JP2020073656A - 防汚塗料組成物 - Google Patents
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Abstract
【課題】長期間太陽光に暴露されても塗膜溶解が持続し、水棲汚損生物の付着が起こりやすい喫水部においても良好な防汚性能を発揮できる、防汚塗料組成物の提供。【解決手段】共重合体Aと、共重合体Bと、防汚薬剤を含有する防汚塗料組成物であって、前記共重合体A及びBは、それぞれ、単量体(a)と、単量体(a)以外の重合性不飽和単量体(b)の混合物を共重合して得られ、前記単量体(a)は、一般式(1)で表される。(式中、R1は水素又はメチル基、R2、R3、R4は炭素数3〜8の分岐状アルキル基、フェニル基から選ばれ、同一であっても異なってもよい)【選択図】なし
Description
本発明は、防汚塗料組成物に関する。
フジツボ、セルプラ、ムラサキイガイ、フサコケムシ、ホヤ、アオノリ、アオサ、スライム等の水棲汚損生物が、船舶(特に船底部分)や漁網類、漁網付属具等の漁業具や発電所導水管等の水中構造物に付着することにより、それら船舶等の機能が害される、外観が損なわれる等の問題がある。
このような問題を防ぐために、船舶等に防汚塗料組成物を塗布して防汚塗膜を形成し、防汚塗膜から防汚薬剤を徐放させることによって、長期間に渡って防汚性能を発揮させる技術が知られている(特許文献1)。
しかし、特許文献1の技術を採用しても、海水中に常に没水されている塗膜部分は長期防汚性能を維持するものの、水中と水上との境界である喫水部においては、ドライアンドウェットが繰り返され、日照などの影響を受けやすいなど様々影響を受けることから、防汚性が十分に発揮されないという問題があった。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、長期間太陽光に暴露された後においても長期間にわたり塗膜溶解が持続し、水棲汚損生物の付着が起こりやすい喫水部においても良好な防汚性能を発揮できる、環境安全性の高い防汚塗膜を形成するための組成物を提供するものである。
本発明によれば、共重合体Aと、共重合体Bと、防汚薬剤を含有する防汚塗料組成物であって、
前記共重合体A及びBは、それぞれ、単量体(a)と、前記単量体(a)以外の重合性不飽和単量体(b)の混合物を共重合して得られ、
前記単量体(a)は、一般式(1)で表され、
一般式(1):
(式中、R1は水素又はメチル基、R2、R3、R4は炭素数3〜8の分岐状アルキル基、フェニル基から選ばれ、同一であっても異なってもよい)
前記共重合体Aは、以下の要件(A1)〜(A2)を充足し、
前記共重合体Bは、以下の要件(B1)〜(B2)を充足し、
前記共重合体Aの含有量は、前記共重合体Aと前記共重合体Bの合計質量に対して、5〜45質量%である、防汚塗料組成物が提供される。
(A1)前記単量体(a)中のR1が水素である化合物の含有量が前記単量体(a)と前記単量体(b)の合計質量に対して30〜80質量%である。
(A2)前記単量体(b)中のアクリル酸2−メトキシエチルの含有量が前記単量体(a)と前記単量体(b)の合計質量に対して5〜30質量%である。
(B1)前記単量体(a)中のR1がメチル基である化合物の含有量が前記単量体(a)と前記単量体(b)の合計質量に対して30〜80質量%である。
(B2)前記単量体(b)中のメタクリル酸2−メトキシエチルの含有量が前記単量体(a)と前記単量体(b)の合計質量に対して15〜50質量%である。
前記共重合体A及びBは、それぞれ、単量体(a)と、前記単量体(a)以外の重合性不飽和単量体(b)の混合物を共重合して得られ、
前記単量体(a)は、一般式(1)で表され、
一般式(1):
(式中、R1は水素又はメチル基、R2、R3、R4は炭素数3〜8の分岐状アルキル基、フェニル基から選ばれ、同一であっても異なってもよい)
前記共重合体Aは、以下の要件(A1)〜(A2)を充足し、
前記共重合体Bは、以下の要件(B1)〜(B2)を充足し、
前記共重合体Aの含有量は、前記共重合体Aと前記共重合体Bの合計質量に対して、5〜45質量%である、防汚塗料組成物が提供される。
(A1)前記単量体(a)中のR1が水素である化合物の含有量が前記単量体(a)と前記単量体(b)の合計質量に対して30〜80質量%である。
(A2)前記単量体(b)中のアクリル酸2−メトキシエチルの含有量が前記単量体(a)と前記単量体(b)の合計質量に対して5〜30質量%である。
(B1)前記単量体(a)中のR1がメチル基である化合物の含有量が前記単量体(a)と前記単量体(b)の合計質量に対して30〜80質量%である。
(B2)前記単量体(b)中のメタクリル酸2−メトキシエチルの含有量が前記単量体(a)と前記単量体(b)の合計質量に対して15〜50質量%である。
本発明者が鋭意検討を行ったところ、アクリル酸シリルエステルとアクリル酸2−メトキシエチルをそれぞれ特定量含む混合物を共重合体して得られる共重合体Aと、メタクリル酸シリルエステルとメタクリル酸2−メトキシエチルをそれぞれ特定量含む混合物を共重合体して得られる共重合体Bを特定の比率で含有する組成物を用いて防汚塗膜を形成したところ、喫水部においても良好な防汚性能が発揮されることを見出し、本発明の完成に到った。
以下、本発明について詳細を説明する。
1.防汚塗料組成物
本発明の防汚塗料組成物は、共重合体Aと、共重合体Bと、防汚薬剤を含有する。
本発明の防汚塗料組成物は、共重合体Aと、共重合体Bと、防汚薬剤を含有する。
1−1.共重合体A及びB
