JP2020069276A - 歯科治療用観察システム - Google Patents

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【課題】手術用顕微鏡の対物レンズを動かしても術者は常に一定の姿勢を保つことができ、且つ、患者反応の確認や器具の受け渡しがスムーズに行える歯科治療用観察システムを提供する。【解決手段】歯科治療用観察システムの支持機構32は、治療台68の患者70の治療に関する手術用顕微鏡の観察画像を立体視表示させるディスプレイユニット14を、三次元移動自在に支持して一定姿勢を保つ術者の観察位置に保持させる。支持機構32は、垂直保持アーム44の垂直軸心線が治療台68の患者70の口腔を通る位置に移動された状態で、垂直軸心線72を中心としてディスプレイユニット14のファインダーまでの水平距離で決まる所定の旋回半径となる治療台68の周囲の位置に、ディスプレイユニット14を垂直固定アーム62及び水平旋回アーム60を介して位置決め移動自在に支持させる。【選択図】図3

Description

本発明は、治療台の患者の治療に関する手術用顕微鏡等の観察画像を表示させるディスプレイユニットを、三次元移動自在に支持して一定姿勢を保つ術者の観察位置に保持させる歯科治療用観察システムに関する。
従来、医療分野における手術用顕微鏡(手術用マイクロスコープ)の普及に伴い、歯科にも手術用顕微鏡が導入され、手術用顕微鏡を用いた精密歯科治療が行われている。
これまでの手術用顕微鏡には、光学顕微鏡ゆえの構造上の問題がある。通常、手術用顕微鏡は対物レンズと接眼レンズからなり、これらは共に光学的につながって一体化している。したがって、仮に術野を変えるために対物レンズを動かすと、接眼レンズも一緒に動いてしまうことになる。したがって、接眼レンズを覗くためには術者も一緒に動くか、さらには対物レンズと接眼レンズの接合部を動かす必要性も生じる。
このように手術用顕微鏡を使用すると術者が一定姿勢を保つことができないといった理由で、手術用顕微鏡を使った歯科治療はとても煩雑とされ、その普及の妨げとなっている。そこで、手術用顕微鏡に取り付けられたビデオカメラの画像を2Dモニタあるいは3Dモニタに映し出し、それを見ながら歯科治療を行う方式も試みられてきたが、自然な立体感で観ることが難しいため歯科領域では全く普及していない。
一方、医科の内視鏡下手術ではステレオビューアが採用されている。ステレオビューアとは、内視鏡に付けられた2つのビデオカメラの画像をそれぞれ2つのモニタに映し出し、それを左右それぞれの目で見る方式である。これは、光学顕微鏡の接眼レンズと同様にとても自然な立体感で観ることができるため、繊細な治療が要求される内視鏡下手術において普及している。
しかしながら、これまでのステレオビューアはサイズがとても大きいか、またサイズが小さいものは画質が著しく劣っており、患者の顔の上の狭い範囲で治療する歯科治療には全く向かないと考えられている。
特開2016−111533号公報 特開2017−176318号公報 特開2004−320722号公報 特開2011−024820号公報
ところで、近年、3Dゲームなどの普及でヘッドマウントのステレオビューアへのニーズが高まっており、小型でも高画質の製品が開発されつつあり、ヘッドマウントのステレオビューアを手術用顕微鏡に応用することが考えられる。
そこで、左右2個のビデオカメラが取り付けられた手術用顕微鏡とヘッドマウントのステレオビューアを電気的に接続し、ヘッドマウントを装着して歯科治療を試みたところ、自然な立体感で観察することができたが、その一方でいくつかの問題が生じている。
まず、ヘッドマウントによって頭部に固定されたステレオビューアが邪魔となり、裸眼で患者を確認し難いことがわかった。これでは、非全身麻酔下で患者の反応を確認しながら治療を行う歯科の特性上、どうしても危険を伴うことになる。また、容易にステレオビューアから目線を外せないため器具の受け渡し等も難しく、ヘッドディスプレイを使用した歯科治療に手間と時間がかかり、作業負担も大きいという問題がある。
本発明は、歯科治療用の観察画像を表示させるディスプレイユニットを術者にとって最適となる位置に移動して保持可能とする歯科治療用観察システムを提供することを目的とする。
(歯科治療用観察システム)
本発明は、歯科治療用観察システムであって、
治療台の患者の治療に関する所定の観察画像を表示させるディスプレイユニットと、
前記ディスプレイユニットを三次元移動自在に支持して一定姿勢を保つ術者の観察位置に保持させる支持機構と、
を有し、
支持機構は、
垂直軸心線が治療台の患者の口腔を通る位置に移動可能に支持される垂直保持アームと、
垂直保持アームに対し、後端側が水平旋回自在に軸支された水平旋回アームと、
水平旋回アームの先端側に下向きに固定され、先端側にディスプレイユニットが取り付けられた垂直固定アームと、
を備え、
垂直保持アームの垂直軸心線が治療台の患者の口腔を通る位置に移動された状態で、垂直軸心線を中心としてディスプレイユニットのファインダーまでの水平距離で決まる所定の旋回半径となる治療台の周囲の位置に、ディスプレイユニットを垂直固定アーム及び水平旋回アームを介して位置決め移動自在に支持させる構造としたことを特徴とする。
ここで、直角固定アームは、水平旋回アームに対し角度が直角である以外に、外側に向かって僅かに斜めに降ろすようにした場合も含む。
(ディスプレイユニットの上下回動支持)
ディスプレイユニットは、垂直固定アームの先端に上下に回動自在に支持される。
(支持構造1)
支持機構は、基台側と垂直保持アームとの間に、
