JP2020063618A - 抗側圧構造物の支持構造及び支持工法 - Google Patents

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【課題】アンカーの頭部を抗側圧構造物に定着するに当たり、抗側圧構造物を貫通削孔したり、背面側に設置スペースを確保したりする必要のない技術を提供する。【解決手段】地盤14からの土圧に抗して、アンカー工法を併用して地下空間16を保全する擁壁12の支持構造1において、擁壁12の頂面26付近から地盤14に対して設置したアンカー30の設置方向軸心と、頂面26に載置される荷重伝達部材20の上面との交点位置72が、擁壁12の頂面26の空域X内に収まると共に、アンカー30が擁壁12に接触しないように、アンカー30の設置位置及び設置方向が設定される。【選択図】図4

Description

この発明は、山留め壁等の抗側圧構造物を、アンカーを用いて支持する技術に関する。
地盤を掘削する際には、周辺地盤の崩落を防止するために、掘削領域との境界部分に山留め壁を形成すると共に、この山留め壁の変形や転倒を防止するための支保工として、アンカーを用いることが行われている。
特開2009−185556号公報 特開2017−036567号公報
特許文献1の工法は、山留め壁を背面側地盤に向けて傾斜させて施工すると共に、山留め壁の頭部に連結部材を介してアンカーを鉛直に設置する技術である。
また、特許文献2の工法は、山留め壁を構成する複数の鉛直部材(H形鋼)の背面側上部にそれぞれアーム部材を接合すると共に、各アーム部材を連結するように腹起しを掛け渡し、この腹起しに複数のアンカーの頭部を角度調整部材を介して定着させる技術である。
特許文献1の工法の場合、傾斜させた山留め壁の頭部に対してアンカーを鉛直に設置する関係上、山留め壁を貫通削孔してアンカーを挿通させる必要が生じるが(同文献の図1参照)、これによって断面欠損による山留め壁の耐力の低下や、止水性の低下といった問題が生じる。
これに対し、特許文献2の工法の場合には、鉛直に設置された山留め壁の上部背面側に複数のアーム部材が突設され、斜めに設置されたアンカーの頭部がアーム部材上に固定された腹起しに定着される構造を備えているため、山留め壁を貫通削孔することなく、アンカーを地盤中に安定的に固定することができる(同文献の図1参照)。
しかしながら、複数のアーム部材や腹起しが山留め壁の背面側(外側)に向けて大きく張り出すように設けられているため、事前に地表を削って設置スペース(すき取り空間)を確保する必要があった。
さらに、特許文献1及び2の工法は、共に複数のアンカーの頭部が共通の腹起しに定着される構造であるため、アンカーを設置する際には常に長尺な腹起しを先に設置する必要があり、工事の煩雑化や非効率の要因となっていた。
この発明は、このような従来工法の問題点を解決するために案出されたものであり、アンカーの頭部を抗側圧構造物の上部に定着するに当たり、抗側圧構造物を貫通削孔したり、背面側設置スペース(すき取り空間)を確保したりする必要のない技術の提供を第1の目的としている。
また、複数のアンカーの頭部を抗側圧構造物の上部に定着するに当たり、長尺な腹起しを介在させる必要のない技術の提供を第2の目的としている。
前記の目的を達成するため、請求項1に記載した抗側圧構造物の支持構造は、外部土壌からの圧力に抗して、アンカー工法を併用して内部空間を保全する抗側圧構造物の支持構造において、前記構造物の頂面付近から外部土壌に対して設置したアンカーの設置方向軸心と、前記抗側圧構造物の頂面に載置される荷重伝達部材の上面との交点位置が、前記抗側圧構造物の頂面の空域内に収まると共に、前記アンカーが前記抗側圧構造物に接触しないように、前記アンカーの設置位置及び設置方向が設定されていることを特徴としている。
前記「アンカーの設置方向軸心」とは、所定の設置方向(角度)で配置されたアンカーの軸心を意味している。
