JP2020064285A - 色覚異常者の色識別性を向上させるためのフィルター - Google Patents

色覚異常者の色識別性を向上させるためのフィルター Download PDF

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Abstract

【課題】色盲者の色識別性を向上させるために使用するフィルター、およびアイウエアを提供する。【解決手段】フィルターは、可視スペクトルの緑の領域の一部に強くて狭い反射帯域を有する多層光学フィルムを一般的に有する。このフィルムは、少なくとも50%、60%、又は70%の420〜680nmの平均内部透過率を有し、更に、60nm又は50nm以下の幅(FWHM)を有する反射帯域と関連付けられ、550nmを含む幅10nmの波長範囲にわたって10%、5%、2%、又は1%以下という、平均内部透過率を有する。フィルターは、グレアを低減するために多層光学フィルムの観測者側の面に配置された、緑色光を選択的に吸収するマゼンタ層を有することができる。マゼンタ層と多層光学フィルムとの組み合わせによって、その幅(FWHM)が60nm以下である阻止帯域が与えられる。【選択図】図2

Description

本発明は一般に、色盲者の色識別性を向上させるために使用することが可能なフィルムに特に応用される光学フィルムに関する。本発明は更に、こうしたフィルムを組み込んだ物品及びシステム、並びにこうしたフィルムの製造及び使用方法に関する。
一般的に色盲とも呼ばれる色覚異常(CVD)は、一部の人における特定の色の違いを認識することが限定されている能力のことを指す。CVDは、ヒトの目における1種類以上の色覚光受容体の欠失又は欠損によって引き起こされる。このような色覚光受容体には、それぞれ可視スペクトルの赤、緑、及び青部分に反応する長波長(L)錐体、中波長(M)錐体、及び短波長(S)錐体の3種類がある。男性の約7〜10%、及び女性の約0.5〜1%がある程度の色覚異常を有している。CVDの最も一般的な形態は赤緑色盲である。
本発明者らは、CVDを有する個人、すなわち色盲者の色識別性を向上させることが示されたフィルターを開発した。このフィルターは、可視スペクトルの緑の領域の一部に強くて狭い反射帯域を有する多層光学フィルムを一般的に有している。しかしながら、可視スペクトルの残りの部分では、このフィルムは比較的高い透過率を有することが好ましい(例えばフィルムは、狭い緑の反射帯域以外は顕著な可視反射帯域を有さずともよい)。フィルムは、少なくとも50%、60%、又は70%という420〜680nmからの平均内部透過率を有しうる。この狭い緑反射帯域は、60nm若しくは50nm以下、又は20〜40若しくは20〜50nmの範囲の幅(FWHM)を有しうる。この狭い緑反射帯域には、550nmを含む幅10nmの波長範囲にわたって10%、5%、2%、又は1%以下の多層光学フィルムの平均内部透過率が関連付けられる。(すなわち、下記に説明されるように垂直入射角又は対象とする別の設計角度において、その範囲にわたった多層光学フィルムの平均内部透過率が10%、5%、2%、又は1%以下であるような、550nmを含む少なくとも1つの幅10nmの波長範囲(例えば、540〜550nmの範囲、又は545〜555nmの範囲、又は549〜559nmの範囲、又は550〜560nmの範囲)を見つけることができる。)特定の場合では、フィルターは多層光学フィルムのみから本質的になるものでよく、他の場合では、フィルターは、グレアを低減するために多層光学フィルムの観測者側の面に配置される、緑色光を選択的に吸収する吸収性マゼンタ層などの更なる層及びコーティングを更に含んでもよい。吸収性マゼンタ層の吸収帯域は、80nm以下の幅(FWHM)を有してよく、多層光学フィルムの吸収帯域と反射帯域との組み合わせは60nm以下の幅(FWHM)を有してよい。フィルターは、これに加えて、又はこれに代えて、例えば青及び赤の可視波長を選択的に吸収する層、又は青の可視波長を選択的に吸収する層などの他の着色吸収層を含んでもよい。ある設計入射角において、フィルターは、少なくとも50%、60%、又は70%という420〜680nmの平均内部透過率を、また、550nmを含む幅10nmの波長範囲にわたって10%以下、5%以下、2%以下、又は1%以下という平均内部透過率(その幅(FWHM)が60nm以下若しくは50nm以下、又は20〜40若しくは20〜50nmの範囲である阻止帯域(例えば反射帯域と吸収帯域との組み合わせ)と関連付けられる)を有することができる。設計入射角は、例えば15°以下、又は10°以下、又は5°以下、又はほぼ0°といったように通常は非常に小さく、その場合、0°とは、フィルター又はフィルムの平面に対して垂直な軸に沿って伝播する光を指す。多くの場合で、設計入射角はほぼ垂直な入射角(0°の入射角)とすることができる。フィルターはアイウェア又は他の物品に組み込むことができる。例えば、フィルターをレンズ、窓、電子ディスプレイ、又は光透過シールドに適用することができる。フィルターは大量のフィルム製造プロセスと適合することが好ましく、これにより、より大きなフィルムロールから切り出される小さなフィルム片でありうる個々のフィルターを妥当なコストで製造することができる。
したがって本出願は、色覚障害を有する個人の色識別性を改善する用途に適したフィルターを開示するものである。本フィルターは、設計入射角において、少なくとも50%という420〜680nmの平均内部透過率を有する多層光学フィルムを含み、この多層光学フィルムはまた、前記設計入射角において、550nmを含む幅10nmの波長範囲にわたって(60nm以下の幅(FWHM)を有する反射帯域と関連付けられる)10%以下の平均内部透過率を有する。多層光学フィルムは、前記設計入射角において、前記幅10nmの波長範囲にわたって5%以下、又は2%以下、又は1%以下の平均内部透過率を有しうる。多層光学フィルムは、前記設計入射角において、前記幅10nmの波長範囲にわたって10%以下、又は5%以下、又は2%以下、又は1%以下という550nmでの内部透過率を有しうる。フィルターは、前記設計入射角において、少なくとも60%、又は少なくとも70%という420〜680nmにおける平均内部透過率を有しうる。多層光学フィルムの反射帯域は、50nm以下、又は20〜50nm、若しくは20〜40nmの範囲の幅(FWHM)を有しうる。反射帯域の幅(FWHM)は反射帯域の短波長帯域端及び長波長帯域端を規定することができ、多層光学フィルムは、420nmから短波長帯域端まで、及び、長波長帯域端から680nmまでにわたって平均化された場合に、少なくとも60%、又は少なくとも75%、又は少なくとも90%の内部透過率を有しうる。反射帯域は赤外反射帯域の高調波であってよい。特定の場合では、フィルターは多層光学フィルム(のみ)から本質的になるものでよいが、こうした場合においても、フィルターはアイウェアなどの他の物品又は物体にやはり適用することができる。他の場合では、フィルターは多層光学フィルムだけでなく、多層光学フィルムの一方の面に配置される、緑色光を選択的に吸収する吸収性マゼンタ層のような着色吸収層を更に有してもよい。
本発明者らは、多層光学フィルムと吸収性マゼンタ層とを含むフィルターであって、前記多層光学フィルムが可視反射帯域を有し、前記吸収性マゼンタ層が多層光学フィルムの一方の面に配置され、緑色光を選択的に吸収する吸収帯域を有するものであるフィルターを更に開示する。設計入射角における可視反射帯域と吸収帯域との組み合わせは、60nm以下の幅(FWHM)を有する阻止帯域を与える。多層光学フィルムと吸収性マゼンタ層との組み合わせは、設計入射角において、550nmを含む幅10nmの波長範囲にわたって10%以下の平均内部透過率を有する。また、多層光学フィルムと吸収性マゼンタ層との組み合わせは、設計入射角で前記組み合わせに入射し、かつ、光が多層光学フィルムに入射する前に吸収性マゼンタ層を通過するような方向から入射する光に対して、50%未満という500〜600nmの波長範囲にわたった最大(ピーク)反射率(%)を有する。500〜600nmの波長範囲にわたった最大ピーク反射率は、40%、30%、又は20%より低くともよい。
吸収帯域は、最大吸収率及び最小透過率に相当するピークを有してもよく、このピークは少なくとも530nm、かつ560nm以下の波長に位置する。吸収帯域のピークは、20%よりも大きいが80%よりも小さい内部透過率を有しうる。多層光学フィルムと吸収性マゼンタ層との組み合わせは、設計入射角において、幅10nmの波長範囲にわたって5%以下、又は2%以下、又は1%以下の平均内部透過率を有しうる。阻止帯域は、50nm以下、又は20〜50nm若しくは20〜40nmの範囲である幅(FWHM)を有しうる。多層光学フィルムと吸収性マゼンタ層との組み合わせは、設計入射角において、少なくとも50%という420〜680nmの平均内部透過率を有しうる。
吸収性マゼンタ層が多層光学フィルムの観測者側の面に配置される場合、多層光学フィルムの反射性にともなうグレアを大幅に低減する一方で、阻止帯域の帯域幅及び420〜680nmにおけるフィルターの平均透過率に対する悪影響はほとんどない。
フィルターは、多層光学フィルム及び吸収性マゼンタ層(のみ)から本質的になるものでもよい。
開示されたフィルターを有するアイウェアについても開示する。
本発明者らは、色覚異常を有する個人の色識別性を改善するための方法も開示する。この方法は、前記個人によって知覚される光をフィルターで濾過することを含み、前記フィルターは、設計入射角において少なくとも50%という420〜680nmの平均内部透過率を有し、前記設計入射角において、550nmを含む幅10nmの波長範囲にわたって(60nm以下の幅(FWHM)を有する阻止帯域と関連付けられる)10%以下という平均内部透過率を有する。フィルターは、設計入射角において少なくとも60%という420〜680nmでの平均内部透過率を、また、幅10nmの前記波長範囲にわたって5%以下という平均内部透過率を有してもよい。
この文書の全体を通じて用いられる設計入射角とは、フィルター又はフィルムが機能するように設計された任意の適切な角度でありうる。多くの用途で、この角度は通常、例えば15°、又は10°、又は5°以下、又はほぼ0°(すなわち垂直入射角)のように極めて小さくなる。この角度が0でない場合には、反射帯域のスペクトル位置及び垂直入射角に対してより短い波長に多層光学フィルムの反射帯域がシフトする。例えば、交互に配されたPET/coPMMAのミクロ層で形成された多層光学フィルムが、垂直入射角(入射角=0)で550nmを中心とする狭い一次反射帯域を生じる層の厚さプロファイルを有している場合、このような多層光学フィルムの反射帯域の中心は、入射角10°では546nmにシフトし、入射角15°では542nmにシフトする。その結果、多層光学フィルムの反射帯域の中心が550nm(又は別の標的波長)に位置することが望ましく、多層光学フィルムが使用者の視線に対して例えば10°の適度な角度で傾斜したフレーム(例えば眼鏡フレーム)に取り付けられる場合、多層光学フィルムは、垂直入射における中心波長が標的波長よりもわずかに大きい(例えば標的波長が550nmの場合には約554nm)反射帯域を有するように設計することができる。
上記で指定した特定のフィルター又はフィルムのスペクトル幅(FWHM)の値は、その特定のフィルター又はフィルムの内部透過率に基づいたものでありうる。
関連する方法、システム及び物品についても検討する。
本出願のこれらの態様及び他の態様は、以下の詳細な説明から明らかとなろう。しかしながら、上記の概要はいかなる場合においても特許請求される主題に対する限定として解釈されるべきではなく、発明の主題は、手続において補正することができる添付の特許請求の範囲によってのみ定義されるものである。
色盲を確かめるための視覚検査で用いられるものに一般的なパターン(石原式検査表又は検査板)の正面図であり、パターンはカラーであるがこの図の目的でグレースケールで示されている。 図1のパターンの正面図であるが、正常な色覚を有する個人によって認識される像を示すためにパターン内の選択された斑点が暗色で示されている。 フィルターを用いてCVDを有する個人によって観測される光を濾過するシステムの概略側面図であり、フィルターは、色を区別又は識別する個人の能力を高めるように調整されている。 可視スペクトルの緑の領域の一部の狭い帯域内の光を遮断する仮想フィルター、又は多層光学フィルムのようなその構成要素の透過スペクトルのグラフである。 製造及び試験したいろいろな多層光学フィルムの測定された外部透過スペクトルのグラフである。 製造及び試験したいろいろな多層光学フィルムの測定された外部透過スペクトルのグラフである。 製造及び試験したいろいろな吸収性マゼンタ染色フィルムの測定された外部透過スペクトルのグラフである。 緑の可視光の一部を遮断する反射帯域を有する多層光学フィルムの測定された外部透過スペクトルのグラフであり、この反射帯域は図5のフィルムの反射帯域よりも狭くなっている。 製造されたロール上の2つの異なる位置でサンプリングされた多層光学フィルムの測定された外部透過スペクトルのグラフであり、各フィルム試料は緑の可視光の一部を遮断する反射帯域を有しており、これらの反射帯域は図7の反射帯域よりも狭くなっている。 緑の可視光の一部を遮断する反射帯域を有する多層光学フィルムの測定された外部透過スペクトルのグラフであり、この反射帯域は図8の反射帯域と同様の幅を有している。 それぞれが緑の可視光の一部を遮断する反射帯域を有する複数の多層光学フィルムの測定された外部透過スペクトルのグラフであり、これらのフィルムのそれぞれの反射帯域は図9の反射帯域よりも狭くなっている。 蛍光光源の相対スペクトル強度のグラフに重ね合わされた、狭帯域緑反射多層光学フィルムの測定された外部透過スペクトルのグラフである。 CVDを有する個人によって観測される光を濾過するためにアイウェアにフィルターを適用したシステムの概略側面図であり、フィルターは個人の色識別性を高めるように調整されている。 開示されたフィルターとともに使用するのに好適なアイウェアの斜視図である。 