JP2020065974A - 湿式電気集塵装置 - Google Patents

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Munekatsu Furukata
宗勝 古堅
啓明 近藤
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啓明 近藤
廣瀬 優
Masaru Hirose
優 廣瀬
晃太 田中
Kouta Tanaka
晃太 田中
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Abstract

【課題】 水ミスト噴射により集塵電極に捕集されたダスト及び水膜の電気抵抗率を下げることにより逆電離の発生を防止した湿式電気集塵装置の提供。【解決手段】 排気ガス中のダストを除去するコロナ放電を利用した静電気式の湿式電気集塵装置において、集塵部より供給される洗浄水に平均粒径100μm以下の洗浄水ミストを噴射し、該洗浄水ミストによる水膜に静電集塵されたダストが混合された塵埃含有洗浄水をリザーバーに貯留し、該塵埃含有洗浄水を排出することにより、水ミスト噴射により集塵電極に捕集されたダスト及び水膜の電気抵抗率を下げて逆電離の発生を防止することを特徴とする。【選択図】図1

Description

この発明は、室内粉塵やボイラ、焼却炉、溶接装置、ろう付装置、塗装装置、溶接・ろう付・塗装等が実施される工場、高速道路や車両用道路のトンネル等から放出される排煙、ヒューム、塵埃などを含有する排気ガス(該排気ガスには微細な粒子が浮遊されるが、微細な粒子は粒径が小さいほど浮遊しやすく、例えば、PM10(粒子径10μm以下)は浮遊粒子状物質として知られ、大気中を浮遊し重力で地表に落ちることはほとんどない)中の煤塵、ヒューム、粉塵などのダストを除去するコロナ放電を利用した静電気式の電気集塵装置に関し、特に排気ガス中に予め微細水ミストを噴霧し浮遊させて電気集塵装置を構成する集塵電極の捕集面にダストと共に水を捕集して水膜を形成させ、堆積する捕集ダストを水膜により流下除去し抑制せしめてメンテナンスフリーでありながら確実に除去すると共に電気抵抗率の高いダストによる逆電離(逆コロナ)の発生を抑制することが可能な湿式電気集塵装置に関する。
コロナ放電を利用して静電気式に排気ガス中の煤塵、ヒューム、粉塵などのダストを処理する方法としては、例えば以下に記載する装置(特許文献1〜2)が提案されている。
即ち、特許文献1には、図7にその概略を示すように、平行平板型湿式電気集塵装置を構成する電極板の表面を脱脂処理して水ぬれ性を良くした集塵極111と放電極112を有する電場内に、情報からフルコーンノズル113によって水を供給し、その供給水量が集塵極111の単位長さ当り0.002m/min・m以上の水を供給することにより集塵極111と放電極112の表面に均一な水膜114を形成し、該水膜によってダスト付着を防止するようにした湿式電気集塵装置が提案されている。
又、特許文献2には、図8にその概略を示すように、被処理ガスが流れる被処理ガス通路211内に、前記被処理ガス中の塵埃を帯電させる放電部220と、集塵電極231及び該集塵電極と対向する集塵用対向電極232とを有し、前記放電部220よりも下流側に配置されて、前記放電部220が帯電させた塵埃を前記集塵電極231に電気的に吸着する集塵部と、前記集塵電極231に吸着された塵埃を洗浄するための洗浄液を前記集塵電極231の上方から噴霧して供給する噴霧手段241と、を備えた湿式電気集塵機であって、前記噴霧手段241よりも下方側に配置され、前記被処理ガスを通過させる複数の流通孔242aを有し、かつ前記噴霧手段241が噴霧した洗浄液を前記集塵電極231の表面に案内する案内板242を備えた湿式電気集塵機が提案されている。なお、260は送風機、261は空気吹き出し口である。
しかしながら、前記した従来の湿式電気集塵装置には、以下に記載する欠点がある。
