JP2020067044A - エンジンの始動制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】始動時にエンジンが逆回転するのをより確実に防止できるエンジンの始動制御装置を提供する。【解決手段】エンジンを回転駆動可能な駆動手段30と、点火プラグ21と点火コイル22とを含む点火手段20と、駆動手段30および点火手段20を制御する制御手段100と、乗員により操作されて制御手段100に対してエンジンの始動および停止を指示する始動・停止スイッチSW1とを設け、始動・停止スイッチSW1からエンジン始動の指示が出されたと判定すると駆動装置30を駆動させるとともに所定のクランク角度で点火プラグ21から放電が行われるように点火コイル22に通電を行い、駆動装置30の駆動中且つ点火コイル22への通電中に始動・停止スイッチSW1からエンジン停止の指示が出されたと判定すると点火コイル22への通電が終了した後に駆動装置30の駆動を停止するように、制御手段100を構成する。【選択図】図7

Description

本発明は、エンジンを回転駆動可能な駆動手段と、燃焼室内に放電を行う点火手段を備えたエンジンの始動制御装置に関する。
従来、車両等では、エンジンを回転駆動可能な駆動手段を設け、エンジンの始動要求が出されると、前記の駆動手段によりエンジンを強制的に回転させ、エンジンに形成された燃焼室内の混合気を昇圧したのち燃焼させて、エンジンを自立回転させるようにしている。また、エンジンには、混合気を点火するための点火手段が設けられるものがある。つまり、燃焼室内に放電することで混合気を燃焼させようとするものがある。このようなエンジンでは、エンジンの始動要求が出されると点火手段に通電を開始してその電圧を高めて、燃焼室内に放電を行わせる。
ここで、前記のように点火手段による点火が行われるエンジンでは、エンジンの始動要求が出された直後にエンジンの停止要求が出されること等に伴ってスタータモータの駆動が停止している状態で圧縮上死点前に点火手段から放電が行われるおそれがあり、この場合はエンジンが逆回転してしまう。これに対して、例えば、特許文献1には、エンジンが逆転したか否かを検出して、エンジンの逆転が検出されると点火手段による点火を禁止するものが開示されている。
特開2005−220866号公報
前記特許文献1の構成では、エンジンが逆回転した後にはじめて点火手段による点火が停止される。そのため、エンジンが逆回転するのを防止することができない。また、この構成では、点火手段に対して既に通電が開始されており点火手段による点火を回避できない場合、具体的には、点火手段に既に電気エネルギーが蓄えられていることで点火手段の駆動を停止した時点で放電がなされてしまう場合において、エンジンが逆回転するのを防止することができない。
本発明は、前記のような事情に鑑みてなされたものであり、始動時にエンジンが逆回転するのをより確実に防止できるエンジンの始動制御装置を提供することを目的とする。
前記課題を解決するために、本発明は、エンジンを回転駆動可能な駆動手段と、エンジンに形成された燃焼室内に放電する点火プラグと当該点火プラグに電気エネルギーを供給する点火コイルとを含む点火手段と、前記駆動手段および前記点火手段を制御する制御手段と、乗員により操作されて前記制御手段に対してエンジンの始動および停止を指示する始動・停止スイッチとを備え、前記制御手段は、前記始動・停止スイッチからエンジン始動の指示が出されたと判定したとき、前記駆動装置を駆動させるとともに、予め設定された所定のクランク角度で前記点火プラグから放電が行われるように前記点火コイルに通電を行い、前記駆動装置の駆動中且つ前記点火コイルへの通電中に前記始動・停止スイッチからエンジン停止の指示が出されたと判定したとき、前記点火コイルへの通電が終了した後に前記駆動装置の駆動を停止する、ことを特徴とするエンジンの始動制御装置を提供する(請求項1)。
この装置によれば、点火コイルへの通電が終了した後に駆動装置の駆動が停止される。そのため、点火コイルへの通電終了に伴って燃焼室内に点火プラグから放電が行われるタイミングが圧縮上死点前であっても、駆動装置によってエンジンの正回転を維持することができ、エンジンの逆回転をより確実に防止できる。
前記構成において、好ましくは、前記制御手段は、前記点火コイルに連続して通電されている時間が予め設定された上限時間以上になると、前記点火コイルへの通電を停止し、前記駆動装置の駆動中に前記始動・停止スイッチからエンジン停止の指示が出されたと判定した場合、当該判定から予め設定された遅延時間が経過したときに前記駆動装置の駆動を停止させ、前記遅延時間は前記上限時間よりも長い時間に設定されている(請求項2)。
この構成によれば、点火コイルに連続して通電されている時間が予め設定された上限時間以上になると点火コイルへの通電が停止されるので、点火コイルへの過度な通電を防止して点火コイルの損傷を抑制できる。しかも、駆動装置の駆動中に始動・停止スイッチからエンジン停止の指示が出された場合において、当該指示が出されてから所定の遅延時間であって、前記の上限時間よりも長い時間に設定された遅延時間が経過したときに、駆動装置の駆動が停止されるようになっている。そのため、前記のエンジン停止の指示が出される直前に点火コイルへの通電が開始されて上限時間経過後に点火コイルへの通電が停止される場合、つまり、エンジン停止の指示が出されてから点火プラグから放電されるまでの時間が最も長くなる場合であっても、点火コイルへの通電が停止された後に駆動装置を停止させることができる。従って、エンジンの逆回転をより一層確実に防止できる。
