[第1実施形態について]
以下、本発明の第1の実施の形態を、図面を参照して説明する。まず、遊技機の一例であるパチンコ遊技機1の全体の構成について説明する。図1はパチンコ遊技機(弾球遊技機)1を正面からみた正面図である。なお、ここでは、遊技機の一例としてパチンコ遊技機を示すが、本発明による遊技機はパチンコ遊技機に限られず、例えば、画像式の遊技機、コイン遊技機、および、スロット機等であってもよい。
パチンコ遊技機1は、縦長の方形状に形成された外枠(図示せず)と、外枠の内側に開閉可能に取り付けられた遊技枠とで構成される。また、パチンコ遊技機1は、遊技枠に開閉可能に設けられている額縁状に形成されたガラス扉枠2を有する。遊技枠は、外枠に対して開閉自在に設置される前面枠(図示せず)と、機構部品等が取り付けられる機構板(図示せず)と、それらに取り付けられる種々の部品(後述する遊技盤6を除く)とを含む構造体である。
図1に示すように、パチンコ遊技機1は、額縁状に形成されたガラス扉枠2を有する。ガラス扉枠2の下部表面には打球供給皿(上皿)3がある。打球供給皿3の下部には、打球供給皿3に収容しきれない遊技球を貯留する余剰球受皿4や、打球を発射する打球操作ハンドル(操作ノブ)5が設けられている。また、ガラス扉枠2の背面には、遊技盤6が着脱可能に取り付けられている。なお、遊技盤6は、それを構成する板状体と、その板状体に取り付けられた種々の部品とを含む構造体である。また、遊技盤6の前面には、打ち込まれた遊技球が流下可能な遊技領域7が形成されている。
遊技領域7の中央付近には、液晶表示装置(LCD)で構成された演出表示装置9が設けられている。演出表示装置9の表示画面には、第1の実行条件である第1始動条件の成立(例えば、打球が第1始動入賞口13に入賞したこと)にもとづいて各々を識別可能な複数種類の演出用の飾り図柄(第1飾り図柄)を可変表示し表示結果を導出表示する表示領域(以下、第1可変表示部9aという。)と、第2の実行条件である第2始動条件の成立(例えば、打球が第2始動入賞口14に入賞したこと)にもとづいて各々を識別可能な複数種類の演出用の飾り図柄(第2飾り図柄)を可変表示し表示結果を導出表示する表示領域(以下、第2可変表示部9bという。)と、第1可変表示部9aおよび第2可変表示部9bよりも遊技者が表示内容を視認することが容易な表示領域(以下、背景図柄表示部9cという。)とがある。なお、表示内容を視認することが容易とは、例えば、表示領域のサイズが大きいことであったり、第1可変表示部9aおよび第2可変表示部9bにおける表示内容が常に単色であるのに対して表示色が変わったりすることである。また、この実施形態では、背景図柄表示部9cには、左・中・右の3つの表示領域に識別情報(以下、背景図柄ともいう。)が表示制御される。なお、入賞とは、入賞口などのあらかじめ入賞領域として定められている領域に遊技球が入ったことである。また、表示結果を導出表示するとは、図柄を停止表示させることである。この実施の形態では、2つの可変表示部(第1可変表示部9aおよび第2可変表示部9b)に対して1つの背景図柄表示部9cが設けられ、背景図柄表示部9cにおいて、2つの可変表示部において可変表示される飾り図柄(第1飾り図柄および第2飾り図柄)のいずれかに対応した演出が実行されるので、飾り図柄の状況(例えば、大当り図柄が導出表示されるか否か)を把握しづらくする。なお、この実施の形態では、背景図柄は、演出表示装置9(液晶表示装置)における演出用の図柄変動表示を行うためのものであり、演出用識別情報、装飾図柄、および演出図柄に相当する。
演出表示装置9の上部には、識別情報としての特別図柄を可変表示する第1特別図柄表示器(特別図柄表示装置)8aおよび第2特別図柄表示器8bが設けられている。この実施の形態では、第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bは、それぞれ、例えば0〜9の数字を可変表示可能な簡易で小型の表示器(例えば7セグメントLED)で実現されている。第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bは、停止図柄が確変図柄であるのか非確変図柄であるのかを把握しづらくさせるために、0〜99など、より多種類の数字を可変表示するように構成されていてもよい。以下、第1特別図柄表示器8aにおいて可変表示される識別情報を第1特別図柄といい、第2特別図柄表示器8bにおいて可変表示される識別情報を第2特別図柄ということがある。また、第1特別図柄と第2特別図柄とを、特別図柄と総称することがある。なお、この実施の形態では、第1特別図柄の種類と第2特別図柄の種類とは同じ(例えば、ともに0〜9の数字)であるが、種類が異なっていてもよい。また、一部が異なっていてもよい。一例として、第1特別図柄の種類は、0〜5の数字と数字以外のキャラクタとを含み、第2特別図柄の種類は、0〜5の数字と数字以外のキャラクタであって第1特別図柄のキャラクタとは異なるものとを含むようにしてもよい。
第1特別図柄表示器8aの近傍には、第1始動入賞口13に入った有効入賞球数すなわち第1保留記憶数(保留記憶を、始動記憶または始動入賞記憶ともいう。)数を表示する4つの表示器からなる第1特別図柄保留記憶表示器18aが設けられている。第1特別図柄保留記憶表示器18aは、有効始動入賞がある毎に、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第1特別図柄表示器8aでの可変表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。また、第2特別図柄表示器8bの近傍には、第2始動入賞口14に入った有効入賞球数すなわち保留記憶数を表示する4つの表示器からなる第2特別図柄保留記憶表示器18bが設けられている。第2特別図柄保留記憶表示器18bは、有効始動入賞がある毎に、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第2特別図柄表示器8bでの可変表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。
第1可変表示部9aは、第1特別図柄表示器8aによる特別図柄の可変表示時間中に、装飾用(演出用)の図柄としての飾り図柄の可変表示を行う。また、第2可変表示部9bは、第2特別図柄表示器8bによる特別図柄の可変表示時間中に、装飾用の図柄としての飾り図柄の可変表示を行う。飾り図柄の可変表示を行う第1可変表示部9aおよび第2可変表示部9bは、演出制御基板に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータによって制御される。以下、第1可変表示部9aにおいて可変表示される識別情報を第1飾り図柄といい、第2可変表示部9bにおいて可変表示される識別情報を第2飾り図柄ということがある。また、第1飾り図柄と第2飾り図柄とを、飾り図柄と総称することがある。なお、第1飾り図柄の種類と第2飾り図柄の種類とは同じ(例えば、ともに0〜9の数字)であってもよいし、種類が異なっていてもよい。種類が異なる場合、一部が異なっていてもよい。一例として、第1飾り図柄の種類は、0〜5の数字と数字以外のキャラクタとを含み、第2飾り図柄の種類は、0〜5の数字と数字以外のキャラクタであって第1飾り図柄のキャラクタとは異なるものとを含むようにしてもよい。
演出表示装置9の表示画面には、第1始動入賞口13に入った有効入賞球数すなわち第1保留記憶数と、第2始動入賞口14に入った有効入賞球数すなわち第2保留記憶数との合計である合計数(合算保留記憶数)を表示する領域(以下、図柄保留記憶表示部18cという。)がある。このように、この実施の形態では、第1保留記憶数と第2保留記憶数との合計を、比較的遊技者に視認されやすい図柄保留記憶表示部18cにおいて表示することによって、遊技者に、第1保留記憶数と第2保留記憶数のそれぞれを把握しづらくする。この実施の形態では、第1特別図柄保留記憶表示器18aおよび第2特別図柄保留記憶表示器18bは、それぞれ、図柄保留記憶表示部18cよりも小型のランプやLEDのような4つの表示器で構成されているが、第1保留記憶数と第2保留記憶数とをより把握しづらくするために、他の態様の表示器を用いてもよい。一例として、第1特別図柄保留記憶表示器18aおよび第2特別図柄保留記憶表示器18bをそれぞれ1個の表示器で構成し、保留記憶数に応じて表示色を異ならせたり、表示濃度を異ならせるようにする。
この実施の形態では、表示可能な合算保留記憶数すなわち合算保留記憶数の上限値は8である。図柄保留記憶表示部18cは、有効始動入賞がある毎に、点灯する表示領域の数を1増やす。そして、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bの可変表示が開始される毎に、点灯する表示領域の数を1減らす。または、図柄保留記憶表示部18cにおける8つの表示領域のうち、あらかじめ有効始動入賞として決められている色で表示される領域の数を1増やす。そして、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bの可変表示が開始される毎に、あらかじめ有効始動入賞として決められている色で表示される領域の数を1減らす。
また、この実施の形態では、第1保留記憶数の上限値を4にし、第2保留記憶数の上限値を4にする。従って、第1保留記憶数が4である場合に第1始動入賞口13に遊技球が入賞したときには、その入賞は第1始動条件を成立させない無効始動入賞になる。第1保留記憶数が4未満である場合に第1始動入賞口13に遊技球が入賞したときには、その入賞は第1始動条件を成立させる有効始動入賞(第1有効始動入賞)になる。同様に、第2保留記憶数が4である場合に第2始動入賞口14に遊技球が入賞したときには、その入賞は第2始動条件を成立させない無効始動入賞になる。第2保留記憶数が4未満である場合に第2始動入賞口14に遊技球が入賞したときには、その入賞は第2始動条件を成立させる有効始動入賞(第2有効始動入賞)になる。なお、この例では、第1保留記憶数の上限値を4にし、第2保留記憶数の上限値を4にし、合算保留記憶数の上限値を8にするが、それらの値は一例である。また、上限値を、遊技状態に応じて変更可能であるようにしてもよい。
演出表示装置9の下方には、第1始動入賞口13を有する入賞装置が設けられている。第1始動入賞口13に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、第1始動口スイッチ13aによって検出される。第1始動口スイッチ13aによって遊技球が検出された場合には、この検出情報に基づき、所定個数(1個)の遊技球が賞球として払い出される。
演出表示装置9の右方には、ゲート32が設けられている。ゲート32を通過した遊技球は、ゲートスイッチ32aによって検出される。また、ゲート32の下方には、作動ゲート17が設けられている。作動ゲート17を通過した遊技球は、作動ゲートスイッチ17aによって検出される。
作動ゲート17の下方には、大入賞口を形成する特別可変入賞球装置20が設けられている。特別可変入賞球装置20は開閉板を備え、第1特別図柄表示器8aに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときと、第2特別図柄表示器8bに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときに生起する有利状態(大当り遊技状態)においてソレノイド21によって開閉板が開放状態に制御されることによって、入賞領域となる大入賞口が開放状態になる。大入賞口に入賞した遊技球は第1カウントスイッチ23aで検出される。第1カウントスイッチ23aによって遊技球が検出された場合には、この検出情報に基づき、所定個数(例えば15個)の遊技球が賞球として払い出される。
特別可変入賞球装置20の下方には、小当り用の特殊入賞口24を形成する特殊可変入賞球装置22と、第2始動入賞口14を有する可変入賞球装置15とが設けられており、図1に示すように、左側に特殊可変入賞球装置22が配置され、その右側に隣り合うように可変入賞球装置15が配置されている。詳細は後述するが、これら特殊可変入賞球装置22および可変入賞球装置15は、やや傾斜した状態で左右方向に延在し、遊技球が流下する流路の底面として形成される板状の底面部材を、前後方向に進退移動させることにより、底面部材の下方に位置する特殊入賞口24や第2始動入賞口14に遊技球が入賞可能な開状態(開放状態ともいう)と遊技球が入賞不能な閉状態(閉鎖状態ともいう)とに変化させる。特殊可変入賞球装置22は、第2特別図柄表示器8bに所定表示結果(小当り図柄)が導出表示されたときに生起する小当り遊技状態において、底面部材を前方に向けて前進移動させた閉状態から底面部材を後方に向けて後退移動させ、入賞領域となる特殊入賞口24を開状態とする開放制御を実行する。また、可変入賞球装置15は、普通図柄表示器10に当り図柄が導出表示されたときに、底面部材を前方に向けて前進移動させた閉状態から底面部材を後方に向けて後退移動させ、入賞領域となる第2始動入賞口14を開状態とする開放制御を実行する。
なお、この実施の形態では、特殊可変入賞球装置22と可変入賞球装置15とは、同様の構造を有するように形成されているのであるが、図1に示すように、可変入賞球装置15と比較して特殊可変入賞球装置22の方が若干大きい。また、図1に示すように、特殊可変入賞球装置22と可変入賞球装置15とは隣り合うように配置されているので、特別可変入賞球装置20に入賞することなく遊技領域7を落下した遊技球は、まず可変入賞球装置15の上に落下するのであるが、この際に可変入賞球装置15の底面部材が後退移動されて第2始動入賞口14が開状態となっていれば、遊技球は第2始動入賞口14に入賞し、特殊可変入賞球装置22の方には遊技球は流れて行かない。一方、第2始動入賞口14が開状態となっていなければ、遊技球は可変入賞球装置15の底面部材の上を移動して特殊可変入賞球装置22の方に導かれる。この際に特殊可変入賞球装置22の底面部材が後退移動されて特殊入賞口24が開状態となっていれば、遊技球は特殊入賞口24に入賞する。さらに、特殊入賞口24も開状態となっていなければ、遊技球は特殊可変入賞球装置22の底面部材の上を移動して、そのままアウト口26の方へ落下することになる。
なお、この実施の形態では、図1に示すように、特殊可変入賞球装置22が左側に配置され、可変入賞球装置15が右側に配置されているのであるが、特殊可変入賞球装置22および可変入賞球装置15の底面部材が右上方から左下方に緩やかに傾斜するように形成され、底面部材が後退しておらず閉状態である場合には可変入賞球装置15の方から特殊可変入賞球装置22の方に向かって遊技球が流れるように構成されているので、この意味で、可変入賞球装置15の方が上流側に設けられ、特殊可変入賞球装置22の方が下流側に設けられているといえる。
特殊入賞口24内には、特殊入賞口24内に入賞した遊技球を検出可能なスイッチ(第2カウントスイッチ25a、図5参照)が設けられている。第2カウントスイッチ25aによって遊技球が検出された場合には、この検出情報に基づき、所定個数(例えば15個)の遊技球が賞球として払い出される。ここで、特殊可変入賞球装置22において開状態となった特殊入賞口24を遊技球が通過(進入)したときには、例えば第1始動入賞口13や第2始動入賞口14といった、他の入賞口を遊技球が通過(進入)したときよりも多くの賞球が払い出されるようになっている。従って、特殊可変入賞球装置22が開放制御されて特殊入賞口24が開状態となれば、遊技者にとって有利な状態となる。その一方で、特殊可変入賞球装置22が閉鎖制御されて特殊入賞口24が閉状態となれば、特殊入賞口24に遊技球を通過(進入)させて賞球を得ることができないため、遊技者にとって不利な状態となる。
また、第2始動入賞口14内には、第2始動入賞口14内に入賞した遊技球を検出可能な第2始動口スイッチ14aが設けられている。第2始動口スイッチ14aによって遊技球が検出された場合には、この検出情報に基づき、所定個数(1個)の遊技球が賞球として払い出される。
以下、第1始動入賞口13と第2始動入賞口14とを総称して始動入賞口または始動口ということがある。
なお、この実施の形態では、ゲート32、作動ゲート17、特別可変入賞球装置20(大入賞口)、可変入賞球装置15(第2始動入賞口14)、および特殊可変入賞球装置22(特殊入賞口24)が遊技領域7の右方に設けられているので、大当り遊技中や後述するKT状態中である場合には、遊技者は遊技領域7の右方を狙って発射操作(いわゆる右打ち操作)を行う。従って、この実施の形態では、詳細な説明を省略しているが、大当り遊技中やKT状態中である場合には、例えば、演出表示装置9において「右打ち」などの表示を行ったり右方向を示す矢印表示を行ったりして、右打ち操作期間中であることを報知するように構成することが望ましい。
演出表示装置9の下方には、普通図柄を可変表示する普通図柄表示器10が設けられている。この実施の形態では、普通図柄表示器10は、0〜9の数字を可変表示可能な簡易で小型の表示器(例えば7セグメントLED)で実現されている。すなわち、普通図柄表示器10は、0〜9の数字(または、記号)を可変表示するように構成されている。また、小型の表示器は、例えば方形状に形成されている。なお、普通図柄表示器10は、例えば、00〜99の数字(または、2桁の記号)を可変表示するように構成されていてもよい。また、普通図柄表示器10は、7セグメントLEDなどにかぎらず、例えば、所定の記号表示を点灯表示可能な表示器(例えば、「○」や「×」を交互に点灯表示可能な装飾ランプ)で構成されていてもよい。
遊技球がゲート32を通過しゲートスイッチ32aで検出されると、普通図柄表示器10の表示の可変表示が開始される。そして、普通図柄表示器10における停止図柄が所定の図柄(当り図柄。例えば、図柄「7」。)である場合に、可変入賞球装置15が所定時間だけ開状態になる。すなわち、可変入賞球装置15の状態は、普通図柄の停止図柄が当り図柄である場合に、遊技者にとって不利な状態から有利な状態(第2始動入賞口14に遊技球が入賞可能な状態)に変化する。普通図柄表示器10の近傍には、ゲート32を通過した入賞球数を表示する4つのLEDによる表示部を有する普通図柄保留記憶表示器41が設けられている。ゲート32への遊技球の通過がある毎に、すなわちゲートスイッチ32aによって遊技球が検出される毎に、普通図柄保留記憶表示器41は点灯するLEDを1増やす。そして、普通図柄表示器10の可変表示が開始される毎に、点灯するLEDを1減らす。
遊技盤6の遊技領域7の左右周辺には、遊技中に点滅表示される装飾ランプ25が設けられ、下部には、入賞しなかった打球が取り込まれるアウト口26がある。また、遊技領域7の外側の左右上部には、所定の音声出力として効果音や音声を発声する2つのスピーカ27が設けられている。遊技領域7の外周上部、外周左部および外周右部には、前面枠に設けられた天枠ランプ28a、左枠ランプ28bおよび右枠ランプ28cが設けられている。また、左枠ランプ28bの近傍には賞球残数があるときに点灯する賞球ランプ51が設けられ、右枠ランプ28cの近傍には補給球が切れたときに点灯する球切れランプ52が設けられている。
遊技機には、遊技者が打球操作ハンドル5を操作することに応じて駆動モータを駆動し、駆動モータの回転力を利用して遊技球を遊技領域7に発射する打球発射装置(図示せず)が設けられている。遊技者が打球操作ハンドル5を継続して操作した場合には、0.6秒毎に遊技球が打ち出される。打球発射装置から発射された遊技球は、遊技領域7を囲むように円形状に形成された打球レールを通って遊技領域7に入り、その後、遊技領域7を下りてくる。遊技球が第1始動入賞口13に入り第1始動口スイッチ13aで検出されると、第1特別図柄の可変表示を開始できる状態であれば(例えば、大当り遊技終了または前回の可変表示が終了し、第1の開始条件が成立したこと)、第1特別図柄表示器8aにおいて第1特別図柄の可変表示(変動)が開始されるとともに、第1可変表示部9aにおいて第1飾り図柄の可変表示が開始される。すなわち、第1特別図柄は第1始動入賞口13への入賞に対応する。第1特別図柄の可変表示を開始できる状態でなければ、第1保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、図柄保留記憶表示部18cに表示される合算保留記憶数(合計数)を1増やす。
また、遊技球が第2始動入賞口14に入り第2始動口スイッチ14aで検出されると、第2特別図柄の可変表示を開始できる状態であれば(例えば、大当り遊技終了または前回の可変表示が終了し、第2の開始条件が成立したこと)、第2特別図柄表示器8bにおいて第2特別図柄の可変表示(変動)が開始されるとともに、第2可変表示部9bにおいて第2飾り図柄の可変表示が開始される。すなわち、第2特別図柄は第2始動入賞口14への入賞に対応する。第2特別図柄の可変表示を開始できる状態でなければ、第2保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、図柄保留記憶表示部18cに表示される合算保留記憶数(合計数)を1増やす。ただし、第2保留記憶数が上限値に達していても、合算保留記憶数が上限値に達していなければ、図柄保留記憶表示部18cに表示される合計数を1増やす。
第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄の可変表示および第1可変表示部9aにおける第1飾り図柄の可変表示は、所定時間が経過したときに停止する。停止時の第1特別図柄が大当り図柄(特定表示結果)になると、大当り遊技状態に移行する。すなわち、一定時間(例えば29秒)が経過するまで、または、所定個数(例えば、10個)の遊技球が大入賞口に入賞するまで特別可変入賞球装置20が開放される。特別可変入賞球装置20が開放されてから一定期間経過するまで、または、所定個数(例えば、10個)の打球が大入賞口に入賞するまでが大当り遊技状態における1ラウンドである。所定個数の遊技球が大入賞口に入賞すると、または特別可変入賞球装置20が開放されてから一定期間経過すると、継続権が発生し特別可変入賞球装置20の開放が再度行われる。継続権の発生は、所定回数(例えば、2ラウンド、6ラウンド、16ラウンド)許容される。なお、大入賞口にV入賞領域を設け、特別可変入賞球装置20の開放中に打球がV入賞領域に入賞したことを条件に、継続権が発生するようにしてもよい。なお、大当り遊技状態におけるラウンド数は、大当りの種別によって異なる。本実施の形態において大当りの種別は2R通常大当り、2R確変大当り、6R通常大当り、6R確変大当り、および16R確変大当りがあり、例えば、2R通常大当りまたは2R確変大当りが発生すれば2ラウンドの大当り遊技状態が付与され、6R通常大当りまたは6R確変大当りが発生すれば2ラウンドの大当り遊技状態が付与され、16R確変大当りが発生すれば16ラウンドの大当り遊技状態が付与される。
第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄の変動停止時の停止図柄を、確率変動を伴う大当り図柄(特別表示結果:確変図柄、例えば「7」など)にすることに決定された場合には、次に大当りとなる確率が低確率状態(後述する低確率/非KT状態と低確率/第1KT状態とがある)よりも高い確変状態(低確率状態よりも大当りが発生しやすい高確率状態)という遊技者にとって有利な状態になる。なお、第1特別図柄の停止図柄が確変図柄に決定されて確変状態に移行した場合には、第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄が大当り図柄になる確率が高くなるだけでなく、第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄が大当り図柄になる確率も高くなる。すなわち、第1始動入賞にもとづく大当りの判定だけでなく、第2始動入賞にもとづく大当りの判定においても低確率状態よりも高い確率で大当りと判定されることになる。
また、第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄の可変表示および第2可変表示部9bにおける第2飾り図柄の可変表示は、所定時間が経過したときに停止する。停止時の第2特別図柄が大当り図柄(特定表示結果)になると、大当り遊技状態に移行する。
第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄の変動停止時の停止図柄を、確率変動を伴う大当り図柄(特別表示結果:確変図柄、例えば「7」など)にすることに決定された場合には、次に大当りとなる確率が低確率状態(後述する低確率/非KT状態と低確率/第1KT状態とがある)よりも高い確変状態(低確率状態よりも大当りが発生しやすい高確率状態)という遊技者にとって有利な状態になる。なお、第2特別図柄の停止図柄が確変図柄に決定されて確変状態に移行した場合には、第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄が大当り図柄になる確率が高くなるだけでなく、第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄が大当り図柄になる確率も高くなる。すなわち、第2始動入賞にもとづく大当りの判定だけでなく、第1始動入賞にもとづく大当りの判定においても低確率状態よりも高い確率で大当りと判定されることになる。
また、停止時の第2特別図柄が小当り図柄になると、小当り遊技状態に移行する。すなわち、特殊入賞口24に遊技球が入賞可能な程度の一定時間が経過するまで特殊可変入賞球装置22が開放される。これにより、小当り遊技状態にも、大当り遊技状態よりも少ないものの、遊技者が出玉を得ることができるような開放態様としている。なお、この実施の形態では、小当り遊技状態とは、大当り遊技状態と比較すると有利度が低い(本例では、獲得できる出玉が少ない)ものの遊技者にとって有利な遊技状態であり、小当り遊技状態の前と後とで遊技状態が他の遊技状態に遷移しないものである。小当り遊技状態では、1回の入賞により15個の賞球が払出される。