共重合体A及びBは、それぞれ、(メタ)アクリル酸トリオルガノシリルエステル共重合体であり、単量体(a)と、前記単量体(a)以外の重合性不飽和単量体(b)の混合物を共重合して得られる。従って、共重合体A及びBは、それぞれ、単量体(a)及び(b)に由来する単量体単位を含む。単量体(a)に含まれる化合物は、共重合体AとBで同じであっても異なっていてもよい。単量体(a)に含まれる化合物が共重合体AとBで同じである場合、その配合割合が異なることが好ましい。単量体(b)に含まれる化合物は、共重合体AとBで同じであっても異なっていてもよい。単量体(b)に含まれる化合物が共重合体AとBで同じである場合、その配合割合が異なることが好ましい。
共重合体A及びBは、それぞれ、(メタ)アクリル酸トリオルガノシリルエステル共重合体であり、単量体(a)と、前記単量体(a)以外の重合性不飽和単量体(b)の混合物を共重合して得られる。従って、共重合体A及びBは、それぞれ、単量体(a)及び(b)に由来する単量体単位を含む。単量体(a)に含まれる化合物は、共重合体AとBで同じであっても異なっていてもよい。単量体(a)に含まれる化合物が共重合体AとBで同じである場合、その配合割合が異なることが好ましい。単量体(b)に含まれる化合物は、共重合体AとBで同じであっても異なっていてもよい。単量体(b)に含まれる化合物が共重合体AとBで同じである場合、その配合割合が異なることが好ましい。
<単量体(a)>
単量体(a)は、(メタ)アクリル酸トリオルガノシリルエステル単量体であり、一般式(1)で表される。
単量体(a)は、(メタ)アクリル酸トリオルガノシリルエステル単量体であり、一般式(1)で表される。
一般式(1):
(式中、R1は水素又はメチル基、R2、R3、R4は炭素数3〜8の分岐状アルキル基、フェニル基から選ばれ、同一であっても異なってもよい)
(式中、R1は水素又はメチル基、R2、R3、R4は炭素数3〜8の分岐状アルキル基、フェニル基から選ばれ、同一であっても異なってもよい)
本発明において、一般式(1)で表される単量体(a)としては、例えば、(メタ)アクリル酸トリイソプロピルシリル、(メタ)アクリル酸トリイソブチルシリル、(メタ)アクリル酸トリs−ブチルシリル、(メタ)アクリル酸トリイソアミルシリル、(メタ)アクリル酸トリス(2−エチルヘキシル)シリル、(メタ)アクリル酸トリフェニルシリル、(メタ)アクリル酸ジイソプロピルイソブチルシリル、(メタ)アクリル酸ジイソプロピルイソアミルシリル、(メタ)アクリル酸ジイソプロピル(2−エチルヘキシル)シリル、(メタ)アクリル酸ジイソプロピルフェニルシリル、(メタ)アクリル酸ジイソプロピルシクロヘキシルシリル、(メタ)アクリル酸t−ブチルジイソプロピルシリル、(メタ)アクリル酸t−ブチルジイソブチルシリル、(メタ)アクリル酸t−ブチルジイソアミルシリル、(メタ)アクリル酸t−ブチルジフェニルシリル、などが挙げられ、好ましくは、(メタ)アクリル酸トリイソプロピルシリルである。これらの単量体は、それぞれ一種又は二種以上で使用さる。
<単量体(b)>
単量体(b)は、単量体(a)と共重合可能な単量体であり、例えば、以下のものが挙げられる。(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸i−ブチル、(メタ)アクリル酸t−ブチル、(メタ)アクリル酸2一エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸フェニル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸4−ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸2−メトキシエチル、(メタ)アクリル酸2−メトキシプロピル、(メタ)アクリル酸4−メトキシブチル、(メタ)アクリル酸2−エトキシエチル、(メタ)アクリル酸ポリエチレングリコールメチルエーテル、(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸ジエチルアミノエチル等の(メタ)アクリル酸エステル類。
バーサチック酸亜鉛(メタ)アクリレート、バーサチック酸マグネシウム(メタ)アクリレート、バーサチック酸銅(メタ)アクリレート、オクチル酸亜鉛(メタ)アクリレート、オクチル酸マグネシウム(メタ)アクリレート、オクチル酸銅(メタ)アクリレート、ラウリン酸亜鉛(メタ)アクリレート、ラウリン酸マグネシウム(メタ)アクリレート、ラウリン酸銅(メタ)アクリレート、ステアリン酸亜鉛(メタ)アクリレート、ステアリン酸マグネシウム(メタ)アクリレート、ステアリン酸銅(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸金属ペンダント類、亜鉛(メタ)アクリレート、銅(メタ)アクリレート等の金属(メタ)アクリレート類。
塩化ビニル、塩化ビニリデン、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、酢酸ビニル、安息香酸ビニル、ビニルブチレート、ブチルビニルエーテル、ラウリルビニルエーテル、N一ビニルピロリドン等の官能基を有するビニル化合物。
スチレン、ビニルトルエン、α一メチルスチレン等の芳香族化合物。
ジメチルマレート、ジブチルマレート、ジメチルフマレート等の不飽和二塩基酸のジアルキルエステル化合物。
単量体(b)は、単量体(a)と共重合可能な単量体であり、例えば、以下のものが挙げられる。(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸i−ブチル、(メタ)アクリル酸t−ブチル、(メタ)アクリル酸2一エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸フェニル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸4−ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸2−メトキシエチル、(メタ)アクリル酸2−メトキシプロピル、(メタ)アクリル酸4−メトキシブチル、(メタ)アクリル酸2−エトキシエチル、(メタ)アクリル酸ポリエチレングリコールメチルエーテル、(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸ジエチルアミノエチル等の(メタ)アクリル酸エステル類。
