JP2020068491A - 通信装置及びレンジング方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】レンジング処理をソフトウェア化する。【解決手段】通信装置は、所定のタイミングから第一フレームを送信するまでの送信ビット数と、スループットとに基づいて、第一フレームの送信タイミングを算出する送信タイミング算出部と、第一フレームを送信タイミングに外部装置に送信する送信部と、第一フレームに応じて外部装置から第二フレームを受信する受信部と、所定のタイミングから受信部が第二フレームを受信するまでの受信ビット数と、スループットとに基づいて第二フレームの受信タイミングを算出する受信タイミング算出部と、外部装置において第一フレームの受信から第二フレームの送信までにかかった処理時間と、送信タイミングと、受信タイミングとを用いてラウンドトリップタイムを算出するラウンドトリップタイム算出部と、を備える。【選択図】図1
Description
本発明は、通信装置及びレンジング方法に関する。
近年、ネットワーク分野ではSDN(software-defined network)やNFV(network function virtualization)が注目されており、ネットワーク装置を汎用ハードウェアとソフトウェアとで構成することによって、装置の柔軟性の向上を狙った取り組みが盛んに検討されている。光アクセスシステムに関してもSDN/NFVの適用が検討されており、OLT(optical line terminal;加入者線端局装置)をソフトウェアで実装する検討が成されている。OLTの上位層処理機能として、OLTとONU(optical network unit;加入者線終端装置)との間の伝送時間を測定するレンジング(例えば、非特許文献1参照)がある。しかし、このレンジングには、ns(ナノ秒)オーダーの高精度な時間測定が必要であるため、ソフトウェア化が困難とされている。
"IEEE Standard for Information technology - Telecommunications and information exchange between systems - Local and metropolitan area networks - Specific requirements Part 3: Carrier Sense Multiple Access with Collision Detection (CSMA/CD) Access Method and Physical Layer Specifications", IEEE Std 802.3av-2009, IEEE Computer Society, 2009年
PON(Passive Optical Network;受動光ネットワーク)システムにおいては、1台のOLTに複数台のONUが接続されており、ONU配下の複数端末が1本の光ファイバを共用することで経済化を実現している。PONシステムにおいては、上り信号の衝突を避けるため、MPCP(multi-point control protocol)機能が実装されている。MPCPでは、OLTと接続されている複数台のONUそれぞれの伝送遅延であるRTT(Round Trip Time;ラウンドトリップタイム)を求め、これら伝送遅延の差に基づいてONUの上り信号の送信時間を決定する。それぞれのONUに対してRTTを測定するために、レンジングが行われる。
図6は、レンジング方法を示す図である。レンジングではまず、OLTが現在の時刻T1を設定したGATEフレームを作成し、ONUに送信する。GATEフレームを受信したONUは、時刻T1に、処理にかかった時間T3を加算した時刻T4をREPORTフレームに付加して、OLTに送信する。OLTは、時刻T2にREPORTフレームを受信すると、T2−T4=T2−T1−T3を計算し、RTTを測定する。
図7は、レンジングを行うOLTの構成を示す機能ブロック図である。OLTの上位層処理部は、現在の時刻T1を取得し、時刻T1を付与したGATEフレームを生成する。物理層処理部は、GATEフレームの符号化処理を行い、IFボード(データ転送部)は、符号化されたGATEフレームをONUに送信する。OLTのIFボードは、ONUから送信されたREPORTフレームを受信し、物理層処理部は、受信したフレーム信号に復号化処理を行う。上位層処理部は、現在の時刻T2を取得し、受信したREPORTフレームに付与されている時刻情報が示す時刻T4と、取得した時刻T2とを用いてRTT(=T2−T4)を算出する。
