以下、図面を参照して本発明の一実施の形態について説明する。なお、本件明細書に添付する図面においては、図示と理解のしやすさの便宜上、適宜縮尺および縦横の寸法比等を、実物のそれらから変更し誇張してある。
また、「シート面(板面、フィルム面)」とは、対象となるシート状(板状、フィルム状)の部材を全体的かつ大局的に見た場合において対象となるシート状部材(板状部材、フィルム状部材)の平面方向と一致する面のことを指す。
さらに、本明細書において用いる、形状や幾何学的条件ならびにそれらの程度を特定する、例えば、「平行」、「直交」、「同一」等の用語や長さや角度の値等については、厳密な意味に縛られることなく、同様の機能を期待し得る程度の範囲を含めて解釈することとする。
図1は、表示装置1を概略的に示す分解斜視図である。表示装置1は、表示面5に画像等を表示する。図1に示された例において、表示装置1は、発光基板10と、発光基板10に対向して配置された拡散層7と、を有している。拡散層7の発光基板10に対向する側とは反対側の面が、表示装置1の表示面5となっている。表示装置1は、1つ又は複数の発光ダイオードから発光した光を1つの画素として用いている、いわゆるマイクロLEDディスプレイである。拡散層7は、発光基板10で発光した光を拡散層7で拡散する。ただし、表示装置1の構成としては、図1に示すものに限られない。例えば、表示装置1は、拡散層7を有していなくてもよい。
発光基板10は、表示面5に表示する画像を形成する光を発光する。図2は、発光基板10の一部を示す平面図であり、図3は、図2の発光基板10の一部を拡大して示す平面図であり、図4は、発光基板10の一部を示す縦断面図であり、図2に示す発光基板10のI−I線に沿った縦断面を示している。
図2に示すように、発光基板10は、回路基板11と、回路基板11上に規則的に二次元配列された複数のマイクロ発光ダイオードチップ50(以下、単に「発光ダイオードチップ」とも呼ぶ)と、を有している。回路基板11は、後述する保持部材30に保持された各発光ダイオードチップ50を回路基板11上に配置する工程において、保持部材30を位置決めするための位置決め手段を有している。図2に示す例では、位置決め手段は、十字型の複数の位置決めマークM1である。ただし、位置決めマークM1の形状としてはこれに限られず、例えば四角形、三角形、丸等、種々の形状を採用可能である。位置決めマークM1は、回路基板11を一定の間隔で区画する領域R1,R2,R3,・・,Rn(図13参照)毎に、回路基板11の発光ダイオードチップ50が配置される面上に複数設けられている。また、図3に示すように、回路基板11は、回路13を有している。図4に示すように、回路基板11の発光ダイオードチップ50が配置される位置には、発光ダイオードチップ50を回路基板11に接着させるための異方性導電性粘着層12が形成されている。さらに、図4に示すように、各発光ダイオードチップ50は、2つの電極51を有している。発光ダイオードチップ50は、電極51を介して、回路13に電気的に接続している。回路13に流れる電流を制御して2つの電極51の間に電圧を印加することで、任意の発光ダイオードチップ50を発光させることができる。発光ダイオードチップ50の発光の組み合わせにより、表示装置1が表示する画像を形成することができる。
発光ダイオードチップ50から発光する光の波長は、発光ダイオードチップ50を構成する半導体材料等によって決定される。発光ダイオードチップ50は、例えばGaAs系化合物半導体、InP系化合物半導体やGaN系化合物半導体を含んでいる。平面視における発光ダイオードチップ50の寸法は、例えば1辺が3μm以上1000μm以下の矩形形状とすることができ、発光ダイオードチップ50の厚さは、例えば10μm以上500μm以下とすることができる。
図示された例では、発光ダイオードチップ50は、波長域620nm〜680nmの赤色の光を発光する第1発光ダイオードチップ50Rと、波長域530nm〜570nmの緑色の光を発光する第2発光ダイオードチップ50Gと、波長域440nm〜480nmの青色の光を発光する第3発光ダイオードチップ50Bと、を含んでいる。互いの近傍に配置された第1発光ダイオードチップ50R、第2発光ダイオードチップ50G及び第3発光ダイオードチップ50Bが、表示装置1の1つの画素を形成している。このため、発光基板10は、フルカラーで表示する画像を形成する光を発光することができる。
発光基板10は、回路基板11の回路13が形成された位置に発光ダイオードチップ50を配置することで製造される。複数の発光ダイオードチップ50が配置された発光基板10の生産性を向上させるために、図5に示すような保持体33を有する保持部材30が用いられる。
以下、保持部材30について、図5及び図6を参照しつつ説明する。
図5は、保持部材30の一部を示す縦断面図及びその部分拡大図である。図6は、保持部材30の平面図である。図5は、図6に示す保持部材30のII−II線に沿った断面を示している。
保持部材30は、複数の発光ダイオードチップ50を保持して、一括で回路基板11に配置することを可能にする部材である。保持部材30は、支持部31と、支持部31の一方の面上に配列された複数の保持体33と、を備えている。
支持部31は、後述する発光ダイオードチップ50を複数の保持体33に保持させる工程において、発光ダイオードチップ50を有するチップ基板40と保持部材30とを位置決めするための位置決め手段を有している。図6に示す例では、位置決め手段は、十字型の位置決めマークM2である。ただし、位置決めマークM2の形状としてはこれに限られず、例えば四角形、三角形、丸等、種々の形状を採用可能である。また、位置決めマークM2の観察を容易にするために、支持部31は、透明であることが好ましい。
なお、透明とは、当該基材を介して当該基材の一方の側から他方の側を透視し得る程度の透明性を有していることを意味しており、例えば、30%以上、より好ましくは70%以上の可視光透過率を有していることを意味する。可視光透過率は、分光光度計((株)島津製作所製「UV−3100PC」、JIS K 0115準拠品)を用いて測定波長380nm〜780nmの範囲内で測定したときの、各波長における透過率の平均値として特定される。
支持部31の平面視における面積は、後述する複数の発光ダイオードチップ50を有するチップ基板40に対応する大きさである。支持部31の厚さは、保持体33の適切な支持性等を考慮すると、0.05mm以上5mm以下の厚みを有していることが好ましい。
保持体33は、後述する粘着層36を介して、発光ダイオードチップ50を保持する部分である。図5に示すように、保持体33は、全体として、支持部31の一方の面から当該面の法線方向に突出している。保持体33の平面視における寸法は、発光ダイオードチップ50の寸法以下であることが好ましい。図示された例では、保持体33の平面視における寸法は、発光ダイオードチップ50の寸法に等しくなっている。
図6に示すように、保持体33は、支持部31の一方の面上に、規則的に二次元配列されている。保持体33の規則的な二次元配列は、回路基板11上に規則的に二次元配列される複数の発光ダイオードチップ50に対応している。言い換えると、複数の保持体33の保持部材30における配列間隔および配列パターンは、当該複数の保持体33に保持される複数の発光ダイオードチップ50が回路基板11上で配列されるべき配列間隔および配列パターンと同一となっている。保持体33は、第1方向d1にピッチp1xで配列されており、第1方向d1に非平行な第2方向d2にピッチp1yで配列されている。なお、図示された例において、第1方向d1と第2方向d2は、互いに直交している。ピッチp1x、p1yは、例えば50μm以上870μm以下である。
図5に示すように、保持体33は、支持部31によって支持された本体部33aと、本体部33aの先端面に設けられた粘着層36と、を有する。図示された例では、本体部33aは、支持部31によって支持された基部34と、基部34から延出した複数の微細延出部35と、を有している。そして、粘着層36は、微細延出部35の先端面にそれぞれ設けられている。ここで、各微細延出部35は、基部34よりも細い。図示の例では、平面視において、基部34の寸法は発光ダイオードチップ50の寸法に等しいが、微細延出部35の寸法は発光ダイオードチップ50よりも十分に小さい。具体的には、1つの発光ダイオードチップ50上に微細延出部35の先端面を2以上配置可能な程度に、微細延出部35は微細である。
上述のように、基部34および微細延出部35は、支持部31の板面の法線方向に突出している。基部34および微細延出部35が支持部31から突出する長さLは、発光ダイオードチップ50の厚さより大きいことが好ましく、例えば0.1μm以上100μm以下である。
以上のような基部34および微細延出部35を有する保持部材30は、樹脂で形成された基材にフォトリソグラフィ技術やナノインプリント技術を利用して加工を施すことにより、支持部31と共に一体に形成することができる。なお、支持部31は、保持体33の基部34や微細延出部35と一体に形成されていなくてもよく、別体として形成されていてもよい。例えば、基部34および微細延出部35は樹脂で形成され、支持部31はガラスで形成されていてもよい。
粘着層36は、粘着性を有している。なお、本明細書において、粘着性とは、粘り着く性質のことであり、接着性と区別しない。図示された例では、粘着層36の材料として、粘着性を加熱によって低下させることができる材料が用いられている。もちろん、粘着層36の材料としては、これに限られず、例えば粘着性を冷却や紫外線照射によって低下させることができる材料が用いられてもよい。粘着性を加熱や冷却、紫外線照射によって低下させることができる材料としては、例えばアクリル系粘着剤が挙げられる。粘着層36の厚さは、例えば0.1μm以上100μm以下である。
ところで、上述のように粘着層36の粘着性を変化させることができることにより、発光ダイオードチップ50を回路基板11上に効率的に配置させることができる。
具体的には、後述する発光ダイオードチップ50を保持体33に接触させて保持させる工程において、粘着層36の粘着性を加熱等によって低下させることなく、粘着層36の粘着性が高い状態で発光ダイオードチップ50を保持体33に接触させることで、保持体33から発光ダイオードチップ50に高い押圧力を付与しなくても、保持体33に発光ダイオードチップ50を粘着させて保持させることができる。したがって、発光ダイオードチップ50が保持体33からの押圧力によって破壊されてしまう、ということを防止することができる。また、発光ダイオードチップ50を保持する保持体33を回路基板11に向けて押圧して各発光ダイオードチップ50と回路基板11とを接合し、回路基板11に接合した発光ダイオードチップ50を保持体33の粘着層36から剥離する際、粘着層36の粘着性を低下させることにより、保持体33から発光ダイオードチップ50に高い押圧力を付与しなくても、発光ダイオードチップ50を回路基板11に接合させて粘着層36から剥離することができる。したがって、発光ダイオードチップ50が保持体33からの押圧力によって破壊されてしまう、ということを防止することができる。
さらに、各微細延出部35が基部34よりも細いことにより、各微細延出部35は、基部34よりも高い柔軟性を有している。これにより、複数の保持体33の長さが、とりわけ基部34および微細延出部35が支持部31から突出する長さLが均一でなくても、複数の発光ダイオードチップ50を回路基板11上に効率的に配置させることができる。
具体的には、保持体33の先端部が柔軟な微細延出部35によって構成されていることにより、後述する発光ダイオードチップ50を複数の保持体33に接触させて保持させる工程において、複数の保持体33の全ての先端面がチップ基板40上の発光ダイオードチップ50に接触するように、長さLの長い保持体33の微細延出部35を屈曲させることができる。そして、複数の保持体33から複数の発光ダイオードチップ50に均一に押圧力を付与して、複数の保持体33の全てに発光ダイオードチップ50を粘着させて保持させることができる。また、発光ダイオードチップ50を保持する保持部材30を回路基板11に向けて押圧して各発光ダイオードチップ50と回路基板11とを接合する工程において、複数の保持体33上の発光ダイオードチップ50の全てが回路基板11に接触するように、長さLの長い保持体33の微細延出部35を屈曲させることができる。そして、複数の保持体33から複数の発光ダイオードチップ50に向けて均一に押圧力を付与して、複数の発光ダイオードチップ50の全てを回路基板11に接合させることができる。
さらに、複数の保持体33から複数の発光ダイオードチップ50に押圧力を付与する際、複数の発光ダイオードチップ50に均一に押圧力が付与されることにより、複数の発光ダイオードチップ50の一部に過度の押圧力が付与されて当該発光ダイオードチップ50が破壊されてしまう、ということが防止される。
また、各保持体33の先端部が複数の微細延出部35を有していることにより、保持体33から発光ダイオードチップ50に押圧力を付与する際、各発光ダイオードチップ50において、対応する保持体33からの押圧力は当該発光ダイオードチップ50の複数箇所に分散して付与される。これにより、発光ダイオードチップ50に局所的に押圧力が付与されて当該発光ダイオードチップ50が破壊されてしまう、ということが防止される。さらに、微細延出部35が柔軟性を有していることにより、各発光ダイオードチップ50において、対応する保持体33(微細延出部35)からの押圧力は当該発光ダイオードチップ50の複数箇所に均一に付与される。これにより、保持体33から発光ダイオードチップ50に押圧力が付与された際に当該発光ダイオードチップ50が破壊されてしまうことが、より一層効果的に防止される。
なお、微細延出部35のヤング率は、10GPa以下であることが好ましく、5GPa以下であることがより好ましい。
次に、保持部材30に発光ダイオードチップ50を保持させる方法について、図7乃至図9を参照しつつ説明する。以下の説明では、一例として、保持部材30に第1発光ダイオードチップ50Rを保持させる方法について説明する。
まず、図7に示すように、一方の面上にダイシングされた複数の発光ダイオードチップ50(第1発光ダイオードチップ50R)を有するチップ基板40を用意する。チップ基板40は、ダイシングされたウエハ自体であってもよいし、ダイシングされたウエハから発光ダイオードチップ50を仮転写した基板であってもよい。チップ基板40は、チップ基材41と、チップ基材41上に配置された複数の発光ダイオードチップ50と、を有している。また、チップ基板40は、保持部材30を位置決めするための位置決め手段を有している。図7に示す例では、位置決め手段は、十字型の複数の位置決めマークM3である。ただし、位置決めマークM3の形状としてはこれに限られず、例えば四角形、三角形、丸等、種々の形状を採用可能である。
図示されたチップ基板40において、各発光ダイオードチップ50の上記2つの電極51は、チップ基材41の側に位置している。また、発光ダイオードチップ50は、チップ基材41上において、第1方向d1にピッチp2xで配列されており、第1方向d1に非平行な第2方向d2にピッチp2yで配列されている。すなわち、発光ダイオードチップ50は、ウエハを第1方向d1及び第2方向d2にダイシングすることで形成されている。なお、図示された例において、第1方向d1と第2方向d2は、互いに直交している。ピッチp2x、p2yは、例えば5μm以上200μm以下である。
ここで、チップ基板40の発光ダイオードチップ50の第1方向d1における配列のピッチp2xの整数倍が、保持部材30の複数の保持体33の第1方向d1における配列のピッチp1xとなっている。同様に、チップ基板40の発光ダイオードチップ50の第2方向d2における配列のピッチp2yの整数倍が、保持部材30の複数の保持体33の第2方向d2における配列のピッチp1yとなっている。保持体33の配列間隔および配列パターンが回路基板11上で配列される複数の発光ダイオードチップ50の配列間隔および配列パターンと同一となっているため、チップ基板40の発光ダイオードチップ50の第1方向d1における配列のピッチp2xの整数倍が、回路基板11上での、ある発光ダイオードチップ50(第1発光ダイオードチップ50R)の第1方向d1における配列のピッチの整数倍となっており、第2方向d2における配列のピッチp2yの整数倍が、回路基板11上での、ある発光ダイオードチップ50(第1発光ダイオードチップ50R)の第2方向d2における配列のピッチの整数倍となっている。