バーサチック酸亜鉛(メタ)アクリレート、バーサチック酸マグネシウム(メタ)アクリレート、バーサチック酸銅(メタ)アクリレート、オクチル酸亜鉛(メタ)アクリレート、オクチル酸マグネシウム(メタ)アクリレート、オクチル酸銅(メタ)アクリレート、ラウリン酸亜鉛(メタ)アクリレート、ラウリン酸マグネシウム(メタ)アクリレート、ラウリン酸銅(メタ)アクリレート、ステアリン酸亜鉛(メタ)アクリレート、ステアリン酸マグネシウム(メタ)アクリレート、ステアリン酸銅(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸金属ペンダント類、亜鉛(メタ)アクリレート、銅(メタ)アクリレート等の金属(メタ)アクリレート類。
塩化ビニル、塩化ビニリデン、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、酢酸ビニル、安息香酸ビニル、ビニルブチレート、ブチルビニルエーテル、ラウリルビニルエーテル、N一ビニルピロリドン等の官能基を有するビニル化合物。
スチレン、ビニルトルエン、α一メチルスチレン等の芳香族化合物。
ジメチルマレート、ジブチルマレート、ジメチルフマレート等の不飽和二塩基酸のジアルキルエステル化合物。
単量体(b)は、それぞれ一種又は二種以上で使用され、好ましくは、(メタ)アクリル酸エステル類である。
<要件(A1)〜(A2)、(B1)〜(B2)、共重合体AとBの配合割合>
本発明では、共重合体Aが要件(A1)〜(A2)を充足し、且つ共重合体Bが要件(B1)〜(B2)を充足することと、共重合体Aの含有量が共重合体Aと共重合体Bの合計質量に対して、5〜45質量%であることを必須の要件としている。
本発明では、共重合体Aが要件(A1)〜(A2)を充足し、且つ共重合体Bが要件(B1)〜(B2)を充足することと、共重合体Aの含有量が共重合体Aと共重合体Bの合計質量に対して、5〜45質量%であることを必須の要件としている。
(A1)単量体(a)中のR1が水素である化合物(以下、「(アクリル酸シリルエステル)」)の含有量が単量体(a)と単量体(b)の合計質量に対して30〜80質量%である。
(A2)単量体(b)中のアクリル酸2−メトキシエチルの含有量が単量体(a)と単量体(b)の合計質量に対して5〜30質量%である。
(B1)単量体(a)中のR1がメチル基である化合物(以下、「(メタクリル酸シリルエステル)」)の含有量が単量体(a)と単量体(b)の合計質量に対して30〜80質量%である。
(B2)単量体(b)中のメタクリル酸2−メトキシエチルの含有量が単量体(a)と単量体(b)の合計質量に対して15〜50質量%である。
(A2)単量体(b)中のアクリル酸2−メトキシエチルの含有量が単量体(a)と単量体(b)の合計質量に対して5〜30質量%である。
(B1)単量体(a)中のR1がメチル基である化合物(以下、「(メタクリル酸シリルエステル)」)の含有量が単量体(a)と単量体(b)の合計質量に対して30〜80質量%である。
(B2)単量体(b)中のメタクリル酸2−メトキシエチルの含有量が単量体(a)と単量体(b)の合計質量に対して15〜50質量%である。
特筆すべき点は、以下の通りである。
(1)共重合体Aでは、単量体(a)がアクリル酸シリルエステルを含有し、共重合体Bでは、単量体(b)がメタクリル酸シリルエステルを含有すること。
(2)共重合体Aでは、単量体(b)がアクリル酸2−メトキシエチルを含有し、共重合体Bでは、単量体(b)がメタクリル酸2−メトキシエチルを含有すること。
(3)共重合体Aの含有量が共重合体Aと共重合体Bの合計質量に対して、5〜45質量%であること。
(1)共重合体Aでは、単量体(a)がアクリル酸シリルエステルを含有し、共重合体Bでは、単量体(b)がメタクリル酸シリルエステルを含有すること。
(2)共重合体Aでは、単量体(b)がアクリル酸2−メトキシエチルを含有し、共重合体Bでは、単量体(b)がメタクリル酸2−メトキシエチルを含有すること。
(3)共重合体Aの含有量が共重合体Aと共重合体Bの合計質量に対して、5〜45質量%であること。
このように、本発明は、アクリル酸シリルエステルとアクリル酸2−メトキシエチルをそれぞれ特定量含む混合物を共重合体して得られる共重合体Aと、メタクリル酸シリルエステルとメタクリル酸2−メトキシエチルをそれぞれ特定量含む混合物を共重合体して得られる共重合体Bを特定の比率で含有させることを特徴としている。そして、後述の実施例で示すように、このような特徴を備えることによって、塗膜の親水性が向上し、ガラス等の極性が高い表面への塗膜接着性が向上し、ウェット&ドライサイクル試験での耐性が向上するという技術的効果を奏される。これは、旧塗膜表面に塗料を上塗りする際の接着性が向上するという技術的効果に等しい。
要件(A1)において、アクリル酸シリルエステルの含有量は、単量体(a)と単量体(b)の合計質量に対して、例えば、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80質量%であり、ここで例示した数値の何れか2つの間の範囲内であってもよい。共重合体Aの単量体(a)は、メタクリル酸シリルエステルを含んでもよいが、その含有量は、共重合体Bの単量体(a)中のメタクリル酸シリルエステルの含有量よりも少ないことが好ましく、共重合体Bの単量体(a)中のメタクリル酸シリルエステルの含有量の1/2以下が好ましい。共重合体Aの単量体(a)は、メタクリル酸シリルエステルを含まないことが好ましい。
