JP2009136816A - 集塵器 - Google Patents

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Abstract

【課題】長時間の連続稼働によっても微粒子の捕集効率が低下することがなく、捕集液をミスト化して微粒子を捕集することが可能な集塵器を提供することを課題とする。
【解決手段】集塵器1は、吸気口5及び排気口7を連通する空気通路8が内部に形成されたハウジング9と、空気通路8の中に気流10を発生させる気流発生部11と、汚染空気4に含まれる微粒子Pをミスト化した捕集液3によって捕集し、除去する微粒子捕集部12と、汚染空気4にコロナ放電CDを照射し、微粒子Pに電荷を与える放電部13と、放電部13と接続し、コロナ放電CDを発生させるための放電電圧を供給可能な放電電圧供給部14とを具備する。
【選択図】図1

Description

本発明は、集塵器に関するものであり、特に空気通路内に捕集液をミスト化して噴霧して汚染空気を清浄化するものであり、さらに、微粒子を荷電することでクーロン力を利用してミスト化した捕集液によって容易に微粒子を捕集する集塵器に関するものである。
従来から、工場のボイラー排気や発電所などから大量に排出される煤煙などのいわゆる「産業廃ガス」を大気中に放出する前に、産業廃ガス中に含まれる種々の粉体物や油分或いは水分等を含むミストやダストなどの大気を汚染する恐れの有る微粒子を取除く空気清浄化処理が行なわれることがある。これらの微粒子を含む産業廃ガスを直接大気中に放出することは、地球環境に甚大な影響を及ぼすため、国や地方自治体などの基準によって回収することが義務づけられていることがある。また、都市部では、車の排気ガスなどによる大気汚染が深刻な状態にあり、一般家庭でも室内用の空気清浄機を備え、使用するところもある。さらに、飲食店などの厨房においても、調理時等に発生する煙や汚染空気を外部に放出する前に、清浄化する空気清浄機を設置しているところが多い。
これらの大気汚染の原因となる汚染空気に含まれる微粒子を回収し、清浄空気に浄化するための集塵装置には、捕集原理などの違いから数多くのものが知られている。具体的には、微粒子の捕集原理から分類すると、ろ過式、重力式、慣性式、遠心力式、電気式、及び洗浄式などが挙げられる。これらは、捕集する微粒子の大きさや、種類、或いは設置条件などによって適宜選択されている。この中でも、集塵性能の点から見ると、ろ過式(バグフィルターなど)及び電気式のものが特に優れているため、種々の産業分野において広く普及している。
ここで、電気集塵器の捕集原理は、放電極から発生させたコロナ放電によって微粒子に電荷を与え、荷電(帯電)した微粒子を、クーロン力を利用して対極となる集塵電極に電気的に引寄せて捕集するものである。この集塵器の特徴は、1)圧力損失が小さい、2)大量のガスの処理が可能、3)集塵率が高いなどの優れた利点を有している。そのため、工場や発電所などの特に大量に汚染空気を排出する環境で利用されている。
本願出願人等は、既に新規な構成の電気集塵器として、飲食業等の厨房に設置可能なコンパクトな形状を有し、かつ高い集塵効率を得ることができる集塵器を発明し、特許出願を行っている(例えば、特許文献1参照)。
また、従来から周知の集塵器の一例として、水等の液体(捕集液)をシャワー状にして(或いはミスト化して)噴霧し、噴霧された水等の液体の下を処理対象となる汚染空気を通過させることで、汚染空気に含まれる微粒子を液体と接触させ、水等と併せて捕集する所謂「ミストコレクター」と呼ばれる集塵器(捕集器)も開発されている。
特開2003−126729号公報
しかしながら、上述した電気集塵器は、下記に掲げるような問題点を生じることがあった。すなわち、上記の電気集塵器に採用されるほとんどの捕集原理は、クーロン力を利用し、荷電された汚染空気等に含まれる微粒子を電気的な作用に利用して吸着させるものであった。そのため、長時間に亘って集塵器を稼働するようなケースの場合、或いは一度に大量の微粒子を含む汚染空気を処理しようとするようなケースの場合、微粒子の捕集される捕集電極(集塵電極または吸着プレート等と称される)は、当該捕集電極の捕集面(捕集電極面)に係る微粒子が凝集することになる。
ここで、電気集塵器の集塵性能は、荷電された微粒子と捕集電極側との電位差の違いによって大きく依存するものであり、上述したように、微粒子が捕集面に大量に凝集することは、その間の電位差が小さくなり、電気集塵器の捕集性能が著しく低下することが知られていた。したがって、これらの電気集塵器の場合は、一定稼働時間毎に電気集塵器の稼働を停止し、捕集面を洗浄液やブラシ等で洗浄し、微粒子を除去する作業が必要であった。これにより、電気集塵器の稼働を停止させる時間が長時間に亘ることがあり、継続的に汚染空気を処理する必要のあるケースでの使用は適していなかった。なお、本願出願人等が既に出願した電気集塵器は、捕集電極(吸着プレートと称する)を回転可能に軸支し、捕集の際に回転させることによって、遠心力によって捕集面から微粒子の塊状物を飛散させ、捕集面における電位差の変化が長時間の稼働においても小さくすることができ、さらに捕集電極を回転させながら、洗浄液を噴射することにより、洗浄作業を容易、かつ短時間で完了させることのできる優れた作用効果を奏するものであるが、それでも、係る作業を完全に無くすことはできなかった。