確変状態では、上述したように、第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bにおいて可変表示される第1特別図柄および第2特別図柄の停止図柄が大当り図柄(特定表示結果:例えば、0〜9のうちの奇数)になる確率が低確率状態より高められる。
ここで、本実施の形態における遊技状態について説明する。まず、本実施の形態における遊技状態には、通常状態(低確率/非KT状態)と、通常状態よりも小当りになりやすいKT状態(いわゆる小当りタイム)とがある。さらに、KT状態には第1KT状態と第2KT状態との2種類があり、この実施の形態では、遊技状態には、低確率状態且つ非KT状態(低確率/非KT状態:通常状態)に制御されている場合と、低確率且つ第1KT状態(低確率/第1KT状態)に制御されている場合と、高確率且つ第1KT状態(高確率/第1KT状態)に制御されている場合と、高確率且つ第2KT状態(高確率/第2KT状態)に制御されている場合とがある。
KT状態のうち第1KT状態は、後述するように、小当りが発生しやすく特殊可変入賞球装置22が開状態となりやすいものの、上流側の可変入賞球装置15の開放時間が極めて長く、小当りが発生しても下流側の特殊可変入賞球装置22に遊技球が入賞するケースは極めて少ない(例えば、100変動するごとに1球程度)。また、KT状態のうち第2KT状態は、後述するように、上流側の可変入賞球装置15の開放時間が短く、小当りが発生した場合に下流側の特殊可変入賞球装置22に遊技球が入賞しやすい。
確変状態は、低確率状態よりも大当りになりやすい遊技状態である。具体的には、確変状態における大当り判定テーブルの大当り判定値の数が、低確率状態における大当り判定テーブルの大当り判定値の数の10倍あるため、確変状態を、低確率状態よりも大当りの発生しやすい遊技状態としている。
また、KT状態は、通常状態(低確率/非KT状態)よりも小当りになりやすい遊技状態である。具体的には、この実施の形態では、KT状態であっても普図当りとなって可変入賞球装置15が開状態となる確率は通常状態と同じなのであるが、第2特別図柄の変動時に選択する変動パターンの有する変動時間が、KT状態の方が通常状態よりも短いため、KT状態の方が通常状態よりも一定時間に対する変動回数の割合が高くなる。そして、第2特別図柄の変動時には大当りとなる場合以外には全て小当りになるよう構成されている(ただし、後述する強制はずれの場合を除く)ため、KT状態を、通常状態よりも小当りになりやすい遊技状態としている。これにより、KT状態では、主に第2特別図柄の変動を行わせることにより小当りを頻繁に発生させ、遊技者に有利な遊技状態となっている。
次に、本実施の形態における遊技状態の遷移について説明する。まず、この実施の形態では、通常状態(低確率/非KT状態)では、遊技者は遊技領域7の左方を狙って遊技球の発射操作(左打ち)を行う。そのため、通常状態では、主として第1始動入賞口13への始動入賞が発生し、主として第1特別図柄の変動表示が実行される。通常状態において大当りが発生した場合には、低確率/第1KT状態、高確率/第1KT状態、または高確率/第2KT状態へ移行する。例えば、6R通常大当りが発生した場合、低確率/第1KT状態に移行し、その後、大当りが発生することなく100回の変動表示を終了すると、第1KT状態を終了して通常状態へ移行する。また、例えば、6R確変大当りが発生した場合、高確率/第1KT状態に移行し、その後、次の大当りが発生するまで高確率/第1KT状態が維持される。また、例えば、16R確変大当りが発生した場合、高確率/第2KT状態に移行し、その後、次の大当りが発生するまで高確率/第2KT状態が維持される。
なお、この実施の形態では、低確率/第1KT状態に制御される場合に一律に100回の変動表示を終了すると第1KT状態を終了する場合を示しているが、そのような態様にかぎられない。例えば、低確率/第1KT状態の契機となる大当りの種別を複数設けるように構成し、その大当り種別に応じて大当り遊技終了後に第1KT状態が継続する変動表示の回数が異なる(例えば、20回や、30回、50回、100回)ように構成してもよい。
KT状態(低確率/第1KT状態、高確率/第1KT状態、高確率/第2KT状態)に移行した後である場合には、この実施の形態では、遊技者は遊技領域7の右方を狙って遊技球の発射操作(右打ち)を行う。そのため、KT状態では、主として第2始動入賞口14への始動入賞が発生し、主として第2特別図柄の変動表示が実行される。KT状態において大当りが発生した場合には、低確率/第1KT状態、高確率/第1KT状態、または高確率/第2KT状態へ移行する。例えば、2R通常大当りが発生した場合、低確率/第1KT状態に移行し、その後、大当りが発生することなく100回の変動表示を終了すると、第1KT状態を終了して通常状態へ移行する。また、例えば、2R確変大当りまたは6R確変大当りが発生した場合、高確率/第1KT状態に移行し、その後、次の大当りが発生するまで高確率/第1KT状態が維持される。また、例えば、16R確変大当りが発生した場合、高確率/第2KT状態に移行し、その後、次の大当りが発生するまで高確率/第2KT状態が維持される。
ただし、後述するように、大当り開始前に非KT状態であったにもかかわらず第2特別図柄の変動表示が実行されて16R確変大当りとなったような場合には、高確率状態に移行するものの、第2KT状態ではなく第1KT状態に移行するように制御する(後述するステップS2208B,S2209B参照)。すなわち、通常状態であるにもかかわらず右打ちされて第2特別図柄の変動表示により16R確変大当りが発生した場合であり、そのような場合に第2KT状態に移行して小当り遊技において相当数の賞球を得られるようにしてしまうと、一部の遊技者が通常状態にて積極的に右打ちにて遊技を行う可能性があり、本来の遊技性が損なわれてしまう。このことから、通常状態で右打ちして第2特別図柄の変動表示により16R確変大当りが発生したとしても、第1KT状態にしか移行しないようにすることによるペナルティを科すことにより、通常状態での積極的な右打ち遊技を抑制することができる。
第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄の可変表示と、第1可変表示部9aにおける第1飾り図柄の可変表示とは同期している。また、第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄の可変表示と、第2可変表示部9bにおける第2飾り図柄の可変表示とは同期している。ここで、同期とは、可変表示の開始時点および終了時点が同じであって、可変表示の期間が同じであることをいう。また、第1特別図柄表示器8aにおいて大当り図柄が停止表示されるときには、第1可変表示部9aにおいて大当り図柄が停止表示される。第2特別図柄表示器8bにおいて大当り図柄が停止表示されるときには、第2可変表示部9bにおいて大当り図柄が停止表示される。
さらに、第1特別図柄表示器8aにおいて確変図柄が停止表示されるときには、第1可変表示部9aにおいて確変図柄を想起させるような飾り図柄(例えば「7」)が停止表示される。第2特別図柄表示器8bにおいて確変図柄が停止表示されるときには、第2可変表示部9bにおいて確変図柄を想起させるような特別の飾り図柄(例えば「7」)が停止表示される。
また、背景図柄表示部9cでは、第1特別図柄表示器8aにおいて第1特別図柄が可変表示されているときに、第1特別図柄の可変表示に対応した演出が実行される。例えば、背景図柄表示部9cにおける3つの表示領域において背景図柄が可変表示される。リーチ演出を行う場合には、例えば、可変表示中に左右の背景図柄が停止表示される。そして、後述するように例外はあるが、基本的に第1特別図柄表示器8aにおいて第1特別図柄の停止図柄が導出表示されるときに、背景図柄表示部9cにおいて背景図柄の停止図柄が導出表示される(3つの表示領域において背景図柄が最終停止される。)。第1特別図柄の停止図柄が大当り図柄である場合には、背景図柄の停止図柄は、第1特別図柄の停止図柄が大当り図柄であることを遊技者に想起させるような背景図柄(例えば、左中右が揃った状態の3つの背景図柄)になる。以下、そのような背景図柄も、大当り図柄という。
第2特別図柄表示器8bにおいて第2特別図柄が可変表示されているときに、第2特別図柄の可変表示に対応した演出が実行される。例えば、背景図柄表示部9cにおける3つの表示領域において背景図柄が可変表示される。
また、第1特別図柄表示器8aにおいて第1特別図柄が可変表示され、同時に第2特別図柄表示器8bにおいて第2特別図柄が可変表示されているときには、第1特別図柄と第2特別図柄とのうちのいずれかの可変表示に対応した演出が実行される。
そして、第1特別図柄または第2特別図柄が単独で可変表示されている場合には、第1特別図柄または第2特別図柄の可変表示が終了し第1特別図柄または第2特別図柄の停止図柄が導出表示されるときに、背景図柄の可変表示は終了し、背景図柄の停止図柄が導出表示される。また、第1特別図柄および第2特別図柄が同時に可変表示されている場合、具体的には、第1特別図柄および第2特別図柄が同時に可変表示されている期間が存在する場合には、遅く可変表示が終了する方の特別図柄が停止表示されるときに、背景図柄の可変表示は終了する。
次に、リーチ表示態様(リーチ)について説明する。この実施形態におけるリーチ表示態様(リーチ)とは、3つの背景図柄のうち停止した背景図柄が大当り図柄の一部を構成しているときに未だ停止していない背景図柄については可変表示(変動表示)が行われていること、および全てまたは一部の背景図柄が大当り図柄の全てまたは一部を構成しながら同期して変動表示している状態である。
例えば、背景図柄表示部9cにおける左、中、右の表示領域のうち左、右の表示領域には大当り図柄の一部になる飾り図柄(例えば、「7」)が停止表示されている状態で中の表示領域は未だ変動表示が行われている状態、および表示領域の全てまたは一部の図柄が大当り図柄の全てまたは一部を構成しながら同期して変動表示している状態(例えば、背景図柄表示部9cにおける左、中、右の表示領域の全てに変動表示が行われ、常に同一の図柄が揃っている状態で変動表示が行われている状態)がリーチ表示態様またはリーチになる。
また、リーチの際に、通常と異なる演出がランプや音で行われる。その演出と背景図柄表示部9cにおけるリーチ表示態様とをリーチ演出という。また、リーチの際に、キャラクタ(人物等を模した演出表示であり、背景図柄とは異なるもの)を表示させたり、背景図柄表示部9cの背景(図柄およびキャラクタとは異なる地の色や模様など)の表示態様(例えば、色等)を変化させたりすることがある。
次に図2〜図4は、特殊可変入賞球装置22を示す図である。以下では、図2〜図4を参照して特殊可変入賞球装置22について説明する。なお、この実施の形態については、図2〜図4を用いて特殊可変入賞球装置22の構造について説明を行っているが、特殊可変入賞球装置22よりも若干サイズが小さいだけで、可変入賞球装置15の構造も特殊可変入賞球装置22の構造と同様である。
図2〜図4に示すように、特殊可変入賞球装置22は、左右方向に長い矩形板状のベース板部101を備えている。特殊可変入賞球装置22は、このベース板部101が遊技領域7に例えば螺子などで固定されることで、遊技領域7に固定支持される。ベース板部101の略中央領域には、前方に向けて開口する特殊入賞口24(可変入賞球装置15の場合は第2始動入賞口14)が形成されるとともに、ベース板部101における特殊入賞口24よりも上方の位置には、底面部材23が後退移動した際に、底面部材23を遊技領域7の背面側(後方)に収容するための左右方向に長いスリット状の収容孔102が形成されている。なお、本実施形態において特殊入賞口24は詳しくは、ベース板部101の左右方向中央よりやや左側に形成されているが、これよりも左または右であってもよい。
底面部材23は、右方からその上面に進入した遊技球を、左方に向けて流下させるように、左下がり傾斜し、収容孔102は、底面部材23の傾斜に沿うように、左下がり傾斜するように形成されている。底面部材23は、図3に示す前進移動された状態と、図4に示す後退移動した状態とに進退移動可能とされており、ベース板部101の背面側(後方)には、底面部材23を進退移動させる駆動装置(図示せず)が配置されている。
図2〜図4に戻り、ベース板部101の正面側には、前方に向けて突出した流路形成台部112が形成されており、この流路形成台部112の上部には、前進移動した状態の底面部材23の上方側端部(右端部)である上流領域23Uと底面部材23の長手方向で連なり、底面部材23とともに遊技球の流路を形成する上流側流路部113と、底面部材23の下方側端部(左端部)である下流領域23Lと底面部材23の長手方向で連なり、底面部材23とともに遊技球の流路を形成する下流側流路部114とが形成されている。
また、流路形成台部112の上部には、上流側流路部113および下流側流路部114の底面部材23側の端部から下方に凹み、正面視で、特殊入賞口24を左右および下方から囲うようにして、底面部材23の下方に落下した遊技球を特殊入賞口24に案内する案内流路部115が形成されている。
上流側流路部113および下流側流路部114は、遊技球を左方に流下させるべく左下がりに傾斜するように形成されている。また、案内流路部115の底部は、特殊入賞口24側に向けて左下がりに延びるとともに、特殊入賞口24の前方の位置で凹んでいる。そして、案内流路部115の底部において上記凹んだ空間には、遊技球を特殊入賞口24側(遊技領域7の背面側)に向けて後方に案内する三角形状のガイド部116が配設されている。
またさらに、流路形成台部112の前部(遊技者側)には、上流側流路部113、下流側流路部114および案内流路部115を前方から覆う被覆部117が一体に形成されている。この被覆部117は、上流側流路部113、下流側流路部114および案内流路部115を前方から覆うことで、これら各流路部を流下する遊技球がガラス扉枠2側に跳ねてしまうことを防ぐ機能を有している。なお、本実施形態では、被覆部117が流路形成台部112に一体形成されるが、別体で固定されるものでもよい。
特殊可変入賞球装置22では、ベース板部101と被覆部117との間において、上流側流路部113、底面部材23、および下流側流路部114からなる、左右方向に連なる遊技球の流路Fが形成される。ここで、本実施形態では、ベース板部101および被覆部117に、流路Fを流下する遊技球の流下速度を低下させる複数の規制片118が形成されている。
本実施形態において、規制片118は、ベース板部101および被覆部117に一体形成され、ベース板部101から前方に突出する、または被覆部117から後方に突出するリブ状に形成され、遊技球に干渉することで、左方に向けて流下する遊技球を前後方向成分の動きをもって蛇行するように、遊技球の流下方向を変更させて、その流下にかかる時間を、規制片118がない場合よりも遅延させる。これら規制片118は、流路Fにおける遊技球の流下方向で、所定間隔を空けて並ぶように形成され、かつベース板部101および被覆部117に交互に形成されている。また、規制片118は、底面部材23の前後方向幅の1/3〜1/4程度の幅寸法に設定され、かつ隣接するもの同士の間に遊技球が通過可能な幅寸法に設定されている。さらに詳しくは、本実施形態では、被覆部117のうちの上流側流路部113を前方から覆う部位に、規制片118が1つ形成されるとともに、被覆部117のうちの下流側流路部114を前方から覆う部位に、規制片118が1つ形成されている。また、ベース板部101および被覆部117のうちの底面部材23を覆う部位には、ベース板部101および被覆部117に交互に形成された規制片118が合計5つ形成されている。なお、このような規制片118の数は、特段限定されるものではない。また、本実施形態では、規制片118の大部分が、前方(遊技者側)から被覆部117によって覆われるようになっている。
以上のような規制片118の配置により、図3を参照し、本実施形態の特殊可変入賞球装置22(および同様に構成された可変入賞球装置15)では、流路Fを流下しようとする遊技球Pが、流路F上を蛇行するようにして流下することになる。そして、このような流路Fが形成される特殊可変入賞球装置22(または可変入賞球装置15)が閉鎖されているとき、遊技球Pが特殊入賞口24(または第2始動入賞口14)に入賞せずに、特殊可変入賞球装置22(または可変入賞球装置15)を基本的に通過する。一方で、図4を参照し、底面部材23が後退移動した特殊可変入賞球装置22(または可変入賞球装置15)が開放されているとき、遊技球Pが、流路形成台部112の案内流路部115に落下することが可能となり、この案内流路部115を流下して、特殊入賞口24(または第2始動入賞口14)に入賞することが可能となる。
図5は、主基板(遊技制御基板)31における回路構成の一例を示すブロック図である。なお、図5には、払出制御基板37および演出制御基板80等も示されている。主基板31には、プログラムに従ってパチンコ遊技機1を制御する遊技制御用マイクロコンピュータ(遊技制御手段に相当)560が搭載されている。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ゲーム制御(遊技進行制御)用のプログラム等を記憶するROM54、ワークメモリとして使用される記憶手段としてのRAM55、プログラムに従って制御動作を行うCPU56およびI/Oポート部57を含む。この実施の形態では、ROM54およびRAM55は遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されている。すなわち、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、1チップマイクロコンピュータである。1チップマイクロコンピュータには、少なくともCPU56のほかRAM55が内蔵されていればよく、ROM54は外付けであっても内蔵されていてもよい。また、I/Oポート部57は、外付けであってもよい。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560においてCPU56がROM54に格納されているプログラムに従って制御を実行するので、以下、遊技制御用マイクロコンピュータ560(またはCPU56)が実行する(または、処理を行う)ということは、具体的には、CPU56がプログラムに従って制御を実行することである。このことは、主基板31以外の他の基板に搭載されているマイクロコンピュータについても同様である。
また、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14a、第1カウントスイッチ23a、第2カウントスイッチ25a、ゲートスイッチ32a、および作動ゲートスイッチ17aからの検出信号を遊技制御用マイクロコンピュータ560に与える入力ドライバ回路58も主基板31に搭載され、特別可変入賞球装置20を開閉するソレノイド21、特殊可変入賞球装置22を開閉するソレノイド106、および可変入賞球装置15を開閉するソレノイド206を遊技制御用マイクロコンピュータ560からの指令に従って駆動する出力回路59も主基板31に搭載され、電源投入時に遊技制御用マイクロコンピュータ560をリセットするためのシステムリセット回路(図示せず)や、大当り遊技状態の発生を示す大当り情報等の情報出力信号をホールコンピュータ等の外部装置に対して出力する情報出力回路(図示せず)も主基板31に搭載されている。なお、主基板31には、試験信号を遊技機外部に出力するための試験信号出力回路(図示せず)も設けられている。
この実施の形態では、演出制御基板80に搭載されている演出制御手段(演出制御用マイクロコンピュータで構成される。)が、中継基板77を介して遊技制御用マイクロコンピュータ560からの演出制御コマンドを受信し、飾り図柄を可変表示する第1可変表示部9aおよび第2可変表示部9bと、背景図柄を可変表示する背景図柄表示部9cと、図柄保留記憶表示部18cとの表示制御を行う。
図6は、中継基板77、演出制御基板80、ランプドライバ基板35および音声出力基板70の回路構成例を示すブロック図である。なお、図6に示す例では、ランプドライバ基板35および音声出力基板70には、マイクロコンピュータは搭載されていないが、マイクロコンピュータを搭載してもよい。また、ランプドライバ基板35および音声出力基板70を設けずに、演出制御に関して演出制御基板80のみを設けてもよい。
演出制御基板80は、演出制御用CPU201およびRAMを含む演出制御用マイクロコンピュータ200を搭載している。なお、RAMは外付けであってもよい。演出制御基板80において、演出制御用CPU201は、内蔵または外付けのROM(図示せず)に格納されたプログラムに従って動作し、中継基板77を介して入力される主基板31からの取込信号(演出制御INT信号)に応じて、入力ドライバ202および入力ポート203を介して演出制御コマンドを受信する。また、演出制御用CPU201は、演出制御コマンドにもとづいて、VDP(ビデオディスプレイプロセッサ)209に、演出表示装置9の表示制御を行わせる。
演出制御コマンドおよび演出制御INT信号は、演出制御基板80において、まず、入力ドライバ202に入力する。入力ドライバ202は、中継基板77から入力された信号を演出制御基板80の内部に向かう方向にしか通過させない(演出制御基板80の内部から中継基板77への方向には信号を通過させない)信号方向規制手段としての単方向性回路でもある。
中継基板77には、主基板31から入力された信号を演出制御基板80に向かう方向にしか通過させない(演出制御基板80から中継基板77への方向には信号を通過させない)信号方向規制手段としての単方向性回路74が搭載されている。単方向性回路として、例えばダイオードやトランジスタが使用される。図6には、ダイオードが例示されている。また、単方向性回路は、各信号毎に設けられる。さらに、単方向性回路である出力ポート571を介して主基板31から演出制御コマンドおよび演出制御INT信号が出力されるので、中継基板77から主基板31の内部に向かう信号が規制される。すなわち、中継基板77からの信号は主基板31の内部(遊技制御用マイクロコンピュータ560側)に入り込まない。なお、出力ポート571は、図5に示されたI/Oポート部57の一部である。また、出力ポート571の外側(中継基板77側)に、さらに、単方向性回路である信号ドライバ回路が設けられていてもよい。
さらに、演出制御用CPU201は、入出力ポート205を介してランプドライバ基板35に対してランプを駆動する信号を出力する。また、演出制御用CPU201は、入出力ポート204を介して音声出力基板70に対して音番号データを出力する。
ランプドライバ基板35において、ランプを駆動する信号は、入出力ドライバ351を介してランプドライバ352に入力される。ランプドライバ352は、ランプを駆動する信号を増幅して天枠ランプ28a、左枠ランプ28b、右枠ランプ28cなどの枠側に設けられている各ランプに供給する。また、枠側に設けられている装飾ランプ25に供給する。さらに、この実施の形態では、特殊可変入賞球装置22内に特殊入賞口ランプ24aが設けられており、ランプドライバ352は、ランプを駆動する信号を増幅して特殊入賞口ランプ24aに供給する。
音声出力基板70において、音番号データは、入出力ドライバ702を介して音声合成用IC703に入力される。音声合成用IC703は、音番号データに応じた音声や効果音を発生し増幅回路705に出力する。増幅回路705は、音声合成用IC703の出力レベルを、ボリューム706で設定されている音量に応じたレベルに増幅した音声信号をスピーカ27に出力する。音声データROM704には、音番号データに応じた制御データが格納されている。音番号データに応じた制御データは、所定期間(例えば飾り図柄の変動期間)における効果音または音声の出力態様を時系列的に示すデータの集まりである。
なお、ランプを駆動する信号および音番号データは、演出制御用CPU201とランプドライバ基板35および音声出力基板70との間で、双方向通信(信号受信側から送信側に応答信号を送信するような通信)によって伝達される。
演出制御用CPU201は、受信した演出制御コマンドに従ってキャラクタROM(図示せず)から必要なデータを読み出す。キャラクタROMは、演出表示装置9に表示される画像の中でも使用頻度の高いキャラクタ画像データ、具体的には、人物、文字、図形または記号等(飾り図柄、背景図柄を含む)をあらかじめ格納しておくためのものである。演出制御用CPU201は、キャラクタROMから読み出したデータをVDP209に出力する。VDP209は、演出制御用CPU201から入力されたデータにもとづいて表示制御を実行する。
この実施の形態では、演出表示装置9の表示制御を行うVDP209が演出制御基板80に搭載されている。VDP209は、演出制御用マイクロコンピュータ200とは独立したアドレス空間を有し、そこにVRAMをマッピングする。VRAMは、VDPによって生成された画像データを展開するためのバッファメモリである。そして、VDP209は、VRAM内の画像データを演出表示装置9に出力する。
