JP2020072383A - マイクロストリップアンテナおよびアレーアンテナ - Google Patents

マイクロストリップアンテナおよびアレーアンテナ Download PDF

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Abstract

【課題】位相を変化させることができるマイクロストリップアンテナを実現すること。【解決手段】マイクロストリップアンテナは、誘電体からなる基板と、基板の裏面に設けられた接地導体と、基板の表面に設けられた環状の放射導体と、基板の表面であって、放射導体の内周に囲われた内部領域の中央に設けられた給電点と、基板の表面であって、給電点と放射導体の内周とを接続する複数の線状の給電線路と、各給電線路の線路方向に対して45°を成す方向であって放射導体の外周に、各給電線路に対応してそれぞれ設けられた縮退分離素子と、各給電線路を介した給電点と放射導体間の導通をオンオフ制御する第1スイッチと、放射導体と各縮退分離素子との導通をオンオフ制御する第2スイッチと、を有する。【選択図】図1

Description

本発明は、マイクロストリップアンテナに関する。また、そのマイクロストリップアンテナを複数配列したアレーアンテナに関する。
従来の指向性制御アレーアンテナでは、複数のアンテナ素子の前段に移相器を接続し、各アンテナ素子の励振位相を変化させることで、所望の指向性のビームを形成する(非特許文献1の4群−2編−7章)。このようにアンテナと移相器とを個別に設計する構成が現在主流となっている。
また、円偏波を放射するマイクロストリップアンテナとして、方形または円形の放射素子に縮退分離素子を設けた構成が知られている(非特許文献1の4群−2編−5章)。縮退分離素子は、直交する2つの電流経路の長さに差を持たせるものであり、放射素子に設けられた突起や切り込みである。縮退分離素子を設ける位置は、放射素子に接続する給電線路の延伸方向に対して45°を成す位置である。
また、特許文献1には、放射素子を円環状とし、円環の内部中心に給電点を設け、給電点と放射素子とを接続する給電線路を設けたマイクロストリップアンテナが示されている。給電線路は放射状に2本の線路とし、その2本の線路の成す角度を調整することにより、別途整合手段を用いることなく入力インピーダンスの調整が可能であることが記載されている。また、2本の線路の成す角を2分する線を基準線として、その基準線に対して45°を成す位置に縮退分離素子を設けることで、円偏波用のアンテナとすることが記載されている。
特開平8−265038号公報
電子情報通信学会『知識の森』4群(モバイル・無線)−2編(アンテナ・伝搬)−5章(平面アンテナ)および7章(アレーアンテナ)、http://www.ieice-hbkb.org
しかし、従来の指向性制御アレーアンテナは、アンテナ素子単独では位相を変化させることができず、アンテナ素子の前段に移相器を接続する必要があった。従来の移相器は所定長さの線路や遅延線によって移相するため、移相量が大きいほど移相器での損失が大きくアンテナ装置の損失が増大し、また装置が大型化するという問題があった。
そこで本発明の目的は、位相を変化させることができるマイクロストリップアンテナを実現することである。また、そのマイクロストリップアンテナを複数有したアレーアンテナを実現することである。
本発明は、誘電体からなる基板と、基板の裏面に設けられた接地導体と、基板の表面に設けられた環状の放射導体と、基板の表面であって、放射導体の内周に囲われた内部領域の中央に設けられた給電点と、放射導体の内周のうち一部領域であって給電点から給電される領域である励振部を選択し、給電点と励振部とを接続する選択部と、給電点から励振部に向かう方向に対して45°を成す方向であって放射導体の外周に設けられた縮退分離素子と、放射導体と縮退分離素子との導通をオンオフ制御する第1のスイッチと、を有し、選択部によって、給電点から励振部に向かう方向を制御し、第1のスイッチによって、給電点から励振部に向かう方向に対して45°を成す方向に位置する縮退分離素子と放射導体との導通をオンに制御することによって、円偏波の移相量を制御する、ことを特徴とするマイクロストリップアンテナである。