基台側に対し後端側が水平旋回自在に軸支された第2の水平旋回アームと、
第2の水平旋回アームの先端側に後端側が水平旋回自在に軸支され、先端側に設けられた垂直保持アームの姿勢を維持したまま3次元移動させる平行リンク機構と、
が設けられる。
(支持構造2)
支持機構は、基台側と垂直保持アームとの間に、基台側に後端側が水平旋回自在に軸支され、先端側に設けられた垂直保持アームの姿勢を維持したまま3次元移動させる平行リンク機構が設けられる。
(支持構造3)
歯科用ディスプレイ支持機構は、基台側に垂直保持アームの後端側が水平旋回自在に軸支される。
(アーム伸縮機構)
水平旋回アームと垂直固定アームの何れか一方又は両方はアーム長を変える伸縮構造を備える。
(ディスプレイユニットの旋回半径)
垂直軸心線を中心としてディスプレイユニットのファインダーまでの水平距離で決まる所定の旋回半径を、10センチメートル乃至30センチメートルの範囲の所定距離に設定する。
(基本的な効果)
本発明は、歯科治療用観察システムであって、治療台の患者の治療に関する所定の観察画像を表示させるディスプレイユニットと、ディスプレイユニットを三次元移動自在に支持して一定姿勢を保つ術者の観察位置に保持させる持機構戸を有し、支持機構は、垂直軸心線が治療台の患者の口腔を通る位置に移動可能に支持された垂直保持アームと、垂直保持アームに対し、後端側が水平旋回自在に軸支された水平旋回アームと、水平旋回アームの先端側に下向きに固定され、先端側にディスプレイユニットが取り付けられた垂直固定アームと、を備え、垂直保持アームの垂直軸心線が治療台の患者の口腔を通る位置に移動された状態で、垂直軸心線を中心としてディスプレイユニットのファインダーまでの水平距離で決まる所定の旋回半径となる治療台の周囲の位置に、ディスプレイユニットを垂直固定アーム及び水平旋回アームを介して位置決め移動自在に支持させる構造としたため、術者が治療台に寝ている患者をディスプレイユニットの画像(顕微鏡の立体視画像)を見ながら治療する場合、術者は患者の顔から少し離れた周囲の位置、例えば患者の頭の方向を12時とすると、8時〜4時の間となる最適な位置から治療を行うことになるが、治療台に寝ている患者の直上付近に支持機構の垂直保持アームを位置させると、垂直保持アームの垂直軸心線が患者の口腔を通る位置となり、この状態で、水平旋回アーム及び垂直固定アームを介してディスプレイユニットを、患者の口腔を中心に円を描くように回転移動させることで、8時〜4時の間の患者の顔に向かう術者の最適な治療位置にディスプレイユニットを簡単且つ確実に移動して位置づけることができる。
(ディスプレイユニットの上下回動支持による効果)
また、ディスプレイユニットは、垂直固定アームの先端に上下に回動自在に支持されたため、術者が患者を下向きに見る姿勢に併せてディスプレイユニットのファインダー側が上向きとなるようにディスプレイユニットが回動し、術者にとって見易い位置にディスプレイユニットを位置決めすることができる。
(支持構造1による効果)
また、支持機構は、基台側と垂直保持アームとの間に、基台側に対し後端側が水平旋回自在に軸支された第2の水平旋回アームと、第2の水平旋回アームの先端側に後端側が水平旋回自在に軸支され、先端側に設けられた垂直保持アームの姿勢を維持したまま3次元移動させる平行リンク機構とが設けられたため、垂直保持アームの後端が平行リンク機構及び第2の水平旋回アームを介して例えば天井面に固定された基台に水平旋回自在に支持され、広い範囲でディスプレイユニットを三次元移動できると共に、平行リンク機構により垂直保持アームの姿勢を維持したまま、垂直保持アームを治療台に寝ている患者の直上に移動させ、その垂直軸心線を患者の口腔を通る位置に容易に位置決めすることができる。
(支持構造2による効果)
また、支持機構は、基台と垂直保持アームとの間に、水平旋回アームの先端側に後端側が水平旋回自在に軸支され、先端側に設けられた垂直保持アームの姿勢を維持したまま3次元移動させる平行リンク機構が設けられたため、平行リンク機構により垂直保持アームの姿勢を維持したまま、垂直保持アームを治療台に寝ている患者の直上に移動させ、その垂直軸心線を患者の口腔を通る位置に容易に位置決めすることができ、また、前述した基台側の支持構造1に比べ、第2の水平旋回アームが除かれた分、支持機構をコンパクトにして小型軽量化することができる。
(支持構造3による効果)
また、支持機構は、垂直軸心線が治療台の患者の口腔を通る位置となるように垂直保持アームの後端側が基台側に水平旋回自在に軸支されたため、垂直軸心線が治療台に寝ている患者の口腔を通る位置となるように水著保持アームが固定されることで、垂直保持アームの位置決め操作が不要となり、また、前述した基台側の支持構造1に比べ第2の水平旋回アームと平行リンク機構が除かれ、また、前述した基台側の支持構造2に比べ平行リンク機構が除かれ、その分、支持機構をコンパクトにして小型軽量化することができる。
(アームの伸縮構造)
また、水平旋回アームと垂直固定アームの何れか一方又は両方はアーム長を変える伸縮構造を備えるようにしたため、水平旋回アームはアーム長を変えることで、垂直保持アームの垂直軸心線を治療台に寝ている患者の口腔を通る簡単に移動して正確に位置付けることができ、垂直固定アームはアーム長を変えることで、ディスプレイユニット高さを術者の治療に対応した適正な高さに簡単に調整することができる。
(ディスプレイユニットの旋回半径による効果)
