JP2020067198A - 防御システムおよびマルチセンサシステム - Google Patents

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Abstract

【課題】到来波に対する対抗処理を適切に行うことができる防御システムおよびマルチセンサシステムを得ること。【解決手段】防御システム1は、到来波処理部の一例である空中線信号処理部10と、情報格納部の一例である制御情報格納部50と、制御部の一例である妨害実施制御部60とを備える。到来波処理部は、波源からの到来波を観測し、到来波の到来方位を含む観測情報を出力する。情報格納部は、到来波の到来方位に応じた移動体の諸元の情報が設定された諸元情報を格納する。制御部は、観測情報と諸元情報とに基づき、到来波処理部によって観測された到来波に対する移動体の諸元を判定し、判定した結果に基づいて、到来波に応じた処理の実行の有無を制御する。【選択図】図1

Description

本発明は、到来波の観測結果に応じた対抗処理を行う防御システムおよびマルチセンサシステムに関する。
航空機などの移動体に搭載される防御システムは、到来波の観測情報に基づいて類識別処理を実施して脅威を判定し、かかる判定結果に応じて、妨害波を送信する妨害部を制御することで、到来波の観測結果に応じた対抗処理を行う。
例えば、特許文献1には、脅威電波源の距離および到来波の諸元に基づいて脅威電波源に対して妨害を実施するのに必要な妨害電力を計算し、かかる計算結果に基づいて、脅威電波源に向けて妨害波を送信する技術が開示されている。
特開2001−235535号公報
しかしながら、航空機などの移動体では、RCS(Radar Cross Section:レーダ反射断面積)が一定ではなく、妨害波を送信することが適切でない場合がある。
例えば、電波シーカを搭載するミサイルには、妨害電波を受信した際に妨害電波の到来方位を攻撃するホームオンジャム(Home on Jam)と呼ばれる機能を有するものがある。近年、防御システムを搭載する航空機のRCSを低下させたステルス機と呼ばれる低RCS機の採用が進んでいるが、かかるステルス機においても全ての方位に対するRCSの低下は難しい。
そのため、低RCS機において特許文献1に記載の技術を採用した場合、RCSが小さい方位から到来するミサイルに対して、低RCS機のRCSに応じてレーダ反射波を上回る送信電力で妨害電波を送信することになる。そのため、低RCS機を電波シーカで捕捉できていないミサイルに対して、妨害波の送信で低RCS機の捕捉を助けることになる。結果的に、ホームオンジャムでミサイルが低RCS機に向けて攻撃可能となるといった課題がある。
また、妨害波の送信以外の妨害、例えば、射出型の妨害機材を用いた妨害を行う場合でも、ミサイルなどの脅威側で観測が可能な状況では、対抗措置により妨害を無効化することが容易になる。低RCS機では、RCS変動の幅が大きくなる傾向があり、脅威の到来方位に応じて、射出型の妨害機材を適切に射出するための機能が必要になる。
また、脅威側が有する観測手段として、電波センサの他、光波センサが含まれる場合がある。この場合、防御システムを搭載した移動体の諸元としては、赤外線放射強度を考慮する必要がある。
また、衝突を防止するために自動車などの車両の位置を他車両にレーダで精度よく観測させたい場合においても、車両のRCSが一定でないことから、自車両の存在を観測させることが難しい場合がある。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、到来波に対する対抗処理を適切に行うことができる防御システムを得ることを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る防御システムは、移動体に搭載される防御システムであって、到来波処理部と、情報格納部と、制御部と、を備える。到来波処理部は、波源からの到来波を観測し、到来波の到来方位を含む観測情報を出力する。情報格納部は、到来波の到来方位に応じた移動体の諸元の情報が設定された諸元情報を格納する。制御部は、観測情報と諸元情報とに基づき、到来波処理部によって観測された到来波に対する移動体の諸元を判定し、判定した結果に基づいて、到来波に応じた処理の実行を制御する。
本発明によれば、到来波に対する対抗処理を適切に行うことができる、という効果を奏する。
本発明の実施の形態1にかかる防御システムの一例を示す図 実施の形態1にかかる防御システムによる対抗方法を説明するための図 実施の形態1にかかる移動体とシーカ搭載ミサイルとの関係を示す図 実施の形態1にかかる制御情報格納部に格納される電波妨害実施制御情報に含まれる反射係数テーブルの一例を示す図 レーダ反射波の電力が小さい場合に脅威電波源に対して妨害波を送信した場合の脅威電波源側で観測されるレーダ反射波の電力を示す図 実施の形態1にかかる防御システムの動作の一例を示すフローチャート 実施の形態1にかかる防御システムの変形例の構成を示す図 図7に示す防御システムの観測の実施と妨害波の送信との切り替えの一例を示す図 実施の形態1にかかる受信制御部の処理の一例を示すフローチャート 実施の形態1にかかる制御回路の構成例を示す図 本発明の実施の形態2にかかる防御システムの構成例を示す図 実施の形態2にかかる防御システムの第1変形例の構成を示す図 実施の形態2にかかる防御システムの第2変形例の構成を示す図 実施の形態2にかかる防御システムの第3変形例の構成を示す図 実施の形態2にかかる防御システムの第4変形例の構成を示す図 本発明の実施の形態3にかかる防御システムの構成例を示す図 本発明の実施の形態4にかかる防御システムを含むアビオニクスシステムの構成例を示す図 実施の形態4にかかるアビオニクスシステムの第1変形例の構成を示す図 実施の形態4にかかるアビオニクスシステムの第2変形例の構成を示す図 実施の形態4にかかるアビオニクスシステムの第3変形例の構成を示す図 本発明の実施の形態5にかかる防御システムの構成例を示す図 実施の形態5にかかる防御システム処理の一例を示すフローチャート 実施の形態5にかかる防御システムの第1変形例の構成を示す図 実施の形態5にかかる防御システムの第2変形例の構成を示す図
以下に、本発明の実施の形態にかかる防御システムおよびマルチセンサシステムを図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1にかかる防御システムの一例を示す図である。図1に示すように、実施の形態1にかかる防御システム1は、到来波の観測結果に基づいて脅威電波源へ向けて妨害電波を送信する防御システムである。
図1に示すように、防御システム1は、空中線信号処理部10と、判定情報格納部20と、目標情報格納部30と、類識別部40と、制御情報格納部50と、妨害実施制御部60と、妨害部70とを備える。かかる防御システム1は、移動体2に搭載される。移動体2は、例えば、航空機である。妨害部70には、妨害電波を発する妨害電波送信部71が含まれる。
空中線信号処理部10は、空中線の機能と信号処理の機能とを有する。空中線信号処理部10は、到来する電波を空中線で受信し、到来する電波の到来方位の情報と電波諸元の情報とを含む観測情報を出力する。電波諸元には、少なくとも、空中線で受信した電波の受信電力および受信周波数が含まれる。
判定情報格納部20には、電波諸元に対する類識別判定基準の情報である類識別判定情報と、妨害目標に対する対抗方法の情報である対抗方法情報とが格納されている。類識別判定情報は、到来波の電波諸元および到来方位などに基づいて類識別のための判定基準を示す情報である。対抗方法情報は、事前に観測した脅威電波源に対する対抗方法の種類を示す情報である。対抗方法の種類には、第1妨害方法と第2妨害方法とがある。
図2は、実施の形態1にかかる防御システムによる対抗方法を説明するための図である。第1妨害方法は、レーダによる移動体2の観測を電力によって困難とする妨害方法である。例えば、第1妨害方法は、図2に示すように、妨害対象となるレーダが、かかるレーダの電波に対する移動体2の反射波よりも、高い電力となる妨害波を受信するように妨害電波を送信する妨害方法である。以下、脅威からの到来電波を脅威電波と記載し、かかる脅威電波に対する移動体2の反射波を便宜上レーダ反射波と記載する。
また、第2妨害方法は、レーダに間違った移動体2の位置や速度を観測させる妨害方法である。例えば、第2妨害方法は、図2に示すように、妨害対象となるレーダ側での受信電力がレーダ反射波よりも若干大きい受信電力になる電力を有し、且つレーダ反射波のピークとは異なる観測位置または速度となるピークを発生させる妨害波を送信する妨害方法である。
目標情報格納部30は、類識別部40による過去の到来電波に対する類識別判定結果を示す目標情報を目標情報毎に格納する。目標情報には、空中線信号処理部10による前時刻までの防御目標の観測情報が含まれる。
類識別部40は、空中線信号処理部10の観測情報に基づいて、脅威電波源を判定する類識別処理と、脅威電波源に対する対抗方法を決定する対抗方法決定処理を行う。脅威電波源は、例えば、シーカを搭載しているミサイルであるシーカ搭載ミサイルなどのウェポン、または火器管制レーダを搭載した航空機である。図3は、実施の形態1にかかる移動体とシーカ搭載ミサイルとの関係を示す図である。図3に示すシーカ搭載ミサイルは、ホームオンジャムを有しており、シーカ搭載ミサイルのレーダに対する移動体2からの妨害波を捕捉し、ホームオンジャムによって移動体2に向けて飛翔する。
類識別部40は、類識別判定処理において、目標情報格納部30に格納された目標情報に含まれる前時刻までの観測結果と空中線信号処理部10の観測結果とを比較して、追尾処理を実施し、到来電波の電波源が脅威電波源であるか否か、脅威電波源がウェポンであるか航空機であるか、および同一の脅威電波源からの到来電波か新規の脅威電波源からの到来電波かなどを判定する。類識別部40は、同一の脅威電波源である場合、類識別判定結果を目標情報に追加し、新規の脅威電波源である場合、類識別判定結果を含む新たな目標情報を目標情報格納部30に格納する。
また、類識別部40は、対抗方法決定処理において、判定情報格納部20に格納された対抗方法情報に基づいて、類識別判定処理で判定された脅威電波源に対する対抗方法を決定する。例えば、類識別部40は、類識別判定処理で判定された脅威電波源に対する対抗方法が第1妨害方法である場合、脅威電波源に対する対抗方法を第1妨害方法に決定する。また、類識別部40は、類識別判定処理で判定された脅威電波源に対する対抗方法が第2妨害方法である場合、脅威電波源に対する対抗方法を第2妨害方法に決定する。類識別部40は、対抗方法決定処理によって判定した対抗方法を含む妨害指示を空中線信号処理部10からの観測情報と共に妨害実施制御部60へ通知する。
類識別部40は、空中線信号処理部10からの観測情報がない場合、目標情報に含まれる前時刻までの観測情報に基づいて、メモリトラックと呼ばれる手法で現時刻での到来電波情報を生成する。類識別部40は、かかるメモリトラックを用いた到来電波情報に基づいて、判定情報格納部20に格納された対抗方法情報を参照し、到来電波に応じた妨害指示を妨害実施制御部60へ通知する。また、類識別部40は、目標情報の更新または削除を実施する。このため、防御システム1は、脅威からの到来電波を空中線信号処理部10で連続して受信しない状況でも、継続して妨害を実施するシステムとして動作する。
制御情報格納部50は、脅威波に対する移動体2の諸元に応じて、妨害波の送信の有無を切替えるための情報を含む電波妨害実施制御情報を格納する。脅威波に対する移動体2の諸元は、脅威波に対する移動体2の反射波の電力などである。以下において、脅威波に対する移動体2の諸元を自己諸元と記載する場合がある。図4は、実施の形態1にかかる制御情報格納部に格納される電波妨害実施制御情報に含まれる反射係数テーブルの一例を示す図である。
図4に示す反射係数テーブルは、脅威電波の到来方位毎の反射係数が含まれる。反射係数は、レーダ反射波の電力を演算するための係数であり、脅威電波の到来方位に対する移動体2のRCS値に基づいて設定される。例えば、図4に示す例では、水平方向「−180deg」かつ垂直方向「+90deg」である場合の移動体2のRCS係数は、「10」である。また、図4に示す例では、水平方向「−30deg」かつ垂直方向「0deg」である場合の移動体2のRCS係数は、「1.1」である。
また、電波妨害実施制御情報には、レーダ反射波の電力を演算するための数式情報と妨害の有無の情報とが含まれる。かかる電波妨害実施制御情報には、例えば、下記(1)〜(3)の情報が含まれる。
Pr×ks>Th1:妨害有り ・・・(1)
Pr×ks≦Th1:妨害無し ・・・(2)
Th1=2.0 ・・・(3)
上記(1),(2)において、「Pr」は、観測情報に含まれる脅威電波の受信電力であり、「ks」は、反射係数テーブルに含まれる複数の反射係数のうち、脅威電波の到来方位に応じた反射係数である。「Pr×ks」は、レーダ反射波の電力またはレーダ反射波の電力に正比例する値を示す。
また、上記(1)〜(3)において、「Th1」は、妨害実施閾値である。かかる妨害実施閾値Th1は、脅威が捕捉困難と考えられる範囲の最大値に設定される。上記(3)に示す例では、「Pr×ks」が2.0以上であれば、脅威ミサイルシーカは、レーダ反射波の電力またはホームオンジャムで観測可能であるものとして妨害実施閾値が設定されている。
妨害実施制御部60は、類識別部40から通知される観測情報と妨害指示に基づいて、妨害電波の送信の有無を決定する。具体的には、妨害実施制御部60は、類識別部40から妨害指示が通知された場合、制御情報格納部50を参照し、観測情報に含まれる脅威電波の到来方位と諸元に基づいて、妨害部70の妨害電波送信部71からの妨害電波の送信を制御する制御指示を妨害部70に通知する。
妨害実施制御部60は、妨害電波送信部71から妨害電波を送信させる場合、類識別部40から通知された妨害指示および観測情報に基づいて、妨害電波送信部71から妨害電波を送信させる制御指示を妨害部70に通知する。かかる制御指示には、妨害電波の電波諸元の情報が含まれる。
例えば、妨害実施制御部60は、妨害指示が示す妨害方法が第1妨害方法である場合、観測情報に基づいて、妨害対象となるレーダが、かかるレーダの電波に対する移動体2の反射波よりも高い電力の妨害波を受信するように妨害電波を妨害電波送信部71から送信させる制御指示を妨害部70に通知する。また、妨害実施制御部60は、妨害指示が示す妨害方法が第2妨害方法である場合、観測情報に基づいて、妨害対象となるレーダ側での受信電力がレーダの電波に対する移動体2の反射波よりも若干大きい受信電力になる電力を有し、且つ反射波のピークとは異なる観測位置または観測速度となるピークを発生させる妨害波を妨害電波送信部71から送信させる制御指示を妨害部70に通知する。
ここで、反射係数テーブルが図4に示す状態であり、且つ電波妨害実施制御情報に上記(1)〜(3)の情報が含まれているとして、妨害実施制御部60による制御の例を説明する。
