JP2020072579A - 圧縮機 - Google Patents

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Abstract

【課題】モータの組み立て作業性を低下させずに、吐油量の増加を抑える。
【解決手段】圧縮機は、ロータと、ロータを回転させる磁界を生成するステータと、を有するモータと、ロータが回転軸を回転させすることで冷媒を圧縮する圧縮部と、備える。ステータは、複数のティースと、複数のティースの各々に巻回された巻回部と、巻回部の一端側に設けられた中性線と、巻回部の他端側に設けられた電源線と、を有する複数の巻き線と、複数の中性線が接続部材を介して電気的に接続された複数の中性点と、を有する。複数の中性点の各々で接続された複数組の中性線の全ては、複数の巻回部のうち、隣り合う巻回部と巻回部の間の1つの隙間に挿入されている。
【選択図】図2

Description

本発明は、圧縮機に関する。
例えば、圧縮機は、冷媒を圧縮する圧縮部を駆動するためのモータを備えている。モータは、永久磁石が設けられたロータと、回転磁界を生成することによりロータを回転させるステータと、を備え、ロータに固定されたシャフトを介して圧縮部に回転動力を伝達する。ステータは、複数のティースを有しており、複数のティースの各々に、電線が巻き付けられることにより巻き線が形成される。巻き線において、各ティースに巻回された複数の巻回部の各々は、スター結線(星形結線)されており、各ティースに巻かれた巻回部の一端が電源に接続され、巻回部の他端(中性線と称する。)が中性点に接続されている。
特開2010−166643号公報
例えば、9スロット型の3相モータの場合、各中性線を中性点で接続するために、9本の中性線を一束にまとめて半田付けによって接合されるものがある。半田付けを行う場合、電線の絶縁膜を剥離することが必要となり、モータの組み立ての作業性が低い。このため、半田付けによる接合に代えて、カシメ機を用いて接続端子を介して中性線を圧着により接合することが提案されている。
中性線を圧着によって接合する際、4本以上の中性線を束ねた場合、各中性線を適正に接合することが困難になるので、3本ずつに中性線が圧着される。このため、9本の中性線を中性点で接続する場合には、3本の中性線を1組として、3組の中性線の束がそれぞれ生じることになる。したがって、モータの組み立て工程では、所定の3本の中性線ごとに組み合せで結線すると共に3組の中性線を取り扱うことになる。
ところで、圧縮機では、中性線の中性点が、隣り合う巻回部同士の隙間に挿入して保持するものがある。そこで、本願発明者は、上述のような3組の中性線を、巻回部同士の隙間に挿入する際、3組の中性線を3つの隙間にそれぞれ個別に挿入した。本願発明者は、この構造の場合に、3組の中性線の配置に応じて隙間の開口面積が減少することで、隙間を通過する冷媒の流動抵抗が大きくなるので、圧縮部を潤滑する潤滑油(冷凍機油)が、圧縮機の外部へ流出する量(以下、吐油量とも称する)が増えてしまう課題があることを見出した。吐油量が増えると、圧縮部を適正にシール及び潤滑することが困難になる。
開示の技術は、上記に鑑みてなされたものであって、モータの組み立て作業性を低下させずに、吐油量の増加を抑えることができる圧縮機を提供することを目的とする。
本願の開示する圧縮機の一態様は、ロータと、ロータを回転させる磁界を生成するステータと、を有するモータと、ロータが回転軸を回転させすることで冷媒を圧縮する圧縮部と、を備え、ステータは、複数のティースと、複数のティースの各々に巻回された巻回部と、巻回部の一端側に設けられた中性線と、巻回部の他端側に設けられた電源線と、を有する複数の巻き線と、複数の中性線が接続部材を介して電気的に接続された複数の中性点と、を有し、複数の中性点の各々で接続された複数組の中性線の全ては、複数の巻回部のうち、隣り合う巻回部と巻回部の間の1つの隙間に挿入されている。
本願の開示する圧縮機の一態様によれば、モータの組み立て作業性を低下させずに、吐油量の増加を抑えることができる。
図1は、実施例1の圧縮機を示す縦断面図である。 図2は、実施例1における3相モータを上インシュレータ側から示す平面図である。 図3は、実施例1におけるステータコアを示す下面図である。 図4は、実施例1における下インシュレータを示す斜視図である。 図5は、実施例1におけるステータを示す下面図である。 図6は、実施例1における複数の巻き線を示す展開図である。 図7は、実施例1における複数の巻き線の結線状態を示す結線図である。 図8は、実施例1における第1スプライス端子と電線の接続前の状態を示す斜視図である。 図9は、実施例1におけるステータの製造工程を説明するためのフローチャートである。 図10Aは、実施例1において、9本の中性線が引き出された状態を示す平面図である。 図10Bは、実施例1において、9本の中性線のうちの3本の中性線によって第1固定部を形成する状態を示す平面図である。 図10Cは、実施例1において、残りの6本の中性線のうちの3本の中性線によって第1固定部を形成する状態を示す平面図である。 図10Dは、実施例1において、残りの3本の中性線によって第1固定部を形成する状態を示す平面図である。 図11Aは、実施例1において、3組の中性線の長さを揃えた状態を示す側面図である。 図11Bは、実施例1において、3組の中性線の各々を圧着により接合した状態を示す側面図である。 図11Cは、実施例1において、3組の中性線を一束にまとめた状態を示す側面図である。 図11Dは、実施例1において、一束にまとめられた中性線が絶縁チューブで覆われた状態を示す側面図である。 図12は、実施例2における3相モータを上インシュレータ側から示す平面図である。 図13は、参考例における3相モータを上インシュレータ側から示す平面図である。 図14は、冷凍機油の吐油量について、実施例1、2の圧縮機と、参考例の圧縮機とを比較して示すグラフである。
以下に、本願の開示する圧縮機の実施例を図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下の実施例によって、本願の開示する圧縮機が限定されるものではない。
図1は、実施例1の圧縮機を示す縦断面図である。図1に示すように、圧縮機1は、いわゆるロータリ圧縮機であり、容器2と、シャフト3と、圧縮部5と、3相モータ6と、を備えている。容器2は、密閉された内部空間7を形成している。内部空間7は、概ね円柱状に形成されている。容器2は、水平面上に縦置きされたときに、内部空間7をなす円柱の中心軸が鉛直方向に平行になるように形成されている。容器2には、内部空間7の下部に油溜め8が形成されている。油溜め8には、圧縮部5を潤滑させる潤滑油である冷凍機油が貯留される。容器2には、冷媒を吸入するための吸入管11と、圧縮された冷媒を吐出する吐出管12と、が接続されている。回転軸としてのシャフト3は、棒状に形成されており、一端が油溜め8に配置されるように、容器2の内部空間7に配置されている。シャフト3は、内部空間7をなす円柱の中心軸を中心に回転可能に容器2に支持されている。シャフト3は、回転することにより、油溜め8に貯留された冷凍機油を圧縮部5に供給する。
圧縮部5は、内部空間7の下部に配置され、油溜め8の上方に配置されている。圧縮機1は、さらに、上マフラーカバー14と、下マフラーカバー15と、を備えている。上マフラーカバー14は、内部空間7のうちの圧縮部5の上部に配置されている。上マフラーカバー14は、内部に上マフラー室16を形成している。下マフラーカバー15は、内部空間7における圧縮部5の下部に設けられており、油溜め8の上部に配置されている。下マフラーカバー15は、内部に下マフラー室17を形成している。下マフラー室17は、圧縮部5に形成されている連通路(図示せず)を介して上マフラー室16に連通している。上マフラーカバー14とシャフト3との間には、圧縮冷媒吐出孔18が形成され、上マフラー室16は、圧縮冷媒吐出孔18を介して内部空間7に連通している。