なお、この実施の形態では、演出装置を制御する回路が搭載された基板として、演出制御基板80、音声出力基板70およびランプドライバ基板35が設けられているが、演出装置を制御する回路を1つの基板に搭載してもよい。さらに、演出表示装置9を制御する回路が搭載された第1の演出制御基板(表示制御基板)と、その他の演出装置(ランプ、LED、スピーカ27など)を制御する回路が搭載された第2の演出制御基板との2つの基板を設けるようにしてもよい。また、この実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、演出制御用マイクロコンピュータ200に対して直接コマンドを送信していたが、他の基板(例えば、図6に示す音声出力基板70やランプドライバ基板35など)を経由して演出制御基板80における演出制御用マイクロコンピュータ200に送信されるようにしてもよい。その場合、他の基板においてコマンドが単に通過するようにしてもよいし、音声出力基板70やランプドライバ基板35にマイクロコンピュータ等の制御手段を搭載し、制御手段がコマンドを受信したことに応じて音声制御やランプ制御に関わる制御を実行し、さらに、受信したコマンドを、そのまま、または例えば簡略化したコマンドに変更して、演出表示装置9を制御する演出制御用マイクロコンピュータ200に送信するようにしてもよい。また、第1の演出制御基板と第2の演出制御基板との2つの基板を設けた場合に、遊技制御用マイクロコンピュータ560からの演出に関するコマンドは第2の演出制御基板に対して送信され、第2の演出制御基板から第1の演出制御基板に対してコマンドがそのまま送信されたり、加工(例えば、コマンドの形態や内容を変えたり、簡略化したり、必要なコマンドのみを選択)した後に送信されるように構成してもよい。
次に、遊技機の動作について説明する。図7は、主基板31における遊技制御用マイクロコンピュータ560が実行するメイン処理を示すフローチャートである。遊技機に対して電源が投入され、リセット信号が入力されるリセット端子の入力レベルがハイレベルになると、遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的には、CPU56)は、プログラムの内容が正当か否か確認するための処理であるセキュリティチェック処理を実行した後、ステップS1以降のメイン処理を開始する。メイン処理において、CPU56は、まず、必要な初期設定を行う。
初期設定処理において、CPU56は、まず、割込禁止に設定する(ステップS1)。次に、割込モードを割込モード2に設定し(ステップS2)、スタックポインタにスタックポインタ指定アドレスを設定する(ステップS3)。そして、内蔵デバイスの初期化(内蔵デバイス(内蔵周辺回路)であるCTC(カウンタ/タイマ)およびPIO(パラレル入出力ポート)の初期化など)を行う(ステップS4)。なお、割込モード2は、CPU56が内蔵する特定レジスタ(Iレジスタ)の値(1バイト)と内蔵デバイスが出力する割込みベクタ(1バイト:最下位ビット0)から合成されるアドレスが、割込み番地を示すモードである。
次いで、CPU56は、入力ポートを介して入力されるクリアスイッチ(例えば、電源基板に搭載されている。)の出力信号の状態を1回だけ確認する(ステップS6)。その確認においてオンを検出した場合には、CPU56は、通常の初期化処理を実行する(ステップS10〜ステップS15)。
クリアスイッチがオンの状態でない場合には、遊技機への電力供給が停止したときにバックアップRAM領域のデータ保護処理(例えばパリティデータの付加等の電力供給停止時処理)が行われたか否か確認する(ステップS7)。そのような保護処理が行われていないことを確認したら、CPU56は初期化処理を実行する。バックアップRAM領域にバックアップデータがあるか否かは、例えば、電力供給停止時処理においてバックアップRAM領域に設定されるバックアップフラグの状態によって確認される。この例では、バックアップフラグ領域に「55H」が設定されていればバックアップあり(オン状態)を意味し、「55H」以外の値が設定されていればバックアップなし(オフ状態)を意味する。
バックアップありを確認したら、CPU56は、バックアップRAM領域のデータチェック(この例ではパリティチェック)を行う(ステップS8)。ステップS8では、算出したチェックサムと、電力供給停止時処理で同一の処理によって算出され保存されているチェックサムとを比較する。不測の停電等の電力供給停止が生じた後に復旧した場合には、バックアップRAM領域のデータは保存されているはずであるから、チェック結果(比較結果)は正常(一致)になる。チェック結果が正常でないということは、バックアップRAM領域のデータが、電力供給停止時のデータとは異なっていることを意味する。そのような場合には、内部状態を電力供給停止時の状態に戻すことができないので、電力供給の停止からの復旧時でない電源投入時に実行される初期化処理を実行する。
チェック結果が正常であれば、CPU56は、遊技制御手段の内部状態と演出制御手段等の電気部品制御手段の制御状態を電力供給停止時の状態に戻すための遊技状態復旧処理を行う。具体的には、ROM54に格納されているバックアップ時設定テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(ステップS91)、バックアップ時設定テーブルの内容を順次作業領域(RAM55内の領域)に設定する(ステップS92)。作業領域はバックアップ電源によって電源バックアップされている。バックアップ時設定テーブルには、作業領域のうち初期化してもよい領域についての初期化データが設定されている。ステップS91およびS92の処理によって、作業領域のうち初期化してはならない部分については、保存されていた内容がそのまま残る。初期化してはならない部分とは、例えば、電力供給停止前の遊技状態を示すデータ(特別図柄プロセスフラグなど)、出力ポートの出力状態が保存されている領域(出力ポートバッファ)、未払出賞球数を示すデータが設定されている部分などである。
また、CPU56は、ROM54に格納されているバックアップ時コマンド送信テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(ステップS93)、その内容に従って演出制御基板80に、電力供給が復旧した旨を示す制御コマンド(電力供給復旧時の初期化コマンドとしての復旧コマンド)が送信されるように制御する(ステップS94)。そして、ステップS15に移行する。
なお、この実施の形態では、バックアップフラグとチェックデータとの双方を用いてバックアップRAM領域のデータが保存されているか否か確認しているが、いずれか一方のみを用いてもよい。すなわち、バックアップフラグとチェックデータとのいずれかを、状態復旧処理を実行するための契機としてもよい。
初期化処理では、CPU56は、まず、RAMクリア処理を行う(ステップS10)。なお、RAM55の全領域を初期化せず、所定のデータ(例えば大当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウント値のデータ)をそのままにしてもよい。また、ROM54に格納されている初期化時設定テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(ステップS11)、初期化時設定テーブルの内容を順次作業領域に設定する(ステップS12)。
ステップS11およびS12の処理によって、例えば、特別図柄バッファ、総賞球数格納バッファ、特別図柄プロセスフラグ、賞球中フラグ、球切れフラグ、払出停止フラグなど制御状態に応じて選択的に処理を行うためのフラグに初期値が設定される。
また、CPU56は、ROM54に格納されている初期化時コマンド送信テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(ステップS13)、その内容に従ってサブ基板を初期化するための初期化コマンドをサブ基板に送信する処理を実行する(ステップS14)。初期化コマンドとして、演出表示装置9に表示される初期図柄を示すコマンド等がある。
そして、ステップS15において、CPU56は、所定時間(例えば4ms)毎に定期的にタイマ割込がかかるように遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されているCTCのレジスタの設定を行う。すなわち、初期値として例えば4msに相当する値が所定のレジスタ(時間定数レジスタ)に設定される。この実施の形態では、4ms毎に定期的にタイマ割込がかかるとする。
初期化処理の実行(ステップS10〜S15)が完了すると、CPU56は、メイン処理で、表示用乱数更新処理(ステップS17)および初期値用乱数更新処理(ステップS18)を繰り返し実行する。表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理を実行するときには割込禁止状態に設定し(ステップS16)、表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理の実行が終了すると割込許可状態に設定する(ステップS19)。この実施の形態では、表示用乱数とは、変動パターンを決定するための乱数であり、表示用乱数更新処理とは、表示用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。また、初期値用乱数更新処理とは、初期値用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。初期値用乱数とは、大当りとするか否か決定するための乱数を発生するためのカウンタ(大当り判定用乱数発生カウンタ)等の、カウント値の初期値を決定するための乱数である。後述する遊技の進行を制御する遊技制御処理(遊技制御用マイクロコンピュータ560が、遊技機に設けられている演出表示装置、可変入賞球装置、球払出装置等の遊技用の装置を、自身で制御する処理、または他のマイクロコンピュータに制御させるために指令信号を送信する処理、遊技装置制御処理ともいう)において、大当り判定用乱数発生カウンタ等のカウント値が1周(大当り判定用乱数発生カウンタ等の取りうる値の最小値から最大値までの間の数値の個数分歩進したこと)すると、そのカウンタに初期値が設定される。
タイマ割込が発生すると、CPU56は、図8に示すステップS20〜S34のタイマ割込処理を実行する。タイマ割込処理において、まず、電源断信号が出力されたか否か(オン状態になったか否か)を検出する電源断検出処理を実行する(ステップS20)。電源断信号は、例えば電源基板に搭載されている電圧低下監視回路が、遊技機に供給される電源の電圧の低下を検出した場合に出力する。そして、電源断検出処理において、CPU56は、電源断信号が出力されたことを検出したら、必要なデータをバックアップRAM領域に保存するための電力供給停止時処理を実行する。次いで、入力ドライバ回路58を介して、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14a第1カウントスイッチ23a、第2カウントスイッチ25a、ゲートスイッチ32a、および作動ゲートスイッチ17aの検出信号を入力し、それらの状態判定を行う(スイッチ処理:ステップS21)。
次に、CPU56は、第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8b、第1特別図柄保留記憶表示器18aおよび第2特別図柄保留記憶表示器18bの表示制御を行う表示制御処理を実行する(ステップS22)。第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bについては、ステップS32で設定された出力バッファの内容に応じて各表示器に対して駆動信号を出力する制御を実行する。
次に、遊技制御に用いられる大当り判定用の乱数等の各判定用乱数を生成するための各カウンタのカウント値を更新する処理を行う(判定用乱数更新処理:ステップS23)。CPU56は、さらに、初期値用乱数および表示用乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する処理を行う(初期値用乱数更新処理,表示用乱数更新処理:ステップS24,S25)。
図9は、各乱数を示す説明図である。各乱数は、以下のように使用される。
(1)ランダム1:大当りを発生させるか否か、または小当りを発生させるか否かを決定する(大当り判定用)
(2)ランダム2:大当りの種別、すなわち、2R通常大当り、2R確変大当り、6R通常大当り、6R確変大当り、および16R確変大当りのいずれにするかを決定する(大当り種別決定用)
(3)ランダム5:特別図柄の変動パターンを決定する(変動パターン決定用)
(4)ランダム6:普通図柄にもとづく当りを発生させるか否かを決定する(普通図柄当り判定用)
(5)ランダム7:ランダム1の初期値を決定する(ランダム1初期値決定用)
(6)ランダム8:ランダム6の初期値を決定する(ランダム6初期値決定用)
図8に示された遊技制御処理におけるステップS23では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、(1)の大当り判定用乱数、(2)の大当り種別決定用乱数および(4)の普通図柄当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウントアップ(1加算)を行う。すなわち、それらが判定用乱数であり、それら以外の乱数が表示用乱数または初期値用乱数である。なお、遊技効果を高めるために、上記(1)〜(6)の乱数以外の乱数も用いられている。また、本実施の形態では大当りの種別を決定する乱数と小当りの種別を決定する乱数として、共通の乱数(ランダム2)を設けるものとしたが、それぞれ異なる乱数が設けられているものであってもよい。
さらに、CPU56は、第1特別図柄プロセス処理を行う(ステップS26A)。第1特別図柄プロセス処理では、遊技状態に応じて第1特別図柄表示器8aや特別可変入賞球装置20を所定の順序で制御するための第1特別図柄プロセスフラグに従って該当する処理を実行する。CPU56は、第1特別図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて各処理中に更新する。次いで、CPU56は、第2特別図柄プロセス処理を行う(ステップS26B)。第2特別図柄プロセス処理では、遊技状態に応じて第2特別図柄表示器8bや特別可変入賞球装置20、特殊可変入賞球装置22を所定の順序で制御するための第2特別図柄プロセスフラグに従って該当する処理を実行する。CPU56は、第2特別図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて各処理中に更新する。そして、CPU56は、普通図柄プロセス処理を行う(ステップS26C)。普通図柄プロセス処理では、遊技状態に応じて普通図柄表示器10や可変入賞球装置15を所定の順序で制御するための普通図柄プロセスフラグに従って該当する処理を実行する。CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて各処理中に更新する。
次いで、CPU56は、保留記憶処理を行う(ステップS27a)。保留記憶処理では、CPU56は、第1保留記憶数と第2保留記憶数との合計である合計数(合算保留記憶数)を算出し管理する処理を実行する。
次いで、CPU56は、第1可変表示部9aおよび第2可変表示部9bの表示制御に関する演出制御コマンドや保留記憶数に関する演出制御コマンドを送出する処理を行う(演出制御コマンド制御処理:ステップS28)。
さらに、CPU56は、例えばホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報などのデータを出力する情報出力処理を行う(ステップS29)。
また、CPU56は、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14a、第1カウントスイッチ23a、および第2カウントスイッチ25aの検出信号にもとづく賞球個数の設定などを行う賞球処理を実行する(ステップS30)。具体的には、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14a、第1カウントスイッチ23a、および第2カウントスイッチ25aのいずれかがオンしたことにもとづく入賞検出に応じて、払出制御基板37に搭載されている払出制御用マイクロコンピュータに賞球個数を示す払出制御コマンドを出力する。払出制御用マイクロコンピュータは、賞球個数を示す払出制御コマンドに応じて球払出装置97を駆動する。
この実施の形態では、例えば、CPU56は、第1始動口スイッチ13aまたは第2始動口スイッチ14aからの検出信号を入力した場合には、賞球数1個を指定する払出制御コマンドを払出制御用マイクコンピュータに対して出力する。また、例えば、CPU56は、第1カウントスイッチ23aまたは第2カウントスイッチ25aからの検出信号を入力した場合には、賞球数15個を指定する払出制御コマンドを払出制御用マイクコンピュータに対して出力する。
なお、この実施の形態では、特殊入賞口24に遊技球が入賞して第2カウントスイッチ25aで検出されても、後述する賞球増加表示の表示や入賞演出が直ちに実行されず遅れて実行される場合があるのであるが、賞球の払い出しに関しては、ステップS30の賞球処理において、第2カウントスイッチ25aからの検出信号を入力した場合には、直ちに賞球数15個を指定する払出制御コマンドが出力され、払出制御用マイクロコンピュータによって球払出装置97が駆動されて直ちに15個の賞球が払い出される。
この実施の形態では、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域(出力ポートバッファ)が設けられているのであるが、CPU56は、出力ポートのRAM領域におけるソレノイドのオン/オフに関する内容を出力ポートに出力する(ステップS31:出力処理)。
また、CPU56は、第1特別図柄プロセスフラグの値に応じて第1特別図柄の演出表示を行うための第1特別図柄表示制御データを第1特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定するとともに、第2特別図柄プロセスフラグの値に応じて第2特別図柄の演出表示を行うための第2特別図柄表示制御データを第2特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する特別図柄表示制御処理を行う(ステップS32)。CPU56は、例えば、変動速度が1コマ/0.2秒であれば、0.2秒が経過する毎に、出力バッファに設定される表示制御データの値を+1する。また、CPU56は、出力バッファに設定された表示制御データに応じて、ステップS22において駆動信号を出力することによって、第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bにおける特別図柄の可変表示を実行する。
また、CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値に応じて普通図柄の演出表示を行うための普通図柄表示制御データを普通図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する普通図柄表示制御処理を行う(ステップS33)。CPU56は、例えば、変動速度が1コマ/0.2秒であれば、0.2秒が経過する毎に、出力バッファに設定される表示制御データの値を+1する。また、CPU56は、出力バッファに設定された表示制御データに応じて、ステップS22において駆動信号を出力することによって、普通図柄表示器10における普通図柄の可変表示を実行する。その後、割込許可状態に設定し(ステップS34)、処理を終了する。
以上の制御によって、この実施の形態では、遊技制御処理は4ms毎に起動されることになる。なお、遊技制御処理は、タイマ割込処理におけるステップS21〜S33(ステップS29を除く。)の処理に相当する。また、この実施の形態では、タイマ割込処理で遊技制御処理が実行されているが、タイマ割込処理では例えば割込が発生したことを示すフラグのセットのみがなされ、遊技制御処理はメイン処理において実行されるようにしてもよい。
なお、この実施の形態では、第1特別図柄表示器8aと第2特別図柄表示器8bの2つの表示器によって第1特別図柄および第2特別図柄の変動表示が実行されるが、CPU56は、2つの表示器において同時に大当りが発生しないような制御を行う。
図10(A)は、大当り判定テーブルを示す説明図である。大当り判定テーブルとは、ROM54に記憶されているデータの集まりであって、ランダム1と比較される大当り判定値が設定されているテーブルである。大当り判定テーブルには、低確率状態(低確率/非KT状態、低確率/第1KT状態)において用いられる非確変時大当り判定テーブルと、確変状態(高確率状態(高確率/第1KT状態、高確率/第2KT状態))において用いられる確変時大当り判定テーブルとがある。非確変時大当り判定テーブルには、図10(A)の左欄に記載されている各数値が設定され、確変時大当り判定テーブルには、図10(A)の右欄に記載されている各数値が設定されている。図10(A)に記載されている数値が大当り判定値である。
図10(B)は、小当り判定テーブルを示す説明図である。小当り判定テーブルとは、ROM54に記憶されているデータの集まりであって、ランダムRと比較される小当り判定値が設定されているテーブルである。小当り判定テーブルには、図10(B)に記載されている各数値が設定されている。また、図10(B)に記載されている数値が小当り判定値である。
なお、この実施の形態では、後述するように、第2特別図柄の変動表示が行われる場合にのみ小当り決定処理(ステップS162B参照)が行われて小当りとなる場合があるとともに、既に説明したように、KT状態では右打ち操作されることから第2特別図柄の変動表示が実行される頻度が高くなっている。従って、この実施の形態では、KT状態において、大当り遊技状態よりも小当り遊技状態に制御される頻度が高くなっている。
CPU56は、所定の時期に、乱数回路503のカウント値を抽出して抽出値を大当り判定用乱数(ランダム1)の値とするのであるが、大当り判定用乱数値が図10(A)に示すいずれかの大当り判定値に一致すると、特別図柄に関して大当りにすることに決定する。また、大当り判定用乱数値が図10(B)に示すいずれかの小当り判定値に一致すると、特別図柄に関して小当りにすることに決定する。なお、図10(A)に示す「確率」は、大当りになる確率(割合)を示す。また、図10(B)に示す「確率」は、小当りになる確率(割合)を示す。この実施の形態では、図10(B)に示すように、小当りになる確率(割合)は、122/487となるように設定されており、概ね1/4程度となるように設定されている。また、大当りにするか否か決定するということは、大当り遊技状態に移行させるか否か決定するということであるが、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bにおける停止図柄を大当り図柄にするか否か決定するということでもある。また、小当りにするか否か決定するということは、小当り遊技状態に移行させるか否か決定するということであるが、第2特別図柄表示器8bにおける停止図柄を小当り図柄にするか否か決定するということでもある。
なお、この実施の形態では、第1特別図柄の変動表示を実行する場合に大当りとしないことに決定した場合には、無条件に全てはずれとされる。また、第2特別図柄の変動表示を実行する場合に大当りとしないことに決定した場合には、図10(B)に示す小当り判定テーブルを用いた抽選処理を行い、概ね1/4程度の確率で小当りとすることに決定される(ただし、後述するように、強制はずれとされる場合がある)。
図11は、ROM54に記憶されている大当り種別判定テーブル131aを示す説明図である。大当り種別判定テーブル131aは、可変表示結果を大当り図柄にする旨の判定がなされたときに、大当り種別判定用の乱数(ランダム2)にもとづいて、大当りの種別を「2R通常大当り」、「2R確変大当り」、「6R通常大当り」、「6R確変大当り」、または「16R確変大当り」のいずれかに決定するために参照されるテーブルである。
図11(A)に示すように、この実施の形態では、第1特別図柄の変動表示を実行する場合には、20%の確率で「16R確変大当り」と決定され、45%の確率で「6R確変大当り」と決定され、35%の確率で「6R通常大当り」と決定される。また、図11(B)に示すように、この実施の形態では、第2特別図柄の変動表示を実行する場合には、30%の確率で「16R確変大当り」と決定され、30%の確率で「6R確変大当り」と決定され、5%の確率で「2R確変大当り」と決定され、35%の確率で「2R通常大当り」と決定される。
「16R確変大当り」とは、16ラウンドの大当り遊技状態に制御し、その大当り遊技状態の終了後に高確率/第2KT状態に移行させる大当りである(この実施の形態では、確変状態に移行されるとともに第2KT状態にも移行される。後述するステップS2207A,S2208A,S2207B,S2210B参照)。そして、次の大当りが発生するまで、確変状態および第2KT状態が継続する(ステップS2015参照)。
ただし、この実施の形態では、第2特別図柄の変動表示を実行する場合には、大当り開始前に非KT状態であった場合には、「16R確変大当り」となっても第2KT状態ではなく第1KT状態に移行する場合がある(後述するステップS2208B,S2209B参照)。
「6R確変大当り」とは、6ラウンドの大当り遊技状態に制御し、その大当り遊技状態の終了後に高確率/第1KT状態に移行させる大当りである(この実施の形態では、確変状態に移行されるとともに第1KT状態にも移行される。後述するステップS2210A,S2211A,S2212B,S2213B参照)。そして、次の大当りが発生するまで、確変状態および第1KT状態が継続する(ステップS2015参照)。