水平面かつ移動体2の機首正面から脅威電波が到来し、かかる脅威電波の空中線信号処理部10における受信電力が「1.0」であるとする。水平面は、垂直方向が「0deg」の面であり、移動体2の機首正面は、水平方向が「0deg」である。この場合、Pr×ks=1.0×1=1であり、上記(2)の式を満たすため、妨害実施制御部60は、妨害電波送信部71から妨害電波を送信させない。すなわち、妨害実施制御部60は、妨害波を妨害電波送信部71から送信させる制御指示を妨害部70に通知しない。
図5は、レーダ反射波の電力が小さい場合に脅威電波源に対して妨害波を送信した場合の脅威電波源側で観測されるレーダ反射波の電力を示す図である。図5に示すように、レーダ反射波の電力が脅威電波源側で有効に観測できない電力である場合に、妨害波を脅威電波源へ向けて送信すると、脅威電波源側で妨害波が観測可能になる。そのため、脅威電波源がミサイルのシーカである場合、ホームオンジャムによってミサイルが移動体2に向けて飛翔する。
一方、防御システム1では、レーダ反射波の電力が脅威電波源側で有効に観測できない電力である場合には、脅威電波源側に妨害波を送信しない。そのため、例えば、脅威電波源がミサイルのシーカである場合、妨害電波が送信されないため、ホームオンジャムも観測ができない。このように、レーダ反射波の電力が脅威電波源側で有効に観測できない電力であると判定される場合には、妨害波の送信を停止することで、脅威側の観測を困難にすることができる。
また、水平面かつ移動体2の機首後方から脅威電波が到来し、かかる脅威電波の空中線信号処理部10における受信電力が「1.0」であるとする。水平面は、垂直方向が「0deg」の面であり、移動体2の機首正面は、水平方向が「+180deg」である。この場合、Pr×ks=1.0×10=10であり、上記(1)の式を満たすため、妨害実施制御部60は、妨害電波送信部71を制御して妨害電波送信部71から妨害電波を送信させる。上記(1)の式を満たす場合、脅威電波源側でレーダの反射電力の観測を有効に行うことができるため、妨害電波の送信を停止しても効果がない時に限定して、妨害波を送信することができる。
妨害実施制御部60は、反射係数テーブルに脅威電波の到来方位と一致する方向の反射係数がない場合、脅威電波の到来方位に最も近い方向の反射係数を反射係数テーブルから取得する。なお、妨害実施制御部60は、脅威電波の到来方位に隣接する方向の反射係数を按分して上記(1),(2)の演算に用いる反射係数を決定することもできる。また、反射係数の刻み幅が脅威電波の到来方位の観測精度よりも細かい場合、反射係数テーブルのうち到来方位に対応する範囲の反射係数を平均した値を上記(1),(2)の演算に用いる反射係数とすることもできる。
なお、上述した例では、制御情報格納部50に格納する制御情報は、方位別の反射係数、判定式、および妨害実施閾値を含む情報であるが、制御情報は、妨害電波の送信の有無を制御することができる情報であればよく、上述した例に限定されない。例えば、図4に示す反射係数テーブルは、刻み幅が30degであるが、刻み幅は、30deg未満であっても30deg超であってもよい。
図6は、実施の形態1にかかる防御システムの動作の一例を示すフローチャートである。図6に示すように、防御システム1の空中線信号処理部10は、脅威からの到来電波を観測する到来電波観測処理を行う(ステップS10)。かかるステップS10において、空中線信号処理部10は、脅威電波の観測結果を含む観測情報を類識別部40へ通知する。
類識別部40は、判定情報格納部20に格納されている類識別判定情報を参照し、空中線信号処理部10から通知される観測情報に基づいて、電波源に対する類識別処理を行う(ステップS11)。類識別部40は、ステップS11における類識別処理の結果を現時刻の観測結果として目標情報格納部30の目標情報に追加して、目標情報を更新する(ステップS12)。
また、類識別部40は、判定情報格納部20に格納された対抗方法情報に基づいて、類識別判定処理で判定された脅威電波源に対する対抗方法を決定する(ステップS13)。かかる処理において、類識別部40は、決定した対抗方法を示す妨害指示を空中線信号処理部10からの観測情報と共に妨害実施制御部60へ通知する。
妨害実施制御部60は、類識別部40から取得した観測情報に基づいて、妨害波の送信の有無を決定する(ステップS14)。妨害実施制御部60は、妨害波の送信の有を決定した場合(ステップS15:Yes)、妨害電波送信部71に妨害波の送信を実施させる(ステップS16)。防御システム1は、ステップS16の処理が終了した場合、妨害波の送信の無を決定した場合(ステップS15:No)、図6に示す処理を終了する。なお、図6に示す処理は、到来電波の有無とは無関係に周期的に実施される。類識別部40は、空中線信号処理部10からの観測情報がない場合、例えば、類識別部40は、メモリトラックを用いた到来電波情報に基づいて、判定情報格納部20に格納された対抗方法情報を参照し、到来電波に応じた妨害指示を妨害実施制御部60へ通知する。
以上のように、防御システム1は、電波到来方位の移動体2のRCSの大きさに応じて、妨害波送信の有無を制御する。そのため、防御システム1は、RCSが小さい方位からの脅威に対して妨害電波を送信することによる被検出を抑制し、かつ、RSCの大きい方位からの脅威に対しては妨害電波を送信できる防御システムを得ることができる。これにより、ホームオンジャムのような妨害電波の到来方位を攻撃可能なミサイルなどの脅威に対して、妨害電波の送信により危険な状況に陥ることを回避できる。また、移動体2のRCSを小さくすることによる非探知性の向上の効果と、移動体2のRCSが大きい方位からの脅威には適切な妨害を実施可能な、到来方位に応じて適切な妨害波の送信有無の切り替え可能な防御システムを得ることができる。
RCSの大きさは変動幅が大きく、近年の低RCS機では、脅威レーダおよびシーカの検出の可否が移動体2と脅威との位置関係などによって変化することが多い。このように、脅威レーダおよびシーカの検出可否が変化するような移動体2に防御システム1を搭載することで、妨害電波の送信有と送信無とを適切に切り替えることができる。
上述した例では、妨害実施制御部60は、各時刻における脅威電波の受信電力に応じて、妨害波の送信の有無を制御するが、類識別部40は、脅威電波が継続して受信されているか否かに基づいて、妨害波の送信の有無を制御することもできる。この場合、制御情報格納部50には、例えば、下記(4)〜(8)の情報を含む電波妨害実施制御情報が格納される。
Pr×ks≦Th2:妨害無し ・・・(4)
Th2<Pr×ks≦Th3:受信継続有時で妨害有り、受信継続無時で妨害無し
・・・(5)
Pr×ks>Th3:妨害有り ・・・(6)
Th2=1.5 ・・・(7)
Th3=5.5 ・・・(8)
上記(7),(8)において「Th2」および「Th3」は妨害実施閾値である。かかる妨害実施閾値Th2は、確実に脅威が捕捉困難と考えられる範囲の最大値に設定される。また、妨害実施閾値Th3は、脅威による捕捉可否が曖昧な範囲の最大値に設定される。
妨害実施制御部60は、上記(4)〜(8)の情報を含む電波妨害実施制御情報に基づいて、妨害波の送信の有無を制御することができる。具体的には、妨害実施制御部60は、Pr×ks≦1.5の場合、および、1.5<Pr×ks≦5.5であり、且つ同一脅威電波源の脅威電波を継続して受信していない場合、妨害電波の送信をしない決定をする。また、妨害実施制御部60は、1.5<Pr×ks≦5.5であり、且つ同一脅威電波源の脅威電波を継続して受信している場合、およびPr×ks>5.5の場合、妨害電波の送信をする決定をする。
例えば、反射係数テーブルが図4に示す状態であり、且つ電波妨害実施制御情報に上記(4)〜(8)の情報が含まれているものとする。脅威電波の空中線信号処理部10における受信電力が「1.0」であり、脅威電波の到来方位が垂直方向「0deg」且つ水平方向「−120deg」であるとする。この場合、Pr×ks=1.0×5=5であるため、妨害実施制御部60は、脅威電波源から脅威電波を継続していれば、妨害電波の送信をする決定を行い、脅威電波源から脅威電波を継続していなければ、妨害電波の送信をしない決定をする。
脅威側のレーダまたはミサイルシーカの性能を正確に知ることは困難である。そのため、妨害実施制御部60では、レーダ反射波の電力であるレーダ反射波電力が脅威による捕捉可否が曖昧な範囲である場合、脅威電波の継続受信の有無に応じて、妨害の有無を決定する。これにより、脅威電波の受信状況を考慮して、妨害電波の送信の有無を制御することができる。脅威側のレーダまたはミサイルシーカは、移動体2を観測できていなくても脅威電波を発することがあることから、脅威電波の継続受信の有無と組み合わせて妨害電波の送信の有無を制御することには効果がある。
また、上述した例では、妨害実施制御部60は、脅威の種別に関係なく、脅威電波の到来方位に応じて妨害波の送信の有無を制御したが、脅威の種別に応じて、妨害波の送信の有無を制御するか否かを決定することができる。例えば、妨害実施制御部60は、類識別部40で電波諸元がミサイルであると判定された場合には、脅威電波の到来方位に応じて妨害波の送信の有無を制御し、類識別部40で電波諸元が航空機であると判定された場合には、脅威電波の到来方位に関係なく妨害電波送信部71から妨害波を送信させる。
このように、妨害実施制御部60は、類識別部40による到来電波の識別状況に基づいて、脅威電波の到来方位に応じた妨害波制御の実施有無を切り替えることもできる。ホームオンジャムのような妨害電波への対抗手段は、一般に、ミサイルシーカでは有効であるが、航空機搭載の火器管制レーダでは使用困難である。このため、到来電波の識別状況に応じて、妨害波有無の制御方法を変更することによって、防御システムとして対抗方法を柔軟に選択することができる。また、一般に、脅威に捕捉されている際に、ミサイルシーカからの電波は継続的に観測されるが、航空機搭載の火器管制レーダは間欠的にしか観測できないことも多い。このため、受信状況に応じた妨害波有無の判定条件と、到来電波の識別状況を組み合わせることで、脅威の状況に応じた設定が可能な防御システムを得ることができる。
次に、実施の形態1にかかる防御システム1の変形例を説明する。図7は、実施の形態1にかかる防御システムの変形例の構成を示す図である。図7に示す防御システム1は、受信制御部80を有する点、および制御情報格納部50に格納される電波妨害実施制御情報が異なる点で、図1に示す防御システム1と異なる。
受信制御部80は、制御情報格納部50に格納されている電波妨害実施制御情報を参照し、類識別部40から通知される観測情報に基づいて、妨害電波の送信と到来電波の観測の切り替えを制御する。
制御情報格納部50に格納される電波妨害実施制御情報は、上記(4)〜(8)の情報に代えて、例えば、下記(9)〜(13)の情報を含む。
Pr×ks≦Th2:妨害無し、対象周波数の観測時間増加 ・・・(9)
Th2<Pr×ks≦Th3:受信継続有時で妨害有り、受信継続無時で妨害無し
妨害無し:対象周波数の観測時間増加
妨害有り:観測対妨害=1:1 ・・・(10)
Pr×ks>Th3:妨害有り、観測対妨害=1:5 ・・・(11)
Th2=1.5 ・・・(12)
Th3=5.5 ・・・(13)
受信制御部80は、類識別部40から観測情報を取得し、取得した観測情報に基づいて、妨害実施制御部60と同様の方法で電波妨害の有無を判定する。受信制御部80は、妨害有りと判定した場合、妨害波の送信と到来電波の観測の実施時間比を電波妨害実施制御情報に従って決定する。
受信制御部80は、Pr×ksの演算を行う。そして、受信制御部80は、例えば、Th2<Pr×ks≦Th3且つ妨害有りであれば、観測の実施と妨害波の送信とを1:1の割合で時分割により実施するように、空中線信号処理部10、類識別部40、および妨害電波送信部71に指示する。また、受信制御部80は、例えば、Pr×ks>Th3である場合、観測の実施と妨害波の送信とを1:5の割合で時分割により実施するように、空中線信号処理部10および類識別部40と、妨害電波送信部71とに指示する。
空中線信号処理部10および類識別部40は、受信制御部80に指示された割合で、到来電波の観測を実施し、妨害電波送信部71は、受信制御部80に指示された割合で、妨害波の送信を行う。また、空中線信号処理部10、類識別部40、および妨害電波送信部71は、受信制御部80に指示された割合で、観測の実施と妨害波の送信とを同時に実施しないように、時分割で動作する。図8は、図7に示す防御システムの観測の実施と妨害波の送信との切り替えの一例を示す図である。図8では、観測の実施と妨害波の送信とが1:5の割合で時分割により実施される例を示している。
一方、受信制御部80は、Pr×ks≦Th2である場合、またはTh2<Pr×ks≦Th3且つ妨害無しである場合、空中線信号処理部10および類識別部40に、脅威電波における周波数の観測時間増加を指示する。空中線信号処理部10および類識別部40は、指示された周波数の観測時間を増加させる。これにより、脅威電波に対する観測確率を増加させることができる。
次に、受信制御部80の処理を、図9を参照して説明する。図9は、実施の形態1にかかる受信制御部の処理の一例を示すフローチャートである。
図9に示すように、受信制御部80は、妨害実施制御部60から妨害指示および電波諸元を取得する(ステップS20)。受信制御部80は、制御情報格納部50に格納されている電波妨害実施制御情報を参照し、取得した電波諸元に基づいて、妨害波の送信の有無を判定する(ステップS21)。
受信制御部80は、妨害波の送信が有ると判定した場合(ステップS22:Yes)、制御情報格納部50に格納されている電波妨害実施制御情報を参照し、観測と妨害の実施時間比を決定する(ステップS23)。例えば、Pr×ks>Th3である場合、観測と妨害の実施時間比を観測の実施と妨害波の送信とが1:5の割合に決定する。なお、受信制御部80は、ステップS23の処理において、観測側への制御指示方法も決定する。受信制御部80は、ステップS23の処理を終了した場合、ステップS23で決定した観測と妨害の実施時間比などを含む制御指示を、空中線信号処理部10、類識別部40、および妨害電波送信部71に通知し(ステップS25)、図9に示す処理を終了する。
受信制御部80は、妨害波の送信が無いと判定した場合(ステップS22:No)、制御情報格納部50に格納されている電波妨害実施制御情報を参照し、観測側への制御指示方法を決定する(ステップS24)。受信制御部80は、ステップS24の処理を終了した場合、ステップS24で決定した制御指示方法を含む制御指示を、空中線信号処理部10および類識別部40に通知し、図9に示す処理を終了する。