圧縮部5は、シャフト3が回転することにより吸入管11から供給される冷媒を圧縮し、その圧縮された冷媒を上マフラー室16と下マフラー室17とに供給する。その冷媒は、冷凍機油と相溶性を有している。3相モータ6は、内部空間7のうちの圧縮部5の上部に配置されている。
図2は、実施例1における3相モータ6を上インシュレータ側から示す平面図である。図1及び図2に示すように、3相モータ6は、ロータ21と、ステータ22と、を備えている。ロータ21は、珪素鋼の薄板(磁性体)を複数積層して円柱状に形成されており、複数のリベット9により一体化されている。ロータ21の中心には、シャフト3が挿通され固定されている。ロータ21には、6個のスリット状の磁石埋め込み孔10aが、シャフト3を中心として6角形の各辺をなすように形成されている。各磁石埋め込み孔10aは、ロータ21の周方向に所定間隔をあけて形成されている。磁石埋め込み孔10aには、板状の永久磁石10bが埋め込まれている。
ステータ22は、概ね円筒形に形成されており、ロータ21を囲むように配置されて、容器2に固定されている。ステータ22は、ステータコア23と、上インシュレータ24及び下インシュレータ25と、複数の巻き線46と、を備えている。上インシュレータ24は、ステータコア23の上部に固定されている。下インシュレータ25は、ステータコア23の下部に固定されている。上インシュレータ24及び下インシュレータ25は、ステータコア23と巻き線46とを絶縁する絶縁部の一例である。
図3は、実施例1におけるステータコア23を示す下面図である。ステータコア23は、例えば、ケイ素鋼板に例示される軟磁性体で形成された複数の板が積層されて形成され、図3に示すように、ヨーク部31と複数のステータコアティース部32−1〜32−9とを備えている。ヨーク部31は、概ね円筒形に形成されている。複数のステータコアティース部32−1〜32−9のうちの第1ステータコアティース部32−1は、概ね柱体状に形成されている。第1ステータコアティース部32−1は、一端がヨーク部31の内周面に連続して形成され、すなわち、ヨーク部31の内周面から突出するように形成されている。複数のステータコアティース部32−1〜32−9のうちの第1ステータコアティース部32−1と異なるステータコアティース部も、第1ステータコアティース部32−1と同様に、概ね柱体状に形成されており、ヨーク部31の内周面から突出している。複数のステータコアティース部32−1〜32−9は、さらに、ヨーク部31の内周面に40度ごとの等間隔に配置されて形成されている。
図4は、実施例1における下インシュレータ25を示す斜視図である。下インシュレータ25は、ポリブチレンテレフタレート樹脂(PBT)に例示される絶縁体によって形成されており、図4に示すように、外周壁部41と、複数のインシュレータティース部42−1〜42−9と、複数の鍔部43−1〜43−9と、を有している。外周壁部41は、概ね円筒形に形成されている。外周壁部41は、複数のスリット44が形成されている。複数のインシュレータティース部42−1〜42−9のうちの第1インシュレータティース部42−1は、断面が概ね半円である直柱体状に形成されている。第1インシュレータティース部42−1は、一端が外周壁部41の内周面に連続して形成され、すなわち、外周壁部41の内周面から突出するように形成されている。複数のインシュレータティース部42−1〜42−9のうちの第1インシュレータティース部42−1と異なるインシュレータティース部も、直柱体状に形成され、第1インシュレータティース部42−1と同様に、外周壁部41の内周面から突出するように形成されている。複数のインシュレータティース部42−1〜42−9は、外周壁部41の内周面に40度ごとの等間隔に配置されて形成されている。
複数の鍔部43−1〜43−9は、複数のインシュレータティース部42−1〜42−9に対応し、それぞれ、概ね半円形の板状に形成されている。複数の鍔部43−1〜43−9のうちの第1インシュレータティース部42−1に対応する第1鍔部43−1は、第1インシュレータティース部42−1の他端に連続して形成されている。複数の鍔部43−1〜43−9のうちの第1鍔部43−1と異なる鍔部も、第1鍔部43−1と同様に、複数のインシュレータティース部42−1〜42−9の他端に連続して形成されている。
上インシュレータ24も、下インシュレータ25と同様に形成されている。すなわち、上インシュレータ24は、絶縁体によって形成されており、外周壁部41と、複数のインシュレータティース部42−1〜42−9と、複数の鍔部43−1〜43−9と、を有している。
図5は、実施例1におけるステータ22を示す下面図である。ステータコア23の複数のステータコアティース部32−1〜32−9は、図5に示すように、複数の巻き線46がそれぞれ巻回されている。各ステータコアティース部32−1〜32−9には、各巻き線46によって巻回部45がそれぞれ形成されている。実施形態における3相モータは、6極9スロットの集中巻型のモータである(図2参照)。複数の巻き線46は、複数のU相巻き線46−U1〜46−U3と、複数のV相巻き線46−V1〜46−V3と、複数のW相巻き線46−W1〜46−W3と、を備えている。
U相巻き線は複数の巻き線を備えている。具体的には、U相巻き線として、第1U相巻き線46−U1と、第2U相巻き線46−U2と、第3U相巻き線46−U3と、を備えている。第1U相巻き線46−U1は、第4ステータコアティース部32−4に巻回されている。第2U相巻き線46−U2は、第7ステータコアティース部32−7に巻回されている。第3U相巻き線46−U3は、第1ステータコアティース部32−1に巻回されている。
V相巻き線は複数の巻き線を備えている。具体的には、V相巻き線として、第1V相巻き線46−V1と、第2V相巻き線46−V2と、第3V相巻き線46−V3と、を備えている。第1V相巻き線46−V1は、第8ステータコアティース部32−8に巻回されている。第2V相巻き線46−V2は、第2ステータコアティース部32−2に巻回されている。第3V相巻き線46−V3は、第5ステータコアティース部32−5に巻回されている。
W相巻き線は複数の巻き線を備えている。具体的には、W相巻き線として、第1W相巻き線46−W1と、第2W相巻き線46−W2と、第3W相巻き線46−W3と、を備えている。第1W相巻き線46−W1は、第6ステータコアティース部32−6に巻回されている。第2W相巻き線46−W2は、第9ステータコアティース部32−9に巻回されている。第3W相巻き線46−W3は、第3ステータコアティース部32−3に巻回されている。
第1ステータコアティース部32−1は、下インシュレータ25の第1インシュレータティース部42−1と、上インシュレータ24の第1インシュレータティース部と、これら各インシュレータ24、25との間に配置される絶縁フィルム(図示せず)と共に第3U相巻き線46−U3が巻回されている。このため、第3U相巻き線46−U3は、上インシュレータ24と下インシュレータ25とにより、第1ステータコアティース部32−1から適切に絶縁され、ステータコア23から適切に絶縁されている。さらに、第3U相巻き線46−U3は、下インシュレータ25の第1鍔部43−1と外周壁部41との間に挟まれるように巻回されており、上インシュレータ24の第1鍔部と外周壁部との間に挟まれるように巻回されている。このため、第3U相巻き線46−U3は、上インシュレータ24及び下インシュレータ25により、第1ステータコアティース部32−1からロータ21の側に外れる、いわゆる巻きこぼれが防止されている。
複数の巻き線46のうちの第3U相巻き線46−U3と異なる他の巻き線に関しても、上インシュレータ24及び下インシュレータ25により、ステータコア23から適切に絶縁され、巻きこぼれが防止されている。