従来は、上位層処理部や物理層処理部の機能をASIC(Application Specific Integrated Circuit)等のハードウェア実装により実現している。ハードウェアにおいては時刻T1、T2の時間測定を高精度に行うことが可能であるため、ハードウェアで実装されたこれらの機能ブロックによりRTT算出が実現できる。10G−EPON(10Gigabit Ethernet(登録商標) Passive Optical Network)の規格のハードウェアは、16nsに1カウントを行うカウンターを用いて時間を計測している。
しかし、OLTをソフトウェア実装する場合に、CPU(central processing unit)やGPU(Graphics Processing Unit)において時刻の取得をnsオーダーで実現することはできない。CPUでの時刻の取得は最低でもμs(マイクロ秒)オーダーである。加えて、ソフトウェア処理においては、フレーム生成や物理層処理に関しても処理時間が揺らぐために、高精度なRTTを取得できない。
上記事情に鑑み、本発明は、レンジング処理をソフトウェア化することができる通信装置及びレンジング方法を提供することを目的としている。
本発明の一態様は、所定のタイミングから第一フレームを送信するまでの送信ビット数と、自通信装置におけるスループットとに基づいて、前記第一フレームの送信タイミングを算出する送信タイミング算出部と、前記第一フレームを前記送信タイミングに外部装置に送信する送信部と、前記送信部が送信した前記第一フレームに応じて前記外部装置から第二フレームを受信する受信部と、所定のタイミングから前記受信部が前記第二フレームを受信するまでの受信ビット数と、前記スループットとに基づいて前記第二フレームの受信タイミングを算出する受信タイミング算出部と、前記外部装置において前記第一フレームの受信から前記第二フレームの送信までにかかった処理時間と、前記送信タイミングと、前記受信タイミングとを用いて前記外部装置のラウンドトリップタイムを算出するラウンドトリップタイム算出部と、を備える通信装置である。
本発明の一態様は、プロセッサと、前記プロセッサから出力されたデータを外部装置に所定の周期ごとに転送し、前記外部装置から前記周期ごとに受信したデータを前記プロセッサに転送するインタフェース回路とを備え、前記プロセッサは、所定のタイミングから第一フレームの送信までの前記周期の回数に基づいて前記第一フレームの送信タイミングを算出する送信タイミング算出部と、前記第一フレームを生成して前記インタフェース回路に出力するフレーム生成部と、前記インタフェース回路が受信した前記データを前記周期ごとに格納するバッファと、前記所定のタイミングから、前記第一フレームに応じて前記外部装置から送信された第二フレームを前記インタフェース回路が受信するまでの前記周期の回数と、前記バッファにおける前記第二フレームを受信した前記周期の先頭の位置から前記第二フレームの格納位置までのずれとに基づいて前記第二フレームの受信タイミングを算出する受信タイミング算出部と、前記外部装置において前記第一フレームの受信から前記第二フレームの送信までにかかった処理時間と、前記送信タイミングと、前記受信タイミングとを用いて前記外部装置のラウンドトリップタイムを算出するラウンドトリップタイム算出部と、を備える通信装置である。
本発明の一態様は、上述の通信装置であって、前記通信装置は、加入者線端局装置である。
本発明の一態様は、プロセッサと、外部装置から所定の周期ごとに受信したデータを前記プロセッサに転送し、前記プロセッサから出力されたデータを前記周期ごとに前記外部装置に転送するインタフェース回路とを備え、前記プロセッサは、前記インタフェース回路が受信した前記データを前記周期ごとに格納するバッファと、所定のタイミングから、前記インタフェース回路が第一フレームを受信するまでの前記周期の回数と、前記バッファにおける前記第一フレームを受信した前記周期の先頭の位置から前記第一フレームの格納位置までのずれと、前記所定のタイミングから第二フレームの送信までの前記周期の回数とに基づいて、前記第一フレームの受信から前記第二フレームの送信までの処理時間を算出する処理時間算出部と、前記第一フレームの受信に応じて前記第二フレームを生成し、前記処理時間、又は、前記第一フレームから読み出した当該第一フレームの送信タイミングに前記処理時間を加算した前記第二フレームの送信タイミングを設定して前記インタフェース回路に出力するフレーム生成部と、を備える通信装置である。
本発明の一態様は、上述の通信装置であって、前記通信装置は、加入者線終端装置である。
本発明の一態様は、所定のタイミングから第一フレームを送信するまでの送信ビット数と、自通信装置におけるスループットとに基づいて、前記第一フレームの送信タイミングを算出する送信タイミング算出ステップと、前記第一フレームを前記送信タイミングに外部装置に送信する送信ステップと、前記送信ステップにおいて送信した前記第一フレームに応じて前記外部装置から第二フレームを受信する受信ステップと、所定のタイミングから前記受信ステップにおいて前記第二フレームを受信するまでの受信ビット数と、前記スループットとに基づいて前記第二フレームの受信タイミングを算出する受信タイミング算出ステップと、前記外部装置において前記第一フレームの受信から前記第二フレームの送信までにかかった処理時間と、前記送信タイミングと、前記受信タイミングとを用いて前記外部装置のラウンドトリップタイムを算出するラウンドトリップタイム算出ステップと、を有するレンジング方法である。
