JP2017110833A - 移動体防衛支援システム、および、移動体防衛支援方法 - Google Patents

移動体防衛支援システム、および、移動体防衛支援方法 Download PDF

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Abstract

【課題】脅威物体の特性に基づいて、移動体の姿勢を最適化することが可能な移動体防衛支援システム、および、移動体防衛支援方法を提供する。【解決手段】移動体防衛支援システム10は、演算装置50と、移動体1が検出されにくいステルス方向を記憶した記憶装置70とを具備する。演算装置50は、検出装置30の検出データに基づいて、脅威物体2の方位と、脅威物体2の特性とを算出する。演算装置50は、脅威物体2の方位と、脅威物体2の特性と、記憶装置70に記憶されたステルス方向とに基づいて、ステルス方向が脅威物体2を向くように操舵指令値を算出する。【選択図】図3

Description

本発明は、移動体防衛支援システム、および、移動体防衛支援方法に関する。
脅威物体による攻撃について、脅威物体(戦闘機、爆撃機、ミサイル等)を検出後、ハードキルまたはソフトキルにより対応する方法が知られている。なお、本明細書において、ハードキルは、直接迎撃型の対応方法を意味する。ハードキルにおいて、脅威物体は、迎撃ミサイル等により物理的に破壊される。また、本明細書において、ソフトキルは、かく乱型の対応方法を意味する。ソフトキルにおいて、脅威物体は、物理的に破壊されない。ソフトキルには、例えば、チャフによるかく乱、電磁波照射による脅威物体の電子機器の無効化等が含まれる。
関連する技術として、特許文献1には、迎撃ミサイルが記載されている。特許文献1に記載の迎撃ミサイルは、相手ミサイルのレーダー反射面積の特性を推定する推定手段と、当該推定手段で得られた情報により、自らの飛しょう経路を決定する決定手段とを備える。当該飛しょう経路は、相手ミサイルを、レーダー反射面積が大きい方向から迎撃するような飛しょう経路である。
また、非特許文献1には、航空機のRCS(Radar Cross Section)を測定することが記載されている。RCSの値の小さな航空機は、低被観測性(ステルス性)を備えた機体であるといえる。なお、RCSは、レーダー反射断面積の略称である。本明細書において、RCSは、レーダーから電波の照射を受けたときにアンテナの方向に電波を反射させる能力の尺度を意味する。RCSは、例えば、幾何学的な断面積、反射率、指向性の関数であり、その反射波と等しい強度の電波を反射させることができる等方向性反射体の面積(完全導体で作られた球の断面積)で表される。
特開2005−106317号公報
三菱重工技報 Vol.45 No.4(2008)58〜61頁
本発明の目的は、脅威物体の特性に基づいて、移動体の姿勢を最適化することが可能な移動体防衛支援システム、および、移動体防衛支援方法を提供することにある。
この発明のこれらの目的とそれ以外の目的と利益とは以下の説明と添付図面とによって容易に確認することができる。
以下に、発明を実施するための形態で使用される番号・符号を用いて、課題を解決するための手段を説明する。これらの番号・符号は、特許請求の範囲の記載と発明を実施するための形態との対応関係の一例を示すために、参考として、括弧付きで付加されたものである。よって、括弧付きの記載により、特許請求の範囲は、限定的に解釈されるべきではない。
いくつかの実施形態における移動体防衛支援システムは、演算装置(50)と、移動体(1)が検出されにくい方向をステルス方向と定義する時、当該ステルス方向を記憶した記憶装置(70)とを具備する。前記演算装置(50)は、検出装置(30)から受け取る検出データに基づいて、脅威物体(2)の方位と、前記脅威物体(2)の特性とを算出する。前記演算装置(50)は、前記脅威物体(2)の前記方位と、前記脅威物体(2)の前記特性と、前記記憶装置(70)に記憶された前記ステルス方向とに基づいて、前記ステルス方向が前記脅威物体(2)を向くように操舵指令値(v)を算出する。前記演算装置(50)は、前記操舵指令値(v)を前記移動体(1)の操舵装置(80)に送信するか、あるいは、前記操舵指令値(v)に対応する操舵指示をユーザーが認識可能な出力装置(90)に出力する。
上記移動体防衛支援システムにおいて、前記脅威物体(2)の前記特性は、前記脅威物体(2)がレーダーを搭載しているとの特性、または、前記脅威物体(2)がIRセンサを搭載しているとの特性を含んでいてもよい。前記ステルス方向は、前記移動体(1)のRCS値が相対的に小さな方向を示す第1方向、または、IR放射量が相対的に小さな方向を示す第2方向であってもよい。
上記移動体防衛支援システムにおいて、前記ステルス方向は、前記移動体(1)の前記RCS値が相対的に小さな方向を示す第1方向、かつ、前記IR放射量が相対的に小さな方向を示す第2方向であってもよい。
上記移動体防衛支援システムにおいて、前記脅威物体(2)の前記特性が、前記脅威物体(2)がレーダーを搭載しているとの特性を含む時、前記演算装置(50)は、前記第1方向が前記脅威物体(2)を向くように、前記操舵指令値(v)を算出してもよい。前記脅威物体(2)の前記特性が、前記脅威物体(2)がIRセンサを搭載しているとの特性を含む時、前記演算装置(50)は、前記第2方向が前記脅威物体(2)を向くように、前記操舵指令値(v)を算出してもよい。
上記移動体防衛支援システムにおいて、前記記憶装置(70)は、前記移動体(1)に対する相対方位と、前記移動体(1)の動作状態と、前記移動体(1)の前記IR放射量とが関連付けられた第1関連データを記憶していてもよい。前記演算装置(70)は、前記移動体の動作状態を監視する監視装置(95)から受信する監視データに基づいて、前記移動体の動作状態を算出してもよい。前記演算装置(50)は、前記脅威物体(2)の前記方位と、前記脅威物体(2)の前記特性と、前記移動体の動作状態と、前記第1関連データとに基づいて、前記第2方向が前記脅威物体(2)を向くように、前記操舵指令値(v)を算出してもよい。
上記移動体防衛支援システムにおいて、前記演算装置(50)は、他の移動体の位置または進路と干渉しないように、複数の前記ステルス方向の中から、採用すべき第1ステルス方向を決定してもよい。
上記移動体防衛支援システムにおいて、Nを2以上の自然数とする時、前記検出データは、第1脅威物体(2−1)乃至第N脅威物体(2−N)の検出データを含む。Kを1以上N以下の任意の自然数とする時、前記演算装置(50)は、前記検出データに基づいて、第K脅威物体(2−K)の方位を示す第K方位と、前記第K脅威物体(2−K)の特性を示す第K特性とを算出してもよい。前記演算装置(50)は、第1特性乃至第N特性に基づいて、複数の前記脅威物体(2)の中から、優先度の高い優先脅威物体(2−PR)を決定してもよい。前記演算装置(50)は、前記ステルス方向が前記優先脅威物体(2−PR)を向くように、前記操舵指令値(v)を算出してもよい。
上記移動体防衛支援システムにおいて、前記演算装置(50)は、前記脅威物体の搭載センサの種類に基づく分類、前記脅威物体自体の種類に基づく分類、前記脅威物体の到達予測時間に基づく分類、または、前記脅威物体の接近または離間に基づく分類のうちの少なくとも1つの分類に基づいて、前記優先脅威物体(2−PR)を決定してもよい。