要件(A2)において、アクリル酸2−メトキシエチルの含有量は、単量体(a)と単量体(b)の合計質量に対して、例えば、5、10、15、20、25、30質量%であり、ここで例示した数値の何れか2つの間の範囲内であってもよい。共重合体Aの単量体(b)は、メタクリル酸2−メトキシエチルを含んでもよいが、その含有量は、共重合体Bの単量体(b)中のメタクリル酸2−メトキシエチルの含有量よりも少ないことが好ましく、共重合体Bの単量体(b)中のメタクリル酸2−メトキシエチルの含有量の1/2以下が好ましい。共重合体Aの単量体(b)は、メタクリル酸2−メトキシエチルを含まないことが好ましい。
要件(B1)において、メタクリル酸シリルエステルの含有量は、単量体(a)と単量体(b)の合計質量に対して、例えば、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80質量%であり、ここで例示した数値の何れか2つの間の範囲内であってもよい。共重合体Bの単量体(a)は、アクリル酸シリルエステルを含んでもよいが、その含有量は、共重合体Aの単量体(a)中のアクリル酸シリルエステルの含有量よりも少ないことが好ましく、共重合体Aの単量体(a)中のアクリル酸シリルエステルの含有量の1/2以下が好ましい。共重合体Bの単量体(a)は、アクリル酸シリルエステルを含まないことが好ましい。
要件(B2)において、メタクリル酸2−メトキシエチルの含有量は、単量体(a)と単量体(b)の合計質量に対して、例えば、15、20、25、30、35、40、45、50質量%であり、ここで例示した数値の何れか2つの間の範囲内であってもよい。共重合体Bの単量体(b)は、アクリル酸2−メトキシエチルを含んでもよいが、その含有量は、共重合体Aの単量体(b)中のアクリル酸2−メトキシエチルの含有量よりも少ないことが好ましく、共重合体Aの単量体(b)中のアクリル酸2−メトキシエチルの含有量の1/2以下が好ましい。共重合体Bの単量体(b)は、アクリル酸2−メトキシエチルを含まないことが好ましい。
なお、共重合体A及びBにおいて、単量体(b)には、単量体(a)以外のシリルエステルが含まれていてもよい。その場合、共重合体Aについては、単量体(a)と単量体(b)の合計質量に対する全シリルエステルの含有量は、例えば30〜95質量%であり、具体的には例えば、30、35、40、45、50、55,60、65、70、75、80、85、90、95質量%であり、ここで例示した数値の何れか2つの間の範囲内であってもよい。共重合体Bについては、単量体(a)と単量体(b)の合計質量に対する全シリルエステルの含有量は、例えば30〜85質量%であり、具体的には例えば、30、35、40、45、50、55,60、65、70、75、80、85質量%であり、ここで例示した数値の何れか2つの間の範囲内であってもよい。また、単量体(a)以外のシリルエステルの含有量は、単量体(a)の含有量よりも少ないことが好ましく、単量体(a)の含有量の1/2以下であることが好ましく、1/5以下であることがさらに好ましい。
共重合体Aの含有量は、共重合体Aと共重合体Bの合計質量に対して、5〜45質量%である。この場合、ウェット&ドライサイクル試験での耐性向上の効果が著しい。共重合体Aの含有量は、具体的には例えば、5、10、15、20、25、30、35、40、45質量%であり、ここで例示した数値の何れか2つの間の範囲内であってもよい。
<共重合体A及びBの合成>
共重合体A及びBは、単量体(a)と単量体(b)の混合物を共重合することにより得ることができる。前記共重合は、例えば、重合開始剤の存在下で行われる。
共重合体A及びBは、単量体(a)と単量体(b)の混合物を共重合することにより得ることができる。前記共重合は、例えば、重合開始剤の存在下で行われる。
共重合体A及びBの重量平均分子量は、5000〜300000であることが望ましい。分子量が5000未満であれば、防汚塗料の塗膜が脆弱となり、剥離やクラックを起こし易く、また、300000を超えると、共重合体溶液の粘度が上昇し、取扱いが困難となるからである。この重量平均分子量は、具体的には例えば、5000、10000、20000、30000、40000、50000、60000、70000、80000、90000、100000、200000、300000であり、ここで例示した数値の何れか2つの間の範囲内であってもよい。
前記重合開始剤としては、例えば、2,2'−アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)、2,2'−アゾビス−2−メチルブチロニトリル、ジメチル−2,2'−アゾビスイソブチレート等のアゾ化合物;ベンゾイルパーオキサイド、ジ−tert−ブチルパーオキサイド、tert−ブチルパーオキシベンゾエート、tert−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシー2−エチルヘキサノエート等の過酸化物等が挙げられる。これら重合開始剤は、単独又は2種以上を組み合わせて使用できる。前記重合開始剤としては、特に、2,2'−アゾビスイソブチロニトリル及び1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシー2−エチルヘキサノエートが好ましい。
前記重合開始剤の使用量を適宜設定することにより、前記トリオルガノシリルエステル含有共重合体の分子量を調整することができる。
重合方法としては、例えば、溶液重合、塊状重合、乳化重合、懸濁重合等が挙げられる。この中でも特に、簡便に、且つ、精度良く、前記共重合体を合成できる点で、溶液重合が好ましい。