即ち、前記特許文献1に記載された図7に示す平行平板型湿式電気集塵装置は、ステンレス板をプレス加工した集塵極111を加工後に酸洗脱脂して表面の濡れ性を向上させておき、集塵極111と放電極112上方からフルコーンノズル113によるアトマイズ水洗方式を採用して従来のアトマイズ方式の水洗量の2〜5倍(ただし、従来のフラットスプレーノズルによる水洗方式の水量よりは半分以下)であり、その供給水量が集塵極111の単位長さ当り0.002m/min・m以上となるように調量して水を供給することにより少ない水量で付着性の強いダストに適用可能な集塵装置電極洗浄手段を提案しているが、集塵極111の製造に当りステンレス板のプレス加工後に酸洗脱脂して表面の濡れ性を向上させておく必要があり、又、フルコーンノズル113から供給される水の粒径に対する吟味はなく、放電電極からのコロナ放電により効率よく確実にクーロン力を得て集塵電極に達し水液膜を形成するよう噴霧する水の粒径を制御する方式の湿式電気集塵装置であった。
前記特許文献2に記載された図8に示す湿式電気集塵機にあっては、被処理ガスが上方から下方向に流れる被処理ガス通路211内に、前記被処理ガス中の塵埃を帯電させる放電部220と、集塵電極231と該集塵電極231と対向する集塵用対向電極232とを上下方向設け、前記放電部220よりも上流側に配置されて、前記放電部220が帯電させた塵埃を前記集塵電極231に電気的に吸着する集塵部と、前記集塵電極231に吸着された塵埃を洗浄するための洗浄液を前記集塵電極231の上方から噴霧して供給する噴霧手段241と、を備えると共に前記噴霧手段241よりも下方側に配置され、前記被処理ガスを通過させる複数の流通孔を有し、かつ前記噴霧手段241が噴霧した洗浄液を前記各集塵電極231の対向する全表面に案内するようその両方の裾の部分には互いに平行な面であるストレート部を有した案内板242が、対向する前記各集塵電極231により形成される全空間の上部を覆っており、該案内板242は複数の流通孔を有するもこの空間を流通する前記被処理ガスには大きな流過抵抗を生じる抵抗板としての存在となり、当該湿式電気集塵機の空気吹き出し口261には大きな駆動動力が必要な送風機260の設置が必須となり、ケーシング210は大型となって設置スペースを要すると共に当該湿式電気集塵機は高価となる。又、この湿式電気集塵機は、多くのエネルギー消費を要すると共にランニングコストのかさむ静電気式の湿式電気集塵機となっており、放電電極からのコロナ放電によりクーロン力によって洗浄液を集塵電極に付着させ洗浄液の水膜を形成する技術ではなく、集塵電極に洗浄液の流れを案内板により単に導く技術思想である。
特許第2688004号公報 特開2009−131795号公報
本発明は、前記した従来技術の欠点を解消するためになされたもので、特に室内粉塵や排煙、ヒューム、塵埃などのダストが浮遊し含有する排気ガスが流入する導入管の後流に複数の放電電極及び複数の集塵電極よりなる静電気式の電気集塵機構を内蔵する集塵部を設けると共に、該集塵部の後流に前記ダストが除去された排気ガスが流出する導出管を設けた水ミスト噴射により逆電離の発生を防止した電気集塵装置において、前記集塵部より上流に外部から供給される洗浄水をポンプで圧送しバルブにて制御しつつ前記電気集塵機構を指向させて平均粒径100μm以下の洗浄水ミストを噴射し浮遊させるノズルを設けると共に、前記集塵部の内表面及び集塵電極表面に形成される前記洗浄水ミストによる洗浄水の水膜に静電集塵されたダストが混合されて形成される塵埃含有洗浄水の塵埃含有洗浄水薄膜層が前記両表面を流下しかつ塵埃含有洗浄水滴として滴下し塵埃含有洗浄水が貯留されるリザーバーを前記集塵部の下方に設け、かつ前記リザーバーに塵埃含有洗浄水を排出するための塵埃含有洗浄水配管を設け構成とすることにより、水ミスト噴射により集塵電極に捕集されたダスト及び水膜の電気抵抗率を下げることが可能となり、これにより逆電離の発生を防止した湿式電気集塵装置を提供しようとするものである。
