JP2020073950A - 採光シート - Google Patents

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Shunpei Yanagisawa
峻平 柳澤
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Abstract

【課題】本発明は、良好な品質の開口部を効率良く製造することができる、開口部の製造方法を提供することを主目的とする。【解決手段】本発明は、物体の開口に配置された光透過性基材と、上記光透過性基材上に配置された、入射光を所定の方向に偏向させる採光シートとを有する開口部の製造方法であって、上記光透過性基材上に上記採光シートを配置する際に、上記採光シートの上記光透過性基材とは反対側の表面に施工液を塗布することを特徴とする開口部の製造方法を提供することにより、上記目的を達成する。【選択図】図1

Description

本発明は、開口部の製造方法、および、採光シートに関する。
近年、地球温暖化等の環境問題の深刻化に伴い、省エネルギーや二酸化炭素の排出量の削減を目的として、外光の吸収、偏向、反射、透過等の調整を可能とする光制御部材の開発が進められている。例えば、光制御部材を住宅、自動車等の窓ガラスに備えることで、太陽等の光源から窓ガラスを介して室内へ入射する光を天井側へ偏向させ、偏向させた光を室内の間接照明として利用することができる。このように光制御部材による採光機能を利用して室内照度の向上を図ることで、電力消費の低減、二酸化炭素の排出量の削減が期待される。
光制御部材の態様としては、特許文献1では、光を透過する光透過部と、上記光透過部間に配置され、上記光透過部よりも低い屈折率の材料が充填された複数の光偏向部とが、シート内の一方向に所定ピッチで配列されてなる採光シートが開示されている。
特開2014−119738号公報
特許文献1に開示されているような採光シートは、窓などの開口部に貼り付けるための接着層を有しており、上記開口部を構成するガラス板の室内側の表面に、上記接着層を介して貼り付けられた状態で使用されるのが一般的である。そのため、採光シートを開口部に対して施工する際は、開口部の室内側に位置する施工作業者が室外側を向いて作業を行うこととなり、室外から入射する光が採光シートの作用により施工作業者の目線方向に偏向されて眩しく、作業性が低下するなどの問題がある。逆に、眩しさを低減するための防眩層を有する採光シートの場合は、上記防眩層の光拡散効果によるシート透明性の低下や、上記採光シートを透過する光量の不足に起因して作業性が低下するという問題がある。
貼り付けられる採光シートに対し、遮光シートや防眩シートを予め貼り合わせることや、施工作業者が防眩メガネを着用することなどの対策を施すことにより、光量の過不足を調整することができるが、作業が煩雑になり、時間とコストが増大するという問題がある。
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、良好な品質の開口部を効率良く製造することができる、開口部の製造方法を提供することを主目的とする。
上記課題を解決するために本発明は、物体の開口に配置された光透過性基材と、上記光透過性基材上に配置された、入射光を所定の方向に偏向させる採光シートとを有する開口部の製造方法であって、上記光透過性基材上に上記採光シートを配置する際に、上記採光シートの上記光透過性基材とは反対側の表面に施工液を塗布することを特徴とする開口部の製造方法を提供する。
本発明によれば、上記採光シートの上記光透過性基材とは反対側の表面に付着した施工液の効果により、施工作業者が上記採光シートを介して知覚する光量の過不足を調整することができるため、良好な品質の開口部を効率良く製造することができる。
上記発明においては、上記採光シートが、一方の表面に複数の溝部を有する光透過部と、上記溝部内に形成された光偏向部とを有する光制御層を有するものであっても、一方向に伸びる単位プリズムが、上記一方向とは異なる方向に複数配列された光偏向部を有する光制御層を有するものであってもよい。このような採光シートに上記施工液を塗布することにより、施工作業者が上記採光シートを介して知覚する光量の過不足を調整することができる。
また、本発明は、一方の表面に複数の溝部を有する光透過部、および、上記溝部内に形成された光偏向部を有し、入射光を所定の方向に偏向させる光制御層と、上記光制御層上に配置されたオーバーコート層と、を有する採光シートであって、上記オーバーコート層の上記光制御層とは反対側の表面の、水に対する接触角が85度〜120度の範囲内であることを特徴とする採光シートを提供する。
さらに、本発明は、一方の表面に複数の溝部を有する光透過部、および、上記溝部内に形成された光偏向部を有し、入射光を所定の方向に偏向させる光制御層と、上記光制御層上に配置されたオーバーコート層と、を有する採光シートであって、上記オーバーコート層の上記光制御層とは反対側の表面は、光拡散機能を発揮する微細凹凸を有し、上記オーバーコート層の前記光制御層とは反対側の表面の算術平均粗さ(Ra)が、400nm〜2000nmの範囲内であることを特徴とする採光シートを提供する。
オーバーコート層が上記特性を有するものとすることにより、上記オーバーコート層を有する採光シートを窓などの開口部の光透過性基材上に貼り付ける際、上記採光シートの上記光透過性基材とは反対側の表面に施工液を塗布することにより、施工作業者が上記採光シートを介して知覚する光量の過不足を調整することができる。
本発明の開口部の製造方法においては、良好な品質の開口部を効率良く製造することができるといった効果を奏する。
本発明における開口部の一例を示す概略斜視図である。 図1のX方向からの概略断面図である。 本発明における施工液の効果を説明するための説明図である。 本発明における採光シートの一例を示す概略断面図である。 本発明における光制御層の一例を示す概略斜視図である。 本発明における光制御層の他の例を示す概略断面図である。 本発明における光制御層の他の例を示す概略断面図である。 本発明における光制御層の他の例を示す概略断面図である。 本発明における施工液の効果を説明するための説明図である。 本発明における施工液の効果を説明するための説明図である。
以下、本発明の開口部の製造方法、および、採光シートについて詳細に説明する。
A.開口部の製造方法
本発明の開口部の製造方法は、物体の開口に配置された光透過性基材と、上記光透過性基材上に配置された、入射光を所定の方向に偏向させる採光シートとを有する開口部の製造方法であって、上記光透過性基材上に上記採光シートを配置する際に、上記採光シートの上記光透過性基材とは反対側の表面に施工液を塗布することを特徴とするものである。
本発明の開口部の製造方法によって製造される開口部について、図を参照して説明する。図1は、本発明の開口部の製造方法によって製造される開口部の一例を示す概略斜視図であり、図2は図1のX方向、すなわち図1の開口部の膜厚方向から見た概略断面図である。図1および図2に例示するように、本発明の開口部の製造方法によって製造される開口部100は、ガラス板など、物体の開口に配置された光透過性基材1上に配置された採光シート2を有する。図1および図2の例において上記採光シート2は、一方の表面に複数の溝部3を有する光透過部4と、上記溝部3内に形成された光偏向部5とを有する。上記光偏向部5を上記光透過部4よりも低い屈折率を有する材料により形成すること等により、図2の破線の矢印により例示されているように、上記光透過性基材1側から入射した光Lを上記光偏向部5により偏向し、所定の方向に反射させることができる。
