JP2020064558A - 配線板、および配線板を含むタッチパネル基板、並びにタッチパネル表示装置 - Google Patents
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Abstract
Description
しかしながら、エッチング法では、上記した通り多くの工程が必要であり、しかもその工程は非常に煩雑であり、金属膜の溶解除去等による材料ロスなどの問題がある。
さらには、それらを1回の印刷で形成しなければならないが、それに対応するには公知技術では不十分であり、導電性パターン印刷物に関して更なる改善の余地があった。
また、タッチパネルの配線では、パネル側から使用者が電極を認識してしまう、いわゆる視認性の問題があり、光の反射による視認を抑制することが求められる。
そのため、電極に金属薄膜を用いた場合、金属薄膜からの反射を抑制すること、即ち電極を視認しにくくすることが求められる。この金属薄膜からの反射が抑制されることを、以下「視認性が改善される」という。
さらには、特許文献10で開示されている方法では、金属の黒色化処理によるブリッジ電極の反射率低減化技術は示されているが、電気抵抗率の低減は全く考慮されていない。
そのため、上記例示では、金属酸化物により電極が高抵抗化する場合もあり、電極には不適である。また、上記特許文献10には、Ag窒化物やMg酸化物などのように反応性が高く取り扱いが困難である金属も含まれているという問題点があった。
光透過性基板上に、畝状の第1配線と、第1配線の上部を覆うように積層された畝状の第2配線とからなる複数の積層型配線が設けられ、
前記第1配線は光吸収性を有し、
前記第2配線は導電性を有し、
前記複数の積層型配線は、少なくともそのうちの一つが他の一つと接点を有しており、
かつ、積層型配線の線長方向に垂直な断面において、
第1配線の幅W1と第2配線の幅W1が下記(式1)の関係を満たすことを特徴とする。
W1<W2 ・・・(式1)
前記積層型配線の線長方向に垂直な断面において、
第1配線の一方の端部と基板との接点と、第2配線の同側の端部と基板との接点との間の見かけ上の距離をD1とし、第1配線の他方の端部と基板との接点と、第2配線の同側の端部と基板との接点との間の見かけ上の距離をD2としたとき、
下記(式2a)、(式2b)の関係を満たすことを特徴とする。
0≦D1≦4μm ・・・(式2a)
0≦D2≦4μm ・・・(式2b)
前記積層型配線の線長方向に垂直な断面において、第1配線の高さをH1、前記積層型配線の高さHLから第1配線の高さH1を除いた第2配線の高さをH2とすると、H1が0.4μmから3μmの範囲内であり、かつH2が0.5μmから4μmの範囲内であることを特徴とする。
前記積層型配線の線長方向に垂直な断面において、
第1配線の幅W1が3.0μmから50.0μmの範囲内であり、かつ第2配線の幅W2が3.5μmから58.0μmの範囲内であることを特徴とする。
前記第1配線および第2配線が、グラビアオフセット印刷法により形成されたことを特徴とする。
前記いずれかに記載の配線板を含むタッチパネル基板である。
前記いずれかに記載の配線板を含むタッチパネル表示装置である。
本発明に係るタッチパネル表示装置の第1の実施の形態は、タッチパネルと液晶パネル等の表示装置を含む。本実施形態のタッチパネル表示装置500の構成例を図2に示す。本実施形態に係るタッチパネル表示装置500はタッチパネル110と液晶パネル400から成る。
本発明の第1の実施形態のタッチパネルは、指を接触させる側から、光透過性基板、光透過性粘着層、光透過性基板、第1配線および第2配線を含む配線層、絶縁粘着層、光透過性基板、第1配線および第2配線を含む配線層、光透過性粘着層、をこの順に含む。
本実施形態のタッチパネル110は、光透過性基板101、光透過性粘着層102、光透過性基板103、第1配線120および第2配線122を含む配線層104、絶縁性粘着層105、光透過性基板106、および第1配線124および第2配線126を含む配線層107および光透過性粘着層108をこの順に積層した構造を有する。本発明のタッチパネル110は、光透過性基板101の側から指で押す、静電容量式構造を有する。