図6の吸収性マゼンタフィルムの測定された透過スペクトルの一部を再現したグラフであり、この透過スペクトルに、図7の狭帯域緑反射多層光学フィルムの測定された透過スペクトルが重ね合わされている。 測定された透過スペクトルから計算した、図13の吸収性マゼンタ層の分光吸光度(光学密度)のグラフである。 図13及び14の吸収性マゼンタ層の分光吸収率のグラフである。 狭帯域緑反射多層光学フィルムからのグレア(反射)が、中度のピーク吸収率を有する適切に配置された吸収性マゼンタ層によって顕著に低減される様子を示すグラフである。 垂直入射角における狭帯域緑反射多層光学フィルムの測定された透過率及び斜めの角度におけるその計算された透過率のグラフであり、吸収性マゼンタ層の測定された透過率も示されている。 更なる吸収性マゼンタ層の測定された透過率のグラフであり、狭帯域緑反射多層光学フィルムの測定された透過スペクトルも示されている。 図18の各マゼンタ層の分光吸収率のグラフである。 図18及び19の各マゼンタ層の分光吸光度(光学密度)のグラフである。 狭帯域緑反射多層光学フィルムを吸収性マゼンタ層と組み合わせて有するフィルターの測定された透過率のグラフである。 それぞれが狭帯域緑反射多層光学フィルムを吸収性マゼンタ層と組み合わせて有する2つのフィルターの測定された透過率のグラフである。 それぞれが狭帯域緑反射多層光学フィルムを吸収性マゼンタ層と組み合わせて有する更なるフィルターの測定された透過率のグラフである。 フィルターなしで、大部分がCVDである19人の異なる個人によって正しく評価された石原式検査表の数(全体で25枚の表のうち)を示すグラフである。 図24Aと似ているが、19人の個人がそれぞれ、特定の狭帯域フィルターを通して石原式検査表を観察した場合のグラフである。 狭帯域緑反射多層光学フィルム、吸収性マゼンタ層、及び青及び赤の波長を選択的に吸収する層の内部透過率のグラフである。 狭帯域緑反射多層光学フィルムと青及び赤の波長を選択的に吸収する層との組み合わせからなる第1のフィルター、並びに第1のフィルターに吸収性マゼンタ層が追加された第2のフィルターの内部透過率のグラフである。 図26のフィルターと似ているが、赤/青吸収層が重い染料添加量から軽い染料添加量に変えられたフィルターについて計算された色座標(a,b)を示すグラフである。 いくつかの狭帯域の緑遮断フィルターに組み込まれたいろいろな青色吸収染料層の測定された透過率のグラフである。
各図面で同様の参照番号は同様の要素を示す。
本発明者らは、多層光学フィルム技術を利用して、CVDを有する個人の色識別性を大幅に改善することが可能なフィルターを構成できることを見出した。このフィルターは、狭帯域緑反射多層光学フィルム、又は、このような多層光学フィルムと、緑の波長を選択的に吸収する吸収性マゼンタ層、及び/又は青の波長及び/又は青及び赤の波長を選択的に吸収する層などの他の層並びにコーティングとの組み合わせとすることができる。望ましいフィルリング特性としては、550nm又はその付近における強くて狭い阻止帯域、及び、フィルターが過度に暗い外観を有することがないように他の可視波長における比較的高い透過率が含まれる。このようなフィルタリング特性は、理論的には染料及び顔料などの吸収性物質のみによって得ることが可能であるが、本発明者らが検討した吸収性物質は、それ自体では、(a)550nm又はその付近における充分な遮断強さ(充分に低い透過率)、及び(b)充分に狭い帯域幅の最適な組み合わせを与えることができなかった。これに対して、多層光学フィルムは、対象とする波長において、かつ狭い帯域で強い遮断効果(極めて低い透過率とそれに応じた高い反射率)を有するように調整することができる。多層光学フィルムの透過特性及び反射特性は、1以上の層積層体の(一般的に)数十、数百、又は数千の個別のミクロ層の界面における光の強め合う干渉又は弱め合う干渉に基づいたものである。ミクロ層の材料、処理条件、及び厚さを適切に選択することにより、550nm又はその付近の狭い帯域において強くて狭い反射帯域、したがって強い遮断効果を与えるように透過スペクトルを調整することができる。波長空間における緑の遮断帯域が狭いほど(ただし色識別性を改善するに十分なだけスペクトル的に広い)、改善した色バランスを与えるうえで遮断されなければならないスペクトルの赤及び/又は青の光量が少なくて済むか、又は青の吸収量がより少なくて済む。
ヒトの色覚を検査するための一般的な方法の1つは、石原式色覚異常検査表を利用したいわゆる石原式色覚検査によるものである。そのような石原式検査表の1つを図1Aに示す。このパターンを構成する個々の斑点は、ある特定の数字の像を形成する異なる色を有している。この数字の像は正常な色覚を有する個人には知覚することができるが、CVDを有する個人には知覚することができない。図1Aは、こうした石原式検査表をグレースケールで表したものであり、斑点のパターン内に識別される像がないというかぎりにおいて、CVDを有する個人の知覚をある程度表現している。
図1Bは、図1Aと同じ石原式検査表の図であるが、色付けされた数字の像を示すために(このグレースケール表現で)選択された斑点を暗色で示してある。暗色で示された斑点は数字「57」の像を形成している。この像は石原式検査表では正常な色覚を有する個人には識別可能である。一般的には、開示されたフィルターは、CVDを有する個人がこの数字の像を識別することも可能とするものである。
CVDの個人によって観察される光を濾過するために使用されるこうしたフィルターが、図2のシステム200にフィルター211として概略的に示されている。フィルター211は、入射光202aを受光し、この光の選択された波長を濾過して濾過光202bを与える。濾過光202bは、CVDを有しうる個人201の目によって知覚される。適正に設計されている場合、フィルター211の効果は、CVDを有する個人の色を区別又は識別する能力を大幅に向上させることである。本発明者らは、この目的でのフィルターの効果は、阻止帯域の波長範囲などのフィルター211の設計パラメータに大きく依存しうることを経験的に見出した。本発明者らは、例えば、550nm又はその付近の波長は特に有効であるが570nm又はその付近の波長はほとんど又はまったく有効性を有さないことを見出した。
フィルター211は一般的に、550nm又はその付近に強くて狭い阻止帯域を有するが他の可視波長では比較的高い透過率を有する多層光学フィルム210を有している。したがって、例えば、フィルム210は、設計入射角(例えば垂直入射)において、420〜680nmで少なくとも50%、又は少なくとも60%の平均内部透過率を有しうる。フィルム210は、設計入射角において、550nmを含む幅10nmの波長範囲にわたって10%以下、又は5%以下、又は2%以下、又は1%以下の平均内部透過率を有してもよく、このような低減された透過率は、60nm以下、又は50nm以下、又は20〜50若しくは20〜40nmの範囲の幅(FWHM)を有する反射帯域と関連付けられる。これらの光学特性について図3と関連して更に考察する。多層光学フィルムの透過及び反射特性は、光の入射方向の関数として大きく変化しうることから、多層光学フィルムの光学特性は、垂直入射角又は異なる対象とする入射方向においてしばしば指定される。
多層光学フィルムは、特定の光学波長に対しては高い反射率及び低い透過率を有し、他の光学波長に対しては低い反射率及び高い透過率を有するように設計することができる。こうしたフィルムは通常、無視できる吸収率を有することにより、少なくとも可視光、近赤外線、及び近紫外線波長にわたって反射されなかったすべての光がほぼ透過され、またその逆も正しい。こうしたフィルムは通常、二酸化ケイ素と二酸化チタンの交互の層など、大きな屈折率ミスマッチを有する材料が交互に配置された光学的に薄いミクロ層の積層体を含むが、他の適切な無機材料又は有機材料を使用することもできる。こうしたリフレクターは、ガラス又は他の適切な基板上に(例えば、レンズ部材の外表面上に直接、又はこうした表面に後で貼着することが可能なフィルム若しくは基板上に)交互の層を真空蒸着することによって形成することができる。また、例えば、米国特許第5,882,774号(Jonzaら)、同第6,531,230号(Weberら)、及び同第6,783,349号(Neavinら)に述べられるように、交互に配されるポリマー材料の共押出し、及び得られた多層ポリマーウェブの延伸を含みうる連続的なプロセスによって適切な反射フィルムを作製することもできる。ダイクロイックリフレクターで用いられる材料及び用いられる製造方法によらず、リフレクターには、波長の関数として所望の透過及び反射特性を与えるように調整されたミクロ層の積層体の層厚さプロファイルが与えられている。この厚さプロファイルは、狭帯域リフレクターとして機能する多層光学フィルムを与えるように調整することができ、例えば、これにより、波長の狭い帯域内の光が高度に反射され(それに応じた低い透過率で)、波長の狭い帯域の外側の光は高度に透過される(それに応じた低い反射率で)。
阻止帯域と呼ばれる場合もあるこのような多層光学フィルムの反射帯域は、光の入射方向の関数として波長がシフトする。光がフィルムの平面に垂直な方向に沿って入射する垂直の入射角では、反射帯域は第1の波長又は波長の範囲である。その後、光が徐々に斜めの角度でフィルムに入射させられるのにしたがって、反射帯域は一般的に、第1の波長又は波長の範囲よりも短い波長に単調にシフトする。
フィルム210以外に、フィルター211は、吸収性マゼンタ層212及び別の吸収性着色層214などの更なる層又はコーティングを含んでもよい。マゼンタ層212は緑色の光を選択的に吸収するため、マゼンタ層の透過光はマゼンタに見える。マゼンタ層212が、観測者201に面するフィルム210の主面210aに適用される場合、又はより一般的には、層212がフィルム210と観測者201との間に配置される場合、フィルム210から反射される光によって生じるグレアを低減させるために層212を効果的に用いることができる。フィルム210は、その狭い反射帯域と関連付けられる緑の波長に特に高い反射率を有しているため、グレアの低減を最大化するためには、マゼンタ層212の吸収帯域(及び/又はピーク吸収)の波長が、設計入射角におけるフィルム210の反射帯域の波長と少なくとも概ね揃っていることが有利である。
層214は、フィルター211に含めることができる別の光学層である。場合により、層214を用いてフィルム210及び必要に応じて用いられる層212について少なくとも部分的に色補正することができる。すなわち、フィルム210及び層212は少なくともある程度の緑の波長を選択的に遮断し、他の可視波長に対してより高い透過率を有することから、これらの透過光はマゼンタ色となる傾向にあり、これは観測者201にとって不快なものとなりうる。CVDの個人に対するフィルター211の色識別能を維持しつつ、このマゼンタ色を少なくとも部分的に低減するためには、層214を、赤及び/又は青波長を選択的に吸収するように調整することができる。層214は、図に示されるように層212の主面210aの反対側の主面210bに適用することができる。あるいは、層214は、フィルム210と層212との間、又は層212の外表面などの、フィルター211内の別の場所に適用又は配置してもよい。上記に述べたように、多層光学フィルムの緑遮断帯域(の波長が)が狭いほど、改善した色バランスを与えるうえで層214が遮断しなければならない赤及び/又は青色の光はより少なくなり、またその逆もただしいい。
層214(及び/又はフィルター211の他の層)は、いわゆる紺色ブロッカーとするか又はそれを含むことができる。紺色ブロッカーは、紫外線範囲及び最大で400、410、又は420nmまでの光の強力な遮断効果(吸収、反射又は他の機序による)を与える。こうした層は、紫外線及び近紫外線放射から使用者の目を保護するためのアイウェアとの関連で特に有用である。
層212、214、及びフィルム210は、説明の目的で互いから分離しているものとして示されているが、通常、これらは、一体構造として互いに結合されている(例えば内部に空気/フィルム界面が存在しない)。結合は、光学的に透明な接着剤など1つ以上の接着層を使用するか、又は他の公知の結合材料若しくは機構によって実現することができる。読者には、図2に示されるフィルター211の特定の要素は、2つ以上の層又はフィルムに置き換えることによっても同じ所望の機能を実現することが可能であり、また、フィルター211の2つ以上の要素を単一の層又はフィルムに組み合わせることでもやはり同じ所望の機能を実現可能である点も理解されるであろう。例えば、層214及び/又は層212を、必要に応じて多層光学フィルム210の両面に配置することが可能な2つ以上の層(より薄いか又はより吸収性の低い)に分割することができる。別の例では、層212、214を作製する際に使用される染料を、別々の層212、214と同じ透過特性を有する単一の層に組み合わせることができる。フィルター211の配置及び順序は、必要に応じて再構成することができる。
仮想的フィルター、又は多層光学フィルムなどのその1つ以上の構成要素の透過特性を図3に示す。この図では、ナノメートルで表された光学波長λに対して透過率(%)がプロットされており、波長軸は、人の可視波長範囲としてしばしば扱われる400〜700nmの範囲にわたって延びている。しかしながら、本出願の目的では、人の可視範囲を420〜680nmの波長範囲とみなしている。曲線301は、フィルター全体又はその1以上の個々の構成要素の垂直入射角又は別の設計入射角において測定された透過率を表しうる。一般性を失うことなく、この図3の考察の残りの部分では、簡単のために曲線301はフィルター全体の透過率を表すものと仮定する(しかしながら、フィルターは多層光学フィルムのみの場合もありうる点に留意されたい)。フィルターは、曲線301の阻止帯域301aの低い透過率によって示されるように、可視スペクトルの緑領域の一部の狭い帯域内の光を選択的に遮断している。阻止帯域301aは、反射帯域、吸収帯域、又は反射帯域と吸収帯域との組み合わせでありうる。
