以下、図面を参照して、医用画像処理装置及びX線CT装置の各実施形態を説明する。なお、実施形態は、以下の内容に限られるものではない。また、1つの実施形態や変形例に記載された内容は、原則として他の実施形態や変形例にも同様に適用される。
図1を参照しながら、一実施形態に係るX線CT装置1の構成について説明する。図1は、一実施形態に係るX線CT装置1、医用画像蓄積装置60及び医用画像処理装置70の構成例を示すブロック図である。図1において、X線CT装置1、医用画像蓄積装置60及び医用画像処理装置70は、通信ネットワーク5を介して互いに通信可能に接続されている。なお、X線CT装置1が単体で用いられる場合、通信ネットワーク5との接続は必要なく、医用画像蓄積装置60や医用画像処理装置70も不要である。また、投影データ等に対する処理が医用画像処理装置70において行われる場合、当該処理に対応する機能はX線CT装置1から省略することもできる。
X線CT装置1は、架台装置10と、寝台装置30と、コンソール装置40とを有する。なお、説明の都合上、図1では架台装置10が複数描画されているが、基本的に実際の構成として架台装置10は一つである。図1においては、架台装置10の非チルト状態での回転フレーム16の回転軸又は寝台装置30の天板33の長手方向をZ軸方向とする。また、Z軸方向に直交し、床面に対し水平である軸方向をX軸方向とする。また、Z軸方向に直交し、床面に対し垂直である軸方向をY軸方向とする。
架台装置10は、X線管11と、X線検出器15と、回転フレーム16と、X線高電圧装置17と、制御装置18と、ウェッジ19と、コリメータ20と、DAS(Data Acquisition System)21とを有する。
X線管11は、X線高電圧装置17からの高電圧により、陰極(フィラメント)から陽極(ターゲット)に向けて熱電子を照射することでX線を発生する真空管である。例えば、X線管11には回転する陽極に熱電子を照射することでX線を発生させる回転陽極型のX線管がある。本実施形態においては、一管球型のX線CT装置にも、X線管と検出器との複数のペアを回転リングに搭載した、いわゆる多管球型のX線CT装置にも適用可能である。また、X線を発生させるハードウェアはX線管11に限られない。例えば、X線管11に代えて、電子銃から発生した電子ビームを集束させるフォーカスコイルと、電磁偏向させる偏向コイルと、被検体Pの半周を囲い偏向した電子ビームが衝突することによってX線を発生させるターゲットリングとを含む第5世代方式を用いてX線を発生させることにしても構わない。
X線高電圧装置17は、変圧器(トランス)及び整流器等の電気回路を有し、X線管11に印加する高電圧を発生する高電圧発生回路と、X線管11が照射するX線に応じた出力電圧の制御を行うX線制御回路とを有する。高電圧発生回路は、変圧器方式であってもよいし、インバータ方式であってもよい。なお、X線高電圧装置17は、高電圧の発生だけでなく、フィラメントへの電源供給、及び、陽極が回転型であるの場合の駆動電源供給等も行う。また、X線高電圧装置17は、回転フレーム16に設けられてもよいし、架台装置10の固定フレーム(図示しない)側に設けられても構わない。なお、固定フレームは、回転フレーム16を回転可能に支持するフレームである。
X線検出器15は、X線管11から照射されて被検体Pを通過したX線を検出し、検出したX線量に対応した信号をDAS21へと出力する。X線検出器15は、例えば、X線管11の焦点を中心とした1つの円弧に沿ってチャネル方向(周回方向)に複数のX線検出素子が配列された複数のX線検出素子列を有する。X線検出器15は、例えば、チャネル方向に複数のX線検出素子が配列されたX線検出素子列がスライス方向(列方向、row方向)に複数配列された構造を有する。
また、X線検出器15は、例えば、グリッドと、シンチレータアレイと、光センサアレイとを有する間接変換型の検出器である。シンチレータアレイは、複数のシンチレータを有する。シンチレータは入射X線量に応じた光子量の光を出力するシンチレータ結晶を有する。グリッドは、シンチレータアレイのX線入射側の面に配置され、散乱X線を吸収するX線遮蔽板を有する。なお、グリッドは、コリメータ(1次元コリメータ又は2次元コリメータ)と呼ばれる場合もある。光センサアレイは、シンチレータからの光量に応じた電気信号に変換する機能を有し、例えば、フォトダイオードや光電子増倍管(フォトマルチプライヤー:PMT)等の光センサを有する。なお、X線検出器15は、入射したX線を電気信号に変換する半導体素子を有する直接変換型の検出器であっても構わない。
回転フレーム16(架台ベース)は、X線管11とX線検出器15とを対向支持し、制御装置18によってX線管11とX線検出器15とを回転させる円環状のフレームである。例えば、回転フレーム16は、アルミニウムを材料とした鋳物である。なお、回転フレーム16は、X線管11及びX線検出器15に加えて、X線高電圧装置17やDAS21を更に支持することもできる。更に、回転フレーム16は、図1において図示しない種々の構成を更に支持することもできる。以下では、架台装置10において、回転フレーム16とともに回転移動する部分及び回転フレーム16を回転部とも記載する。なお、X線管11とX線検出器15とが一体として被検体Pの周囲を回転するRotate/Rotate−Type(第3世代CT)について説明したが、その他にも、リング状にアレイされた多数のX線検出素子が固定され、X線管11のみが被検体Pの周囲を回転するStationary/Rotate−Type(第4世代CT)等様々なタイプがあり、いずれのタイプでも本実施形態へ適用可能である。