本発明に係る湿式電気集塵装置は、室内粉塵、排煙、ヒューム、塵埃などのダストが浮遊し含有する排気ガスが流入する導入管の後流に複数の放電電極及び複数の集塵電極よりなる静電気式の電気集塵機構を内蔵する集塵部を設けると共に、該集塵部の後流に前記ダストが除去された排気ガスが流出する導出管を設けた水ミスト噴射により逆電離の発生を防止する電気集塵装置であって、前記集塵部より上流に外部から供給される洗浄水をポンプで圧送しバルブにて制御しつつ前記電気集塵機構を指向させて平均粒径100μm以下の洗浄水ミストを噴射し浮遊させるノズルを設けると共に、前記集塵部の内表面及び集塵電極表面に形成される前記洗浄水ミストによる洗浄水の水膜に静電集塵されたダストが混合されて形成される塵埃含有洗浄水の塵埃含有洗浄水薄膜層が前記両表面を流下しかつ塵埃含有洗浄水滴として滴下し当該塵埃含有洗浄水を貯留するリザーバーを前記集塵部の下方に設けるとともに、前記リザーバーに塵埃含有洗浄水を排出するための塵埃含有洗浄水配管が設けられていることを特徴とするものである。
又、本発明装置は、前記導入管及び前記集塵部を水平に設けるとともに、前記集塵部の上流に前記ノズルを設け、前記集塵部の上流側に電極支持体を垂設したシールエアー導入管部を設け、前記電極支持体に多数の電極ステーを介して前記放電電極を前記集塵部の左壁、上壁、右壁及び少なくとも1個の流通空間を有する床板との間に放電間隔を維持し、かつ前記左壁あるいは右壁と略平行に複数個設けると共に、前記各放電電極との間に放電間隔を維持して前記集塵電極を複数個設け、前記床板の下部に前記流通空間を全て覆い該流通空間より滴下する塵埃含有洗浄水が貯留されるリザーバーを設けたことを好ましい態様とするものである。
本発明装置は又、前記導入管及び前記集塵部を垂直に設けるとともに、前記集塵部の上流に前記ノズルを設け、前記集塵部の上流側に電極支持体を架設したシールエアー導入管部を対向させて設け、該電極支持体に多数の電極ステーを介して前記放電電極を前記集塵部の四方の側壁との間に放電間隔を維持し、かつ対向する前記側壁と略平行に複数個設けるとともに前記各放電電極との間にも放電間隔を維持して複数個設け、前記側壁の前記電気集塵機構より下部に前記導出管を、該導出管の下部に前記側壁より流下するとともに、前記集塵電極より滴下する塵埃含有洗浄水が貯留されるリザーバーを設けたことを好ましい態様とするものである。
さらに、前記導入管と前記集塵部の間に徐々に拡径する拡径管を設け、該拡径管に前記ノズルを設けたことを好ましい態様とするものである。
又、前記導入管に前記ノズルを設けたことを好ましい態様とするものである。
本発明に係る湿式電気集塵装置は、以下に記載する効果を奏する。
基本的に集塵部に搭載される静電気式の電気集塵機構は、前記集塵部の上流に外部から供給される洗浄水をポンプで圧送しバルブにて制御しつつ後流に設置される電気集塵機構に指向するノズルを設けて平均粒径100μm以下の微細な洗浄水ミストを噴射することによりダストなどを含有する排気ガス中に洗浄水ミストが分散し万遍なく混合されて浮遊することとなり、ダストが厚く積層されて集塵、特に電気抵抗率の高いダストの集積によって逆電離を発生させてしまう危惧のある表面に対し、洗浄水ミストが平均粒径100μm以下と微細粒であることによりコロナ放電を受けクーロン力を確実に得て大量に付着して洗浄水の水被膜が形成され、又、同時に静電集塵されているダスト等と洗浄水とが混合されて塵埃含有洗浄水の被膜が形成されて塵埃含有洗浄水薄膜層となり重力により形成されている表面を垂直下方へ流下しあるいは滴下してダスト等を除去することとなって、集塵電極に捕集されたダスト及び水膜の電気抵抗率を下げることが可能となり逆電離が防止され、逆電離の発生による放電の一時停止、放電電圧の低下、電極などの構成部品の劣化に伴う装置の劣化防止のための頻繁なメンテナンスを実施する必要がなくなってメンテナンスフリーな可動が実現する。なお噴霧する洗浄水ミスト(粉体粒子)の粒径は平均粒径が100μm程度以下であればよく、50μm程度以下であったり、25〜60μm程度でも同様の効果が得られる。
本発明の第1実施例装置の全体構成を示す断面図である。 図1に示す第1実施例装置のA−A断面図である。 本発明の第2実施例装置の全体構成を示す部分断面図である。 本発明の第3実施例装置の全体構成を示す断面図である。 図4に示す第3実施例装置のB−B断面図である。 本発明の第4実施例装置の全体構成を示す部分断面図である。 従来の湿式電気集塵装置の一例を示す概略図である。 従来の湿式電気集塵装置の他の一例を示す概略図である。
