JP2020068699A - 冷凍ホイップクリーム用の油脂組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】室温と冷蔵温度の繰り返しによっても硬度変化やオーバーラン値の変化の少ない冷凍用のホイップクリームを製造する技術を提供すること【解決手段】ホイップクリーム用の油脂組成物の原料として、下記特徴(a)、(b)を有する油脂(A)を用いる。油脂(A)(a)トリグリセリドを構成する脂肪酸残基の炭素数の合計が42であるトリグリセリドを15質量%以上含む。(b)ヨウ素価が4以下である。【選択図】なし

Description

本発明は、冷凍ホイップクリーム用の油脂組成物に関する。
植物性油脂を原料に用いたホイップクリームは、生クリームと比較して安定性や価格において利点があるため、製菓分野等で大きな需要がある。また、冷凍ホイップクリームは保存性や簡便性の観点において利点がある。
冷凍ホイップクリームに関する技術として、特許文献1には、パーム核油分別高融点部を含有する水中油型乳化組成物を用いた冷凍用ホイップクリームが口溶けに優れ、かつ耐熱保形性を有することが開示されている。
また、特許文献2には、パーム核ステアリンと、該パーム核ステアリン以外のラウリン系非硬化油と、硬化油由来の油脂とを組み合わせることによって、ホイップクリームの冷凍前と解凍後の硬度変化やオーバーラン変化を抑制する技術が開示されている。
特開2006−304713号公報 特開2016−208970号公報
ところで、飲食店等では、三角袋等に封入された冷凍ホイップクリームを冷凍庫で保管し、使用時に冷蔵庫に移して解凍した後、室温下で使用する。ここで通常、解凍後のホイップクリームを一度で使い切らなかった場合には、冷蔵保存しておき、再度室温下で使用する。このような室温と冷蔵温度の繰り返しにより、オーバーラン値の変化や硬度変化が生じてしまうことが問題としてあった。
また、従来、冷凍ホイップクリーム用の油脂として、解凍前後の物性変化の抑制等の観点から部分水素添加油脂が用いられてきた。しかし、近年、部分水素添加油脂に含まれるトランス型脂肪酸が動脈硬化などの心臓病になるリスクを高めるという研究結果が報告されている。そのため、欧米諸国、アジア諸国では、食品販売における部分水素添加油を含む食品の販売規制の動きがある。
以上の事情から、従来冷凍ホイップクリームに用いられてきた部分水素添加油脂に代わる油脂組成物であって、室温と冷蔵温度の繰り返しによるオーバーラン値の変化や硬度変化を抑制できる性質(本明細書において、まとめて「ヒートサイクル耐性」ということがある。)を有する油脂組成物が求められていた。
すなわち、本発明は、冷凍前後の物性変化の抑制、解凍後の離水の抑制の観点から冷凍ホイップクリームに適した性質を有しつつ、ヒートサイクル耐性を有する冷凍ホイップクリームを製造する技術を提供することを課題とする。
より具体的には、室温と冷蔵温度の繰り返しによっても、オーバーラン値の変化の少ない及び/又は硬度変化の少ない、冷凍ホイップクリームを製造するための油脂組成物を提供することを課題とする。
上記課題を解決する本発明は、下記特徴(a)、(b)を有する油脂(A)を含有する冷凍ホイップクリーム用の油脂組成物である。
油脂(A)
(a)トリグリセリドを構成する脂肪酸残基の炭素数の合計が42であるトリグリセリドを15質量%以上含む。
(b)ヨウ素価が4以下である。
本発明の油脂(A)を含む油脂組成物を用いることで、製造したホイップクリームの室温と冷蔵温度の繰り返しによる硬度変化を抑制することができる。
また、本発明の油脂(A)を含む油脂組成物を用いることで、室温と冷蔵温度の繰り返しによってもオーバーラン値の変化の少ないホイップクリームを製造することができる。
そのため、本発明の油脂組成物は、冷凍ホイップクリームに好適に用いることができる。
また本発明は、上記特徴(a)、(b)を有する油脂(A)を油脂組成物全体の20質量%以上含有する油脂組成物でもある。
本発明の油脂(A)を油脂組成物全体の20質量%以上含有する油脂組成物を用いることで、製造した冷凍ホイップクリームの室温と冷蔵温度の繰り返しによる硬度変化を抑制することができる。
また、本発明の油脂(A)を油脂組成物全体の20質量%以上含有する油脂組成物を用いることで、室温と冷蔵温度の繰り返しによってもオーバーラン値の変化の少ない冷凍ホイップクリームを製造することができる。
本発明の好ましい形態では、部分水素添加油の合計含有量が3質量%以下である。