「6R通常大当り」とは、6ラウンドの大当り遊技状態に制御し、その大当り遊技状態の終了後に第1KT状態のみに移行させる大当りである(後述するステップS2212A参照)。そして、第1KT状態に移行した後、変動表示を所定回数(この実施の形態では100回)終了すると第1KT状態が終了する(ステップS2213A,S2010〜S2013参照)。なお、変動表示を所定回数終了する前であっても、次の大当りが発生した場合にも、第1KT状態を終了する(ステップS2015参照)。
「2R確変大当り」とは、2ラウンドの大当り遊技状態に制御し、その大当り遊技状態の終了後に高確率/第1KT状態に移行させる大当りである(この実施の形態では、確変状態に移行されるとともに第1KT状態にも移行される。後述するステップS2212B,S2213B参照)。そして、次の大当りが発生するまで、確変状態および第1KT状態が継続する(ステップS2015参照)。
「2R通常大当り」とは、2ラウンドの大当り遊技状態に制御し、その大当り遊技状態の終了後に第1KT状態のみに移行させる大当りである(後述するステップS2214B参照)。そして、第1KT状態に移行した後、変動表示を所定回数(この実施の形態では100回)終了すると第1KT状態が終了する(ステップS2215B,S2010〜S2013参照)。なお、変動表示を所定回数終了する前であっても、次の大当りが発生した場合にも、第1KT状態を終了する(ステップS2015参照)。
なお、大当り種別の種類は、この実施の形態で示したものにかぎられない。第2特別図柄の変動表示を実行する場合に、16R確変大当り、2R確変大当り、および2R通常大当り以外に、3R確変大当り〜7R確変大当りを決定可能に構成してもよく、様々な態様が考えられる。
図12〜図14は、この実施の形態で用いられる特別図柄および飾り図柄の変動パターン(変動時間)を示す説明図である。図12〜図14に示すEXTとは、それぞれの変動パターンに対応した演出制御コマンド(2バイト構成)の2バイト目のデータである。
図12〜図14に示す例では、第1特別図柄および第1飾り図柄についての第1変動パターン#01〜#07の7種類と、第2特別図柄および第2飾り図柄についての第2変動パターン#01〜#28の28種類とが用いられる。以下、例えば変動パターン#n(n=01〜07または01〜28)というときには、第1変動パターン#nと第2変動パターン#nの双方を意味する。
第1特別図柄の変動表示を実行する場合、非KT状態(低確率/非KT状態)である場合には、図12(A)に示す非KT時用の第1特別図柄用変動パターンテーブルが選択されて変動パターンが決定される。図12(A)に示すように、非KT状態において第1特別図柄の変動表示が実行される場合には、第1変動パターン#01〜#05のいずれかに決定される。
第1特別図柄の変動表示を実行する場合、KT状態(低確率/第1KT状態、高確率/第1KT状態、高確率/第2KT状態)である場合には、図12(B)に示すKT時用の第1特別図柄用変動パターンテーブルが選択されて変動パターンが決定される。図12(B)に示すように、KT状態において第1特別図柄の変動表示が実行される場合には、第1変動パターン#06〜#07のいずれかに決定される。
第2特別図柄の変動表示を実行する場合、非KT状態(低確率/非KT状態)である場合には、図13(C)に示す非KT時用の第2特別図柄用変動パターンテーブルが選択されて変動パターンが決定される。図13(C)に示すように、非KT状態において第2特別図柄の変動表示が実行される場合には、第2変動パターン#01〜#03のいずれかに決定される。具体的には、はずれと決定する場合には第2変動パターン#01が決定されて、15分間の長期間にわたって第2特別図柄の変動表示が実行される。また、小当りと決定する場合にも第2変動パターン#02が決定されて、15分間の長期間にわたって第2特別図柄の変動表示が実行される。また、大当りと決定する場合にも第2変動パターン#03が決定されて、5分間というある程度長期間にわたって第2特別図柄の変動表示が実行される。
この実施の形態では、非KT状態中であっても第2特別図柄の変動表示が実行されて小当りとなると、特殊入賞口24への遊技球の入賞によりある程度の賞球を期待できる状況が生じてしまう。そこで、この実施の形態では、図13(C)に示すように、非KT状態中に第2特別図柄の変動表示が実行されても、変動時間を極端に長くし変動表示の実行頻度を低下させることによって却って小当りの発生頻度を低下させるようにし、非KT状態中であるにもかかわらず小当りによる賞球の獲得を狙われてしまう事態を防止している。
なお、この実施の形態では、図13(C)に示すように、非KT状態中に第2特別図柄の変動表示が実行される場合には、大当りとなる場合であっても変動時間を5分と比較的長くすることによって、非KT状態中に不当に特殊入賞口24への入賞による賞球を狙う行為を防止するようにしている。ただし、大当りとなる場合には、小当りとなる場合と比較して第1保留記憶の消化を長くしなくてもよいので、小当りとなる場合よりも短い変動時間となるように構成している。
第2特別図柄の変動表示を実行する場合、低確率/第1KT状態である場合には、その低確率/第1KT状態の契機となった6R通常大当りや2R通常大当りにもとづく大当り遊技を終了してからの変動回数に応じて、変動パターンテーブルを選択する。この場合、1変動目の変動表示を実行する場合であれば、図13(D)に示す低確率/第1KT時且つ1変動目用の第2特別図柄変動パターンテーブルが選択されて変動パターンが決定される。図13(D)に示すように、低確率/第1KT状態の1変動目として第2特別図柄の変動表示が実行される場合には、第2変動パターン#04〜#06のいずれかに決定される。
なお、図13(D)に示すように、低確率/第1KT状態の1変動目としてはずれと決定する場合には、変動時間が5秒と短い短縮変動の第2変動パターン#04に決定される。また、低確率/第1KT状態の1変動目として小当りと決定する場合には、小当りとしては比較的長めの7秒の変動時間である第2変動パターン#05(第2始動入賞口開放準備用の変動パターン)に決定される。この実施の形態では、既に説明したように、第1KT状態に制御される場合には、小当りの頻度が高くなるものの可変入賞球装置15の開放時間を長くすることによって実際には特殊可変入賞球装置22内の特殊入賞口24には滅多に入賞しないように設定されている。しかしながら、低確率/第1KT状態に移行した直後の状態では可変入賞球装置15や特殊可変入賞球装置22の底面部材上にある程度の遊技球が溜まっている可能性があり、直ちに特殊可変入賞球装置22を開状態に制御してしまったのでは、相当数の遊技球が特殊入賞口24に入賞してしまう可能性がある。そこで、この実施の形態では、第1KT状態の1変動目では、少なくとも7秒の変動時間を確保することによって、第1KT状態に移行する前から可変入賞球装置15や特殊可変入賞球装置22の底面部材上に溜まっている遊技球が全て落下するまでに十分な時間が経過してから特殊可変入賞球装置22を開状態に制御して特殊入賞口24への入賞を可能とすることにより、第1KT状態において想定以上の賞球が得られるような事態が生じることを防止している。
また、低確率/第1KT状態の契機となった6R通常大当りや2R通常大当りにもとづく大当り遊技を終了してから2〜99変動目の変動表示を実行する場合であれば、図13(E)に示す低確率/第1KT時且つ2〜99変動目用の第2特別図柄変動パターンテーブルが選択されて変動パターンが決定される。図13(E)に示すように、低確率/第1KT状態の2〜99変動目として第2特別図柄の変動表示が実行される場合には、第2変動パターン#07〜#11のいずれかに決定される。また、図13(E)に示すように、低確率/第1KT状態の2〜99変動目としてはずれと決定する場合には、変動時間が5秒と短い短縮変動の第2変動パターン#07に決定される場合がある。また、低確率/第1KT状態の2〜99変動目として小当りと決定する場合には、変動時間が5秒と短い短縮変動の第2変動パターン#09に決定される場合がある。なお、この実施の形態では、低確率/第1KT状態の2〜99変動目としてはずれや小当りと決定し、第2変動パターン#08や第2変動パターン#10にもとづいて変動表示が実行される場合には、演出表示装置9における背景図柄の変動表示において、リーチとなったり滑り演出が実行されるなど図柄煽りの演出が実行される。
また、低確率/第1KT状態の契機となった6R通常大当りや2R通常大当りにもとづく大当り遊技を終了してから100変動目の変動表示(すなわち、低確率/第1KT状態における最終変動)を実行する場合であれば、図13(F)に示す低確率/第1KT時且つ100変動目用の第2特別図柄変動パターンテーブルが選択されて変動パターンが決定される。図13(F)に示すように、低確率/第1KT状態の100変動目として第2特別図柄の変動表示が実行される場合には、第2変動パターン#12〜#14のいずれかに決定される。
この実施の形態では、低確率/第1KT状態に制御されている場合には、例えば、演出表示装置9において「チャンスタイム」などの文字表示が表示される。図13(F)に示すように、低確率/第1KT状態の100変動目としてはずれや小当りと決定する場合には、演出表示装置9において「チャンスタイム終了!!」などの文字表示を行う終了表示を伴う第2変動パターン#12や第2変動パターン#13に決定される。また、図13(F)に示すように、低確率/第1KT状態の100変動目として大当りと決定する場合には、演出表示装置9において「チャンスタイム終了!!」などの文字表示を行う終了表示の後に所定の復活表示を伴う第2変動パターン#14に決定される。
なお、この実施の形態では、図12に示すように、KT状態中に第1特別図柄の変動表示で大当りとなった場合には、変動時間が1分の第1変動パターン#07を決定するように構成されている。これは、第2KT状態に移行した直後に第1特別図柄の変動表示で直ちに大当りが発生してしまったようなケースで、大当りの変動時間をはずれと同じ短い変動時間としてしまうと、遊技者が小当りによる利益を一切受けられなくなる。そのため、この実施の形態では、そのようなケースであっても、少なくとも複数回小当りが発生可能な十分な時間(本例では、1分)が確保されるように構成されている。
第2特別図柄の変動表示を実行する場合、高確率/第1KT状態である場合には、その高確率/第1KT状態の契機となった6R確変大当りや2R確変大当りにもとづく大当り遊技を終了してからの変動回数に応じて、変動パターンテーブルを選択する。この場合、1変動目の変動表示を実行する場合であれば、図14(G)に示す高確率/第1KT時且つ1変動目用の第2特別図柄変動パターンテーブルが選択されて変動パターンが決定される。図14(G)に示すように、高確率/第1KT状態の1変動目として第2特別図柄の変動表示が実行される場合には、第2変動パターン#15〜#19のいずれかに決定される。
なお、低確率/第1KT状態の1変動目と同様に、図14(G)に示すように、高確率/第1KT状態の1変動目としてはずれと決定する場合にも、変動時間が5秒と短い短縮変動の第2変動パターン#15に決定される場合がある。また、高確率/第1KT状態の1変動目として小当りと決定する場合にも、第2始動入賞口開放準備用の変動パターン(第2変動パターン#17)に決定される場合がある。また、図14(G)に示すように、高確率/第1KT状態の1変動目として大当りと決定する場合には、確変状態(高確率状態)が終了するか否かを示唆するためのバトル演出を含む第2変動パターン#19が決定される。また、図14(G)に示すように、高確率/第1KT状態の1変動目としてはずれや小当りと決定する場合にも、バトル演出を含む第2変動パターン#16や第2変動パターン#18が決定される場合がある。
また、高確率/第1KT状態の契機となった6R確変大当りや2R確変大当りにもとづく大当り遊技を終了してから2変動目以降の変動表示を実行する場合であれば、図14(H)に示す高確率/第1KT時且つ2変動目以降用の第2特別図柄変動パターンテーブルが選択されて変動パターンが決定される。図14(H)に示すように、高確率/第1KT状態の2変動目以降として第2特別図柄の変動表示が実行される場合には、第2変動パターン#20〜#24のいずれかに決定される。
なお、低確率/第1KT状態の2〜99変動目と同様に、図14(H)に示すように、高確率/第1KT状態の2変動目以降としてはずれと決定する場合にも、変動時間が5秒と短い短縮変動の第2変動パターン#20に決定される場合がある。また、高確率/第1KT状態の2変動目以降として小当りと決定する場合にも、変動時間が5秒と短い短縮変動の第2変動パターン#22に決定される場合がある。また、図14(H)に示すように、高確率/第1KT状態の2変動目以降として大当りと決定する場合には、確変状態(高確率状態)が終了するか否かを示唆するためのバトル演出を含む第2変動パターン#24が決定される。また、図14(H)に示すように、高確率/第1KT状態の2変動目以降としてはずれや小当りと決定する場合にも、バトル演出を含む第2変動パターン#21や第2変動パターン#23が決定される場合がある。
第2特別図柄の変動表示を実行する場合、高確率/第2KT状態である場合には、図14(I)に示す高確率/第2KT時用の第2特別図柄用変動パターンテーブルが選択されて変動パターンが決定される。図14(I)に示すように、高確率/第2KT状態において第2特別図柄の変動表示が実行される場合には、第2変動パターン#25〜#28のいずれかに決定される。
なお、図14(I)に示すように、高確率/第2KT状態においてはずれと決定する場合には、第1KT状態(低確率/第1KT状態、高確率/第1KT状態)において短縮変動の変動表示が実行される場合よりもさらに変動時間が1.5秒と短い短縮変動の第2変動パターン#25に決定される場合がある。また、高確率/第2KT状態において小当りと決定する場合には、第1KT状態(低確率/第1KT状態、高確率/第1KT状態)において短縮変動の変動表示が実行される場合よりもさらに変動時間が1.5秒と短い短縮変動の第2変動パターン#27に決定される。また、図14(I)に示すように、高確率/第2KT状態においてはずれと決定する場合には、高確率/第2KT状態が継続するか否かを示唆する継続演出を含む第2変動パターン#26に決定される場合がある。また、図14(I)に示すように、高確率/第2KT状態において大当りと決定する場合には、継続演出の後に確変状態(高確率状態)が終了するか否かを示唆するためのバトル演出を含む第2変動パターン#28が決定される。
なお、この実施の形態では、継続演出やバトル演出を含む変動パターンに決定された場合には、演出表示装置9において背景図柄の変動表示において継続演出やバトル演出が実行されるのであるが、確変大当り(16R確変大当り、6R確変大当り、2R確変大当り)となる場合にはバトル演出において勝利の態様の演出が実行され、通常大当り(6R通常大当り、2R通常大当り)となる場合にはバトル演出において敗北の態様の演出が実行され、小当りとなる場合にはバトル演出において引き分けの態様の演出が実行される。なお、この実施の形態で示した態様にかぎらず、例えば、大当り遊技中のラウンド数が少ない2R確変大当りとなる場合もバトル演出において敗北の態様の演出が実行されるように構成してもよい。
なお、第2変動パターン#04,#07,#09,#15,#20,#22,#25,#27の短縮変動の変動パターンを決定する場合に、例えば、保留記憶数に応じて異なる割合で短縮変動の変動パターンを決定するように構成してもよい。例えば、保留記憶数が多くなるに従って高い割合で短縮変動の変動パターンを決定するようにして、保留記憶の消化を早め稼働率を高めるように構成してもよい。
また、図13および図14に示す例では、第1KT状態の場合に5秒の短縮変動を実行し、第2KT状態の場合にさらに短い1.5秒の短縮変動を実行するように構成する場合を示しているが、そのような態様にかぎられない。例えば、低確率状態の場合に5秒の短縮変動を実行し、高確率状態の場合にさらに短い1.5秒の短縮変動を実行するように構成してもよい。
次に、KT状態における可変入賞球装置15および特殊可変入賞球装置22の開放パターンについて説明する。図15は、KT状態における可変入賞球装置15および特殊可変入賞球装置22の開放パターンを説明するための説明図である。このうち、図15(1)は、第1KT状態における可変入賞球装置15および特殊可変入賞球装置22の開放パターンを示し、図15(2)は、第2KT状態における可変入賞球装置15および特殊可変入賞球装置22の開放パターンを示している。
まず、図15(1)を用いて、第1KT状態における可変入賞球装置15および特殊可変入賞球装置22の開放パターンについて説明する。図15(1)に示すように、ゲート32を遊技球が通過してゲートスイッチ32aにて遊技球が検出されると、普通図柄表示器10において普通図柄の変動表示が実行され、普図当りと決定された場合には普通図柄表示器10に当り図柄が導出表示され、はずれと決定された場合には普通図柄表示器10にはずれ図柄が導出表示される。この実施の形態では、図15(1)に示すように、普通図柄の変動時間は0.2秒とされ、当り図柄やはずれ図柄を導出表示する図柄確定時間は0.2秒とされている。そして、当り図柄を導出表示した場合には、図15(1)に示すように、図柄確定時間0.2秒を経過した後、第2始動入賞口開放処理前時間0.1秒を経過してから、可変入賞球装置15が5.5秒間にわたって開状態とされ、第2始動入賞口14に遊技球が入賞可能となる。
可変入賞球装置15が開状態となっているときに第2始動入賞口14に遊技球が入賞すると、第2特別図柄の変動表示が実行され、小当りとすることに決定された場合には、第2特別図柄表示器8bに小当り図柄が導出表示される。そして、小当り図柄を導出表示した場合には、図15(1)に示すように、特殊可変入賞球装置22が0.8秒間にわたって開状態とされ、特殊入賞口24に遊技球が入賞可能となる。しかしながら、第1KT状態では、図15(1)に示すように、下流側の特殊可変入賞球装置22の開放時間が0.8秒と短いのに対して、上流側の可変入賞球装置15の開放時間が5.5秒と長い。従って、第1KT状態では、小当りが発生しやすい状態ではあるものの、特殊入賞口24に遊技球が入賞することは極めて稀である(例えば、100変動表示ごとに1球程度)。
なお、第1KT状態では、図15(1)に示すように、可変入賞球装置15の開放を終了した後、次の可変入賞球装置15の開放を行えるのは、次の普通図柄の変動時間0.2秒と図柄確定時間0.2秒と第2始動入賞口開放前処理時間0.1秒とを合計した少なくとも0.5秒を経過した後である。従って、この実施の形態では、第1KT状態では、可変入賞球装置15の開放した後のインターバル期間として少なくとも0.5秒の閉鎖期間が設けられていることになる。
次に、図15(2)を用いて、第2KT状態における可変入賞球装置15および特殊可変入賞球装置22の開放パターンについて説明する。図15(2)に示すように、ゲート32を遊技球が通過してゲートスイッチ32aにて遊技球が検出されると、普通図柄表示器10において普通図柄の変動表示が実行され、普図当りと決定された場合には普通図柄表示器10に当り図柄が導出表示され、はずれと決定された場合には普通図柄表示器10にはずれ図柄が導出表示される。この実施の形態では、図15(2)に示すように、普通図柄の変動時間は0.2秒とされ、当り図柄やはずれ図柄を導出表示する図柄確定時間は0.2秒とされている。そして、当り図柄を導出表示した場合には、図15(2)に示すように、図柄確定時間0.2秒を経過した後、第2始動入賞口開放処理前時間2.6秒を経過してから、可変入賞球装置15が0.5秒間にわたって開状態とされ、第2始動入賞口14に遊技球が入賞可能となる。
可変入賞球装置15が開状態となっているときに第2始動入賞口14に遊技球が入賞すると、第2特別図柄の変動表示が実行され、小当りとすることに決定された場合には、第2特別図柄表示器8bに小当り図柄が導出表示される。そして、小当り図柄を導出表示した場合には、図15(2)に示すように、特殊可変入賞球装置22が0.8秒間にわたって開状態とされ、特殊入賞口24に遊技球が入賞可能となる。
第2KT状態では、第1KT状態とは異なり可変入賞球装置15の開放時間が0.5秒と極めて短い。また、この実施の形態では、第2KT状態では、可変入賞球装置15の開放した後のインターバル期間(閉鎖期間)として少なくとも3.0秒(普通図柄の変動時間0.2秒+図柄確定時間0.2秒+第2始動入賞口開放処理前時間2.6秒)という比較的長い期間が確保されている。従って、第2KT状態では、図15(2)に示すように、上流側の可変入賞球装置15の開放時間が短いとともにインターバル期間(閉鎖期間)が長いので、第1KT状態と比較して下流側の特殊可変入賞球装置22に遊技球が進入しやすく特殊入賞口24に遊技球が入賞しやすい。例えば、この実施の形態では、大当り遊技状態では1ラウンドあたり遊技球が最大で10球入賞可能であるのと比較すると遊技球の入賞頻度が低いものの、第2KT状態では1回の小当り遊技中に1〜3個程度遊技球が入賞することが可能である。
なお、この実施の形態において、「入賞頻度」とは、例えば、遊技領域7に発射した遊技球数に対して大入賞口や特殊入賞口24への遊技球の入賞割合を示している。
なお、この実施の形態では、普通図柄の変動表示を実行したり可変入賞球装置15を開放制御したりする処理は、遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的には、CPU56)によって普通図柄プロセス処理(ステップS26C参照)が実行されることによって行われる。また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ステップS26Cの普通図柄プロセス処理において、普図当りとするか否かを決定する処理も実行するのであるが、遊技状態に関係なく同じ確率(例えば、10%)により普図当りとするか否かを決定する。具体的には、遊技状態が確変状態(高確率状態)であるか否かや、非KT状態、第1KT状態または第2KT状態のいずれであるか、大当り遊技状態であるか否かに関係なく、同じ確率により普図当りとするか否かを決定する。
なお、この実施の形態では、第1KT状態と第2KT状態とで普通図柄の変動時間と図柄確定時間とはそれぞれ0.2秒ずつで同じであり、第2始動入賞口開放処理前時間が第1KT状態では0.1秒と短く第2KT状態では2.6秒と長くすることによって、可変入賞球装置15の閉鎖期間(インターバル期間)を異ならせる場合を示したが、そのような態様にかぎられない。例えば、第1KT状態と第2KT状態とで変動時間や図柄確定時間を異ならせることによって、可変入賞球装置15の閉鎖期間(インターバル期間)を異ならせるように構成してもよい。また、例えば、可変入賞球装置15を閉鎖した後の第2始動入賞口開放処理後時間を制御可能に構成し、第1KT状態と第2KT状態とで第2始動入賞口開放処理後時間を異ならせることによって、可変入賞球装置15の閉鎖期間(インターバル期間)を異ならせるように構成してもよい。特に、上記のいずれかの方法により第1KT状態における可変入賞球装置15の閉鎖期間(インターバル期間)が短くなるように構成すれば、第1KT状態における特殊入賞口24への入賞を抑制することができる。
また、例えば、可変入賞球装置15の開放時間を延長することを示す特殊フラグ(開放延長フラグ)を設けるようにし、その特殊フラグがセットされていれば図15(1)に示すような可変入賞球装置15を長時間開放する第1開放パターン(ロング開放)で制御し、特殊フラグがセットされていなければ図15(2)に示す可変入賞球装置15を短時間開放する第2開放パターン(ショート開放)で制御するように構成してもよい。つまり、第1KT状態でのみ特殊フラグをセットし、大当り遊技状態を含む他の状態では、特殊フラグをセットしないように制御するように構成してもよい。
また、第1KT状態であっても、低確率/第1KT状態中の最後の変動表示を実行する場合には、可変入賞球装置15の開放時間を短くしてもよい。例えば、低確率/第1KT状態の100回の特別図柄の短縮変動期間のうち、99回目の特別図柄の変動停止に応じて、前述の特殊フラグを消去するように構成してもよい。そのように構成すれば、低確率/第1KT状態の終了後に、左打ち報知を行うときに、可変入賞球装置15がロング開放していることに対して遊技者に違和感を与えることを抑制することができる。
なお、上記のように、可変入賞球装置15の開放制御用のフラグ(特殊フラグ)を用いて可変入賞球装置15を構成する場合、さらに、特別図柄の変動表示の短縮変動用のフラグを用いて特別図柄の変動表示を制御するようにしてもよく、この場合、特殊フラグと短縮変動用のフラグとを別々に管理して制御を行うように構成してもよい。
また、低確率/非KT状態中においては可変入賞球装置15をショート開放するように構成してもよい。そのように構成すれば、低確率/非KT状態(左打ち状態)である場合に可変入賞球装置15の開放確率が高くなるように構成する場合には、遊技球を数個発射操作しただけでは可変入賞球装置15に入賞しないようすることができ、低確率/非KT状態中に右打ち操作が行われてしまうことを防止することができる。
なお、この実施の形態では、図15に示すように、普通図柄の変動時間が0.2秒と短い時間に設定されている。これは、例えば、第1KT状態において比較的変動時間が長い第2特別図柄の変動表示が実行される場合に、普通図柄が変動停止中であり且つ普通図柄の保留記憶がない状態では可変入賞球装置15が閉鎖状態となっており、第2特別図柄の変動停止タイミングを狙った攻略が可能となってしまうためである(小当りとなった場合に、普通図柄の変動時間が長いとゲート32を通過した遊技球が可変入賞球装置15や特殊可変入賞球装置22に到達するまでに可変入賞球装置15が開放せず、特殊入賞口24の入賞が可能となってしまう)。これに対して、この実施の形態では、普通図柄の変動時間を短くすることにより、遊技球がゲート32を通過してから可変入賞球装置15に到達する前に可変入賞球装置15の開放が開始されるように設定されているので、第1KT状態において第2特別図柄の変動表示にもとづく小当り発生タイミングを狙った発射操作による攻略要素を排除することができる。
