[第1実施形態]
本発明の1つの実施形態を図1〜37に基づいて説明する。本実施形態ではいわゆるスライドマルノコと称される切断機(卓上切断機)1を例示する。図1に示すように切断機1は、切断機本体10と、被切断材を載置するためのターンテーブル50と、ベース2を有する。ベース2は、卓上や床上等に載置されて、ターンテーブル50を水平回転可能に支持する。ベース2は、ターンテーブル50の左右双方にターンテーブル50と同じ上面高さの補助テーブル3を有する。以下の説明において部材及び構成の上下左右方向は、使用者を基準にして規定する。部材及び構成の前後方向は、使用者から見て手前を前側とする。
図10,11に示すようにターンテーブル50は、ベース2の上面中央の回転支軸2aを介してベース2に対して水平回転可能に支持される。図2,8に示すようにターンテーブル50は、テーブル本体51とテーブル外周壁52とテーブル延長部53を有する。テーブル本体51は、平面視略円形状であり上面が水平に設けられる。テーブル外周壁52は、略円筒状でテーブル本体51の外縁に設けられる。テーブル延長部53は、テーブル本体51から前方に延びる。図1に示すようにテーブル本体51の上面には刃口板54と、被切断材を面方向に位置決めするための位置決めフェンス56が設けられる。図12に示すように使用時には、刃具11によって切込みを入れることで、実際の精確な刃具11の位置を示すことができる。刃口板54は、切込みを入れる前の状態は一枚状であって、刃具11の位置を示す切欠き状の溝孔55を有する。
図12に示すようにテーブル延長部53の下部には、テーブル位置決め機構60(第1の位置決め機構)とポジティブロック機構65(第2の位置決め機構)が設けられる。テーブル位置決め機構60は、固定ロッド62とグリップ61を有する。固定ロッド62は、テーブル延長部53の長手方向に延びてテーブル延長部53の内部に配置される。グリップ61は、テーブル延長部53の前端からさらに前方に突き出る。グリップ61は、固定ロッド62の前端部に一体に設けられる。
図12,13に示すように固定ロッド62の後端部には、ねじ軸部62aが設けられる。ねじ軸部62aは、テーブル延長部53に開けられたねじ孔53aと螺合する。ねじ孔53aは、テーブル延長部53の後部下側の後側支持部53cに前後方向に開けられる。したがって使用者がグリップ61を把持して固定ロッド62の軸周りにねじ締込み方向に回転させる。これにより固定ロッド62は、テーブル延長部53の長手方向に沿ってベース2に対して接近する。使用者がグリップ61を把持して固定ロッド62の軸周りにねじ緩め方向に回転させる。これにより固定ロッド62は、テーブル延長部53の長手方向に沿ってベース2から離間する。
図12,13に示すように固定ロッド62の後端部の後方には、保護板63が上下方向及び左右方向に延在して設けられている。保護板63は、固定ロッド62の先端部と図では見えていないがベース2の前壁部との間に介在する。保護板63は、テーブル延長部53の基端部に固定される。グリップ61をねじ締込み方向に回転させることで固定ロッド62の後端部が保護板63に突き当たる。保護板63は、固定ロッド62の後端部に押されることでベース2の前壁部に押し当てられる。これによりテーブル延長部53がベース2に対して固定され、ターンテーブル50がベース2に対して回転不能になる。かくしてターンテーブル50がベース2に対して所定の回転角度でロックされる。
図12に示すようにポジティブロック機構65は、ロック解除レバー66と位置決めピン67を有する。ロック解除レバー66は、テーブル延長部53の前端に配置される。ロック解除レバー66は、概ねS字形(クランク形)に屈曲した形状を有し、中央の上方から前方に向けて突き出した形状の操作部66cを有する。操作部66cは、テーブル延長部53の前端からさらに前方に突き出る。図16に示すロック解除レバー66の後端部66aは、図12に示す揺動軸部66dを介してテーブル延長部53に上下に揺動操作可能に支持される。
図12,16に示すように位置決めピン67は、固定ロッド62の下方において前後方向に延在して設けられる。ロック解除レバー66は、揺動軸部66dよりも前側において、係合ピン68を介して位置決めピン67と連携される。係合ピン68は、位置決めピン67よりも十分に細径のピンである。係合ピン68は、位置決めピン67に対して左右方向に貫通する。係合ピン68は、後端部66aに下方から当接する。位置決めピン67は、テーブル延長部53の前側支持部53bと後側支持部53cを介して前後に変位可能に支持される。
図14に示すように位置決めピン67が後方に変位すると、後端部66aは係合ピン68に上向きに押圧される。これによりロック解除レバー66は、揺動軸部66d回りに上方に揺動する。図12に示すようにロック解除レバー66を揺動軸部66d回りに下方に揺動させると、係合ピン68は後端部66aに下向きに押圧される。これにより係合ピン68は、後端部66aの下面に沿って相対的に前方に変位する。したがって位置決めピン67は、前方に変位する。位置決めピン67の後端部67aは、ベース2の中央円弧部上面に取付けられたマイタスケールプレート58の前面と対向する。マイタスケールプレート58は、前面に後端部67aと対向する高さに後端部67aが挿入される位置決め凹部58bを有する。マイタスケールプレート58は、円弧状で周方向に延出し、複数の位置決め凹部58bがマイタスケールプレート58の周方向に所定の角度間隔で形成される。
図12,17に示すように、位置決めピン67の係合ピン68より前方位置に、圧縮ばね66bが取付けられる。圧縮ばね66bは、位置決めピン67を後方に付勢する。したがってロック解除レバー66は、圧縮ばね66bによって係合ピン68を介して上向きに付勢される。図12に示すようにロック解除レバー66が上方のロック位置側に位置する状態では、位置決めピン67が圧縮ばね66bの付勢力により後方へ変位する。位置決めピン67が後方へ変位することで、位置決めピン67の後端部67aは、何れかの位置決め凹部58bに進入する。これにより、ターンテーブル50の回転位置がロックされる。位置決めピン67のロック位置は圧縮ばね66bの付勢力により保持される。
図14に示すように圧縮ばね66bに係る付勢力に抗して操作部66cを下方(アンロック位置側)へ押し操作する。これにより係合ピン68が前方に変位し、したがって位置決めピン67が前方に変位する。位置決めピン67が前方へ変位すると、後端部67aが位置決め凹部58bから抜き出される。これによりポジティブロック機構65がアンロック状態となり、ターンテーブル50を回転可能になる。ポジティブロック機構65がアンロック状態のときにターンテーブル50を回転させると、後端部67aが圧縮ばね66bによって付勢されてマイタスケールプレート58に押し当てられる。ターンテーブル50を所定の角度まで回転させると、後端部67aが複数の位置決め凹部58bの1つに対向し、自動的に位置決め凹部58bに挿入される。これによりターンテーブル50の回転位置が所定の角度でロックされる。
図2に示すようにテーブル延長部53の前端の左側部には、ロック解除レバー66の押し下げ位置(アンロック位置)を保持するための操作ノブ69が設けられる。ロック解除レバー66の押し下げ操作(アンロック操作)は、操作ノブ69を操作することでロックされる。ロック解除レバー66の押し下げ操作のロックは、図17に示すように、操作ノブ69と一体に設けられたリーフスプリング69aが操作部66cの後方に干渉することで達成される。ロック解除レバー66をアンロック位置に保持させることにより、図12に示す後端部67aは位置決め凹部58bから離脱した状態で維持される。これによりテーブル位置決め機構60による位置決め操作を迅速かつ確実に行うことができる。テーブル位置決め機構60による位置決めを行わない場合には、操作ノブ69のロック操作を解除してロック解除レバー66のロック状態を解除する。これによりロック解除レバー66は、圧縮ばね66bの付勢力により上方のロック位置に戻される。
図5,7に示すようにベース2の前部には、すでに説明した円弧状のマイタスケールプレート58が取付けられる。マイタスケールプレート58は、ベース2の前部の略半周の領域に設けられる。マイタスケールプレート58は、上面が略平面になっており、ターンテーブル50のマイタ角度を示す目盛が上面に刻まれる。マイタスケールプレート58は、固定ねじ58aによってベース2に固定される。固定ねじ58aが挿入される孔は長孔になっており、固定ねじ58aを緩めてマイタスケールプレート58を左右に動かすことにより位置決めフェンス56と刃具11の角度を微調整できる。例えば、位置決めピン67が直角位置の位置決め凹部58bに挿入された状態であれば、刃具11と位置決めフェンス56の直角を精密に調整することができる。この調整は、主に製品の生産過程で行われる。