上記移動体防衛支援システムにおいて、前記演算装置(50)は、複数の前記脅威物体(2)の中から、破壊目標物体(2−DES)を抽出してもよい。前記演算装置(50)は、前記破壊目標物体(2−DES)を除く複数の前記脅威物体(2)の中から、前記優先脅威物体(2−PR)を決定してもよい。
いくつかの実施形態における移動体防衛支援方法は、移動体防衛支援システムを用いる移動体防衛支援方法である。前記移動体防衛支援システム(10)は、演算装置(50)と、移動体(1)が検出されにくい方向をステルス方向と定義する時、当該ステルス方向を記憶した記憶装置(70)とを具備する。前記移動体防衛支援方法は、前記演算装置(50)が、脅威物体(2)を検出する検出装置(30)から検出データを受け取るステップと、前記演算装置(50)が、前記検出データに基づいて、前記脅威物体(2)の方位と、前記脅威物体(2)の特性とを算出するステップと、前記演算装置(50)が、前記脅威物体(2)の前記方位と、前記脅威物体(2)の前記特性と、前記記憶装置(70)に記憶された前記ステルス方向と、前記ステルス方向が前記脅威物体(2)を向くようにするとの制約条件とに基づいて、操舵指令値(v)を算出するステップと、前記演算装置(50)が、前記操舵指令値(v)を前記移動体(1)の操舵装置(80)に送信するステップ、あるいは、前記操舵指令値(v)に対応する操舵指示をユーザーが認識可能な出力装置(90)に出力するステップとを具備する。
本発明により、脅威物体の特性に基づいて、移動体の姿勢を最適化することが可能な移動体防衛支援システム、および、移動体防衛支援方法を提供することができる。
図1Aは、移動体が、1つの脅威物体により、脅威にさらされている場面を模式的に示す図である。 図1Bは、移動体である航空機が、1つの脅威物体により、脅威にさらされている場面を模式的に示す図である。 図1Cは、移動体である車両が、1つの脅威物体により、脅威にさらされている場面を模式的に示す図である。 図2は、船舶が、2つの脅威物体により、脅威にさらされている場面を模式的に示す図である。 図3は、第1の実施形態における船舶防衛支援システムの機能を模式的に示す機能ブロック図である。 図4は、船舶のRCS値が相対的に小さな方向(ステルス方向)を模式的に示す図である。 図5は、船舶のIR放射量が相対的に小さな方向(ステルス方向)を模式的に示す図である。 図6は、船舶に対する脅威物体の方位を、模式的に示す図である。 図7は、脅威物体から検出されにくい方向(ステルス方向)に、船舶を操舵した後の状態を模式的に示す図である。 図8は、出力装置における出力画面の一例を示す。 図9は、脅威物体から検出されにくい方向(ステルス方向)に、船舶を操舵した後の状態を模式的に示す図である。 図10は、出力装置における出力画面の一例を示す。 図11は、船舶に対する相対方位と、船舶のRCS値との関連を示す第2関連データについてのテーブルである。 図12は、船舶に対する相対方位と、船舶の動作状態と、船舶のIR放射量との関連を示す第1関連データについてのテーブルである。 図13は、第1の実施形態の第1変形例における船舶防衛支援システムの機能を模式的に示す機能ブロック図である。 図14は、船舶が、N個の脅威物体により、脅威にさらされている場面を模式的に示す図である。 図15は、第2の実施形態における船舶防衛支援システムの機能を模式的に示す機能ブロック図である。 図16は、複数の脅威物体と、脅威物体の分類(換言すれば、脅威物体の有する特性)と、優先度との対応関係を模式的に示すテーブルである。 図17は、複数の脅威物体と、脅威物体の複数の分類(換言すれば、脅威物体の有する複数の特性)と、優先度との対応関係を模式的に示すテーブルである。 図18は、第3の実施形態における船舶防衛支援システムの機能を模式的に示す機能ブロック図である。 図19は、複数の脅威物体と、脅威物体の複数の分類(換言すれば、脅威物体の有する複数の特性)と、優先度との対応関係を模式的に示すテーブルである。 図20は、第4の実施形態における船舶防衛支援方法を説明するためのフローチャートである。
以下、実施形態に係る移動体防衛支援システム、移動体防衛支援方法に関して、添付図面を参照して説明する。
(発明者によって認識された事項)
まず、移動体の防衛に際し、想定される事例について説明する。図1は、移動体1(例えば、船舶)が、1つの脅威物体2(例えば、相手側の航空機またはミサイル)により、脅威にさらされている場面を模式的に示す図である。脅威物体2による脅威を小さくする移動体の姿勢は、脅威物体2によって検出されにくい姿勢である。ところが、脅威物体2によって検出されにくい姿勢は、脅威物体の種類(例えば、脅威物体が搭載しているセンサの種類)によって異なる。例えば、脅威物体2が赤外線センサ(IRセンサ)を搭載している場合、エンジン等の熱源部分が、脅威物体2から検出されないような姿勢が、脅威物体2によって検出されにくい姿勢である。他方、脅威物体2がレーダーを搭載している場合、脅威物体2からみた時のRCS値を小さくする姿勢が、脅威物体2によって検出されにくい姿勢である(例えば、移動体である船舶の側面が脅威物体に晒されていない時、一般的には、RCS値は小さい。)。なお、移動体1である船舶の防衛に代えて、移動体1である航空機の防衛を想定する場合には、図1Aにおける船舶は、図1Bに記載のように、航空機に置換される。また、移動体1である船舶の防衛に代えて、移動体1である車両の防衛を想定する場合には、図1Aにおける船舶は、図1Cに記載のように、車両に置換される。
以上の点を考慮すると、移動体の操縦者、あるいは、操縦者に指令を出す者(以下、「ユーザー」という。)は、脅威物体2の方位(すなわち、脅威物体2の移動体1に対する相対方位)を把握している場合であっても、脅威物体2によって検出されにくい移動体の姿勢を直ちに判断することが困難である。
次に、移動体の防衛に際し、想定される別の事例について説明する。図2は、移動体が、2つの脅威物体(脅威物体2、および、脅威物体2’)により、脅威にさらされている場面を模式的に示す図である。図2に記載の例では、脅威物体2および脅威物体2’が、互いに異なる方向から移動体1(例えば、船舶)に向かって飛しょうしている。この場合、ユーザーは、2つの脅威物体のどちらからみて検出されにくい姿勢を取るべきか判断することが困難である。
(座標系)
以下においては、説明を複雑化させないために、2次元座標系を用いて説明が行われるが、実際には、本明細書の実施形態は、3次元座標系に拡張して適用可能であることが明白である。本明細書において、座標系(例えば、XY座標系)は、移動体1に固定された座標系である。図4に示されるように、Y軸方向は、移動体の長手方向に対応し、X軸方向は、移動体の幅方向に対応する。また、Y軸正の方向は、移動体の後方から移動体の前方に向かう方向に対応し、X軸正の方向は、移動体の左側(例えば、左舷)から移動体の右側(例えば、右舷)に向かう方向に対応する。
以下、第1の実施形態乃至第4の実施形態について説明する。なお、第1の実施形態乃至第4の実施形態では、移動体防衛支援システム、または、移動体防衛支援方法における「移動体」が、「船舶」である場合の例を中心に説明するが、第1の実施形態乃至第4の実施形態における「船舶」は、他の移動体である「航空機」、「車両」等に置換されてもよい。移動体防衛支援システム、または、移動体防衛支援方法における「移動体」が、「航空機」である場合には、第1の実施形態乃至第4の実施形態および対応する図面における「船舶」の記述は、「航空機」に読み替えられる。例えば、「船舶防衛支援システム」の記述は、「航空機防衛支援システム」に読み替えられる。また、移動体防衛支援システム、または、移動体防衛支援方法における「移動体」が、「車両」である場合には、第1の実施形態乃至第4の実施形態および対応する図面における「船舶」の記述は、「車両」に読み替えられる。例えば、「船舶防衛支援システム」の記述は、「車両防衛支援システム」に読み替えられる。