図6は、実施例1における複数の巻き線46を示す展開図である。第1U相巻き線46−U1は、図6に示すように、第4ステータコアティース部32−4に反時計回りに巻回されている。第2U相巻き線46−U2は、第7ステータコアティース部32−7に時計回りに巻回されている。第3U相巻き線46−U3は、第1ステータコアティース部32−1に反時計回りに巻回されている。第1V相巻き線46−V1は、第8ステータコアティース部32−8に反時計回りに巻回されている。第2V相巻き線46−V2は、第2ステータコアティース部32−2に時計回りに巻回されている。第3V相巻き線46−V3は、第5ステータコアティース部32−5に反時計回りに巻回されている。第1W相巻き線46−W1は、第6ステータコアティース部32−6に反時計回りに巻回されている。第2W相巻き線46−W2は、第9ステータコアティース部32−9に時計回りに巻回されている。第3W相巻き線46−W3は、第3ステータコアティース部32−3に反時計回りに巻回されている。
ステータ22は、複数のU相中性線47−U1〜47−U3と、複数のV相中性線47−V1〜47−V3と、複数のW相中性線47−W1〜47−W3と、をさらに備えている。複数のU相中性線47−U1〜47−U3、複数のV相中性線47−V1〜47−V3及び複数のW相中性線47−W1〜47−W3は、複数のステータコアティース部32−1〜32−9よりも下インシュレータ25から遠い上インシュレータ24側に配置されている。なお、上インシュレータ24側には、電源線であるリード側も配置されるので、以下、本明細書では上インシュレータ24側をリード側とも呼ぶ。
第1U相中性線47−U1は、一端が第1U相巻き線46−U1に電気的に接続されている。第1U相中性線47−U1は、その一端が第4ステータコアティース部32−4の第1方向側(図6中の左側)に配置されており、他端が第4ステータコアティース部32−4よりも下インシュレータ25から遠いリード側に配置されている。第2U相中性線47−U2は、一端が第2U相巻き線46−U2に電気的に接続されている。第2U相中性線47−U2は、その一端が第7ステータコアティース部32−7の第1方向側に配置されており、他端が第7ステータコアティース部32−7よりもリード側に配置されている。第3U相中性線47−U3は、一端が第3U相巻き線46−U3に電気的に接続されている。第3U相中性線47−U3は、その一端が第1ステータコアティース部32−1の第1方向側に配置されており、他端が第1ステータコアティース部32−1よりもリード側に配置されている。
複数のV相中性線47−V1〜47−V3は、第1V相中性線47−V1と、第2V相中性線47−V2と、第3V相中性線47−V3と、を備えている。第1V相中性線47−V1は、一端が第1V相巻き線46−V1に電気的に接続されている。第1V相中性線47−V1は、その一端が第5ステータコアティース部32−5の第1方向側に配置されており、他端が第5ステータコアティース部32−5よりもリード側に配置されている。第2V相中性線47−V2は、一端が第2V相巻き線46−V2に電気的に接続されている。第2V相中性線47−V2は、その一端が第2ステータコアティース部32−2の第1方向側に配置されており、他端が第2ステータコアティース部32−2よりもリード側に配置されている。第3V相中性線47−V3は、一端が第3V相巻き線46−V3に電気的に接続されている。第3V相中性線47−V3は、その一端が第5ステータコアティース部32−5の第1方向側に配置されており、他端が第5ステータコアティース部32−5よりもリード側に配置されている。
複数のW相中性線47−W1〜47−W3は、第1W相中性線47−W1と、第2W相中性線47−W2と、第3W相中性線47−W3と、を備えている。第1W相中性線47−W1は、一端が第1W相巻き線46−W1に電気的に接続されている。第1W相中性線47−W1は、その一端が第6ステータコアティース部32−6の第1方向側に配置されており、他端が第6ステータコアティース部32−6よりもリード側に配置されている。第2W相中性線47−W2は、一端が第2W相巻き線46−W2に電気的に接続されている。第2W相中性線47−W2は、その一端が第9ステータコアティース部32−9の第1方向側に配置されており、他端が第9ステータコアティース部32−9よりもリード側に配置されている。第3W相中性線47−W3は、一端が第3W相巻き線46−W3に電気的に接続されている。第3W相中性線47−W3は、その一端が第3ステータコアティース部32−3の第1方向側に配置されており、他端が第3ステータコアティース部32−3よりもリード側に配置されている。
ステータ22は、複数のU相電源線48−U1〜48−U3と、複数のV相電源線48−V1〜48−V3と、複数のW相電源線48−W1〜48−W3と、をさらに備えている。
複数のU相電源線48−U1〜48−U3は、一端が第1ステータコアティース部32−1のリード側に配置され、かつ、その一端が第1ステータコアティース部32−1の第2方向側(図6中の右側)に配置されている。第1U相電源線48−U1の他端は、第1U相巻き線46−U1に電気的に接続されている。第2U相電源線48−U2の他端は、第2U相巻き線46−U2に電気的に接続されている。第3U相電源線48−U3の他端は、第3U相巻き線46−U3に電気的に接続されている。
第1U相電源線48−U1は、さらに、一部が下インシュレータ25の外周壁部41の複数のスリット44を通り、第1U相渡り線部分49−U1を含んでいる。第1U相電源線48−U1の一部である第1U相渡り線部分49−U1は、下インシュレータ25の外周壁部41の外周面に沿うように配置されている。第2U相電源線48−U2は、さらに、一部が下インシュレータ25の外周壁部41の複数のスリット44を通り、第2U相渡り線部分49−U2を含んでいる。第2U相電源線48−U2の一部である第2U相渡り線部分49−U2は、下インシュレータ25の外周壁部41の外周面に沿って配置されている。
複数のV相電源線48−V1〜48−V3は、一端が第5ステータコアティース部32−5のリード側に配置され、かつ、その一端が第5ステータコアティース部32−5の第2方向側に配置されている。第1V相電源線48−V1の他端は、第1V相巻き線46−V1に電気的に接続されている。第2V相電源線48−V2の他端は、第2V相巻き線46−V2に電気的に接続されている。第3V相電源線48−V3の他端は、第3V相巻き線46−V3に電気的に接続されている。
第1V相電源線48−V1は、さらに、一部が下インシュレータ25の外周壁部41の複数のスリット44を通り、第1V相渡り線部分49−V1を含んでいる。第1V相電源線48−V1の一部である第1V相渡り線部分49−V1は、下インシュレータ25の外周壁部41の外周面に沿って配置されている。第2V相電源線48−V2は、さらに、一部が下インシュレータ25の外周壁部41の複数のスリット44を通り、第2V相渡り線部分49−V2を含んでいる。第2V相電源線48−V2の一部である第2V相渡り線部分49−V2は、下インシュレータ25の外周壁部41の外周面に沿って配置されている。
複数のW相電源線48−W1〜48−W3は、一端が第3ステータコアティース部32−3のリード側に配置され、かつ、その一端が第3ステータコアティース部32−3の第2方向側に配置されている。第1W相電源線48−W1の他端は、第1W相巻き線46−W1に電気的に接続されている。第2W相電源線48−W2の他端は、第2W相巻き線46−W2に電気的に接続されている。第3W相電源線48−W3の他端は、第3W相巻き線46−W3に電気的に接続されている。
第1W相電源線48−W1は、さらに、一部が下インシュレータ25の外周壁部41の複数のスリット44を通り、第1W相渡り線部分49−W1を含んでいる。第1W相電源線48−W1の一部である第1W相渡り線部分49−W1は、下インシュレータ25の外周壁部41の外周面に沿って配置されている。第2W相電源線48−W2は、さらに、一部が下インシュレータ25の外周壁部41の複数のスリット44を通り、第2W相渡り線部分49−W2を含んでいる。第2W相電源線48−W2の一部である第2W相渡り線部分49−W2は、下インシュレータ25の外周壁部41の外周面に沿って配置されている。