本発明によれば、部分水素添加油脂含有量が少なくとも、室温と冷蔵温度との温度変化の繰り返しによるオーバーラン値の変化や硬度変化を抑制することができる。
本発明の好ましい形態では、非硬化ラウリン系油脂を含む。
非硬化ラウリン系油脂を含む形態とすることで、より口どけの良い冷凍ホイップクリームを提供することができる。
また、本発明の好ましい形態では、前記油脂(A)を油脂組成物全体の30質量%以上含有し、前記非硬化ラウリン系油脂を油脂組成物全体の20質量%以上70質量%以下含有することを特徴とする。
また、本発明は前述の油脂組成物を含むことを特徴とする、水中油型乳化組成物でもある。
また、本発明は、冷凍ホイップクリームの製造方法であって、
前記特徴(a)、(b)を有する油脂(A)を含む水中油型乳化組成物を均質化させる均質化工程と、
均質化工程後の該水中油型乳化組成物を泡立てるホイップ工程と、
ホイップしたホイップクリームを冷凍する冷凍工程と、
を含む、冷凍ホイップクリームの製造方法でもある。
本発明によれば、冷凍解凍によっても物性変化が少なく、かつ、ヒートサイクル耐性を有する冷凍ホイップクリームを製造することができる。
特に、本発明によれば、冷凍解凍による硬度変化、オーバーラン変化、離水等の抑制において、冷凍ホイップクリームとして適した物性としつつ、室温と冷蔵温度の繰り返しによってもオーバーラン値の変化及び/又は硬度変化の少ない冷凍ホイップクリームを製造するための油脂組成物を提供することができる。
本明細書において、「ホイップクリーム」は起泡した水中油型乳化組成物(起泡済クリーム状組成物)を意味する。「冷凍ホイップクリーム」は起泡した水中油型乳化組成物(起泡済クリーム状組成物)を冷凍したものや冷凍することを目的として製造されたホイップクリームを意味する。「水中油型乳化組成物」は起泡前の液体状組成物を意味する。「油脂組成物」は、水中油型乳化組成物を製造するために用いられる植物性油脂を意味する。
以下、本発明の好ましい実施形態について説明するが、本発明の技術的範囲は以下の実施形態に限定されないことは言うまでもない。
<冷凍ホイップクリーム用の油脂組成物>
本発明の油脂組成物は、下記特徴(a)、(b)を有する油脂(A)を含有する。
油脂(A)
(a)トリグリセリドを構成する脂肪酸残基の炭素数の合計が42であるトリグリセリドを15質量%以上含む。
(b)ヨウ素価が4以下である。
上記特徴(a)、(b)を有する油脂(A)を含有する油脂組成物を用いることで、製造した冷凍ホイップクリームの室温と冷蔵温度の繰り返しによる硬度変化を抑制することができる。
また、上記特徴(a)、(b)を有する油脂(A)を含有する油脂組成物を用いることで、室温と冷蔵温度の繰り返しによってもオーバーラン値の変化の少ない冷凍ホイップクリームを製造することができる。
また、油脂(A)の特徴(a)に関し、以下の特徴を有することがより好ましい。
トリグリセリドを構成する脂肪酸残基の炭素数の合計が42であるトリグリセリド(C42)が、好ましくは16質量%以上、より好ましくは17質量%以上、さらに好ましくは18質量以上。
また、トリグリセリドを構成する脂肪酸残基の炭素数の合計が42であるトリグリセリド(C42)が、好ましくは30質量%以下、より好ましくは25質量%以下、さらにこのましくは20質量%以下。
また、油脂(A)は以下のトリグリセリド組成を有することがより好ましい。
トリグリセリドを構成する脂肪酸残基の炭素数の合計が32のトリグリセリド(C32)が、好ましくは1.5質量%〜11質量%、より好ましくは2質量%〜9質量%、さらに好ましくは3質量%〜6質量%である。
トリグリセリドを構成する脂肪酸残基の炭素数の合計が34のトリグリセリド(C34)が、好ましくは1.5質量%〜11質量%、より好ましくは2質量%〜9質量%、さらに好ましくは3質量%〜7質量%である。
トリグリセリドを構成する脂肪酸残基の炭素数の合計が36のトリグリセリド(C36)が、好ましくは7質量%〜25質量%、より好ましくは10質量%〜20質量%、さらに好ましくは14質量%〜18質量%である。
トリグリセリドを構成する脂肪酸残基の炭素数の合計が38のトリグリセリド(C38)が、好ましくは7質量%〜25質量%、より好ましくは10質量%〜20質量%、さらに好ましくは14質量%〜18質量%である。
トリグリセリドを構成する脂肪酸残基の炭素数の合計が40のトリグリセリド(C40)が、好ましくは5質量%〜20質量%、より好ましくは8質量%〜18質量%、さらに好ましくは10質量%〜15質量%である。