上述したような採光シートは、窓など、建造物や車両等の開口部から入射する外光を室内(車内)の天井側へ導き、部屋(車内)全体の照度を向上させることを目的として、上記開口部を構成する光透過性基材上に貼り付けた状態で使用されるのが一般的である。そのため、本発明においては、光透過性基材上に、入射光を所定の方向に偏向させる採光シートを配置することにより上記開口部を製造する。その際、上記開口部から入射する外光の量によっては、施工作業者が上記採光シートを介して知覚する光量の過不足が生じ、作業性が低下する場合がある。本発明においては、上記採光シートの上記光透過性基材とは反対側の表面に施工液を塗布することで、付着した上記施工液の効果により、施工作業者が上記採光シートを介して知覚する光量の過不足を調整することができるため、良好な品質の開口部を効率良く製造することができる。
このような本発明の開口部の製造方法は、用いられる採光シートの種類によって、第1実施態様〜第3実施態様の、3つの実施態様に分けることができる。以下、それぞれの実施態様について説明する。
1.第1実施態様
本発明の第1実施態様は、上記光透過性基材とは反対側の表面が平滑である採光シートが用いられる実施態様である。ここで、「採光シートの光透過性基材とは反対側の表面(以下、「採光シートの露出面」と称する場合がある。)が平滑である」とは、上記採光シートの露出面が、光拡散機能を発揮しない程度に平滑であることを意味するものである。そのような採光シートの露出面の平滑度(算術平均粗さ)等の特性については、後述する「(2)開口部、a.採光シート、(I)採光シートの露出面」の項に記載するため、ここでの説明は省略する。
遮熱/断熱フィルムや、飛散防止フィルム等の従来の窓用フィルムを窓ガラスに対して施工する際、正確な位置合わせや、上記窓ガラスと上記窓用フィルムとの界面の空気や異物の除去を目的として、上記界面となるそれぞれの表面に予め液体を塗布し、両者を密着させた後に、水抜き用スキージなどを用いて上記界面に残存する上記液体を掻き出すという方法が使用されている。しかしながら、上記窓用フィルムが採光シートである場合は、施工作業者の目線方向へ光が偏向されて眩しいことがあるため、上述した方法の実施が困難となり、外観性の良い開口部を製造することができない場合がある。
本実施態様においては、上記採光シートの露出面に施工液を塗布することにより、上述したような不具合を解消することができる。すなわち、上記露出面に付着した上記施工液の液滴により、上記採光シートを透過した光が、上記光の進行方向の前方および後方を含む、あらゆる方向へ拡散されるため、施工作業者が上記採光シートを介して知覚する光量を低減し、作業性を向上することができる。
図3は、本実施態様における施工液の効果を説明するための説明図である。図3で説明しない符号については、図1および図2で説明したものと同様とする。図3で示されている例において、光透過性基材1側から採光シート2へ入射した光Lは、光偏向部5により図面の上方へ偏向されるが、上記偏向された光Lは、採光シート2の露出面6に付着した施工液7の液滴により、図面の右側および左側を含む、あらゆる方向へ拡散される。
このような本実施態様の開口部の製造方法について、詳細に説明する。
(1)施工液
本実施態様において用いられる施工液は、上記採光シートの露出面に付着させることができるものであれば特に限定されるものではないが、上記露出面に液滴の状態で付着させることができるものであることが好ましい。上記施工液が液滴の状態で上記露出面に付着している場合は、上記施工液が層の状態で上記露出面に付着している場合と比べ、光拡散効果が大きいからである。
本実施態様においては、上記施工液として、水、有機溶剤、およびそれらの組合せや、それらに界面活性剤などの添加剤が添加されたものなどを用いることができ、中でも、水が好適に用いられる。水は有機溶剤などと比べて表面張力が高いため、液滴の状態で上記露出面に付着させることができるからである。また、採光シートが配置される光透過性基材と、上記採光シートとの界面となるそれぞれの表面に予め液体を塗布し、両者を密着させる方法を採用する場合、上記露出面に塗布される施工液は、上記採光シートの光透過性基材側に塗布される液体と同じ液体でも、異なる液体でも良い。
上記施工液を上記採光シートの露出面に塗布する方法は、特に限定されるものではなく、上記採光シートの光透過性基材側の表面に液体を塗布する際に用いられる器具と同様のものを用いることができる。例えば、霧吹きや蓄圧式噴霧器など、手動式または駆動式のスプレー器具等を用いることができる。
上記採光シートの露出面に、径の小さな液滴を数多く付着させることにより、単位面積当たりの光屈折面の数を多くすることができ、上記施工液による光拡散効果を高めることができる。そのため、用いられる採光シートの種類や、施工作業時の天候状況に応じて上記施工液の液滴の大きさを調整することにより、光拡散効果の程度を調整することができる。例えば、液滴の径が数ミリメートルの滴状の場合は、適度な光拡散効果が得られるため、直射日光が当たらない北側の窓への施工、隣接する住宅間の狭小環境に位置する窓への施工、天候が曇りや雨の時など、開口部から入射する光量があまり多くない場合に好適である。また、液滴の径が数十ミクロン〜100ミクロン程度の霧状の場合は、高い光拡散効果が得られるため、南/西側の窓への施工や、晴天時など、開口部から入射する光量が多い場合に好適である。このような液滴の大きさは、塗布に用いる器具を選択すること等により調整することができる。
上記施工液は、採光シートが光透過性基材上に配置される前に予め塗布されても、光透過性基材上に採光シートが配置された後に塗布されても、上記配置の前および後に塗布されてもよい。
(2)開口部
本実施態様の開口部の製造方法によって製造される開口部は、光透過性基材と、上記光透過性基材上に配置された、入射光を所定の方向に偏向させる採光シートとを有するものである。以下、上記開口部の各構成について説明する。
a.採光シート
本実施態様において用いることができる採光シートの構成を、図を参照して説明する。図4は、本実施態様に用いることができる採光シートの一例を示す概略断面図である。図4で説明しない符号については、図1および図2で説明したものと同様とする。図4の例において上記採光シート2は、入射光を所定の方向に偏向させる機能を有する光制御層8と、上記光制御層8の一方の面上に配置された接着層9と、上記光制御層8の上記接着層9とは反対側の面上に配置された支持基板10と、上記支持基板10の光制御層8とは反対側の面上に形成されたオーバーコート層11とを有する。上記採光シート2は、上記接着層9を介して、開口部の光透過性基材(図示せず)上に配置される。
上述したように本実施態様においては、採光シートの光透過性基材とは反対側の表面を「採光シートの露出面」と称する。そのため、上記採光シートが複数の層から構成される場合は、それらの層のうち、上記光透過性基材から最も離れた場所に位置する層の、上記光透過性基材とは反対側の面が採光シートの露出面である。図4に示されている例においては、上記光制御層8の上記接着層9とは反対側の表面上にオーバーコート層11が形成されており、上記光透過性基材上に配置された際には、上記オーバーコート層11が上記光透過性基材から最も離れた場所に位置することとなるため、上記オーバーコート層11の上記光制御層8とは反対側の面が「採光シートの露出面6」となり、上記施工液が塗布される。