一方、従来から周知のミストコレクター等の集塵器は、水等の捕集液をシャワー状、さらに詳しく説明すれば、霧状(ミスト)の状態で噴霧し、この下に汚染空気を流すことによって、捕集液と接した微粒子を捕集液とともに重力に従って下方に落下させて回収を行っていた。そのため、捕集効率を上げるためには、大量の捕集液をミスト化し、狭い空間に一気に噴霧し、微粒子と当該捕集液との接触する可能性を高くする必要があった。そのため、従来のミストコレクターは、汚染空気が流れる空気通路の広範囲に亘って捕集液を一気に噴霧する必要があり、集塵器自体のサイズが大型化及び高コスト化する傾向が強く、またさらに飛散した捕集液を回収したり、或いは捕集液の集塵器の外部への飛散を防ぐための各種機能及び設備が必要となることがあった。特に、気流を発生させるファン等の集塵器に利用される電気機器・電気設備に対して、当該捕集液が接触し、感電・漏電等の事故の発生を抑えるための防水(防液)対策を十分に施す必要があった。
そこで、本発明は、上記実情に鑑み、長時間の連続稼働によっても微粒子の捕集効率が低下することが少なく、また、基本的にメンテナンス作業が不要となるものであって、捕集液の飛散を最小限に抑えた集塵器の提供を課題とするものである。
上記課題を解決するために、本発明にかかる集塵器は、「微粒子を含む汚染空気を吸込む吸気口及び前記微粒子が除去された清浄空気を排出する排気口を連通する空気通路が内部に形成されたハウジングと、前記空気通路に気流を発生させ、前記汚染空気の吸気及び前記清浄空気の排気を行う気流発生手段と、前記空気通路を流通する前記汚染空気から前記微粒子を捕集する捕集手段とを具備する集塵器であって、前記捕集手段は、長手方向に沿って開口したパイプ開口部を有し、前記パイプ開口部を前記吸気口に相対するように向けた状態で前記空気通路に所定の間隔を保持して立設された略円筒形状を呈する複数のミストパイプと、それぞれの前記ミストパイプのパイプ上端と接続し、前記パイプ上端からパイプ下端に向けて、前記ミストパイプのパイプ内空間に前記微粒子を捕集するための捕集液をミスト化して噴霧する捕集液噴霧手段と、前記ミストパイプの前記パイプ下端と接続し、前記パイプ開口部から前記パイプ内空間に到達した前記汚染空気に含まれる前記微粒子が噴霧されたミスト状の前記捕集液と接触し、重力に従って前記パイプ下端に到達した前記微粒子及び前記捕集液を含む微粒子捕集液を回収する微粒子捕集液回収手段と」を具備するものから主に構成されている。
ここで、汚染空気に含まれる微粒子とは、工場等の各種施設から排出される産業廃ガスや自動車の排気ガス中に含まれる固体粉体物や、飲食店の厨房等から排出される油分や水分を多量に含むミスト状のものが例示可能であり、ガス中に浮遊する所謂「浮遊粒子状物質」が相当する。また、気流発生手段とは、空気通路内に空気の流れ(気流)を発生させるものであり、例えば、モータ等の駆動装置に接続されたプロペラ(羽根)を回転させ、該プロペラの回転に伴って気流を生じさせるものである。なお、使用するプロペラのプロペラ径や駆動のためのモータの回転数を適宜変化させることにより、空気通路内を流れる気流の流量や流通速度(流速)等を任意に変更させることができる。
一方、捕集手段を構成するミストパイプとは、中空の円筒形状を呈して構成されるものであり、その長手方向に沿って大きくパイプ開口部が開口して設けられているものである。すなわち、ミストパイプのパイプ内空間とパイプ外空間が係るパイプ開口部を介して連通した状態となっている。なお、パイプ開口部の大きさ及び形状について、特に限定されないが、例えば、ミストパイプのパイプ中心から120°の範囲、つまり、パイプ周長の1/3に相当する範囲を開口部として設けたものが挙げられる。そして、係る開口がミストパイプのパイプ上端近傍からパイプ下端近傍に至るまで設けられている。また、ミストパイプの材質は、特に限定されないが、内部のパイプ内空間を捕集液が流れるために、錆び等の発生の少ないステンレス等の金属製素材を用いることが好適と思われる。
さらに、捕集液噴霧手段とは、それぞれのミストパイプのパイプ上端と連結し、パイプ下端に向けて捕集液を細かい霧状にして(ミスト化して)噴霧するものである。なお、噴霧のための技術は、コンプレッサー等の圧縮空気を利用する周知のスプレー化技術を利用することが可能であり、ここでは詳細な説明は省略する。これにより、捕集液は、パイプ内空間を非常に細かい粒(滴)となってパイプ下端に向けて落下する。このとき、噴霧された捕集液(捕集液ミスト)は、比較的軽いため、パイプ内空間を浮遊し、或いは漂うこととなり、該パイプ内空間は捕集液で完全に満たされた状態となる。そして、浮遊した捕集液ミストは、重力に従って徐々に落下し、パイプ下端に到達する。これにより、捕集ミストはパイプ内空間に限定して浮遊し、それ以外箇所、すなわち、ミストパイプ外側の空気通路には、捕集液が漏出することはほとんどない。また、噴霧される捕集液は、主に水を用いることが可能である。