トリグリセリドを構成する脂肪酸残基の炭素数の合計が44のトリグリセリド(C44)が、好ましくは3質量%〜18質量%、より好ましくは5質量%〜15質量%、さらに好ましくは8質量%〜12質量%である。
トリグリセリドを構成する脂肪酸残基の炭素数の合計が46のトリグリセリド(C46)が、好ましくは1.5質量%〜11質量%、より好ましくは2質量%〜9質量%、さらに好ましくは3質量%〜7質量%である。
トリグリセリドを構成する脂肪酸残基の炭素数の合計が48のトリグリセリド(C48)が、好ましくは1.5質量%〜11質量%、より好ましくは2質量%〜9質量%、さらに好ましくは3質量%〜7質量%である。
トリグリセリドを構成する脂肪酸残基の炭素数の合計が50のトリグリセリド(C50)が、好ましくは0.5質量%〜5質量%、より好ましくは1質量%〜3質量%である。
トリグリセリドを構成する脂肪酸残基の炭素数の合計が52のトリグリセリド(C52)が、好ましくは0.1質量%〜1.2質量%、より好ましくは0.3質量%〜0.8質量%である。
トリグリセリドを構成する脂肪酸残基の炭素数の合計が54のトリグリセリド(C54)が、好ましくは0.1質量%〜0.5質量%、より好ましくは0.2質量%〜0.4質量%である。
なお、油脂(A)のトリグリセリド組成は、例えば、基準油脂分析試験法(2.4.6.1−2013トリアシルグリセリン組成(ガスクロマトグラフ法))に従い、分析することができる。
また、油脂(A)の特徴(b)に関し、ヨウ素価は、好ましくは3以下、より好ましくは2以下、より好ましくは1以下、さらに好ましくは0.5以下、特に好ましくは0.3以下である。
油脂(A)のヨウ素価は、例えば、基準油脂分析試験法(2.3.4.1−2013ヨウ素価(ウィイス−シクロヘキサン法))に従い、分析することができる。
以上のトリグリセリド及びヨウ素価を有する油脂(A)を含有する油脂組成物を用いることで、製造した冷凍ホイップクリームにおける、室温と冷蔵温度の繰り返しによる硬度変化を抑制することができる。
また、以上のトリグリセリド及びヨウ素価を有する油脂(A)を含む油脂組成物を用いることで、室温と冷蔵温度の繰り返しによってもオーバーラン値の変化の少ない冷凍ホイップクリームを製造することができる。
また、構成脂肪酸に関し、油脂(A)は以下の特徴を有することがさらに好ましい。
構成脂肪酸として、炭素数6の飽和脂肪酸を0.1質量%〜0.5質量%、より好ましくは、0.15質量%〜0.3質量%含む。
構成脂肪酸として、炭素数8の飽和脂肪酸を1質量%〜8質量%、より好ましくは、2質量%〜5質量%含む。
構成脂肪酸として、炭素数10の飽和脂肪酸を1質量%〜8質量%、より好ましくは、2質量%〜5質量%含む。
構成脂肪酸として、炭素数12の飽和脂肪酸を40質量%〜60質量%、より好ましくは、45質量%〜50質量%含む。
構成脂肪酸として、炭素数14の飽和脂肪酸を10質量%〜20質量%、より好ましくは、13質量%〜18質量%含む。
構成脂肪酸として、炭素数16の飽和脂肪酸を5質量%〜12質量%、より好ましくは、7質量%〜10質量%含む。
構成脂肪酸として、炭素数18の飽和脂肪酸を15質量%〜25質量%、より好ましくは、18質量%〜22質量%含む。
構成脂肪酸として、炭素数20の飽和脂肪酸を3質量%以下、より好ましくは1質量%以下含む。
上記特徴を有する油脂(A)を含有する油脂組成物を用いることで、製造した冷凍ホイップクリームの室温と冷蔵温度の繰り返しによる硬度変化を抑制することができる。
また、上記特徴を有する油脂(A)を含む油脂組成物を用いることで、室温と冷蔵温度の繰り返しによってもオーバーラン値の変化の少ない冷凍ホイップクリームを製造することができる。
なお、油脂(A)の構成脂肪酸は、例えば、基準油脂分析試験法(2.4.1.2−2013メチルエステル化法(三フッ化ホウ素−メタノール法))および2.4.2.3−2013脂肪酸組成(キャピラリーガスクロマトグラフ法)を用いて分析することができる。
また、SFC(固体脂含量)に関し、油脂(A)は以下の特徴を有することがさらに好ましい。
5℃のSFCは好ましくは80〜99であり、さらに好ましくは85〜93である。
10℃のSFCは好ましくは75〜95であり、さらに好ましくは80〜90である。
15℃のSFCは好ましくは70〜90であり、さらに好ましくは75〜85である。
20℃のSFCは好ましくは60〜80であり、さらに好ましくは65〜75である。
25℃のSFCは好ましくは45〜65であり、さらに好ましくは50〜60である。