曲線301の関連する特性を定量化するため、曲線301のベースライン値B、曲線301のピーク値P(この場合、ピーク値Pは、点p3に示される阻止帯域301aにおける最小透過率と一致している)、及びPとBとの中間の曲線301の中間値Hを特定する。曲線301は、その波長の値が阻止帯域301aの短波長帯域端λ1及び長波長帯域端λ2にそれぞれ等しい点p1及びp2において値Hと交差している。短波長帯域端及び長波長帯域端を用いることで、対象とする2つの他のパラメータ、すなわち、λ2−λ1に等しい、阻止帯域301aの幅(半値全幅すなわちFWHM)、及び(λ1+λ2)/2に等しい、阻止帯域301aの中心波長λcを計算することができる。中心波長λcは、阻止帯域301aがどの程度対称的又は非対照的であるかに応じて、阻止帯域301aのピーク波長(点p3を参照)と同じであるか又は異なりうる。
ベースラインBは、阻止帯域301aの両側の曲線301の比較的平らな領域によって示されるように、狭い阻止帯域の外側でほとんど又はまったく吸収性又は反射性を示さないフィルターでは容易に特定される。しかしながら、場合によっては、特定のフィルターが例えば複数のピークと谷を有するより複雑なスペクトルを有してもよく、一部のフィルター(例えば染色層)がすべての可視波長で大きな吸収性を示す極めて広い帯域のものであってもよく、そのような場合、別のベースラインを用いることができる。これらのより複雑なフィルターにおいて有用なベースラインは、下記に定義されるようなフィルターの内部透過率のプロット上での100%の透過率の値である。より複雑なスペクトルを有するこうしたフィルターの例として、そのスペクトルを図18の曲線1801〜1804として下記に示す吸収性マゼンタフィルムがある。これらの染色フィルムのスペクトル幅(FWHM)を計算するために用いたベースライン値は、図19の対応する吸収率プロットにおける吸収率0に対応する、フィルムの100%内部透過率の値とした。
フィルター(又はその構成要素)の透過率とは、透過光の強度を入射光の強度で割ったもののことを一般的に指すが(特定の波長、入射方向などの光について)、「外部透過率」又は「内部透過率」として表すことができる。ある光学素子の外部透過率とは、空気中に置かれた場合の、素子の前面の空気/素子界面におけるフレネル反射又は素子の後面の素子/空気界面におけるフレネル反射について補正を行わない光学素子の透過率である。ある光学素子の内部透過率とは、その前面及び後面におけるフレネル反射が除去された場合の素子の透過率である。前面及び後面のフレネル反射の除去は、計算によって(例えば、外部透過スペクトルから妥当な関数を引くことによって)又は実験的に行うことができる。多くの種類のポリマー及びガラス材料では、フレネル反射率は、2つの外表面のそれぞれにおいて約4〜5%(垂直又はほぼ垂直な入射角において)であり、これにより外部透過率は内部透過率に対して約10%、下方にシフトする。図3は、これらの透過率のどちらが用いられるかは指定しないため、内部透過率又は外部透過率のいずれにも一般的に当てはまる。本明細書において内部又は外部として指定されずに透過率と言う場合、読者は、文脈によって特に示されないかぎりは、その透過率は外部透過率のことを指すものと仮定することができる。多くのアイウェアレンズでは、表面反射防止コーティングの塗布によって、T内部>>T外部となりうる。
阻止帯域のスペクトル幅(例えばその半値全幅(FWHM))は、スペクトル幅が内部透過率又は外部透過率のいずれに基づいて計算されるかに応じて若干異なりうる。内部透過率に基づいて計算されるFWHMは、外部透過率に基づいて計算されるFWHMよりも通常はわずかに(例えば5nm未満)大きい。FWHM値を示した下記の表のそれぞれにおいて、特に断らないかぎりはFWHMは内部透過率に基づいて計算されている。
曲線301の別の関連しうる特徴は、420〜680nmの波長範囲にわたったその平均(内部又は外部)透過率である。例えば積分によって420〜680nmの曲線301の曲線下面積を計算し、その結果を260nmで割ることによって得ることができるこのパラメータは、全可視光のどれ位がフィルターによって遮断されるかの指標を与えるものである。このパラメータは、420〜680nmのすべての波長の値(例えば、1nm刻み、又は別の適切に小さい刻みの)において(内部又は外部)透過率を単純に平均化することによって計算することもできる。
曲線301の別の関連しうる特徴は、550nmを含む10nm幅の波長範囲にわたったその平均(内部又は外部)透過率である。例えば、540〜550nmの波長範囲、又は545〜555nmの範囲、又は549〜559nmの範囲、又は550〜560nmの範囲にわたって曲線301の平均(内部又は外部)透過率を計算することができる。
曲線301の更に別の関連しうる特徴は、可視領域であるが阻止帯域301aの外側にわたったその平均(内部又は外部)透過率であり、これは、420nm〜λ1、及びλ2〜680nmまでの曲線301の下の面積を計算し、その結果を((λ1−420)+(680−λ2))nmで割ることによって得ることができる。このパラメータは、可視スペクトルの阻止帯域の両側の部分にわたって単純に平均を計算することによって計算することもできる。
複数の種類のフィルターを作製し、1人以上のCVDの個人で試験することによってCVDの個人が色をより効果的に区別又は識別することを助けるうえでのその有用性について調べた。一部のものが多層光学フィルムだけで構成されるこれらのフィルターについて以下に述べる。
狭い反射帯域を有する多層光学フィルムは、比較的狭い反射帯域を形成するように複数のポリマー樹脂層を共押出しすることによって作製することができる。ポリエステルなどの複屈折性の高い材料をアクリル樹脂などの屈折率の低い材料と組み合わせて使用することにより、交互に配される層間に大きな屈折率の差が与えられ、これにより反射帯域において高い反射性が与えられる。これらのリフレクターを作製するには幾つかの選択肢がある。幾つかの場合では、ミクロ層の層厚さプロファイルを、所望の可視波長(例えば550nm又はその付近の波長)において一次反射帯域(垂直入射角における)を与えるように調整することができる。他の場合では、各ミクロ層は、垂直入射角における一次反射帯域が赤外波長にあるが、赤外帯域の高次の高調波(例えば、二次、三次、又は四次の高調波)が所望の可視波長となるようにより厚くすることができる。このような後者の設計アプローチ、及びこれに続くポリマー加工技術については米国特許第6,531,230号(Weberら)において検討されている。
1つの多層光学フィルムでは、ポリエチレンナフタレート(PEN)とポリメチルメタクリレート(PMMA)が交互に配された層を共押出しし、二軸延伸させることによって約412層のミクロ層を有するフィルムを形成した。それぞれ275層及び137層を有する第1の群及び第2の群のポリマーミクロ層は、フィルムに垂直入射角での2つの異なる一次赤外反射帯域(約1125nmの第1のこのようなIR帯域及び約1650nmの第2のこのようなIR帯域)を与えた。第1のIR帯域の二次高調波は、第2のIR帯域の三次波長とほぼ重複する、又は重なり合わされることによって、概ね560〜590nmの可視波長に強くかつある程度狭い反射帯域が生じる。400〜700nmの範囲におけるこのようなフィルムの垂直入射角で測定された外部透過率を、図4に曲線401として示す。この図では、第1のIR帯域の二次高調波と第2のIR帯域の三次高調波との組み合わせである可視光反射帯域401aを容易に識別することができる。(必要に応じて、例えば1つのみの一次IR反射帯域を与え、二次又は三次高調波が帯域401aと似た可視光反射帯域を与えるようにこれを調整することによって、図4と同様の可視光反射帯域を有するように代替的な設計の多層光学フィルムを作製することができる。このような代替的フィルムは、例えば、PENとPMMA、又はポリエチレンテレフタレート(PET)とコ(ポリメチルメタクリレート)(coPMMA)とが、又は他の適切なポリマーの組み合わせが交互に配されて形成されうる全体で約300層のミクロ層を有しうる。更に別の代替的な多層光学フィルムは、反射帯域401aと同様の可視領域内の一次反射帯域を生じるミクロ層の厚さ勾配を与えることができる。)
図4のスペクトルは、420nm以下の波長で紺色の阻止帯域を更に示している。この反射帯域は、1125nmにおける一次IR反射帯域の三次高調波である。二次高調波は上記に述べたように575nmに位置している。このようにいろいろなより高次の高調波帯域を利用することにより、所望の黄色又は緑の反射帯域を生じる同じ層を用いて紺色の阻止帯域を形成することができる。例えば、あるIR帯域の三次高調波が550nm付近に中心を有する場合、四次高調波帯域は420nm付近に位置するが、その正確な位置は、多層光学フィルムのミクロ層に用いられる構成材料の屈折率分散によって決まる。
反射帯域401aの短波長及び長波長帯域端(λ1及びλ2)及び他のパラメータなどの図4の多層光学フィルムの関連する光学特性を下記表1に示す。フィルムを目の近くに保持し、フィルムを通して石原式検査表及び/又は他の着色物体を観測することによってCVDを有する2人の個人によってこのフィルムを試験した。これらの試験を行った環境は、拡散太陽光と天井の蛍光灯の調和のとれた混合光で照明されたオフィスであった。それぞれの個人で、フィルムの平面が個人の視線と垂直である場合に、色識別性の改善はほとんど又はまったく体験されなかった。しかしながら、視線に対して斜めの角度にフィルムを傾けることにより(その際、反射帯域401aは図4に対してより短い波長にシフトした)、各個人で色識別性に大幅な改善を認めた。
図4のフィルムの小片を取り、この小片を異なる量で二軸延伸することによって、図4と同じ基本的な構造を有するが(例えば、各フィルムはやはり全体で412層のミクロ層及び2つの異なるIR反射帯域を有し、その三次及び二次高調波はやはり重なり合って1つの可視光反射帯域を生じる。)、より薄く、したがって図4よりも短い波長に可視光反射帯域を有するフィルムを形成することによって2枚の更なる多層光学フィルムを得た。400〜700nmの範囲におけるこれら2枚の更なるフィルムの垂直入射角で測定された外部透過率を、図5に曲線502及び503として示す。この図では、これらのフィルムのそれぞれの可視光反射帯域502a、503aを容易に識別することができる。
これら2枚の更なる多層光学フィルム(図5で符合502、503によって示される)の関連する光学特性を下記表1に示す。フィルムを、約60mmの円筒曲率半径で各レンズの曲率の中心がそれぞれの目の網膜の真後ろに位置するようにこれらのフィルムをアイウェアのフレームに使用することによって、垂直入射角で目の近くに保持して、フィルムを通して石原式検査表及び/又は他の着色物体を観測し、CVDを有する2人の個人によって試験した。これらの試験を行った環境は、拡散太陽光と天井の蛍光灯の調和のとれた混合光で照明されたオフィスであった。それぞれの個人において、フィルムの平面が個人の視線に対して垂直であったか又は斜めの角度であったかによらず、色識別性の改善はほとんど又はまったく体験されなかった。
別の多層光学フィルムを作製した。このフィルムは、押出し成形の際のキャスティングホイールの速度を変更した点以外は図4のフィルムと同様にして作製した。このフィルムもやはり全体で412層のミクロ層、及び2つの異なるIR反射帯域を有し、その三次及び二次高調波はやはり重なり合って1つの可視光反射帯域を生じるものである。垂直入射角での可視波長反射帯域は、図4のフィルムに対してより短い波長にあったが、曲線502、503と関連するフィルムに対してはより長い波長にあった。400〜700nmの範囲におけるこのフィルムの垂直入射角で測定された外部透過率を、図5に曲線501として示す。図ではこのフィルムの可視光反射帯域501aを容易に識別することができる。
この多層光学フィルム(図5で符合501により示される)の関連する光学特性を下記表1に示す。フィルムを、約60mmの円筒曲率半径で各レンズの曲率の中心がそれぞれの目の網膜の真後ろに位置するようにしてこのフィルムをアイウェアのフレームに使用することによって、垂直入射角で目の近くに保持し、フィルムを通して石原式検査表及び/又は他の着色物体を観測し、CVDを有する2人の個人によって試験した。これらの試験を行った環境は、拡散太陽光と天井の蛍光灯の調和のとれた混合光で照明されたオフィスであった。それぞれの個人で、フィルムの平面が個人の視線と垂直である場合に、色識別性の大幅な改善が体験された。
Figure 2020064285
多層光学フィルムではなく染料又は顔料添加されたフィルムから作製されたフィルターでも、こうした染料又は顔料が充分に狭い吸収帯域で充分に強い吸収性を示すものであればCVDの個人に対して同様の色強調効果の結果が期待される。しかしながら、多くの染料は、特に狭い吸収帯域を有しているわけではなく、強い阻止効果(低い透過率)及び約60nm又は50nm以下の帯域幅(FWHM)の両方を有する染色フィルムを得ることは困難である。容易に入手できる最も帯域幅が狭い緑色の吸収染料は、エポリン社(Epolin, Inc.)(ニュージャージー州ニューアーク)より販売されるEpolight(商標)5391 Visible Light Dyeとして知られる染料である。異なる量のこの染料を透明なキャリアフィルムにコーティングすることにより、5つの異なる吸収性フィルターを作製した。緑が吸収されることにより、これらのフィルター又はフィルムのそれぞれは、透過光がマゼンタの外観を有していた。