本発明のマイクロストリップアンテナを複数配列することで、指向性を制御可能なアレーアンテナを構成することができる。
また、縮退分離素子は、給電点から励振部に向かう方向に対して時計回りに45°を成す方向と、反時計回りに45°を成す方向のそれぞれに設けられ、第1のスイッチは、給電点から励振部に向かう方向に対して時計回りに45°を成す方向に位置する縮退分離素子と、反時計回りに45°を成す方向に位置する縮退分離素子のうち、一方の縮退分離素子と放射導体との導通をオンにし、他方はオフに制御すれば、右旋円偏波の送受信と左旋円偏波の送受信の切り替えを可能とできる。
選択部は、給電点を中心として放射状に延伸し、放射導体の内周に接続された配置された複数の給電線路と、給電線路の導通をオンオフ制御する第2のスイッチと、を有する構造とすることができる。これにより、簡易な構造で移相機能を実現できる。
本発明のマイクロストリップアンテナは、移相機能が内蔵されている。そのため、別途移相器を設けて移相量を制御する場合に比べて損失を低減することができる。また、別途移相器を設ける必要がないので小型化、低コスト化、薄型化を図ることができる。
また、本発明のマイクロストリップアンテナを用いてアレーアンテナを構成することで、指向性制御可能なアンテナ装置の小型化、低コスト化、薄型化を図ることができる。
実施例1のマイクロストリップアンテナの構成を示した平面図。 実施例1のマイクロストリップアンテナの構成を示した断面図。 60°の移相量とした場合を示した図。 変形例のマイクロストリップアンテナの構成を示した図。 変形例のマイクロストリップアンテナの構成を示した図。 縮退分離素子15の変形例を示した図。 給電線路13の変形例を示した図。 給電線路13の変形例を示した図。 実施例2のアレーアンテナの構成を示した図。 各マイクロストリップアンテナの移相量を示した表。 実施例2のアレーアンテナの指向性を示したグラフ。
以下、本発明の具体的な実施例について図を参照に説明するが、本発明は実施例に限定されるものではない。
図1は、実施例1のマイクロストリップアンテナの構成を示した平面図であり、図2は図1におけるA−Aでの断面図である。図1、2のように、実施例1のマイクロストリップアンテナは、基板10と、基板10の一方の表面に設けられた接地導体11と、放射導体12と、給電線路13と、給電点14と、縮退分離素子15と、第1スイッチ17と、第2スイッチ16と、を有している。給電線路13および第2スイッチ16は、本発明の選択部に相当している。
基板10は、誘電体からなる正方形の板状である。基板10の一方の主面(以下、裏面とする)には、その裏面に接して全面に接地導体11が設けられている。接地導体11は金属膜であり、たとえば銅箔である。
放射導体12は、基板10の他方の主面(以下、表面とする)に接して設けられた金属膜であり、たとえば銅箔である。放射導体12の平面パターンは、図1に示すように、円環状である。つまり、円板状のパターンの放射導体12の中心部を、その円板の外周と同心にくり抜いた形状である。放射導体12の外周および内周の直径は、実施例1のマイクロストリップアンテナの設計周波数fなどに応じて設定される。
なお、実施例1では放射導体12を円環状としているが、正方形、正六角形、正八角形などの正多角形の環状や他の環状でもよい。また、内周の形状と外周の形状を合わせる必要はなく、内周と外周の一方を円、他方を正多角形とする環状であってもよい。ただし、実施例1のように円環状とすることが望ましい。対称性の高いパターンの方がアンテナの特性も向上し、設計も容易なためである。
給電点14は、基板10表面であって、放射導体12の円環の内周領域(円環の内周によって囲われた領域)の中心に設けられている。