したがって、本発明の集塵器によれば、気流発生手段によって空気通路に発生した気流によって、吸気口から汚染空気が吸気され、捕集手段によって微粒子が捕集された後の清浄空気が排気口から排出される。このとき、空気通路には、複数のミストパイプが立設され、当該ミストパイプのパイプ内空間に限定するように、捕集液が噴霧される。そのため、空気通路全体に亘って捕集液が飛散することがなく、従来のミストコレクターと比して、防水(防液)への対策が容易となる。さらに、ミストパイプは、パイプ開口部が設けられ、かつ当該パイプ開口部が吸気口に相対するように向けられている。その結果、吸気口から吸込まれた汚染空気は、パイプ開口部を介してパイプ内空間に到達することとなる。そして、このパイプ内空間をパイプ上端からパイプ下端に落下するミスト化した捕集液と接することになる。その結果、捕集液と接触した微粒子は、当該捕集液が重力に従って下方に落下するのに伴ってパイプ下端に到達することになる。そして、パイプ下端に連結された微粒子捕集液回収手段によって微粒子捕集液をまとめて回収することにより、汚染空気に含まれる微粒子を除去することが可能となる。また、パイプ上端からパイプ下端に向かって常に捕集液が噴霧されているため、パイプ内空間のパイプ内壁面等に微粒子が吸着し、集塵効率が低下するようなこともない。
さらに、本発明の集塵器は、上記構成に加え、「コロナ放電を発生するための放電電圧を供給可能な放電電圧供給手段と、前記放電電圧供給手段と電気的に接続され、前記吸気口近傍の前記空気通路の上流側に架渡すように配設された放電軸、前記放電軸に支持され、前記空気通路に立設された複数の前記ミストパイプの間を前記空気通路を流れる前記気流の流通方向に沿って、前記ミストパイプと電気的に絶縁した状態で配設されるとともに、荷電プレート面で前記微粒子をクーロン力を利用して反発させ、前記ミストパイプに向かって近接させる荷電プレート、及び前記荷電プレートの吸気口対向縁から前記吸気口に向かって突設され、先端が尖鋭状に形成された尖鋭端部を有する複数の放電電極部を備え、発生させた前記コロナ放電によって前記汚染空気に含まれる前記微粒子を荷電する放電手段とをさらに具備し、前記捕集手段の前記ミストパイプは、前記放電手段と電気的に絶縁され、前記捕集液は、導電性状を有する」ものであっても構わない。
ここで、放電手段とは、吸気口から吸気された汚染空気に対して、コロナ放電を与え、該汚染空気に含まれる微粒子を荷電した状態にするものである。係る構成は、放電電圧供給手段と接続した放電軸及び荷電プレート、さらに放電電極部によって主に構成されている。そして、コロナ放電は、一般に先端の尖った箇所から容易に発生しやすい性状を有している。そのため、本発明においては、先端を尖鋭状に形成した尖鋭端部を有する放電電極部が用いられている。そして、その尖鋭端部は気流に対向するように、換言すれば、吸気口に向かうように配されている。これにより、吸気口から吸込まれた汚染空気に含まれる微粒子は、当該コロナ放電によって電荷(正または負)が与えられる。また、放電電極部を形成する素材等は、特に限定されないが、コロナ放電時の高温によって尖鋭端部が融け、尖鋭状を呈しなくなることを回避し、かつコロナ放電を効率的に発生させるために優れた電気伝導性を有する必要がある。そのため、例えば、タングステン或いはタングステン化合物等の硬質素材を用いることが可能である。
一方、捕集手段を構成するミストパイプは、放電手段に対して電気的に絶縁した状態で形成されている。なお、係る場合、地面に対してアース接続がされていることが特に好ましい。さらに、捕集液は水等の導電性状を呈するものが利用される。そのため、ミストパイプは、荷電される微粒子と相反する電荷を備えることとなり、さらに、捕集液が導電性状を呈するため、当該ミストパイプと接した捕集液もミストパイプと同様に荷電される微粒子と相反する電荷を備えることとなる。
したがって、本発明の集塵器によれば、コロナ放電によって荷電された汚染空気に含まれる微粒子は、該微粒子の電荷と相対する電荷を有する捕集液にクーロン力によって引寄せられる。そのため、捕集液と微粒子との接触がさらに容易に行われる。その結果、集塵器による微粒子の集塵効率が向上する。さらに、放電手段に設けられた荷電プレートによって、荷電された微粒子が荷電プレート面でクーロン力によって反発し、ミストパイプに向けて近接される。これにより、微粒子とミスト化された捕集液とが接触する機会をさらに増やすことができ、集塵効率をさらに高めることができる。
さらに、本発明にかかる集塵器は、上記構成に加え、「前記微粒子捕集液回収手段と接続し、回収された前記微粒子捕集液から前記微粒子を除去する微粒子除去手段と、前記微粒子の除去された前記捕集液を前記捕集液噴霧手段に送出し、再利用する捕集液再利用手段と」を具備するものであっても構わない。
ここで、微粒子除去手段とは、通常のフィルターやストレーナーを利用した濾過装置を利用することが可能である。すなわち、微粒子は非常に小さいものの固体物であり、一方、捕集液は水等の液状物である。そのため、目の細かいフィルター等を用いることにより、微粒子のみを除去し、捕集液のみを再生することができる。一方、捕集液再利用手段とは、分離された捕集液を送出ポンプ等を用いて、再び、捕集液噴霧手段に送出して利用するものである。これにより、本発明の集塵器の中を捕集液は循環することとなる。そのため、噴霧等によって損失した損失分のみを適宜供給し、残りの大部分は捕集液の再利用を図ることができる。これにより、捕集液の使用量を大幅に削減することができる。
さらに、本発明の集塵器は、上記構成に加え、「前記ミストパイプは、前記パイプ下端を軸として、前記パイプ上端を前記空気通路の下流側に傾けた状態で立設されている」ものであっても構わない。
