線通信可能なタブレット端末等で構成されることにしても構わない。
入力インターフェース43は、操作者からの各種の入力操作を受け付け、受け付けた入力操作を電気信号に変換して処理回路44に出力する。例えば、入力インターフェース43は、投影データを収集する際の収集条件や、CT画像を再構成する際の再構成条件、CT画像から後処理画像を生成する際の画像処理条件等を操作者から受け付ける。入力インターフェース43としては、例えば、マウス、キーボード、トラックボール、スイッチ、ボタン、ジョイスティック、タッチパッド及びタッチパネルディスプレイ等が適宜、使用可能となっている。なお、本実施形態において、入力インターフェース43は、マウス、キーボード、トラックボール、スイッチ、ボタン、ジョイスティック、タッチパッド及びタッチパネルディスプレイ等の物理的な操作部品を備えるものに限られない。例えば、装置とは別体に設けられた外部の入力機器から入力操作に対応する電気信号を受け取り、この電気信号を処理回路44へ出力する電気信号の処理回路も入力インターフェース43の例に含まれる。また、入力インターフェース43は、架台10に設けられてもよい。また、入力インターフェース43は、コンソール40本体と無線通信可能なタブレット端末等で構成されることにしても構わない。
処理回路44は、入力インターフェース43から出力される入力操作の電気信号に応じてX線コンピュータ断層撮影装置1全体の動作を制御する。処理回路44は、X線検出器12から出力された電気信号に基づいて画像データを生成する。例えば、処理回路44は、ハードウェア資源として、CPUやMPU、GPU等のプロセッサとROMやRAM等のメモリとを有する。処理回路44は、メモリに展開されたプログラムを実行するプロセッサにより、システム制御機能441、前処理機能442、再構成処理機能443、画像処理機能444、表示制御機能445、撮影計画機能446等を実行する。なお、各機能441〜446は単一の処理回路で実現される場合に限らない。複数の独立したプロセッサを組み合わせて処理回路を構成し、各プロセッサがプログラムを実行することにより各機能441〜446を実現するものとしても構わない。
システム制御機能441において処理回路44は、X線CT撮影を行うためX線高電圧装置14と制御装置15とデータ収集回路18とを制御する。
前処理機能442において処理回路44は、データ収集回路18から出力された投影データに対して対数変換処理やオフセット補正処理、チャネル間の感度補正処理、ビームハードニング補正等の前処理を施す。
再構成処理機能443において処理回路44は、前処理機能442による前処理後の投影データに対して、フィルタ補正逆投影法や逐次近似再構成法等を用いた再構成処理を行い、CT画像データを生成する。
画像処理機能444において処理回路44は、再構成処理機能443によって生成されたCT画像データを、任意断面の断面画像データや任意視点方向のレンダリング画像データに変換する。変換は、入力インターフェース43を介して操作者から受け付けた入力操作に基づいて行われる。例えば、処理回路44は、当該CT画像データにボリュームレンダリングや、サーフェスボリュームレンダリング、画像値投影処理、MPR(Multi-Planer Reconstruction)処理、CPR(Curved MPR)処理等の3次元画像処理を施して、任意視点方向のレンダリング画像データを生成する。なお、任意視点方向のレンダリング画像データの生成は再構成処理機能443が直接行っても構わない。
表示制御機能445において処理回路44は、画像処理機能444により生成された各種画像データに基づいて、画像をディスプレイ42に表示させる。ディスプレイ42に表示させる画像は、CT画像データに基づくCT画像、任意断面の断面画像データに基づく断面画像、任意視点方向のレンダリング画像データに基づく任意視点方向のレンダリング画像等を含む。ディスプレイ42に表示させる画像は、操作画面を表示するための画像を含む。
撮影計画機能446において処理回路44は、管電圧を変調させて行う管電圧変調時における管電圧の立上げタイミング又は立下げタイミングを制御するための制御信号の特性を決定する。撮影計画機能446において処理回路44は、例えばユーザ操作に応じた入力インターフェース43の出力に基づいて、制御信号の特性を決定する。なお、撮影計画機能446において処理回路44は、設定されたスキャン条件や再構成条件等に基づいて、制御信号の特性を決定してもよい。決定された特性情報は、データ収集回路18へ出力される。
なお、コンソール40は、単一のコンソールにて複数の機能を実行するものとして説明したが、複数の機能を別々のコンソールが実行することにしても構わない。例えば、前処理機能442や再構成処理機能443等の処理回路44の機能を分散して有しても構わない。
なお、処理回路44は、コンソール40に含まれる場合に限らず、複数の医用画像診断装置にて取得された検出データに対する処理を一括して行う統合サーバに含まれてもよい。
なお、後処理は、コンソール40又は外部のワークステーションのどちらで実施することにしても構わない。また、コンソール40とワークステーションの両方で同時に処理することにしても構わない。
なお、本実施形態に係る技術は、一管球型のX線コンピュータ断層撮影装置にも、X線管と検出器との複数のペアを回転リングに搭載した、いわゆる多管球型のX線コンピュータ断層撮影装置にも適用可能である。
ここで、本実施形態に係るX線コンピュータ断層撮影装置1における管電圧の変調に関するトリガ信号の生成について、図面を参照してより詳細に説明する。図2は、図1のX線コンピュータ断層撮影装置1におけるトリガ信号の生成に係る各部の構成の一例について説明するための図である。図3は、図1のX線コンピュータ断層撮影装置1において生成されるトリガ信号について説明するためのタイミングチャートである。
