JP2020068192A - 蓄電素子 - Google Patents

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奈緒人 阿部
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正宜 野村
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宗平 武下
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Abstract

【課題】高容量化と急速充放電特性とを両立できる蓄電素子の提供。【解決手段】アニオンを吸蔵乃至放出可能な正極活物質を含む正極と、負極活物質を含む負極と、非水電解液と、を有する蓄電素子であって、前記正極活物質が、少なくとも2種の多孔質炭素である多孔質炭素A及び多孔質炭素Bを含み、前記多孔質炭素Bが三次元網目構造の連通した細孔を有する多孔質炭素である蓄電素子を提供する。【選択図】なし

Description

本発明は、蓄電素子に関する。
近年、携帯機器の小型化、高性能化に伴い高いエネルギー密度を持つ蓄電素子の特性が向上、普及しており、より大容量で安全性に優れた蓄電素子の開発も進められ、電気自動車等への搭載も始まっている。
このような蓄電素子としては、リチウムコバルト複合酸化物等の正極と、炭素の負極と、非水溶媒にリチウム塩を溶解してなる非水電解液とからなり、充電時には、正極中のリチウムが脱離して負極の炭素に挿入され、放電時には負極に挿入されたリチウムが脱離して正極の複合酸化物に戻ることにより充放電されるリチウムイオン二次電池が多く使用されている。
リチウム塩としてLiPFを使用した場合には、下記反応式に示すように、非水電解液中から正極にPF が挿入され、負極にLiが挿入されることにより充電が行われ、正極からPF 、負極からLiが非水電解液へ脱離することにより放電が行われる。
一方、高容量かつ急速充放電特性に優れたキャパシタとしてリチウムイオンキャパシタが提案されている(例えば、特許文献1参照)。このようなリチウムイオンキャパシタは、比表面積の大きな活性炭を正極活物質として用いており、電極表面へのイオン吸着により高容量を実現させているが、更なる高容量化を図ることが望まれている。高容量化のためには正極活物質の配合比率をより高くする必要があり、例えば、電極中で容量を持たない導電助剤の添加量を削減し、活性炭の添加量を増やすことが考えられる。しかし、活性炭自体は導電性が低いため、容量を増やせたとしてもリチウムイオンキャパシタの急速充放電特性が損なわれてしまうという課題がある。
本発明は、高容量化と急速充放電特性とを両立できる蓄電素子を提供することを目的とする。
前記課題を解決するための手段としての本発明の蓄電素子は、アニオンを吸蔵乃至放出可能な正極活物質を含む正極と、負極活物質を含む負極と、非水電解液と、を有する蓄電素子であって、前記正極活物質が、少なくとも2種の多孔質炭素である多孔質炭素A及び多孔質炭素Bを含み、前記多孔質炭素Bが三次元網目構造の細孔を有する多孔質炭素である。
本発明によると、高容量化と急速充放電特性とを両立できる蓄電素子を提供することができる。
図1は、本発明の蓄電素子の一例を示す概略図である。 図2は、本発明で用いられる多孔質炭素Bの一例を示す概略断面図である。 図3は、本発明の蓄電素子の他の一例を示す概略図である。
(蓄電素子)
本発明の蓄電素子は、アニオンを吸蔵乃至放出可能な正極活物質を含む正極と、負極活物質を含む負極と、非水電解液と、を有する蓄電素子であって、前記正極活物質が、少なくとも2種の多孔質炭素である多孔質炭素A及び多孔質炭素Bを含み、前記多孔質炭素Bが三次元網目構造の細孔を有する多孔質炭素であり、更に必要に応じてその他の部材を有する。
本発明においては、正極活物質が少なくとも2種の多孔質炭素である多孔質炭素A及び多孔質炭素Bを含み、前記多孔質炭素Bとして三次元網目構造の細孔を有する多孔質炭素を用いることにより、多孔質炭素Bはそれ自体で高容量化を発現できることに加えて、高い導電性を有しているので、多孔質炭素Aと一緒に電極中に配置すると電極中に導電パスが形成され、導電性を損なうことなく高容量化が実現でき、高容量化と急速充放電特性とを両立できる蓄電素子が作製可能となる。
<正極>
前記正極は、正極活物質を含んでいれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、正極集電体上に正極活物質を有する正極材を備えた正極などが挙げられる。
前記正極の形状としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、平板状、球状などが挙げられる。
−正極材−
前記正極材としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、正極活物質を少なくとも含み、更に必要に応じて導電助剤、バインダ、増粘剤などを含んでなる。
−−正極活物質−−
前記正極活物質としては、少なくとも2種の多孔質炭素である多孔質炭素A及び多孔質炭素Bを含む。
−−−多孔質炭素A−−−
