JP2020066460A - 充填システム、制御装置、プログラム、および充填方法 - Google Patents
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Abstract
Description
例えば炭酸水を製造する場合は、カーボネータを経て炭酸ガスが溶解した水を、充填機により容器に充填する。
本発明は、フォーミングの発生を未然に防ぐことを目的とする。
未溶解ガスの気泡は非常に微細であって、液体中に少なからず存在する未溶解ガスの気泡を肉眼や通常のカメラで捉えることは難しい。液体中の未溶解ガスの気泡は、レーザー光を出射する高価で特殊なカメラを用いれば確認することができる。本発明の発明者により、未溶解ガスの存在と、フォーミングの発生との間の相関性が確認されている。
本発明の充填システムにおいて、計測部は、物理量としての密度または比重を計測することが好ましい。
本発明の充填システムにおいて、計測部は、物理量としてのガスボリュームを計測することが好ましい。
指標に基づいて、フォーミング発生の予防のための措置を行うか否かを判断できるため、例えば温度設定値を余分に下げたり圧力設定値を余分に上げたりすることを避けることができる。したがって、運転コストを抑えつつ、フォーミング発生を予防することができる。
また、フォーミングの発生が未然に防止されることで、充填システムの停止を免れるため、製品液の廃棄量を抑えることができる。
(充填システムの全体構成)
図1に示す充填システム1は、例えば炭酸水やコーラ等の炭酸ガス入りの飲料(製品液)をボトル等の容器に充填する。充填システム1は、液体を冷却する冷却装置11と、液体に炭酸ガス(二酸化炭素)を注入するカーボネータ12(炭酸ガス注入装置)と、炭酸ガスが溶解した製品液を容器に充填する充填機10と、充填に関するガス溶解状態を制御する制御装置20とを含んで構成されている。充填システム1が、カーボネータ12と充填機10との間に、冷却装置11と同様の冷却装置を備えていてもよい。
本明細書において、「液体」は、炭酸ガスを含む液体と、炭酸ガスを含まない液体とのいずれをも言うものとする。「製品液」は、炭酸ガスを含む液体を言うものとする。
また、充填システム1は、図1に示された装置以外にも、必要に応じて適宜な装置を備えていてよい。例えば、容器を洗浄する装置や、製品液の原料である水から酸素ガスを除去する脱気装置、水とシロップとを混合する装置、液体を圧送するポンプ等である。
充填システム1は、図示しない制御装置により、製造ラインの他のシステムと連係をとって動作するように制御される。
充填システム1は、必要な計器類のみ備えていれば足りる。例えば、充填システム1が流量計13を備えていなくてもよい。
(冷却装置)
冷却装置11は、例えば冷凍サイクルを利用して液体を冷却する。
より低い温度で液体に炭酸ガスを注入すると、炭酸ガスの溶解度を高めることができる。したがって、液体を冷却することで、カーボネータ12により液体に効率よく炭酸ガスを溶解させることができ、炭酸ガスを溶解した状態に保ち易い。冷却装置11により液体の温度を下げて炭酸ガスを溶解した状態に維持しようとすることは、充填時の製品液の泡立ちを避けるためにも好ましい。
「溶解度」は、溶質が一定量の溶媒に溶解する限界量をいう。
充填時における製品液の泡立ちは、基本的に、充填機10の充填バルブから吐出された液体からの炭酸ガスの離脱により発生し、過剰に泡立つことでフォーミングが発生する。
冷却装置11は、冷媒が循環する冷媒回路や熱交換器等を備えている。図示しない供給源から冷却装置11に供給された液体は、熱交換器により冷媒へ放熱されることで冷却される。冷却装置11に供給される液体の流量が流量計13により計測される。
温度調整部11Aは、冷却装置11を制御することで液体の温度を調整する。温度調整部11Aにより検知する液体の温度が設定値となるように、冷却装置11が温度調整部11Aにより制御されると、カーボネータ12に供給される液体の温度が可変に制御される。こうした液体温度の制御により、カーボネータ12を経て充填機10に供給される製品液の温度も可変に制御されることとなる。