また、請求項2に記載した抗側圧構造物の支持構造は、請求項1の荷重伝達部材と、荷重伝達部材の一端と前記抗側圧構造物の内面上部を接合する固定部材と、角度調整部材よりなるアンカー頭部ユニットを備え、この角度調整部材は、前記アンカーの頭部が定着される支圧板と、この支圧板をアンカーと略直交する角度で支持すると共に、前記荷重伝達部材の上面に固定される台座部とを備えたことを特徴としている。
請求項3に記載した抗側圧構造物の支持構造は、請求項2のアンカー頭部ユニットが、前記アンカー毎に独立していることを特徴としている。
請求項4に記載した抗側圧構造物の支持構造は、請求項2または3の固定部材が、前記アンカーの水平分力を前記抗側圧構造物との接合面で分散させることを特徴としている。
請求項5に記載した抗側圧構造物の支持工法は、請求項2のアンカー頭部ユニットを用いた工法であって、外部土壌に対して抗側圧構造物の頂面付近からアンカーを設置する工程と、抗側圧構造物の頂面に荷重伝達部材を載置する工程と、抗側圧構造物の内面上部と、荷重伝達部材の一端との間を、固定部材を介して接合する工程と、アンカー頭部に緊張を付与して角度調整部材の支圧板に定着させる工程とからなることを特徴としている。
請求項6に記載した抗側圧構造物の支持工法は、請求項5の工法において、外部土壌に対して複数のアンカーを設置するに際し、前記アンカー頭部ユニットをアンカー毎に準備し、各アンカー頭部ユニットの固定部材を抗側圧構造物の内面上部に個別に接合することを特徴としている。
請求項1に記載した抗側圧構造物の支持構造にあっては、アンカーが抗側圧構造物に接触しないようにアンカーの設置位置及び設置方向が設定されているため、抗側圧構造物を貫通削孔することなく、アンカーの頭部を抗側圧構造物の上部に定着することができる。
また、アンカーの設置方向軸心と荷重伝達部材の上面との交点位置が、抗側圧構造物の頂面の空域内に収まるように設定されているため、アンカーの頭部を抗側圧構造物の上部に定着するに際し、背面側に設置スペースを確保する必要がないのは勿論のこと、荷重伝達部材の発生応力(曲げモーメント)の低減効果、荷重伝達部材の剛性の低減効果、アンカー鉛直分力の抗側圧構造物への荷重分散効果、アンカー鉛直分力によって生じる固定部材への作用荷重の低減効果、荷重伝達部材の転倒抑制効果が得られる。
請求項2に記載した抗側圧構造物の支持構造及び請求項5に記載した支持工法にあっては、アンカーの導入荷重を受ける荷重伝達部材が抗側圧構造物の上部に固定されており、固定部材を介して抗側圧構造物の内面上部に接合されるため、アンカーの導入荷重が固定部材によって抗側圧構造物が圧縮される方向に付加されることとなり、抗側圧構造物から固定部材を剥離する方向に作用することがない。このため、固定部材と抗側圧構造物間の接合強度を抑えることができる。
また、固定部材は抗側圧構造物の内面上部に固定されており、通常10〜30cm程度の幅で設置可能であるため、抗側圧構造物と新設躯体との間のスペースを少なくすることができ、掘削土量の削減、工事の効率化(工期短縮)や作業空間の有効活用を図ることができる。
請求項3に記載した抗側圧構造物の支持構造及び請求項6に記載した支持工法にあっては、複数のアンカーを設置するに際して長尺な腹起しを設ける必要がなく、相互に独立した荷重伝達部材、角度調整部材及び固定部材からなるアンカー頭部ユニットを各アンカーに適用することができるため、工事の簡素化や効率化を実現できる。
請求項4に記載した抗側圧構造物の支持構造にあっては、前記アンカーの水平分力が前記抗側圧構造物との接合面で分散されるため、荷重伝達部材の滑動を有効に防止することができる。
図1は、抗側圧構造物の支持構造1を構成するアンカー頭部ユニット10を、抗側圧構造物としての擁壁12に適用した例を示す図である。
擁壁12は、既存建物のコンクリート製の外壁であり、外側の地盤(外部土壌)14からの土圧に対抗することにより、内側の地下空間16を保全する機能を果たしている。
地下空間16内には、新設躯体18が構築されている。
図2は、アンカー頭部ユニット10を地下空間16側(内側)から観察した正面図であり、図3は、アンカー頭部ユニット10を上方から観察した平面図である。また、図4は、図3のA−A拡大断面図である。