前記多孔質炭素Aとしては、細孔を有する多孔質炭素であれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、活性炭、三次元網目構造の細孔を有する多孔質炭素などが挙げられる。これらの中でも、高容量化の点から、活性炭が好ましい。
前記多孔質炭素AのBET比表面積は、50m/g以上3,000m/g以下が好ましく、500m/g以上2,500m/g以下がより好ましく、1,000m/g以上2,000m/g以下が更に好ましい。
前記BET比表面積は、例えば、ガス吸着法などにより測定することができる。
前記多孔質炭素Aが細孔を有し、前記多孔質炭素Aの細孔容積は0.2mL/g以上2.3mL/g以下が好ましく、0.5mL/g以上1.5mL/g以下がより好ましい。
前記細孔容積は、例えば、ガス吸着法などにより測定することができる。
前記多孔質炭素Aの細孔がメソ孔を含み、前記多孔質炭素Aのメソ孔含有率は25%以上80%以下が好ましく、35%以上70%以下がより好ましく、40%以上60%以下が更に好ましい。
前記メソ孔含有率は、例えば、吸着等温線から算出することが可能であり、吸着等温線は材料を一定温度にし、圧力を変化させた際のガス分子の吸着量を測定することで作成することでき、例えば、自動比表面積/細孔分布測定装置(TriStarII3020、島津製作所社製)で測定することができる。
前記吸着等温線の相対圧(p/p)0.3以下のガス分子吸着量がミクロ孔に起因するガス分子吸着量であり、相対圧0.3以上0.96以下がメソ孔に起因するガス分子吸着量となっていることから、下記数式1よりメソ孔含有率を算出することができる。
[数式1]
前記多孔質炭素Aのメジアン径は、2μm以上20μm以下が好ましく、2μm以上15μm以下がより好ましく、2μm以上10μm以下が更に好ましい。
前記メジアン径は、例えば、レーザー回折散乱式粒度分布法により測定することができる。
−−−多孔質炭素B−−−
前記多孔質炭素Bとしては、三次元網目構造の細孔を有する多孔質炭素を用い、三次元網目構造の連通した細孔を有する多孔質炭素を用いることが好ましい。
前記多孔質炭素Bが「三次元網目構造を形成する細孔を有している」ということは、前記多孔質炭素粒子の表面及び内部に複数の細孔を有し、隣接する細孔が互いにつながって三次元的に連結し、表面に開孔部を有する連通孔が形成されている状態を意味する。
前記多孔質炭素Bが三次元網目構造を形成する細孔を有していることを確認する方法としては、例えば、SEM(Scanning Electron Microscope)、TEM(Transmission Electron Microscope)などを用いて観察する方法などが挙げられる。
前記「三次元網目構造を形成する複数の細孔」を有している前記多孔質炭素Bの断面は、TEMによる写真に基づいて作成した図2の概略断面図のように示すことができる。なお、図2中101は細孔、100は炭素粒子を示す。
前記多孔質炭素Bにおいて、細孔としてメソ孔は必須であるがミクロ孔は必須ではない。したがって、ミクロ孔は存在していても、存在していなくてもよいが、炭素材料形成源としての有機物質は炭化時に通常揮発性物質を放出して炭化し、通常は放出跡としてミクロ孔を残すので、ミクロ孔の全くないものを得ることは難しい。これに対して、メソ孔は、通常意図的に形成される。例えば、酸(アルカリ)可溶性の金属、金属酸化物や、金属塩、金属含有有機物の筋材と炭素質又はその原料たる有機材料とを一緒に成型したのち、酸(アルカリ)で筋材部分を溶解し除去した痕跡がメソ孔となる場合も多い。
ここで、本明細書においては、細孔径が2nm未満のものをミクロ孔、細孔径が2nm以上50nm以下のものをメソ孔と称することとする。電解質イオンのサイズは0.5nm以上2nm以下であるから、ミクロ孔はイオンの移動にさほど寄与するとは云い難い。したがって、イオンの円滑移動のためには、メソ孔が重要となる。ちなみに、同じ炭素質材料である活性炭における孔のサイズは、平均1nm程度と云われており、活性炭の場合には、例外なく発熱を伴う(エンタルピーの減少)全ての吸着の1つと見なされる。
上記サイズのメソ孔は、三次元網目構造を成すことが好ましい。孔が三次元網目構造を成していれば、イオンが円滑に移動する。
前記多孔質炭素Bは結晶性を有することが好ましい。
前記多孔質炭素Bの結晶性としては、炭素質のすべてが結晶性を有する結晶構造となっている必要はなく、一部に結晶性を有さない非晶質構造が存在してもよく、また、すべてが非晶質構造であってもよい。
前記「結晶性を有する」ということは、炭素間がsp2混成軌道により結合された六角板状の単一結晶が層状に形成された状態(黒鉛層)を意味する。前記多孔質炭素Bが結晶性を有していることを確認する方法としては、例えば、透過型電子顕微鏡(TEM)を用いて黒鉛の層状構造を観察する方法や、X線回折によりスペクトルのピークとして確認する方法などが挙げられる。特に、X線回折スペクトルにおいて、ブラッグ角度2θの25.00以上27.00以下の領域において回折ピークを有していることから確認することが好ましく、前記ブラッグ角度2θの領域において2つの回折ピークを有することを確認することがより好ましい。