次に、図8に示すように、また図9から理解されるように、チップ基板40のチップ基材41の発光ダイオードチップ50が配置された側の面と、保持部材30の保持体33の側と、を対面させる。その後、チップ基板40と保持部材30との位置決めを行う。位置決めは、保持部材30の支持部31が有する位置決め手段と、チップ基板40が有する位置決め手段と、に基づいて行われる。具体的な例として、保持部材30の支持部31が有する位置決めマークM2と、チップ基板40が有する位置決めマークM3とを一致させることで、位置決めが行われる。位置決めマークM2とM3とが一致していることは、例えば、保持部材30の保持体33が配列された側とは反対の側に配置されたカメラ80(図9参照)によって、確認することができる。支持部31が透明であるため、支持部31の保持体33が配列された側とは反対側から、支持部31を介して、位置決めマークM2及びM3を確認することが可能である。
なお、チップ基板40と保持部材30との位置決めは、保持部材30が有する位置決め手段及びチップ基板40が有する位置決め手段のいずれか一方のみによって行われてもよい。
次に、図9に示すように、チップ基板40と保持部材30とを接近させて、チップ基板40を保持部材30の粘着層36に接触させる。チップ基板40が粘着層36に接触すると、チップ基板40の発光ダイオードチップ50が対向する保持体33の粘着層36に粘着する。これにより、発光ダイオードチップ50は、保持体33に保持される。保持部材30が複数の保持体33を有していることにより、保持部材30には複数の発光ダイオードチップ50が保持される。その後、図10に示すように、保持部材30をチップ基板40から離間させる。
ここで、保持体33を発光ダイオードチップ50に接触させる際、粘着層36の粘着性を加熱等により低下させることなく、粘着性が高い状態で保持体33を発光ダイオードチップ50に接触させる。これにより、保持体33から発光ダイオードチップ50に高い押圧力を付与しなくても、保持体33に発光ダイオードチップ50を粘着させて保持させることができる。したがって、保持体33から高い押圧力が付与されて発光ダイオードチップ50が破壊されてしまう、ということが防止される。
さらに、保持体33の先端部分をなす微細延出部35が柔軟性を有しているため、具体的には微細延出部35のヤング率が10GPa以下、より好ましくは5GPa以下であるため、保持部材30の複数の保持体33の長さが、とりわけ基部34および微細延出部35が支持部31から突出する長さLが均一でなくても、全ての保持体33の粘着層36をチップ基板40上の発光ダイオードチップ50に接触させることができる。すなわち、微細延出部35が柔軟性を有しているため、保持部材30からチップ基板40に向けて押圧力を付与することで、長さLの長い保持体33の微細延出部35を屈曲させることができる(図9の部分拡大図参照)。これにより、保持部材30の全ての保持体33の粘着層36をチップ基板40に接触させることができる。したがって、保持部材30の全ての保持体33にチップ基板40の発光ダイオードチップ50を保持させることができる。この結果、保持部材30の全ての保持体33を、発光ダイオードチップ50を保持するために有効に利用することができる。
また、微細延出部35が柔軟性を有していることにより、チップ基板40の発光ダイオードチップ50を保持体33に接触させための押圧力を、保持体33と接触している全ての発光ダイオードチップ50に均一に付与することができる。したがって、保持体33から一部の発光ダイオードチップ50に高い押圧力が付与されて、当該発光ダイオードチップ50が破壊されてしまう、ということが防止される。
さらに、各保持体33の先端部が複数の微細延出部35を有していることにより、チップ基板40の発光ダイオードチップ50を保持体33に接触させための各保持体33からの押圧力を、対応する発光ダイオードチップ50の複数箇所に分散して付与することができる。これにより、発光ダイオードチップ50に局所的に押圧力が付与されて当該発光ダイオードチップ50が破壊されてしまう、ということが防止される。また、微細延出部35が柔軟性を有していることにより、各保持体33からの上記押圧力を、対応する発光ダイオードチップ50の複数箇所に均一に付与することができる。これにより、保持体33から発光ダイオードチップ50に押圧力が付与された際に当該発光ダイオードチップ50が破壊されてしまうことが、より一層効果的に防止される。
なお、図8に示すように、チップ基板40と保持部材30とが位置決めされていること、及び保持体33の平面視における寸法が発光ダイオードチップ50の寸法に等しくなっていることで、1つの保持体33に対して1つの発光ダイオードチップ50を保持させることができる。さらに、図8に示すように、保持部材30の複数の保持体33の第1方向d1における配列のピッチp1xがチップ基板40の発光ダイオードチップ50の第1方向d1における配列のピッチp2xの整数倍(図示された例では6倍)であることから、第1方向d1において保持部材30の全ての保持体33に対して1つの発光ダイオードチップ50を保持させることができる。同様に、保持部材30の複数の保持体33の第2方向d2における配列のピッチp1yがチップ基板40の発光ダイオードチップ50の第2方向d2における配列のピッチp2yの整数倍(図示された例では6倍)であることから、第2方向d2において保持部材30の全ての保持体33に対してそれぞれ1つの発光ダイオードチップ50を保持させることができる。
上述した例では、発光ダイオードチップ50として、第1発光ダイオードチップ50Rを保持部材30に保持させる方法について説明したが、第2発光ダイオードチップ50G及び第3発光ダイオードチップ50Bも、同様の工程によってそれぞれ別の保持部材30に保持させることができる。
次に、保持部材30に保持された発光ダイオードチップ50を回路基板11に配置する方法について、図11乃至図13を参照しつつ説明する。以下の説明では、一例として、第1発光ダイオードチップ50Rを回路基板11に配置する方法について説明する。
まず、図11に示すように、回路基板11の回路13が形成された側の面と、保持部材30の発光ダイオードチップ50が保持された側の面と、を対面させる。その後、図13に示すように、回路基板11の第1領域R1と保持部材30との位置決めを行う。位置決めは、例えば回路基板11が有する位置決め手段と、保持部材30が有する位置決め手段と、に基づいて行われる。具体的な一例として、位置決めは、回路基板11が有する位置決めマークM1と、保持部材30の支持部31が有する位置決めマークM2とを一致させることで、行われる。位置決めマークM1,M2が一致していることは、保持部材30の発光ダイオードチップ50が保持された側とは反対側に配置されたカメラ90(図11参照)によって、確認することができる。支持部31が透明であるため、保持部材30の発光ダイオードチップ50が保持された面とは反対側から、支持部31を介して、位置決めマークM1,M2を確認することができる。
なお、回路基板11と保持部材30との位置決めに用いられる支持部31が有する位置決めマークM2は、チップ基板40と保持部材30との位置決めに用いられた位置決めマークと同一であってもよいし、チップ基板40と保持部材30との位置決めに用いられた位置決めマークとは異なる位置決めマークであってもよい。
次に、図11に示すように、保持部材30を回路基板11の第1領域R1に接近させて、保持体33に保持された発光ダイオードチップ50を、回路基板11上に設けられた異方性導電性粘着層12に接触させる。その後、保持部材30を回路基板11に向けて押圧し、保持体33に保持された発光ダイオードチップ50を、回路基板11に接合させる。回路基板11と保持部材30とが位置決めされているため、回路基板11の回路13が設けられた位置に発光ダイオードチップ50を接合して、当該回路13と発光ダイオードチップ50とを電気的に接続することができる。
ここで、保持体33の微細延出部35が柔軟性を有しているため、具体的には微細延出部35のヤング率が10GPa以下、より好ましくは5GPa以下であるため、保持部材30の複数の保持体33の長さが、とりわけ基部34および微細延出部35が支持部31から突出する長さLが均一でなくても、全ての保持体33上の発光ダイオードチップ50を、回路基板11に接合させることができる。すなわち、微細延出部35が柔軟性を有しているため、保持部材30から回路基板11に向けて押圧力を付与することで、長さLの長い保持体33の微細延出部35を屈曲させることができる(図11の部分拡大図参照)。これにより、保持部材30に保持された全ての発光ダイオードチップ50を、回路基板11に接合させることができる。
また、微細延出部35が柔軟性を有していることにより、保持体33に保持された発光ダイオードチップ50を回路基板11に接合させための押圧力を、保持体33に保持された全ての発光ダイオードチップ50に均一に付与することができる。したがって、保持体33から一部の発光ダイオードチップ50に高い押圧力が付与されて、当該発光ダイオードチップ50が破壊されてしまう、ということが防止される。
さらに、各保持体33の先端部が複数の微細延出部35を有していることにより、保持体33に保持された発光ダイオードチップ50を回路基板11に接合させために各保持体33から付与される押圧力を、対応する発光ダイオードチップ50の複数箇所に分散して付与することができる。これにより、保持体33から対応する発光ダイオードチップ50に局所的に押圧力が付与されて当該発光ダイオードチップ50が破壊されてしまう、ということが防止される。また、微細延出部35が柔軟性を有していることにより、各保持体33からの上記押圧力を、対応する発光ダイオードチップ50の複数箇所に均一に付与することができる。これにより、保持体33から発光ダイオードチップ50に押圧力が付与された際に当該発光ダイオードチップ50が破壊されてしまうことが、より一層効果的に防止される。
次に、保持部材30を回路基板11に押圧している状態で、異方性導電性粘着層12を加熱する。異方性導電性粘着層12が加熱されることで、回路基板11と発光ダイオードチップ50とが接着される。また、異方性導電性粘着層12によれば、押圧方向に導電性を発現することができる。したがって、発光ダイオードチップ50の各電極51を、押圧方向に対向する回路13と電気的に接続することができる。
また、このとき、発光ダイオードチップ50を保持する保持体33も加熱されて、粘着層36の粘着性が低下する。これにより、異方性導電性粘着層12の粘着性が粘着層36の粘着性に勝る。この結果、保持体33から発光ダイオードチップ50に高い押圧力を付与しなくても、発光ダイオードチップ50を異方性導電性粘着層12に粘着させつつ粘着層36から剥離させることができる。したがって、保持体33から高い押圧力が付与されて発光ダイオードチップ50が破壊されてしまう、ということが防止される。なお、粘着層36の粘着性を低下させる工程は、異方性導電性粘着層12を加熱する工程とは別の工程であってもよい。すなわち、粘着層36を加熱する熱源は、異方性導電性粘着層12を加熱する熱源とは別の熱源であってもよい。また、粘着層36の粘着性が紫外線照射によって低下する場合は、粘着層36に紫外線を照射することにより粘着層36の粘着性を低下させてもよい。さらに、粘着層36の粘着性が冷却によって低下する場合は、粘着層36を冷却することにより粘着層36の粘着性を低下させてもよい。
その後、図12に示すように、保持部材30を回路基板11から離間させる。以上により、保持部材30に保持された複数の発光ダイオードチップ50が、回路基板11の第1領域R1に一括で配置される。
さらに、図8乃至図10に示す工程を繰り返して、再び保持部材30に発光ダイオードチップ50を保持させる。そして、図11及び図12に示す工程と同様の工程を繰り返して、保持部材30を回路基板11の第2領域R2に位置決めして押圧し、発光ダイオードチップ50を回路基板11に接合させる。以上の工程を回路基板の各領域R3,・・Rnについて繰り返すことにより、回路基板11の全域に発光ダイオードチップ50を配置することができる。
上述した例では、発光ダイオードチップ50として、第1発光ダイオードチップ50Rを回路基板11に一括で転写する方法について説明した。この工程と同様の工程を、第2発光ダイオードチップ50Gを保持する別の保持部材30及び第3発光ダイオードチップ50Bを保持するさらに別の保持部材30についても行うことで、回路基板11に3種の発光ダイオードチップ50を配置された発光基板10が製造される。すなわち、フルカラーで発光することができる発光基板10を得ることができる。
なお、保持部材30の保持体33の突出する長さLが発光ダイオードチップ50の厚さより大きくなっている。このため、保持部材30を用いて、例えば第1発光ダイオードチップ50Rを回路基板11に一括で転写した後に第2発光ダイオードチップ50Gを回路基板11に転写する場合でも、第2発光ダイオードチップ50Gの転写は、回路基板11に転写されている第1発光ダイオードチップ50Rによって阻害されにくい。
また、上述した例では、発光ダイオードチップ50を、回路基板11上に異方性導電性粘着層12を介して配置する方法について説明したが、これに限られない。異方性導電性粘着層12の代わりにはんだ層を回路基板11上に設け、当該はんだ層を介して発光ダイオードチップ50を回路基板11上に配置してもよい。この場合、保持体33に保持された発光ダイオードチップ50をはんだ層を介して回路基板11上に配置した後、はんだ層を加熱して発光ダイオードチップ50を当該はんだ層にはんだ付けすることで、すなわち当該はんだ層に固定することで、保持体33に保持された発光ダイオードチップ50を、粘着層36から容易に剥離することができる。なお、はんだ層を構成する材料としては、例えば、Au−Sn合金はんだ材、Sn−Ag−Cu系はんだ材、Sn−Cu系はんだ材、Sn−Ag系はんだ材やSn−Bi系はんだ材等、公知のはんだ材を用いることができる。また、はんだ層は、所定温度以下で硬化する粘着剤を含んでいてもよい。この場合、保持体33に保持された発光ダイオードチップをはんだ層を介して回路基板11上に配置した後、はんだ層の温度を上記所定温度以下とすることで、保持体33に保持された発光ダイオードチップ50をはんだ層に固定することができ、粘着層36から容易に剥離することができる。
また、粘着層36は、保持体33の先端面のみに設けられていなくてもよく、例えば保持体33の間にも設けられていてもよい。さらには、粘着層36は、支持部31の保持体33が形成された側の面の全体に設けられていてもよい。この場合、例えば支持部31の保持体33が形成された側の面を粘着性の材料でコーティングすることで、粘着層36を容易に設けることができる。
さらに、上述した例では、発光ダイオードチップ50を回路基板11に配置する際、保持体33に保持された発光ダイオードチップ50と回路基板11とが電気的に接続された後、発光ダイオードチップ50は保持体33の粘着層から剥離されたが、これに限られない。例えば、発光ダイオードチップ50は、以下のような方法により回路基板11に配置されてもよい。
すなわち、保持体33に保持された発光ダイオードチップ50を、回路基板11上の異方性導電性粘着層12またははんだ層に接触させた後、発光ダイオードチップ50を保持する複数の保持体33を回路基板11に向けて押圧し、各発光ダイオードチップ50と回路基板11とを接合させる。この時点では、各発光ダイオードチップ50と回路基板11とは電気的に接合していなくてよい。そして、粘着層36を加熱、冷却又は紫外線照射して当該粘着層36の粘着性を低下させ、回路基板11と接合した発光ダイオードチップ50を粘着層36から剥離させる。その後、各発光ダイオードチップ50を回路基板11に向けて押圧しながら異方性導電性粘着層12またははんだ層を加熱して、各発光ダイオードチップ50と回路基板11に形成された回路13とを電気的に接続する。