また、上記採光シートが上記オーバーコート層を有しておらず、上記光制御層が上記光透過性基材から最も離れた場所に位置する層である場合は、上記光制御層の上記光透過性基材とは反対側の表面が「採光シートの露出面」となる。さらに、上記採光シートが支持基板を有し、当該支持基板が上記光透過性基材から最も離れた場所に位置する層である場合は、上記支持基板が「採光シートの露出面」となる。
このような採光シートの露出面と、採光シートの各構成について、以下に詳細に説明する。
(I)採光シートの露出面
上述したように本実施態様においては、上記採光シートの露出面が平滑であり、光拡散機能を有していない採光シートが用いられる。このような、光拡散機能を有していない採光シートの露出面の算術平均粗さ(Ra)は、例えば100nm以下、中でも50nm以下とすることができる。上記露出面の算術平均粗さ(Ra)が上記範囲内であれば、上記開口部の製造後に不要となった上記施工液の除去を円滑に行うことができる。なお、上記算術平均粗さ(Ra)は、非接触式白色干渉計(Canon社製、Zygo NewVi
ew 6200)を用い、測定範囲50μm×50μmにおいて測定した3点について、以下の式(1)を用いて算出した値の平均値である。以下の説明おける算術平均粗さ(Ra)も同様である。

本実施態様においては、液滴状の上記施工液を、上記露出面上に高い接触角において付着させることにより、高い光拡散効果を得ることができる。そのため、上記露出面の、水に対する接触角が85度〜120度の範囲内、中でも90度〜120度の範囲内、特には100度〜120度の範囲内であることが好ましい。上記接触角が上記範囲に満たないと、塗布された施工液が濡れ広がり、液滴状に付着させることができない可能性がある。また、上記接触角が上記範囲を超えると、上記施工液が流れ落ち、上記露出面に施工液を付着させることができない可能性がある。なお、ここでいう水に対する接触角は、水に対する接触角を接触角測定器(協和界面科学(株)製CA−Z型)を用いて測定(マイクロシリンジから水滴を滴下して30秒後)し、その結果から得たものである。以下の説明おける水に対する接触角も同様である。
上記露出面のヘイズ値は、10%以下、中でも5%以下、特には1%以下であることが好ましい。露出面が上述したようなヘイズ値を有することにより、そのような露出面を有する採光シートの採光性能を高めることができるからである。なお、上記ヘイズ値は、JIS K 7136に準じて測定することにより確認されたものである。以下の説明におけるヘイズ値についても同様である。
(II)オーバーコート層
本実施態様において採光シートは、光制御層の上記採光シートの上記光透過性基材とは反対側に、耐候性や耐傷性の向上を目的としたオーバーコート層を有していることが好ましい。このようなオーバーコート層を設けることにより、上記採光シートの良好な外観性を維持することができ、かつ、光制御層の採光性能を高い状態に維持することができる。
上記オーバーコート層が、上記採光シートにおいて上記光透過性基材から最も離れた場所に位置する層である場合、上記オーバーコート層の上記光透過性基材とは反対側の面が採光シートの露出面となるため、上記オーバーコート層の上記光透過性基材とは反対側の面が「(I)採光シートの露出面」に記載されているような特性を有することが好ましい。上記オーバーコート層が上述したような特性を有していれば、上記施工液を塗布することにより所望の効果を得ることができるからである。
上記オーバーコート層の全光線透過率は、80%以上、中でも85%以上、特には90%以上であることが好ましい。上述したような全光線透過率を有することにより、そのようなオーバーコート層を有する採光シートの採光性能を高めることができるからである。なお、上記全光線透過率はJIS K 7375の規定に従い測定したものである。以下の説明における全光線透過率についても同様である。
このようなオーバーコート層の材料としては、透明なものであれば特に限定されず、一般に透明シートの分野に用いられるものと同様とすることができる。例えば、熱硬化性樹脂、電離放射線硬化型樹脂、溶剤乾燥型樹脂(熱可塑性樹脂等、塗工時に固形分を調整するために添加した溶剤を乾燥させるだけで、被膜となるような樹脂)、および、それらの混合物等が挙げられる。中でも硬化性の観点から電離放射線硬化型樹脂が好適である。電離放射線硬化型樹脂としては、紫外線硬化性樹脂、電子線硬化性樹脂、可視光線硬化性樹脂、近赤外線硬化性樹脂等が挙げられるが、中でも汎用性、硬化性、光透過性の観点から紫外線硬化性樹脂および電子線硬化性樹脂が好ましい。オーバーコート層の材料として電離放射線硬化型樹脂を用いる場合、光重合開始剤が含まれていることが好ましい。
上記電離放射線硬化型樹脂としては、例えば、アクリレート系の官能基を有する化合物等の1又は2以上の不飽和結合を有する化合物を挙げることができる。1の不飽和結合を有する化合物としては、例えば、エチル(メタ)アクリレート、エチルヘキシル(メタ)アクリレート、スチレン、メチルスチレン、N−ビニルピロリドン等を挙げることができる。2以上の不飽和結合を有する化合物としては、例えば、ポリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ヘキサンジオール(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート等、および、これらをエチレンオキサイド(EО)等で変性した多官能化合物、または、上記多官能化合物と(メタ)アクリレート等の反応生成物(例えば多価アルコールのポリ(メタ)アクリレートエステル)等を挙げることができる。なお、本明細書において「(メタ)アクリレート」は、メタクリレートおよびアクリレートを指すものである。上記化合物のほかに、不飽和二重結合を有する比較的低分子量のポリエステル樹脂、ポリエーテル樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、アルキッド樹脂、スピロアセタール樹脂、ポリブタジエン樹脂、ポリチオールポリエン樹脂等も上記電離放射線硬化型樹脂として使用することができる。
上記電離放射線硬化型樹脂は、溶剤乾燥型樹脂と併用して使用することもできる。溶剤乾燥型樹脂を併用することによって、塗布面の被膜欠陥を有効に防止することができる。上記電離放射線硬化型樹脂と併用して使用することができる溶剤乾燥型樹脂としては特に限定されず、一般的には、熱可塑性樹脂を使用することができる。このような熱可塑性樹脂は特に限定されるものではなく、例えば、スチレン系樹脂、(メタ)アクリル系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、ビニルエーテル系樹脂、ハロゲン含有樹脂、脂環式オレフィン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、セルロース誘導体、シリコーン系樹脂及びゴム又はエラストマー等を挙げることができる。上記熱可塑性樹脂は、非結晶性で、かつ有機溶媒(特に複数のポリマーや硬化性化合物を溶解可能な共通溶媒)に可溶であることが好ましい。特に、製膜性、透明性や耐候性等の観点から、スチレン系樹脂、(メタ)アクリル系樹脂、脂環式オレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂、セルロース誘導体(セルロースエステル類等)等が好ましい。