図16および図17は、演出制御用マイクロコンピュータ200に送出される演出制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。図16に示す例において、コマンド8000(H)〜8007(H),8011(H)〜802C(H)は、特別図柄の可変表示に対応して第1可変表示部9aまたは第2可変表示部9bにおいて可変表示される飾り図柄の変動パターンを指定する演出制御コマンド(変動パターンコマンド)である。なお、変動パターンを指定する演出制御コマンドは、変動開始を指定するためのコマンドでもある。従って、演出制御用マイクロコンピュータ200は、コマンド8000(H)〜8007(H),8011(H)〜802C(H)のいずれかを受信すると、第1可変表示部9aまたは第2可変表示部9bにおいて飾り図柄の可変表示を開始するように制御する。
コマンド9001(H)は、変動パターンコマンドで指定する飾り図柄の可変表示の表示結果をはずれとすることを指定する演出制御コマンド(表示結果1指定コマンド)(はずれ指定コマンド))である。コマンド9002(H)は、変動パターンコマンドで指定する飾り図柄の可変表示の表示結果を16R確変大当りとすることを指定する演出制御コマンド(表示結果2指定コマンド(16R確変大当り指定コマンド))である。コマンド9003(H)は、変動パターンコマンドで指定する飾り図柄の可変表示の表示結果を6R確変大当りとすることを指定する演出制御コマンド(表示結果3指定コマンド(6R確変大当り指定コマンド))である。コマンド9004(H)は、変動パターンコマンドで指定する飾り図柄の可変表示の表示結果を6R通常大当りとすることを指定する演出制御コマンド(表示結果4指定コマンド(6R通常大当り指定コマンド))である。コマンド9005(H)は、変動パターンコマンドで指定する飾り図柄の可変表示の表示結果を2R確変大当りとすることを指定する演出制御コマンド(表示結果5指定コマンド(2R確変大当り指定コマンド))である。コマンド9006(H)は、変動パターンコマンドで指定する飾り図柄の可変表示の表示結果を2R通常大当りとすることを指定する演出制御コマンド(表示結果6指定コマンド(2R通常大当り指定コマンド))である。コマンド9007(H)は、変動パターンコマンドで指定する飾り図柄の可変表示の表示結果を小当りとすることを指定する演出制御コマンド(表示結果7指定コマンド(小当り指定コマンド))である。
以下、表示結果1指定コマンド〜表示結果7指定コマンドを、表示結果指定コマンドということがある。なお、この実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は変動パターンコマンドの直前に表示結果指定コマンドを送信するので、遊技制御用マイクロコンピュータ560が第1変動パターンコマンドの直前に受信した表示結果指定コマンドは第1飾り図柄についての表示結果指定コマンドであると判定でき、第2変動パターンコマンドの直前に受信した表示結果指定コマンドは第2飾り図柄についての表示結果指定コマンドであると判定できるので、表示結果指定コマンドを第1飾り図柄と第2飾り図柄とについて兼用できるが、第1飾り図柄についての表示結果指定コマンドと第2飾り図柄についての表示結果指定コマンドとを別にしてもよい。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ560が表示結果指定コマンドを送信するのではなく、15R確変大当り/6R確変大当り/6R通常大当り/2R確変大当り/2R通常大当り/小当り/はずれのそれぞれに対応させて変動パターンコマンドを定め、演出制御用マイクロコンピュータ200は、受信した変動パターンコマンドにもとづいて飾り図柄の停止図柄を決定するようにしてもよい。
コマンドA000(H)は、第1飾り図柄の可変表示の停止を指示する演出制御コマンド(第1図柄確定指定コマンド(第1飾り図柄停止指定コマンド))である。コマンドA001(H)は、第2飾り図柄の可変表示の停止を指示する演出制御コマンド(第2図柄確定指定コマンド(第2飾り図柄停止指定コマンド))である。
コマンドBXXX(H)(X=任意の16進数)は、大当り遊技開始から大当り遊技終了までの間に送出される演出制御コマンドである。そのうち、B000(H)は、第1大当り遊技の開始を指定する演出制御コマンド(第1大当り開始指定コマンド:第1ファンファーレ指定コマンド)である。B001(H)は、第1大当り遊技の終了を指定する演出制御コマンド(第1大当り終了指定コマンド:第1エンディング指定コマンド)である。B002(H)は、第2大当り遊技の開始を指定する演出制御コマンド(第2大当り開始指定コマンド:第2ファンファーレ指定コマンド)である。B003(H)は、第2大当り遊技の終了を指定する演出制御コマンド(第2大当り終了指定コマンド:第2エンディング指定コマンド)である。B004(H)は、小当り遊技の開始を指定する演出制御コマンド(小当り開始指定コマンド)である。B005(H)は、小当り遊技の終了を指定する演出制御コマンド(小当り終了指定コマンド)である。
コマンドB1XX(H)は、大当り遊技中のラウンド中の表示を指定する演出制御コマンド(大入賞口開放中表示コマンド)である。なお、「XX」に表示するラウンド数が設定される。コマンドB2XX(H)は、大当り遊技中のラウンド後の表示(ラウンド間のインターバルの表示)を指定する演出制御コマンド(大入賞口開放後表示コマンド)である。
コマンドB400(H)は、大入賞口に遊技球が入賞したことを指定する演出制御コマンド(大入賞口入賞指定コマンド)である。コマンドB401(H)は、特殊入賞口に遊技球が入賞したことを指定する演出制御コマンド(特殊入賞口入賞指定コマンド)である。
コマンドC000(H)は、第1保留記憶数が4に達していない状態で第1始動入賞口13に遊技球が入賞したことを示す演出制御コマンド(第1有効始動入賞指定コマンド)である。コマンドC001(H)は、第2保留記憶数が4に達していない状態で第2始動入賞口14に遊技球が入賞したことを示す演出制御コマンド(第2有効始動入賞指定コマンド)である。なお、第1有効始動入賞指定コマンドとして第1保留記憶数を示すコマンドを送信し、第2有効始動入賞指定コマンドとして第2保留記憶数を示すコマンドを送信してもよいが、この実施の形態では、第1有効始動入賞指定コマンドおよび第2有効始動入賞指定コマンドは、始動入賞があったことを示すコマンドである。
コマンドD000(H)は、客待ちデモンストレーションを指定する演出制御コマンド(客待ちデモ表示指定コマンド)である。
コマンドE000(H)は、遊技状態が低確率/非KT状態であるときの背景表示を指定する演出制御コマンド(低確/非KT背景指定コマンド)である。コマンドE001(H)は、遊技状態が低確率/第1KT状態であるときの背景表示を指定する演出制御コマンド(低確/第1KT背景指定コマンド)である。コマンドE002(H)は、遊技状態が高確率/第1KT状態であるときの背景表示を指定する演出制御コマンド(高確/第1KT背景指定コマンド)である。コマンドE003(H)は、遊技状態が高確率/第2KT状態であるときの背景表示を指定する演出制御コマンド(高確/第2KT背景指定コマンド)である。
演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ200(具体的には、演出制御用CPU201)は、主基板31に搭載されている遊技制御用マイクロコンピュータ560から上述した演出制御コマンドを受信すると図16および図17に示された内容に応じて第1可変表示部9aおよび第2可変表示部9bの表示状態や背景図柄表示部9cの表示状態を変更するとともに、ランプの表示状態を変更し、音声出力基板70に対して音番号データを出力する。なお、図16および図17に示された演出制御コマンド以外の演出制御コマンドも主基板31から演出制御基板80に送信される。例えば、大当り遊技に関するより詳細な演出制御コマンドや遊技状態を示す演出制御コマンド(例えば、初期化コマンドを示す演出制御コマンド)も主基板31から演出制御基板80に送信される。
図18は、主基板31に搭載される遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的には、CPU56)が実行する第1特別図柄プロセス処理(ステップS26A)のプログラムの一例を示すフローチャートである。上述したように、第1特別図柄プロセス処理では第1特別図柄表示器8aおよび特別可変入賞球装置20を制御するための処理が実行される。
CPU56は、第1特別図柄プロセス処理を行う際に、遊技盤6に設けられている第1始動入賞口13に遊技球が入賞したことを検出するための第1始動口スイッチ13aがオンしていたら、すなわち遊技球が第1始動入賞口13に入賞する始動入賞が発生していたら(ステップS311)、第1始動口スイッチ通過処理を実行する(ステップS312)。その後、CPU56は、内部状態(具体的には、第1特別図柄プロセスフラグの値)に応じて、ステップS300〜S307のうちのいずれかの処理を行う。
ステップS300〜S307の処理は、以下のような処理である。
第1特別図柄通常処理(ステップS300):第1特別図柄プロセスフラグの値が0であるときに実行される。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄の可変表示が開始できる状態になると、保留記憶数バッファに記憶される数値データの記憶数(合算保留記憶数)を確認する。保留記憶数バッファに記憶される数値データの記憶数は合算保留記憶数カウンタのカウント値により確認できる。また、合算保留記憶数カウンタのカウント値が0でなければ、第1特別図柄の可変表示の表示結果を大当りとするか否かを決定する。大当りとする場合には第1大当りフラグをセットする。そして、内部状態(第1特別図柄プロセスフラグ)をステップS301に応じた値(この例では1)に更新する。なお、第1大当りフラグは、大当り遊技が終了するときにリセットされる。
第1変動パターン設定処理(ステップS301):第1特別図柄プロセスフラグの値が1であるときに実行される。また、変動パターンを決定し、その変動パターンにおける変動時間(可変表示時間:可変表示を開始してから表示結果を導出表示(停止表示)するまでの時間)を特別図柄の可変表示の変動時間とすることに決定する。また、特別図柄の変動時間を計測する変動時間タイマをスタートさせる。そして、内部状態(第1特別図柄プロセスフラグ)をステップS302に対応した値(この例では2)に更新する。
第1表示結果指定コマンド送信処理(ステップS302):第1特別図柄プロセスフラグの値が2であるときに実行される。演出制御用マイクロコンピュータ200に、表示結果指定コマンドを送信する制御を行う。そして、内部状態(第1特別図柄プロセスフラグ)をステップS303に対応した値(この例では3)に更新する。
第1特別図柄変動中処理(ステップS303):第1特別図柄プロセスフラグの値が3であるときに実行される。第1変動パターン設定処理で選択された変動パターンの変動時間が経過(ステップS301でセットされる変動時間タイマがタイムアウトすなわち変動時間タイマの値が0になる)すると、演出制御用マイクロコンピュータ200に、図柄確定指定コマンドを送信する制御を行い、内部状態(第1特別図柄プロセスフラグ)をステップS304に対応した値(この例では4)に更新する。なお、演出制御用マイクロコンピュータ200は、遊技制御用マイクロコンピュータ560が送信する図柄確定指定コマンドを受信すると演出表示装置9において飾り図柄が停止されるように制御する。
第1特別図柄停止処理(ステップS304):第1特別図柄プロセスフラグの値が4であるときに実行される。第1大当りフラグがセットされている場合に、内部状態(第1特別図柄プロセスフラグ)をステップS304Aに対応した値(この例では8)に更新する。第1大当りフラグがセットされていない場合には、内部状態(第1特別図柄プロセスフラグ)をステップS300に対応した値(この例では0)に更新する。なお、この実施の形態では、特別図柄プロセスフラグの値が4となったことにもとづいて、特別図柄表示制御処理(ステップS36)において特別図柄の停止図柄を停止表示するための特別図柄表示制御データが特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定され、ステップS22の表示制御処理において出力バッファの設定内容に応じて実際に特別図柄の停止図柄が停止表示される。
第1ゲート通過待ち処理(ステップS304A):第1特別図柄プロセスフラグの値が8であるときに実行される。第1ゲート通過待ち処理では、作動ゲート17への遊技球の通過を待機する制御を行う。作動ゲート17への遊技球の通過を検知したときには内部状態(第1特別図柄プロセスフラグ)をステップS305に対応した値(この例では5)に更新する。
第1大入賞口開放前処理(ステップS305):第1特別図柄プロセスフラグの値が5であるときに実行される。第1大入賞口開放前処理では、特別可変入賞球装置20を開放する制御を行う。具体的には、カウンタ(例えば、特別可変入賞球装置20に入った遊技球数をカウントするカウンタ)などを初期化するとともに、ソレノイド21を駆動して大入賞口を開放状態にする。また、タイマによって第1大入賞口開放中処理の実行時間を設定し、内部状態(第1特別図柄プロセスフラグ)をステップS306に対応した値(この例では6)に更新する。なお、第1大入賞口開放前処理は各ラウンド毎に実行されるが、第1ラウンドを開始する場合には、第1大入賞口開放前処理は大当り遊技を開始する処理でもある。
第1大入賞口開放中処理(ステップS306):第1特別図柄プロセスフラグの値が6であるときに実行される。大当り遊技状態中のラウンド表示の演出制御コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ200に送信する制御や特別可変入賞球装置20の閉成条件の成立を確認する処理等を行う。また、大入賞口に遊技球が入賞し、第1カウントスイッチ23aで遊技球を検出した場合には、演出制御用マイクロコンピュータ200に対して大入賞口入賞指定コマンドを送信する制御を行う。特別可変入賞球装置20の閉成条件が成立し、かつ、まだ残りラウンドがある場合には、内部状態(第1特別図柄プロセスフラグ)をステップS305に対応した値(この例では5)に更新する。また、全てのラウンドを終えた場合には、内部状態(第1特別図柄プロセスフラグ)をステップS307に対応した値(この例では7)に更新する。
第1大当り終了処理(ステップS307):第1特別図柄プロセスフラグの値が7であるときに実行される。大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を演出制御用マイクロコンピュータ200に行わせるための制御を行う。また、遊技状態を示すフラグ(例えば、確変フラグや、第1KTフラグ、第2KTフラグ)をセットする処理を行う。そして、内部状態(第1特別図柄プロセスフラグ)をステップS300に対応した値(この例では0)に更新する。
図19は、ステップS312の始動口スイッチ通過処理を示すフローチャートである。始動口スイッチ通過処理において、CPU56は、まず、第1保留記憶数が上限値に達しているか否か(具体的には、第1保留記憶数をカウントするための第1保留記憶数カウンタの値が4でるか否か)を確認する(ステップS212)。第1保留記憶数が上限値に達していれば、そのまま第1始動口スイッチ通過処理を終了する。
第1保留記憶数が上限値に達していなければ、CPU56は、第1保留記憶数カウンタの値を1増やす(ステップS213)とともに、合算保留記憶数をカウントするための合算保留記憶数カウンタの値を1増やす(ステップS214)。次いで、CPU56は、乱数回路503やソフトウェア乱数を生成するためのカウンタから値を抽出し、それらを、第1保留記憶バッファ(図20参照)における保存領域に格納する処理を実行する(ステップS215)。なお、ステップS215の処理では、ソフトウェア乱数である大当り判定用乱数(ランダム1)、大当り種別判定用乱数(ランダム2)および変動パターン判定用乱数(ランダム5)が抽出され、保存領域に格納される。なお、変動パターン判定用乱数(ランダム5)を第1始動口スイッチ通過処理(始動入賞時)において抽出して保存領域にあらかじめ格納しておくのではなく、第1特別図柄の変動開始時に抽出するようにしてもよい。例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、後述する第1変動パターン設定処理において、変動パターン判定用乱数(ランダム5)を生成するための変動パターン判定用乱数カウンタから値を直接抽出したりするようにしてもよい。
図20は、保留記憶に対応する乱数等を保存する領域(保留記憶バッファ)の構成例を示す説明図である。図20に示すように、第1保留記憶バッファには、第1保留記憶数の上限値(この例では4)に対応した保存領域が確保されている。また、第2保留記憶バッファには、第2保留記憶数の上限値(この例では4)に対応した保存領域が確保されている。この実施の形態では、第1保留記憶バッファおよび第2保留記憶バッファには、大当り判定用乱数(ランダム1)、大当り種別判定用乱数(ランダム2)、変動パターン決定用乱数(ランダム5)が記憶される。なお、第1保留記憶バッファおよび第2保留記憶バッファは、RAM55に形成されている。
そして、さらに、第1有効始動入賞コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ200に送信する制御を行う(ステップS216)。
図21は、第1特別図柄プロセス処理における第1特別図柄通常処理(ステップS300)を示すフローチャートである。第1特別図柄通常処理が実行される状態は、第1特別図柄プロセスフラグの値がステップS300を示す値となっている場合である。なお、第1特別図柄プロセスフラグの値がステップS300を示す値となっている場合とは、第1特別図柄表示器8aにおいて第1特別図柄の変動表示がなされていない状態であって、かつ、第1大当り遊技(特別可変入賞球装置20を所定回開放)中でもない場合である。
第1特別図柄通常処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的には、CPU56)は、まず、第1保留記憶数の値を確認する(ステップS50A)。具体的には、第1保留記憶数カウンタのカウント値を確認する。
第1保留記憶数が0であれば、遊技制御用CPU560は、最後に変動表示を終了してから30秒経過したか否かを確認する(ステップS51A)。なお、最後に変動表示を終了してから30秒経過したか否かは、例えば、最後に変動表示を終了したときに、変動表示が実行されていない期間を計測するためのタイマに30秒に相当する値をセットし、そのタイマがタイムアウトしたか否かを確認することにより判定できる。最後に変動表示を終了してから30秒経過していれば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、客待ちデモ表示指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ200に送信する制御を行う(ステップS52A)。
第1保留記憶数が0でなければ、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、RAM55の第1保留記憶数バッファにおける保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読み出してRAM55の第1乱数バッファ領域に格納するとともに(ステップS53A)、第1保留記憶数の値を1減らし(第1保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し)、かつ、各保存領域の内容をシフトする(ステップS54A)。すなわち、RAM55の第1保留記憶数バッファにおいて第1保留記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている各乱数値を、第1保留記憶数=n−1に対応する保存領域に格納する。よって、各第1保留記憶数に対応するそれぞれの保存領域に格納されている各乱数値が抽出された順番は、常に、第1保留記憶数=1,2,3,4の順番と一致するようになっている。すなわち、この例では、可変表示の開始条件が成立する毎に、各保存領域の内容をシフトする構成としているので、各乱数値が抽出された順番を特定することができる。なお、本例では、第1保留記憶数に対応するそれぞれの保存領域に格納されている各乱数値と、第2保留記憶数に対応するそれぞれの保存領域に格納されている各乱数値とが抽出された順番についても特定可能に保存される。
その後、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、現在の遊技状態に応じた背景指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ200に送信する(ステップS60A)。具体的に、確変フラグ、第1KTフラグ、および第2KTフラグがオフである場合には低確率/非KT状態であると判定して低確/非KT背景指定コマンドを、確変フラグがオフで第1KTフラグがオンである場合には低確率/第1KT状態であると判定して低確/第1KT背景指定コマンドを、確変フラグがオンで第1KTフラグがオンである場合には高確率/第1KT状態であると判定して高確/第1KT背景指定コマンドを、確変フラグがオンで第2KTフラグがオンである場合には高確率/第2KT状態であると判定して高確/第2KT背景指定コマンドを送信する。
次いで、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、第2特別図柄の大当り変動中であるか否かを判定する(ステップS63A)。具体的に、第2特別図柄の変動表示にもとづいて大当りとなることを示す第2大当りフラグがセットされている場合には第2特別図柄の大当り変動中であると判定する。第2特別図柄の大当り変動中であると判定した場合には、ステップS64A以降の処理を行うことなくステップS68Aへ移行する。これにより、第2特別図柄の大当り変動中に第1特別図柄の変動を開始する場合には、大当り判定値が記憶されているか否かにかかわらず強制的にはずれとする構成になっている。
なお、強制的にはずれとする方法については、上述したものに限られない。例えばステップS63Aにて第2特別図柄の大当り変動中である場合に、大当り判定用乱数(ランダム1)としてはずれの乱数値(固定値)を設定する処理を行い、ステップS65Aへ移行することにより、始動入賞時にいずれの大当り判定用乱数(ランダム1)が取得されていたかにかかわらず強制的にはずれとするものであってもよい。
また、大当り判定とは別に、小当りとするか否かを決定するための小当り判定を行う遊技機では、ステップS63Aにて第2特別図柄の大当り変動中である場合に、ステップS64A〜S161Aの処理を行わずに、小当り判定用乱数(大当り判定用乱数と共通の乱数であってもよいし、全く異なる乱数であってもよい)としてはずれの乱数値(固定値)を設定して小当り判定を行うことにより、始動入賞時にいずれの大当り判定用乱数(ランダム1)が取得されていたかにかかわらず強制的にはずれとするものであってもよい。
第2特別図柄の大当り変動中でない場合には、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、第1乱数格納バッファから大当り判定用乱数(ランダム1)を読み出し(ステップS64A)、大当り判定モジュールを実行する(ステップS65A)。大当り判定モジュールは、大当り判定用乱数が、あらかじめ決められている大当り判定値と一致したら大当りとすることに決定するプログラムである。大当りとすることに決定した場合には(ステップS66A)、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、第1特別図柄の変動表示にもとづいて大当りとなることを示す第1大当りフラグをセットする(ステップS67A)。そして、ランダム2にもとづいて大当り種別が16R確変大当り、6R確変大当り、および6R通常大当りのいずれであるかを判定し(ステップS160A)、大当り種別を記憶し(ステップS161A)、ステップS68Aへ移行する。また、ステップS66Aにおいて大当りとしない場合(すなわち、はずれとする場合)、ステップS68Aへ移行する。
なお、この実施の形態では、第1特別図柄の変動表示の表示結果を大当りと決定しなかった場合には、無条件に全てはずれと決定する場合を示しているが、そのような態様にかぎられない。例えば、第1特別図柄の変動表示の表示結果を大当りと決定しなかった場合にも、低い確率で小当りと決定する場合があるように構成してもよい。
そして、ステップS68Aにおいて、第1特別図柄プロセスフラグの値を第1変動パターン設定処理に対応した値に更新する(ステップS68A)。なお、図示は省略したが、ステップS68Aの直前において停止する図柄の確定をしている。
なお、ステップS65Aでは、遊技状態を加味して、非確変時大当り判定テーブルおよび確変時大当り判定テーブルのいずれかを用いて大当りとするか否かの判定を行う。