なお、DAS21が生成した検出データは、回転フレーム16に設けられた発光ダイオード(Light Emitting Diode:LED)を有する送信機から、光通信によって、架台装置10の非回転部分に設けられた、フォトダイオードを有する受信機に送信され、コンソール装置40へと転送される。ここで、非回転部分とは、例えば、回転フレーム16を回転可能に支持する固定フレーム(図1での図示は省略している。)等である。なお、回転フレーム16から架台装置10の非回転部分への検出データの送信方法は、光通信に限らず、回転部分と非回転部分との間でデータ伝送が行えるものであれば如何なる方式を採用しても構わない。
制御装置18は、モータ及びアクチュエータ等の駆動機構と、この機構を制御する回路とを含む。制御装置18は、入力インターフェース43や架台装置10に設けられた入力インターフェース等からの入力信号を受けて、架台装置10及び寝台装置30の動作制御を行う。例えば、制御装置18は、回転フレーム16の回転や架台装置10のチルト、寝台装置30及び天板33の動作等について制御を行う。一例を挙げると、制御装置18は、架台装置10をチルトさせる制御として、入力された傾斜角度(チルト角度)情報により、X軸方向に平行な軸を中心に回転フレーム16を回転させる。なお、制御装置18は架台装置10に設けられてもよいし、コンソール装置40に設けられてもよい。
ウェッジ19は、X線管11から照射されたX線量を調節するためのフィルタである。具体的には、ウェッジ19は、X線管11から被検体Pへ照射されるX線が、予め定められた分布になるように、X線管11から照射されたX線を透過して減衰するフィルタである。例えば、ウェッジ19は、ウェッジフィルタ(wedge filter)やボウタイフィルタ(bow-tie filter)であり、所定のターゲット角度や所定の厚みとなるようにアルミニウム等を加工して構成される。
コリメータ20は、ウェッジ19を透過したX線の照射範囲を絞り込むための鉛板等であり、複数の鉛板等の組み合わせによってスリットを形成する。なお、コリメータ20は、X線絞りと呼ばれる場合もある。コリメータ20は、図示しないコリメータ調整回路によって、開口度及び位置が調整される。これにより、X線管11が発生させたX線の照射範囲が調整される。
DAS21は、X線検出器15の各X線検出素子から出力される電気信号に対して増幅処理を行う増幅器と、電気信号をデジタル信号に変換するA/D変換器とを有し、検出データを生成する。DAS21は、例えば、プロセッサにより実現される。DAS21が生成した検出データは、コンソール装置40へと転送される。また、DAS21は、データ収集部の一例である。
寝台装置30は、スキャン対象の被検体Pを載置、移動させる装置であり、基台31と、寝台駆動装置32と、天板33と、支持フレーム34とを有する。基台31は、支持フレーム34を鉛直方向に移動可能に支持する筐体である。寝台駆動装置32は、被検体Pが載置された天板33を、天板33の長軸方向に移動する駆動機構であり、モータ及びアクチュエータ等を含む。支持フレーム34の上面に設けられた天板33は、被検体Pが載置される板である。なお、寝台駆動装置32は、天板33に加え、支持フレーム34を天板33の長軸方向に移動してもよい。天板33だけを移動させてもよいし、寝台装置30の支持フレームごと移動する方式であってもよい。立位CTに応用される場合は、天板33に相当する患者支持機構を移動する方式であってもよい。架台装置10と天板33の位置関係の相対的な変更を伴うスキャン(ヘリカルスキャンや位置決めスキャン等)実行の際、当該位置関係の相対的な変更は天板33の駆動によって行われてもよいし、架台装置10の走行によって行われてもよく、またそれらの複合によって行われてもよい。歯科用CTに適用される場合には、寝台装置30等は不要となる。
コンソール装置40は、メモリ41と、ディスプレイ42と、入力インターフェース43と、処理回路44とを有する。なお、コンソール装置40は、架台装置10とは別体として説明するが、架台装置10にコンソール装置40又はコンソール装置40の各構成要素の一部が含まれてもよい。
メモリ41は、例えば、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ等の半導体メモリ素子、ハードディスク、光ディスク等により実現される。例えば、メモリ41は、投影データや再構成画像データを記憶する。また、例えば、メモリ41は、X線CT装置1に含まれる回路がその機能を実現するためのプログラムを記憶する。メモリ41は、ハードウェアによる非一過性の記憶媒体としても用いられる。なお、投影データや再構成画像データの記憶は、コンソール装置40のメモリ41が行う場合に限らず、インターネット等の通信ネットワーク5を介してX線CT装置1と接続可能なクラウドサーバ等の医用画像蓄積装置60が、X線CT装置1からの保存要求を受けて投影データや再構成画像データの記憶を行うようにしてもよい。