(第1の実施形態)
図3乃至図10を参照して、第1の実施形態に係る船舶防衛支援システム10について説明する。図3は、船舶防衛支援システム10の機能を模式的に示す機能ブロック図である。
図3に記載の例では、船舶防衛支援システム10が、船舶1に搭載されている。しかし、船舶防衛支援システム10の少なくとも一部(例えば、後述の演算装置50、または、記憶装置70)は、船舶1以外の物体(例えば、旗艦等の僚艦)に搭載されていてもよい。
船舶防衛支援システム10は、演算装置50と、記憶装置70とを含む。なお、船舶1は、船舶防衛支援システム10の一部として、あるいは、船舶防衛支援システム外の関連装置として、検出装置30を備えていてもよい。また、船舶1は、船舶防衛支援システム10の一部として、あるいは、船舶防衛支援システム10外の関連装置として、操舵装置80、および/または、出力装置90を備えていてもよい。また、船舶1は、船舶防衛支援システム10の一部として、あるいは、船舶防衛支援システム外の関連装置として、推進装置85を備えていてもよい。
(検出装置)
検出装置30は、脅威物体2を検出する装置である。脅威物体2は、例えば、航空機、ミサイル等の飛しょう体である。なお、脅威物体2には、当方側(味方側)の飛しょう体は含まれない。検出装置30は、例えば、レーダー、赤外線検出装置、カメラ、または、これらの組み合わせを含む。検出装置30は、検出データを演算装置50に送信する。検出装置30は、検出データを、検出装置30に付属する第1通信インターフェース32、および、演算装置50に付属する第2通信インターフェース52を介して、演算装置50に送信してもよい。演算装置50に送信される検出データは、記憶装置70に保存されてもよい。
(記憶装置)
記憶装置70は、脅威物体からみて船舶1が検出されにくい方向を予め記憶している。本明細書において、船舶1が検出されにくい方向を「ステルス方向(stealthy direction)」と呼ぶ。脅威物体2がレーダー波を発信する場合を想定する。この場合、船舶のRCS値が相対的に小さな方向(以下、「第1方向」という。)が、脅威物体2から検出されにくいステルス方向に対応する。図4に記載の例では、船舶のRCS値が相対的に小さな第1方向には、方向D1、方向D2が含まれ、船舶のRCS値が相対的に大きな方向には、方向D3、方向D4が含まれる。なお、船舶のRCS値が相対的に小さな第1方向は、RCS値が所定の第1閾値TH1以下である方向と定義され、船舶のRCS値が相対的に大きな方向は、RCS値が所定の第1閾値TH1より大きな方向であると定義されてもよい。また、第1方向は、1つの方向のみを含んでいてもよいし、図4に記載の例のように、複数の方向を含んでいてもよい。
レーダーを搭載する脅威物体に対応するため、記憶装置70には、脅威物体2のレーダーによって検出されにくい方向として、船舶のRCS値が相対的に小さな第1方向(例えば、方向D1、方向D2、あるいは、RCS値が所定の第1閾値TH1以下である方向)が予め記憶される。
代替的に、あるいは、付加的に、脅威物体2が赤外線センサを用いて船舶1を検出する場合を想定する。この場合、船舶のIR放射量(赤外線放射量)が相対的に小さな方向(以下、「第2方向」という。)が、脅威物体2から検出されにくいステルス方向に対応する。図5に記載の例では、船舶のIR放射量が相対的に小さな第2方向には、方向D5、方向D7、方向D8が含まれ、船舶のIR放射量が相対的に大きな方向には、方向D6が含まれる。なお、船舶のIR放射量が相対的に小さな第2方向は、IR放射量が所定の第2閾値TH2以下である方向と定義され、船舶のIR放射量が相対的に大きな方向は、IR放射量が所定の第2閾値TH2より大きな方向であると定義されてもよい。また、第2方向は、1つの方向のみを含んでいてもよいし、図5に記載の例のように、複数の方向を含んでいてもよい。
赤外線センサを搭載する脅威物体に対応するため、記憶装置70には、脅威物体2の赤外線センサによって検出されにくい方向として、船舶のIR放射量が相対的に小さな第2方向(例えば、方向D5、方向D7、方向D8、あるいは、IR放射量が所定の第2閾値TH2以下である方向)が予め記憶される。なお、ある方向に対応するIR放射量は、当該ある方向にIRセンサを配置した時に、当該IRセンサによって検出されるIR放射量である。
(演算装置)
演算装置50は、CPU等のハードウェアプロセッサを含む。演算装置50は、検出装置30から、直接的に、あるいは、記憶装置70を介して間接的に、検出データを受け取る。ここでは、検出データには、脅威物体2のデータが含まれていることを想定する。演算装置50は、検出データに基づいて、脅威物体2の方位と、脅威物体2の特性とを算出する。演算装置50は、記憶装置70に記憶されたプログラムを実行することにより、脅威物体の方位を算出する方位算出手段54、脅威物体の特性を算出する特性算出手段56として機能する。
脅威物体2の方位は、例えば、船舶1に固定された座標系において、脅威物体2の存在する方向を意味する。すなわち、脅威物体2の方位は、船舶1に対する脅威物体2の相対方位である。図6に記載の例では、脅威物体2の方位は、θ方向である。
検出データから、脅威物体2の方位または特性を算出する手法は、任意である。例えば、方位算出手段54、特性算出手段56が、検出データのデータ分析、または、画像分析を実行することにより、脅威物体2の方位または特性が算出されてもよい。
脅威物体2の特性には、様々な特性が含まれる。例えば、脅威物体2が搭載するセンサの種類によって脅威物体2の特性を分類する場合、レーダーが搭載されているとの特性を有する脅威物体2をカテゴリーB1に分類し、赤外線センサが搭載されているとの特性を有する脅威物体2をカテゴリーB2に分類してもよい。例えば、検出装置30が脅威物体2からのレーダー波を受信した場合、特性算出手段56(演算装置50)は、脅威物体2をカテゴリーB1に分類し、検出装置30が脅威物体2からのレーダー波を受信しない場合、特性算出手段56は、脅威物体2をカテゴリーB2に分類してもよい。
演算装置50は、算出された脅威物体2の方位と、算出された脅威物体2の特性と、記憶装置70に記憶されたステルス方向(脅威物体から船舶が検出されにくい方向)とに基づいて、当該ステルス方向が脅威物体を向くように、操舵指令値v(または、操舵指令値vおよび推力指令値t)を算出する。換言すれば、演算装置50は、脅威物体2の方位と、脅威物体2の特性と、船舶のステルス方向と、ステルス方向が脅威物体2を向くようにするとの制約条件とに基づいて、操舵指令値v(または、操舵指令値vおよび推力指令値t)を算出する。算出された操舵指令値vは、船舶の操舵装置80に送信される。また、推力指令値tが算出される場合には、算出された推力指令値tは、船舶の推進装置85に送信される。この場合、自動操舵による防御支援が実現される。代替的に、あるいは、付加的に、算出された操舵指令値vに対応する操舵指示(または、算出された操舵指令値vに対応する操舵指示、および、算出された推力指令値tに対応するエンジン出力調整指示)が、ユーザーが認識可能な出力装置90に出力されてもよい。この場合、手動操舵をアシストすることによる防御支援が実現される。演算装置50は、記憶装置70に記憶されたプログラムを実行することにより、操舵指令値v(または、操舵指令値vおよび推力指令値t)を算出する指令値算出手段58、および/または、操舵指示(または、操舵指示およびエンジン出力調整指示)を決定する指示決定手段62として機能する。