したがって、本発明の集塵器によれば、ミストパイプが空気通路の下流側にパイプ上端を傾斜するようにされている。これにより、パイプ内空間に噴霧される捕集液は、斜め下方向に向かって落下することとなる。ここで、ミストパイプを傾斜して支持することによって、パイプ開口部の相対的な面積が増加することになり、汚染空気がパイプ開口部を通じてパイプ内空間に到達する可能性が高くなる。その結果、微粒子の集塵効率が高められる。さらに、傾斜させることによって、捕集液の一部は、パイプ内空間のパイプ内壁を伝ってパイプ下端まで移動することとなる。そのため、微粒子捕集液の回収が速やかに行われることとなる。
さらに、本発明の集塵器は、上記構成に加え、「前記捕集液は、界面活性剤成分を含有してなる」ものであっても構わない。
したがって、本発明の集塵器によれば、使用される捕集液に界面活性剤成分、すなわち、洗浄剤成分を含んでいる。その結果、微粒子の捕集とともに、パイプ内空間及びパイプ内壁に付着する可能性の高い微粒子を同時に洗い流すことが可能となる。そのため、空気通路は、常に清浄化されたものとなる。なお、一般に界面活性剤成分は、イオン等の電解質成分を含むものであり、捕集液自体の導電性状に影響を及ぼすものではない。
本発明の集塵器によれば、微粒子をミスト化した捕集液に接触させ、重力に従って下方に導くことによって微粒子捕集液として回収することができる。このとき、ミスト化された捕集液は、ミストパイプのパイプ内空間に限定して移動するため、捕集液が空気通路内及び集塵器の周囲に広範囲に亘って飛散することがない。そのため、集塵器の電気機器に対する防水等の対策を簡易に行うことができる。さらに、微粒子を荷電し、与えられた電荷と逆の電位となるように捕集液に電荷を与えることにより、クーロン力を利用して微粒子を捕集する電気集塵器として使用することが可能となる。これにより、微粒子の集塵効率を向上させることが可能となる。
以下、本発明の一実施形態である集塵器1について、図1乃至図4に基づいて説明する。ここで、図1は本実施形態の集塵器1の内部構成を模式的に示す側方から見た説明図であり、図2は集塵器1の内部構成を模式的に示す上方から見た説明図であり、図3はミストパイプ2の構成を示す(a)正面図、(b)A−A拡大断面図、及び(c)傾斜した立設状態を示す説明図であり、図4は荷電された微粒子の捕集挙動を模式的に示す説明図である。なお、本実施形態の集塵器1は、コロナ放電CDによって微粒子Pを荷電し、さらに当該微粒子Pと逆の電位となるように電荷の与えられた捕集液3によって微粒子Pを捕集する電気集塵器として機能するものについて主に例示する。
本実施形態の集塵器1は、図1乃至図4に示すように、微粒子Pを含む汚染空気4を吸気する吸気口5及び集塵器1を通して浄化された清浄空気6を排出する排気口7を連通する空気通路8が内部に形成されたハウジング9と、空気通路8の下流側(図1における紙面右方向に相当)の排気口7の近傍に設けられ、吸気口5から汚染空気4を吸気し、さらに排気口から清浄空気6を排気するために、空気通路8の中に空気の流れ(気流10)を発生させる回転ファン及び該回転ファンを回転駆動させる駆動用モータ(いずれも図示しない)を有して構成された気流発生部11と、空気通路8に配設され、吸気口5から吸気された汚染空気4に含まれる微粒子Pを捕集し、除去する微粒子捕集部12と、吸気口5の近傍に設けられ、吸い込んだ汚染空気4にコロナ放電CDを照射し、微粒子Pに電荷を与える放電部13と、放電部13と接続し、コロナ放電CDを発生させるための放電電圧を供給可能な放電電圧供給部14とを具備して主に構成されている。
ここで、気流発生部11が本発明における気流発生手段に相当し、微粒子捕集部12が本発明における捕集手段に相当し、放電部13が本発明における放電手段に相当し、放電電圧供給部14が本発明における放電電圧供給手段に相当する。
さらに詳細に説明すると、微粒子捕集部12は、長手方向に沿って大きく開口したパイプ開口部15を有し、当該パイプ開口部15を吸気口5に相対するように向けた状態で空気通路8に所定の間隔を保持して、縦4本×横13本の計52本が立設されたミストパイプ2を有している。ここで、縦は図1における紙面上下方向に相当し、横は図1及び図2における紙面左右方向に相当する。また、係るミストパイプ2は、ステンレス製のものであり、パイプ下端部16を基準として、パイプ上端部17が僅かに空気通路8の下流側(図2における紙面右方向)に所定の角度θで、具体的に示すと、本実施形態では約3°で傾斜するように立設されている(図3(c)参照)。また、ミストパイプ2のパイプ開口部15は、ミストパイプ2のパイプ中心に対して、約120°の範囲で開口したものについて例示している(図3(b)参照)。なお、図1及び図2において、説明を簡略化するため、このミストパイプ2の傾斜の状態は図示を省略し、ほぼ垂直方向に立設しているものについて図示している。
また、全てのミストパイプ2は、アース線(図示しない)によって地面と電気的に接続され、その一方で、放電部13とは絶縁ゴム等の絶縁手段を利用して電気的に絶縁された状態になっている。そのため、後述する放電部13によって荷電された微粒子Pと電気的に相対する状態にある。これにより、互いに相対する電荷を有するもの同士は、それぞれが吸引し合う性質を有するため、該ミストパイプ2の周囲には、荷電された微粒子Pがより集まりやすい傾向が強くなっている。