このような多孔質炭素Bとしては、特に制限はなく、適宜製造したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよい。
前記市販品としては、例えば、クノーベル(登録商標)(東洋炭素株式会社製)などが挙げられる。
多孔質炭素BのBET比表面積は、50m/g以上2,000m/g以下が好ましく、300m/g以上1,800m/g以下がより好ましく、500m/g以上1,500m/g以下が更に好ましい。前記BET比表面積は、例えば、ガス吸着法などにより測定することができる。
前記多孔質炭素Bの細孔容積は、0.2mL/g以上2.3mL/g以下が好ましく、0.2mL/g以上1.7mL/g以下がより好ましく、0.5mL/g以上1.5mL/g以下が更に好ましい。前記細孔容積は、例えば、ガス吸着法などにより測定することができる。
前記多孔質炭素Bのメソ孔含有率は、25%以上80%以下が好ましく、35%以上70%以下がより好ましく、40%以上60%以下が更に好ましい。
メソ孔含有率は、上記多孔質炭素Aのメソ孔含有率と同様にして測定することができる。
前記多孔質炭素Bのメジアン径は、0.3μm以上20μm以下が好ましく、0.4μm以上10μm以下がより好ましく、0.5μm以上5μm以下が更に好ましい。
前記メジアン径は、例えば、レーザー回折散乱式粒度分布法により測定することができる。
前記多孔質炭素Aと前記多孔質炭素Bとのメジアン径比(A/B)は、1以上67以下が好ましく、1以上25以下がより好ましく、1以上20以下が更に好ましい。
前記多孔質炭素Aと前記多孔質炭素Bとの質量比(A/B)は、0.25以上100以下が好ましく、0.32以上33以下がより好ましく、0.40以上20以下が更に好ましい。
前記多孔質炭素Aと前記多孔質炭素Bとの質量比(A/B)が、0.25以上100以下であると、電極中の多孔質炭素A同士の隙間に多孔質炭素Bが緻密に配置され、より高容量化させることが可能となる。
−−バインダ及び増粘剤−−
前記バインダ、及び、増粘剤としては、電極製造時に使用する溶媒や電解液、印加される電位に対して安定な材料であれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等のフッ素系バインダ、エチレンープロピレンーブタジエンゴム(EPBR)、スチレンーブタジエンゴム(SBR)、イソプレンゴム、アクリレート系ラテックス、カルボキシメチルセルロース(CMC)、メチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、エチルセルロース、ポリアクリル酸、ポリビニルアルコール、アルギン酸、酸化スターチ、リン酸スターチ、カゼインなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等のフッ素系バインダ、アクリレート系ラテックス、カルボキシメチルセルロース(CMC)が好ましい。
−−導電助剤−−
本発明において導電助剤とは、電極中に分散して電極の抵抗を低減するために使用される導電性材料を意味し、電極材料間の導電性を補助する役割を担い、導電ネットワークの形成機能を有し、必要に応じて添加される。
前記導電助剤としては、例えば、銅、アルミニウム等の金属材料、カーボンブラック、アセチレンブラック、カーボンナノチューブ等の炭素質材料などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
−正極集電体−
前記正極集電体の材質、形状、大きさ、構造としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記正極集電体の材質としては、導電性材料で形成されたもので、印加される電位に対して安定であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ステンレススチール、ニッケル、アルミニウム、チタン、タンタルなどが挙げられる。これらの中でも、ステンレススチール、アルミニウムが特に好ましい。
前記正極集電体の形状としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記正極集電体の大きさとしては、蓄電素子に使用可能な大きさであれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
<正極の作製方法>
前記正極は、前記正極活物質に、必要に応じて前記バインダ、前記増粘剤、前記導電助剤、溶媒等を加えてスラリー状とした正極材を、前記正極集電体上に塗布し、乾燥することで正極活物質を含む正極膜を形成することによって製造することができる。前記溶媒としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、水系溶媒、有機系溶媒、などが挙げられる。前記水系溶媒としては、例えば、水、アルコールなどが挙げられる。前記有機系溶媒としては、例えば、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)、トルエンなどが挙げられる。
