JP2020070970A - 木質バイオマス原料の乾燥方法及びこれに用いる木質バイオマス原料の乾燥設備 - Google Patents

木質バイオマス原料の乾燥方法及びこれに用いる木質バイオマス原料の乾燥設備 Download PDF

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Abstract

【課題】気温変化による影響を排除して、常に乾燥処理量に見合った設備や燃料等を用いて木質バイオマス原料を乾燥させることができる方法、及びそれに用いることができる乾燥設備を提供する。【解決手段】大気から導入した導入空気3と外気温より高い温度の予加熱用水4との間で熱交換を行って導入空気3を予加熱する第1の熱交換器5と、予加熱された予加熱空気6と高温熱源の熱を吸収した熱媒体7との間で熱交換を行って本加熱する第2の熱交換器9とを備えた乾燥設備を用いて水の沸点以下の温風を得て、水分を含んだ木質バイオマス原料の乾燥処理を行うようにする。【選択図】図1

Description

この発明は、木質バイオマスを得るにあたり、水分を含んだ木質バイオマス原料を乾燥させる方法、及びそれに用いる乾燥設備に関する。
近年、石炭火力発電における石炭・木質バイオマス混焼(以下、単にバイオマス混焼と言う場合がある)が注目を集めている。樹木の伐採や造材のときに発生する枝や幹、葉等の林地残材をはじめ、製材工場等で発生する樹皮やのこ屑、住宅の解体材、街路樹の剪定枝等の木材を利用した木質バイオマスは、いわゆるカーボンニュートラルの特性を有することから、これを燃料とすれば二酸化炭素の排出を抑えて、地球温暖化の防止に貢献できる。特に、2012年に導入された自然エネルギー(再生可能エネルギー)の固定価格買取制度(FIT)では、発電効率の算出に際して、基準となる投入エネルギー量から木質バイオマスのエネルギー量が控除されることから、バイオマス混焼の利用も広がりつつある。
木質バイオマスを燃料として使用する場合、水分量が多いと燃焼炉の炉内温度が低下してしまうことから、十分に乾燥させる必要がある。つまり、バイオマス混焼での木質バイオマスの混焼率を上げるためには、木質バイオマスの水分量を下げることが重要になってくる。
ここで、木質バイオマスを得るための乾燥方法としては、水分を含んだ木質バイオマス原料をキルン等の回転円筒体に装入し、外部から熱風を供給して、掻き上げ羽根等で回転円筒体内の木質バイオマス原料を掻き上げたり、落下させたりしながら撹拌して、乾燥させる方法が知られている(例えば特許文献1参照)。このように熱風を利用する方法は、高温の風を当てることから乾燥を促進させる点で有利であり、日本国内ではこれまで主に利用されてきた。
ところが、熱風を得るためにはボイラー焚き等が必要となってしまう。また、熱風の温度が少なくとも200〜300℃程度に達するため、乾燥中に木質バイオマスが自然発火する危険性があり、酸素センサ等を用いて常に回転円筒内の酸素濃度をモニタリングしたり、消火設備を設けるなどして、発火の危険を排除しなければならない。更には、回転円筒体から排出される高温排ガスは高濃度で水分を含むことから、例えば、別途ガスを供給して希釈するなどの露結対策が必要となる。そのため、熱風を利用する方法は、結果的に設備が大型化したり、コストの上昇を招いてしまう。
一方で、比較的温度の低い温風を使用する方法として、例えば、大気から吸引(導入)した空気を加温して得た温風を木質バイオマス原料が積載されたコンベアを収容した貯留ホッパの下部から供給して、コンベア上の木質バイオマス原料を乾燥させる方法が知られている(特許文献2参照)。このような方法は50℃程度の温風を使用するものであることから、熱風を使用する方法に比べて燃料コストを抑えることができる。また、そもそも低温の温風を使用することから、木質バイオマスの自然発火の危険性を抑えることができる(この特許文献2の方法では、貯留ホッパ内の温度が所定の設定温度を超えたときには、更に、貯留ホッパ内の温風を大気中に放散するようにしている)。
特開2016−090120号公報 特開2016−80217号公報
温風を利用した木質バイオマス原料の乾燥方法は、熱風を利用した方法に比べて乾燥効率は劣るものの、設備やコストを抑えたり、自然発火の危険性を減らすことができる。