また、垂直軸心線を中心としてディスプレイユニットのファインダーまでの水平距離で決まる所定の旋回半径を、10センチメートル乃至30センチメートルの範囲の所定距離に設定するようにしたため、術者がディスプレイユニットの画像を見ながら治療する場合に患者に近付きすぎることが無く、患者の上側に十分な空き空間が確保され、ディスプレイユニットと干渉したり、術者の治療を妨げることなく、顕微鏡を使用して患者歯牙の観察画像をディスプレイユニットで立体視しながら治療を行うことができる。
手術用顕微鏡を用いた歯科治療用観察システムの実施形態を示した説明図 歯科治療室に設置された手術用顕微鏡と支持アームに支持されたディスプレイユニットを示した説明図 支持機構の第1実施形態を示した説明図 図3の支持機構におけるリンク構成を示した説明図 支持アームの先端に保持されたディスプレイユニットを示した説明図 図3の支持機構により治療台周囲に保持されるディスプレイユニットの位置を平面で示した説明図 図3の支持機構を備えた歯科治療用観察システムによる歯科治療の様子を示した説明図 患者の背持たれを起して術者が立位で歯科治療する場合の図3の支持機構によるディスプレイユニットの保持を示した説明図 基台側の水平旋回アームを伸縮構造とした図3の支持機構を示した説明図 平行リンクアームの後端側を基台に固定した支持機構の第2実施形態を示した説明図 図10の支持機構におけるリンク構成を示した説明図 垂直保持アームを基台側に固定し、垂直固定アームを伸縮構造とした支持機構の第3実施形態を示した説明図 図12の支持機構におけるリンク構成を示した説明図
[歯科治療用観察システムの概要]
図1は手術用顕微鏡を用いた歯科治療用観察システムの実施形態を示した説明図、図2は歯科治療室に設置された手術用顕微鏡と支持アームに支持されたディスプレイユニットを示した説明図である。
図1に示すように、本実施形態の歯科治療用観察システムは、手術用顕微鏡10、3D変換・画像処理装置12、ディスプレイユニット(ステレオスコープ)14で構成され、必要に応じて、モニタ装置16と録画再生装置18が設けられる。
手術用顕微鏡10は、図2に示すように、治療台30に対し支持機構34により三次元移動自在に支持され、取っ手21を持つことで位置決め操作される。
また、本実施形態の手術用顕微鏡10は、接眼レンズレスであり、図1に示すように、左右2眼の対物レンズ20L,20Rに続いて結像レンズ22L,22Rが配置され、接眼レンズは設けられておらず、結像レンズ22L,22Rの結像位置に撮像素子として機能するCCDビデオカメラ24L,24Rが配置される。図2に示す手術用顕微鏡10は、治療台30に相対した下面に2眼の対物レンズ、照明灯及びフィルターが設けられている。
CCDビデオカメラ24L,24Rは例えば縦横1920×1080ピクセルの解像度であり、毎秒30フレーム単位で、CCDビデオカメラ24Lから左眼の視点映像信号を出力し、これに同期してCCDビデオカメラ24Rから右眼の視点映像信号を出力する。なお、撮像素子としては、CCDビデオカメラ以外にCMOSビデオカメラを用いても良い。
3D変換・画像処理装置12は、3D変換機能として、CCDビデオカメラ24L,24Rから出力された視点映像信号を入力して所定規格の3D対応の映像信号、例えばサイドバイサイド方式対応の映像信号に変換してディスプレイユニット14に出力する。3D変換・画像処理装置12からの映像信号はHDMI(登録商標)プロトコルに従って出力され、このため3D変換・画像処理装置12とディスプレイユニット14の間はHDMI(登録商標)ケーブルにより接続される。
サイドバイサイド方式は、右眼用の映像信号と左眼用の映像信号を960×1080ピクセルのインターレース映像信号に変換して伝送する方式であり、サイドバイサイド方式に対応したモニタ装置や録画再生装置の使用が可能となる。なお、3D変換・画像処理装置12としては、サイドバイサイド方式以外に、フレームパッキング方式やトップアンドボトム方式等の他の方式による3D映像信号への変換としても良い。
また、3D変換・画像処理装置12は、画像処理機能として、種々のデジタル画像をディスプレイユニット14に合成して出力すると共に、手術用顕微鏡10の光源にフィルター等を介在させ特定波長の光を術野に照射し、得られた一対のCCDビデオカメラ24L,24Rからの視点映像信号に対して、特定色調の強調や露出補正など所定の画像処理を施す。この画像処理により、裸眼では判別が難しいような病変や解剖学的形態が可視化された画像処理済みの視点映像信号をディスプレイユニット14で顕微鏡観察画像を立体視しながら治療を行うことができる。
ディスプレイユニット14は、本実施形態にあっては双眼鏡型であり、鏡筒28L,28R内の術者の左眼と右眼に対応する位置に一対の画像表示素子26L,26Rが配置されており、3D変換・画像処理装置12で変換された左右の視点映像信号を一対の画像表示素子26L,26Rに表示し、手術用顕微鏡10の観察画像を術者に立体視させる。
画像表示素子26L,26Rとしては、例えば、5.7インチで縦横1980×1080ピクセルの有機ELパネルが左右に分割して使用されるか、もしくは左右に2つの小型の画像表示素子が使用される。また、有機ELパネル以外に、同等の解像度を持つLEDパネルや液晶パネルを用いても良い。
本実施形態のディスプレイユニット14は、図2に示すように、支持機構32の先端に支持されており、治療台30に乗った患者を治療するために椅子に座って一定姿勢を保っている術者の観察位置に保持される。このため術者は、術野や患者の動きに対し手術顕微鏡10を移動させても、術者は移動することなく一定の姿勢を維持(固定)したままディスプレイユニット14の顕微鏡画像を立体視により確認しながら歯科治療を進めることが可能となる。