本発明の一態様は、インタフェース回路が、プロセッサから出力されたデータを外部装置に所定の周期ごとに転送し、前記外部装置から前記周期ごとに受信したデータを前記プロセッサに転送する転送ステップと、前記プロセッサが、所定のタイミングから第一フレームの送信までの前記周期の回数に基づいて前記第一フレームの送信タイミングを算出する送信タイミング算出ステップと、前記第一フレームを生成して前記インタフェース回路に出力するフレーム生成ステップと、前記インタフェース回路が受信した前記データを前記周期ごとにバッファに格納するバッファリングステップと、前記所定のタイミングから、前記第一フレームに応じて前記外部装置から送信された第二フレームを前記インタフェース回路が受信するまでの前記周期の回数と、前記バッファにおける前記第二フレームを受信した前記周期の先頭の位置から前記第二フレームの格納位置までのずれとに基づいて前記第二フレームの受信タイミングを算出する受信タイミング算出ステップと、前記外部装置において前記第一フレームの受信から前記第二フレームの送信までにかかった処理時間と、前記送信タイミングと、前記受信タイミングとを用いて前記外部装置のラウンドトリップタイムを算出するラウンドトリップタイム算出ステップと、を有するレンジング方法である。
本発明の一態様は、インタフェース回路が、外部装置から所定の周期ごとに受信したデータをプロセッサに転送し、前記プロセッサから出力されたデータを前記周期ごとに前記外部装置に転送する転送ステップと、前記プロセッサが、前記インタフェース回路が受信した前記データを前記周期ごとにバッファに格納するバッファリングステップと、所定のタイミングから、前記インタフェース回路が第一フレームを受信するまでの前記周期の回数と、前記バッファにおける前記第一フレームを受信した前記周期の先頭の位置から前記第一フレームの格納位置までのずれと、前記所定のタイミングから第二フレームの送信までの前記周期の回数とに基づいて、前記第一フレームの受信から前記第二フレームの送信までの処理時間を算出する処理時間算出ステップと、前記第一フレームの受信に応じて前記第二フレームを生成し、前記処理時間、又は、前記第一フレームから読み出した当該第一フレームの送信タイミングに前記処理時間を加算した前記第二フレームの送信タイミングを設定して前記インタフェース回路に出力するフレーム生成ステップと、を有するレンジング方法である。
本発明により、レンジング処理をソフトウェア化することが可能となる。
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態を詳細に説明する。
まず、レンジングの処理をソフトウェアで行うOLTの構成と処理を説明する。本実施形態では、OLTのデータ転送部をハードウェアで構成し、上位層処理部及び物理層処理部を、ソフトウェアにより実装する。データ転送部は、下り通信を行う時間帯において周期的にデータ転送を行い、上り通信を行う時間帯において周期的にデータ受信を行う。OLTは、ソフトウェアにより実現される上位層処理部及び物理層処理部の機能により、転送ビット数、転送回数、及び、スループットに基づいて、現在処理中のフレームの送受信時刻を算出する。これにより、物理層処理の処理時間の揺らぎの影響がない時刻情報を取得できる。
本実施形態によれば、レンジング機能をソフトウェア実装することができる。加えて、OLTのデータ転送部以外の機能部をソフトウェア実装することにより、様々な規格を共通の汎用ハードウェアで実現することができる。
図1は、本実施形態によるOLT1の構成を示す機能ブロック図である。PONシステムにおいては、1台のOLT1に、1台以上のONU5が接続される。同図では、ONU5を1台のみ示している。同図に示すように、OLT1は、汎用プロセッサ2と、IFボード3とを備える。
汎用プロセッサ2は、CPU、GPU等である。汎用プロセッサ2は、ソフトウェアにより上位層処理部21及び物理層処理部22の機能を実現する。
上位層処理部21は、T1算出部211、フレーム生成部212、T2算出部213及びRTT算出部214を有する。T1算出部211は、GATEフレームの送信時刻T1を算出する。フレーム生成部212は、時刻T1を付与したGATEフレームを生成する。T2算出部213は、OLT1におけるREPORTフレームの受信時刻T2を算出する。RTT算出部214は、GATEフレームの送信時刻T1と、REPORTフレームの受信時刻T2と、ONU5における処理時間T3とを用いて、RTTを算出する。RTT算出部214は、REPORTフレームから処理時間T3を読み出すか、時刻T1に処理時T3を加算した時刻T4を読み出し、RTTの算出に用いる。