しかしながら、温風を得るにあたって大気を利用することから、大気の温度(以下、気温又は外気温と言う)の影響を受けてしまう。つまり、気温が下がると、その分だけ温風を得るための熱媒体の流量や熱量確保に必要な燃料が増加してしまう。また、乾燥処理量を一定に保つためには、気温が低い場合に対応して設備を大型化する必要がある。特に、夏場と冬場で気温の差が激しい場所や地域ではこの影響は顕著になり、冬場の気温を想定して熱交換器の仕様(スペック)や熱媒体等の容量を用意することから、夏場には過剰な設備を保有することになってしまう。
そこで、本発明者らは、温風を利用した木質バイオマス原料の乾燥での気温の影響を抑える方法について鋭意検討した結果、地下水や工場温排水といった外気温より高い温度を有した予加熱用水を利用するのが効果的であることを見出した。すなわち、例えば、地下水の温度は比較的変動が少なく、年間を通じてほぼ一定の値を示し、特に、地域によっては冬場に大気よりも地下水の温度が高くなることから、大気から導入した空気を地下水との熱交換により予熱した上で温風を得るようにすることで、上述したような問題を解決することができることから、本発明を完成させた。
したがって、本発明の目的は、季節要因での気温変化による影響を排除して、常に乾燥処理量に見合った設備や燃料等を使用することができるようになり、トータルで効率的に木質バイオマス原料の乾燥を行うことができる木質バイオマス原料の乾燥方法を提供することにある。
また、本発明の別の目的は、上記の方法を用いることができる木質バイオマス原料の乾燥設備を提供することにある。
すなわち、本発明は、大気から導入した導入空気を水の沸点以下に加温して得た温風を用いて、木質バイオマス原料を乾燥させる木質バイオマス原料の乾燥方法であって、
前記加温は、外気温より高い温度の予加熱用水との熱交換による前記導入空気の予加熱と、該予加熱を受けた予加熱空気の高温熱源との熱交換による本加熱とを有することを特徴とする、木質バイオマス原料の乾燥方法である。
また、本発明は、大気から導入した導入空気を水の沸点以下に加温して温風を得る導入空気加温装置と、前記温風を用いて木質バイオマス原料を乾燥させる乾燥装置本体とを有する木質バイオマス原料の乾燥設備であって、
前記導入空気加温装置が、前記導入空気と外気温より高い温度の予加熱用水との間で熱交換を行って前記導入空気を予加熱する第1の熱交換器と、予加熱された予加熱空気と高温熱源の熱を吸収した熱媒体との間で熱交換を行って本加熱する第2の熱交換器とを備えて温風を得ることを特徴とする、木質バイオマス原料の乾燥設備である。
本発明では、大気から導入した導入空気を水の沸点以下に加温して得た温風を用いて木質バイオマス原料を乾燥させる際に、外気温より高い温度の予加熱用水で導入空気を予加熱した上で、得られた予加熱空気を予加熱用水より高い温度の高温熱源で熱交換して本加熱することで、温風を得るようにする。このように、木質バイオマス原料を乾燥させる温風を得るために、大気から導入した導入空気の加温を予加熱と本加熱とに分けて行うことで、導入空気を直接高温熱源で熱交換する場合に比べて、温風を得るためのエネルギーを低減することができる。特に、本発明のように、比較的低温の温風を利用する場合には、大気の温度が下がると、その影響を受けて、温風を得るために必要な温水等の熱媒体の流量やその熱量確保のための燃料を増やさなければならず、高温熱源を余計に使用することになり、また、年間を通じて気温の低い冬場を想定してこれらの高温熱源に係る設備を用意すれば、気温の高い夏場には過剰なスペックとなるところ、本発明のように、予加熱用水を利用して導入空気を予熱することで、季節要因での気温の変化による影響を排除することができることから、これらの変動費や固定費を削減することができる。