Epolight 5391染料は、透明なPETベースフィルム上のVitelコーティングに添加した。Vitel及び5391染料は異なる比でメチルエチルケトン(MEK)に溶解してから、メイヤーロッドを用いて50ミクロンの透明なポリエステルフィルム上に異なる厚さの値にコーティングした。混合及びコーティングの詳細を、重い染料溶液については表2に、軽い染料溶液については表3にまとめた。これらの試料は自作のコーティングであり、そのため均一度は製造用のコーティング操作ほどはよくなかったため、結果は変動しうる。しかしながら、必要に応じてコーティング厚さ又はVitel中の染料濃度を調節することは簡単なことである。他の多くのポリマーも染料のキャリアとして使用することができる。Vitelに加えた染料の2つの濃度のコーティング溶液を表2及び3に示したが、固形分全体に対する染料の固形分の割合(%)で表した場合、後者は前者の濃度の1/2である。これら2つの混合物により、いろいろなメイヤーロッドによる異なるコーティング厚さを用いて幅広い範囲の染料コーティングの光学密度を調製することができる。
Figure 2020064285
Figure 2020064285
染料添加量の異なる5つのフィルム試料をこの手順で作製した。(染料の「添加量」用語に関しては、染料の濃度及び/又は染料の厚さを含むものとする。)400〜700nmの範囲におけるこれらのフィルムの垂直入射角で測定された外部透過スペクトルを、図6に曲線601、602、603、604、及び605として示す。これらの曲線は染料添加量が少なくなる順番に示されており、曲線601のフィルムが最も重い染料添加量を有し、曲線605のフィルムが最も軽い染料添加量を有している。曲線602及び603のフィルムは表1のコーティング特性を用いて作製し、曲線604及び605のフィルムは表2のコーティング特性を用いて作製し、曲線601のフィルムは曲線602のフィルム2枚を光学接着剤で互いに貼り合わせることによって作製した。これらのフィルムの可視光吸収帯域は図に容易に見ることができる。これらの曲線のそれぞれは、550nm付近の波長に最小透過率(例えば曲線605の点pを参照)を有している。このため、染色フィルムは緑の可視光を選択的に吸収する結果、これらのフィルムのそれぞれは透過光がマゼンタの外観を有した。やはり図から明らかな点として、吸収帯域の幅(FWHM)が染料添加量が増えるのにしたがって増大しており、これにより、2つの最も重い添加量、すなわち曲線601及び602において、可視スペクトルの緑部分の大部分と、一部のシアン光が遮断されている。
これらの染色フィルム(図6でそれらの符合によって示される)の関連する光学特性を下記表4に示す。(表の計算されたFWHMは、下記図15に示されるような内部透過率の吸収率プロットより得られる。)各フィルムを目の近くに保持し、フィルムを通して石原式検査表及び/又は他の着色物体を観測することによって、CVDを有する1人の個人によってこれらのフィルムを試験した。これらの試験を行った環境は、拡散太陽光と天井の蛍光灯の調和のとれた混合光で照明された窓付きの部屋であった。この個人では、曲線603、604、及び605のフィルムでは色識別性の改善はほとんど、又はまったく体験されなかった。残りのフィルム、すなわち曲線601及び602のフィルムでは、CVDを有する個人によって色識別性のある程度の改善が体験されたが、フィルムは暗く、緑の光はほとんど含まれなかった。
Figure 2020064285
スペクトルの緑領域において充分な光遮断効果を有する図6の各吸収性マゼンタフィルムは、帯域幅が非常に広く、色の見え方が最適とは言えないものとなっている(暗く、光量レベルが低い)。しかしながら、染料添加量がより低く、緑色光の遮断効果がより低いフィルムを、狭帯域緑反射多層光学フィルムと組み合わせて使用する(例えば多層光学フィルムの観測者側にコーティングされる場合)ことでリフレクターからのグレアを低減する助けとすることができる。グレアを生じる反射された緑色光は、基本的に染料コーティングを2回通過しうるため、より軽い染料添加量でグレアの大幅な低減が可能になる。これについては図12と関連して下記で更に考察する。グレアは、開示されたフィルターが適用される眼鏡又はアイウェアの設計の細部によって低減させることもできる。例えば、アイウェアには、使用者の背後からアイウェアのレンズに入射する光が少なくなるように、顔の輪郭に沿って曲がった設計を用いることができる。リフレクターの内部の層の反射率に影響しないような反射防止コーティングを付加することによってレンズの表面からの広帯域の光の反射を低減させ、これによりレンズからのグレアを更に低減させることもできる。
更なる多層光学フィルムを作製した。図4及び5のフィルムと同様、これらのフィルムは、数百の交互に配されたポリマー層を共押出しし、多層押出品をキャスティングホイール上にキャスティングし、キャスティングしたフィルムを二軸延伸して多層光学フィルムを形成することによって作製した。1つの例では、多層光学フィルムを、PETとcoPMMAポリマー材料が交互に配された223層の個別のミクロ層の積層体で形成した。この積層体の層厚さプロファイルは、スペクトルの赤外領域に一次反射帯域を生じるように調整した。このIR反射帯域の三次高調波は550nm又はその付近の可視領域にあった。400〜700nmの範囲におけるこのようなフィルムの垂直入射角で測定された外部透過率を、図7に曲線701として示す。図ではこのフィルムの可視光反射帯域701aを容易に識別することができる。
この多層光学フィルム(図7でその符合により示される)の関連する光学特性を下記表5に示す。反射帯域701aの幅(FWHM)は、反射帯域501aの幅よりも小さい点に留意されたい。
別の多層光学フィルムを、PETとcoPMMAポリマー材料が交互に配された275層の個別のミクロ層の積層体で形成した。この積層体の層厚さプロファイルは、スペクトルの赤外領域に一次反射帯域を生じるように調整した。このIR反射帯域の三次高調波は550nm又はその付近の可視領域にあった。このフィルムの光学特性は、製造されたフィルムウェブ上の位置に応じて若干変動した。垂直入射角での外部透過率をフィルム上の2つの異なる位置で測定し、その結果を図8に曲線801、802として示した。図ではこのフィルムの可視光反射帯域801a、802aを容易に識別することができる。
この多層光学フィルムの関連する光学特性(2つの測定位置について図8でその符合により示される)を下記表5に示す。反射帯域801a、801bの幅(FWHM)は、反射帯域501a及び701aの幅よりも小さい点に留意されたい。フィルムを、約60mmの円筒曲率半径で各レンズの曲率の中心がそれぞれの目の網膜の真後ろに位置するようにしてこのフィルムをアイウェアのフレームに使用することによって、垂直入射角で目の近くに保持し、フィルムを通して石原式検査表及び/又は他の着色物体を観測し、CVDを有する1人の個人によって試験した。これらの試験を行った環境は、拡散太陽光と天井の蛍光灯の調和のとれた混合光で照明された窓付きの部屋であった。この個人では、色識別性の大幅な改善は体験されなかった。
別の多層光学フィルムを作製した。この多層光学フィルムは、図8と関連して上記に述べた多層光学フィルムのウェブの別の部分からのものであった。このフィルムの外部透過率を垂直入射角で測定し、その結果を図9の曲線901として示した。図ではこのフィルムの可視光反射帯域901aを容易に識別することができる。
この多層光学フィルム(図9でその符合により示される)の関連する光学特性を下記表5に示す。反射帯域901aの幅(FWHM)は、反射帯域501a及び701aの幅よりも小さく、反射帯域801a及び802aの幅とほぼ同じである点に留意されたい。このフィルムは、図8のフィルムと別に試験を行わなかった。
更に狭い反射帯域を生じるように層の厚さの範囲をわずかに変更した点以外は図8及び9のフィルムにおけるものと同じ数の層、三次反射帯域、及び材料を用いて更に多くの多層光学フィルムを作製した。同じ275層の押出品を用い、異なるキャスティングホイール速度を用いて3つの異なる多層光学フィルムを得た。これらのフィルムの垂直入射角での外部透過率を測定し、その結果を図10に曲線1001、1002、及び1003として示した。この図では、これらのフィルムのそれぞれの可視光反射帯域1001a、1002a、1003aを容易に識別することができる。このような同様の製造アプローチの結果、帯域1001a、1002a、1003aの形状は同様であるが、それらの帯域の中心の波長は、使用した異なる延伸比のためにシフトしている。
これらの多層光学フィルム(図10でそれらの符合によって示される)の関連する光学特性を下記表5に示す。反射帯域1001a、1002a、1003aの幅(FWHM)は、反射帯域501a、701a、801a、802a、及び901aの幅よりも小さい点に留意されたい。フィルムを、約60mmの円筒曲率半径で各レンズの曲率の中心がそれぞれの目の網膜の真後ろに位置するようにこれらのフィルムをアイウェアのフレームに使用することによって、垂直入射角で目の近くに保持し、フィルムを通して石原式検査表及び/又は他の着色物体を観測し、CVDを有する1人の個人によって試験した。これらの試験を行った環境は、拡散太陽光と天井の蛍光灯の調和のとれた混合光で照明された窓付きの部屋であった。この個人では色識別性の最も高い向上が曲線1002の多層光学フィルムで体験され、色識別性の一定の向上(ただしより低い量)が、曲線1001及び1003の多層光学フィルムで体験された。
本明細書に述べられる色覚検査の多くは、拡散太陽光と天井の蛍光灯の調和のとれた混合光で照明された屋内で行ったか、又は一部の場合では、蛍光灯のみによって照明された室内で行ったものである。本発明者らは、色覚検査に対するアンビエント照明の効果についても検討した。詳細には、本発明者らは、蛍光灯のみによる照明、拡散太陽光と蛍光灯の調和のとれた混合光による照明、及び太陽光のみによる照明の3つの異なるアンビエント照明条件について検討した。本発明者らは、反射帯域の中心波長が550nm又はその付近にあるが、そのFWHM帯域幅が異なる反射帯域をそれぞれが有するいくつかの特定の多層光学フィルムに色覚検査においてこれらの異なるアンビエント照明条件を用いた。第1のフィルムは、約550nmの中心波長及び48〜49nmの帯域幅を有し、フィルムの面積にわたってわずかな変動を有する、曲線701のフィルムとした。第2のフィルムは、フィルムの面積にわたった変動のために549nmの中心波長及び35〜38nmの範囲の帯域幅を有する、同じフィルムロールの異なる部分である曲線801及び802と関連するフィルムとした。第3のフィルムは、548nmの中心波長及び26nmの帯域幅を有する曲線1002のフィルムとした。これら3つの多層光学フィルムをアイウェアフレームに挿入し、フィルムを垂直入射角で目の近くに保持し、異なるアンビエント照明条件下でこのアイウェアを用いてそれらフィルムの中の特定の1つを通して石原式検査表を観測することによってCVDを有する個人によって試験を行った。これらの試験の結果は、3つのフィルムのそれぞれについて、FWHM帯域幅に応じて、蛍光灯のみの照明環境では大幅に向上した色識別性が認められ、蛍光灯/太陽光の混合照明環境ではいくぶん低い色識別性の向上が認められ、太陽光のみの照明環境ではより低い色識別性の向上が認められた。太陽光のみの環境では、第1及び第2のフィルム(それぞれ49nm及び37nmの帯域幅を有する)は、特に弱い吸収性を有するマゼンタ染料(下記に更に述べる)と組み合わせた場合に、CVDの個人に赤色の物体をより見えやすくした。第3のフィルム(26nmの帯域幅を有する)は、特に吸収性マゼンタ染料を加えずにそれ自体で用いられた場合、太陽光のみの照明環境ではほとんど又はまったく色識別性の向上効果を示さなかった。
CVDを有する個人の色識別性を最大限高めるためには、フィルター(又は多層光学フィルム)は、特にアンビエント照明が(部分的又は全体的に)蛍光灯照明を含む場合に、その中心波長(λ中心)が所望の入射角で540〜560nmの範囲にある阻止帯域を有することが望ましい。これを表す別の方法は、545〜555nmの範囲にわたった(又は550nmを含む別の10nm幅の波長範囲にわたった)平均の内部又は外部透過率によるものであり、例えばこうした平均は、10%、5%、2%、又は1%以下であり、同時に他の可視反射帯域を(あったとしても)ほとんど有さず、かつ可視波長範囲にわたって高い平均透過率を有することが好ましい。図11は、本発明者らが試験で使用した特定の環境からの典型的なオフィス用蛍光光源の測定された相対強度(曲線1102を参照)に重ね合わされた、代表的な多層光学フィルムの測定された透過率(曲線1101を参照)を示している。少なくとも一定のこのような蛍光を含む環境では、色識別性の向上において効果的であるために多層光学フィルムの緑の反射帯域1101aがオフィス用蛍光灯からの緑の放射ピークと少なくとも部分的に重なり合うことが有利であると考えられる。曲線1101は、図9の曲線901と同じものである。したがって、表5の曲線901の光学特性を調べることによって曲線1101の多層光学フィルムの関連する光学特性を見出すことができる。
Figure 2020064285
図12のシステム1200は、グレアの問題の説明を助けるものである。アンビエント白色光1202aが、石原式検査表又は他の任意の適切な物体であってよい物体を照らし、物体は一部の光を吸収し、残りの光を光1202bとして散乱する。CVDを有する個人でありうる観測者1201は、例えばゴーグル、老眼鏡、眼鏡などのアイウェア1209を使用して散乱光1202bによって物体を観測する。読者には、観測者1201の片目のみ及びアイウェアの一部のみが示されているが、アイウェアは図12に示されるものと実質的に同じもう半分、並びにアイウェアを観測者の頭部の定位置に保持するための適切なフレーム、ストラップ、及び/又は他の支持構造を有しうるものである点は理解されるであろう。アイウェアは、レンズ1216、及びレンズの表面1216aに適用されたフィルター1211を有している。フィルター1211は、CVDを有する個人の色識別性を向上させるための本明細書に開示されたフィルターのいずれであってもよい。レンズ1216はメニスカスレンズとして示されているが、他の任意の種類のレンズを使用することもできる。更に、これに関連して「レンズ」なる用語は、正又は負の屈折力(焦点化力)を有する従来のレンズを指すのみでなく、遮蔽板又は窓として機能しうる、屈折力0の均一な厚さの平坦又は湾曲したプレートを含むような充分に広い用語である。