前記重合反応においては、必要に応じて有機溶媒を用いてもよい。有機溶剤としては、例えば、キシレン、エチルベンゼン、トルエン等の芳香族炭化水素系溶剤。ヘキサン、ヘプタン等の脂肪族炭化水素系溶剤。酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸イソブチル、酢酸メトキシプロピル等のエステル系溶剤。イソプロピルアルコール、ブチルアルコール等のアルコール系溶剤。ジオキサン、ジエチルエーテル、ジブチルエーテル等のエーテル系溶剤。メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン系溶剤等が挙げられる。この中でも特に、芳香族炭化水素系溶剤が好ましく、キシレンがより好ましい。これら溶媒については、単独あるいは2種以上を組み合わせて使用できる。
重合反応における反応温度は、重合開始剤の種類等に応じて適宜設定すればよく、通常70〜120℃程度、好ましくは70〜100℃程度である。重合反応における反応時間は、反応温度等に応じて適宜設定すればよく、通常4〜8時間程度である。
重合反応は、窒素ガス、アルゴンガス等の不活性ガス雰囲気下で行われることが好ましい。
1−2.防汚薬剤
防汚薬剤としては、例えば無機薬剤及び有機薬剤が挙げられる。
無機薬剤としては、例えば、亜酸化銅、チオシアン酸銅(一般名:ロダン銅)、銅粉等が挙げられる。この中でも特に、亜酸化銅とロダン銅が好ましく、亜酸化銅はグリセリン、ショ糖、ステアリン酸、ラウリン酸、リシチン、鉱物油などで表面処理されているものが、貯蔵時の長期安定性の点でより好ましい。
有機薬剤としては、例えば、2−メルカプトピリジン−N−オキシド銅(一般名:カッパーピリチオン)、2−メルカプトピリジン−N−オキシド亜鉛(一般名:ジンクピリチオン)、ジンクエチレンビスジチオカーバメート(一般名:ジネブ)、4,5−ジクロロ−2−n−オクチル−3−イソチアゾロン(一般名:シーナイン211)、3,4−ジクロロフェニル−N−N−ジメチルウレア(一般名:ジウロン)、2−メチルチオ−4−t−ブチルアミノ−6−シクロプロピルアミノ−s−トリアジン(一般名:イルガロール1051)、2−(p−クロロフェニル)−3−シアノ−4−ブロモ−5−トリフルオロメチルピロール(一般名:Econea28)、4−[1−(2,3−ジメチルフェニル)エチル]−1H−イミダゾール(一般名:メデトミジン)等が挙げられる。
これらの防汚薬剤は1種又は2種以上併用して使用できる。
防汚薬剤としては、例えば無機薬剤及び有機薬剤が挙げられる。
無機薬剤としては、例えば、亜酸化銅、チオシアン酸銅(一般名:ロダン銅)、銅粉等が挙げられる。この中でも特に、亜酸化銅とロダン銅が好ましく、亜酸化銅はグリセリン、ショ糖、ステアリン酸、ラウリン酸、リシチン、鉱物油などで表面処理されているものが、貯蔵時の長期安定性の点でより好ましい。
有機薬剤としては、例えば、2−メルカプトピリジン−N−オキシド銅(一般名:カッパーピリチオン)、2−メルカプトピリジン−N−オキシド亜鉛(一般名:ジンクピリチオン)、ジンクエチレンビスジチオカーバメート(一般名:ジネブ)、4,5−ジクロロ−2−n−オクチル−3−イソチアゾロン(一般名:シーナイン211)、3,4−ジクロロフェニル−N−N−ジメチルウレア(一般名:ジウロン)、2−メチルチオ−4−t−ブチルアミノ−6−シクロプロピルアミノ−s−トリアジン(一般名:イルガロール1051)、2−(p−クロロフェニル)−3−シアノ−4−ブロモ−5−トリフルオロメチルピロール(一般名:Econea28)、4−[1−(2,3−ジメチルフェニル)エチル]−1H−イミダゾール(一般名:メデトミジン)等が挙げられる。
これらの防汚薬剤は1種又は2種以上併用して使用できる。
1−3.他の添加剤
さらに本発明の防汚塗料用樹脂には、必要に応じて溶出調整剤、可塑剤、顔料、染料、消泡剤、脱水剤、揺変剤、有機溶剤等を添加して防汚塗料とすることができる
溶出調整剤としては、例えば、ロジン、ロジン誘導体、ナフテン酸、シクロアルケニルカルボン酸、ビシクロアルケニルカルボン酸、バーサチック酸、トリメチルイソブテニルシクロヘキセンカルボン酸、及びこれらの金属塩等の、モノカルボン酸及びその塩、又は前記脂環式炭化水素樹脂が挙げられる。これらは単独又は2種以上で使用できる。
前記ロジン誘導体としては、水添ロジン、不均化ロジン、マレイン化ロジン、ホルミル化ロジン、重合ロジン等を例示できる。前記脂環式炭化水素樹脂としては、市販品として、例えば、クイントン1500、1525L、1700(商品名、日本ゼオン社製)等が挙げられる。
可塑剤としては、例えば、燐酸エステテル類、フタル酸エステル類、アジピン酸エステル類、セバシン酸エステル類、エポキシ化大豆油、アルキルビニルエーテル重合体、ポリアルキレングリコール類、t−ノニルペンタスルフィド、ワセリン、ポリブテン、トリメリット酸トリス(2−エチルヘキシル)、シリコーンオイル、流動パラフィン、塩素化パラフィン等が挙げられる。これらは単独又は2種以上で使用できる。
脱水剤としては、例えば、合成ゼオライト系吸着剤、オルソエステル類、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン等のシリケート類やイソシアネート類、カルボジイミド類、カルボジイミダゾール類等が挙げられる。これらは単独または2種以上を組み合わせて使用することができる。
さらに本発明の防汚塗料用樹脂には、必要に応じて溶出調整剤、可塑剤、顔料、染料、消泡剤、脱水剤、揺変剤、有機溶剤等を添加して防汚塗料とすることができる
