JP2020071412A - 吸音パネル - Google Patents

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Abstract

【課題】人の話し声の周波数帯域に対して、より高い吸音率を有する吸音パネルを提供する。【解決手段】吸音パネル100は、板材200と、吸音材300と、吸音増強部材400とを備えている。板材200は、前後方向において前面210及び後面220を有している。板材200は、前後方向と直交する直交方向において両端260を有している。吸音材300は、板材200の前面210又は後面220の少なくとも一方に貼り付けられている。吸音増強部材400は、板材200の前面210又は後面220の少なくとも一方に配置されている。吸音増強部材400は、板材200の両端260に配置されている。【選択図】図2

Description

本発明は、吸音パネルに関する。
この種の吸音パネルとしては、特許文献1に開示されたものがある。詳しくは、図5に示されるように、特許文献1の吸音パネル900は、金属薄板(板材)910と、吸音材920と、基部枠体930とを備えている。板材910は、Y方向において前面912及び後面914を有している。吸音材920は、板材910の前面912及び後面914の両面に貼り付けられている。板材910は、Y方向と直交するX方向において両端916を有している。基部枠体930は、前側枠部932と、後側枠部934とを含んでいる。
実開昭59−119500号公報
このような吸音パネルにおいて、人の話し声の周波数帯域に対する吸音率をより向上させたいとの要望がある。
そこで、本発明は、人の話し声の周波数帯域に対して、高い吸音率を有する吸音パネルを提供することを目的とする。
本発明は、第1の吸音パネルとして、
板材と、吸音材と、吸音増強部材とを備える吸音パネルであって、
前記板材は、前後方向において前面及び後面を有しており、
前記板材は、前記前後方向と直交する直交方向において両端を有しており、
前記吸音材は、前記板材の前記前面又は前記後面の少なくとも一方に貼り付けられており、
前記吸音増強部材は、前記板材の前記前面又は前記後面の少なくとも一方に配置されており、
前記吸音増強部材は、前記板材の前記両端に配置されている
吸音パネルを提供する。
また、本発明は、第2の吸音パネルとして、第1の吸音パネルであって、
前記吸音増強部材は、前側吸音増強部と、後側吸音増強部とを含んでおり、
前記前側吸音増強部は、前記板材の前記前面に配置されており、
前記後側吸音増強部は、前記板材の前記後面に配置されており、
前記板材の前記両端は、前記前後方向において前記前側吸音増強部と前記後側吸音増強部との間に挟まれている
吸音パネルを提供する。
また、本発明は、第3の吸音パネルとして、第2の吸音パネルであって、
前記吸音パネルは、クロスを更に備えており、
前記吸音増強部材は、前記直交方向において両端を有しており、
前記直交方向において、前記吸音増強部材の前記両端は、前記板材の前記両端よりも外側に位置しており、
前記前後方向における前記前側吸音増強部と前記後側吸音増強部との間には、隙間が設けられており、
前記クロスは、前記隙間に入り込んでいる
吸音パネルを提供する。
また、本発明は、第4の吸音パネルとして、第3の吸音パネルであって、
前記吸音増強部材は、枠体を有しており、
前記枠体は、前記直交方向と平行な2つの第1枠部と、前記前後方向及び前記直交方向の双方と直交する上下方向と平行な2つの第2枠部とを有しており、
前記直交方向において、前記隙間のサイズは、前記第2枠部のサイズの1/2よりも小さい
吸音パネルを提供する。
また、本発明は、第5の吸音パネルとして、第4の吸音パネルであって、
前記吸音増強部材は、梁を更に有しており、
前記梁は、前記上下方向において前記2つの第1枠部の間に位置しており、
前記第2枠部の夫々は、連結部を有しており、
前記梁は、前記第2枠部の前記連結部同士を連結している
吸音パネルを提供する。
また、本発明は、第6の吸音パネルとして、第5の吸音パネルであって、
前記連結部は、前記上下方向において、前記第2枠部の中間位置よりも下方に位置している
吸音パネルを提供する。
また、本発明は、第7の吸音パネルとして、第5又は第6の吸音パネルであって、
前記上下方向において、前記梁のサイズは、前記第1枠部のサイズよりも小さい
吸音パネルを提供する。
また、本発明は、第8の吸音パネルとして、第1から第7までのいずれかの吸音パネルであって、
前記吸音パネルは、ナットを更に備えており、
前記ナットは、前記板材と前記吸音増強部材とを固定している
吸音パネルを提供する。