また、術者は非全身麻酔下での患者の反応の確認を確認するためにディスプレイユニット14から眼を放すことになるが、ディスプレイユニット14は支持フーム32により保持されていることから術者の動きは拘束されず、ディスプレイユニット14から眼を外して容易に患者が確認できる。また、補助者による術者に対する器具の受け渡し等もディスプレイユニット14から眼を外すことで容易に行うことができる。その結果、ディスプレイユニット14により顕微鏡画像を立体視により確認しながら精度の高い歯科治療を効率良く進めることができる。
モニタ装置16は、必要に応じて治療室の壁面等に配置されており、3D変換・画像処理装置12から出力された左右両眼の視点映像信号を入力し、サイドバイサイド方式に従って顕微鏡観察画像を3D画像又は2D画像として表示し、術者や補助者等の関係者による観察を可能とする。
録画再生装置18は、必要に応じて配置されており、3D変換・画像処理装置12から出力された左右両眼の視点映像信号を入力し、サイドバイサイド方式に従って顕微鏡観察画像を3D画像又は2D画像として録画し、また、必要に応じて再生することで、モニタ装置16に録画した顕微鏡観察画像を3D画像又は2D画像として表示可能とする。
なお、本実施形態にあっては、手術用顕微鏡10に設けられたCCDビデオカメラ24L,24Rからの視点映像信号を3D変換・画像処理装置12で例えばサイドバイサイド方式の視点映像信号に変換しているが、3D変換・画像処理装置12を設けず、CCDビデオカメラ24L,24Rからの視点映像信号を直接ディスプレイユニット14の画像表示素子26L,26Rに伝送して視点画像を表示させ、これにより顕微鏡観察画像を術者に立体視させるようにしても良い。しかし、3D変換・画像処理装置12を設けていない場合には、モニタ装置16や再生録画装置18に対応できないことから、3D変換・画像処理装置12を設けることが望ましい。
なお、本実施形態の歯科治療用観察システムは、光学顕微鏡が接眼レンズを通して観察するのに対し、デジタル顕微鏡は、目の代わりに画像表示素子を搭載し、液晶モニタ上で観察するものであり、このようなデジタル顕微鏡には、一対の光ファイバーの先端にレンズを備え、光ファイバーの後端側に設けられた撮像素子により撮像した画像を液晶モニタ上で観察する光ファイバースコープも含まれる。
[支持機構の第1実施形態]
図3は支持機構の第2実施形態を示した説明図、図4は図3の支持機構におけるリンク構成を示した説明図、図5は垂直固定アームの先端に保持されたディスプレイユニットを示した説明図であり,図5(A)に側面を示し、図5(B)に正面を示す。図6は図3の支持機構により治療台周囲に保持されるディスプレイユニットの位置を平面で示した説明図、図7は図3の支持機構を備えた歯科治療用観察システムによる歯科治療の様子を示した説明図、図8は患者の背持たれを起して術者が立位で歯科治療する場合の図3の支持機構によるディスプレイユニットの保持を示した説明図である。
(支持機構の構成)
図3に示すように、本実施形態の支持機構32は、基台38、第2の水平旋回アームとして機能する水平旋回アーム40、平行リンクアーム42、垂直保持アーム44で構成され、ここまでのリンク構成は図3の第1実施形態と同じになり、続いて、水平旋回継手64、水平旋回アーム60、垂直旋回継手66及び垂直固定アーム62が設けられる。
即ち、本実施形態の支持機構32は、例えば天井36に固定された基台38に対し水平旋回アーム40の後端側が水平旋回継手40aにより水平旋回自在に軸支され、水平旋回アーム40の先端側に平行リンクアーム42の後端側が水平旋回継手40bにより水平旋回自在に軸支され、平行リンクアーム42は先端側の垂直保持アーム44の姿勢を維持したまま3次元移動させる平行リンク機構を構成している。
平行リンクアーム42の先端側に固定された垂直保持アーム44に対しては、水平旋回継手64により水平旋回アーム60が水平旋回自在に軸支され、続いて、水平旋回アーム60先端側に下向きに垂直固定アーム62が固定され、垂直固定アーム62の先端側に、二股に分かれた支持アーム90の先端を軸部92によりディスプレイユニット14の両側が軸支され、ディスプレイユニット14が上下に角度調整ができるように取り付けられている。
なお、直角固定アーム92は、水平旋回アーム60に対し角度が直角である以外に、外側に向かって僅かに斜めに降ろすようにしても良い。
また、垂直固定アーム62の先端に対するディスプレイユニット14の取付けは、二股に分かれた支持アーム90によらず、垂直固定アーム62の先端(下端)に、ディスプレイユニット14の真上の中心を固定させても良い。また、垂直固定アーム62の先端を横方向に曲げてディスプレイユニット14の左右何れか一方の側面に固定しても良いし、垂直固定アーム62の先端を上向きに屈曲してディスプレイユニット14の底面に固定しても良い。
垂直保持アーム44の垂直軸心線72が通る水平旋回アーム60の下端、即ち、垂直保持アーム44の垂直軸心線72が通過するアーム下端部位には、垂直軸心線72の方向にLED等の発光により、患者に悪影響を及ぼさない程度の微弱な光ビームを照射して位置決めするための輝点を生成する光ビーム発光部65が設けられる。
光ビーム発光部65を使用することで、垂直保持アーム64を治療台68に寝ている患者70の直上に移動させた場合に、光ビーム発光部65からの光ビームの輝点が患者70の口腔70aに当たるように調整することで、簡単且つ正確に、垂直保持アーム44の垂直軸心線72を患者70の口腔70aを通る位置に設定することができる。光ビーム発光部65は、図示しないスイッチ操作によりオンオフすることができ、垂直保持アーム44を位置決めする際にスイッチをオンして使用し、位置決めが済んだにスイッチをオフして消灯する。