本発明のタッチパネルは配線板100または200を有する。
図1(a)に示すように、配線板100は、光透過性基板103に、第1配線120上に第2配線124が積層した複数の積層型配線130からなる配線層104を有する。
また、配線板200は、図1(b)に示すように、光透過性基板106に、第1配線122上に第2配線126が積層した複数の積層型配線132からなる配線層107を有する。
積層型配線130が配線板のX方向に配列した配線とするとき、積層型配線132はY方向に配列している。
積層型配線130と積層型配線132は、タッチパネル表示面の鉛直方向においては同等の構造であり、以降積層型配線130で説明する。
より具体的には、図4(b)は、積層型配線130と光透過性基板103の表層を通る、図4(a)の切断線IIa−IIaに沿った断面図である。図4(b)に示すように、積層型配線130は、光透過性基板103側より第1配線120および第2配線124からなり、第2配線124は第1配線120を覆うように積層して配置される。
ここで、積層型配線の意味について説明する。 図4(b)に示すように、視認性を抑制する(遮蔽性を有する)第1配線を覆うように導電性を有する第2配線が形成される。そして図3に示すように、タッチパネル(表示装置)の操作者は、光透過性基板101側から操作を行う。図4(b)では、操作者は光透過性基板103の側から見ることになる
ので、本発明の構成のように視認性を抑制する第1配線を設けることで、金属光沢を有する第2配線のうち、操作者側から見える最も面積の大きい第2配線の弧の部分を覆うことができる。このため、第2配線の金属光沢を操作者側から観察しにくくすることが可能となる。
後述するように本発明では、第1配線が光反射を抑制することによって第2配線の視認性改善を行った。第1配線が光を透過しないことでも同様の効果を得ることができる。第1配線が光を透過しない構成の例として、第1配線を着色することでも同様の効果を得ることができる。
また、第1配線が光を吸収することでも第2配線の視認性改善を行うことが可能である。第1配線に光吸収性を付与することも着色の範囲とする。
着色は、第1配線の材料に着色する物質を混ぜて構成しても良いし、第1配線の表面に着色する物質を塗工しても良い。着色によって光反射を抑制することも、光を吸収することも選択できる。
このため、本発明では第1配線が第2配線の光反射を抑制すること、第1配線が光吸収性を有することを含め、光吸収性を有すると呼ぶ。
光透過性基板103は、所定の光(好ましくは可視領域の光)を透過する板状部材である。その材料は、ガラス、プラスチックなどの従来から表示装置に利用されているものであればよく、特に限定されない。光透過性基板103は、ガラス板、ポリマーから構成される板またはフィルムなどであることが好ましい。
図6に、配線板100の上面形状の構成例の斜視断面図を示す。
基板103上に積層型配線130が畝状に配置され、光透過性基板の表面方向に平行な方
向で複数の積層型配線130a、130b、130cがそれぞれ接点を有する。
積層型配線130において、隣接する畝状の積層型配線130a、130b、130c間の距離は、200μm以上、2mm以下であることが望ましい。図6を参照して説明すると、平行に配置された積層型配線130a、130b、130cの各稜線部間の距離が上述の範囲にあることが望ましい。
積層型配線130が上述のような形状を有することで、光透過性基板との十分な接着力と配線に必要な低い抵抗率を得ることができる。
W1 < W2 ・・・(式1)
0 ≦ D1 ≦ 4μm ・・・(式2a)
0 ≦ D2 ≦ 4μm ・・・(式2b)
図3は、タッチパネル110の層構成を示す断面図である。
図3において、指の接触のある光透過性基板101側からの目視に対して、配線層104、107に含まれる第1配線は積層型配線130の視認性を抑制するのに有効である。