ディスプレイ42は、各種の情報を表示する。例えば、ディスプレイ42は、処理回路44によって生成された医用画像(CT画像)や、操作者からの各種操作を受け付けるためのGUI(Graphical User Interface)等を出力する。例えば、ディスプレイ42は、液晶ディスプレイやCRT(Cathode Ray Tube)ディスプレイである。また、ディスプレイ42は、架台装置10に設けられてもよい。また、ディスプレイ42は、デスクトップ型でもよいし、コンソール装置40本体と無線通信可能なタブレット端末等で構成されることにしても構わない。
入力インターフェース43は、操作者からの各種の入力操作を受け付け、受け付けた入力操作を電気信号に変換して処理回路44に出力する。例えば、入力インターフェース43は、投影データを収集する際の収集条件や、CT画像を再構成する際の再構成条件、CT画像から後処理画像を生成する際の画像処理条件等を操作者から受け付ける。例えば、入力インターフェース43は、マウスやキーボード、トラックボール、スイッチ、ボタン、ジョイスティック、タッチパネル等により実現される。また、入力インターフェース43は、架台装置10に設けられてもよい。また、入力インターフェース43は、コンソール装置40本体と無線通信可能なタブレット端末等で構成されることにしても構わない。
処理回路44は、X線CT装置1全体の動作を制御する。例えば、処理回路44は、スキャン制御機能441、画像生成機能442、表示制御機能443及び制御機能444を有する。処理回路44は、例えば、プロセッサにより実現される。
例えば、処理回路44は、メモリ41からスキャン制御機能441に相当するプログラムを読み出して実行することにより、X線CT装置1を制御してスキャンを実行する。ここで、スキャン制御機能441は、例えば、コンベンショナルスキャンやヘリカルスキャン、ステップアンドシュート方式といった種々の方式でのスキャンを実行することができる。
具体的には、スキャン制御機能441は、寝台駆動装置32を制御することにより、被検体Pを架台装置10の撮影口内へ移動させる。また、スキャン制御機能441は、X線高電圧装置17を制御することにより、X線管11へ高電圧を供給させる。また、スキャン制御機能441は、コリメータ20の開口度及び位置を調整する。また、スキャン制御機能441は、制御装置18を制御することにより、回転フレーム16を含む回転部を回転させる。また、スキャン制御機能441は、DAS21に投影データを収集させる。なお、CT画像を再構成するには被検体Pの周囲一周、360°分の投影データが、またハーフスキャン法でも180°+ファン角度分の投影データが必要とされる。いずれの再構成方式に対しても本実施形態へ適用可能である。
また、例えば、処理回路44は、メモリ41から画像生成機能442に相当するプログラムを読み出して実行することにより、DAS21から出力された検出データに対して対数変換処理やオフセット補正処理、チャネル間の感度補正処理、ビームハードニング補正等の前処理を施したデータを生成する。なお、前処理を施す前のデータ(検出データ)及び前処理後のデータを総称して投影データと称する場合もある。また、例えば、画像生成機能442は、CT画像データを生成する。具体的には、画像生成機能442は、前処理後の投影データに対して、フィルタ補正逆投影法や逐次近似再構成法等を用いた再構成処理を行ってCT画像データを生成する。また、画像生成機能442は、投影データ中の欠損データによる画質劣化に対して画質を改善させる処理を行う。処理の詳細については後述する。また、画像生成機能442は、入力インターフェース43を介して操作者から受け付けた入力操作に基づいて、CT画像データを任意断面の断層像データや3次元画像データに変換する。
また、例えば、処理回路44は、メモリ41から表示制御機能443に相当するプログラムを読み出して実行することにより、CT画像をディスプレイ42に表示する。また、例えば、処理回路44は、メモリ41から制御機能444に相当するプログラムを読み出して実行することにより、入力インターフェース43を介して操作者から受け付けた入力操作に基づいて、処理回路44の各種機能を制御する。
なお、図1においては、スキャン制御機能441、画像生成機能442、表示制御機能443及び制御機能444の各処理機能が単一の処理回路44によって実現される場合を示したが、実施形態はこれに限られるものではない。例えば、処理回路44は、複数の独立したプロセッサを組み合わせて構成され、各プロセッサが各プログラムを実行することにより各処理機能を実現するものとしても構わない。また、処理回路44が有する各処理機能は、単一又は複数の処理回路に適宜に分散又は統合されて実現されてもよい。処理回路44はコンソール装置40に含まれる場合に限らず、複数の医用画像診断装置にて取得された検出データに対する処理を一括して行う統合サーバに含まれてもよい。コンソール装置40は、単一のコンソールにて複数の機能を実行するものとして説明したが、複数の機能を別々のコンソールが実行することにしても構わない。後処理はコンソール装置40又は外部のワークステーションのどちらで実施することにしても構わない。また、コンソール装置40とワークステーションの両方で処理することにしても構わない。
一方、医用画像蓄積装置60は、メモリ61と、ディスプレイ62と、入力インターフェース63と、処理回路64とを有する。処理回路64は、データベース機能641と、制御機能642とを有する。
メモリ61は、例えば、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ等の半導体メモリ素子、ハードディスク、光ディスク等により実現される。例えば、メモリ61は、投影データや再構成画像データを記憶する。また、例えば、メモリ61は、医用画像蓄積装置60に含まれる回路がその機能を実現するためのプログラムを記憶する。メモリ61は、ハードウェアによる非一過性の記憶媒体としても用いられる。