図2に示すようにテーブル延長部53の下端には、テーブル延長部53を下から支持するアジャストボルト57が設けられる。アジャストボルト57は、上下動可能にテーブル延長部53に支持されて、ねじ操作によって上下動する。アジャストボルト57をねじ緩め方向に操作するとアジャストボルト57が下動する。アジャストボルト57の下端が切断機1の載置面と当接することで、アジャストボルト57がテーブル延長部53を高さ調整可能に支持する。
図4,12に示すように位置決めフェンス56は、左右方向に延び、かつ上方に延びる壁形状を有する。ターンテーブル50の後部に本体支持部70が設けられ、本体支持部70に切断機本体10が揺動可能に支持される。本体支持部70は、ターンテーブル50の後部において前後方向に延出する左右傾動支軸70aを有する。図6,7に示すように切断機本体10は、左右傾動支軸70aを中心にして左右に傾斜可能である。本体支持部70と切断機本体10の間には、スライドバー71が設けられる。図5,8に示すように切断機本体10は、スライドバー71に沿って前後方向にスライド可能である。
図2に示すように切断機本体10の後部には、左右方向に長い上下揺動支軸10aが設けられる。切断機本体10は、上下揺動支軸10aを中心にして上下に揺動可能である。切断機本体10を下方へ揺動させることで刃具11がターンテーブル50上に載置した被切断材を切断する。続いて切断機本体10を前方へスライドさせる。これにより刃具11によって被切断材を切断でき、例えば幅広の被切断材を切断できる。
図2に示すように切断機本体10は、固定カバー12と可動カバー13を備える。固定カバー(刃具カバー)12は、刃具11の上側半周の範囲を覆う。固定カバー12は、例えばアルミ等の金属材料で構成される。可動カバー13は、刃具11の下側半周の範囲を覆う。可動カバー13は、切断機本体10の上下動に連動して回転し、刃具11の下側半周を開閉する。切断時には、可動カバー13が開き位置に移動し、露出された刃具11が被切断材を切断する。
図3,4に示すように切断機本体10は、モータハウジング20とハンドル45を備える。ハンドル45は、左右方向について対称形状であるハンドル右部46とハンドル左部47に分割可能な半割構造を有する。ハンドル45は、前部のメインハンドル45aと後部のキャリングハンドル45dを有する。メインハンドル45aとキャリングハンドル45dは、いずれも使用者が把持可能にループ形状を有する。メインハンドル45aは、使用者が切断作業をするときに把持される。メインハンドル45aの内周縁には、スイッチレバー45cが設けられる。スイッチレバー45cは、使用者がメインハンドル45aを把持した状態で指で引き操作できる場所に位置する。スイッチレバー45cを引き操作すると、モータ25が起動して刃具11が回転する。
図3,4に示すようにメインハンドル45aの上部には、ロックオフボタン45bが設けられる。ロックオフボタン45bを押すことでスイッチレバー45cの操作が許容される。これにより不意なモータ25の起動が回避される。
図3に示すようにキャリングハンドル45dは、使用者が切断機1を持ち運ぶときに把持される。切断機本体10を下端位置に位置させたとき、キャリングハンドル45dは概ね水平方向に延びた姿勢となる。切断機本体10を下端位置でロックした状態でキャリングハンドル45dを把持することで切断機1を持ち運びできる。
図3に示すようにハンドル45は、スイッチ45e,45fを有する。スイッチ45eを押し操作することで、スミ線合わせ用のレーザ照射器49のレーザ光をオンオフ切替えできる。レーザ光は、切断面に照射され、刃具11を移動させる際の目印になる。スイッチ45fを押し操作することで、照明具48の照射光をオンオフ切替えできる。照射光は、刃具11による切断領域の周辺を明るくする。照明具48は、ハンドル45から延出するアームを有し、切断機本体10の上方に位置する。
図2に示すようにハンドル45は、キャリングハンドル45dの後方に通信アダプタ41が装着される。通信アダプタ41は、図32に示すコントローラ35と電気的に接続される。通信アダプタ41は、他の付帯設備との間で無線通信をする。付帯設備は例えば切屑を吸引する集塵機である。無線通信によって、付帯設備の起動動作や停止動作が切断機1の起動動作や停止動作と連動する。
図4に示すようにモータハウジング20は、略円筒形状であって、固定カバー12に対して右上方に傾斜している。モータハウジング20の右上方には、吸気口20aが設けられる。図32に示すようにモータハウジング20には、モータ25が収容される。モータ25は、略円筒形のモータハウジング20の長手方向にモータ軸25aが沿うように収容される。吸気口20aと相反方向であるモータ軸25aの左下方には、モータファン26が取付けられる。モータ25が起動してモータファン26が回転するとき、吸気口20aを経てモータハウジング20内に外気が導入される。
図32に示すようにモータ25には、例えばDCブラシレスモータが用いられる。モータ25の固定子25bは、モータハウジング20の内周面に回転不能に支持される。モータ25の回転子25cは、固定子25bの内周側に位置する。回転子25cは、モータ軸25aに取付けられ、モータ軸25aとともにモータハウジング20に対して回転可能に支持される。回転子25cの回転角度がセンサ基板25dによって検知される。
図4に示すようにモータハウジング20は、刃具11がターンテーブル50の上面に対して直交する直角切り位置に位置させた状態で、ターンテーブル50の上面に対して平行ではなく傾斜した姿勢で配置される。したがって切断機本体10を傾斜させる角度(ベベル角度)をモータハウジング20が形成される右方により大きく設定できる。例えばモータハウジング20がターンテーブル50の上面に対して平行に配置される形態に比べて、切断機本体10を右方により大きく傾けることができる。
図2に示すように刃具11は、その中心をアウタフランジ15とインナフランジ(不図示)で挟まれた状態で固定ねじ14を締め込むことでスピンドル(不図示)に取付けられる。これにより刃具11は、スピンドルと一体に回転可能に固定カバー12に支持される。刃具11が取付けられるスピンドルは、図32に示すモータ軸25aの回転が減速ギヤ部を介して伝達されることにより回転する。
図3に示すようにモータハウジング20の後方には、アダプタ30が取付け可能である。図18,19に示すようにアダプタ30は、段差付きの概ね箱形である。アダプタ30は、位置決め部31とバッテリ取付部(第1バッテリ取付部)32をそれぞれ相反する位置に有する。位置決め部31は、モータハウジング20に取付けられる。バッテリ取付部32にバッテリ40が取外し可能に取付けられる。
図18,19に示すように位置決め部31は、レール31aと係止部31bと平面部31cを有する。平面部31cは略平面状であり、レール31aは、断面T字状で、起立部31dと張出部31eを有する。起立部31dは、平面部31cから突出し、張出部31eは、起立部31dの先端から平面部31cと略平行に張り出す。係止部31bは、レール31aの端部に位置し、平面部31cから突出する。係止部31bは、レール31aの長手方向と略直交方向に延びる。
図18,19に示すようにアダプタ30は、位置決め部31を有する第1面30cと、バッテリ取付部32を有する第2面30dを有する。第1面30cは、第2面30dと対向位置にあり、第2面30dと略平行である。アダプタ30は、第1面30cと第2面30dとに略直交する本体係合面30eと底面30fを有する。本体係合面30eは、アダプタ30の長手方向の端面であり、かつ切断機本体10に取付けたときに切断機本体10側に配置される。本体係合面30eは、切断機本体10に取付けた姿勢で左上方となる。底面30fは、アダプタ30の長手方向の端面であり、かつ切断機本体10に取付けたときに切断機本体10側に配置される。底面30fは、切断機本体10に取付けた姿勢で左下方となる。
図18に示すように位置決め部31は、通風部(第2通風部)33を有する。通風部33は、アダプタ30が切断機本体10に取付けられた姿勢において前方となる第1面30cと底面30fに形成される。通風部33は、アダプタ30の内外を連通する第2通風孔33aを有する。第2通風孔33aは、第1面30cから底面30fにかけて開口した1つの角状の孔である。
図19に示すようにバッテリ取付部32は、アダプタ30の長手方向に延びる一対のレール32aと、係合凹部32bを有する。一対のレール32aは、アダプタ30の両端縁に沿って延出し、相互に対向する。係合凹部32bには、図22に示すバッテリ40の係合爪40bが係合される。