カーボネータ12は、炭酸ガスを液体に注入する。カーボネータ12は、炭酸ガスの導入により加圧される加圧タンク121を備えている。ヘンリーの法則より、温度が一定であるとき、気体の分圧が高いほど液体への気体の溶解度が高い。したがって、炭酸ガスの圧力が高いほど、液体に炭酸ガスを効率よく溶解させることができる。
加圧タンク121は、高圧下で液化した二酸化炭素を貯留する図示しない二酸化炭素供給源に接続されている。加圧タンク121の内部には、二酸化炭素供給源から減圧を経てガス化した二酸化炭素、つまり炭酸ガスが供給される。加圧タンク121の内部は、送り込まれる炭酸ガスの一部を加圧タンク121の外部に排出しつつ、大気圧よりも高い所定の圧力に加圧されている。
冷却装置11により冷却された液体が加圧タンク121の内部に供給されると、加圧タンク121の内部の圧力により液体に炭酸ガスが注入されて溶解する。
加圧タンク121の内部では、送り込まれた炭酸ガスと、水に溶存していた酸素や窒素等の他のガスがそれぞれ、ヘンリーの法則により、分圧に従う量だけ水に溶解する。
第1圧力付与部15は、カーボネータ12の加圧タンク121の内部に、液体への炭酸ガスの注入に適した圧力を付与する。第1圧力付与部15により検知する炭酸ガスの圧力が設定値となるように、加圧タンク121に炭酸ガスが送り込まれる量が第1圧力付与部15により調整されることで、加圧タンク121の内圧が可変に制御される。
充填機10は、図示しない搬送装置により供給される容器に、充填バルブを用いて製品液を充填し、容器に蓋を装着する。カーボネータ12を経た炭酸ガス入りの製品液を充填するにあたり、製品液の吐出圧力に対応するカウンター圧力を容器の内部に付与することが好ましい。そのため、充填機10は、炭酸ガスの導入により加圧されるカウンター用タンク101と、カウンター用タンク101の内部に炭酸ガスが送り込まれる量を調整する第2圧力付与部16とを備えている。
カウンター用タンク101の内部で加圧下にある炭酸ガスが容器の内部に移動することで、容器の内部にカウンター圧が付与されると、充填バルブから吐出された製品液の圧力変化が緩和され、製品液からの炭酸ガスの離脱、つまり製品液の泡立ちを抑えることができる。
炭酸ガス入りの製品液の充填処理は、典型的には、充填バルブに供給された容器の内部へカウンター圧を付与する過程と、カウンター圧が付与された状態で製品液を容器に充填する過程と、容器内部の炭酸ガスを排出させて容器内部の圧力を次第に減少させるスニフト過程とを含む。
第2圧力付与部16は、充填バルブに容器が供給される度に、カウンター用タンク101の内部に炭酸ガスを送り込み、容器内部へのカウンター圧の付与に必要な圧力をカウンター用タンク101の内部に与える。第2圧力付与部16により検知する炭酸ガスの圧力が設定値となるように、カウンター用タンク101に炭酸ガスが送り込まれる量が第2圧力付与部16により調整されることで、カウンター用タンク101の内圧が可変に制御される。
物理量計測部18は、カーボネータ12を経た製品液の物理量PAを計測する。
物理量PAは、現象や物質の一つの測定できる属性を言う。物理量PAは、例えば、製品液の導電率や密度、ガスボリュームであって、液体中の溶解していない未溶解ガスの濃度を表す指標Xを得る目的において計測される。
物理量計測部18は、カーボネータ12よりも下流、かつ充填機10の充填バルブよりも上流で、製品液の物理量を計測することが好ましい。
物理量計測部18は、カーボネータ12から充填機10へと製品液を送る配管の適宜な位置に組み付けることができる。
なお、未溶解のガスには、原料の液体に溶存していた酸素や窒素等のガスも含まれ得る。
「電気特性」には、製品液を含む電気回路を形成した場合に製品液を流れる電流、製品液の入力および出力端子間の電圧、および製品液による抵抗も含まれる。
ガスボリューム計17は、カーボネータ12を経た製品液におけるガスボリュームを計測する。ガスボリューム計17は、充填機10に向けて流れる製品液の一部を図示しない計測容器に抜き取り、計測容器の内部で製品液を撹拌する。そして、撹拌により液体から炭酸ガスが離脱することで計測容器内の炭酸ガスの圧力が上昇すると、ガスボリューム計17は、計測容器内の炭酸ガスと液体との平衡あるいは平衡に近い状態における飽和圧力と飽和温度とを計測し、それらの相関からガスボリュームに換算する。ガスボリュームは、液体から離脱した炭酸ガスの体積が液体の体積に対して何倍であるかを示している。