物理層処理部22は、符号化処理部221及び復号化処理部222を有する。符号化処理部221は、フレーム生成部212が生成した下り信号のフレームに符号化処理を行い、IFボード3へ出力する。符号化処理部221は、下り信号のフレームを一時的に記憶するバッファ231を有する。なお、バッファ231を符号化処理部221の外部に備えてもよい。復号化処理部222は、IFボード3から転送された上り信号のデータに復号化処理を行う。復号化処理部222は、復号化対象のデータを一時的に記憶するバッファ232を有する。なお、バッファ232を復号化処理部222の外部に備えてもよい。
IFボード3は、ハードウェアのデータ通信部である。IFボード3は、下り転送部31及び上り転送部32を有する。下り転送部31は、符号化処理部221が生成した下り信号のフレームを電気信号から光信号に変換し、下り通信を行う時間帯において周期的にONU5に転送する。上り転送部32は、ONU5が上り通信を行う時間帯において、周期的に上りの光信号を受信し、電気信号に変換して復号化処理部222に転送する。
図2は、IFボード3における転送方法を示す図である。下り転送部31は、図2(a)に示すように、汎用プロセッサ2が生成したmビットのデータからなる下り信号(連続信号)を周期的に連続して転送する。また、上り転送部32は、下り転送部31からの下り信号の送信と同じタイミングで、又は、一定の時間差で、mビットのデータからなる上り信号(連続信号)を周期的に連続して受信する。
図3は、OLT1がPONフレームを送受信した際のバッファ231、232の状態を示す図である。図3(a)はバッファ231に記憶される下り信号を示し、図3(b)はバッファ232に記憶される上り信号を示す。なお、バッファ231、232にはそれぞれ、逐次新しい下り信号、上り信号のデータ(連続信号)が書き込まれる。図2に示したように、IFボード3は、汎用プロセッサ2が生成したmビットの上り信号又は下り信号のデータを周期的に連続転送している。基準となる時刻(タイミング)を0、時刻0を先頭とする周期を0回目の転送としたときに、基準となる時間からn回目の周期の転送時にレンジング用のGATEフレームを送信する場合、T1算出部211は、以下の式(1)によって、GATEフレームの送信時刻T1を計算する。
なお、Throughputは、システム(OLT1とONU5間)のスループットである。また、n×mは、基準となる時刻からGATEフレームを転送するまでの送信ビット数である。送信時刻T1の計算後、フレーム生成部212は、送信時刻T1を設定したGATEフレームを生成し、生成したGATEフレームがn回目の周期の転送における先頭で送信されるように符号化処理部221へ出力する。符号化処理部221は、生成されたGATEフレームに符号化処理を行い、下り転送部31に出力する。下り転送部31は、符号化されたGATEフレームを光信号に変換し、n回目の転送周期の先頭でONU5に送信する。
汎用プロセッサ2に用いられるCPU/GPUの処理時間には揺らぎがあるが、その揺らぎまで考慮して、フレームの送信時刻を一定とする。例えば、転送周期が3msであり、CPU/GPUの処理完了タイミングが6msから±0.1ms程度揺らぐ場合、最悪の処理完了タイミングは6.1msである。そこで、汎用プロセッサ2では、余裕を持たせてGATEフレームの転送のタイミングを3回目(9ms制約時間)として固定する。これにより、n回目の周期の転送時までに、汎用プロセッサ2(CPU/GPU)におけるGATEフレームの送信処理が完了していることを前提とすることができる。
OLT1の上り転送部32は、GATEフレームに対応してONU5から上りの信号のREPORTフレームを受信すると、基準となる時刻からn’回目(n<n’)の転送周期のタイミングで汎用プロセッサ2にGATEフレームが含まれる連続信号のデータを転送する。ONU5が転送周期の先頭のタイミングでREPORTフレームを送信した場合でも、ファイバの伝搬遅延に起因して、OLT1における受信時には転送周期の先頭からのずれが生じる。同じ伝送路を通る場合はいずれのフレームも同じ伝搬遅延を受けるため、同じずれが生じる。復号化処理部222は、上り転送部32から転送されたデータをバッファ232に書き込み、復号化処理を行ってフレームを検出する。図3(b)に示すように、バッファ232の先頭位置からlビット目にREPORTフレームの先頭が格納された場合、上位層処理部21のT2算出部213は、時刻T2を下記の式(2)のように求める。