溶出調整剤としては、例えば、ロジン、ロジン誘導体、ナフテン酸、シクロアルケニルカルボン酸、ビシクロアルケニルカルボン酸、バーサチック酸、トリメチルイソブテニルシクロヘキセンカルボン酸、及びこれらの金属塩等の、モノカルボン酸及びその塩、又は前記脂環式炭化水素樹脂が挙げられる。これらは単独又は2種以上で使用できる。
前記ロジン誘導体としては、水添ロジン、不均化ロジン、マレイン化ロジン、ホルミル化ロジン、重合ロジン等を例示できる。前記脂環式炭化水素樹脂としては、市販品として、例えば、クイントン1500、1525L、1700(商品名、日本ゼオン社製)等が挙げられる。
可塑剤としては、例えば、燐酸エステテル類、フタル酸エステル類、アジピン酸エステル類、セバシン酸エステル類、エポキシ化大豆油、アルキルビニルエーテル重合体、ポリアルキレングリコール類、t−ノニルペンタスルフィド、ワセリン、ポリブテン、トリメリット酸トリス(2−エチルヘキシル)、シリコーンオイル、流動パラフィン、塩素化パラフィン等が挙げられる。これらは単独又は2種以上で使用できる。
脱水剤としては、例えば、合成ゼオライト系吸着剤、オルソエステル類、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン等のシリケート類やイソシアネート類、カルボジイミド類、カルボジイミダゾール類等が挙げられる。これらは単独または2種以上を組み合わせて使用することができる。
2.防汚塗料組成物の製造方法
本発明の防汚塗料組成物は、例えば、共重合体A、共重合体B、防汚薬剤及び他の添加剤等を含有する混合液を、分散機を用いて混合分散することにより製造できる。
前記混合液としては、共重合体及び防汚薬剤等の各種材料を溶媒に溶解または分散させたものであることが好ましい。
前記分散機としては、例えば、微粉砕機として使用できるものを好適に用いることができる。例えば、市販のホモミキサー、サンドミル、ビーズミル等を使用することができる。また、撹拌機を備えた容器に混合分散用のガラスビーズ等を加えたものを用い、前記混合液を混合分散してもよい。
本発明の防汚塗料組成物は、例えば、共重合体A、共重合体B、防汚薬剤及び他の添加剤等を含有する混合液を、分散機を用いて混合分散することにより製造できる。
前記混合液としては、共重合体及び防汚薬剤等の各種材料を溶媒に溶解または分散させたものであることが好ましい。
前記分散機としては、例えば、微粉砕機として使用できるものを好適に用いることができる。例えば、市販のホモミキサー、サンドミル、ビーズミル等を使用することができる。また、撹拌機を備えた容器に混合分散用のガラスビーズ等を加えたものを用い、前記混合液を混合分散してもよい。
3.防汚処理方法、防汚塗膜、および塗装物
本発明の防汚処理方法は、上記防汚塗料組成物を用いて被塗膜形成物の表面に防汚塗膜を形成する。本発明の防汚処理方法によれば、前記防汚塗膜が表面から徐々に溶解し塗膜表面が常に更新されることにより、水棲汚損生物の付着防止を図ることができる。
被塗膜形成物としては、例えば、船舶(特に船底)、漁業具、水中構造物等が挙げられる。
防汚塗膜の厚みは、被塗膜形成物の種類、船舶の航行速度、海水温度等に応じて適宜設定すればよい。例えば、被塗膜形成物が船舶の船底の場合、防汚塗膜の厚みは通常50〜700μm、好ましくは100〜600μmである。
本発明の防汚処理方法は、上記防汚塗料組成物を用いて被塗膜形成物の表面に防汚塗膜を形成する。本発明の防汚処理方法によれば、前記防汚塗膜が表面から徐々に溶解し塗膜表面が常に更新されることにより、水棲汚損生物の付着防止を図ることができる。
被塗膜形成物としては、例えば、船舶(特に船底)、漁業具、水中構造物等が挙げられる。
防汚塗膜の厚みは、被塗膜形成物の種類、船舶の航行速度、海水温度等に応じて適宜設定すればよい。例えば、被塗膜形成物が船舶の船底の場合、防汚塗膜の厚みは通常50〜700μm、好ましくは100〜600μmである。
以下に、実施例等を示し本発明の特徴とするところをより一層明確にする。ただし、本発明は実施例等に限定されるものではない。
各製造例、比較製造例、実施例及び比較例中の%は質量%を示す。粘度は、25℃での測定値であり、B形粘度計により求めた値である。重量平均分子量(Mw)は、GPCにより求めた値(ポリスチレン換算値)である。GPCの条件は下記の通りである。
装置・・・ 東ソー株式会社製 HLC−8220GPC
カラム・・・ TSKgel SuperHZM−M 2本
流量・・・ 0.35 mL/min
検出器・・・ RI
カラム恒温槽温度・・・ 40℃
溶離液・・・ THF
加熱残分は、JIS K 5601−1−2:1999(ISO 3251:1993)「塗料成分試験方法−加熱残分」に準拠して測定した値である。
また、表中の各成分の配合量の単位はgである。
各製造例、比較製造例、実施例及び比較例中の%は質量%を示す。粘度は、25℃での測定値であり、B形粘度計により求めた値である。重量平均分子量(Mw)は、GPCにより求めた値(ポリスチレン換算値)である。GPCの条件は下記の通りである。
装置・・・ 東ソー株式会社製 HLC−8220GPC
カラム・・・ TSKgel SuperHZM−M 2本
流量・・・ 0.35 mL/min
検出器・・・ RI
カラム恒温槽温度・・・ 40℃
溶離液・・・ THF
加熱残分は、JIS K 5601−1−2:1999(ISO 3251:1993)「塗料成分試験方法−加熱残分」に準拠して測定した値である。
また、表中の各成分の配合量の単位はgである。
<製造例1(共重合体溶液SA−1の製造)>
