JP2020068142A - 全固体電池の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】裁断端における欠けや構成材料の脱落等を抑制し、かつ固体電解質層の剥離を抑制できる、全固体電池の製造方法の提供。【解決手段】第1の活物質層1上に第1の固体電解質層2を積層した第1の積層体101を準備する工程と、前記第1の活物質層1上の前記第1の固体電解質層2の一部を除去してなる固体電解質層除去部20を形成する工程と、前記固体電解質層除去部20に、前記第1の積層体101の積層方向にレーザー光Lを照射して、該第1の積層体101を裁断する工程とを有する全固体電池の製造方法。【選択図】図1

Description

本開示は、全固体電池の製造方法に関する。
近年、正極層又は負極層及び固体電解質層を有する全固体電池用の電池構造部材(電極シート)を有する積層型電池に対する需要が高まっており、大量の積層型電池を効率よく短時間で製造する方法が求められている。
例えば特許文献1には、第1及び第2の集電箔間に少なくとも正電極、固体電解質及び負電極を有する積層体を製造し、この積層体を、正電極側及び負電極側に配置された2つの切断刃のかみ合わせにより切断して電池構造体を得る、固体電解質電池の製造方法が開示されている。
しかしながら、このような、正極層又は負極層及び固体電解質層を有する積層体や、それらを積層した積層構造体を、特許文献1に記載されているように、切断刃により切断した場合、裁断部の端部(以下、裁断端という)において、欠けや構成材料の脱落が生じ易いという問題があった。
一方、特許文献2には、正極層、固体電解質層及び負極層を有する積層体の裁断方法として、刃による切削、研磨の他、レーザー、超音波による裁断加工等も採用可能であることが開示されている。
特開2014−127260号公報 特開2015−103432号公報
上記したような、正極層又は負極層及び固体電解質層を含む積層体やそれらを積層した積層構造体を、レーザー照射により裁断した場合、レーザー照射時の照射熱によって、正極層又は負極層の構成材料が溶融し、溶融した各材料が、裁断端において固化するため、上記したような、裁断端における欠けや構成材料の脱落等の不具合の発生が抑制されるという利点がある。
一方、上記したような、正極層又は負極層及び固体電解質層を含む積層体やそれらを積層した積層構造体を、レーザー光で裁断した場合、固体電解質層の一部が剥離する現象が生じ易いという問題があった。
本開示は、上記実情に鑑み、裁断端における欠けや構成材料の脱落等を抑制し、かつ固体電解質層の剥離を抑制できる、全固体電池の製造方法を提供することを目的とする。
本開示の全固体電池の製造方法は、第1の活物質層上に第1の固体電解質層を積層した第1の積層体を準備する工程と、前記第1の活物質層上の前記第1の固体電解質層の一部を除去してなる固体電解質層除去部を形成する工程と、前記固体電解質層除去部に、前記第1の積層体の積層方向にレーザー光を照射して、該第1の積層体を裁断する工程と、を有することを特徴とする。
本開示の全固体電池の製造方法においては、前記裁断工程の前に、前記第1の固体電解質層の前記第1の活物質層が積層された側とは反対側にさらに対極の活物質層を積層して第2の積層体を準備する工程を有し、前記裁断工程が、前記固体電解質層除去部に、前記第2の積層体の積層方向にレーザー光を照射して、該第2の積層体を裁断する工程であることが好ましい。
本開示の全固体電池の製造方法においては、前記第1の積層体として、前記第1の固体電解質層、前記第1の活物質層、電極集電体、第2の活物質層、第2の固体電解質層の順で積層された第3の積層体を準備し、前記裁断工程において、前記固体電解質層除去部に、前記第3の積層体の積層方向にレーザー光を照射して、該第3の積層体を裁断することが好ましい。
本開示によれば、裁断端における欠けや構成材料の脱落等を抑制し、かつ固体電解質層の剥離を抑制できる、全固体電池の製造方法を提供することができる。
本開示の全固体電池の製造方法の各工程を概念的に示す断面図である。 本開示の全固体電池の製造方法の各工程を概念的に示す断面図である。 本開示の全固体電池の製造方法の各工程を概念的に示す断面図である。 本開示の全固体電池の製造方法の各工程を概念的に示す断面図である。 本開示の全固体電池の製造方法の各工程を概念的に示す断面図である。 本開示の全固体電池の製造方法の各工程を概念的に示す断面図である。 本開示の全固体電池の製造方法の各工程を概念的に示す断面図である。 従来の全固体電池の製造方法の各工程を概念的に示す断面図である。 従来の全固体電池の製造方法の各工程を概念的に示す断面図である。 活物質層1と固体電解質層2との、レーザー光の吸収率の波長依存性の違いを確認するためのモデル実験の結果を示す図である。 実施例1において、レーザー照射により積層体1を裁断した後の固体電解質層側の表面を、SEMにより観察した観察画像を示す図である。 比較例1において、レーザー照射により積層体1を裁断した後の固体電解質層側の表面を、SEMにより観察した観察画像を示す図である。
以下に、本開示の全固体電池の製造方法について説明する。
なお、本開示において、正極と負極の間に介在する、固体電解質を含む層を固体電解質層といい、活物質を含む層を活物質層という。
電極集電体4上に、活物質層1及び固体電解質層2が積層された積層体106を、固体電解質層2側の面が上面側となるように配置して、固体電解質層2側からレーザー光Lを照射することにより積層体106を裁断する裁断工程を行う場合(図8(a)参照)、レーザー光Lの照射部やその近傍の領域において、固体電解質層2の一部が、活物質層1等の他の層との界面で層間剥離することによる剥離領域21(図8(c)参照)が生じ易かった。このため、裁断工程後の積層体106aの固体電解質層2a上に、さらに対極側の活物質層3を積層するときに、固体電解質層2aの剥離領域21を含む位置に、対極側の活物質層3を積層してしまうことがあり(図8(d)参照)、得られる全固体電池において、一対の活物質層間(正極−負極間)の絶縁性が低下するという問題があった。
一方、このような、全固体電池における一対の活物質層間(正極−負極間)の絶縁性の低下を抑制するためには、固体電解質層2の剥離領域21を避けて対極側の活物質層3を積層する必要があった(図8(e)参照)。この場合、固体電解質層2の剥離領域21の直下の活物質層11は、短絡防止のために、裁断工程後に除去されることが多いため、その分、活物質層1のロスが大きくなるという不具合があった。また、固体電解質層2の剥離領域21の直下に存在する活物質層11を、裁断工程後に除去しない場合でも、上記したように、対極側の活物質層3は、固体電解質層2の剥離領域21を避けて積層する必要があるため(図8(e)参照)、活物質層1aと対極側の活物質層3との面積バランスが悪くなる。このため、剥離領域21の直下に存在する活物質層11は、全固体電池の充放電時において十分に活用されず、結果的に、活物質層1のロスが大きくなるという不具合があった。