(脅威物体がレーダー波発信脅威物体である場合)
例えば、算出された脅威物体2の方位がθ方向であり、算出された脅威物体2の特性が、レーダーを搭載しているとの特性(換言すれば、レーダー波を発信しているとの特性)であり、記憶装置70に記憶されたステルス方向が、方向D1または方向D2である場合を想定する。この場合、演算装置50は、ステルス方向(方向D1または方向D2)が、脅威物体2を向くように、操舵指令値v(または、操舵指令値vおよび推力指令値t)を算出する。操舵指令値vは、操舵装置80に送信される。また、推力指令値tが算出される場合には、算出された推力指令値tは、船舶の推進装置85に送信される。そして、船舶の姿勢は、操舵装置80(または、操舵装置80および推進装置85)によって変更される。図7には、図6におけるθ方向と方向D1とのなす角度に対応する操舵指令値vおよび推力指令値tが操舵装置80および推進装置85に、それぞれ、送信された結果、方向D1(ステルス方向)が脅威物体2を向くように、船舶1の姿勢が変更された例を示す。
なお、船舶1が検出されにくいステルス方向(方向D1または方向D2)が複数ある場合、演算装置50は、複数のステルス方向の中から、船舶の姿勢変更量が相対的に少なくて済むステルス方向を、採用すべき第1ステルス方向として決定してもよい。例えば、図6に記載の例では、方向D1とθ方向とを一致させる際に必要な姿勢変更量が、方向D2とθ方向とを一致させる際に必要な姿勢変更量よりも小さい。このため、演算装置50は、方向D1と、脅威物体2の方位(θ方向)とが一致するように、操舵指令値v(または、操舵指令値vおよび推力指令値t)を算出する。代替的に、船舶が検出されにくいステルス方向(方向D1または方向D2)が複数ある場合、演算装置50は、船舶1の位置、向き、または、速さと、他の移動体(例えば、僚船100)の位置、向き、または、速さとを考慮して、複数のステルス方向の中から、船舶1が採用すべき第1ステルス方向を決定してもよい。例えば、僚船100の位置が、図7において破線で示される位置にある場合、方向D1と脅威物体2の方位(θ方向)とが一致するように船舶1を操舵すると、船舶1の進路と僚船100の進路とが干渉するおそれがある(あるいは、船舶1と僚船100とが衝突するおそれがある)。このような場合には、複数のステルス方向(方向D1またはD2)の中から、僚船100の位置または進路と干渉しないようなステルス方向(例えば、方向D2)が第1ステルス方向として決定される。なお、第1ステルス方向は、船舶1が僚船100以外の障害物とも干渉しない方向であることが好ましい。
なお、移動体防衛支援システムが、航空機防衛支援システムである場合には、複数のステルス方向の中から、航空機が採用すべき第1ステルス方向を決定する際に、当該航空機と脅威物体2との間の距離が長くなる方向(脅威物体2から逃げる方向)を、第1ステルス方向として決定してもよい。代替的に、あるいは、付加的に、複数のステルス方向の中から、航空機が採用すべき第1ステルス方向を決定する際に、当該航空機の速度および/または高度が低下しにくい方向を、第1ステルス方向として決定してもよい。代替的に、あるいは、付加的に、複数のステルス方向の中から、航空機が採用すべき第1ステルス方向を決定する際に、当該航空機が、他の移動体(例えば、僚機または民間機)の位置または進路と干渉しない方向を、第1ステルス方向として決定してもよい。
なお、移動体防衛支援システムが、車両防衛支援システムである場合には、複数のステルス方向の中から、車両が採用すべき第1ステルス方向を決定する際に、川および谷の存在しない方向を、第1ステルス方向として決定してもよい。代替的に、あるいは、付加的に、複数のステルス方向の中から、車両が採用すべき第1ステルス方向を決定する際に、車両が走行可能な方向(例えば、道路または平地の存在する方向)を、第1ステルス方向として決定してもよい。代替的に、あるいは、付加的に、複数のステルス方向の中から、車両が採用すべき第1ステルス方向を決定する際に、当該車両が、他の移動体(例えば、他の車両等)の位置または進路と干渉しない方向を、第1ステルス方向として決定してもよい。
図8には、手動操作アシストの例が示されている。図8は、出力装置90における出力画面の例を示す。図8に記載の例では、脅威物体2の方位(θ方向)と、船舶1が検出されにくいステルス方向(方向D1、方向D2)とが表示されている。このため、ユーザーは、当該出力画面を参照して、船舶が検出されにくいステルス方向が脅威物体2に向かうように、船舶1を操舵することが可能となる。代替的に、あるいは、付加的に、出力画面には、船舶1が検出されにくい姿勢方向に向けて船舶1を操舵するためのガイド(矢印R1等)が表示されてもよい。代替的に、あるいは、付加的に、船舶1が検出されにくい姿勢方向に向けて船舶1を操舵するための音声指示が出力装置90から出力されてもよい。なお、脅威物体2の方位(θ方向)およびステルス方向(方向D1)を示す表示、ガイド(矢印R1等)、または、音声指示は、操舵指令値vに対応する操舵指示(または、操舵指令値vに対応する操舵指示および推力指令値tに対応するエンジン出力調整指示)に該当する。
(脅威物体がレーダー波発信脅威物体以外の脅威物体である場合)
代替的に、算出された脅威物体2の方位がθ方向であり、算出された脅威物体2の特性が赤外線センサを搭載しているとの特性であり、記憶装置70に記憶されたステルス方向が、方向D5、方向D7または方向D8である場合を想定する。この場合、演算装置50は、ステルス方向(方向D5、方向D7または方向D8)が、脅威物体2を向くように、操舵指令値v(または、操舵指令値vおよび推力指令値t)を算出する。操舵指令値vは、操舵装置80に送信される。また、推力指令値tが算出される場合には、算出された推力指令値tは、船舶の推進装置85に送信される。そして、船舶の姿勢は、操舵装置80(または、操舵装置80および推進装置85)によって変更される。図9には、θ方向と図5における方向D5とのなす角度に対応する操舵指令値vおよび推力指令値tが操舵装置80および推進装置85に、それぞれ、送信された結果、方向D5(ステルス方向)が脅威物体2を向くように、船舶1の姿勢が変更された例を示す。
なお、船舶が検出されにくいステルス方向(方向D5、方向D7または方向D8)が複数ある場合、演算装置50は、複数のステルス方向の中から、船舶の姿勢変更量が相対的に少なくて済むステルス方向を、採用すべき第1ステルス方向として決定してもよい。代替的に、船舶が検出されにくいステルス方向(方向D5、方向D7または方向D8)が複数ある場合、演算装置50は、船舶1の位置、向き、または、速さと、他の移動体(例えば、僚船100)の位置、向き、または、速さとを考慮して、複数のステルス方向の中から、船舶1が採用すべき第1ステルス方向を決定してもよい。例えば、僚船100の位置が、図9において破線で示される位置にある場合、方向D5と脅威物体2の方位(θ方向)とが一致するように船舶1を操舵すると、船舶1の進路と僚船100の進路とが干渉するおそれがある(あるいは、船舶1と僚船100とが衝突するおそれがある)。このような場合には、複数のステルス方向(方向D5、D7またはD8)の中から、僚船100の位置または進路と干渉しないようなステルス方向(例えば、方向D7)が第1ステルス方向として決定される。なお、第1ステルス方向は、船舶1が僚船100以外の障害物とも干渉しない方向であることが好ましい。