このような方法によれば、保持部材30や粘着層36を形成する材料の選択の自由度が向上する。すなわち、一般に、各発光ダイオードチップ50と回路基板11に形成された回路13とを電気的に接続する際、異方性導電性粘着層12またははんだ層を高温にし、発光ダイオードチップ50と回路基板11とを互いに高圧で押圧する必要がある。したがって、各発光ダイオードチップ50と回路基板11に形成された回路13とを電気的に接続する工程を、発光ダイオードチップ50が粘着層36を介して保持部材30に保持された状態で、保持部材30を回路基板11に向けて押圧しながら行う場合、保持部材30および粘着層36を形成する材料として、上記高温および高圧の条件に耐えられる材料を選択する必要がある。しかしながら、上述したように、各発光ダイオードチップ50と回路基板11に形成された回路13とを電気的に接続する工程を、発光ダイオードチップ50を保持部材30の粘着層36から剥離させた後で行う場合は、保持部材30および粘着層36を形成する材料として、上記高温および高圧の条件に耐えられる材料を選択する必要がない。したがって、保持部材30や粘着層36の材料の選択の自由度が向上する。なお、各発光ダイオードチップ50と回路基板11とを接合させる際、異方性導電性粘着層12またははんだ層を加熱してもよい。また、各発光ダイオードチップ50と回路基板11とを接合させるための層としてはんだ層を用いる場合には、各発光ダイオードチップ50と回路基板11とを接合させる際、保持体33を回路基板11に向けて押圧せず、はんだ層を加熱してもよい。さらに、各発光ダイオードチップ50と回路基板11とを接合させるための層としてはんだ層を用いる場合には、各発光ダイオードチップ50と回路基板11に形成された回路13とを電気的に接続する際、各発光ダイオードチップ50を回路基板11に向けて押圧しなくてもよい。
<変形例>
次に、図14乃至図17を参照して、上述の一実施の形態における保持部材の変形例について説明する。図14乃至図17に示す変形例では、図5に示す保持部材と比較して、保持体が粘着層を有していない点、および、保持体に吸着孔が形成されている点で異なっている。他の構成は、図5に示す保持部材と略同一である。図14乃至図17に示す変形例において、図1乃至図13に示す一実施の形態と同一の部分には同一符号を付して詳細な説明は省略する。
図14に示すように、保持体33には、保持体33の先端面に開口した吸着孔37が形成されている。より具体的には、保持体33には、微細延出部35の先端面に開口した吸着孔37が形成されている。図示された例では、吸着孔37は、微細延出部35の先端面から支持部31の他方の面(保持体33が配列された面とは反対側の面)まで延びており、支持部31の他方の面に開口している。そして、支持部31の他方の面の側から吸着孔37内のエアを吸引することによって、発光ダイオードチップ50を保持体33に吸着させて保持させることができるようになっている。
次に、変形例による保持部材30に発光ダイオードチップ50を保持させる方法について、図15および図16を参照しつつ説明する。以下の説明では、一例として、保持部材30に第1発光ダイオードチップ50Rを保持させる方法について説明する。
まず、図7に示すチップ基板40を用意し、図15に示すように、チップ基板40のチップ基材41の発光ダイオードチップ50が配置された側の面と、保持部材30の保持体33と、を対面させる。その後、チップ基板40と保持部材30との位置決めを行い、チップ基板40と保持部材30とを接近させて、保持体33の微細延出部35の先端面を、チップ基板40に接触させる。
ここで、保持体33の先端部分をなす微細延出部35が柔軟性を有しているため、具体的には微細延出部35のヤング率が10GPa以下、より好ましくは5GPa以下であるため、保持部材30の複数の保持体33の長さLが均一でなくても、全ての保持体33の先端面をチップ基板40上の発光ダイオードチップ50に接触させることができる。すなわち、微細延出部35が柔軟性を有しているため、保持部材30からチップ基板40に向けて押圧力を付与することで、長さLの長い保持体33の微細延出部35を屈曲させることができる(図15の部分拡大図参照)。これにより、全ての保持体33の微細延出部35の先端面をチップ基板40に接触させることができる。
また、微細延出部35が柔軟性を有していることにより、チップ基板40の発光ダイオードチップ50を保持体33に接触させための押圧力を、保持体33と接触している全ての発光ダイオードチップ50に均一に付与することができる。したがって、保持体33から一部の発光ダイオードチップ50に高い押圧力が付与されて、当該発光ダイオードチップ50が破壊されてしまう、ということが防止される。
さらに、各保持体33の先端部が複数の微細延出部35を有していることにより、チップ基板40の発光ダイオードチップ50を保持体33に接触させための各保持体33からの押圧力を、対応する発光ダイオードチップ50の複数箇所に分散して付与することができる。これにより、発光ダイオードチップ50に局所的に押圧力が付与されて当該発光ダイオードチップ50が破壊されてしまう、ということが防止される。また、微細延出部35が柔軟性を有していることにより、各保持体33からの上記押圧力を、対応する発光ダイオードチップ50の複数箇所に均一に付与することができる。これにより、保持体33から発光ダイオードチップ50に押圧力が付与された際に当該発光ダイオードチップ50が破壊されてしまうことが、より一層効果的に防止される。
次に、全ての保持部材30の微細延出部35の先端面がチップ基板40に接触した状態で、保持部材30の吸着孔37内のエアを、吸引装置(図示せず)を用いて吸引し、吸着孔37内を陰圧にする。これにより、チップ基板40の発光ダイオードチップ50が微細延出部35の先端面に吸着して、保持体33上に保持される(図16参照)。
上述した例では、発光ダイオードチップ50として、第1発光ダイオードチップ50Rを保持部材30に保持させる方法について説明したが、第2発光ダイオードチップ50G及び第3発光ダイオードチップ50Bも、同様の工程によってそれぞれ別の保持部材30に保持させることができる。
次に、保持部材30に保持された発光ダイオードチップ50を回路基板11に配置する方法について、図17を参照しつつ説明する。
まず、図17に示すように、保持部材30の吸着孔37内を陰圧に保ち、発光ダイオードチップ50を微細延出部35の先端面に吸着させたまま、回路基板11の回路13が形成された側と、保持部材30の発光ダイオードチップ50が保持された側とを対面させる。次に、回路基板11の第1領域R1と保持部材30との位置決めを行い、保持部材30を回路基板11に接近させて、回路基板11の異方性導電性粘着層12に接触させる。次に、保持部材30を回路基板11の第1領域R1に向けて押圧し、保持体33の先端に保持された発光ダイオードチップ50を、回路基板11に接合させ、電気的に接続する。
ここで、保持体33の微細延出部35が柔軟性を有しているため、具体的には微細延出部35のヤング率が10GPa以下、より好ましくは5GPa以下であるため、保持部材30の複数の保持体33の長さLが均一でなくても、全ての保持体33上の発光ダイオードチップ50を、回路基板11に接合させることができる。すなわち、微細延出部35が柔軟性を有しているため、保持部材30から回路基板11に向けて押圧力を付与することで、長さLの長い保持体33の微細延出部35を屈曲させることができる(図17の部分拡大図参照)。これにより、保持部材30に保持された全ての発光ダイオードチップ50を、回路基板11に接合させることができる。
また、微細延出部35が柔軟性を有していることにより、保持体33に保持された発光ダイオードチップ50を回路基板11に接合させための押圧力を、保持体33に保持された全ての発光ダイオードチップ50に均一に付与することができる。したがって、保持体33から一部の発光ダイオードチップ50に高い押圧力が付与されて、当該発光ダイオードチップ50が破壊されてしまう、ということが防止される。
さらに、各保持体33の先端部が複数の微細延出部35を有していることにより、保持体33に保持された発光ダイオードチップ50を回路基板11に接合させために各保持体33から付与される押圧力を、対応する発光ダイオードチップ50の複数箇所に分散して付与することができる。これにより、保持体33から対応する発光ダイオードチップ50に局所的に押圧力が付与されて当該発光ダイオードチップ50が破壊されてしまう、ということが防止される。また、微細延出部35が柔軟性を有していることにより、各保持体33からの上記押圧力を、対応する発光ダイオードチップ50の複数箇所に均一に付与することができる。これにより、保持体33から発光ダイオードチップ50に押圧力が付与された際に当該発光ダイオードチップ50が破壊されてしまうことが、より一層効果的に防止される。
次に、保持部材30を回路基板11に押圧している状態で、異方性導電性粘着層12を加熱する。異方性導電性粘着層12が加熱されることで、回路基板11と発光ダイオードチップ50とが接着され、電気的に接続される。
そして、発光ダイオードチップ50と回路13とが電気的に接続された後、保持部材30の吸着孔37内にエアを導入して、吸着孔37の圧力を上昇させる。これにより、発光ダイオードチップ50の保持部材30への吸着力が低下する。その後、保持部材30を回路基板11から離間させる。
ここで、発光ダイオードチップ50の保持部材30への吸着力を低下させることにより、発光ダイオードチップ50への異方性導電性粘着層12の粘着力を保持部材30の吸着力よりも高くすることができ、保持体33から発光ダイオードチップ50に高い押圧力を付与しなくても、容易に、保持部材30を発光ダイオードチップ50から離間させて回路基板11に配置することができる。したがって、発光ダイオードチップ50が保持体33からの押圧力によって破壊されてしまう、ということを防止することができる。
以上により、保持部材30に保持された複数の発光ダイオードチップ50が、回路基板11の第1領域R1に一括で配置される。
そして、図14乃至図17に示す工程を回路基板11の各領域R2,R3,・・・,Rnについて繰り返して、回路基板11の全域に発光ダイオードチップ50を配置する。
なお、上述した例では、発光ダイオードチップ50を回路基板11に配置する際、保持体33に保持された発光ダイオードチップ50と回路基板11とが電気的に接続された後、保持部材30は回路基板11から離間されたが、これに限られない。例えば、発光ダイオードチップ50は、以下のような方法により回路基板11に配置されてもよい。
すなわち、保持体33に保持された発光ダイオードチップ50を、回路基板11上の異方性導電性粘着層12またははんだ層に接触させた後、発光ダイオードチップ50を保持する複数の保持体33を回路基板11に向けて押圧し、各発光ダイオードチップ50と回路基板11とを接合させる。この時点では、各発光ダイオードチップ50と回路基板11とは電気的に接合していなくてよい。そして、回路基板11と接合した発光ダイオードチップ50の保持体33への吸着力を低下させて、保持部材30を回路基板11から離間させる。その後、各発光ダイオードチップ50を回路基板11に向けて押圧しながら異方性導電性粘着層12またははんだ層を加熱して、各発光ダイオードチップ50と回路基板11に形成された回路13とを電気的に接続する。
このような方法によれば、保持部材30を形成する材料の選択の自由度が向上する。すなわち、一般に、各発光ダイオードチップ50と回路基板11に形成された回路13とを電気的に接続する際、異方性導電性粘着層12またははんだ層を高温にし、発光ダイオードチップ50と回路基板11とを互いに高圧で押圧する必要がある。したがって、各発光ダイオードチップ50と回路基板11に形成された回路13とを電気的に接続する工程を、発光ダイオードチップ50が保持部材30に保持された状態で、保持部材30を回路基板11に向けて押圧しながら行う場合、保持部材30を形成する材料として、上記高温および高圧の条件に耐えられる材料を選択する必要がある。しかしながら、上述したように、各発光ダイオードチップ50と回路基板11に形成された回路13とを電気的に接続する工程を、保持部材30を回路基板11から離間させた後(すなわち、発光ダイオードチップ50を保持部材30から離間させた後)で行う場合は、保持部材30を形成する材料として、上記高温および高圧の条件に耐えられる材料を選択する必要がない。したがって、保持部材30の材料の選択の自由度が向上する。なお、各発光ダイオードチップ50と回路基板11とを接合させる際、異方性導電性粘着層12またははんだ層を加熱してもよい。また、各発光ダイオードチップ50と回路基板11とを接合させるための層としてはんだ層を用いる場合には、各発光ダイオードチップ50と回路基板11とを接合させる際、保持体33を回路基板11に向けて押圧せず、はんだ層を加熱してもよい。さらに、各発光ダイオードチップ50と回路基板11とを接合させるための層としてはんだ層を用いる場合には、各発光ダイオードチップ50と回路基板11に形成された回路13とを電気的に接続する際、各発光ダイオードチップ50を回路基板11に向けて押圧しなくてもよい。
以上のように、本実施の形態の保持部材30は、複数の発光ダイオードチップ50を保持する保持部材30であって、支持部31と、支持部31の一方の面上に二次元配列された複数の保持体33と、を備えている。そして、保持体33は、支持部31によって支持された本体部33aと、本体部33aの先端面に設けられた粘着層36と、を有し、粘着層36の粘着性は、加熱、冷却又は紫外線照射によって低下する。
このような保持部材30によれば、複数の発光ダイオードチップ50を複数の保持体33の粘着層36に接着させて保持することができる。そして、保持した複数の発光ダイオードチップ50を、一括して発光基板10の回路基板11に配置することができる。また、粘着層36の粘着性を変化させることができるので、発光ダイオードチップ50を回路基板11上に効率的に配置させることができる。具体的には、発光ダイオードチップ50を保持体33に接触させて保持させる工程において、粘着層36の粘着性を加熱等によって低下させることなく粘着性が高い状態で発光ダイオードチップ50を保持体33に接触させることにより、保持体33から発光ダイオードチップ50に高い押圧力を付与しなくても、保持体33に発光ダイオードチップ50を粘着させて保持させることができる。したがって、発光ダイオードチップ50が保持体33からの押圧力によって破壊されてしまう、ということを防止することができる。また、発光ダイオードチップ50を保持する保持体33を回路基板11に向けて押圧して各発光ダイオードチップ50と回路基板11とを接合し、回路基板11に接合した発光ダイオードチップ50を保持体33の粘着層36から剥離する際、粘着層36の粘着性を低下させることにより、保持体33から発光ダイオードチップ50に高い押圧力を付与しなくても、発光ダイオードチップ50を回路基板11に接合させて粘着層36から剥離することができる。したがって、発光ダイオードチップ50が保持体33からの押圧力によって破壊されてしまう、ということを防止することができる。なお、粘着層36の粘着性は、加熱、冷却又は紫外線照射によって低下させることができる。すなわち、粘着層36の粘着性を、容易に制御することができる。
本実施の形態において、本体部33aは、支持部31によって支持された基部34と、基部34から延出した複数の微細延出部35と、を有し、粘着層36は、微細延出部35の先端面にそれぞれ設けられている。
保持体33の先端部が複数の微細延出部35で構成されていることにより、保持体33の先端部に柔軟性を持たせることができる。保持体33の先端部が複数の微細延出部35で構成され、柔軟性を有していることによっても、発光ダイオードチップ50の保持および回路基板11への配置を、効率的に行うことができる。