散乱光1202bはレンズ1216を通過し、フィルター1211によって濾過されて濾過光1202cを生じ、濾過光1202cは、観測者1201によって物体を知覚するために用いられる。フィルター1211は、少なくとも多層光学フィルム1210及び吸収性マゼンタ層1212を含むことが好ましい。多層光学フィルム1210は、可視スペクトルの緑領域の一部に強くて狭い反射帯域を有する。マゼンタ層1212は、例えば比較的狭い吸収帯域で緑の光を選択的に吸収する。フィルター1211は本明細書の他の箇所に述べられるような他の層及び機構を有してもよく、かつ/又は本明細書に述べられるようなフィルターのいずれかに置き換えられてもよい。フィルター1211は、光学的に透明な接着剤又は他の任意の適切な材料若しくはプロセスによってレンズ1216に貼着することができる。貼着は、フィルター1211とレンズ1216との間に空気間隙が存在しないようなものであることが好ましい。
観測者1201の後方若しくは観測者1201の側方から到達しうる、又は観測者の顔面から反射される光であるか若しくはこれを含みうる迷光1203aは、アイウェア1209の観測者側の面に(すなわち散乱光1202bの反対方向から)入射する。このような迷光は、例えば顔の輪郭に沿って曲がった設計などの好適な設計的特徴をアイウェアに採り入れるか、かつ/又はアイウェアの設計に不透明な側部遮蔽板を含めることによって最小化又は低減することができる。しかしながら、こうした設計的特徴はすべての場合で妥当というわけではなく、それらが含まれている場合であっても迷光を充分に除去できない場合がある。通常のアイウェアは、グレア1203bとも呼ばれうる反射光1203bとして迷光のわずかな割合しか通常は反射しないことから、通常のアイウェアでは迷光1203aは一般的に問題とはならない。しかしながら、通常のアイウェアと異なり、多層光学フィルム1210は、スペクトルの緑領域の一部に強い反射帯域を有している(かつこの反射帯域はより斜めの角度となるのにしたがってより短い波長にシフトする)。したがって、迷光1203aの可視光の赤及び青波長の部分がほとんど反射されずにアイウェア1209を充分に通過することができるとしても、多層光学フィルム1210の反射帯域内の少なくとも緑の波長の部分は、グレア1203bとして強く反射され、そのような緑色のグレア1203bは、観測者1201にとって気が散るか、不快であるか、又は望ましくないものとなりうる。
吸収性マゼンタ層1212をフィルター1211に用いることでこのようなグレアを大幅に低減することができる。これを実現するため、グレア1203bとなるすべての光がマゼンタ層1212を2回通過するようにマゼンタ層1212を多層光学フィルム1210の観測者側の面に配置する。更に、マゼンタ層は、少なくとも一部の緑の可視光を選択的に吸収する吸収帯域を有するように調整され、この吸収帯域(及び/又はこうした帯域のピーク吸収率)の波長がフィルム1210の反射帯域の波長と少なくとも概ね揃えられることが好ましい。光がグレア1203bになるためにはマゼンタ層1212を2回通過しなければならないため、マゼンタ層は、(1回通過の)透過率で測定される比較的小さいピーク吸収率を有する一方で比較的大きなグレア低減(吸収の機構による)を効果的に与えることができる。代表的な実施形態では、多層光学フィルムの反射帯域とマゼンタ層の吸収帯域とが組み合わされて、設計入射角における幅(FWHM)が60nm以下、又は50nm以下であるか、又は20〜50nmの範囲、又は20〜40nmの範囲にある阻止帯域を形成し、かつ/又は、多層光学フィルムとマゼンタ層との組み合わせが、550nmを含む10nm幅の波長範囲にわたって、10%以下、又は5%以下、又は2%以下、又は1%以下の設計入射角における平均内部透過率を有し、かつ/又は、多層光学フィルムとマゼンタ層との組み合わせが、設計入射角で、かつ光が多層光学フィルムに入射する前に吸収性マゼンタ層を通過するような方向で前記組み合わせに入射する光に対して、50%未満、又は40%未満、又は30%未満、又は20%未満という、500〜600nmの波長範囲にわたった最大反射率(%)を有し、かつ/又は、マゼンタ層の最大吸収率及び最小透過率に対応する吸収ピークが少なくとも530nmかつ560nm以下の波長に位置しうるものであり、かつ/又は、前記吸収ピークが20%よりも大きいが80%よりも小さい内部透過率を有しうる。
適切なフレーム及び開示されたフィルターを貼着するか又は他の方法で組み込むことが可能な1対のレンズを有する代表的なアイウェアの一実施形態が図12Aに示されているが、アイウェア1209は任意の好適な設計を有することができる。矯正レンズアイウェアでは、アイウェア1209は、使用者の視線に対して、又は使用者の顔面に垂直な軸に対してフィルター1211を約10°の角度で傾かせることができる。フィルター1211は、わずかに湾曲した(例えば100mmよりも大きい曲率半径で)アイウェアレンズの内面又は外面に積層又は他の方法で貼着することができる。PETを主要構成材料とする多層光学フィルムは、冷間プレスすることによってこのような曲率と形状一致させ、一般的な光学接着剤によってその位置に保持することができるが、100mm程度の小さい曲率にフィルムを形状一致させるためには一定の加熱が必要とされる場合もある。曲率半径が約100mm以下であるレンズへのポリマーフィルターの貼着は、100℃以上のオーダーの低レベルの加熱の使用によって促進することができる。フィルムの不均一な延伸を防止するためには、曲率半径の小さい表面に対してポリマーフィルターを熱成形する際に注意を要する場合がある。フィルターは、レンズの前面又積層するか、又は機械的及び/又は磁気的取付け要素を利用した「クリップオン」構造としてアイウェアに取り付けることができる。また、フィルムは、米国特許第5,827,614号(Bhalakiaら)及び/又は同第6,328,446号(Bhalakiaら)に述べられるような方法を用いてレンズに組み込むこともできる。他の取付け方法としては、フィルターに対するレンズ材料の射出成形、又はレンズを2個の部品として製造してから光学フィルター又はその複数の構成要素をレンズ部品の一方又は他方に積層した後、2個のレンズ部品を互いに光学的に接着することが挙げられる。フィルターは任意の矯正レンズに取り付けられる必要はなく、自立式として、従来のアイウェアフレームなどの任意の適切なアイウェアフレームによって適所に保持することができる。特定の実施形態では、フィルター、又は硬化したラミネート内のフィルターを、熱成形を用いずに40mm以上の曲率半径を有する円筒状の形態に2個のフィルターのそれぞれを機械的に適所に保持するフレームとともに使用することができる。場合によっては、アイウェアレンズの前面に偏光染料を含むことが望ましい場合もある。場合によっては、適切なフレームを用いてポリマーフィルターを適所に保持するか、又は他の方法によって例えば使用者の顔面に対して垂直な方向に対する所望の入射角(傾斜角)及び所望の曲率半径(平坦であるか平坦でないかによらず)にフィルターを保持することによって、アイウェア1209からレンズ1216を省略することができる。
次に、例えば、グレアを低減するために、開示された多層光学フィルムと組み合わせて開示されるフィルターに使用することができるいろいろな吸収性マゼンタ染料及び材料について述べ、更に、開示されるフィルターに使用するための他の吸収性着色層についても述べる。
狭帯域染料のスペクトル幅は、染料の光学密度で測定した場合(下記に更に述べる)、染料添加量とは一般的に無関係である。しかしながら、内部透過率(%)、吸収率(%)、又は吸収度プロットから測定されるスペクトル幅は、染料添加量が増大するにしたがって大きくなる。この効果は、透過光を狭帯域で遮断する、及び反射されるグレアをより大きく吸収するためにより広い帯域を与える、という両方の目的で、狭帯域の反射性多層光学フィルムが狭帯域の染色層(又は同様の狭帯域の吸収層)と組み合わされているフィルターの性能に重大な副次的影響を及ぼすものである。
染料又は他の吸収性材料若しくは層は、比較的中度のピーク吸収率(例えば40%〜80%)を有する希釈コーティングを使用することにより、内部透過率、吸収率、又は吸収度から測定されるFWHM幅が比較的狭くなるように調整された緑の選択的吸収帯域を有するように選択することができる。これにより、多層光学フィルムの反射帯域の外側の光の透過率が比較的高くなる。吸収層が多層光学フィルムの観測者側の面に適用される場合、多層光学フィルムから反射される前と後で光が吸収体を2回通過することにより、吸収帯域幅及び経路長の有効な増大のために、1回通過の吸収率と比較して反射光の光学的減衰率が増大する。換言すれば、中度の吸収性染料のFWHMは、1回通過の透過光に対するよりも2回通過の反射光に対して大幅に大きくなっている。これにより、染料のピーク吸収値にない、反射された緑色光の波長がより大きく減衰されることになる。
グレアの低減以外に、吸収層(例えば希釈染料)の狭い帯域幅は、設計入射角の多層光学フィルムと同様の透過光の色を観測者に与える。吸収層及び多層光学フィルムの両方を有するフィルターの透過光を広い角度範囲にわたって見た場合、複合フィルムの見かけの色は、吸収層がフィルターから省略されている場合、又は吸収層が広帯域のグレー吸収フィルムのように色選択性が低いものである場合と比較して、色変化はそれほど顕著ではない。この特徴は、見る角度にともなう多層光学フィルムの反射帯域の既知の色変化によって引き起こされうる観測者の気を散らす効果を低減させるものである(例えば米国特許第6,531,230号(Weberら)を参照)。約20〜30°よりも大きく垂直から外れた視角では、観測者に対する色強調効果は多層リフレクターの帯域シフトのために低減されうるが、レーザー保護アイウェアなどの特定の用途と異なり、この場合ではアイウェアの使用者に危険性は及ばない。レーザー保護アイウェアの場合では、角度に応じた反射帯域シフトの現象は極めて望ましくないものとみなされ、そのためこうした用途における多層リフレクターは、例えば曲率半径が40〜60mmの範囲にある基材のように大きく湾曲した基材(レンズ、窓、又はシールド)上に、基材及びリフレクターの曲率の中心が使用者の目の網膜の後方又はその近くに概ね位置するように一般的に配置される。これに対して、本明細書に開示されたアイウェア、及びこうしたアイウェアに適用された開示されたフィルターは、必要に応じて強い曲率を有してもよいが必ずしも有する必要はない。例えば、そのようなアイウェア(例えばレンズ)及びフィルターは、100mmよりも大きい、又は150mmよりも大きい曲率半径を有してもよい(これらの範囲は無限大の曲率半径、すなわち平坦なレンズ表面又はフィルターを含む)。
次に、図6と関連して上記に述べた吸収性マゼンタ染色フィルムについて再考し、これらのフィルムを更に詳細に評価する。図13は、測定された外部透過率スペクトル601、602、603、及び604を再現したものであり、単純にそれらを1301、1302、1303、及び1304にそれぞれ再ラベル付けしたものである。これらのスペクトルと関連付けられるフィルムは、上記の異なる添加量のEpolight(商標)5391染料を使用したものである。図13では更に、これらのスペクトルに、図7の狭帯域緑反射多層光学フィルムの測定された外部透過率スペクトル(図13では符合1305で再ラベル付けしている)を重ね合わせている。重ね合わされた透過率スペクトルは、吸収性マゼンタ層の吸収帯域、及びその帯域のピーク吸収の波長が、多層光学フィルムの反射帯域の波長と少なくとも概ね揃えられた様子をグラフで示している。
図15のデータ(曲線1301〜1304と関連付けられる吸収性フィルムの光学特性を含む)を用いて、曲線1301〜1304を比較し、表4を検討することによって、これらの吸収性マゼンタフィルムの吸収帯域のFWHM幅が染料添加量に応じて変化することが分かる。吸収帯域幅は、乾燥添加量がより少なく、可視範囲にわたった平均透過率がより高いフィルム(例えば曲線1304を参照)で最も狭くなっている。吸収帯域幅は、乾燥添加量がより多く、可視範囲にわたった平均透過率がより低いフィルム(例えば曲線1301)で最も広くなっている。乾燥添加量がより少ない、より狭い帯域のフィルムは、許容可能な狭帯域グレア低減要素として機能することができる。
興味深い点として、吸収性マゼンタフィルムの透過率特性を光学密度(OD)又は吸光度:
光学密度(すなわちOD)=吸光度=−Log10((内部透過率(%))/100),
により再構築すると、いろいろなフィルムの得られた透過率スペクトルは、染料添加量に応じて大幅に小さい吸光度幅を示す。図13の染色フィルムの一部のものの光学密度又は吸光度を、最初にポリマー/空気界面における光の反射の影響をそれぞれの外部透過率スペクトルから数学的に除去し(内部透過率(%)を得るため)、次いで100で割って上記の式にしたがって負の対数を計算することによって計算した。ポリマー/空気界面における(フレネル)反射率は、測定されたフィルムの外部透過率「T外部」からフィルムの内部透過率「T内部」を計算する下式によって数学的に除去することができる。すなわち、
T内部=(−b+sqrt(b^2−4ac))/2aただし、
a=r1r2
b=1−r1−r2+r1r2
c=−T外部
r1=屈折率から計算された第1のポリマー/空気表面の反射率、及び
r2=屈折率から計算された第2のポリマー/空気表面の反射率。
これらの計算の結果を図14に示す。図14において、曲線1401、1402、1403は、それぞれ曲線1301、1302、1303の吸収性マゼンタフィルムの計算された光学密度又は吸光度である。図14の各曲線において、2本の細い縦線は、吸光度が最大値の半分となる短い波長位置と長い波長位置を示すためのものである。