なお、本実施形態に係るX線コンピュータ断層撮影装置1は、デュアルエネルギ方式で撮影できるように構成されているとする。つまり、X線コンピュータ断層撮影装置1は、管電圧変調の制御信号に従うタイミングで管電圧を変調しながら各収集ビューで投影データを収集できるように構成されている。また、本実施形態に係るX線コンピュータ断層撮影装置1は、逐次読み出し方式でX線検出器12から電気信号を読み出すように構成されているとする。
本実施形態に係るX線検出器12は、図示しない複数のX線検出器モジュールを有する。複数のX線検出器モジュールは、チャネル方向にタイリングされている。各々のX線検出器モジュールには、光センサアレイ及び読出回路が設けられている。
光センサアレイは、入射X線に応じた電気信号を出力する。電気信号の出力は、光センサアレイに入力されたスイッチ信号S_SWに基づいて行われる。光センサアレイは、複数のX線検出素子121がチャネル方向及び列方向に関して2次元状に配列された構造を有する。読出回路は、複数の読出スイッチ122及び読出線123を有する。図2には、複数のX線検出素子121のうち一部のX線検出素子121が模式的に示されている。
複数の読出スイッチ122の各々は、スイッチ信号S_SWに基づいて駆動するスイッチング素子である。複数の読出スイッチ122の各々は、例えばMOS型の電界効果トランジスタ(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor:MOS−FET)等である。図2に示すように、複数のX線検出素子121は、複数の読出スイッチ122を介して読出線123に接続されている。より詳細には、複数の読出スイッチ122は、複数のX線検出素子121にそれぞれ接続されている。複数の読出スイッチ122の各々は、読出線123に接続されている。複数の読出スイッチ122には、それぞれ、データ収集回路18の読出制御回路181からスイッチ信号S_SWが入力される。複数の読出スイッチ122は、スイッチ信号S_SWに従うタイミングで複数のX線検出素子121と読出線123との間を順番に導通状態とする。複数のX線検出素子121から逐次読み出された電気信号は、読出線123を介してデータ収集回路18のA/D変換器189へ出力される。
本実施形態に係る制御装置15は、駆動装置151及びビュートリガ信号発生器153を有する。
駆動装置151は、コンソール40からの制御信号に従って、回転フレーム13を回転軸(Z軸)回りに既定の角速度で回転する。駆動装置151は、モータ等のアクチュエータと、モータで発生した動力を伝達するためのベルト等の動力伝達機構とを含む。ビュートリガ信号発生器153は、例えばロータリエンコーダを含む。ロータリエンコーダは、例えば駆動装置151に取り付けられている。
ビュートリガ信号発生器153は、回転フレーム13が既定角度回転するごとに、電気パルス信号を繰り返し生成する。以下、この電気パルス信号をビュートリガ信号S_VTと記載する。ビュートリガ信号S_VTは、ビューごとの読出タイミングを制御する制御信号である。ビュートリガ信号発生器153によるビュートリガ信号S_VTの発生周期は、コンソール40からの制御信号に従い設定される。ビュートリガ信号S_VTの波形は、例えば矩形である。生成されたビュートリガ信号S_VTは、データ収集回路18へ出力される。ここで、ビュートリガ信号発生器153は、第1生成部の一例である。また、ビュートリガ信号S_VTは、第1トリガ信号の一例である。
撮影計画機能446を実現する処理回路44は、管電圧変調のトリガ信号S_VT+の特性を決定する。管電圧変調のトリガ信号S_VT+は、管電圧変調時における管電圧の立上げタイミング又は立下げタイミングを制御するための制御信号である。ここで、管電圧変調のトリガ信号S_VT+は、第2トリガ信号の一例である。
決定された特性情報は、X線検出器12の収集列数に関する情報CI1と、再構成ビュー数に関する情報CI2とを含む。ここで、X線検出器12の収集列数に関する情報CI1は、第1情報の一例である。また、再構成ビュー数に関する情報CI2は、第2情報の一例である。
X線検出器12の収集列数に関する情報CI1は、管電圧変調のトリガ信号S_VT+のパルス幅の決定に用いられる情報である。収集列数は、X線検出器12を構成する複数のX線検出素子列のうち、再構成に用いられる投影データを収集するX線検出素子列の列数を指す。
再構成ビュー数に関する情報CI2は、X線高電圧装置14において、管電圧変調のトリガ信号S_VT+の複数のパルスのうち、いずれのパルスが示すタイミングで管電圧の変調を開始するかの決定に用いられる情報である。換言すれば、再構成ビュー数に関する情報CI2は、管電圧変調の間隔の決定に用いられる情報である。再構成ビュー数は、管電圧変調における管電圧の各安定期において、収集された投影データが再構成に用いられる収集ビューの数を示す情報である。なお、管電圧の安定期は、管電圧が高管電圧側の目標値High_kV又は低管電圧側の目標値Low_kVで安定している期間を指す。換言すれば、管電圧の安定期は、高管電圧側の目標値High_kVから低管電圧側の目標値Low_kVへの移行期間と、低管電圧側の目標値Low_kVから高管電圧側の目標値High_kVへの移行期間とを除いた期間を指す。
撮影計画機能446を実現する処理回路44は、図2に示すように、データ収集回路18へ決定された特性情報を出力する。具体的には、撮影計画機能446を実現する処理回路44は、X線検出器12の収集列数に関する情報CI1を、データ収集回路18の第1管電圧制御回路183へ出力する。また、撮影計画機能446を実現する処理回路44は、図2に示すように、X線高電圧装置14へ決定された特性情報を出力する。具体的には、撮影計画機能446を実現する処理回路44は、再構成ビュー数に関する情報CI2を、X線高電圧装置14の第2管電圧制御回路141へ出力する。
本実施形態に係るデータ収集回路18は、ビュートリガ信号S_VTに従うタイミングでX線検出器12から逐次読み出し方式で電気信号を読み出すように構成されているとする。データ収集回路18は、制御回路180及びA/D変換器(ADC)189を有する。