本発明において、好ましくは、大気から導入した導入空気の温度と予加熱用水の温度とを比較して、導入空気の温度が予加熱用水の温度より低い場合に、予加熱用水との熱交換により導入空気を予熱するようにするのがよい。例えば、地下水については、温度の変動が少なく比較的一定であるため、昼夜の気温差であったり、夏場と冬場の季節の差により、導入空気の温度が地下水の温度より低い場合に、地下水との熱交換で導入空気を予熱するのがよい。ここでの地下水には、温泉水も含む。このような地下水は昼夜の水温変動や年間を通した水温変動が小さい点で有利な予加熱用水の例として挙げたが、一般的な水道水でも外気温より高い水温である限り予加熱用水とすることができる。また、工場や発電所、ごみ焼却場等から排出される温排水(以下、工場温排水という。)などでも外気温より水温が高く比較的温度の変動が少ない点で地下水と共通であり、地下水や水道水のほかにも、これらを予加熱用水として利用することができる。なお、夏場等で大気の温度が地下水の温度よりも高いときなど、導入空気の温度が予加熱用水の温度と同じか又は予加熱用水の温度より高い場合には、予加熱をバイパスするなどして導入空気と予加熱用水との間の熱交換は行わないようにすればよい。
また、本発明において、木質バイオマス原料を乾燥させる温風の温度としては、一般に温風乾燥方式で採用される温度と同程度である水の沸点以下とすることができ、好ましくは60℃以上95℃以下である。また、このような温風を得るための本加熱について、上記温度の温風が得られる高温熱源との熱交換であればその手段は特に制限はなく、例えば、ボイラー等を用いて得られた温水や水蒸気等の熱を吸収した熱媒体との熱交換により、予熱した予加熱空気を加温すればよい。また、ボイラー等で燃料を燃焼させるかわりに、他の設備等で発生した廃熱を利用するようにしてもよい。
本発明における木質バイオマス原料の乾燥方法を利用するにあたり、使用する装置については特に制限されないが、好ましくは、大気から導入した導入空気を水の沸点以下に加温して温風を得る導入空気加温装置と、得られた温風を用いて木質バイオマス原料を乾燥させる乾燥装置本体とを有した乾燥設備であって、このうち、導入空気加温装置としては、大気から導入した導入空気と外気温より高い温度の予加熱用水との間で熱交換を行うことで導入空気を予加熱する第1の熱交換器と、予加熱された予加熱空気と予加熱用水より高い温度の高温熱源の熱を吸収した熱媒体との間で熱交換を行って本加熱する第2の熱交換器とを備えるようにするのがよい。
また、導入空気加温装置で得られた温風を用いて木質バイオマス原料を乾燥させる乾燥装置本体については特に制限はなく、例えば、キルン等の回転円筒体に装入された木質バイオマス原料を回転させながら、温風を吹き込むことで乾燥させる通気回転式の乾燥装置や、通気性を有する無端状の搬送ベルトを備えたコンベアの該搬送ベルトに木質バイオマス原料を積載して、木質バイオマス原料からなる原料層の厚み方向に対して直角に温風を上向き又は下向きに通気して乾燥させるバンド式乾燥装置、流動層内で木質バイオマス原料と温風とを激しく混合して乾燥させる流動層式乾燥装置等を挙げることができるが、なかでも好ましくは、バンド式乾燥装置であるのがよい。その場合、例えば、導入空気加温装置において、大気から導入した導入空気の流れに沿うようにして、第1の熱交換器と第2の熱交換器とをこの順に配して(順次配して)、かつ、第2の熱交換器で得られた温風が、バンド式乾燥装置の搬送ベルト上に積載された木質バイオマス原料からなる原料層の厚み方向に吹出されるようにするのがよい。このように、木質バイオマス原料からなる原料層の上方から又は下方からその厚み方向に温風を通気させることで、温風を原料層と並行に吹き付ける(コンベアの移動方向と並行に温風を吹き付ける)場合に比べて、乾燥時間を短くすることができる。また、これによって乾燥設備のサイズを小さくすることもできる。
また、本発明における導入空気加温装置については、好ましくは、大気から導入した導入空気の温度を測定する温度計と、予加熱用水の温度を測定する水温計とを更に備えるようにするのがよい。更には、これらを利用して、導入空気の温度が予加熱用水の温度より低い場合に、第1の熱交換器に予加熱用水を供給して導入空気の予加熱を行い、得られた予加熱空気を第2の熱交換器に導くような予加熱制御機構を同時に備えるようにしてもよい。その際、これらの熱交換による予熱の効率を考慮して、予加熱用水の温度と導入空気の温度との差が所定の値を上回る場合に、第1の熱交換器に予加熱用水が供給されるようにして、導入空気を予熱するようにしてもよい。一方で、導入空気の温度が予加熱用水の温度と同じか又は予加熱用水の温度より高い場合、第1の熱交換器への予加熱用水の供給を遮断して、導入空気を予加熱せずに第2の熱交換器に導くようにしたり、或いは、導入空気を第1の熱交換器をバイパスさせて直接第2の熱交換器に導くようにしてもよい。