ディスプレイ62は、各種の情報を表示する。例えば、ディスプレイ62は、操作者からの各種操作を受け付けるためのGUI(Graphical User Interface)等を出力する。例えば、ディスプレイ62は、液晶ディスプレイやCRT(Cathode Ray Tube)ディスプレイである。
入力インターフェース63は、操作者からの各種の入力操作を受け付け、受け付けた入力操作を電気信号に変換して処理回路64に出力する。例えば、入力インターフェース63は、医用画像の蓄積条件等を操作者から受け付ける。例えば、入力インターフェース63は、マウスやキーボード、トラックボール、スイッチ、ボタン、ジョイスティック、タッチパネル等により実現される。
処理回路64は、医用画像蓄積装置60全体の動作を制御する。例えば、処理回路64は、データベース機能641及び制御機能642を有する。処理回路64は、例えば、プロセッサにより実現される。
例えば、処理回路64は、メモリ61からデータベース機能641に相当するプログラムを読み出して実行することにより、医用画像の入力、蓄積及び出力を実行する。
また、例えば、処理回路64は、メモリ61から制御機能642に相当するプログラムを読み出して実行することにより、入力インターフェース63を介して操作者から受け付けた入力操作に基づいて、処理回路64の各種機能を制御する。
なお、図1においては、データベース機能641及び制御機能642の各処理機能が単一の処理回路64によって実現される場合を示したが、実施形態はこれに限られるものではない。例えば、処理回路64は、複数の独立したプロセッサを組み合わせて構成され、各プロセッサが各プログラムを実行することにより各処理機能を実現するものとしても構わない。また、処理回路64が有する各処理機能は、単一又は複数の処理回路に適宜に分散又は統合されて実現されてもよい。
一方、医用画像処理装置70は、メモリ71と、ディスプレイ72と、入力インターフェース73と、処理回路74とを有する。処理回路74は、画像生成機能741と、表示制御機能742と、制御機能743とを有する。
メモリ71は、例えば、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ等の半導体メモリ素子、ハードディスク、光ディスク等により実現される。例えば、メモリ71は、投影データや再構成画像データを記憶する。また、例えば、メモリ71は、医用画像処理装置70に含まれる回路がその機能を実現するためのプログラムを記憶する。メモリ71は、ハードウェアによる非一過性の記憶媒体としても用いられる。なお、投影データや再構成画像データは、X線CT装置1から直接に取得されるか、医用画像蓄積装置60を介して取得される。投影データは、前処理が済んだ状態で取得されることを想定しているが、前処理が済んでいない状態でもよい。前処理が済んでいない場合は、医用画像処理装置70側で前処理が行われる。
ディスプレイ72は、各種の情報を表示する。例えば、ディスプレイ72は、処理回路74によって生成された医用画像(CT画像)や、操作者からの各種操作を受け付けるためのGUI(Graphical User Interface)等を出力する。例えば、ディスプレイ72は、液晶ディスプレイやCRT(Cathode Ray Tube)ディスプレイである。
入力インターフェース73は、操作者からの各種の入力操作を受け付け、受け付けた入力操作を電気信号に変換して処理回路74に出力する。例えば、入力インターフェース73は、CT画像を再構成する際の再構成条件、CT画像から後処理画像を生成する際の画像処理条件等を操作者から受け付ける。例えば、入力インターフェース73は、マウスやキーボード、トラックボール、スイッチ、ボタン、ジョイスティック、タッチパネル等により実現される。
処理回路74は、医用画像処理装置70全体の動作を制御する。例えば、処理回路74は、画像生成機能741、表示制御機能742及び制御機能743を有する。処理回路74は、例えば、プロセッサにより実現される。
例えば、処理回路74は、メモリ71から画像生成機能741に相当するプログラムを読み出して実行することにより、CT画像データを生成する。また、画像生成機能741は、CT画像データの生成に際し、投影データ中の欠損データによる画質劣化に対して画質を改善させる処理を行う。処理の詳細については後述する。また、画像生成機能741は、入力インターフェース73を介して操作者から受け付けた入力操作に基づいて、CT画像データを任意断面の断層像データや3次元画像データに変換する。
また、例えば、処理回路74は、メモリ71から表示制御機能742に相当するプログラムを読み出して実行することにより、CT画像をディスプレイ72に表示する。また、例えば、処理回路74は、メモリ71から制御機能743に相当するプログラムを読み出して実行することにより、入力インターフェース73を介して操作者から受け付けた入力操作に基づいて、処理回路74の各種機能を制御する。
なお、図1においては、画像生成機能741、表示制御機能742及び制御機能743の各処理機能が単一の処理回路74によって実現される場合を示したが、実施形態はこれに限られるものではない。例えば、処理回路74は、複数の独立したプロセッサを組み合わせて構成され、各プロセッサが各プログラムを実行することにより各処理機能を実現するものとしても構わない。また、処理回路74が有する各処理機能は、単一又は複数の処理回路に適宜に分散又は統合されて実現されてもよい。