また、電極集電体4上に、活物質層1及び固体電解質層2が積層された積層体の、固体電解質層2上に、活物質層1とは反対側に対極の活物質層3を積層した積層体107を、レーザー光Lにより裁断する場合(図9(a)参照)、上記したような、固体電解質層2の一部が層間剥離することにより生じる剥離領域21が、固体電解質層2と対極側の活物質層3との積層界面まで拡大することがあり(図9(c)参照)、得られる全固体電池において、一対の活物質層1a、3間(正極−負極間)の絶縁性が低下するという問題があった。
一方、レーザー照射による固体電解質の剥離の発生が予想される領域21´と、対極側の活物質層3の形成領域とが重ならないようにするためには、レーザー光Lの照射位置を、対極側の活物質層3の端部31から、所定の距離だけ離れた位置に設定して、裁断部のマージン32を広くとる必要があった(図9(d)参照)。この場合、裁断後の積層体において、固体電解質の剥離の発生が予想される領域21´の直下に存在する活物質層12は、短絡防止のために、裁断工程後に除去されることが多いため、その分、活物質層1のロスが大きくなるという不具合があった。
なお、以下の説明において、特に言及しない限り、固体電解質層の一部が他の層との界面で層間剥離することを、単に、固体電解質層の剥離という。
このような固体電解質の剥離現象は、以下のメカニズムで発生すると考えられる。
例えば図8及び図9に示すような、活物質層1及び固体電解質層2を有する積層体106、107を、レーザー光Lを用いて裁断する場合、高汎用性・高出力・低コストという観点から、一般には、普及率の高い赤外波長を有するレーザー光が用いられてきた。活物質層1や固体電解質層2におけるレーザー光の吸収率は、波長依存性を有するため、例えば上記したような、赤外波長を有するレーザー光を用いて、積層体の裁断を行うと、活物質層1の上層にある固体電解質層2が、相対的に裁断されにくいことが多かった。
従って、そのような波長を有するレーザー光Lを、前記した積層体106、107に対して、固体電解質層2を有する側から照射した場合、当該レーザー光Lは、固体電解質層2を透過し、活物質層1において吸収される(図8(a)、図9(a)参照)。活物質層1は、吸収したレーザー光Lのエネルギーにより構成材料が気化することで裁断される。活物質層1の構成材料の気化により発生した噴出ガスGは、固体電解質層2によって積層体106、107の内部に閉じ込められた状態となり、自由通路がふさがれた状態となる(図8(a)、図9(a)参照)。このため、積層体106、107では、内部に閉じ込められた噴出ガスGの逃げ場が無くなることで、積層構造内での膨張圧が高くなり、これにより、固体電解質層2の一部が剥離し(図8(b)、図9(b)参照)、剥離領域21が発生すると考えられる(図8(c)、図9(c)参照)。
図10は、活物質層1と固体電解質層2との、レーザー光の吸収率の波長依存性の違いを確認するためのモデル実験の結果を示す図である。図10中、曲線(a)は、負極活物質として一般的に用いられている材料である、Si粒子からなるSi粒子層のレーザー光の吸収率の波長依存性を示すグラフであり、図10中曲線(b)は、固体電解質として一般に用いられている材料である、LiI−LiS−PからなるLiI−LiS−P層のレーザー光の吸収率の波長依存性を示すグラフである。
図10の曲線(a)に示すように、Si粒子層は、1070nm近傍の波長を有するレーザー光について、概ね50%程度の吸収率を有する。一方、図10の曲線(b)に示すように、LiI−LiS−P層は、1070nm近傍の波長を有するレーザー光について、20%程度の吸収率しか有しない。
このような、1070nm近傍の波長を有するレーザー光を、Si粒子層(活物質層のモデル層)とLiI−LiS−P層(固体電解質層のモデル層)との積層体に対して、LiI−LiS−P層側から照射したところ、LiI−LiS−P層の一部がSi粒子層から剥離する現象が発生した。
これは、LiI−LiS−P層及びSi粒子層において、それぞれ上記した吸収率を示す、1070nm近傍の波長を有するレーザー光が、LiI−LiS−P層を透過し、Si粒子層において吸収されたためであると考えられる。
なお、図10に示すグラフは、分光測定装置(UV−260、島津製作所社製)を用いて、以下に示す方法により得たものである。
先ず、分光測定装置の測定部である深さ約3mm程度の窪み部に、硫酸バリウムを充填して押し固め、厚さ約2mmの硫酸バリウムの層を形成した後、その上に、測定対象であるSi粒子粉末又はLiI−LiS−P粉末を充填し、押し固めて、厚さ約1mmの層を形成した。次いで、当該測定部の上面側から、光の波長を逐次変化させながら照射して反射率を測定し、当該反射率から算出される吸収率を、光の波長に対してプロットした。
なお、本開示において、光の吸収率とは、ある波長の光の照射量から、その光が被照射体で反射される量と、その光が被照射体を透過する量とを減算して吸収量を得、この吸収量を、上記波長の光の照射量で除した値をいう。
このような従来の製造方法に対して、本開示の全固体電池の製造方法は、以下の特徴を有する。
本開示の全固体電池の製造方法は、第1の活物質層上に第1の固体電解質層を積層した第1の積層体を準備する工程と、前記第1の活物質層上の前記第1の固体電解質層の一部を除去してなる固体電解質層除去部を形成する工程と、前記固体電解質層除去部に、前記第1の積層体の積層方向にレーザー光を照射して、該第1の積層体を裁断する工程と、を有することを特徴とする。
本開示の製造方法によれば、第1の活物質層上に第1の固体電解質層を積層した第1の積層体の裁断に、レーザー光を用いることで、レーザー照射時の照射熱によって、第1の活物質層を構成する各材料が溶融し、溶融した各材料が、裁断端において固化するため、裁断端における欠けや構成材料の脱落等の不具合の発生を抑制することができる。
また、本開示によれば、前記第1の活物質層上の前記第1の固体電解質層の一部を除去してなる固体電解質層除去部に、前記第1の積層体の積層方向にレーザー光を照射して、該第1の積層体を裁断することで、第1の積層体の裁断時に、第1の固体電解質層の一部が剥離する現象を抑制することができる。
本開示の製造方法によれば、このように、第1の積層体の裁断時に第1の固体電解質層の一部が剥離する現象を抑制できるため、第1の活物質層のロスを増大させることなく、全固体電池における、一対の活物質層間(負極層−正極層間)の絶縁性を確保することができる。
以下、本開示の全固体電池の製造方法について詳細に説明する。
1.全固体電池の製造方法
(1−1)
図1(a)〜図1(f)は、本開示の全固体電池の製造方法の第1の実施形態を概念的に示す図である。
先ず、図1(a)に示すように、電極集電体4上に第1の活物質層1を積層し、当該第1の活物質層1上に第1の固体電解質層2を積層した第1の積層体101(電極集電体4−第1の活物質層1−第1の固体電解質層2)を準備する準備工程を行う。
次に、図1(b)に示すように、第1の活物質層1上の前記第1の固体電解質層2の一部を除去してなる固体電解質層除去部20を形成する工程を行う。
次に、図1(c)〜(d)に示すように、前記固体電解質層除去部20に、前記第1の積層体101の積層方向にレーザー光を照射して、該第1の積層体101を裁断する裁断工程を行う。
