上記課題を解決するためになされた第1の発明の無線通信システムは、時分割多重通信を行う制御局と従属局で構成される無線通信システムであって、前記制御局は、前記従属局と無線通信を行い、前記従属局に前記制御信号を送信する第1の無線手段と、予め決められた方法でシンクワードを決定し、前記シンクワードを含んだ制御信号を送信するように前記第1の無線手段を制御する第1の制御手段と、を備え、前記従属局は、前記制御局と無線通信を行い、前記制御局から前記制御信号を受信する第2の無線手段と、前記制御信号から前記シンクワードを検出し、前記シンクワードに基づいて前記制御局との同期を確立し、前記制御局との時分割多重通信を行うように前記第2の無線手段を制御する第2の制御手段と、を備える構成とする。
これによれば、無線通信システムの制御局ごとに決められたシンクワードを使用して従属局と制御が時分割多重通信を行うので、従属局の受信可能なエリア内に他の制御局が動作していても、自己の制御局が使用するシンクワードと他の制御局が使用するシンクワードが重複する確率を低くすることができる。したがって、シンクワードの誤検知によるサーチ動作のやり直しの発生を抑制でき、サーチ時の消費電力の増加を抑えることができる。また、これによれば、制御局が、シンクワードを含んだ制御信号を、時分割多重通信の基本フレーム内の1つのスロットで送信すればよく、他のスロットを自由に使える。したがって、カメラ、センサ、見守り機能の端末装置等が収容されたドアホンシステムのように複数の機器が収容されたシステムでは、他の通信で使用できる無線リソースへの影響が小さくなるので、複数の機能を同時に動作する場合の制限が少なく、無線リソースを有効利用できる。
また、上記課題を解決するためになされた第2の発明の前記第1の制御手段は、前記制御信号のビット列から前記シンクワードとして送信するビット列を除いたビット列に前記シンクワードと同じビット列が含まれないように前記シンクワードを選択する構成とする。
これによれば、制御局が送信する制御信号にシンクワード以外の部分にシンクワードと同じビット列が含まれないので、制御信号の送信途中でサーチ動作を開始し、制御信号の途中から受信された場合でも正しいシンクワード以外の部分でシンクワードが検知されることを防ぐことができる。したがって、シンクワードの誤検知によるサーチ動作のやり直しの発生を抑制でき、サーチ時の消費電力の増加を抑えることができる。
また、上記課題を解決するためになされた第3の発明の前記第1の制御手段は、前記制御信号と無線通信システムで共通の第2のシンクワードを含んだ第2の制御信号を送信するように前記第1の無線手段を制御し、前記第2の制御手段は、前記制御信号から前記シンクワードを検出できなかった場合、前記第2の制御信号に含まれる前記第2のシンクワードを用いて前記制御局との同期を確立する、構成とする。
これによれば、制御局は、無線通信システムの制御局ごとに決められたシンクワードを含む制御信号と無線通信システムで共通のシンクワードを含む第2の制御信号を送信し、従属局は、制御信号が受信できなかった場合等、シンクワードを検出できなかった場合に、第2の制御信号を用いて制御局と同期を確立し、通信できるので、他の無線通信装置からの無線干渉によって制御信号が受信困難になった場合も、従属局と制御局との通信が可能となり、信頼性を向上することができる。また、第2の制御信号は、既存の無線通信システムで使用される制御信号と同じ構成にすれば、無線リソースを有効に利用して本発明の無線通信システムの制御局と従属局と既存の同期方式の既存従属局とで本発明の無線通信システムを構築することが容易となり、カメラ、センサ、見守り端末のように異なる動作を行う従属局を収容する無線通信システムへの応用が容易となる。
また、前記課題を解決するためになされた第4の発明の前記第1の制御手段は、前記制御局の識別符号に基づいてシンクワードを決定する、構成とする。
これによれば、従属局も制御局の識別符号よりシンクワードを決めることができるので、制御局よりシンクワードを通知する制御が必要無くなり、制御を簡略化できる。
また、前記課題を解決するためになされた第5の発明の前記従属局は、不揮発性メモリで構成され、前記制御局との通信に必要な情報を記憶する第1の記憶手段と、揮発性メモリで構成された第2の記憶手段と、電力を供給する電池と、所定の時間を計時する計時手段と、揮発性メモリで構成され、前記制御局によって決められたシンクワードと前記制御局との通信に必要な情報を記憶する第3の記憶手段と、前記電池が装着された場合、または、前記計時手段のタイマが満了した場合に、前記第1の記憶手段、前記第2の記憶手段、前記第2の無線手段および前記第2の制御手段への電力の供給を開始し、前記第2の制御手段の指示により前記第1の記憶手段、前記第2の記憶手段、前記第2の無線手段および前記第2の制御手段への電力の供給を遮断する電源制御手段と、をさらに備え、前記第2の制御手段は、電力が供給されると、前記電池が装着されたのか、前記計時手段のタイマが満了したのかを判断し、前記電池が装着されたと判断した場合、前記第1の記憶手段より前記制御局との通信に必要な情報を読み込み、前記読み込んだ情報を前記第3の記憶手段に書き込み、生存確認信号を通知するまでの時間を前記計時手段に設定し、前記電源制御手段に電力の供給の遮断を指示し、前記計時手段のタイマが満了したと判断した場合、前記第3の記憶手段に記憶された前記制御局との通信に必要な情報と前記制御局によって決められたシンクワードとを用いて、前記制御局との同期を確立し、前記生存確認信号を通知し、前記生存確認信号を通知するまでの時間を前記計時手段に設定し、前記電源制御手段に電力の供給の遮断を指示する、構成とする。
これによれば、従属局は、待機中、第1の記憶手段と第2の記憶手段と無線手段と制御手段に供給される電力が遮断されるので、待機中に消費される電力を低減することができる。また、通信時に必要な情報が、常時電源が供給される揮発性メモリで構成された記憶手段で記憶されているので、制御局と同期を確立し、通信を行う場合、不揮発性メモリからの情報の読み込みが不要となり、不揮発性メモリからの情報の読み込みの処理を行うための処理のために消費される電力をなくすことができる。したがって、制御局との通信を行う際に消費される電力を低減することができる。
続いて、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。
先ず、第1実施形態における無線通信システムの動作の概要について図1を用いて説明する。図1は、第1実施形態における無線通信システムの概要を示す模式図である。
図1に示すように、第1実施形態における無線通信システムは、制御局として動作するドアホン親機100と、従属局として動作する見守り機能用の見守り端末200と、玄関の門柱等に設置されドアホン親機100と有線接続で接続された玄関子機300と、無線通信でドアホン親機100と通信する監視機能用のカメラ400と、インターネット回線を経由してドアホン親機100と接続されたスマートホン500と、で構成される。
次に、図1を用いて、無線通信システムの見守り機能、ドアホン機能、及び、監視機能の動作を説明する。
先ず、見守り機能の動作について説明する。見守り機能は、見守り端末200が、ドアホン親機100の通信圏内であるか否かを検出してドアホン親機100に状態変化を通知し、ドアホン親機100が、その状態の変化を記憶し、スマートホン500に通知する機能である。見守り端末200は、定期的にドアホン親機100に生存確認信号を送信する。ドアホン親機100は、生存確認信号を受信することによって、見守り端末200が自己の通信圏内にあることを認識し、一定時間、生存確認信号受信が途絶えると、見守り端末200が自己の通信圏外に移動したと認識する。ドアホン親機100は、見守り端末200が自己の通信圏外に移動したと認識すると、そのときの時刻を記憶し、見守り端末200が圏外に移動したことをスマートホン500に通知する。また、ドアホン親機100は、見守り端末200からの生存確認信号の受信が再開されると、見守り端末200が通信圏内に戻ってきたと認識し、そのときの時刻を記憶し、見守り端末200が圏内に戻ってきたことをスマートホン500に通知する。また、ドアホン親機100は、スマートホン500から、ドアホン親機100に記憶されている見守り端末200が圏外に移動した時刻、見守り端末200が通信圏内に戻ってきた時刻をいつでも参照することができる。例えば、見守り機能を利用すれば、保護者が、子供のランドセルに見守り端末200を付け、スマートホン500を持ち歩くことによって、子供が学校から帰宅したことを簡単に知ることができる。