上記説明において用いた「プロセッサ」という文言は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、あるいは、特定用途向け集積回路(Application Specific Integrated Circuit:ASIC)、プログラマブル論理デバイス(例えば、単純プログラマブル論理デバイス(Simple Programmable Logic Device:SPLD)、複合プログラマブル論理デバイス(Complex Programmable Logic Device:CPLD)、又はフィールドプログラマブルゲートアレイ(Field Programmable Gate Array:FPGA))等の回路を意味する。プロセッサはメモリ41、61、71に保存されたプログラムを読み出し実行することで機能を実現する。なお、メモリ41、61、71にプログラムを保存する代わりに、プロセッサの回路内にプログラムを直接組み込むよう構成しても構わない。この場合、プロセッサは回路内に組み込まれたプログラムを読み出し実行することで機能を実現する。なお、本実施形態の各プロセッサは、プロセッサごとに単一の回路として構成される場合に限らず、複数の独立した回路を組み合わせて1つのプロセッサとして構成し、その機能を実現するようにしてもよい。
図2は、処理回路44、74内の画像生成機能442、741の構成例を示すブロック図であり、投影データ中の欠損データによる画質劣化に対して画質を改善させる処理のための構成例である。図2において、画像生成機能442、741は、取得部81と、生成部(補間部)82と、再構成部83と、生成部(順投影部)84と、投影データ更新部85と、終了制御部86と、出力部87とを備えている。
取得部81は、X線CT装置1による被検体Pのスキャン時に生成される投影データD1と撮影時関連情報D2とを入力し、欠損データに関する情報D3を取得する機能を有している。投影データD1及び撮影時関連情報D2は、第1の投影データの一例である。撮影時関連情報D2には、放電情報や通信エラー情報等が含まれている。放電情報は、X線管11の放電に関する情報である。通信エラー情報は、DAS21とコンソール装置40側の処理回路44間での通信エラーに関する情報である。その他には、X線検出器15の故障の情報がある。これらの情報は、例えば、事象と発生時刻とが対応付けられて記録されている。
欠損データに関する情報D3には、欠損箇所情報、補間正常箇所情報、再構成と順投影の範囲等が含まれている。欠損箇所情報は、投影データD1に含まれる欠損データの位置を示す情報である。データの位置は、チャネル(ch)、スライス(sl)、ビュー(view)等により表される。補間正常箇所情報は、欠損データの補間に使用可能な正常データの位置を示す情報である。再構成と順投影の範囲は、投影データ中の欠損データによる画質劣化に対して画質を改善させる処理のために実行する再構成と順投影の範囲の情報である。すなわち、画質を改善させる処理のために実行する再構成と順投影は、あくまでも欠損データに影響する範囲を行えば充分だからであり、処理対象の範囲を限定することによって処理時間の短縮が見込める。
生成部82は、欠損データに関する情報D3の欠損箇所情報及び補間正常箇所情報に基づき、投影データD1に対して欠損データ部分の補間を行い、補間後の投影データD4を生成する機能を有している。生成部82は、第1の生成部の一例である。投影データD4は、第2の投影データの一例である。
再構成部83は、欠損データに関する情報D3の再構成の範囲に基づき、投影データD4から再構成(逆投影)を行って、再構成画像データD5を生成する機能を有している。また、再構成部83は、欠損データに関する情報D3の再構成の範囲に基づき、後述する投影データD7から再構成を行って、再構成画像データD5を生成する機能を有している。再構成画像データD5は、第1の再構成画像又は第2の再構成画像の一例である。
生成部84は、欠損データに関する情報D3の順投影の範囲に基づき、再構成画像データD5から順投影を行って投影データD6を生成する機能を有している。生成部84は、第2の生成部の一例である。投影データD6は、第3の投影データの一例である。
投影データ更新部85は、投影データD4と投影データD6とから更新後の投影データD7を生成する機能を有している。投影データD7が生成された以降は、前回の投影データD7を更新に用いてもよい。投影データ更新部85は、第3の生成部の一例である。投影データD7は、第4の投影データの一例である。
終了制御部86は、再構成部83による画質を改善させるための再構成以下の処理を繰り返すか終了するかを判断し、処理を制御する機能を有している。終了制御部86は、再構成部83による画質を改善させるための再構成以下の処理を繰り返すと判断した場合、再構成部83に画質を改善させるための再構成以下の処理を繰り返えさせる。また、終了制御部86は、終了すると判断した場合、再構成部83に出力用の再構成を行わせる。なお、再構成を繰り返すか終了するかの判断は、予めプリセットされた繰り返し回数(1の場合は再構成を1回だけ行い、繰り返さない)を実行した場合に終了と判断するほか、投影データD6や投影データD7の前回からの差分が所定の閾値を下回り、値が収束している場合に終了すると判断することができる。