例えば、未溶解ガス濃度が増加すると、物理量PAが未溶解ガス濃度に比例して増加する場合には、物理量PAは未溶解ガス濃度を表している。また、未溶解ガス濃度が増加すると、物理量PAから得られた指標Xが未溶解ガス濃度に比例して減少する場合には、指標Xは未溶解ガス濃度を表している。
あるいは、未溶解ガス濃度が、フォーミングの発生し易い特定の値の範囲を有しており、物理量PAや指標Xが、未溶解ガス濃度の特定の範囲と対応した、他の範囲と識別可能な値の範囲を有する場合も、その物理量PAや指標Xは未溶解ガス濃度を示している。
物理量計測部18により計測された導電率等の物理量PAが未溶解ガスの濃度を表していれば、未溶解ガスの濃度を表す指標Xは、物理量PAであってよい。
所定の評価期間内に繰り返し計測されることで得られた計測値の集合を用いると、ガスの溶解、離脱の状態が不安定であるため物理量PAの値がばらつくとしても、制御に必要な信頼に足りる指標Xを得ることができる。
指標Xを得るために、物理量PAの計測値を増幅したり統計的手法を用いたりすることもできる。
仮にガスボリュームの値単体からは指標Xを取得することが難しい場合であっても、ガスボリュームと密度とから、制御に必要な信頼に足りる指標Xを得ることができる。
なお、計測されたガスボリュームの値が未溶解ガス濃度を表している場合は、ガスボリュームである物理量PAを指標Xに定めることができる。ガスボリュームに限らず、計測された物理量PA自体を指標Xに定める場合は、後述する制御装置20の指標取得部22や、物理量PAから指標Xを取得するステップS12が必要ない。
本実施形態では、物理量PAから指標Xを取得するものとする。指標Xは制御装置20により取得される。
制御装置20は、未溶解ガスの濃度を表す指標Xに基づいて充填システム1を制御することで液体へのガスの溶解の状態を制御する。制御装置20は、充填システム1の全体的な動作を制御する制御装置と一体に構成されていてもよいし、別々に構成されていてもよい。
制御装置20は、図2に示すように、物理量計測部18により計測された物理量PAを取得する物理量取得部21と、取得した物理量PAを用いて指標Xを取得する指標取得部22と、指標Xに基づいて、製品液におけるガス溶解の状態を制御する溶解状態制御部23とを備えている。
コントローラやコンピュータである制御装置20は、図3に示すように、メモリ201と、演算処理を行う演算部202と、信号の入出力を行う入出力部203と、データを記憶する記憶部204とを備えている。
記憶部204には、プログラムや種々の設定値等が記憶されている。
制御装置20がコントローラやコンピュータである場合には、図2に示す物理量取得部21、指標取得部22、および溶解状態制御部23は、記憶部204から読み出されてメモリ201に展開されたプログラムのモジュールに相当する。
物理量取得部21は、入出力部203により物理量計測部18から物理量PAを取得する。
指標取得部22は、物理量PAを用いて演算部202により演算することで指標Xを取得する。
溶解状態制御部23は、指標Xを用いて演算部202により演算することで、溶解状態の制御が必要か否かを判定し、制御に必要な指令を出力する。
「溶解状態」は、溶解度と、未溶解ガスの濃度とを含む意味であるものとする。
ここで、気体の溶解度を決める温度と圧力のいずれも、未溶解ガス濃度には直接関係しないし、フォーミングの発生状況とも直接は関係しない。
しかし、温度が低いほど、溶解度に基づいてガスが溶解し易いので、未溶解ガスが生じ難い。そうすると、液体を冷却する冷却装置11のための設定値であって、液体の温度に関係する温度設定値STは、未溶解ガスの濃度に関与しており、未溶解ガス濃度を操作可能な要素であると言える。
つまり、フォーミングの発生を防止するためとは言え、温度を必要以上に下げたり、圧力を必要以上に上げたりすることにより、運転コストが増大してしまう。
つまり、冷却装置11の能力を増大させて液体の温度を下げると、必要な動力が増大する。また、加圧タンク121やカウンター用タンク101の内部の圧力を上げると、炭酸ガスを送り込むための動力が増大するとともに、タンク121,101に送り込まれる炭酸ガスの量が増え、タンク121,101から排出される炭酸ガスの量も増えるので、二酸化炭素供給源から供給された二酸化炭素の消費量が増大する。