温度計、還流冷却器、撹拌機及び滴下ロートを備えた2000mlのフラスコに、キシレン400gを仕込んだ後、窒素雰囲気下で86〜90℃に昇温し、撹拌しながらアクリル酸トリイソプロピルシリル150g、アクリル酸エチル100g、メタクリル酸メチル225g、アクリル酸2−メトキシエチル25g、1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシー2−エチルヘキサノエート(日本油脂製パーオクタO)5gの混合液を86〜90℃に保ちながら1時間で滴下した。滴下後、86〜90℃に保ちながら1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシー2−エチルヘキサノエート0.5gを1時間毎に3回添加して重合反応を完結した後、キシレン100gを添加し溶解させることにより、共重合体溶液SA−1を得た。共重合体溶液SA−1の加熱残分は49.6%、重量平均分子量は51000であった。
温度計、還流冷却器、撹拌機及び滴下ロートを備えた2000mlのフラスコに、キシレン400gを仕込んだ後、窒素雰囲気下で86〜90℃に昇温し、撹拌しながらアクリル酸トリイソプロピルシリル150g、アクリル酸エチル100g、メタクリル酸メチル225g、アクリル酸2−メトキシエチル25g、1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシー2−エチルヘキサノエート(日本油脂製パーオクタO)5gの混合液を86〜90℃に保ちながら1時間で滴下した。滴下後、86〜90℃に保ちながら1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシー2−エチルヘキサノエート0.5gを1時間毎に3回添加して重合反応を完結した後、キシレン100gを添加し溶解させることにより、共重合体溶液SA−1を得た。共重合体溶液SA−1の加熱残分は49.6%、重量平均分子量は51000であった。
<製造例2〜12、比較製造例1〜2>
表1に示す有機溶剤、単量体及び重合開始剤を用いて、製造例1と同様の操作で重合を行い共重合体Aの共重合体溶液SA−2〜SA−6、共重合体Bの共重合体溶液SB−1〜SB−6、その他の共重合体の共重合体溶液T−1〜T−2を得た。得られた各共重合体溶液の加熱残分及び重量平均分子量を測定した。
結果を表1に示す。
表1に示す有機溶剤、単量体及び重合開始剤を用いて、製造例1と同様の操作で重合を行い共重合体Aの共重合体溶液SA−2〜SA−6、共重合体Bの共重合体溶液SB−1〜SB−6、その他の共重合体の共重合体溶液T−1〜T−2を得た。得られた各共重合体溶液の加熱残分及び重量平均分子量を測定した。
結果を表1に示す。
<製造例13(ロジン金属塩溶液の製造)>
温度計、還流冷却器、及び攪拌機を備えたフラスコに、中国産ガムロジン(WW)240gとキシレン360gをフラスコに入れ、更に、前記ロジン中の樹脂酸が全て亜鉛塩を形成するように酸化亜鉛120gを加え、70〜80℃で3時間、減圧下で還流脱水した。その後、冷却しろ過を行うことにより、ロジン亜鉛塩のキシレン溶液(濃褐色透明液体、固形分50%)を得た。得られた溶液の加熱残分は、50.4%であった。
温度計、還流冷却器、及び攪拌機を備えたフラスコに、中国産ガムロジン(WW)240gとキシレン360gをフラスコに入れ、更に、前記ロジン中の樹脂酸が全て亜鉛塩を形成するように酸化亜鉛120gを加え、70〜80℃で3時間、減圧下で還流脱水した。その後、冷却しろ過を行うことにより、ロジン亜鉛塩のキシレン溶液(濃褐色透明液体、固形分50%)を得た。得られた溶液の加熱残分は、50.4%であった。
<製造例14(水添ロジン金属塩溶液の製造)>
温度計、還流冷却器、及び攪拌機を備えたフラスコに、ハイペールCH240gとキシレン360gをフラスコに入れ、更に、前記ロジン中の樹脂酸が全て亜鉛塩を形成するように酸化亜鉛120gを加え、70〜80℃で3時間、減圧下で還流脱水した。その後、冷却しろ過を行うことにより、ロジン亜鉛塩のキシレン溶液(濃褐色透明液体、固形分50%)を得た。得られた溶液の加熱残分は、50.3%であった。
温度計、還流冷却器、及び攪拌機を備えたフラスコに、ハイペールCH240gとキシレン360gをフラスコに入れ、更に、前記ロジン中の樹脂酸が全て亜鉛塩を形成するように酸化亜鉛120gを加え、70〜80℃で3時間、減圧下で還流脱水した。その後、冷却しろ過を行うことにより、ロジン亜鉛塩のキシレン溶液(濃褐色透明液体、固形分50%)を得た。得られた溶液の加熱残分は、50.3%であった。
<実施例1〜41、比較例1〜26>
共重合体溶液SA−1〜SA−6、SB−1〜SB−6、T−1〜T−2を用いて、防汚塗料組成物を表2〜表9に示す配合により調製した。
共重合体溶液SA−1〜SA−6、SB−1〜SB−6、T−1〜T−2を用いて、防汚塗料組成物を表2〜表9に示す配合により調製した。
(塗膜のウェット&ドライサイクル試験)
ガラス板に400μmのアプリケーターを用い、防汚塗料組成物を塗装し、試験板を得た。
この試験板を12時間の40℃淡水浸漬試験と12時間の空中曝露とを繰り返す試験を6ヵ月行った後、目視にて該試験板の物性評価を行った。
剥離の無いものを○、剥離のあるものを×とした。
ガラス板に400μmのアプリケーターを用い、防汚塗料組成物を塗装し、試験板を得た。
この試験板を12時間の40℃淡水浸漬試験と12時間の空中曝露とを繰り返す試験を6ヵ月行った後、目視にて該試験板の物性評価を行った。
剥離の無いものを○、剥離のあるものを×とした。
表2〜表9中の溶出調整剤、可塑剤、防汚薬剤、その他添加剤の詳細は、以下の通りである。
<溶出調整剤>
ロジン金属塩溶液:製造例13で製造したものを使用
水添ロジン金属塩溶液:製造例14で製造したものを使用
ガムロジン溶液:中国産ガムロジン(WW)の固形分50%キシレン溶液
水添ガムロジン溶液:商品名「ハイペールCH」(荒川化学工業(株)製)の固形分50%キシレン溶液。
ロジン金属塩溶液:製造例13で製造したものを使用
水添ロジン金属塩溶液:製造例14で製造したものを使用
ガムロジン溶液:中国産ガムロジン(WW)の固形分50%キシレン溶液