30℃のSFCは好ましくは15〜35であり、さらに好ましくは20〜30である。
35℃のSFCは好ましくは0〜10であり、さらに好ましくは2〜6である。
上記特徴を有する油脂(A)を含有する油脂組成物を用いることで、製造した冷凍ホイップクリームの室温と冷蔵温度の繰り返しによる硬度変化を抑制することができる。
また、上記特徴を有する油脂(A)を含む油脂組成物を用いることで、室温と冷蔵温度の繰り返しによってもオーバーラン値の変化の少ない冷凍ホイップクリームを製造することができる。
なお、油脂(A)のSFCは、例えば、基準油脂分析試験法(2.2.9−2013 固体含有量(NMR法))に従い、分析することができる。
油脂(A)の融点は、28℃〜40℃であることが好ましく、30℃〜38℃であることがより好ましく、32℃〜36℃であることがさらに好ましく、33℃〜35℃であることが特に好ましい。
上記特徴を有する油脂(A)を含有する油脂組成物を用いることで、製造した冷凍ホイップクリームの室温と冷蔵温度の繰り返しによる硬度変化を抑制することができる。
また、上記特徴を有する油脂(A)を含む油脂組成物を用いることで、室温と冷蔵温度の繰り返しによってもオーバーラン値の変化の少ない冷凍ホイップクリームを製造することができる。
なお、油脂(A)の融点は、例えば、基準油脂分析試験法(2.2.4.2−1996 融点 (上昇融点))に従い、分析することができる。
前記油脂(A)はエステル交換油であることが好ましく、極度硬化ラウリン系油脂のエステルであることがさらに好ましい。ラウリン系油脂としては、パーム核油、ヤシ油、これらの分別油が挙げられる。
前記油脂(A)は特にパーム核極度硬化油のエステル交換油であることが好ましい。
ここでパーム核極度硬化油のエステル交換油は、パーム核極度硬化油をエステル交換して得られる油脂である。
油脂(A)としてパーム核極度硬化油のエステル交換油を用いることで、製造した冷凍ホイップクリームの室温と冷蔵温度の繰り返しによる硬度変化を抑制することができる。
また、油脂(A)としてパーム核極度硬化油のエステル交換油を用いることで、室温と冷蔵温度の繰り返しによってもオーバーラン値の変化の少ない冷凍ホイップクリームを製造することができる。
パーム核極度硬化油とは、パーム核油の不飽和脂肪酸の二重結合のほぼすべてに水素を付加したものをいう。ここで、水素添加する方法は、当該技術分野で公知の方法で行うことができる。水素添加の方法としては、ニッケルなどの金属触媒を用いて、不飽和脂肪酸の二重結合に水素を付加させる方法を好ましく挙げることができる。
また、エステル交換は、当該技術分野で公知の方法で行うことができる。本発明では、ランダムエステル交換反応方法により得られたエステル交換油を用いることが好ましい。
ランダムエステル交換は、例えば、ナトリウムメチラート、水酸化ナトリウム等を触媒としてエステル交換を行う化学的な方法、非選択的リパーゼ等を触媒としてエステル交換を行う酵素的な方法に従って行うことができる。本発明では、特に、化学的な方法でランダムエステル交換反応を行うことにより得られたエステル交換油を用いることが、より好ましい。
本発明の油脂組成物における前記油脂(A)の含有量は特に制限されないが、油脂組成物を構成する油脂において最も大きい割合を占めることが好ましく、好ましくは5質量%以上、より好ましくは10質量%以上、さらに好ましくは20質量%以上、さらに好ましくは30質量%以上、さらに好ましくは40質量%以上、さらに好ましくは50質量%以上である。
本発明の油脂組成物における前記油脂(A)の含有量は100質量%であってもよいが、好ましくは95質量%以下、より好ましくは80質量%以下、さらに好ましくは70質量%以下である。
油脂組成物全体における油脂(A)の含有量を上記範囲とすることで、製造した冷凍ホイップクリームの室温と冷蔵温度の繰り返しによる硬度変化を抑制することができる。
また、油脂組成物全体における油脂(A)の含有量を上記範囲とすることで、室温と冷蔵温度の繰り返しによってもオーバーラン値の変化の少ない冷凍ホイップクリームを製造することができる。
また、本発明の油脂組成物は、非硬化ラウリン系油脂を含有することが好ましい。
非硬化ラウリン系油脂としては、ヤシ油、パーム核油の他、これらを原料として得られる油脂であれば、特に制限なく用いることができ、ヤシ油、パーム核油、これらの分別油を挙げることができる。中でも、パーム核油を用いることが好ましい。パーム核油を含む油脂組成物を用いることで、より口どけに優れた冷凍ホイップクリームを製造することができる。