図18に示すように本体係合面30eに切断機本体10と係合可能な本体取付部30aが設けられる。本体取付部30aは、略三角柱状に突出した凸部に形成される。本体取付部30aは、本体取付部30aにねじ孔30bが形成される。図29に示すようにねじ孔30bは、アダプタ30をハンドル右部46に取付けた姿勢で水平方向に向くように形成される。
図18,19,32に示すようにアダプタ30は、ターミナル38とコントローラ35を収容する。リード線34は、ターミナル38からコントローラ35を経由してモータ25等へ延びて繋がり、電気的に接続される。ターミナル38は、正負の電源端子38b,38cと信号端子38dを有し、当該3つの端子を樹脂でモールドしたターミナル基部38aを有する。コントローラ35は、浅い略直方体のケースと、ケース内に収容されかつ樹脂モールドされた制御基板を有する。コントローラ35は、その長手方向がアダプタ30の長手方向に沿う姿勢でアダプタ30内に配置される。
図32に示すようにコントローラ35は、主としてモータ25の動作制御を行うための制御回路や電源回路を有する。コントローラ35には、制御回路、駆動回路、オートストップ回路等が搭載される。制御回路は、センサ基板25dで検知された回転子25cの位置情報に基づいて制御信号を送信するマイコンを有する。駆動回路は、制御回路から受信した制御信号に基づいてモータ25の電流をスイッチングするFETを有する。オートストップ回路は、バッテリ40の状態の検出結果に応じて過放電又は過電流状態とならないようにモータ25への電力供給を遮断する。
図20〜23に示すようにバッテリ40は、箱形で、例えば出力電圧が18Vのリチウムイオンバッテリである。バッテリ40は、充電可能であって、バッテリ取付部32から取外して別途用意した充電器で充電できる。バッテリ40は、ねじ締め機や電気ドリル等のその他の充電式電動工具との間で電源として使い回すことができる。
図20〜23に示すようにバッテリ40は、一対のレール40cと接続端子40dを有する。一対のレール40cは、バッテリ40の長手方向に沿って互いに平行に延びている。バッテリ40をバッテリ取付部32に対して着脱させる場合、バッテリ40の一対のレール40cをバッテリ取付部32の一対のレール32aに沿って図中の白抜き矢印で示す方向に摺動させる。接続端子40dは、一対のレール40cの間領域に位置する。バッテリ40をバッテリ取付部32に取付けたとき、接続端子40dが図23に示すバッテリ取付部32の正負の電源端子38b,38cや信号端子38dと電気的に接続される。これによりバッテリ40がコントローラ35やターミナル38と電気的に接続され、これらを介してモータ25等と電気的に接続される。
図20〜23に示すようにバッテリ40は、係合解除ボタン40aと係合爪40bを有する。係合爪40bは、バッテリ取付部32に向いて突出し、図示省略の付勢部材によって突出方向に付勢される。係合解除ボタン40aは、バッテリ40の側部に設けられる。係合解除ボタン40aを押し操作することで、係合爪40bが付勢部材の付勢力に抗してバッテリ40の内側へ引込む。したがってバッテリ40をバッテリ取付部32に取付けた際、係合爪40bが付勢部材の付勢力によって自動的に係合凹部32bと係合する。これによりバッテリ40がバッテリ取付部32に保持される。係合爪40bと係合凹部32bが係合した状態で係合解除ボタン40aを押す。これにより係合爪40bが係合凹部32bから離脱し、バッテリ40をバッテリ取付部32から取外すことができる。
図24,25に示すようにモータハウジング20の後方には、モータハウジング20に対してアダプタ30を位置決めする位置決め部22が設けられる。位置決め部22は、左右一対のレール22aと遮蔽部(第1通風部)21を有する。一対のレール22aは、略円筒形のモータハウジング20の軸方向に平行に延びる。遮蔽部21は、図29に示すようにモータハウジング20がハンドル右部46に取付けられた姿勢において左下方となるように位置する。
図25に示すように遮蔽部21は、位置決め部22から後方に張出した略箱形形状を有する。レール22aを利用してモータハウジング20にアダプタ30をスライドさせることで、遮蔽部21が第2通風孔33aに対して嵌合する。アダプタ30の起立部31dとモータハウジング20の一対のレール22aの間の嵌合の設定は、シメシロを有する圧入とはせず、わずかなクリアランスを設けた遊合とする。そのような設定とすることで、手作業ですばやく組付けることが可能となる。図24に示すように遮蔽部21は、モータハウジング20の内外を連通する略矩形の第1通風孔21aを有する。図32に示すように第1通風孔21aは、モータファン26の径方向の延長線上に位置し、モータファン26に向かって開口する。
図24,26に示すようにモータハウジング20の側面20dは、切断機本体10に取付けた姿勢で左方に位置する。該側面20dに略三角柱状に突出した凸部20bが設けられる。凸部20bにねじ孔20cが形成される。図29に示すようにねじ孔20cは、モータハウジング20をハンドル右部46に取付けた姿勢で水平方向に向くように形成される。
図24〜27に示すようにアダプタ30のレール31aを図中の白抜き矢印の方向にモータハウジング20のレール22aに沿わせて摺動させる。これによりアダプタ30がモータハウジング20の長手方向に沿って位置決め部22に着脱される。アダプタ30を位置決め部22に取付けてモータハウジング20に並設させたとき遮蔽部21が通風部33の入口の切欠き部33bと嵌合する。これにより第1通風孔21aが第2通風孔33aと連通される。遮蔽部21と切欠き部33bが嵌合することで、アダプタ30がモータハウジング20に対して位置決めされる。
図32中の矢印で示すようにモータ冷却風は、モータファン26の回転により吸気口20aからモータハウジング20内に導入される。続いてモータ冷却風は、モータ軸25aに沿ってモータファン26に向かって流れる。モータファン26は、モータ冷却風を径方向に送る。そしてモータ冷却風は、第1通風孔21aと第2通風孔33aを介してアダプタ30内に進入する。これによりモータ冷却風は、アダプタ30に収容されるコントローラ35やターミナル38を冷却する。その後、冷却風は分岐して、右側排気風窓36と左側排気風窓37から排出される。
図28,29に示すようにモータハウジング20とアダプタ30は、ハンドル右部46に取付け可能である。ハンドル右部46は、嵌合孔46a,46bを有する。嵌合孔46aは、前後方向を長手方向とする略矩形に設けられ、モータハウジング20の凸部20bと嵌合可能である。嵌合孔46bは、前後方向を長手方向とする略矩形に設けられ、アダプタ30の本体取付部30aと嵌合可能である。モータハウジング20とアダプタ30をハンドル右部46に組付ける際に、嵌合孔46aにモータハウジング20の凸部20bが嵌合し、嵌合孔46bにアダプタ30の本体取付部30aを嵌合する。これによりモータハウジング20とアダプタ30がハンドル右部46に位置決めされる。
図28,29に示すように、凸部20bをハンドル右部46の嵌合孔46aに挿入した状態とし、アダプタ30の本体取付部30aをハンドル右部46の嵌合孔46bに挿入した状態として、ハンドル左部47をハンドル右部46と形状が合うように重ねる。この後、凸部20bのねじ孔20cに、モータハウジング/ハンドル右部/ハンドル左部締結ねじ20e(不図示)を締付け、本体取付部30aのねじ孔30bに、アダプタ/ハンドル右部/ハンドル左部締結ねじ30gを締付けると、モータハウジング20、アダプタ30、ハンドル右部46、ハンドル左部47の4部品が一体となる。ねじ孔20cとねじ孔30bは、モータハウジング20とアダプタ30とを組付けた状態で略平行である。そのためねじ孔20cとねじ孔30bに取付けられる2本のねじは、互いに平行である。以上のような構成とすることにより、4部品の一体化をすばやく行うことができる。
さらに、一体となった4部品は、ねじ締結によって固定カバー12に取付けることができる。図28,29,31に示すように、先ず4本のモータハウジング/固定カバー締結ねじ12b〜eを、モータ25に平行に開いたモータハウジング20の4つの角の挿通孔20g〜jに貫通させて固定カバー12に締付ける。その後、ハンドル右部/固定カバー締結ねじ12fを、刃具11に直角に開いたハンドル右部46の挿通孔46cに貫通させて固定カバー12に取付ける。
図33,34に示すようにモータハウジング20の位置決め部22は、アダプタ(第1アダプタ)30に代えてアダプタ(第2アダプタ)101を装着できる。アダプタ101は、位置決め部22に取付け可能であって位置決め部31と同様の構造を備える位置決め部102を有する。