給電線路13は、図1のように、基板10表面であって放射導体12の内周領域に給電点14を中心として、放射導体12の円環の直径方向に延伸された線状の金属膜からなり、たとえば銅箔である。また、給電線路13は、放射状に等角度に6本設けられている。給電線路13の放射導体12側の一端は、放射導体12に接続されている。また、給電線路13の給電点14側の一端は、給電点14から離間しており、その一端と給電点14との間には第2スイッチ16が設けられている。
なお、実施例1では給電線路13の本数を6本としているが、これに限るものではない。給電線路13の本数は、制御したい移相量に応じて設定することができ、2本以上であれば任意である。各給電線路13を等角度に設ける場合、給電線路13の本数をn(2以上の自然数)として、(360/n)°単位での移相を実現できる。実施例1では、60°単位での移相を実現するために6本の給電線路13を等角度に設けている。
また、実施例1では、各給電線路13の成す角度を等角度とし、60°単位での移相量制御となるようにしているが、必要な移相量が決まっているような場合には、各給電線路13を等角度に設ける必要はない。たとえば、60°と90°の移相量のみが必要であれば、基準となる給電線路13と、それに対して60°、90°を成す2つの給電線路13の3本の給電線路13のみを設けるようにしてよい。ただし、実施例1のマイクロストリップアンテナをアレーアンテナに用いて指向性を可変とする場合、各マイクロストリップアンテナに必要な移相量に偏りは生じないため、実施例1のように給電線路13は等角度に設けることが望ましい。
縮退分離素子15は、基板10表面であって放射導体12の外周近傍に設けられた長方形状の金属膜であり、たとえば銅箔である。また、縮退分離素子15は、図1のように、放射状に等角度に6個設けられていて、各給電線路13の線路方向に対して、時計回りに45°を成す位置に設けられている。また、各縮退分離素子15の長方形の長辺と放射導体12の外周の径方向とが直交するように配置されている。
なお、縮退分離素子15の平面パターンは必ずしも長方形である必要はなく、三角形、半円などであってもよい。
第2スイッチ16は、給電点14と、各給電線路13の給電点14側の一端との間にそれぞれ設けられている。また、第2スイッチ16は、制御回路によってオンオフ制御され、第2スイッチ16がオンのときには、給電点14と給電線路13とが接続され、給電点14と放射導体12との間が導通する。一方、第2スイッチ16がオフのときには、給電点14と給電線路13とが切断され、給電点14と給電線路13との間は導通しない。
このように、給電線路13と第2スイッチ16によって、放射導体12の励振部(放射導体12の内周のうち給電される領域)の選択が可能となっている。
なお、実施例1では、給電線路13の給電点14側の一端と給電点14との間に設けているが、給電線路13を介して給電点14と放射導体12間の導通をオンオフできるのであれば、第2スイッチ16の位置は任意である。たとえば、給電線路13の放射導体12側の一端と放射導体12内周との間に第2スイッチ16を設けるようにしてもよい。また、給電線路13の途中に第2スイッチ16を設けてもよい。
ただし、第2スイッチ16の位置を、給電線路13の放射導体12側の一端と放射導体12内周との間とする場合、給電点14には複数の放射導体12が連続する形となり、インピーダンスや指向性などアンテナの特性に影響を及ぼすおそれがある。給電線路13の途中に第2スイッチ16を設ける場合も同様である。
一方、実施例1のように、第2スイッチ16の位置を、給電線路13の給電点14側の一端と給電点14との間に設けた場合は、放射導体12内周に複数の放射導体12が連続された形となるが、インピーダンスや指向性などアンテナの特性への影響は小さい。放射導体12はTM11モードで励振され、円環の内周近傍の領域は電流密度が非常に少なくなり、その内周に連続する放射導体12の影響も非常に小さくなる。したがって、第2スイッチ16の位置は、実施例1のように、給電線路13の給電点14側の一端と給電点14との間とすることが好ましい。