これにより、裁断後の第1の活物質層1a上に、裁断後の第1の固体電解質層2aが積層された、第1の中間積層体101a(電極集電体4a−第1の活物質層1a−第1の固体電解質層2a)を得る(図1(e)参照)。
このようにして得られた第1の中間積層体101a(電極集電体4a−第1の活物質層1a−第1の固体電解質層2a)の、第1の固体電解質層2a上に、対極側の活物質層3を積層し、さらに対極側の集電体を積層するなどの工程を追加することにより、全固体電池201を得る(図1(f)参照)。
(1−2)
図2(a)〜図2(e)は、本開示の全固体電池の製造方法の第2の実施形態を概念的に示す図である。
先ず、図2(a)に示すように、電極集電体4上に第1の活物質層1を積層し、当該第1の活物質層1上に第1の固体電解質層2を積層し、当該第1の固体電解質層2の第1の活物質層1が積層された側とは反対側に、対極の活物質層3を積層した、第2の積層体102を準備する準備工程を行う。
次に、図2(b)に示すように、前記第1の活物質層1上の前記第1の固体電解質層2の一部を除去してなる固体電解質層除去部20を形成する工程を行う。
次に、図2(c)〜(d)に示すように、前記固体電解質層除去部20に、前記第2の積層体102の積層方向にレーザー光Lを照射して、該第2の積層体102を裁断する裁断工程を行う。
これにより、裁断後の第1の活物質層1a上に、裁断後の第1の固体電解質層2aが積層され、裁断後の第1の固体電解質層2aの第1の活物質層1aとは反対側に、対極側の活物質層3が積層された、第2の中間積層体102a(電極集電体4a−第1の活物質層1a−第1の固体電解質層2a−対極側の活物質層3)を得た後(図2(d)参照)、さらに対極側の集電体を積層するなどの工程を追加することにより、全固体電池202を得る(図2(e)参照)。
なお、第1の実施形態及び第2の実施形態のいずれにおいても、第1の活物質層1a上に、第1の固体電解質層2aを介して積層された、対極側の活物質層3を有する全固体電池においては、前記第1の活物質層1aの長手方向の長さと前記対極側の活物質層3の長手方向の長さのいずれか一方が、他方よりも大きくなるように形成する。
これは、以下の理由による。即ち、第1の固体電解質層1aの長手方向の長さは、少なくとも、第1の活物質層1a又は対極側の活物質層3のいずれか一方の長手方向の長さよりも長いことが必要である(条件α)。一方、第1の活物質層1a上に、第1の固体電解質層2aを介して、対極側の活物質層3が積層された積層体を形成する場合、当該第1の固体電解質層2aは、その下に形成されている第1の活物質層1aよりも大きく形成することは困難である。即ち、第1の固体電解質層2aの積層のし易さの観点から、第1の固体電解質層2aは、その下に形成されている第1の活物質層1aの大きさと同じ大きさか、又はそれより小さい大きさで形成される。従って、前記した条件αを満たすためには、第1の固体電解質層2a上に形成する、対極側の活物質層3は、第1の固体電解質層2aよりも小さく形成する必要がある。従って、第1の活物質層1aの長手方向の長さは、対極側の活物質層3の長手方向の長さよりも長く形成する。
以上より、第1の活物質層1a上に、第1の固体電解質層2aを介して積層された、対極側の活物質層3を有する全固体電池においては、前記した条件αを満たすためには、前記第1の活物質層1aの長手方向の長さと前記対極側の活物質層3の長手方向の長さのいずれか一方が、他方よりも大きくなるように形成する。
また、第1の活物質層1aと対極側の活物質層3との短絡を抑制する観点から、第1の活物質層1a及び対極側の活物質層3のうち、長手方向の長さが小さい方の層は、その全周に亘って、第1の固体電解質層2aの形成領域の範囲内に形成されるように積層することが必要である。
[第1実施形態]
以下、本開示の製造方法を、前記(1−1)(図1(a)〜図1(f))で説明した実施形態を例に、詳細に説明する。
A−1.準備工程
先ず、電極集電体4上に第1の活物質層1を積層し、当該第1の活物質層1上に第1の固体電解質層2を積層した第1の積層体101を準備する準備工程を行う(図1(a)参照)。
(1)活物質層
本開示の製造方法において、第1の活物質層1は、負極活物質を含む負極活物質層としてもよく、正極活物質を含む正極活物質層としてもよい。
(1−a)負極活物質層
負極活物質層は、少なくとも負極活物質を含み、必要に応じ、固体電解質、導電材、及び、結着剤等の他の成分を含む。
負極活物質としては、例えば、カーボン活物質(炭素材料)、酸化物活物質及び金属活物質等が挙げられる。
カーボン活物質(炭素材料)としては、例えばメソカーボンマイクロビーズ(MCMB)、高配向性グラファイト(HOPG)等のグラファイト、ハードカーボン、ソフトカーボン等が挙げられる。
酸化物活物質としては、例えばNb、LiTi12、SiO等が挙げられる。金属活物質としては、例えばIn、Al、Si及びSn等が挙げられる。
Siは、Si単体であってもよく、Si合金であってもよい。
負極活物質の形状としては、例えば粒子状が挙げられる。
負極活物質の粒子は、平均粒径(D50)が通常1nm以上100μm以下の範囲内、さらに10nm以上30μm以下の範囲内である。粒子の平均粒径が小さすぎると、取り扱い性が悪くなる可能性があり、粒子の平均粒径が大きすぎると、平坦な負極活物質層を得るのが困難になる場合がある。
負極活物質層中の負極活物質の割合は、特に限定されるものではないが、例えば40質量%以上99質量%以下であり、60質量%以上80質量%以下の範囲内であることが好ましい。
負極活物質層中の前記固体電解質としては、結晶質固体電解質、非晶質固体電解質、固体電解質ガラスセラミックスのいずれであってもよく、後述する第1の固体電解質層2に用いられる固体電解質と同様のものを用いることができる。
負極活物質層は、他の成分として導電材を含んでいてもよい。当該導電材としては、アセチレンブラック(AB)、ケッチェンブラック(KB)、カーボンナノチューブ(CNT)、カーボンファイバー(CNF)等の炭素材料を挙げることができる。より具体的には、炭素材料として、気相成長炭素繊維(VGCF)を挙げることができる。
負極活物質層は、他の成分として結着材を含んでいてもよい。前記結着材としては、例えば、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ブチレンゴム(BR)、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、ポリビニルブチラール(PVB)、アクリル樹脂等を用いることができる。
(1−b)正極活物質層
正極活物質層は、少なくとも正極活物質を含み、必要に応じ、固体電解質、導電材、及び、結着剤等の他の成分を含む。また、正極活物質層は、上記以外に、増粘剤を含有していてもよい。
正極活物質としては、従来公知の材料を用いることができる。全固体電池がリチウム電池である場合は、正極活物質としては、例えば、コバルト酸リチウム(LiCoO)の他、ニッケル酸リチウム(LiNiO)、Li1+xNi1/3Mn1/3Co1/3、マンガン酸リチウム(LiMn)、Li1+xMn2−x−y(MがAl,Mg,Co,Fe,Ni,Znから選ばれる一種以上)で表わされる組成の異種元素置換Li−Mnスピネル、チタン酸リチウム(Li TiO)、リン酸金属リチウム(LiMPO ,M=Fe,Mn,Co,Ni)等が挙げられる。