なお、移動体防衛支援システムが、航空機防衛支援システムである場合には、複数のステルス方向の中から、航空機が採用すべき第1ステルス方向を決定する際に、当該航空機と脅威物体2との間の距離が長くなる方向(脅威物体2から逃げる方向)を、第1ステルス方向として決定してもよい。代替的に、あるいは、付加的に、複数のステルス方向の中から、航空機が採用すべき第1ステルス方向を決定する際に、当該航空機の速度および/または高度が低下しにくい方向を、第1ステルス方向として決定してもよい。代替的に、あるいは、付加的に、複数のステルス方向の中から、航空機が採用すべき第1ステルス方向を決定する際に、当該航空機が、他の移動体(例えば、僚機または民間機)の位置または進路と干渉しない方向を、第1ステルス方向として決定してもよい。
なお、移動体防衛支援システムが、車両防衛支援システムである場合には、複数のステルス方向の中から、車両が採用すべき第1ステルス方向を決定する際に、川および谷の存在しない方向を、第1ステルス方向として決定してもよい。代替的に、あるいは、付加的に、複数のステルス方向の中から、車両が採用すべき第1ステルス方向を決定する際に、車両が走行可能な方向(例えば、道路または平地の存在する方向)を、第1ステルス方向として決定してもよい。代替的に、あるいは、付加的に、複数のステルス方向の中から、車両が採用すべき第1ステルス方向を決定する際に、当該車両が、他の移動体(例えば、他の車両等)の位置または進路と干渉しない方向を、第1ステルス方向として決定してもよい。
図10には、手動操作アシストの例が示されている。図10は、出力装置90における出力画面の例を示す。図10に記載の例では、脅威物体2の方位(θ方向)と、船舶1が検出されにくいステルス方向(D5、D7、D8)とが表示されている。このため、ユーザーは、当該出力画面を参照して、船舶が検出されにくいステルス方向が脅威物体2を向くように、船舶1を操舵することが可能となる。代替的に、あるいは、付加的に、出力画面には、船舶が検出されにくい姿勢方向に向けて船舶1を操舵するためのガイド(矢印R2等)が表示されてもよい。代替的に、あるいは、付加的に、船舶1が検出されにくい姿勢方向に向けて船舶1を操舵するための音声指示が出力装置90から出力されてもよい。
なお、RCS値が相対的に小さな方向(第1方向)であり、かつ、IR放射量も相対的に小さな方向(第2方向)である第3方向(図4の方向D1と図5の方向D5とは一致しているため、当該方向D1および方向D5が、第3方向に対応する。)が存在する場合、当該第3方向が、優先的に、採用されるべき第1ステルス方向として決定されるようにしてもよい。すなわち、例えば、脅威物体2の船舶1への到達までに相対的に長い時間があるような場合には、演算装置50は、第3方向を、優先的に、採用すべき第1ステルス方向として決定し、当該第1ステルス方向(第3方向である方向D1)が脅威物体2を向くように、操舵指令値v(または、操舵指令値vおよび推力指令値t)を算出してもよい。
以上のとおり、第1の実施形態では、演算装置は、脅威物体の方位と、脅威物体の特性と、船舶のステルス方向とに基づいて、当該ステルス方向が脅威物体を向くように、船舶の操舵装置に操舵指令値(または、操舵指令値vおよび推力指令値t)を送信するか、あるいは、ユーザーが認識可能な出力装置に操舵指示(または、操舵指示およびエンジン出力調整指示)を出力する。その結果、脅威物体の特性に基づいて、最適な姿勢を取ることが可能な船舶防衛支援システムが実現される。そして、船舶の損傷が効果的に回避または低減される。
(第1変形例)
図11乃至図13を参照して、第1の実施形態の変形例について説明する。変形例では、記憶装置70に記憶されるデータの内容(船舶1が検出されにくいステルス方向を示すデータの内容)が異なっている。また、第1変形例では、船舶1は、船舶防衛支援システム10の一部として、あるいは、船舶防衛支援システム外の関連装置として、船舶1の動作状態を監視する監視装置95を備える。その他の点では、第1変形例の船舶(または、船舶防衛支援システム10)の構成は、第1の実施形態の船舶(または、船舶防衛支援システム10)の構成と同様である。
図11に示されるように、第1変形例における記憶装置70は、船舶1に対する相対方位(より具体的には、船舶からみた相対方位に対応する方位角θ)と、船舶のRCS値とを関連付けて記憶している。換言すれば、記憶装置70は、船舶1に対する相対方位と、船舶のRCS値とが関連付けられた関連データ(以下、「第2関連データ」という。)を記憶している。なお、図11における各RCS値は、方位角0度に対応するRCS値を100として、対応する方位におけるRCS値を正規化した値に対応する。例えば、船舶のRCS値が相対的に小さな値であるか否かを判定するのに用いる上述の第1閾値TH1が40である時、図11に基づいて、船舶1が検出されにくいステルス方向は、方位角80度以上100度以下、および、方位角260度以上280度以下に対応する方向であることが把握される。なお、上述の第2関連データは、実際の船舶あるいは模型を用いて予め測定されたデータであってもよいし、シミュレーションによって取得されたデータであってもよい。
図12に示されるように、第1変形例における記憶装置70は、船舶1に対する相対方位(より具体的には、船舶1からみた相対方位に対応する方位角θ)と、船舶1の動作状態と、船舶1のIR放射量とを関連付けて記憶している。換言すれば、記憶装置70は、船舶1に対する相対方位と、船舶1の動作状態と、船舶1のIR放射量とが関連付けられた関連データ(以下、「第1関連データ」という。)を記憶している。なお、図12におけるIR放射量は、船舶1の動作がすべて停止している時であって、かつ、方位角0度に対応するIR放射量を100として、対応する方位におけるIR放射量を正規化した値に対応する。なお、上述の第1関連データは、実際の船舶あるいは模型を用いて予め測定されたデータであってもよいし、シミュレーションによって取得されたデータであってもよい。
例えば、船舶のIR放射量が相対的に小さな値であるか否かを判定するのに用いる上述の第2閾値TH2が250である時、図12に基づいて、船舶1が検出されにくいステルス方向は、船舶1の動作がすべて停止している時には、全方位(すなわち、方位角0度以上360度以下)であることが把握される。また、船舶1のエンジン出力が50%である時には、船舶1が検出されにくいステルス方向は、方位角が0度以上260度以下、280度以上360度以下に対応する方向であることが把握される。また、船舶1のエンジン出力が100%である時には、船舶1が検出されにくいステルス方向は、方位角が0度以上250度以下、290度以上360度以下に対応する方向であることが把握される。なお、船舶1の動作状態は、エンジンの出力状態に限られない。例えば、船舶1の速度等を、船舶1の動作状態を示す指標として用いることが可能である。