本発明の吸音パネルにおいて、板材は、前後方向において前面及び後面を有しており、吸音増強部材は、板材の前面又は後面の少なくとも一方に配置されている。また、本発明の吸音パネルにおいて、板材は、前後方向と直交する直交方向において両端を有しており、吸音増強部材は、板材の両端に配置されている。これにより、本発明の吸音パネルは、人の話し声の周波数帯域に対して、より高い吸音率を有している。
本発明の実施の形態による吸音パネルを示す前面図である。図において、クロスの一部を省略している。 図1の吸音パネルを、A−A線に沿って示す横断面図である。 実施例の吸音パネルの残響室法吸音率の周波数特性を示すグラフである。 比較例を吸音パネルの残響室法吸音率の周波数特性を示すグラフである。 特許文献1の吸音パネルを示す横断面図である。
図1及び図2に示されるように、本発明の実施の形態による吸音パネル100は、板材200と、吸音材300と、吸音増強部材400とを備えている。
図1及び図2を参照して、本実施の形態の板材200は、木製であり、前後方向と直交する平板形状を有している。より詳しくは、板材200は、MDF(中質繊維板)からなる。板材200は、前後方向において前面210及び後面220を有している。本実施の形態において、前後方向はY方向である。また、前方は+Y方向であり、後方は−Y方向である。図2を参照して、板材200は、前後方向と直交する直交方向において両端260を有している。本実施の形態において、直交方向はX方向である。
図1及び図2を参照して、板材200には、直交方向に凹んだ凹部は設けられていない。また、同様に、板材200には、前後方向及び直交方向の双方と直交する上下方向に凹んだ凹部は設けられていない。本実施の形態において、上下方向はZ方向である。ここで、上方を+Z方向とし、下方を−Z方向とする。
図1及び図2に示されるように、本実施の形態の吸音材300は、ウレタンからなるものであり、前後方向と直交する略平板形状を有している。吸音材300は、板材200の前面210及び後面220の両面に貼り付けられている。即ち、本実施の形態の吸音パネル100は、2枚の吸音材300を備えている。なお、本発明はこれに限定されず、吸音材300は、板材200の前面210又は後面220の少なくとも一方に貼り付けられていればよい。即ち、吸音パネル100は、1枚の吸音材300を備えていればよい。
図1を参照して、本実施の形態の吸音増強部材400は、木製である。より詳しくは、吸音増強部材400は、LVL(単板積層材)からなる。吸音増強部材400は、板材200の両端260に配置されている。吸音増強部材400は、板材200の前面210及び後面220の両面に配置されている。なお、本発明はこれに限定されず、吸音増強部材400は、板材200の前面210又は後面220の少なくとも一方に配置されていればよい。吸音増強部材400は、枠体410を有している。
図1に示されるように、本実施の形態の枠体410は、直交方向と平行な2つの第1枠部420と、前後方向及び直交方向の双方と直交する上下方向と平行な2つの第2枠部430とを有している。第1枠部420の上下方向におけるサイズS3は、第2枠部430の直交方向におけるサイズS4よりも大きい。本実施の形態の第2枠部430の夫々は、連結部432を有している。連結部432は、上下方向において、第2枠部430の中間位置435よりも下方に位置している。
図2を参照して、本実施の形態の第2枠部430は、直交方向において外端460を有している。即ち、枠体410は、直交方向において両端460を有している。換言すれば、本実施の形態の吸音増強部材400は、直交方向において両端460を有している。直交方向において、吸音増強部材400の両端460は、板材200の両端260よりも外側に位置している。即ち、枠体410の両端460は、板材200の両端260よりも外側に位置している。枠体410の両端460は、第2枠部430の外端460でもある。第2枠部430と板材200の両端260とは夫々対応しており、直交方向において、第2枠部430の外端460は、板材200の両端260のうちの対応する端部よりも外側に位置している。
図1に示されるように、本実施の形態の吸音増強部材400は、梁440を更に有している。
図1に示されるように、本実施の形態の梁440は、上下方向において2つの第1枠部420の間に位置している。上下方向において、梁440のサイズS2は、第1枠部420のサイズS3よりも小さい。梁440は、第2枠部430の連結部432同士を連結している。なお、梁440は、第1枠部420同士を直接連結していない。
図2に示されるように、本実施の形態の吸音増強部材400は、前側吸音増強部500と、後側吸音増強部600とを含んでいる。なお、本発明はこれに限定されず、吸音増強部材400は、前側吸音増強部500及び後側吸音増強部600の一方のみで構成されていてもよい。