本実施形態によれば、制御装置20の溶解状態制御部23により、以下で説明するように、同じ指標Xに基づいて、フォーミングの発生を予防する予防措置M1に加え、運転コストを抑制するコスト抑制措置M2が可能である。制御装置20は、フォーミング発生の予防および運転コストの抑制を含む観点から、充填システム1の最適な運転状態を提供する。
加えて、運転コストの抑制をも考慮すると、下記の観点より、温度設定値STを調整する方が、充填システム1の動作に影響を与えないという意味で自由度が高く、また現実的である。
冷却装置11の温度設定値STは、下げる場合でも上げる場合でも、サイクルタイムに関係する充填バルブからの吐出速度等に影響が出ることなく、自在に調整可能である。圧力設定値SP1,SP2を調整する場合と比べれば、温度設定値STの調整による製品液の温度変化への応答性は良く、より広範な範囲に亘り温度設定値STを調整可能である。
また、温度設定値STの変化に対して冷却装置11の動作コストが比例的に変化するので、運転コストを確実かつ定量的に低減することができる。
一方、圧力設定値SP1,SP2は、炭酸ガスの注入に必要な圧力以上に加圧タンク121の内圧を確保する必要があるので、大幅に下げることは難しい。なお、一定範囲において圧力設定値SP1,SP2を調整することで、加圧タンク121の内圧やカウンター圧を補正することは問題ない。
次に、充填システム1により製品液を充填する充填方法を説明する。かかる充填方法は、図4に示すように、液体を冷却するステップS1と、液体に炭酸ガスを注入するステップS2と、炭酸ガスが溶解した液体(製品液)の物理量PAを計測するステップS3と、物理量PAを用いて指標Xを取得するステップS4と、製品液を充填するステップS5とを備えている。かかる充填方法においては、以下で述べるように液体へのガス溶解の状態を制御しながら、上記のステップS1〜S5が行われる。
なお、計測された物理量PA自体を指標Xに定める場合は、ステップS4は必要ない。
図5および図1を参照し、充填システム1に対して制御装置20により行われる制御を説明する。図5に示す例では、指標Xに基づいて、予防措置M1として温度設定値STを下げ、コスト抑制措置M2として温度設定値STを上げるように、制御装置20から温度調整部11Aに指令C1を送るものとする。
指標Xを得るために、物理量取得部21(図2)により、物理量計測部18(図1)により計測された物理量PAを取得する(物理量取得ステップS11)。ここでは、導電率等の電気特性、密度、比重、およびガスボリュームのうちの1つである物理量PAが得られたものとする。
溶解状態制御ステップS14は、予防措置M1と、コスト抑制措置M2とを含む。
温度設定値STの下げ幅は適宜に定めることができる。また、微小な下げ幅で複数回に亘り下げることで所定の下げ幅となるようにしてもよい。なお、温度設定値STを上げる場合も同様である。
指標Xが閾値Hを超えている間は、フォーミング発生の予防が必要であると判定されるため、予防措置M1が継続され、温度設定値STが段階的に下げられることとなる。予防措置M1は、ステップS13においてNoとなったとき、つまりフォーミング発生の予防が必要な状態を脱したならば中断される。
溶解状態制御部23による制御により変更された温度設定値STをいずれ反映して、指標Xは変化する。
なお、温度設定値STをある下限値まで下げても指標Xが閾値Hを超えている場合は、圧力設定値SP1,SP2を上げてもよい。
なお、本実施形態とは異なり、予防措置M1のみ行い、コスト抑制措置M2を行わないことも許容される。その場合は、判定ステップS13において指標Xが閾値H以下であることにより、予防措置M1が中断されて、温度設定値STが維持されることとなる。
温度設定値STが上がることで、溶解度が下がり、未溶解ガス濃度が上がって、指標Xが閾値Hを超えると、指標Xに基づいて(ステップS13でYes)、予防措置M1に移行する。
閾値Hは、コスト抑制措置M2により温度設定値STや圧力設定値SP1,SP2を変化させたことによる指標Xの変化を予測して適切に定めることができる。
以上で説明した本実施形態によれば、高価なレーザーカメラ等を用いることなく、フォーミング発生の可能性を定量的に評価可能な指標Xを得ることができる。この新たな指標Xを使用する本実施形態の制御によれば、従来は困難であった、フォーミング発生の予防を実現することができる。