次に、ドアホン機能の動作について説明する。ドアホン機能は、玄関子機300のボタン(図示せず)が押されると、ドアホン親機100で来客を報知し、ドアホン親機100で応答操作が行われると、ドアホン親機100と玄関子機300間での音声通話ができるようになる機能である。
次に、監視機能について説明する。監視機能は、カメラ400のセンサが反応すると、ドアホン親機100で、カメラ400のセンサが反応したことが報知され、カメラ400から送信されてくる画像がドアホン親機100で表示、記憶される機能である。
以上で、図1を用いた無線通信システムの見守り機能、ドアホン機能、及び、監視機能の動作説明を終了する。
次に、第1実施形態における無線通信システムの各ブロックの動作について説明する。図2は、第1実施形態における無線通信システムのドアホン親機及び玄関子機の構成例を示すブロック図であり、図3は、第1実施形態における無線通信システムの見守り端末の構成例を示すブロック図であり、図4は、第1実施形態における無線通信システムのカメラの構成例を示すブロック図である。なお、図2、図3、図4において、図1と同じ機能を示すブロックには、図1と同じ番号を付与している。
先ず図2を用いてドアホン親機100、玄関子機300の各ブロックの説明を行う。
ドアホン親機100において、無線部101は、見守り端末200とカメラ400との無線信号の送受信、及び、受信電界強度の検知を行う。フレーム処理部102は、ビット同期信号、シンクワード、送信データ、誤り検出信号を組み合わせて送信信号を構築する。また、フレーム処理部102は、受信信号よりシンクワードを検知し受信データ、誤り検出信号の取り出しを行い、誤り検出信号を用いて受信データの誤りを検知し、正しく受信した受信データを選択して出力する。第1の記憶部103は、不揮発性メモリで構成され、親機識別符号、子機識別符号、子機呼び出し番号等の見守り端末200、及び、カメラ400との通信に必要な情報を記憶する。第2の記憶部104は、揮発性メモリで構成され、ドアホン親機100の制御に必要な情報を記憶する。表示部105は、見守り端末200の状態変化の履歴、カメラから送信されてきた映像の表示等を行う。子機インターフェース部106は、玄関子機300と接続され、玄関子機300から送信されてくる呼び出し信号、音声信号の取り出し、玄関子機300への音声信号の出力を行うための回路で構成される。音声入出力部107は、玄関子機300から送信された音声信号や呼び出し音等を出力するスピーカー、玄関子機300に出力する音声信号を入力するマイク等で構成される。操作部108は、応答、切断、機器の設定等を行うための入力操作を行う。タイマ109は、見守り端末200と最後に通信したときからの時間を計測し、一定時間が経過すると、後述する制御部120に、タイマ満了を通知する。制御部120は、見守り端末200との間の通信で使用するシンクワード、キャリア番号の決定を行い、また、ドアホン親機100全体の動作を制御する。
玄関子機300において、親機インターフェース部306は、ドアホン親機100と接続され、ドアホン親機100から送信されてくる音声信号の取り出し、ドアホン親機100への呼び出し信号、音声信号の出力を行うための回路で構成される。音声入出力部307は、ドアホン親機100から送信されてきた音声信号を出力するスピーカー、ドアホン親機100に出力する音声信号を入力するマイク等で構成される。操作部308は、呼び出しを行うための入力操作を行う。制御部320は、玄関子機300全体の動作を制御する。
次に、図3を用いて見守り端末200の各ブロックの説明を行う。
見守り端末200において、無線部201は、設定に応じて受信ゲインを切り替えながらドアホン親機100との無線信号の送受信を行う。なお、受信ゲインの設定は、ハイゲインとローゲインの2通りの設定があり、ハイゲイン設定時は、ローゲイン設定時に比べ、より低い受信レベルの信号を受信できるように無線部の動作が切り替えられる。フレーム処理部202は、ビット同期信号、シンクワード、送信データ、誤り検出信号を組み合わせて送信信号を構築する。また、フレーム処理部202は、受信信号よりシンクワードを検知し受信データ、誤り検出信号の取り出しを行い、誤り検出信号を用いて受信データの誤りを検知し、正しく受信した受信データを選択して出力する。第1の記憶部203は、不揮発性メモリで構成され、親機識別符号、子機識別符号、子機呼び出し番号、シンクワード等のドアホン親機100との通信に必要な情報を記憶する。第2の記憶部204は、揮発性メモリで構成され、見守り端末200の制御に必要な情報を記憶する。電池210は、見守り端末200の動作に必要な電力を供給する。操作部211は、登録動作等の入力するボタンで構成される。タイマ212は、計時手段として動作し、設定された時間が経過すると電池210から供給される電力をオンするためのトリガー信号を出力する。第3の記憶部213は、電池210より直接電力が供給され、同期確立失敗の継続回数、後述する選択シンクワードと第1制御信号のキャリア番号、及び、生存確認信号の通信のために必要な情報を記憶する。電源制御部215は、電池挿入時、操作部211でのボタン操作時、及び、タイマ212のタイマ満了時に、無線部201、フレーム処理部202、第1の記憶部203、第2の記憶部204、及び、後述する制御部220に電池210から供給される電力を供給し、制御部220からの指示で、無線部201、フレーム処理部202、第1の記憶部203、第2の記憶部204、及び、後述する制御部220への電力を遮断する。なお、図3では、無線部201、フレーム処理部202、第1の記憶部203、第2の記憶部204と電源制御部215の接続は、省略している。制御部220は、ドアホン親機100との間の通信で使用するシンクワード、第1制御信号のキャリア番号、受信ゲインの決定を行い、また、見守り端末200全体の動作を制御する。
次に、図4を用いてカメラ400の各ブロックの説明を行う。
カメラ400において、無線部401は、ドアホン親機100との無線信号の送受信を行う。フレーム処理部402は、ビット同期信号、シンクワード、送信データ、誤り検出信号を組み合わせて送信信号を構築する。また、フレーム処理部402は、受信信号よりシンクワードを検知し受信データ、誤り検出信号の取り出しを行い、誤り検出信号を用いて受信データの誤りを検知し、正しく受信した受信データを選択して出力する。第1の記憶部403は、不揮発性メモリで構成され、親機識別符号、子機識別符号、子機呼び出し番号等のドアホン親機100との通信に必要な情報を記憶する。第2の記憶部404は、揮発性メモリで構成され、カメラ400の制御に必要な情報を記憶する。カメラ部407は、画像を撮影し、画像データを出力する。センサ410は、人を検知し、検知結果を出力する。制御部420は、カメラ400全体の動作を制御する。
以上で第1実施形態における無線通信システムの各ブロックの動作の説明を終了する。
次に、本発明で適用する時分割多重通信方式で使用するフレーム、スロットの構成、送受信信号のフィールド構成、各フィールドに格納されるデータについて説明を行う。なお、本明細書の説明では、本発明の無線通信システムが国内DECT(Digital Enhanced Cordless Telecommunications)(ETSI登録商標)規格に沿って動作する場合の動作を例に、説明を進める。