上記熱硬化性樹脂としては、フェノール樹脂、尿素樹脂、ジアリルフタレート樹脂、メラミン樹脂、グアナミン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、アミノアルキッド樹脂、メラミン−尿素共縮合樹脂、ケイ素樹脂、ポリシロキサン樹脂等を挙げることができる。
オーバーコート層は上記樹脂の他に、赤外光吸収剤等の熱線吸収剤、紫外線吸収剤、光安定剤等の耐候性改善剤、酸化防止剤、架橋剤、硬化剤、耐傷フィラー等の易滑剤、重合促進剤、重合禁止剤、帯電防止剤、屈折率調整剤、レベリング剤、チクソ性付与剤、カップリング剤、可塑剤、分散剤、消泡剤、充填剤、防汚剤、消臭剤等の添加剤を含有してもよい。このような添加剤は、公知のものを使用することができる。
オーバーコート層の屈折率としては、後述する光制御層の光透過部の屈折率等に応じて適宜選択されるが、例えば1.40〜1.80の範囲内、中でも1.45〜1.70の範囲内、特に1.50〜1.65の範囲内であることが好ましい。なお、上記屈折率は、JIS K 7142に規定された屈折率の測定方法に従い、アッベ屈折計((株)アタゴ社製)を用いて、温度23℃の条件下で、測定波長589nmのナトリウム光源を用いて測定された値である。以下の説明においても、屈折率の測定方法は、この方法により測定されるものとする。
オーバーコート層の膜厚としては、その機能が十分に発揮されるものであれば特に限定されないが、例えば0.1μm〜100μmの範囲内であることが好ましい。オーバーコート層は、採光シートを光透過性基材に貼合した際に最外層となるように配置されることが好ましい。
(III)光制御層
本実施態様において採光シートは、入射光を所定の方向に偏向させる機能を有する光制御層を有する。採光シートが上述したオーバーコート層等を有しておらず、上記光制御層が上記採光シートにおいて上記光透過性基材から最も離れた場所に位置する層である場合、上記光制御層の上記光透過性基材とは反対側の面が採光シートの露出面となる。そのような場合は、上記光制御層の上記光透過性基材とは反対側の面が「(I)採光シートの露出面」に記載されているような特性を有することが好ましい。上記光制御層が上述したような特性を有していれば、上記施工液を塗布することによる所望の効果を得ることができるからである。
本実施態様において光制御層は、入射光を所定の方向に偏向させる機能を有するものであれば、その構造等は特に限定されるものではない。入射光を所定の方向に偏向させる機能を得ることができる構造としては、例えばルーバー型、プリズム型等の光制御層が挙げられ、中でもルーバー型光制御層が好ましい。ルーバー型光制御層は、室内側最表面の平坦性が高く、施工作業がしやすいからである。
以下、ルーバー型光制御層と、その他の光制御層とに分けて説明する。
(i)ルーバー型光制御層
ルーバー型光制御層の構造は、一方の表面に複数の溝部を有する光透過部と、上記溝部内に形成された光偏向部とを有するものであれば特に限定されるものではない。例えば、図5で示すように、一方の表面に複数の溝部3を有する光透過部4、および上記溝部3内に形成された光偏向部5を有するものとすることができる。この例において光制御層8は、光透過部4に直線かつ並列に複数の溝部3が形成され、上記溝部3内に光偏向部5が形成されている。なお、図5はルーバー型光制御層の一例を示す概略斜視図である。
このようなルーバー型光制御層では、例えば、光制御部を、光透過部よりも低屈折率を示す樹脂材料から構成することにより、光透過部と光制御部との界面において、屈折率の違いによる光の全反射を生じさせ、反射光を利用した採光量の増加を図ることができる。
以下、ルーバー型光制御層の各構成について説明する。
(a)光透過部
本実施態様における光透過部は、例えば、一方の表面に複数の溝部を有するものであってもよい。このような光透過部を構成する材料としては、高い光透過性を有する材料であれば特に限定されるものではない。このような材料や添加剤は、上述した「(II)オーバーコート層」の項に記載されているものを用いることができる。また、光透過部の屈折率や全光線透過率についても、上述した「(II)オーバーコート層」の項の記載と同様であるので、ここでの説明は省略する。
(b)溝部
上述した光透過部に形成される溝部の縦断面形状としては、三角形、正方形、長方形、台形状、縦断面形状を構成する2側面のうち少なくとも一方において、斜辺が2本以上の直線または曲線にて構成されるテーパー形状、四辺が曲線である形状等が挙げられる。また、溝部の角部が曲面を有していてもよく、さらに上記縦断面形状を成す側面の辺は直線であってもよく曲線であってもよい。
溝部の平面視上における形状としては、特に限定されるものではなく、例えば直線状であってもよく、曲線等の形状であってもよい。さらに、平面視上における溝部の配置は、並列して配置されていてもよく、平行に並んで配置されていてもよく、他方向にランダムに配置されていてもよい。中でも図5で示されているように、溝部が平面視上において直線状に平行に配置されることが好ましい。このような溝部の寸法等は特に限定されるものではなく、採光シートに所望される機能等に応じて適宜設定することができる。
(c)光偏向部
光偏向部は、光透過部の溝部内に形成されるものである。そのため光偏向部と溝部とは、通常、同形状となり、上記光偏向部の幅、膜厚、形状および配置間距離については、上記溝部の幅、深さ、形状および溝部間距離と同様とすることができる。本実施態様における光偏向部は、入射光を所定の方向に偏向させることができるものであれば特に限定されるものではない。例えば、本実施態様においては、以下の3つの形態の光偏向部を挙げることができる。
(c−1)第1形態
光偏向部の第1形態は、上記光偏向部が、樹脂を含む光偏向部形成用組成物が上記溝部に充填されて成る樹脂層である形態である。上記樹脂層に用いられる樹脂や添加物は、上述した「(II)オーバーコート層」の項に記載されたものを用いることができる。
上記樹脂層の屈折率は特に限定されるものではないが、上記光透過部の屈折率と異なる屈折率を有していることが好ましい。中でも、光透過部の屈折率よりも低い屈折率であることが好ましく、上記光偏向部の屈折率は、例えば1.40〜1.80の範囲内であり、中でも1.40〜1.65の範囲内とすることができる。光偏向部を構成する上記樹脂層の屈折率を、上記光透過部よりも低くすることにより、光透過部および光偏向部の界面(すなわち、溝部の側面)が異屈折率界面となる。
光偏向部である上記樹脂層は、視認性や採光性の観点から高い光透過性を有することが好ましく、上述したオーバーコート層と同程度の全光線透過率やヘイズ値を有することが好ましい。
(c−2)第2形態
本発明における光偏向部は、空気層であってもよい。空気の屈折率は通常1.0程度であり、上述した光透過部に通常用いられる樹脂の屈折率よりも低いことから、光透過部および光偏向部の界面(すなわち、溝部の側面)が異屈折率界面となる。
(c−3)第3形態
光偏向部の第3形態は、上記溝部の側面、すなわち、光制御層の膜厚方向に伸長する上記溝部の面が、鏡面反射面である形態である。上記溝部の側面を鏡面反射面とすることにより、光透過部および光偏向部の屈折率の大小に因らず、鏡面反射面に入射した光を高い反射率で反射して、光を偏向することができる。