さらに、微粒子捕集部12は、その他の構成として、それぞれのミストパイプ2のパイプ上端部17に取付けられた複数の噴霧ノズル18、複数の噴霧ノズル18と捕集液供給管19を介して連結され、噴霧ノズル18から噴霧するための捕集液3を一時的に貯留する捕集液貯留タンク20、及び捕集液貯留タンク20に貯められた捕集液3を噴霧ノズル18まで導出し、さらに当該噴霧ノズル18からミスト状(霧状)にして捕集液3を捕集し、パイプ上端部17からパイプ下端部16に至るミストパイプ2のパイプ内空間21を捕集液ミスト22で満たすための空気圧を供給するエアコンプレッサ23を有する捕集液噴霧部24と、各々のミストパイプ2のパイプ下端部16と接続し、パイプ内空間21に満たされた捕集液ミスト22が重力に従ってパイプ下端部16まで落下し、再び液状に戻った捕集液3及び捕集液ミスト22に捕集された微粒子Pを含む微粒子捕集液25を一箇所に集積して回収し、一時的に貯留する微粒子捕集液回収部26と、微粒子捕集液回収部26によって回収された該微粒子捕集液25をフィルター材(図示しない)等によって濾過処理し、微粒子Pを除去する微粒子除去部27と、微粒子Pの除去された後に残る捕集液3を捕集液噴霧部24の捕集液貯留タンク20にエアー圧を利用して送出し、再利用可能とする捕集液送出部28とを具備して主に構成されている。ここで、捕集液噴霧部24が本発明における捕集液噴霧手段に相当し、微粒子除去部27が本発明における微粒子除去手段に相当し、捕集液送出部28が本発明における捕集液再利用手段に相当する。また、捕集液噴霧部24、微粒子捕集液回収部26、微粒子除去部27、及び捕集液送出部28を含み微粒子捕集部12が本発明における捕集手段に相当する。
一方、放電部13は、コロナ放電CDを発生するための高い放電電圧を供給可能な放電電圧供給部15と電気的に接続されるものであって、吸気口5の近傍の空気通路8の上流側にハウジング9の横方向に架渡すように配設された上下二本の放電軸13a、二本の放電軸13aに軸支され、空気通路8に立設された複数本のミストパイプ2の間を気流10の流通方向(図1における矢印A参照)に沿って、ミストパイプ2と電気的に絶縁した状態で、互いの荷電プレート面29をそれぞれ対向させて所定の間隔を保持して、空気通路8の吸気口5から排気口7に至るハウジング9の側面長さに略一致するように配設された3枚の荷電プレート30、及び荷電プレート30の吸気口対向縁31から吸気口5に向かって突設され、先端が尖鋭状に形成された尖鋭端部32を有する複数の放電電極部33を備え、放電電極部33から発生させたコロナ放電CDを汚染空気4に含まれる微粒子Pに近接させることにより、該微粒子Pを荷電することができるものである。なお、説明を簡略化するために、図2等において、上記捕集液噴霧部24、捕集液送出部28、及び放電部13等の一部構成については図示を省略している。
ここで、本実施形態の集塵器1において、微粒子捕集部12の捕集液噴霧部24から噴霧される捕集液3は、水34を主成分として含むのであり、その他の構成として、イオン電解質型の所定量の界面活性剤成分35が配合されている。すなわち、捕集液3自体が洗浄効果を有している。また、該界面活性剤成分35によって、捕集液3は良好な導電性状を有することになる。その結果、アース接続されたステンレス製のミストパイプ2のパイプ内空間21に噴霧された捕集液3(または捕集液ミスト22)は、ミストパイプ2と同じ電位、すなわち、荷電された微粒子Pと相対する電荷を有することになる。そのため、微粒子Pは、該捕集液3(または、捕集液ミスト22)に引き寄せられ易い性質を有している。
ここで、本実施形態の集塵器1におけるハウジング9及びその内部である空気通路8について詳述すると、全体として略直方体の筐体形状に構築されたハウジング9は、ハウジング正面部9aの一部に開口した上述の吸気口5を備え、さらに該ハウジング正面部9aに相対するハウジング背面部9bの対向する位置に排気口7が開口して形成されている。そして、この吸気口5及び排気口7を連通する内部の空間が空気通路8として形成されているものである。
加えて、本実施形態の集塵器1は、荷電プレート30に取付けられた放電電極部33の一端は、コロナ放電CDが先端が尖った形状の部位から発生しやすい性質を利用して、吸気口5方向に向けて鋭く尖った尖鋭状の尖鋭端部32が設けられている。ここで、この尖鋭端部32から発生したコロナ放電CDの照射を受け、荷電された微粒子Pは、空気通路8を流通する段階で徐々に荷電された状態から、電気的に中立な状態に戻ろうとする性質を有することが知られている。ここで、先に述べたクーロン力の反発或いは吸引の作用は、互いの電位差が大きい程、大きな作用を奏することが知られており、空気通路8を流通する過程において、係るクーロン力による反発または吸引の作用が荷電直後に対して徐々に弱くなることは、捕集液3による微粒子Pの捕集効果を十分に享受することができない場合も想定される。
そこで、コロナ放電CDによって荷電された微粒子Pを、捕集液3を利用して速やかに捕集するため、本実施形態の集塵器1では先に述べたように、空気通路8を四つのルートR1,R2,R3,R4に区画する3枚の荷電プレート30が互いに所定の間隔を保持して並設している。ここで、吸気口5から吸い込まれた汚染空気4は、放電電極部33を通過し、3枚の荷電プレート30で区切られたいずれかのルートR1等に導かれることになる。このとき、荷電プレート30は、放電電圧供給部15と電気的に接続された状態にあり、コロナ放電CDを発生させる放電電極部33と同じ電荷が常に供給されている。そのため、係る荷電プレート30の荷電プレート面29に近づこうとする微粒子Pは、互いに電気的に同位の荷電プレート30から受けるクーロン力(反発力)によって、荷電プレート面29に近づくことができず、逆に荷電プレート面29から離間するような作用を受けることになる。このとき、荷電プレート面29から離間する方向には、それぞれのルートR1等毎に、横方向(図1及び図2における紙面左右方向に相当)に一列に規則正しく並んだ複数本(計13本)のミストパイプ2が立設されている。ここで、ミストパイプ2は、前述したように、アース接続され、放電部13に対して電気的に相対している状態にある。その結果、荷電された微粒子Pは、荷電プレート30と異なり、ミストパイプ2に近づきやすい性質を有することとなる。