図1、図2に示す本発明の第1実施例装置は、室内粉塵やボイラ、焼却炉、溶接装置、ろう付装置、塗装装置、溶接・ろう付・塗装等が実施される工場、高速道路や車両用道路のトンネル等(いずれも図示せず)から放出される排煙、ヒューム、塵埃などが浮遊し含有される排気ガスから該排気ガス流中の煤塵や粉塵などのダストを除去するコロナ放電を利用した静電気式の水ミスト噴射により電気抵抗率の高いダストの集積による逆電離の発生を防止した湿式電気集塵装置1であり、その構成は、ほぼ水平方向に流れる排気ガス流が流入する導入管1−1の後流に徐々に拡径する拡径管1−2を介して連設された、外部に設置された高圧電源装置(図示せず)に配線されて制御された高圧電源の供給を受けている複数の放電電極2−4及び複数の集塵電極2−5よりなる静電気式の電気集塵機構2を内蔵する集塵部1−3と、その後流に徐々に縮径する縮径管1−4を介して導出管1−5に連設され、煤塵や粉塵などのダストが除去された清浄な排気ガス流がほぼ水平方向に流出されるよう構成されている。
又、前記集塵部1−3は、その断面構造を図2に示すように、該集塵部1−3の内部には前記電気集塵機構2を構成する放電電極2−4を前記集塵部1−3の上流側に設けたシールエアー導入管部2−1に垂設した電極支持体2−2に設けた多数の電極ステー2−3を介して前記集塵部1−3の左壁1−3−1、上壁1−3−2、右壁1−3−3、及び少なくとも1個の流通空間1−3−5を有する床板1−3−4との間に放電間隔を維持すると共に前記左壁1−3−1あるいは右壁1−3−3と略平行に複数個設けると共に前記各放電電極2−4との間にも放電間隔を維持して前記集塵電極2−5を複数個設ける。
さらに、前記導入管1−1と前記集塵部1−3の間に徐々に拡径する拡径管1−2を設けると共に該拡径管1−2の内部に前記電気集塵機構2を指向した少なくとも1個のノズル3が設けられた洗浄水配管4を配置し、該洗浄水配管4に外部から供給される洗浄水Wをポンプ4−1で圧送しバルブ4−2にて制御しつつ前記拡径管1−2に拡散しながら流入する排気ガス流中に前記ノズル3より微細な平均粒径100μm以下の水ミストW−Mとして噴霧して排気ガス中に分散させかつ万遍なく混合させて浮遊させるように構成する。なお、微細な平均粒径100μm以下の水ミスト(粉体粒子)W−Mとして噴霧し浮遊させるノズルは特殊なものではなく、一流体タイプの市販のスプレーノズルでよい。又、この洗浄水Wの微細な水ミストW−Mとしての噴霧は連続した噴射でもよいが、集塵電極2−5に付着したダストの表面が乾きだしたら水ミストを噴霧する間欠噴射であってもよい。
なお、図中、放電電極2−4は板状に画いてあるが、現物は全幅にわたり張り渡された複数本のワイヤー、基材表面より排気ガス中に直線状あるいはL字状の針金、三角形状もしくは鋸刃状の板材等で造られ、排気ガス流に対する流過抵抗が可及的に小さくなるよう配慮したうえで多数突出した形状を呈したものである(後出の第2〜第4実施例も同様である)。又、洗浄水は、界面活性剤、消泡材その他の化学薬品等を含有させた洗浄液でもよいことはいうまでもない(後出の第2〜第4実施例に対しても同様である)。
上記構成の第1実施例装置において、前記粉体粒子は、粒径が小さいほど重力により降下する力より静電気力による力が重力に打ち勝って大きくなり粒子は降下せずに静電気力の作用する方向に移動するが(参照;神保元二著の講談社発行「粉体の科学」第1章「粉体とはなにか」の図2に示す様に、粒径100μm程度までは静電気力は粒径が小さい程大きい)、粉体粒子である洗浄水の水ミストW−Mの平均粒径が微細な100μm以下であることにより該水ミストW−Mは浮遊して放電電極2−4からのコロナ放電によるクーロン力を確実に得て前記集塵部1−3の内表面や前記複数の集塵電極2−5の表面及び前記床板1−3−4表面に付着して洗浄水の被膜を形成すると共に重力により垂直下方に流下し、排気ガス流中の煤塵、ヒューム、粉塵などのダストも同様にコロナ放電によるクーロン力を受けて前記集塵部1−3の内表面や前記複数の集塵電極2−5の表面及び前記床板1−3−4表面に付着することとなるので、何れの表面でも煤塵、ヒューム、粉塵などのダストと洗浄水の被膜とが混合されて形成された塵埃含有洗浄水5の塵埃含有洗浄水薄膜層5−2が確実に形成されると共に重力により垂直下方に流下することとなって前記ダストが厚く堆積することがないので、電気抵抗率の高いダストの集積による逆電離の発生が防止される。