本発明において、木質バイオマス原料を乾燥させる際の乾燥の程度については特に制限はなく、乾燥後の木質バイオマスをペレットにするなどの加工方法や、燃料として利用するなどの木質バイオマスの用途によっても変化するが、例えば、バイオマス混焼で使用する場合には、乾燥後の木質バイオマスの含水率が15〜35%(wetベース)程度に乾燥処理されるのが一般的である。また、乾燥処理の対象である木質バイオマス原料の含水率についても一概に特定するのは難しく、木質バイオマス原料の種類や保管方法によっても異なるが、一般的には40〜60%(wetベース)程度であると言える。
本発明によれば、気温の変化による影響を排除しながら温風を得ることができることから、乾燥させる木質バイオマス原料の処理量に見合った設備や燃料等を使用することができ、結果的に効率良く木質バイオマス原料の乾燥を行うことができるようになる。
図1は、本発明の乾燥設備を示す模式説明図である。 図2は、ある地域(大船渡市)における2017年の気温の年間推移のデータである。 図3は、従来の乾燥方法を用いて木質バイオマス原料の乾燥処理を行ったときの温水の循環水量を示すデータである。 図4は、本発明の実施例に係る乾燥方法を用いたときの予熱後の空気の温度を示すデータである。 図5は、本発明における乾燥方法を用いて木質バイオマス原料の乾燥処理を行ったときの温水の循環水量を示すデータである。
以下、添付した図面を参照しながら、本発明を具体化した実施の形態について説明する。なお、図1では、バンド式乾燥装置を乾燥装置本体に採用した場合について説明するが、これらは一例であって、本発明は以下の内容に制限されるものではない。
図1には、本発明の木質バイオマス原料の乾燥方法に用いられる乾燥設備Xの例が示されている。この乾燥設備Xは、大気から導入した導入空気を水の沸点以下に加温して温風を得る導入空気加温装置X1と、前記温風を用いて木質バイオマス原料を乾燥させる、バンド式の乾燥装置本体X2とを有しており、コンベア1で搬送される木質バイオマス原料2を温風8で乾燥させる。この例では、導入空気加温装置X1が、大気から導入した導入空気3と地下から汲み上げた地下水(予加熱用水)4との間で熱交換を行い、導入空気3を予加熱する第1の熱交換器5と、これにより予加熱された予加熱空気6と地下水4より温度の高い高温熱源の熱を吸収した熱媒体(この例では温水)7との間で熱交換を行い、予加熱空気6を本加熱して所定の温度の温風8を得る第2の熱交換器9とを備えている。
この乾燥設備Xにおけるバンド式の乾燥装置本体X2は、コンベア1が収容されて木質バイオマス原料2の乾燥処理が行われるコンベア室10を備えており、また、導入空気加温装置X1は、第1の熱交換器5及び第2の熱交換器9が収容される熱交換器室11を備えて2階建て構造を有しており、1階のコンベア室10と2階の熱交換器室11との間はグレーチングのような通気性を有する金属製の床材12で仕切られている。そして、1階のコンベア室10には、コンベア1の下方側床面に複数の吸引口13を有した排気ダクト14が備え付けられており、室外ではこの排気ダクト14に排気ブロワー15が接続されている。一方で、2階の熱交換器室11の側壁の上方(天井側)には図示外の外気取り入れ口が複数設けられており、先の排気ブロワー15を稼働させることで、2階の熱交換器室11の側壁から大気が導入され、熱交換器室11の室内に取り入れられた導入空気3は、通気性を有する床材12を抜けて1階のコンベア室10に供給され、最後に排気ダクト14を通じて室外に排気される。
その間に、2階の熱交換器室11では、この導入空気3の流れに沿って第1の熱交換器5及び第2の熱交換器9が順次配されていることから、1階のコンベア室10には温風8が供給される。しかも、コンベア1の下方の床面に排気ダクト14に通じる吸引口13が備え付けられていることから、温風8は、コンベア1上の木質バイオマス原料2からなる原料層2aの上方から吹き付けられ、原料層2aの下方に抜ける。つまり、コンベア1は、通気性を有する無端状の搬送ベルトがベルトローラーに取り付けられたものであり、この搬送ベルトに積載された木質バイオマス原料2は、コンベア1が稼働して所定の速度で搬送される間に、原料層2aの厚み方向に温風8が通気して乾燥される。なお、1階のコンベア室10には、図示外の原料投入口が設けられて、水分を含んだ木質バイオマス原料2がコンベア1に供給される。また、原料投入口とは反対のコンベア1の下流側では、乾燥して水分が除去された乾燥処理後の木質バイオマス16が回収される。