図33,34に示すようにアダプタ101は、アダプタ30のバッテリ取付部32に代えて、バッテリ取付部103を有する。バッテリ取付部(第2バッテリ取付部)103には、アダプタ101の長手方向に延びるレール103aが設けられる。バッテリ取付部103は、バッテリ(第1バッテリ)40と異なる形状のバッテリ(第2バッテリ)105を取外し可能に装着できる。バッテリ105は、箱形で、例えば出力電圧が36Vのリチウムイオンバッテリである。バッテリ105は充電可能であって、バッテリ取付部103から取外して別途用意した充電器で充電できる。
図1に示すように切断機1は、ベース2と、ベース2に回転可能に支持されるターンテーブル50を有する。さらに切断機1は、図35,36に示すようにベース2に対するターンテーブル50の回転角度を調整する角度微調整機構80を有する。
図35,36に示すように角度微調整機構80は、ベース2とターンテーブル50の後側領域に設けられる。角度微調整機構80は、操作部81と減速軸85とラック86を有する。ラック86は、ベース2の内壁部2eに沿って設けられる。内壁部2eは、ターンテーブル50のテーブル外周壁52より回転支軸2aに近い内周側に位置する。内壁部2eは、回転支軸2aの方向を向いて上下方向(垂直)に延出する。内壁部2eは、回転支軸2aを中心とした平面視円弧状である。なお、本願の図面においてはラックとピニオンの歯は全て省略する。
図35,36に示すようにラック86は、回転支軸2aを円弧中心軸86bとする円弧状のラック本体86aと、ラック本体86aに形成された複数の歯86cを有する。複数の歯86cは、ラック本体86aの内周面に周方向に所定間隔で配置される。歯86cは、ラック本体86aから径方向中心に向けて突出する。歯86cの間には歯溝が形成される。歯86cは、上下方向(垂直)に延出している。
図12,35〜37に示すように操作部81は、回転軸82の上端に設けられ、回転軸82の下端に第1ピニオン83が設けられる。操作部81は、ターンテーブル50の上面の上方に位置し、使用者によって操作され得る。操作部81は、位置決めフェンス56より後方に位置し、ターンテーブル50のテーブル外周壁52より回転支軸2aに近い内周側に位置する。操作部81と回転軸82は、一体に設けられる。回転軸82は、軸回りに回転可能にターンテーブル50に支持される。回転軸82の下部には、回転軸82と同軸で第1ピニオン83が設けられる。第1ピニオン83の歯溝は、上下方向に延びる。操作部81を回転軸82回りに回転すると、操作部81と回転軸82と第1ピニオン83が一体になって回転する。
図12、図37に示すように操作部81の下端とターンテーブル50の上面の間には、操作部81を上方へ付勢する圧縮ばね84が設けられる。操作部81が上方に付勢されると、回転軸82と第1ピニオン83も上方に付勢される。これにより第1ピニオン83は、減速軸85のピニオン係合ギヤ85aとの係合が解除される解除位置へ移動する。解除位置において第1ピニオン83は、ピニオン係合ギヤ85aと第2ピニオン85bを介したラック86との係合が解除される。操作部81を付勢力に抗して下動させると、回転軸82と第1ピニオン83も下動する。これにより第1ピニオン83は、減速軸85のピニオン係合ギヤ85aと係合する係合位置へ移動する。係合位置において第1ピニオン83は、ピニオン係合ギヤ85aと第2ピニオン85bを介してラック86と間接的に係合する。
図12,35〜37に示すように減速軸(減速機構)85は、圧入によって回転不能にターンテーブル50に支持される。減速軸85は、上下方向に延出し、第1ピニオン83が取付けられた回転軸82と平行に配設される。減速軸85の下部には、減速軸85と同軸の第2ピニオン85bが遊合で挿入されることで減速軸85に対して回転可能になっている。第2ピニオン85bはラック86と係合する。第2ピニオン85bより上方には、減速軸85と同軸のピニオン係合ギヤ85aが設けられる。ピニオン係合ギヤ85aは、解除可能に第1ピニオン83と係合する。すなわち減速軸85は、第1ピニオン83とラック86の間に介装される。
図35,36に示すように操作部81を圧縮ばね84の付勢力に抗して下方へ押しながら操作部81を回転させる。これにより第1ピニオン83がピニオン係合ギヤ85aに係合する。操作部81の回転数は、第1ピニオン83とピニオン係合ギヤ85aとの噛み合いにおいて減速されて伝わる。ピニオン係合ギヤ85aの回転数は、第2ピニオン85bとのラック86との噛み合いにおいて減速されて伝わる。第1ピニオン83が回転することで、第1ピニオン83がラック86に沿って相対的に移動する。これによりターンテーブル50は、ベース2に対して回転支軸2a回りに回転する。かくしてターンテーブル50の回転位置を微調整できる。
ターンテーブル50がベース2に対して所望の角度に達した際に、使用者は操作部81に加えていた力を解除する。これにより操作部81が圧縮ばね84の付勢力によって上方に移動し、第1ピニオン83が上方の解除位置に自動的に移動する。これにより操作部81が不意に回転してもターンテーブル50は、ベース2に対して回転しない。
図1,12,35に示すように切断機1は、ベース2とターンテーブル50と切断機本体10を有する。ターンテーブル50は、ベース2に対して水平面上に回転可能に設けられる。切断機本体10は、ターンテーブル50の上方に位置しかつターンテーブル50に対して上下方向に揺動可能に連結される。ターンテーブル50は、被切断材が載置される略円板状のテーブル本体51と、テーブル本体51から前方に突出するテーブル延長部53を有する。切断機1は、ベース2に対するターンテーブル50のわずかな回転角度を良好な操作性で精度良く調整する角度微調整機構80を有する。角度微調整機構80は、ベース2に設けられるラック86と、第1ピニオン83と、操作部81を有する。第1ピニオン83は、上面視においてテーブル本体51の領域内に位置するようにテーブル本体51に設けられかつラック86に間接的に係合する。操作部81は、使用者によって把持されて第1ピニオン83を回転させる。
したがって第1ピニオン83がテーブル本体51内、すなわちターンテーブル50の回転中心である回転支軸2aの近くに位置する。そのため第1ピニオン83を回転させる操作部81も回転支軸2aの近くに位置する。したがって操作部81がターンテーブル50の回転とともに移動する距離が比較的短く、狭い領域内に位置する。これにより操作部81を操作し易い。ラック86は、ベース2の内壁部2eに設けられる。ベース2は、被切断材を載置することで歪むターンテーブル50に比べて経時的変形が少ない。そのためラック86は、ターンテーブル50に設けられるラックに比べて耐久性が高い。
図35に示すように角度微調整機構80の第1ピニオン83と操作部81は、一体で回転するように回転軸82を介して一体的に形成される。角度微調整機構80のピニオン係合ギヤ85aと第2ピニオン85bは、一体で回転するように減速軸85を介して一体的に形成される。係合位置に移動させた第1ピニオン83は、ピニオン係合ギヤ85aと噛み合う。第2ピニオン85bはラック86と噛み合う。
したがって第1ピニオン83を係合位置に移動させた状態で操作部81を回転させる。これにより操作部81を操作する操作力は、第1ピニオン83とピニオン係合ギヤ85aとの噛み合いにおいて減速されて伝わる。ピニオン係合ギヤ85aの回転数は、第2ピニオン85bとのラック86との噛み合いにおいて減速されて伝わる。そのためベース2に対するターンテーブル50の回転位置を微調整できる。また角度微調整機構80の構造をシンプルにすることも可能である。そのため角度微調整機構80の形成コストを抑制できる。また第1ピニオン83を、比較的小さい力で操作部81によって操作できる。
図12に示すように第1ピニオン83は、回転軸82の延出方向にラック86に係合する係合位置と、係合位置が解除される解除位置とに移動できるようにテーブル本体51に設けられる。したがって第1ピニオン83を係合位置から解除位置に移動させることで、角度微調整機構80を作動させることなくターンテーブル50を回転させることができる。したがってターンテーブル50を大きく回転できる。一方、第1ピニオン83を係合位置に移動させた場合は、ターンテーブル50の位置を角度微調整機構80によって微調整できる。しかも第1ピニオン83は、直線運動によって係合位置と係合位置を移動するため、容易にラック86に対する操作力の伝達をオンオフ切替えできる。
図12,35に示すようにラック86は、円弧状のラック本体86aと、ラック本体86aから円弧径方向に突出しかつ円弧に沿って並ぶ複数の歯86cを有する。第1ピニオン83は、第1ピニオン83の回転軸とラック本体86aの円弧中心軸86bが平行になるようにテーブル本体51に設けられる。したがって第1ピニオン83の回転軸とラック86の回転軸が平行である。そのため第1ピニオン83からラック86への操作力の伝達効率が高くなる。かくしてターンテーブル50の回動動作がスムーズになる。第1ピニオン83の歯溝とラック86の歯溝が平行である。そのため第1ピニオン83を回転軸方向に移動させやすく、係合位置と解除位置に移動させやすい。