前記集塵部1−3の内表面に付着し形成された前記塵埃含有洗浄水5の前記塵埃含有洗浄水薄膜層5−2は、該集塵部1−3の内表面を重力により垂直下方に流下して前記床板1−3−4表面に至り、又、前記集塵電極2−5の表面に付着し形成された塵埃含有洗浄水5の塵埃含有洗浄水薄膜層5−2は、前記集塵電極2−5表面を流下して塵埃含有洗浄水滴5−1となって床板1−3−4表面へ滴下すると共に、該床板1−3−4の前記流通空間1−3−5を経て流下して塵埃含有洗浄水滴5−1として滴下し、前記集塵部1−3の前記床板1−3−4に設けられた全ての前記流通空間1−3−5を覆い前記床板1−3−4の外面に設けられているリザーバー6内に塵埃含有洗浄水5として貯留されることとなり、さらにこの貯留された塵埃含有洗浄水5は、前記リザーバー6に配設された塵埃含有洗浄水配管6−1により外部に排出されるので連続運転が可能となり、かつメンテナンスフリーであり、又、集塵部1−3の下流には縮径管1−4が、さらにその下流には導出管1−5が設けられており、前記集塵部1−3にて排煙、ヒューム、塵埃などが浮遊し含有されていた排気ガス中から煤塵、ヒューム、粉塵などのダストが除去されてクリーンな排気ガスとして水平方向に流下して放出させることができる。
さらに、この第1実施例装置は、平均粒径100μm以下の微細な洗浄水の水ミストW−Mが浮遊して排気ガス流に混流し、かつ同じく混流している微細な浮遊している洗浄水ミストW−Mと塵埃、ヒューム、粉塵などのダスト等はコロナ放電に伴うクーロン力を確実に得て前記集塵部1−3の内表面や前記集塵電極2−5の表面に付着して塵埃含有洗浄水薄膜層5−2を形成すると共に流下し、やがてリザーバー6内に貯留されている塵埃含有洗浄水5に滴下し前記リザーバー6に配設された塵埃含有洗浄水配管6−1により外部に排出される構成となしているので、集塵電極表面に付着しているダストなどを除去するために耐衝撃性と耐久性を有する槌打装置、駆動モータを要する回転ブラシ装置、放電電極表面に設けた絶縁突起を集塵電極に接触させかつ相互に摺動させる装置、各集塵電極に指向する多数噴気口へのエアブロ−管を経由しての圧縮空気を供給する装置や、集塵電極表面をプレス加工した集塵極板に加工後に酸洗脱脂して表面の濡れ性を予め向上させておきかつアトマイズ水洗方式のフルコーンノズルを要するダスト付着防止法、集塵電極表面への噴霧された洗浄水の案内板を内蔵させた装置、などの従来技術と異なり、種々の機能を内蔵して大型となし内蔵する構成部品の耐衝撃性、耐久信頼性確保のため高価となり、内蔵する構成部品の存在により排気ガスの流過抵抗が大きくエネルギー消費の大きくなることのない、小型で耐久信頼性に富み安価で省エネルギーであり排気ガスが流通する流路に摺動部分が存在しないことによりメンテナンスを必要としないメンテナンスフリーな優れた静電気式の電気集塵装置を実現させている。
次に、本発明の第2実施例装置は、水平方向ガス流の静電集電部上流で拡径管上流の導入管で水ミスト噴射を行う方式であり、その構成は図3に示すように、図1及び図2に示す本発明の第1実施例装置に対し、拡径管1−2の上流に設けられている導入管1−1の内部に、電気集塵機構2を指向した少なくとも1個のノズル3が設けられた洗浄水配管4を配置し、前記導入管1−1より流入する排気ガス流中に前記ノズル3より微細な平均粒径50μm以下での洗浄水の水ミストW−Mとして噴霧して排気ガス中に分散させ混合させ浮遊させるが、前記ノズル3が前記拡径管1−2より上流の導入管1−1に設けられている。そして、かかる構成により、洗浄水の水ミストW−Mが噴霧されて排気ガス中に分散させ混合されて浮遊する混合気体は、後流に配置されている前記拡径管1−2に流入し断面積が徐々に増大していくことにより排気ガス中への洗浄水の水ミストW−Mの分散、混合、浮遊がさらに促進されて集塵部1−3に流下して行き、該集塵部1−3にて第1実施例と同一の構成であるがより良い作用効果を得ることができて、前記ダストが厚く堆積することがないので逆電離の発生が防止される。