第1スイッチ17は、放射導体12の外周と、各縮退分離素子15との間にそれぞれ設けられている。また、第1スイッチ17は、制御回路によってオンオフ制御され、第1スイッチ17がオンのときには、放射導体12の外周と縮退分離素子15とが接続され、放射導体12と縮退分離素子15との間が導通する。一方、第1スイッチ17がオフのときには、放射導体12の外周と縮退分離素子15とが切断され、放射導体12と縮退分離素子15との間は導通しない。
なお、第1スイッチ17および第2スイッチ16のオンオフ制御のための制御回路は、直流回路である。そのため、第2スイッチ16と給電点14および給電線路13の間、および第1スイッチ17と放射導体12および縮退分離素子15の間にキャパシタを挿入し、直流は遮断するとよい。
第1スイッチ17および第2スイッチ16には、ダイオードスイッチ、FETスイッチ、MEMSスイッチなどを用いることができる。
次に、実施例1のマイクロストリップアンテナの動作について説明する。実施例1のマイクロストリップアンテナは、円偏波を送受信するアンテナであり、第1スイッチ17および第2スイッチ16の制御によって、そのアンテナの姿勢を物理的に回転させるのと同様の状態を作り出すことにより、円偏波の移相量を制御可能としたものである。
より具体的な制御方法を説明する。実施例1のマイクロストリップアンテナでは、円偏波を送受信するために、次のように第1スイッチ17および第2スイッチ16のオンオフを制御する。
第2スイッチ16については、所定の1つの給電線路13の導通をオンにし、それ以外の給電線路13については全て導通をオフとするように制御する。図1において、第2スイッチ16のうちオンとなっているものを黒色で示し、オフとなっているものを白抜きで示している。
第1スイッチ17については、導通をオンにした給電線路13に対応する縮退分離素子15と放射導体12との接続をオンにし、他の縮退分離素子15と放射導体12との接続はオフにするように制御する。つまり、導通をオンにした給電線路13の線路方向(図1中のR1方向)に対して時計回りに45°を成す方向(図1中のR2方向)に位置する縮退分離素子15と放射導体12との接続をオンにし、他の縮退分離素子15と放射導体12との接続はオフにするように制御する。図1において、第1スイッチ17のうちオンとなっているものを黒色で示し、オフとなっているものを白抜きで示している。以下、他の図においても同様に表現する。なお、45°を成す方向(R2方向)とは正反対の方向に位置する縮退分離素子15についても、放射導体12との導通をオンにしてもよい。対称性がより向上するため、円偏波を送受信するアンテナとしての特性もより向上する。
上記のように第2スイッチ16および第1スイッチ17を制御すると、導通をオンにした給電線路13の線路方向(R1方向)に対して時計回りに45°を成す方向(R2方向)では、放射導体12が縮退分離素子15と導通しているため、反時計回りに45°を成す方向(図1中のR3方向)に比べて電流経路が長くなる。よって、R2方向とR3方向とではわずかに共振周波数が異なる。ここで、縮退分離素子15の面積などをうまく設定すれば、その2つの共振周波数の間の周波数において、R2方向のモードとR3方向のモード間の位相差をπ/2とすることができる。その結果、R2方向のモードとR3方向のモードとが合成されて円偏波となる。
以上のようにして、放射導体12は設計周波数fにおいてTM11モードで共振させることができ、基板10の主面に垂直であって接地導体11側から放射導体12側に向かって概ね半球状の単一指向性で左旋円偏波を放射するアンテナとして動作する。
次に、円偏波の位相を制御する方法について説明する。円偏波の位相は、第2スイッチ16および第1スイッチ17の制御によってオンオフ位置を制御することにより、アンテナの姿勢を物理的に回転させたのと同様の状態を作り出すことで、変化させることが可能となる。具体的には、導通をオンにする給電線路13を変更し、放射導体12と導通させる縮退分離素子15を、その給電線路13に対応する縮退分離素子15に変更すればよい。この場合、基準となる給電線路13の線路方向に対する、導通をオンにした給電線路13の線路方向の成す角度がそのまま移相量となる。実施例1では、給電線路13は60°の等角度に設けられているため、0〜360°の範囲において位相は60°単位で制御することができる。すなわち、実施例1のマイクロストリップアンテナでは、0°、60°、120°、180°、240°、300°の移相量制御が可能である。