図7は、実施例1における複数の巻き線46の結線状態を示す結線図である。実施形態における3相モータは、巻き線46が並列接続されたスター結線を有するモータである。ステータ22は、図7に示すように、複数の中性点をさらに備えている。複数の中性点は、複数のステータコアティース部32−1〜32−9のリード側に配置されており、第1中性点51−1、第2中性点51−2及び第3中性点51−3を有している。第1中性点51−1と第2中性点51−2と第3中性点51−3とは、互いに電気的に絶縁されている。
第1U相巻き線46−U1は、一端が第1U相中性線47−U1を介して第1中性点51−1に電気的に接続されており、他端が第1U相電源線48−U1を介してU相電源に電気的に接続されている。第2U相巻き線46−U2は、一端が第2U相中性線47−U2を介して第2中性点51−2に電気的に接続されており、他端が第2U相電源線48−U2を介してU相電源に電気的に接続されている。第3U相巻き線46−U3は、一端が第3U相中性線47−U3を介して第3中性点51−3に電気的に接続されており、他端が第3U相電源線48−U3を介してU相電源に電気的に接続されている。
第1V相巻き線46−V1は、一端が第1V相中性線47−V1を介して第3中性点51−3に電気的に接続されており、他端が第1V相電源線48−V1を介してV相電源に電気的に接続されている。第2V相巻き線46−V2は、一端が第2V相中性線47−V2を介して第1中性点51−1に電気的に接続されており、他端が第2V相電源線48−V2を介してV相電源に電気的に接続されている。第3V相巻き線46−V3は、一端が第3V相中性線47−V3を介して第2中性点51−2に電気的に接続されており、他端が第3V相電源線48−V3を介してV相電源に電気的に接続されている。
第1W相巻き線46−W1は、一端が第1W相中性線47−W1を介して第2中性点51−2に電気的に接続されており、他端が第1W相電源線48−W1を介してW相電源に電気的に接続されている。第2W相巻き線46−W2は、一端が第2W相中性線47−W2を介して第3中性点51−3に電気的に接続されており、他端が第2W相電源線48−W2を介してW相電源に電気的に接続されている。第3W相巻き線46−W3は、一端が第3W相中性線47−W3を介して第1中性点51−1に電気的に接続されており、他端が第3W相電源線48−W3を介してW相電源に電気的に接続されている。
[ステータの製造方法]
ステータ22は、巻線機を用いて、上インシュレータ24及び下インシュレータ25が適切に取り付けられたステータコア23に、U相電線、V相電線及びW相電線が適切に配置されることにより、製作される。電線は、例えば、エナメル線(銅線をエナメルの被膜で被覆した電線)である。巻線機は、例えば、U相電線用ノズルと、V相電線用ノズルと、W相電線用ノズルと、を備えている。U相電線用ノズル、V相電線用ノズル及びW相電線用ノズルは、互いに固定されている。U相電線用ノズルは、適切に移動することにより、U相電線をステータコア23に対して所定の位置に配置させることができる。V相電線用ノズルは、適切に移動することにより、V相電線をステータコア23に対して所定の位置に配置させることができる。W相電線用ノズルは、適切に移動することにより、W相電線をステータコア23に対して所定の位置に配置させることができる。なお、巻線機は、本実施例1の構成に限られず、1本のノズルのみを備えるものが用いられてもよい。
巻線機には、まず、上インシュレータ24及び下インシュレータ25と、図示しない絶縁フィルムが適切に取り付けられたステータコア23がセットされる。巻線機は、U相電線用ノズルを適切に移動させることで、U相電線の一端を第1ステータコアティース部32−1のリード側に配置させ、U相電線を第1ステータコアティース部32−1の第2方向側に沿わせ、複数のスリット44の1つに通す。次いで、巻線機は、U相電線用ノズルを適切に移動させてU相電線を下インシュレータ25の外周壁部41の外周面に沿わせることにより、U相電線から第1U相渡り線部分49−U1を形成する。巻線機は、さらに、U相電線用ノズルを適切に移動させてU相電線を複数のスリット44の1つから第4ステータコアティース部32−4までの間に配置することにより、U相電線から第1U相電源線48−U1を形成する。このとき、巻線機は、V相電線用ノズルとW相電線用ノズルとをU相電線用ノズルと同期して移動させることにより、V相電線から第1V相電源線48−V1を形成し、W相電線から第1W相電源線48−W1を形成する。
次いで、巻線機は、U相電線用ノズルを適切に移動させてU相電線を第4ステータコアティース部32−4に反時計回りに巻回することにより、U相電線から第1U相巻き線46−U1を形成する。このとき、巻線機は、V相電線用ノズルをU相電線用ノズルと同期して移動させることにより、V相電線を第8ステータコアティース部32−8に反時計回りに巻回し、V相電線から第1V相巻き線46−V1を形成する。巻線機は、W相電線用ノズルをU相電線用ノズルと同期して移動させることにより、W相電線を第6ステータコアティース部32−6に反時計回りに巻回し、W相電線から第1W相巻き線46−W1を形成する。
次いで、巻線機は、U相電線用ノズルを適切に移動させてU相電線を第4ステータコアティース部32−4の第1方向側から第4ステータコアティース部32−4のリード側までの間に配置することにより、U相電線から第1U相中性線47−U1を形成する。このとき、巻線機は、V相電線用ノズルとW相電線用ノズルとをU相電線用ノズルと同期して移動させることにより、V相電線から第1V相中性線47−V1を形成し、W相電線から第1W相中性線47−W1を形成する。
次いで、巻線機は、U相電線用ノズルを適切に移動させてU相電線を第7ステータコアティース部32−7のリード側から第7ステータコアティース部32−7の第1方向側までの間に配置することにより、U相電線から第2U相中性線47−U2を形成する。このとき、巻線機は、V相電線用ノズルとW相電線用ノズルとをU相電線用ノズルと同期して移動させることにより、V相電線から第2V相中性線47−V2を形成し、W相電線から第2W相中性線47−W2を形成する。
次いで、巻線機は、U相電線用ノズルを適切に移動させてU相電線を第7ステータコアティース部32−7に時計回りに巻回することにより、U相電線から第2U相巻き線46−U2を形成する。このとき、巻線機は、V相電線用ノズルをU相電線用ノズルと同期して移動させることにより、V相電線を第2ステータコアティース部32−2に時計回りに巻回し、V相電線から第2V相巻き線46−V2を形成する。巻線機は、W相電線用ノズルをU相電線用ノズルと同期して移動させることにより、W相電線を第9ステータコアティース部32−9に時計回りに巻回し、W相電線から第2W相巻き線46−W2を形成する。
次いで、巻線機は、U相電線用ノズルを適切に移動させてU相電線を複数のスリット44の1つに通して外周壁部41の外周面に沿わせることにより、U相電線から第2U相渡り線部分49−U2を形成する。巻線機は、さらに、U相電線用ノズルを適切に移動させてU相電線を複数のスリット44の1つを通して第1ステータコアティース部32−1のリード側に配置することにより、U相電線から第2U相電源線48−U2を形成する。このとき、巻線機は、V相電線用ノズルとW相電線用ノズルとをU相電線用ノズルと同期して移動させることにより、V相電線から第2V相電源線48−V2を形成し、W相電線から第2W相電源線48−W2を形成する。
次いで、巻線機は、U相電線用ノズルを適切に移動させてU相電線を第1ステータコアティース部32−1のリード側から第1ステータコアティース部32−1の第2方向側までの間に配置することにより、U相電線から第3U相電源線48−U3を形成する。このとき、巻線機は、V相電線用ノズルとW相電線用ノズルとをU相電線用ノズルと同期して移動させることにより、V相電線から第3V相電源線48−V3を形成し、W相電線から第3W相電源線48−W3を形成する。また、複数のU相電源線48−U1〜48−U3が一束にまとめられた一端に第1接続端子50−1が接続され、複数のV相電源線48−V1〜48−V3が一束にまとめられた一端に第2接続端子50−2が接続され、複数のW相電源線48−W1〜48−W3が一束にまとめられた一端に第3接続端子50−3が接続される(図2参照)。