又、本発明の第3実施例装置は、垂直方向ガス流の静電集電部上流で拡径管上流の導入管で水ミスト噴射を行う方式であり、室内粉塵やボイラ、焼却炉、溶接装置、ろう付装置、塗装装置、溶接・ろう付・塗装等が実施される工場、高速道路や車両用道路のトンネル等(いずれも図示せず)から放出される排煙、ヒューム、塵埃などが浮遊し含有される排気ガスから該排気ガス流中の煤塵や粉塵などのダストを除去するコロナ放電を利用した静電気式の水ミスト噴射により電気抵抗率の高いダストの集積による逆電離の発生を防止した構成となした電気集塵装置11である。即ち、その構成は図4及び図5に示すように、ほぼ垂直方向に流下する排気ガス流が流入する導入管11−1の下流に、外部に設置された高圧電源装置(図示せず)に配線されて制御された高圧電源の供給を受けている複数の放電電極12−4及び複数の集塵電極12−5よりなる静電気式の電気集塵機構12を内蔵する集塵部11−3を設け、さらにその下方側面に導出管11−5を連なって設けて煤塵や粉塵などのダストが除去された清浄な排気ガス流がほぼ水平方向に流出されるよう構成されている。又、前記集塵部11−3は、その断面図を図5に示ように、該集塵部11−3の内部には前記電気集塵機構12を構成する放電電極12−4を前記集塵部11−3の上流側に対向して設けたシールエアー導入管部12−1に架設した電極支持体12−2に設けた多数の電極ステー12−3を介して前記集塵部11−3の四方の側壁11−3−6との間に放電間隔を維持すると共に、対向する前記側壁11−3−6と略平行に複数個設け、さらに前記各放電電極12−4との間にも放電間隔を維持して前記集塵電極12−5を複数個設け、前記導入管11−1と前記集塵部11−3の間に徐々に拡径する拡径管11−2を設けると共に、該拡径管11−2の内部に前記電気集塵機構12を指向した少なくとも1個のノズル13が設けられた洗浄水配管14を配置し、該洗浄水配管14に外部から供給される洗浄水Wをポンプ14−1で圧送しバルブ14−2にて制御しつつ前記拡径管11−2に拡散しながら流入する排気ガス流中に前記ノズル13より微細な平均粒径100μm以下の水ミストW−Mとして噴霧し浮遊させて排気ガス中に分散させかつ万遍なく混合させて浮遊させる構成となしている。
なお、微細な平均粒径100μm以下の水ミストW−Mとして噴霧するノズルは特殊なものではなく一流体タイプの市販のスプレーノズルでよい。
本発明の第3実施例装置においても、前記第1、第2実施例装置と同様に、洗浄水の水ミストW−Mの平均粒径が微細な100μm以下であることにより、該水ミストW−Mは浮遊して放電電極12−4からのコロナ放電によるクーロン力を確実に得て前記集塵部11−3の内表面や前記複数の集塵電極12−5の表面及び前記側壁11−3−6表面に付着して洗浄水の被膜を形成すると共に重力により垂直下方に流下し、排気ガス流中の煤塵、ヒューム、粉塵などのダストも同様にコロナ放電によるクーロン力を受けて前記集塵部11−3の内表面や前記複数の集塵電極12−5の表面に付着することとなるので、何れの表面でも煤塵、ヒューム、粉塵などのダストと洗浄水の被膜とが混合されて形成された塵埃含有洗浄水15の塵埃含有洗浄水薄膜層15−2が確実に形成されると共に、重力により垂直下方に流下することとなって前記ダストが厚く堆積することがないので、電気抵抗率の高いダストの集積による逆電離の発生が防止される。