欠損データの含まれる投影データD1に対して補間が行われた投影データD4から再構成により得られた再構成画像データD5は、補間が行われない状態の投影データD1から再構成が行われた場合に比べて画質は向上している。しかし、切り貼り的にデータが補間された状態から再構成された画像であるため、不自然さの残る画像となっている。その点、本実施形態では、再構成画像データD5から更に順投影により投影データD6が生成され、この投影データD6により直近の投影データD4等が更新され、必要に応じてそれが繰り返され、最終的に投影データD7から再構成画像データD5が取得されるため、不自然さのない、質の高い再構成画像が得られる。
出力部87は、出力用の再構成により生成された最終的な再構成画像データD5を再構成画像データD8として出力するとともに、その元となった最新の投影データD7を投影データD9として出力する機能を有している。
図3は、実施形態の処理例を示すフローチャートである。図3において、X線CT装置1の処理回路44のスキャン制御機能441により被検体Pの撮影(スキャン)が行われると(ステップS1)、投影データD1と撮影時関連情報D2とが生成される。
次いで、X線CT装置1の画像生成機能442又は医用画像処理装置70の画像生成機能741の取得部81は、スキャン時に生成される投影データD1と撮影時関連情報D2とを入力し、欠損データに関する情報D3を取得する(ステップS2)。取得部81は、欠損データに関する情報D3の欠損箇所情報について、撮影時関連情報D2の放電情報やX線検出器の故障情報や通信エラー情報等に基づいて、欠損データの位置を特定する。なお、取得部81は、データに異常値が含まれていることから欠損データの位置を特定してもよい。
また、取得部81は、補間正常箇所情報について、レイのレベルの欠損の場合は、例えば、同じビュー内において欠損データのチャネルに隣接するチャネルやスライスの正常データや、スライス上で隣接するビューの対応するチャネルの正常データを特定する。また、取得部81は、ビューのレベルの欠損の場合は、例えば、欠損データのビューに隣接するビューの正常データや、スライス上で隣接するビューの正常データを特定する。
また、取得部81は、再構成と順投影の範囲について、投影データ中の欠損データの位置に基づいて再構成の範囲と順投影の範囲とを特定する。図4Aは、レイの欠損に対する再構成の範囲の例を示す図である。図4Aにおいて、X線源aから照射されたX線によって取得される投影データbの一部に欠損データcが存在する場合、被検体に対応する再構成画像dのうち、欠損データcをカバーする範囲eを再構成の範囲とすればよい。また、図4Bは、レイの欠損に対する順投影の範囲の例を示す図である。図4Bにおいて、X線源aから照射されたX線によって取得される投影データbの一部に欠損データcが存在する場合、欠損データcをカバーする範囲fを順投影の範囲とすればよい。
図5Aは、ビューの欠損に対する再構成及び順投影の範囲の例を示す図であり、ステップアンドシュート方式により複数のスライスについてスキャンが行われた場合に、範囲gにビューの欠損が生じた場合を示している。この場合、取得部81は、範囲g又は範囲gを含むより広い範囲を再構成の範囲とする。また、図5Bは、ビューの欠損に対する再構成及び順投影の範囲の他の例を示す図であり、ヘリカルスキャンが行われた場合に、範囲hにビューの欠損が生じた場合を示している。この場合、取得部81は、範囲h又は範囲hを含むより広い範囲を再構成の範囲とする。
図3に戻り、次いで、X線CT装置1の画像生成機能442又は医用画像処理装置70の画像生成機能741の生成部82は、欠損データに関する情報D3の欠損箇所情報及び補間正常箇所情報に基づき、投影データD1に対して欠損データ部分の補間を行い、補間後の投影データD4を生成する(ステップS3)。
次いで、X線CT装置1の画像生成機能442又は医用画像処理装置70の画像生成機能741の再構成部83は、欠損データに関する情報D3の再構成の範囲に基づき、投影データD4から再構成(逆投影)を行って、再構成画像データD5を生成する(ステップS4)。
次いで、X線CT装置1の画像生成機能442又は医用画像処理装置70の画像生成機能741の生成部84は、欠損データに関する情報D3の順投影の範囲に基づき、再構成画像データD5から順投影を行って投影データD6を生成する(ステップS5)。
次いで、X線CT装置1の画像生成機能442又は医用画像処理装置70の画像生成機能741の投影データ更新部85は、投影データD4と投影データD6とから更新後の投影データD7を生成する(ステップS6)。投影データD7が生成された以降は、前回の投影データD7を更新に用いてもよい。
補間によって推定された投影データD4をLI(ch,sl,view)、n回目の順投影によって得られた投影データD6をFPJ(ch,sl,view,n)とすると、n回目の更新後の投影データD7は、例えば、
eproj(ch,sl,view,n)=LI(ch,sl,view)*(1.0-w(n))+FPJ(ch,sl,view,n)*w(n)
で表される。なお、chはチャネル、slはスライス、viewはビューであり、w(n)は0.0〜1.0の値をとりうる単調増加関数である。w(n)は、nの開始時に0.0の値で開始する必要はなく、nの終了時に1.0の値で終了する必要はない。