例えば、チップ基板40の発光ダイオードチップ50を保持体33に保持させる際、複数の保持体33の長さが均一でなくても、長さの長い保持体33の微細延出部35を変形させて、全ての保持体33の先端面(粘着層36)をチップ基板40の表面に接触させることができる。これにより、全ての保持体33に発光ダイオードチップ50を粘着させて保持させることができる。さらに、微細延出部35が柔軟性を有していることにより、保持体33をチップ基板40の発光ダイオードチップ50に接触させるための押圧力を、保持体33と接触している全ての発光ダイオードチップ50に均一に付与することができる。したがって、保持体33から一部の発光ダイオードチップ50に高い押圧力が付与されて、当該発光ダイオードチップ50が破壊されてしまう、ということが防止される。また、各保持体33の先端部が複数の微細延出部35を有していることにより、発光ダイオードチップ50を保持体33に接触させるための各保持体33からの押圧力を、対応する発光ダイオードチップ50の複数箇所に分散して付与することができる。これにより、発光ダイオードチップ50に局所的に押圧力が付与されて当該発光ダイオードチップ50が破壊されてしまう、ということが防止される。また、微細延出部35が柔軟性を有していることにより、各保持体33からの上記押圧力を、対応する発光ダイオードチップ50の複数箇所に均一に付与することができる。これにより、保持体33から発光ダイオードチップ50に押圧力が付与された際に当該発光ダイオードチップ50が破壊されてしまうことが、より一層効果的に防止される。
また、保持体33に保持された発光ダイオードチップ50を回路基板11へ配置する際は、複数の保持体33の長さが均一でなくても、長さの長い保持体33の微細延出部35を変形させることにより、全ての保持体33の先端面に保持された発光ダイオードチップ50を、回路基板11に接触させることができる。さらに、微細延出部35が柔軟性を有していることにより、複数の保持体33上の発光ダイオードチップ50を回路基板11に押圧して接合する際、押圧力を全ての発光ダイオードチップ50に均一に付与することができる。したがって、保持体33から一部の発光ダイオードチップ50に高い押圧力が付与されて、当該発光ダイオードチップ50が破壊されてしまう、ということが防止される。また、各保持体33の先端部が複数の微細延出部35を有していることにより、保持体33上の発光ダイオードチップ50を回路基板11に接合させるための各保持体33からの押圧力を、対応する発光ダイオードチップ50の複数箇所に分散して付与することができる。これにより、発光ダイオードチップ50に局所的に押圧力が付与されて当該発光ダイオードチップ50が破壊されてしまう、ということが防止される。また、微細延出部35が柔軟性を有していることにより、各保持体33からの上記押圧力を、対応する発光ダイオードチップ50の複数箇所に均一に付与することができる。これにより、保持体33から発光ダイオードチップ50に押圧力が付与された際に当該発光ダイオードチップ50が破壊されてしまう、ということが、より一層効果的に防止される。
このように、本実施の形態の保持部材30によれば、回路基板11に発光ダイオードチップ50を効率よく配置することができ、発光基板10の生産性を向上させることができる。
本実施の形態において、微細延出部35のヤング率は、10GPa以下、より好ましくは5GPa以下である。このため、微細延出部35は十分な柔軟性を有している。
また、本実施の形態の保持体33は、発光ダイオードチップ50を保持する保持体33であって、本体部33aと、本体部33aの先端面に設けられた粘着層36と、を備え、粘着層36の粘着性は、加熱、冷却又は紫外線照射によって低下する。
このような保持体33によれば、粘着層36の粘着性を変化させることができるので、発光ダイオードチップ50を回路基板11上に効率的に配置させることができる。具体的には、発光ダイオードチップ50を保持体33に接触させて保持させる工程において、粘着層36の粘着性を加熱等によって低下させることなく粘着性が高い状態で発光ダイオードチップ50を保持体33に接触させることで、保持体33から発光ダイオードチップ50に高い押圧力を付与しなくても、保持体33に発光ダイオードチップ50を粘着させて保持させることができる。したがって、発光ダイオードチップ50が保持体33からの押圧力によって破壊されてしまう、ということを防止することができる。また、発光ダイオードチップ50を保持する保持体33を回路基板11に向けて押圧して各発光ダイオードチップ50と回路基板11とを接合し、回路基板11に接合した発光ダイオードチップ50を保持体33の粘着層36から剥離する際、粘着層36の粘着性を低下させることにより、保持体33から発光ダイオードチップ50に高い押圧力を付与しなくても、発光ダイオードチップ50を回路基板11に接合させて粘着層36から剥離することができる。したがって、発光ダイオードチップ50が保持体33からの押圧力によって破壊されてしまう、ということを防止することができる。なお、粘着層36の粘着性は、加熱、冷却又は紫外線照射によって低下させることができる。すなわち、粘着層36の粘着性を、容易に制御することができる。
本実施の形態において、本体部33aは、基部34と、基部34から延出した複数の微細延出部35と、を有し、粘着層36は、微細延出部35の先端面にそれぞれ設けられている。
保持体33の先端部が複数の微細延出部35で構成されていることにより、保持体33の先端部に柔軟性を持たせることができる。保持体33の先端部が複数の微細延出部35で構成され、柔軟性を有していることによっても、発光ダイオードチップ50の保持および回路基板11への配置を、効率的に行うことができる。
例えば、チップ基板40の発光ダイオードチップ50を保持体33に保持させる際、保持体33の先端部が複数の微細延出部35を有していることにより、発光ダイオードチップ50を保持体33に接触させための保持体33からの押圧力を、発光ダイオードチップ50の複数箇所に分散して付与することができる。これにより、発光ダイオードチップ50に局所的に押圧力が付与されて当該発光ダイオードチップ50が破壊されてしまう、ということが防止される。また、微細延出部35が柔軟性を有していることにより、保持体33からの上記押圧力を、発光ダイオードチップ50の複数箇所に均一に付与することができる。これにより、保持体33から発光ダイオードチップ50に押圧力が付与された際に当該発光ダイオードチップ50が破壊されてしまうことが、より一層効果的に防止される。
また、保持体33に保持された発光ダイオードチップ50を回路基板11へ配置する際は、保持体33の先端部が複数の微細延出部35を有していることにより、保持体33上の発光ダイオードチップ50を回路基板11に接合させるための保持体33からの押圧力を、発光ダイオードチップ50の複数箇所に分散して付与することができる。これにより、発光ダイオードチップ50に局所的に押圧力が付与されて当該発光ダイオードチップ50が破壊されてしまう、ということが防止される。また、微細延出部35が柔軟性を有していることにより、保持体33からの上記押圧力を、発光ダイオードチップ50の複数箇所に均一に付与することができる。これにより、保持体33から発光ダイオードチップ50に押圧力が付与された際に当該発光ダイオードチップ50が破壊されてしまう、ということが、より一層効果的に防止される。
このように、本実施の形態の保持体33によれば、回路基板11に発光ダイオードチップ50を効率よく配置することができ、発光基板10の生産性を向上させることができる。
本実施の形態において、微細延出部35のヤング率は、10GPa以下、より好ましくは5GPa以下である。このため、微細延出部35は十分な柔軟性を有している。
また、本実施の形態の発光基板10の製造方法は、ダイシングされた発光ダイオードチップ50を有するチップ基板40を、加熱、冷却又は紫外線照射によって粘着性が低下する粘着層36を有する上記保持部材30の粘着層に接触させて、発光ダイオードチップ50を複数の保持体33に保持させる工程と、保持体33に保持された発光ダイオードチップ50を、回路基板11上に異方性導電性粘着層12またははんだ層を介して配置して、異方性導電性粘着層12またははんだ層に接触させる工程と、発光ダイオードチップ50を保持する複数の保持体33を回路基板11に向けて押圧し、各発光ダイオードチップ50と回路基板11とを接合し且つ各発光ダイオードチップ50と回路基板11に形成された回路13とを電気的に接続する工程と、回路基板11と接合した発光ダイオードチップ50を粘着層36から剥離させる工程と、を含んでいる。そして、発光ダイオードチップ50を剥離させる工程の前に、加熱、冷却又は紫外線照射によって粘着層36の粘着性を低下させる。
このような発光基板10の製造方法によれば、複数の発光ダイオードチップ50を複数の保持体33の粘着層36に粘着させて保持することができる。そして、保持した複数の発光ダイオードチップ50を、一括して発光基板10の回路基板11に配置することができる。また、粘着層36の粘着性を変化させることができるので、発光ダイオードチップ50を回路基板11上に効率的に配置させることができる。具体的には、発光ダイオードチップ50を保持体33に接触させて保持させる工程において、粘着層36の粘着性を加熱等によって低下させることなく粘着性が高い状態で発光ダイオードチップ50を保持体33に接触させることで、保持体33から発光ダイオードチップ50に高い押圧力を付与しなくても、保持体33に発光ダイオードチップ50を粘着させて保持することができる。したがって、発光ダイオードチップ50が保持体33からの押圧力によって破壊されてしまう、ということを防止することができる。また、発光ダイオードチップ50を保持する保持体33を回路基板11に向けて押圧して各発光ダイオードチップ50と回路基板11とを電気的に接続する工程において、粘着層36の粘着性を低下させることにより、保持体33から発光ダイオードチップ50に高い押圧力を付与しなくても、発光ダイオードチップ50を保持体33から剥離して回路基板11に配置することができる。したがって、発光ダイオードチップ50が保持体33からの押圧力によって破壊されてしまう、ということを防止することができる。
また、粘着層36の粘着性は、加熱、冷却又は紫外線照射によって、容易に低下させることができる。
また、保持体33の先端部が複数の微細延出部35で構成されている場合、保持体33の先端部は柔軟性を有している。保持体33の先端部が複数の微細延出部35で構成され、柔軟性を有していることによっても、発光ダイオードチップ50の保持および回路基板11への配置を、効率的に行うことができる。
例えば、発光ダイオードチップ50を複数の保持体33に保持させる工程では、複数の保持体33の長さが均一でなくても、長さの長い保持体33の微細延出部35を変形させて、全ての保持体33の先端面(粘着層36)をチップ基板40の表面に接触させることができる。これにより、全ての保持体33に発光ダイオードチップ50を粘着させて保持させることができる。さらに、微細延出部35が柔軟性を有していることにより、保持体33をチップ基板40の発光ダイオードチップ50に接触させための押圧力を、保持体33と接触している全ての発光ダイオードチップ50に均一に付与することができる。したがって、保持体33から一部の発光ダイオードチップ50に高い押圧力が付与されて、当該発光ダイオードチップ50が破壊されてしまう、ということが防止される。また、各保持体33の先端部が複数の微細延出部35を有していることにより、発光ダイオードチップ50を保持体33に接触させための各保持体33からの押圧力を、対応する発光ダイオードチップ50の複数箇所に分散して付与することができる。これにより、発光ダイオードチップ50に押圧力が局所的に付与されて当該発光ダイオードチップ50が破壊されてしまう、ということが防止される。また、微細延出部35が柔軟性を有していることにより、各保持体33からの上記押圧力を、対応する発光ダイオードチップ50の複数箇所に均一に付与することができる。これにより、保持体33から発光ダイオードチップ50に押圧力が付与された際に当該発光ダイオードチップ50が破壊されてしまうことが、より一層効果的に防止される。
また、発光ダイオードチップ50を回路基板11上の異方性導電性粘着層12またははんだ層に接触させる工程では、複数の保持体33の長さが均一でなくても、長さの長い保持体33の微細延出部35を変形させることにより、全ての保持体33に保持された発光ダイオードチップ50を、異方性導電性粘着層12またははんだ層に接触させることができる。
さらに、発光ダイオードチップ50を保持する複数の保持体33を回路基板11に向けて押圧して、保持部材30に保持された発光ダイオードチップ50と回路基板11とを電気的に接続する工程では、微細延出部35が柔軟性を有していることにより、押圧力を全ての発光ダイオードチップ50に均一に付与することができる。したがって、保持体33から一部の発光ダイオードチップ50に高い押圧力が付与されて、当該発光ダイオードチップ50が破壊されてしまう、ということが防止される。また、各保持体33の先端部が複数の微細延出部35を有していることにより、保持体33上の発光ダイオードチップ50を回路基板11に接合させるための各保持体33からの押圧力を、対応する発光ダイオードチップ50の複数箇所に分散して付与することができる。これにより、発光ダイオードチップ50に局所的に押圧力が付与されて当該発光ダイオードチップ50が破壊されてしまう、ということが防止される。また、微細延出部35が柔軟性を有していることにより、各保持体33からの上記押圧力を、対応する発光ダイオードチップ50の複数箇所に均一に付与することができる。これにより、保持体33から発光ダイオードチップ50に押圧力が付与された際に当該発光ダイオードチップ50が破壊されてしまう、ということが、より一層効果的に防止される。
このように、本実施の形態の発光基板10の製造方法によれば、回路基板11に発光ダイオードチップ50を効率よく配置することができ、発光基板10の生産性を向上させることができる。
また、上記発光基板10の製造方法において、各発光ダイオードチップ50と回路13とを電気的に接続する工程において、発光ダイオードチップ50を保持する保持体33を回路基板11に向けて加熱、冷却又は紫外線照射しながら押圧する。これにより、各発光ダイオードチップ50と回路13とを電気的に接続しつつ、粘着層36の粘着性を低下させることができる。
あるいは、本実施の形態の発光基板10の製造方法は、ダイシングされた発光ダイオードチップ50を有するチップ基板41を上記保持部材30の粘着層36に接触させて、発光ダイオードチップ50を複数の保持体33に保持させる工程と、保持体33に保持された発光ダイオードチップ50を、回路基板11上に異方性導電性粘着層12またははんだ層を介して配置して、異方性導電性粘着層12またははんだ層に接触させる工程と、発光ダイオードチップ50と接触した異方性導電性粘着層12またははんだ層を加熱し、および/または、発光ダイオードチップ50を保持する複数の保持体33を回路基板11に向けて押圧し、各発光ダイオードチップ50と回路基板11とを接合する工程と、回路基板11と接合した発光ダイオードチップ50を粘着層36から剥離させる工程と、発光ダイオードチップ50が接合した回路基板11の異方性導電性粘着層12またははんだ層を加熱して、粘着層36から剥離された各発光ダイオードチップ50と回路基板11に形成された回路13とを電気的に接続する工程と、を含み、発光ダイオードチップ50を剥離させる工程の前に、加熱、冷却又は紫外線照射によって粘着層36の粘着性を低下させる。