また、上述の放電電極部33は、荷電プレート30の吸気口対向縁31に穿設された挿込孔(図示しない)に、尖鋭端部32と相対する放電電極部33の他端(図示しない)を一本ずつ挿入し、固着することによって、荷電プレート30とほぼ一体的になるように形成されている。
さらに、本実施形態の集塵器1では、放電部13に接続された放電電圧供給部15から供給される放電電圧を約10.5kVに設定したものについて例示することとしている。ここで、放電電圧が、上述した放電部13を構成する放電軸13a、荷電プレート30を介し、放電電極部33まで到達すると、放電電極部33の尖鋭端部32とミストパイプ2のパイプ表面の間に大きな電位差を生じさせることとなり、これによって尖鋭端部32からコロナ放電CDを安定させて生じることができる。
なお、既に述べたように、放電部13は、コロナ放電CDを発生させるため、当該放電部13以外の構成(特に、微粒子捕集部12及びハウジング9)とは、電気的に絶縁されている。そのため、係る放電電圧に基づいて、放電電極部33の尖鋭端部32以外の箇所から、コロナ放電CDが発生することや、水で濡れたことによって、高電圧が漏電する等のおそれがないような対策が施されている。加えて、ミストパイプ2及びハウジング9は、地面に埋設されたアース(図示しない)と地面に対して電気的に接続され、発生した電気を地中に対して放出する原理を有している。そのため、本実施形態の集塵器1による集塵処理の間であっても、捕集された微粒子Pや捕集液3(または捕集液ミスト)から伝達された電気が貯まることがなく、適宜地面に流される。そのため、捕集液3及びミストパイプ2に所定の電荷が溜まり、スパーク(火花)等を発生させたりするようなことがない。
次に、上記構成で示した本実施形態の集塵器1の使用方法について、説明をする。はじめに、気流発生部11を始動し、ファン駆動用モータ等によって回転ファンを駆動させる(図示しない)。これにより、吸気口5から周囲の汚染空気4が吸い込まれ、空気通路8内に気流10が発生する。これと同時に、微粒子捕集部12を稼働し、捕集液噴霧部24のエアコンプレッサ23を作用させ、エアー圧を利用して捕集液3を捕集液貯留タンク20から捕集液供給管19を通じてそれぞれのミストパイプ2と接続した噴霧ノズル18まで送出する。そして、係る噴霧ノズル18からミストパイプ2のパイプ内空間21へミスト化した捕集液3(捕集液ミスト22)を噴霧する。さらに、これと同様に、放電電圧供給部15を作用させ、電気的に接続された放電部13の複数の放電電極部33からコロナ放電CDを発生させるための放電電圧を供給する。これにより、複数箇所の放電電極部33の尖鋭端部32からコロナ放電CDが継続的に発生することとなる。なお、気流10の発生、捕集液3のミスト化、及びコロナ放電CDの発生は、本実施形態の集塵器1では、同一のタイミングで行われ、集塵器1による集塵処理を電気的に制御する制御装置36に設けられた集塵開始スイッチ(図示しない)をONにすることにより、一括して上記処理が行われる。
これにより、気流10の発生に伴って、ハウジング正面部9aの吸気口5から微粒子Pを含む汚染空気4が吸い込まれる。そして、吸気口5に向けて尖鋭端部32が向けられた放電電極部33の近傍を通過することで、係る放電電極部33からのコロナ放電CDを受ける。これにより、該コロナ放電CDを受けた微粒子Pは、荷電された状態となる。ここで、放電電極部33は、荷電プレート30の吸気口対向縁31に沿って縦方向に複数本が取付けられ、さらに該荷電プレート30は幅方向に対して、計3枚が所定の間隔を保持して放電軸13aに取付けられている。そのため、吸気口5から吸込まれた汚染空気4は、必然的に放電電極部33の一部と近接することとなり、コロナ放電CDを受ける確率が高くなる。
その後、荷電された微粒子Pは、3枚の荷電プレート30によって区画された四つのルートR1等のいずれかを通って空気通路8を流通する。このとき、放電部13の一部を構成する荷電プレート30は、放電軸13a及び放電電極部33と電気的に同位となっているため、荷電された微粒子Pの電荷とも同じ電位を有している。そのため、荷電された微粒子Pが荷電プレート30の荷電プレート面29に近づこうとしても、同じ電位同士は互いに反発し合う性質のため、該微粒子Pは荷電プレート30に近接することができない。そして、荷電プレート面29に近接する方向と逆方向、すなわち、荷電プレート面29から離間する方向に反発する作用をクーロン力によって受けることとなる。
その結果、荷電プレート面29から離間する方向に複数本設けられたミストパイプ2に近づくこととなる。さらに、該ミストパイプ2は地面とアース接続され、荷電された微粒子Pと反対の電位を有することから、該ミストパイプ2にクーロン力によって吸引され、引き寄せられやすくなっている。そのため、微粒子Pはミストパイプ2の方向に簡単に近づくことができる。
ここで、ミストパイプ2は、パイプ開口部15が吸気口5に相対するように配設されている。そのため、空気通路8を流通し、さらに荷電プレート30によって反発力を受けた微粒子Pは、当該パイプ開口部15を通過し、ミストパイプ2のパイプ内空間21に到達することとなる。