より具体的な例として、60°の移相をする場合について図1、3を参照に説明する。基準となる位相は、図1の場合に送受信される円偏波の位相とする。図1、3のように、基準となる給電線路13の線路方向(R1方向)に対して反時計回りに60°の位置(R4方向の位置)の給電線路13の導通を第2スイッチ16によりオンにし、他の給電線路13の導通はオフにする。また、導通をオンにした給電線路13に対応する縮退分離素子15(図3中R5方向の縮退分離素子15)と放射導体12との接続をオンにし、他の縮退分離素子15についてはオフにする。このように第2スイッチ16および第1スイッチ17のオンオフを変更すると、アンテナの姿勢は、中心軸の回りに反時計回りに60°の回転をしたのと同様の状態となる(図1と図3を比較参照)。この結果、インピーダンスや指向性などの特性には変化はないが、送受信の位相は60°遅れることになる。このようにして、基準となる位相に対して60°の移相量を実現することができる。
以上、実施例1のマイクロストリップアンテナによれば、移相器が内蔵された円偏波アンテナを実現することができる。そのため、別途移相器を設けて移相量を制御する従来の場合に比べて損失を低減することができる。また、別途移相器を設ける必要がないので小型化、低コスト化、薄型化を図ることができる。
なお、実施例1のマイクロストリップアンテナは、左旋円偏波を送受信するものであるが、右旋円偏波を送受信するように構成することもできる。実施例1では、給電線路13の線路方向(R1方向)に対して時計回りに45°の位置(R2方向の位置)にそれぞれ縮退分離素子15を設け、これにより左旋円偏波の送受信が可能なアンテナを実現しているが、反時計回りに45°の位置(R3方向の位置)にそれぞれ縮退分離素子15を設ければ、右旋円偏波の送受信が可能なアンテナとすることができる。つまり、図4のように、図1に示した実施例1のマイクロストリップアンテナの構成を左右反転した構成とすれば、右旋円偏波を送受信するものとできる。
時計回りに45°の位置(R2方向の位置)と反時計回りに45°の位置(R3方向の位置)の両方の位置に縮退分離素子15を設け、第1スイッチ17によってどちらの縮退分離素子15を放射導体12と導通させるかを選択することで、左旋円偏波と右旋円偏波の切り替えが可能なアンテナを実現することもできる(図5参照)。
また、実施例1では縮退分離素子15は基板10上に設けられた導体であるが、放射導体12の外周近傍に設けられたスリットとしてもよい。縮退分離素子15をスリットとする場合を図6に示す。図6のように、放射導体12の外周部に矩形のスリット25を設け、そのスリット25の内部に導体22を設ける。そして、放射導体12と導体22との間に第1スイッチ17を設け、第1スイッチ17によって放射導体12と導体22との接続をオンオフ可能とする。このように構成すれば、実施例1の場合と同様に、円偏波の送受信が可能であり、第2スイッチ16および第1スイッチ17の制御によって移相量を60°単位で可変とすることができる。
また、実施例1のマイクロストリップアンテナの設計周波数fには特に制限はなく、たとえば1〜100GHzの範囲で設計周波数fを設定することができる。
また、実施例1では、給電線路13と第2スイッチ16により励振部(放射導体12の内周のうち給電される領域)を選択しているが、電気的、機械的に励振部を選択できる構造であれば任意の構成であってよい。そして、縮退分離素子15は、給電点14から励振部へ向かう方向に対して45°を成す方向にそれぞれ設けられていればよい。励振部は、放射導体12の内周全域ではなく、一部であれば任意の領域でよい。また、連続した領域である必要もなく、複数の領域に分けて設けられていてもよい。励振部の幅が広い場合や、励振部が複数の領域に分けられている場合には、給電点14から励振部の重心に向かう方向に対して45°を成す方向にそれぞれ縮退分離素子15が設けられていればよい。