図12,37に示すように切断機1は、第1ピニオン83を係合位置(下方位置)から解除位置(上方位置)に向けて付勢する圧縮ばね84を有する。したがってターンテーブル50を操作部81で微調整する必要がない場合、第1ピニオン83を解除位置に自動的に移動できる。
図9に示すように第1ピニオン83と操作部81は、テーブル本体51の外周後領域に沿って位置する。一方、被切断材は、ターンテーブルの前領域に載置される。したがって第1ピニオン83と操作部81が、被切断材の妨げとならない位置に設けられる。そのため被切断材をターンテーブル50に載置した後でも使用者は、操作部81を操作しやすい。
図12,35に示すように第1ピニオン83とラック86の間には、第1ピニオン83の回転数を減速してラック86に伝える減速軸(減速機構)85が介装される。したがって操作部81の回転数に比べてラック86に伝わる回転数が減速軸85によって減速される。そのためベース2に対するターンテーブル50のマイタ角度をより細かく調整できる。しかもラック86の径を小さくすることもできる。例えばラック86の径を大きくすることでターンテーブル50のベース2に対する回転を減速させる構造に比べて、減速軸85を設けることでラック86の径を小さくすることができる。かくしてマイタ角度の微調整と卓上切断機1のコンパクト化の両立を図ることができる。
[第2実施形態]
切断機は、図35〜37に示すベース2とターンテーブル50と角度微調整機構80に代えて図38〜41に示すベース112とターンテーブル113と角度微調整機構111を有していても良い。
図38,41に示すように切断機(卓上切断機)110のターンテーブル113は、テーブル本体114とテーブル外周壁115とテーブル延長部53を有する。テーブル本体114は、平面視略円形状であり上面が水平に設けられる。テーブル外周壁115は、テーブル本体51の外縁に回転支軸112aを中心とした略円筒状である。テーブル外周壁115は、前側半周領域においてテーブル延長部53より右方の前右壁部115aと、テーブル延長部53より左方の前左壁部115bを有する。
図39〜41に示すようにベース112は、テーブル外周壁115より内側領域にラック支持台112bを有する。ここで、位置決めピン67と対向する位置決め凹部112cは、第1実施形態のようにマイタスケールプレートにあるのではなく、直接ベース112に設けられている。ラック支持台112bは、回転支軸112aを中心とした中空の円柱状である。ラック支持台112bは、水平の上面を有し、上面にラック118が固定される。ラック118は、ラック支持台112bの前方領域に回転支軸112aを中心とした円弧状のラック本体118aを有する。ラック118は、複数の歯118bを有するベベルギヤである。複数の歯118bは、ラック本体118aの上面に周方向に等間隔で配置され、歯118bの間に歯溝を有する。歯118bと歯溝は、回転支軸112aを中心とした径方向に延出し、かつ径方向外方に行くほど下方に傾斜している。
図38〜41に示すように切断機110は、ベース112とターンテーブル113の前側領域に角度微調整機構111(111A,111B)を有する。右側の角度微調整機構111Aは、テーブル延長部53の右側に位置し、左側の角度微調整機構111Bは、テーブル延長部53の左側に位置する。右側の角度微調整機構111Aは、第1操作部116と第1ピニオン116bとラック118を有する。
図38〜40に示すように第1操作部116は、前右壁部115aの高さ方向略中央に位置する。第1操作部116は、前右壁部115aの前方に位置し、使用者によって操作され得る。第1操作部116は、第1ピニオン軸116aの先端に位置し、第1ピニオン軸116aと一体に設けられる。第1ピニオン軸116aは、回転支軸112aからの放射線に沿って延出し、水平に配置される。第1ピニオン軸116aは、軸回りに回転可能に前右壁部115aに支持される。回転支軸112aの基端に第1ピニオン116bが一体に設けられる。第1ピニオン116bは、第1ピニオン軸116aと同軸の円錐形状を有するベベルギヤである。第1ピニオン116bは、端部に向かうにしたがって徐々に径が小さくなっている。
図40,41に示すように第1操作部116を第1ピニオン軸116a回りに回転すると、第1操作部116と第1ピニオン軸116aと第1ピニオン116bが一体になって回転する。第1ピニオン軸116aは、回転支軸112aを中心とした径方向に水平に移動可能に前右壁部115aに支持される。第1操作部116を内方に押し操作すると、第1ピニオン116bがラック118と係合する係合位置に移動する。第1操作部116を外方に引き操作すると、第1ピニオン116bがラック118との係合が解除される解除位置に移動する。第1操作部116は、係合位置と解除位置のいずれにおいても上面視においてベース112の外周よりも内側に位置する。
図38〜40に示すように左側の角度微調整機構111Bは、第2操作部117と第2ピニオン117bとラック118を有する。第2操作部117は、前左壁部115bの高さ略中央に位置する。第2操作部117は、前左壁部115bの前方に位置し、使用者によって操作され得る。第2操作部117は、第2ピニオン軸117aの先端に位置し、第2ピニオン軸117aと一体に設けられる。第2ピニオン軸117aは、回転支軸112aからの放射線に沿って延出し、水平に配置される。第2ピニオン軸117aは、軸回りに回転可能に前左壁部115bに支持される。回転支軸112aの基端に第2ピニオン117bが一体に設けられる。第2ピニオン117bは、第2ピニオン軸117aと同軸の円錐形状を有するベベルギヤである。第2ピニオン117bは、端部に向かうにしたがって徐々に径が小さくなっている。
図40,41に示すように第2操作部117を第2ピニオン軸117a回りに回転すると、第2操作部117と第2ピニオン軸117aと第2ピニオン117bが一体になって回転する。第2ピニオン軸117aは、回転支軸112aを中心とした径方向に水平に移動可能に前左壁部115bに支持される。第2操作部117を内方に押し操作すると、第2ピニオン117bがラック118と係合する係合位置に移動する。第2操作部117を外方に引き操作すると、第2ピニオン117bがラック118との係合が解除される解除位置に移動する。第2操作部117は、係合位置と解除位置のいずれにおいても上面視においてベース112の外周よりも内側に位置する。
図41に示すように第2ピニオン117bを係合位置に移動させた状態で第2操作部117を軸中心に回転させる。これにより第2ピニオン117bが、ラック118と係合しながら回転し、第2ピニオン117bがラック118に沿って周方向に移動する。その結果、ターンテーブル113が回転支軸112a回りに回転する。かくしてターンテーブル113の回転位置を微調整できる。なお第1操作部116は、第2操作部117と同様に操作できる。
[第3実施形態]
切断機110は、図41に示すベース112と角度微調整機構111に代えて、図42に示すベース122と角度微調整機構121を有していても良い。ベース122は、テーブル外周壁115より内側領域にラック支持台122bを有する。ラック支持台112bは、回転支軸112a(図40参照)を中心とした平面視略円形状である。ラック支持台122bの上面にラック128が固定される。ラック128は、ラック支持台122bの前方領域に回転支軸112aを中心とした円弧状のラック本体128aを有する。ラック128は、複数の歯128bを有するベベルギヤである。複数の歯128bは、ラック本体128aの下面に周方向に等間隔で配置され、歯128bの間に歯溝を有する。歯128bと歯溝は、回転支軸112aを中心とした径方向に延出し、かつ径方向外方に行くほど上方に傾斜している。
図42に示すように切断機110は、ベース122とターンテーブル113の前側領域に角度微調整機構121を有する。図42に示す左側の角度微調整機構121Bは、図38に示す角度微調整機構111Bと同様にテーブル延長部53の左側に位置する。図示省略の角度微調整機構は、図38に示す角度微調整機構111Aと同様にテーブル延長部53の右側に位置する。
図42に示すように左側の角度微調整機構121Bは、第2操作部127と第2ピニオン127bとラック128を有する。第2操作部127は、前左壁部115bの高さ方向略中央に位置する。第2操作部127は、前右壁部115aの前方に位置し、使用者によって操作され得る。第2操作部127は、第2ピニオン軸127aの先端に位置し、第2ピニオン軸127aと一体に設けられる。第2ピニオン軸127aは、回転支軸112aからの放射線に沿って延出し、水平に配置される。第2ピニオン軸127aは、軸回りに回転可能に前右壁部115aに支持される。回転支軸112aの基端に第2ピニオン127bが一体に設けられる。第2ピニオン127bは、第2ピニオン軸127aと同軸の円錐形状を有するベベルギヤである。第2ピニオン127bは、端部に向かうにしたがって徐々に径が小さくなっている。