なお、前記正極活物質をそのままロール成形してシート電極としたり、圧縮成形によりペレット電極としたりすることもできる。
<負極>
前記負極は、負極活物質を含んでいれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、負極集電体上に負極活物質を有する負極材を備えた負極、などが挙げられる。
前記負極の形状としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、平板状などが挙げられる。
−負極材−
前記負極材としては、負極活物質を少なくとも含み、更に必要に応じて導電助剤、バインダ、増粘剤などを含んでなる。
−−負極活物質−−
前記負極活物質としては、少なくとも非水溶媒系でリチウムイオンを挿入乃至脱離可能な物質であれば特に制限はなく、具体的には、炭素質材料、酸化アンチモン錫、一酸化珪素等のリチウムを挿入乃至脱離可能な金属酸化物、アルミニウム、錫、珪素、亜鉛等のリチウムと合金化可能な金属又は金属合金、リチウムと合金化可能な金属と該金属を含む合金とリチウムとの複合合金化合物、チッ化コバルトリチウム等のチッ化金属リチウムなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、安全性とコストの点から、炭素質材料が特に好ましい。
前記炭素質材料としては、例えば、コークス、人造黒鉛、天然黒鉛等の黒鉛(グラファイト)、様々な熱分解条件での有機物の熱分解物などが挙げられる。これらの中でも、人造黒鉛、天然黒鉛が特に好ましい。
−−バインダ及び増粘剤−−
前記バインダ及び増粘剤としては、電極製造時に使用する溶媒や電解液、印加される電位に対して安定な材料であれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等のフッ素系バインダ、エチレンープロピレンーブタジエンゴム(EPBR)、スチレンーブタジエンゴム(SBR)、イソプレンゴム、アクリレート系ラテックス、カルボキシメチルセルロース(CMC)、メチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、エチルセルロース、ポリアクリル酸、ポリビニルアルコール、アルギン酸、酸化スターチ、リン酸スターチ、カゼインなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等のフッ素系バインダ、スチレンーブタジエンゴム(SBR)、カルボキシメチルセルロース(CMC)が好ましい。
−−導電助剤−−
前記導電助剤としては、例えば、銅、アルミニウム等の金属材料、カーボンブラック、アセチレンブラック、カーボンナノチューブ等の炭素質材料などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
−負極集電体−
前記負極集電体の材質、形状、大きさ、構造としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記負極集電体の材質としては、導電性材料で形成されたもので、印加される電位に対して安定であれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ステンレススチール、ニッケル、アルミニウム、銅などが挙げられる。これらの中でもステンレススチール、銅、アルミニウムが特に好ましい。
前記集電体の形状としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記集電体の大きさとしては、蓄電素子に使用可能な大きさであれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
<負極の作製方法>
前記負極は、前記負極活物質に、必要に応じて前記バインダ及び増粘剤、前記導電助剤、溶媒等を加えてスラリー状とした負極材を、前記負極集電体上に塗布し、乾燥することで製造することができる。前記溶媒としては、前記正極の作製方法と同様の溶媒を用いることができる。
また、前記負極活物質に前記バインダ及び増粘剤、前記導電助剤等を加えたものをそのままロール成形してシート電極としたり、圧縮成形によりペレット電極としたり、蒸着、スパッタ、メッキ等の手法で前記負極集電体上に前記負極活物質の薄膜を形成することもできる。
前記負極は作製した後、リチウムイオンをドーピングさせてもよい。リチウムイオンのドーピングにより負極電位を低下できることから、蓄電素子の充電電位を高めることが可能になり、それに伴ってエネルギー密度の向上を図ることができる。
<非水電解液>
前記非水電解液は、非水溶媒に電解質塩を溶解してなる電解液である。
−非水溶媒−
前記非水溶媒としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、非プロトン性有機溶媒が好適である。
前記非プロトン性有機溶媒としては、鎖状カーボネート、環状カーボネート等のカーボネート系有機溶媒が用いられ、低粘度な溶媒が好ましい。これらの中でも、電解質塩の溶解力が高い点から、鎖状カーボネートが好ましい。