妨害電波を送信中は、対象の周波数帯が観測困難となる。また、妨害実施中は、脅威の捕捉状況を確認して、脅威が失探した場合などに妨害を停止などの対処を実施するために、一定周期で電波の到来を確認する。このため、図7に示す防御システム1は、図8に示すように、観測と妨害を同時に実施しないように時分割で切り替える制御を実施する。具体的には、防御システム1は、電波到来方位に対する反射波の電力の大きさに応じて、妨害波送信の有無に加え、妨害実施時に、妨害および観測の実施時間比も制御することができる。脅威側のレーダまたはミサイルシーカの性能を正確に知ることは困難であるため、移動体2のRCSの大きさに応じて、妨害の時間と観測の時間を柔軟に変更可能とすることで、脅威に応じた柔軟な対処が可能になる。以下、観測と妨害とを時分割で切り替える制御を観測と妨害との時分割制御と記載する場合がある。
また、妨害無しの判断をした対象は、移動体2のRCSが小さいために観測困難とした脅威であるが、妨害無しの判断をした脅威が実際は移動体2の観測が可能である場合、妨害無しの判断をした脅威が移動体2に対して電波を一定の頻度で放射することが考えられる。そこで、図7に示す防御システム1は、妨害無しと判断した時に、対象の電波諸元の観測頻度を増加させる。このように、電波諸元の観測頻度を増加させることで、妨害無しとした脅威に捕捉されていた場合でも、脅威からの捕捉されている状況を観測できる時間を短縮でき、移動体2の残存性を向上させることができる。
上述した例では、妨害実施制御部60は、各時刻における到来電波の受信電力および脅威電波が継続して受信されているか否かに基づいて、妨害波の送信の有無を制御したが、さらに脅威電波の観測方位の変化を考慮して、妨害波の送信の有無を制御することもできる。この場合、制御情報格納部50に格納される電波妨害実施制御情報には、脅威電波の観測方位の変化についての条件が追加される。
例えば、電波妨害実施制御情報には、移動体2のRCSが小さな方位から大きな方位に脅威電波源の観測方位が変化する場合には、「Pr×ks」が妨害実施閾値を超えることになっても妨害波の送信の停止を継続するという条件が含まれる。また、例えば、電波妨害実施制御情報には、移動体2のRCSが大きな方位から小さな方位に脅威電波源の観測方位が変化する場合には、「Pr×ks」が妨害実施閾値以下になっても、妨害波の送信を即時に停止するという条件が含まれる。
妨害実施制御部60は、電波妨害実施制御情報に基づき、脅威電波に対する移動体2のRCSの変化を判定する。例えば、電波妨害実施制御情報に含まれる反射係数テーブルが図4に示す情報であるとする。この場合、妨害実施制御部60は、脅威電波の到来方位が垂直方向「0deg」で水平方向「+150deg」から水平方向「+180deg」へ変化していれば、妨害実施制御部60は、脅威電波源の観測方位は移動体2のRCSが小さな方位から大きな方位に変化したと判定する。また、妨害実施制御部60は、脅威電波の到来方位が垂直方向「0deg」で水平方向「+180deg」から水平方向「+150deg」へ変化していれば、妨害実施制御部60は、脅威電波源の観測方位は移動体2のRCSが大きな方位から小さな方位に変化したと判定する。
妨害実施制御部60は、移動体2のRCSが小さな方位から大きな方位に脅威電波源の観測方位が変化する場合、電波妨害実施制御情報に基づき妨害ありと判定しても、妨害波の送信の停止を継続する。そして、妨害実施制御部60は、脅威からの電波の受信後に妨害波の送信を開始するように妨害電波送信部71を制御する。
脅威電波の到来方位が、移動体2のRCSが小さな方位である場合、脅威は移動体2を捕捉できていない可能性が高い。脅威は、移動体2を捕捉していなければ、移動体2に向けて脅威電波を放射できていない状態である。かかる状態では、防御システム1が妨害電波を送信することで、脅威が移動体2を捕捉することが容易になる確率が高くなる。そこで、妨害実施制御部60は、移動体2のRCSが小さな方位から大きな方位に脅威電波源の観測方位が変化する場合には妨害波の送信の停止を継続し、脅威からの電波受信により、脅威に捕捉されたのを確認してから妨害を開始する。これにより、移動体2が脅威に捕捉される確率を低減することができる。
一方、妨害実施制御部60は、移動体2のRCSが大きな方位から小さな方位に脅威電波源の観測方位が変化する場合、電波妨害実施制御情報に基づき妨害無しと判定すると即時に妨害電波送信部71に妨害波の送信を停止させる。妨害実施制御部60は、制御指示を妨害部70に通知しないことで、妨害電波送信部71に妨害波の送信を停止させることができるが、妨害波の送信を停止させる制御指示を妨害部70に通知することで、妨害電波送信部71に妨害波の送信を停止させることもできる。
脅威電波の到来方位が、移動体2のRCSが大きな方位である場合、脅威は移動体2を捕捉できている可能性が高い。脅威は、移動体2を捕捉できている場合、メモリトラックのような過去の観測位置を基準とした情報処理により、移動体2を観測できていなくても、移動体2に向けて電波放射を一定時間継続することが可能となる場合がある。このような状況で、妨害電波送信部71から妨害電波を送信すると、脅威側に移動体2の存在位置を知らせることになってしまうが、防御システム1では、即時に妨害電波送信部71に妨害波の送信を停止することから、脅威側へ移動体2の存在位置を知らせることを抑制することができる。
受信制御部80でも、妨害実施制御部60と同様に、脅威電波の観測方位の変化を考慮して、妨害波の送信と到来電波の観測の実施時間比、および電波諸元の観測強化などを制御することができる。この場合、制御情報格納部50に格納される電波妨害実施制御情報には、脅威電波の観測方位の変化についての条件が追加される。
例えば、電波妨害実施制御情報には、移動体2のRCSが小さな方位から大きな方位に脅威電波源の観測方位が変化する場合、妨害無しでは妨害停止と同時に対象電波諸元の観測を強化し、妨害有りでは妨害と観測との時分割制御において観測の比率を多くするという条件が含まれる。また、電波妨害実施制御情報には、移動体2のRCSが大きな方位から小さな方位に脅威電波源の観測方位が変化する場合、妨害と観測との時分割制御において観測の比率を徐々に増やすという条件が含まれる。
受信制御部80は、妨害実施制御部60と同様に、電波妨害実施制御情報に基づき、脅威電波に対する移動体2のRCSの変化を判定する。受信制御部80は、移動体2のRCSが小さな方位から大きな方位に脅威電波源の観測方位が変化する場合において、電波妨害実施制御情報に基づき妨害無しと判定すると、妨害停止と同時に対象電波諸元の観測を強化するように制御指示を空中線信号処理部10、類識別部40、および妨害電波送信部71に通知する。これにより、妨害電波送信部71は、妨害電波の送信を停止し、空中線信号処理部10および類識別部40は、対象電波諸元の観測を強化する。そのため、脅威が捕捉できていない状況に適した制御を実施することができる。
また、受信制御部80は、移動体2のRCSが小さな方位から大きな方位に脅威電波源の観測方位が変化する場合において、電波妨害実施制御情報に基づき妨害有りと判定すると、妨害と観測との時分割制御において観測の比率を多くする制御指示を、空中線信号処理部10、類識別部40、および妨害電波送信部71に通知する。これにより、空中線信号処理部10、類識別部40、および妨害電波送信部71は、妨害と観測との時分割制御において観測の比率が多くなるように制御される。これにより、脅威が捕捉できていない状況に適した制御を実施することができる。
また、受信制御部80は、移動体2のRCSが大きな方位から小さな方位に脅威電波源の観測方位が変化する場合、妨害と観測との時分割制御において観測の比率を徐々に増やす制御指示を空中線信号処理部10に通知する。このように、妨害と観測の時分割制御で、観測実施の比率を徐々に増やすことで、脅威電波の到来方位が移動体2のRCSが小さな方位になることで脅威が移動体2を捕捉できなくなり、脅威から移動体2への電波放射が無くなったことを迅速に検知可能となる。これにより、防御システム1では、妨害電波の送信を停止するタイミングを早くすることができ、脅威が移動体2を観測するのを困難にすることができる。
また、上述した例では、妨害実施制御部60は、脅威電波源の観測方位に対する移動体2のRCSに応じて妨害電波の送信の有無を制御するが、移動体2のRCSに応じて妨害方法を切り替えることもできる。この場合、制御情報格納部50に格納される電波妨害実施制御情報には、移動体2のRCSに応じた妨害方法についての条件が追加される。
電波妨害実施制御情報には、例えば、上記(6)の「Pr×ks>Th3:妨害有り」に代えて「Pr×ks>Th3:第2妨害方法で妨害」の情報が含まれ、また、上記(5)の「Th2<Pr×ks≦Th3:受信継続有時で妨害有り、受信継続無時で妨害無し」に代えて「Th2<Pr×ks≦Th3:受信継続有時で第1妨害方法の妨害有り、受信継続無時で妨害無し」の情報が含まれる。この場合、妨害実施制御部60は、Pr×ks<Th3の場合、電波妨害実施制御情報に基づき、第2妨害方法での電波妨害を妨害電波送信部71に実行させる。また、妨害実施制御部60は、1.5<Pr×ks≦5.5であり、且つ同一脅威電波源の脅威電波を継続して受信している場合、電波妨害実施制御情報に基づき、第1妨害方法での電波妨害を妨害電波送信部71に実行させる。
このように、妨害実施制御部60は、脅威電波源の観測方位に対する移動体2のRCSに応じて、妨害電波の送信の有無に加え、妨害方法の選択が可能である。図5に示すように、第1妨害方法は、第2妨害方法と比較して、到来電波に対して大きな妨害電力が必要である。そのため、第1妨害方法は、脅威電波源の観測方位に対する移動体2のRCSが小さい場合には妨害電力が小さくてよく、十分な妨害電力の確保が容易であるが、脅威電波源の観測方位に対する移動体2のRCSが大きい場合には、大きな妨害電力が必要となり、電力確保が困難になる場合がある。そこで、上述したように、妨害実施制御部60は、脅威電波源の観測方位に対する移動体2のRCSが大きい場合には、第2妨害方法を選択する。これにより、妨害に必要な電力と妨害効果のバランスを取ることができる。
防御システム1のハードウェアについて説明する。上述したとおり、空中線信号処理部10は、空中線と処理回路である信号処理回路とで構成される。判定情報格納部20、目標情報格納部30、および制御情報格納部50はメモリにより実現される。判定情報格納部20を実現するメモリと目標情報格納部30を実現するメモリと制御情報格納部50を実現するメモリは別のメモリであってもよいし同一のメモリであってもよい。類識別部40は、処理回路により実現される。妨害実施制御部60は、処理回路により実現される。妨害部70は、妨害の内容に応じた機器、例えば電波の送信器、妨害機器を射出するための装置などと該機器を制御する処理回路とで構成される。
上述した信号処理回路を実現する処理回路、類識別部40を実現する処理回路、妨害実施制御部60を構成する処理回路は、専用のハードウェアであってもよいし、プロセッサを備える制御回路であってもよい。これらの処理回路が専用のハードウェアで実現される場合、これらは、例えば、単一回路、複合回路、プログラム化したプロセッサ、並列プログラム化したプロセッサ、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field Programmable Gate Array)、またはこれらを組み合わせたものである。
これらの処理回路がプロセッサを備える制御回路で実現される場合、この制御回路は例えば図10に示す構成の制御回路である。図10は、実施の形態1にかかる制御回路の構成例を示す図である。図10に示すように、制御回路はCPU(Central Processing Unit)、マイクロプロセッサなどであるプロセッサ201と、メモリ202とを備える。これらの処理回路が図10に示した制御回路により実現される場合、プロセッサ201がメモリ202に記憶された、各々の処理に対応するプログラムを読み出して実行することにより実現される。また、メモリ202は、プロセッサ201が実施する各処理における一時メモリとしても使用される。なお、図10ではプロセッサとメモリを1個の例で示したが、プロセッサとメモリを有する汎用計算機の構成で実現しても良い。例えば、プロセッサの個数を複数とするような計算機構成でも本実施例と同様の効果を発する。
以上のように、実施の形態1にかかる防御システム1は、到来波処理部の一例である空中線信号処理部10と、情報格納部の一例である制御情報格納部50と、制御部の一例である妨害実施制御部60とを備える。空中線信号処理部10は、電波源からの到来電波を観測し、到来電波の到来方位を含む観測情報を出力する。制御情報格納部50は、到来電波の到来方位に応じた移動体2の諸元の情報が設定された諸元情報の一例である電波妨害実施制御情報を格納する。妨害実施制御部60は、観測情報と電波妨害実施制御情報とに基づいて、到来電波に対する移動体2の諸元を判定し、判定した結果に基づいて、到来電波に応じた処理の実行の有無を制御する。これにより、防御システム1は、到来波に対する防御システム1の諸元に応じて到来波に対する対抗処理を適切に行うことができる。
また、防御システム1は、妨害実施制御部60による制御に基づいて、到来電波に応じた処理として到来電波に応じた妨害を行う妨害部70を備える。妨害実施制御部60は、移動体2の諸元の判定結果に基づいて、妨害部70による妨害の実行の有無を制御する。これにより、例えば、レーダなどの脅威電波源から到来電波がある場合に、かかる到来電波の到来方位に対する移動体2の諸元に応じて、妨害部70による妨害の実行の有無を適切に制御することができる。
また、空中線信号処理部10は、到来電波の到来方位の情報と到来電波の諸元の情報を含む情報を観測情報として出力する。電波妨害実施制御情報には、到来電波の到来方位に応じた移動体2の反射に関する情報が含まれる。妨害実施制御部60は、観測情報と電波妨害実施制御情報とに基づき、到来電波に対する移動体2の反射波の諸元を判定し、判定した結果に基づいて、妨害部70による妨害の実行の有無を制御する。これにより、例えば、レーダなどの脅威電波源から到来電波である脅威電波がある場合に、かかる脅威電波の到来方位に対する移動体2の反射波の諸元に応じて、妨害部70による妨害の実行の有無を適切に制御することができる。
また、妨害部70は、到来電波に応じた妨害として妨害波を送信する。妨害実施制御部60は、移動体2の反射波の諸元に基づいて、妨害部70による妨害波の送信の有無を制御する。これにより、脅威電波の到来方位に対する移動体2の反射波の諸元に応じて、妨害波の送信の有無を適切に制御することができる。
また、防御システム1は、移動体2の諸元の判定結果に基づき、妨害部70による妨害波の送信と、空中線信号処理部10による到来電波の観測とを切り替える受信制御部80を備える。これにより、例えば、移動体2の諸元の大きさに応じて、妨害の時間と観測の時間を柔軟に変更可能とすることで、脅威に応じた柔軟な対処が可能になる。
妨害実施制御部60は、到来電波の到来方位の変化に対する移動体2の諸元の変化に基づいて、妨害部70による妨害の実行の有無を制御する。例えば、妨害実施制御部60は、移動体2のRCSが小さな方位から大きな方位に脅威電波源の観測方位が変化する場合には妨害波の送信の停止を継続し、脅威からの電波受信により、脅威に捕捉されたのを確認してから妨害を開始する。これにより、移動体2が脅威に捕捉される確率を低減することができる。
実施の形態2.