制御回路180は、管電圧変調のトリガ信号S_VT+を生成する。管電圧変調のトリガ信号S_VT+の生成は、制御装置15が出力するビュートリガ信号S_VTと、撮影計画機能446を実現する処理回路44が出力する特性情報とに基づいて行われる。制御回路180は、読出制御回路181及び第1管電圧制御回路183を有する。ここで、読出制御回路181は、読出制御部の一例である。また、第1管電圧制御回路183は、制御部及び第2生成部の一例である。
読出制御回路181には、制御装置15が出力するビュートリガ信号S_VTが入力される。また、読出制御回路181は、撮影計画機能446を実現する処理回路44からX線検出器12の収集列数に関する情報CI1を取得する。X線検出器12の収集列数に関する情報CI1の取得は、例えば、撮影に先立って行われる。取得されたX線検出器12の収集列数に関する情報CI1は、読出制御回路181の記憶領域又はデータ収集回路18の内部に設けられた記憶回路に記憶される。読出制御回路181は、ビュートリガ信号S_VT及びX線検出器12の収集列数に関する情報CI1に基づいて、スイッチ信号S_SWを生成する。スイッチ信号S_SWは、複数の読出スイッチ122を駆動する。スイッチ信号S_SWは、ビュートリガ信号S_VTのパルスの立ち上がりを基準とした所定のタイミングで、複数のX線検出素子121から電気信号が逐次読み出し方式により読み出されるように複数の読出スイッチ122の動作を制御する。また、スイッチ信号S_SWは、X線検出器12の収集列数に関する情報CI1により規定される所定の素子列の読出しが行われるように複数の読出スイッチ122の動作を制御する。読み出された電気信号は、A/D変換器189を介して、メモリ41等へ出力される。また、読出制御回路181は、X線検出器12の収集列数に関する情報CI1に基づいて、所定の素子列の読出しが終了したとき、終了信号S_ENDを出力する。つまり、終了信号S_ENDは、特性情報により規定される収集列数の読出しが終了したことを示す制御信号であると表現できる。
第1管電圧制御回路183には、読出制御回路181から終了信号S_ENDが入力される。第1管電圧制御回路183は、ビュートリガ信号S_VT及び終了信号S_ENDに基づいて、管電圧変調のトリガ信号S_VT+を生成する。図3に示すように、管電圧変調のトリガ信号S_VT+のパルスの立ち上がりは、ビュートリガ信号S_VTのパルスの立ち上がりに同期している。また、管電圧変調のトリガ信号S_VT+のパルスの立ち下がりのタイミングは、読出制御回路181から終了信号S_ENDが出力されたタイミングである。つまり、管電圧変調のトリガ信号S_VT+の立ち下がりのタイミングは、特性情報により規定される収集列数の読出しが終了するタイミングに同期しているとも表現できる。これらのことから、管電圧変調のトリガ信号S_VT+のパルス幅は、ビュートリガ信号S_VTのパルス幅より小さい。第1管電圧制御回路183は、生成された管電圧変調のトリガ信号S_VT+をX線高電圧装置14へ出力する。
制御回路180は、ハードウェア資源として、ASICやFPGAを有する。また、制御回路180は、CPU等のプロセッサとROMやRAM等のメモリとにより実現されてもよい。また、制御回路180は、CPLDSPLDにより実現されてもよい。また、読出制御回路181及び第1管電圧制御回路183は、単一のプロセッサにより構成されていてもよいし、互いに異なるプロセッサにより構成されていてもよい。また、読出制御回路181及び第1管電圧制御回路183は、それぞれ、1つのプロセッサにより構成されていてもよいし、複数の独立したプロセッサを組み合わせて構成されていてもよい。
本実施形態に係るX線高電圧装置14は、図2に示すように、第2管電圧制御回路141を有する。第2管電圧制御回路141は、例えば、X線管11が照射するX線に応じた出力電圧の制御を行うX線制御装置又はその一部である。第2管電圧制御回路141には、データ収集回路18の第1管電圧制御回路183から管電圧変調のトリガ信号S_VT+が入力される。また、第2管電圧制御回路141は、撮影計画機能446を実現する処理回路44から再構成ビュー数に関する情報CI2を取得する。再構成ビュー数に関する情報CI2の取得は、例えば、撮影に先立って行われる。取得された再構成ビュー数に関する情報CI2は、第2管電圧制御回路141の記憶領域又はX線高電圧装置14の内部に設けられた記憶回路に記憶される。第2管電圧制御回路141は、管電圧変調のトリガ信号S_VT+のパルス数をカウントする。第2管電圧制御回路141は、データ収集回路18の制御回路180が出力する管電圧変調のトリガ信号S_VT+に従うタイミングで、X線管11に印加する管電圧を変調するように構成されている。具体的には、第2管電圧制御回路141は、図3に示すように、管電圧変調のトリガ信号S_VT+のパルスの立ち下がりのタイミングに同期して、低管電圧側の目標値Low_kVと、高管電圧側の目標値High_kVとの間で管電圧を変調するように制御する。なお、管電圧変調のタイミングは、入力された管電圧変調のトリガ信号S_VT+のパルス数のカウントが、再構成ビュー数に関する情報CI2により規定される再構成ビュー数に達した後の、管電圧変調のトリガ信号S_VT+のパルスの立ち下がりのタイミングである。X線高電圧装置14は、例えば2種の電圧値を交互に切り替えることにより、X線管11から射出されるX線のエネルギスペクトルを切り替えることができる。ここで、第2管電圧制御回路141は、制御部及び変調制御部の一例である。
なお、X線高電圧装置14は、例えば2種の電圧値を交互に切り替えることにより、X線管11から射出されるX線のON(照射)とOFF(照射の停止)とを切り替えることもできる。このとき、高管電圧側の目標値High_kVは、X線が射出される管電圧であり、低管電圧側の目標値Low_kVは、X線が射出されない管電圧である。X線が射出されない低管電圧側の目標値Low_kVの値は、ゼロであってもよい。