アンカー頭部ユニット10は、荷重伝達部材20と、角度調整部材22と、固定部材24を備えている。
荷重伝達部材20は、擁壁12の頂面(天端)26に載置された一対の形鋼(例えばH形鋼28)よりなる。
一対のH形鋼28の間には、アンカー30を挿通するための間隙32が設けられている。
角度調整部材22は、支圧板34と、アンカーキャップ36と、台座部38とを備えており、一対のH形鋼28の上部フランジ40間を跨がるように配置され、溶接等によって固定されている。
台座部38は、支圧板34を荷重伝達部材20の上部フランジ40に対して所定の傾斜角度で支持する機能を果たすものであり、比較的長い縦寸法を備えた矩形状の前板42と、短い縦寸法を備えた矩形状の後板44と、前板42及び後板44の両端面を繋ぐ一対の側板46を備えている。
各側板46は略台形状を有しており、それぞれの傾斜面48に支圧板34が載置・固定される。
この傾斜面48の角度を変えることによって支圧板34の傾斜角度を加減し、支圧板34をアンカー30に略直交させることができる。
固定部材24は、第1の接合面50及び第2の接合面52を備えたL字型アングルに、補強用の側面54を設けた構造を備えている。
ただし、側面54を有さない通常のL字型アングルを固定部材として用いることもできる。
以下において、アンカー頭部ユニット10の利用方法について説明する。
まず、擁壁12の外側に堆積された地盤14に対して、アンカー30を所定の角度で設置する。
つぎに、擁壁12の頂面26に、一対のH形鋼28よりなる荷重伝達部材20を載置する。
この際、H形鋼28の一端28aが、擁壁12の内面56から内側に向けて若干出っ張るように配置される。
これに対し、H形鋼28の他端28bは、擁壁12の外面58から外側に出っ張らせる必要はない。図においては、H形鋼28の他端28bが外側に向けて極僅かに出っ張っているが、出っ張りが一切なく面一になるように配置してもよい。
つぎに、擁壁12の内面56の上部と、H形鋼28の一端28aとの境界部分に固定部材24をあてがい、第1の接合面50の貫通孔とH形鋼28の下部フランジ60に形成された貫通孔との間にボルト62を挿通し、ナット64を締めて固定する。
また、固定部材24の第2の接合面52の貫通孔と擁壁12の内面56に形成されたネジ穴66とを位置合わせし、ボルト62で固定する。固定部材24と第2の接合面52との固定は、ボルト以外の方法であってもよい。
以上の結果、荷重伝達部材20は、固定部材24を介して擁壁12の上部に固定される。
つぎに、アンカー頭部30aに緊張を付与しつつ角度調整部材22の支圧板34に定着させる。
この結果、アンカー30の導入荷重が、角度調整部材22の支圧板34及び荷重伝達部材20を介して擁壁12の上部に付加され、擁壁12が内側に転倒することを防止することができる。
固定部材24は、擁壁12の内面56の上部に接合されているが、固定部材24による地下空間16側への出っ張りは僅かで済むため、図1に示される通り、新設躯体18を擁壁12に近接させることができ、地下空間16の有効利用ができる。
また、アンカー30の導入荷重は、固定部材24によって擁壁12が圧縮される方向に付加されることとなる。
つまり、アンカー30の導入荷重が固定部材24を剥離する方向に作用することがないため、固定部材24と擁壁12間の接合強度はそれほど高くする必要がなく、ボルト62の本数や強度を抑えることができる。
擁壁12の頂面26には、アンカー30の導入荷重による鉛直分力と水平分力、並びに曲げモーメントが作用する結果、図4に示す三角形状の領域αに接地圧が偏在し、局所破壊が生じやすくなるが、このアンカー頭部ユニット10の場合、荷重伝達部材20の設置に際してこの領域αに固定するためのボルトを挿通する必要はないため、局所破壊の危険性を有効に回避することができる。
また、アンカー頭部30aと支圧板34との締結部70が、擁壁12の頂面26から所定の高さ位置に設定されているため、アンカー30が擁壁12に接触することを容易に回避でき、したがって擁壁12を貫通削孔することなく、アンカー30を地盤14に設置することが可能となっている。