実施の形態2にかかる防御システムは、脅威電波に対する対抗手段が射出型の妨害機材である点で、脅威電波に対する対抗手段が妨害電波である実施の形態1と異なる。以下においては、実施の形態1と同様の機能を有する構成要素については同一符号を付して説明を省略し、実施の形態1の防御システム1と異なる点を中心に説明する。
図11は、本発明の実施の形態2にかかる防御システムの構成例を示す図である。図11に示すように、実施の形態2にかかる防御システム1は、空中線信号処理部10と、判定情報格納部20と、目標情報格納部30と、類識別部40と、制御情報格納部50Aと、妨害実施制御部60Aと、妨害部70Aとを備える。
制御情報格納部50Aは、電波妨害実施制御情報に代えて、妨害機材射出制御情報を格納する点で、制御情報格納部50と異なる。また、妨害部70Aは、妨害機材射出制御部72と、チャフなどの妨害器材である射出型レーダ妨害手段73とを備える点で、妨害電波送信部71を備える妨害部70と異なる。また、妨害実施制御部60Aは、妨害機材射出制御情報に基づいて妨害部70Aを制御する点で、電波妨害実施制御情報に基づいて妨害部70を制御する妨害実施制御部60と異なる。妨害機材射出制御部72は、妨害実施制御部60Aの制御指示に基づいて、射出型レーダ妨害手段73を移動体2外に射出する。
制御情報格納部50Aに格納された妨害機材射出制御情報は、移動体2の諸元である自己諸元に応じた妨害の有無を決定するための情報として、例えば、自己諸元を基準とした射出型レーダ妨害手段73の射出制御の情報が含まれる。例えば、妨害機材射出制御情報には、図4に示す反射係数テーブルと、レーダ反射波の電力と妨害の有無との関係を示す情報が含まれる。妨害実施制御部60Aは、かかる妨害機材射出制御情報を参照し、射出妨害機材の射出の有無の制御を行う。例えば、妨害実施制御部60Aは、妨害有りと判定すると、妨害部70Aに妨害を実施させるための制御指示を妨害部70Aへ通知する。妨害機材射出制御部72は、妨害実施制御部60Aの制御指示に基づいて、射出型レーダ妨害手段73を移動体2外に射出する。射出型レーダ妨害手段73は、射出されて疑似的な目標として囮になる器材であり、これにより、脅威レーダによる移動体2の捕捉を妨害することができる。
妨害実施制御部60Aは、妨害実施制御部60と同様の処理によって、各時刻における脅威電波の受信電力に応じて、妨害部70Aによる妨害の有無を制御することができる。また、妨害実施制御部60Aは、妨害実施制御部60と同様に、各時刻における脅威電波の受信電力に加え、脅威電波の観測方位の変化に対する自己諸元の変化などに基づいて、妨害部70Aによる妨害の有無および妨害の実施時間比を制御することもできる。この場合、妨害機材射出制御情報には、脅威電波の観測方位の変化の条件などの情報が含まれる。
妨害実施制御部60Aは、例えば、移動体2のRCSが大きな方位から小さな方位に脅威電波源の観測方位が変化する場合、射出型妨害器材である妨害機材射出制御部72を移動体2外に射出することができる。移動体2のRCSが大きな方位から小さな方位に脅威電波源の観測方位が変化する状況は、脅威側で移動体2の捕捉が不安定になることが想定でき、妨害実施制御部60Aは、かかる状況になった場合に、射出型レーダ妨害手段73を射出する。これにより、脅威側のセンサが囮である射出型レーダ妨害手段73を捕捉し、移動体2を観測できなくなる確率が向上する。
なお、図11に示す防御システム1の動作は、図6に示すフローチャートにおけるステップS13の処理がない点、および、ステップS14において妨害機材射出制御部72の射出の有無を決定し、ステップS16において射出型レーダ妨害手段73の射出を実施する点で、防御システム1の動作と異なる。
上述の実施の形態2においては、射出型レーダ妨害手段73の射出を実施する例を説明したが、実施の形態2にかかる妨害部は、光波センサに対抗するフレアなどの妨害器材の射出を実施する構成であってもよい。図12は、実施の形態2にかかる防御システムの第1変形例の構成を示す図である。
図12に示す防御システム1は、空中線信号処理部10と、判定情報格納部20と、目標情報格納部30と、類識別部40と、制御情報格納部50Bと、妨害実施制御部60Bと、妨害部70Bとを備える。妨害部70Bは、妨害機材射出制御部72Bと、射出型赤外線妨害手段75とを備える点で、妨害機材射出制御部72と射出型レーダ妨害手段73とを備える妨害部70Aと異なる。また、妨害実施制御部60Bは、妨害機材射出制御情報に基づいて射出型赤外線妨害手段75の射出などを制御する点で、妨害実施制御部60Aと異なる。
射出型赤外線妨害手段75は、光波センサに対抗するフレアなどの妨害器材である。制御情報格納部50Bに格納された妨害機材射出制御情報は、移動体2の諸元である自己諸元に応じた妨害の有無を決定するための情報として、自己諸元を基準とした射出型赤外線妨害手段75の射出制御の情報が含まれる。光波シーカのミサイルには、発射母機のレーダで捕捉後に、発射されるような運用のミサイルがある。そのため、妨害機材射出制御情報は、例えば、移動体2のRCSを基準とする図4に示す反射係数テーブルと、レーダ反射波の電力と妨害の有無との関係を示す情報が含まれる。
妨害実施制御部60Bは、かかる妨害機材射出制御情報を参照し、射出妨害機材の射出の有無の制御を行う。例えば、妨害実施制御部60Bは、妨害有りと判定すると、妨害部70Bに妨害を実施させるための制御指示を妨害部70Bへ通知する。妨害機材射出制御部72Bは、妨害実施制御部60Bの制御指示に基づいて、射出型赤外線妨害手段75を移動体2外に射出する。射出型赤外線妨害手段75は、射出されて疑似的な目標として囮になる器材であり、これにより、脅威レーダによる移動体2の捕捉を妨害することができる。
また、光波シーカを搭載したミサイルに対する捕捉を妨害する場合、移動体2のRCSではなく、赤外線放射強度を基準とする方がより適切である。妨害機材射出制御情報は、到来電波の各到来方位への移動体2の赤外線放射強度の情報と、赤外線放射強度を基準とした条件算出基準の情報とを含むことができる。妨害実施制御部60Bは、母機のレーダから発せられる電波の観測状態から、脅威電波の発射母機から光波シーカを搭載したミサイルの発射があったと判定すると、発射母機のレーダから発せられる電波の到来方位に対する赤外線放射強度に基づいて、射出型赤外線妨害手段75を射出するか否かを決定することができる。例えば、妨害実施制御部60Bは、発射母機のレーダから発せられる電波の到来方位に対する移動体2の赤外線放射強度を自己諸元として、かかる自己諸元が、基準値以下である場合に、妨害機材射出制御部72Bに射出型赤外線妨害手段75を発射させることができる。これにより、光波シーカを搭載したミサイルによる移動体2の捕捉を妨害することができる。なお、妨害実施制御部60Bは、発射母機のレーダから発せられる電波の到来方位に対する赤外線放射強度に発射母機のレーダから発せられる電波の受信電力を乗算した結果を自己諸元として、かかる自己諸元が、基準値以下である場合に、妨害機材射出制御部72Bに射出型赤外線妨害手段75を発射させることもできる。
上述の実施の形態2および第1変型例においては、射出型レーダ妨害手段73または射出型赤外線妨害手段75の射出を実施する例を説明したが、妨害電波を放射する妨害器材を射出する構成であってもよい。図13は、実施の形態2にかかる防御システムの第2変形例の構成を示す図である。
図13に示す防御システム1は、空中線信号処理部10と、判定情報格納部20と、目標情報格納部30と、類識別部40と、制御情報格納部50Cと、妨害実施制御部60Cと、妨害部70Cとを備える。妨害部70Cは、妨害機材射出制御部72Cと、射出型妨害電波送信手段74とを備える点で、妨害機材射出制御部72と射出型レーダ妨害手段73とを備える妨害部70Aと異なる。また、妨害実施制御部60Cは、妨害機材射出制御情報に基づいて射出型妨害電波送信手段74の射出などを制御する点で、妨害実施制御部60Aと異なる。
射出型妨害電波送信手段74は、妨害電波を放射する妨害器材であり、妨害電波送信部71と同様に妨害方法を変更することができる。例えば、射出型妨害電波送信手段74は、上述した第1妨害方法と第2妨害方法を選択的に実行することができる。
制御情報格納部50Cに格納される妨害機材射出制御情報は、移動体2の諸元である自己諸元に応じて射出型妨害電波送信手段74の射出の有無を決定するための情報、射出妨害機材による妨害方法を決定するための情報などが含まれる。妨害方法を決定するための情報には、例えば、妨害機材の射出タイミングおよび射出後の妨害機材による妨害開始のタイミングを決定するための情報が含まれる。
妨害実施制御部60Cは、妨害機材射出制御情報を参照し、射出型妨害電波送信手段74の射出の有無および射出型妨害電波送信手段74による妨害方法を決定する。妨害実施制御部60Cは、射出型妨害電波送信手段74を射出することを決定すると、決定した射出タイミングで射出型妨害電波送信手段74の射出を実行させる制御指示を妨害機材射出制御部72Cへ通知する。
妨害機材射出制御部72Cは、妨害実施制御部60Cによって指定された妨害タイミングを射出型妨害電波送信手段74に設定し、かかる設定が行われた射出型妨害電波送信手段74を移動体2外へ射出する。移動体2外へ射出された妨害機材射出制御部72Cは、妨害実施制御部60Cによって指定された妨害タイミングで妨害電波を送信する。
このように、妨害実施制御部60Cは、妨害機材射出制御情報を参照して、射出型妨害電波送信手段74による妨害方法を含む制御指示を妨害機材射出制御部72Cに通知することができる。これにより、例えば、妨害実施制御部60Cは、射出後の経過時間を設定して妨害実施を指示することで、移動体2のRCSに応じて射出妨害実施が有利な到来方位で射出型妨害電波送信手段74を射出し、経過時間設定後に射出型妨害電波送信手段74が妨害を開始することで、移動体2と射出型妨害器材の相対距離を確保してから射出型妨害電波送信手段74による妨害電波の送信を行わせることができる。妨害対象の脅威がミサイルの場合、移動体2との相対距離を離すことは残存性の確保で有利であり、妨害実施制御部60Cの制御によって、残存性の向上が期待できる。
また、実施の形態2にかかる防御システムは、実施の形態1の妨害部と、上述した実施の形態2の妨害部を組み合わせ、これらの妨害部が連携して動作する構成であってもよい。図14は、実施の形態2にかかる防御システムの第3変形例の構成を示す図である。図14に示す防御システム1は、図7に示す防御システム1の機能と、図10に示す防御システム1の機能とを組み合わせた構成である。
具体的には、図14に示す防御システム1は、空中線信号処理部10と、判定情報格納部20と、目標情報格納部30と、類識別部40と、制御情報格納部50Dと、妨害実施制御部60Dと、妨害部70Dと、受信制御部80を備える。妨害部70Dは、妨害電波送信部71を備える点で、妨害部70Aと異なる。また、制御情報格納部50Dは、妨害機材射出制御情報に代えて、妨害実施制御部60Dに格納された妨害実施制御情報に基づいて妨害部70Dを制御する点で、妨害実施制御部60Aと異なる。
制御情報格納部50Dは、妨害実施制御情報として、RCSに関する自己諸元に応じて妨害電波の送信および妨害機材の射出などの妨害制御の有無などを決定するための情報を格納する。かかる妨害実施制御情報は、例えば、下記(14)〜(18)の情報を含む。
Pr×ks≦Th2:妨害無し、対象周波数の観測時間増加 ・・・(14)
Th2<Pr×ks≦Th3:受信継続有時で妨害電波による妨害有り
受信継続無時で妨害無し
妨害無し:対象周波数の観測時間増加
妨害有り:観測対妨害=1:1・・・(15)
Pr×ks>Th3:射出型妨害による妨害有り ・・・(16)
Th2=1.5 ・・・(17)
Th3=5.5 ・・・(18)
妨害実施制御部60Dは、類識別部40から観測情報を取得し、取得した観測情報に基づいて、妨害の有無および妨害内容を判定し、かかる判定結果に基づいて、妨害部70Dを制御する制御指示を妨害部70Dへ通知する。
例えば、妨害実施制御情報が上記(14)〜(18)の情報を含むとする。この場合、妨害実施制御部60Dは、Pr×ks≦Th2の場合、妨害部70Dに制御指示を行わず、妨害部70Dに妨害を実施させない。また、妨害実施制御部60Dは、Th2<Pr×ks≦Th3であり、且つ同一脅威電波源の脅威電波を継続して受信している場合、妨害電波送信部71から妨害電波を送信させるための制御指示を妨害部70Dに通知する。また、妨害実施制御部60Dは、Pr×ks>Th3である場合、妨害機材射出制御部72Dに射出型レーダ妨害手段73を移動体2外に射出させる制御指示を妨害部70Dに通知する。
受信制御部80は、類識別部40から観測情報を取得し、取得した観測情報に基づいて、妨害実施制御部60Dと同様の方法で妨害の有無を判定する。受信制御部80は、妨害有りと判定した場合、妨害波の送信と到来電波の観測の実施時間比を妨害実施制御情報に従って決定する。
なお、図14に示す防御システム1は、受信制御部80を設けない構成であってもよい。また、図14に示す防御システム1は、図1または図7に示す防御システム1の機能と、図12または図13に示す防御システム1の機能とを組み合わせた構成であってもよい。
例えば、妨害部70Dは、射出型レーダ妨害手段73に代えて、射出型妨害電波送信手段74を有する構成であってもよい。この場合も、妨害実施制御部60Dは、電波到来方位に対する移動体2のRCSに応じて、妨害電波の送信の有無、射出型妨害電波送信手段74の射出の有無、および妨害と観測の制御実施時間比などを制御することができる。
また、妨害部70Dは、射出型レーダ妨害手段73に代えて、射出型赤外線妨害手段75を有する構成であってもよい。この場合、妨害実施制御部60Dは、妨害電波の送信の有無、射出型赤外線妨害手段75の射出の有無、射出型赤外線妨害手段75による妨害タイミングおよび妨害方法、および妨害と観測の実施時間比などを制御することができる。
このように、妨害実施制御部60Dは、電波到来方位に対する移動体2のRCSに応じて、妨害電波の送信の有無、射出型妨害器材の射出の有無、および妨害と観測の実施時間比などを組合せて制御可能な防御システムを得ることができる。これにより、想定される脅威の特性に応じて、電波到来方位に対する移動体2のRCSの大きさと組合せて妨害方法を柔軟に選択可能とすることができ、残存性を向上させることができる。
上述した実施の形態1,2では、到来電波の受信を基準にした防御システムの例を説明したが、防御システムは、脅威を観測する手段として、到来電波ではなく赤外線放射を観測するセンサを用いる構成であってもよい。図15は、実施の形態2にかかる防御システムの第4変形例の構成を示す図である。
図15に示す防御システム1は、自己防御用EOセンサ装置11と、判定情報格納部20と、目標情報格納部30と、類識別部40と、制御情報格納部50Eと、妨害実施制御部60Eと、妨害部70Bとを備える。図15に示す防御システム1は、空中線信号処理部10に代えて自己防御用EOセンサ装置11を備える点で、図12に示す防御システム1と異なる。