また、前記とは異なる構成として、前記点火コイルへの通電が行われているか否かを判定する判定手段を備え、前記駆動装置の駆動中且つ前記点火コイルへの通電中に前記始動・停止スイッチからエンジン停止の指示が出されたと判定した場合、前記判定手段によって前記点火コイルへの通電が終了したと判定された後に前記駆動装置の駆動を停止させるとしてもよい(請求項3)。
この構成によっても、点火コイルへの通電が停止された後に駆動装置を停止させて、エンジンの逆回転を確実に防止できる。
前記構成において、好ましくは、前記制御手段は、前記駆動装置の駆動中で且つ前記点火コイルへの通電が開始されていないときに前記始動・停止スイッチからエンジン停止の指示が出されたと判定した場合は、前記点火コイルへの通電を禁止する(請求項4)。
この構成によれば、駆動装置の駆動中で且つ点火コイルへの通電が開始されていないときに始動・停止スイッチからエンジン停止の指示が出された場合に、点火コイルへの通電自体が禁止されるので、点火コイルからの放電に伴うエンジンの逆回転を確実に防止できる。
以上説明したように、本発明のエンジンの始動制御装置によれば、始動時にエンジンが逆回転するのをより確実に防止できる。
本発明の一実施形態にかかるエンジンシステムの一部を概略的に示した図である。 制御系統を示すブロック図である。 通常のエンジン始動時の各パラメータの時間変化を示したタイムチャートである。 エンジン始動時に生じる問題を説明するためのタイムチャートである。 遅延時間の設定手順を説明するためのタイムチャートである。 本実施形態の始動手順を示すフローチャートである。 本発明の作用効果を説明するためのタイムチャートである。
(1)エンジン周辺の構成
図1は、本発明の一実施形態に係るエンジンの始動制御装置が適用されたエンジンシステムの一部を概略的に示した図である。本図に示されるエンジンは、走行用の動力源として車両に搭載される4サイクルのエンジンである。このエンジンのエンジン本体1は、いわゆる直列4気筒型のものであり、紙面に直交する方向に列状に並ぶ4つの気筒2を有するシリンダブロック3と、各気筒2を上から閉塞するようにシリンダブロック3の上面に設けられたシリンダヘッド4と、各気筒2にそれぞれ往復摺動可能に挿入されたピストン5とを有している。
ピストン5の上方には燃焼室6が画成されている。燃焼室6には、後述するインジェクタ15からの噴射によって燃料が供給される。そして、空気と燃料の混合気に後述する点火プラグ22から点火が行われて、混合気が燃焼し、この混合気の燃焼による膨張力でピストン5が押し下げられてピストン5が上下方向に往復運動する。本実施形態では、エンジン本体1はガソリンエンジンであり、ガソリンを含む燃料がインジェクタ15から燃焼室6内に噴射される。
ピストン5の下方には、エンジン本体1の出力軸であるクランク軸7が設けられている。クランク軸7は、ピストン5の往復運動(上下運動)に応じて中心軸回りに回転駆動される。
図示のような4サイクル4気筒のエンジンでは、各気筒2に設けられたピストン5が、クランク角で180°(180°CA)の位相差をもって上下運動する。このため、各気筒2での燃焼(そのための燃料噴射)のタイミングは、180°CAずつ位相をずらしたタイミングに設定される。具体的には、4つの気筒2の気筒番号を紙面手前から順に1番、2番、3番、4番とすると、1番気筒→3番気筒→4番気筒→2番気筒の順に燃焼が行われる。
シリンダヘッド4には、前記のように燃焼室6内に燃料を噴射するインジェクタ15が各気筒2につき1つずつ設けられている。インジェクタ15は、噴射孔が形成された先端部を備え、この先端部が燃焼室6内を臨むようにシリンダヘッド4に取付けられている。本実施形態では、インジェクタ15は、その先端部が燃焼室6の天井面の略中央に位置するように配設されている。
シリンダヘッド4には、前記の点火プラグ22を含む点火装置20が、各気筒2につき1つずつ設けられている。点火装置20は、点火プラグ22と、点火コイル21とを有する。点火コイル21は、車両に設けられたコントロールユニット100を介して同じく車両に設けられたバッテリ90に接続されている。点火コイル21は、誘電コイルであり、バッテリ90からの電力を受けて高電圧を生成する。点火プラグ22は、その先端部に電極を備えており、点火コイル21から供給された高電圧の電気エネルギーをその先端部において放電する。点火プラグ22からの放電は、点火コイル21への通電が停止されると生じる。このような点火装置20は、請求項の「点火手段」に相当する。
点火装置20は、点火プラグ22の先端部が燃焼室6内を臨む姿勢でシリンダヘッド4に取付けられている。本実施形態では、点火装置20は、点火プラグ22の先端部がインジェクタ15の先端部の側方に位置するように配設されている。
シリンダヘッド4には、各気筒2の燃焼室6に開口する吸気ポート9および排気ポート10と、各ポート9、10を開閉する吸気弁11および排気弁12とが設けられている。吸気弁11および排気弁12は、クランク軸7の回転に連動するカム軸(不図示)を含む動弁機構(不図示)により開閉駆動される。吸気ポート9および排気ポート10には、吸気通路13および排気通路14がそれぞれ接続されている。