このような鏡面反射面は、溝部の側面の少なくとも一方に金属膜を形成し、上記金属膜が形成された溝部の側面を鏡面反射面としてもよい。例えば、図6に例示するように、溝部3の側面fの少なくとも一方に金属膜61が形成されることで、2つの溝部3の側面fのうち金属膜61が形成された溝部3の側面fが鏡面反射面である光反射面Fとなる。
本形態においては、光透過部および光偏向部の屈折率差は特に限定されない。また、上記溝部内は、樹脂層であってもよく、空気層であってもよい。
本形態において、溝部の側面に形成される金属膜としては、例えば金属めっき層、金属蒸着膜が挙げられる。金属膜に用いられる金属としては、所望の反射率を示すことが可能な材料であれば特に限定されず、銀、アルミニウム等の一般に金属反射膜として使用される金属材料を用いることができる。上記金属膜の膜厚は、特に限定されるものではなく、金属膜の種類や形成方法により適宜設計することができる。
金属膜は、溝部の側面の少なくとも一方に形成されていればよく、溝部の表面(光透過部と光偏向部との界面)全域に形成されていてもよい。金属膜が溝部の表面全域に形成される場合、上記溝部の2つの側面を光反射面とすることができる。
溝部の側面上に金属膜を形成する方法としては特に限定されず、金属膜の種類により適宜設計することができる。例えば、一般的なめっき法、蒸着法、スプレーコート法、ダイコート法、スクリーン印刷法、ワイピング法等を用いることができる。
また、本形態においては、溝部内に金属粒子を含む光偏向部を形成することで、溝部の側面を鏡面反射面として用いることもできる。例えば、図7に示されているように、溝部3内に金属粒子71を含む光偏向部5が形成されることで、溝部3の側面fが鏡面反射面である光反射面Fとなる。このような光偏向部は、金属粒子を含むこと等以外は、「(c−1)第1形態」の項で説明した内容と同様であるため、ここでの説明は省略する。
(ii)その他の光制御層
その他の光制御層としては、例えば、プリズム型光制御層等を用いることができる。プリズム型光制御層は、一方向に伸びる単位プリズムが、上記一方向とは異なる方向に複数配列された光偏向部を有し、入射光を偏光、反射して室内側への光の入射方向を制御する機能を有するものである。例えば図8で示すように、プリズム型の光制御層2は、支持基板81の一方の面に、単位プリズム82を複数備えた構造を有するものである。
このようなプリズム型光制御層のプリズム構造上にオーバーコート層が設けられる場合、上記プリズム構造の凹部がオーバーコート層によって平坦化されると、当該プリズム構造の光偏向機能が低減されてしまう可能性がある。そのため、オーバーコート層は、プリズム構造の凹凸面に沿った薄膜として形成され、当該オーバーコート層の上記単位プリズムとは反対側の表面が上述した露出面の特性を有することが好ましい。また、同様の理由から、光制御層がプリズム型である場合、支持基板は、上記プリズム構造の凹凸とは反対側の面に設けられることが好ましい。
単位プリズムの構造等の詳細については、例えば、特開2008−40021号公報に記載される単位プリズムの詳細と同様とすることができる。
(IV)支持基板
本実施態様においては、機械的強度を高める等の観点から、採光シートが支持基板を有していてもよい。このような支持基板としては、例えば樹脂フィルム、樹脂シート等を用いることができる。樹脂フィルム、樹脂シートに用いられる樹脂としては、光透過性の高いものであればよく、例えばポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリウレタン、ポリビニルアルコール、塩化ビニル、フッ素樹脂、ゴム等が挙げられる。また、上記支持基板は、酸化防止剤や紫外線吸収剤等を含有していてもよい。
なお、支持基板は、必要に応じて片面または両面に表面処理等を行っていてもよい。上記表面処理としては、一般に樹脂基材の表面処理に用いられる方法が挙げられる。
支持基板の膜厚としては、本実施態様の採光シートの用途等に応じて適宜選択することができるが、例えば5μm〜200μmの範囲内であることが好ましく、中でも10μm〜150μmの範囲内であることが好ましい。
支持基板の配置位置としては、特に限定されるものではないが、支持基板は上記光制御層の出射面側に配置されることが好ましく、上記光制御層と、上記オーバーコート層との間に配置されてもよい。採光シートがオーバーコート層等を有しておらず、上記支持基板が上記採光シートにおいて上記光透過性基材から最も離れた場所に位置する層である場合、上記支持基板の上記光透過性基材とは反対側の面が採光シートの露出面となる。そのような場合は、上記支持基板の上記光透過性基材とは反対側の面が「(I)採光シートの露出面」に記載されているような特性を有することが好ましい。上記支持基板が上述したような特性を有していれば、上記施工液を塗布することによる所望の効果を得ることができるからである。
(V)接着層
本実施態様の採光シートは、上記開口部を構成する光透過性基材に貼合させるための接着層を有していてもよい。接着層としては、特に限定されないが、例えばゴム系、アクリル系、オレフィン系、ポリエステル系、およびポリウレタン系の粘着剤等を接着主剤とするものが挙げられる。このような接着層としては、例えば感圧粘着層等がある。このような接着層は、上述した「(II)オーバーコート層」の項に記載された添加剤を含有していてもよい。
接着層の膜厚としては、本実施態様の採光シートを光透過性基材に貼合させることが可能であれば特に限定されず、例えば5μm〜100μmの範囲内が好ましく、中でも10μm〜75μmの範囲内が好ましい。
接着層は、上記採光シートの入射面側に設けられても良く、出射面側に設けられても良く、採光シートの使用態様に応じて適宜選択することができるが、通常、入射面側に設けられる。上記採光シートの入射面側に粘着層を設けることにより、既存の建物や車両などの窓ガラス等に、室内側から採光シートを貼り付け、外部から入射する光の制御をすることができる。
(VI)採光シート
本実施態様において上記採光シートの全光線透過率は、70%以上、中でも80%以上、特には85%以上であることが好ましい。上述したような全光線透過率を有することにより、上記採光シートの採光性能を高めることができるからである。
本実施態様において採光シートの製造方法は、所望の特性を有する採光シートを製造できるものであれば特に限定されるものではなく、一般的な採光シートの製造方法により製造することができる。例えば、接着層/光制御層/支持基材/オーバーコート層の層構成を有する採光シートは、一方の面上にオーバーコート層が形成された支持基材の、上記オーバーコート層とは反対側の面上に複数の溝部を有する光透過部を形成し、上記溝部内に光偏向部を形成して光制御層を形成し、上記光制御層の上記光偏向部側の面上に接着層を形成することにより、製造することができる。
b.光透過性基材
本実施態様における光透過性基材は、物体の開口に配置されるものであり、その一方の表面上に上記採光シートが配置されるものである。本実施態様において上記物体の開口とは、建造物、車両(自動車、鉄道等)、船舶、航空機等、人や物が存在することができる空間を有する物体の壁面に、採光や通風等の目的で設けられる開口である。例えば、窓などが上記物体の開口に該当する。