又、前記集塵部11−3の内表面に付着し形成された前記塵埃含有洗浄水15の前記塵埃含有洗浄水薄膜層15−2は前記内表面を重力により垂直下方に流下して前記集塵部11−3の下方に設けられたリザーバー16内に塵埃含有洗浄水15として貯留されることとなり、また前記複数の集塵電極12−5の表面付着し形成された前記塵埃含有洗浄水15の前記塵埃含有洗浄水薄膜層15−2は塵埃含有洗浄水滴15−1として集塵電極12−5の下端より滴下し同じく前記リザーバー16内に塵埃含有洗浄水15として貯留されることとなり、さらにこの貯留された塵埃含有洗浄水15は前記リザーバー16に配設された塵埃含有洗浄水配管16−1により外部に排出されるので連続運転が可能で有り且つメンテナンスフリーであり、また集塵部11−3の側壁11−3−6の下方には導出管11−5が設けられており、前記集塵部11−3にて排煙、ヒューム、塵埃などが浮遊し含有されていた排気ガス中から煤塵、ヒューム、粉塵などのダストが除去されてクリーンな排気ガスとして垂下させた後、水平方向に放出させることができる。なお、該塵埃含有洗浄水配管16−1に排水処理装置を設けて塵埃含有洗浄水15に含有されている塵埃、ヒューム、粉塵などのダスト等の分離処理を実施してから外部に排出してもよい。
上記構成の第3実施例装置は、平均粒径100μm以下の微細な洗浄水の水ミストW−Mが浮遊して排気ガス流に混流し、かつ同じく混流している微細な浮遊している洗浄水ミストW−Mと塵埃、ヒューム、粉塵などのダスト等は、コロナ放電に伴うクーロン力を確実に得て前記集塵部11−3の内表面や前記集塵電極12−5の表面に付着して塵埃含有洗浄水薄膜層15−2を形成すると共に流下し、やがてリザーバー16内に貯留されている塵埃含有洗浄水15に滴下し前記リザーバー16に配設された塵埃含有洗浄水配管16−1により外部に排出されるので前記第1、第2の実施例装置と同様に、集塵電極表面に付着しているダストなどを除去するために耐衝撃性と耐久性を有する槌打装置、駆動モータを要する回転ブラシ装置、放電電極表面に設けた絶縁突起を集塵電極に接触させ且つ相互に摺動させる装置、各集塵電極に指向する多数噴気口へのエアブロ−管を経由しての圧縮空気を供給する装置、集塵電極表面をプレス加工した集塵極板に加工後に酸洗脱脂して表面の濡れ性を予め向上させておき、かつアトマイズ水洗方式のフルコーンノズルを要するダスト付着防止法、集塵電極表面への噴霧された洗浄水の案内板を内蔵させた装置、などの従来技術と異なり、種々の機能を内蔵して大型となし内蔵する構成部品の耐衝撃性、耐久信頼性確保のため高価となり、内蔵する構成部品の存在により排気ガスの流過抵抗が大きくエネルギー消費の大きくなることのない、小型で耐久信頼性に富み安価で省エネルギーであり排気ガスが流通する流路に摺動部分が存在しないことによりメンテナンスを必要としないメンテナンスフリーな優れた静電気式の電気集塵装置を実現させている。
さらに、図6に示す本発明の第4実施例装置は、垂直方向ガス流の静電集電部上流で拡径管上流の導入管で水ミスト噴射を行う方式であり、その構成は前記図4及び図5に示す本発明の第3実施例装置に対し、拡径管11−2の上流に設けられている導入管11−1の内部に電気集塵機構12を指向した少なくとも1個のノズル13が設けられた洗浄水配管14を配置し、前記導入管11−1より流入する排気ガス流中に前記ノズル13より微細な平均粒径25〜60μm程度の洗浄水の水ミストW−Mとして噴霧して排気ガス中に分散させ混合させ浮遊させるが、前記ノズル13が前記拡径管11−2より上流の導入管11−1に設けられている。そして、かかる構成により、洗浄水の水ミストW−Mが噴霧されて排気ガス中に分散させ混合されて浮遊する混合気体は、後流に配置されている前記拡径管11−2に流入し断面積が徐々に増大していくことにより排気ガス中への洗浄水の水ミストW−Mの分散、混合、浮遊がさらに促進されて集塵部11−3に流下して行き、該集塵部11−3にて第3実施例と同一の構成であるがより良好な作用効果を得ることができて前記ダストが厚く堆積することがないので逆電離の発生が防止される。
なお、本発明における、ノズルより噴霧される水ミストW−Mの平均粒径に対する限界条件の設定の根拠については、講談社発行の神保元二著「粉体の科学」(第1章「粉体とは何か」)等の記述に基づいている。
1、11 電気集塵装置
1−1、11−1 導入管
1−2、11−2 拡径管
1−3、11−3 集塵部
1−3−1 左壁
1−3−2 上壁
1−3−3 右壁
1−3−4 床板
1−3−5 流通空間
1−4 縮径管
1−5、11−5 導出管
2、12 電気集塵機構