前記鎖状カーボネートとしては、例えば、ジメチルカーボネート(DMC)、ジエチルカーボネート(DEC)、エチルメチルカーボネート(EMC)などが挙げられる。これらの中でも、エチルメチルカーボネート(EMC)が好ましい。
前記環状カーボネートとしては、例えば、プロピレンカーボネート(PC)、エチレンカーボネート(EC)、ブチレンカーボネート(BC)、ビニレンカーボネート(VC)、フルオロエチレンカーボネート(FEC)などが挙げられる。これらの中でも、エチレンカーボネート(EC)が好ましい。
前記環状カーボネートとしてエチレンカーボネート(EC)と、前記鎖状カーボネートとしてエチルメチルカーボネート(EMC)とを組み合わせた混合溶媒を用いる場合には、エチレンカーボネート(EC)とエチルメチルカーボネート(EMC)の混合割合は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
なお、前記非水溶媒としては、必要に応じて、環状エステル、鎖状エステル等のエステル系有機溶媒、環状エーテル、鎖状エーテル等のエーテル系有機溶媒などを用いることができる。
前記環状エステルとしては、例えば、γ−ブチロラクトン(γBL)、2−メチル−γ−ブチロラクトン、アセチル−γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトンなどが挙げられる。
前記鎖状エステルとしては、例えば、プロピオン酸アルキルエステル、マロン酸ジアルキルエステル、酢酸アルキルエステル(酢酸メチル(MA)、酢酸エチル等)、ギ酸アルキルエステル(ギ酸メチル(MF)、ギ酸エチル等)などが挙げられる。
前記環状エーテルとしては、例えば、テトラヒドロフラン、アルキルテトラヒドロフラン、アルコキシテトラヒドロフラン、ジアルコキシテトラヒドロフラン、1,3−ジオキソラン、アルキル−1,3−ジオキソラン、1,4−ジオキソランなどが挙げられる。
前記鎖状エーテルとしては、例えば、1,2−ジメトシキエタン(DME)、ジエチルエーテル、エチレングリコールジアルキルエーテル、ジエチレングリコールジアルキルエーテル、トリエチレングリコールジアルキルエーテル、テトラエチレングリコールジアキルエーテル、などが挙げられる。
−電解質塩−
前記電解質塩としては、リチウム塩を使用する。リチウム塩としては非水溶媒に溶解し、高いイオン伝導度を示すものであれば特に制限はなく、例えば、ヘキサフルオロリン酸リチウム(LiPF)、過塩素酸リチウム(LiClO)、塩化リチウム(LiCl)、ホウ弗化リチウム(LiBF)、六弗化砒素リチウム(LiAsF)、トリフルオロメタスルホン酸リチウム(LiCFSO)、リチウムビストリフルオロメチルスルホニルイミド(LiN(CFSO)、リチウムビスパーフルオロエチルスルホニルイミド(LiN(CSO)、リチウムビス(フルオロスルホニル)イミド(LiFSI)などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、炭素電極中へのアニオンの吸蔵量の大きさの観点から、LiBFが特に好ましい。
前記電解質塩の濃度としては、前記非水溶媒中に、0.5mol/L以上4mol/L以下が好ましく、蓄電素子容量と出力の両立の点から、1mol/L以上3mol/L以下がより好ましい。
<セパレータ>
前記セパレータは、前記正極と前記負極の短絡を防ぐために、前記正極と前記負極の間に設けられる。
前記セパレータの材質、形状、大きさ、及び構造としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記セパレータの材質としては、例えば、クラフト紙、ビニロン混抄紙、合成パルプ混抄紙等の紙、セロハン、ポリエチレングラフト膜、ポリプロピレンメルトブロー不織布等のポリオレフィン不織布、ポリアミド不織布、ガラス繊維不織布、マイクロポア膜などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、電解液保持の観点から、気孔率50%以上のものが好ましい。
前記セパレータの形状としては、微多孔(マイクロポア)を有する薄膜タイプよりも、不織布系の方が、気孔率が高いため好ましい。
前記セパレータの厚みとしては、短絡防止と電解液保持の観点から、20μm以上が好ましい。
前記セパレータの大きさとしては、蓄電素子に使用可能な大きさであれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記セパレータの構造は、単層構造であってもよく、積層構造であってもよい。
<蓄電素子の製造方法>
本発明の蓄電素子は、前記正極、前記負極、及び前記非水電解液と、必要に応じて用いられるセパレータとを、適切な形状に組み立てることにより製造される。更に必要に応じて外装材等の他の構成部材を用いることも可能である。前記蓄電素子を組み立てる方法としては、特に制限はなく、通常採用されている方法の中から適宜選択することができる。
本発明の蓄電素子の形状については、特に制限はなく、一般的に採用されている各種形状の中から、その用途に応じて適宜選択することができる。前記形状としては、例えば、シート電極及びセパレータをスパイラル状にしたシリンダータイプ、ペレット電極及びセパレータを組み合わせたインサイドアウト構造のシリンダータイプ、ペレット電極及びセパレータを積層したコインタイプ、シート電極及びセパレータを積層したラミネートタイプなどが挙げられる。