図22は、第1特別図柄プロセス処理における第1変動パターン設定処理(ステップS302)を示すフローチャートである。第1変動パターン設定処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的には、CPU56)は、まず、遊技状態に応じて図12(A)〜(B)に示すいずれかの変動パターンテーブルを選択する(ステップS201)。次に、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ステップS201にて使用することに決定した変動パターンテーブルと、第1特別図柄判定用バッファに格納されている変動パターン決定用乱数(ランダム5)とにもとづいて、図12に示した変動パターンのいずれとするのかを決定する(ステップS1700)。本例では、変動パターンを決定することによって、第1特別図柄の変動時間が決定される。また、変動時間を決定したあと、決定した変動時間が設定されている変動パターンを複数の変動パターンの中から選択するようにしてもよい。
変動パターンを決定すると、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、決定した変動パターンを示す変動パターンコマンドを演出制御用マイクロコンピュータ200に送信する制御を行う(ステップS1701)。
また、ステップS1700にて第1特別図柄の変動時間(変動パターン)を決定すると、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、決定した変動時間を示す変動時間データを第1特別図柄プロセスタイマに設定して変動時間の計測を開始するとともに(ステップS1702)、後述する計測実行フラグをセットし、第1特別図柄表示器8aでの第1特別図柄の変動表示を開始する(ステップS1703)。そして、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、第1特別図柄プロセスフラグの値を第1表示結果指定コマンド送信処理に対応した値に更新する(ステップS1706)。
第1表示結果指定コマンド送信処理(ステップS302)では、遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的には、CPU56)は、大当りとするか否かの決定結果、および大当り種別の決定結果にもとづいて、いずれかの表示結果指定コマンド(表示結果1指定コマンド〜表示結果4指定コマンド)を演出制御用マイクロコンピュータ200に対して送信する制御を行う。
図23は、第1特別図柄プロセス処理における第1特別図柄変動中処理(ステップS303)を示すフローチャートである。第1特別図柄変動中処理において、CPU56は、まず、第1変動時間タイマを1減算し(ステップS1121A)、第1変動時間タイマがタイムアウトしたら(ステップS1122A)、演出制御用マイクロコンピュータ200に図柄確定指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS1123A)。そして、CPU56は、第1特別図柄プロセスフラグの値を第1特別図柄停止処理(ステップS304)に対応した値に更新する(ステップS1124A)。
第1変動時間タイマがタイムアウトしていない場合には、CPU56は、第2特別図柄表示器8bにて大当り図柄を導出表示しているか否かを確認する(ステップS1125A)。なお、第2特別図柄表示器8bにて大当り図柄を導出表示しているか否かは、例えば、第2特別図柄プロセスフラグの値が第2特別図柄停止処理に対応した値となっているとともに、第2特別図柄の変動表示にもとづいて大当りとなることを示す第2大当りフラグがセットされているか否かを確認することにより判定できる。第2特別図柄表示器8bにて大当り図柄を導出表示していれば、CPU56は、ステップS1123Aに移行して演出制御用マイクロコンピュータ200に図柄確定指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS1123A)とともに、第1特別図柄プロセスフラグの値を第1特別図柄停止処理(ステップS304)に対応した値に更新する(ステップS1124A)。
ステップS1125Aの処理が実行されることによって、この実施の形態では、第1特別図柄の変動表示の実行中に第2特別図柄の変動表示が大当りとなれば、第1特別図柄の変動表示は強制的に停止され、第1特別図柄と第2特別図柄とで同時に大当りが発生する事態が生じないようにしている。なお、この場合、演出制御用マイクロコンピュータ200側では、第1特別図柄の変動表示が強制はずれとされた場合には、図柄確定指定コマンドを受信したことにもとづいて第1可変表示部9aにおける第1飾り図柄の停止表示を停止するとともに、ステップS302で送信された表示結果1指定コマンドにもとづいて、第1飾り図柄の変動表示結果として強制的にはずれ図柄を停止表示するように制御する。
なお、この実施の形態では、図18に示す第1特別図柄プロセス処理および図27に示す第2特別図柄プロセス処理において、タイマ割込ごとに、それぞれ第1始動口スイッチ通過処理(ステップS312参照)および第2始動口スイッチ通過処理(ステップS322参照)が実行されるので、第1特別図柄または第2特別図柄の大当り図柄の停止表示中であっても、新たな始動入賞が発生した場合には新たな保留記憶を記憶するように構成されている。
第2特別図柄表示器8bにて大当り図柄を導出表示していなければ(ステップS1125AのN)、そのまま処理を終了する。
図24は、第1特別図柄停止処理を示すフローチャートである。第1特別図柄停止処理において、まず、CPU56は、低確率/第1KT状態の残余回数を示すKT回数カウンタの値が「0」であるか否かを判定し(ステップS2010)、「0」である場合、すなわち、低確率/第1KT状態でない場合、ステップS2014へ移行する。KT回数カウンタの値が「0」でない場合、すなわち、低確率/第1KT状態である場合、CPU56は、KT回数カウンタの値を「1」減算し(ステップS2011)、「0」になったか否かを判定する(ステップS2012)。KT回数カウンタの値が「0」にならない場合、ステップS2014へ移行する。KT回数カウンタの値が「0」になった場合、すなわち、低確率/第1KT状態の100回目の変動が終了した場合、CPU56は、第1KT状態であることを示す第1KTフラグをリセットし(ステップS2013)、ステップS2014へ移行する。これにより、低確率/第1KT状態において100回の変動が終了した場合に第1KT状態が終了する(低確率/非KT状態に移行する)こととなる。
ステップS2014において、CPU56は、第1大当りフラグがセットされているか否かを判定する(ステップS2014)。第1大当りフラグがセットされている場合、CPU56は、セットされていれば、確変フラグ、第1KTフラグ、第2KTフラグ、KT回数カウンタをリセットする(ステップS2015)。
次いで、CPU56は、大入賞口開放前タイマを設定し(ステップS2017)、大当り種別に応じたラウンド1用開放パターンデータをセットし(ステップS2018)、大当りのラウンド数を示すラウンド数カウンタに「1」をセットし(ステップS2019)、第1特別図柄プロセスフラグの値を第1ゲート通過待ち処理に対応した値に設定する(ステップS2020)。
図25は、特別図柄プロセス処理における第1ゲート通過待ち処理(ステップS304A)を示すフローチャートである。第1ゲート通過待ち処理において、CPU56は、作動ゲートスイッチ17aからの検出信号を入力したか否かを確認する(ステップS2501)。作動ゲートスイッチ17aからの検出信号を入力していなければ、そのまま処理を終了する。作動ゲートスイッチ17aからの検出信号を入力していれば、CPU56は、第1大当り開始指定コマンドを送信し(ステップS2502)、第1特別図柄プロセスフラグの値を第1大入賞口開放前処理に対応した値に設定する(ステップS2503)。
この実施の形態では、第1ゲート通過待ち処理が実行されることによって、第1特別図柄の変動表示結果として大当り図柄が導出表示されると直ちに大当り遊技が開始されるのではなく、作動ゲート17を遊技球が通過し、作動ゲートスイッチ17aで検出されたことを条件として、大当り遊技に移行するように構成されている。
図26は、特別図柄プロセス処理における第1大当り終了処理(ステップS307)を示すフローチャートである。第1大当り終了処理において、CPU56は、大当り終了表示タイマが設定されているか否か確認し(ステップS2200A)、大当り終了表示タイマが設定されている場合には、ステップS2204Aに移行する。大当り終了表示タイマが設定されていない場合には、第1大当りフラグをリセットし(ステップS2201A)、第1大当り終了指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS2202A)。そして、大当り終了表示タイマに、演出表示装置9において大当り終了表示が行われている時間(大当り終了表示時間)に対応する表示時間に相当する値を設定し(ステップS2203A)、処理を終了する。
ステップS2204Aでは、大当り終了表示タイマの値を1減算する(ステップS2204A)。そして、CPU56は、大当り終了表示タイマの値が0になっているか否か、すなわち大当り終了表示時間が経過したか否か確認する(ステップS2205A)。経過していなければ処理を終了する。
大当り終了表示時間を経過していれば(ステップS2205AのY)、CPU56は、今回終了した大当りの種別が16R確変大当りであるか否かを確認する(ステップS2206A)。なお、16R確変大当りであるか否かは、例えば、第1特別図柄通常処理のステップS161Aで記憶した大当り種別を確認することにより判定できる。16R確変大当りであれば、CPU56は、確変状態であることを示す確変フラグをセットして確変状態(高確率状態)に移行する(ステップS2207A)とともに、第2KT状態であることを示す第2KTフラグをセットして第2KT状態に移行する(ステップS2208A)。そして、ステップS2214Aに移行する。
16R確変大当りでなければ、CPU56は、今回終了した大当りの種別が6R確変大当りであるか否かを確認する(ステップS2209A)。なお、6R確変大当りであるか否かは、例えば、第1特別図柄通常処理のステップS161Aで記憶した大当り種別を確認することにより判定できる。6R確変大当りであれば、CPU56は、確変フラグをセットして確変状態(高確率状態)に移行する(ステップS2210A)とともに、第1KT状態であることを示す第1KTフラグをセットして第1KT状態に移行する(ステップS2211A)。そして、ステップS2214Aに移行する。
6R確変大当りでもなければ(すなわち、6R通常大当りであれば)、CPU56は、第1KTフラグをセットして第1KT状態に移行する(ステップS2212A)。また、CPU56は、低確率/第1KT状態の残余回数を示すKT回数カウンタに「100」をセットする(ステップS2213A)。そして、ステップS2214Aに移行する。
そして、CPU56は、第1特別図柄プロセスフラグの値を第1特別図柄通常処理(ステップS300)に対応した値に更新する(ステップS2214A)。
図27は、主基板31に搭載される遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的には、CPU56)が実行する第2特別図柄プロセス処理(ステップS26B)のプログラムの一例を示すフローチャートである。上述したように、第2特別図柄プロセス処理では第2特別図柄表示器8b、特別可変入賞球装置20、および特殊可変入賞球装置22を制御するための処理が実行される。
CPU56は、第2特別図柄プロセス処理を行う際に、遊技盤6に設けられている第2始動入賞口14に遊技球が入賞したことを検出するための第2始動口スイッチ14aがオンしていたら、すなわち遊技球が第2始動入賞口14に入賞する始動入賞が発生していたら(ステップS321)、第2始動口スイッチ通過処理を実行する(ステップS322)。なお、図19に示した第1始動口スイッチ通過処理の「第1」を「第2」と読み替えれば、第2始動口スイッチ通過処理が説明されることになる。その後、CPU56は、内部状態(具体的には、第2特別図柄プロセスフラグの値)に応じて、ステップS350〜S360のうちのいずれかの処理を行う。
ステップS350〜S360の処理は、以下のような処理である。
第2特別図柄通常処理(ステップS350):第2特別図柄プロセスフラグの値が0であるときに実行される。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄の可変表示が開始できる状態になると、保留記憶数バッファに記憶される数値データの記憶数(合算保留記憶数)を確認する。保留記憶数バッファに記憶される数値データの記憶数は合算保留記憶数カウンタのカウント値により確認できる。また、合算保留記憶数カウンタのカウント値が0でなければ、第2特別図柄の可変表示の表示結果を大当りとするか否かを決定する。大当りとする場合には第2大当りフラグをセットする。また、大当りとしない場合には、第2特別図柄の可変表示の表示結果を小当りとするか否かを決定する。小当りとする場合には小当りフラグをセットする。そして、内部状態(第2特別図柄プロセスフラグ)をステップS351に応じた値(この例では1)に更新する。なお、第2大当りフラグは、大当り遊技が終了するときにリセットされる。また、小当りフラグは、小当り遊技が終了するときにリセットされる。
第2変動パターン設定処理(ステップS351):第2特別図柄プロセスフラグの値が1であるときに実行される。また、変動パターンを決定し、その変動パターンにおける変動時間(可変表示時間:可変表示を開始してから表示結果を導出表示(停止表示)するまでの時間)を特別図柄の可変表示の変動時間とすることに決定する。また、特別図柄の変動時間を計測する変動時間タイマをスタートさせる。そして、内部状態(第2特別図柄プロセスフラグ)をステップS352に対応した値(この例では2)に更新する。
第2表示結果指定コマンド送信処理(ステップS352):第2特別図柄プロセスフラグの値が2であるときに実行される。演出制御用マイクロコンピュータ200に、表示結果指定コマンドを送信する制御を行う。そして、内部状態(第2特別図柄プロセスフラグ)をステップS353に対応した値(この例では3)に更新する。
第2特別図柄変動中処理(ステップS353):第2特別図柄プロセスフラグの値が3であるときに実行される。第2変動パターン設定処理で選択された変動パターンの変動時間が経過(ステップS351でセットされる変動時間タイマがタイムアウトすなわち変動時間タイマの値が0になる)すると、演出制御用マイクロコンピュータ200に、図柄確定指定コマンドを送信する制御を行い、内部状態(第2特別図柄プロセスフラグ)をステップS304に対応した値(この例では4)に更新する。なお、演出制御用マイクロコンピュータ200は、遊技制御用マイクロコンピュータ560が送信する図柄確定指定コマンドを受信すると演出表示装置9において飾り図柄が停止されるように制御する。
第2特別図柄停止処理(ステップS354):第2特別図柄プロセスフラグの値が4であるときに実行される。第2大当りフラグがセットされている場合に、内部状態(第2特別図柄プロセスフラグ)をステップS354Aに対応した値(この例では11)に更新する。小当りフラグがセットされている場合には、内部状態(第2特別図柄プロセスフラグ)をステップS358に対応した値(この例では8)に更新する。第2大当りフラグおよび小当りフラグのいずれもセットされていない場合(はずれとした場合(強制はずれとしば場合を含む))には、内部状態(第2特別図柄プロセスフラグ)をステップS350に対応した値(この例では0)に更新する。なお、この実施の形態では、特別図柄プロセスフラグの値が4となったことにもとづいて、後述するように、特別図柄表示制御処理において特別図柄の停止図柄を停止表示するための特別図柄表示制御データが特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定され、ステップS22の表示制御処理において出力バッファの設定内容に応じて実際に特別図柄の停止図柄が停止表示される。
第2ゲート通過待ち処理(ステップS354A):第2特別図柄プロセスフラグの値が11であるときに実行される。第2ゲート通過待ち処理では、作動ゲート17への遊技球の通過を待機する制御を行う。作動ゲート17への遊技球の通過を検知したときには内部状態(第2特別図柄プロセスフラグ)をステップS355に対応した値(この例では5)に更新する。
第2大入賞口開放前処理(ステップS355):第2特別図柄プロセスフラグの値が5であるときに実行される。第2大入賞口開放前処理では、特別可変入賞球装置20を開放する制御を行う。具体的には、カウンタ(例えば、特別可変入賞球装置20に入った遊技球数をカウントするカウンタ)などを初期化するとともに、ソレノイド21を駆動して大入賞口を開放状態にする。また、タイマによって第2大入賞口開放中処理の実行時間を設定し、内部状態(第2特別図柄プロセスフラグ)をステップS356に対応した値(この例では6)に更新する。なお、第2大入賞口開放前処理は各ラウンド毎に実行されるが、第1ラウンドを開始する場合には、第2大入賞口開放前処理は大当り遊技を開始する処理でもある。
第2大入賞口開放中処理(ステップS356):第2特別図柄プロセスフラグの値が6であるときに実行される。大当り遊技状態中のラウンド表示の演出制御コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ200に送信する制御や特別可変入賞球装置20の閉成条件の成立を確認する処理等を行う。また、大入賞口に遊技球が入賞し、第1カウントスイッチ23aで遊技球を検出した場合には、演出制御用マイクロコンピュータ200に対して大入賞口入賞指定コマンドを送信する制御を行う。特別可変入賞球装置20の閉成条件が成立し、かつ、まだ残りラウンドがある場合には、内部状態(第2特別図柄プロセスフラグ)をステップS355に対応した値(この例では5)に更新する。また、全てのラウンドを終えた場合には、内部状態(第2特別図柄プロセスフラグ)をステップS357に対応した値(この例では7)に更新する。
第2大当り終了処理(ステップS357):第2特別図柄プロセスフラグの値が7であるときに実行される。大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を演出制御用マイクロコンピュータ200に行わせるための制御を行う。また、遊技状態を示すフラグ(例えば、確変フラグや、第1KTフラグ、第2KTフラグ)をセットする処理を行う。そして、内部状態(第2特別図柄プロセスフラグ)をステップS300に対応した値(この例では0)に更新する。
第2小当り開放前処理(ステップS358):第2特別図柄プロセスフラグの値が8であるときに実行される。第2小当り開放前処理では、特殊可変入賞球装置22を開放する制御を行う。具体的には、カウンタ(例えば、特殊入賞口24に入った遊技球数をカウントするカウンタ)などを初期化するとともに、ソレノイド106を駆動して特殊可変入賞球装置22を開放制御にする。また、タイマによって第2小当り開放中処理の実行時間を設定し、内部状態(第2特別図柄プロセスフラグ)をステップS359に対応した値(この例では9)に更新する。なお、第2小当り開放前処理は小当り遊技を開始する処理でもある。
第2小当り開放中処理(ステップS359):第2特別図柄プロセスフラグの値が9であるときに実行される。特殊可変入賞球装置22の閉成条件の成立を確認する処理等を行う。この実施の形態では、特殊可変入賞球装置22の開放時間0.8秒(図15参照)が経過すると閉成条件が成立する。また、特殊入賞口に遊技球が入賞し、第2カウントスイッチ25aで遊技球を検出した場合には、演出制御用マイクロコンピュータ200に対して特殊入賞口入賞指定コマンドを送信する制御を行う。また、閉成条件が成立した場合には、内部状態(第2特別図柄プロセスフラグ)をステップS360に対応した値(この例では10(10進数))に更新する。
第2小当り終了処理(ステップS360):第2特別図柄プロセスフラグの値が10であるときに実行される。小当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を演出制御用マイクロコンピュータ200に行わせるための制御を行う。そして、内部状態(第2特別図柄プロセスフラグ)をステップS350に対応した値(この例では0)に更新する。
図28は、第2特別図柄プロセス処理における第2特別図柄通常処理(ステップS350)を示すフローチャートである。第2特別図柄通常処理が実行される状態は、第2特別図柄プロセスフラグの値がステップS350を示す値となっている場合である。なお、第2特別図柄プロセスフラグの値がステップS350を示す値となっている場合とは、第2特別図柄表示器8bにおいて第2特別図柄の変動表示がなされていない状態であって、かつ、第2大当り遊技(特別可変入賞球装置20を所定回開放)中でも小当り遊技中(特殊可変入賞球装置22を開放)中でもない場合である。
第2特別図柄通常処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的には、CPU56)は、まず、第2保留記憶数の値を確認する(ステップS50B)。具体的には、第2保留記憶数カウンタのカウント値を確認する。
第1保留記憶数が0であれば、遊技制御用CPU560は、最後に変動表示を終了してから30秒経過したか否かを確認する(ステップS51B)。なお、最後に変動表示を終了してから30秒経過したか否かは、例えば、最後に変動表示を終了したときに、変動表示が実行されていない期間を計測するためのタイマに30秒に相当する値をセットし、そのタイマがタイムアウトしたか否かを確認することにより判定できる。最後に変動表示を終了してから30秒経過していれば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、客待ちデモ表示指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ200に送信する制御を行う(ステップS52B)。
第2保留記憶数が0でなければ、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、RAM55の第2保留記憶数バッファにおける保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読み出してRAM55の第2乱数バッファ領域に格納するとともに(ステップS53B)、第2保留記憶数の値を1減らし(第2保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し)、かつ、各保存領域の内容をシフトする(ステップS54B)。すなわち、RAM55の第2保留記憶数バッファにおいて第2保留記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている各乱数値を、第2保留記憶数=n−1に対応する保存領域に格納する。よって、各第2保留記憶数に対応するそれぞれの保存領域に格納されている各乱数値が抽出された順番は、常に、第2保留記憶数=1,2,3,4の順番と一致するようになっている。すなわち、この例では、可変表示の開始条件が成立する毎に、各保存領域の内容をシフトする構成としているので、各乱数値が抽出された順番を特定することができる。
その後、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、現在の遊技状態に応じた背景指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ200に送信する(ステップS60B)。なお、具体的な背景指定コマンドの送信の仕方は、第1特別図柄通常処理のステップS60Aで示した処理と同様である。
次いで、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、第1特別図柄の大当り変動中であるか否かを判定する(ステップS63B)。具体的に、第1特別図柄の変動表示にもとづいて大当りとなることを示す第1大当りフラグがセットされている場合には第1特別図柄の大当り変動中であると判定する。第1特別図柄の大当り変動中であると判定した場合には、ステップS64B以降の処理を行うことなくステップS68Bへ移行する。これにより、第1特別図柄の大当り変動中に第2特別図柄の変動を開始する場合には、大当り判定値が記憶されているか否かにかかわらず強制的にはずれとする構成になっている。
なお、強制的にはずれとする方法については、上述したものに限られない。例えばステップS63Bにて第1特別図柄の大当り変動中である場合に、大当り判定用乱数(ランダム1)としてはずれの乱数値(固定値)を設定する処理を行い、ステップS65Bへ移行することにより、始動入賞時にいずれの大当り判定用乱数(ランダム1)が取得されていたかにかかわらず強制的にはずれとするものであってもよい。
また、大当り判定とは別に、小当りとするか否かを決定するための小当り判定を行う遊技機では、ステップS63Bにて第1特別図柄の大当り変動中である場合に、ステップS64B〜S161Bの処理を行わずに、小当り判定用乱数(大当り判定用乱数と共通の乱数であってもよいし、全く異なる乱数であってもよい)としてはずれの乱数値(固定値)を設定して小当り判定を行うことにより、始動入賞時にいずれの大当り判定用乱数(ランダム1)が取得されていたかにかかわらず強制的にはずれとするものであってもよい。