図2に示されるように、本実施の形態の前側吸音増強部500は、板材200の前面210に配置されている。また、本実施の形態の後側吸音増強部600は、板材200の後面220に配置されている。図1及び図2を参照して、板材200の両端260は、前後方向において前側吸音増強部500と後側吸音増強部600との間に挟まれている。前後方向における前側吸音増強部500と後側吸音増強部600との間には、隙間438が設けられている。隙間438は、前後方向と直交する2つの内壁439を有している。直交方向において、隙間438のサイズS1は、第2枠部430のサイズS4よりも小さい。より詳しくは、直交方向において、隙間438のサイズS1は、第2枠部430のサイズS4の1/2よりも小さい。板材200の一部は、隙間438内において、露出している。より詳しくは、板材200の両端260の一部は、隙間438内において、露出している。
図1及び図2に示されるように、より詳しくは、本実施の形態の前側吸音増強部500は、前側枠部510と、前側梁部520とを有している。同様に、本実施の形態の後側吸音増強部600は、後側枠部610と、後側梁部(図示せず)とを有している。ここで、前側枠部510と、後側枠部610とは、枠体410を構成している。また、前側梁部520と、後側梁部とは、梁440を構成している。前側枠部510は、直交方向において両端511を有している。同様に、後側枠部610は、直交方向において両端611を有している。即ち、枠体410の両端460は、前側枠部510の両端511と、後側枠部610の両端611とを含んでいる。両端511と両端611とは、直交方向において同じ位置に位置している。
図1及び図2を参照して、板材200の両端260は、前後方向において前側枠部510と後側枠部610との間に挟まれている。隙間438は、前後方向における前側枠部510と後側枠部610との間に設けられている。
図1及び図2に示されるように、前側枠部510は、第1前側枠部512と、第2前側枠部514とを有している。同様に、図1及び図2を参照して、後側枠部610は、第1後側枠部(図示せず)と、第2後側枠部614とを有している。第1前側枠部512と、第1後側枠部とは、第1枠部420を構成している。同様に、第2前側枠部514と、第2後側枠部614とは、第2枠部430を構成している。前側枠部510の両端511は、第2前側枠部514の外端511でもある。同様に、後側枠部610の両端611は、第2後側枠部614の外端611でもある。
図1及び図2を参照して、板材200の両端260は、前後方向において第2前側枠部514と第2後側枠部614との間に挟まれている。隙間438は、前後方向における第2前側枠部514と第2後側枠部614との間に設けられている。
図1及び図2を参照して、前側枠部510の両端511は、板材200の両端260よりも外側に位置している。同様に、後側枠部610の両端611は、板材200の両端260よりも外側に位置している。第2前側枠部514と板材200の両端260とは夫々対応しており、直交方向において、第2前側枠部514の外端511は、板材200の両端260のうちの対応する端部よりも外側に位置している。同様に、第2後側枠部614と板材200の両端260とは夫々対応しており、直交方向において、第2後側枠部614の外端611は、板材200の両端260のうちの対応する端部よりも外側に位置している。
図1及び図2に示されるように、本実施の形態の吸音パネル100は、クロス700を更に備えている。本実施の形態のクロス700は、吸音パネル100の表面を覆っている。より詳しくは、クロス700は、吸音材300の表面と、吸音増強部材400の表面とを覆っている。クロス700は、隙間438に入り込んでいる。これにより、クロス700の一部を隙間438の内壁439に接着剤等で固定することができるため、クロス700の端部の縫製が不要となっている。なお、上述のように、板材200の一部は、隙間438内において、露出しているが、本発明はこれに限定されず、板材200の一部が、隙間438内においてクロス700に覆われていてもよい。即ち、板材200が、隙間438内において露出していなくてもよい。
図1に示されるように、本実施の形態の吸音パネル100は、ナット800を更に備えている。図2を参照して、ナット800は、金属製であり、板材200と吸音増強部材400とを固定している。即ち、ナット800は、板材200と枠体410とを固定している。より詳しくは、ナット800は、前側枠部510の第2前側枠部514と、板材200と、後側枠部610の第2後側枠部614とを、この順に固定している。ナット800は、前後方向において、前側枠部510の第2前側枠部514を貫通している。ナット800は、前後方向において、板材200を貫通している。ナット800は、前後方向において、後側枠部610の第2後側枠部614に食い込んでいる。なお、ナット800は、前後方向において、後側枠部610の第2後側枠部614を貫通していない。本実施の形態のナット800は、ZDC(亜鉛合金)製の鬼目ナット800である。しかしながら、本発明はこれに限定されず、木ネジ等の他の固定具であってもよい。