シリンダブロック3には、クランク軸7の回転角度(つまりクランク角)、およびクランク軸7の回転数(つまりエンジン回転数)を検出するためのクランク角センサSN1が設けられている。また、シリンダヘッド4には、気筒識別を行う(どの気筒が何行程にあるかを識別する)ために必要なカム軸の角度を検出するためのカム角センサ(不図示)が設けられている。
シリンダブロック3には、エンジンを始動するためのスタータモータ30が固定されている。スタータモータ30は、モータ本体31と、モータ本体31により回転駆動されるピニオンギア32とを有している。ピニオンギア32は、クランク軸7の一端部に連結されたリングギア8と離接可能に噛合している。スタータモータ30を用いてエンジンを始動する際には、ピニオンギア32が所定の噛合位置に移動してリングギア8と噛合し、ピニオンギア32の回転力がリングギア8に伝達されることにより、クランク軸7が回転駆動される。このようなスタータモータ30は、請求項の「駆動装置」に相当する。
点火コイル21と同様に、スタータモータ30およびインジェクタ15等の電装部品は、コントロールユニット100を介してバッテリ90に接続されている。
(2)制御系
エンジンの各部品は、コントロールユニット100により統括的に制御される。図2のブロック図に示すように、本実施形態では、コントロールユニット100として、C−BCM(Central−Body Control Module)101と、PCM(Power Control Module)102が車両に搭載されている。これらC−BCM101およびPCM102は、CPU、ROM、RAM等から構成されるマイクロプロセッサである。このようなコントロールユニット100は、請求項の「制御手段」に相当する。
C−BCM101には、車両に設けられた始動・停止スイッチSW1からの信号が入力される。始動・停止スイッチSW1は、車両の乗員が押圧操作可能なスイッチであり、例えば、車両のダッシュボード等に設けられている。始動・停止スイッチSW1は、エンジンの始動と停止とをC−BCM101に指示するスイッチである。本実施形態では、始動・停止スイッチSW1は、モメンタリ式のスイッチであり、押圧力がなくなると再び元の位置に戻る。
また、C−BCM101には、ブレーキペダルセンサSN2やATレンジセンサSN3等の信号が入力される。ブレーキペダルセンサSN2は、車両に設けられたブレーキペダル(不図示)が踏み込まれているか否かを検出するセンサである。ATレンジセンサSN3は、変速機のシフト位置を検出する。本実施形態では、車両はAT(Automatic Transmission)車であり、ATレンジセンサSN3は、変速機のシフト位置が、駐車レンジであるP(パーキング)レンジ、走行レンジであるD(ドライブ)レンジ、後退レンジであるR(リバース)レンジ、変速機とエンジンとの連結が解除されるN(ニュートラル)レンジのいずれであるかを検出する。なお、車両がMT車の場合は、ATレンジセンサSN3の代わりにクラッチの断接状態を検出するセンサを用い、このセンサの検出値に基づいて後述する前提条件の成否が判定される。
PCM102には、クランク角センサSN1やその他のエンジンの状態を検出するセンサ等の信号が入力される。PCM102は、点火コイル21やインジェクタ15等と接続されており、クランク角センサSN1等の信号に基づいて各種演算を実施してこれらに指令信号を出力する。
C−BCM101とPCM102とはCAN通信線110で接続されており、互いにCAN(Contorller Area Network)通信されるようになっている。
スタータモータ30とバッテリ90とは、リレー回路であるスタータリレー81を介して接続されている。スタータリレー81は、C−BCM101とPCM102とによってON/OFFが切り替えられるようになっている。
具体的には、C−BCM101とPCM102とには、それぞれ、スタータリレー81のON/OFFを切り替えるためのスイッチSW11、スイッチSW12が設けられている。これらスイッチSW11、SW12がともにONにされるとスタータリレー81はONとなり、スタータモータ30にバッテリ90から電力が供給されてスタータモータ30が駆動される。また、これらスイッチSW11、SW12の一方がOFFにされるとスタータリレー81がOFFになりスタータモータ30への通電が停止されてスタータモータ30の駆動が停止される。
PCM102の一部の部品とバッテリ90とは、リレー回路であるIGリレー82を介して接続されている。IGリレー82は、C−BCM101によってON/OFFが切り替えられるようになっている。
具体的には、C−BCM101は、IGリレー82のON/OFFを切り替えるスイッチSW13備えている。このスイッチSW13がONにされると、IGリレー82もONとなり、バッテリ90からPCM102の一部の部品に電力が供給されてこれらが起動される。また、スイッチSW13がOFFにされると、IGリレー82はOFFとなり、PCM102の一部の部品への通電が停止される。
本実施形態では、IGリレー82に接続された前記のPCM102の一部の部品に、スイッチSW12が含まれている。従って、スイッチSW13ひいてはIGリレー82がOFFにされるとスイッチSW12がOFFとなりスタータリレー81がOFFとなってスタータモータ30の駆動が停止する。