ここで、前記蓄電素子の一例を図1に示す。この図1に示した蓄電素子10は、正極1、負極2、及び前記非水電解液を含むセパレータ3を外装缶4内に収容し、これに負極引き出し線5及び正極引き出し線6を設けたものである。
図3は、蓄電素子100の一例を示す概略図である。正極11は、例えば、アルミニウム製の正極集電体20と、正極集電体20上に固定された正極活物質としての多孔質炭素A(21)と、多孔質炭素B(22)とを繋ぎとめるバインダ等を有している。
負極12は、例えば、銅製の負極集電体24と、負極集電体24上に固定された炭素質材料などからなる負極活物質25と、負極活物質25同士を繋ぎとめるバインダと、負極活物質25間に導電パスを付与する導電助剤26等を有している。
正極11と負極12との間にはセパレータ13が配置されているとともに、非水電解液14が配置されている。
<用途>
本発明の蓄電素子の用途としては、特に制限はなく、各種用途に用いることができ、例えば、ノートパソコン、ペン入力パソコン、モバイルパソコン、電子ブックプレーヤー、携帯電話、携帯ファックス、携帯コピー、携帯プリンター、ヘッドフォンステレオ、ビデオムービー、液晶テレビ、ハンディークリーナー、ポータブルCD、ミニディスク、トランシーバー、電子手帳、電卓、メモリーカード、携帯テープレコーダー、ラジオ、モーター、照明器具、玩具、ゲーム機器、時計、ストロボ、カメラ等の電源、バックアップ電源などが挙げられる。
以下、本発明の実施例を説明するが、本発明は、これらの実施例に何ら限定されるものではない。
まず、各実施例及び比較例で用いる多孔質炭素におけるBET比表面積、細孔容積、メソ孔含有率、及びメジアン径を以下に示す方法で測定した。
<多孔質炭素のBET比表面積及び細孔容積の測定>
多孔質炭素のBET比表面積を、自動比表面積/細孔分布測定装置(TriStarII3020、島津製作所社製)による吸着等温線の測定結果から、BET(Brunauer、Emmett、Teller)法を用いて求めた。
多孔質炭素の細孔容積を、前記BET比表面積を求めた際に用いた前記吸着等温線の測定結果から、吸着ガス量を液体換算し求めた。
<多孔質炭素のメソ孔含有率>
メソ孔含有率は、自動比表面積/細孔分布測定装置(TriStarII3020、株式会社島津製作製)を用いて、吸着等温線の相対圧(p/p)0.3以下のガス分子吸着量がミクロ孔に起因するガス分子吸着量であり、相対圧0.3以上0.96以下がメソ孔に起因するガス分子吸着量となっていることから、下記数式1よりメソ孔含有率を算出した。
[数式1]
<多孔質炭素のメジアン径>
メジアン径は、レーザー回折散乱式粒度分布法(LA−960、株式会社堀場製作所製)で測定した。
(実施例1)
<正極の作製>
正極活物質として多孔質炭素A−1(YP−50F、株式会社クラレ製)、多孔質炭素B−1(クノーベル、東洋炭素株式会社製)、バインダとしてアクリレート系ラテックス(TRD202A、JSR株式会社製)、及び増粘剤としてカルボキシメチルセルロース(ダイセル1270、ダイセル化学工業株式会社製)を、固形分の質量比が72:18:5:5になるように混合し、水を加えて適切な粘度に調整しスラリーを得た。次いで、コンマコーターを用い、スラリーを厚み20μmのアルミニウム箔の両面に塗布し、乾燥させて電極を作製した。
乾燥後の正極膜内の正極活物質目付け量の平均は、2.8mg/cmであった。これを塗布面が縦40mm、横25mmとなり、塗布面から電流取り出し用に集電体が出る様に打ち抜いた。電流取り出し部にリードタブ(PLUS LEAD、住友電工電子ワイヤー株式会社製)を溶接し正極を得た。
<負極の作製>
負極活物質として黒鉛(MAGD、日立化成株式会社製)、導電助剤としてアセチレンブラック(デンカブラック粉状、デンカ株式会社製)、バインダとしてPVDF(BM−400B、日本ゼオン株式会社製)固形分の質量比で100:3.0:5.0になるように混合し、NMPを加えて適切な粘度に調整しスラリーを得た。次いで、コンマコーターを用い、スラリーを厚み8μmの銅箔の両面に塗布し、乾燥させて電極を作製した。
乾燥後の電極膜内の活物質目付け量の平均は、11.4mg/cmであった。これを塗布面が縦43mm、横28mm、塗布面から電流取り出し用に集電体が出る様に打ち抜いた。電流取り出し部にリードタブ(MINUS LEAD、住友電工電子ワイヤー株式会社製)を溶接し負極を得た。
<蓄電素子の作製>
上記正極2枚、負極3枚を用い、セパレータとしてセルロースセパレータ(TDZ3540、ニッポン高度紙工業株式会社製)を縦45mm、横30mmに打ち抜いたものを6枚用い、積層体を作製した。金属リチウム箔および銅箔を圧着面が縦43mm、横28mmとなる様に打ち抜き、ずれがないように圧着することでリチウム極とした。上記積層体とリチウム極をずれがないように固定し、電解液として1.5mol/LのLiBF4電解質を含有するEC/EMC(質量比1:2)の混合溶液(キシダ化学株式会社製)を用い、外装材としてアルミラミネートフィルム(昭和電工パッケージング株式会社製)を用いて蓄電素子を作製した。即ち、正極、負極とセパレータを150℃で20時間真空乾燥した後、乾燥アルゴングローブボックス中で、ラミネートセルを組み立てた。上記負極とリチウム極を短絡させることで負極へリチウムイオンをドーピングした。その後、リチウム極を取り出し、外装材を再度融着させ、蓄電素子を作製した。