上述したような物体の開口部に配置される光透過性基材は、上記採光シートを安定して配置できるものであれば特に限定されるものではなく、建造物や車両等の窓などに一般的に用いられるガラス板、例えば、無機ガラス、有機ガラス、無機・有機ハイブリットガラス等を用いることができる。上記光透過性基材は、上述したオーバーコート層と同程度の全光線透過率やヘイズ値を有することが好ましい。上記光透過性基材が上述したような特性を有することにより、上記物体の開口から効率的に外光を取り入れることができるからである。また、上記光透過性基材としては、曇り調のガラス(フロストガラス)等、光拡散性を有する基材を用いることもできる。
上記光透過性基材の厚みは、特に限定されるものではないが、例えば1μm〜15mmの範囲内、中でも3μm〜12mmの範囲内とすることができる。厚みを上記範囲内とすることにより、所望の機械的強度等を有する開口部とすることができる。
c.開口部
本実施態様において上記開口部は、上記光透過性基材と採光シートとを有するものであれば特に限定されるものではなく、例えば窓など、上記物体の開口内に配置されるものである。上記開口部は、開閉式でも、開閉できないもの(嵌め殺し)でもよい。
(3)開口部の製造方法
本実施態様の開口部の製造方法は、光透過性基材上に採光シートを配置する際に、上記採光シートの上記光透過性基材とは反対側の表面に施工液を塗布するものであれば特に限定されるものではない。上記開口部の製造方法が有する工程としては、例えば、上記光透過性基材上に採光シートを配置する工程(配置工程)や、上記採光シートの上記光透過性基材とは反対側の表面に施工液を塗布する工程(塗布工程)などを挙げることができる。上記2つの工程が実施される順序は特に限定されるものではなく、上記配置工程の前に上記塗布工程が実施されても、上記配置工程の後に上記塗布工程が実施されても、上記配置工程の前および後に上記塗布工程が実施されてもよい。
また、本実施態様の開口部の製造方法は、任意でその他の工程を有していてもよい。例えば、上記採光シートの露出面に塗布された施工液を、掃除用スキージなどで上記施工液を掻き取る工程、布などで拭き取る工程、ドライヤーなどで蒸発させ、乾燥させる工程等を有していてもよい。
2.第2実施態様
本発明の第2実施態様は、上記露出面が光拡散機能を有する採光シートが用いられる実施態様である。上記光拡散機能は、上記露出面に微細凹凸を設けることにより付与することができる。そのような採光シートの露出面の微細凹凸(算術平均粗さ)等の特性については、後述する「(2)開口部」の項に記載するため、ここでの説明は省略する。
入射光を特定の方向に偏向させる機能を有する採光シートを光透過性基材上に貼り付ける場合、上記採光シートの向き(上下)を誤って貼り付けると、所望の採光性能を得ることはできなくなるため、上記採光シートの正しい向きを確認した上で貼り付ける必要がある。上記採光シートは高い採光性能を有しているため、露出面が光拡散機能を有していない採光シートの場合は、上記採光シートを透過した光が照射されている(当たっている)物体(天井、壁、家具など)と、上記光が照射されていない物体との間の輝度のコントラストが強く、上記採光シートを透過した光の進行方向を一見して判別することができるため、上記採光シートの向きを誤って光透過性基材上に配置することは考えにくい。しかしながら本実施態様においては、上記採光シートの露出面が光拡散機能を有しているため、日陰で施工作業をする際や、曇りや雨などの気象条件下等、上記採光シートを透過する光量が多くない場合は、上記採光シートの正しい向きを判別することが難しくなる。
また、上記光透過性基材および上記採光シートの界面となるそれぞれの表面に予め液体を塗布し、両者を密着させた後に、水抜き用スキージなどを用いて上記界面に残存する上記液体を掻き出す方法を採用する際、光拡散効果により上記採光シートの透明性が低下している場合や、上記採光シートを透過する光量が不十分である場合には、上記界面における上記液体の残存状況を的確に把握することが困難となり、外観性の良い開口部を製造することができない場合がある。
本実施態様においては、上記採光シートの露出面に施工液を塗布することにより、上述したような不具合を解消することができる。すなわち、施工液を採光シートの露出面に塗布すると、上記露出面の微細凹凸の凹部に上記施工液が入り込み、上記露出面の表面が平坦化され、施工作業者が上記採光シートを介して知覚する光量が増加したり、上記採光シートの透明性が向上したりするため、作業性を向上することができる。
図9は、本実施態様における施工液の効果を説明するための説明図である。図9(a)は、本実施態様における光拡散機能を有する採光シートの露出面の拡大断面図であり、図9(b)は、図9(a)の採光シートに施工液が塗布された状態を示す図面である。図9(a)に例示されているように、施工液が塗布されていない状態においては、上記採光シート2を透過した光Lは上記露出面6の微細凹凸により拡散される。一方、図9(b)に例示されているように、上記露出面6に施工液7が塗布されると、上記施工液7の液滴により上記微細凹凸が平坦化され、上記採光シート2を透過した光Lは、上記微細凹凸により拡散されることなく上記採光シート2から出射される。
このような本実施態様の開口部の製造方法について、詳細に説明する。
(1)施工液
本実施態様において用いられる施工液は、上記採光シートの露出面に付着させることができるものであれば特に限定されるものではないが、上記露出面の微細凹凸が上記施工液により平坦化されるように付着させることができるものであることが好ましい。上記施工液を上述したように付着させることにより、上記微細凹凸の光拡散機能を効果的に低減できるからである。このような観点から上記施工液としては、水よりも表面張力が低い液体が用いられることが好ましい。
本実施態様においては、上記施工液として、水、有機溶剤、およびそれらの組合せや、それらに界面活性剤などの添加剤が添加されたものなどを用いることができる。本実施態様においては、水よりも表面張力が低い有機溶剤や、水に有機溶剤または界面活性剤が添加されたものが上記施工液として用いられることが好ましい。そのような施工液を上記露出面に塗布することにより、上記微細凹凸を平坦化することができるからである。また、採光シートが配置される光透過性基材と、上記採光シートとの界面となるそれぞれの表面に予め液体を塗布し、両者を密着させる方法を採用する場合、上記露出面に塗布される施工液は、上記採光シートの光透過性基材側に塗布される液体と同じ液体でも、異なる液体でも良いが、作業の効率化の観点などから、上記採光シートの光透過性基材側に塗布される液体と同じ液体が上記施工液として用いられることが好ましい。
本実施態様において塗布される上記施工液の液滴の大きさは特に限定されるものではなく、上記露出面の微細凹凸の寸法等により適宜調整することができる。例えば、液滴の径が数ミリメートルの滴状の場合は、上記微細凹凸の凹部への充足性が高く、光拡散機能を効率的に低減することができる。このような液滴の大きさは、塗布に用いる器具を選択すること等により調整することができる。
その他、上記施工液の塗布方法や塗布のタイミング等については、上述した「1.第1実施態様、(1)施工液」の記載と同様であるため、ここでの説明は省略する。
(2)開口部