次いで、X線CT装置1の画像生成機能442又は医用画像処理装置70の画像生成機能741の終了制御部86は、再構成部83による再構成を繰り返すか終了するかを判断し、処理を制御する(ステップS7)。ここで、終了制御部86は、再構成部83による画質を改善させるための再構成を繰り返すと判断した場合(ステップS7のNo)、再構成部83に画質を改善させるための再構成を繰り返えさせる(ステップS4〜S6)。
また、終了制御部86は、終了すると判断した場合(ステップS7のYes)、再構成部83に出力用の再構成を行わせ、再構成部83は、欠損データに関する情報D3の再構成の範囲に制限されず、ユーザにより指定された初期の範囲について、再構成を行って再構成画像データD5を生成する(ステップS8)。
次いで、X線CT装置1の画像生成機能442又は医用画像処理装置70の画像生成機能741の出力部87は、出力用の再構成により生成された最終的な再構成画像データD5を再構成画像データD8として出力するとともに、その元となった最新の投影データD7を投影データD9として出力する(ステップS9)。
図3で説明したフローチャートにおける処理の順序は、結果に本質的な影響を与えない範囲で変えてもよい。また、結果に本質的な影響を与えない範囲で、並行して処理を行ってもよい。
図3に示されたステップS1は、X線CT装置1のスキャン制御機能441に対応するステップである。ステップS1は、X線CT装置1の処理回路44がメモリ41からスキャン制御機能441に対応するプログラムを読み出し実行することにより、スキャン制御機能441が実現されるステップである。
ステップS2〜S9は、X線CT装置1の画像生成機能442又は医用画像処理装置70の画像生成機能741に対応するステップである。ステップS2〜S9は、X線CT装置1の処理回路44又は医用画像処理装置70の処理回路74がメモリ41又はメモリ71から画像生成機能442又は画像生成機能741に対応するプログラムを読み出し実行することにより、画像生成機能442又は画像生成機能741が実現されるステップである。
なお、X線CT装置1の処理回路44又は医用画像処理装置70の処理回路74は、少なくとも1つ以上の欠損データにより構成される領域の大きさ、及び、この領域がビュー方向に連続する数に応じて、上述したステップS3〜ステップS8の処理を行うか、又は、投影データD1に対して欠損データ部分の補間を行い、補間後の投影データD10を生成し、投影データD10から再構成画像データD11を生成する処理を行うかを、切り替えてもよい。このような変形例の詳細について説明する。
なお、変形例の説明において、少なくとも1つ以上の欠損データにより構成される領域には、1つの欠損データにより構成される領域、及び、2つ以上の連続して並ぶ欠損データにより構成される領域が含まれる。
図6は、実施形態の変形例の処理例を示すフローチャートである。なお、図6に示すフローチャートにおいて、図3に示す処理例と同様の処理については、同一の符号を付して説明を省略する。
図6に示すように、生成部82は、欠損データに関する情報D3の欠損箇所情報に基づいて、投影データD1において、少なくとも1つ以上の欠損データにより構成される領域の大きさ、及び、この領域がビュー方向に連続する数が、閾値よりも小さいか否かを判定する(ステップS10)。
ステップS10の判定の具体例を説明する。例えば、生成部82は、欠損データに関する情報D3の欠損箇所情報に基づいて、少なくとも1つ以上の欠損データにより構成される領域の大きさを特定する。また、生成部82は、欠損データに関する情報D3の欠損箇所情報に基づいて、この領域がビュー方向に連続する数を特定する。
図7Aは、実施形態の変形例を説明するための図である。図7Aには、投影データD1において、チャネル方向に1個のみ存在し、スライス方向に80個連続して並んでいる欠損データにより構成される領域90が示されている。ここでは、領域90がビュー方向に連続する数が「1000」である場合を例に挙げて説明する。
図7Aに示す場合、生成部82は、連続して並んでいる欠損データにより構成される領域90の大きさとして、領域90内のチャネル方向に欠損データが存在する最大の数「1」、及び、領域90内のスライス方向に欠損データが連続する最大の数「80」を特定する。また、生成部82は、領域90がビュー方向に連続する数「1000」を特定する。
そして、生成部82は、関数min(ch_number,sl_number,view_number)が、所定の閾値αよりも小さいか否かを判定する。ここで、「ch_number」は、領域90内のチャネル方向において欠損データが連続する最大の数を示す。また、「sl_number」は、領域90内のスライス方向において欠損データが連続する最大の数を示す。なお、チャネル方向及びスライス方向のそれぞれの方向において、欠損データが1つのみ存在する場合には、欠損データが連続する最大の数は「1」となる。また、「view_number」は、領域90がビュー方向に連続する数を示す。また、関数min(ch_number,sl_number,view_number)は、「ch_number」、「sl_number」及び「view_number」のうち、最小値を示す。すなわち、図7Aに示す場合、「min(1,80,1000)=1」となる。
また、所定の閾値αは、例えば、補間を行った場合であっても、ユーザが、画質の劣化を許容できる場合の、チャネル方向において欠損データが連続する最大の数、スライス方向において欠損データが連続する最大の数、及び、ビュー方向において欠損データが連続する最大の数の中の最大値に「1」を加えた値である。