なお、光ビーム発光部65を使用することなく、術者が垂直保持アーム44を治療台68に寝ている患者70の直上に移動させると、垂直保持アーム44の垂直軸心線72が患者70の口腔70aを通る位置とすることができるので、光ビーム発光部65は必ずしも設ける必要はない。
(ディスプレイユニット)
図5に示すように、本実施形態のディスプレイユニット14は、薄型の箱形状をもつユニット本体50の正面に左右一対の鏡筒28L,28Rが設けられ、鏡筒28L,28Rには瞳孔間距離及び視度を調節可能な視度調整ツマミ29L,29Rが設けられ、更に、鏡筒28L,28Rの先端にはフード付きのカバーガラス52L,52Rが設けられ、ユニット本体50の内部に配置した有機ELパネル等を用いた画像表示素子により顕微鏡観察画像の立体視を可能としている。
ディスプレイユニット14のユニット本体50は、垂直固定アーム62の下側に垂直回りに取付けられており、ユニット本体50に対し正面側に突出した鏡筒28L,28Rのカバーガラス52L,52Rに術者は眼を近づけることで、手術用顕微鏡に邪魔されることなく、空間的に配置されたディスプレイユニット14による顕微鏡観察画像の立体視により治療を行うことができる。
また、支持機構32は術者の上部空間から降りてきているため、術者がディスプレイユニット14から眼を外して患者を確認したり、器具の受け渡しを受ける場合にも妨げとならず、顕微鏡観察画像の立体視による精度の高い歯科治療を効率良く進めることができる。
なお、本実施形態のディスプレイユニット14は一例であり、双眼鏡型に限定されず、術者の両眼に対応する位置に配置された一対の画像表示素子が左右の視点映像信号を表示して手術用顕微鏡の観察画像を立体視させるものであれば、適宜の構造のディスプレイユニットが含まれる。
(支持機構の動作)
図3に示すように、治療台68に寝ている患者70を治療する場合には、支持機構32における垂直保持アーム44が患者70の口腔70aの直上に位置するように平行リンクアーム42を移動して位置決めする。この状態で、光ビーム発光部65からの光ビームによる輝点が患者70の口腔70aに当たるように調整することで、垂直保持アーム44の垂直軸心線72が治療台68に寝ている患者70の口腔70aを通る位置に設定することができる。
この状態で、ディスプレイユニット14は、垂直固定アーム62と水平旋回アーム60を介して垂直保持アーム44に対し水平回りに旋回自在支持されており、図6に示すよう、垂直軸心線72からディスプレイユニット14のファインダー14aまでの距離が所定の旋回半径rとなるように、水平旋回アーム60の長さを決めることで、垂直軸心線72を中心に半径rの円を描くようにディスプレイユニット14を治療台68の周囲に旋回移動させることができる。
本実施形態において、術者が椅子に座り、治療台68に寝ている患者70をディスプレイユニット14による手術用顕微鏡による立体視画像を見ながら治療する場合、術者は患者70の顔から少し離れた周囲の位置、例えば図6に示すように、患者の頭の方向を12時とすると、8時〜4時の間となる最適な位置を必要に応じて移動しながら治療を行うことなる。なお、4時は、通常、スタッフの位置となるが、術者の位置となる場合もある。
このような治療台68に寝ている患者70に対する術者の動きに対し、図3に示したように、治療台68に寝ている患者70の直上付近に平行リンクアーム42の先端側の垂直保持アーム44を位置させると、垂直保持アーム44の垂直軸心線72が概ね患者70の口腔70aを通る位置とすることができ、この状態で、垂直固定アーム62及び水平旋回アーム60を介してディスプレイユニット14を患者70の周囲に円を描くように旋回移動させることで、図5に示した8時〜4時の間の患者の顔に向かう最適な治療位置にディスプレイユニット14を簡単且つ確実に位置づけることができる。
例えば、図7に示すように、椅子に座った術者11が図6の12時方向となるバックポジションに移動して治療する場合には、患者70の直上に支持機構32における垂直保持アーム44を位置させて垂直保持アーム44の軸心線72を患者70の口腔70aに向けた状態とし、この状態でディスプレイユニット14を12時の位置に移動して保持させ、手術用顕微鏡10に設けた撮像素子で撮像された患者70の歯牙の画像をディスプレイユニット14に表示し、術者はディスプレイユニット14の表示による歯牙画像を立体視しながら歯科治療を進めることができる。
ここで、術者11は治療台68に寝ている患者70の顔から概ね10〜30センチメートル程度離れた周囲の位置から治療を行っている。このため本実施形態の支持機構32は、中心となる垂直軸心線72からディスプレイユニット14のファインダー14aまでの距離となる半径rが概ね10〜30センチメートルの範囲の所定値、例えば半径r=20センチメートル前後となるように水平旋回アーム60の長さを設定している。
このように水平旋回アーム60の長さにより垂直軸心線72を中心としてディスプレイユニット14が移動する半径rの円が決まり、図3に示すように、水平旋回アーム60の水平回転による上面とディスプレイユニット14の水平回転による底面をもつ仮想的な円筒形の空き空間74が患者70の上方に形成される。
この円筒状の空き空間74は、ディスプレイユニット14を8時〜4時で移動しても他の部材や機器による干渉を受けることがなく、術者が患者70を治療するための空間となり、また、図6に示すように、手術用顕微鏡10が配置されて患者70の口腔70aを観察するために使用するための空間を確保することができる。