このとき、パイプ内空間21は、捕集液噴霧部24によってパイプ上端部17からパイプ下端部16に至るまでの間を満たすように捕集液ミスト22が噴霧されている。そのため、パイプ内空間21に進入した微粒子Pは、該捕集液ミスト22と接触することなる。ここで、捕集液ミスト22は水分を多く含むものであり、微粒子Pよりも当然重いものである。そのため、重力の影響を微粒子Pよりも受けやすく、捕集液ミスト22と接触した微粒子Pは、該捕集液ミスト22とともにパイプ下端部16に向けて落下することとなる(図4矢印B参照)。なお、捕集液噴霧部24によって噴霧ノズル18から強く下方に向けて捕集液3を噴霧するエアー圧による影響も受けている。
ここで、噴霧ノズル18から噴霧される捕集液3(捕集液ミスト22)は、一般に噴霧ノズル18を中心として広く拡散する性質を有している。しかしながら、本実施形態の集塵器1における噴霧ノズル18は、ミストパイプ2のパイプ上端部17と直接連結されているため、上記のような拡散は、ミストパイプ2のパイプ内壁36によって阻害される。そのため、パイプ内空間21に捕集液ミスト22が限定して存在し、ミストパイプ2の外の空気通路8には、当該捕集液3及び捕集液ミスト22が漏出することはほとんど無い。なお、ミストパイプ2はパイプ開口部15が設けられているため、当該パイプ開口部15を通じて捕集液ミスト22がミストパイプ2の外部に漏れる可能性もあるが、捕集液3の拡散は、噴霧口である噴霧ノズル18の近傍で最も大きくなる。そのため、噴霧ノズル18の位置から所定の高さだけ、開口しない部位をミストパイプ2に設けておけば、上述のような拡散の問題をほとんど回避することができる。
さらに、この捕集液3及び捕集液ミスト22は、導電性状を有するため、アース接続されたミストパイプ2と同じ電位を有している。そのため、係る捕集液3等自体にも、荷電された微粒子Pを吸引する作用を有している。そのため、捕集液3及び捕集液ミスト22による微粒子Pの捕集がさらに容易に行われる。
その結果、吸気口5から吸い込まれた汚染空気4は、当該ミストパイプ2の内部のパイプ内空間21の捕集液ミスト22によって微粒子Pが除去され、清浄空気6となる。これにより、空気通路8の下流側に設けられた排気口7からは清浄空気6が排出されることになる。
一方、捕集液ミスト22に接触し、パイプ下端部16に導かれた微粒子Pは、それぞれのミストパイプ2のパイプ下端部16と連結された微粒子捕集液回収部26に集められる。なお、係る場所では、ミスト化した捕集液ミスト22は、再び液状の捕集液3に戻り、微粒子Pを含む微粒子捕集液25として存在することとなる。なお、係る捕集液3には、予め洗浄成分である界面活性剤成分35が混合されているため、ミストパイプ2のパイプ内壁36に付着した微粒子P等を下方に洗い流す効果も有している。
そして、微粒子捕集液回収部26に回収された微粒子捕集液25は、周知のフィルター部材或いはストレーナー等の濾過器を用いることにより、微粒子Pのみを微粒子除去部27で除去する。すなわち、微粒子Pは非常細かい粒状物質等から構成されるものであるものの、固形物の状態であり、水34等からなる捕集液3に溶解するものではない。そのため、フィルター部材等によって該微粒子Pを濾し取ることにより、濾過された液体は、使用前の捕集液3とほとんど代わることがない。そこで、微粒子Pの除去された液体(捕集液3)を送圧ポンプ等からなる捕集液送出部28を利用して捕集液噴霧部24の捕集液貯留タンク20まで送る。これにより、再び捕集液3を噴霧ノズル18から噴霧することができる。すなわち、本実施形態の集塵器1によれば、使用する捕集液3を循環して使用することができる。その結果、捕集液貯留タンク20は、循環の過程で減少した量の捕集液3のみを新たに補充すれば足り、捕集液3を有効に活用することができる。
上記に示したように、本実施形態の集塵器1によれば、コロナ放電CDによって荷電された微粒子Pを、当該微粒子Pと相対する電荷を有するミストパイプ2のパイプ内空間21を満たし、かつ下方に向けて落下する捕集液ミスト22にクーロン力を利用して捕集し、回収することができる。特に、噴霧される捕集液3の広範囲に亘る拡散が、複数本のミストパイプ2に抑えられるため、従来は困難であってコロナ放電CDの発生等の集塵器1に設けられた電気機器や電気設備等の使用に制限されることがない。その結果、クーロン力を利用した従来の電気集塵器による原理を応用し、かつ従来のミストコレクターのように捕集液3を噴霧して微粒子Pを捕集し、清浄空気6に汚染空気4を転換することができる。
以上、本発明について好適な実施形態を挙げて説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではなく、以下に示すように、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々の改良及び設計の変更が可能である。