本発明の油脂組成物における油脂(A)と、前記非硬化ラウリン系油脂との質量比は、好ましくは9:1〜1:3、より好ましくは5:1〜1:2、さらに好ましくは3:1〜1:1である。
上記の範囲で油脂(A)と非硬化ラウリン系油脂を組み合わせた油脂組成物を用いることで、口どけに優れた冷凍ホイップクリームを製造することができ、かつ、製造した冷凍ホイップクリームの室温と冷蔵温度の繰り返しによる硬度変化を抑制することができる。
また、上記の範囲で油脂(A)と非硬化ラウリン系油脂を組み合わせた油脂組成物を用いることで、口どけに優れた冷凍ホイップクリームを製造することができ、かつ、室温と冷蔵温度の繰り返しによってもオーバーラン値の変化の少ない冷凍ホイップクリームを製造することができる。
本発明の油脂組成物の組成として、例えば、以下が好ましく例示される。
油脂(A)を20質量%以上含み、好ましくは30質量%以上含み、さらに好ましくは40質量%以上含む;
非硬化ラウリン系油脂を10質量%〜60質量%含み、好ましくは20質量%〜50質量%含み、さらに好ましくは25質量%〜40質量%含む。
上記の範囲で油脂(A)と非硬化ラウリン系油脂を組み合わせた油脂組成物を用いることで、製造した冷凍ホイップクリームの室温と冷蔵温度の繰り返しによる硬度変化を抑制することができる。
また、上記の範囲で油脂(A)と非硬化ラウリン系油脂を組み合わせた油脂組成物を用いることで、室温と冷蔵温度の繰り返しによってもオーバーラン値の変化の少ない冷凍ホイップクリームを製造することができる。
ここで、本発明の油脂組成物は極度硬化ラウリン系油脂をさらに含有することが好ましい。ここで、極度硬化ラウリン系油脂としては、パーム核極度硬化油を好ましく挙げることができる。パーム核極度硬化油を含む油脂組成物を用いることで、より保型性に優れた冷凍ホイップクリームを製造することができる。
また。極度硬化ラウリン系油脂をさらに含有する場合の油脂組成物の組成として、例えば、以下が特に好ましく例示される。
油脂(A)を20質量%以上含み、好ましくは30質量%以上含み、さらに好ましくは40質量%以上含む;
極度硬化ラウリン系油脂を5質量%〜40質量%含み、好ましくは10質量%〜30質量%含み、さらに好ましくは15質量%〜20質量%含む。
上記の範囲で油脂(A)と極度硬化ラウリン系油脂を組み合わせた油脂組成物を用いることで、保型性に優れた冷凍ホイップクリームを製造することができ、かつ、冷凍ホイップクリームの室温と冷蔵温度の繰り返しによる硬度変化を抑制することができる。
また、上記の範囲で油脂(A)と極度硬化ラウリン系油脂を組み合わせた油脂組成物を用いることで、保型性に優れた冷凍ホイップクリームを製造することができ、かつ、室温と冷蔵温度の繰り返しによってもオーバーラン値の変化の少ない冷凍ホイップクリームを製造することができる。
また、本発明の油脂組成物において、部分水素添加油の合計含有量は、好ましくは10質量%以下であり、さらに好ましくは5質量%以下であり、特に好ましくは実質的に含まない。
ここで、部分水素添加油とは、水素添加処理により不飽和脂肪酸の二重結合の一部を一重結合とした油脂をいう。
また、部分水素添加油は、ヨウ素価の値が4より大きい油脂をいう。
また、本発明の油脂組成物は、トランス脂肪酸を実質的に含まないことが好ましい。
また、本発明の油脂組成物の5℃のSFCは好ましくは70〜95であり、より好ましくは75〜93であり、さらに好ましくは80〜85であり;
10℃のSFCは好ましくは65〜90であり、より好ましくは70〜87であり、さらに好ましくは75〜83であり;
15℃のSFCは好ましくは55〜85であり、より好ましくは60〜83であり、さらに好ましくは65〜80であり;
20℃のSFCは好ましくは45〜75であり、より好ましくは50〜72であり、さらに好ましくは55〜65であり;
25℃のSFCは好ましくは25〜60であり、さらに好ましくは30〜55であり、さらに好ましくは34〜50である;
30℃のSFCは好ましくは5〜30であり、さらに好ましくは8〜20であり;
35℃のSFCは好ましくは0〜8であり、さらに好ましくは1〜3である。
SFCの値が上記範囲の油脂組成物を用いることで、製造した冷凍ホイップクリームの室温と冷蔵温度の繰り返しによる硬度変化を抑制することができる。
また、SFCの値が上記範囲の油脂組成物を用いることで、室温と冷蔵温度の繰り返しによってもオーバーラン値の変化の少ない冷凍ホイップクリームを製造することができる。