前記正極活物質の形状は特に限定されないが、膜状であっても粒子状であってもよい。
正極活物質は、当該正極活物質の表面を固体電解質で被覆した被覆層を有していてもよい。
被覆層としては、リチウムイオン伝導性を有し、且つ、活物質や固体電解質と接触しても流動せず、被覆層の形態を維持し得る物質を含有していれば良い。
正極活物質が粒子である場合、平均粒径(D50)は通常1nm以上100μm以下の範囲内、さらに10nm以上30μm以下の範囲内である。
正極活物質層中の正極活物質の割合は、特に限定されるものではないが、例えば40質量%以上99質量%以下であり、60質量%以上90質量%以下の範囲内であることが好ましい。
その他、前記結着材、前記固体電解質及び前記導電材としては、それぞれ、前記負極材料部に用いるものと同様のものを用いることができる。
第1の活物質層1を形成する方法としては、負極活物質層を形成するための材料(以下、負極用合材という。)又は正極活物質層を形成するための材料(以下、正極用合材という。)、及び、除去可能な結着剤を含む分散液を電極集電体4の上に塗布することにより塗膜を形成した後、乾燥することにより、第1の活物質層1を形成する方法が挙げられる。
また、他の方法としては、負極用合材又は正極用合材、及び、除去可能な結着剤を含む分散液を、電極集電体4以外の支持体上に塗布することにより塗膜を形成した後、乾燥することにより第1の活物質層1を形成した後、この第1の活物質層1を支持体から剥離し、剥離した第1の活物質層1を電極集電体4上に積層するようにしてもよい。
第1の活物質層1が負極活物質層である場合、当該第1の活物質層1は、負極集電体上に形成してもよい。
負極集電体の材料としては、例えば、銅及び銅合金、ニッケル及びニッケル合金などが挙げられ、銅にNi、Cr、Cなどをめっき、蒸着したもの、ニッケルにCr、Cなどをめっき、蒸着したものも使用できる。
また、負極集電体の形状としては、例えば、箔状、板状、メッシュ状等を挙げることができる。
第1の活物質層1が正極活物質層である場合、当該第1の活物質層1は、正極集電体上に形成してもよい。
正極集電体の材料としては、例えば、SUS、Ni、Cr、Au、Pt、Al、Fe、Ti、Zn、Cu等の金属材料等が挙げられる。これらの各材料にNi、Cr、Cなどをめっき、蒸着したものも使用できる。また、正極集電体の形状としては、例えば、箔状、板状、メッシュ状等を挙げることができる。
また、その他の方法としては、負極用合材又は正極用合材を、所定のプレス圧を負荷して加圧成形する方法が挙げられる。
また、その他の方法としては、負極用合材又は正極用合材、及び、除去可能な結着材を含む粉末を圧縮成形して負極活物質層又は正極活物質層の形状とした後、この成形体を加熱して乾燥する方法により形成してもよい。
(2)固体電解質層
第1の固体電解質層2は、固体電解質を含み、必要に応じ、結着剤等の他の成分を含む。
固体電解質としては、従来公知の材料を用いることができる。固体電解質としては、Liイオンの伝導度が高い酸化物系固体電解質、及び硫化物系固体電解質が好ましく用いられる。
前記酸化物系固体電解質としては、例えばLi6.25LaZrAl0.2512、LiPO、LiPON等が挙げられる。
また、その他の酸化物系固体電解質としては、アルミナ、ジルコニアなどの絶縁セラミックス、あるいは、LiO−B−P,LiO−SiOなどの酸化物系非晶質固体電解質、LiI,LiN,LiLaTa12,LiLaZr12、LiBaLaTa12,LiPO(4−3/2w)Nw(w<1),Li3.6Si0.60.4などの酸化物系結晶質固体電解質・酸窒化物系結晶質固体電解質等が挙げられる。
前記硫化物系固体電解質としては、例えば、LiS−SiS,LiI−LiS−SiS,LiI−LiS−P,LiI−LiS−P,LiI−LiPO−P,LiS−P等の硫化物系非晶質固体電解質、Li11,Li3.250.75等のガラスセラミックス、或いはLi3.240.24Ge0.76等のthio−LISIO系結晶等の硫化物系結晶質固体電解質等が挙げられる。
第1の固体電解質層2を形成するための固体電解質として、粉末状の固体電解質を用いても良い。その場合に粉末を構成する固体電解質粒子の平均粒径(D50)は、例えば1nm以上100μm以下の範囲内、さらに10nm以上30μm以下の範囲内である。
第1の固体電解質層2に用いられる結着剤は、上述した負極活物質層に用いるものと同様のものを用いることができる。
前記固体電解質は、1種単独で、又は2種以上のものを用いることができる。また、2種以上の固体電解質を用いる場合、2種以上の固体電解質を混合してもよく、又は2層以上の固体電解質それぞれの層を形成して多層構造としてもよい。
第1の固体電解質層2を2層構造とする場合には、例えば、第1の活物質層1側に硫化物固体電解質、後述する対極側の活物質層3側に酸化物固体電解質を配置してもよいし、その逆の順序で配置してもよい。固体電解質の電位窓に対応した配置であれば、どのような配置順序にしてもよい。
第1の固体電解質層2中の固体電解質の割合は、特に限定されるものではないが、例えば50質量%以上であり、60質量%以上100質量%以下の範囲内であることが好ましく、70質量%以上100質量%以下の範囲内であることがより好ましく、100質量%であることが特に好ましい。
第1の固体電解質層2に含まれる他の成分としては、結着剤、可塑剤、分散剤等が挙げられる。
第1の固体電解質層2を形成する方法としては、第1の活物質層1を形成する方法と同様の方法が挙げられる。
なお、第1の積層体101を構成する各層を、加圧成形により形成する場合、負極用合材又は正極用合材を加圧成形して第1の活物質層1を形成した後、前記第1の活物質層1の一面側に固体電解質粉末及び必要に応じ他の成分を含む固体電解質材料の粉末を堆積し、加圧成形することにより、第1の固体電解質層2を形成して、第1の積層体101を作製するようにしてもよい。
また、その他の方法としては、粉体加圧成形の加圧シリンダー内に、負極用合材又は正極用合材を投入し均一な厚みに堆積して負極用合材層又は正極用合材層を形成し、その負極用合材層又は正極用合材層の上に、固体電解質材料の粉末を投入し均一な厚みに堆積して固体電解質材料粉末層を形成し、このようにして形成された2層の粉末堆積層を有する粉末堆積体を一度に加圧成形することにより、第1の積層体101を作製してもよい。
B−1.固体電解質層除去部形成工程
次に、第1の活物質層1上の前記第1の固体電解質層2の一部を除去してなる固体電解質層除去部20を形成する固体電解質層除去部形成工程を行う(図1(b)参照)。固体電解質層除去部20は、後述する裁断工程においてレーザー光Lを照射する予定のラインと重なる位置に形成され、通常は、当該ラインの両側に若干のマージンとなる領域を設けて形成される。