C−BCM101には、機能的に第1始動・停止判定部111が設けられている。第1始動・停止判定部111は、始動・停止スイッチSW1等の信号に基づいて、乗員から、エンジンを始動させるという指示が出されたか否か、あるいは、エンジンを停止させるという指示が出されたか否かを判定する。
具体的には、第1始動・停止判定部111は、IGリレー82がONの状態(スイッチSW13がONの状態)で、始動・停止スイッチSW1が押圧操作されると、エンジン始動の指示があったと判定する。ただし、エンジンの駆動が停止している状態で始動・停止スイッチSW1が押圧操作された場合であっても、第1始動・停止判定部111は、ブレーキペダルが踏み込み操作されており、且つ、変速機のシフトがPレンジまたはNレンジにあるという前提条件が成立していない場合は、エンジンの始動を禁止する。
また、第1始動・停止判定部111は、IGリレー82がOFFの状態(スイッチSW13がOFFの状態)で、始動・停止スイッチSW1が押圧操作されると、エンジン停止の指示があったと判定する。
C−BCM90のこのエンジン始動/停止の判定結果は、CANによってPCM100に送信される。PCM100は、この判定結果を受けとって、点火プラグ22等に指示を出す。
PCM102には、機能的に、第2始動・停止判定部121、点火制御部121と、燃料噴射制御部123とが設けられている。
第2始動・停止判定部121は、エンジンを始動させる指示が出されたか否か、あるいは、エンジンを停止させる指示が出されたか否かを判定する。第2始動・停止判定部121は、CAN通信によってC−BCM101の第1始動・停止判定部111から送信された信号を受け取り、この信号に従って前記判定を行う。つまり、C−BCM101の第1始動・停止判定部111にてエンジンを始動させる指示が出されたと判定すると、第2始動・停止判定部121も同じくエンジンを始動させる指示が出されたと判定し、第1始動・停止判定部111にてエンジンを停止させる指示が出されたと判定すると、第2始動・停止判定部121も同じくエンジンを始動させる指示が出されたと判定する。
点火制御部122は、点火装置20を制御する。点火制御部112は、予め設定されたクランク角度で点火プラグ22から燃焼室6内に放電が行われるように、且つ、点火プラグ22からの放電エネルギーが所定のエネルギー以上となるように、点火コイル21に通電を行う。具体的には、点火制御部112は、点火プラグ22から放電が行われるクランク角度である点火時期をエンジン回転数およびエンジン負荷等から設定する。また、点火制御部112は、点火プラグ22の放電エネルギーを所定のエネルギーとするために点火コイル21に通電する必要のある時間分、点火時期から遡った時期(クランク角度での時期)を、前記の点火時期とエンジン回転数とから算出し、この時期を点火コイル21に通電を開始する時期に設定する。そして、点火制御部112は、設定した前記の通電開始時期に、点火コイル21への通電を開始し、点火時期で点火コイル21への通電を停止して点火プラグ22から放電を行わせる。本実施形態では、点火時期は、圧縮上死点付近に設定される。また、点火コイル21への通電開始時期は、圧縮行程中の所定の時期に設定される。
また、点火制御部112は、点火コイル21に連続して通電されている時間が予め設定された上限通電時間に到達すると、点火コイル21への通電を停止する。これは、点火コイル21を保護するためである。つまり、点火コイル21に過度に長時間にわたって通電を行うと、点火コイル21が損傷するおそれがある。そこで、本実施形態では、連続通電時間が上限通電時間に到達すると、点火コイル21への通電を強制的に停止する。上限通電時間は、例えば、100ms程度に設定される。この上限通電時間は、請求項の「上限時間」に相当する。
燃料噴射制御部113は、インジェクタ15を制御する。燃料噴射制御部113は、予め設定されたクランク角度でインジェクタ15から燃焼室6内に必要な量の燃料が噴射されるように、インジェクタ15を駆動する。具体的には、燃料噴射制御部113は、インジェクタ15からの燃料噴射を開始するクランク角度である噴射開始時期と、インジェクタ15から噴射される燃料の量である噴射量に対応する噴射期間とを、エンジン回転数およびエンジン負荷等から設定する。そして、燃料噴射制御部113は、設定した噴射時期から設定した噴射期間だけ、インジェクタ15を駆動して燃焼室6内に燃料を噴射する。インジェクタ15からの燃料噴射は、点火プラグ22からの放電が行われる前に実施され、前記のように噴射された燃料と空気との混合気が点火によって燃焼を開始する。本実施形態では、少なくともエンジン始動時等のエンジン回転数が非常に小さいときは、吸気行程中にインジェクタ15から燃料が噴射される。
(3)エンジン始動の制御
(通常のエンジン始動)
通常のエンジン始動は次のようにして行われる。図3は、通常のエンジン始動時の各パラメータの時間変化を示した図である。なお、図3の最下段のグラフにおけるクランク角は最初に燃料噴射が行われる気筒2のクランク角を示している。