なお、復号化処理部222は、この同期位置lを検出して、T2算出部213に通知する。n’×mは、基準となる時刻からREPORTフレームを受信するまでの受信ビット数である。式(2)は、上り転送部32の周期と下り転送部31の周期とで基準となる時刻が同じ場合に用いられる。上り転送部32の周期と下り転送部31の周期とに一定の時間差があり、上りと下りで基準となる時刻が異なる場合、復号化処理部222は、それら基準となる時刻の時間差を式(2)の算出結果に加える。あるいは、その時間差に対応したビット数を式(2)の分母に加算してもよい。
T2算出部213が時刻T2を算出した後、RTT算出部214は、RTT算出部214は、REPORTフレームから、ONUが設定した処理時間T3又は時刻T4を取得する。処理時間T3は、ONUがGATEフレームを受信してからREPORTフレームを送信するまでの処理時間である。時刻T4は、GATEフレームに設定した時刻T1に処理時間T3を加算した時刻である。なお、REPORTフレームから処理時間T3を取得する場合、フレーム生成部212は、GATEフレームに時刻T1を設定しなくてもよい。RTT算出部214は、従来の手法と同様にRRT=T2−T4=T2−T1−T3を算出する。なお、RTTは以下の式(3)で表される。そのため、RTT算出部214は、以下の式(3)によりRTTを算出してもよい。
次に、ソフトウェアでレンジングの処理を行うONUの構成及びと処理を説明する。図4は、本実施形態によるONU5の構成を示すブロック図である。ONU5は、IFボード6と、汎用プロセッサ7とを備える。
IFボード6は、ハードウェアのデータ通信部である。IFボード6は、下り転送部61及び上り転送部62を有する。下り転送部61は、OLT1が下り通信を行う時間帯において、周期的に下りの光信号を受信し、電気信号に変換して汎用プロセッサ7に転送する。上り転送部62は、汎用プロセッサ7が生成した上り信号のフレームを電気信号から光信号に変換し、当該ONU5が上り通信を行う時間帯において周期的にOLT1に転送する。
汎用プロセッサ7は、CPU、GPU等である。汎用プロセッサ7は、ソフトウェアにより物理層処理部71及び上位層処理部73の機能を実現する。
物理層処理部71は、復号化処理部711及び符号化処理部712を有する。復号化処理部711は、下り転送部61から転送された下り信号のデータに復号化処理を行う。復号化処理部711は、復号化対象のデータを一時的に記憶するバッファ721を有する。なお、バッファ721を復号化処理部711の外部に備えてもよい。符号化処理部712は、上り信号のフレームを一時的に記憶するバッファ722を有する。符号化処理部712は、上位層処理部73が生成した上り信号のフレームに符号化処理を行って、上り転送部62に出力する。符号化処理部712は、上り信号のフレームを一時的に記憶するバッファ722を有する。なお、バッファ722を符号化処理部712の外部に備えてもよい。
上位層処理部73は、T3算出部731及びフレーム生成部732を有する。T3算出部731は、ONU5における処理時間T3を算出する。処理時間T3は、GATEフレームの受信からREPORTフレームの送信までの処理にかかった時間である。フレーム生成部732は、T3算出部731が算出した処理時間T3を設定したREPORTフレームを生成し、符号化処理部712へ出力する。
図5は、ONU5がGATEフレーム受信後に、REPORTフレームの生成を行う際のバッファ721、722の状態を示す図である。図5(a)はバッファ721に記憶される下り信号のデータ(連続信号)を示し、図5(b)はバッファ722に記憶される上り信号のデータ(連続信号)を示す。なお、バッファ721、722には、逐次新しいデータが書き込まれる。
ONU5の下り転送部61は、OLT1から下りの光信号を受信し、電気信号に変換して汎用プロセッサ7に転送する。復号化処理部711は、下り転送部61から転送されたデータをバッファ721に書き込み、復号化処理を行う。復号化処理部711は、基準となる時刻(タイミング)時間からn回目の周期の連続信号受信においてGATEフレームを検出する。復号化処理部711は、復号されたGATEフレームと、GATEフレームを受信した転送周期の回数nと、GATEフレームを受信した際の転送周期の先頭位置からずれである同期位置lとをT3算出731に出力する。T3算出731は、n回目の転送周期においてGATEフレームを受信後、送信回数n’回目の転送周期の先頭でREPORTフレームを出力する場合、下記の式(4)により処理時間T3を算出する。
下り転送部61の周期と上り転送部62の周期とに一定の時間差があり、下りと上りで基準となる時刻が異なる場合、T3算出731は、それら基準となる時刻の時間差を式(4)の算出結果に加える。その後、フレーム生成部732は、処理時間T3を付与したREPORTフレームを生成し、物理層処理部71に出力する。あるいは、フレーム生成部732は、GATEフレームから取得した時刻T1に処理時間T3を加算した時刻T4を付与したREPORTフレームを生成し、物理層処理部71に出力する。物理層処理部71の符号化処理部712は、生成されたREPORTフレームに符号化処理を行う。上り転送部62は、REPORTフレームを光信号に変換し、n’回目の転送周期の先頭でOLT1に転送する。