固体電解質層除去部20の形成は、例えば、第1の固体電解質層2における、固体電解質層除去部20の形成予定領域に向けてレーザー光を照射して、第1の活物質層1の一部を少量だけ気化させて、第1の固体電解質層2を小さく剥離させることにより形成することができる。なお、この場合、固体電解質層除去部20の形成に用いるレーザー光は、照射するレーザー光の波長を適宜調整した上で、後述する裁断工程において第1の積層体101に向けて照射するレーザー光Lの照射強度よりも低い照射強度で、また、当該裁断工程において第1の積層体101に向けて照射するレーザー光Lの照射時間よりも短い照射時間で照射することがよい。
また、レーザー光の照射により固体電解質層除去部20を形成する場合、第1の固体電解質層2においても吸収されるような短波長側の波長を有するレーザー光を、第1の固体電解質層2における、固体電解質層除去部20の形成予定領域に向けて照射して、第1の固体電解質層2の構成材料を気化させることにより、固体電解質層除去部20を形成するようにしてもよい。
固体電解質層除去部20の形成方法は、このような方法には限定されず、例えば、固体電解質層除去部20の形成予定領域に所定の温度を有する温熱体を当てて所定時間放置し、第1の固体電解質材料を気化させることにより行うこともできる。また、固体電解質層除去部20の形成は、固体電解質層除去部20の形成予定領域を、切削刃等を用いて機械的に切削することにより形成することも可能である。
固体電解質層除去部20の幅は、特に限定されないが、例えば50〜1000μmの範囲で形成することが好ましい。固体電解質層除去部20の幅が50μm未満であると、固体電解質層除去部20の形成自体が困難である。また、固体電解質層除去部20の幅が50μm未満であると、後述する裁断工程において発生する噴出ガスGの自由通路が十分に確保されず、裁断工程時における第1の固体電解質層2の剥離を十分に抑制できない可能性がある。一方、固体電解質層除去部20の幅が1000μmを超えると、その分、第1の活物質層2のロスが大きくなるため好ましくない。
なお、図1(b)に示す実施形態では、前記第1の固体電解質層2の一部を除去した固体電解質層除去部20を、第1の活物質層1上に2つ形成した例を示している。これらの固体電解質層除去部20、20は、後述する図1(f)に示す工程において、第1の固体電解質層2上に対極側の活物質層3を積層する予定の領域の分だけ間隔を空けて形成している。
C−1.裁断工程
次に、図1(c)〜(d)に示すように、前記固体電解質層除去部20に、当該第1の固体電解質層2側から前記第1の積層体101の積層方向にレーザー光を照射して、該第1の積層体101を裁断する裁断工程を行う。
これにより、裁断後の第1の活物質層1a上に、裁断後の第1の固体電解質層2aが積層された、第1の中間積層体101a(電極集電体4a−第1の活物質層1a−第1の固体電解質層2a)を得る(図1(e)参照)。
裁断工程において、第1の積層体101に照射されたレーザー光Lは、固体電解質層除去部20を通過し、第1の活物質層1において吸収される(図1(c)参照)。第1の活物質層1は、吸収したレーザー光のエネルギーにより、その構成材料が気化することで裁断される。第1の活物質層1の構成材料の気化により発生した噴出ガスGは、第1の固体電解質層2の固体電解質層除去部20に形成されたガスの自由通路を通って、外部に放出される(図1(d)参照)。このため、第1の積層体101の裁断時に、第1の固体電解質層2の一部が剥離する現象を抑制することができる。従って、第1の固体電解質層2の剥離領域を、予め形成した固体電解質層除去部20から拡大させることなく、第1の積層体101を裁断することが可能となる。
次に、第1の中間積層体101a(電極集電体4a−第1の活物質層1a−第1の固体電解質層2a)の、第1の固体電解質層2a上に、対極側の活物質層3を積層し、さらに対極側の集電体を積層するなどの工程を追加することにより、全固体電池201を得る(図1(f)参照)。
図1(f)に示すように、対極側の活物質層3の長手方向の長さL2を、第1の活物質1aの長手方向の長さL1よりも小さく形成する場合、当該対極側の活物質層3は、その全周に亘って、裁断後の固体電解質層2aの形成領域の範囲内に形成されるように積層する。
対極側の活物質層3を形成する方法としては、活物質層1を形成する方法と同様の方法が挙げられる。
上記したように、本開示の製造方法では、第1の固体電解質層2に固体電解質層除去部20を形成し、当該固体電解質層除去部20にレーザー光Lを照射しているため、第1の積層体101の裁断時に、第1の固体電解質層2の一部が剥離する現象を抑制することができる。このため、図1(f)に示すように、裁断後の第1の中間積層体101a上に、対極側の活物質層3を積層するときに、当該対極側の活物質層3の端部31を、第1の中間積層体101aにおける、レーザー照射による裁断端101Eから近い位置に配置することができる。
このため、第1の活物質層1のロスを増大させることなく、得られる全固体電池201における、活物質層1aと対極側の活物質層3との絶縁性を確保することができる。
図3(a)〜図3(f)は、前記(1−1)(図1(a)〜図1(f))に示す実施形態の変形例を示す図である。
図3(a)〜図3(f)に示す例においては、まず、図3(a)に示すように、第1の固体電解質層2、第1の活物質層1、電極集電体4、第2の活物質層1´、第2の固体電解質層2´が、この順で積層された第3の積層体103を準備する、第3の積層体準備工程を行う。
なお、本開示において、第2の活物質層とは、第1の活物質層と同じ極性を有する活物質を含む層をいう。
第2の活物質層1´を形成する方法としては、第1の活物質層1を形成する方法と同様の方法が挙げられる。また、第2の固体電解質層2´を形成する方法としては、第1の固体電解質層2を形成する方法と同様の方法が挙げられる。
なお、第1の活物質層1、第1の固体電解質層2の形成は、いずれも、図1(a)を用いて説明したのと同様にして行うことができる。
次に、図3(b)に示すように、第1の活物質層1上の第1の固体電解質層2の一部を除去してなる固体電解質層除去部20を形成する工程を行う。
固体電解質層除去部を形成する工程は、図1(b)を用いて説明した固体電解質層除去部を形成する工程と同様にして行うことができる。
なお、図示しないが、固体電解質層除去部を形成する工程においては、第2の活物質層1´上の第2の固体電解質層2´の一部を除去してなる固体電解質層除去部を形成してもよい。
次に、図3(c)〜(d)に示すように、前記固体電解質層除去部20に、第1の固体電解質層2側から前記第3の積層体103の積層方向にレーザー光を照射して、前記第3の積層体103を裁断する裁断工程を行う。
図3(c)〜(d)に示す裁断工程においては、第1の積層体101に照射されたレーザー光Lは、第1の活物質層1だけでなく、少なくとも電極集電体4、第2の活物質層1´においても吸収される。第1の活物質層1、電極集電体4、及び第2の活物質層1´の構成材料の気化により発生した噴出ガスGは、固体電解質層除去部20、並びに第1の活物質層1及び電極集電体4の裁断部に形成されたガスの自由通路を通って、外部に放出される(図1(d)参照)。