図13に示されるように、第1変形例における船舶防衛支援システム10は、船舶1の動作状態を監視する監視装置95を備える。監視装置95によって検出された監視データは、演算装置50に送信される。演算装置50は、受信した監視データに基づいて、船舶1の動作状態を算出する。演算装置50は、脅威物体2の方位(θ方向)と、脅威物体2の特性(例えば、IRセンサを備えているとの特性)と、第1関連データとに基づいて、船舶1が検出されにくいステルス方向が脅威物体2を向くように、操舵指令値v(または、操舵指令値vおよび推力指令値t)を算出する。操舵指令値vは、操舵装置80に送信される。また、推力指令値tが算出される場合には、算出された推力指令値tは、船舶の推進装置85に送信される。代替的に、あるいは、付加的に、操舵指令値vに対応する操舵指示が、出力装置90に出力される。付加的に、推力指令値tに対応するエンジン出力調整指示が、出力装置90に出力されてもよい。例えば、演算装置50は、脅威物体2の方位がθ=270度方向であり、脅威物体2がIRセンサを備えた脅威物体であり、船舶の動作状態が、エンジン出力100%の状態である時、船舶1が時計回りに20度姿勢変更するように(あるいは、船舶1が反時計回りに20度姿勢変更するように)、操舵装置80に操舵指令値vを送信する。
第1変形例は、第1の実施形態と同様の効果を奏する。また、第1変形例では、船舶の動作状態を考慮して、脅威物体から検出されにくいステルス方向が決定されるため、船舶に対する防衛支援性能が更に向上する。
(第2の実施形態)
図14乃至図17を参照して、第2の実施形態における船舶防衛支援システム10について説明する。第2の実施形態は、例えば、脅威物体が複数存在する場合に対応する実施形態である。なお、第2実施形態の船舶防衛支援システム10において、第1の実施形態(または、第1の実施形態の第1変形例)の船舶防衛支援システム10の構成要素と同じ機能を有する構成要素については、同じ図番を付与し、繰り返しの説明を省略する。
図14には、船舶1の周囲に第1脅威物体2−1および第N脅威物体2−Nを含むN個の脅威物体が存在する例が示されている。なお、「N」は、2以上の自然数であり、後述の「K」は、1以上N以下の任意の自然数である。図14に記載の例では、第1脅威物体2−1は、航空機であり、第N脅威物体2−Nは、ミサイルである。
図15は、船舶防衛支援システム10の機能を模式的に示す機能ブロック図である。図15に記載の例では、船舶防衛支援システム10が、船舶1に搭載されている。しかし、船舶防衛支援システム10の少なくとも一部(例えば、演算装置50および記憶装置70、または、検出装置30)は、船舶1以外の物体(例えば、旗艦等の僚艦)に搭載されていてもよい。
検出装置30は、第1脅威物体乃至第N脅威物体を含む複数の脅威物体を検出する。検出装置30は、検出データを演算装置50に送信する。演算装置50に送信される検出データは、記憶装置70に保存されてもよい。
演算装置50は、受信した検出データに基づいて、第K脅威物体2−Kの方位を示す第K方位と、第K脅威物体2−Kの特性を示す第K特性とを算出する。なお、K=1からK=Nまでのすべての自然数について、第K方位と、第K特性とが算出される。また、演算装置50は、第1特性乃至第N特性に基づいて、各脅威物体について、後述の「優先度」を決定する。換言すれば、演算装置50は、記憶装置70に記憶されたプログラムを実行することにより、優先度決定手段64として機能する。
脅威物体の特性には、脅威物体の方位を除く様々な特性が含まれる。例えば、脅威物体が搭載するセンサの種類によって脅威物体の特性を分類する場合、レーダーが搭載された第1脅威物体2−1をカテゴリーB1に分類し、赤外線センサが搭載された第N脅威物体2−NをカテゴリーB2に分類してもよい。
代替的に、あるいは、付加的に、脅威物体自体の種類によって脅威物体の特性を分類する場合、例えば、航空機をカテゴリーC1に分類し、ミサイルをカテゴリーC2に分類してもよい。代替的に、あるいは、付加的に、脅威物体の破壊力が相対的に小さい場合、当該脅威物体をカテゴリーC1−1(またはC2−1)に分類し、脅威物体の破壊力が相対的に大きい場合、当該脅威物体をカテゴリーC1−2(またはC2−2)に分類してもよい。脅威物体自体の種類に基づく特性の分類は、例えば、検出データのうち脅威物体に対応する部分と、予め記憶装置70に記憶されているテンプレートとのテンプレートマッチングを用いて行われてもよい。
図16には、脅威物体の特性として、脅威物体自体の種類に基づく特性を用いる例が示されている。図16に記載の例では、脅威物体が脅威物体自体の種類によって分類されている。第1脅威物体2−1は、カテゴリーC1(航空機)に分類され、第N脅威物体2−Nは、カテゴリーC2(ミサイル)に分類されている。優先度決定手段64(演算装置50)は、例えば、カテゴリーC1の脅威物体(航空機)よりも、カテゴリーC2の脅威物体(ミサイル)の方が優先度が高いと判定する。また、優先度決定手段64は、例えば、カテゴリーC2−1の脅威物体(破壊力が小さなミサイル)よりも、カテゴリーC2−2の脅威物体(破壊力が大きなミサイル)の方が優先度が高いと判定する。その結果、図16に記載の例では、優先度決定手段64は、第M脅威物体2−Mの優先度が最も高く、次に、第N脅威物体2−Nの優先度が高く、第1脅威物体2−1の優先度は低いと判定する。なお、図16において、優先度の高いものほど、より小さな番号が付与されている。
優先度決定手段64は、優先度が最も高い第M脅威物体2−Mを、優先脅威物体2−PRと決定する。演算装置50は、ステルス方向が優先脅威物体2−PRを向くように、操舵装置80に操舵指令値vを送信するか、あるいは、出力装置90に操舵指示を出力する。付加的に、演算装置50は、ステルス方向が優先脅威物体2−PRを向くように、推進装置85に推力指令値tを送信するか、あるいは、出力装置90にエンジン出力調整指示を出力してもよい。すなわち、第1の実施形態の「脅威物体2」を、第2の実施形態の「優先脅威物体2−PR」に読み替えると、第2の実施形態における指令値算出手段58の動作、および/または、指示決定手段62の動作は、第1の実施形態における指令値算出手段58の動作、および/または、指示決定手段62の動作と同様となる。
代替的に、あるいは、付加的に、優先脅威物体2−PRを決定する場合に、他の分類(脅威物体の他の特性)が用いられてもよい。例えば、脅威物体が船舶1に到達するまでの到達予測時間が相対的に短いか否かを示す特性に基づいて、脅威物体を分類し、当該分類を考慮して優先脅威物体2−PRが決定されてもよい。到達予測時間に基づいて、脅威物体を分類する場合、例えば、到達予測時間が、第3閾値Th3より大きい時、脅威物体をカテゴリーE1に分類し、到達予測時間が、第3閾値Th3以下である時、脅威物体をカテゴリーE2に分類してもよい。到達予測時刻は、例えば、現時点における脅威物体と船舶1との間の距離と、現時点における脅威物体の速度とに基づいて、算出されてもよい。優先度決定手段64(演算装置50)は、カテゴリーE1の脅威物体(到達予測時間が相対的に長い脅威物体)よりも、カテゴリーE2の脅威物体(到達予測時間が相対的に短い脅威物体)の方が優先度が高いと判定する。
代替的に、あるいは、付加的に、脅威物体が船舶1から離れていく物体である時、脅威物体をカテゴリーF1に分類し、脅威物体が船舶1に近づいてくる物体である時、脅威物体をカテゴリーF2に分類してもよい。優先度決定手段64は、カテゴリーF1の脅威物体(離れていく脅威物体)よりも、カテゴリーF2の脅威物体(近づいてくる脅威物体)の方が優先度が高いと判定する。
図17は、脅威物体が複数種類の特性によって分類され、複数種類の特性に基づいて、各脅威物体の優先度が決定された例を示している。図17に記載の例では、優先度決定手段64は、第M脅威物体2−Mの優先度が最も高く、次に、第J脅威物体2−Jの優先度が高く、次に、第N脅威物体2−Nの優先度が高く、第1脅威物体2−1の優先度は低いと判定している。