上記のように、本実施形態のOLT1は、ハードウェア制御で光信号を送受信し、一定周期のハードウェアからCPUへの割り込みの回数に基づいて、クロックから直接時刻を取得せずに、ソフトウェアの演算によりT1及びT2を取得する。また、ONU5は、ハードウェア制御で光信号を送受信し、一定周期のハードウェアからCPUへの割り込みの回数に基づいて、クロックから直接時刻を取得せずに、ソフトウェアの演算によりT3を取得する。よって、レンジング処理をソフトウェア化することが可能となる。
上述した実施形態によれば、通信装置は、送信タイミング算出部と、送信部と、受信部と、受信タイミング算出部と、ラウンドトリップタイム算出部とを備える。送信タイミング算出部は、所定のタイミングから第一フレームを送信するまでの送信ビット数と、自通信装置におけるスループットとに基づいて、第一フレームの送信タイミングを算出する。例えば、送信タイミング算出部は、T1算出部211であり、第一フレームは、GATEフレームである。送信部は、フレーム生成部が生成した第一フレームを送信タイミングに外部装置に送信する。例えば、第一送信部は、下り転送部31であり、外部装置は、ONUである。受信部は、送信部が送信した第一フレームに応じて外部装置から第二フレームを受信する。例えば、受信部は、上り転送部32であり、第二フレームは、REPORTフレームである。受信タイミング算出部は、所定のタイミングから受信部が第二フレームを受信するまでの受信ビット数と、スループットとに基づいて第二フレームの受信タイミングを算出する。例えば、受信タイミング算出部は、T2算出部213である。ラウンドトリップタイム算出部は、外部装置において第一フレームの受信から第二フレームの送信までにかかった処理時間と、送信タイミング算出部が算出した送信タイミングと、受信タイミング算出部が算出した受信タイミングとを用いて、外部装置のラウンドトリップタイムを算出する。例えば、ラウンドトリップタイム算出部は、RTT算出部214である。通信装置は、送信タイミング算出部が算出した送信タイミングを設定した第一フレームを生成するフレーム生成部をさらに備えてもよい。例えば、フレーム生成部は、フレーム生成部212である。また、ラウンドトリップタイム算出部は、第二フレームから外部装置における処理時間を取得してもよく、送信タイミングに外部装置における処理時間を加算した結果を取得してもよい。
これによれば、OLT等の通信装置は、あるタイミングからの送信ビット数と、自装置のスループットとを用いて、自装置から送信するデータの送信時刻を算出し、当該データを設定したフレームに算出した送信時刻を挿入して伝送路に出力する。また、通信装置は、あるタイミングからの受信ビット数と、自装置のスループットとを用いて、受信したデータの受信時刻を算出する。通信装置は、この算出した送信時刻及び受信時刻を用いて、高精度でラウンドトリップタイムの測定を行うことができる。
また、上述した実施形態によれば、通信装置は、プロセッサと、インタフェース回路とを備える。例えば、通信装置は、OLT1であり、プロセッサは、汎用プロセッサ2であり、インタフェース回路は、IFボード3である。インタフェース回路は、プロセッサから出力されたデータを外部装置に所定の周期ごとに転送し、外部装置から所定の周期ごとに受信したデータをプロセッサに転送する。プロセッサは、送信タイミング算出部と、フレーム生成部と、バッファと、受信タイミング算出部と、ラウンドトリップタイム算出部とを備える。送信タイミング算出部は、所定のタイミングから第一フレームの送信までの周期の回数に基づいて第一フレームの送信タイミングを算出する。フレーム生成部は、第一フレームを生成してインタフェース回路に出力する。バッファは、インタフェース回路が受信したデータを所定の周期ごとに格納する。受信タイミング算出部は、所定のタイミングから、第一フレームに応じて外部装置から送信された第二フレームをインタフェース回路が受信するまでの周期の回数と、バッファにおける第二フレームを受信した周期の先頭の位置から第二フレームの格納位置までのずれとに基づいて第二フレームの受信タイミングを算出する。ラウンドトリップタイム算出部は、外部装置において第一フレームの受信から第二フレームの送信までにかかった処理時間と、送信タイミング算出部が算出した送信タイミングと、受信タイミング算出部が算出した受信タイミングとを用いて外部装置とのラウンドトリップタイムを算出する。