このような発光基板10の製造方法によっても、上述した発光基板10の製造方法と同様の効果が得られる。さらに、このような製造方法によれば、保持部材30や粘着層36の材料の選択の自由度が向上する。すなわち、一般に、各発光ダイオードチップ50と回路基板11に形成された回路13とを電気的に接続する際、異方性導電性粘着層12またははんだ層を高温にし、発光ダイオードチップ50と回路基板11とを互いに高圧で押圧する必要がある。したがって、各発光ダイオードチップ50と回路基板11に形成された回路13とを電気的に接続する工程を、発光ダイオードチップ50が粘着層36を介して保持部材30に保持された状態で、保持部材30を回路基板11に向けて押圧しながら行う場合、保持部材30および粘着層36を形成する材料として、上記高温および高圧の条件に耐えられる材料を選択する必要がある。しかしながら、上述したように、各発光ダイオードチップ50と回路基板11に形成された回路13とを電気的に接続する工程を、発光ダイオードチップ50を保持部材30の粘着層36から剥離させた後で行う場合は、保持部材30および粘着層36を形成する材料として、上記高温および高圧の条件に耐えられる材料を選択する必要がない。したがって、保持部材30や粘着層36の材料の選択の自由度が向上する。なお、この製造方法では、各発光ダイオードチップ50と回路基板11に形成された回路13とを電気的に接続する工程において、各発光ダイオードチップ50を回路基板11に向けて押圧しながら異方性導電性粘着層12またははんだ層を加熱してもよい。
また、本実施の形態の発光基板10の製造方法は、ダイシングされた発光ダイオードチップ50を有するチップ基板40を、加熱、冷却又は紫外線照射によって粘着性が低下する粘着層36を有する上記保持体33の粘着層36に接触させて、発光ダイオードチップ50を保持体33に保持させる工程と、保持体33に保持された発光ダイオードチップ50を、回路基板11上に異方性導電性粘着層12またははんだ層を介して配置して、異方性導電性粘着層12またははんだ層に接触させる工程と、発光ダイオードチップ50を保持する保持体33を回路基板11に向けて押圧し、発光ダイオードチップ50と回路基板11とを接合し且つ発光ダイオードチップ50と回路基板11に形成された回路13とを電気的に接続する工程と、回路基板11と接合した発光ダイオードチップ50を粘着層36から剥離させる工程と、を含んでいる。そして、発光ダイオードチップ50を剥離させる工程の前に、加熱、冷却又は紫外線照射によって粘着層36の粘着性を低下させる。
このような発光基板10の製造方法によれば、粘着層36の粘着性を変化させることができるので、発光ダイオードチップ50を回路基板11上に効率的に配置させることができる。具体的には、発光ダイオードチップ50を保持体33に接触させて保持させる工程において、粘着層36の粘着性を加熱等によって低下させることなく粘着性が高い状態で発光ダイオードチップ50を保持体33に接触させることで、保持体33から発光ダイオードチップ50に高い押圧力を付与しなくても、保持体33に発光ダイオードチップ50を粘着させて保持させることができる。したがって、発光ダイオードチップ50が保持体33からの押圧力によって破壊されてしまう、ということを防止することができる。また、発光ダイオードチップ50を保持する保持体33を回路基板11に向けて押圧して各発光ダイオードチップ50と回路基板11とを電気的に接続する工程において、粘着層36の粘着性を低下させることにより、保持体33から発光ダイオードチップ50に高い押圧力を付与しなくても、発光ダイオードチップ50を保持体33から剥離して回路基板11に配置することができる。したがって、発光ダイオードチップ50が保持体33からの押圧力によって破壊されてしまう、ということを防止することができる。
なお、回路基板11と接合した発光ダイオードチップ50を粘着層36から剥離させる工程では、発光ダイオードチップ50を保持部材30に粘着させる粘着層36を加熱、冷却又は紫外線照射をするだけで、発光ダイオードチップ50を粘着層36から容易に剥離することができる。
また、保持体33の先端部が複数の微細延出部35で構成されている場合、保持体33の先端部は柔軟性を有している。保持体33の先端部が複数の微細延出部35で構成され、柔軟性を有していることによっても、発光ダイオードチップ50の保持および回路基板11への配置を、効率的に行うことができる。
例えば、発光ダイオードチップ50を保持体33に保持させる工程では、保持体33の先端部が複数の微細延出部35を有していることにより、発光ダイオードチップ50を保持体33に接触させための保持体33からの押圧力を、発光ダイオードチップ50の複数箇所に分散して付与することができる。これにより、発光ダイオードチップ50に押圧力が局所的に付与されて当該発光ダイオードチップ50が破壊されてしまう、ということが防止される。また、微細延出部35が柔軟性を有していることにより、保持体33からの上記押圧力を、発光ダイオードチップ50の複数箇所に均一に付与することができる。これにより、保持体33から発光ダイオードチップ50に押圧力が付与された際に当該発光ダイオードチップ50が破壊されてしまうことが、より一層効果的に防止される。
また、発光ダイオードチップ50を保持する保持体33を回路基板11に向けて押圧して、保持体33に保持された発光ダイオードチップ50と回路基板11とを電気的に接続する工程では、保持体33の先端部が複数の微細延出部35を有していることにより、保持体33上の発光ダイオードチップ50を回路基板11に接合させるための保持体33からの押圧力を、発光ダイオードチップ50の複数箇所に分散して付与することができる。これにより、発光ダイオードチップ50に局所的に押圧力が付与されて当該発光ダイオードチップ50が破壊されてしまう、ということが防止される。また、微細延出部35が柔軟性を有していることにより、保持体33からの上記押圧力を、発光ダイオードチップ50の複数箇所に均一に付与することができる。これにより、保持体33から発光ダイオードチップ50に押圧力が付与された際に当該発光ダイオードチップ50が破壊されてしまう、ということが、より一層効果的に防止される。
このように、本実施の形態の発光基板10の製造方法によれば、回路基板11に発光ダイオードチップ50を効率よく配置することができ、発光基板10の生産性を向上させることができる。
また、上記発光基板10の製造方法において、発光ダイオードチップ50と回路13とを電気的に接続する工程において、発光ダイオードチップ50を保持する保持体33を回路基板11に向けて加熱、冷却又は紫外線照射しながら押圧する。これにより、発光ダイオードチップ50と回路13とを電気的に接続しつつ、粘着層36の粘着性を低下させることができる。
あるいは、本実施の形態の発光基板10の製造方法は、ダイシングされた発光ダイオードチップ50を有するチップ基板41を上記保持体33の粘着層36に接触させて、発光ダイオードチップ50を保持体33に保持させる工程と、保持体33に保持された発光ダイオードチップ50を、回路基板11上に異方性導電性粘着層12またははんだ層を介して配置して、異方性導電性粘着層12またははんだ層に接触させる工程と、発光ダイオードチップ50と接触した異方性導電性粘着層12またははんだ層を加熱し、および/または、発光ダイオードチップ50を保持する保持体33を回路基板11に向けて押圧し、各発光ダイオードチップ50と回路基板11とを接合する工程と、回路基板11と接合した発光ダイオードチップ50を粘着層36から剥離させる工程と、発光ダイオードチップ50が接合した回路基板11の異方性導電性粘着層12またははんだ層を加熱して、粘着層36から剥離された発光ダイオードチップ50と回路基板11に形成された回路13とを電気的に接続する工程と、を含み、発光ダイオードチップ50を剥離させる工程の前に、加熱、冷却又は紫外線照射によって粘着層36の粘着性を低下させる。
このような発光基板10の製造方法によっても、上述した発光基板10の製造方法と同様の効果が得られる。さらに、このような製造方法によれば、保持体33や粘着層36の材料の選択の自由度が向上する。すなわち、一般に、各発光ダイオードチップ50と回路基板11に形成された回路13とを電気的に接続する際、異方性導電性粘着層12またははんだ層を高温にし、発光ダイオードチップ50と回路基板11とを互いに高圧で押圧する必要がある。したがって、各発光ダイオードチップ50と回路基板11に形成された回路13とを電気的に接続する工程を、発光ダイオードチップ50が粘着層36を介して保持体33に保持された状態で、保持体33を回路基板11に向けて押圧しながら行う場合、保持体33および粘着層36を形成する材料として、上記高温および高圧の条件に耐えられる材料を選択する必要がある。しかしながら、上述したように、各発光ダイオードチップ50と回路基板11に形成された回路13とを電気的に接続する工程を、発光ダイオードチップ50を保持体33の粘着層36から剥離させた後で行う場合は、保持体33および粘着層36を形成する材料として、上記高温および高圧の条件に耐えられる材料を選択する必要がない。したがって、保持体33や粘着層36の材料の選択の自由度が向上する。なお、この製造方法では、各発光ダイオードチップ50と回路基板11に形成された回路13とを電気的に接続する工程において、各発光ダイオードチップ50を回路基板11に向けて押圧しながら異方性導電性粘着層12またははんだ層を加熱してもよい。
あるいは、上記変形例の保持部材30は、複数の発光ダイオードチップ50を保持する保持部材30であって、支持部31と、支持部の一方の面上に二次元配列された複数の保持体33と、を備えている。そして、保持体33には、当該保持体33の先端面に開口した吸着孔37が形成されている。
このような保持部材30によれば、複数の発光ダイオードチップ50を複数の保持体33に吸着させて保持することができる。そして、保持した複数の発光ダイオードチップ50を、一括して発光基板10の回路基板11に配置することができる。また、吸着力を変化させることができるので、発光ダイオードチップ50を回路基板11上に効率的に配置させることができる。具体的には、発光ダイオードチップ50を保持する保持体33を回路基板11に向けて押圧して各発光ダイオードチップ50と回路基板11とを接合し、保持部材30を回路基板11から離間させる際、発光ダイオードチップ50への吸着力を低下させることにより、保持体33から発光ダイオードチップ50に高い押圧力を付与しなくても、発光ダイオードチップ50を回路基板11に接合させて保持部材30から離間させることができる。したがって、発光ダイオードチップ50が保持体33からの押圧力によって破壊されてしまう、ということを防止することができる。なお、上記吸着力は、吸着孔37内にエアを導入することにより、容易に低下させることができる。
また、保持体33は、支持部31によって支持された基部34と、基部34から延出した複数の微細延出部35と、を有し、吸着孔37は、微細延出部35の先端面に開口している。
保持体33の先端部が複数の微細延出部35で構成されていることにより、保持体33の先端部に柔軟性を持たせることができる。保持体33の先端部が複数の微細延出部35で構成され、柔軟性を有していることによっても、発光ダイオードチップ50の保持および回路基板11への配置を、効率的に行うことができる。
例えば、チップ基板40の発光ダイオードチップ50を保持体33に保持させる際、複数の保持体33の長さが均一でなくても、長さの長い保持体33の微細延出部35を変形させて、全ての保持体33の先端面をチップ基板40の表面に接触させることができる。これにより、全ての保持体33に発光ダイオードチップ50を接触させて吸着させることができる。さらに、微細延出部35が柔軟性を有していることにより、保持体33をチップ基板40の発光ダイオードチップ50に接触させための押圧力を、保持体33と接触している全ての発光ダイオードチップ50に均一に付与することができる。したがって、保持体33から一部の発光ダイオードチップ50に高い押圧力が付与されて、当該発光ダイオードチップ50が破壊されてしまう、ということが防止される。また、各保持体33の先端部が複数の微細延出部35を有していることにより、発光ダイオードチップ50を保持体33に接触させための各保持体33からの押圧力を、対応する発光ダイオードチップ50の複数箇所に分散して付与することができる。これにより、発光ダイオードチップ50に局所的に押圧力が付与されて当該発光ダイオードチップ50が破壊されてしまう、ということが防止される。また、微細延出部35が柔軟性を有していることにより、各保持体33からの上記押圧力を、対応する発光ダイオードチップ50の複数箇所に均一に付与することができる。これにより、保持体33から発光ダイオードチップ50に押圧力が付与された際に当該発光ダイオードチップ50が破壊されてしまうことが、より一層効果的に防止される。
また、保持体33に保持された発光ダイオードチップ50を回路基板11へ配置する際は、複数の保持体33の長さが均一でなくても、長さの長い保持体33の微細延出部35を変形させることにより、全ての保持体33の先端面に保持された発光ダイオードチップ50を、回路基板11に接触させることができる。さらに、微細延出部35が柔軟性を有していることにより、複数の保持体33上の発光ダイオードチップ50を回路基板11に押圧して接合する際、押圧力を全ての発光ダイオードチップ50に均一に付与することができる。したがって、保持体33から一部の発光ダイオードチップ50に高い押圧力が付与されて、当該発光ダイオードチップ50が破壊されてしまう、ということが防止される。また、各保持体33の先端部が複数の微細延出部35を有していることにより、保持体33上の発光ダイオードチップ50を回路基板11に接合させるための各保持体33からの押圧力を、対応する発光ダイオードチップ50の複数箇所に分散して付与することができる。これにより、発光ダイオードチップ50に局所的に押圧力が付与されて当該発光ダイオードチップ50が破壊されてしまう、ということが防止される。また、微細延出部35が柔軟性を有していることにより、各保持体33からの上記押圧力を、対応する発光ダイオードチップ50の複数箇所に均一に付与することができる。これにより、保持体33から発光ダイオードチップ50に押圧力が付与された際に当該発光ダイオードチップ50が破壊されてしまう、ということが、より一層効果的に防止される。
このように、本実施の形態の保持部材30によれば、回路基板11に発光ダイオードチップ50を効率よく配置することができ、発光基板10の生産性を向上させることができる。
微細延出部35のヤング率は、10GPa以下、より好ましくは5GPa以下である。このため、微細延出部35は十分な柔軟性を有している。
あるいは、上記変形例の保持体33は、発光ダイオードチップ50を保持する保持体33であって、先端面に開口する吸着孔37が形成されている。
このような保持部材30によれば、発光ダイオードチップ50への吸着力を変化させることで、発光ダイオードチップ50を回路基板11上に効率的に配置することができる。具体的には、発光ダイオードチップ50を保持する保持体33を回路基板11に向けて押圧して各発光ダイオードチップ50と回路基板11とを接合し、保持体33を回路基板11から離間させる際、上記吸着力を低下させることにより、保持体33から発光ダイオードチップ50に高い押圧力を付与しなくても、発光ダイオードチップ50を回路基板11に接合させて保持体33を回路基板11から離間させることができる。したがって、発光ダイオードチップ50が保持体33からの押圧力によって破壊されてしまう、ということを防止することができる。なお、上記吸着力は、吸着孔37内にエアを導入することにより、容易に低下させることができる。
また、保持体33は、基部34と、基部34から延出した複数の微細延出部35と、を備え、吸着孔37は、微細延出部35の先端面に開口している。
先端部が複数の微細延出部35で構成されていることにより、保持体33の先端部に柔軟性を持たせることができる。保持体33の先端部が複数の微細延出部35で構成され、柔軟性を有していることによっても、発光ダイオードチップ50の保持および回路基板11への配置を、効率的に行うことができる。