時刻t1にてIGリレー82がOFFの状態で始動・停止スイッチSW1が押圧操作されると、その所定時間後の時刻t2にて、C−BCM101はエンジン始動の指示があったと判定する。図3の上から2つ目のグラフのパラメータは、このC−BCM101の判定結果を表したパラメータであり、C−BCM101がエンジン始動の指示があったと判定すると「ON」になり、エンジン停止の指示があったと判定すると「OFF」になる。エンジン始動の指示があったと判定すると、すぐさま、C−BCM101は、スイッチSW13をONにし、これによりIGリレー82がONとなる。また、これとほぼ同時に、スタータリレー81のC−BCM側のスイッチSW11もONとされる。この時は、まだ、スタータリレー81のPCM側のスイッチSW12がOFFである。これより、時刻t2では、スタータリレー81はONにならずスタータモータ30は駆動されない。
C−BCM101によるエンジン始動の指示があったという判定結果はCAN通信によってPCM102に伝達され、PCM102もエンジン始動の指示があったと判定する。ここで、CAN通信には所定の時間がかかるため、PCM102では、時刻t2よりも後の時刻t3に、エンジン始動の指示があったと判定される。図3の上から5つ目のグラフのパラメータは、このPCM102の判定結果を表すパラメータを表すパラメータであり、PCM102がエンジン始動の指示があったと判定すると「ON」になり、エンジン停止の指示があったと判定すると「OFF」になる。
PCM102は、エンジン始動の指示があったと判定すると、すぐさま、スタータリレー81のPCM102側のスイッチSW12をONにする。これにより、時刻t3にて、スタータモータ30の駆動が開始される。
スタータモータ30が駆動されることに伴い、時刻t3にてエンジンが回転しはじめる。本実施形態では、気筒判別を行ってから燃料噴射が行われるようになっており、この気筒判別後の時刻t4において吸気行程にある気筒2にインジェクタ15から燃料が噴射される。その後、時刻t5にて、この気筒2のクランク角が前記の通電開始時期に到達すると、PCM102は、点火コイル21への通電を開始する。そして、時刻t6にて、この気筒2のクランク角が圧縮上死点付近に設定された点火時期に到達すると、点火コイル21への通電を停止し、これにより、点火プラグ22から燃焼室6内に放電が行われる。この放電により、気筒2(燃焼室6)内にて混合気が燃焼し、エンジンに回転力が付与される。その後は、各気筒2にて順番に燃料噴射と点火とが繰り返されていき、エンジンの回転数が増大していく。本実施形態では、エンジン回転数が予め設定された判定回転数以上になると、エンジンが完爆した、つまり、エンジンが自立回転可能になったと判定するようになっている。判定回転数は例えば500rpm程度に設定されている。これより、本実施形態では、エンジン回転数が判定回転数に到達した時刻t7にて、スイッチSW11、SW12がOFFとされてスタータリレー81がOFFとされ、スタータモータ30の駆動が停止される。
(エンジン始動、停止時の問題)
IGリレー82がOFFの状態で始動・停止スイッチSW1が押圧操作されたとき、通常は、前記のようにしてエンジンが始動される。ところが、エンジン始動のために始動・停止スイッチSW1が押圧操作された後、すぐさま、エンジン停止のために始動・停止スイッチSW1が操作されることがある。この場合において、始動・停止スイッチSW1の操作に伴い、単純にすぐさまスタータモータ30の駆動を停止すると、エンジンが逆回転するおそれがある。図4を用いて、具体的に説明する。
図4は、図3に対応する図であって、始動・停止スイッチSW1の操作によってエンジンを停止する指示が出されたことに伴ってすぐさまスタータモータ30の駆動を停止した場合の各パラメータのタイムチャートである。
図3の場合と同様に、時刻t1にてIGリレー82がOFFの状態で始動・停止スイッチSW1が操作されると、時刻t2にてIGリレー82がONとされ、時刻t3にてスタータリレー81がONとされるとともにスタータモータ30の駆動が開始される。そして、時刻t4にてインジェクタ15から燃料が噴射される。
一方、時刻t4の後の時刻t15にて、始動・停止スイッチSW1が操作されたとする。IGリレー82がONの状態での操作であることから、時刻t15の所定時間後の時刻t17にてC−BCM101はエンジン停止の指示があったと判定する。前記のように、この判定結果はPCM102に送られて、時刻t17の所定時間後の時刻t18にて、PCM102はエンジン停止の指示があったと判定する。
ここで、始動・停止スイッチSW1の操作が行われたタイミングによっては、時刻t17およびt18よりも前の時刻t16にて、燃料噴射がなされた気筒2の点火コイル21への通電が開始される一方でこの気筒2がまだ圧縮上死点に到達していないという状態になり得る。そして、この場合に、エンジン停止の指示があったと判定するのに伴って時刻t17あるいはt18にて即座にスタータモータ30の駆動を停止すると、前記の気筒2は圧縮上死点よりも進角側のクランク角で停止してしまうことになる。この状態では、気筒2のクランク角は、圧縮上死点付近に設定された点火時期に到達しない。そのため、点火コイル21への連続通電時間が前記の上限通電時間に到達する時刻t19にて、点火コイル21への通電が停止されて点火プラグ22から燃焼室6内に放電がなされ、これに伴い燃焼室6内で混合気が燃焼する。このようにスタータモータ30が停止されてスタータモータ30からの駆動力がない状態で圧縮上死点前に混合気が燃焼すると、ピストン5は圧縮上死点よりも進角側の位置において押し下げられてしまい、エンジンが逆回転してしまう。なお、PCM102がエンジン停止を判定した時刻t18にて、点火コイル21への通電を停止することも考えられるが、この場合であっても、点火コイル21への通電が停止されるのに伴って圧縮上死点前に点火プラグ22から放電がなされ、やはり、エンジンは逆回転してしまう。