次いで、巻線機は、U相電線用ノズルを適切に移動させてU相電線を第1ステータコアティース部32−1に反時計回りに巻回することにより、U相電線から第3U相巻き線46−U3を形成する。このとき、巻線機は、V相電線用ノズルをU相電線用ノズルと同期して移動させることにより、V相電線を第5ステータコアティース部32−5に反時計回りに巻回し、V相電線から第3V相巻き線46−V3を形成する。巻線機は、W相電線用ノズルをU相電線用ノズルと同期して移動させることにより、W相電線を第3ステータコアティース部32−3に反時計回りに巻回し、W相電線から第3W相巻き線46−W3を形成する。
次いで、巻線機は、U相電線用ノズルを適切に移動させてU相電線を第1ステータコアティース部32−1の第1方向側から第1ステータコアティース部32−1のリード側までの間に配置することにより、U相電線から第3U相中性線47−U3を形成する。このとき、巻線機は、V相電線用ノズルとW相電線用ノズルとをU相電線用ノズルと同期して移動させることにより、V相電線から第3V相中性線47−V3を形成し、W相電線から第3W相中性線47−W3を形成する。
上述のように巻回することにより、第3U相巻き線46−U3は、図6及び図7に示すように、巻き始め部分と巻き終わり部分が共にリード側に配置される。一方、第1U相巻き線46−U1と第2U相巻き線46−U2は、反リード側から巻き始められてリード側で巻き終わるようになる。したがって、第3U相巻き線46−U3が巻回される巻き数は、第1U相巻き線46−U1が巻回される巻き数と異なり、第2U相巻き線46−U2が巻回される巻き数と異なっている。また、第1U相巻き線46−U1と第2U相巻き線46−U2は、U相電源と接続されるU相電源線が引き回される長さが異なる。言い換えれば、第1U相巻き線46−U1〜第3U相巻き線46−U3は、巻き線の巻き数や電源線の長さを含めた巻き方が異なる。このため、中性点51−1からU相電源線までの電線の長さは、第1U相巻き線46−U1、第2U相巻き線46−U2、第3U相巻き線46−U3のそれぞれにおいて異なり、インピーダンスも異なっている。
第1U相中性線47−U1と第2U相中性線47−U2とが切り離され、第1V相中性線47−V1と第2V相中性線47−V2とが切り離され、第1W相中性線47−W1と第2W相中性線47−W2とが切り離される。第1U相中性線47−U1の端と第2V相中性線47−V2の端と第3W相中性線47−W3の端とが、電線の被膜を剥離せずに複数の巻き線を電気的に接続できる接続具(以下、接続具という)により電気的に接続される。
接続部材としては、例えば、図8に示すような第1スプライス端子52−1が用いられている。図8は、実施例1における第1スプライス端子52−1と電線の接続前の状態を示す斜視図である。本実施例1では、第1U相中性線47−U1の端と第2V相中性線47−V2の端と第3W相中性線47−W3の端とが第1スプライス端子52−1を介して互いに圧着により接合されて互いに電気的に接続されることで、第1中性点51−1が形成される。図8に示すように、3本の電線(中性線)は互いに接する状態で安定して束ねられる。接続部材としての第1スプライス端子52−1は、束ねられた電線を包むようにして3本の電線を互いに圧着により接合して互いに電気的に接続することができる。第1スプライス端子52−1によって電線群が圧着されることで、第1スプライス端子52−1の凹凸部によって各電線の被覆膜が剥離されて、3本の電線が接合されている。なお、接続部材で束ねる電線の本数は3本には限られない。すなわち、電線を互いに圧着により接合されて互いに電気的に接続することができる限り、束ねる本数は限定されない。実施例1は、例えば、6本の電線を束ねた接続部材と、3本の電線を束ねた接続部材との2組の接続部材を有するように構成されてもよい。
同様に、第2U相中性線47−U2の端と第3V相中性線47−V3の端と第1W相中性線47−W1の端とが第2スプライス端子52−2を介して互いに圧着により接合されて互いに電気的に接続されることで、第2中性点51−2が形成される。第3U相中性線47−U3の端と第1V相中性線47−V1の端と第2W相中性線47−W2の端とが第3スプライス端子52−3により互いに圧着により接合されて互いに電気的に接続されることで、第3中性点51−3が形成される。これにより、第1中性点51−1、第2中性点51−2及び第3中性点51−3を容易に形成することができる。
[圧縮機の動作]
圧縮機1は、図示しない冷凍サイクル装置の構成要素として設けられており、冷媒を圧縮して、冷凍サイクル装置の冷媒回路に冷媒を循環させるために使用される。3相モータ6は、複数のU相電源線48−U1〜48−U3、複数のV相電源線48−V1〜48−V3及び複数のW相電源線48−W1〜48−W3に三相電圧がそれぞれ印加されることにより、回転磁界を発生させる。ロータ21は、ステータ22により生成された回転磁界によって回転する。3相モータ6は、ロータ21が回転することにより、シャフト3を回転させる。
圧縮部5は、シャフト3が回転することで、吸入管11を介して低圧冷媒ガスを吸入し、その吸入された低圧冷媒ガスを圧縮することにより高圧冷媒ガスを生成し、高圧冷媒ガスを上マフラー室16と下マフラー室17とに供給する。下マフラーカバー15は、下マフラー室17に供給された高圧冷媒ガスの圧力の脈動を低減し、圧力脈動が低減された高圧冷媒ガスを上マフラー室16に供給する。上マフラーカバー14は、上マフラー室16に供給された高圧冷媒ガスの圧力の脈動を低減し、圧力脈動が低減された高圧冷媒ガスを内部空間7のうちの圧縮部5と3相モータ6との間の空間に圧縮冷媒吐出孔18を介して供給する。
内部空間7のうちの圧縮部5と3相モータ6との間の空間に供給された高圧冷媒ガスは、3相モータ6に形成されている隙間を通過することにより、内部空間7のうちの3相モータ6より上の空間に供給される。内部空間7のうちの3相モータ6より上の空間に供給された冷媒は、吐出管12を介して、冷凍サイクル装置のうちの圧縮機1の下流側に配置された装置に吐出される。
[圧縮機の特徴的な構成]
次に、実施例1における3相モータ6の特徴的な構成について説明する。上述したように、3本のU相中性線47−U1〜47−U3、3本のV相中性線47−V1〜47−V3、及び3本のW相中性線47−W1〜47−W3(以下、中性線47とも称する。)は、各中性点51−1〜51−3(中性点51とも称する。)でそれぞれ結線されている。本実施例1の特徴としては、ステータ22に対する9本の中性線47の取付け構造が含まれる。
9本の中性線47は、各中性点51よりも巻回部45側の位置でステータ22に固定された3つの第1固定部56と、各第1固定部56から各中性点51までの間にわたって3つの中性点51の各々で接続された3組の中性線47が一束にまとめられた第2固定部57と、を有する。第2固定部57によって一束にまとめられた中性線47の各中性点51側は、絶縁部材としての絶縁チューブ58で第2固定部57が覆われており、ステータ22の周方向(ロータ21の回転方向)に隣り合う巻回部45の1つの隙間Gに挿入されている(図2参照)。
このように第2固定部57が隙間Gに挿入されることで、中性線47がステータ22に保持されるので、3相モータ6の使用時の振動に伴う中性線47の移動が抑えられる。また、第2固定部57が1つの隙間Gに挿入されることで、3組の中性線47が複数の隙間Gに個別に挿入される構造と比べて、隙間Gの開口面積の減少が抑えられる。ここで、隙間Gの開口面積とは、3相モータ6が回転させるシャフト3の軸方向に直交する断面上における面積を指す。