いろいろな染色フィルムの吸光度又は光学密度スペクトルは、染料添加量への依存度が小さい幅(それぞれ約40nm)を有していることが図から理解できる。しかしながら、CVDを有する個人の色識別性の向上に関する本出願では、吸収帯域幅のこのような基準(吸収層の光学密度に基づく)は、吸収層により吸収される光の比率又は割合(%)に基づいて、すなわち吸収率又は内部透過率に基づいて測定される帯域幅よりも有意性が低い。「吸収率」は、0〜1の範囲のパラメータであり、1から内部透過率を引いたものに等しい(その場合、内部透過率は割合(%)ではなく、小数として表される)。図6及び13から理解されるように、図14と異なり、染色フィルムの吸収帯域の幅(FWHM)は、染料添加量とともに大きく変化する。しかしながら、厳密に言うと、図6及び13はフレネル表面反射の影響を含んでおり、したがって、内部透過率ではなく外部透過率に関するものである。より厳密な結果を得るために上記に述べたように前面及び後面のフレネル表面反射を外部透過率スペクトルから数学的に容易に除去することができる。
この手法を行った後、曲線1302、1303、及び1304の吸収率を計算したものを、それぞれ1501、1502、及び1503にプロットした。図15の各曲線において、2本の細い縦線は、やはり吸光率が最大値の半分となる短い波長位置と長い波長位置を示すためのものである。ここでは、曲線1501、1502、及び1503のFWHM幅は、それぞれ80nm、63nm、及び52nmに等しくなっている。ここでもやはり、これらの吸収性マゼンタフィルムの吸収帯域の幅は、染料添加量が増大するにしたがって(かつピーク吸光率が増大するにしたがって)大幅に増大していることが分かる。同様に、隣接する多層リフレクターからの反射によって光が染料層を2回通過することにより、染料添加量が効果的に2倍となるために、1回通過の透過光に対する染料層のFWHMと比較して反射光に対する染料層のFWHMは増加している。
図13(及び図15)より、曲線1303及び1304(曲線1502及び1503)の吸収性マゼンタフィルムは、曲線1305の多層光学フィルムの帯域幅に近い帯域幅を有しており、これら2つの吸収性マゼンタフィルムは、多層光学フィルムの反射帯域の外側では相対的にわずかな量の光しか吸収しないことが理解される。したがってこれらの吸収性フィルムの相対的に希釈されたコーティングでは、吸収の大部分は多層光学フィルムの反射帯域によってすでに遮断されている帯域内で生じており、これらの帯域は(個別又はともに)緑の可視範囲全体の一部を遮断するのみである。したがって、多層光学フィルムが緑の可視範囲の選択された部分に対する遮断能の大部分を与える一方で、曲線1305の多層光学フィルムと曲線1303又は1304の吸収性マゼンタ層との組み合わせにより形成されたフィルムを使用する観測者は、着色物体又は像を見るために相当量の緑の可視光を低いグレアで依然知覚することができる。
図16は、狭帯域緑反射多層光学フィルムからのグレア(反射)が、中度のピーク吸収率を有する適切に配置された吸収性マゼンタ層によって顕著に低減される様子を示す、いくつかの代表的な透過率及び反射率の曲線を示している。曲線1601は、狭帯域緑反射多層光学フィルムの反射率(垂直入射角で測定された外部透過率より計算される)である。曲線1602は、Epolight 5391染料を使用して作製した、図6のものと同様の吸収性マゼンタフィルムの内部透過率である。この吸収性マゼンタフィルムでは、染料は耐スクラッチ性UV硬化アクリレートハードコートの溶媒に溶解してから、その樹脂と混合した。このアクリル樹脂に43%シリカシランを添加し、所望のピーク吸収値を与えるように染料添加量を調整した。下記表6に示されるように、ハードコート中の染料のスペクトル幅(FWHM)は、Vitelコーティング中の同じ染料のものよりも大きくなっている。表4の染料曲線604及び605のFWHM値及びピーク透過率と、表6の曲線1602のFWHM値及びピーク透過率とを比較されたい。この異なる染料ホストは、更に、ピーク吸収波長をVitel中における554nmから551nmのより低い値にシフトさせる。マゼンタ染料層を通る光の2回通過透過率は、特定の波長の光のみが多層積層体により完全に反射されて染料層を2回通過することを考慮した曲線1603により近似されている。曲線1603及び1604は、曲線1601及び1602に基づいて計算される。詳細には、曲線1603は、多層光学フィルムの反射帯域1601aの領域内を除いて、曲線1602をほぼ辿っている。反射帯域1601の領域内では、曲線1603は、この波長領域の光が吸収性マゼンタフィルムを2回通過することを考慮した(図12を参照)吸収性マゼンタフィルムの「2回通過」内部透過率である。曲線1603のピーク吸収率は、曲線1602のピーク吸収率よりも大幅に大きくなっている。図13及び15の各曲線と同様、吸収曲線1603の有効FWHMは、やはり曲線1602のFWHMよりも大幅に大きいため、着色色物体及び像を見るための透過光のより狭い吸収帯域を与える一方で、より広い帯域で反射グレアのより高い吸収率を与える。
曲線1604は、垂直入射角における多層光学フィルムの反射率(曲線1601)及び曲線1603の透過スペクトル(により与えられる吸収率)に基づいて計算された全体の反射率又はグレアである。このグラフは、反射帯域の限定された帯域幅のため、吸収性マゼンタフィルムによって大きく吸収される光のすべての波長が多層光学フィルムによって大きく反射されるわけではないことを考慮したものとなっている。(入射角に応じた反射帯域のシフトの影響も考慮することができ、図17と関連して下記に述べる。)これらの点を考慮することによって、吸収層の吸収帯域の幅及びピーク吸収の一定の複雑さの「増幅」効果が与えられる。
吸収性マゼンタ層フィルムの関連する光学特性(符合1602により示される)を下記表6に示し、多層光学フィルム(符合1601により示される)の関連する光学特性を下記表7に示す。多層光学フィルムの反射帯域は、染料のFWHM幅よりも狭いFWHM幅を有している。そのため、多層光学フィルムは、吸収性マゼンタフィルムが大きな吸収率を有するすべての波長を反射するわけではなく、吸収性マゼンタフィルムはその吸収帯域全体にわたって完全な2回通過吸収を生じるわけではない。
しかしながら、例えば観測者の眼球から、又は観測者の目の周辺の皮膚から反射する光によるフィルムをほぼ垂直な入射角で伝播する光では、吸収性マゼンタフィルムを光が2回通過することにより、図16の曲線1603により大まかに示されるようにリフレクターの帯域幅内の光はやはり減衰される。したがって、垂直な帯域端を有する多層光学フィルムへの垂直な入射の場合、グレアはやはり、図16の曲線1604によっておおよそ与えられる。したがって、このようなフィルターの構造は、500〜600nmの範囲にわたって大幅に低減されたピーク反射率を与えるものである。
垂直以外の角度で吸収性フィルターに入射し、多層光学フィルム(その反射帯域のスペクトルは非垂直入射角のためにシフトする)から反射する光の場合は、角度に依存するためにより複雑である。図17のグラフは、図16におけるものと同じ狭帯域緑反射多層光学フィルム及び同じ吸収性マゼンタフィルムについてこのような状況を検討したものである。図17には、垂直入射角で測定された多層光学フィルムの外部透過率が曲線1701としてプロットされ、30°の斜めの角度で計算された同じフィルムの外部透過率が曲線1702としてプロットされている。図17には、符合1703で示される、吸収性マゼンタフィルムの測定された外部透過率も示されている。30°の入射角では、吸収性マゼンタフィルムを通る光の2回通過は、約500〜530nmの波長で主として起こる。吸収性フィルムはこれらの波長においても大きな吸収率をやはり有しており、一定のグレア防止効果を与えるものである。この例では、ハードコート中のわずかに帯域幅が広いEpolight 5391染料の使用、及びVitel中の同じ染料と比較してそのピーク波長がシフトしていることにより、より低い波長においてより高い吸収率が与えられている。45°〜60°のより大きな入射角では、多層光学フィルムの反射帯域は、青色の可視領域にシフトするが、この領域では吸収性フィルムの吸収率は大幅に低いが、この領域はまた、ヒトの目の明所視感度応答が低下するために目では知覚しにくい波長範囲でもある。
大きな角度範囲でフィルターから反射される高強度の光に対するグレア防止策が望ましい場合には、広帯域吸収剤(例えば広帯域染料、又は合わさって広帯域吸収性を生じる複数の染料)をグレア防止層として使用することもできる。このような広帯域吸収剤は、可視領域にわたった波長に応じて比較的均一な透過率(及び比較的均一な吸収率)を有するものとすることができる。得られるフィルター構造(広帯域吸収剤を加えた狭帯域緑反射多層光学フィルム)は、光の全透過率がより低いものとなる(例えば420nm〜680nmの光の平均透過率が、50%未満、又は30%未満、又は更には20%未満でありうる)が、大幅に低い全透過率が望ましい屋外環境では有用でありうる。
Figure 2020064285
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Epolight 5391狭帯域染料の代替品について検討した。この代替品は、山本化成株式会社(東京)より販売される狭帯域染料であるSD−048タイプである。Epolight 5391染料を用いて作製したフィルムと同様にして、様々な染料添加量のSD−048を用いて更なる吸収性マゼンタフィルムを作製した。いくつがVitel中、1つがPMMA中で調製された、4種の異なる染料添加量の調製品の詳細を下記表8、9、10及び11に示す。メイヤーバー24号を使用して50ミクロンの透明ポリエステルフィルムにこれらの染料溶液を1種ずつハンドコーティングしたものを形成することにより4つの染色フィルムを作製した。
Figure 2020064285
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Figure 2020064285
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得られた4種の吸収性マゼンタフィルムのそれぞれについて、垂直入射角での外部透過率を測定した。代表的な外部透過スペクトルが図18に曲線1801、1802、1803、及び1804としてプロットされている。曲線1801は表9の染料溶液(Vitelの1:2溶液)から調製されたフィルムに対応し、曲線1802は表8の染料溶液(Vitelの1:1溶液)から調製されたフィルムに対応し、曲線1803は表10の染料溶液(Vitelの3:1溶液)から調製されたフィルムに対応し、曲線1804は表11の染料溶液(PMMAの3:1溶液)から調製されたフィルムに対応している。これらの吸収性マゼンタフィルム(それぞれの符合によって示される)の関連する光学特性を、図10のデータから上記表6に示す。図18には、曲線1805として、図7の多層光学フィルムの垂直入射角の外部透過率もプロットされている。(透過スペクトル1805及びその反射帯域1805aは、それぞれ透過スペクトル701及び反射帯域701aと正確に対応している。)このような多層光学フィルムを吸収性フィルムのいずれかと組み合わせることによって、吸収性フィルムによるグレアが低減された、CVDを有する個人の色を区別する又は識別する能力を大幅に向上させるためのフィルムを提供することができる。
吸収性マゼンタフィルムの特性を、図13〜15と関連して上記に述べた方法を用いて光学密度(OD)として、又は吸収率として再計算することができる。このようにして、図19の吸収率曲線1901、1902、1903、1904をそれぞれ外部透過率曲線1801、1802、1803、1804に基づいて計算した。曲線1901、1902、1903、1904のFWHM幅を計算したところ、それぞれ61nm、81nm、88nm、及び122nmであった。この場合もやはり、Epolight 5391を用いて作製したフィルムと同様、これらの吸収性マゼンタフィルムの吸収帯域の幅は染料添加量が増大するにしたがって、またピーク吸収率が増大するにしたがって増大していることが分かる。低い染料添加量では、この染料は、反射帯域の波長範囲の外側で比較的高い透過率を、また帯域内で高い吸収率を与えることができる。多くの場合、80nm以下のFWHM幅は、良好なグレア制御及び許容される帯域外透過率には十分でありうる。
更に、図20の吸光度又は光学密度の曲線2001、2002、2003、2004を、それぞれ外部透過率の曲線1801、1802、1803、1804に基づいて計算した。曲線2001、2002、2003、2004のFWHM幅を計算したところ、それぞれ47nm、56nm、40nm、及び43nmであった。これは、いろいろな染色フィルムの吸光度又は光学密度スペクトルが、染料添加量への依存度が小さい幅を有していることをやはり示している。
吸収性マゼンタ層と組み合わせた(に積層された)狭帯域緑反射多層光学フィルムを組み入れた異なる複合フィルターを作製し、これらのフィルターを、色識別性の改善が見られるかを確かめる目的でCVDを有する個人によって試験した。図21〜23は、こうしたフィルターの測定された外部透過率スペクトルを示している。
図21のフィルターでは、曲線701の狭帯域緑反射多層光学フィルム(図7参照。このフィルム自体のFWHM幅は49nmであった)を、曲線1304の吸収性マゼンタフィルム(図13参照。このフィルム自体のFWHM幅は52nmであった)に積層した。得られた複合フィルターは、図21で曲線2101により示される垂直入射角で測定された外部透過率を有していた。550nm又はその付近に位置する阻止帯域2101aを容易に見ることができる。この複合フィルターの関連する光学特性を下記表12に示す。複合フィルターのFWHM幅(54nm)は、多層光学フィルム(49nm)又は吸収性マゼンタ層(52nm)単独のFWHM幅よりもわずかに大きいだけである。
2つの複合フィルターが図22と関連して示されている。これらのフィルターは、反射帯域を所望の波長にシフトさせるようにキャスティングホイールの速度を調整した点以外は、図21のフィルターと同様にして作製した。第1のこうしたフィルターでは、狭帯域緑反射多層光学フィルムを曲線1304の吸収性マゼンタフィルターに積層した。図21と同様、多層光学フィルムの反射帯域は三次帯域であり、中心波長が550nmよりもわずかに小さく、FWHM帯域は約48nmであった。得られた複合フィルターの測定された外部透過率は、図22で曲線2201により示されている。この複合フィルターの関連する光学特性を下記表12に示す。多層光学フィルムの反射帯域がより短い波長に動いているが、染料の吸収帯域は動いていないためにFWHMは58nmにまで増大している。より狭いスペクトル幅(FWHM)を有する阻止帯域を与えるには、より短い波長に吸収帯域を有する代替的な染料を使用することが望ましい場合がある。