さらに、本実施形態によれば、温度や圧力の設定値の初期値入力や、値の変更を手動で行う必要がなく、指標Xに基づいて温度設定値STが自動的に上げ下げされることにより、フォーミングを発生させないで、かつ運転コストの抑制を実現する最適で安定した運転状態を充填システム1に与えることができる。
また、本実施形態によれば、フォーミングの発生による充填システム1の停止を免れるため、製品液の廃棄量を抑えることができる。
充填システム1の運転を継続している間に、温度設定値STや、圧力設定値SP1,SP2等を記憶部204に蓄積することができる。ここで、図6に示すように、指標Xと、温度設定値STや圧力設定値SP1,SP2とを対応させた表のようなデータ形式で記憶部204に記憶させることが好ましい。
例えば1時間から1日間に亘り充填システム1の運転中のデータを蓄積すると、指標Xが変動し、指標Xに応じて温度設定値STや圧力設定値SP1,SP2もそれぞれ変動する。
こうしたデータを充填システム1により充填される液種や、液種毎のガスボリュームと紐付けて記憶部204に記憶しておくことが好ましい。
そうすると、生産する液種およびガスボリュームに対応するデータを記憶部204から読み出して、生産開始時に、充填システム1の温度設定値STや圧力設定値SP1,SP2の初期値を与えるステップを行うことができる。初期値としては、例えば、指標Xの平均値に対応する温度設定値STや圧力設定値SP1,SP2を用いることができる。
制御装置20は、記憶部204に蓄積されたデータの演算処理により、過去の運転時に温度設定値STや圧力設定値SP1,SP2が安定した指標Xと、このときの温度設定値STや圧力設定値SP1,SP2とを対応させて抽出することができる。抽出されたデータは、運転中に取得された指標Xに基づいて温度設定値STや圧力設定値SP1,SP2を調整する際の上げ幅や下げ幅の設定等に用いることができる。そうすることで、充填システム1に早期に安定した運転状態を与えることができる。
これらのデータを用いて、閾値HやステップS11〜S14のサイクルに要する時間、当該サイクル間の時間等の最適な設定値を算出し、充填システム1に与えることができる。
以上より、充填システム1のオペレーションの最適化を図ることができる。
つまり、予防措置M1においては、指標Xが閾値Hを超えている間に温度設定値STを漸次下げていくのではなく、温度設定値STを第1温度T1に設定する。第1温度T1は、フォーミング発生を予防できる温度に定められている。
温度設定値STを第1温度T1にした影響が製品液の温度に及び、溶解状態に変化が表れることで、フォーミング発生を予防することができる。その後、指標Xが閾値H以下となることで、コスト抑制措置M2を実施する。コスト抑制措置M2においては、温度設定値STを第1温度T1よりも高い第2温度T2に設定する。第2温度T2は、コスト抑制を考慮して適宜な温度に設定することができる。
図7に示す制御によっても、指標Xに基づいて、フォーミング発生の予防措置M1とコスト抑制措置M2とが自動的に行われることとなる。
図7に示す制御を行うために、ステップS11〜S14までのサイクルに要する時間を適切に設定し、また、閾値Hに適切な余裕を設定するとよい。
図8を参照し、ガス溶解状態の他の制御の例を説明する。この例では、指標Xに対して2つの閾値H1,H2を用いる。
物理量取得ステップS11および指標取得ステップS12は、上述と同様に行われる。指標Xは、未溶解ガス濃度の増加に対して比例して増加するものとする。図9においても同様である。
第1判定ステップS23では、フォーミング発生の予防が必要であるか否かを判定するため、第1閾値H1を用いる。指標Xが第1閾値H1を超えている場合は(ステップS23でYes)、フォーミング発生を予防するため、溶解状態制御ステップS14の予防措置M1が行われる。
第2判定ステップS25において指標Xが第2閾値H2未満である、つまり第1閾値H1に対して指標Xの余裕がある場合は(ステップS25でYes)、温度設定値STを上げるコスト抑制措置M2を行う。
一方、第2判定ステップS25において指標Xが第2閾値H2を超えている、つまり第1閾値H1に指標Xが近い場合は(ステップS25でNo)、温度設定値STを調整しない。つまり温度設定値STが維持される。