<蓄電素子の評価>
得られた蓄電素子を25℃の恒温槽中に保持し、自動電池評価装置(1024B−7V0.1A−4、株式会社エレクトロフィールド製)を用いて、以下のとおりの充放電試験を実施した。
<放電容量>
以下[1]〜[4]を2回繰り返した後[5]〜[8]を2回繰り返し、2回目の[3]時の放電容量を1C放電容量、2回目の[7]時の放電容量を20C放電容量とした。
[1]:充放電レート1C換算の電流値において4.4Vまで定電流充電
[2]:5分間休止
[3]:充放電レート1C換算の電流値において2.0Vまで定電流放電
[4]:5分間休止
[5]:充放電レート20C換算の電流値において4.4Vまで定電流充電
[6]:5分間休止
[7]:充放電レート20C換算の電流値において2.0Vまで定電流放電
[8]:5分間休止
なお、1C換算の電流値とは、公称容量値の容量を有する蓄電素子を定電流放電して、1時間で放電終了となる電流値のことであり、20C換算の電流値とは3分間で放電終了となる電流値のことである。1C放電容量が高い程、蓄電素子が高容量化できていることを示している。1C放電容量の高さを表1に記載のように判定した。
<レート特性>
以下の式を用いてレート特性を導出した。
[数式2]
レート特性が高い程高い充放電レートでも蓄電素子の容量を出し得ることを示すことから、急速充放電特性が高いことが判る。レート特性の高さを表1に記載のように判定した。
(実施例2〜46及び比較例1〜7)
実施例1において、表3〜表4に示すように、多孔質炭素A、多孔質炭素B、及び多孔質炭素Aと前記多孔質炭素Bとの質量比(A/B)、電解質濃度の少なくともいずれかを変更した以外は、実施例1と同様にして、実施例2〜46及び比較例1〜7の蓄電素子を作製し、実施例1と同様にして、諸特性を評価した。結果を表4に示した。
(実施例47、48及び比較例8、9)
実施例1において、表5〜表6に示すように、多孔質炭素A、多孔質炭素Bを用いた以外は、実施例1と同様にして、実施例47、48及び比較例8、9の蓄電素子を作製し、電圧範囲を2.2〜3.8Vに変更した以外は、実施例1と同様にして、諸特性を評価した。1C放電容量、レート特性を表2に記載の基準で判定し、結果を表6に示した。
表3〜6中の炭素A−2〜21、黒鉛、及びLCOの詳細な内容は、以下のとおりである。
*多孔質炭素A−2〜13、19〜21:YP−50F、株式会社クラレ製
*多孔質炭素A−14〜18:クノーベル(登録商標)、東洋炭素株式会社製
*黒鉛:KS−6、イメリス・グラファイト&カーボン社製
*LCO:コバルト酸リチウム、日亜化学工業株式会社製
表3〜6中の炭素B−2〜23、黒鉛の詳細な内容は、以下のとおりである。
*多孔質炭素B−2〜22:クノーベル(登録商標)、東洋炭素株式会社製
*多孔質炭素B−23:YP−50F、株式会社クラレ製
*黒鉛:KS−6、イメリス・グラファイト&カーボン社製
表4中の導電助剤の詳細な内容は以下のとおりである。
*導電助剤:デンカブラック粉状、デンカ株式会社製
表4の結果から、正極活物質に多孔質炭素A及び多孔質炭素Bを含み、前記多孔質炭素Bが三次元網目構造の細孔を有する多孔質炭素を用いた実施例1〜46はいずれも、比較例1の正極活物質に活性炭のみを用いたものに比べて急速充放電特性に優れていることが判った。加えて、比較例2の正極活物質に三次元網目構造の細孔を有する多孔質炭素を用いたものに比べて高いエネルギー密度を有することが判った。
また、比較例3の正極活物質にコバルト酸リチウムと三次元網目構造の細孔を有する多孔質炭素を用いたものと比べても急速充放電特性に優れていることが判った。
比較例4の活性炭と黒鉛を用いたものと比べて高いエネルギー密度を有していることが判った。
比較例5の活性炭と導電助剤としてアセチレンブラックを用いたものと比べても急速充放電特性に優れていることが判った。
比較例6のメジアン径の異なる活性炭を用いたものと比べてエネルギー密度は同等であるものの、急速充放電特性に優れていることが判った。
比較例7の黒鉛と三次元網目構造の細孔を有する多孔質炭素を用いたものと比べて高いエネルギー密度を有していることが判った。
また、表6の結果から、電圧範囲を変更した実施例47、48のいずれにおいても、比較例8の正極活物質に活性炭のみを用いたものに比べて急速充放電特性に優れていることが判った。比較例9の正極活物質に三次元網目構造の細孔を有する多孔質炭素を用いたものに比べて高いエネルギー密度を有することが判った。
このように、本発明の蓄電素子は、前記正極活物質として、少なくとも2種の多孔質炭素である多孔質炭素A及び多孔質炭素Bを含み、前記多孔質炭素Bが三次元網目構造の細孔を有する多孔質炭素を用いることにより、高容量化と急速充放電特性とを両立できる蓄電素子となることがわかった。