たとえば、実施例1では給電線路13の形状を線幅一定の直線状線路としているが、これに限るものではない。給電点14と放射導体12の内周とを接続する形状であれば任意の形状の線路であってよい。給電線路13に替えて、給電点14側から放射導体12内周に向かって線路幅が次第に大きくなる扇形の給電線路33であってもよい(図7参照)。給電線路33の形状をこのようなパターンとすれば、給電点14と放射導体12とのインピーダンス整合を容易に行うことができる。
また、たとえば、実施例1では、1つの給電線路13から放射導体12へと給電を行っていたが、2以上の給電線路13から放射導体12へと給電を行ってもよい。このように複数の励振部から放射導体12への給電を行うようにすれば、各励振部の間隔などによって給電点14と放射導体12とのインピーダンス整合を容易に行うことができる。複数の励振部から給電を行う場合、ある対称線に対して線対称となるように複数の励振部が配置されていることが好ましい。インピーダンス整合がより容易となり、アンテナ素子設計もより容易となる。
具体例として図8を示す。図1では、R1方向に延びる給電線路13の導通をオンにして励振部は1箇所としていたが、図8では、R1方向に対して右回りに60°の方向に延びる給電線路13と、左回りに60°の方向に延びる給電線路13の2つの導通をオンにし、励振部を2箇所としている。そして、給電点14から2箇所の励振部の重心方向(R1方向)に対して右回りに45°方向に位置する縮退分離素子15と放射導体12との接続をオンにしている。図8のように励振部を2箇所とした場合も、図1の場合と同様に左旋円偏波を送受信するものであり、移相量も図1の場合と同様である。
図9は、実施例2のアレーアンテナの構成を示した図である。実施例2のアレーアンテナは、図9のように、8個の実施例1のマイクロストリップアンテナ100#1〜#8を所定間隔で直線状に配列した構成である。この8個のマイクロストリップアンテナ100#1〜#8は、同一の基板10上に形成されていて、接地導体11も共通化していて、他の構成要素についてはそれぞれ分離して形成されている。また、各マイクロストリップアンテナ100#1〜#8の給電点14までは線路をツリー状に等分配させることで、各マイクロストリップアンテナへの電力供給が同相となるようにしている。以下、図9のように、基板10の主面をxy平面とし、その主面内であってマイクロストリップアンテナ100#1〜#8の配列方向をy軸、これと直交する方向をx軸、基板10主面に垂直な方向をz軸とする。また、マイクロストリップアンテナ100#1〜#8は、y軸の正の方向に、#1、#2、・・・の順とする。
各マイクロストリップアンテナ100#1〜#8は、第2スイッチ16および第1スイッチ17の制御によって、所定の移相量となるように設定され、それにより実施例2のアレーアンテナが、yz面内において所定方向の指向性ビームを形成するように設定されている。実施例2では、yz面内においてz軸に対して30°の方向の指向性ビームとなるように、移相量が設定されている。
所定の方向に指向性ビームを形成するためには、理論的には、隣接するマイクロストリップアンテナ間の位相差がΔφ=(2πd/λ)×sinθとなるように、移相量が設定されていればよい。ここで、dはマイクロストリップアンテナ100#1〜#8の配列間隔、λは放射波の自由空間波長、θは指向性ビームの方向(実施例2においてはθ=30°)である。しかし、各マイクロストリップアンテナ100#1〜#8の移相量は連続的には制御できず、0°、60°、120°、180°、240°、300°の6段階の離散的な値で制御可能なため、それらの中から理論値に一番近い移相量を選択する。
図10は、各マイクロストリップアンテナ100#1〜#8の移相量について、理論値と、各マイクロストリップアンテナ100#1〜#8での実際の移相量との対応を示した表である。