図5は、本発明が適用された時分割多重通信方式におけるフレーム・スロットの構成例を示す図である。この時分割多重通信方式は、ドアホン親機100と見守り端末200の間、及び、ドアホン親機100とカメラ400の間の無線通信に用いられる。1フレームは、時分割多重通信方式の基本単位であり、国内DECT規格では、10msecが1フレームとされている。図5に示すように、1つのフレームは、1〜24の番号が付された24のスロットに分割され(以下、スロット番号1〜24の各スロットをスロット1、スロット2…スロット24と記す)、5msec間隔の2つスロット(例えばスロット1とスロット13)のペアを用いて、ドアホン親機100と見守り端末200の間、及び、ドアホン親機100とカメラ400の間の無線通信が行われる。また、5msec(12スロット)間隔の2つスロットのペアを用いて、一方で、ドアホン親機100で決めたシンクワードを含んだ制御信号(以下、第1制御信号と記す)が、他方で、固定のシンクワードを含んだ制御信号(以下、第2制御信号と記す)が、それぞれ、10msec周期で送信される。
図6は、本発明の第1実施形態における時分割多重通信方式を用いた送受信信号のフィールド構成を示す図であり、図5で示した1つのスロット内に納められる信号のフィールド構成を示している。図6に示すように、1つのスロット内に納められる信号のフィールドは、先頭から順に、PR、SYNC、Aフィールド、Bフィールド、Xフィールドで構成される。PRは、ビット同期信号用のフィールドであり、1と0の繰り返しのデータが挿入される。SYNCは、スロット同期のためのシンクワード(以下、Aシンクワードと記す)を挿入するフィールドである。制御局は、Aシンクワードとして“1110100110001010”の16ビットのビット列を使用し、従属局は、Aシンクワードとして“0001011001110101”の16ビットのビット列を使用する。Aフィールドは、通信制御用のデータを挿入するフィールドである。Bフィールドは、本発明の制御局ごとに決めたシンクワードを含んだ通信制御用のデータ、及び、画像データ等を挿入するフィールドである。Xフィールドは、Bフィールドのエラー検知用の信号を挿入するフィールドである。
図7は、本発明の第1実施形態における送受信信号のAフィールドの構成を示す図であり、図6で示したAフィールド内に納められる信号のフィールド構成を示している。図7に示すように、Aフィールドは、先頭から順に、ヘッダ、テイル、A−CRCで構成される。ヘッダは、テイルの分類やBフィールドの構成を示す情報等を挿入するフィールドである。テイルは、ページング情報、親機識別符号、無線接続制御メッセージ、呼接続制御メッセージ等を挿入するフィールドである。A−CRCは、Aフィールドのエラー検出用の信号を挿入するフィールドである。テイルで送信されるページング情報、親機識別符号、親機情報、無線接続制御メッセージ、呼接続制御メッセージは、1つのスロットの送信につき、1種類のメッセージが送信される。従属局の同期用として送信される第2制御信号では、待機中、ページング情報、親機識別符号、親機情報が予め決められた順番で、順次送信される。
図8は、本発明の第1実施形態における送受信信号のBフィールドの構成を示す図であり、図6で示したBフィールド内に納められる信号のフィールド構成を示しており、(A)は、Bフィールドに通信制御用のデータを挿入する場合の構成を示し、(B)は、Bフィールドに画像データのようなデータを挿入する場合の構成を示している。図8(A)に示すように、Bフィールドに通信制御用のデータを挿入する場合のBフィールドは、先頭から順に、B1、B1−CRC、B2、B2−CRC、B3、B3−CRC、B4、B4−CRCで構成される。B1、B2、B3、及び、B4には、本発明の制御局ごとに決めたシンクワードを含んだ通信制御用のデータ、親機識別符号、スロット情報、空きスロット情報等、従属局が制御局との同期を確立し通信を行う際に必要な情報を挿入するフィールドであり、後続のB1−CRCは、B1のエラー検出用の信号を挿入するフィールド、B2−CRCは、B2のエラー検出用の信号を挿入するフィールド、B3−CRCは、B3のエラー検出用の信号を挿入するフィールド、B4−CRCは、B4のエラー検出用の信号を挿入するフィールドである。また、図8(B)に示すように、Bフィールドに画像データを挿入する場合のBフィールドは、先頭から順に、B、B−CRCで構成される。Bは、画像データを挿入するフィールド、B−CRCは、Bのエラー検出用の信号を挿入するフィールドである。
図9は、本発明の第1実施形態における第1制御信号のBフィールドのデータを示す図であり、図8(A)で示したB1、B2、B3、B4の各フィールド内に格納されるデータを示している。図9に示すように、B1には、1と0の繰り返しのビット列で構成されるビット同期信号とドアホン親機100の制御部120によって決定されたスロット同期のためのシンクワードである選択シンクワードが格納される。B2、B3、B4には、この第1制御信号が送信されているスロットの番号を通知するスロット情報と第2制御信号の送信に使用しているキャリア番号を通知する第2制御信号キャリア情報が格納される。
図10は、本発明の第1実施形態における第2制御信号のBフィールドのデータを示す図であり、図8(A)で示したB1、B2、B3、B4の各フィールド内に格納されるデータを示している。図10に示すように、B1には、1と0の繰り返しのビット列で構成されるビット同期信号と、通信方式によって決められたスロット同期のための固定のシンクワードである固定シンクワード(国内DECT規格の場合、“1110001101100100”の16ビットのビット列)と、40ビットの親機識別符号の最初の28ビットのビット列である親機識別符号1が格納される。B2には、親機識別符号の残りの12ビットのビット列である親機識別符号2と、従属局の呼出を通知するためのページング情報の最初のビット列であるページング情報1が格納される。B3には、第1制御信号が送信されているスロットの番号を通信するスロット情報と、第1制御信号が送信されているフレーム番号を通知するフレーム情報と、従属局からの通信リンクの起動を要求する信号を待ち受けているキャリア番号を通知する待ち受けキャリア情報と、従属局との通信リンクに使用可能なスロットを通知する空きスロット情報が格納される。B4には、ページング情報の残りのビット列であるページング情報2が格納される。
以上で、本発明で適用する時分割多重通信方式で使用するフレーム、スロットの構成、送受信信号のフィールド構成、各フィールドに格納されるデータについての説明を終了する。
次に、見守り端末200とドアホン親機100が生存確認動作で使用するメッセージについて説明する。
生存確認動作使用される信号は、見守り端末200からドアホン親機100に送られる無線通信の起動要求と生存確認の通知メッセージを組み合わせた生存確認信号とドアホン親機100から見守り端末200に送られる無線通信起動確認の信号である。生存確認信号の無線通信の起動要求のデータ列は、図6に示すAフィールドに格納され、メッセージが起動要求であることを示す識別子、接続先の制御局を指定する親機識別情報、送信元の従属局を通知する子機呼び出し番号で構成される。なお、無線通信の起動要求はDECT規格のMチャネルメッセージのexpedited_access_requestに相当し、親機識別情報はFMID(Function Module ID)に相当し、子機呼び出し番号はPMID(PubMedのID)に相当する。また、生存確認信号の生存確認の通知メッセージは、図6に示すBフィールドに格納され、メッセージのデータ長、メッセージが生存確認の通知メッセージであることを示す識別子で構成される。また、無線通信起動確認の信号のデータ列は、図6に示すAフィールドに格納され、メッセージが無線通信起動確認の信号であることを示す識別子、送信元の制御局を通知する親機識別情報、送信先の従属局を指定する子機呼び出し番号で構成される。なお、無線通信起動確認の信号はDECT規格のMチャネルメッセージのbearer_confirmに相当し、親機識別情報はFMIDに相当し、子機呼び出し番号はPMIDに相当する。