自己防御用EOセンサ装置11は、赤外線放射などのEO(Electro-Optical)情報を観測して、ミサイル発射などの脅威を検知する光波センサであり、受光部と信号処理回路を備える。図15に示す防御システム1では、観測に使用するセンサが電波を観測するセンサである空中線信号処理部10から光波を観測する自己防御用EOセンサ装置11に変わるが、処理の流れは、図12に示す防御システム1と同様である。
自己防御用EOセンサ装置11は、例えば、脅威から到来する赤外線の到来方位である赤外線到来方位の情報および脅威から到来する赤外線の諸元である赤外線諸元の情報を観測情報として類識別部40へ出力する。判定情報格納部20は、自己防御用EOセンサ装置11から出力される観測情報に基づいて、空中線信号処理部10から出力される観測情報の場合と同様に類識別判定処理を行う。類識別部40は、妨害指示を赤外線到来方位の情報と共に妨害実施制御部60Eへ通知する。
制御情報格納部50Eには、例えば、赤外線の各到来方位への移動体2の赤外線放射強度の情報と、射出妨害実施の有無を決定するための妨害実施閾値の情報とを含む妨害機材射出制御情報が格納される。妨害実施制御部60Eは、妨害機材射出制御情報を参照し、赤外線到来方位への移動体2の赤外線放射強度と妨害実施閾値とを比較し、赤外線放射強度が妨害実施閾値以上である場合に、射出型赤外線妨害手段75を射出させる制御指示を妨害機材射出制御部72Bへ通知する。また、妨害実施制御部60Eは、赤外線放射強度が妨害実施閾値以上でない場合、制御指示を妨害機材射出制御部72Bへ通知しない。
このように、図15に示す防御システム1は、光波センサで観測した脅威情報に対しても、移動体2の諸元である赤外線放射強度に応じて、射出型妨害器材の射出制御を行うことができる。図15に示す防御システム1は、射出型の妨害器材で対抗する構成であるが、脅威の光波センサに対抗する妨害部として、妨害光を照射する妨害光送信部を含む構成であってもよい。この場合、照射可能な妨害光の照射可能な強度に制約がある場合には、移動体2の赤外線放射強度に応じて妨害可否を制御することができ、妨害効果が期待できる方位に限定して妨害光の照射を行うことができる。
妨害実施制御部60A〜60Eおよび自己防御用EOセンサ装置11の信号処理回路は、処理回路により実現される。処理回路は、実施の形態1と同様に専用のハードウェアであってもよいし、プロセッサを備える制御回路であってもよい。また、制御情報格納部50A〜50Eは、メモリ202によって実現される。
以上のように、実施の形態2にかかる防御システム1は、到来波に応じた妨害として妨害機材を射出する妨害部70A,70B,70C,70Dを備える。妨害実施制御部60A,60B,60C,60D,60Eは、移動体2の諸元の判定結果に基づいて、妨害部70A,70B,70C,70Dによる妨害機材の射出の有無を制御する。これにより、脅威電波の到来方位に対する移動体2の反射波の諸元に応じて、妨害機材の射出の有無を適切に制御することができる。
また、実施の形態2にかかる防御システム1の妨害実施制御部60Cは、観測情報と諸元情報の一例である妨害機材射出制御情報とに基づき、妨害機材による妨害方法を変更する。これにより、例えば、妨害実施制御部60Cは、妨害機材を適切な射出タイミングで射出し且つ適切な妨害タイミングで妨害機材に妨害を実施させることができる。なお、妨害機材による妨害方法は、種類の異なる複数の妨害機材の中から妨害に用いる妨害機材を選択するものであってもよい。すなわち、妨害方法には、妨害手段の選択を含むことができる。
また、防御システム1の空中線信号処理部10は、電波源からの到来電波を観測し、到来電波の到来方位の情報を観測情報として出力する。諸元情報の一例である妨害機材射出制御情報には、到来電波の到来方位に応じた移動体2の赤外線放射強度に関する情報が含まれる。妨害実施制御部60Bは、観測情報と妨害機材射出制御情報とに基づき、到来電波の到来方位に応じた移動体2の赤外線放射強度を移動体2の諸元として判定し、当該判定した結果に基づいて、妨害部70Bによる妨害機材の射出の有無を制御する。これにより、例えば、電波シーカを搭載したミサイルによる移動体2の捕捉を妨害することができる。
また、防御システム1において、到来波処理部の一例である自己防御用EOセンサ装置11は、到来波として光波源からの到来光波を観測し、到来光波の到来方位の情報を観測情報として出力する。到来光波は、例えば赤外線である。妨害実施制御部60Eは観測情報と諸元情報の一例である妨害機材射出制御情報とに基づき、到来光波に対する移動体2の諸元を判定し、判定した結果に基づいて、妨害部70Bによる妨害の実行の有無を制御する。これにより、観測した到来光波が脅威源からの到来光波である場合において、到来光波に対する移動体2の諸元に応じて、射出型妨害器材の射出制御が可能である。したがって、例えば、光波シーカを搭載したミサイルによる移動体2の捕捉を妨害することができる。
実施の形態3.
実施の形態3にかかる防御システムは、移動体の位置および速度などの機動情報を到来電波に対する自己諸元と連携させて、妨害波の有無を制御することができる点で、実施の形態1にかかる防御システム1と異なる。以下においては、実施の形態1,2と同様の機能を有する構成要素については同一符号を付して説明を省略し、実施の形態1,2の防御システム1と異なる点を中心に説明する。
図16は、本発明の実施の形態3にかかる防御システムの構成例を示す図である。図16に示すように、実施の形態3にかかる防御システム1は、空中線信号処理部10と、判定情報格納部20と、目標情報格納部30と、類識別部40と、制御情報格納部50Fと、妨害実施制御部60Fと、妨害部70Fと、受信制御部80と、機動情報取得部90とを備える。
機動情報取得部90は、移動体2の位置、速度、および姿勢角などの移動情報である機動情報を取得する。制御情報格納部50Fに格納される電波妨害実施制御情報には、例えば、機動情報に基づいて将来の自己諸元を予測するための情報と、到来電波の到来方位の変化に対する移動体2の諸元の変化に応じて妨害電波の送信の有無などを制御するための情報が含まれる。
妨害部70Fは、図14に示す妨害部70Dの構成に加え、射出型赤外線妨害手段75を含み、妨害機材射出制御部72Fは、妨害実施制御部60Fからの制御指示に基づいて、射出型レーダ妨害手段73または射出型赤外線妨害手段75を移動体2外に射出することができる。
妨害実施制御部60Fは、電波妨害実施制御情報を参照し、類識別部40から入力される対抗方法と脅威電波の到来方位を基準に、機動情報取得部90から得られる機動情報を用いて、自己諸元の変化を予測する。そして、妨害実施制御部60Fは、電波妨害実施制御情報を参照し、予測した自己諸元の変化に基づいて、妨害電波の送信の有無など制御することができる。
移動体2が航空機のような高機動のプラットフォームである場合、脅威の機動だけでなく、移動体2の機動により、電波の到来方位が変化する。妨害実施制御部60Fは、移動体2の機動に応じて、移動体2のRCSが小さな方位から大きな方位に脅威電波源の観測方位が変化すると予測される場合、妨害波の送信の停止を継続し、脅威からの電波受信後に妨害波の送信を開始するように妨害部70Fに制御指示を通知する。妨害実施制御部60Fは、移動体2の機動に応じて、移動体2のRCSが大きな方位から小さな方位に脅威電波源の観測方位が変化すると予測される場合、射出型妨害器材を射出して妨害するように妨害部70Fに制御指示を行うことができる。
移動体2と脅威が双方飛行している場合、電波の到来方位は複雑、かつ、早い速度で変化するが、図16に示す防御システム1は、移動体2の機動と観測する電波の到来方位を組合せて、相対的な電波到来方位の変化に応じて妨害部70Fの制御を行うことができる。これにより、観測情報だけでなく、移動体2の機動情報も利用することで、到来電波の変化に対応した自己の諸元情報の参照先を決定することが可能となり、適切な自己諸元に応じた妨害制御を実施することが可能になる。
妨害実施制御部60Fおよび機動情報取得部90の信号処理回路は、処理回路により実現される。処理回路は、実施の形態1と同様に専用のハードウェアであってもよいし、プロセッサを備える制御回路であってもよい。また、制御情報格納部50Fは、メモリ202によって実現される。なお、図16に示す防御システム1は、妨害部70Fに代えて、70,70A,70B,70C,70Dのいずれかであってもよい。また、妨害実施制御部60Fは、妨害実施制御部60,60A,60B,60C,60D,60Eの機能を含むことでき、制御情報格納部50Fは、制御情報格納部50,50A,50B,50C,50D,50Eの機能を含むことができる。
以上のように、実施の形態3にかかる防御システム1は、移動体2の位置、速度、および姿勢の少なくとも一つの情報を含む機動情報を取得する機動情報取得部90を備える。妨害実施制御部60Fは、移動体2の諸元と機動情報とに基づいて、妨害部70Fによる妨害の実行の有無を制御する。これにより、観測情報だけでなく、移動体2の機動情報も利用することで、例えば、到来電波の変化に対応した移動体2の諸元情報の参照先を決定することが可能となり、適切な自己諸元に応じた妨害制御を実施することが可能になる。
実施の形態4.
実施の形態4は、防御システムを含むマルチセンサシステムである。防御システムは、例えば、マルチセンサシステムのサブシステムとして機能する。以下においては、実施の形態3と同様の機能を有する構成要素については同一符号を付して説明を省略し、上述した防御システム1と異なる点を中心に説明する。
図17は、本発明の実施の形態4にかかる防御システムを含むアビオニクスシステムの構成例を示す図である。実施の形態4にかかる防御システム1は、移動体の一例である航空機2Aに搭載されるアビオニクスシステム300の一部である。図17には、航空機2Aと共に、僚機401,402および広域システム500も示している。
マルチセンサシステムであるアビオニクスシステム300は、防御システム1の他に、搭載センサ装置群310と、アビオニクスシステムデータ融合部320と、記憶部330と、ユーザインタフェース部340と、ウェポン制御部350と、通信部360とを備える。アビオニクスシステム300は、通信部360を介して僚機401,402および広域システム500と通信によってデータを交換することができる。
搭載センサ装置群310は、火器管制用RF(Radio Frequency)アクティブセンサ装置311、火器管制用RFパッシブセンサ装置312、火器管制用EOセンサ装置313、自己防御用EOセンサ装置314、および敵味方識別センサ装置315を含む。図17に示した搭載センサ装置群310は、一例であり、搭載センサ装置群310に含まれるセンサ装置はこれらに限定されない。すなわち、本実施の形態4にかかる防御システム1は、自身以外の1つ以上のセンサ装置を備えるマルチセンサシステムに搭載される。
火器管制用RFアクティブセンサ装置311は、火器管制用のアクティブ電波センサであり、自分が送信した電波を受信して観測を実施する。火器管制用RFパッシブセンサ装置312は、火器管制用のパッシブ電波センサであり、他の機材が送信した電波または物体からの反射波を受信して観測を実施する。火器管制用RFパッシブセンサ装置312は、受信電波を観測することは防御システム1と同様だが、運用目的が異なるため、防御システム1は、別機材の搭載装置とする。
なお、図17に示す構成例では、火器管制用RFアクティブセンサ装置311と火器管制用RFパッシブセンサ装置312とを別々の装置の例で説明したが、アンテナ開口面を共通化することで火器管制用RFアクティブセンサ装置311と火器管制用RFパッシブセンサ装置312とを一体型の装置として実現してもよい。
火器管制用EOセンサ装置313は、火器管制用のEOセンサであり、航空機2Aの空力加熱やエンジン排気など、目標の発する赤外線を観測する。自己防御用EOセンサ装置314は、自己防御用のEOセンサであり、ミサイルのプルームなど、目標の発する赤外線を観測する。敵味方識別センサ装置315は、味方確認信号の問い合せと応答を通じて、味方確認の観測を実施する。なお、防御システム1は、アビオニクスシステム300に搭載されるセンサ装置の1つであり、自己防御用のパッシブ電波センサ装置である。
アビオニクスシステムデータ融合部320は、例えば、特許第4925845号公報、特許第5697734号公報に記載の技術と同様の方法で、アビオニクスシステムデータ融合部320に搭載される各センサ装置の観測情報、通信部360を介して受信した僚機401,402などによる観測情報、ウェポンシステムからの情報などを統合し、アビオニクスシステム全系でマルチセンサとして動作させる。
本実施の形態でも、搭載センサ装置である、防御システム1、火器管制用RFアクティブセンサ装置311、火器管制用RFパッシブセンサ装置312、火器管制用EOセンサ装置313、自己防御用EOセンサ装置314、および敵味方識別センサ装置315は、アビオニクスシステムデータ融合部320の隷下の部分機能として観測情報をアビオニクスシステムデータ融合部320へ報告する。
アビオニクスシステムデータ融合部320は、センサ装置の観測情報を、ネットワーク経由の情報、図示しないウェポンシステムからの情報などと組合せて、目標情報を生成して記憶部330へ格納する。アビオニクスシステムデータ融合部320は、目標情報を基準に各搭載センサ装置に対する制御方法を決定し、決定した制御方法を各センサ装置へ指示する。
防御システム1、火器管制用RFアクティブセンサ装置311、火器管制用RFパッシブセンサ装置312、火器管制用EOセンサ装置313、自己防御用EOセンサ装置314、および敵味方識別センサ装置315は、アビオニクスシステムデータ融合部320の指示に従って観測を実施し、実施した観測の結果すなわち観測情報をアビオニクスシステムデータ融合部320へ報告する。
アビオニクスシステムデータ融合部320は、ネットワーク経由で取得した情報を活用する。通信部360はネットワーク経由での情報交換を実現する装置となる。僚機401,402は、例えば、航空機2Aと同様にアビオニクスシステム300を搭載する。僚機間では、双方の機体に搭載されたアビオニクスシステムデータ融合部320が情報交換を実施することで連携手段を実現する。アビオニクスシステムデータ融合部320が、広域システム500の他のアセットとの間では、指揮統制の情報、残弾数などの戦術情報、広域の目標情報を活用した他のアセットの情報処理アプリケーション機能を、アビオニクスシステムデータ融合部320が実現する。
アビオニクスシステムデータ融合部320は、ウェポンシステムと連携して、センサの観測情報に応じたマルチセンサシステム全体でのウェポンの運用を統括制御する。航空機2Aから分離して飛翔するウェポンシステムとは、ウェポン制御部350を通じて情報交換を行う。情報交換は、発射前に機体に搭載された状態だけでなく、発射後にウェポンとの間で通信を介した情報交換を含む。
アビオニクスシステムデータ融合部320は、搭載センサの観測情報、ネットワーク経由の情報を組合せ、ウェポンの発射、誘導可否判断、発射または誘導に必要な情報をウェポンに与える他、ウェポンが捕捉した目標の観測情報、ウェポンのステータス情報などを取得し、アビオニクスシステム全系でのウェポン管制に必要な情報も管理する。