上述のように、本実施の形態の板材200及び吸音増強部材400は木製である。これにより、鬼目ナット800や木ネジ等の固定具で、板材200及び吸音増強部材400を同時に固定することができる。
次に、本発明の効果を確認するため、本実施の形態の吸音パネル100について、JIS A1409に準拠した残響室法吸音率の測定を実施した。また、比較例として、吸音増強部材を備えていない以外は本実施の形態の吸音パネル100とほぼ同様の構成を備えた吸音パネルについても、JIS A1409に準拠した残響室法吸音率の測定を実施した。これらの測定結果を、実施例及び比較例として図3及び図4に示す。
図3から、本実施の形態の吸音パネル100については、人の話し声の周波数帯域に含まれる315〜500Hzの1/3オクターブバンド中心周波数において、残響室法吸音率が約0.5〜約0.8と高い値を示すことが分かった。一方、図4から、比較例の吸音パネルについては、人の話し声の周波数帯域に含まれる315〜500Hzの1/3オクターブバンド中心周波数において、残響室法吸音率が約0.3と、本実施の形態の吸音パネル100と比較して低い値を示すことが分かった。よって、これらの測定結果から、本実施の形態の吸音パネル100は、人の話し声の周波数帯域に対して、高い吸音率を有することが理解される。
以上、本発明について実施の形態を掲げて具体的に説明してきたが、本発明はこれに限定されるものではなく、種々の変形、変更が可能である。
100 吸音パネル
200 板材
210 前面
220 後面
260 両端
300 吸音材
400 吸音増強部材
410 枠体
420 第1枠部
430 第2枠部
432 連結部
435 中間位置
438 隙間
440 梁
460 両端(外端)
500 前側吸音増強部
510 前側枠部
511 両端(外端)
512 第1前側枠部
514 第2前側枠部
520 前側梁部
600 後側吸音増強部
610 後側枠部
611 両端(外端)
614 第2後側枠部
700 クロス
800 ナット
S1 サイズ
S2 サイズ
S3 サイズ
S4 サイズ

Claims (5)

  1. 板材と、吸音材と、吸音増強部材とを備える吸音パネルであって、
    前記板材は、前後方向において前面及び後面を有しており、
    前記板材は、前記前後方向と直交する直交方向において両端を有しており、
    前記吸音材は、前記板材の前記前面又は前記後面の少なくとも一方に貼り付けられており、
    前記吸音増強部材は、前記板材の前記前面又は前記後面の少なくとも一方に配置されており、
    前記吸音増強部材は、前記板材の前記両端に配置されている
    吸音パネル。
  2. 請求項1記載の吸音パネルであって、
    前記吸音増強部材は、前側吸音増強部と、後側吸音増強部とを含んでおり、
    前記前側吸音増強部は、前記板材の前記前面に配置されており、
    前記後側吸音増強部は、前記板材の前記後面に配置されており、
    前記板材の前記両端は、前記前後方向において前記前側吸音増強部と前記後側吸音増強部との間に挟まれている
    吸音パネル。
  3. 請求項2記載の吸音パネルであって、
    前記吸音パネルは、クロスを更に備えており、
    前記吸音増強部材は、前記直交方向において両端を有しており、
    前記直交方向において、前記吸音増強部材の前記両端は、前記板材の前記両端よりも外側に位置しており、
    前記前後方向における前記前側吸音増強部と前記後側吸音増強部との間には、隙間が設けられており、
    前記クロスは、前記隙間に入り込んでいる
    吸音パネル。
  4. 請求項3記載の吸音パネルであって、
    前記吸音増強部材は、枠体を有しており、
    前記枠体は、前記直交方向と平行な2つの第1枠部と、前記前後方向及び前記直交方向の双方と直交する上下方向と平行な2つの第2枠部とを有しており、
    前記直交方向において、前記隙間のサイズは、前記第2枠部のサイズの1/2よりも小さい
    吸音パネル。
  5. 請求項4記載の吸音パネルであって、
    前記吸音増強部材は、梁を更に有しており、
    前記梁は、前記上下方向において前記2つの第1枠部の間に位置しており、
    前記第2枠部の夫々は、連結部を有しており、
    前記梁は、前記第2枠部の前記連結部同士を連結している
    吸音パネル。
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