図42に示すように第2操作部127を第2ピニオン軸127a回りに回転すると、第2操作部127と第2ピニオン軸127aと第2ピニオン127bが一体になって回転する。第2ピニオン軸127aは、回転支軸112a(図40参照)を中心とした径方向に水平に移動可能に前左壁部115bに支持される。第2操作部127を内方に押し操作すると、第2ピニオン127bがラック128と係合する係合位置に移動する。第2操作部127を外方に引き操作すると、第2ピニオン127bがラック128との係合が解除される解除位置に移動する。第2操作部127は、係合位置と解除位置のいずれにおいても上面視においてベース122の外周よりも内側に位置する。
図42に示すように第2ピニオン127bを係合位置に移動させた状態で第2操作部127を軸中心に回転させる。これにより第2ピニオン127bが、ラック128と係合しながら回転し、第2ピニオン127bがラック128に沿って周方向に沿って移動する。その結果、ターンテーブル113が回転支軸112a回りに回転する。かくしてターンテーブル113の回転位置を微調整できる。左側の角度微調整機構121Bと同様に図示省略の右側の角度微調整機構も形成される。
[第4実施形態]
切断機110は、図41に示すベース112と角度微調整機構111に代えて、図43に示すベース132と角度微調整機構131を有していても良い。ベース132は、テーブル外周壁115より内側領域にラック支持台132bを有する。ラック支持台132bは、回転支軸112a(図40参照)を中心とした平面視略円形状である。ラック支持台132bの上面にラック138が固定される。ラック138は、ラック支持台132bの前方領域に回転支軸112aを中心とした円弧状のラック本体138aを有する。ラック138は、複数の歯138bを有するベベルギヤである。複数の歯138bは、ラック本体138aの上面に周方向に等間隔で配置され、歯138bの間に歯溝を有する。歯138bと歯溝は、回転支軸112aを中心とした径方向に延出し、かつ径方向外方に行くほど上方に傾斜している。
図43に示すように切断機110は、ベース132とターンテーブル113の前側領域に角度微調整機構131を有する。図43に示す左側の角度微調整機構131Bは、図38に示す角度微調整機構111Bと同様にテーブル延長部53の左側に位置する。図示省略の角度微調整機構は、図38に示す角度微調整機構111Aと同様にテーブル延長部53の右側に位置する。
図43に示すように左側の角度微調整機構131Bは、第2操作部137と第2ピニオン137bとラック138を有する。第2操作部137は、前左壁部115bの高さ方向略中央に位置する。第2操作部137は、前右壁部115aの前方に位置し、使用者によって操作され得る。第2操作部137は、第2ピニオン軸137aの先端に位置し、第2ピニオン軸137aと一体に設けられる。第2ピニオン軸137aは、回転支軸112aからの放射線に沿って延出し、水平に配置される。第2ピニオン軸137aは、軸回りに回転可能に前右壁部115aに支持される。回転支軸112aの基端に第2ピニオン137bが一体に設けられる。第2ピニオン137bは、第2ピニオン軸137aと同軸の円錐形状を有するベベルギヤである。第2ピニオン137bは、端部に向かうにしたがって徐々に径が大きくなっている。
図43に示すように第2操作部137を第2ピニオン軸137a回りに回転すると、第2操作部137と第2ピニオン軸137aと第2ピニオン137bが一体になって回転する。第2ピニオン軸137aは、回転支軸112a(図40参照)を中心とした径方向に水平に移動可能に前左壁部115bに支持される。第2操作部137を外方に引き操作すると、第2ピニオン137bがラック138と係合する係合位置に移動する。第2操作部137を内方に押し操作すると、第2ピニオン137bがラック138との係合が解除される解除位置に移動する。第2操作部137は、係合位置と解除位置のいずれにおいても上面視においてベース132の外周よりも内側に位置する。
図43に示すように第2ピニオン137bを係合位置に移動させた状態で第2操作部137を軸中心に回転させる。これにより第2ピニオン137bが、ラック138と係合しながら回転し、第2ピニオン137bがラック138に沿って周方向に沿って移動する。その結果、ターンテーブル113が回転支軸112a回りに回転する。かくしてターンテーブル113の回転位置を微調整できる。左側の角度微調整機構131Bと同様に図示省略の右側の角度微調整機構も形成される。
[第5実施形態]
切断機110は、図41に示すベース112と角度微調整機構111に代えて、図44に示すベース142と角度微調整機構141を有していても良い。ベース142は、テーブル外周壁115より内側領域にラック支持台142bを有する。ラック支持台142bは、回転支軸112a(図40参照)を中心とした平面視略円形状である。ラック支持台142bの上面にラック148が固定される。ラック148は、ラック支持台142bの前方領域に回転支軸112aを中心とした円弧状のラック本体148aを有する。ラック148は、複数の歯148bを有するベベルギヤである。複数の歯148bは、ラック本体148aの下面に周方向に等間隔で配置され、歯148bの間に歯溝を有する。歯148bと歯溝は、回転支軸112aを中心とした径方向に延出し、かつ径方向外方に行くほど下方に傾斜している。
図44に示すように切断機110は、ベース142とターンテーブル113の前側領域に角度微調整機構141を有する。図44に示す左側の角度微調整機構141Bは、図38に示す角度微調整機構111Bと同様にテーブル延長部53の左側に位置する。図示省略の角度微調整機構は、図38に示す角度微調整機構111Aと同様にテーブル延長部53の右側に位置する。
図44に示すように左側の角度微調整機構141Bは、第2操作部147と第2ピニオン147bとラック148を有する。第2操作部147は、前左壁部115bの高さ方向略中央に位置する。第2操作部147は、前右壁部115aの後方に位置し、使用者によって操作され得る。第2操作部147は、第2ピニオン軸147aの先端に位置し、第2ピニオン軸147aと一体に設けられる。第2ピニオン軸147aは、回転支軸112aからの放射線に沿って延出し、水平に配置される。第2ピニオン軸147aは、軸回りに回転可能に前右壁部115aに支持される。回転支軸112aの基端に第2ピニオン147bが一体に設けられる。第2ピニオン147bは、第2ピニオン軸147aと同軸の円錐形状を有するベベルギヤである。第2ピニオン147bは、端部に向かうにしたがって徐々に径が大きくなっている。
図44に示すように第2操作部147を第2ピニオン軸147a回りに回転すると、第2操作部147と第2ピニオン軸147aと第2ピニオン147bが一体になって回転する。第2ピニオン軸147aは、回転支軸112a(図40参照)を中心とした径方向に水平に移動可能に前左壁部115bに支持される。第2操作部147を外方に引き操作すると、第2ピニオン147bがラック148と係合する係合位置に移動する。第2操作部147を内方に押し操作すると、第2ピニオン147bがラック148との係合が解除される解除位置に移動する。第2操作部147は、係合位置と解除位置のいずれにおいても上面視においてベース142の外周よりも内側に位置する。
図44に示すように第2ピニオン147bを係合位置に移動させた状態で第2操作部147を軸中心に回転させる。これにより第2ピニオン147bが、ラック148と係合しながら回転し、第2ピニオン147bがラック148に沿って周方向に沿って移動する。その結果、ターンテーブル113が回転支軸112a回りに回転する。かくしてターンテーブル113の回転位置を微調整できる。左側の角度微調整機構141Bと同様に図示省略の右側の角度微調整機構も形成される。
図1,38,39に示すように切断機110は、ベース112とターンテーブル113と切断機本体10を有する。ターンテーブル113は、ベース112に対して水平面上に回転可能に設けられる。切断機本体10は、ターンテーブル113の上方に位置しかつターンテーブル113に対して上下方向に揺動可能に連結される。ターンテーブル113は、被切断材が載置される略円板状のテーブル本体114と、テーブル本体114から前方に突出するテーブル延長部53を有する。切断機110は、ベース112に対するターンテーブル113のわずかな回転角度を良好な操作性で精度良く調整する角度微調整機構111を有する。角度微調整機構111は、ベース112に設けられるラック118と、ピニオン(第1ピニオン116b,第2ピニオン117b)と、操作部(第1操作部116,第2操作部117)を有する。第1ピニオン116bと第2ピニオン117bは、上面視においてテーブル本体114の領域内に位置するようにテーブル本体114に設けられかつラック118に直接的または間接的に係合する。第1操作部116は、使用者によって把持されて第1ピニオン116bを回転させる。第2操作部117は、使用者によって把持されて第2ピニオン117bを回転させる。