例えば、配線140を覆うように基板150の表面150a上に被覆層(図示略)を形成する場合には、配線の断面形状が図9に示すような形状であると、配線の光透過性基板150との接点の近傍領域は、被覆層を形成できずに空隙部を生じ易い。
本発明に係る配線板の形成に用いられる印刷用組成物は導電性粉末を含有する。この印刷用組成物に含有される導電性粉末としては、特に限定はないが、具体的には、例えば、ニッケル、銅、金、銀、アルミニウム、亜鉛、スズ、鉛、クロム、白金、パラジウム、タングステン、モリブデン、インジウム、クロム、ケイ素、ゲルマニウム等の金属の粉末;これらの合金の粉末;これらの混合体の粉末;これらの金属の化合物で良好な導電性を有する粉末;酸化銀、酸化銅、酸化アルミニウム、酸化ニッケル、酸化スズ等の金属酸化物の粉末;無機物又は有機物の粒子を金属の被膜で覆った粉末;カーボンブラック、チオフェン、アニリン等の有機導電性の粉末;等が挙げられる。中でも、ニッケル、銅、金、銀、アルミニウム、白金、パラジウム等の金属の粉末;これらの合金の粉末;等が好ましく、銀粉末が、安定した高い導電性を有し、酸化され難く、熱伝導特性も良好で、安価で特に好ましい。
黒色の色材は、カーボン、カーボンナノチューブ、グラフェンあるいは、複数の有機顔料の混合物が適用できる。例えば、カーボンを主たる色材として用い、反射色の調整のため、青もしくは赤などの有機顔料を添加して用いることができる。
本発明の配線板の印刷用組成物に含有される有色顔料は特に限定はないが、具体的には、例えば、鉛丹、酸化鉄赤、ウルトラマリン青、プロシア青、カーボンブラック、等の無機顔料や、イソインドリノン、イソインドリン、アゾメチン、アントラキノン、アントロン、キサンテンジケトピロロピロール、ペリレン、アントラキノン(アントロン)、ペリノン、キナクリドン、インジゴイド、キナクリドン、ジケトピロロピロール、アントラキノン、ペリレン、ペリノン、インジゴイド、ジオキサジン、キナクリドン、ペリレン、インジゴイド、アントラキノン(、アントロン)、キサンテン、フタロシアニン、アントラキノン、インジゴイド、フタロシアニン、アゾメチン、ペリレン、等の有機顔料が挙げられる。
本発明の配線板の印刷用組成物はバインダー樹脂を含有してもよい。バインダー樹脂は、印刷後に基板上で樹脂皮膜を形成し、基板上に粉末を固着させる。硬化して樹脂になる硬化性化合物(硬化性樹脂)のような、エポキシ樹脂、多官能アクリルモノマー(オリゴマー)等の比較的低分子量の硬化性化合物(硬化性樹脂)も含まれる。また、それらの混合物も含まれる。
バインダー樹脂としては、特に限定はされないが、硬化性の官能基を含まないものとしては、具体的には、例えば、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリ塩化ビニル、塩化ビニルと他の不飽和二重結合含有モノマーとの共重合体、ポリ酢酸ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、(メタ)アクリル酸エステルの単独重合体、(メタ)アクリル酸エステルと他の不飽和二重結合含有モノマーとの共重合体、ポリスチレン、スチレンと他の不飽和二重結合含有モノマーとの共重合体、ケトン−ホルムアルデヒド縮合体若しくはその水素添加物、エポキシ樹脂、フェノキシ樹脂、ポリビニルアセタール若しくはその共重合体、ポリウレタン、ポリウレア、ポリアミド等が挙げられる。これらは単独又は2種以上を併用することができる。更に、上記の樹脂(重合体)の側鎖若しくは末端に硬化性の官能基を有している樹脂(重合体)等も挙げられる。これらは、官能基のあるものもないものも含めた上で、単独又は2種以上を併用することができる。
官能基を有するものが好ましい。官能基として水酸基を有する多価アルコール、エポキシ基(グリシジル基)を有するエポキシ樹脂(グリシジル化合物)、カルボキシル基を有する多価カルボン酸、(メタ)アクリル基を有する(メタ)アクリレートモノマー若しくはオリゴマー等が特に好ましい。