第2管電圧制御回路141は、ハードウェア資源として、ASICやFPGAを有する。また、制御回路180は、CPU等のプロセッサとROMやRAM等のメモリとにより実現されてもよい。また、制御回路180は、CPLD又はSPLDにより実現されてもよい。また、第2管電圧制御回路141は、1つのプロセッサにより構成されていてもよいし、複数の独立したプロセッサを組み合わせて構成されていてもよい。
次に、本実施形態に係るX線コンピュータ断層撮影装置1のトリガ信号生成に関する動作について、図3を参照して説明する。なお、図3に示す例では、1viewから10viewまでの複数の収集ビューAVが示されている。また、図3に示す例では、複数の再構成ビューRVのうち、再構成に用いられる投影データが収集されている期間には、ドットのハッチングが付されている。
以下の説明は、撮影計画機能を実現する処理回路44が特性情報を決定した後の動作であるとする。ここで、決定されたX線検出器12の収集列数に関する情報CI1及び再構成ビュー数に関する情報CI2には、それぞれ、収集列数が160列であること及び再構成ビュー数が2つであることが含まれているとする。
また、スキャン中には、ビュートリガ信号S_VTは、ビュートリガ信号発生器153から読出制御回路181及び第1管電圧制御回路183へ出力され続けているとする。また、スキャン中には、管電圧変調のトリガ信号S_VT+は、データ収集回路18の第1管電圧制御回路183から、X線高電圧装置14の第2管電圧制御回路141へ出力され続けているとする。
タイミングt10、タイミングt20、タイミングt30、タイミングt40、タイミングt50、タイミングt60及びタイミングt70は、それぞれ、ビュートリガ信号S_VTのパルスの立ち上がりに従い、各収集ビューAVに関する読出しが開始されるタイミングである。これらの各タイミングにおいて、読出制御回路181は、ビュートリガ信号S_VTのパルスの立ち上がりに同期して、スイッチ信号S_SWを生成する。読出制御回路181は、生成したスイッチ信号S_SWをデータ収集回路18へ出力する。データ収集回路18は、入力されたスイッチ信号S_SWに従い、読出しを開始する。第1管電圧制御回路183は、ビュートリガ信号S_VTのパルスの立ち上がりに同期して、管電圧変調のトリガ信号S_VT+のパルスを立ち上げる。
タイミングt11、タイミングt21、タイミングt31、タイミングt41、タイミングt51、タイミングt61及びタイミングt71は、それぞれ、直前の各収集ビューAVに関する読出しが終了するタイミングである。これらの各タイミングにおいて、読出制御回路181は、第1管電圧制御回路183へ終了信号S_ENDを出力する。第1管電圧制御回路183は、入力された終了信号S_ENDに従い、管電圧変調のトリガ信号S_VT+のパルスを立ち下げる。
以下、説明の簡単のために、直近の管電圧変調が開始されたタイミングから起算した管電圧変調のトリガ信号S_VT+のパルス数のカウントをcnt[PN]と記載する。当該カウント値は、管電圧変調のトリガ信号S_VT+のパルスの立ち上がりのタイミングで更新されてもよいし、立ち下がりのタイミングで更新されてもよい。以下の説明は、管電圧変調のトリガ信号S_VT+のパルスの立ち下がりのタイミングでカウント値が更新される場合を例とする。
ここで、管電圧変調のトリガ信号S_VT+の各パルスの立ち上がりのタイミング及び立ち下がりのタイミングは、それぞれ、再構成ビューRVを含む各収集ビューAVに関する読出しが開始されるタイミング及び終了するタイミングである。このことから、管電圧変調が開始されたタイミングから起算した管電圧変調のトリガ信号S_VT+のパルス数のカウントは、直近の管電圧が変調された収集ビューから起算した再構成ビュー数のカウントであるとも表現できる。つまり、cnt[PN]=2となったとき、次の管電圧変調のトリガ信号S_VT+のパルスの立ち下がりのタイミングで管電圧変調が開始される。また、当該カウント値は、管電圧変調が開始されるとともにリセットされるとする。
ここで、図3に示す例では、タイミングt10において、cnt[PN]=2であり、管電圧は、低管電圧側の目標値Low_kVであるとする。また、図3に示す例では、タイミングt11で読出しが終了した収集ビューAV、すなわち図3の1つ目の収集ビューAVの直前の収集ビューAVは、再構成ビューRVであるとする。
このとき、図3に示す例では、タイミングt11、タイミングt41及びタイミングt71において、管電圧変調が開始されるとともにカウント値がリセットされ、cnt[PN]=0となる。また、タイミングt21及びタイミングt51において、カウント値が更新され、cnt[PN]=1となる。また、タイミングt31及びタイミングt61において、カウント値が更新され、cnt[PN]=2となる。
つまり、図3に示す例では、タイミングt11、タイミングt41及びタイミングt71は、cnt[PN]=2となった直後の管電圧変調のトリガ信号S_VT+のパルスの立ち下がりのタイミングである。これらの各タイミングにおいて、X線高電圧装置14の第2管電圧制御回路141は、管電圧変調のトリガ信号S_VT+のパルスの立ち下がりに同期して、管電圧の変調を開始する。換言すれば、X線高電圧装置14の第2管電圧制御回路141は、cnt[PN]=2であるとき、次の管電圧変調のトリガ信号S_VT+のパルスの立ち下がりのタイミングで管電圧の変調を開始する。具体的には、第2管電圧制御回路141は、タイミングt11及びタイミングt71において、低管電圧側の目標値Low_kVから高管電圧側の目標値High_kVへ管電圧を変調する。一方で、第2管電圧制御回路141は、タイミングt41において、高管電圧側の目標値High_kVから低管電圧側の目標値Low_kVへ管電圧を変調する。