<水中油型乳化組成物>
本発明の水中油型乳化組成物は、水相と油相からなり、上述した本発明の油脂組成物(植物性油脂)を油相に含む。水相と油相の質量比は適宜設定することができるが、好ましくは90:10〜40:60、より好ましくは80:20〜50:50、さらに好ましくは75:25〜60:40である。
本発明の水中油型乳化組成物は、一般的な製造方法により製造できるが、以下、代表的な方法を詳述する。
まず、使用する乳化剤が親油性である場合は原料となる油脂の一部または全部に、乳化剤を添加し溶解ないし分散させて油相部を調製する。このような親油性の乳化剤としては、例えばレシチン、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、蔗糖脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、有機酸モノグリセリド等従来公知の乳化剤のうち低HLBの乳化剤が例示でき、本発明においてはこれらのいずれを適宜組み合わせて使用してもよい。
また、バターオイル、バターを由来とする乳脂肪を用いる場合には、これらを必要に応じて加熱融解して油相部を調製する。乳脂肪を含む油相部と、上述した植物性油脂からなる本発明の冷凍ホイップクリーム用油脂組成物を含む油相部は、混合した後、水相部に添加してもよく、また各々添加してもよい。また、生クリーム、牛乳を用いる場合には、予め水相部と混合してから本発明の冷凍ホイップクリーム用油脂組成物を含む油相部を混合しても良い。
ここで、水相部は、水に対し、カゼインナトリウム、脱脂粉乳、糖類や必要に応じて、蔗糖脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、クエン酸ナトリウム、トリポリりん酸ナトリウム、第二りん酸ナトリウム、重炭酸ナトリウム、ヘキサメタりん酸ナトリウム、増粘多糖類、香料などを添加し調製することができる。
そして、油相部と水相部を50℃〜85℃の温度に加温し、混合して予備乳化を行い、予備乳化後、ホモゲナイザーにて均質化し、バッチ式殺菌法、または間接加熱方式あるいは直接加熱方式によるUHT滅菌処理法にて滅菌し、冷却しエージングすることにより、水中油型乳化組成物を製造することができる。ここで、殺菌工程は、均質化工程の前に行ってもよい。また、均質化工程を複数回行う場合、各回の均質化圧力は、同一であってもよく、異なっていてもよい。
<ホイップクリーム>
本発明の水中油型乳化組成物は、常法によりホイップすることでホイップクリームとすることができる。
また、ホイップクリームを三角袋等の包装容器に詰めた状態若しくはホイップクリームを三角袋等の包装容器から絞り成形した状態で、常法で−20℃以下に冷却することにより、冷凍ホイップクリームとすることができる。
そして、前記冷凍ホイップクリームは、冷蔵庫内に移して解凍する等の常法により解凍することで、飲食品に用いることができる。具体的には、前記冷凍ホイップクリームは、パンケーキ、パフェなどのデザートにトッピングする形態、若しくはコーヒー、抹茶、紅茶、ココアなどの飲料に載せる形態として用いることができる。
以下に実施例を用いて、より詳細に本発明について説明する。本実施例において、%(パーセント)による表記は、特に断らない限り質量を基準としたものである。
実施例に用いた油脂は以下の通りである。
・パーム核極度硬化油のエステル交換油(本発明における油脂(A)に相当)
パーム核油をニッケル触媒下でヨウ素価4以下になるまで水素添加し、パーム核極度硬化油を得た。
得たパーム核極度硬化油を0.12%のナトリウムメチラートを触媒とし、90℃で30分間、ランダムエステル交換反応を行い、脱色、脱臭をすることにより得た。
・パーム核油
パーム核油の原料を脱色、脱臭をすることにより得た。
・パーム核極度硬化油
パーム核油をニッケル触媒下でヨウ素価4以下になるまで水素添加し、脱色、脱臭をすることにより得た。
比較例に用いた油脂は以下の通りである。
・パーム核硬化油(部分水素添加)
パーム核油をニッケル触媒下でヨウ素価5になるまで部分的に水素添加し、脱色、脱臭をすることにより得た。
・パーム核分別高融点部
パーム核油を液状部分と結晶画分とに分画した際の結晶画分を脱色、脱臭をすることにより得た。
・ヤシ油のエステル交換油
ヤシ油を0.12%のナトリウムメチラートを触媒とし、90℃で30分間、ランダムエステル交換反応を行い、脱色、脱臭をすることにより得た。
各油脂の成分組成及び物性を表1に示す。