例えば、チップ基板40の発光ダイオードチップ50を保持体33に保持させる際、保持体33の先端部が複数の微細延出部35を有していることにより、発光ダイオードチップ50を保持体33に接触させるための保持体33からの押圧力を、発光ダイオードチップ50の複数箇所に分散して付与することができる。これにより、発光ダイオードチップ50に局所的に押圧力が付与されて当該発光ダイオードチップ50が破壊されてしまう、ということが防止される。また、微細延出部35が柔軟性を有していることにより、保持体33からの上記押圧力を、発光ダイオードチップ50の複数箇所に均一に付与することができる。これにより、保持体33から発光ダイオードチップ50に押圧力が付与された際に当該発光ダイオードチップ50が破壊されてしまうことが、より一層効果的に防止される。
また、保持体33に保持された発光ダイオードチップ50を回路基板11へ配置する際は、保持体33の先端部が複数の微細延出部35を有していることにより、保持体33上の発光ダイオードチップ50を回路基板11に接合させるための保持体33からの押圧力を、発光ダイオードチップ50の複数箇所に分散して付与することができる。これにより、発光ダイオードチップ50に局所的に押圧力が付与されて当該発光ダイオードチップ50が破壊されてしまう、ということが防止される。また、微細延出部35が柔軟性を有していることにより、保持体33からの上記押圧力を、発光ダイオードチップ50の複数箇所に均一に付与することができる。これにより、保持体33から発光ダイオードチップ50に押圧力が付与された際に当該発光ダイオードチップ50が破壊されてしまう、ということが、より一層効果的に防止される。
このように、本実施の形態の保持体33によれば、回路基板11に発光ダイオードチップ50を効率よく配置することができ、発光基板10の生産性を向上させることができる。
本実施の形態において、微細延出部35のヤング率は、10GPa以下、より好ましくは5GPa以下である。このため、微細延出部35は十分な柔軟性を有している。
また、上記変形例による発光基板10の製造方法は、ダイシングされた発光ダイオードチップ50を有するチップ基板40を当該変形例の複数の保持体33に接触させて、吸着孔37内のエアを吸引することによって、発光ダイオードチップ50を複数の保持体33に吸着させて保持させる工程と、保持体33に保持された発光ダイオードチップ50を、回路基板11上に異方性導電性粘着層12またははんだ層を介して配置して、異方性導電性粘着層12またははんだ層に接触させる工程と、発光ダイオードチップ50を保持する複数の保持体33を回路基板11に向けて押圧し、各発光ダイオードチップ50と回路基板11とを接合し且つ各発光ダイオードチップ50と回路基板11に形成された回路とを電気的に接続する工程と、回路基板11と接合した発光ダイオードチップ50の保持体33への吸着力を低下させて、保持部材30を回路基板11から離間させる工程と、を含む。
このような発光基板10の製造方法によれば、複数の発光ダイオードチップ50を複数の保持体33に吸着させて保持することができる。そして、保持した複数の発光ダイオードチップ50を、一括して発光基板10の回路基板11に配置することができる。また、発光ダイオードチップ50への吸着力を変化させることができるので、発光ダイオードチップ50を回路基板11上に効率的に配置させることができる。具体的には、発光ダイオードチップ50を保持する保持体33を回路基板11に向けて押圧して各発光ダイオードチップ50と回路基板11とを電気的に接続する工程において、上記吸着力を低下させることにより、保持体33から発光ダイオードチップ50に高い押圧力を付与しなくても、発光ダイオードチップ50を保持体33から離間させて回路基板11に配置することができる。したがって、発光ダイオードチップ50が保持体33からの押圧力によって破壊されてしまう、ということを防止することができる。なお、上記吸着力は、吸着孔37にエアを導入することにより、容易に低下させることができる。
また、保持体33の先端部が複数の微細延出部35で構成されている場合、保持体33の先端部は柔軟性を有している。保持体33の先端部が複数の微細延出部35で構成され、柔軟性を有していることによっても、発光ダイオードチップ50の保持および回路基板11への配置を、効率的に行うことができる。
例えば、発光ダイオードチップ50を複数の保持体33に保持させる工程では、複数の保持体33の長さが均一でなくても、長さの長い保持体33の微細延出部35を変形させて、全ての保持体33の先端面をチップ基板40の表面に接触させることができる。これにより、全ての保持体33に発光ダイオードチップ50を接着させて吸着させることができる。さらに、微細延出部35が柔軟性を有していることにより、保持体33をチップ基板40の発光ダイオードチップ50に接触させための押圧力を、保持体33と接触している全ての発光ダイオードチップ50に均一に付与することができる。したがって、保持体33から一部の発光ダイオードチップ50に高い押圧力が付与されて、当該発光ダイオードチップ50が破壊されてしまう、ということが防止される。また、各保持体33の先端部が複数の微細延出部35を有していることにより、発光ダイオードチップ50を保持体33に接触させための各保持体33からの押圧力を、対応する発光ダイオードチップ50の複数箇所に分散して付与することができる。これにより、発光ダイオードチップ50に押圧力が局所的に付与されて当該発光ダイオードチップ50が破壊されてしまう、ということが防止される。また、微細延出部35が柔軟性を有していることにより、各保持体33からの上記押圧力を、対応する発光ダイオードチップ50の複数箇所に均一に付与することができる。これにより、保持体33から発光ダイオードチップ50に押圧力が付与された際に当該発光ダイオードチップ50が破壊されてしまうことが、より一層効果的に防止される。
また、発光ダイオードチップ50を回路基板11上の異方性導電性粘着層12またははんだ層に接触させる工程では、複数の保持体33の長さが均一でなくても、長さの長い保持体33の微細延出部35を変形させることにより、全ての保持体33に保持された発光ダイオードチップ50を、異方性導電性粘着層12またははんだ層に接触させることができる。
さらに、発光ダイオードチップ50を保持する複数の保持体33を回路基板11に向けて押圧して、保持部材30に保持された発光ダイオードチップ50と回路基板11とを電気的に接続する工程では、微細延出部35が柔軟性を有していることにより、押圧力を全ての発光ダイオードチップ50に均一に付与することができる。したがって、保持体33から一部の発光ダイオードチップ50に高い押圧力が付与されて、当該発光ダイオードチップ50が破壊されてしまう、ということが防止される。また、各保持体33の先端部が複数の微細延出部35を有していることにより、保持体33上の発光ダイオードチップ50を回路基板11に接合させるための各保持体33からの押圧力を、対応する発光ダイオードチップ50の複数箇所に分散して付与することができる。これにより、発光ダイオードチップ50に局所的に押圧力が付与されて当該発光ダイオードチップ50が破壊されてしまう、ということが防止される。また、微細延出部35が柔軟性を有していることにより、各保持体33からの上記押圧力を、対応する発光ダイオードチップ50の複数箇所に均一に付与することができる。これにより、保持体33から発光ダイオードチップ50に押圧力が付与された際に当該発光ダイオードチップ50が破壊されてしまう、ということが、より一層効果的に防止される。
このように、本実施の形態の発光基板10の製造方法によれば、回路基板11に発光ダイオードチップ50を効率よく配置することができ、発光基板10の生産性を向上させることができる。
あるいは、上記変形例による発光基板10の製造方法は、ダイシングされた発光ダイオードチップ50を有するチップ基板41を上記複数の保持体33に接触させて、吸着孔37内のエアを吸引することによって、発光ダイオードチップ50を複数の保持体33に吸着させて保持させる工程と、保持体33に保持された発光ダイオードチップ50を、回路基板11上に異方性導電性粘着層12またははんだ層を介して配置して、異方性導電性粘着層12またははんだ層に接触させる工程と、発光ダイオードチップ50と接触した異方性導電性粘着層12またははんだ層を加熱し、および/または、発光ダイオードチップ50を保持する複数の保持体33を回路基板11に向けて押圧し、各発光ダイオードチップ50と回路基板11とを接合する工程と、回路基板11と接合した発光ダイオードチップ50の保持体33への吸着力を低下させて、保持部材30を回路基板11から離間させる工程と、発光ダイオードチップ50が接合した回路基板11の異方性導電性粘着層12またははんだ層を加熱して、各発光ダイオードチップ50と回路基板11に形成された回路13とを電気的に接続する工程と、を含む。
このような発光基板10の製造方法によっても、上述した発光基板10の製造方法と同様の効果が得られる。さらに、このような製造方法によれば、保持部材30の材料の選択の自由度が向上する。すなわち、一般に、各発光ダイオードチップ50と回路基板11に形成された回路13とを電気的に接続する際、異方性導電性粘着層12またははんだ層を高温にし、発光ダイオードチップ50と回路基板11とを互いに高圧で押圧する必要がある。したがって、各発光ダイオードチップ50と回路基板11に形成された回路13とを電気的に接続する工程を、発光ダイオードチップ50が保持部材30に保持された状態で、保持部材30を回路基板11に向けて押圧しながら行う場合、保持部材30を形成する材料として、上記高温および高圧の条件に耐えられる材料を選択する必要がある。しかしながら、上述したように、各発光ダイオードチップ50と回路基板11に形成された回路13とを電気的に接続する工程を、保持部材30を回路基板11から離間させた後(すなわち、発光ダイオードチップ50を保持部材30から離間させた後)で行う場合は、保持部材30を形成する材料として、上記高温および高圧の条件に耐えられる材料を選択する必要がない。したがって、保持部材30の材料の選択の自由度が向上する。なお、この製造方法では、各発光ダイオードチップ50と回路基板11に形成された回路13とを電気的に接続する工程において、各発光ダイオードチップ50を回路基板11に向けて押圧しながら異方性導電性粘着層12またははんだ層を加熱してもよい。
あるいは、本実施の形態の保持部材30は、複数の発光ダイオードチップ50を保持する保持部材30であって、支持部31と、支持部31の一方の面上に二次元配列された複数の保持体33と、を備えている。そして、保持体33は、支持部31によって支持された基部34と、基部34から延出した複数の微細延出部35と、微細延出部35の先端面にそれぞれ設けられた粘着層36と、を有する。
このような保持部材30によれば、複数の発光ダイオードチップ50を複数の保持体33の粘着層36に接着させて保持することができる。そして、保持した複数の発光ダイオードチップ50を、一括して発光基板10の回路基板11に配置することができる。また、保持体33の先端部が複数の微細延出部35で構成されていることにより、保持体33の先端部に柔軟性を持たせることができる。保持体33の先端部が複数の微細延出部35で構成され、柔軟性を有していることによっても、発光ダイオードチップ50の保持および回路基板11への配置を、効率的に行うことができる。
例えば、チップ基板40の発光ダイオードチップ50を保持体33に保持させる際、複数の保持体33の長さが均一でなくても、長さの長い保持体33の微細延出部35を変形させて、全ての保持体33の先端面(粘着層36)をチップ基板40の表面に接触させることができる。これにより、全ての保持体33に発光ダイオードチップ50を接着させて保持させることができる。さらに、微細延出部35が柔軟性を有していることにより、保持体33をチップ基板40の発光ダイオードチップ50に接触させための押圧力を、保持体33と接触している全ての発光ダイオードチップ50に均一に付与することができる。したがって、保持体33から一部の発光ダイオードチップ50に高い押圧力が付与されて、当該発光ダイオードチップ50が破壊されてしまう、ということが防止される。また、各保持体33の先端部が複数の微細延出部35を有していることにより、発光ダイオードチップ50を保持体33に接触させための各保持体33からの押圧力を、対応する発光ダイオードチップ50の複数箇所に分散して付与することができる。これにより、発光ダイオードチップ50に局所的に押圧力が付与されて当該発光ダイオードチップ50が破壊されてしまう、ということが防止される。また、微細延出部35が柔軟性を有していることにより、各保持体33からの上記押圧力を、対応する発光ダイオードチップ50の複数箇所に均一に付与することができる。これにより、保持体33から発光ダイオードチップ50に押圧力が付与された際に当該発光ダイオードチップ50が破壊されてしまうことが、より一層効果的に防止される。
また、保持体33に保持された発光ダイオードチップ50を回路基板11へ配置する際は、複数の保持体33の長さが均一でなくても、長さの長い保持体33の微細延出部35を変形させることにより、全ての保持体33の先端面に保持された発光ダイオードチップ50を、回路基板11に接触させることができる。さらに、微細延出部35が柔軟性を有していることにより、複数の保持体33上の発光ダイオードチップ50を回路基板11に押圧して接合する際、押圧力を全ての発光ダイオードチップ50に均一に付与することができる。したがって、保持体33から一部の発光ダイオードチップ50に高い押圧力が付与されて、当該発光ダイオードチップ50が破壊されてしまう、ということが防止される。また、各保持体33の先端部が複数の微細延出部35を有していることにより、保持体33上の発光ダイオードチップ50を回路基板11に接合させるための各保持体33からの押圧力を、対応する発光ダイオードチップ50の複数箇所に分散して付与することができる。これにより、発光ダイオードチップ50に局所的に押圧力が付与されて当該発光ダイオードチップ50が破壊されてしまう、ということが防止される。また、微細延出部35が柔軟性を有していることにより、各保持体33からの上記押圧力を、対応する発光ダイオードチップ50の複数箇所に均一に付与することができる。これにより、保持体33から発光ダイオードチップ50に押圧力が付与された際に当該発光ダイオードチップ50が破壊されてしまう、ということが、より一層効果的に防止される。
このように、本実施の形態の保持部材30によれば、回路基板11に発光ダイオードチップ50を効率よく配置することができ、発光基板10の生産性を向上させることができる。
本実施の形態において、粘着層36の粘着性は、加熱、冷却又は紫外線照射によって低下する。このため、保持部材30に保持された発光ダイオードチップ50を回路基板11に配置した後、発光ダイオードチップ50を粘着層36から剥離して保持部材30を取り除くことが容易である。
あるいは、本実施の形態の複数の発光ダイオードチップを保持する保持部材30であって、支持部31と、支持部31の一方の面上に二次元配列された複数の保持体33と、を備えている。そして、保持体33は、支持部31によって支持された基部34と、基部34から延出した複数の微細延出部35と、を有し、保持体33には、微細延出部35の先端面に開口した吸着孔37が形成されている。
このような保持部材30によれば、吸着孔37内のエアを吸引することにより、複数の発光ダイオードチップ50を複数の保持体33の先端面に吸着させて保持することができる。そして、保持した複数の発光ダイオードチップ50を、一括して発光基板10の回路基板11に配置することができる。また、保持体33の先端部が複数の微細延出部35で構成されていることにより、保持体33の先端部に柔軟性を持たせることができる。保持体33の先端部が複数の微細延出部35で構成され、柔軟性を有していることによっても、発光ダイオードチップ50の保持および回路基板11への配置を、効率的に行うことができる。