本発明で用いることができる溶剤は、特に限定はされないが、例えば、常圧での沸点が200℃以上である、有機溶媒、例えば、2,4−ジエチル−1,5−ペンタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、トリプロピレングリコール、トリエチレングリコール、1,2−ヘキサンジオール、1.3ブチレングリコール、1,3−プロパンジオール、ジプロピレングリコール、2−ブテン−1,4−ジオール等のジオール溶媒が挙げられる。また、グリセリン、1,2,4−ブタントリオール、1,2,6−ヘキサントリオール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,2−ブタンジオール、プロピレングリコール、2−メチルペンタン−2,4−ジオール、等の多価アルコールや、ブチルトリグリコール、イソブチルジグリコール、2−ブトキシエタノール、3−メトキシ−3−メチルブタノール、2−(2−メトキシエトキシ)エタノール、2−(2−ヘキシルオキシエトキシ)エタノール、等の1価のアルコール、トリプロピレングリコール−n−ブチルエーテル、ブチルカルビトール、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、トリプロピレングリコールメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、トリエチレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノヘキシルエーテル、ジプロピレングリコールメチルエーテル、プロピレングリコールジアセテート、1,4−ブタンジオールジビニルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、等グリコールエーテル、グリコールエステル、テルペン系溶媒、炭化水素溶媒、アルコール溶媒等が挙げられる。また、例えば、テトラデカン、オクタデカン、ヘプタメチルノナン、テトラメチルペンタデカン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナン、デカン、トリデカン、メチルペンタン、ノルマルパラフィン、イソパラフィン等の飽和又は不飽和脂肪族炭化水素化合物、トルエン、キシレン等環状炭化水素化合物、リモネン、ジペンテン、テルピネン、ターピネン(テルピネンともいう。)、ネソール、シネン、オレンジフレーバー、テルピノレン、ターピノレン(テルピノレンともいう。)、フェランドレン、メンタジエン、テレベン、ジヒドロサイメン、モスレン、イソテルピネン、イソターピネン(イソテルピネンともいう。)、クリトメン、カウツシン、カジェプテン、オイリメン、ピネン、テレビン、メンタン、ピナン、テルペン、シクロヘキサン等脂環式炭化水素化合物、ヘプタノール、オクタノール(1−オクタノール、2−オクタノール、3−オクタノール等)、デカノール(1−デカノール等)、ラウリルアルコール、テトラデシルアルコール、セチルアルコール、2−エチル−1−ヘキサノール、オクタデシルアルコール、ヘキサデセノール、オレイルアルコール等の飽和又は不飽和の炭素数6〜30の脂肪族アルコール等脂肪族アルコール、クレゾール、オイゲノール等環状アルコール、シクロヘキサノール等のシクロアルカノール、ターピネオール(テルピネオール、α、β、γ異性体、又はこれらの任意の混合物を含む。)、ジヒドロテルピネオール等のテルペンアルコール(モノテルペンアルコール等)、ジヒドロターピネオール、ミルテノール、ソブレロール、メントール、カルベオール、ペリリルアルコール、ピノカルベオール、ソブレロール、ベルベノール等環状アルコール、が挙げられる。
図7(a)は配線板のX方向配線で、(b)は配線板のY方向配線であり、点線で示す表示範囲300および310の範囲は、タッチパネルの表示範囲と同義になり、視認され
る範囲である。本発明の配線板は、点線で示す300および310の範囲内に配置される。
オフセットロールとしては、金属製の筒体の表面がブランケット材で被覆されたものを用いることができ、ブランケット材の材質としては、シリコーン樹脂、フッ素樹脂、ウレタン樹脂、合成ゴム、天然ゴム等の弾性材が例示でき、これらの中でも、耐久性、耐油性が高く、さらに十分な弾性とともに適度にコシを有している点で、特にシリコーン樹脂が好ましく、硬質の基板に対してグラビアオフセット印刷を行うのに特に好適である。