以上で、見守り端末200とドアホン親機100が生存確認動作で使用するメッセージについての説明を終了する。
次に、カメラ400とドアホン親機100が画像通信動作で使用するメッセージについて説明する。
画像通信動作で使用される信号は、カメラ400からドアホン親機100に送られる無線通信の起動要求の信号、及び、画像データの信号とドアホン親機100からカメラ400に送られる無線通信起動確認の信号である。無線通信の起動要求のデータ列は、図6に示すAフィールドに格納され、メッセージが起動要求であることを示す識別子、接続先の制御局を指定する親機識別情報、送信元の従属局を通知する子機呼び出し番号で構成される。なお、無線通信の起動要求は、DECT規格のMチャネルメッセージのaccess_requestに相当し、親機識別情報はFMID、子機呼び出し番号は、PMIDに相当する。また、画像データは、図6に示すBフィールドに格納され、画像データのパケット番号、データ長、画像データ本体で構成される。また、無線通信起動確認の信号のデータ列は、図6に示すAフィールドに格納され、メッセージが無線通信起動確認の信号であることを示す識別子、送信元の制御局を通知する親機識別情報、送信先の従属局を指定する子機呼び出し番号で構成される。なお、無線通信起動確認の信号はDECT規格のMチャネルメッセージのbearer_confirmに相当し、親機識別情報はFMIDに相当し、子機呼び出し番号はPMIDに相当する。
以上で、カメラ400とドアホン親機100が画像通信動作で使用するメッセージについての説明を終了する。
次に、制御局に従属局を登録する子機登録の動作について説明を行う。子機登録動作では、制御局と従属局間で無線リンクを確立し、制御局と従属局が互いの識別符号(親機識別符号、子機識別符号)を交換し、制御局は、従属局に通信接続時に使用する子機呼び出し番号の割り当てを行う。子機登録が起動されると、制御局(ドアホン親機100)は、第2制御信号で子機登録中であることを報知する。一方、従属局(見守り端末200、カメラ400)は、子機登録が起動されると、AフィールドのSYNCで送信されるAシンクワード“1110100110001010”の検知を行い、制御局(ドアホン親機100)との同期を確立し通信を開始する。
なお、親機識別符号、子機識別符号は、製造時に同じ通信方式で無線通信を行う機器での重複が発生しないように無線通信機器毎に個別の値が割り当てられた符号であり、第1実施形態における無線システムのドアホン親機100では、第1の記憶部103に書き込まれ、見守り端末200では、第1の記憶部203に書き込まれ、カメラ400では、第1の記憶部403に書き込まれる。また、子機登録時に書き込まれる相手から通知された識別符号、制御局が従属局に割り当てた子機呼び出し番号も、ドアホン親機100では、第1の記憶部103に書き込まれ、見守り端末200では、第1の記憶部203に書き込まれ、カメラ400では、第1の記憶部403に書き込まれる。
以上で、制御局に従属局を登録する子機登録の動作について説明を終了する。
次に、本発明の第1実施形態の制御局として動作するドアホン親機100の電源オン時の動作について説明する。
電源が投入されると、先ず、ドアホン親機100は、第1制御信号のB1のフィールドでスロット同期ために送信する選択シンクワードを自己の識別符号(親機識別符号)に基づき決定する。第1実施形態の無線通信システムは、1番から8番までの番号を持つ8種類の可変シンクワードとして使用する16ビットのビット列を有している。ドアホン親機100は、最初に、親機識別符号の35番目、36番目、37番目の値に応じて、8種類の可変シンクワードのビット列より、1つのビット列を選択する。表1に親機識別符号の35番目、36番目、37番目の値と最初に選択される選択シンクワードの番号/ビット列の対比を示す。表1に示すように、例えば、親機識別符号の35番目が“0”、36番目が“1” 、37番目が“1”であった場合、選択シンクワードのビット列として、番号4の“0101100100001111”のビット列が選択される。なお、定期的に送信する信号のビット列から選択シンクワードとして送信するビット列を除いたビット列に選択された選択シンクワードのビット列が含まれていた場合、次の番号(例えば、最初に選択されていた番号が4であれば5、最初に選択されていた番号が8であれば1)の選択シンクワードのビット列が選択される。このように、定期的に送信する信号のビット列から選択シンクワードとして送信するビット列を除いたビット列に選択された選択シンクワードのビット列が含まれないよう、順次、定期的に送信する信号のビット列と選択シンクワードを比較し、選択シンクワードを決定する。但し、全ての選択シンクワードのビット列が定期的に送信する信号のビット列から選択シンクワードとして送信するビット列に含まれていた場合には、最初に選択した選択シンクワードのビット列を使用する。例えば、親機識別符号が、“0010110010000111101100100001111011011000“であった場合、第2制御信号のAフィールドのテイルで親機識別符号として、“0010110010000111101100100001111011011000“が定期的に送信される。親機識別符号が、“0010110010000111101100100001111011011000“であった場合、親機識別符号の35番目が“0”、36番目が“1” 、37番目が“1”であり、最初に、番号4の“0101100100001111”のビット列が選択される。しかし、このビット列が親機識別符号の2番目から17番目のビット列に含まれ、また、次の番号5の“0110010000111101”のビット列が親機識別符号の18番目から33番目のビット列に含まれるため、番号6の“1100100001111010”のビット列が選択シンクワードのビット列として選択される。なお、ここでは、第2制御信号のAフィールドのテイルで親機識別符号として送信されるビット列と選択シンクワードのビット列が重複した場合の選択シンクワードの再選択の例を示したが、定期的に送信されるAフィールドのテイルの親機識別符号と後続のA−CRCをまたいだ16ビットのビット列、Aフィールドのテイルの親機識別符号の後続のA−CRCの16ビットのビット列、第2制御信号のBフィールドの親機識別符号1と後続のB1−CRCをまたいだ16ビットのビット列、第2制御信号のB1−CRCの16ビットのビット列、第2制御信号のBフィールドのB1−CRCと後続の親機識別符号2をまたいだ16ビットのビット列に選択シンクワードのビット列が含まれていた場合も同様に、選択シンクワードが再選択される。
次に、ドアホン親機100は、自己の識別符号に基づいて第1制御信号のキャリアを決定する。具体的には、ドアホン親機100は、国内DECTで認可されているPHSとの共存する環境下でも使用可能な4つのキャリアから、40ビットの親機識別符号の33番目と34番目のビットに応じて1つのキャリアを選択する。表2に、親機識別符号の33番目と34番目の値と第1制御信号のキャリアとして選択するキャリアの対応の例を示す。表2に示すように、例えば、親機識別符号の33番目が“0”、34番目が“1”であった場合、キャリア周波数1897.344MHzのキャリア番号3のキャリアが、第1制御信号のキャリアとして選択される。
次に、ドアホン親機100は、第1制御信号の送信スロットの選択と第2制御信号の送信キャリアの選択のための受信を行う。ドアホン親機100は、表2に示すキャリア番号0、1、2、3、4、9の全てのキャリアで、フレーム内の全てのスロットの受信を行う。そして、ドアホン親機100は、フレーム後半のスロット番号13から24のスロットのうち、先に決定した第1制御信号のキャリアで受信した際の受信レベル、すなわち、妨害波のレベルが最も低いスロットを第1制御信号の送信スロットとして選択する。そして、ドアホン親機100は、第1制御信号の送信スロットとして選択したスロットと12スロット離れたスロットで受信した各キャリアの受信レベルを比較し、最も受信レベルが低いキャリア、すなわち、妨害波のレベルが最も低いキャリアを第2制御信号の送信キャリアとして選択する。