これにより、裁断後の第1の固体電解質層2a、裁断後の第1の活物質層1a、裁断後の電極集電体4a、裁断後の第2の活物質層1a´、裁断後の第2の固体電解質層2a´が、この順で積層された、第3の中間積層体103a(第1の固体電解質層2a−第1の活物質層1a−電極集電体4a−第2の活物質層1a´−第2の固体電解質層2a´)を得る(図3(e)参照)。
次に、第3の中間積層体103a(第1の固体電解質層2a−第1の活物質層1a−電極集電体4a−第2の活物質層1a´−第2の固体電解質層2a´)の、第1の固体電解質層2a上、及び第2の固体電解質層2a´上に、それぞれ、対極側の活物質層3、3´を積層し、さらに対極側の集電体を積層するなどの工程を追加することにより、全固体電池203を得る(図3(f)参照)。
図3(f)に示す例では、対極側の活物質層3の長手方向の長さL2が、第1の活物質層1aの長手方向の長さL1よりも小さくなるように形成し、対極側の活物質層3´の長手方向の長さL4が、第2の活物質層1a´の長手方向の長さL3よりも小さくなるように形成する。
この場合には、図3(f)に示すように、前記対極側の活物質層3は、その全周に亘って、裁断後の第1の固体電解質層2aの形成領域の範囲内に形成されるように積層し、前記対極側の活物質層3´は、その全周に亘って、裁断後の第2の固体電解質層2a´の形成領域の範囲内に形成されるように積層する。
上記したように、図3(a)〜図3(f)に示す本開示の製造方法では、第1の固体電解質層2に固体電解質層除去部20を形成し、当該固体電解質層除去部20にレーザー光Lを照射しているため、第3の積層体103の裁断時に、第1の固体電解質層2の一部が剥離する現象を抑制することができる。このため、図1(a)〜図1(f)に示す実施形態において説明したのと同様の理由により、第1の活物質層1のロスを増大させることなく、得られる全固体電池203における、第1の活物質層1aと対極側の活物質層3との絶縁性、及び第2の活物質層1a´と対極側の活物質層3´との絶縁性を確保することができる。
なお、図1(a)〜図1(f)に示す実施形態は、例えば図4(a)〜図4(f)に示すように、第1の積層体101(電極集電体4−第1の活物質層1−第1の固体電解質層2)を長尺状に形成し(図4(a)参照)、当該第1の積層体101の第1の固体電解質層2上に、複数の固体電解質層除去部20を形成した後(図4(b)参照)、図1(c)〜図1(f)で説明したのと同様の手順により、図4(c)〜図4(f)に示す工程を行ってもよい。
[第2実施形態]
次に、本開示の製造方法を、前記(1−2)(図2(a)〜図2(e))で説明した実施形態を例に、詳細に説明する。
A−2.準備工程
先ず、図2(a)に示すように、電極集電体4上に第1の活物質層1を積層し、当該第1の活物質層1上に第1の固体電解質層2を積層し、当該第1の固体電解質層2の第1の活物質層1が積層された側とは反対側に、対極側の活物質層3を積層した、第2の積層体102(電極集電体4−第1の活物質層1−第1の固体電解質層2−対極側の活物質層3)を準備する準備工程を行う。
なお、第1の活物質層1及び第1の固体電解質層2の形成は、いずれも、上述した(1−1)の実施形態において、図1(a)を用いて説明したのと同様にして行うことができる。
対極側の活物質層3は、図2(a)に示す例では、その長手方向の長さが、第1の活物質1の長手方向の長さよりも短くなるように形成し、かつ当該対極側の活物質層3が、その全周に亘って、第1の固体電解質層2の形成領域の範囲内に形成されるように積層する。
上記した点以外は、対極側の活物質層3の形成は、いずれも、前述した(1−1)の実施形態において、図1(f)を用いて説明したのと同様にして行うことができる。
なお、図2に示す例においては、少なくとも対極側の活物質層3が上記した条件を満たしていればよく、第1の活物質層1の長手方向の長さは、第1の固体電解質層2の長手方向の長さと同じ長さであってもよく、第1の固体電解質層2の長手方向の長さよりも長くてもよい。また、図2に示す例においては、第1の活物質層1の長手方向の長さは、対極側の活物質層3の長手方向の長さよりも長いという条件を満たしていれば、第1の固体電解質層2の長手方向の長さよりも短くても良い。
B−2.固体電解質層除去部形成工程
次に、第1の活物質層1上の第1の固体電解質層2の一部を除去してなる固体電解質層除去部20を形成する工程を行う(図2(b)参照)。図2(b)に示す例(対極側の活物質層3の長手方向の長さを、第1の活物質層1の長手方向の長さよりも小さく形成した場合)では、固体電解質層除去部20は、対極側の活物質層3の端部31の近傍の位置に形成することができる。
対極側の活物質層3の端部31から、固体電解質層除去部20までの距離Dは、100μm以上離れた位置とすることがよい。これにより、後述する裁断工程後に得られる全固体電池202において、対極側の活物質層3が、その全周に亘って、第1の固体電解質層2aの形成領域の範囲内に形成されるように、第2の積層体102を裁断することができる。
また、対極側の活物質層3の端部31から、固体電解質層除去部20までの距離Dは1000μm以下とすることがよい。これにより、第1の活物質層1のロスを抑制することができる。
剥離部形成工程は、上記した点以外は、前述した(1−1)の実施形態において、図1(a)を用いて説明した剥離部形成工程と同様にして行うことができる。
C−2.裁断工程
次に、図2(c)〜(d)に示すように、前記固体電解質層除去部20の位置に合わせて、前記第1の固体電解質層2側から前記第2の積層体102の積層方向に、レーザー光Lを照射して、該第2の積層体102を裁断する裁断工程を行う。
これにより、裁断後の第1の活物質層1a上に、裁断後の第1の固体電解質層2aが積層され、裁断後の第1の固体電解質層2aの第1の活物質層1aとは反対側に、対極側の活物質層3が積層された、第2の中間積層体102a(電極集電体4a−第1の活物質層1a−第1の固体電解質層2a−対極側の活物質層3)を得た後(図2(d)参照)、さらに対極側の集電体を積層するなどの工程を追加することにより、全固体電池202を得る(図2(e)参照)。
裁断工程において、第2の積層体102に照射されたレーザー光Lは、固体電解質層除去部20を通過し、第1の活物質層1において吸収される(図2(c)参照)。第1の活物質層1は、吸収したレーザー光のエネルギーにより、その構成材料が気化することで裁断される(図2(d)参照)。第1の活物質層1の構成材料の気化により発生した噴出ガスGは、第1の固体電解質層2の固体電解質層除去部20に形成されたガスの自由通路を通って、外部に放出される(図2(d)参照)。このため、第2の積層体102の裁断時に、第1の固体電解質層2の一部が剥離する現象を抑制することができる。従って、第1の固体電解質層2の剥離領域を、予め形成した固体電解質層除去部20から拡大させることなく、第2の積層体102を裁断することが可能となる。
このため、第2の積層体102に対してレーザー照射するときに、図2(c)に示すように、対極側の活物質層3の端部31に近い位置にレーザー光Lを照射した場合でも、第1の固体電解質層2における剥離領域が、固体電解質層2と対極側の活物質層3との積層界面まで拡大することを抑制することができる。即ち、裁断後に得られる全固体電池202を、対極側の活物質層3が、その全周に亘って、第1の固体電解質層2aの形成領域の範囲内に形成されたものとすることができる。