このように、本実施形態に係るX線コンピュータ断層撮影装置1では、特性情報に基づいて特性が決定された管電圧変調のトリガ信号S_VT+に従うタイミングで、管電圧の変調が行われる。換言すれば、本実施形態に係るX線コンピュータ断層撮影装置1では、特性情報により規定される収集列数の読出しが終了するタイミングで、特性情報により規定される再構成ビュー数の間隔で管電圧の変調が開始される。具体的には、データ収集回路18の読出制御回路181は、特性情報により規定される収集列数の読出しが終了するタイミングで、終了信号S_ENDを出力する。データ収集回路18の第1管電圧制御回路183は、ビュートリガ信号S_VT及び終了信号S_ENDに応じて、管電圧変調のトリガ信号S_VT+を生成する。X線高電圧装置14の第2管電圧制御回路141は、特性情報により規定される再構成ビュー数の間隔で、管電圧変調のトリガ信号S_VT+の立ち下がりのタイミングに同期して管電圧を変調する。
この構成によれば、次の収集ビューが開始される前に、管電圧変調を開始できるという効果がある。これは、本技術によれば、次の収集ビューが開始されるときに管電圧変調を開始する場合と比較して、管電圧変調の終了タイミングを早めることができるとも表現できる。つまり、本技術によれば、再構成に使用されない収集ビューの数を低減させることができる。再構成に使用されない収集ビュー数の低減により、データ量や収集時間、処理時間等を低減できるため、X線の利用効率の向上やリソースの有効活用に寄与する。一方で、本技術によれば、1回転あたりの再構成に用いる収集ビュー数を増やすこともできる。再構成に用いる収集ビュー数の増加は、画質の向上に寄与する。また、本技術によれば、撮影時間を短縮できるという効果もある。
(第2の実施形態)
以下、図面を参照しながら本実施形態に係る放射線診断装置を説明する。ここでは、主に第1の実施形態との相違点について説明する。なお、以下の説明において、第1の実施形態と同一又は略同一の機能を有する構成要素については、同一符号を付し、必要な場合にのみ重複説明する。
第1の実施形態では、スキャン中に読出制御回路181が出力する終了信号S_ENDの出力に従い、管電圧変調のトリガ信号S_VT+が生成されるX線コンピュータ断層撮影装置1を例として説明した。一方で、各ビューの読出しが終了するタイミングは、撮影条件等に基づいて、スキャン開始前に特定されていてもよい。
本実施形態に係るX線コンピュータ断層撮影装置1の構成について、図面を参照して詳細に説明する。図4は、本実施形態に係るX線コンピュータ断層撮影装置1におけるトリガ信号の生成に係る各部の構成の一例について説明するための図である。
本実施形態に係る撮影計画機能446を実現する処理回路44は、第1の実施形態に係る終了信号S_ENDのタイミングを、スキャン開始前にさらに決定する。換言すれば、撮影計画機能446を実現する処理回路44は、管電圧変調のトリガ信号S_VT+のパルス幅に関する情報CI4を、スキャン開始前にさらに決定する。このため、本実施形態に係る撮影計画機能446を実現する処理回路44は、収集列あたりの処理時間に関する情報CI3を取得するように構成されている。収集列あたりの処理時間に関する情報CI3は、例えば、回転フレーム13の回転速度、読出しに係る処理における並列数等を含む。収集列あたりの処理時間に関する情報CI3は、例えば、制御装置15やデータ収集回路18、メモリ41、処理回路44の記憶領域等から取得される。撮影計画機能446を実現する処理回路44は、X線検出器12の収集列数に関する情報CI1と、収集列あたりの処理時間に関する情報CI3とに基づいて各再構成ビューに関して読出しが開始されてから終了されるまでの時間幅を特定する。撮影計画機能446を実現する処理回路44は、特定された時間幅を、管電圧変調のトリガ信号S_VT+のパルス幅として決定する。つまり、本実施形態では、管電圧を変調させて行う管電圧変調時における管電圧の立上げタイミング又は立下げタイミングは、ビュートリガ信号S_VTの立ち上がりから、特定された時間幅だけ経過したタイミングであると表現できる。ここで、本実施形態に係る撮影計画機能446を実現する処理回路44は、決定部の一例である。収集列あたりの処理時間に関する情報CI3は、第3情報の一例である。
図4に示すように、撮影計画機能446を実現する処理回路44は、特定された管電圧変調のトリガ信号S_VT+のパルス幅に関する情報CI4を、データ収集回路18の第1管電圧制御回路183へ出力する。つまり、本実施形態では、決定された特性情報は、X線検出器12の収集列数に関する情報CI1及び再構成ビュー数に関する情報CI2に加えて、管電圧変調のトリガ信号S_VT+のパルス幅に関する情報CI4をさらに含む。
本実施形態に係る読出制御回路181は、第1の実施形態に係る読出制御回路181と同様にして、X線検出器12からの電気信号の逐次読み出しを制御する。一方で、上述したように、本実施形態に係るX線コンピュータ断層撮影装置1において、各ビューの読出しが終了するタイミングは、撮影条件等に基づいて、スキャン開始前に決定されている。このため、本実施形態に係る読出制御回路181は、終了信号S_ENDを出力しなくてもよい。
本実施形態に係る第1管電圧制御回路183は、第1の実施形態に係る第1管電圧制御回路183と同様にして、管電圧変調のトリガ信号S_VT+を生成する。なお、上述したように、管電圧変調のトリガ信号S_VT+のパルス幅は、撮影計画機能446を実現する処理回路44によりスキャン開始前に決定されている。つまり、管電圧変調のトリガ信号S_VT+のパルスの立ち下がりのタイミングは、スキャン開始前に特定されたタイミングであり、特性情報に含まれる収集列あたりの処理時間により規定される収集列数の読出しが終了するタイミングであるとも表現できる。
次に、本実施形態に係るX線コンピュータ断層撮影装置1のトリガ信号生成に関する動作について、図3を再び参照して説明する。
撮影計画機能446を実現する処理回路44は、スキャン開始前に各ビューの読出しが終了するタイミングを特定する。
タイミングt11、タイミングt21、タイミングt31、タイミングt41、タイミングt51、タイミングt61及びタイミングt71において、本実施形態に係る第1管電圧制御回路183は、撮影計画機能446を実現する処理回路44によりスキャン開始前に特定されたタイミングに従い、管電圧変調のトリガ信号S_VT+のパルスを立ち下げる。