記憶部330は、アビオニクスシステムデータ融合部320の出力情報である目標情報を格納する。ユーザインタフェース部340は、記憶部330に格納された目標情報に基づいて、パイロットへの情報提示を行う。また、ユーザインタフェース部340は、パイロットの機材に対する操作を航空機2A内の機材へ伝達する。通信部360は、僚機4001,402、地上設備などの外部アセットと観測情報などを交換する。
図17では記載を省略しているが、航空機2Aはウェポンを搭載する。ウェポン制御部350は、搭載ウェポンの発射および誘導などの制御を実施する。ウェポン制御部350は搭載ウェポンとの間で観測情報およびウェポンステータスなどの情報を交換することができる。ウェポン制御部350によるウェポンとの情報交換は機体搭載中だけでなく、発射後も機体とウェポンとの間の通信で実施可能である。ウェポン制御部350は、僚機401,402が発射したウェポンについても、機体とウェポンとの間の通信で実施可能である。ウェポン制御部350は、アビオニクスシステムデータ融合部320にウェポンから得た情報を報告し、アビオニクスシステムデータ融合部320の出力である目標情報を基準にウェポンへの指令および情報の送信を実施する。
僚機401は航空機2Aと同様の航空機であり、通信部360を通じて、双方の機体に搭載しているアビオニクスシステム300との間で、観測情報などを相互に交換して連携した運用が可能である。僚機は任意の機数、複数機でも対応可能であり、本実施の形態では2機の事例として僚機401,402としている。広域システム500は地上設備、艦船、車両などの他アセット群であり、通信部360を通じて、航空機2Aに搭載したアビオニクスシステム300との間で、観測情報などを相互に交換する。
防御システム1は、制御情報格納部50Fおよび妨害実施制御部60Fに代えて、制御情報格納部50Gおよび妨害実施制御部60Gを備える。制御情報格納部50Gには、例えば、到来電波の到来方位に対する航空機2Aの諸元に応じて妨害の有無、妨害手段の選択、妨害タイミングなどの妨害制御を行うための妨害制御情報が含まれる。なお、アビオニクスシステム300には、妨害手段として、妨害電波送信部71、射出型レーダ妨害手段73、および射出型赤外線妨害手段75が含まれる。
また、防御システム1の類識別部40は、記憶部330に格納された目標情報でも脅威情報を検知することができる。例えば、類識別部40は、記憶部330に格納された目標情報に基づき、妨害対象の諸元情報と妨害指示を妨害実施制御部60Gへ送信することができる。また、類識別部40は、空中線信号処理部10から得られる観測情報、目標情報格納部30に格納された目標情報、および記憶部330に格納された目標情報に基づいて、妨害対象の諸元情報と妨害指示を妨害実施制御部60Gへ送信することができる。
これにより、防御システム1の妨害実施制御部60Gは、航空機2Aに搭載の異なる種類の複数のセンサの捕捉情報を活用して、自己諸元に応じた妨害制御を実施することができる。例えば、妨害実施制御部60Gは、空中線信号処理部10からの観測情報に加え、自己防御用EOセンサ装置314で検出される情報を用いて、自己諸元に応じた妨害制御を実施することができる。また、防御システム1は、通信部360を通じて得られた機外の観測源からの情報を用いて、自己諸元に応じた妨害制御を実施することができる。
妨害実施制御部60Gは、妨害実施制御部60Fの機能に加え、アビオニクスシステムデータ融合部320の指示があった場合にも、自己諸元に応じた妨害制御を実施することができる。このため、ユーザインタフェース部340を通じて、航空機2Aに搭乗したパイロット操作と連動させた自己諸元に応じた妨害制御が可能となる。
妨害実施制御部60Gは、航空機2Aに搭載の異なる種類の複数のセンサの捕捉情報を活用して、自己諸元に応じた妨害制御を実施することができる。例えば、妨害実施制御部60Gは、到来電波とEOセンサの観測情報の双方で、自己諸元に応じた妨害制御を実施することができる。個々のセンサ対応だけでなく、双方の観測情報を組合せて、双方のセンサで観測した条件と、自己諸元に応じた妨害制御も設定することもできる。
また、防御システム1は、プラットフォームである航空機2Aに搭載したセンサ装置だけでなく、機外の観測源からの情報でも、自己諸元に応じた妨害制御も可能となる。また、防御システム1は、航空機2Aに搭乗したパイロット操作と連動させた自己諸元に応じた妨害制御も可能となる。
このように、実施の形態4にかかる防御システム1は、航空機2Aに搭載された他の搭載センサ装置または他のアセットからの観測情報でも、自己諸元に応じて、妨害電波の送信の有無を制御することができる。
次に、実施の形態4にかかるアビオニクスシステム300の第1変形例を説明する。図18は、実施の形態4にかかるアビオニクスシステムの第1変形例の構成を示す図である。図18に示すアビオニクスシステム300は、妨害対象の脅威との相対距離および脅威の接近率も考慮して妨害制御を行う防御システム1を備える。
図18に示す防御システム1は、図17に示す防御システム1の制御情報格納部50Gおよび妨害実施制御部60Gに代えて、制御情報格納部50Hおよび妨害実施制御部60Hを備える。
制御情報格納部50Hは、妨害対象の脅威の相対距離および接近率を示す情報であるレンジ接近率情報を連携させて妨害の有無、妨害方法、妨害タイミングなどの妨害制御を行うための妨害制御情報を格納する。例えば、制御情報格納部50Hには、脅威との相対距離および脅威の接近率に応じた妨害効果向上のための算出条件などの情報、脅威との相対距離から脅威が受信するレーダ反射波の電力に応じた妨害制御の情報、および接近率に応じた防御方法の情報などを含む妨害制御情報が格納される。
妨害実施制御部60Hは、類識別部40から入力される対抗方法と脅威電波の到来方位に加え、記憶部330に格納される目標情報に含まれる観測された妨害対象の脅威のレンジ接近率情報から、制御情報格納部50Hを参照し、妨害対象の脅威のレンジ接近率情報と自己諸元を連携させた妨害制御を実施する。
例えば、妨害実施制御部60Hは、妨害対象の脅威との相対距離および脅威の接近率の少なくとも一方から、脅威が受信するレーダ反射波の電力を推定し、かかる推定結果に基づく妨害内容で妨害制御を実施することができる。また、妨害実施制御部60Hは、害対象の脅威との相対距離および脅威の接近率の少なくとも一方から、第2妨害方法での効果を推定し、かかる推定結果に基づく妨害内容で妨害制御を実施することができる。なお、妨害内容には、例えば、妨害方法、妨害タイミング、妨害波の電力などが含まれる。
このように、図18に示す防御システム1は、自己諸元に加え、妨害対象の脅威との相対距離および脅威の接近率を用いて妨害制御を行うことができる。
次に、実施の形態4にかかるアビオニクスシステム300の第2変形例を説明する。図19は、実施の形態4にかかるアビオニクスシステムの第2変形例の構成を示す図である。図19に示すアビオニクスシステム300は、脅威状況も考慮して妨害制御を行う防御システム1を備える。
図19に示すアビオニクスシステム300は、図17に示すアビオニクスシステム300に加え、脅威状況を分析する脅威状況分析部270を備える。また、図19に示す防御システム1は、図17に示す制御情報格納部50Gおよび妨害実施制御部60Gに代えて、制御情報格納部50Iおよび妨害実施制御部60Iを備える。
脅威状況分析部270は、記憶部330に格納された目標情報に含まれる観測情報に基づいて、脅威編隊の機体配置なども含めて電波源以外の脅威も含めた脅威状況を分析する。例えば、脅威状況分析部270は、脅威であるミサイルの到来方向に妨害波を放射すれば、他の脅威航空機に妨害電波を捕捉される可能性がある状況を確認し、妨害実施制御部60Iへ通知する。
制御情報格納部50Iは、脅威状況と連携させて妨害の有無、妨害方法、妨害タイミングなどの妨害制御を行うための妨害制御情報を格納する。例えば、制御情報格納部50Iには、脅威状況分析部270の分析に応じた対抗方法を追加した自己諸元に応じた妨害制御情報が格納される。例えば、制御情報格納部50Iには、ミサイルの到来方向に妨害波を放射すれば、他の脅威航空機に妨害電波を捕捉される可能性がある状況では、電波妨害ではなく、射出型妨害機器での妨害を選択する情報を含む妨害制御情報が格納される。
妨害実施制御部60Iは、類識別部40から入力される対抗方法と脅威電波の到来方位の情報に加え、脅威状況分析部270が出力する脅威状況の情報から、脅威状況分析部270に格納された情報を参照し、脅威状況分析部270による脅威状況の分析結果と、レンジ接近率情報と、自己諸元とを連携させた妨害制御を実施する。
例えば、妨害実施制御部60Iは、類識別部40からの観測情報に加え、脅威状況分析部270の分析結果も利用して、制御情報格納部50Iに格納された情報を参照して、妨害方法を決定する。例えば、妨害実施制御部60Iは、ミサイルの到来方向に妨害波を放射すれば、他の脅威航空機に妨害電波を捕捉される可能性がある状況では、電波妨害ではなく、射出型妨害機器での妨害を指示する。
このように、図19に示すアビオニクスシステム300では、電波源以外の脅威も含めた脅威状況を分析する脅威状況分析部270を有し、脅威状況の分析結果と連携した妨害制御を実施することができる。例えば、アビオニクスシステム300は、妨害電波送信により他の脅威に電波を受信されるような状況では射出型の妨害機器で対抗して、脅威から観測される可能性を低減させるような、状況分析に応じた妨害制御を実施することができる。
次に、実施の形態4にかかるアビオニクスシステム300の第3変形例を説明する。図20は、実施の形態4にかかるアビオニクスシステムの第3変形例の構成を示す図である。図20に示すアビオニクスシステム300は、周囲環境状況も考慮して妨害制御を行う防御システム1を備える。
図20に示すアビオニクスシステム300は、図17に示すアビオニクスシステム300に加え、周囲環境状況を分析する周囲環境状況分析部280を備える。また、図20に示す防御システム1は、図17に示す制御情報格納部50Gおよび妨害実施制御部60Gに代えて、制御情報格納部50Jおよび妨害実施制御部60Jを備える。
周囲環境状況分析部280は、アビオニクスシステムデータ融合部320と連携して、航空機2Aの周囲の電波センサおよび光波センサの観測状況を分析する。例えば、周囲環境状況分析部280は、火器管制用EOセンサ装置313および自己防御用EOセンサ装置314の観測状況から、航空機2Aの周囲では、脅威のEOセンサが観測困難な状況を検知する。
制御情報格納部50Jは、周囲環境状況と連携させて妨害の有無、妨害方法、妨害タイミングなどの妨害制御を行うための妨害制御情報を格納する。例えば、制御情報格納部50Jは、脅威が光波と電波の双方で観測可能な複合シーカのようなミサイルに対抗する場合、脅威のEOセンサでの観測が可能な状況では電波と光波への妨害を実施し、脅威のEOセンサが観測困難な状況では電波妨害のみを実施する制御情報が格納される。なお、電波への妨害は、例えば、妨害電波送信部71または射出型レーダ妨害手段73による妨害であり、光波への妨害は、例えば、射出型赤外線妨害手段75による妨害である。
妨害実施制御部60Jは、類識別部40から入力される対抗方法と脅威電波の到来方位に加え、周囲環境状況分析部280が出力する周囲の観測状況から、制御情報格納部50Iに格納された情報を参照し、周囲のセンサ観測環境の分析結果と自己諸元とを連携させた妨害制御を実施する。例えば、妨害実施制御部60Jは、光波と電波の双方で観測可能な複合シーカのようなミサイルが発射された際に、周囲の観測状況がEOセンサでの観測が可能な状況であれば電波と光波への妨害を実施し、周囲の観測状況がEOセンサが観測困難な状況では電波妨害のみの実施を指示する。
このように、図20に示すアビオニクスシステム300では、電波センサおよび光波センサの観測状況を分析する周囲環境状況分析部280を有し、周囲環境状況分析部280による周囲環境の分析結果と連携した妨害制御を実施することができる。例えば、航空機2Aの周囲のセンサの観測可能な状況に応じた妨害制御を実施することができる。
なお、アビオニクスシステム300は、図20に示す構成に脅威状況分析部270を追加した構成であってもよい。この場合、妨害実施制御部60Jは、妨害実施制御部60Iと同様の機能を有し、制御情報格納部50Jは、制御情報格納部50Iと同様の情報を格納する。また、妨害実施制御部60Jは、さらに、妨害実施制御部60Hと同様の機能を有していてもよい。この場合、制御情報格納部50Jは、制御情報格納部50Hと同様の情報を格納する。
アビオニクスシステムデータ融合部320、脅威状況分析部270、周囲環境状況分析部280、妨害実施制御部60H〜60Jの信号処理回路は、処理回路により実現される。処理回路は、実施の形態1と同様に専用のハードウェアであってもよいし、プロセッサを備える制御回路であってもよい。また、制御情報格納部50H〜50Jおよび記憶部330は、メモリ202によって実現される。
以上のように、実施の形態4にかかるマルチセンサシステムの一例であるアビオニクスシステム300は、防御システム1と、妨害対象の情報を検出する1以上の搭載センサ装置を含む搭載センサ装置群310と、外部からの妨害対象の情報を取得する通信部360とを備える。妨害実施制御部60G,60H,60I,60Jは、搭載センサ装置群310に含まれる1以上の搭載センサ装置によって検出される妨害対象の情報および通信部360によって外部から取得される妨害対象の情報の少なくとも一方に基づいて、妨害部70Fを制御する。
また、妨害対象の情報には、妨害対象との相対距離および妨害対象の接近率の情報が含まれている。妨害実施制御部60Hは、観測情報と諸元情報に加え、相対距離および接近率に基づいて、妨害部70Fを制御する。これにより、例えば、脅威が受信する電力、および第2妨害方法での妨害効果を事前に推定する確度を向上させることができる。
また、アビオニクスシステム300は、空中線信号処理部10で観測される波源以外の脅威対象を含む脅威状況を分析する脅威状況分析部270を備える。妨害実施制御部60Iは、観測情報と諸元情報に加え、脅威状況分析部270による脅威状況の分析結果に基づいて、妨害部70Fを制御する。これにより、例えば、妨害電波の送信により他の脅威に電波を受信されるような状況では射出型の妨害機器で対抗して、脅威からの観測される可能性を低減させるような、状況分析に応じた妨害制御が可能となる。
また、アビオニクスシステム300は、搭載センサ装置群310に含まれる1以上の搭載センサ装置による航空機2Aの周囲の観測状況を分析する周囲環境状況分析部280を備える。妨害実施制御部60Jは、観測情報と諸元情報に加え、周囲環境状況分析部280による観測状況の分析結果に基づいて、妨害部70Fを制御する。これにより、例えば、航空機2Aの周囲のセンサの観測可能な状況に応じて妨害方法を選択することができる。
なお、上述した例では、アビオニクスシステム300が有する妨害部の一例として、妨害部70Fを挙げて説明したが、アビオニクスシステム300は、妨害部70Fに代えて、妨害部70,70A,70B,70C,70Dのいずれかを備える構成であってもよい。また、実施の形態4にかかる防御システムでは、実施の形態1,2の実施の形態にかかる防御システムにおける妨害部への処理と同様の処理を行うこともできる。
実施の形態5.