グラビアオフセット印刷では、導電性パターンに対応する凹部が形成されたグラビア版(凹版)と、印刷用組成物をグラビア版(凹版)の凹部に充填するドクターブレードと、表面が、例えばシリコーンゴムからなるブランケットとが用いられる。なお、グラビアオフセット印刷に用いられる凹版は、汎用のグラビア印刷に用いられる通常の凹版とは形態が異なっていてもよい。以下、グラビアオフセット印刷に用いられる「グラビア版又は凹版」を、「グラビア版(凹版)」と略記する場合がある。
このグラビア版(凹版)の凹部から印刷用組成物がブランケットに一旦転写される。このブランケットに対向させる様に基板を供給して、両者を圧接させて、ブランケット上のパターンを基板に再度転写することで、印刷パターンが形成される。
この印刷パターンは、加熱して焼成することで導電性を有する導電性パターンとなる。
グラビア版(凹版)、ブランケット及び基板は、それぞれ平板状(枚葉)のものでもよいし円筒状のものでもよい。ブランケットを基板に圧接して、連続的にブランケット上のパターンを基板に転写するようにしてもよい。
溶剤を吸収したブランケットを乾燥させる工程を含ませることも好ましい。この乾燥工程は、1回の印刷サイクル毎に行ってもよいし、間隔を開けて、5〜20回の印刷サイクル毎に行ってもよい。
例えば、シリコーンゴム層をポリエステルフィルム等のプラスチックフィルム上に形成したシリコーンブランケットを、ブランケット胴に巻きつけた状態で使用することができる。
本発明は、上記配線板の製造方法を包含する。この製造方法は、
(A)光透過性基板を準備する工程と、
(B)前記光透過性基板上に第1配線を形成する工程と、
(C)前記第1配線上に第2配線を形成する工程と、
を含んでもよい。以下に、各工程を説明する。
本発明は、前述の配線板を含むタッチパネル表示装置を包含する。たとえば、指を接触させる側から、光透過性基板、光透過性粘着層、光透過性基板、配線層、絶縁粘着層、光透過性基板、配線層、光透過性粘着層、表示パネルを含む表示装置であれば、光透過性基板から配線層までの部分に、本発明の配線板を使用できる。
より具体的には、図2に示す表示装置の構成例は、指を接触させる側から、光透過性基板101、光透過性粘着層102、光透過性基板103、配線層104、絶縁粘着層105、光透過性基板106、配線層107、光透過性粘着層108、液晶パネル400を含む。この構成例において、光透過性基板103から配線層104、及び光透過性基板106から配線層107までの構成が、前述の配線板に対応する。ここで、配線層は第1配線と第2配線を含む。
以下の実施例では、集束イオンビーム加工(FIB)および走査透過電子顕微鏡観察を行い、積層型配線130の幅および高さを測定した。具体的には、ランダムに選択した10箇所において、選択した各配線部の画像を得た後に、図5(b)に示す幅W1、W2および高さH1、HL、見かけ上の長さD1、D2を求めた後、高さH2、および積層型配線の幅の差を算出した。10箇所の測定値の算術平均値を、積層型配線の特性値とした。
150mm×150mmの寸法および0.7mmの厚さを有する無アルカリガラス板を洗浄して、光透過性基板103を準備した。グラビアオフセット印刷法により、光透過性基板103上に、カーボンペースト (藤倉化成株式会社 ドータイトFC−413)の印刷を行い、第1配線の配線パターンを形成した。
この光透過性基板を乾燥し、続いて、この配線パターンの表面に、アライメントマークを合わせて、銀ペースト(藤倉化成株式会社 ドータイトXA−3609)の印刷を行い、図5(a)および(b)に示すような配線パターンを形成して、第1配線の上に第2配線を積層した積層型配線を得た。
積層型配線は、第1配線の高さ(厚み)H1が1.2μmで 幅W1が6.0μmであった。第2配線の高さ(厚み)H2が3.0μmで、で幅W2が10.0μmあった。第1配線と第2配線の見かけ上の距離D1、D2はそれぞれ1.8μmおよび2.2μmであった。