したがって第1ピニオン116bと第2ピニオン117bが、テーブル本体114内、すなわちターンテーブル113の回転中心である回転支軸112aの近くに位置する。そのため第1ピニオン116bを回転させる第1操作部116と第2ピニオン117bを回転させる第2操作部117も回転支軸112aの近くに位置する。したがって第1操作部116と第2操作部117がターンテーブル113の回転とともに移動する距離が比較的短く、狭い領域内に位置する。これにより第1操作部116と第2操作部117を操作し易い。ラック118は、ベース112のラック支持台112bの上部に設けられる。ベース112は、被切断材を載置することで歪むターンテーブル113に比べて経時的変形が少ない。そのためラック118は、ターンテーブル113に設けられるラックに比べて耐久性が高い。
図40に示すように第1ピニオン116bと第1操作部116は、一体で回転するように第1ピニオン軸116aを介して一体的に形成される。したがって第1操作部116を操作する操作力が第1ピニオン116bに直接伝わる。そのため比較的小さい力で第1ピニオン116bを第1操作部116によって操作できる。また第1操作部116と第1ピニオン116bの構造をシンプルにすることも可能である。そのため第1操作部116と第1ピニオン116bの形成コストを抑制できる。
図40に示すように第2ピニオン117bと第2操作部117は、一体で回転するように第2ピニオン軸117aを介して一体的に形成される。したがって第2操作部117を操作する操作力が第2ピニオン117bに直接伝わる。そのため比較的小さい力で第2ピニオン117bを第2操作部117によって操作できる。また第2操作部117と第2ピニオン117bの構造をシンプルにすることも可能である。そのため第2操作部117と第2ピニオン117bの形成コストを抑制できる。
図41に示すように第2ピニオン117bは、第2ピニオン軸117aの延出方向にラック118に係合する係合位置と、係合位置が解除される解除位置とに移動できるようにテーブル本体114に設けられる。したがって第2ピニオン117bを係合位置から解除位置に移動させることで、第2ピニオン117bを回転させることなくターンテーブル113を回転させることができる。したがってターンテーブル113を小さな力で大きく回転できる。一方、第2ピニオン117bを係合位置に移動させた場合は、ターンテーブル113の位置を第2ピニオン117bによって微調整できる。しかも第2ピニオン117bは、直線運動によって係合位置と係合位置を移動するため、容易にラック118に対する操作力の伝達をオンオフ切替えできる。
図38,39に示すようにテーブル本体114は、外周縁に沿って立設するテーブル外周壁115を有する。テーブル外周壁115は、テーブル延長部53の右側に位置する前右壁部115aと、テーブル延長部53の左側に位置する前左壁部115bを有する。第1操作部116は前右壁部115aから径方向外方に突出する。第2操作部117は前左壁部115bから径方向外方に突出する。したがって第1操作部116と第2操作部117は、使用者の近くに位置するために使用者によって視認されやすい。例えばターンテーブル113に被切断材を載置する前、あるいはターンテーブル113内に収まる大きさの被切断材をターンテーブル113に載置した状態において、第1操作部116と第2操作部117を視認しやすい。これにより使用者は、第1操作部116と第2操作部117を操作しやすい。
図38,39に示すように切断機110は、第1操作部116と第1ピニオン116bと第2操作部117と第2ピニオン117bを有する。第1操作部116はテーブル本体114の前右壁部115aから突出する。第1ピニオン116bは第1操作部116と一体で回転する。第2操作部117はテーブル本体114の前左壁部115bから径方向外方に突出する。第2ピニオン117bは第2操作部117と一体で回転する。したがって使用者は第1操作部116と第2操作部117のいずれかを選択してターンテーブルのマイタ角度を微調整できる。そのためターンテーブル113を右に回転して第1操作部116が操作し難い場所に移動した場合でも第2操作部117を操作することができる。ターンテーブル113を左に回転して第2操作部117が操作し難い場所に移動した場合でも第1操作部116を操作することができる。これによりターンテーブル113のマイタ角度を確実かつ容易に微調整できる。
図41に示すようにラック118は、円弧状で上方に向くラック本体118aと、ラック本体118aから上方に突出しかつ円弧に沿って並ぶ複数の歯118bを有する。ラック118の歯118bと第2ピニオン117b(第1ピニオン116b)はベベルギヤである。第2ピニオン117bは、ラック118から径方向に移動することでラック118から離脱する。
したがって第2ピニオン117bは、径方向に対して斜めにラック118に対して噛み合う。そのため第2ピニオン117bは、垂直にラック118に噛み合う構造に比べ短い移動距離でラック118に対して係脱できる。あるいは小さな摩擦力でラック118に対して係脱できる。またラック118は、上方に位置するターンテーブル113に対して斜めに向いている。そのためターンテーブル113から下方へ大きな力が加わった際、第2ピニオン117bがラック118に沿って斜めに下方にスライドする。これによりターンテーブル113からラック118に加わる力を軽減することができる。
[第6実施形態]
切断機は、図2に示す第1実施形態の角度微調整機構80とロック解除レバー66に代えて、図45に示す角度微調整機構151とロック解除レバー160を有していても良い。第6実施形態の切断機150のロック解除レバー160は、グリップ61の下方に設けられている。ロック解除レバー160は、下側のロック位置と上側のアンロック位置の間で上下揺動可能に設けられている。ロック解除レバー160は、下向きに付勢されている。ロック解除レバー160がロック位置に保持されている場合、ターンテーブル50の回転位置がロックされる。ロック解除レバー160を引き上げ操作してアンロック位置で保持することで、ターンテーブル50のロック状態が解除される。ロック解除レバー160は、例えば図2に示す操作ノブ69等によってアンロック位置での保持が可能である。
図45に示すように、切断機150は、ベース2に対するターンテーブル50の回転角度を調整する角度微調整機構151を備えている。角度微調整機構151は、位置決めフェンス56より後方のベース2及びターンテーブル50の後側領域に設けられている。図48に示すように、角度微調整機構151は、操作部152とラック158を備えている。ラック158は、ベース2(図46参照)の上部に取り付けられるベース上部159と一体に設けられている。
図48に示すようにラック158は、回転支軸2a(図46参照)と同軸の円弧中心軸158bを中心とする円弧状のラック本体158aと、ラック本体158aの円弧内面側に形成された複数の歯158cを有している。複数の歯158cは、ラック本体158aの周方向に所定間隔で配置されている。歯158cは、上下方向に延びている。歯158c同士の間には歯溝が形成されている。
図46に示すように角度微調整機構151は、操作部152の操作力を減速させる減速機構155を備えている。減速機構155は、上下方向に延出する回転軸(第1軸)153と減速軸(第2軸)155aを備えている。回転軸153と減速軸155aは、互いに平行に並設されている。回転軸153は、軸回りに回転可能にターンテーブル50(図45参照)に支持されている。減速軸155aは、上部のねじ部155aaをターンテーブル50に設けられたねじ孔に締め込むことによって回転不能に支持されている。
図47に示すように回転軸153は、上部に操作部152を有し、下部に第1ピニオン154を備えている。図45に示すように操作部152は、ターンテーブル50の上面の上方に位置し、使用者によってターンテーブル50の上方から回転操作可能である。回転軸153は、操作部152の下側に径方向に張り出したフランジ部153dを有している。フランジ部153dをターンテーブル50の上面より上側に配置することで、回転軸153の下方向への変位が規制されている。フランジ部153dとターンテーブル50の上面の間には、ワッシャ153aが介在している。