ここで、融点は、基準油脂分析法(2.2.4.2−1996 融点(上昇融点))に準じて測定した。
また、SFC(固体脂含量)は基準油脂分析法(2.2.9−2003 固体脂含量 NMR法))に準じて測定した。
また、ヨウ素価は、基準油脂分析試験法(2.3.4.1−2013ヨウ素価(ウィイス−シクロヘキサン法))に従い、分析した。
また、トリグリセリド組成は、例えば、基準油脂分析試験法(2.4.6.1−2013トリアシルグリセリン組成(ガスクロマトグラフ法))に従い、分析した。
また、構成脂肪酸は、基準油脂分析試験法(2.4.1.2−2013メチルエステル化法(三フッ化ホウ素−メタノール法))および2.4.2.3−2013脂肪酸組成(キャピラリーガスクロマトグラフ法)を用いて分析した。
本試験では、特定の油脂を含むホイップクリーム用油脂組成物を含む水中油型乳化組成物を用いて調製したホイップクリームの室温と冷蔵温度の繰り返しによる硬度変化及びオーバーランの値の変化、ホイップクリームの冷凍解凍による硬度変化及びオーバーランの値の変化、離水を検証した。
(1)水中油型乳化組成物及びホイップクリームの調製
表2に示す配合の油脂組成物(油脂合計30.418部)に、大豆レシチン0.207部、シュガーエステル0.084部、ソルビタン脂肪酸エステル0.084部、及び乳酸モノグリセライド0.207部を加え、油相を調製した。一方、水39.875部に、脱脂粉乳3部、液糖15部、上白糖10部、カゼインナトリウム1部、メタリン酸Na0.1部、及び増粘多糖類(κ−カラギナン)0.025部を加えた後、分散させて水相を調製した。
65℃において、10分間かけて、油相と水相を混合し、予備乳化を行った。
次いで150kg/cm、20kg/cmの圧力下で均質化した。その後75℃で15分間殺菌し、10℃に冷却して、5℃で1晩エージングを行い、水中油型乳化組成物(クリーム)を得た。5℃において、ホバートミキサーにて、該クリームを後述の測定方法による硬度が120±10に達するまでホイップすることで、実施例及び比較例のホイップクリームを得た。
(2)ホイップクリームの評価及び、評価結果
製造した実施例及び比較例のホイップクリームについて、以下に示す方法にて評価を行った。評価結果を、表2に示す。
なお、比較例1は、従来、ホイップクリームに主に用いられてきた油脂組成物である。
1. 冷凍前のオーバーラン
冷凍前のオーバーラン(体積増加率、単位%)は、下記式:
[(所定体積の水の重量)/(水と同体積のホイップクリームの重量)−1]×100
に従って、計算した。
2. オーバーランの変化量
ホイップクリームを三角袋に詰め、−20℃で3日以上冷凍した後、5℃にて解凍した。解凍してから1日後にそれぞれ絞り、「1.」と同様の式に従って、オーバーランを計算し、冷凍前のオーバーランからの変化量を求めた。
3. 硬度の変化量
ホイップ直後の硬度と、2.と同様に冷凍後解凍してから1日後の硬度を、ミクロペネトロメーター(RIGOSHA製のPENETRO METER、円錐1g)を使用し、平らにしたクリームへの円スイの針入度(単位は1/10mm)として測定した。冷凍後解凍してから1日後の硬度から冷凍前の硬度を差し引くことにより、硬度の変化量を計算した。
4.30℃保形性
解凍してから1日後のホイップクリームを、直径が30〜40mm、重量が5〜7gの範囲で、シャーレに絞り、30℃で2時間保管した後、最初に絞った状態からの幅の広がりを測定した。
5. 離水率
解凍してから1日後のホイップクリームを茶こしに40g程度のせ、20℃で24時間後に茶こしの下に離水した質量を測定し、下記の式にて離水率を算出。離水率(%)=離水量(g)/のせたクリーム量(g)×100
6. ヒートサイクル試験
解凍してから1日後のホイップクリームについて、下記(i)(ii)の条件を3回繰り返したときの硬度とオーバーランを測定し評価した。
(i)25℃、1時間
(ii)5℃、1時間
(3)考察
表2に示す通り、パーム核極度硬化油のエステル交換油を含む油脂組成物を用いて製造したホイップクリームは、解凍による硬度変化及び、オーバーランの値の変化が少ないことがわかった。
また、パーム核極度硬化油のエステル交換油を含む油脂組成物を用いて製造したホイップクリームは、保型性に優れ、かつ、離水も少ないことがわかった。
特に、パーム核極度硬化油のエステル交換油を含む油脂組成物を用いて製造したホイップクリームは、室温と冷蔵温度の繰り返しを行う試験(ヒートサイクル試験)において、部分水素添加油を含む比較例(比較例1)と同様に、硬度変化の値、オーバーランの変化の値がともに良好な結果であることがわかった。