例えば、チップ基板40の発光ダイオードチップ50を保持体33に保持させる際、複数の保持体33の長さが均一でなくても、長さの長い保持体33の微細延出部35を変形させて、全ての保持体33の先端面(微細延出部35の先端面)をチップ基板40の表面に接触させることができる。これにより、全ての保持体33に発光ダイオードチップ50を吸着させ保持させることができる。さらに、微細延出部35が柔軟性を有していることにより、保持体33をチップ基板40の発光ダイオードチップ50に接触させための押圧力を、保持体33と接触している全ての発光ダイオードチップ50に均一に付与することができる。したがって、保持体33から一部の発光ダイオードチップ50に高い押圧力が付与されて、当該発光ダイオードチップ50が破壊されてしまう、ということが防止される。また、各保持体33の先端部が複数の微細延出部35を有していることにより、発光ダイオードチップ50を保持体33に接触させための各保持体33からの押圧力を、対応する発光ダイオードチップ50の複数箇所に分散して付与することができる。これにより、発光ダイオードチップ50に局所的に押圧力が付与されて当該発光ダイオードチップ50が破壊されてしまう、ということが防止される。また、微細延出部35が柔軟性を有していることにより、各保持体33からの上記押圧力を、対応する発光ダイオードチップ50の複数箇所に均一に付与することができる。これにより、保持体33から発光ダイオードチップ50に押圧力が付与された際に当該発光ダイオードチップ50が破壊されてしまうことが、より一層効果的に防止される。
また、保持体33に保持された発光ダイオードチップ50を回路基板11へ配置する際は、複数の保持体33の長さが均一でなくても、長さの長い保持体33の微細延出部35を変形させることにより、全ての保持体33の先端面に保持された発光ダイオードチップ50を、回路基板11に接触させることができる。さらに、微細延出部35が柔軟性を有していることにより、複数の保持体33上の発光ダイオードチップ50を回路基板11に押圧して接合する際、押圧力を全ての発光ダイオードチップ50に均一に付与することができる。したがって、保持体33から一部の発光ダイオードチップ50に高い押圧力が付与されて、当該発光ダイオードチップ50が破壊されてしまう、ということが防止される。また、各保持体33の先端部が複数の微細延出部35を有していることにより、保持体33上の発光ダイオードチップ50を回路基板11に接合させるための各保持体33からの押圧力を、対応する発光ダイオードチップ50の複数箇所に分散して付与することができる。これにより、発光ダイオードチップ50に局所的に押圧力が付与されて当該発光ダイオードチップ50が破壊されてしまう、ということが防止される。また、微細延出部35が柔軟性を有していることにより、各保持体33からの上記押圧力を、対応する発光ダイオードチップ50の複数箇所に均一に付与することができる。これにより、保持体33から発光ダイオードチップ50に押圧力が付与された際に当該発光ダイオードチップ50が破壊されてしまう、ということが、より一層効果的に防止される。
このように、本実施の形態の保持部材30によれば、回路基板11に発光ダイオードチップ50を効率よく配置することができ、発光基板10の生産性を向上させることができる。
本実施の形態において、微細延出部35のヤング率は、10GPa以下、より好ましくは5GPa以下である。このため、微細延出部35は十分な柔軟性を有している。
また、本実施の形態の保持体33は、発光ダイオードチップ50を保持する保持体33であって、基部34と、基部34から延出した複数の微細延出部35と、微細延出部35の先端面にそれぞれ設けられた粘着層36と、を備えている。
このような保持体33によれば、発光ダイオードチップ50を保持体33の粘着層36に接着させて保持することができる。また、保持体33の先端部が複数の微細延出部35で構成されていることにより、保持体33の先端部に柔軟性を持たせることができる。保持体33の先端部が複数の微細延出部35で構成され、柔軟性を有していることによっても、発光ダイオードチップ50の保持および回路基板11への配置を、効率的に行うことができる。
例えば、チップ基板40の発光ダイオードチップ50を保持体33に保持させる際、保持体33から発光ダイオードチップ50に押圧力を付与して発光ダイオードチップ50を保持体33の先端部(粘着層36)に接触させる。このとき、保持体33の先端部が複数の微細延出部35を有していることにより、上記押圧力を発光ダイオードチップ50の複数箇所に分散して付与することができる。これにより、発光ダイオードチップ50に押圧力が局所的に付与されて当該発光ダイオードチップ50が破壊されてしまう、ということが防止される。また、微細延出部35が柔軟性を有していることにより、上記押圧力を発光ダイオードチップ50の複数箇所に均一に付与することができる。これにより、保持体33から発光ダイオードチップ50に押圧力が付与された際に当該発光ダイオードチップ50が破壊されてしまうことが、より一層効果的に防止される。
また、保持体33に保持された発光ダイオードチップ50を回路基板11へ配置する際、保持体33から回路基板11へ向けて押圧力を付与して発光ダイオードチップ50を回路基板11に接合させる。このとき、保持体33の先端部が複数の微細延出部35を有していることにより、上記押圧力を発光ダイオードチップ50の複数箇所に分散して付与することができる。これにより、発光ダイオードチップ50に押圧力が局所的に付与されて当該発光ダイオードチップ50が破壊されてしまう、ということが防止される。また、微細延出部35が柔軟性を有していることにより、上記押圧力を発光ダイオードチップ50の複数箇所に均一に付与することができる。これにより、保持体33から発光ダイオードチップ50に押圧力が付与された際に当該発光ダイオードチップ50が破壊されてしまうことが、より一層効果的に防止される。
このように、本実施の形態の保持体33によれば、回路基板11に発光ダイオードチップ50を効率よく配置することができ、発光基板10の生産性を向上させることができる。
あるいは、本実施の形態の保持体33は、発光ダイオードチップを保持する保持体33であって、基部34と、基部34から延出した複数の微細延出部35と、を備えている。そして、微細延出部35の先端面に開口した吸着孔37が形成されている。
このような保持体33によれば、吸着孔37内のエアを吸引することにより、発光ダイオードチップ50を保持体33に吸着させて保持することができる。また、保持体33の先端部が複数の微細延出部35として構成されていることにより、保持体33の先端部に柔軟性を持たせることができる。保持体33の先端部が複数の微細延出部35で構成され、柔軟性を有していることによっても、発光ダイオードチップ50の保持および回路基板11への配置を、効率的に行うことができる。
例えば、チップ基板40の発光ダイオードチップ50を保持体33に保持させる際、保持体33から発光ダイオードチップ50に押圧力を付与して発光ダイオードチップ50を保持体33の先端部(微細延出部35の先端面)に接触させる。このとき、保持体33の先端部が複数の微細延出部35を有していることにより、上記押圧力を発光ダイオードチップ50の複数箇所に分散して付与することができる。これにより、発光ダイオードチップ50に押圧力が局所的に付与されて当該発光ダイオードチップ50が破壊されてしまう、ということが防止される。また、微細延出部35が柔軟性を有していることにより、上記押圧力を発光ダイオードチップ50の複数箇所に均一に付与することができる。これにより、保持体33から発光ダイオードチップ50に押圧力が付与された際に当該発光ダイオードチップ50が破壊されてしまうことが、より一層効果的に防止される。
また、保持体33に保持された発光ダイオードチップ50を回路基板11へ配置する際、保持体33から回路基板11へ向けて押圧力を付与して発光ダイオードチップ50を回路基板11に接合させる。このとき、保持体33の先端部が複数の微細延出部35を有していることにより、上記押圧力を発光ダイオードチップ50の複数箇所に分散して付与することができる。これにより、発光ダイオードチップ50に押圧力が局所的に付与されて当該発光ダイオードチップ50が破壊されてしまう、ということが防止される。また、微細延出部35が柔軟性を有していることにより、上記押圧力を発光ダイオードチップ50の複数箇所に均一に付与することができる。これにより、保持体33から発光ダイオードチップ50に押圧力が付与された際に当該発光ダイオードチップ50が破壊されてしまうことが、より一層効果的に防止される。
このように、本実施の形態の保持体33によれば、回路基板11に発光ダイオードチップ50を効率よく配置することができ、発光基板10の生産性を向上させることができる。
また、本実施の形態の発光基板10の製造方法は、ダイシングされた発光ダイオードチップ50を有するチップ基板40を上記保持部材30の粘着層36に接触させて、発光ダイオードチップ50を複数の保持体33に保持させる工程と、保持体33に保持された発光ダイオードチップ50を、回路基板11上に異方性導電性粘着層12またははんだ層を介して配置して、異方性導電性粘着層12またははんだ層に接触させる工程と、発光ダイオードチップ50を保持する複数の保持体33を回路基板11に向けて押圧し、各発光ダイオードチップ50と回路基板11とを接合し且つ各発光ダイオードチップ50と回路基板11に形成された回路13とを電気的に接続する工程と、回路基板11と接合した発光ダイオードチップ50を粘着層36から剥離させる工程と、を含んでいる。
このような発光基板10の製造方法によれば、複数の発光ダイオードチップ50を複数の保持体33の粘着層36に接着させて保持し、保持した複数の発光ダイオードチップ50を、一括して発光基板10の回路基板11に配置することができる。したがって、発光ダイオードチップ50の保持および回路基板11への配置を、効率的に行うことができる。また、保持体33の先端部が複数の微細延出部35で構成され、保持体33の先端部は柔軟性を有している。保持体33の先端部が複数の微細延出部35で構成され、柔軟性を有していることによっても、発光ダイオードチップ50の保持および回路基板11への配置を、効率的に行うことができる。
例えば、発光ダイオードチップ50を複数の保持体33に保持させる工程では、複数の保持体33の長さが均一でなくても、長さの長い保持体33の微細延出部35を変形させて、全ての保持体33の先端面(粘着層36)をチップ基板40の表面に接触させることができる。これにより、全ての保持体33に発光ダイオードチップ50を接着させて保持させることができる。さらに、微細延出部35が柔軟性を有していることにより、保持体33をチップ基板40の発光ダイオードチップ50に接触させための押圧力を、保持体33と接触している全ての発光ダイオードチップ50に均一に付与することができる。したがって、保持体33から一部の発光ダイオードチップ50に高い押圧力が付与されて、当該発光ダイオードチップ50が破壊されてしまう、ということが防止される。また、各保持体33の先端部が複数の微細延出部35を有していることにより、発光ダイオードチップ50を保持体33に接触させための各保持体33からの押圧力を、対応する発光ダイオードチップ50の複数箇所に分散して付与することができる。これにより、発光ダイオードチップ50に押圧力が局所的に付与されて当該発光ダイオードチップ50が破壊されてしまう、ということが防止される。また、微細延出部35が柔軟性を有していることにより、各保持体33からの上記押圧力を、対応する発光ダイオードチップ50の複数箇所に均一に付与することができる。これにより、保持体33から発光ダイオードチップ50に押圧力が付与された際に当該発光ダイオードチップ50が破壊されてしまうことが、より一層効果的に防止される。
また、発光ダイオードチップ50を回路基板11上の異方性導電性粘着層12またははんだ層に接触させる工程では、複数の保持体33の長さが均一でなくても、長さの長い保持体33の微細延出部35を変形させることにより、全ての保持体33に保持された発光ダイオードチップ50を、異方性導電性粘着層12またははんだ層に接触させることができる。
さらに、発光ダイオードチップ50を保持する複数の保持体33を回路基板11に向けて押圧して、保持部材30に保持された発光ダイオードチップ50と回路基板11とを電気的に接続する工程では、微細延出部35が柔軟性を有していることにより、押圧力を全ての発光ダイオードチップ50に均一に付与することができる。したがって、保持体33から一部の発光ダイオードチップ50に高い押圧力が付与されて、当該発光ダイオードチップ50が破壊されてしまう、ということが防止される。また、各保持体33の先端部が複数の微細延出部35を有していることにより、保持体33上の発光ダイオードチップ50を回路基板11に接合させるための各保持体33からの押圧力を、対応する発光ダイオードチップ50の複数箇所に分散して付与することができる。これにより、発光ダイオードチップ50に局所的に押圧力が付与されて当該発光ダイオードチップ50が破壊されてしまう、ということが防止される。また、微細延出部35が柔軟性を有していることにより、各保持体33からの上記押圧力を、対応する発光ダイオードチップ50の複数箇所に均一に付与することができる。これにより、保持体33から発光ダイオードチップ50に押圧力が付与された際に当該発光ダイオードチップ50が破壊されてしまう、ということが、より一層効果的に防止される。
このように、本実施の形態の発光基板10の製造方法によれば、回路基板11に発光ダイオードチップ50を効率よく配置することができ、発光基板10の生産性を向上させることができる。
あるいは、本発明の発光基板10の製造方法は、ダイシングされた発光ダイオードチップ50を有するチップ基板41を上記保持部材30の粘着層36に接触させて、発光ダイオードチップ50を複数の保持体33に保持させる工程と、保持体33に保持された発光ダイオードチップ50を、回路基板11上に異方性導電性粘着層12またははんだ層を介して配置して、異方性導電性粘着層12またははんだ層に接触させる工程と、発光ダイオードチップ50と接触した異方性導電性粘着層12またははんだ層を加熱し、および/または、発光ダイオードチップ50を保持する複数の保持体33を回路基板11に向けて押圧し、各発光ダイオードチップ50と回路基板11とを接合する工程と、回路基板11と接合した発光ダイオードチップ50を粘着層36から剥離させる工程と、発光ダイオードチップ50が接合した回路基板11の異方性導電性粘着層12またははんだ層を加熱して、粘着層36から剥離された各発光ダイオードチップ50と回路基板11に形成された回路13とを電気的に接続する工程と、を含む。
このような発光基板10の製造方法によっても、上述した発光基板10の製造方法と同様の効果が得られる。さらに、このような製造方法によれば、保持部材30や粘着層36の材料の選択の自由度が向上する。すなわち、一般に、各発光ダイオードチップ50と回路基板11に形成された回路13とを電気的に接続する際、異方性導電性粘着層12またははんだ層を高温にし、発光ダイオードチップ50と回路基板11とを互いに高圧で押圧する必要がある。したがって、各発光ダイオードチップ50と回路基板11に形成された回路13とを電気的に接続する工程を、発光ダイオードチップ50が粘着層36を介して保持部材30に保持された状態で、保持部材30を回路基板11に向けて押圧しながら行う場合、保持部材30および粘着層36を形成する材料として、上記高温および高圧の条件に耐えられる材料を選択する必要がある。しかしながら、上述したように、各発光ダイオードチップ50と回路基板11に形成された回路13とを電気的に接続する工程を、発光ダイオードチップ50を保持部材30の粘着層36から剥離させた後で行う場合は、保持部材30および粘着層36を形成する材料として、上記高温および高圧の条件に耐えられる材料を選択する必要がない。したがって、保持部材30や粘着層36の材料の選択の自由度が向上する。なお、この製造方法では、各発光ダイオードチップ50と回路基板11に形成された回路13とを電気的に接続する工程において、各発光ダイオードチップ50を回路基板11に向けて押圧しながら異方性導電性粘着層12またははんだ層を加熱してもよい。