本発明の態様は、例えば、以下のとおりである。
<1> アニオンを吸蔵乃至放出可能な正極活物質を含む正極と、
負極活物質を含む負極と、
非水電解液と、を備えた蓄電素子であって、
前記正極活物質が、少なくとも2種の多孔質炭素である多孔質炭素A及び多孔質炭素Bを含み、前記多孔質炭素Bが三次元網目構造の細孔を有する多孔質炭素であることを特徴とする蓄電素子である。
<2> 前記多孔質炭素Aと前記多孔質炭素Bとの質量比(A/B)が、0.25以上100以下である前記<1>に記載の蓄電素子である。
<3> 前記多孔質炭素AのBET比表面積が、50m/g以上3,000m/g以下である前記<1>から<2>のいずれかに記載の蓄電素子である。
<4> 前記多孔質炭素Aが細孔を有し、前記多孔質炭素Aの細孔容積が0.2mL/g以上2.3mL/g以下である前記<1>から<3>のいずれかに記載の蓄電素子である。
<5> 前記多孔質炭素Aのメジアン径が、2μm以上20μm以下である前記<1>から<4>のいずれかに記載の蓄電素子である。
<6> 前記多孔質炭素Aが三次元網目構造の細孔を有する前記<1>から<5>のいずれかに記載の蓄電素子である。
<7> 前記多孔質炭素BのBET比表面積が、50m/g以上2,000m/g以下である前記<1>から<6>のいずれかに記載の蓄電素子である。
<8> 前記多孔質炭素Bの細孔容積が、0.2mL/g以上2.3mL/g以下である前記<1>から<7>のいずれかに記載の蓄電素子である。
<9> 前記多孔質炭素Bにおける三次元網目構造の細孔がメソ孔を含み、前記多孔質炭素Bのメソ孔含有率が25%以上80%以下である前記<1>から<8>のいずれかに記載の蓄電素子である。
<10> 前記多孔質炭素Bのメジアン径が、0.3μm以上20μm以下である前記<1>から<9>のいずれかに記載の蓄電素子である。
<11> 前記多孔質炭素Aと前記多孔質炭素Bとのメジアン径比(A/B)が、1以上67以下である前記<1>から<10>のいずれかに記載の蓄電素子である。
<12> 前記非水電解液が非水溶媒中にリチウム塩を含み、前記リチウム塩の前記非水溶媒中の濃度が0.5mol/L以上4mol/L以下である前記<1>から<11>のいずれかに記載の蓄電素子である。
前記<1>から<12>のいずれかに記載の蓄電素子は、従来における前記諸問題を解決し、前記本発明の目的を達成することができる。
1 正極
2 負極
3 セパレータ
4 外装缶
5 負極引き出し線
6 正極引き出し線
10 蓄電素子
特開2012−142340号公報

Claims (12)

  1. アニオンを吸蔵乃至放出可能な正極活物質を含む正極と、
    負極活物質を含む負極と、
    非水電解液と、を有する蓄電素子であって、
    前記正極活物質が、少なくとも2種の多孔質炭素である多孔質炭素A及び多孔質炭素Bを含み、前記多孔質炭素Bが三次元網目構造の細孔を有する多孔質炭素であることを特徴とする蓄電素子。
  2. 前記多孔質炭素Aと前記多孔質炭素Bとの質量比(A/B)が、0.25以上100以下である請求項1に記載の蓄電素子。
  3. 前記多孔質炭素AのBET比表面積が、50m/g以上3,000m/g以下である請求項1から2のいずれかに記載の蓄電素子。
  4. 前記多孔質炭素Aが細孔を有し、前記多孔質炭素Aの細孔容積が0.2mL/g以上2.3mL/g以下である請求項3に記載の蓄電素子。
  5. 前記多孔質炭素Aのメジアン径が、2μm以上20μm以下である請求項1から4のいずれかに記載の蓄電素子。
  6. 前記多孔質炭素Aが三次元網目構造の細孔を有する請求項1から5のいずれかに記載の蓄電素子。
  7. 前記多孔質炭素BのBET比表面積が、50m/g以上2,000m/g以下である請求項1から6のいずれかに記載の蓄電素子。
  8. 前記多孔質炭素Bの細孔容積が、0.2mL/g以上2.3mL/g以下である請求項1から7のいずれかに記載の蓄電素子。
  9. 前記多孔質炭素Bにおける三次元網目構造の細孔がメソ孔を含み、前記多孔質炭素Bのメソ孔含有率が25%以上80%以下である請求項1から8のいずれかに記載の蓄電素子。
  10. 前記多孔質炭素Bのメジアン径が、0.3μm以上20μm以下である請求項1から9のいずれかに記載の蓄電素子。
  11. 前記多孔質炭素Aと前記多孔質炭素Bとのメジアン径比(A/B)が、1以上67以下である請求項1から10のいずれかに記載の蓄電素子。
  12. 前記非水電解液が非水溶媒中にリチウム塩を含み、前記リチウム塩の前記非水溶媒中の濃度が0.5mol/L以上4mol/L以下である請求項1から11のいずれかに記載の蓄電素子。

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JP2018061037A (ja) * 2016-01-22 2018-04-12 旭化成株式会社 非水系リチウム型蓄電素子
JP2018117151A (ja) * 2015-03-11 2018-07-26 株式会社リコー 多孔質炭素

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