第1の熱交換器5に対しては、ポンプ17により地下から汲み上げられた地下水4が供給され、大気から導入された導入空気3との間での熱交換後は排水として処理される。また、第2の熱交換器9に対しては、高温熱源であるボイラー18によって得られた温水7が供給される。この温水7はボイラー18と第2の熱交換器9との間を循環し、予加熱された予加熱空気6との熱交換後は、再度ボイラー18にて熱を吸収させて使用する。
また、この乾燥設備Xでは、2階の熱交換器室11において大気から導入した導入空気3の温度を測定する温度計19と、ポンプ17により地下から汲み上げた地下水4の温度を測定する水温計20とを備えている。そのため、これらを利用した予加熱制御機構により、温風8を得るための効率を考えて、導入空気3の温度T1が地下水4の温度T2より低い場合(T2>T1)であったり、或いは、地下水4の温度T2と導入空気3の温度T1との差が設定温度Xを上回る場合(T2−T1>X)に、第1の熱交換器5に接続される配管に設けられた遮断弁21を開けて、第1の熱交換器5に地下水4を供給するようにしてもよい。つまり、導入空気3の温度T1が地下水4の温度T2以上(T1≧T2)であったり、或いは、地下水4の温度T2と空気3の温度T1との差が設定温度X以下の場合(X≧T2−T1)には、遮断弁21を閉じて第1の熱交換器5には地下水4を供給せずに、排水側に戻すようにしてバイパスしてもよい。
図2には、2017年の大船渡市の気温の年間推移のデータが示されており、30℃を超える夏場から零下5℃以下になる冬場まで、季節によって気温が大きく変動していることが分かる。
ここで、水分50%の木質バイオマス原料7.5ton-wet/hrを水分25%まで乾燥させる場合を想定して、図1に示した乾燥装置Xにおいて第1の熱交換器5を用いずに、図2の気温データを大気から導入した空気3の温度として、この空気3を第2の熱交換器9で熱交換して温風8を得ながら、上記木質バイオマス原料の乾燥処理を行ったときの温水7の循環水量を計算により求めた結果を図3に示す。このとき、第1の熱交換器5に供給される温水7の入り口側の温度は80℃とし、出口側での温水7の温度は60℃として、72℃の温風8が得られるとした。
上述したように、本発明の比較例に該当する図3の結果より、第2の熱交換器9に供給される温水7の循環水量は冬場に150ton/hr程度になり、最も多いときでは160ton/hrに達する。また、このときのボイラー18での燃焼に必要な燃料は冬場に最大で約2.7ton-wet/hrになる。一方で、温水7の夏場の循環水量は80〜90ton/hr程度であり、ボイラー18の燃料も1.3〜1.5ton-wet/hr程度でおさまる。つまり、大気から導入した導入空気3から温風8を得る場合、熱交換器に供給される温水7の循環水量は、季節によって80〜160ton/hrと必要量が大きく変わってくる。
これに対して、図1に示した乾燥設備Xを用いて、本発明に係る方法で上記の木質バイオマス原料の乾燥処理を行った結果は次のとおりである。ここでは、地下から汲み上げた地下水4の温度は、図2で示した2017年の大船渡市の平均気温である11.6℃と同じであるとみなして計算している。また、第1の熱交換器5において、大気から導入した導入空気3と地下水4との間の熱交換は理想的な状態であると仮定して(熱交換性能と地下水の水量はともに無限大であると仮定して)、予熱後の予加熱空気6は地下水4の水温に一致する(11.6℃まで予熱される)としている。但し、導入空気3と地下水4との間での熱交換は、導入空気3の温度T1が地下水4の温度T2より低い場合に行い、導入空気3の温度T1が地下水4の温度T2以上のときには熱交換は行わないとした。その他については先の比較例の場合と同様であり、また、比較例と同じ前提で計算している。