(本実施形態に係るエンジンの始動制御)
これに対して、本実施形態では、スタータモータ30の駆動中、つまり、エンジンの始動中に、PCM102が始動・停止スイッチSW1からエンジン停止の指示が出されたと判定した場合において、点火コイル21への通電がまだ開始していないときは、この通電を禁止する。これにより、点火プラグ22からの放電は生じなくなり、エンジンの逆回転は防止される。
また、スタータモータ30の駆動中、つまり、エンジンの始動中に、PCM102が始動・停止スイッチSW1からエンジン停止の指示が出されたと判定した場合において、点火コイル21の通電が既に開始しているとき、つまり、前記の判定時に点火コイル21に通電が行われているときは、点火プラグ22から放電がなされるまでスタータモータ30の駆動を維持してエンジンを強制的に回転させる。つまり、点火プラグ22から放電がなされた後にスタータモータ30の駆動を停止するようにする。
本実施形態では、スタータモータ30の駆動中且つ点火コイル21への通電中にPCM102がエンジン停止の指示が出されたと判定すると、この判定から予め設定された第1遅延時間後にスタータモータ30の駆動を停止する。そして、この第1遅延時間を、PCM102がエンジン停止の指示が出されたと判定するタイミングから、点火プラグ22にて放電が行われるタイミングまでの時間(以下、第1期間という)の最大値よりも長い時間とし、これにより、点火プラグ22から放電がなされた後に確実にスタータモータ30の駆動が停止されるようにする。
前記第1期間の最大値および遅延時間について図5を用いて説明する。図5は、図4に示したタイムチャートからクランク角のグラフを省略した図である。なお、図5において、時刻t15までの各パラメータの時間変化は、図4と同様である。
前記第1期間は、図5に示すように、時刻t21でPCM102がエンジン停止の指示が出されたと判定する直前(ほぼ同時刻)に点火コイル21に通電が開始されたときに最大となる。そして、点火コイル21の通電時間の最大値は、前記の上限通電時間と定められている。これより、第1期間の最大値は上限通電時間となる。そして、第1遅延時間は、この上限通電時間よりも長い時間に設定されている。このように、本実施形態では、時刻t21でPCM102がエンジン停止の指示が出されたと判定してから第1遅延時間後の時刻t22にてスタータモータ30の駆動が停止される。例えば、上限通電時間が100ms程度であるのに対して、各部の通信遅れや駆動遅れ等を考慮して第1遅延時間は160ms〜360ms程度に設定されている。
ここで、前記のように、本実施形態では、IGリレー82をOFFとすることでスタータリレー81がOFFとされてスタータモータ30の駆動が停止されるようになっており、スタータモータ30の駆動停止はC−BCM101にて行われる。これより、本実施形態では、C−BCM101がエンジン停止の指示が出されたと判定したタイミングから、PCM102によるエンジン停止判定から第1遅延時間経過するタイミングまでの時間を、第2遅延時間として設定する。そして、C−BCM101がエンジン停止の指示が出されたと判定してからこの第2遅延時間経過したときに、C−BCM101によってIGリレー82をOFFにさせる。本実施形態では、この第2遅延時間が、請求項の「遅延時間」に相当する。
第2遅延時間と第1遅延時間との差は、C−BCM101がエンジン停止の指示が出されたと判定してから、PCM102がこの判定を行うまでの時間であり、この時間は、C−BCM101とPCM102との間でのCAN通信に係る時間△tである。これより、本実施形態では、第2遅延時間は、第1遅延時間にこの通信時間△tを加算した時間に設定されている。通信時間△tは例えば40ms程度であり、第2遅延時間は、200ms〜400ms程度に設定されている。
以上のエンジン始動時の制御をまとめると、図6のフローチャートのようになる。
まず、ステップS1にて、C−BCM101およびPCM102は、始動・停止スイッチSW1が停止操作されたか否かを判定する。具体的には、前記のように、C−BCM101は、IGリレー82がONの状態で始動・停止スイッチSW1が押圧操作されるとエンジン停止の指示が出されたと判定する。この判定結果を受けて、PCM102もエンジン停止の指示が出されたと判定する。
ステップS1の判定がNOの場合は、以後のステップを行わず処理を終了する。
一方、ステップS1の判定がYESであってエンジン停止の指示が出されたと判定されると、ステップS2に進み、C−BCM101はスタータモータ30が駆動中であるか否かを判定する。この判定は、スタータリレー81がONであるか否かに基づいて判定される。
ステップS2の判定がNOの場合は、スタータモータ30の駆動が停止されている状態、つまり、エンジン始動時ではない状態でエンジン停止の指示が出されたことになる。そのため、この場合は、C−BCM101およびPCM102は、ステップS3に進み、稼働しているエンジンを停止させるための通常のエンジン停止処理を行って処理を終了する。