図47に示すように、第1ピニオン154は、回転軸153と一体に回転するように、回転軸153に対して回転方向に変位不能に取り付けられている。第1ピニオン154は、回転軸153の下端に取り付けられた抜け止め部材153cによって抜け止めされている。回転軸153は、軸回りに回転可能にターンテーブル50(図45参照)に支持されている。操作部152を回転軸153の軸回りに回転すると、操作部152と回転軸153と第1ピニオン154が一体になって回転する。第1ピニオン154の歯溝は、上下方向に延びている。なお、スリーブ153bは第1ピニオン154のスペーサとして機能するものである。
図47に示すように、減速軸155aは、同軸回りに回転可能なピニオン係合ギヤ155bと第2ピニオン155cを備えている。ピニオン係合ギヤ155bと第2ピニオン155cの歯溝は、上下方向に延びている。第2ピニオン155cは、減速軸155aの下部に設けられており、ラック158(図48参照)と係合している。ピニオン係合ギヤ155bは、第2ピニオン155cより上方に配置されている。ピニオン係合ギヤ155bは、第1ピニオン154と係合している。
図47に示すように、減速機構155は、クラッチ機構156を備えている。クラッチ機構156は、クラッチ上部156aとクラッチ下部156eを備えている。ピニオン係合ギヤ155bは、クラッチ上部156aの外周部にクラッチ上部156aと一体に形成されている。第2ピニオン155cは、クラッチ下部156eと一体に形成されている。
図47に示すように、クラッチ下部156eは、減速軸155aと一体に回転可能に減速軸155aに取り付けられている。クラッチ下部156eは、減速軸155aの下端に設けられたクラッチ機構支持部155eによって下方から支持されており、下方への変位が規制されている。クラッチ上部156aは、中央に設けられた軸孔156dに減速軸155aを貫通させた状態でクラッチ下部156eの上方に軸方向に変位可能に配置されている。クラッチ上部156aの下面には、第1カム156bが設けられている。クラッチ下部156eの上面には、第2カム156fが設けられている。第1カム156bと第2カム156fは、減速軸155aを中心として周方向に凹凸形状が交互に並んだカム面を有している。第1カム156bと第2カム156fのカム面は、いわゆるリード面と称される螺旋状の面によって形成されている。そのため第1カム156bと第2カム156fは、比較的広い当接面積で互いに当接し、面方向に互いにずれても面同士の当接状態が維持される。
図47に示すように、クラッチ上部156aの上側には圧縮ばね157が設けられている。圧縮ばね157は、クラッチ上部156aの上部に設けられたばね受け部156c(図48参照)と、減速軸155aの上部に取り付けられたばね保持部材155dの間に設けられている。圧縮ばね157は、クラッチ上部156aを下向き(第1カム156bと第2カム156fとの係合方向)に付勢している。
図48に示すように第1ピニオン154は、ピニオン係合ギヤ155bと係合しており、第2ピニオン155cは、ラック158と係合している。操作部152の回転数は、第1ピニオン154とピニオン係合ギヤ155bの噛み合いによって減速されて伝わる。ピニオン係合ギヤ155bにかかるトルクが比較的小さい場合、クラッチ上部156aは、圧縮ばね157に付勢されて下方の係合位置に位置する。これにより図47に示す第1カム156bと第2カム156fが係合する。クラッチ上部156aの回転動力は、第1カム156bと第2カム156fの係合によって、クラッチ下部156eに伝わる。クラッチ下部156eと一体の第2ピニオン155cが回転し、第2ピニオン155cがラック158に沿って移動する。これによりターンテーブル50(図45参照)が、図48に示すラック158を支持するベース上部159に対して円弧中心軸158b回りに回転する。かくしてターンテーブル50の回転位置を微調整できる。
例えば図46に示すロック解除レバー160がロック位置にある場合、ベース2に対するターンテーブル50(図45参照)の移動が規制される。これにより図49に示す第2ピニオン155cがベース上部159に沿って移動しない。この場合において操作部152を回転操作すると、第1ピニオン154と係合しているクラッチ上部156aに所定以上のトルクがかかる。これにより、第1カム156b(図47参照)は、圧縮ばね157の付勢力に抗して第2カム156fの上方の係合解除位置に乗り上げる。係合解除位置に位置する第1カム156bは、第2カム156fとの係合が外れる。かくしてクラッチ上部156aからクラッチ下部156eへの動力の伝達が遮断される。なお、クラッチ上部156aが係合解除位置に移動する場合でも、第1ピニオン154とピニオン係合ギヤ155bの係合状態は維持されている。
図46に示すように角度微調整機構151は、クラッチ機構156を有する。クラッチ機構156は、所定以上のトルクがかかる際に、ベース2に対してターンテーブル50(図45参照)を回転させる動力を遮断する。
したがって、例えばロック解除レバー160がロック位置にあってターンテーブル50がベース2に固定されている際に角度微調整機構151を操作する。ターンテーブル50が不動であることで、ラック158と係合する第2ピニオン155cの回転が規制される。これによりクラッチ機構156に所定以上のトルクがかかってクラッチ機構156が作動する。クラッチ機構156が作動すると角度微調整機構151が空転し、ラック158や第2ピニオン155c等に不必要に力がかかるのが抑制される。かくしてラック158や第2ピニオン155c等の破損を防止できる。加えて、角度微調整機構151が空転することで、ターンテーブル50がベース2に固定されていることを使用者に容易に知らせることができる。
図47に示すように減速機構155は、操作部152と一体に回転可能である回転軸153と、回転軸153に対して減速されて回転可能である減速軸155aを有する。クラッチ機構156は、減速軸155aに設けられている。
したがって、角度微調整機構151を操作する際に減速軸155aにかかるトルクは、回転軸153よりも大きい。そのため、クラッチ機構156は、回転軸153に設けられる場合よりも減速軸155aに設けられる場合の方が受けるトルクが大きい。すなわちクラッチ機構156を減速軸155aに設ける場合、クラッチ機構156を作動可能とする所定のトルクを設定する際に、設定可能なトルク幅が広い。したがって、クラッチ機構156の設計の自由度が高い。例えば圧縮ばね157がクラッチ上部156aを付勢する付勢力等を設定し易く、例えば第1カム156bと第2カム156fのリード面の傾斜等を設定し易い。また細かな調整をする必要なく所定のトルクの設定を維持可能である。さらに所定のトルクを比較的高く設定可能である。そのため角度微調整機構151を操作する際に、使用者が操作力を細かく加減する必要がなく、操作性が良い。
図47に示すようにクラッチ機構156は、互いに係合することで動力を伝達可能とする第1カム156bと第2カム156fを有する。第1カム156bと第2カム156fの係合が外れることで動力が遮断される。第2カム156fは、ラック158に直接的に係合する第2ピニオン155cと一体に形成されている。したがって角度微調整機構151の部品点数を減らすことができ、角度微調整機構151をコンパクトにできる。
以上説明した各実施形態の切断機1,110,150には様々な変更を加えることができる。例えば図35に示す角度微調整機構80を、ラック本体86aの周方向に沿って複数個備える構成としても良い。例えば図39に示す右側の角度微調整機構111Aと左側の角度微調整機構111Bのうち一方のみを備える構成としても良い。例えば図35に示す角度微調整機構80と図39に示す角度微調整機構111を共に備える構成としても良い。図35に示す角度微調整機構80に代えて、例えば係合位置に移動した第1ピニオン83がラック86と直接噛み合う角度微調整機構を備えても良い。
図35に示す内壁部2eのラック86と減速軸85に代えて、例えばベース2の後方外周壁にラックを設ける構成としても良い。第1ピニオン83とラック86の間に介装される減速機構として、減速軸85に代えて例えば遊星ギヤを備える構成としても良い。図37に示す圧縮ばね84に代えて、例えばゴム等の弾性部材で第1ピニオン83を解除位置に付勢する構成としても良い。例えば図39に示す第1ピニオン116bと第2ピニオン117bを解除位置(径方向外方)に付勢する付勢部材を設けても良い。例えば回転軸153にクラッチ機構156を設けても良い。角度微調整機構151に代えて、例えばねじの回転操作によってターンテーブル50の位置を微調整する角度微調整機構を設け、当該角度微調整機構にクラッチ機構を設ける構成としても良い。