実施の形態5の防御システムは、車両に搭載され、搭載車両の位置を顕在化させるための電波を送信する。以下、搭載車両の位置の顕在化を自己位置顕在化と記載する。
図21は、本発明の実施の形態5にかかる防御システムの構成例を示す図である。図21に示すように、実施の形態5にかかる防御システム100は、到来電波観測センサ110と、電波源情報格納部120と、電波源判定部130と、制御情報格納部140と、電波送信制御部150と、電波送信部160とを備える。かかる防御システム100は車両2Bに搭載される。
到来電波観測センサ110は、到来電波を受信し、受信した到来電波の諸元と到来方位を観測する。到来電波観測センサ110は、到来電波の諸元である電波諸元と到来電波の到来方位である電波到来方位を含む観測情報を電波源判定部130に通知する。電波諸元には、到来電波観測センサ110での到来電波の受信電力および到来電波の周波数などが含まれる。
電波源情報格納部120は、到来電波の電波諸元に対する類識別判定方法の情報を含む電波源情報を格納する。
電波源判定部130は、到来電波観測センサ110から取得した観測情報から電波源情報格納部120に格納された電波源情報を参照し、電波源に対する類識別処理を実施する。具体的には、電波源判定部130は、到来電波観測センサ110から取得した観測情報から電波源情報格納部120の電波源情報を参照し、到来電波観測センサ110で観測される到来電波が車両2Bの観測を試みているレーダからの電波か否かを判定する。電波源判定部130は電波源を車両と判断した場合、到来電波の到来方位と電波諸元の情報を含む観測情報を電波送信制御部150へ通知する。
制御情報格納部140は、自己諸元に応じて自己位置顕在化用電波の送信を制御するための送信制御情報を格納している。自己位置顕在化用電波は、自己位置顕在化のための電波である。制御情報格納部140は、例えば、図4に示す反射係数テーブルと同様の反射係数テーブルの情報と、自己位置顕在化用電波の送信有無と送信実施閾値との関係を示す送信判定情報とを含む。
電波送信制御部150は、電波源判定部130からの車両2Bの観測を試みているレーダからの電波と判定された到来電波の観測情報を取得し、かかる観測情報から制御情報格納部140に格納された情報を参照して車両2Bの位置を正確に観測できるようにレーダ波を補完する自己位置顕在化用電波を放射させる制御指示を電波送信部160に行う。
具体的には、電波送信制御部150は、妨害実施制御部60と同様の処理で、電波源判定部130からの観測情報に含まれる到来電波の到来方位および到来電波の受信電力などの電波諸元から、制御情報格納部140に格納された情報を参照して、自己位置顕在化用電波の送信有無を判定する。例えば、電波送信制御部150は、RCSの大きい方位から到来電波を受信した場合には自己位置顕在化用電波の送信を行わないと判定する。
また、電波送信制御部150は、RCSの小さい方位から到来電波を受信した場合には、自己位置顕在化用電波の送信を行うと判定する。電波送信制御部150は、自己位置顕在化用電波の送信を行うと判定した場合、到来電波による車両2Bでの反射波と、電波送信部160の送信波である自己位置顕在化用電波を合成した合成電波が、レーダで受信された場合に、かかるレーダで車両2Bを検出できるように、自己位置顕在化用電波の周波数、送信電力、および送信方位を演算する。電波送信制御部150は、演算した自己位置顕在化用電波の周波数、送信電力、および送信方位の情報を含む電波送信指示を電波送信部160へ通知する。
ここで、制御情報格納部140に格納される送信判定情報が、例えば、下記(19)〜(21)の情報を含むとする。「Pr1」は、到来電波の受信電力であり、「ks1」は、反射係数テーブルから得られる到来電波の到来方位の反射係数であり、「Th4」は、送信実施閾値である。
Pr1×ks1≦Th4:自己位置顕在化用電波の送信有り ・・・(19)
Pr1×ks1>Th4:自己位置顕在化用電波の妨害無し ・・・(20)
Th4=3.0 ・・・(21)
この場合、電波送信制御部150は、Pr1×ks1≦Th4であれば自己位置顕在化用電波の送信を行うと判定し、Pr1×ks1>Th4では、自己位置顕在化用電波の送信を行わないと判定する。
電波送信部160は、電波送信制御部150の制御指示に基づいて自己位置顕在化用電波を送信する。例えば、電波送信部160は、電波送信指示に基づいて、到来電波に対する反射波を増幅させるように車両2Bの位置を顕在化させる電波諸元で、到来電波観測センサ110で観測した到来方位に電波を送信する。
ここで、車両2Bの周囲に、他車観測レーダ4を搭載した車両3が存在するものとして、防御システム100の動作を説明する。図22は、実施の形態5にかかる防御システム処理の一例を示すフローチャートである。
他車観測レーダ4は、走行中に周囲の車両との衝突を防止するなどを目的に、周囲の車両の位置および速度などを観測するためのレーダであり、電波の送受信を行う。車両2Bと車両3との位置関係から、他車観測レーダ4による車両2Bの被観測方位が決定し、被観測方位の車両2BのRCSに応じて、他車観測レーダ4の受信電力が変化する。
図22に示すように、防御システム100の到来電波観測センサ110は、他車観測レーダ4からの到来電波を観測する(ステップS30)。防御システム100の電波源判定部130は、受信した到来電波の電波源の類識別処理を行う(ステップS31)。ここでは、到来電波観測センサ110で受信される電波は車両3の他車観測レーダ4からの電波であり、電波源判定部130は、受信した到来電波の電波源が他車観測レーダ4を搭載した車両3であると判定する。
次に、防御システム100の電波送信制御部150は、電波源判定部130からの観測情報に含まれる到来電波の到来方位および受信電力などの電波諸元から、制御情報格納部140に格納された情報を参照して、自己位置顕在化用電波の送信が必要か否かを判定する(ステップS32)。電波送信制御部150は、自己位置顕在化用電波の送信が必要であると判定した場合(ステップS32:Yes)、電波送信指示を電波送信部160へ通知し、電波送信部160から自己位置顕在化用電波を他車観測レーダ4に向けて送信させる(ステップS33)。
例えば、防御システム100において、RCSが小さい方位から他車観測レーダ4からの到来電波を受信した場合、電波送信部160は、受信電波に対する反射波を増幅させるように、自己位置顕在化用電波を送信する。他車観測レーダ4では、車両2Bからの反射波と電波送信部160からの自己位置顕在化用電波を合成した合成電波を受信する。かかる合成電波によって他車観測レーダ4で車両2Bを検出できるように、電波送信制御部150によって自己位置顕在化用電波の送信電力が制御される。これにより、他車観測レーダ4は、自己位置顕在化用電波の送信がない場合に車両2Bを観測することができない状態であっても、自己位置顕在化用電波の送信によって、車両2Bを観測することが可能となる。
また、防御システム100は、RCSの大きい方位から到来電波を受信した場合、他車観測レーダ4は車両2Bからの反射波を受信して車両2Bを観測可能であるため、自己位置顕在化用電波を送信しない。これにより、自己位置顕在化用電波を放射しなくても他車観測レーダ4で車両2Bが観測可能な場合には、防御システム100からの電波放射を抑制できる。
図22に示すステップS33の処理が終了した場合、または電波送信制御部150が自己位置顕在化用電波の送信が必要ではないと判定した場合(ステップS32:No)、防御システム100は、図22に示す処理を終了する。なお、図22に示す処理は、到来波の有無とは無関係に周期的に実施される。
このように、実施の形態5にかかる防御システム100は、自己諸元に応じて、RCSが小さく観測が困難な方位から電波が観測された場合に、車両2Bの観測を試みているレーダに対して、車両2Bの位置を正確に観測できるようにレーダ波を補完する自己位置顕在化用電波を放射する。これにより、反射だけで観測が困難な状況で、自己顕在化のための電波を放射することで、他車観測レーダ4が車両2Bを観測可能とすることができる。
また、自己位置顕在化用電波を無暗に放射すると、周辺へ影響を及ぼす可能性がある。そこで、実施の形態5にかかる防御システム100では、自己位置顕在化が必要である場合にのみ、電波放射を実施することが可能になり、電波放射を抑制できる。
近年では自動車にもネットワーク連携が可能となっており、ネットワークを介してお互いの位置情報を知って対処できるシステムもある。このようなシステムにおいても、天候や災害などでネットワークが使用困難となった際に、実施の形態5にかかる防御システム100によってレーダの観測を補助することで、観測状況が不利な状況で衝突を防止するための情報を提供できるようになる。したがって、実施の形態5にかかる防御システム100では、ネットワーク連携のシステムを補完する能力も提供することができる。なお、図21に示す例では、到来電波観測センサ110と電波送信部160とを別々の部とする例で説明したが、アンテナを共通化するなど、物理的に同一の装置にこれら到来電波観測センサ110と電波送信部160を実装することもできる。
次に、実施の形態5にかかる防御システム100の第1変形例を説明する。図23は、実施の形態5にかかる防御システムの第1変形例の構成を示す図である。図23に示す防御システム100は、図21に示す防御システム100の機能に加え、ネットワーク経由で他の車両と通信する機能を有している。
図23に示す防御システム100は、電波源判定部130、制御情報格納部140、および電波送信制御部150に代えて、電波源判定部130A、制御情報格納部140Aおよび電波送信制御部150Aを備える。また、図23に示す防御システム100は、図21に示す防御システム100の構成に加え、ネットワーク情報交換部170と、観測センサ制御部180とを備える。車両3は、ネットワーク情報交換部170との間で情報の交換が可能なネットワーク情報交換部5を搭載している。
観測センサ制御部180は、ネットワーク経由で、車両2Bの観測を試みているレーダ波の電波諸元情報等を入手する。例えば、観測センサ制御部180は、車両3に搭載されたネットワーク情報交換部5から、ネットワーク経由で、他車観測レーダ4の電波諸元の情報を取得し、取得した他車観測レーダ4の電波諸元の情報に基づいて、到来電波観測センサ110に対し、観測対象とする到来電波諸元などの指示を行う。
電波源判定部130Aは、到来電波観測センサ110からの観測情報に加えて、ネットワーク情報交換部170経由で取得した他車観測レーダ4の電波諸元の情報も活用して、車両2Bの観測を試みている他車観測レーダ4からの電波か否かを判定することができる。電波源判定部130Aは、電波源を車両3と判断した場合、到来電波の到来方位と電波諸元の情報を含む観測情報を電波送信制御部150Aへ通知する。
電波送信制御部150Aは、電波源判定部130Aからの観測情報に加えて、ネットワーク情報交換部170経由で取得した他車観測レーダ4の電波諸元の情報も活用して、車両3の位置を正確に観測できるようにレーダ波を補完する自己位置顕在化用電波を電波送信部160から放射させる制御を実施する。
このように、図23に示す防御システム100は、ネットワーク連携で車両2Bの観測を試みているレーダの電波諸元の情報を取得することで、車両2Bの観測を試みているレーダ波を捕捉するためのセンサ制御と、自己位置顕在化用電波の放射制御とを行うことができる。都市部など、多くの車が走行している状況では、多くの到来電波が、到来電波観測センサ110で観測されることがある。図23に示す防御システム100では、多くの到来電波が到来電波観測センサ110で観測されるような状況で、ネットワーク経由の情報を活用して対象の電波源を特定することができる。これにより、対象の電波源に対して自己位置顕在化の電波を送信することが可能になり、混信した他の電波源からの情報と対象のレーダ波を正確に判断して対処することができる。
なお、図21および図23に示す防御システム100は、レーダからの電波を受信し、受信した電波に基づいて、車両2Bの位置を顕在化するための電波である自己位置顕在化用電波を送信するが、自己位置顕在化は、電波に限定されず、光波であってもよい。また、防御システム100は、電波および光波について自己位置顕在化を行うことができる構成であってもよい。このことは、図24に示す防御システム100についても同様である。
次に、実施の形態5にかかる防御システム100の第2変形例を説明する。図24は、実施の形態5にかかる防御システムの第2変形例の構成を示す図である。図24に示す防御システム100は、図21に示す防御システム100の機能に加え、車両2Bの周囲環境も考慮して自己位置顕在化用電波の送信を制御する機能を有している。
図24に示す防御システム100は、制御情報格納部140および電波送信制御部150に代えて、制御情報格納部140Bおよび電波送信制御部150Bを備える。また、図24に示す防御システム100は、図21に示す防御システム100の構成に加え、周囲環境状況分析部190を搭載している。
周囲環境状況分析部190は、車両2Bの周囲環境の状況を分析する。かかる周囲環境状況分析部190は、電波および光波を観測する観測部を有しており、観測した情報などから車両2Bの周囲に存在する電波センサおよび光波センサの観測状況、および運転車の視程などを分析する。例えば、周囲環境状況分析部190は、霧などの発生により、光波センサの観測困難な状況を検知する。
制御情報格納部140Bは、周囲環境状況分析部190と連携して自己位置顕在化用電波送信を制御するための制御情報を格納する。例えば、制御情報格納部140Bは、光波センサの観測が困難な状況では自己位置顕在化用電波の送信を実施する判断の閾値を緩和して電波を積極的に送信するような制御情報を格納する。
電波送信制御部150Bは、周囲環境状況分析部190による車両2Bの周囲電波センサおよび光波センサの観測状況、および運転車の視程などの分析結果も考慮して、自己位置顕在化用電波の送信を制御する。例えば、電波送信制御部150Bは、車両3の他車観測レーダ4からのレーダ波の観測情報を電波源判定部130から取得した場合、制御情報格納部140Bに格納された制御情報を参照して、霧などの発生により光波センサの観測困難な状況では、通常より緩和した送信実施閾値で自己位置顕在化用電波の送信の有無を決定する。
ここで、制御情報格納部140Bは、下記(22)〜(24)の情報を制御情報として含むとする。「ks2」は、例えば、光波センサの観測可能度合いである。
Pr1×ks1×ks2≦Th4:自己位置顕在化用電波の送信有り
・・・(22)
Pr1×ks1×ks2>Th4:自己位置顕在化用電波の妨害無し
・・・(23)
Th4=3.0 ・・・(24)
この場合、光波センサの観測困難な状況であれば、光波センサの観測可能度合いが低くなる。そのため、光波センサの観測困難な状況であれば、電波送信制御部150Bは、自己位置顕在化用電波の送信する状態を増加する制御を実施することができる。光波センサの観測が困難な状況では、レーダによる位置検出を確実に実施する必要性が増加するが、図24に示す防御システム100では、光波センサの観測困難な状況であれば、自己位置顕在化用電波の送信する頻度が高くなる。そのため、図24に示す防御システム100では、光波センサの観測が困難な状況で、他車観測レーダ4が自車の存在を観測できる確率を向上させることができる。