一方、ステップS2の判定がYESの場合はステップS4に進む。ステップS4では、PCM102が、インジェクタ15の駆動を停止する。
ステップS4の後はステップS5に進む。ステップS5では、PCM102が、点火コイル21への通電中であるか否かを判定する。
ステップS5の判定がYESであって点火コイル21への通電中である場合は、ステップS6に進む。ステップS6では、PCM102は、点火コイル21への新たな通電を禁止する(通電中の点火コイル21の通電は継続する)。
ステップS6の後は、ステップS7に進む。ステップS7では、C−BCM101がエンジン停止指示があったと判定してからの経過時間が第2遅延時間以上となったか否か(PCM102がエンジン停止指示があったと判定してからの経過時間が第1遅延時間となったか否か)をC−BCM101が判定する。
ステップS7の判定がNOであって第2遅延時間が経過していないときはステップS8に進む。ステップS8では、スタータモータ30の駆動を中断する要求があったか否かを判定する。スタータモータ30の駆動を中断する要求は、例えば、ブレーキペダルの踏み込みが解除された場合や、ATレンジが走行レンジ(いわゆるDレンジ)に切り替えられた場合や、スタータモータ30の駆動時間が所定時間を超えておりエンジンに異常があるおそれがある場合等であって、すぐさまエンジンを停止することが望ましい場合に出される。ステップS8の判定がYESの場合は、ステップS9に進み、C−BCM101はIGリレー82をONに維持しつつスタータリレー81をOFFにしてスタータモータ30の駆動を停止する。
一方、ステップS8の判定がNOであってスタータモータ30の駆動を中断する要求がない場合は、ステップS7に戻る。つまり、C−BCM101はエンジン停止指示があったと判定してからの経過時間が第1遅延時間となる(PCM102がエンジン停止指示があったと判定してからの経過時間が第2遅延時間となる)のを待ってステップS10に進む。
ステップS10ではC−BCM101はIGリレー82をOFFにする。これによりスタータリレー81はOFFにされてスタータモータ30の駆動が停止される。
ステップS5に戻り、ステップS5の判定がNOであって点火コイル21への通電中ではない場合は、ステップS11に進む。ステップS11では、PCM102が、点火コイル21への通電を禁止する。つまり、通電開始時期になっても点火コイル21に通電が行われないようにする。ステップS11の後は、ステップS10に進み、C−BCM101によってIGリレー82がOFFとされてスタータモータ30の駆動が停止される。
この制御を実施したときの各パラメータの時間変化を図7に示す。図7は、図4に対応する図である。図7において時刻t16までは図4と同様である。つまり、時刻t1にて始動・停止スイッチSW1が押圧操作されて、時刻t4にてインジェクタ15から燃焼室6内に燃料が噴射されて、時刻t16にて点火コイル22への通電が開始される。そして、時刻t15にて、再び始動・停止スイッチSW1が押圧操作されるのに伴って、時刻t17にてC−BM101によってエンジン停止の指示があったと判定される。また、時刻t18にてPCM102によってエンジン停止の指示があったと判定される。ただし、図7に示すように、本実施形態では、時刻t17にてIGリレー82およびスタータリレー81はOFFにされず、時刻t17から第2遅延時間後(PCM101がエンジン停止の指示を判定した時刻t18から第1遅延時間後)の時刻t31にて、IGリレー82およびスタータリレー81がOFFにされて、スタータモータ30の駆動が停止される。
これにより、本実施形態では、点火プラグ21からの放電が終了するまでの間、および、この放電後しばらくの間、エンジンはスタータモータ30によって正回転方向に回転駆動され続ける。従って、点火プラグ21からの放電によって生成された燃焼エネルギーによってエンジンが逆回転することは回避され、エンジンは、数回転、正回転した後、スタータモータ30の駆動が停止される時刻t31にて停止する。
(4)作用等
以上のように、本実施形態によれば、C−BCM101およびPCM102を含むコントロールユニット100は、スタータモータ39の駆動中(つまり、エンジンの始動途中)且つ点火コイル22への通電中に始動・停止スイッチSW1からエンジン停止の指示が出されたと判定したとき、点火コイル22への通電が終了した後にスタータモータ30の駆動を停止する。
従って、点火コイル22への通電終了に伴って燃焼室6内に点火プラグ21から放電が行われるタイミングが圧縮上死点前であっても、スタータモータ30によってエンジンの正回転を維持することができ、エンジンが逆回転するのを回避することができる。
特に、本実施形態では、C−BCM101がエンジン停止の指示を判定してから第2遅延時間後(PCM102がエンジン停止の指示を判定してから第1遅延時間後)に、スタータモータ30が駆動されるようになっているとともに、これら第1遅延時間および第2遅延時間が、点火コイル22に連続して通電が行われる時間の最大値である上限通電時間よりも長い時間に設定されている。そのため、エンジン停止の指示が出される直前に点火コイル22への通電が開始されて上限通電時間経過後に点火コイル22への通電が停止される場合であって、エンジン停止の指示が出されてから点火プラグ21から燃焼室6内に放電されるまでの時間が最も長くなる場合であっても、点火コイル22への通電が停止された後にスタータモータ30を停止させることができる。従って、エンジンの逆回転をより一層確実に防止できる。