以上で、本発明の第1実施形態の制御局として動作するドアホン親機100の電源オン時の動作について説明を終了する。
次に、本発明の第1実施形態の制御局として動作するドアホン親機100の待機中の動作について説明する。
図11は、本発明の第1実施形態におけるドアホン親機100の待機中の第1制御信号と第2制御信号の送信と待ち受け受信の例の例を示す図である。ドアホン親機100は、待機中、第1制御信号の送信、第2制御信号の送信、従属局からの通信リンクの確立要求の待ち受け受信を行っている。また、ドアホン親機100は、待ち受け受信を行っているスロットでは、受信電界強度の検知を行い、各スロットにおけるキャリア毎の妨害波のレベルを記憶する。第1制御信号の送信と第2制御信号の送信は、フレーム内の12スロット離れた1組のスロットペアを用いて行われ、フレームの前半で第2制御信号の送信が行われ、フレームの後半で第1制御信号の送信が行われる。制御局からの通信リンクの確立要求の待ち受けの受信は、フレーム後半の12スロットのうち第1制御信号を送信するスロットを除く11のスロットで行われる。図11では、ドアホン親機100が、第1制御信号の送信をスロット14、第2制御信号の送信をスロット2で行い、制御局からの通信リンクの確立要求の待ち受けの受信をスロット13とスロット15からスロット24の合計11のスロットで行っている場合の例を示している。なお、第1制御信号、第2制御信号の送信スロットの番号、送信キャリアの番号は、上述の電源オン時の動作で説明したように、親機識別符号と各スロットにおける妨害波のレベルに応じて決定される。
以上で、本発明の第1実施形態の制御局として動作するドアホン親機100の待機中の動作についての説明を終了する。
次に、本発明の第1実施形態の制御局として動作するドアホン親機100の待機中の制御信号のスロット移動の動作について説明する。
待機中ドアホン親機100は、一定周期のフレームで、第1制御信号と第2制御信号の送信を停止し、第1制御信号の送信を行っていたスロットで第1制御信号の送信キャリアとして決定したキャリアの信号を受信し、受信電界強度を検知する。そして、ドアホン親機100は、第1制御信号を送信しているスロットと待ち受け受信をしているスロットの第1制御信号の送信キャリアにおける受信電界強度、すなわち、妨害波の受信レベルを比較し、妨害波の受信レベルが最も低いスロットを選択する。そして、ドアホン親機100は、次フレームより、選択したスロットにおいて親機識別符号に基づいて決定したキャリア周波数で第1制御信号の送信を再開する。また、ドアホン親機100は、第1制御信号の送信用スロットとして選択したスロットと12スロット離れたスロットの待ち受け受信時に受信した各キャリアの受信電界強度を比較し、最も受信電界強度が低いキャリア、すなわち、妨害波の受信レベルが最も低いキャリアを選択する。そして、ドアホン親機100は、第1制御信号の送信用スロットとして選択したスロットと12スロット離れたスロットにおいて選択したキャリアで第2制御信号の送信を再開する。
なお、第1制御信号の送信を行っていたスロットで第1制御信号の送信キャリアとして決定したキャリアの信号を受信した際の受信電界強度が十分に小さかった場合には、制御信号の移動を起動することなく、前フレームで第1制御信号、第2制御信号を送信していた各々のスロットで第1制御信号、第2制御信号の送信を再開してもよい。
複数の無線通信装置が、通信エリア内に存在する場合、それぞれの無線通信装置から送信される信号は、通信相手以外の無線通信装置にとっては妨害波となり、同期不良等の通信障害の原因となる。それぞれの無線通信装置は、通信開始時に、他の通信に障害を与えないタイミングを選択して通信を開始する。しかしながら、各々の無線通信装置のクロックのずれによって、時間の経過と共に、無線通信装置間の送信タイミングがずれていき、送信区間の先頭、または、最後尾より無線通信装置間の送信区間が重なりあい、重なり合った部分の受信が困難になってしまう。本発明の無線通信システムでは、上述のように定期的に第1制御信号を送信するスロットを妨害波のないスロットに切り替えるので、無線干渉による同期不良の通信障害の発生を抑えることができる。
また、ドアホン親機100は、スロット内のフィールドを複数に分割し、先頭のフィールドを避け2番目のフィールドで同期用のシンクワード(選択シンクワード)を送信し、最後尾のフィールドを含む複数のフィールドで第2制御信号の受信に必要な情報を送信しており、第1制御信号の先頭、または、最後尾部分と他の無線通信装置の送信信号が重なり始めから、同期用のシンクワード、または、第2制御信号の受信に必要な情報の送信信号と他の無線通信装置の送信信号の重なりが発生するまでの時間に余裕がある。そのため、ドアホン親機100は、妨害波の少ないスロットを選択して第1制御信号を移動させる間隔を長くとることができ、妨害波検知のための第1制御信号の停止と見守り端末200のサーチの衝突による、サーチ時間の増加を低減できる。
以上で本発明の第1実施形態の制御局として動作するドアホン親機100の待機中の制御信号の移動の動作についての説明を終了する。
次に、本発明の第1実施形態の従属局として動作する見守り端末200の電源オン時の動作について説明する。なお、ここでは、ドアホン親機100に見守り端末200が登録済みである場合の電源オン時の動作について説明する。
電源が投入されると、先ず、見守り端末200は、登録時に書き込まれた親機識別符号や子機呼び出し番号等ドアホン親機100との生存確認信号の通信のために必要な情報を第1の記憶部203から読み出し、第3の記憶部213に書き込む。そして、見守り端末200は、親機識別符号より、第1制御信号のシンクワード(選択シンクワード)とキャリア番号を決定し、第3の記憶部213に書き込む。また、見守り端末200は、同期確立失敗の継続回数の初期値“0”を第3の記憶部213に書き込む。そして、生存確認信号の送信のための起動までの時間をタイマ212に設定し、電源制御部215により、無線部201、フレーム処理部202、第1の記憶部203、第2の記憶部204、及び、制御部220の電力の供給を遮断し、待機状態に移行する。なお、親機識別符号から第1制御信号の選択シンクワード、及び、キャリア番号を決定する方法については、上述のドアホン親機100の電源オン時の機識別符号から第1制御信号の選択シンクワード、及び、キャリア番号を決定する動作と同じであるので、ここでは、説明を省略する。
以上で本発明の第1実施形態の従属局として動作する見守り端末200の電源オン時の動作についての説明を終了する。
次に、見守り端末200の待機状態について説明する。
見守り端末200の待機状態とは、次の生存確認信号の送信まで無線部201、フレーム処理部202、第1の記憶部203、第2の記憶部204、及び、制御部220への電力供給を遮断し、消費電力を抑えた状態である。待機状態中、第3の記憶部213は、電池210より電力が供給され、親機識別符号、子機呼び出し番号、第1制御信号の選択シンクワードとキャリア番号、同期確立失敗の継続回数が保持される。また、同様に、タイマ212も、待機状態中、電池210より電力が供給されており、待機状態に移行する前に制御部220より設定された時間のカウントを継続している。
以上で見守り端末200の待機状態についての説明を終了する。
次に、ドアホン親機100と見守り端末200間で、生存確認信号の通信を行う動作について説明する。
先ず、見守り端末200がドアホン親機100より送信される第1制御信号、第2制御信号を受信して、時分割多重通信の同期を確立する動作について説明する。