水添ガムロジン溶液:商品名「ハイペールCH」(荒川化学工業(株)製)の固形分50%キシレン溶液。
<可塑剤>
塩素化パラフィン:商品名「Paraffin Chlorinated (Cl:40%)」(和光純薬工業(株)製)
E−2000H:エポキシ化大豆油:商品名「サンソサイザー E−2000H」(新日本理化(株)製)
トリメリット酸トリス(2−エチルヘキシル):商品名「トリメリット酸トリス(2−エチルヘキシル)」(東京化成工業株式会社製)
Hexamoll(登録商標) DINCH(登録商標):BASF製、非フタル酸系可塑剤
塩素化パラフィン:商品名「Paraffin Chlorinated (Cl:40%)」(和光純薬工業(株)製)
E−2000H:エポキシ化大豆油:商品名「サンソサイザー E−2000H」(新日本理化(株)製)
トリメリット酸トリス(2−エチルヘキシル):商品名「トリメリット酸トリス(2−エチルヘキシル)」(東京化成工業株式会社製)
Hexamoll(登録商標) DINCH(登録商標):BASF製、非フタル酸系可塑剤
<防汚薬剤>
亜酸化銅:商品名「NC−301」(日進ケムコ(株)製)
銅ピリチオン:商品名「カッパーオマジン」(アーチケミカル(株)製)
亜鉛ピリチオン:商品名「ジンクオマジン」(アーチケミカル(株)製)
Zineb:商品名「ジネブ」(SIGMA−ALDRICH製)
SeaNine:商品名「Sea Nine211」4,5−ジクロロ−2−n−オクチル−3−イソチアゾロン(固形分30%キシレン溶液、ロームアンドハース社製)
medetomidine:商品名「4−(1−(2,3−Dimethylphenyl)ethyl)−1H−imidazole」(和光純薬工業(株) 製)
Econia:商品名「Econea 028」2−(p−クロロフェニル)−3−シアノ−4−ブロモ−5−トリフルオロメチルピロール(ヤンセンPMP製)
亜酸化銅:商品名「NC−301」(日進ケムコ(株)製)
銅ピリチオン:商品名「カッパーオマジン」(アーチケミカル(株)製)
亜鉛ピリチオン:商品名「ジンクオマジン」(アーチケミカル(株)製)
Zineb:商品名「ジネブ」(SIGMA−ALDRICH製)
SeaNine:商品名「Sea Nine211」4,5−ジクロロ−2−n−オクチル−3−イソチアゾロン(固形分30%キシレン溶液、ロームアンドハース社製)
medetomidine:商品名「4−(1−(2,3−Dimethylphenyl)ethyl)−1H−imidazole」(和光純薬工業(株) 製)
Econia:商品名「Econea 028」2−(p−クロロフェニル)−3−シアノ−4−ブロモ−5−トリフルオロメチルピロール(ヤンセンPMP製)
<その他の添加剤>
タルク(松村産業製、クラウンタルク3S)
酸化亜鉛(正同化学製、酸化亜鉛2種(商品名))
ベンガラ(戸田ピグメント製、TODA COLOR EP−13D)
酸化チタン(古河機械金属製、FR−41)
テトラエトキシシラン:商品名「Tetraethyl Orthosilicate」(東京化成(株)製)
脂肪族アマイド系揺変剤:商品名「ディスパロンA603−20X」(楠本化成(株)製)
タルク(松村産業製、クラウンタルク3S)
酸化亜鉛(正同化学製、酸化亜鉛2種(商品名))
ベンガラ(戸田ピグメント製、TODA COLOR EP−13D)
酸化チタン(古河機械金属製、FR−41)
テトラエトキシシラン:商品名「Tetraethyl Orthosilicate」(東京化成(株)製)
脂肪族アマイド系揺変剤:商品名「ディスパロンA603−20X」(楠本化成(株)製)
表2〜表9から、本発明の塗料組成物(実施例1〜41)を用いて形成された塗膜は、比較例1〜26の塗料組成物を用いて形成された塗膜より、ガラス表面への塗膜接着性が向上し、ウェット&ドライサイクル試験後(6ヶ月後)も塗膜の剥離が起きていない。
一方、比較例1〜26の塗料組成物中を用いて形成された塗膜は、ガラス表面への接着性が悪く、ウェット&ドライサイクル試験後(3ヶ月後)で塗膜の剥離が起きている。
一方、比較例1〜26の塗料組成物中を用いて形成された塗膜は、ガラス表面への接着性が悪く、ウェット&ドライサイクル試験後(3ヶ月後)で塗膜の剥離が起きている。
Claims (1)
- 共重合体Aと、共重合体Bと、防汚薬剤を含有する防汚塗料組成物であって、
前記共重合体A及びBは、それぞれ、単量体(a)と、前記単量体(a)以外の重合性不飽和単量体(b)の混合物を共重合して得られ、
前記単量体(a)は、一般式(1)で表され、
一般式(1):
(式中、R1は水素又はメチル基、R2、R3、R4は炭素数3〜8の分岐状アルキル基、フェニル基から選ばれ、同一であっても異なってもよい)
前記共重合体Aは、以下の要件(A1)〜(A2)を充足し、
前記共重合体Bは、以下の要件(B1)〜(B2)を充足し、
前記共重合体Aの含有量は、前記共重合体Aと前記共重合体Bの合計質量に対して、5〜45質量%である、防汚塗料組成物。
(A1)前記単量体(a)中のR1が水素である化合物の含有量が前記単量体(a)と前記単量体(b)の合計質量に対して30〜80質量%である。
(A2)前記単量体(b)中のアクリル酸2−メトキシエチルの含有量が前記単量体(a)と前記単量体(b)の合計質量に対して5〜30質量%である。
(B1)前記単量体(a)中のR1がメチル基である化合物の含有量が前記単量体(a)と前記単量体(b)の合計質量に対して30〜80質量%である。
(B2)前記単量体(b)中のメタクリル酸2−メトキシエチルの含有量が前記単量体(a)と前記単量体(b)の合計質量に対して15〜50質量%である。
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