優先度決定手段64は、優先度が最も高い脅威物体(第M脅威物体2−M)を、優先脅威物体2−PRと決定する。優先脅威物体2−PR決定後の動作については、図16を用いて説明した上述の例と同様である。なお、カテゴリーF1の脅威物体(離れていく脅威物体)は、自動的に優先脅威物体の候補から除外されるようにしてもよい。また、例えば、ある脅威物体を優先脅威物体2−PRとして決定して操舵すると、船舶1と僚船100あるいは他の障害物との干渉が避けられないような場合には、当該脅威物体は、優先脅威物体の候補から自動的に除外されるようにしてもよい。
なお、図16には、分類B(脅威物体の搭載センサの種類に基づく分類)、分類C(脅威物体自体の種類に基づく分類)、分類E(脅威物体の到達予測時間に基づく分類)、分類F(脅威物体の接近または離間に基づく分類)が記載されている。しかし、優先度決定手段64は、分類B、分類C、分類E、分類Fのうちのいずれか1つのみを用いて、優先脅威物体2−PRを決定してもよい。代替的に、優先度決定手段64は、分類B、分類C、分類E、分類Fのうちの任意の2つ以上の組み合わせを用いて、優先脅威物体2−PRを決定してもよい。例えば、優先度決定手段64は、分類Bと分類Cとを用いて、優先脅威物体2−PRを決定してもよい。
付加的に、優先度決定手段64は、上述の分類(分類B、分類C、分類E、または、分類F)に加えて、船舶1に対する各脅威物体の相対方位を考慮して、優先脅威物体2−PRを決定してもよい。例えば、ある脅威物体(例えば、脅威物体2−J)から検出されにくい姿勢方向に姿勢を変更する時の操舵量が、他の脅威物体から検出されにくい姿勢方向に姿勢を変更する時の操舵量よりも小さくなる場合には、当該脅威物体2−Jが優先的に、優先脅威物体2−PRとして決定されるようにしてもよい。
第2の実施形態は、第1の実施形態と同様の効果を奏する。また、第2の実施形態では、複数の脅威物体が存在する場合であっても、脅威物体の特性に基づいて、船舶の最適姿勢を決定することが可能な船舶防衛支援システムが実現される。
(第3の実施形態)
図18および図19を参照して、第3の実施形態に係る船舶防衛支援システム10について説明する。第3の実施形態の演算装置50は、複数の脅威物体の中から、物理破壊の対象とする脅威物体である破壊目標物体を抽出する点で、第2の実施形態の演算装置50とは異なる。第3実施形態の船舶防衛支援システム10において、第2の実施形態の船舶防衛支援システム10の構成要素と同じ機能を有する構成要素については、同じ図番を付与し、繰り返しの説明を省略する。
図18は、第3の実施形態における船舶防衛支援システム10の機能を模式的に示す機能ブロック図である。船舶防衛支援システム10の演算装置50は、記憶装置70に記憶されたプログラムを実行することにより、破壊目標抽出手段66として機能する。
破壊目標抽出手段66(演算装置50)は、第1脅威物体2−1の第1特性乃至第N脅威物体2−Nの第N特性に基づいて、複数の脅威物体の中から、破壊目標物体2−DESを抽出する。例えば、破壊目標抽出手段66は、複数の脅威物体の中に無人の脅威物体と、有人の脅威物体とが含まれる時、無人の脅威物体を破壊目標物体2−DESとして抽出するようにしてもよい。無人の脅威物体を破壊対象とすることで、人命が尊重される。また、破壊目標抽出手段66は、操舵によって防衛することが困難な脅威物体を破壊目標物体2−DESとして抽出してもよい。例えば、ある脅威物体の到達予測時間が、船舶を当該脅威物体から検知されにくい姿勢方向に方向転換するまでの時間よりも短い時、当該脅威物体を、破壊目標物体2−DESとして抽出してもよい。代替的に、あるいは、付加的に、ある脅威物体を優先脅威物体2−PRとして決定して操舵すると、船舶1と僚船100あるいは他の障害物との干渉が避けられないような場合には、当該脅威物体を、破壊目標物体2−DESとして抽出してもよい。
図19は、図17に示されたテーブルにおいて、第M脅威物体2−Mが、破壊目標物体2−DESとして抽出された例を示すテーブルである。図19に記載の例では、第M脅威物体2−Mを破壊目標物体として抽出した結果、演算装置50は、第M脅威物体2−Mを、優先脅威物体の候補から除外している。そして、図19に記載の例では、演算装置50は、破壊目標物体ではない第J脅威物体2−Jを、優先脅威物体2−PRとして決定している。
第3の実施形態は、第2の実施形態と同様の効果を奏する。また、第3の実施形態では、ある脅威物体についてはハードキル(物理破壊)により対応し、別の脅威物体についてはソフトキル(脅威物体から検出されにくい方向への操舵)により対応している。このため、防衛の選択肢が広がり、船舶の損傷がより一層効果的に回避される。
なお、脅威物体から検出されにくい方向への操舵(1つのソフトキル手段)と、他のソフトキル手段(例えば、チャフの放出)とが組み合わせられて実行されてもよい。脅威物体から検出されにくい方向への操舵と、チャフの放出とを組み合わせて実行することにより、船舶が、より一層、脅威物体から検出されにくくなる。この場合、船舶1(または、船舶防衛支援システム10)には、演算装置50からの指令によりチャフを放出するチャフ放出手段97が設けられる必要がある。
(第4の実施形態)
図20を参照して、第4の実施形態における船舶防衛支援方法について説明する。第4の実施形態における船舶防衛支援方法は、上述のいずれかの実施形態または変形例における船舶防衛支援システムを用いた船舶防衛支援方法である。
図20は、第4の実施形態における船舶防衛支援方法を説明するためのフローチャートである。
第1ステップS1において、脅威物体を検出する検出装置30が、脅威物体2を検出する。
第2ステップS2において、検出装置30は、検出データを、船舶防衛支援システム10の演算装置50に送信する。
第3ステップS3において、演算装置50は、検出データに基づいて、脅威物体2の方位と、脅威物体2の特性とを算出する。なお、検出データに、第1脅威物体2−1乃至第N脅威物体2−Nを含む複数の脅威物体が含まれる場合には、演算装置50は、各脅威物体2−Kについて、脅威物体2−Kの方位と、脅威物体2−Kの特性とを算出する。
第4ステップS4において、演算装置50は、優先脅威物体を決定する。検出データに、1つの脅威物体2のみが含まれる場合には、演算装置50は、当該脅威物体2を優先脅威物体2−PRとして決定する。検出データに、第1脅威物体2−1乃至第N脅威物体2−Nを含む複数の脅威物体が含まれる場合には、演算装置50は、各脅威物体2−Kの特性を考慮して(あるいは、各脅威物体2−Kの方位、および、各脅威物体2−Kの特性を考慮して)、複数の脅威物体の中から、優先脅威物体2−PRを決定する。なお、優先脅威物体2−PRの決定の手順は、上述の第2の実施形態、第3の実施形態で説明した手順と同様であってもよい。第4ステップS4において、演算装置50が、複数の脅威物体の中から、破壊目標物体2−DESを抽出する場合には、当該破壊目標物体2−DESは、優先脅威物体2−PRの候補から除外されてもよい。なお、破壊目標物体2−DESを抽出する手順は、上述の第3の実施形態で説明した手順と同様であってもよい。