荷重伝達部材20および角度調整部材22の少なくとも一方の高さ寸法を調整し、締結部70と擁壁12の頂面26との距離をより大きく設定すれば、アンカー30の傾斜角度をより鉛直に近づけても、擁壁12に抵触することを回避できる。
荷重伝達部材20の上面(上部フランジ40の延長面)と、アンカー30の設置方向軸心との交点72は、擁壁12の内面56の延長面74と、外面58の延長面76とによって区画された領域、すなわち擁壁12の頂面26の厚さ方向の空域X内に納められている。
このため、アンカー頭部30aを擁壁12の上部に定着するに際し、背面側に設置スペースを確保する必要がないのは勿論のこと、さらに以下の顕著な効果が得られる。
(1) 荷重伝達部材20の発生応力(曲げモーメント)の低減効果
(2) 荷重伝達部材20の剛性の低減効果
(3) アンカー鉛直分力の擁壁12への荷重分散効果
(4) アンカー鉛直分力によって生じる固定部材24への作用荷重の低減効果
(5) 荷重伝達部材20の転倒抑制効果
固定部材24は、アンカー30の導入荷重による水平分力を擁壁12に荷重分散させることにより、荷重伝達部材20の滑動を防止する機能を有している。
すなわち、図5に示すように、擁壁12の内面56と固定部材24の第2の接合面52との接合部分に生じる分散された荷重分布領域βは、固定部材24の第2の接合面52の鉛直方向長さを底辺とする例えば三角形分布(同図(a))、または台形分布(同図(b))となる。
同図(c)に示すように、荷重分布領域βよりも固定部材24の第2の接合面52の方が長くなり、荷重分布領域βと重複しない領域γが生じる場合もある。
ただし、この領域γは荷重分散という観点からは無駄となるため、同図(a)または(b)のように無駄な領域γが生じないように、固定部材24の第2の接合面52の長さを設定することが望ましい。
図2及び図3に示す通り、擁壁12に複数のアンカー30を取り付けるに際し、それぞれにアンカー頭部ユニット10が独立して設けられており、アンカー30毎にユニット化されているため、以下の利点が生じる。
(1) 従来例のように複数のアンカーに共通する長尺な腹起しを設ける必要がないため、施工現場に腹起し設置のためのスペースや重機を準備する必要がなく、ユニット単位で現場に搬送できる。この結果、工事の簡素化や効率化が図れる。
(2) アンカーの不要になった箇所からユニット単位でアンカー頭部ユニット10を撤去することができ、また破損が生じた場合でもユニット単位で交換できるため、工程の柔軟性が増す。
(3) 側圧の強弱に応じてユニット毎にアンカー頭部ユニット10の大きさや剛性を最適化できるため、コストの低減に資する。
(4) 抗側圧構造物の表面が平坦ではなく、クランクのように入り組んだ形状を呈している場合でも、ユニット化されたアンカー頭部ユニット10であれば容易に対応可能となる。
なお、比較的少数(例えば2本)のアンカー30毎に、アンカー頭部ユニット10を設けてもよい。
設置したアンカー30が擁壁12に抵触することをより確実に回避するための一例として、アンカー30の設置位置を次のように設定することが挙げられる。
すなわち、図6に示すように、アンカー30の削孔に用いるケーシング77の削孔外径をDとした場合において、擁壁12の頂面26と外面58との交線(角部)78と、アンカー30の設置方向軸心Yとの最短離隔79がD/2以上となるように、アンカー30の設置位置を設定する。
このように最短離隔79をD/2以上に設定することで、アンカー削孔時に使用するケーシング77で擁壁12を貫通削孔(損傷)することを有効に回避できる。
なお、アンカー削孔後に擁壁12を後施工する場合は、貫通削孔の問題は生じないため、アンカー30の引張材(テンドン材)の外周面が前記交線78に接しない限度で、アンカー30の設置位置を擁壁12に近づけることができる。
前記においては、荷重伝達部材20を一対のH形鋼28によって構成する例を示したが、この発明はこれに限定されるものではない。