2−1、12−1 シールエアー導入管部
2−2、12−2 電極支持体
2−3、12−3 電極ステー
2−4、12−4 放電電極
2−5、12−5 集塵電極
3、13 ノズル
4、14 洗浄水配管
4−1、14−1 ポンプ
4−2、14−2 バルブ
5、15 塵埃含有洗浄水
5−1、15−1 塵埃含有洗浄水滴
5−2、15−2 塵埃含有洗浄水薄膜層
6、16 リザーバー
6−1、16−1 塵埃含有洗浄水配管
11−3−6 側壁
W 洗浄水
W−M 水ミスト

Claims (5)

  1. 室内粉塵、排煙、ヒューム、塵埃などのダストが浮遊し含有する排気ガスが流入する導入管の後流に複数の放電電極及び複数の集塵電極よりなる静電気式の電気集塵機構を内蔵する集塵部を設けると共に、該集塵部の後流に前記ダストが除去された排気ガスが流出する導出管を設けた水ミスト噴射により逆電離の発生を防止する電気集塵装置であって、前記集塵部より上流に外部から供給される洗浄水をポンプで圧送しバルブにて制御しつつ前記電気集塵機構を指向させて平均粒径100μm以下の洗浄水ミストを噴射し浮遊させるノズルを設けると共に、前記集塵部の内表面及び集塵電極表面に形成される前記洗浄水ミストによる洗浄水の水膜に静電集塵されたダストが混合されて形成される塵埃含有洗浄水の塵埃含有洗浄水薄膜層が前記両表面を流下しかつ塵埃含有洗浄水滴として滴下し当該塵埃含有洗浄水を貯留するリザーバーを前記集塵部の下方に設けるとともに、前記リザーバーに塵埃含有洗浄水を排出するための塵埃含有洗浄水配管が設けられていることを特徴とする湿式電気集塵装置。
  2. 前記導入管及び前記集塵部を水平に設けるとともに、前記集塵部の上流に前記ノズルを設け、前記集塵部の上流側に電極支持体を垂設したシールエアー導入管部を設け、前記電極支持体に多数の電極ステーを介して前記放電電極を前記集塵部の左壁、上壁、右壁及び少なくとも1個の流通空間を有する床板との間に放電間隔を維持し、かつ前記左壁あるいは右壁と略平行に複数個設けると共に、前記各放電電極との間に放電間隔を維持して前記集塵電極を複数個設け、前記床板の下部に前記流通空間を全て覆い該流通空間より滴下する塵埃含有洗浄水が貯留されるリザーバーを設けたことを特徴とする請求項1に記載の湿式電気集塵装置。
  3. 前記導入管及び前記集塵部を垂直に設けるとともに、前記集塵部の上流に前記ノズルを設け、前記集塵部の上流側に電極支持体を架設したシールエアー導入管部を対向させて設け、該電極支持体に多数の電極ステーを介して前記放電電極を前記集塵部の四方の側壁との間に放電間隔を維持し、かつ対向する前記側壁と略平行に複数個設けるとともに前記各放電電極との間にも放電間隔を維持して複数個設け、前記側壁の前記電気集塵機構より下部に前記導出管を、該導出管の下部に前記側壁より流下するとともに、前記集塵電極より滴下する塵埃含有洗浄水が貯留されるリザーバーを設けたことを特徴とする請求項1に記載の湿式電気集塵装置。
  4. 前記導入管と前記集塵部の間に徐々に拡径する拡径管を設け、該拡径管に前記ノズルを設けたことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の湿式電気集塵装置。
  5. 前記導入管に前記ノズルを設けたことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の湿式電気集塵装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN115007313A (zh) * 2022-06-09 2022-09-06 李亮 一种可防回风的卧式静电除尘器及其实施方法
WO2023020049A1 (zh) * 2021-08-19 2023-02-23 青岛海尔空调器有限总公司 水洗空气装置、空调室内机和空调
KR102599443B1 (ko) * 2023-08-11 2023-11-07 리텍 주식회사 집진 성능이 향상된 노면청소차의 집진시스템

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