図22の第2の複合フィルターは、550nmよりもわずかに大きい中心波長を有している。反射帯域は、約49nmのFWHM幅を有していた。この多層光学フィルムを曲線2201の複合フィルターに使用されている同じ吸収性マゼンタフィルムに積層した。得られた複合フィルターの測定された外部透過率は、曲線2202により示されている。この複合フィルターの関連する光学特性を下記表12に示す。多層光学フィルムの反射帯域がより短い波長に動いているが、染料の吸収帯域は動いていないためにFWHMは59nmにまで増大している。より狭いスペクトル幅(FWHM)を有する阻止帯域を与えるには、より短い波長に吸収帯域を有する代替的な染料を使用することが望ましい場合がある。
それぞれが多層リフレクターと吸収性マゼンタ層とから構成される3つの複合フィルターが図23と関連して示されている。これら3つのフィルターのそれぞれの多層リフレクターは、PETとcoPMMAとが275層に交互に配された層を有しており、その三次高調波が550nm又はその付近に可視反射帯域を生じる一次反射帯域を赤外領域に生じる層の厚さの勾配を有していた。これらの多層光学フィルムのそれぞれの可視反射帯域の正確なスペクトル位置を、押出しプロセスにおけるキャスティングホイールの速度を変えることによってその所望の値に調整した。第1の多層光学フィルム(第1の複合フィルターの構成要素)の可視反射帯域は、550nmよりもわずかに小さい中心波長を有し、第2の多層光学フィルム(第2の複合フィルターの構成要素)の可視反射帯域は、550nmに最も近い中心波長を有し、第3の多層光学フィルム(第3の複合フィルターの構成要素)の可視反射帯域は、550nmよりもわずかに大きい中心波長を有していた。これらの複合フィルターを製造するため、これらの多層光学フィルムのそれぞれを吸収性マゼンタフィルムに接着した。それぞれの場合で、使用した吸収性マゼンタフィルムは、最小内部透過率が51%である、曲線2501(下記図25を参照)によって示される染料添加量を有する吸収性マゼンタフィルムとした。これはまた、曲線1602について使用及び測定したものと同じ染色フィルムでもある。曲線1703は、この同じ染料層の外部透過率を示している。この吸収性マゼンタフィルムと3つの多層光学フィルムとの組み合わせによって、垂直入射角で測定されたそれらの外部透過率が図23にそれぞれ曲線2301、2302、及び2303によって示される第1、第2、及び第3の複合フィルターが与えられた。これらのフィルターの阻止帯域は、それぞれの多層光学フィルムの(三次)反射帯域と吸収性マゼンタフィルムの吸収帯域との組み合わせであり、図に明確に見ることができる。これらの複合フィルターの関連する光学特性を下記表12に示す。曲線2301〜2303の狭いスペクトル幅(FWHM)の値は、曲線1602のマゼンタ層(FWHM=68nm)の付加後ではベースの光学フィルムの値35nm(曲線1701)よりもわずかに大きいのみである点に注意されたい。
Figure 2020064285
図21の複合フィルターを、大多数がCVDである19人の個人によって試験した。(1人の個人は正常な色覚を有していることが分かっており、CVDではなかった(図24A、24Bの個人10を参照)、別の個人は自身がCVDであると思い込んでいたが試験の結果、そうでないことが判明した(図24A、24Bの個人4を参照)、更に別の個人は実際にCVDを有しており、試験を2回行ってその結果を2人の個人すなわち個人1及び個人11として別々に報告している。)フィルムを保持した眼鏡フレームに、約60mmの円筒曲率半径で、フィルム表面に対して垂直入射角で見るために各レンズの曲率の中心がそれぞれの目の網膜の直ぐ後ろに位置するようにして、フィルターを挿入した。それぞれの個人に、フィルター付きの眼鏡を使用せずに、拡散太陽光と天井の蛍光灯の調和のとれた混合光で照明された窓付きの部屋の環境で、25枚の石原式検査表の数字パターンを読んでもらった。この結果得られた、それぞれの個人によって正しく識別された石原式検査表の数(全体で25枚のうち)を図24Aにプロットした。(正常な色覚を有することが分かっている個人である個人10についてはデータポイントはプロットされていない。この個人は25枚の石原式検査表のすべてを認識した。)このグラフにおいて、縦軸は正しく識別された石原式検査表の数であり、横軸は試験を受けた個人の識別番号(1〜20)である(ただし、横軸上の「個人」のうちの2人は2回試験を行った1人の個人である)。標準化された方法により、13点以下の正しい応答のスコアは色覚異常を示し、17点以上の正しい応答のスコアは正常な色覚を示すものとする。参照目的で、グラフ上の13点及び17点の位置に細い横線が示されている。20人の個人のほとんどすべてが色覚異常を有していることが明らかである。
次に、同じ19人の個人のそれぞれに、フィルター付きの眼鏡を着用してもらった以外は、ほぼ同じ条件の下で試験を再び受けてもらった。19人の個人のすべてについての結果を、図24Aと同様に設定した図24Bのグラフに四角いデータポイントとしてプロットした。図24Bには、便宜上、最初のデータポイント(各個人がフィルター付きの眼鏡を着用しなかった場合)も再現されており、最初のデータポイントは丸いデータポイントとして示されている。図24Bの横軸上の「個人」のうち、個人#1及び個人#11の2人はやはり2回試験を行った1人のCVDを有する個人である点に注意されたい。また、個人#10は、フィルター付き眼鏡を用いたこの試験においてもやはり25枚の石原式検査表のすべてを認識した。
個人#1を除く同じ19人の個人のそれぞれに、フィルター付き眼鏡を着用してもらい、ただし異なる照明条件下(天井の蛍光灯のみによって部屋を照明した)で再び試験を受けてもらった。個人#1には個人#11として再び試験のこの部分を受けてもらうように呼び戻した。この場合の19人の個人のすべての結果は、図24Bのグラフに菱形のデータポイントとしてプロットした(データポイントが示されていない個人10は、この場合にもやはり25枚の石原式検査表のすべてを認識した点に注意されたい)。
色識別試験を図22の各フィルターでも行った。これらの試験では、フィルター付き眼鏡に、観測者の目の視点から見てほぼ垂直の入射角を与える同じ円筒状形態を有する曲線2201のフィルター(その中心波長が上記表12に538nmとして示される)に図21のフィルターを置き換える改変を行った。一般的に言うと、このグループのCVDの個人は、フィルター付きの眼鏡を用いずに石原式検査表を見た場合と比較して曲線2101のフィルターを有する眼鏡及び曲線2201のフィルターを有する眼鏡がいずれも大幅に改善された色識別性を与えることを認識した。一般的には、改善の度合いはこれらの2つのタイプの眼鏡で概ね同じであり、大部分のCVDの個人は曲線2101のフィルターと曲線2201のフィルターとの間に差を認めなかった。
色識別性試験を図23のフィルター及びいくつかの他のフィルターでも行った。これらの試験では、図21に関連して上記に述べた19人の個人のうち、CVDを有し、19人のグループ内のCVDを有する個人を比較的代表すると見なされる1人にいくつかの異なる石原式検査表を示し、各検査表の数字のパターンを読んでもらった。照明条件を制御した。「フィルターなし」の眼鏡を用いた場合及び以下のフィルターの1つが適用された眼鏡を使用した場合のこの個人の、石原式検査表の数字を読むことができた、できなかった、を記録した。
・曲線2301の複合フィルター(図23)、
・曲線2302の複合フィルター(図23)、
・曲線2303の複合フィルター(図23)、
・曲線2101の複合フィルター(図21)、
・以下の垂直入射角での内部透過率特性を有する多層光学フィルム片(ここではMB530と呼ぶ)のみで構成されたフィルター、すなわち、λ1=513nm;λ2=548nm;FWHM帯域幅=35nm;λ中心=530nm;550nmを含む10nm幅の波長範囲にわたって平均化した内部透過率(T)=38%(最小の数値結果を与えるように選択された540〜550nmの範囲にわたり);420〜680nmにわたって平均化した内部透過率(%)=86%;420〜λ1、λ2〜680nmにわたって平均化した内部透過率(%)=97%、及び
・以下の垂直入射角での内部透過率特性を有する多層光学フィルム片(ここではMB570と呼ぶ)のみで構成されたフィルター、すなわち、λ1=552nm;λ2=588nm;FWHM帯域幅=36nm;λ中心=570nm;550nmを含む10nm幅の波長範囲にわたって平均化した内部透過率(T)=31%(最小の数値結果を与えるように選択された550〜560nmの範囲にわたり);420〜680nmにわたって平均化した内部透過率(%)=85%;420〜λ1、λ2〜680nmにわたって平均化した内部透過率(%)=96%。
表13は、上記のフィルタリング条件のそれぞれについて、すべての電灯を消した、窓から日光が射し込む窓付きの部屋の環境におけるCVDを有する個人による石原式数字パターンの観測/判読の結果を示したものである。特定のフィルターの個人の色識別性を改善する能力を、試験した石原式検査表のそれぞれについて、(1)実際の数字のパターン、(2)フィルターを使用しない場合のCVDの個人による数字パターンの判読、及び(3)その特定のフィルターを使用した場合のCVDの個人による数字パターンの判読を比較することによって確かめることができる。
Figure 2020064285
表14は、表13と同じフィルタリング条件であるが、天井の蛍光灯のみによって明るく照らされた部屋の環境における、同じCVDの個人による同じ石原式数字パターンの観察/判読の結果を示したものである。
Figure 2020064285
可視光の緑の波長を選択的に吸収する吸収性マゼンタフィルムに加えて、かつ/又はこれに代えて、開示されたフィルターは、他の着色吸収性フィルム又は層を含んでもよい。例えば、青及び赤の可視波長を選択的に吸収する層、又は青の可視波長を選択的に吸収する層を用いることによって、より中間的な白(又は灰色)の方向でフィルターの透過色を少なくとも部分的にバランスさせることができる。色バランスをとる試みがいっさい行われなければ、緑波長範囲の一部が強く遮断されることにより、フィルターの透過光は通常、強いマゼンタ色又は少なくとも顕著なマゼンタ色の外観を有する。このような外観は、使用者によっては、色識別性を向上させるうえで有用であることが認識されたとしても抵抗を感じる場合がある。これに対して、過剰な色バランスがとられると、フィルターの色識別性を向上させる能力を打ち消してしまうおそれがある。例えば、緑色光の一部を選択的に遮断し、青色光、赤色光、及び緑色光の残りの部分を自由に透過させる多層光学フィルムにより色識別性が向上させられる場合、赤色及び青色光を遮断するが緑色光を透過させる吸収性フィルターは、多層光学フィルムの効果を部分的又は完全に打ち消すであろう。
本発明者らは、開示されたフィルターにおいてはある程度の色バランスをとることがしばしば望ましく、これが赤/緑の色識別性を含む色識別性の向上と適合しうることを見出した。
緑の染料(タイプ213 White flame Green)でコーティングされたフィルムを、LEE Filters社(www.leefilters.com)より入手した。ここで「緑」の染料とは、青及び赤の波長を選択的に吸収し、緑色光を透過するために、透過光が緑の外観を有する染料のことを指す。この吸収性緑フィルムの内部透過率のスペクトルを図25に曲線2502としてプロットした。図25には、マゼンタ染料、特にEpolight 5391染料を使用して調製されたマゼンタ染料の内部透過率のスペクトル(曲線2501を参照)もプロットされている。最後に、曲線2503は、狭帯域緑反射多層光学フィルムの内部透過率をプロットしたものである。この多層光学フィルムは、それぞれ図16及び17の曲線1601及び1701に関連したものと同じフィルムである。このフィルムの反射帯域は2503aに見られる。上記に述べたものと同様の数学的手順を用いて外部透過率の測定値から外側のポリマー/空気界面での反射の影響を除去することで内部透過率曲線2501、2502、2503を得た。
図25の内部透過率曲線を用いて1以上の複合フィルターを数学的に構築又はシミュレートすることができる。対象とする第1の複合フィルターは、図25の3つのフィルムすべて、すなわち、多層光学フィルム(曲線2503)、吸収性マゼンタフィルム(曲線2501)、及び吸収性緑フィルム(曲線2502)の積層体である。これら3つのフィルムが光学的に透明な接着剤によって互いに積層されると、得られる第1の複合フィルターの内部透過率は、曲線2501、2502、及び2503を組み合わせたものとなる。この組み合わせ、すなわち第1の複合フィルターの内部透過率を図26に曲線2602として示す。対象とする第2の複合フィルターは、多層光学フィルム(曲線2503)と吸収性緑フィルム(曲線2502)の積層体である。これら2つのフィルムが光学的に透明な接着剤によって互いに積層されると、得られる第2の複合フィルターの内部透過率は図26の曲線2601となる。シミュレートした第1の複合フィルター(曲線2602)とシミュレートした第2の複合フィルター(曲線2601)との間の違いは、第2の複合フィルターには吸収性マゼンタフィルムがないことである点に注意されたい。