上述した待機状態で、タイマ212は、タイマが満了すると電池210から供給される電力のオンするためのトリガー信号を電源制御部215に出力する。電源制御部215は、タイマ212からのトリガー信号が入力されると、無線部201、フレーム処理部202、第1の記憶部203、第2の記憶部204、及び、制御部220へ電力を供給する。電力が供給されると制御部220は、操作部211、タイマ212の状態より起動要因を検知する。制御部220は、起動要因がタイマ212の満了であることを検知すると、第3の記憶部213より親機識別符号、子機呼び出し番号、同期確立失敗の継続回数、及び、第1制御信号の選択シンクワードとキャリア番号を読み込む。そして、制御部220は、読み込んだ同期確立失敗の継続回数が予め決められた回数以下であった場合、ハイゲインで、また、読み込んだ同期確立時における同期確立失敗の継続回数が予め決められた回数を超えていた場合、ローゲインで第1制御信号のキャリア番号に応じた周波数の信号の連続受信を行う第1制御信号のサーチ状態で動作するように無線部201を制御し、また、フレーム処理部202を読み込んだ選択シンクワードに同期するように制御する。フレーム処理部202は、無線部201より出力される受信データ列より選択シンクワードをサーチし、選択シンクワードを検出すると、後続のB2、B2−CRC、B3、B3−CRC、B4、B4−CRCを取り出し、B2、B3、B4の受信エラーの有無をB2−CRC、B3−CRC、B4−CRCで確認し、正常に受信されたB2、B3、B4のデータ列を制御部220に通知する。制御部220は、B2、B3、B4のいずれか1つが通知されると、その中から第1制御信号の送信スロットを通知するスロット情報と第2制御信号の送信キャリア番号を通知する第2制御信号キャリア情報を取りだす。そして、制御部220は、選択シンクワードの受信タイミングとスロット情報を元にドアホン親機100との時分割通信多重通信のスロット同期を確立し、選択シンクワードを受信したスロット(第1制御信号を受信したスロット)の12スロット後のスロットで、Aシンクワードを検出し、後続のAフィールド、及び、Bフィールドで受信されたデータを出力するようにフレーム処理部202を制御する。また、制御部220は、第1制御信号のサーチ状態を停止し、選択シンクワードを受信したスロット(第1制御信号を受信したスロット)の12スロット後のスロットにて第2制御信号キャリア情報によって通知された第2制御信号のキャリア周波数の信号の受信をハイゲインで行うように無線部201を制御する。無線部201にて、ドアホン親機100から送信される第2制御信号が受信されると、受信されたデータ列がフレーム処理部202に出力される。フレーム処理部202は、無線部201より出力される受信データ列よりAシンクワードをサーチし、Aシンクワードを検出すると、後続のAフィールドのヘッダ、テイル、A−CRC、及び、BフィールドのB1、B1−CRC、B2、B2−CRC、B3、B3−CRC、B4、B4−CRCを取り出し、ヘッダ、テイル、B1、B2、B3、B4の受信エラーの有無をA−CRC、B1−CRC、B2−CRC、B3−CRC、B4−CRCで確認し、正常に受信されたヘッダ、テイル、B1、B2、B3、B4のデータ列を制御部220に通知する。制御部220は、フレーム処理部202より通知されたヘッダ、テイルより親機識別符号を取り出し、第3の記憶部213より読み込んだ親機識別符号と比較する。また、フレーム処理部202よりヘッダ、テイルが通知されなかった場合、または、フレーム処理部202より通知されたヘッダ、テイルが親機識別符号以外のデータであった場合、制御部220は、フレーム処理部202より通知されたB1フィールドの親機識別符号1とB2フィールドの親機識別符号2を組合せた親機識別符号と第3の記憶部213より読み込んだ親機識別符号と比較する。そして、受信した親機識別符号と第3の記憶部213より読み込んだ親機識別符号が一致した場合、制御部220は、第3の記憶部213の同期確立失敗の継続回数に“0”を書き込み、生存確認信号の通信を行う動作を開始する。
なお、見守り端末200は、親機識別符号を受信できなかった場合、10msec毎に送信される次のフレームの第2制御信号の受信を行うように動作し、上述と同様に動作し、受信した信号から親機識別符号を取り出し、登録済みのドアホン親機100からの信号か否かの判定を継続する。
また、見守り端末200は、親機識別符号が一致しなかった場合、第2制御信号の受信動作を停止し、第1制御信号のサーチ動作を再開するように動作する。すなわち、受信した親機識別符号と第3の記憶部213より読み込んだ親機識別符号が一致しなかった場合、制御部220は、第2制御信号の受信動作を停止し、第1制御信号のサーチ動作を再開するように制御を行う。このとき、制御部220は、第1制御信号の選択シンクワードの受信を完了したタイミングから10msec後のタイミングより、上述の待機状態解除時の第1制御信号のサーチ動作と同様に、受信状態に応じて受信ゲインを設定し第1制御信号のキャリア周波数の信号の連続受信を行う第1制御信号のサーチ状態に復帰するように、無線部201、フレーム処理部202を制御し、第1制御信号のサーチ動作を再開する。
なお、見守り端末200の制御部220は、選択シンクワードを検出することなく第1制御信号のサーチ状態の時間が一定時間を超えた場合、及び、第1制御信号のサーチと第2制御信号の受信による親機識別符号の照合を繰り返しながら、登録済みのドアホン親機100との同期を確立することなく第1制御信号のサーチ状態の合計時間が一定時間を超えた場合には、同期確立失敗の継続回数を1つ更新し第3の記憶部213に書き込み、次の生存確認を行うまでの時間をタイマ212に設定し、電池210からの電力を遮断するように電源制御部215に指示を出す。電源制御部215は、制御部220より電力を遮断するように指示されると、無線部201、フレーム処理部202、第1の記憶部203、第2の記憶部204、及び、制御部220への電力供給を遮断し、見守り端末200は、待機状態に移行する。
なお、見守り端末200の制御部220は、選択シンクワードを検出することなく第1制御信号のサーチ状態の時間が一定時間を超えた場合、及び、第1制御信号のサーチと第2制御信号の受信による親機識別符号の照合を繰り返しながら、登録済みのドアホン親機100との同期を確立することなく第1制御信号のサーチ状態の合計時間が一定時間を超えた場合の次の生存確認を行うまでの時間を、同期確立失敗の継続回数に応じて変更してもよい。例えば、同期確立が成功した場合と同期確立失敗の継続回数が予め決められた回数を超えていた場合に比べ同期確立失敗の継続回数が予め決められた回数以下の場合、制御部220は、次の生存確認を行うまでの時間を短く設定する。これによって、ドアホン親機100の通信圏内にいた見守り端末200が、他の通信機器から送信される無線信号の干渉によって一時的に第1制御信号、第2制御信号の受信ができなくなった場合、速やかに生存確認信号の通信動作が再起動されるので、見守り端末200が誤って圏外に移動したと通知されることを低減することができる。
また、見守り端末200の制御部220は、選択シンクワードを検出することなく第1制御信号のサーチ状態の時間が一定時間を超えた場合、同期確立失敗の継続回数に応じてキャリア番号0、1、2、3、4、9の各キャリアで連続受信を行い、固定シンクワードを受信してドアホン親機100との同期を確立して、生存確認信号の送信を行うようにしてもよい。これによって、ドアホン親機100の通信圏内にいた見守り端末200に第1制御信号の受信障害が発生しても生存確認信号の送信に失敗しないので、見守り端末200が誤って圏外に移動したと通知されることを低減することができる。
以上で見守り端末200がドアホン親機100より送信される第1制御信号、第2制御信号を受信して、時分割多重通信の同期を確立する動作についての説明を終了する。
次に、生存確認信号の送受信と通信起動確認の送受信を行う動作の動作を説明する。