ここで、パーム核極度硬化油のエステル交換油は、トリグリセリドを構成する脂肪酸残基の炭素数の合計が42であるトリグリセリドを15質量%以上含むことを特徴とする油脂である。そして、パーム核極度硬化油のエステル交換油は、ヨウ素価が4以下である油脂である。
すなわち、トリグリセリドを構成する脂肪酸残基の炭素数の合計が42であるトリグリセリドを15質量%以上含み、かつ、ヨウ素価が4以下である油脂(A)を含有する油脂組成物を用いることで、製造したホイップクリームの室温と冷蔵温度の繰り返しによる硬度変化を抑制することができることがわかった。
また、トリグリセリドを構成する脂肪酸残基の炭素数の合計が42であるトリグリセリドを15質量%以上含み、かつ、ヨウ素価が4以下である油脂(A)を含有する油脂組成物を用いることで、室温と冷蔵温度の繰り返しによってもオーバーラン値の変化の少ないホイップクリームを製造することができることがわかった。
特に、上記油脂(A)を油脂組成物全体の20質量%以上含有する油脂組成物を用いることで、製造したホイップクリームの室温と冷蔵温度の繰り返しによる硬度変化を抑制することができることがわかった。また上記油脂(A)を油脂組成物全体の20質量%以上含有する油脂組成物を用いることで、室温と冷蔵温度の繰り返しによってもオーバーラン値の変化の少ないホイップクリームを製造することができることがわかった。
そして、上記の特徴を有する油脂(A)を含む油脂組成物は、冷凍ホイップクリームに好適に用いることができることがわかった。
また、実施例2〜4の油脂組成物を用いて製造したホイップクリームは、実施例1の油脂組成物を用いて製造したホイップクリームに比して、口どけに優れていた。
すなわち、油脂(A)及び非硬化ラウリン系油脂を含む油脂組成物を用いることで、上述の効果に加え、さらに口どけに優れたホイップクリームを製造することができることがわかった。
また、実施例3、4の油脂組成物を用いて製造したホイップクリームは、実施例2の油脂組成物を用いて製造したホイップクリームに比して、30℃保型性に優れていた。
すなわち、油脂(A)及び極度硬化ラウリン系油脂を含む油脂組成物を用いることで、上述の効果に加え、さらに保型性に優れたホイップクリームを製造することができることがわかった。
本発明は、冷凍ホイップクリームの製造に利用できる。

Claims (8)

  1. 下記特徴(a)、(b)を有する油脂(A)を含有することを特徴とする、冷凍ホイップクリーム用の油脂組成物
    油脂(A)
    (a)トリグリセリドを構成する脂肪酸残基の炭素数の合計が42であるトリグリセリドを15質量%以上含む。
    (b)ヨウ素価が4以下である。
  2. 下記特徴(a)、(b)を有する油脂(A)を油脂組成物全体の20質量%以上含有することを特徴とする、油脂組成物
    油脂(A)
    (a)トリグリセリドを構成する脂肪酸残基の炭素数の合計が42であるトリグリセリドを15質量%以上含む。
    (b)ヨウ素価が4以下である。
  3. 部分水素添加油の合計含有量が3質量%以下である、請求項1又は2に記載の油脂組成物。
  4. 前記油脂(A)がパーム核極度硬化油のエステル交換油であることを特徴とする、請求項1〜3の何れか1項に記載の油脂組成物。
  5. さらに、非硬化ラウリン系油脂を含むことを特徴とする、請求項1〜4の何れか1項に記載の油脂組成物。
  6. 前記油脂(A)を油脂組成物全体の30質量%以上含有し、前記非硬化ラウリン系油脂を油脂組成物全体の20質量%以上70質量%以下含有することを特徴とする、請求項5に記載の油脂組成物。
  7. 請求項1〜6の何れか1項記載の油脂組成物を含むことを特徴とする、水中油型乳化組成物。
  8. 冷凍ホイップクリームの製造方法であって、
    下記特徴(a)、(b)を有する油脂(A)を含む水中油型乳化組成物を均質化させる均質化工程と、
    均質化工程後の該水中油型乳化組成物を泡立てるホイップ工程と、
    ホイップしたホイップクリームを冷凍する冷凍工程と、
    を含む、冷凍ホイップクリームの製造方法
    油脂(A)
    (a)トリグリセリドを構成する脂肪酸残基の炭素数の合計が42であるトリグリセリドを15質量%以上含む。
    (b)ヨウ素価が4以下である。

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