簡単な計算手順を用いることで、更に、シミュレートした複合フィルターのそれぞれの吸収性緑フィルムにおける、より重い又はより軽い染料添加量の影響を調べることもできる。これを行うことの1つの理由は、例えば、少なくとも部分的に色のバランスをとることを目的として、このような緑色の染料の量の変化が、複合フィルターの見かけの色をどのように変化させるかを調べることでありうる。簡単のため、図25の曲線2502を、緑色の染料の添加量の値=1(又は1X)とすることができる。これをベースラインとすることで、吸収性緑フィルムの有する内部透過率(又は吸収率)は、最初の染料添加量の2倍(2X)、最初の染料添加量の3倍(3X)、又は更には染料添加量の0倍(0X、すなわちフィルターから吸収性緑フィルムが省略されている場合)のように簡単に計算される。
これらのシミュレーションツールによれば、シミュレートした第1の複合フィルター(1X緑染料にマゼンタ染料を加えたもの。曲線2602を参照)は、緑色の染料の添加量に応じて以下の光学特性を有するものとして示すことができる。
Figure 2020064285
シミュレートした第2の複合フィルター(1X緑染料にマゼンタ染料を含まないもの。曲線2601を参照)は、緑色の染料の添加量に応じて以下の光学特性を有するものとして示すことができる。
Figure 2020064285
これらの表15及び16では以下を仮定している。すなわち、イルミナントCIE D65;観測者10°−1964;波長間隔1nm。更に、これらの表では、「色度x」及び「色度y」とは、CIE 1931のx,y色度図におけるシミュレートした複合フィルターの色座標を指し、「T lum」とは、この色システムで定義される視感透過率を指し、「T a」及び「T b」及び「T L」とは、CIE 1976 L色空間、すなわちCIELABで定義される色及び透過率のパラメータを指す。
シミュレートした第1及び第2の複合フィルターの(a,b)色座標を、吸収性緑層の緑染料の添加量の関数として図27にプロットした。曲線2702はシミュレートした第1の複合フィルターの(a,b)色座標をプロットしている。この曲線の端部2702aは緑染料添加量0(0X)に相当し、端部2702bは緑染料添加量3Xに相当している。曲線2701はシミュレートした第2の複合フィルターの(a,b)色座標をプロットしている。この曲線の端部2701aは緑染料添加量0(0X)に相当し、端部2701bは緑染料添加量3Xに相当している。これらの曲線から、フィルターが吸収性マゼンタ層又はフィルムを有するか否かとは関係なく、緑染料添加量が少ない吸収性緑フィルムであっても、フィルターの色を少なくとも一定の量だけ中間色点(0,0)に近くなる方向に調節する助けとなりうることが分かる。このように緑色光の波長の一部分のみを遮断する狭帯域緑遮断フィルム又はフィルターを使用することで色バランスをとることが容易となる。緑遮蔽リフレクター又は染料が、例えば80nm又は100nmに等しいか又はこれよりも大きい、大幅に広い帯域幅(FWHM)を示す場合、色バランスをとることは困難又は不可能となる。
本発明者は更に、CVDを有する個人の色識別を助ける特定のフィルターの性能に対する着色マゼンタフィルム以外のいくつかの着色吸収性フィルムの影響についても調べた。LEE Filters社(www.leefilters.com)より入手した染料を使用して4つの異なる着色された吸収性フィルムを作成した。これらの染料のうち、少なくとも3つのものが緑又は赤の波長よりも青の波長でより強い吸収性を示した。第1の吸収性フィルムはLee社の染料タイプ764を使用して調製したものであり、フィルムの測定された外部透過率を図28に曲線2801として示す。第2の吸収性フィルムはLee社の染料タイプ151を使用して調製したものであり、フィルムの測定された外部透過率を図28に曲線2802として示す。第3の吸収性フィルムはLee社の染料タイプ009を使用して調製したものであり、フィルムの測定された外部透過率を図28に曲線2803として示す。第4の吸収性フィルムはLee社の染料タイプ765を使用して調製したものであり、フィルムの測定された外部透過率を図28に曲線2804として示す。
上記表13及び14と関連して試験を行った同じCVDの個人を、4枚の石原式検査表を用いて同様に試験した。試験は、すべての電灯を消した、明るい日光が窓から部屋に射し込む窓付きの部屋の環境で行った。この個人に、曲線2302(上記図23を参照)の多層光学フィルムを通して、また、同じ多層光学フィルムを図28の4つの着色吸収性フィルムのそれぞれと組み合わせたものを通して石原式検査表を見た場合の数字のパターンを識別してもらった。いろいろな条件下でのこのCVDの個人による数字パターンの判読を下記表17にまとめて示す。多層光学フィルムの色識別機能に対するいろいろな着色吸収性フィルムの影響を、試験を行った石原式検査表のそれぞれについて、(1)実際の数字パターン、(2)曲線2302の多層光学フィルムのみを使用した場合のCVDの個人による数字パターンの判読、及び(3)多層光学フィルムを特定の着色吸収性フィルムと組み合わせて使用した場合のCVDの個人による数字パターンの判読を比較することによって確かめることができる。
Figure 2020064285
特に断らないかぎり、本明細書及び特許請求の範囲において使用される量、性質の測定値などを表すすべての数は、「約」なる語によって修飾されているものとして理解されるべきである。したがって、そうでない旨が示されないかぎりは、本明細書及び特許請求の範囲に記載される数値パラメータは、本出願の教示を利用する当業者が得ようとする所望の特性に応じて異なりうる近似的な値である。特許請求の範囲に対する均等論の適用を制限しようとするものではないが、各数値パラメータは、記載される有効桁数を考慮し、更に通常の四捨五入法を適用することにより少なくとも解釈されるべきである。本発明の広い範囲を記載する数値的範囲及びパラメータは近似値であることは言うまでもないが、数値が本明細書に述べられる特定の実施例に記載される限りにおいて、これらの値はできるかぎり妥当で正確に報告されている。しかしながら、いずれの数値も試験又は測定の限界にともなう誤差を含みうるものである。
本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく本発明の様々な改変及び変更を行いうることは当業者には明白であり、本発明が本明細書に記載される代表的な実施形態に限定されないことは理解されるはずである。読者は、特に断らないかぎり、開示された1つの実施形態の特徴は開示される他のすべての実施形態に適用可能であることを仮定するべきである。本明細書で参照されるすべての米国特許、特許出願公開、並びに他の特許及び非特許文献は、それらが上記の開示内容と矛盾を生じない範囲で援用されるものである点も理解されるべきである。本発明の実施態様の一部を以下の項目[1]−[31]に記載する。
[1]
色覚異常を有する個人の色識別性を改善する用途に好適なフィルターであって、
設計入射角において、少なくとも50%という420〜680nmの平均内部透過率を有する多層光学フィルムであって、更に、前記設計入射角において、60nm以下の幅(FWHM)を有する反射帯域と関連付けられ、550nmを含む幅10nmの波長範囲にわたって10%以下という平均内部透過率を有する、多層光学フィルムと、
前記多層光学フィルムの一方の面に配置された、緑色光を選択的に吸収する吸収性マゼンタ層と、を含む、フィルター。
[2]
前記フィルムが前記設計入射角において、前記幅10nmの波長範囲にわたって5%以下という平均内部透過率を有する、項目1に記載のフィルター。
[3]
前記フィルムが前記設計入射角において、前記幅10nmの波長範囲にわたって、2%以下、又は1%以下という平均内部透過率を有する、項目2に記載のフィルター。
[4]
前記フィルムが前記設計入射角において、10%以下という、550nmにおける内部透過率を有する、項目1に記載のフィルター。
[5]
前記フィルムが前記設計入射角において、5%以下、又は2%以下、又は1%以下という、550nmにおける内部透過率を有する、項目4に記載のフィルター。
[6]
前記設計入射角において、少なくとも60%という、420〜680nmの平均内部透過率を有する、項目1に記載のフィルター。
[7]
前記設計入射角において、少なくとも70%という、420〜680nmの平均内部透過率を有する、項目6に記載のフィルター。
[8]
前記反射帯域の幅(FWHM)が50nm以下である、項目1に記載のフィルター。
[9]
前記反射帯域の幅(FWHM)が20〜50nmの範囲である、項目8に記載のフィルター。
[10]
前記反射帯域の幅(FWHM)が20〜40nmの範囲である、項目9に記載のフィルター。
[11]
前記反射帯域の幅(FWHM)が反射帯域の短波長帯域端及び長波長帯域端を規定し、かつ前記多層光学フィルムは、前記設計入射角において、少なくとも60%という、420nmから前記短波長帯域端までと前記長波長帯域端から680nmまでとで平均化された場合の内部透過率を有する、項目1に記載のフィルター。
[12]
前記多層光学フィルムの内部透過率が、420nmから前記短波長帯域端までと前記長波長帯域端から680nmまでとで平均化された場合に、少なくとも75%、又は少なくとも90%である、項目11に記載のフィルター。
[13]
前記反射帯域が、赤外反射帯域の高調波である、項目1に記載のフィルター。
[14]
色覚異常を有する個人の色識別性を改善する用途に好適なフィルターを備えるアイウェアであって、前記フィルターが、設計入射角において、少なくとも50%という、420〜680nmの平均内部透過率を有するとともに、前記設計入射角において60nm以下の幅(FWHM)を有する反射帯域と関連付けられ、550nmを含む幅10nmの波長範囲にわたって10%以下という平均内部透過率を有する多層光学フィルムを有するものである、アイウェア。
[15]
前記フィルターが100mmよりも大きい曲率半径を有する、項目14に記載のアイウェア。
[16]
前記フィルターが前記多層光学フィルムから本質的になる、項目14に記載のアイウェア。
[17]
前記フィルターが、吸収層と組み合わせた前記多層光学フィルムを含む、項目14に記載のアイウェア。
[18]
前記吸収層が、前記アイウェアの使用者に面する前記フィルターの面に配置されている、項目17に記載のアイウェア。
[19]
前記吸収層が緑色光を選択的に吸収する、項目17に記載のアイウェア。
[20]
可視反射帯域を有する多層光学フィルムと、
前記多層光学フィルムの一方の面に配置されている、緑色光を選択的に吸収する吸収帯域を有する吸収性マゼンタ層と、を含むフィルターであって、
前記吸収帯域と組み合わせた前記可視反射帯域が、設計入射角において、60nm以下の幅(FWHM)を有する阻止帯域を与え、
前記多層光学フィルムと前記吸収性マゼンタ層との組み合わせが、前記設計入射角において、550nmを含む幅10nmの波長範囲にわたって10%以下という平均内部透過率を有し、
前記多層光学フィルムと前記吸収性マゼンタ層との前記組み合わせが、前記設計入射角で前記組み合わせに入射し、かつ光が前記多層光学フィルムに入射する前に前記吸収性マゼンタ層を通過するような方向から入射する光に対して、500〜600nmの波長範囲にわたって50%未満という最大反射率(%)を有する、フィルター。
[21]
前記吸収帯域が最大吸収率及び最小透過率に相当するピークを有し、前記ピークが、530nm以上で、かつ560nm以下の波長に位置する、項目20に記載のフィルター。
[22]
前記吸収帯域が最大吸収率及び最小透過率によって特徴付けられるピークを有し、前記ピークが20%よりも大きいが80%よりも小さい内部透過率を有する、項目20に記載のフィルター。
[23]
前記多層光学フィルムと前記吸収性マゼンタ層との前記組み合わせが、前記設計入射角において、前記幅10nmの波長範囲にわたって5%以下という平均内部透過率を有する、項目20に記載のフィルター。
[24]
前記多層光学フィルムと前記吸収性マゼンタ層との前記組み合わせが、前記設計入射角において、前記幅10nmの波長範囲にわたって2%以下という平均内部透過率を有する、項目20に記載のフィルター。
[25]
前記阻止帯域の幅(FWHM)が50nm以下であるか、又は20〜50nmの範囲であるか、又は20〜40nmの範囲である、項目20に記載のフィルター。
[26]
前記多層光学フィルムと前記吸収性マゼンタ層との前記組み合わせが、前記設計入射角において、少なくとも50%という、420〜680nmの平均内部透過率を有する、項目20に記載のフィルター。
[27]
前記多層光学フィルムと前記吸収性マゼンタ層とから本質的になる、項目20に記載のフィルター。
[28]
項目20のフィルターを備えるアイウェア。
[29]
前記フィルターが100mmよりも大きい曲率半径を有する、項目28に記載のアイウェア。
[30]
色覚異常を有する個人の色識別性を改善する方法であって、前記個人によって知覚される光をフィルターすることを含み、前記フィルターが、設計入射角において少なくとも50%という420〜680nmの平均内部透過率を有し、前記設計入射角において60nm以下の幅(FWHM)を有する阻止帯域と関連付けられ、550nmを含む幅10nmの波長範囲にわたって10%以下という平均内部透過率を有する、方法。
[31]
前記フィルターが、前記設計入射角において少なくとも60%という420〜680nmの平均内部透過率を、また550nmを含む幅10nmの前記波長範囲にわたって5%以下という平均内部透過率を有する、項目30に記載の方法。

Claims (2)

  1. 色覚異常を有する個人の色識別性を改善する用途に好適なフィルターであって
    設計入射角において、少なくとも50%という420〜680nmの平均内部透過率を有する多層光学フィルムであって、更に、前記設計入射角において、60nm以下の幅(FWHM)を有する反射帯域と関連付けられ、550nmを含む幅10nmの波長範囲にわたって10%以下という平均内部透過率を有する多層光学フィルムと、
    前記多層光学フィルムの一方の面に配置された、495nm〜582nmの波長の緑色光を選択的に吸収する吸収性マゼンタ層と、を含む、フィルター。
  2. 請求項1記載のフィルターを備えるアイウェア。
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