このようにして、生成部82は、特定された領域90内のチャネル方向に欠損データが連続する最大の数、特定された領域90内のスライス方向に欠損データが連続する最大の数、及び、領域90がビュー方向に連続する数のうち、最小値を特定する。そして、生成部82は、特定した最小値が、所定の閾値αよりも小さいか否かを判定する。所定の閾値αは、例えば、「2」である。
特定した最小値が、所定の閾値αよりも小さい場合(ステップS10のYes)には、領域90内の欠損データは、補間により対応可能である。そのため、特定した最小値が、所定の閾値αよりも小さい場合(ステップS10のYes)には、生成部82は、欠損データに関する情報D3の欠損箇所情報及び補間正常箇所情報に基づき、投影データD1に対して欠損データ部分の補間を行い、補間後の投影データD10を生成する(ステップS11)。投影データD10は、第5の投影データの一例である。
例えば、図7Aに示す場合、ステップS11において、領域90に対してチャネル方向に隣接する正常データを用いて、投影データD1に対して欠損データ部分の補間を行い、補間後の投影データD10を生成する。
ここで、図7Bを参照して、ステップS11の処理の他の例について説明する。図7Bは、実施形態の変形例を説明するための図である。図7Bには、投影データD1において、チャネル方向に1個存在し、スライス方向にも1個のみ存在する欠損データにより構成される領域91が示されている。ここでは、領域91がビュー方向に連続する数が「1000」である場合を例に挙げて説明する。
図7Bに示す場合、「min(1,1,1000)」は、所定の閾値αよりも小さい。このため、生成部82は、ステップS11において、領域91に対してチャネル方向に隣接する正常データ又は領域91に対してスライス方向に隣接する正常データを用いて、投影データD1に対して欠損データ部分の補間を行い、補間後の投影データD10を生成する。
次いで、X線CT装置1の画像生成機能442又は医用画像処理装置70の画像生成機能741の再構成部83は、欠損データに関する情報D3の再構成の範囲に基づき、投影データD10から再構成(逆投影)を行って、再構成画像データD11を生成する(ステップS12)。再構成画像データD11は、第3の再構成画像の一例である。
次いで、ステップS9において、X線CT装置1の画像生成機能442又は医用画像処理装置70の画像生成機能741の出力部87は、出力用の再構成により生成された最終的な再構成画像データD11を出力するとともに、その元となった最新の投影データD10を出力する。
ここで、図7Cを参照して、ステップS10の判定の処理の一例を説明する。図7Cは、実施形態の変形例を説明するための図である。図7Cには、投影データD1において、チャネル方向に3個連続して並んでおり、スライス方向に3個連続して並んでいる欠損データにより構成される領域92が示されている。ここでは、領域92がビュー方向に連続する数が「1000」である場合を例に挙げて説明する。
図7Cに示す場合、「min(3,3,1000)」は、所定の閾値αよりも大きい。このため、ステップS3において、生成部82は、投影データD4を生成する処理を行う。そして、ステップS4において、再構成部83は、再構成画像データD5を生成する処理を行う。そして、ステップS5において、生成部84は、投影データD6を生成する処理を行う。
そして、ステップS6において、投影データ更新部85は、投影データD7を生成する。その後、ステップS7において、再構成を終了すると終了制御部86により判定された場合(ステップS7のYes)、ステップS8において、再構成部83は、再構成画像データD5を生成する処理を行う。
次いで、ステップS9において、出力部87は、出力用の再構成により生成された最終的な再構成画像データD5を再構成画像データD8として出力するとともに、その元となった最新の投影データD7を投影データD9として出力する。
上述したように、X線CT装置1の処理回路44又は医用画像処理装置70の処理回路74は、少なくとも1つ以上の欠損データにより構成される領域の大きさ、及び、この領域がビュー方向に連続する数に応じて、上述したステップS3〜ステップS8の処理を行うか、又は、補間後の投影データD10を生成する処理、及び、投影データD10から再構成画像データD11を生成する処理を行うかを、切り替える。
本変形例について説明した。本変形例によれば、処理回路44又は処理回路74は、ステップS10で、補間の対応を行うことが可能か否かを判定する。なお、「補間の対応を行うことが可能である場合」とは、補間が行われてもユーザが画質の劣化を許容することが可能な場合を指す。そして、処理回路44又は処理回路74は、補間の対応を行うことが可能な場合には、ステップS3〜8の処理ではなく、ステップS3〜8の処理の負荷と比較して、処理の負荷が低いステップS10〜12の処理を行って、再構成画像データD11を生成する。このため、変形例によれば、上述した実施形態と比較して、処理の負荷を軽減させることができる。
以上説明された少なくとも1つの実施形態及び変形例によれば、投影データにおけるデータの欠損による再構成画像の画質を向上させることができる。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。