第1特別図柄の大当り変動中でない場合には、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、第2乱数格納バッファから大当り判定用乱数(ランダム1)を読み出し(ステップS64B)、大当り判定モジュールを実行する(ステップS65B)。大当り判定モジュールは、大当り判定用乱数が、あらかじめ決められている大当り判定値と一致したら大当りとすることに決定するプログラムである。大当りとすることに決定した場合には(ステップS66B)、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、第2特別図柄の変動表示にもとづいて大当りとなることを示す第2大当りフラグをセットする(ステップS67B)。そして、ランダム2にもとづいて大当り種別が16R確変大当り、6R確変大当り、2R確変大当り、および2R通常大当りのいずれであるかを判定し(ステップS160B)、大当り種別を記憶し(ステップS161B)、ステップS68Bへ移行する。
また、ステップS66Bにおいて大当りとしない場合には、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、小当り判定モジュールを実行する(ステップS162B)。小当り判定モジュールは、大当り判定用乱数(小当り判定用の乱数でもよい)が、あらかじめ決められている小当り判定値と一致したら小当りとすることに決定するプログラムである。小当りとすることに決定した場合には(ステップS163B)、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、第2特別図柄の変動表示にもとづいて小当りとなることを示す小当りフラグをセットする(ステップS164B)。そして、ステップS68Aへ移行する。
そして、ステップS68Bにおいて、第2特別図柄プロセスフラグの値を第2変動パターン設定処理に対応した値に更新する(ステップS68B)。なお、図示は省略したが、ステップS68Bの直前において停止する図柄の確定をしている。
なお、ステップS65Bでは、遊技状態を加味して、非確変時大当り判定テーブルおよび確変時大当り判定テーブルのいずれかを用いて大当りとするか否かの判定を行う。
第2変動パターン設定処理(ステップS351)は、図22に示した第1変動パターン設定処理(ステップS301)と同様である。すなわち、図22に示す第1変動パターン設定処理において、「第1」を「第2」に読み替えれば、第2変動パターン処理が説明されたことになる。
第2表示結果指定コマンド送信処理(ステップS352)では、遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的には、CPU56)は、大当りとするか否か、小当りとするか否かの決定結果、および大当り種別の決定結果にもとづいて、いずれかの表示結果指定コマンド(表示結果1指定コマンド〜表示結果3指定コマンド、表示結果5指定コマンド〜表示結果7指定コマンド)を演出制御用マイクロコンピュータ200に対して送信する制御を行う。
第2特別図柄変動中処理(ステップS353)は、図23に示した第1特別図柄変動中処理(ステップS303)と同様である。すなわち、図23に示す第1特別図柄変動中処理において、「第1」を「第2」に読み替えれば、第2特別図柄変動中処理が説明されたことになる。
第2特別図柄停止処理(ステップS354)では、概ね図24に示した第1特別図柄停止処理(ステップS304)と同様の処理が実行される。すなわち、図24に示す第1特別図柄停止処理において、「第1」を「第2」に読み替えれば、概ね第2特別図柄停止処理が説明されたことになる。ただし、第2特別図柄停止処理では、小当りフラグがセットされていれば、CPU56は、第1特別図柄プロセスフラグの値を第2小当り開放前処理(ステップS358)に対応した値に設定する。
第2ゲート通過待ち処理(ステップS354A)は、図25に示した第1ゲート通過待ち処理(ステップS304A)と同様である。すなわち、図25に示す第1ゲート通過待ち処理において、「第1」を「第2」に読み替えれば、第2ゲート通過待ち処理が説明されたことになる。
図29は、特別図柄プロセス処理における第2大当り終了処理(ステップS357)を示すフローチャートである。第2大当り終了処理において、CPU56は、大当り終了表示タイマが設定されているか否か確認し(ステップS2200B)、大当り終了表示タイマが設定されている場合には、ステップS2204Bに移行する。大当り終了表示タイマが設定されていない場合には、第2大当りフラグをリセットし(ステップS2201B)、第2大当り終了指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS2202B)。そして、大当り終了表示タイマに、演出表示装置9において大当り終了表示が行われている時間(大当り終了表示時間)に対応する表示時間に相当する値を設定し(ステップS2203B)、処理を終了する。
ステップS2204Bでは、大当り終了表示タイマの値を1減算する(ステップS2204B)。そして、CPU56は、大当り終了表示タイマの値が0になっているか否か、すなわち大当り終了表示時間が経過したか否か確認する(ステップS2205B)。経過していなければ処理を終了する。
大当り終了表示時間を経過していれば(ステップS2205BのY)、CPU56は、今回終了した大当りの種別が16R確変大当りであるか否かを確認する(ステップS2206B)。なお、16R確変大当りであるか否かは、例えば、第2特別図柄通常処理のステップS161Bで記憶した大当り種別を確認することにより判定できる。16R確変大当りであれば、CPU56は、確変フラグをセットして確変状態(高確率状態)に移行する(ステップS2207B)する。次いで、CPU56は、今回の大当りを開始する前に第1KT状態または第2KT状態に制御されていたか否かを確認する(ステップS2208B)。なお、大当りを開始する前に第1KT状態または第2KT状態に制御されていたか否かは、例えば、大当り遊技を開始する前の第2特別図柄停止処理において、大当り開始前に第1KT状態であったことを示す第1KT記憶フラグや第2KT状態であったことを示す第2KT記憶フラグをセットしておき、ステップS2208Bでは、これら第1KT記憶フラグまたは第2KT記憶フラグがセットされているか否かを確認するようにすればよい。大当り開始前に第1KT状態でも第2KT状態でもなかった場合には、第1KTフラグをセットして第1KT状態に移行する(ステップS2209B)。大当り開始前に第1KT状態または第2KT状態であった場合には、第2KTフラグをセットして第2KT状態に移行する(ステップS2210B)。そして、ステップS2216Bに移行する。
ステップS2208B〜S2210Bの処理が実行されることによって、この実施の形態では、第2特別図柄の変動表示にもとづいて16R確変大当りとなった場合には、大当り開始前にKT状態であった場合にのみ第2KT状態に移行するようにし、大当り開始前に非KT状態であった場合には第1KT状態に移行するように構成している。すなわち、既に説明したように、この実施の形態では、非KT状態(低確率/非KT状態)では、左打ち操作を行うように構成されており主として第1特別図柄の変動表示が実行されることを想定して構成されている。ところが、第2特別図柄の変動表示により16R確変大当りが発生した場合に無条件に第2KT状態に移行されるように構成してしまったのでは、非KT状態でも敢えて右打ち操作を行って第2KT状態に移行させることが可能となってしまい、本来の遊技性を損ね不必要に射幸性を高めるおそれがある。そこで、この実施の形態では、第2特別図柄の変動表示にもとづいて16R確変大当りとなった場合には、大当り開始前にKT状態であった場合にのみ第2KT状態に移行するようにして、そのような事態を防止し、非KT状態では遊技者に左打ち操作を促すようにしている。
16R確変大当りでなければ、CPU56は、今回終了した大当りの種別が6R確変大当りまたは2R確変大当りであるか否かを確認する(ステップS2211B)。なお、6R確変大当りまたは2R確変大当りであるか否かは、例えば、第2特別図柄通常処理のステップS161Bで記憶した大当り種別を確認することにより判定できる。6R確変大当りまたは2R確変大当りであれば、CPU56は、確変フラグをセットして確変状態(高確率状態)に移行する(ステップS2212B)とともに、第1KTフラグをセットして第1KT状態に移行する(ステップS2213B)。そして、ステップS2216Bに移行する。
6R確変大当りおよび2R確変大当りのいずれでもなければ(すなわち、2R通常大当りであれば)、CPU56は、第1KTフラグをセットして第1KT状態に移行する(ステップS2214B)。また、CPU56は、KT回数カウンタに「100」をセットする(ステップS2215B)。そして、ステップS2216Bに移行する。
そして、CPU56は、第2特別図柄プロセスフラグの値を第2特別図柄通常処理(ステップS350)に対応した値に更新する(ステップS2216B)。
次に、演出制御手段の動作を説明する。図30は、演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ200(具体的には、演出制御用CPU201)が実行するメイン処理を示すフローチャートである。演出制御用CPU201は、電源が投入されると、メイン処理の実行を開始する。メイン処理では、まず、RAM領域のクリアや各種初期値の設定、また演出制御の起動間隔を決めるためのタイマの初期設定等を行うための初期化処理を行う(ステップS701)。その後、演出制御用CPU201は、タイマ割込フラグの監視(ステップS702)を行うループ処理に移行する。タイマ割込が発生すると、演出制御用CPU201は、タイマ割込処理においてタイマ割込フラグをセットする。メイン処理において、タイマ割込フラグがセットされていたら、演出制御用CPU201は、そのフラグをクリアし(ステップS703)、以下の演出制御処理を実行する。
演出制御処理において、演出制御用CPU201は、まず、受信した演出制御コマンドを解析し、受信した演出制御コマンドに応じたフラグをセットする(コマンド解析処理:ステップS704)。次いで、演出制御用CPU201は、第1飾り図柄プロセス処理を行う(ステップS705A)。第1飾り図柄プロセス処理では、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態(第1演出制御プロセスフラグ)に対応した処理を選択して第1可変表示部9aの表示制御を実行する。また、第2飾り図柄プロセス処理を行う(ステップS705B)。第2飾り図柄プロセス処理では、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態(第2演出制御プロセスフラグ)に対応した処理を選択して第2可変表示部9bの表示制御を実行する。また、背景図柄表示部9cの表示状態の制御を行う背景図柄プロセス処理を実行する(ステップS706)。また、大当り遊技中やKT状態(第2KT状態)中に獲得した賞球数を示す賞球数表示の表示を制御する賞球数表示処理を実行する(ステップS707)。また、図柄保留記憶表示部18cの表示状態の制御を行う保留記憶表示制御処理を実行する(ステップS708)。また、予告決定用乱数などの乱数を生成するためのカウンタのカウンタ値を更新する乱数更新処理を実行する(ステップS709)。その後、ステップS702に移行する。
図31〜図33は、コマンド解析処理(ステップS704)の具体例を示すフローチャートである。主基板31から受信された演出制御コマンドは受信コマンドバッファに格納されるが、コマンド解析処理では、演出制御用CPU201は、コマンド受信バッファに格納されているコマンドの内容を確認する。
コマンド解析処理において、演出制御用CPU201は、まず、コマンド受信バッファに受信コマンドが格納されているか否か確認する(ステップS611)。格納されているか否かは、コマンド受信個数カウンタの値と読出ポインタとを比較することによって判定される。両者が一致している場合が、受信コマンドが格納されていない場合である。コマンド受信バッファに受信コマンドが格納されている場合には、演出制御用CPU201は、コマンド受信バッファから受信コマンドを読み出す(ステップS612)。なお、読み出したら読出ポインタの値を+2しておく(ステップS613)。+2するのは2バイト(1コマンド)ずつ読み出すからである。
受信した演出制御コマンドが変動パターンコマンドであれば(ステップS614)、演出制御用CPU201は、受信した変動パターンコマンドを、RAMに形成されている変動パターンコマンド格納領域に格納する(ステップS615)。そして、変動パターンコマンド受信フラグをセットする(ステップS616)。
受信した演出制御コマンドが表示結果指定コマンドであれば(ステップS617)、演出制御用CPU201は、受信した表示結果指定コマンド(表示結果1指定コマンド〜表示結果4指定コマンド)を、RAMに形成されている表示結果指定コマンド格納領域に格納する(ステップS618)。
受信した演出制御コマンドが図柄確定指定コマンドであれば(ステップS619)、演出制御用CPU201は、確定コマンド受信フラグをセットする(ステップS620)。確定コマンド受信フラグは、図柄確定指定コマンドを正常に受信したことを示すフラグである。
受信した演出制御コマンドが第1大当り開始指定コマンドまたは第2大当り開始指定コマンドであれば(ステップS621)、演出制御用CPU201は、第1大当り開始指定コマンド受信フラグまたは第2大当り開始指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS622)。なお、この実施の形態では、ステップS622でセットされる第1大当り開始指定コマンド受信フラグ、第2大当り開始指定コマンド受信フラグのことを、ファンファーレフラグともいう。
受信した演出制御コマンドが大当り終了指定コマンドであれば(ステップS623)、演出制御用CPU201は、大当り終了指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS624)。なお、この実施の形態では、ステップS624でセットされる大当り終了指定コマンド受信フラグのことを、エンディングフラグともいう。
受信した演出制御コマンドが小当り開始指定コマンドであれば(ステップS625)、演出制御用CPU201は、小当り開始指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS626)。
受信した演出制御コマンドが小当り終了指定コマンドであれば(ステップS627)、演出制御用CPU201は、小当り終了指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS628)。
受信した演出制御コマンドが低確/非KT背景指定であれば(ステップS630)、演出制御用CPU201は、演出表示装置9に表示する背景画面を低確率/非KT状態に応じた背景画面(例えば、青色の表示色の背景画面)に変更する(ステップS631)。また、演出制御用CPU201は、セットされていれば、第1KT状態であることを示す第1KT状態フラグをリセットする(ステップS632)。また、演出制御用CPU201は、大当り遊技中やKT状態(第1KT状態、第2KT状態)中に獲得した賞球数をカウントするための賞球数カウンタをリセットする(ステップS633)とともに、演出表示装置9において賞球数表示が表示されていれば、賞球数表示を消去する制御を行う(ステップS634)。
受信した演出制御コマンドが低確/第1KT背景指定であれば(ステップS635)、演出制御用CPU201は、演出表示装置9に表示する背景画面を低確率/第1KT状態に応じた背景画面(例えば、緑色の表示色の背景画面)に変更する(ステップS636)。また、演出制御用CPU201は、第1KT状態フラグをセットする(ステップS637)。また、演出制御用CPU201は、セットされていれば、確変状態であることを示す確変状態フラグや、第2KT状態であることを示す第2KT状態フラグをリセットする(ステップS638)。
受信した演出制御コマンドが高確/第1KT背景指定であれば(ステップS640)、演出制御用CPU201は、演出表示装置9に表示する背景画面を高確率/第1KT状態に応じた背景画面(例えば、黄色の表示色の背景画面)に変更する(ステップS641)。また、演出制御用CPU201は、確変状態フラグおよび第1KT状態フラグをセットする(ステップS642)。また、演出制御用CPU201は、セットされていれば、第2KT状態フラグをリセットする(ステップS643)。
受信した演出制御コマンドが高確/第2KT背景指定であれば(ステップS645)、演出制御用CPU201は、演出表示装置9に表示する背景画面を高確率/第2KT状態に応じた背景画面(例えば、赤色の表示色の背景画面)に変更する(ステップS646)。また、演出制御用CPU201は、確変状態フラグおよび第2KT状態フラグをセットする(ステップS647)。また、演出制御用CPU201は、セットされていれば、第1KT状態フラグをリセットする(ステップS648)。
受信した演出制御コマンドが大入賞口入賞指定コマンドであれば(ステップS650)、演出制御用CPU201は、大入賞口への遊技球の入賞が発生したことを示す大入賞口入賞フラグをセットする(ステップS651)とともに、賞球数カウンタに15(大入賞口への1入賞あたりの賞球数に相当)を加算する(ステップS652)。
受信した演出制御コマンドが特殊賞口入賞指定コマンドであれば(ステップS653)、演出制御用CPU201は、特殊入賞口24への遊技球の入賞が発生したことを示す特殊入賞口入賞フラグをセットする(ステップS654)とともに、賞球数カウンタに15(特殊入賞口24への1入賞あたりの賞球数に相当)を加算する(ステップS655)。
なお、この実施の形態では、大入賞口に遊技球が入賞したときと特殊入賞口24に遊技球が入賞したときとで賞球数が同じ15個である場合を示しているが、そのような態様にかぎられない。例えば、大入賞口に遊技球が入賞したときには賞球数を15個とする一方で、特殊入賞口24に遊技球が入賞したときには賞球数を10個とするなど、賞球数を異ならせてもよい。
受信した演出制御コマンドが客待ちデモ表示指定コマンドであれば(ステップS660)、演出制御用CPU201は、演出表示装置9において客待ちデモンストレーション表示を開始する制御を行う(ステップS661)。
受信した演出制御コマンドがその他のコマンドであれば、演出御用CPU101は、受信した演出制御コマンドに応じたフラグをセット、または処理を実行する(ステップS670)。そして、ステップS611に移行する。
[賞球表示について]
次に、本実施の形態における賞球数を表示する際の演出図面について説明する。本実施の形態では、各種遊技状態に応じて付与される遊技価値としての賞球に関する表示の表示態様が異なっている。各遊技状態における表示のさせ方について以下に説明する。図34は、大当り状態中およびKT状態中の演出態様の具体例を示す説明図である。
図34(A)に示すように、16R確変大当り遊技中においては、演出表示装置9の画面上で大当りの演出が実行される。また、大当り遊技中に大入賞口に入賞した遊技球に基づいて画面右上の総獲得数表示画像158F001の数値が加算更新される。総獲得数表示画像158F001は、通常状態に制御されるまで表示される。大当り遊技中では、大入賞口に遊技球が入賞する毎に総獲得数表示画像158F001の数値が15pt加算更新される。図34(A)に示す16R確変大当りの後は、図34(B)に示すように第2KT状態へと制御される。
図34(B)に示す様に、第2KT状態中は、演出表示装置9の画面上に先ほど制御されていた16R確変大当りの履歴を示す履歴アイコン画像158F002が表示される。履歴アイコン画像158F002には、第2KT状態に制御される前の16R確変大当り遊技状態で付与された賞球数を示す2400の数値も合わせて表示される。また、総獲得数表示画像158F001には、履歴アイコン画像158F002と同じ2400個獲得したことを示す数値が表示される。
第2KT状態中に小当りが発生した場合には、図34(C)のように表示される。図34(C)に示すように小当りが発生した場合には、演出表示装置9の画面において賞球増加画像として「小当り発生!」の小当り画像158F003が表示されるとともに、「+15」の賞球画像158F004が表示される。また、履歴アイコン画像158F002に第2KT状態中に付与された小当りによる賞球が即座に更新して表示される。また、総獲得数表示画像158F001には、大当り遊技中と第2KT状態中とに獲得した賞球数の総数が表示される。
ここで、履歴アイコン画像158F002の表示態様は、第2KT状態中に獲得した賞球の総数により表示態様が段階的に変化する。例えば、第2KT状態中の獲得総数が0〜200のときの表示態様は白色の表示であり、第2KT状態中の獲得総数が201〜400のときの表示態様は青色の表示であり、第2KT状態中の獲得総数が401〜600のときの表示態様は赤色の表示であり、第2KT状態中の獲得総数が601以上のときの表示態様は虹色の表示となる。このように、第2KT状態中の総獲得数が200増加する毎に表示態様が変化する。図34(C)は、履歴アイコン画像158F002が青色の表示態様となっている状態を示している。なお、履歴アイコン画像158F002の表示態様は、大当り遊技中も含めた総獲得数により段階的に変化するようにしてもよい。
次に、第2KT状態中に6R確変大当りに当選した場合には、図34(D)に示すように、6R確変大当りを示す演出が演出表示装置9の画面上に表示される。6R確変大当り中は、大当り遊技中に大入賞口に入賞した遊技球に基づいて画面右上の総獲得数表示画像158F001の数値が加算更新される。なお、6R確変大当り中に履歴アイコン画像158F002を表示し、その数値が加算更新されるようにしてもよい。また、16R確変大当りと6R確変大当りとで履歴アイコン画像158F002が別々に表示されるようにし、6R確変大当りの履歴アイコン画像158F002の数値が加算更新されるようにしてもよい。
次いで、6R大当り終了後に第1KT状態に制御された場合について説明する。図34(E)は、第1KT状態中に小当りが発生したときの演出表示装置9の画面を示している。第1KT状態中においては、小当りが発生したとしても総獲得数表示画像158F001および履歴アイコン画像158F002の数値が加算更新されることはない。なお、第1KT状態中において小当りが発生した場合には、総獲得数表示画像158F001と履歴アイコン画像158F002とのうちいずれか一方の数値のみ更新するようにしてもよい。
その後、第1KT状態中において16R確変大当りが発生した場合には、図34(F)に示すように、16R確変大当りを示す演出が演出表示装置9の画面上に表示される。16R確変大当り中は、大当り遊技中に大入賞口に入賞した遊技球に基づいて画面右上の総獲得数表示画像158F001の数値が加算更新される。図34(F)に示す16R確変大当りの後は、図34(G)に示すように第2KT状態へと制御される。
図34(G)に示すように、第2KT状態中において履歴アイコン画像158F002が2つ表示される。履歴アイコン画像158F002は、16R確変大当りから次の16確変大当りが開始するまでの区間を1区間として1つ表示される。左側の履歴アイコン画像158F002は、1回目の16R確変大当り中の賞球数、第2KT状態中の小当り遊技により獲得した賞球数、および、6R確変大当り中の賞球数が総数として表示される。また、右側の履歴アイコン画像158F002は、2回目の16R確変大当り中の賞球数が総数として表示される。また、総獲得数表示画像158F001には、2つの履歴アイコン画像158F002の総数が表示される。
第2KT状態中に小当りが発生した場合には、図34(H)に示すように、「小当り発生!」の小当り画像158F003が表示されるとともに、「+15」の賞球画像158F004が表示される。また、右側の履歴アイコン画像158F002に第2KT状態中に付与された小当りによる賞球が即座に更新して表示される。また、総獲得数表示画像158F001には、大当り遊技中と第2KT状態中とに獲得した賞球数の総数が表示される。今回の第2KT状態中では、600個の賞球が発生している。よって、右側の履歴アイコン画像158F002の表示態様が赤色の表示態様へと変更される。
図34(C)に示すように、第2KT状態中に付与された賞球と、第2KT状態に制御される前の16R確変大当り遊技状態で付与された賞球とを合わせて履歴アイコン画像158F002として表示可能である。このようにすれば、16R確変大当り遊技状態で獲得した賞球の表示と、第2KT状態で獲得した賞球の表示との制御を好適に実行することができる。例えば、履歴アイコン画像158F002により、第2KT状態に突入前の16R確変大当りで獲得した賞球数および第2KT状態中に獲得した賞球数が合算して表示されるので、この区間にどれくらいの賞球があったのか容易に把握できる。
また、図34(B)に示すように、第2KT状態に制御される前の16R確変大当り遊技状態で付与された賞球を履歴アイコン画像158F002として表示可能である。このようにすれば、付与された賞球の履歴が認識可能となり、遊技の興趣を向上させることができる。
また、図34(C)に示すように、履歴アイコン画像158F002に第2KT状態中に付与された小当りによる賞球を即座に更新して表示可能である。このようにすれば、一連の区間において付与された賞球の履歴が認識可能となり、遊技の興趣を向上させることができる。
また、図34に示すように、履歴アイコン画像158F002が対象とする区間とは異なる連続した大当り遊技状態の区間における総獲得数表示画像158F001を表示可能である。このようにすれば、連続した大当り遊技状態の区間において付与された賞球の履歴が認識可能となり、遊技の興趣を向上させることができる。