上述した例では、周囲環境状況分析部190がセンサとして光波または電波の観測状況を分析するが、他の方法で観測状況を分析しても同様の効果を発する。例えば、周囲環境状況分析部280に、車両2Bの地図上の位置を把握する機能を持たせると共に、地図情報と連携して周囲の観測状況が不利になる地点を予測した事前情報を格納することができる。周囲環境状況分析部190は、周囲の観測状況が不利になる地点を車両2Bが走行中であるか否かを判定し、かかる判定結果を電波送信制御部150Bへ通知することができる。この場合、制御情報格納部140Bには、周囲の観測状況が悪くなるほど「ks2」が小さくなるような制御情報が格納され、電波送信制御部150Bは、制御情報格納部140Bの制御情報に基づいて、自己位置顕在化用電波の送信の有無を決定することができる。なお、事前情報をネットワーク経由で車外から得た情報で置き変えた例で実現しても、同様の効果を発する。
このように、図24に示す防御システム100は、車両2Bの周囲環境状況を観測する周囲環境状況分析部280と連携して、周囲の天候などを考慮して自己位置顕在化用電波の放射制御を実施することとができる。かかる防御システム100では、周囲の観測状況が不利になる状況で、自己位置顕在化用電波を積極的に多く送信することが可能になり、他車観測レーダ4が車両2Bの存在を観測できる確率を向上させることができ、車両の安全走行に寄与することが期待できる。
なお、図24に示す防御システム100にネットワーク情報交換部170および観測センサ制御部180を設けてもよく、この場合、制御情報格納部140Bおよび電波送信制御部150Bは、制御情報格納部140Aおよび電波送信制御部150Aと同様の処理も行うことができる。
到来電波観測センサ110の信号処理回路、電波源判定部130,130A、電波送信制御部150,150A,150B、観測センサ制御部180、周囲環境状況分析部190は、処理回路により実現される。処理回路は、実施の形態1と同様に専用のハードウェアであってもよいし、プロセッサを備える制御回路であってもよい。また、電波源情報格納部120、および制御情報格納部140,140A,140Bは、メモリ202によって実現される。
以上のように実施の形態5にかかる防御システム100は、到来波処理部の一例である到来電波観測センサ110と、情報格納部の一例である制御情報格納部140,140A,140Bと、電波送信制御部150,150A,150Bと、電波送信部160とを備え、移動体の一例である車両2Bに搭載される。到来電波観測センサ110は、電波源からの到来電波を観測し、到来電波の到来方位と到来電波の諸元の情報を含む観測情報を出力する。制御情報格納部140,140A,140Bは、到来電波の到来方位に応じた車両2Bの反射に関する情報が到来電波の到来方位に対する車両2Bの諸元の情報として含まれる諸元情報の一例である制御情報を格納する。電波送信部160は、到来電波の車両2Bによる反射波をレーダで観測可能に補完するための自己位置顕在化用電波を送信する。電波送信制御部150,150A,150Bは、観測情報と制御情報とに基づき、到来波に対する車両2Bの諸元を判定し、判定した結果に基づいて、電波送信部160による自己位置顕在化用電波の送信の有無を制御する。これにより、他車観測レーダ4は、自己位置顕在化用電波の送信がない場合に車両2Bを観測することができない状態であっても、自己位置顕在化用電波の送信によって、車両2Bを観測することが可能となる。
また、実施の形態5にかかる防御システム100は、電波源を判定する電波源判定部130と、レーダを備える他の移動体の一例である車両3から他車観測レーダ4の電波諸元の情報を取得するネットワーク情報交換部170とを備える。電波源判定部130は、ネットワーク情報交換部170で取得した他車観測レーダ4の電波諸元の情報および観測情報の少なくとも一方に基づいて、到来電波観測センサ110で観測される到来方位の電波源をレーダとして判定する。これにより、防御システム100は、多くの到来電波が到来電波観測センサ110で観測されるような状況で、ネットワーク経由の情報を活用して対象の電波源を特定することができる。そのため、防御システム100は、対象の電波源に対して自己位置顕在化の電波を送信することが可能になり、混信した他の電波源からの情報と対象のレーダ波を正確に判断して対処することができる。
また、実施の形態5にかかる防御システム100は、車両2Bの周囲環境の状況を分析する周囲環境状況分析部280を備える。電波送信制御部150Bは、周囲環境状況分析部280によって分析された車両2Bの周囲環境の状況を考慮して、電波送信部160による自己位置顕在化用電波の送信の有無を制御する。これにより、防御システム100は、例えば、周囲の観測状況が不利になる状況で、自己位置顕在化用電波送信を積極的に多く送信することができ、他車観測レーダ4が車両2Bの存在を観測できる確率を向上させることができ、車両の安全走行に寄与することが期待できる。
以上の実施の形態に示した構成は、本発明の内容の一例を示すものであり、別の公知の技術と組み合わせることも可能であるし、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、構成の一部を省略、変更することも可能である。
1,100 防御システム、2 移動体、2A 航空機、2B,3 車両、4 他車観測レーダ、5 ネットワーク情報交換部、10 空中線信号処理部、11 自己防御用EOセンサ装置、20 判定情報格納部、30 目標情報格納部、40 類識別部、50,50A,50B,50C,50D,50E,50F,50G,50H,50I,50J,140,140A,140B 制御情報格納部、60,60A,60B,60C,60D,60E,60F,60G,60H,60I,60J 妨害実施制御部、70,70A,70B,70C,70D,70F 妨害部、71 妨害電波送信部、72,72B,72C,72F 妨害機材射出制御部、73 射出型レーダ妨害手段、74 射出型妨害電波送信手段、75 射出型赤外線妨害手段、80 受信制御部、90 機動情報取得部、110 到来電波観測センサ、120 電波源情報格納部、130,130A 電波源判定部、150,150A,150B 電波送信制御部、160 電波送信部、170 ネットワーク情報交換部、180 観測センサ制御部、190 周囲環境状況分析部、270 脅威状況分析部、280 周囲環境状況分析部、300 アビオニクスシステム、310 搭載センサ装置群、311 火器管制用RFアクティブセンサ装置、312 火器管制用RFパッシブセンサ装置、313 火器管制用EOセンサ装置、314 自己防御用EOセンサ装置、315 敵味方識別センサ装置、320 アビオニクスシステムデータ融合部、330 記憶部、340 ユーザインタフェース部、350 ウェポン制御部、360 通信部、401,402 僚機、500 広域システム。

Claims (20)

  1. 移動体に搭載される防御システムであって、
    波源からの到来波を観測し、前記到来波の到来方位を含む観測情報を出力する到来波処理部と、
    到来波の到来方位に応じた前記移動体の諸元の情報が設定された諸元情報を格納する情報格納部と、
    前記観測情報と前記諸元情報とに基づき、前記到来波処理部によって観測された前記到来波に対する前記移動体の諸元を判定し、当該判定した結果に基づいて、前記到来波に応じた処理の実行を制御する制御部と、を備える
    ことを特徴とする防御システム。
  2. 前記制御部による制御に基づいて、前記到来波に応じた処理として前記到来波に応じた妨害を行う妨害部を備え、
    前記制御部は、
    前記移動体の諸元の判定結果に基づいて、前記妨害部による妨害の実行の有無を制御する
    ことを特徴とする請求項1に記載の防御システム。
  3. 前記到来波処理部は、
    前記到来波として電波源からの到来電波を観測し、前記到来電波の到来方位の情報と前記到来電波の諸元の情報を含む情報を前記観測情報として出力し、
    前記諸元情報には、
    前記到来電波の到来方位に応じた前記移動体の反射に関する情報が含まれ、
    前記制御部は、
    前記観測情報と前記諸元情報とに基づき、前記到来電波に対する前記移動体の反射波の諸元を判定し、当該判定した結果に基づいて、前記妨害部による妨害の実行の有無を制御する
    ことを特徴とする請求項2に記載の防御システム。
  4. 前記妨害部は、
    前記到来波に応じた妨害として妨害波を送信し、
    前記制御部は、
    前記移動体の反射波の諸元に基づいて、前記妨害部による前記妨害波の送信の有無を制御する
    ことを特徴とする請求項3に記載の防御システム。
  5. 前記移動体の諸元の判定結果に基づき、前記妨害部による前記妨害波の送信と、前記到来波処理部による前記到来電波の観測とを切り替える受信制御部を備える
    ことを特徴とする請求項4に記載の防御システム。
  6. 前記妨害部は、
    複数の妨害方法による妨害波の妨害を実行可能であり、
    前記制御部は、
    前記移動体の諸元に基づく妨害方法によって前記妨害部に妨害を実行させる
    ことを特徴とする請求項4または5に記載の防御システム。
  7. 前記制御部は、
    前記到来波の到来方位の変化に対する前記移動体の諸元の変化に基づいて、前記妨害部による妨害の実行の有無を制御する
    ことを特徴とする請求項2から6のいずれか一つに記載の防御システム。
  8. 前記妨害部は、
    前記到来波に応じた妨害として妨害機材を射出し、
    前記制御部は、
    前記移動体の諸元の判定結果に基づいて、前記妨害部による前記妨害機材の射出の有無を制御する
    ことを特徴とする請求項2から7のいずれか一つに記載の防御システム。
  9. 前記制御部は、
    前記観測情報と前記諸元情報とに基づき、前記妨害機材による妨害方法を変更する
    ことを特徴とする請求項8に記載の防御システム。
  10. 前記到来波処理部は、
    前記波源からの到来波として電波源からの到来電波を観測し、前記到来電波の到来方位の情報を前記観測情報として出力し、
    前記諸元情報には、前記到来電波の到来方位に応じた前記移動体の赤外線放射強度に関する情報が含まれ、
    前記制御部は、
    前記観測情報と前記諸元情報とに基づき、前記到来電波の到来方位に応じた前記移動体の赤外線放射強度を前記移動体の諸元として判定し、当該判定した結果に基づいて、前記妨害部による妨害の実行の有無を制御する
    ことを特徴とする請求項2から9のいずれか一つに記載の防御システム。
  11. 前記到来波処理部は、
    前記到来波として光波源からの到来光波を観測し、前記到来光波の到来方位の情報を前記観測情報として出力し、
    前記制御部は、
    前記観測情報と前記諸元情報とに基づき、前記到来光波に対する前記移動体の諸元を判定し、当該判定した結果に基づいて、前記到来光波に応じた処理の実行の有無を制御する
    ことを特徴とする請求項2から10のいずれか一つに記載の防御システム。
  12. 前記移動体の位置、速度、および姿勢の少なくとも一つの情報を含む機動情報を取得する機動情報取得部を備え、
    前記制御部は、
    前記移動体の諸元と前記機動情報とに基づいて、前記妨害部による妨害の実行の有無を制御する
    ことを特徴とする請求項2から11のいずれか一つに記載の防御システム。
  13. 前記到来波の前記移動体による反射波をレーダで観測可能に補完するための電波を送信する送信部を備え、
    前記制御部は、
    前記移動体の諸元の判定結果に基づいて、前記送信部による前記電波の送信の有無を制御する
    ことを特徴とする請求項1に記載の防御システム。
  14. 前記送信部は、
    前記到来波の前記移動体による反射波をレーダで観測可能に補完するための電波を送信する電波送信部を含み、
    前記到来波処理部は、
    前記波源からの到来波として電波源からの到来電波を観測し、前記到来電波の到来方位の情報と前記到来電波の諸元の情報を含む情報を前記観測情報として出力し、
    前記諸元情報には、
    前記到来電波の到来方位に応じた前記移動体の反射に関する情報が含まれ、
    前記制御部は、
    前記移動体の諸元の判定結果に基づいて、前記電波送信部による前記電波の送信の有無を制御する
    ことを特徴とする請求項13に記載の防御システム。
  15. 前記電波源を判定する電波源判定部と、
    前記レーダを備える他の移動体から前記レーダの電波諸元の情報を取得するネットワーク情報交換部と、を備え、
    前記電波源判定部は、
    前記ネットワーク情報交換部で取得した前記レーダの電波諸元の情報および前記観測情報の少なくとも一方に基づいて、前記電波源を前記レーダとして判定する
    ことを特徴とする請求項14に記載の防御システム。
  16. 前記移動体の周囲環境の状況を分析する周囲環境状況分析部を備え、
    前記制御部は、
    前記周囲環境状況分析部によって分析された前記周囲環境を考慮して、前記電波送信部による前記電波の送信の有無を制御する
    ことを特徴とする請求項14または15に記載の防御システム。
  17. 請求項2から12のいずれか一つに記載の防御システムと、
    妨害対象の情報を検出する1以上の搭載センサ装置と、
    外部からの前記妨害対象の情報を取得する通信部と、を備え、
    前記制御部は、
    前記1以上の搭載センサ装置によって検出される前記妨害対象の情報および前記通信部によって外部から取得される前記妨害対象の情報の少なくとも一方に基づいて、前記妨害部を制御する
    ことを特徴とするマルチセンサシステム。
  18. 前記妨害対象の情報には、
    前記妨害対象との相対距離および前記妨害対象の接近率の情報が含まれており、
    前記制御部は、
    前記観測情報と前記諸元情報に加え、前記相対距離および前記接近率に基づいて、前記妨害部を制御する
    ことを特徴とする請求項17に記載のマルチセンサシステム。
  19. 前記波源以外の脅威対象を含む脅威状況を分析する脅威状況分析部を備え、
    前記制御部は、
    前記観測情報と前記諸元情報に加え、前記脅威状況分析部による前記脅威状況の分析結果に基づいて、前記妨害部を制御する
    ことを特徴とする請求項17または18に記載のマルチセンサシステム。
  20. 前記1以上の搭載センサ装置による前記移動体の周囲の観測状況を分析する周囲環境状況分析部を備え、
    前記制御部は、
    前記観測情報と前記諸元情報に加え、前記周囲環境状況分析部による前記観測状況の分析結果に基づいて、前記妨害部を制御する
    ことを特徴とする請求項17から19のいずれか一つに記載のマルチセンサシステム。
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