圧縮部5が冷媒を吐出した際、冷凍機油を含んだ冷媒が隙間Gを通過し、圧縮機1の容器2の上部空間に到達する。容器2の上部空間内において、冷凍機油を含んだ冷媒は、ガス冷媒と冷凍機油との密度差によって、冷凍機油がガス冷媒から分離され、ガス冷媒が吐出管12を通って圧縮機1の外部へ排出されると共に、冷凍機油が容器2の内壁に沿って流れて油溜め8に戻る。上述のように隙間Gの開口面積の減少が抑えられることで、隙間Gを通過する冷媒の流動抵抗が大きくなることが抑えられると共に、隙間Gを通過する冷媒の流速の上昇が抑えられるので、容器2の上部空間内でのガス冷媒と冷凍機油との分離が適正に行われて、圧縮機1から、冷凍機油を含んだ冷媒が排出されることが抑えられる。このため、圧縮機1から外部へ冷凍機油が排出される吐油量が抑えられる。
[ステータの製造工程の要部]
3相モータ6のステータ22の製造工程の要部について説明する。図9は、実施例1におけるステータ22の製造工程を説明するためのフローチャートである。図9に示すように、上述のようにステータ22の巻き線加工を行うことによって(ステップS1)、各巻き線46を形成し、各電線用ノズル側から供給された各電線を切断することによって(ステップS2)、各巻き線46の一端(中性線47)を各電線用ノズル側から切り離す。
続いて、各巻き線46の各中性線47のうち、U相、V相、W相の中性線47を各1本ずつで1組として、3本の中性線47を上インシュレータ24の外周面に沿って引き回し、上インシュレータ24の周方向の一カ所で、3本の中性線47を互いに固定する(本実施例1では3本の中性線47が一本に束ねられたとき、各中性線47の根元にあたる部分が捩られた状態となることで、3本の中性線47が互いに固定される)ことによって(ステップS3)、3本の中性線47がステータ22に固定された第1固定部56を形成する。ステップS3では、9つの巻回部45からそれぞれ延ばされた9本の中性線47に関して、3本の中性線47を1組として第1固定部56を形成することで、3組の中性線47の各々が、3つの各第1固定部56でそれぞれ固定されている。第1固定部56の形成工程の詳細については後述する。
次に、各第1固定部56から延ばされた3組の中性線47を所定の長さで切断することによって(ステップS4)、3組の中性線47の、第1固定部56からの長さを揃える。続いて、3組の中性線47の各々を、各スプライス端子52(52−1〜52−3)を介して圧着により接合することによって(ステップS5)、3つの各中性点51を形成する。続いて、3組の中性線47を束ねて、3組の中性線47をまとめて固定する(本実施例1では3組の中性線47が一本に束ねられた状態で縒り合せる)ことによって(ステップS6)、3組の中性線47が一束にまとめられた第2固定部57を形成する。第2固定部57の形成工程の詳細については後述する。
次に、一束にまとめられた中性線47を、絶縁チューブ58内へ挿入することによって(ステップS7)、各巻回部45から引き延ばされた中性線47全体の絶縁性が確保される。最後に、絶縁チューブ58で覆われた中性線47の各スプライス端子52(各中性点51)側を、隣り合う巻回部45の隙間Gへ収納する(ステップS8)。
[第1の固定部の形成工程]
図10Aは、実施例1において、9本の中性線47が引き出された状態を示す平面図である。図10Bは、実施例1において、9本の中性線47のうちの3本の中性線47によって第1固定部56を形成する状態を示す平面図である。図10Cは、実施例1において、残りの6本の中性線47のうちの3本の中性線47によって第1固定部56を形成する状態を示す平面図である。図10Dは、実施例1において、残りの3本の中性線47によって第1固定部56を形成する状態を示す平面図である。図10A〜図10Dは、上インシュレータ24側から見たステータ22の上面図であり、9つのスロットである各巻回部45に、反時計回りの順に1〜9の番号を付けている。
図10Aに示すように、3本のU相中性線47−U1〜47−U3、3本のV相中性線47−V1〜47−V3、及び3本のW相中性線47−W1〜47−W3である9本の中性線47が、ステータ22の各巻回部45からそれぞれ引き出される。まず、図10A及び図10Bに示すように、9本の中性線47のうち、図中の2番、3番、4番の各巻回部45から引き出されたV相中性線47−V2、W相中性線47−W3及びU相中性線47−U1を上インシュレータ24の外周面に沿って延ばして、例えば、7番の巻回部45の近傍で互いに捩ることによって、3本の中性線47をまとめた状態でその根元が互いに固定された第1固定部56が形成される。このとき、3本の中性線47のうち、V相中性線47−V2が時計回りに延ばされ、W相中性線47−W3及びU相中性線47−U1が反時計回りに延ばされて、3本の中性線47が互いに縒り合せられる。
すなわち、第1固定部56では、上インシュレータ24の周方向における一方側へ向かって延ばされた中性線47と、上インシュレータ24の周方向における他方側へ向かって延ばされた中性線47とが互いに捩られて固定されている。3本の中性線47を捩る量は、例えば3回転程度が好ましく、3本の中性線47が、上インシュレータ24の周方向に対して一時的に固定(仮固定)される程度とすることで固定作業が簡単に行われる。3本の中性線47を上述のように引き回すことにより、インシュレータ24の周方向における一方側と他方側へそれぞれ延ばした中性線47が、インシュレータ24を挟んで互いに引っ張り合うように形成されるため、巻回部45から第1固定部56まで延ばされる中性線47にテンションがかかり、インシュレータ24に対して固定される。なお、3本の中性線47のうち、時計回りに延ばされる中性線47と、反時計回りに延ばされる中性線47は、上述の組み合せに限定されるものではなく、例えば、上インシュレータ24の周方向において第1固定部56を形成する位置に応じて適宜変更されてもよい。
続いて、上述の第1固定部56と同様に、図10B及び図10Cに示すように、残る6本の中性線47のうち、図中の5番、6番、7番の各巻回部45から引き出されたV相中性線47−V3、W相中性線47−W1及びU相中性線47−U2を上インシュレータ24の外周面に沿って延ばして、7番の巻回部45の近傍で互いに捩ることによって、3本の中性線47が固定された第1固定部56が形成される。このとき、3本の中性線47のうち、V相中性線47−V3が時計回りに延ばされ、W相中性線47−W1及びU相中性線47−U2が反時計回りに延ばされて、3本の中性線47が互いに捩られている。
続いて、上述の第1固定部56と同様に、図10C及び図10Dに示すように、残る3本の中性線47のうち、図中の8番、9番、1番の各巻回部45から引き出されたV相中性線47−V1、W相中性線47−W2及びU相中性線47−U3を上インシュレータ24の外周面に沿って延ばして、7番の巻回部45の近傍で互いに捩ることによって、3本の中性線47が固定された第1固定部56が形成される。このとき、3本の中性線47のうち、V相中性線47−V1及びW相中性線47−W2が時計回りに延ばされ、U相中性線47−U3が反時計回りに延ばされて、3本の中性線47が互いに捩られている。
図10Dに示すように、9本の中性線47は、3本の中性線47を1組として、3組の中性線47が、3つの各第1固定部56から引き出される。3つの第1固定部56は、ステータ22の周方向において互いに近接して配置されており、後述する3組の中性線47の縒り合せ作業を容易に行うことができる。なお、上述のように3本の中性線47を1組として引き回す構成に限定されず、3相モータ6の構造に応じて、少なくとも2本の中性線47が互いに逆向き(時計回りと反時計回り)に引き回されればよい。
ステータ22は、第1固定部56を有することにより、9本の中性線47を上インシュレータ24に固定することができるので、例えば、組み立て作業時に、インシュレータ24の外周面に沿って延ばした中性線47の移動を抑えることできる。加えて、ステータ22は、第1固定部56を有することにより、中性点51で結線される3本の中性線47の根元が固定されるので、3本の中性線47を1組として中性点51で結線する作業を容易に行うことが可能になる。
[第2の固定部の形成工程]