また、術者はディスプレイユニット14を使用した治療においては、ディスプレイユニット14を使用した治療と、ディスプレイユニット14を使用せずに裸眼で見ながら行う治療を頻繁に繰り返しており、ディスプレイユニット14を使用しない場合には、ディスプレイユニット14を右又は左に押すと、垂直保持アーム44を中心に垂直固定アーム62及び水平旋回アーム60と一体にディスプレイユニット14が右又は左に素早く移動して裸眼による治療ができ、また、ディスプレイユニット14を元の位置に素早く戻すことが簡単にできる。
このとき手術用顕微鏡10は、図7に示すように、別の支持機構34に保持されており、手術用顕微鏡10はそのままでディスプレイユニット14のみを術者11の前の観察位置から左右に移動した裸眼による治療のための位置に簡単に動かすことができる。
(患者の立位による歯科治療)
歯科治療時の患者のポジションには、図3のように治療台38に患者70が寝た状態となる水平位と、治療台38の背もたれを起して患者を座らせた状態とする立位がある。患者を水平位とした場合、術者は椅子に座っており、ディスプレイユニット14により手術用顕微鏡10で観察している歯牙を立体視しながら歯科治療を行うことができる。
しかしながら、誤嚥しやすい高齢者や倒すと咳き込んだり気分が悪くなる患者に対しては、図8に示すように、治療台68の背もたれを起して患者70を立位としたポジジョンで歯科治療を行う場合がある。この場合、従来の手術用顕微鏡を直接覗いて行う歯科治療では、接眼レンズが低い位置となるため、中腰の状態で手術用顕微鏡を見ながら治療することが強いられ、立位の患者に対しては手術用顕微鏡を用いた歯科治療を行うことができない。
これに対し本実施形態の支持機構32にあっては、図8に示すように、立位の患者70に対しても、水平位の場合と同様に、支持機構32における垂直保持アーム44を患者70の直上に位置させ、垂直保持アーム44の垂直軸心線72を患者70の口腔70aに向けることで、垂直軸心線72を中心に、ディスプレイユニット14を垂直固定アーム62及び水平旋回アーム60を介して、患者70の周囲で旋回させて治療に必要な任意の位置に保持可能であり、また、ディスプレイユニット14の高さは、患者70の周囲に立つ術者の目の高さに合わせた位置に保持させることが簡単にでき、ディスプレイユニット14により手術用顕微鏡の観察画像を立体視しながら、立位としている患者の歯科治療を中腰等の無理な姿勢をとることなく、簡単且つ適切に進めることができる。
(水平旋回アームの伸縮構造)
図9は基台側の水平旋回アームを伸縮構造とした図3の支持機構を示した説明図である。
図9に示すように、本実施形態の支持機構32は、天井面36に固定された基台38に水平旋回自在に連結された水平旋回アーム40を伸縮構造としている。水平旋回アーム40の伸縮構造は、基台38側の水平旋回継手40aに筒型の固定アーム74が連結され、固定アーム75に対し伸縮アーム76が軸方向に摺動自在に嵌め込まれている。
固定アーム75の先端側には伸縮ギア機構78が設けられ、外付けされたハンドル82により内蔵したピニオンギア(図示せず)を回転可能としており、ピニオンギアは伸縮アーム76の外周軸方向に形成されたラックギア80に噛み合っている。
ハンドル82を例えば右に回すとピニオンギアの右回転によりラックギア80が固定アーム75内に引き込まれて水平旋回アーム40を短くすることができ、ハンドル82を逆に左に回すとピニオンギアの左回転によりラックギア80が固定アーム75から押し出され、水平旋回アーム40を長くすることができる。それ以外の構造及び機能は図7の第2実施形態と同じになることから、同一符号を付して説明は省略する。
このように水平旋回アーム40の長さが変えられることで、歯科診療室によって基台38を天井面36に固定できる位置が異なっていても、平行リンクアーム42の先端の垂直保持アーム44を、診察台68で水平位にある患者70の口腔70aの上に確実に位置させることが容易にでき、垂直保持アーム44の垂直軸心線72を患者70の口腔70aに向けてさせることで、垂直軸心線72を中心に、水平旋回アーム60及び垂直固定アーム62を介してディスプレイユニット14を患者70の周囲となる8時から4時の任意の位置に簡単に旋回移動して保持させることができる。
また、垂直軸心線72が患者70の口腔70aに向くように水平旋回アーム40の長さを変えて垂直保持アーム44を患者70の直上に位置させることで、ディスプレイユニット14を使用した顕微鏡下での治療から裸眼による治療に移行するとき、垂直保持アーム44を中心にディスプレイユニット14を左又は右に水平回転により素早く移動でき、また、ディスプレイユニット14を元の位置に素早く戻して顕微鏡下の治療に戻ることができる。
なお、水平旋回アーム40の伸縮構造は、ハンドル82による手動操作としているが、モータ等のアクチュエータを設け、遠隔操作により長さを変えられるようにしても良い。
[支持機構の第2実施形態]
図10は平行リンクアームの後端側を基台に固定した支持機構の第2実施形態を示した説明図、図11は図10の支持機構におけるリンク構成を示した説明図である。
図10及び図11に示すように、本実施形態の支持機構32は、図3に示した第1実施形態の支持機構32における平行リンクアーム42から先の機構を使用したことを特徴とする。