見守り端末200は、親機識別符号が一致すると、生存確認信号の通信を行う動作に移行する。制御部220は、親機識別符号が一致すると、第2制御信号のB3フィールドで通知された待ち受けキャリア情報と空きスロット情報を元に、生存確認信号の通信用のスロットとキャリア番号を決定する(以後、生存確認信号を送受信するスロットのペアを通信スロット、生存確認信号を送受信するキャリアを「通信キャリア」と記す)。そして、制御部220は、通信スロットで通信キャリアの信号を受信するように無線部201を制御し、受信された信号の受信電界強度(すなわち、妨害波のレベル)が、規定値以下であれば、生存確認信号のデータ列を生成し、通信キャリアを用いて通信スロットで生存確認信号の送信と無線通信起動確認の信号の受信が行われるよう、無線部201、フレーム処理部202を制御する。
一方、ドアホン親機100は、待機中、各フレームで受信しているキャリアの番号を第2制御信号の待ち受けキャリア情報で報知し、各スロットでフレーム毎に受信キャリアを順次変え、従属局からの無線通信の起動要求を受信するように動作している。無線部101で受信されたデータ列は、フレーム処理部102に出力される。フレーム処理部102は、無線部101より出力される受信データ列よりAシンクワードをサーチし、Aシンクワードを検出すると、後続のAフィールドのヘッダ、テイル、A−CRC、及び、BフィールドのB、B−CRCを取り出し、ヘッダ、テイル、Bの受信エラーの有無をA−CRC、B−CRCで確認し、正常に受信されたヘッダ、テイル、Bのデータ列を制御部120に通知する。制御部120は、フレーム処理部102から通知されたデータ列が第1の記憶部103に記憶された登録済みの見守り端末200から自分宛の生存確認信号であった場合、生存確認信号を受信したスロットから12スロット離れたスロットで無線通信起動確認の信号を送信し、送信完了後に通信を停止するように、無線部101、フレーム処理部102を制御する。そして、制御部120は、受信した生存確認に基づいて表示部105に見守り端末200が通信圏内であることを表示し、タイマ109を再起動する。
そして、見守り端末200の制御部220は、ドアホン親機100から通信起動確認のメッセージを受信すると次の生存確認を行うまでの時間をタイマ212に設定し、電池210からの電力を遮断するように電源制御部215に指示を出す。電源制御部215は、制御部220より電力を遮断するように指示されると、無線部201、フレーム処理部202、第1の記憶部203、第2の記憶部204、及び、制御部220への電力供給を遮断する。この結果、見守り端末200は、待機状態に移行する。
なお、見守り端末200の制御部220は、生存確認信号を送信したスロットの12スロット後のスロットで通信起動確認のメッセージを受信できなかった場合、上述の動作と同様に、再度、第2制御信号の待ち受けキャリア情報より生存確認信号を送信するスロット、キャリアを決定し、生存確認信号を再送する動作を繰り返す。そして、一定時間内に通信起動確認のメッセージを受信できなかった場合、次の生存確認を行うまでの時間をタイマ212に設定し、電池210からの電力を遮断するように電源制御部215に指示を出す。電源制御部215は、制御部220より電力を遮断するように指示されると、無線部201、フレーム処理部202、第1の記憶部203、第2の記憶部204、及び、制御部220への電力供給を遮断する。この結果、見守り端末200は、待機状態に移行する。
以上で生存確認信号の送受信と通信起動確認の送受信を行う動作の説明を終了し、ドアホン親機100と見守り端末200間で、生存確認信号の通信を行う動作についての説明を終了する。
次に、ドアホン親機100とスマートホン500間で、見守り端末200の状態を通知する動作について説明する。
ドアホン親機100の制御部120は、見守り端末200が登録されると、タイマ109を起動し、見守り端末200から送信される生存確認信号の受信間隔の監視を開始し、第2の記憶部104に見守り端末200の状態が“圏内”であることと時刻情報を記憶する。タイマ109が満了し、タイマ満了が制御部120に通知されると、制御部120は、第2の記憶部104に見守り端末200の状態が“圏外”であることと時刻情報を記憶し、見守り端末200が圏外に移動したことをスマートホン500に通知する。スマートホン500では、見守り端末200が、圏外に移動したことが表示される。また、制御部120は、見守り端末200から生存確認信号を受信すると、タイマ109を再起動し、第2の記憶部104に記憶されていた見守り端末200の状態が“圏外”であった場合、第2の記憶部104に見守り端末200の状態が“圏内”であることと時刻情報を記憶し、見守り端末200が圏内に戻ってきたことをスマートホン500に通知する。スマートホン500では、見守り端末200が、圏内に戻ってきたことが表示される。
以上でドアホン親機100とスマートホン500間で、見守り端末200の状態を通知する動作についての説明を終了する。
次に、本発明の第1実施形態のカメラ400の電源オン、及び、待機状態の動作について説明する。なお、ここでは、ドアホン親機100にカメラ400が登録済みである場合の電源オン時の動作について説明する。
電源がオンされるとカメラ400の制御部420は、登録済みのドアホン親機100から送信される第2制御信号を受信するまで、キャリア番号が0、1、2、3、4、9に対応するキャリア周波数で順次受信を行うように無線部401を制御し、また、フレーム処理部402をAシンクワードに同期するように制御する。フレーム処理部402は、無線部401より出力される受信データ列よりAシンクワードをサーチし、Aシンクワードを検出すると、後続のAフィールドのヘッダ、テイル、A−CRCを取り出し、ヘッダ、テイルの受信エラーの有無をA−CRCで確認し、正常に受信であればヘッダ、テイルのデータ列を制御部420に通知する。制御部420は、フレーム処理部402より通知されたヘッダ、テイルより親機識別符号を取り出し、第1の記憶部403より読み込んだ親機識別符号と比較し、親機識別符号が一致すると、第2制御信号を受信したスロットの受信を10msec周期で受信する待機状態に移行する。そして、制御部420は、待機状態中、第2制御信号で送信される空きスロット情報等、データ通信の起動に必要な情報の受信を行いながら、第2制御信号の受信を行っているスロット以外のスロットで、キャリア番号が0、1、2、3、4、9に対応するキャリア周波数で受信を行い、妨害波レベルを監視するように無線部401、フレーム処理部402を制御する。
以上で本発明の第1実施形態のカメラ400の電源オン、及び、待機状態の動作についての説明を終了する。
次に、本発明の第1実施形態のカメラ400からドアホン親機100に画像データを送信する動作について説明する。
待機状態において、カメラ400のセンサ410が人を検知し、制御部420に通知されると、制御部420は、待機中に受信した空きスロット情報と待機中に測定して妨害波レベルを元に、画像データの通信の起動に使用するスロット、キャリアを決定し、決定したスロット、キャリアで受信を行うように無線部401を制御する。そして、受信された信号の受信電界強度(すなわち、妨害波のレベル)が、規定値以下であれば、無線通信の起動要求のデータ列を生成し、無線通信の起動要求の送信し、12スロット後のスロットで起動要求を送信したキャリア周波数で無線通信起動確認の信号の受信を行うように、無線401、フレーム処理部402を制御する。そして、制御部420は、無線通信起動確認の信号を受信し、ドアホン親機100との双方向の通信リンクが確立されると、データ通信起動のための呼接続制御のメッセージを交換し、画像データ送信用の一方向のデータ通信用スロットの起動を行い、カメラ部407で撮影された画像データの送信を開始する。
一方、ドアホン親機100が、待機中に、待ち受け受信を行っているスロットで、登録済みのカメラ400より無線通信の起動要求を受信すると、制御部120は、12スロット後のスロットで起動要求を受信したキャリア周波数で無線通信起動確認の信号の送信を行うように、無線部101、フレーム処理部102を制御する。そして、制御部120は、無線通信の起動要求を受信したスロットと無線通信起動確認の信号を送信したスロットを用いて、データ通信起動のための呼接続制御のメッセージを交換し、画像データ受信用の一方向のデータ通信用スロットの起動を行い、カメラ部407で撮影された画像データの受信を開始する。