第2判定ステップS25においてYesの場合とNoの場合のそれぞれの上げ幅は、第1閾値H1の余裕の程度と、温度設定値STの調整による製品液の温度応答性とを考慮して定めるとよい。
図9に示す制御例では、温度設定値STを3段階に調整する。図7に示す例と同様に、予防措置M1時の温度設定値STを一定の第1温度T1に定めている。一方、コスト抑制措置M2時には、第1閾値H1に指標Xが近いか否かに応じて、第2温度T2または第3温度T3を与える。第1温度T1 < 第2温度T2 < 第3温度T3である。
具体的には、第2判定ステップS35において、指標Xが、第1閾値H1よりも小さい第2閾値H2を超えている場合は(ステップS35でYes)、第1閾値H1に対して指標Xの余裕がない場合であり、この場合は、温度設定値STを第2温度T2とする。
一方、指標Xが第2閾値H2以下である場合は(ステップS35でNo)、温度設定値STを第3温度T3とする。つまり、第1閾値H1に対して指標Xの余裕がある場合は、最も高い第3温度T3まで上げることで、運転コストをより多く下げるのである。温度設定値STを第2温度T2とすること、第3温度T3とすることのいずれもコスト抑制措置M2に該当する。
図9に示す例によれば、簡易な制御により、フォーミングが発生する未溶解ガス濃度を表す指標Xの余裕が第1閾値H1に対してあまりなかったり、温度設定値の調整による影響が未溶解ガス濃度に早く反映されたりする場合であっても、フォーミング発生を未然に防止することができる。
10 充填機
11 冷却装置
11A 温度調整部
12 カーボネータ(炭酸ガス注入装置)
13 流量計
15 第1圧力付与部
16 第2圧力付与部
17 ガスボリューム計
18 物理量計測部
20 制御装置
21 物理量取得部
22 指標取得部
23 溶解状態制御部
101 カウンター用タンク
121 加圧タンク
201 メモリ
202 演算部
203 入出力部
204 記憶部
C1,C2 指令
H 閾値
H1 第1閾値
H2 第2閾値
M1 予防措置
M2 コスト抑制措置
PA 物理量
S1〜S5 ステップ
S11 物理量取得ステップ
S12 指標取得ステップ
S13 判定ステップ
S14 溶解状態制御ステップ
S23 第1判定ステップ
S25 第2判定ステップ
S35 第2判定ステップ
SP 圧力設定値
SP1,SP2 圧力設定値
ST 温度設定値
T1 第1温度(第1温度設定値)
T2 第2温度(第2温度設定値)
T3 第3温度(第3温度設定値)
X 指標
Claims (17)
- 液体を充填する充填システムであって、
前記液体を冷却する冷却装置と、
前記液体に炭酸ガスを注入する炭酸ガス注入装置と、
前記炭酸ガスが溶解した前記液体の物理量を計測する計測部と、
前記炭酸ガスが溶解した前記液体を充填する充填機と、
前記物理量であって、あるいは、前記物理量を用いて取得されたものであって、前記液体中の溶解していない未溶解ガスの濃度を表す指標に基づいて前記充填システムを制御する制御装置と、を備える、
充填システム。 - 前記計測部は、前記物理量としての電気特性を計測する、
請求項1に記載の充填システム。 - 前記計測部は、前記物理量としての密度または比重を計測する、
請求項1に記載の充填システム。 - 前記計測部は、前記物理量としてのガスボリュームを計測する、
請求項1に記載の充填システム。 - 前記計測部は、前記炭酸ガス注入装置よりも下流、かつ前記充填機に備えられた充填バルブよりも上流で、前記液体の前記物理量を計測する、
請求項1から4のいずれか一項に記載の充填システム。 - 前記制御装置は、前記指標に基づいて前記冷却装置を制御する、
請求項1から5のいずれか一項に記載の充填システム。 - 前記炭酸ガス注入装置は、前記炭酸ガスの導入により加圧される加圧タンクを備え、
前記制御装置は、前記指標に基づいて、前記加圧タンクの内部への圧力付与を制御する、
請求項1から6のいずれか一項に記載の充填システム。 - 前記充填機は、前記炭酸ガスの導入により加圧されるカウンター用タンクを備え、
前記制御装置は、前記指標に基づいて、前記カウンター用タンクの内部への圧力付与を制御する、
請求項1から7のいずれか一項に記載の充填システム。 - 前記制御装置は、
前記指標に基づいて、前記充填機による前記液体の充填時におけるフォーミングの発生を予防する必要がある場合には、前記フォーミングの発生を予防する予防措置を行い、