すなわち、角度調整部材22を載置するための上面と、擁壁12の頂面26に密接する下面と、アンカー30を挿通するための隙間や通路を備え、必要な剛性を備えた部材であれば、荷重伝達部材として利用できる。
前記のように、荷重伝達部材20の一端28aを擁壁12の内側に出っ張らせることは必須条件ではなく、擁壁12の内面56に対して面一に構成してもよい。
この場合、例えば荷重伝達部材20の一端28aと擁壁12の内面56を繋ぐ平板状の固定部材を用いて、両者間の連結がなされる。
前記においては、抗側圧構造物として既存の擁壁を例示したが、この発明はソイルセメント壁や地中連続壁など、土圧や水圧に抗して必要な空間を保全する構造物の支保工として、広く適用可能である。なおアンカーの設置に際し、局所的に抗側圧構造物の横方向剛性が不足する場合には、長尺な腹起し等の部材を抗側圧構造物の頂面または側面に設置して、横方向剛性を高めることも可能である。
抗側圧構造物の支持構造を構成するアンカー頭部ユニットを、擁壁に適用した例を示す図である。 アンカー頭部ユニットを、地下空間側(内側)から観察した正面図である。 アンカー頭部ユニットを、上方から観察した平面図である。 図3のA−A拡大断面図である。 擁壁の内面と固定部材の第2の接合面との接合部分に生じる荷重分布領域を示す図である。 アンカーの設置位置の設定方法の一例を示す概念図である。
1 抗側圧構造物の支持構造
10 アンカー頭部ユニット
12 擁壁
14 地盤
16 地下空間
20 荷重伝達部材
22 角度調整部材
24 固定部材
26 擁壁の頂面
30 アンカー
34 支圧板
38 台座部
56 擁壁の内面
58 擁壁の外面
72 交点
X 擁壁頂面の空域
Y アンカーの設置方向軸心
前記の目的を達成するため、請求項1に記載した抗側圧構造物の支持構造は、外部土壌からの圧力に抗して、アンカー工法を併用して内部空間を保全する抗側圧構造物の支持構造において、荷重伝達部材と、固定部材と、角度調整部材よりなるアンカー頭部ユニットを備え、前記抗側圧構造物の頂面付近から外部土壌に対して設置したアンカーの設置方向軸心と、前記抗側圧構造物の頂面に載置される荷重伝達部材の上面との交点位置が、前記抗側圧構造物の頂面の空域内に収まると共に、前記アンカーが前記抗側圧構造物に接触しないように、前記アンカーの設置位置及び設置方向が設定されており前記固定部材は、その一端が前記抗側圧構造物の前記内部空間側の表面上部に固定されると共に、その他端が前記荷重伝達部材の前記内部空間側の端部に固定されており、前記アンカーの頭部が、前記荷重伝達部材の上面に固定された角度調整部材に定着されていることを特徴としている。
前記「アンカーの設置方向軸心」とは、所定の設置方向(角度)で配置されたアンカーの軸心を意味している。
請求項に記載した抗側圧構造物の支持構造は、請求項のアンカー頭部ユニットが、前記アンカー毎に独立していることを特徴としている。
請求項に記載した抗側圧構造物の支持構造は、請求項またはの固定部材が、前記アンカーの水平分力を前記抗側圧構造物との接合面で分散させることを特徴としている。
請求項に記載した抗側圧構造物の支持工法は、請求項のアンカー頭部ユニットを用いた工法であって、外部土壌に対して抗側圧構造物の頂面付近からアンカーを設置する工程と、抗側圧構造物の頂面に荷重伝達部材を載置する工程と、抗側圧構造物の前記内部空間側の表面上部と、荷重伝達部材の前記内部空間側の端部との間を、固定部材を介して接合する工程と、アンカー頭部に緊張を付与して角度調整部材に定着させる工程とからなることを特徴としている。
請求項に記載した抗側圧構造物の支持工法は、請求項の工法において、外部土壌に対して複数のアンカーを設置するに際し、前記アンカー頭部ユニットをアンカー毎に準備し、各アンカー頭部ユニットの固定部材を抗側圧構造物に個別に接合することを特徴としている。
請求項1に記載した抗側圧構造物の支持構造及び請求項4に記載した支持工法にあっては、アンカーが抗側圧構造物に接触しないようにアンカーの設置位置及び設置方向が設定されているため、抗側圧構造物を貫通削孔することなく、アンカーの頭部を抗側圧構造物の上部に定着することができる。