第5ステップS5において、演算装置50は、優先脅威物体2−PRの方位と、優先脅威物体2−PRの特性と、記憶装置70に記憶されたステルス方向(船舶1が検出されにくい方向)と、ステルス方向が優先脅威物体2−PRに向かうようにするとの制約条件とに基づいて、操舵指令値vを算出する。付加的に、演算装置50は、優先脅威物体2−PRの方位と、優先脅威物体2−PRの特性と、記憶装置70に記憶されたステルス方向(船舶1が検出されにくい方向)と、ステルス方向が優先脅威物体2−PRに向かうようにするとの制約条件とに基づいて、推力指令値tを算出してもよい。なお、優先脅威物体2−PRが、レーダーを搭載した脅威物体である場合には、上述のステルス方向は、船舶のRCS値が相対的に小さな方向(第1方向)に対応し、優先脅威物体2−PRが、赤外線センサを搭載した脅威物体である場合には、上述のステルス方向は、船舶のIR放射量が相対的に小さな方向(第2方向)に対応する。
第6ステップS6において、演算装置50は、算出された操舵指令値vを操舵装置80に送信する。付加的に、演算装置50は、算出された推力指令値tを推進装置85に送信してもよい。代替的に、あるいは、付加的に、第6ステップS6において、演算装置50は、操舵指令値vに対応する操舵指示(または、操舵指令値vに対応する操舵指示および推力指令値に対応するエンジン出力調整指示)をユーザーが認識可能な出力装置90に出力してもよい。
以上のとおり、第4の実施形態では、演算装置が、脅威物体の方位と、脅威物体の特性と、脅威物体から検出されにくいステルス方向とに基づいて、当該ステルス方向が脅威物体に向かうように、操舵指令値(または、操舵指令値および推力指令値)が算出される。その結果、脅威物体の特性に基づいて、最適な姿勢を取ることが可能な船舶防衛支援方法が実現される。そして、船舶の損傷が効果的に回避または低減される。
本発明は上記各実施形態に限定されず、本発明の技術思想の範囲内において、各実施形態は適宜変形又は変更され得ることは明らかである。また、各実施形態又は変形例で用いられる種々の技術は、技術的矛盾が生じない限り、他の実施形態又は変形例にも適用可能である。
1 :移動体(船舶、航空機、または、車両等)
2 :脅威物体
2' :脅威物体
2−1 :第1脅威物体
2−K :第K脅威物体
2−N :第N脅威物体
10 :船舶防衛支援システム
30 :検出装置
32 :第1通信インターフェース
50 :演算装置
52 :第2通信インターフェース
54 :方位算出手段
56 :特性算出手段
58 :指令値算出手段
62 :指示決定手段
64 :優先度決定手段
66 :破壊目標抽出手段
70 :記憶装置
80 :操舵装置
85 :推進装置
90 :出力装置
95 :監視装置
97 :チャフ放出手段
100 :僚船

Claims (10)

  1. 演算装置と、
    移動体が検出されにくい方向をステルス方向と定義する時、当該ステルス方向を記憶した記憶装置と
    を具備し、
    前記演算装置は、検出装置から受け取る検出データに基づいて、脅威物体の方位と、前記脅威物体の特性とを算出し、
    前記演算装置は、前記脅威物体の前記方位と、前記脅威物体の前記特性と、前記記憶装置に記憶された前記ステルス方向とに基づいて、前記ステルス方向が前記脅威物体を向くように操舵指令値を算出し、
    前記演算装置は、前記操舵指令値を前記移動体の操舵装置に送信するか、あるいは、前記操舵指令値に対応する操舵指示をユーザーが認識可能な出力装置に出力する
    移動体防衛支援システム。
  2. 前記脅威物体の前記特性は、前記脅威物体がレーダーを搭載しているとの特性、または、前記脅威物体がIRセンサを搭載しているとの特性を含み、
    前記ステルス方向は、前記移動体のRCS値が相対的に小さな方向を示す第1方向、または、IR放射量が相対的に小さな方向を示す第2方向である
    請求項1に記載の移動体防衛支援システム。
  3. 前記ステルス方向は、前記移動体の前記RCS値が相対的に小さな方向を示す第1方向、かつ、前記IR放射量が相対的に小さな方向を示す第2方向である
    請求項2に記載の移動体防衛支援システム。
  4. 前記脅威物体の前記特性が、前記脅威物体がレーダーを搭載しているとの特性を含む時、前記演算装置は、前記第1方向が前記脅威物体を向くように、前記操舵指令値を算出し、
    前記脅威物体の前記特性が、前記脅威物体がIRセンサを搭載しているとの特性を含む時、前記演算装置は、前記第2方向が前記脅威物体を向くように、前記操舵指令値を算出する
    請求項2または3に記載の移動体防衛支援システム。
  5. 前記記憶装置は、前記移動体に対する相対方位と、前記移動体の動作状態と、前記移動体の前記IR放射量とが関連付けられた第1関連データを記憶しており、
    前記演算装置は、前記移動体の動作状態を監視する監視装置から受信する監視データに基づいて、前記移動体の動作状態を算出し、
    前記演算装置は、前記脅威物体の前記方位と、前記脅威物体の前記特性と、前記移動体の動作状態と、前記第1関連データとに基づいて、前記第2方向が前記脅威物体を向くように、前記操舵指令値を算出する
    請求項2乃至4のいずれか一項に記載の移動体防衛支援システム。
  6. 前記演算装置は、他の移動体の位置または進路と干渉しないように、複数の前記ステルス方向の中から、採用すべき第1ステルス方向を決定する
    請求項1乃至5のいずれか一項に記載の移動体防衛支援システム。
  7. Nを2以上の自然数とする時、前記検出データは、第1脅威物体乃至第N脅威物体の検出データを含み、
    Kを1以上N以下の任意の自然数とする時、前記演算装置は、前記検出データに基づいて、第K脅威物体の方位を示す第K方位と、前記第K脅威物体の特性を示す第K特性とを算出し、
    前記演算装置は、第1特性乃至第N特性に基づいて、複数の前記脅威物体の中から、優先度の高い優先脅威物体を決定し、
    前記演算装置は、前記ステルス方向が前記優先脅威物体を向くように、前記操舵指令値を算出する
    請求項1乃至6のいずれか一項に記載の移動体防衛支援システム。
  8. 前記演算装置は、前記脅威物体の搭載センサの種類に基づく分類、前記脅威物体自体の種類に基づく分類、前記脅威物体の到達予測時間に基づく分類、または、前記脅威物体の接近または離間に基づく分類のうちの少なくとも1つの分類に基づいて、前記優先脅威物体を決定する
    請求項7に記載の移動体防衛支援システム。
  9. 前記演算装置は、複数の前記脅威物体の中から、破壊目標物体を抽出し、
    前記演算装置は、前記破壊目標物体を除く複数の前記脅威物体の中から、前記優先脅威物体を決定する
    請求項7または8に記載の移動体防衛支援システム。
  10. 移動体防衛支援システムを用いる移動体防衛支援方法であって、
    前記移動体防衛支援システムは、
    演算装置と、
    移動体が検出されにくい方向をステルス方向と定義する時、当該ステルス方向を記憶した記憶装置と
    を具備し、
    前記移動体防衛支援方法は、
    前記演算装置が、脅威物体を検出する検出装置から検出データを受け取るステップと、
    前記演算装置が、前記検出データに基づいて、前記脅威物体の方位と、前記脅威物体の特性とを算出するステップと、
    前記演算装置が、前記脅威物体の前記方位と、前記脅威物体の前記特性と、前記記憶装置に記憶された前記ステルス方向と、前記ステルス方向が前記脅威物体を向くようにするとの制約条件とに基づいて、操舵指令値を算出するステップと、
    前記演算装置が、前記操舵指令値を前記移動体の操舵装置に送信するステップ、あるいは、前記操舵指令値に対応する操舵指示をユーザーが認識可能な出力装置に出力するステップと
    を具備する
    移動体防衛支援方法。

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