図11Aは、実施例1において、3組の中性線47の長さを揃えた状態を示す側面図である。図11Bは、実施例1において、3組の中性線47の各々を圧着により接合した状態を示す側面図である。図11Aに示すように、3つの各第1固定部56から引き延ばされた3組の中性線47は、一端を切断することによって、第1固定部56からの長さが揃えられる。第1固定部56を形成することで、中性線47の長さを容易に揃えることができる。続いて、図11Bに示すように、3組の中性線47ごとに、スプライス端子52を介して圧着により接合する。第1固定部56で3本の中性線47が一組にまとめられているので、スプライス端子52を介してU相、V相、W相の各中性線47を接合する際に、互いに結線する相を誤って接合することが防止でき、組み立ての作業性が高められる。
図11Cは、実施例1において、3組の中性線47を一束にまとめた状態を示す側面図である。図11Dは、実施例1において、一束にまとめられた中性線47が絶縁チューブ58で覆われた状態を示す側面図である。図11Cに示すように、3組の中性線47を縒り合せることによって、一束にまとめられた第2固定部57が形成される。第2固定部57が形成されることで、上インシュレータ24の外周壁部41に沿って引き回された中性線47に作用するテンションが更に高められ、圧縮機1の運転時のステータ22の振動による中性線47の移動が抑えられる。
なお、本実施例1では、3組の中性線47を一束にまとめて、スプライス端子52(中性点51)までの間にわたって縒り合せられて第2固定部57が形成されるが、この構造に限定されるものではなく、一束にまとめられた3組の中性線47の一部のみが捩じられて第2固定部57が形成されてもよい。
続いて、図11Dに示すように、3組の中性線47がまとめられた第2固定部57及びスプライス端子52が絶縁チューブ58によって覆われることにより、第1固定部56から中性点51にわたって絶縁される。第2固定部57で3組の中性線47が一束にまとめられることにより、3組の中性線47を個別に絶縁することなく、1つの絶縁チューブ58で一括して絶縁することが可能になり、製造コストの増加が抑えられる。絶縁チューブ58で覆われた第2固定部57は、図2に示すように、上インシュレータ24の外周側から、切り欠きとしてのスリット44を通って、隣り合う巻回部45の間の隙間Gに挿入されている。
第2固定部57は、巻回部45の間の隙間Gに対して、ステータ22の径方向における外周側に挿入されて配置されており、ロータ21との干渉が抑えられている。また、第2固定部57は、ステータ22の中心軸方向、すなわち圧縮機1における鉛直方向に沿って挿入されている。絶縁チューブ58の中性点51側は、扁平な帯状に形成されており、扁平状の絶縁チューブ58が、ステータ22の中心軸方向に沿って挿入されることにより、隙間Gを通る冷媒や冷凍機油の流動抵抗となることが抑えられている。これにより、隙間Gを通過する冷凍機油の流速が高くなることが抑えられるので、圧縮機1の外部へ冷凍機油が排出される吐油量を抑えることが可能になる。
実施例1では、3組の中性線47が一束にまとめられた第2固定部57が隙間Gに挿入されて保持されたが、実施例1の構造に限定されるものではない。以下、実施例2について図面を参照して説明する。実施例2において、実施例1と同一の構成部材には、実施例1と同一の符号を付して説明を省略する。実施例2は、絶縁チューブ58−1、58−2、58−3でそれぞれ覆われた3組の中性線47を1つの隙間Gに挿入する点で、実施例1と異なっている。
図12は、実施例2における3相モータを上インシュレータ24側から示す平面図である。図12に示すように、実施例2は、3組の中性線47の全てが、互いに固定されずに独立した状態で、巻回部45同士の1つの隙間Gにそれぞれ挿入されている。言い換えると、実施例2は、3組の中性線47が互いに固定された第2固定部57を備えていない。3組の中性線47は、絶縁チューブ58−1、58−2、58−3によって各中性点51がそれぞれ覆われており、隙間G内において3つの絶縁チューブ58−1、58−2、58−3が互いに近づけて配置されている。3つの絶縁チューブの配置が限定されるものではなく、例えば、隙間G内においてステータ22の径方向に沿って配置されてもよい。
[吐油量の比率]
上述した実施例1、2について、圧縮機1から外部へ排出される冷凍機油の吐油量を、参考例と比較して説明する。図13は、参考例における3相モータ6を上インシュレータ24側から示す平面図である。参考例において、実施例1と同一の構成部材には、実施例1と同一の符号を付して説明を省略する。図14は、冷凍機油の吐油量について、実施例1、2の圧縮機と、参考例の圧縮機とを比較して示すグラフである。図14において、縦軸は、参考例における吐油量を100[%]としたときの吐油量の比率[%]を示す。
図13に示すように、参考例は、3組の中性線47の各々の絶縁チューブ58−1、58−2、58−3は、3つの隙間Gのそれぞれに挿入されており、3つの中性点51が、ステータ22の周方向において不均等に配置されている。3組の中性線47は、絶縁材によって各中性点51がそれぞれ覆われている。各隙間G内において、各中性点51は、巻回部45同士が対向する側面の間に挟まれて保持されている。
図14に示すように、圧縮機1から外部へ排出される冷凍機油の吐油量について、3組の中性線47が3つの隙間Gに不均等に配置された参考例を基準としたとき、実施例1、2では共に、67[%]程度まで減少した。すなわち、実施例1、2のように、3組の中性線47を1つの隙間Gに挿入することで、隙間Gを塞ぐ箇所が少なくなるので、隙間Gの開口面積の減少を抑えることができる。したがって、隙間Gを通過する冷媒の流動抵抗が大きくなることが抑えられると共に、隙間Gを通過する冷媒の流速の上昇を抑えることができる。これにより、冷凍機油の吐油量を減少させて、ステータ22における複数の隙間Gを通過する冷媒の流速が上昇することを抑えることができる。
上述のように本実施例1,2における3相モータ6の巻き線46において、複数の中性線47は、絶縁チューブ58−1、58−2、58−3で覆われる。複数の中性点51の各々で接続された複数組の中性線47の全ては、複数の巻回部45のうち、隣り合う巻回部45と巻回部45の間の1つの隙間Gに挿入されている。これにより、隙間Gに挿入された複数組の中性線47が、ステータ22に保持されるので、3相モータ6の使用時に発生する振動に伴う中性線47の移動が抑えられ、中性線47の取付け状態の安定性を高めることができる。また、複数組の中性線47の全てが1つの隙間Gにそれぞれ挿入されることにより、複数組の中性線47が複数の隙間Gに個別に挿入される構造と比べて、隙間Gを塞ぐ箇所が少なくなるので、隙間Gの開口面積の減少を抑えることができる。したがって、隙間Gを通過する冷媒の流動抵抗が大きくなることが抑えられると共に、隙間Gを通過する冷媒の流速の上昇を抑えることができる。このように隙間Gを通過する冷媒の流速の上昇を抑えることにより、圧縮機1の容器2の上部空間内でのガス冷媒と冷凍機油との分離を適正に行うことが可能となり、圧縮機1から外部へ排出される冷凍機油の吐油量を抑えることができる。したがって、圧縮機1は、冷凍機油によって圧縮部5を適正にシールし、かつ潤滑することが可能になり、圧縮部5の動作信頼性を高めることができる。加えて、複数の中性線47が第1固定部56で互いに固定されることにより、3相モータ6の使用時の振動に伴う中性線47の移動が抑えられ、中性線47の取付け状態の安定性を高めることができる。
また、実施例1における複数の中性線47は、複数の第1固定部56から複数の中性点51までの間で、複数の中性線47が互いに固定された第2固定部57を有し、第2固定部57が、1つの隙間Gに挿入されている。これにより、複数組の中性線47が隙間G内で移動することが抑えられ、隙間G内における複数組の中性線47の挿入状態の安定性を高めることができる。加えて、例えば、9本の中性線47を半田付けで接合する場合と比べて、中性点51で結線される3本の中性線47を一組として第1固定部56で互いに固定されると共に、3組の中性線47が第2固定部67で互いに固定されることにより、9本の中性線47を容易に取り扱い、所定の組み合せで結線される3本の中性線47の組み合せの間違えを防ぐことが可能になる。このため、3相モータ6の組み立ての作業性を高め、組立作業の効率を高めることができる。