本実施態様の開口部の製造方法によって製造される開口部は、光透過性基材と、上記光透過性基材上に配置された、入射光を所定の方向に偏向させる採光シートとを有するものである。上述したように本実施態様においては、上記採光シート露出面に微細凹凸が設けられている、光拡散機能を有する採光シートが用いられる。このような、光拡散機能を有する採光シートの露出面の算術平均粗さ(Ra)は、例えば400nm〜2000nmの範囲内、中でも400nm〜1000nmの範囲内特には400nm〜600nmの範囲内とすることができる。上記露出面の算術平均粗さ(Ra)が上記範囲内であれば、採光シートから出射する光を拡散することができ、かつ、上記開口部の製造後に不要となった上記施工液の除去を円滑に行うことができる。
本実施態様においては、上記施工液を露出面の微細凹凸の凹部へ充足し、上記微細凹凸の表面を平坦化することにより、光拡散機能を効率的に低減することができる。そのため、上記露出面の、水に対する接触角が20度〜80度の範囲内、中でも20度〜50度の範囲内であることが好ましい。上記接触角が上記範囲内であることにより、上記施工液を塗布した際に良好な光拡散機能低減効果を得ることができる。
本実施態様においては、上記採光シートの露出面(水を塗布する前)のヘイズ値を100%とした場合、水を塗布した後の上記露出面のヘイズ値が、塗布前の値の70%以下、中でも55%以下、特には40%以下であることが好ましい。上記露出面に水を塗布する前後のヘイズ値の変化率が高くなり、露出面に施工液を塗布することで、上記露出面の光拡散機能を効率的に低減することができる。上述したようなヘイズ値の変化率は、露出面の算術平均粗さ(Ra)を上述した範囲内にすることにより達成することができる。なお、上記ヘイズ値の変化率は、上述した方法により上記採光シートのヘイズ値を測定した後に、スポイトで、純水1mlを上記採光シートの露出面に滴下して塗布し、純水が塗布された採光シートのヘイズ値を塗布前と同様の方法により測定したものである。
また、本実施態様においては、水を塗布する前の上記露出面のヘイズ値が50%以上であり、水を塗布した後の上記露出面のヘイズ値が30%以下であることが好ましい。水を塗布する前および後の上記露出面のヘイズ値が上記範囲内であることにより、施工液を塗布したことによる光拡散機能低減効果が高くなるからである。
本実施態様においても、上述した第1実施態様と同様に、採光シートが複数の層から構成される場合は、それらの層のうち、上記光透過性基材から最も離れた場所に位置する層の、上記光透過性基材とは反対側の面が採光シートの露出面となり、上記施工液が塗布される。そのため、採光シートの層構成のうち、上記光透過性基材から最も離れた場所に位置する層の、上記光透過性基材とは反対側の面が上述した算術平均粗さ(Ra)、接触角、ヘイズ値の変化率、または、ヘイズ値を有することが好ましい。
採光シートの構成や光透過性基材など、上述した事項以外の開口部に関する事項は、上述した「1.第1実施態様、(2)開口部」の記載と同様であるため、ここでの説明は省略する。
3.第3実施態様
本発明の第3実施態様は、上記採光シートの入射光を所定の方向に偏向させる機能がプリズム構造によって付与される、プリズム型光制御層を有する採光シートが用いられる実施態様である。本実施態様において用いられるプリズム型光制御層を有する採光シートの露出面が光拡散機能を有していない場合、開口部から入射する光が採光シートの作用により施工作業者の目線方向に偏向された場合に眩しいなど、上述した「1.第1実施態様」と同様の不具合が発生する。
本実施態様において用いられる採光シートは、その光偏向機能がプリズム構造によって付与されているため、当該プリズム構造を構成する凹凸が平坦化されると、上記光偏向機能が低減される。本実施態様においては、上記採光シートの露出面に施工液を塗布して上記プリズム構造の凹部に上記施工液を充填し、上記プリズム構造を平坦化する。これにより、上記採光シートの光偏向機能を低減し、施工作業者が上記採光シートを介して知覚する光量を低減することができるため、作業性を向上することができる。
図10は、本実施態様における施工液の効果を説明するための説明図である。図10(a)は、本実施態様に用いられるプリズム型光制御層を有する採光シートにおける光の経路を説明する説明図であり、図10(b)は、図10(a)の採光シートに施工液が塗布された状態における光の経路を説明する説明図である。図10(a)に例示されているように、施工液が塗布されていない状態においては、上記採光シート2を透過した光Lは上記単位プリズム82により図面の上方へ偏向される。一方、図10(b)に例示されているように、上記採光シート2に施工液7が塗布されると、上記施工液7の液滴により上記単位プリズム82が平坦化され、上記採光シート2を透過した光Lは、上記単位プリズム82により偏向されることなく上記採光シート2から出射される。
以下、本実施態様の開口部の製造方法について、詳細に説明する。
(1)施工液
本実施態様におけるプリズム型光制御層を有する採光シートのプリズム構造の凹部は、上述した「2.第2実施態様」における露出面の微細凹凸の凹部よりも大幅に深いものであるため、施工後に塗布された施工液を掃除用スキージなどにより掻き取っても、上記プリズム構造の凹部内に施工液が残存することがあり、その場合上記残存した施工液は、蒸発させることなどにより除去される。そのため、本実施態様において用いられる施工液は沸点が低く、蒸発しやすいものであることが好ましい。
上述したように本実施態様は、プリズム構造の凹部に施工液を充填して平坦化することにより光偏向機能低減効果を得るものであるため、上記プリズム構造の凹部に十分に施工液を充填できることが好ましい。そのため、本実施態様においては、濡れ広がりやすい、すなわち、水よりも表面張力が低い液体が施工液として用いられることが好ましい。その他の施工液に関する事項は、上述した「2.第2実施態様、(1)施工液」の記載と同様であるため、ここでの説明は省略する。
(2)開口部
本実施態様の開口部の製造方法によって製造される開口部は、物体の開口に配置された光透過性基材と、上記光透過性基材上に配置された、プリズム型光制御層を有する採光シートとを有するものである。本実施態様において用いられる採光シートは、その露出面が光拡散機能を有していない採光シートであり、このような採光シートの露出面の算術平均粗さ(Ra)は、例えば100nm以下、中でも50nm以下とすることができる。
上述したように本実施態様においては、上記プリズム構造の凹部に十分に施工液を充填できることが好ましいため、上記露出面の、水に対する接触角が20度〜80度の範囲内、中でも20度〜50度の範囲内、であることが好ましい。上記接触角が上記範囲内であることにより、プリズム構造の凹部に上記施工液を十分に充填し、良好な光偏向機能低減効果を得ることができる。
本実施態様においても、上述した第1実施態様や第2実施態様と同様に、採光シートが複数の層から構成される場合は、それらの層のうち、上記光透過性基材から最も離れた場所に位置する層の、上記光透過性基材とは反対側の面が採光シートの露出面となり、上記施工液が塗布される。そのため、採光シートの層構成のうち、上記光透過性基材から最も離れた場所に位置する層の、上記光透過性基材とは反対側の面が上述した算術平均粗さ(Ra)や接触角を有することが好ましい。