即ち、本実施形態の支持機構32は、天井面36に固定された基台38に対し下向きに固定された固定アーム84の下端に、水平旋回継手86を介して平行リンクアーム42の後端を連結しており、平行リンクアーム42から先は、図3の第1実施形態と同じであり、垂直保持アーム44、水平旋回アーム60及び垂直固定アーム62を介して、垂直固定アーム62の先端に固定された二股に分かれた支持アーム90に軸部92によりディスプレイユニット14が取り付けられている。
本実施形態の支持機構32は、基台38側に図3に示した水平旋回アーム40がないことから、その分、支持機構32は全体としてコンパクトとなり、水平旋回アーム40の旋回範囲を確保することが困難な歯科治療室に好適な構造とである。
また、支持機構32はコンパクトになるが、平行リンクアーム42により垂直保持アーム44を水平位にある患者70の直上に位置させ、垂直保持アーム44の垂直軸心線72を患者70の口腔70aに向くように保持させることで、垂直軸心線72を中心に、水平旋回アーム60及び垂直固定アーム62を介してディスプレイユニット14を患者の周囲となる8時から4時の任意の位置に簡単に旋回移動して保持させることができる。
更に、患者70の上部に、ディスプレイユニット14を8時〜4時で移動しても他の部材や機器による干渉を受けることなく術者が患者70を治療することができ、且つ、図10示すように、手術用顕微鏡10が配置されて患者70の口腔70aを観察するために使用するための空き空間74を確保することができる。
[支持機構の第3実施形態]
図12は垂直保持アームを基台側に固定し、垂直固定アームを伸縮構造とした支持機構の第3実施形態を示した説明図、図13は図12の支持機構におけるリンク構成を示した説明図である。
図12及び図13に示すように、本実施形態の支持機構32は、図3に示した第1実施形態の支持機構32における垂直保持アーム44から先の機構を使用したことを特徴とする。
即ち、本実施形態の支持機構32は、天井面36に固定された基台38に下向きに垂直保持アーム44が固定され、垂直保持アーム44から先は、図3の第2実施形態と基本的に同じであり、水平旋回アーム60及び垂直固定アーム62を介して、垂直固定アーム62の先端に固定された二股に分かれた支持アーム90に軸部92によりディスプレイユニット14が取り付けられている。
また、本実施形態の垂直固定アーム62は伸縮構造としている。垂直固定アーム62の伸縮構造は、水平旋回アーム60の先端に垂直旋回継手66を介して筒型の固定アーム96が連結され、固定アーム96に対し伸縮アーム98が軸方向(上下方向)に摺動自在に嵌め込まれている。
固定アーム96の先端側には伸縮ギア機構100が設けられ、外付けされたハンドル104により内蔵したピニオンギア(図示せず)を回転可能としており、ピニオンギアは伸縮アーム98の外周軸方向に形成されたラックギア102に噛み合っている。
ハンドル104を例えば右に回すとピニオンギアの右回転によりラックギア102が固定アーム96内に引上げられて垂直固定アーム62を短くすることができ、ハンドル104を逆に左に回すとピニオンギアの左回転によりラックギア102が固定アーム96から押し下げられ、垂直固定アーム62を長くすることができる。
このように垂直固定アーム62の長さが変えられることで、歯科診療室によって基台38を天井面36に固定できる位置が異なっていても、平行リンクアーム42の先端の垂直保持アーム44を、診察台68で水平位にある患者70の口腔70aの上に確実に位置させることが容易にでき、垂直保持アーム44の垂直軸心線72が患者70の口腔70aに向くように保持されることで、垂直軸心線72を中心に、水平旋回アーム60及び垂直固定アーム62を介してディスプレイユニット14を患者の周囲となる8時から4時の任意の位置に簡単に旋回移動して保持させることができる。
本実施形態の支持機構32は、基台38側に図3に示した水平旋回アーム40及び平行リンクアーム42がないことから、支持機構32は全体としてかなりコンパクトとなり、水平旋回アーム60の旋回範囲を確保すれば良いことから、支持機構32の設置スペースを大幅に低減できる。
また、本実施形態の支持機構32を歯科治療室に設置する場合には、垂直保持アーム44からの垂直軸心線72が水平位にある患者70の口腔70aに向くように、基台38を天井面36に固定する。
このため垂直保持アーム44及び水平旋回アーム60は天井36に近い比較的高い位置にあることから、垂直固定アーム62に伸縮構造を持たせ、ディスプレイユニット14を、水平位の患者を術者が椅子に座って治療を行う低い位置と、立位の患者を術者が立ったまま治療を行う高い位置に、ハンドル104の操作で垂直固定アーム62の長さを変えて位置決め保持させることができる。
また、垂直保持アーム44を水平位又は立位にある患者70の直上に位置させ、垂直保持アーム44の垂直軸心線72を患者70の口腔70aに向くように保持されることで、垂直軸心線72を中心に、水平旋回アーム60及び垂直固定アーム62を介してディスプレイユニット14を患者の周囲となる8時から4時の任意の位置に簡単に移動して保持させることができる。
更に、患者70の上部に、ディスプレイユニット14を8時〜4時で移動しても他の部材や機器による干渉を受けることなく術者が患者70を治療することができ、且つ、図12に示すように、手術用顕微鏡10が配置されて患者70の口腔70aを観察するために使用するための空き空間74を確保することができる。
なお、垂直固定アーム62の伸縮構造は、ハンドル104による手動操作としているが、モータ等のアクチュエータを設け、遠隔操作により長さを変えられるようにしても良い。