このように、本実施形態に係るX線コンピュータ断層撮影装置1において、撮影計画機能446を実現する処理回路44は、各収集ビューにおける収集列数の読出しが終了するタイミングをスキャン開始前に決定する。つまり、撮影計画機能446を実現する処理回路44は、管電圧変調のトリガ信号S_VT+のパルス幅をスキャン開始前に決定する。この構成によれば、上述の効果に加えて、スキャン中の処理量を低減させることができるという効果がさらに得られる。
なお、本実施形態では、管電圧変調のトリガ信号S_VT+のパルス幅に関する情報CI4が撮影計画機能446を実現する処理回路44により決定される場合を例として説明したが、これに限らない。管電圧変調のトリガ信号S_VT+のパルス幅に関する情報CI4は、例えば、データ収集回路18の第1管電圧制御回路183において決定されてもよい。この場合、撮影計画機能446を実現する処理回路44は、第1管電圧制御回路183へX線検出器12の収集列数に関する情報CI1と、収集列あたりの処理時間に関する情報CI3とを出力する。なお、収集列あたりの処理時間に関する情報CI3は、第1管電圧制御回路183により収集されてもよい。これらの構成であっても、上述と同様の効果が得られる。
(第1の変形例)
以下、本変形例に係る放射線診断装置を説明する。ここでは、主に第1の実施形態との相違点について説明する。なお、以下の説明において、第1の実施形態と同一又は略同一の機能を有する構成要素については、同一符号を付し、必要な場合にのみ重複説明する。
第1の実施形態では、X線高電圧装置14の第2管電圧制御回路141が管電圧変調の間隔を決定するために管電圧変調のトリガ信号S_VT+のパルス数をカウントする場合を例として説明したが、これに限らない。管電圧変調のトリガ信号S_VT+の複数のパルスのうち、いずれのパルスが示すタイミングで管電圧の変調を開始するかの決定は、例えばデータ収集回路18の第1管電圧制御回路183により行われてもよい。
本変形例に係る撮影計画機能446を実現する処理回路44は、第2管電圧制御回路141に代えて、第1管電圧制御回路183へ再構成ビュー数に関する情報CI2を出力する。
データ収集回路18の第1管電圧制御回路183は、第1の実施形態に係るX線高電圧装置14の第2管電圧制御回路141と同様にして、撮影計画機能446を実現する処理回路44から再構成ビュー数に関する情報CI2を取得する。取得された再構成ビュー数に関する情報CI2は、第1管電圧制御回路183の記憶領域又はデータ収集回路18の内部に設けられた記憶回路に記憶される。
第1管電圧制御回路183は、第2管電圧制御回路141へ管電圧変調のトリガ信号S_VT+を出力するとともに、第1の実施形態に係る第2管電圧制御回路141と同様にして、管電圧変調のトリガ信号S_VT+のパルス数をカウントする。第1管電圧制御回路183は、管電圧変調のトリガ信号S_VT+のパルス数のカウントが、再構成ビュー数に関する情報CI2により規定される再構成ビュー数に達したとき、管電圧変調フラグのセットを指示する指示信号を生成する。生成された指示信号は、第2管電圧制御回路141へ出力される。
X線高電圧装置14の第2管電圧制御回路141は、当該指示信号の受信を契機として、管電圧変調フラグをセットする。第2管電圧制御回路141は、管電圧変調フラグがセットされている状態で管電圧変調のトリガ信号S_VT+のパルスが立ち下がるタイミングに同期してX線管11に印加する管電圧の変調を開始する。第2管電圧制御回路141は、管電圧変調の開始を契機として、管電圧変調フラグをリセットする。
次に、本変形例に係るX線コンピュータ断層撮影装置1のトリガ信号生成に関する動作について、図3を再び参照して説明する。図3に示す例では、上述したように、図示しないタイミングt10の直前のパルスの立ち下がりタイミングからタイミングt11までの間と、タイミングt31からタイミングt41までの間と、タイミングt61からタイミングt71までの間とにおいて、cnt[PN]=2である。
cnt[PN]=2であるとき、管電圧変調フラグがセットされる。具体的には、第1管電圧制御回路183は、例えば、図示しないタイミングt10の直前のパルスの立ち下がりタイミングやタイミングt31、タイミングt61において、管電圧変調フラグのセットを指示する指示信号を生成する。第1管電圧制御回路183は、第2管電圧制御回路141へ生成された指示信号を出力する。
タイミングt11、タイミングt41及びタイミングt71は、管電圧変調フラグがセットされている状態で管電圧変調のトリガ信号S_VT+のパルスが立ち下がるタイミングである。X線高電圧装置14の第2管電圧制御回路141は、これらのタイミングに同期してX線管11に印加する管電圧の変調を開始する。また、第2管電圧制御回路141は、管電圧変調の開始とともに管電圧変調フラグをリセットする。
このように、本変形例に係るX線コンピュータ断層撮影装置1において、第1管電圧制御回路183は、管電圧変調のトリガ信号S_VT+を生成するとともに、そのパルス数をカウントする。この構成であっても、上述の実施形態と同様の効果が得られる。なお、本変形例に係る技術は、第1の実施形態に係る技術に限らず、第2の実施形態に係る技術にも適用可能である。
(第2の変形例)
以下、図面を参照しながら本変形例に係る放射線診断装置を説明する。ここでは、主に第1の実施形態との相違点について説明する。なお、以下の説明において、第1の実施形態と同一又は略同一の機能を有する構成要素については、同一符号を付し、必要な場合にのみ重複説明する。
第1の実施形態では、再構成ビュー数に関する情報CI2により規定される間隔で管電圧変調のトリガ信号S_VT+に従うタイミングで管電圧変調を開始するX線コンピュータ断層撮影装置1を例として説明した。一方で、管電圧変調のトリガ信号S_VT+は、ビュートリガ信号S_VT及びX線検出器12の収集列数に関する情報CI1に限らず、さらに再構成ビュー数に関する情報CI2に基づいて生成されてもよい。