また、スタータモータ30の駆動中で且つ点火コイル22への通電が開始されていないときに始動・停止スイッチSW1からエンジン停止の指示が出されたと判定した場合は、点火コイル22への通電が禁止されるので、点火プラグ21からの放電に伴うエンジンの逆回転を確実に防止できる。
(5)変形例
前記実施形態では、ピニオンギア32およびリングギア8を介してクランク軸7と連結されたスタータモータ30を用いてエンジンを回転駆動させる場合について説明したが、エンジンを回転駆動させるための駆動装置は、これに限らない。例えば、クランク軸7を直接回転駆動するモータを用いてもよい。
また、前記実施形態では、C−BCM101がエンジン停止の指示があったと判定してから第2遅延時間が経過したとき(PCM102がエンジン停止の指示があったと判定してから第1遅延時間が経過したとき)に、スタータモータ30の駆動を停止する場合について説明したが、これに代えて、PCM102によって点火プラグ21からの放電が終了したか否かを判定し、点火プラグ21からの放電が終了したと判定されたとき、あるいは、その所定時間後に、スタータモータ30の駆動を停止するように構成してもよい。つまり、PCM102を点火プラグ21からの放電が終了したか否かを判定する判定手段とし、この判定手段の判定結果に基づいてスタータモータ30の駆動を停止してもよい。さらに、点火コイル22への通電状態を検出するセンサを設けて、このセンサを判定手段として、この判定手段の判定結果に基づいてスタータモータ30の駆動を停止してもよい。
また、前記実施形態では、図6のフローチャートにおいて、ステップS4で点火コイル22への通電がなされているか否かを判定し、点火コイル22への通電がなされていないときは、ステップS11にて点火コイル22への通電を禁止するように構成した場合を説明したが、このステップS4およびステップS11は省略してもよい。ただし、前記実施形態のように構成すれば、点火プラグ21からの放電を回避してエンジンの逆回転を確実に防止できる。
また、前記実施形態では、図6のステップS10においてIGリレー82がOFFにされることでスタータリレー81がOFFとされてスタータモータ30の駆動が停止する場合について説明したが、PCM102あるいはC−BCM101によってスタータリレー81がOFFにされることでスタータモータ30の駆動が停止されるように構成してもよい。
1 エンジン本体
2 気筒
6 燃焼室
15 インジェクタ
20 点火装置(点火手段)
21 点火プラグ
22 点火コイル
30 スタータモータ(駆動手段)
100 コントロールユニット(制御手段)

Claims (4)

  1. エンジンを回転駆動可能な駆動手段と、
    エンジンに形成された燃焼室内に放電する点火プラグと当該点火プラグに電気エネルギーを供給する点火コイルとを含む点火手段と、
    前記駆動手段および前記点火手段を制御する制御手段と、
    乗員により操作されて前記制御手段に対してエンジンの始動および停止を指示する始動・停止スイッチとを備え、
    前記制御手段は、
    前記始動・停止スイッチからエンジン始動の指示が出されたと判定したとき、前記駆動装置を駆動させるとともに、予め設定された所定のクランク角度で前記点火プラグから放電が行われるように前記点火コイルに通電を行い、
    前記駆動装置の駆動中且つ前記点火コイルへの通電中に前記始動・停止スイッチからエンジン停止の指示が出されたと判定したとき、前記点火コイルへの通電が終了した後に前記駆動装置の駆動を停止する、ことを特徴とするエンジンの始動制御装置。
  2. 請求項1に記載のエンジンの始動制御装置において、
    前記制御手段は、
    前記点火コイルに連続して通電されている時間が予め設定された上限時間以上になると、前記点火コイルへの通電を停止し、
    前記駆動装置の駆動中に前記始動・停止スイッチからエンジン停止の指示が出されたと判定した場合、当該判定から予め設定された遅延時間が経過したときに前記駆動装置の駆動を停止させ、
    前記遅延時間は前記上限時間よりも長い時間に設定されている、ことを特徴とするエンジンの始動制御装置。
  3. 請求項1に記載のエンジンの始動制御装置において、
    前記点火コイルへの通電が行われているか否かを判定する判定手段を備え、
    前記駆動装置の駆動中且つ前記点火コイルへの通電中に前記始動・停止スイッチからエンジン停止の指示が出されたと判定した場合、前記判定手段によって前記点火コイルへの通電が終了したと判定された後に前記駆動装置の駆動を停止させる、ことを特徴とするエンジンの始動制御装置。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載のエンジンの始動制御装置において、
    前記制御手段は、前記駆動装置の駆動中で且つ前記点火コイルへの通電が開始されていないときに前記始動・停止スイッチからエンジン停止の指示が出されたと判定した場合は、前記点火コイルへの通電を禁止する、ことを特徴とするエンジンの始動制御装置。
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