以下、これらの値はH1、W1、H2、W2、D1およびD2の順で記載する。また、表2にも記載した。
第1配線および第2配線を形成の際に用いた凹板を変更したことを除いて、実施例1の手順を繰り返して、配線板110を得た。
第2配線を形成した際に用いた銀ペースト(藤倉化成株式会社 ドータイトXA−3609)を、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテートが1wt%となるように添加して希釈した。このことを除き、実施例1の手順を繰り返して、配線板100を得た。第1配線の高さが2.3μmで幅が15.7μmであった。第2配線の高さが0.1μmで、幅が19.4μmであった。第1配線と第2配線の見かけ上の距離は3.0μmおよび0.7μmであった。
第1配線および第2配線を形成の際に用いた凹板を変更したことを除いて実施例1の手順を繰り返して、配線板110を得た。
実施例1〜6および比較例1〜6の配線板を、フィルム側から距離30cm離れた位置から正面および平面から45度の方向から配線の見え方を目視評価した。配線が見えなかった場合を、配線が見えない(○)と判定した。配線が見えるが光沢のある配線は見えない場合を、光沢のある配線が見えない(△)と判定した。光沢のある配線が見えた場合を、配線が見える(×)と判定した。(表1に記載)
比較例1、3および5は配線が断線してしまい、抵抗率を測定することができなかった。前述の2つの評価項目に基づき、表1の基準にしたがって総合判定を決定した。
101 光透過性基板
102 光透過性粘着層
103、106 光透過性基板
104、107 配線層
105 絶縁性粘着層
108 光透過性粘着層
110 タッチパネル
112 外部接続端子
120、122 第1配線
124、126 第2配線
130、132 積層型配線
140 配線層
150 光透過性基板
200 配線板
300、310 表示範囲
400 液晶パネル
500 タッチパネル表示装置
Claims (7)
- 光透過性基板上に、畝状の第1配線と、第1配線の上部を覆うように積層された畝状の第2配線とからなる複数の積層型配線が設けられ、
前記第1配線は光吸収性を有し、
前記第2配線は導電性を有し、
前記複数の積層型配線は、少なくともそのうちの一つが他の一つと接点を有しており、
かつ、積層型配線の線長方向に垂直な断面において、
第1配線の幅W1と第2配線の幅W2が下記(式1)の関係を満たすことを特徴とする配線板。
W1<W2 ・・・(式1) - 前記積層型配線の線長方向に垂直な断面において、
第1配線の一方の端部と基板との接点と、第2配線の同側の端部と基板との接点との間の見かけ上の距離をD1とし、第1配線の他方の端部と基板との接点と、第2配線の同側の端部と基板との接点との間の見かけ上の距離をD2としたとき、
下記(式2a)、(式2b)の関係を満たすことを特徴とする、請求項1に記載の配線板。
0≦D1≦4μm ・・・(式2a)
0≦D2≦4μm ・・・(式2b) - 前記積層型配線の線長方向に垂直な断面において、第1配線の高さをH1、前記積層型配線の高さHLから第1配線の高さH1を除いた第2配線の高さをH2とすると、H1が0.4μmから3μmの範囲内であり、かつH2が0.5μmから4μmの範囲内であることを特徴とする、請求項1または2に記載の配線板。
- 前記積層型配線の線長方向に垂直な断面において、
第1配線の幅W1が3.0μmから50.0μmの範囲内であり、かつ第2配線の幅W2が3.5μmから58.0μmの範囲内であることを特徴とする、請求項1から3のいずれかに記載の配線板。 - 前記第1配線および第2配線が、グラビアオフセット印刷法により形成されたことを特徴とする、請求項1から4のいずれかに記載の配線板。
- 請求項1から5のいずれかに記載の配線板を含むタッチパネル基板。
- 請求項1から5のいずれかに記載の配線板を含むタッチパネル表示装置。
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