図11は、理論値を取った場合のアレーアンテナのyz面内の指向性パターンを計算した結果と、実施例2のアレーアンテナのyz面内の指向性パターンを計算した結果を示したグラフである。理論値の場合、z軸に対して30°の方向に電力ピークを有しており、30°の指向性ビームが形成されていることがわかる。一方、実施例2のアレーアンテナも、30°の指向性ビームが形成されており、理論値の場合の指向性とおよそ同一の指向性であることがわかる。このように、各マイクロストリップアンテナ100#1〜#8の移相量制御は、連続的な制御ではなく離散的な制御となるが、その場合であっても、理論値に近い指向性ビームを形成できることがわかる。
以上のように、実施例2のアレーアンテナは、各アンテナ素子として、実施例1のマイクロストリップアンテナ100#1〜#8を用いている。そのため、各マイクロストリップアンテナ100#1〜#8の移相量を第2スイッチ16および第1スイッチ17の制御によって制御することにより、実施例2のアレーアンテナの指向性を容易に制御することができ、所定の方向に指向性ビームを形成することができる。また、実施例2のアレーアンテナは、各アンテナ素子として、実施例1のマイクロストリップアンテナ100#1〜#8を用いているので、低損失化、小型化、低コスト化、薄型化を図ることができる。
なお、実施例2のアレーアンテナは、実施例1のマイクロストリップアンテナ100を直線状に1次元的に配列するものであったが、2次元的に配列するアレーアンテナに対しても本発明は当然に適用することができる。
本発明は、指向性制御可能なアレーアンテナとして利用することができる。
10:基板
11:接地導体
12:放射導体
13:給電線路
14:給電点
15:縮退分離素子
16:第2スイッチ
17:第1スイッチ
100#1〜#8:マイクロストリップアンテナ

Claims (4)

  1. 誘電体からなる基板と、
    前記基板の裏面に設けられた接地導体と、
    前記基板の表面に設けられた環状の放射導体と、
    前記基板の表面であって、前記放射導体の内周に囲われた内部領域の中央に設けられた給電点と、
    前記放射導体の内周のうち一部領域であって前記給電点から給電される領域である励振部を選択し、前記給電点と前記励振部とを接続する選択部と、
    前記給電点から前記励振部に向かう方向に対して45°を成す方向であって前記放射導体の外周に設けられた縮退分離素子と、
    前記放射導体と前記縮退分離素子との導通をオンオフ制御する第1のスイッチと、
    を有し、
    前記選択部によって、前記給電点から前記励振部に向かう方向を制御し、前記第1のスイッチによって、前記給電点から前記励振部に向かう方向に対して45°を成す方向に位置する前記縮退分離素子と前記放射導体との導通をオンに制御することによって、円偏波の移相量を制御する、
    ことを特徴とするマイクロストリップアンテナ。
  2. 前記縮退分離素子は、前記給電点から前記励振部に向かう方向に対して時計回りに45°を成す方向と、反時計回りに45°を成す方向のそれぞれに設けられ、
    前記第1のスイッチは、前記給電点から前記励振部に向かう方向に対して時計回りに45°を成す方向に位置する前記縮退分離素子と、反時計回りに45°を成す方向に位置する前記縮退分離素子のうち、一方の前記縮退分離素子と前記放射導体との導通をオンにし、他方はオフに制御し、
    これにより、右旋円偏波の送受信と左旋円偏波の送受信の切り替えを可能とした、ことを特徴とする請求項1に記載のマイクロストリップアンテナ。
  3. 前記選択部は、前記給電点を中心として放射状に延伸し、前記放射導体の内周に接続された配置された複数の給電線路と、前記給電線路の導通をオンオフ制御する第2のスイッチと、を有することを特徴とする請求項1または請求項2に記載のマイクロストリップアンテナ。
  4. 請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載のマイクロストリップアンテナが複数配列され、各前記マイクロストリップアンテナの移相量を制御することにより指向性を制御可能とした、ことを特徴とするアレーアンテナ。
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