本変形例に係るX線コンピュータ断層撮影装置1における管電圧の変調に関するトリガ信号の生成について、図面を参照してより詳細に説明する。図5は、本変形例に係るX線コンピュータ断層撮影装置1におけるトリガ信号の生成に係る各部の構成の一例について説明するための図である。図6は、図5のX線コンピュータ断層撮影装置1において生成されるトリガ信号について説明するためのタイミングチャートである。なお、図6に示す例では、1viewから10viewまでの複数の収集ビューAVが示されている。また、図6に示す例では、複数の再構成ビューRVのうち、再構成に用いられる投影データが収集されている期間には、ドットのハッチングが付されている。
本変形例に係る撮影計画機能446を実現する処理回路44は、図5に示すように、データ収集回路18へ決定された特性情報を出力する。具体的には、撮影計画機能446を実現する処理回路44は、データ収集回路18の第1管電圧制御回路183へX線検出器12の収集列数に関する情報CI1を出力する。また、撮影計画機能446を実現する処理回路44は、X線高電圧装置14の第2管電圧制御回路141に代えて、第1管電圧制御回路183へ再構成ビュー数に関する情報CI2を出力する。
本変形例に係る第1管電圧制御回路183は、図6に示すように、管電圧変調の1次トリガ信号S_VT+1及び管電圧変調の2次トリガ信号S_VT+2を含む管電圧変調のトリガ信号S_VT+を生成する。ここで、管電圧変調の1次トリガ信号S_VT+1は、第2トリガ信号の一例である。また、管電圧変調の2次トリガ信号S_VT+2は、第3トリガ信号の一例である。
本変形例に係る第1管電圧制御回路183は、第1の実施形態に係る第1管電圧制御回路183と同様にして、管電圧変調の1次トリガ信号S_VT+1を生成する。図6に示すように、管電圧変調の1次トリガ信号S_VT+1は、ビュートリガ信号S_VTに同期して立ち上がり、X線検出器12の収集列数に関する情報CI1により規定されるタイミングで立ち下がる。つまり、本変形例に係る管電圧変調の1次トリガ信号S_VT+1は、第1の実施形態に係る管電圧変調のトリガ信号S_VT+に相当する。
本変形例に係る第1管電圧制御回路183は、撮影計画機能446を実現する処理回路44から再構成ビュー数に関する情報CI2をさらに取得する。第1管電圧制御回路183は、第1の実施形態に係るX線高電圧装置14の第2管電圧制御回路141と同様にして、管電圧変調の1次トリガ信号S_VT+1に関してパルス数をカウントする。
第1管電圧制御回路183は、再構成ビュー数に関する情報CI2とカウントの結果とに基づいて、管電圧変調の2次トリガ信号S_VT+2を生成する。具体的には、第1管電圧制御回路183は、第1の実施形態に係るX線高電圧装置14の第2管電圧制御回路141が管電圧変調を開始すると決定するタイミングで、管電圧変調の2次トリガ信号S_VT+2のパルスを立ち上げる。図6に示すように、管電圧変調の2次トリガ信号S_VT+2は、再構成ビュー数に関する情報CI2により規定される間隔で、管電圧変調の1次トリガ信号S_VT+1の立ち下がりのタイミングに同期して立ち上がる。つまり、本変形例に係る再構成ビュー数に関する情報CI2は、管電圧変調の2次トリガ信号S_VT+2のパルス間隔の決定に用いられる情報であると表現できる。
生成された管電圧変調の2次トリガ信号S_VT+2は、X線高電圧装置14の第2管電圧制御回路141へ出力される。つまり、本変形例に係る第1管電圧制御回路183から第2管電圧制御回路141へ出力される管電圧変調のトリガ信号S_VT+は、管電圧変調の2次トリガ信号S_VT+2である。
本変形例に係るX線高電圧装置14の第2管電圧制御回路141は、データ収集回路18の第1管電圧制御回路183が出力する管電圧変調の2次トリガ信号S_VT+2に従うタイミングで、X線管11に印加する管電圧を変調するように構成されている。具体的には、X線高電圧装置14は、図6に示すように、管電圧変調の2次トリガ信号S_VT+2のパルスの立ち上がりのタイミングに同期して、低管電圧側の目標値Low_kVと、高管電圧側の目標値High_kVとの間で管電圧を変調する。
なお、管電圧変調の2次トリガ信号S_VT+2のパルス幅は、例えば管電圧変調の1次トリガ信号S_VT+1と同じである。このとき、管電圧変調の2次トリガ信号S_VT+2のパルス幅は、ビュートリガ信号S_VTのパルス幅より小さい。しかしながら、管電圧変調の2次トリガ信号S_VT+2のパルス幅は、それより小さくてもよいし、大きくてもよい。例えば、管電圧変調の2次トリガ信号S_VT+2は、タイミングt11で立ち上がり、タイミングt41で立ち下がるパルスを有していてもよい。例えば、管電圧変調の2次トリガ信号S_VT+2のパルス幅は、ビュートリガ信号S_VTと同じであってもよい。
なお、管電圧変調の2次トリガ信号S_VT+2は、再構成ビュー数に関する情報CI2により規定される間隔でビュートリガ信号S_VTに同期して立ち上がり、その直後の終了信号S_ENDに同期して立ち下がるパルスを有していてもよい。つまり、管電圧変調の2次トリガ信号S_VT+2は、管電圧変調の1次トリガ信号S_VT+1のパルスが再構成ビュー数に関する情報CI2により規定される間隔で抽出されることにより生成されてもよい。このとき、管電圧の変調は、管電圧変調の2次トリガ信号S_VT+2のパルスの立ち下がりのタイミングに同期して行われる。