このため、第1の活物質層1のロスを増大させることなく、全固体電池202における、第1の活物質層1aと対極側の活物質層3との絶縁性を確保することができる。
以上説明した、図2(a)〜図2(e)に示す実施形態は、図6(a)〜図6(e)に示す順序で行っても良い。
即ち、図2(a)〜図2(e)に示す実施形態では、第一の固体電解質2上に対極側の活物質層3を積層した後に、固体電解質層除去部20を形成する工程を行う例を示しているが(図2(a)〜(b)参照)、図6(a)〜図6(e)に示すように、固体電解質層除去部20を形成する工程を行った後に、固体電解質層除去部20の間の領域に、対極側の活物質層3を積層してもよい。
図5(a)〜図5(e)は、前記(2−1)(図2(a)〜図2(e))に示す実施形態の変形例を示す図である。
図5(a)〜図5(e)に示す例においては、先ず、第1の固体電解質層2、第1の活物質層1、電極集電体4、第2の活物質層1´、第2の固体電解質層2´が、この順で積層された積層体103を形成した後、当該積層体103の、第1の固体電解質層2上、及び第2の固体電解質層2´上に、それぞれ対極側の活物質層3、3´を積層した、第4の積層体104(対極側の活物質層3−第1の固体電解質層2−第1の活物質層1−電極集電体4−第2の活物質層1´−第2の固体電解質層2´−対極側の活物質層3´)を準備する(図5(a)参照)。
なお、第4の積層体104のうち、積層体103を形成する工程は、前述した(1−1)の実施形態において、図3(a)を用いて説明したのと同様にして行うことができる。
対極側の活物質層3は、図5(a)に示す例では、その長手方向の長さが、第1の活物質層1の長手方向の長さよりも短くなるように形成し、かつ当該対極側の活物質層3が、その全周に亘って、第1の固体電解質層2の形成領域の範囲内に形成されるように積層する。また、対極側の活物質層3´は、図5(a)に示す例では、その長手方向の長さが、第2の活物質層1´の長手方向の長さよりも短くなるように形成し、かつ当該対極側の活物質層3´が、その全周に亘って、第2の固体電解質層2の形成領域の範囲内に形成されるように積層する。
次に、図5(b)に示すように、前記第1の活物質層上の前記第1の固体電解質層の一部を除去してなる固体電解質層除去部を形成する工程を行う。
固体電解質層除去部を形成する工程は、図2(b)を用いて説明した固体電解質層除去部を形成する工程と同様にして行うことができる。
なお、図示しないが、固体電解質層除去部を形成する工程においては、第2の活物質層1´上の第2の固体電解質層2´の一部を除去してなる固体電解質層除去部を形成してもよい。
次に、図5(c)〜(d)に示すように、固体電解質層除去部20に、第1の固体電解質層2側から前記第4の積層体104の積層方向にレーザー光Lを照射して、該第4の積層体104を裁断する裁断工程を行う。
図5(c)〜(d)に示す裁断工程においては、第4の積層体104に照射されたレーザー光Lは、第1の活物質層1だけでなく、少なくとも電極集電体4、第2の活物質層1´においても吸収される。第1の活物質層1、電極集電体4、及び第2の活物質層1´の構成材料の気化により発生した噴出ガスGは、固体電解質層除去部20、並びに第1の活物質層1及び電極集電体4の裁断部に形成されたガスの自由通路を通って、外部に放出される(図5(d)参照)。これにより、対極側の活物質層3、裁断後の第1の固体電解質層2a、裁断後の第1の活物質層1a、裁断後の電極集電体4a、裁断後の第2の活物質層1a´、裁断後の第2の固体電解質層2a´、対極側の活物質層3´が、この順で積層された、第4の中間積層体104a(対極側の活物質層3−第1の固体電解質層2a−第1の活物質層1a−電極集電体4a−第2の活物質層1a´−第2の固体電解質層2a´−対極側の活物質層3´)を得た後(図5(d)参照)、さらに対極側の集電体を積層するなどの工程を追加することにより、全固体電池204を得る(図2(e)参照)。
上記した図5(a)〜図5(e)に示す本開示の製造方法では、第1の固体電解質層2に固体電解質層除去部20を形成し、当該固体電解質層除去部20に、レーザー光Lを照射しているため、第4の積層体104の裁断時に、第1の固体電解質層2の一部が剥離する現象を抑制することができる。
このため、図2(a)〜図2(e)の実施形態において説明したのと同様の理由により、第1の活物質層1のロスを増大させることなく、得られる全固体電池204における、第1の活物質層1aと対極側の活物質層3との絶縁性、及び第2の活物質層1a´と対極側の活物質層3´との絶縁性を確保することができる。
なお、図6(a)〜図6(f)に示す実施形態は、例えば図7(a)〜図7(f)に示すように、第1の積層体101(電極集電体4−第1の活物質層1−第1の固体電解質層2)を長尺状に形成し(図7(a)参照)、当該第1の積層体101の第1の固体電解質層2上に、複数の固体電解質層除去部20を形成した後(図7(b)参照)、図6(c)〜図6(f)で説明したのと同様の手順により、図7(c)〜図7(f)二示す工程を行ってもよい。
なお、前述したように、第1の積層体101、第2の積層体102、第3の積層体103、第4の積層体104の裁断により得られた、第1の中間積層体101a、第2の中間積層体102a、第3の中間積層体103a、第4の中間積層体104aにおいて、第1の活物質層1aの裁断端が、第1の固体電解質層2aの裁断端よりも、より外側に突出している場合や、第2の活物質層1a´の裁断端が、第2の固体電解質層2a´の裁断端よりも、より外側に残留している場合には、第1の活物質層1aの突出した端部や第2の活物質層1a´の突出した端部を、レーザー照射又は切削刃を用いて除去してもよい。
2.全固体電池
前記全固体電池201、202は、電極集電体4a、第1の活物質層1a、第1の固体電解質層2a、対極側の活物質層3が、この順序で配列され、これらが直接又は他の材料からなる部分を介して接合しており、さらに対極側の集電体が積層されて構成されている。また、前記全固体電池203、204は、対極側の活物質層3、第1の固体電解質層2a、第1の活物質層1a、電極集電体4a、第2の活物質層1a´、第2の固体電解質層2a´、対極側の活物質層3´が、この順序で配列され、これらが直接又は他の材料からなる部分を介して接合しており、さらに対極側の集電体が積層されて構成されている。
電極集電体−第1の活物質層−第1の固体電解質層−対極側の活物質層の、第1の活物質層及び対極側の活物質層のそれぞれの厚みは、通常0.1μm以上200μm以下程度であり、第1の固体電解質層の厚みは、通常0.1μm以上300μm以下程度である。
また、対極側の活物質層−第1の固体電解質層−第1の活物質層−電極集電体−第2の活物質層−第2の固体電解質層−対極側の活物質層の、第1の活物質層、第2の活物質層及び対極側の活物質層のそれぞれの厚みは、通常0.1μm以上200μm以下程度であり、第1の固体電解質層及び第2の固体電解質層のそれぞれの厚みは、通常0.1μm以上300μm以下程度である。