図4には、第1の熱交換器5で熱交換された予熱後の予加熱空気6の温度が示されている。また、図5には、本発明の実施例に相当する結果であって、先の比較例において述べた木質バイオマス原料の乾燥処理を行ったときの温水7の循環水量の計算結果が示されている。図5から分かるように、第2の熱交換器9に供給される温水7の循環水量は、比較例の場合(図3)に比べて季節変動が抑えられている。すなわち、冬場の循環水量が120ton/hr程度になっており、最大でも約125ton/hrまで下げることができている。また、ボイラー18での燃焼に必要な燃料は、冬場で最大約2.0ton-wet/hrに抑えることができる。
つまり、本発明によれば、木質バイオマス原料を乾燥させる温風を得る際に、本加熱に使用する熱媒体の流量やその熱量確保に必要な燃料を減らすことができ、また、大気の温度変化の影響を抑えることができることから、乾燥設備を処理量に見合ったものに小型化することができるようになる。
X:乾燥設備、X1:導入空気加温装置、X2:乾燥装置本体、1:コンベア、2:木質バイオマス原料、2a:原料層、3:導入空気、4:地下水、5:第1の熱交換器、6:予加熱空気、7:温水、8:温風、9:第2の熱交換器、10:コンベア室、11:熱交換器室、12:床材、13:吸引口、14:排気ダクト、15:排気ブロワー、16:(乾燥処理後の)木質バイオマス、17:ポンプ、18:ボイラー、19:温度計、20:水温計、21:遮断弁。

Claims (7)

  1. 大気から導入した導入空気を水の沸点以下に加温して得た温風を用いて、木質バイオマス原料を乾燥させる木質バイオマス原料の乾燥方法であって、
    前記加温は、外気温より高い温度の予加熱用水との熱交換による前記導入空気の予加熱と、該予加熱を受けた予加熱空気の高温熱源との熱交換による本加熱とを有することを特徴とする、木質バイオマス原料の乾燥方法。
  2. 前記温風の温度が60℃以上95℃以下であることを特徴とする、請求項1に記載の木質バイオマス原料の乾燥方法。
  3. 前記予加熱用水が、地下水又は工場温排水であることを特徴とする、請求項1又は2に記載の木質バイオマス原料の乾燥方法。
  4. 前記導入空気の温度と前記予加熱用水の温度とを比較して、前記導入空気の温度が前記予加熱用水の温度より低い場合に前記予加熱を行い、前記導入空気の温度が前記予加熱用水の温度と同じか又は高い場合に前記予加熱をバイパスすることを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の木質バイオマス原料の乾燥方法。
  5. 大気から導入した導入空気を水の沸点以下に加温して温風を得る導入空気加温装置と、前記温風を用いて木質バイオマス原料を乾燥させる乾燥装置本体とを有する木質バイオマス原料の乾燥設備であって、
    前記導入空気加温装置が、前記導入空気と外気温より高い温度の予加熱用水との間で熱交換を行って前記導入空気を予加熱する第1の熱交換器と、予加熱された予加熱空気と高温熱源の熱を吸収した熱媒体との間で熱交換を行って本加熱する第2の熱交換器とを備えて温風を得ることを特徴とする、木質バイオマス原料の乾燥設備。
  6. 前記導入空気加温装置が、
    前記導入空気の温度を測定する温度計と、
    前記予加熱用水の温度を測定する水温計と、
    前記導入空気の温度が前記予加熱用水の温度より低い場合に、前記第1の熱交換器に前記予加熱用水を供給して前記導入空気を予加熱し、得られた予加熱空気を前記第2の熱交換器に導き、前記導入空気の温度が前記予加熱用水の温度と同じか又は高い場合には、前記第1の熱交換器への前記予加熱用水の供給を遮断して、前記導入空気を予加熱せずに前記第1の熱交換器を通過させて前記第2の熱交換器に導くか、或いは前記導入空気を前記第1の熱交換器をバイパスさせて直接前記第2の熱交換器に導く予加熱制御機構と
    を更に備えることを特徴とする、請求項5に記載の木質バイオマス原料の乾燥設備。
  7. 前記乾燥装置本体が、通気性を有する無端状の搬送ベルトを備えたコンベアを有するバンド式乾燥装置であって、前記搬送ベルト上に積載された木質バイオマス原料からなる原料層の厚み方向に対して、前記導入空気加温装置で得られた温風を通気させて乾燥することを特徴とする、請求項5又は6に記載の木質バイオマス原料の乾燥設備。
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