前記予防措置は、
前記液体を冷却する冷却装置を制御して前記液体の温度を下げること、および前記炭酸ガスの導入により加圧されるタンクの内部の圧力を上げることの少なくとも一方を含む、
請求項1から8のいずれか一項に記載の充填システム。 - 前記制御装置は、前記予防措置に加え、
前記指標に基づいて、前記充填システムの運転コストを抑制するコスト抑制措置が可能であり、
前記コスト抑制措置は、
前記冷却装置を制御して前記液体の温度を上げること、および前記タンクの内部の圧力を下げることの少なくとも一方を含む、
請求項9に記載の充填システム。 - 前記冷却装置に関係する温度設定値、および前記炭酸ガスの導入により加圧されるタンクの内部への圧力付与に関係する圧力設定値の少なくとも一方を記憶する記憶部を備える、
請求項1から10のいずれか一項に記載の充填システム。 - 炭酸ガスが溶解した液体の物理量を取得する物理量取得部と、
前記物理量であって、前記液体中の溶解していない未溶解ガスの濃度を表す指標に基づいて、前記液体へのガス溶解の状態を制御する溶解状態制御部と、を備える、
制御装置。 - 炭酸ガスが溶解した液体の物理量を取得する物理量取得部と、
前記物理量を用いて、前記液体中の溶解していない未溶解ガスの濃度を表す指標を取得する指標取得部と、
前記指標に基づいて、前記液体へのガス溶解の状態を制御する溶解状態制御部と、を備える、
制御装置。 - 液体へのガス溶解の状態を制御するプログラムであって、
炭酸ガスが溶解した前記液体の物理量を取得し、
前記物理量であって、前記液体中の溶解していない未溶解ガスの濃度を表す指標に基づいて、前記液体へのガス溶解の状態を制御する、
プログラム。 - 液体へのガス溶解の状態を制御するプログラムであって、
炭酸ガスが溶解した前記液体の物理量を取得し、
前記物理量を用いて、前記液体中の溶解していない未溶解ガスの濃度を表す指標を取得し、
前記指標に基づいて、前記液体へのガス溶解の状態を制御する、
プログラム。 - 液体を冷却するステップと、
前記液体に炭酸ガスを注入するステップと、
前記炭酸ガスが溶解した前記液体の物理量を計測するステップと、
前記炭酸ガスが溶解した前記液体を充填するステップと、を備え、
前記物理量であって、前記液体中の溶解していない未溶解ガスの濃度を表す指標に基づいて、前記液体へのガス溶解の状態を制御しながら、4つの前記ステップを行う、
充填方法。 - 液体を冷却するステップと、
前記液体に炭酸ガスを注入するステップと、
前記炭酸ガスが溶解した前記液体の物理量を計測するステップと、
前記物理量を用いて、前記液体中の溶解していない未溶解ガスの濃度を表す指標を取得するステップと、
前記炭酸ガスが溶解した液体を充填するステップと、を備え、
前記指標に基づいて、前記液体へのガス溶解の状態を制御しながら、5つの前記ステップを行う、
充填方法。
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---|---|---|---|
JP2018201502A JP2020066460A (ja) | 2018-10-26 | 2018-10-26 | 充填システム、制御装置、プログラム、および充填方法 |
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JP2009285566A (ja) * | 2008-05-29 | 2009-12-10 | Takasago Thermal Eng Co Ltd | 排出システム |
JP2016043931A (ja) * | 2014-08-20 | 2016-04-04 | 三菱重工食品包装機械株式会社 | 炭酸飲料の製造設備および製造方法 |
JP2016141444A (ja) * | 2015-02-02 | 2016-08-08 | 三菱重工食品包装機械株式会社 | 飲料の製造設備 |
-
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- 2018-10-26 JP JP2018201502A patent/JP2020066460A/ja active Pending
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