また、アンカーの設置方向軸心と荷重伝達部材の上面との交点位置が、抗側圧構造物の頂面の空域内に収まるように設定されているため、アンカーの頭部を抗側圧構造物の上部に定着するに際し、背面側に設置スペースを確保する必要がないのは勿論のこと、荷重伝達部材の発生応力(曲げモーメント)の低減効果、荷重伝達部材の剛性の低減効果、アンカー鉛直分力の抗側圧構造物への荷重分散効果、アンカー鉛直分力によって生じる固定部材への作用荷重の低減効果、荷重伝達部材の転倒抑制効果が得られる。
また、アンカーの導入荷重を受ける荷重伝達部材が抗側圧構造物の上部に固定されており、その内部空間側の端部が、固定部材を介して抗側圧構造物の内部空間側の表面上部に接合されるため、アンカーの導入荷重が固定部材によって抗側圧構造物が圧縮される方向に付加されることとなり、抗側圧構造物から固定部材を剥離する方向に作用することがない。このため、固定部材と抗側圧構造物間の接合強度を抑えることができる。
さらに、固定部材は抗側圧構造物の内部空間側の表面上部に固定されており、通常10〜30cm程度の幅で設置可能であるため、抗側圧構造物と新設躯体との間のスペースを少なくすることができ、掘削土量の削減、工事の効率化(工期短縮)や作業空間の有効活用を図ることができる。
請求項に記載した抗側圧構造物の支持構造及び請求項に記載した支持工法にあっては、複数のアンカーを設置するに際して長尺な腹起しを設ける必要がなく、相互に独立した荷重伝達部材、角度調整部材及び固定部材からなるアンカー頭部ユニットを各アンカーに適用することができるため、工事の簡素化や効率化を実現できる。
請求項に記載した抗側圧構造物の支持構造にあっては、前記アンカーの水平分力が前記抗側圧構造物との接合面で分散されるため、荷重伝達部材の滑動を有効に防止することができる。

Claims (6)

  1. 外部土壌からの圧力に抗して、アンカー工法を併用して内部空間を保全する抗側圧構造物の支持構造において、
    前記抗側圧構造物の頂面付近から外部土壌に対して設置したアンカーの設置方向軸心と、前記抗側圧構造物の頂面に載置される荷重伝達部材の上面との交点位置が、前記抗側圧構造物の頂面の空域内に収まると共に、前記アンカーが前記抗側圧構造物に接触しないように、
    前記アンカーの設置位置及び設置方向が設定されていることを特徴とする抗側圧構造物の支持構造。
  2. 前記荷重伝達部材と、荷重伝達部材の一端と前記抗側圧構造物の内面上部を接合する固定部材と、角度調整部材よりなるアンカー頭部ユニットを備え、
    この角度調整部材は、前記アンカーの頭部が定着される支圧板と、
    この支圧板をアンカーと略直交する角度で支持すると共に、前記荷重伝達部材の上面に固定される台座部とを備えたことを特徴とする請求項1に記載の抗側圧構造物の支持構造。
  3. 前記アンカー頭部ユニットは、前記アンカー毎に独立していることを特徴とする請求項2に記載の抗側圧構造物の支持構造。
  4. 前記固定部材は、前記アンカーの水平分力を前記抗側圧構造物との接合面で分散させることを特徴とする請求項2または3に記載の抗側圧構造物の支持構造。
  5. 請求項2のアンカー頭部ユニットを用いた抗側圧構造物の支持工法であって、
    外部土壌に対して抗側圧構造物の頂面付近からアンカーを設置する工程と、
    抗側圧構造物の頂面に荷重伝達部材を載置する工程と、
    抗側圧構造物の内面上部と、荷重伝達部材の一端との間を、固定部材を介して接合する工程と、
    アンカー頭部に緊張を付与して角度調整部材の支圧板に定着させる工程と、
    からなることを特徴とする抗側圧構造物の支持工法。
  6. 外部土壌に対して複数のアンカーを設置するに際し、
    前記アンカー頭部ユニットをアンカー毎に準備し、
    各アンカー頭部ユニットの固定部材を抗側圧構造物の内面上部に個別に接合することを特徴とする請求項5に記載の抗側圧構造物の支持工法。
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