これによれば、加入者線端局装置(OLT)等の通信装置は、CPU/GPU等の汎用プロセッサと、当該通信装置を構成する汎用ハードであるサーバに外部信号を転送するIFボードで構成され、ハードウェアであるIFボードは、汎用プロセッサが処理したデータを周期的に転送する。汎用プロセッサは、転送回数に基づいて、次にGATEフレームを転送する時刻T1を算出し、REPORTフレームを受信するまでの転送回数と、バッファ先頭から当該フレームが格納された位置までのビットずれとに基づいて、REPORTフレームの受信時刻T2を算出する。汎用プロセッサは、算出した時刻T1及びT2を用いることによって、ラウンドトリップタイムの測定を高精度で行うことができる。
また、上述した実施形態によれば、通信装置は、プロセッサと、インタフェース回路とを備える。例えば、通信装置は、ONU5であり、汎用プロセッサは、汎用プロセッサ7であり、インタフェース回路は、IFボード6である。インタフェース回路は、外部装置から所定の周期ごとに受信したデータをプロセッサに転送し、プロセッサから出力されたデータを外部装置に所定の周期ごとに転送する。例えば、外部装置は、OLT1である。汎用プロセッサは、バッファと、処理時間算出部と、フレーム生成部とを備える。バッファは、所定のタイミングから、インタフェース回路が第一フレームを受信するまでの周期の回数と、バッファにおける第一フレームを受信した周期の先頭の位置から第一フレームの格納位置までのずれと、所定のタイミングから第二フレームの送信までの周期の回数とに基づいて、第一フレームの受信から第二フレームの送信までの処理時間を算出する。フレーム生成部は、第一フレームの受信に応じて第二フレームを生成し、生成した第二フレームに処理時間算出部が算出した処理時間、又は、第一フレームから読み出した当該第一フレームの送信タイミングに算出した処理時間を加算した第二フレームの送信タイミングを設定してインタフェース回路に出力する。
これによれば、加入者線終端装置(ONU)等の通信装置は、CPU/GPU等の汎用プロセッサと、外部信号をサーバに転送するIFボードで構成され、ハードウェアであるIFボードは、汎用プロセッサが処理したデータを周期的に転送する転送機能を有する。汎用プロセッサは、GATEフレームを受信するまでの転送回数と、バッファ先頭から当該GATEフレームが格納された位置までのビットずれと、REPORTフレームを送信するまでの転送回数とに基づいて、ONUにおけるGATEフレームの受信から、REPORTフレームの生成処理後に、当該フレームを出力するまでの処理時間T3を高精度に算出することができる。
以上、この発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。
ソフトウェアによる通信機能を実現する装置に利用可能である。
1…OLT, 2、7…汎用プロセッサ, 3、6…IFボード, 5…ONU, 21…上位層処理部, 22…物理層処理部, 211…T1算出部, 212…フレーム生成部, 213…T2算出部, 214…RTT算出部, 221…符号化処理部, 222…復号化処理部, 231、232…バッファ, 31…下り転送部, 32…上り転送部
Claims (8)
- 所定のタイミングから第一フレームを送信するまでの送信ビット数と、自通信装置におけるスループットとに基づいて、前記第一フレームの送信タイミングを算出する送信タイミング算出部と、
前記第一フレームを前記送信タイミングに外部装置に送信する送信部と、
前記送信部が送信した前記第一フレームに応じて前記外部装置から第二フレームを受信する受信部と、
所定のタイミングから前記受信部が前記第二フレームを受信するまでの受信ビット数と、前記スループットとに基づいて前記第二フレームの受信タイミングを算出する受信タイミング算出部と、
前記外部装置において前記第一フレームの受信から前記第二フレームの送信までにかかった処理時間と、前記送信タイミングと、前記受信タイミングとを用いて前記外部装置のラウンドトリップタイムを算出するラウンドトリップタイム算出部と、
を備える通信装置。 - プロセッサと、
前記プロセッサから出力されたデータを外部装置に所定の周期ごとに転送し、前記外部装置から前記周期ごとに受信したデータを前記プロセッサに転送するインタフェース回路とを備え、
前記プロセッサは、
所定のタイミングから第一フレームの送信までの前記周期の回数に基づいて前記第一フレームの送信タイミングを算出する送信タイミング算出部と、
前記第一フレームを生成して前記インタフェース回路に出力するフレーム生成部と、
前記インタフェース回路が受信した前記データを前記周期ごとに格納するバッファと、
前記所定のタイミングから、前記第一フレームに応じて前記外部装置から送信された第二フレームを前記インタフェース回路が受信するまでの前記周期の回数と、前記バッファにおける前記第二フレームを受信した前記周期の先頭の位置から前記第二フレームの格納位置までのずれとに基づいて前記第二フレームの受信タイミングを算出する受信タイミング算出部と、