なお、管電圧変調の1次トリガ信号S_VT+1は、生成されなくてもよい。例えば、管電圧変調の2次トリガ信号S_VT+2のパルスは、再構成ビュー数に関する情報CI2により規定される間隔で、ビュートリガ信号S_VTに同期して立ち上がり、その直後の終了信号S_ENDに同期して立ち下がるように決定される。終了信号S_ENDに代えて、X線検出器12の収集列数に関する情報CI1により規定されるタイミングで立ち下がるように決定されてもよい。このとき、管電圧の変調は、管電圧変調の2次トリガ信号S_VT+2のパルスの立ち下がりのタイミングに同期して行われる。また、例えば、管電圧変調の2次トリガ信号S_VT+2は、再構成ビュー数に関する情報CI2により規定される間隔で、終了信号S_ENDに同期して立ち上がる任意のパルス幅のパルスとなるように決定される。終了信号S_ENDに代えて、X線検出器12の収集列数に関する情報CI1により規定されるタイミングで立ち上がるように決定されてもよい。このとき、管電圧の変調は、管電圧変調の2次トリガ信号S_VT+2のパルスの立ち上がりのタイミングに同期して行われる。このように、管電圧変調の1次トリガ信号S_VT+1が生成されずに管電圧変調の2次トリガ信号S_VT+2が生成されるとき、管電圧変調の2次トリガ信号S_VT+2は、第2トリガ信号の一例である。
このように、本変形例に係るデータ収集回路18の第1管電圧制御回路183は、第1の実施形態に係るデータ収集回路18の第1管電圧制御回路183と、第1の実施形態に係るX線高電圧装置14の第2管電圧制御回路141の一部とを含む。この構成であっても、上述の実施形態と同様の効果が得られる。なお、本変形例に係る技術は、第1の実施形態に係る技術に限らず、第2の実施形態に係る技術にも適用可能である。
(第3の変形例)
以下、図面を参照しながら本変形例に係る放射線診断装置を説明する。ここでは、主に第1の実施形態との相違点について説明する。なお、以下の説明において、第1の実施形態と同一又は略同一の機能を有する構成要素については、同一符号を付し、必要な場合にのみ重複説明する。
第1の実施形態では、データ収集回路18の第1管電圧制御回路183で生成された管電圧変調のトリガ信号S_VT+に従うタイミングで管電圧変調を開始するX線コンピュータ断層撮影装置1を例として説明した。一方で、管電圧変調のトリガ信号S_VT+は、X線高電圧装置14において生成されてもよい。
本変形例に係るX線コンピュータ断層撮影装置1における管電圧の変調に関するトリガ信号の生成について、図面を参照してより詳細に説明する。図7は、本変形例に係るX線コンピュータ断層撮影装置1におけるトリガ信号の生成に係る各部の構成の一例について説明するための図である。
本変形例に係るデータ収集回路18には、図7に示すように、第1の実施形態とは異なり、第1管電圧制御回路が設けられていない。一方で、本変形例に係る第2管電圧制御回路141は、第1の実施形態に係るデータ収集回路18の第1管電圧制御回路183及び第1の実施形態に係るX線高電圧装置の第2管電圧制御回路141と同様に動作するように構成されている。また、本変形例に係る制御装置15のビュートリガ信号発生器153及びデータ収集回路18の読出制御回路181は、第1管電圧制御回路に代えてX線高電圧装置14の第2管電圧制御回路へ、それぞれ、ビュートリガ信号S_VT及び終了信号S_ENDを出力するように構成されている。
本変形例に係る第2管電圧制御回路141は、第1の実施形態に係る第1管電圧制御回路183と同様にして、入力されたビュートリガ信号S_VT及び終了信号S_ENDに基づいて、管電圧変調のトリガ信号S_VT+を生成する。また、第2管電圧制御回路141は、第1の実施形態に係る第2管電圧制御回路141と同様にして、撮影計画機能446を実現する処理回路44から取得した再構成ビュー数に関する情報CI2により規定される間隔で、管電圧変調のトリガ信号S_VT+に従うタイミングで管電圧の変調を開始する。
このように、本変形例に係るX線高電圧装置14の第2管電圧制御回路141は、第1の実施形態に係るデータ収集回路18の第1管電圧制御回路183と、第1の実施形態に係るX線高電圧装置14の第2管電圧制御回路141とを含む。この構成であっても、上述の実施形態と同様の効果が得られる。なお、本変形例に係る技術は、第1の実施形態に係る技術に限らず、第2の実施形態に係る技術にも適用可能である。
なお、上述の各実施形態及び各変形例では、管電圧変調のトリガ信号S_VT+のパルスの立ち上がりと、ビュートリガ信号S_VTの立ち上がりとが同期している場合を例として説明したが、これに限らない。管電圧変調のための制御信号は、所定の再構成ビュー数ごとに、所定の収集列数の読出しが終了するタイミングで管電圧変調の開始を指示する制御信号であればよい。
なお、上述の各実施形態及び各変形例に係る放射線診断装置において、第1管電圧制御回路183及び/又は第2管電圧制御回路141の一部は、データ収集回路18及びX線高電圧装置14以外のハードウェア、例えば、回転フレーム13に設けられるデータ伝送基板、架台10の固定部に設けられた制御基板等に設けられてもよい。
以上説明した少なくとも1つの実施形態によれば、再構成処理に使用しないビュー数を低減することができる。
上記説明において用いた「プロセッサ」という文言は、例えば、CPU、GPU、ASIC、プログラマブル論理デバイス(Programmable Logic Device:PLD)等の回路を意味する。PLDは、SPLD、CPLD、FPGAを含む。プロセッサは記憶回路に保存されたプログラムを読み出し実行することで機能を実現する。なお、記憶回路にプログラムを保存する代わりに、プロセッサの回路内にプログラムを直接組み込むよう構成しても構わない。この場合、プロセッサは回路内に組み込まれたプログラムを読み出し実行することで機能を実現する。また、プログラムを実行するのではなく、論理回路の組合せにより当該プログラムに対応する機能を実現してもよい。なお、本実施形態の各プロセッサは、プロセッサごとに単一の回路として構成される場合に限らず、複数の独立した回路を組み合わせて1つのプロセッサとして構成し、その機能を実現するようにしてもよい。さらに、図1、図2、図4、図5及び図7における複数の構成要素を1つのプロセッサへ統合してその機能を実現するようにしてもよい。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。