なお、前記全固体電池201〜204には、それぞれ外装体等の他の部材を取り付けてもよい。
以下に、実施例を挙げて、本開示を更に具体的に説明するが、本開示は、この実施例のみに限定されるものではない。
1.積層体の製造
[製造例1]
(1)負極活物質層形成工程
ポリプロピレン製容器に負極を形成するための各原料を加えた。
・負極活物質粒子:単結晶Si(高純度化学株式会社製)(平均粒径5μm) 2.0g
・硫化物系固体電解質:LiIを含むLiS−P系ガラスセラミックス( 平均粒径1.5 μm) 1.5g
・結着剤:PVdF系バインダーの10質量%酪酸ブチル溶液 0.4g
・分散媒:酪酸ブチル 2.1g
・導電助剤:VGCF 0.1g
容器中の混合物を、超音波分散装置(エスエムテー社製、UH−50)により30秒間攪拌した。次に、容器を振とう器(柴田科学株式会社製、TTM−1)で30分間振とうさせ、負極用合材を調製した。
アプリケーターを用いてブレード法により負極用合材を銅箔(負極集電体、UACJ製箔社製)の片面上に塗工して負極合材層を形成し、次いで、100℃のホットプレート上で30分間乾燥させ、負極活物質層を形成した。
(2)固体電解質層形成工程
ポリプロピレン製容器に下記固体電解質層を形成するための各原料を加えた。
・硫化物系固体電解質:LiIを含むLiS−P系ガラスセラミックス(平均粒径2.0 μm) 1g
・結着剤:PVdF系バインダーの5質量%酪酸ブチル溶液 0.1g
・分散媒:酪酸ブチル 1.5g
容器中の混合物を、超音波分散装置(エスエムテー社製、UH−50)により30秒間攪拌した。次に、容器を振とう器(柴田科学株式会社製、TTM−1)で30分間振とうさせ、固体電解質層用組成物を調製した。
アプリケーターを用いてブレード法により固体電解質層用組成物を剥離シート(Al箔)上に塗工し、固体電解質層を形成した。この固体電解質層を、100℃のホットプレート上で30分間乾燥させた。
固体電解質層形成工程において得られた固体電解質層−剥離シート(Al箔)の積層体の、固体電解質層側の表面を、負極活物質層形成工程において得られた、銅箔(負極集電体)−負極活物質層の積層体の負極活物質層側の表面に重ね合わせて積層した後、当該固体電解質層から剥離シート(Al箔)を剥離することにより、負極活物質層上に固体電解質層を転写した。これにより、積層体1(負極集電体(銅箔)−負極活物質層−固体電解質層)を得た。
2.積層体の裁断
[実施例1]
製造例1で製造した積層体1の固体電解質層の表面に、波長1μmのレーザー光を照射強度1200W/cm、照射時間4×10−5秒で照射して、固体電解質層除去部を形成した。固体電解質層除去部の幅は、0.39mmであった。
次いで、積層体1の固体電解質層除去部に向けて、負極集電体(銅箔)−負極活物質層−固体電解質層の積層方向に、固体電解質層側から、波長1μmのレーザー光を照射強度6000W/cm、照射時間1.3×10−5秒で照射して、積層体1の裁断を行った。
[比較例1]
製造例1で製造した積層体1に対して、負極集電体(銅箔)−負極活物質層−固体電解質層の積層方向に、固体電解質層側からレーザー光を照射して、積層体1の裁断を行った。レーザー光の照射は、実施例1において、積層体1を裁断する時のレーザー光の照射条件と同じ条件で行った。なお、比較例1において、固体電解質層除去部の形成は行わなかった。
3.評価
(1)裁断後の積層体の観察
実施例1及び比較例1において、レーザー照射による裁断後の積層体1の固体電解質層側の表面をSEMにより観察した。観察画像を図11及び図12に示す。
4.考察
固体電解質層除去部を形成することなく、レーザー照射による裁断を行った比較例1では、裁断後の積層体1の表面には、図12に示されるように、固体電解質層の剥離が生じていた。図12において、レーザー光による裁断端から、固体電解質層の端部までの領域の幅である固体電解質層剥離幅Dは、約0.37mmであった。
一方、積層体による裁断工程の前に、幅0.39mmの固体電解質層除去部を形成し、当該固体電解質層除去部に向けてレーザー光を照射して積層体1の裁断を行った、実施例1では、図11に示すように、裁断後の積層体1において、予め形成した固体電解質層除去部から、第1の固体電解質層の剥離が拡大することなく、積層体1の裁断を行うことができた。具体的には、実施例1では、図11に示すように、裁断後の積層体1の表面において、レーザー光による裁断端から、固体電解質層の端部までの領域の幅である固体電解質層剥離幅Dは、0.17mmであった。なお、図11に示す、固体電解質層剥離幅Dの領域は、積層体1の裁断を行う前に形成した、固体電解質層除去部の領域の一部である。
1、1a 第1の活物質層
1´、1a´ 第2の活物質層
2、2a 第1の固体電解質層
2´、2a´ 第2の固体電解質層
3、3´ 対極側の活物質層
4、4a 電極集電体
11 剥離領域21の直下の活物質層
12 領域21´の直下に存在する活物質層
20 固体電解質層除去部
21 剥離領域
21´ 固体電解質の剥離の発生が予想される領域
31 対極側の活物質層3の端部
32 裁断部のマージン
101 第1の積層体101
101a 第1の中間積層体101a
102 第2の積層体102
102a 第2の中間積層体102a
103 第3の積層体103
103a 第3の中間積層体103a
104 第4の積層体104
104a 第4の中間積層体104a
106、106a、107 積層体
201〜204 全固体電池
D 対極側の活物質層3の端部31から剥離部20までの距離
101E 裁断端
G 噴出ガス
L レーザー光
L1 第1の活物質1aの長手方向の長さ
L2 対極側の活物質層3の長手方向の長さ
L3 第2の活物質層1a´の長手方向の長さ
L4 対極側の活物質層3´の長手方向の長さ

Claims (3)

  1. 第1の活物質層上に第1の固体電解質層を積層した第1の積層体を準備する工程と、
    前記第1の活物質層上の前記第1の固体電解質層の一部を除去してなる固体電解質層除去部を形成する工程と、
    前記固体電解質層除去部に、前記第1の積層体の積層方向にレーザー光を照射して、該第1の積層体を裁断する工程と、を有することを特徴とする、全固体電池の製造方法。
  2. 前記裁断工程の前に、前記第1の固体電解質層の前記第1の活物質層が積層された側とは反対側にさらに対極の活物質層を積層して第2の積層体を準備する工程を有し、
    前記裁断工程が、前記固体電解質層除去部に、前記第2の積層体の積層方向にレーザー光を照射して、該第2の積層体を裁断する工程である、請求項1に記載の全固体電池の製造方法。
  3. 前記第1の積層体として、前記第1の固体電解質層、前記第1の活物質層、電極集電体、第2の活物質層、第2の固体電解質層の順で積層された第3の積層体を準備し、
    前記裁断工程において、前記固体電解質層除去部に、前記第3の積層体の積層方向にレーザー光を照射して、該第3の積層体を裁断する、請求項1又は2に記載の全固体電池の製造方法。
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