前記外部装置において前記第一フレームの受信から前記第二フレームの送信までにかかった処理時間と、前記送信タイミングと、前記受信タイミングとを用いて前記外部装置のラウンドトリップタイムを算出するラウンドトリップタイム算出部と、
を備える通信装置。 - 前記通信装置は、加入者線端局装置である、
請求項1又は請求項2に記載の通信装置。 - プロセッサと、
外部装置から所定の周期ごとに受信したデータを前記プロセッサに転送し、前記プロセッサから出力されたデータを前記周期ごとに前記外部装置に転送するインタフェース回路とを備え、
前記プロセッサは、
前記インタフェース回路が受信した前記データを前記周期ごとに格納するバッファと、
所定のタイミングから、前記インタフェース回路が第一フレームを受信するまでの前記周期の回数と、前記バッファにおける前記第一フレームを受信した前記周期の先頭の位置から前記第一フレームの格納位置までのずれと、前記所定のタイミングから第二フレームの送信までの前記周期の回数とに基づいて、前記第一フレームの受信から前記第二フレームの送信までの処理時間を算出する処理時間算出部と、
前記第一フレームの受信に応じて前記第二フレームを生成し、前記処理時間、又は、前記第一フレームから読み出した当該第一フレームの送信タイミングに前記処理時間を加算した前記第二フレームの送信タイミングを設定して前記インタフェース回路に出力するフレーム生成部と、
を備える通信装置。 - 前記通信装置は、加入者線終端装置である、
請求項4に記載の通信装置。 - 所定のタイミングから第一フレームを送信するまでの送信ビット数と、自通信装置におけるスループットとに基づいて、前記第一フレームの送信タイミングを算出する送信タイミング算出ステップと、
前記第一フレームを前記送信タイミングに外部装置に送信する送信ステップと、
前記送信ステップにおいて送信した前記第一フレームに応じて前記外部装置から第二フレームを受信する受信ステップと、
所定のタイミングから前記受信ステップにおいて前記第二フレームを受信するまでの受信ビット数と、前記スループットとに基づいて前記第二フレームの受信タイミングを算出する受信タイミング算出ステップと、
前記外部装置において前記第一フレームの受信から前記第二フレームの送信までにかかった処理時間と、前記送信タイミングと、前記受信タイミングとを用いて前記外部装置のラウンドトリップタイムを算出するラウンドトリップタイム算出ステップと、
を有するレンジング方法。 - インタフェース回路が、プロセッサから出力されたデータを外部装置に所定の周期ごとに転送し、前記外部装置から前記周期ごとに受信したデータを前記プロセッサに転送する転送ステップと、
前記プロセッサが、
所定のタイミングから第一フレームの送信までの前記周期の回数に基づいて前記第一フレームの送信タイミングを算出する送信タイミング算出ステップと、
前記第一フレームを生成して前記インタフェース回路に出力するフレーム生成ステップと、
前記インタフェース回路が受信した前記データを前記周期ごとにバッファに格納するバッファリングステップと、
前記所定のタイミングから、前記第一フレームに応じて前記外部装置から送信された第二フレームを前記インタフェース回路が受信するまでの前記周期の回数と、前記バッファにおける前記第二フレームを受信した前記周期の先頭の位置から前記第二フレームの格納位置までのずれとに基づいて前記第二フレームの受信タイミングを算出する受信タイミング算出ステップと、
前記外部装置において前記第一フレームの受信から前記第二フレームの送信までにかかった処理時間と、前記送信タイミングと、前記受信タイミングとを用いて前記外部装置のラウンドトリップタイムを算出するラウンドトリップタイム算出ステップと、
を有するレンジング方法。 - インタフェース回路が、外部装置から所定の周期ごとに受信したデータをプロセッサに転送し、前記プロセッサから出力されたデータを前記周期ごとに前記外部装置に転送する転送ステップと、
前記プロセッサが、
前記インタフェース回路が受信した前記データを前記周期ごとにバッファに格納するバッファリングステップと、
所定のタイミングから、前記インタフェース回路が第一フレームを受信するまでの前記周期の回数と、前記バッファにおける前記第一フレームを受信した前記周期の先頭の位置から前記第一フレームの格納位置までのずれと、前記所定のタイミングから第二フレームの送信までの前記周期の回数とに基づいて、前記第一フレームの受信から前記第二フレームの送信までの処理時間を算出する処理時間算出ステップと、
前記第一フレームの受信に応じて前記第二フレームを生成し、前記処理時間、又は、前記第一フレームから読み出した当該第一フレームの送信タイミングに前記処理時間を加算した前記第二フレームの送信タイミングを設定して前記インタフェース回路に出力するフレーム生成ステップと、
を有するレンジング方法。
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