また、図12及び図13の支持機構の変形例として、水平旋回アーム60にも、垂直固定アーム62と同様に伸縮構造を設けて長さ替えられるようにしても良い。また、図12及び図13の支持機構の他の変形例として、水平旋回アーム60及び垂直固定アーム62に伸縮構造を設けず、固定長のアームとしても良い。
[任意の歯科用ディスプレイの支持機構]
図3乃至図13に示した支持機構32は、手術用顕微鏡による観察画像を立体視するディスプレイユニット14を三次元移動自在に支持する場合を例にとっているが、手術用顕微鏡による観察画像を見るディスプレイユニットのみならず、撮像素子を使用して患者の歯牙を観察するための任意の機器又はシステムによる画像を表示させるディスプレイユニット全般につき、図3乃至図13に示した支持機構32を使用し、ディスプレイユニットを患者の口腔を中心に円を描くように旋回移動させることで、8時〜4時の間の患者の顔に向かう術者にとって最適な治療位置にディスプレイユニットを簡単且つ確実に位置づけることができる。
このような図3乃至図13に示した支持機構32が使用される機器又はシステムとしては、光ファイバースコープの先端に設けた撮像素子による観測画像をディスプレイユニットに表示させる機器やシステム等がある。
[本発明の変形例]
また本発明は上記の実施形態に限定されず、その目的と利点を損なうことのない適宜の変形を含み、更に上記の実施形態に示した数値による限定は受けない。
10:手術用顕微鏡
12:3D変換・画像処理装置
14:ディスプレイユニット
16:モニタ装置
18:録画再生装置
20L,20R:対物レンズ
22L,22R:結像レンズ
24L,24R:CCDビデオカメラ
25L,25R:接眼レンズ
26L,26R:画像表示素子
27L,27R:ハーフミラー
28L,28R:鏡筒
29R:視度調整ツマミ
68:治療台
32,34:支持機構
36:天井面
38:基台
40,46,60:水平旋回アーム
40a,40b,64,86:水平旋回継手
42:平行リンクアーム
44:垂直保持アーム
48:HDMI(登録商標)ケーブル
50:ユニット本体
52R,52L:カバーガラス
62:垂直固定アーム
65:光ビーム発光部
70:患者
70a:口腔
72:垂直軸心線
74:空き空間
75,84,96:固定アーム
76,98:伸縮アーム
78,100:伸縮ギア機構
80,102:ラックギア
82,104:ハンドル
90:支持アーム
92:回転軸部

ここで、直角固定アームは、垂直固定アームに対し角度が直角である以外に、僅かに斜めに降ろすようにした場合も含む。
ここで、直角固定アーム92は、垂直固定アーム60に対し角度が直角である以外に、僅かに斜めに降ろすようにした場合も含む。

Claims (7)

  1. 治療台の患者の治療に関する所定の観察画像を表示させるディスプレイユニットと、
    前記ディスプレイユニットを、三次元移動自在に支持して一定姿勢を保つ術者の観察位置に保持させる支持機構と、
    を有し、
    前記支持機構は、
    垂直軸心線が前記治療台の患者の口腔を通る位置に移動可能に支持される垂直保持アームと、
    前記垂直保持アームに対し、後端側が水平旋回自在に軸支された水平旋回アームと、
    前記水平旋回アームの先端側に下向きに固定され、先端側に前記ディスプレイユニットが取り付けられた垂直固定アームと、
    を備え、
    前記垂直保持アームの垂直軸心線が前記治療台の患者の口腔を通る位置に移動された状態で、前記垂直軸心線を中心として前記ディスプレイユニットのファインダーまでの水平距離で決まる所定の旋回半径となる前記治療台の周囲の位置に、前記ディスプレイユニットを前記垂直固定アーム及び前記水平旋回アームを介して位置決め移動自在に支持させる構造としたことを特徴とする歯科治療用観察システム。
  2. 請求項1記載の歯科治療用観察システムに於いて、
    前記ディスプレイユニットは、前記垂直固定アームの先端に上下に回動自在に支持されたことを特徴とする歯科治療用観察システム。
  3. 請求項16記載の歯科治療用観察システムに於いて、
    前記基台側と前記垂直保持アームとの間に、
    前記基台側に対し後端側が水平旋回自在に軸支された第2の水平旋回アームと、
    前記第2の水平旋回アームの先端側に後端側が水平旋回自在に軸支され、先端側に設けられた前記垂直保持アームの姿勢を維持したまま3次元移動させる平行リンク機構と、
    が設けられたことを特徴とする歯科治療用観察システム。
  4. 請求項1記載の歯科治療用観察システムに於いて、
    前記基台側と前記垂直保持アームとの間に、前記基台側に後端側が水平旋回自在に軸支され、先端側に設けられた前記垂直保持アームの姿勢を維持したまま3次元移動させる平行リンク機構が設けられたことを特徴とする歯科治療用観察システム。
  5. 請求項1記載の歯科治療用観察システムに於いて、
    前記支持機構は、前記基台側に前記垂直保持アームの後端側が水平旋回自在に軸支されたことを特徴とする歯科治療用観察システム。
  6. 請求項1記載の歯科治療用観察システムに於いて、
    前記水平旋回アームと前記垂直固定アームの何れか一方又は両方はアーム長を変える伸縮構造を備えたことを特徴とする歯科治療用観察システム。
  7. 請求項1記載の歯科治療用観察システムに於いて、
    前記垂直軸心線を中心として前記ディスプレイユニットのファインダーまでの水平距離で決まる所定の旋回半径を、10センチメートル乃至30センチメートルの範囲の所定距離に設定したことを特徴とする歯科治療用観察システム。
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