すなわち、本実施形態の集塵器1において、放電部13を有し、吸気口5から吸い込まれた汚染空気4に含まれる微粒子Pを荷電して捕集液3で捕集するものを示したが、これに限定されるものではない。つまり、従来のミストコレクターのように、微粒子Pを敢えて荷電するものでなくても構わない。具体的に示すと、空気通路に複数本のミストパイプを配し、該ミストパイプのパイプ内空間に捕集液をミスト化した捕集液ミストを噴霧し、これだけで微粒子Pを捕集するものであっても構わない。これにより、従来のミストコレクターと比べ、捕集液が周囲に飛散することがなく、確実に微粒子Pを捕集することができる。この場合、本実施形態の集塵器1において示したように、ミストパイプ2を気流の流通方向に沿って一列に並べたものを多段に形成したものではなく、例えば、互いのミストパイプを交互に並べ設けるものであっても構わない。すなわち、ミストパイプ2のパイプ内空間に微粒子Pが進入する可能性が高いような配置にするものであっても構わない。この場合、荷電プレート30も同様に空気通路内から排除することができるため、ミストパイプ2の自由な配置が特に制限されることがない。これにより、気流発生手段における回転ファン等の電気機器以外の電気施設を省略することができる。
集塵器の内部構成を模式的に示す側方から見た説明図である。 集塵器の内部構成を模式的に示す上方から見た説明図である。 ミストパイプの構成を示す(a)正面図、(b)A−A拡大断面図、及び(c)傾斜した立設状態を示す説明図である。 荷電された微粒子の捕集挙動を模式的に示す説明図である。
符号の説明
1 集塵器
2 ミストパイプ
3 捕集液
4 汚染空気
5 吸気口
6 清浄空気
7 排気口
8 空気通路
9 ハウジング
10 気流
11 気流発生部(気流発生手段)
12 微粒子捕集部(捕集手段)
13 放電部(放電手段)
13a 放電軸
14 放電電圧供給部(放電電圧供給手段)
15 パイプ開口部
16 パイプ下端部
17 パイプ上端部
21 パイプ内空間
22 捕集液ミスト(捕集液)
24 捕集液噴霧部(捕集液噴霧手段)
25 微粒子捕集液
26 微粒子捕集液回収部(微粒子捕集液回収手段)
27 微粒子除去部(微粒子除去手段)
28 捕集液送出部(捕集液再利用手段)
28 放電軸
29 荷電プレート面
30 荷電プレート
32 尖鋭端部
33 放電電極部
34 水(捕集液、捕集液ミスト)
35 界面活性剤成分(捕集液、捕集液ミスト)
CD コロナ放電
P 微粒子

Claims (5)

  1. 微粒子を含む汚染空気を吸込む吸気口及び前記微粒子が除去された清浄空気を排出する排気口を連通する空気通路が内部に形成されたハウジングと、
    前記空気通路に気流を発生させ、前記汚染空気の吸気及び前記清浄空気の排気を行う気流発生手段と、
    前記空気通路を流通する前記汚染空気から前記微粒子を捕集する捕集手段と
    を具備する集塵器であって、
    前記捕集手段は、
    長手方向に沿って開口したパイプ開口部を有し、前記パイプ開口部を前記吸気口に相対するように向けた状態で前記空気通路に所定の間隔を保持して立設された略円筒形状を呈する複数のミストパイプと、
    それぞれの前記ミストパイプのパイプ上端と接続し、前記パイプ上端からパイプ下端に向けて、前記ミストパイプのパイプ内空間に前記微粒子を捕集するための捕集液をミスト化して噴霧する捕集液噴霧手段と、
    前記ミストパイプの前記パイプ下端と接続し、前記パイプ開口部から前記パイプ内空間に到達した前記汚染空気に含まれる前記微粒子が噴霧されたミスト状の前記捕集液と接触し、重力に従って前記パイプ下端に到達した前記微粒子及び前記捕集液を含む微粒子捕集液を回収する微粒子捕集液回収手段と
    を具備することを特徴とする集塵器。
  2. コロナ放電を発生するための放電電圧を供給可能な放電電圧供給手段と、
    前記放電電圧供給手段と電気的に接続され、前記吸気口近傍の前記空気通路の上流側に架渡すように配設された放電軸、前記放電軸に支持され、前記空気通路に立設された複数の前記ミストパイプの間を前記空気通路を流れる前記気流の流通方向に沿って、前記ミストパイプと電気的に絶縁した状態で配設されるとともに、荷電プレート面で前記微粒子をクーロン力を利用して反発させ、前記ミストパイプに向かって近接させる荷電プレート、及び前記荷電プレートの吸気口対向縁から前記吸気口に向かって突設され、先端が尖鋭状に形成された尖鋭端部を有する複数の放電電極部を備え、発生させた前記コロナ放電によって前記汚染空気に含まれる前記微粒子を荷電する放電手段と
    をさらに具備し、
    前記捕集手段の前記ミストパイプは、
    前記放電手段と電気的に絶縁されて配設され、
    前記捕集液は、
    導電性状を有することを特徴とする請求項1に記載の集塵器。
  3. 前記微粒子捕集液回収手段と接続し、回収された前記微粒子捕集液から前記微粒子を除去する微粒子除去手段と、
    前記微粒子の除去された前記捕集液を前記捕集液噴霧手段に送出し、再利用する捕集液再利用手段と
    をさらに具備することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の集塵器。
  4. 前記ミストパイプは、
    前記パイプ下端を軸として、前記パイプ上端を前記空気通路の下流側に傾けた状態で立設されていることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか一つに記載の集塵器。
  5. 前記捕集液は、
    界面活性剤成分を含有してなることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか一つに記載の集塵器。
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