あるいは、本実施の形態の発光基板10の製造方法は、ダイシングされた発光ダイオードチップ50を有するチップ基板40を、加熱、冷却又は紫外線照射によって粘着性が低下する粘着層36を有する上記保持部材30の粘着層に接触させて、発光ダイオードチップ50を複数の保持体33に保持させる工程と、保持体33に保持された発光ダイオードチップ50を、回路基板11上に異方性導電性粘着層12またははんだ層を介して配置して、異方性導電性粘着層12またははんだ層に接触させる工程と、発光ダイオードチップ50を保持する複数の保持体33を回路基板11に向けて押圧し、各発光ダイオードチップ50と回路基板11とを接合し且つ各発光ダイオードチップ50と回路基板11に形成された回路13とを電気的に接続する工程と、回路基板11と接合した発光ダイオードチップ50を粘着層36から剥離させる工程と、を含んでいる。そして、発光ダイオードチップ50を剥離させる工程の前に、加熱、冷却又は紫外線照射によって粘着層36の粘着性を低下させる。
このような発光基板10の製造方法によれば、複数の発光ダイオードチップ50を複数の保持体33の粘着層36に接着させて保持し、保持した複数の発光ダイオードチップ50を、一括して発光基板10の回路基板11に配置することができる。したがって、発光ダイオードチップ50の保持および回路基板11への配置を、効率的に行うことができる。また、保持体33の先端部が複数の微細延出部35で構成され、保持体33の先端部は柔軟性を有している。保持体33の先端部が複数の微細延出部35で構成され、柔軟性を有していることによっても、発光ダイオードチップ50の保持および回路基板11への配置を、効率的に行うことができる。
例えば、発光ダイオードチップ50を複数の保持体33に保持させる工程では、複数の保持体33の長さが均一でなくても、長さの長い保持体33の微細延出部35を変形させて、全ての保持体33の先端面(粘着層36)をチップ基板40の表面に接触させることができる。これにより、全ての保持体33に発光ダイオードチップ50を接着させて保持させることができる。さらに、微細延出部35が柔軟性を有していることにより、保持体33をチップ基板40の発光ダイオードチップ50に接触させための押圧力を、保持体33と接触している全ての発光ダイオードチップ50に均一に付与することができる。したがって、保持体33から一部の発光ダイオードチップ50に高い押圧力が付与されて、当該発光ダイオードチップ50が破壊されてしまう、ということが防止される。また、各保持体33の先端部が複数の微細延出部35を有していることにより、発光ダイオードチップ50を保持体33に接触させための各保持体33からの押圧力を、対応する発光ダイオードチップ50の複数箇所に分散して付与することができる。これにより、発光ダイオードチップ50に押圧力が局所的に付与されて当該発光ダイオードチップ50が破壊されてしまう、ということが防止される。また、微細延出部35が柔軟性を有していることにより、各保持体33からの上記押圧力を、対応する発光ダイオードチップ50の複数箇所に均一に付与することができる。これにより、保持体33から発光ダイオードチップ50に押圧力が付与された際に当該発光ダイオードチップ50が破壊されてしまうことが、より一層効果的に防止される。
また、発光ダイオードチップ50を回路基板11上の異方性導電性粘着層12またははんだ層に接触させる工程では、複数の保持体33の長さが均一でなくても、長さの長い保持体33の微細延出部35を変形させることにより、全ての保持体33に保持された発光ダイオードチップ50を、異方性導電性粘着層12またははんだ層に接触させることができる。
さらに、発光ダイオードチップ50を保持する複数の保持体33を回路基板11に向けて押圧して、保持部材30に保持された発光ダイオードチップ50と回路基板11とを電気的に接続する工程では、微細延出部35が柔軟性を有していることにより、押圧力を全ての発光ダイオードチップ50に均一に付与することができる。したがって、保持体33から一部の発光ダイオードチップ50に高い押圧力が付与されて、当該発光ダイオードチップ50が破壊されてしまう、ということが防止される。また、各保持体33の先端部が複数の微細延出部35を有していることにより、保持体33上の発光ダイオードチップ50を回路基板11に接合させるために各保持体33から付与される押圧力を、対応する発光ダイオードチップ50の複数箇所に分散して付与することができる。これにより、発光ダイオードチップ50に押圧力が局所的に付与されて当該発光ダイオードチップ50が破壊されてしまう、ということが防止される。また、微細延出部35が柔軟性を有していることにより、各保持体33からの上記押圧力を、対応する発光ダイオードチップ50の複数箇所に均一に付与することができる。これにより、保持体33から発光ダイオードチップ50に押圧力が付与された際に当該発光ダイオードチップ50が破壊されてしまう、ということが、より一層効果的に防止される。
また、回路基板11と接合した発光ダイオードチップ50を粘着層36から剥離させる工程では、発光ダイオードチップ50を保持部材30に粘着(接着)させる粘着層36を加熱、冷却又は紫外線照射をするだけで、発光ダイオードチップ50を粘着層36から容易に剥離することができる。
このように、本実施の形態の発光基板10の製造方法によれば、回路基板11に発光ダイオードチップ50を効率よく配置することができ、発光基板10の生産性を向上させることができる。
また、上記発光基板10の製造方法において、各発光ダイオードチップ50と回路13とを電気的に接続する工程において、発光ダイオードチップ50を保持する保持体33を回路基板11に向けて加熱、冷却又は紫外線照射しながら押圧する。これにより、各発光ダイオードチップ50と回路13とを電気的に接続しつつ、粘着層36の粘着性を低下させることができる。
あるいは、本発明の発光基板10の製造方法は、ダイシングされた発光ダイオードチップ50を有するチップ基板41を上記保持部材30の粘着層36に接触させて、発光ダイオードチップ50を複数の保持体33に保持させる工程と、保持体33に保持された発光ダイオードチップ50を、回路基板11上に異方性導電性粘着層12またははんだ層を介して配置して、異方性導電性粘着層12またははんだ層に接触させる工程と、発光ダイオードチップ50と接触した異方性導電性粘着層12またははんだ層を加熱し、および/または、発光ダイオードチップ50を保持する複数の保持体33を回路基板11に向けて押圧し、各発光ダイオードチップ50と回路基板11とを接合する工程と、回路基板11と接合した発光ダイオードチップ50を粘着層36から剥離させる工程と、発光ダイオードチップ50が接合した回路基板11の異方性導電性粘着層12またははんだ層を加熱して、粘着層36から剥離された各発光ダイオードチップ50と回路基板11に形成された回路13とを電気的に接続する工程と、を含み、発光ダイオードチップ50を剥離させる工程の前に、加熱、冷却又は紫外線照射によって粘着層36の粘着性を低下させる。
このような発光基板10の製造方法によっても、上述した発光基板10の製造方法と同様の効果が得られる。さらに、このような製造方法によれば、保持部材30や粘着層36の材料の選択の自由度が向上する。すなわち、一般に、各発光ダイオードチップ50と回路基板11に形成された回路13とを電気的に接続する際、異方性導電性粘着層12またははんだ層を高温にし、発光ダイオードチップ50と回路基板11とを互いに高圧で押圧する必要がある。したがって、各発光ダイオードチップ50と回路基板11に形成された回路13とを電気的に接続する工程を、発光ダイオードチップ50が粘着層36を介して保持部材30に保持された状態で、保持部材30を回路基板11に向けて押圧しながら行う場合、保持部材30および粘着層36を形成する材料として、上記高温および高圧の条件に耐えられる材料を選択する必要がある。しかしながら、上述したように、各発光ダイオードチップ50と回路基板11に形成された回路13とを電気的に接続する工程を、発光ダイオードチップ50を保持部材30の粘着層36から剥離させた後で行う場合は、保持部材30および粘着層36を形成する材料として、上記高温および高圧の条件に耐えられる材料を選択する必要がない。したがって、保持部材30や粘着層36の材料の選択の自由度が向上する。なお、この製造方法では、各発光ダイオードチップ50と回路基板11に形成された回路13とを電気的に接続する工程において、各発光ダイオードチップ50を回路基板11に向けて押圧しながら異方性導電性粘着層12またははんだ層を加熱してもよい。
あるいは、本実施の形態の発光基板の製造方法は、ダイシングされた発光ダイオードチップ50を有するチップ基板40を吸着孔37が形成された上記複数の保持体33に接触させて、吸着孔37内のエアを吸引することによって、発光ダイオードチップ50を保持体33に吸着させて保持させる工程と、保持体33に保持された発光ダイオードチップ50を、回路基板11上に異方性導電性粘着層12またははんだ層を介して配置して、異方性導電性粘着層12またははんだ層に接触させる工程と、発光ダイオードチップ50を保持する複数の保持体33を回路基板11に向けて押圧し、各発光ダイオードチップ50と回路基板11とを接合し且つ各発光ダイオードチップ50と回路基板11に形成された回路13とを電気的に接続する工程と、回路基板11と接合した発光ダイオードチップ50の保持体33への吸着力を低下させて、保持部材30を回路基板11から離間させる工程と、を含んでいる。
このような発光基板10の製造方法によれば、吸着孔37内のエアを吸引することにより、複数の発光ダイオードチップ50を複数の保持体33の先端面に吸着させて保持し、保持した複数の発光ダイオードチップ50を、一括して発光基板10の回路基板11に配置することができる。したがって、発光ダイオードチップ50の保持および回路基板11への配置を、効率的に行うことができる。また、保持体33の先端部が複数の微細延出部35で構成され、保持体33の先端部は柔軟性を有している。保持体33の先端部が複数の微細延出部35で構成され、柔軟性を有していることによっても、発光ダイオードチップ50の保持および回路基板11への配置を、効率的に行うことができる。
例えば、発光ダイオードチップ50を複数の保持体33に保持させる工程では、複数の保持体33の長さが均一でなくても、長さの長い保持体33の微細延出部35を変形させて、全ての保持体33の先端面(微細延出部35の先端面)をチップ基板40の表面に接触させることができる。これにより、全ての保持体33に発光ダイオードチップ50を吸着させ保持させることができる。さらに、微細延出部35が柔軟性を有していることにより、保持体33をチップ基板40の発光ダイオードチップ50に接触させための押圧力を、保持体33と接触している全ての発光ダイオードチップ50に均一に付与することができる。したがって、保持体33から一部の発光ダイオードチップ50に高い押圧力が付与されて、当該発光ダイオードチップ50が破壊されてしまう、ということが防止される。また、各保持体33の先端部が複数の微細延出部35を有していることにより、発光ダイオードチップ50を保持体33に接触させための各保持体33からの押圧力を、対応する発光ダイオードチップ50の複数箇所に分散して付与することができる。これにより、発光ダイオードチップ50に局所的に押圧力が付与されて当該発光ダイオードチップ50が破壊されてしまう、ということが防止される。また、微細延出部35が柔軟性を有していることにより、各保持体33からの上記押圧力を、対応する発光ダイオードチップ50の複数箇所に均一に付与することができる。これにより、保持体33から発光ダイオードチップ50に押圧力が付与された際に当該発光ダイオードチップ50が破壊されてしまうことが、より一層効果的に防止される。
また、発光ダイオードチップ50を回路基板11上の異方性導電性粘着層12またははんだ層に接触させる工程では、複数の保持体33の長さが均一でなくても、長さの長い保持体33の微細延出部35を変形させることにより、全ての保持体33の先端面に保持された発光ダイオードチップ50を、異方性導電性粘着層12またははんだ層に接触させることができる。
さらに、発光ダイオードチップ50を保持する複数の保持体33を回路基板11に向けて押圧して、保持部材30に保持された発光ダイオードチップ50と回路基板11とを電気的に接続する工程では、微細延出部35が柔軟性を有していることにより、押圧力を全ての発光ダイオードチップ50に均一に付与することができる。したがって、保持体33から一部の発光ダイオードチップ50に高い押圧力が付与されて、当該発光ダイオードチップ50が破壊されてしまう、ということが防止される。また、各保持体33の先端部が複数の微細延出部35を有していることにより、保持体33上の発光ダイオードチップ50を回路基板11に接合させるために各保持体33から付与される押圧力を、対応する発光ダイオードチップ50の複数箇所に分散して付与することができる。これにより、発光ダイオードチップ50に局所的に押圧力が付与されて当該発光ダイオードチップ50が破壊されてしまう、ということが防止される。また、微細延出部35が柔軟性を有していることにより、各保持体33からの上記押圧力を、対応する発光ダイオードチップ50の複数箇所に均一に付与することができる。これにより、保持体33から発光ダイオードチップ50に押圧力が付与された際に当該発光ダイオードチップ50が破壊されてしまう、ということが、より一層効果的に防止される。
このように、本実施の形態の発光基板10の製造方法によれば、回路基板11に発光ダイオードチップ50を効率よく配置することができ、発光基板10の生産性を向上させることができる。
あるいは、本発明の発光基板10の製造方法は、ダイシングされた発光ダイオードチップ50を有するチップ基板41を上記複数の保持体33に接触させて、吸着孔37内のエアを吸引することによって、発光ダイオードチップ50を複数の保持体33に吸着させて保持させる工程と、保持体33に保持された発光ダイオードチップ50を、回路基板11上に異方性導電性粘着層12またははんだ層を介して配置して、異方性導電性粘着層12またははんだ層に接触させる工程と、発光ダイオードチップ50と接触した異方性導電性粘着層12またははんだ層を加熱し、および/または、発光ダイオードチップ50を保持する複数の保持体33を回路基板11に向けて押圧し、各発光ダイオードチップ50と回路基板11とを接合する工程と、回路基板11と接合した発光ダイオードチップ50の保持体33への吸着力を低下させて、保持部材30を回路基板11から離間させる工程と、発光ダイオードチップ50が接合した回路基板11の異方性導電性粘着層12またははんだ層を加熱して、各発光ダイオードチップ50と回路基板11に形成された回路13とを電気的に接続する工程と、を含む。
このような発光基板10の製造方法によっても、上述した発光基板10の製造方法と同様の効果が得られる。さらに、このような製造方法によれば、保持部材30の材料の選択の自由度が向上する。すなわち、一般に、各発光ダイオードチップ50と回路基板11に形成された回路13とを電気的に接続する際、異方性導電性粘着層12またははんだ層を高温にし、発光ダイオードチップ50と回路基板11とを互いに高圧で押圧する必要がある。したがって、各発光ダイオードチップ50と回路基板11に形成された回路13とを電気的に接続する工程を、発光ダイオードチップ50が保持部材30に保持された状態で、保持部材30を回路基板11に向けて押圧しながら行う場合、保持部材30を形成する材料として、上記高温および高圧の条件に耐えられる材料を選択する必要がある。しかしながら、上述したように、各発光ダイオードチップ50と回路基板11に形成された回路13とを電気的に接続する工程を、保持部材30を回路基板11から離間させた後(すなわち、発光ダイオードチップ50を保持部材30から離間させた後)で行う場合は、保持部材30を形成する材料として、上記高温および高圧の条件に耐えられる材料を選択する必要がない。したがって、保持部材30の材料の選択の自由度が向上する。なお、この製造方法では、各発光ダイオードチップ50と回路基板11に形成された回路13とを電気的に接続する工程において、各発光ダイオードチップ50を回路基板11に向けて押圧しながら異方性導電性粘着層12またははんだ層を加熱してもよい。
なお、上述した発光基板10は、表示装置1以外にも、例えば照明装置に用いられてもよい。