以上で本発明の第1実施形態のカメラ400からドアホン親機100に画像データを送信する動作についての説明を終了する。
次に、図12を用いて、本発明の第1実施形態におけるカメラのデータ通信中のスロットの使用の例について説明を行う。
図12は、本発明の第1実施形態におけるカメラのデータ通信中のスロットの使用例を示す図であり、12スロット離れたスロット4とスロット16でドアホン親機100とカメラ400の双方向の通信が起動され、スロット4とスロット16でデータ通信起動のための呼接続制御のメッセージを交換後、12スロット離れたスロット5とスロット17、スロット6とスロット18で画像データ送受信用の一方向のデータ通信用スロットが起動され、カメラ400より画像データの送信が開始され、ドアホン親機100が、画像データの受信通知や再送要求を行う応答信号の送信を行っているデータ通信中の状態の例を示している。図12に示すよう、データ通信中、1つのフレーム内の5つのスロットでカメラ400より画像データの送信を行い、1つのフレーム内の1つのスロットでドアホン親機100より、画像データの受信通知や再送要求を行う応答信号の送信を行う。図12の例では、スロット5、スロット6、スロット16、スロット17、及び、スロット18の5つのスロットでカメラ400より画像データの送信を行い、スロット4の1つのスロットでドアホン親機100から画像データの受信通知や再送要求を行う応答信号の送信を行う例を示している。また、データ通信中、ドアホン親機100は、第1制御信号、及び、第2制御信号の送信を継続しており、図12の例ではスロット14で第1制御信号を送信し、スロット2で第2制御信号を送信している例を示している。
次に、図13を用いて、本発明の第1実施形態におけるカメラのデータ通信中の生存確認の通信中のスロットの使用の例について説明を行う。
図13は、本発明の第1実施形態におけるカメラのデータ通信中の生存確認の通信時のスロットの使用例を示す図であり、図12での説明と同様にドアホン親機100とカメラ400のデータ通信が起動され、データ通信中の状態に移行し、スロット5、スロット6、スロット16、スロット17、及び、スロット18の5つのスロットでカメラ400より画像データの送信を行い、スロット4の1つのスロットでドアホン親機100から画像データの受信通知や再送要求を行う応答信号の送信を行っている状態で、見守り端末200がスロット20で生存確認信号を送信し、ドアホン親機100がスロット8で通信起動確認の信号を送信している例を示している。また、データ通信と生存確認信号の通信を同時に行っている間も、ドアホン親機は、第1制御信号、及び、第2制御信号の送信を継続しており、図13の例ではスロット14で第1制御信号を送信し、スロット2で第2制御信号を送信している例を示している。
以上、本発明を、その好適実施形態の実施例について説明した。今日、DECT方式を用いたドアホンとコードレス電話を備えた一般家庭が増えており、宅内に複数の同じ方式の無線通信装置が設置される環境が多く見受けられるようになってきた。
このような環境において、本発明の無線通信システムでは、無線通信システムの制御局ごとに決められたシンクワードを使用して従属局と制御が時分割多重通信を行うので、従属局の受信可能なエリア内に他の制御局が動作していても、自己の制御局が使用するシンクワードと他の制御局が使用するシンクワードが重複する確率を低くすることができる。したがって、シンクワードの誤検知によるサーチ動作のやり直しの発生を抑制でき、サーチ時の消費電力の増加を抑えることができる。また、本発明の無線通信システムでは、制御局が、シンクワードを含んだ制御信号を、時分割多重通信の基本フレーム内の1つのスロットで送信すればよく、他のスロットを自由に使える。したがって、カメラ、センサ、見守り機能の端末装置等が収容されたドアホンシステムのように複数の機器が収容されたシステムでは、他の通信で使用できる無線リソースへの影響が小さくなるので、複数の機能を同時に動作する場合の制限が少なく、無線リソースを有効利用できる。
また、本発明の無線通信システムでは、無線通信システムごとに決めたシンクワードを使用した制御信号を使用して制御局と従属局の同期確立を行うので、同一方式の他の無線通信装置が稼動していても同期確立時の誤同期の発生を抑えることができる。
また、本発明の無線通信システムでは、制御局と従属局の通信に必要な情報を第2制御信号で送信し、システム毎に決めたシンクワードを使用した第1制御信号では、第2制御信号の受信を行うための情報のみを通知するようにしたので、第1制御信号の受信ができなかった場合、第2制御信号に同期し、第2制御信号より通信に必要な情報を取得し制御局と従属局の通信ができるようにした。これにより、第1制御信号に無線干渉が発生しても、利便性を損なうことがない。
また、本発明の無線通信システムでは、制御局と従属局の通信に必要な情報を第2制御信号で送信し、システム毎に決めたシンクワードを使用した第1制御信号では、第2制御信号の受信を行うための情報のみを通知するようにしたので、例えば、カメラ、見守り端末、センサ等複数の従属局を有して複数の従属局を有する無線通信システムにおいて、従属局は、同期確立動作の高速化が要求されるか否かに応じて、本発明の第1制御信号を利用した高速同期の機能の組み込みを決めることができ、従属局が無駄に複雑化されるのを防ぐことができる。
また、本発明の無線通信システムでは、時分割多重通信で制御局と従属局が双方向の通信行う際の使用する2つのスロットのフレーム内の位置関係と同じ位置関係になる2つのスロットを使用して第1制御信号と第2制御信号の送受信を行うようにしたので、制御信号の送信を1つ増やしてもシステム内で使用可能な同時通信数が減らないので、カメラ、見守り端末、センサ等複数の従属局を有して複数の従属局との同時通信が求められる無線通信システムにおいても利便性を損なうことなく、同期性能の向上、従属局の消費電力の削減が可能になる。
以上、本発明を、その好適実施形態の実施例について説明したが、当業者であれば容易に理解できるように、本発明はこのような実施例により限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。また、上記実施形態に示した構成要素は必ずしも全てが必須なものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない限りにおいて適宜取捨選択することが可能である。
例えば、本実施形態では、本発明の無線通信システムを家庭用のドアホンに組み込んだ例を示したが、本発明の無線通信システムは、センサやカメラが接続されたホームオートメーションネットワークへの組み込みも可能である。
また、例えば、本実施形態では、本発明の無線通信システムを見守り機能を例に説明を行ったが、無線通信システムを制御局とセンサとして動作する従属局で構成された無線通信システムに応用してもよい。センサ反応を契機に制御局と同期を確立し、センサ反応を通知するシステムにおいて、本発明を適用することにより、同期確立時、他の無線通信装置からの影響を低減できるので、高速な同期が可能となる。
また、例えば、本実施形態では、8種類の16ビットの選択シンクワードから親機識別符号に基づいて1つを選ぶ例を説明したが、選択シンクワードの種類を増やすことにより、同一システムの機器からの影響の発生確率を減らすことができ、また、選択シンクワードのビット数を増やして他のシステムの機器からの影響の発生確率を減らすことができる。
また、例えば、本実施形態では、親機識別符号を元に制御局、従属局それぞれが、8種類の16ビットの選択シンクワードから親機識別符号に基づいて1つを選ぶ例を説明したが、子機登録動作シーケンスにおいて、制御局が決めた選択シンクワードを従属局に通知してもよい。