このようなプリズム型光制御層のプリズム構造上にオーバーコート層が設けられる場合、上記プリズム構造の凹部がオーバーコート層によって平坦化されると、当該プリズム構造の光偏向機能が低減されてしまう可能性がある。そのため、オーバーコート層は、プリズム構造の凹凸面に沿った薄膜として形成され、当該オーバーコート層の上記単位プリズムとは反対側の表面が上述した露出面の特性を有することが好ましい。このようなオーバーコート層については、「1.第1実施態様、(2)開口部、a.採光シート、(II)オーバーコート層」の記載と同様であるため、ここでの説明は省略する。
本実施態様において用いられるプリズム型光制御層は、上述した「1.第1実施態様、(2)開口部、a.採光シート、(III)光制御層、(ii)その他の光制御層」の記載と同様であるため、ここでの説明は省略する。
採光シートの構成や光透過性基材など、上述した事項以外の開口部に関する事項は、上述した「1.第1実施態様、(2)開口部」の記載と同様であるため、ここでの説明は省略する。
B.採光シート
本発明の採光シートは、第4実施態様〜第5実施態様の、2つの実施態様に分けることができる。以下、それぞれの実施態様について説明する。
1.第4実施態様
本実施態様の採光シートは、一方の表面に複数の溝部を有する光透過部、および、上記溝部内に形成された光偏向部を有し、入射光を所定の方向に偏向させる光制御層と、上記光制御層上に配置されたオーバーコート層と、を有する採光シートであって、上記オーバーコート層の上記光制御層とは反対側の表面の、水に対する接触角が85度〜120度の範囲内であることを特徴とするものである。
オーバーコート層が上記特性を有するものとすることにより、上記オーバーコート層を有する採光シートを窓などの開口部の光透過性基材上に貼り付ける際、上記採光シートの上記光透過性基材とは反対側の表面に施工液を塗布することにより、施工作業者が上記採光シートを介して知覚する光量の過不足を調整することができる。
このような本実施態様においては、上記オーバーコート層の上記光制御層とは反対側の表面の、水に対する接触角は85度〜120度の範囲内であり、中でも90度〜120度の範囲内、特には100度〜120度の範囲内であることが好ましい。上記接触角が上記範囲に満たないと、塗布された施工液が濡れ広がり、液滴状に付着させることができない可能性がある。また、上記接触角が上記範囲を超えると、上記施工液が流れ落ち、上記露出面に施工液を付着させることができない可能性がある。
上記事項以外の採光シートに関する事項は、上述した「1.第1実施態様、(2)開口部、a.採光シート」の記載と同様であるため、ここでの説明は省略する。
2.第5実施態様
本実施態様の採光シートは、一方の表面に複数の溝部を有する光透過部、および、上記溝部内に形成された光偏向部を有し、入射光を所定の方向に偏向させる光制御層と、上記光制御層上に配置されたオーバーコート層と、を有する採光シートであって、上記オーバーコート層の上記光制御層とは反対側の表面は、光拡散機能を発揮する微細凹凸を有し、上記オーバーコート層の上記光制御層とは反対側の表面の算術平均粗さ(Ra)が、400nm〜2000nmの範囲内であることを特徴とするものである。
オーバーコート層が上記特性を有するものとすることにより、上記オーバーコート層を有する採光シートを窓などの開口部の光透過性基材上に貼り付ける際、上記採光シートの上記光透過性基材とは反対側の表面に施工液を塗布することにより、施工作業者が上記採光シートを介して知覚する光量の過不足を調整することができる。
このような本実施態様においては、上記オーバーコート層の上記光制御層とは反対側の表面の、算術平均粗さ(Ra)は、400nm〜2000nmの範囲内であり、中でも400nm〜1000nmの範囲内、特には400nm〜600nmの範囲内であることが好ましい。算術平均粗さ(Ra)を上記範囲内とすることにより、採光シートに水を塗布する前後のヘイズ値の変化率を高くすることができ、採光シートに施工液を塗布することで上記採光シートの光拡散機能を効率的に低減することができる。また、上記露出面の算術平均粗さ(Ra)が上記範囲内であれば、採光シートから出射する光を拡散することができ、かつ、上記開口部の製造後に不要となった上記施工液の除去を円滑に行うことができる。
このような本実施態様においては、上記オーバーコート層の上記光制御層とは反対側の表面の、水に対する接触角は20度〜80度の範囲内、中でも20度〜50度の範囲内であることが好ましい。上記接触角が上記範囲内であることにより、上記施工液を塗布した際に良好な光拡散機能低減効果を得ることができる。
上記事項以外の採光シートに関する事項は、上述した「2.第2実施態様、(2)開口部」における採光シートに関する記載と同様であるため、ここでの説明は省略する。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は、例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
以下に実施例を示し、本発明をさらに詳細に説明する。
膜厚100μmのPET基材上に、目的の表面粗さ(算術平均粗さ)を有するオーバーコート層をそれぞれ形成し、施工液の塗布の前後における、上記オーバーコート層のヘイズ値の変化率について測定した。
上記オーバーコート層の表面の算術平均粗さ(Ra)が異なる各試料について、施工液を塗布する前のヘイズ値をヘイズメーター(HM−150、村上色彩社製)で測定した。次に、施工液として用意した純水1mlを、スポイトで上記各試料表面に滴下し、上記試料表面が上記施工液で充足されたのを確認した後、施工液塗布後のヘイズ値を、施工液塗布前と同様の方法により測定した。下記表1に、各試料について、オーバーコート層の算術平均粗さ、施工液塗布前後のヘイズ値、および、施工液塗布前後のヘイズ値の変化率(低減率)を示す。





上記試験結果より、上記各試料に施工液を塗布することにより、上記試料のヘイズ値が低下すること、および、上記試料の露出面の算術平均粗さ(Ra)を特定の範囲内とすることにより、施工液塗布の前後におけるヘイズ値の変化率がより大きくなることが分かった。上記オーバーコート層を用いた実験結果から、採光シートの露出面を上記各算術平均粗さとすることにより、採光シートについても同様の効果を得られることが分かる。
1 … 光透過性基材
2 … 採光シート
3 … 溝部
4 … 光透過部
5 … 光偏向部
6 … 露出面
7 …施工液
8 …光制御層
9 …接着層
10、81 …支持基板
11 …オーバーコート層
100 …開口部

Claims (2)

  1. 一方の表面に複数の溝部を有する光透過部、および、前記溝部内に形成された光偏向部を有し、入射光を所定の方向に偏向させる光制御層と、
    前記光制御層上に配置されたオーバーコート層と、を有する採光シートであって、
    前記オーバーコート層の前記光制御層とは反対側の表面の、水に対する接触角が85度〜120度の範囲内であることを特徴とする採光シート。
  2. 一方の表面に複数の溝部を有する光透過部、および、前記溝部内に形成された光偏向部を有し、入射光を所定の方向に偏向させる光制御層と、
    前記光制御層上に配置されたオーバーコート層と、を有する採光シートであって、
    前記オーバーコート層の前記光制御層とは反対側の表面は、光拡散機能を発揮する微細凹凸を有し、
    前記オーバーコート層の前記光制御層とは反対側の表面の算術平均粗さ(Ra)が、400nm〜2000nmの範囲内であることを特徴とする採光シート。
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