また、実施例1における3相モータ6の第2固定部57は、複数の中性点51の各々で接続された複数組の中性線47が一束に縒り合せられている。これにより、第1固定部56で固定された3組の中性線47を縒り合せることで、第1固定部56によって各組の中性線47が規制された状態で縒り合せることができる。このため、例えば、第1固定部56で固定されていない9本の中性線47を束ねて縒り合せる場合と比べて、9本の中性線47の縒り合せ作業が容易になり、9本の中性線47が一束にまとめられた第2固定部57を容易に形成することができる。
また、実施例1における3相モータ6の第2固定部57は、絶縁チューブ58で覆われる。これにより、複数組の中性線47を個別に絶縁する構造と比べて、複数組の中性線47を一括して絶縁することが可能になる。また、第2固定部57が絶縁チューブ58で覆われることにより、各組の中性線47を個別に絶縁する場合と比べて絶縁状態のバラツキを抑え、3相モータ6の製造コストの増加を抑えることができる。
また、実施例1における3相モータ6の第2固定部57は、ステータ22の径方向における隙間Gの外周側に挿入されている。これにより、隙間Gに挿入された第2固定部57とロータ21との干渉を避けることができる。
また、実施例1における3相モータ6の第2固定部57は、上インシュレータ24の外周側からスリット44を通って、隣り合う巻回部45の間の隙間Gに挿入されている。これにより、第1固定部56から引き回された第2固定部57がスリット44に支持されるので、第2固定部57が上インシュレータ24に対して移動することが抑えられ、隙間Gに挿入された第2固定部57の取付け状態の安定性を更に高めることができる。
また、実施例1、2における3相モータ6の複数の第1固定部56は、ステータ22の周方向に沿って延ばされた中性線47同士が捩られることで、複数の中性線47が互いに固定されている。これにより、複数の中性線47をステータ22に容易に固定することができる。
また、実施例1、2における3相モータ6の複数の第1固定部56は、ステータ22の周方向において互いに近接して配置されている。これにより、第1固定部56から延ばされた複数組の中性線47を縒り合せ易くなるので、第2固定部57を容易に形成することができる。また、第1固定部56から中性点51までの複数組の中性線47の長さを容易に揃えて切断することが可能になる。
また、実施例1、2における3相モータ6の複数の第1固定部56では、上インシュレータ24の周方向における一方側へ向かって延ばされた中性線47と、上インシュレータ24の周方向における他方側へ向かって延ばされた中性線47とが互いに捩られて固定されている。これにより、中性線47を上インシュレータ24に容易に固定することができる。
なお、本実施例は、ロータリ圧縮機に適用されたが、ロータリ圧縮機に限定されず、スクロール圧縮機に適用されてもよい。また、本実施例では、第1固定部56は複数の中性線47が捩じられて形成され、第2固定部57は複数組の中性線47が捩じられて形成されているが、これに限定されず、第1固定部56と第2固定部57は結束具などの固定部材により形成されてもよい。また、巻き線46の巻回手順は本実施例に限定されず、例えば、1本ずつの巻き線がティース毎に巻回されるように行ってもよい。
1 圧縮機
3 シャフト(回転軸)
5 圧縮部
6 3相モータ
21 ロータ
22 ステータ
24 上インシュレータ(インシュレータ)
32−1 第1ステータコアティース部(ティース)
32−2 第2ステータコアティース部(ティース)
32−3 第3ステータコアティース部(ティース)
32−4 第4ステータコアティース部(ティース)
32−5 第5ステータコアティース部(ティース)
41 外周壁部
44 スリット(切り欠き)
45 巻回部
46(46−U1〜46−U3) 複数のU相巻き線
46(46−V1〜46−V3) 複数のV相巻き線
46(46−W1〜46−W3) 複数のW相巻き線
47(47−U1〜47−U3) 複数のU相中性線
47(47−V1〜47−V3) 複数のV相中性線
47(47−W1〜47−W3) 複数のW相中性線
48−U1〜48−U3 複数のU相電源線
48−V1〜48−V3 複数のV相電源線
48−W1〜48−W3 複数のW相電源線
49−U1 第1U相渡り線部分
49−U2 第2U相渡り線部分
49−V1 第1V相渡り線部分
49−V2 第2V相渡り線部分
49−W1 第1W相渡り線部分
49−W2 第2W相渡り線部分
51(51−1〜51−3) 中性点
56 第1固定部
57 第2固定部
52(52−1) 第1スプライス端子(接続部材)
52(52−2) 第2スプライス端子(接続部材)
52(52−3) 第3スプライス端子(接続部材)
58 絶縁チューブ(絶縁部材)
G 隙間

Claims (9)

  1. ロータと、前記ロータを回転させる磁界を生成するステータと、を有するモータと、
    前記ロータが回転軸を回転させすることで冷媒を圧縮する圧縮部と、を備え、
    前記ステータは、
    複数のティースと、
    前記複数のティースの各々に巻回された巻回部と、前記巻回部の一端側に設けられた中性線と、前記巻回部の他端側に設けられた電源線と、を有する複数の巻き線と、
    複数の前記中性線が接続部材を介して電気的に接続された複数の中性点と、を有し、
    前記複数の中性点の各々で接続された複数組の中性線の全ては、複数の前記巻回部のうち、隣り合う前記巻回部と前記巻回部の間の1つの隙間に挿入されている、圧縮機。
  2. 前記複数の中性線は、前記複数の中性点よりも前記巻回部側の位置で互いに固定された複数の第1固定部を有し、前記複数の第1固定部から前記複数の中性点までの間で、前記複数の中性線が互いに固定された第2固定部を有し、
    前記第2固定部は、前記1つの隙間に挿入されている、
    請求項1に記載の圧縮機。
  3. 前記第2固定部は、前記複数の中性点の各々で接続された複数組の中性線が一束に縒り合せられている、
    請求項2に記載の圧縮機。
  4. 前記第2固定部は、絶縁部材で覆われている、
    請求項2または3に記載の圧縮機。
  5. 前記ステータの両端に固定されるインシュレータを更に備え、
    前記インシュレータは、前記インシュレータの外周側と前記巻回部とを連通させる切り欠きを有し、
    前記第2固定部は、前記インシュレータの外周側から前記切り欠きを通って、隣り合う前記巻回部の間の隙間に挿入されている、
    請求項2ないし4のいずれか1項に記載の圧縮機。
  6. 前記複数の第1固定部は、前記ステータの周方向に沿って延ばされた前記中性線同士が捩られることで、前記複数の中性線が互いに固定されている、
    請求項1ないし5のいずれか1項に記載の圧縮機。
  7. 前記複数の第1固定部は、前記ステータの周方向において互いに近接して配置されている、
    請求項1ないし6のいずれか1項に記載の圧縮機。
  8. 前記モータは、3相モータであり、
    前記複数の中性線は、3本の中性線ごとに前記接続部材を介して圧着により接合されている、
    請求項1ないし7のいずれか1項に記載の圧縮機。
  9. 前記ステータの両端に固定されるインシュレータを更に備え、
    前記複数の第1固定部では、前記インシュレータの周方向における一方側へ向かって延ばされた中性線と、前記周方向における他方側へ向かって延ばされた中性線とが互いに捩られて固定されている、
    請求項1ないし8のいずれか1項に記載の圧縮機。
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