また、図34(C),(H)に示すように、第2KT状態で付与された賞球数が所定の段階として決められた数値以上の場合に履歴アイコン画像158F002の表示態様を段階に応じた色に変化させるように制御される。このようにすれば、履歴アイコン画像158F002の表示態様により遊技者に優越感を与えることで遊技の興趣を向上させることができる。
また、図34(E)に示すように、第2KT状態中以外の第1KT状態中に小当り遊技状態に制御されたときに付与された賞球は総獲得数表示画像158F001に加算表示しないように制御される。このようにすれば、現在の状態が第2KT状態であると勘違いしてしまうことを防止することができる。
また、図34(G)に示すように、第2KT状態中に付与された賞球と、第2KT状態に制御された後の6R確変大当り遊技中に付与された賞球とを合わせて履歴アイコン画像158F002として表示可能である。このようにすれば、大当り遊技中に獲得した賞球を示す表示と、第2KT状態中に獲得した賞球を示す表示との制御を好適に実行することができる。
次に、各遊技状態において獲得した賞球を表示する処理について説明する。図35〜図37は、賞球数表示処理(ステップS707)を示すフローチャートである。賞球数表示処理において、演出制御用CPU201は、まず、大入賞口入賞フラグがセットされているか否かを確認する(ステップ158FS001)。大入賞口入賞フラグがセットされていれば(すなわち、大入賞口への入賞が発生していれば(ステップ158FS001でY))、演出制御用CPU201は、大入賞口入賞フラグをリセットし(ステップ158FS002)、ステップ158FS003に移行する。一方、大入賞口入賞フラグがセットされていなければ(すなわち、大入賞口への入賞が発生していなければ(ステップ158FS001でN))、演出制御用CPU201は、ステップ158FS008に移行する。
ステップ158FS003では、演出制御用CPU201は、賞球増加演出の実行中であることを示す賞球増加演出実行中フラグがセットされているか否かを確認する。賞球増加演出実行中フラグがセットされていれば(すなわち、既に賞球増加演出の実行中であれば(ステップ158FS003でY))、演出制御用CPU201は、ステップ158FS009に移行する。一方、賞球増加演出実行中フラグがセットされていなければ(すなわち、まだ賞球増加演出が実行されていなければ(ステップ158FS003でN))、演出制御用CPU201は、演出表示装置9において総獲得数表示(総獲得数表示画像158F001の数値)を増加させる演出を開始する(ステップ158FS004)。また、演出制御用CPU201は、賞球増加演出実行中フラグをセットする(ステップ158FS005)。そして、ステップ158FS006に移行する。
ステップ158FS006では、演出制御用CPU201は、現在の遊技が16R確変大当りであるか否かを判定する。現在の遊技が16R確変大当りである場合には(ステップ158FS006でY)、演出制御用CPU201は、大当りアイコン表示フラグをセットし、(ステップ158FS007)、ステップ158FS011に移行する。一方、現在の遊技が16R確変大当りでない場合には(ステップ158FS006でN)、演出制御用CPU201は、ステップ158FS007の処理を行わずに、ステップ158FS011に移行する。ステップ158FS006、ステップ158FS007の処理により、16R確変大当りに制御される毎に履歴アイコン画像158F002が表示される。16R確変大当りか否かは、表示結果指定コマンドの値を確認すればよい。
なお、大当りアイコン(履歴アイコン画像158F002)は、大当りの種類に関係なく大当り毎に表示されるようにしてもよい。このような場合には、大当りの種類により大当りアイコン(履歴アイコン画像158F002)の表示態様が異なるようにすることが望ましい。具体的には、大当りの種類毎にフラグをセットし、そのセットされたフラグをステップ158FS006で確認することにより大当りの種類に対応した履歴アイコン画像158F002をステップ158FS007の処理によって表示してもよい。また、第2KT状態に制御されるときにおいては、直前の16R確変大当りに対応する履歴アイコンの数値を更新すればよい。
ステップ158FS008では、演出制御用CPU201は、賞球増加演出実行中フラグがセットされているか否かを判定する。賞球増加演出実行中フラグがセットされている場合には(ステップ158FS008でY)、演出制御用CPU201は、ステップ158FS009に移行する。一方、賞球増加演出実行中フラグがセットされていない場合には(ステップ158FS008でN)、演出制御用CPU201は、ステップ158FS011に移行する。
ステップ158FS009では、演出制御用CPU201は、賞球増加演出が終了したか否かを判定する。賞球増加演出が終了した場合には(ステップ158FS009でY)、演出制御用CPU201は、賞球増加演出実行中フラグをリセットし(ステップ158FS010)、ステップ158FS011に移行する。一方、賞球増加演出が終了していない場合には(ステップ158FS009でN)、演出制御用CPU201は、ステップ158FS010の処理を行わずに、ステップ158FS011に移行する。なお、賞球増加演出の終了タイミングとなっているか否かは、例えば、賞球増加演出を開始するときに、賞球増加演出の演出期間を計測するためのタイマをセットしておき、そのタイマがタイムアウトしたか否かを確認することにより判定できる。
ステップ158FS011では、演出制御用CPU201は、特殊入賞口入賞フラグがセットされているか否かを判定する。特殊入賞口入賞フラグがセットされていれば(すなわち、特殊入賞口24への入賞が発生していれば(ステップ158FS011でY))、演出制御用CPU201は、特殊入賞口入賞フラグをリセットし(ステップ158FS012)、ステップ158FS013に移行する。一方、特殊入賞口入賞フラグがセットされていなければ(すなわち、特殊入賞口24への入賞が発生していなければ(ステップ158FS011でN))、演出制御用CPU201は、ステップ158FS025に移行する。
ステップ158FS013では、演出制御用CPU201は、第2KT状態フラグがセットされているか否かを判定する。第2KT状態フラグがセットされていれば(すなわち、第2KT状態中であれば(ステップ158FS013でY))、演出制御用CPU201は、ステップ158FS014に移行する。一方、第2KT状態フラグがセットされていなければ(ステップ158FS013でN)、演出制御用CPU201は、ステップ158FS023に移行する。
ステップ158FS023では、演出制御用CPU201は、第1KT状態フラグがセットされているか否かを判定する。第1KT状態フラグがセットされている場合には(ステップ158FS023でY)、演出制御用CPU201は、演出無しに設定し(ステップ158FS024)、処理を終了する。一方、第1KT状態フラグがセットされていない場合には(ステップ158FS023でN)、演出制御用CPU201は、ステップ158FS024の処理を行わずに、処理を終了する。
また、ステップ158FS014では、演出制御用CPU201は、特殊入賞口の入賞数カウンタの値を確認し、ステップ158FS015に移行する。特殊入賞口へのカウント数は入賞毎に記憶されている。ステップ158FS015では、演出制御用CPU201は、第2KT状態中での賞球数が所定の段階として決められた数値以上であるか否かを判定する。第2KT状態中での賞球数が所定の段階として決められた数値以上である場合には(ステップ158FS015でY)、演出制御用CPU201は、アイコンの表示態様を段階に応じた色に変更し(ステップ158FS016)、ステップ158FS017に移行する。一方、第2KT状態中での賞球数が所定の段階として決められた数値未満である場合には(ステップ158FS015でN)、演出制御用CPU201は、ステップ158FS016の処理を行わずに、ステップ158FS017に移行する。
ステップ158FS017では、演出制御用CPU201は、入賞演出実行中フラグがセットされているか否かを判定する。入賞演出実行中フラグがセットされている場合には(ステップ158FS017でY)、演出制御用CPU201は、入賞演出待機数カウンタを+1し(ステップ158FS018)、ステップ158FS025に移行する。一方、入賞演出実行中フラグがセットされていない場合には(ステップ158FS017でN)、演出制御用CPU201は、賞球増加表示として演出表示装置9の画面において賞球増加画像として「小当り発生!」の小当り画像158F003を表示するとともに、「+15」の賞球画像158F004を表示する(ステップ158FS019)。そして、総獲得数表示を増加させる演出を開始する(ステップ158FS020)。また、演出制御用CPU201は、アイコン(履歴アイコン画像158F002)の獲得数表示を増加させる演出を開始し(ステップ158FS021)、入賞演出実行中フラグをセットし(ステップ158FS022)、ステップ158FS025に移行する。
ステップ158FS025では、演出制御用CPU201は、入賞演出実行中フラグがセットされているか否かを判定する。入賞演出実行中フラグがセットされている場合には(ステップ158FS025でY)、演出制御用CPU201は、ステップ158FS026に移行する。一方、入賞演出実行中フラグがセットされていない場合には(ステップ158FS025でN)、演出制御用CPU201は、処理を終了する。
ステップ158FS026では、演出制御用CPU201は、入賞演出の終了タイミングであるか否かを判定する。入賞演出の終了タイミングである場合には(ステップ158FS026でY)、演出制御用CPU201は、各種入賞演出を終了し(ステップ158FS027)、ステップ158FS028に移行する。一方、入賞演出の終了タイミングでない場合には(ステップ158FS026でN)、演出制御用CPU201は、処理を終了する。
ステップ158FS028では、演出制御用CPU201は、入賞演出待機数カウンタの値が0であるか否かを判定する。入賞演出待機数カウンタの値が0である場合には(ステップ158FS028でY)、演出制御用CPU201は、入賞演出実行中フラグをリセットし(ステップ158FS033)、処理を終了する。一方、入賞演出待機数カウンタの値が0でない場合には(ステップ158FS028でN)、演出制御用CPU201は、入賞演出待機数カウンタを−1し(ステップ158FS029)、賞球増加表示を表示する(ステップ158FS030)。また、演出制御用CPU201は、総獲得数表示を増加させる演出を開始し(ステップ158FS031)、アイコンの獲得数表示を増加させる演出を開始し(ステップ158FS032)、処理を終了する。
ステップアップ158FS014〜158FS016に示すように、第2KT状態で付与された賞球数が所定の段階として決められた数値以上の場合に履歴アイコン画像158F002の表示態様を段階に応じた色に変化させるように制御される。このようにすれば、履歴アイコン画像158F002の表示態様により遊技者に優越感を与えることで遊技の興趣を向上させることができる。より具体的には、第2KT状態で得られる小当り当選による賞球が多くなるに連れて履歴アイコン画像158F002の表示態様が変化していくため、色の変化により獲得した価値を知ることができる。
また、ステップ158FS023、158F024に示すように、第2KT状態中以外の第1KT状態中に小当り遊技状態に制御されたときに付与された賞球は総獲得数表示画像158F001に加算表示しないように制御される。このようにすれば、現在の状態が第2KT状態中であると勘違いしてしまうことを防止することができる。なお、第1KT状態中に小当りに制御された場合には、履歴アイコン画像158F002の数値は更新しないが、総獲得数表示画像158F001の数値は更新するようにしてもよい。
また、本実施の形態では、大入賞口や特殊入賞口24への入賞が発生したことにもとづいて賞球増加演出を実行する場合について説明した。しかし、いわゆる一般入賞口(入賞しても可変入賞球装置の開放などは行われず、所定個数(例えば、5個)の賞球の払い出しのみが行われる入賞口)を備えるように構成した遊技機において、一般入賞口への入賞が発生した場合にも賞球増加演出を実行してもよい。このような場合には、第2KT状態中に一般入賞口に入賞した賞球数を履歴アイコン画像158F002の数値および総獲得数表示画像158F001の数値に加算更新するようにしてもよい。
[賞球表示の変形例について]
次に、賞球に関する表示の変形例について説明する。図38は、大当り状態中およびKT状態中の演出態様の具体例を示す説明図である。図38(A)に示す16R確変大当りの後は、図38(B)に示すように第2KT状態へと制御される。各表示については、前述した図34(A),(B)の表示と同じであるため説明を省略する。
変形例においては、図38(C)に示すように、第2KT状態に制御される前の大当り遊技状態で付与された賞球の表示と、第2KT状態中に付与された賞球の表示とが別々に表示される。具体的には、第2KT状態中に小当りが発生した場合には、演出表示装置9の画面において賞球増加画像として「小当り発生!」の小当り画像158F003が表示されるとともに、「+15」の賞球画像158F004が表示される。また、履歴アイコン画像158F002の右側に小当り履歴アイコン画像158F005が表示される。そして、小当り履歴アイコン画像158F005に第2KT状態中に付与された小当りによる賞球が即座に更新して表示される。また、総獲得数表示画像158F001には、大当り遊技中と第2KT状態中とに獲得した賞球数の総数が表示される。なお、小当り履歴アイコン画像158F005の表示タイミングは、第2KT状態に制御された後にすぐ表示されるようにし、そのときの数値は0が表示されるようにしてもよい。
また、図38(C)に示すように、小当り履歴アイコン画像158F005の表示態様は、第2KT状態中に獲得した賞球の総数により表示態様が段階的に変化する。例えば、第2KT状態中の獲得総数が0〜200のときの表示態様は白色の表示であり、第2KT状態中の獲得総数が201〜400のときの表示態様は青色の表示であり、第2KT状態中の獲得総数が401〜600のときの表示態様は赤色の表示であり、第2KT状態中の獲得総数が601以上のときの表示態様は虹色の表示となる。このように、第2KT状態中の総獲得数が200増加する毎に表示態様が変化する。図38(C)は、小当り履歴アイコン画像158F005が青色の表示態様となっている状態を示している。
第2KT状態中において16R確変大当りに当選した場合には、図38(D),(E)に示すように、第2KT状態に制御される前の大当り遊技状態で付与された賞球の表示と、第2KT状態中に付与された賞球の表示とを組合せる組合せ演出が実行される。具体的に、図38(D)に示すように、大当りの開始時に大当り遊技中に獲得した賞球数を示す総獲得数表示画像158F001の数値と、第2KT状態中に獲得した賞球数を示す小当り履歴アイコン画像158F005の数値とが、画面上に表示される。そして、図38(E)に示すように、それら2つの数値が合算され、合計値が画面上に大きく表示される。
その後、16R確変大当り後に制御される第2KT状態において、再度16R確変大当りに当選すると、図38(F)に示すように、16R確変大当り遊技中においては、演出表示装置9の画面上で大当りの演出が実行される。なお、このように、最も有利な大当りである16R確変に連続して当選した場合には、演出の態様を変更するようにしてもよい。
図38(F)の後に制御される第2KT状態において小当りが発生したしときの様子を図38(G)において説明する。図38(G)に示すように、第2KT状態中に小当りが発生した場合には、演出表示装置9の画面において賞球増加画像として「小当り発生!」の小当り画像158F003が表示されるとともに、「+15」の賞球画像158F004が表示される。また、履歴アイコンとして、1回目の16R大当りおよびその後の第2KT状態中の賞球数を合わせた履歴アイコン画像158F002が画面の左側に表示される。また、その右側には、2回目の16R確変大当りにおいて獲得した賞球数を示す履歴アイコン画像158F002が表示される。さらに、その右側には、現在の第2KT状態中に獲得した小当りにおける賞球を示す小当り履歴アイコン画像158F005が表示される。
図38(G)において、第2KT状態中の賞球は600個である。よって、小当り履歴アイコン画像158F005が赤色の表示態様で表示される。また、小当り履歴アイコン画像158F005では、第2KT状態中に付与された小当りによる賞球が即座に更新して表示される。また、総獲得数表示画像158F001には、2回の大当り遊技中と第2KT状態中とに獲得した賞球数の総数が表示される。
図38(C)に示すように、大当り遊技状態で付与された賞球と、第2KT状態中に付与された賞球とを別々の履歴アイコン画像158F002および小当り履歴アイコン画像158F005として表示可能である。このようにすれば、大当り遊技状態中に獲得した賞球を示す表示と、第2KT状態中に獲得した賞球を示す表示との制御を好適に実行することができる。
また、図38(C)に示すように、第2KT状態に制御される前の大当り遊技状態で付与された賞球を履歴アイコン画像158F002として表示可能である。このようにすれば、付与された賞球の履歴が認識可能となり、遊技の興趣を向上させることができる。
また、図38(C)に示すように、小当り履歴アイコン画像158F005に第2KT状態中に付与された小当りによる賞球を即座に更新して表示可能である。このようにすれば、一連の区間において付与された賞球の履歴が認識可能となり、遊技の興趣を向上させることができる。
また、図38に示すように、履歴アイコン画像158F002および小当り履歴アイコン画像158F005が対象とする区間とは異なる連続した大当り遊技状態の区間における総獲得数表示画像158F001を表示可能である。このようにすれば、連続した大当り遊技状態の区間において付与された賞球の履歴が認識可能となり、遊技の興趣を向上させることができる。
また、図38の(C),(G)に示すように、第2KT状態で付与された賞球数が所定の段階として決められた数値以上の場合に小当り履歴アイコン画像158F005の表示態様が段階に応じた色に変化する。このようにすれば、履歴画像の表示態様により遊技者に優越感を与えることで遊技の興趣を向上させることができる。
なお、変形例においても第2KT状態中以外の第1KT状態中に小当り遊技状態に制御されたときに付与された賞球は総獲得数表示画像158F001に加算表示しないように制御される。このようにすれば、第2KT状態中であると勘違いしてしまうことを防止することができる。
また、図38(C)に示すように、第2KT状態に制御される前の大当り遊技状態で付与された賞球の表示と、第2KT状態中に付与された賞球の表示とを別々に表示可能である。そして、図38(D),(E)に示すように、第2KT状態に制御される前の大当り遊技状態で付与された賞球の表示と、第2KT状態中に付与された賞球の表示とを組合せる組合せ演出が実行される。このようにすれば、組合せ演出により特別感を与えることで遊技の興趣を向上させることができる。
なお、特別演出としての組合せ演出は、賞球数が所定数以上であるときには実行され、所定数未満であるときには実行されないようにしてもよい。具体的には、第2KT状態中に付与された賞球数が600個以上であるときは組合せ演出を実行し、第2KT状態中に付与された賞球数が600個未満であるときは組合せ演出を実行しないようにしてもよい。このようにすれば、付与された賞球が所定数未満であるときは組合せ演出が実行されないので組合せ演出が複数回繰返されるストレスを防止することができ、付与された賞球が所定数以上であるときには組合せ演出により特別感を与えることで遊技の興趣を向上させることができる。
また、第2KT状態に制御される前の大当り遊技状態で付与された賞球の表示と、第2KT状態中に付与された賞球の表示と、第2KT状態に制御された後の大当り遊技状態で付与された賞球の表示とを別々に表示してもよい。つまり、図38(C)の状態からさらに大当りが発生した場合には、小当り履歴アイコン画像158F005の右側に大当りに対応する履歴アイコン画像158F002を表示してもよい。そして、第2KT状態に制御される前の大当り遊技状態で付与された賞球の表示と、第2KT状態中に付与された賞球の表示と、第2KT状態に制御された後の大当り遊技状態で付与された賞球の表示とを組合せる組合せ演出を実行するようにしてもよい。このようにすれば、組合せ演出により特別感を与えることで遊技の興趣を向上することができる。
[第2実施形態について]
また、第2実施形態の賞球数表示について、以下のような処理を実行してもよい。前述したコマンド解析処理において、演出制御用CPU201は、演出表示装置9において第1KTパターンにより賞球数表示を表示する制御を行うようにしてもよい。例えば、演出表示装置9の表示画面の右上端部において賞球数表示を表示する。この場合、未だにいずれのパターンによる賞球数表示も表示されていなければ、新たに第1KTパターンにより賞球数表示を開始する制御を行う。また、既に、大当りパターンまたは第2KTパターンにより賞球数表示が行われていれば、第1KTパターンによる賞球数表示の表示に切り替える制御を行う。
また、前述したコマンド解析処理において、演出制御用CPU201は、演出表示装置9において第2KTパターンにより賞球数表示を表示する制御を行うようにしてもよい。例えば、演出表示装置9の表示画面の中央付近において賞球数表示を表示する。この場合、未だにいずれのパターンによる賞球数表示も表示されていなければ、新たに第2KTパターンにより賞球数表示を開始する制御を行う。また、既に、大当りパターンまたは第1KTパターンにより賞球数表示が行われていれば、第1KTパターンによる賞球数表示の表示に切り替える制御を行う。
このような場合、大当り遊技中やKT状態(第1KT状態、第2KT状態)中に賞球数表示が行われるのであるが、KT状態を終了し低確率/非KT状態に戻ったときに賞球数カウンタの値がリセットされる(0にクリアされる)とともに賞球数表示の表示が終了するようになる。
賞球数表示処理の第2実施形態についてさらに説明する。図39〜図42は、賞球数表示処理(ステップS707)を示すフローチャートである。賞球数表示処理において、演出制御用CPU201は、まず、大入賞口入賞フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS500)。大入賞口入賞フラグがセットされていれば(すなわち、大入賞口への入賞が発生していれば)、演出制御用CPU201は、大入賞口入賞フラグをリセットし(ステップS501)、第1賞球増加演出の実行中であることを示す第1賞球増加演出実行中フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS502)。第1賞球増加演出実行中フラグがセットされていれば(すなわち、既に第1賞球増加演出の実行中であれば)、ステップS506に移行する。
第1賞球増加演出実行中フラグがセットされていなければ(すなわち、まだ第1賞球増加演出が実行されていなければ)、演出制御用CPU201は、演出表示装置9において第1速度で賞球数を1増加させる演出を開始し、第1賞球増加演出を開始する制御を行う(ステップS503)。また、演出制御用CPU201は、第1賞球増加演出実行中フラグをセットする(ステップS504)。そして、ステップS510に移行する。
この実施の形態では、大当り遊技中やKT状態(第1KT状態、第2KT状態)中に賞球数表示が表示されているのであるが、賞球数表示が表示されているときに大入賞口や特殊入賞口24に遊技球が入賞すると、賞球数表示で示される賞球数が1つずつ増加していくような態様の賞球増加演出が実行される。この実施の形態では、賞球増加演出には第1賞球増加演出〜第3賞球増加演出の3種類がある。第1賞球増加演出は、大当り遊技中に大当りパターンによる賞球数表示が表示されているときに、比較的高速の第1速度(例えば、0.1秒)で賞球数が1ずつ増加していくような態様で実行される演出である。また、第2賞球増加演出は、第1KT状態中に第1KTパターンによる賞球数表示が表示されているときに、比較的高速の第1速度(例えば、0.1秒)で賞球数が1ずつ増加していくような態様で実行される演出である。また、第3賞球増加演出は、第2KT状態中に第2KTパターンによる賞球数表示が表示されているときに、比較的低速の第2速度(例えば、0.5秒)で賞球数が1ずつ増加していくような態様で実行される演出である。
この実施の形態では、大入賞口入賞フラグがセットされていた(大入賞口への入賞が発生した)ということは、大当り遊技中であり大当りパターンによる賞球数表示が表示されている場合であるから、ステップS503において大当りパターンにより表示されている賞球数表示において第1速度で賞球数が1ずつ増加していく第1賞球増加演出が開始される。
大入賞口入賞フラグがセットされていなければ(すなわち、大入賞口への入賞が発生していなければ)、演出制御用CPU201は、第1賞球増加演出実行中フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS505)。第1賞球増加演出実行中フラグがセットされていなければ(すなわち、第1賞球増加演出の実行中でなければ)、ステップS510に移行する。
ステップS502またはステップS505で第1賞球増加演出実行中フラグがセットされていれば(すなわち、第1賞球増加演出の実行中であれば)、演出制御用CPU201は、賞球数表示において賞球数を1増加させる表示が終了したか否か(すなわち、賞球数を1増加させる演出を開始してから0.1秒経過したか否か)を確認する(ステップS506)。賞球数表示において賞球数を1増加させる表示が終了していれば、演出制御用CPU201は、賞球数が1増加した後の賞球数表示が賞球数カウンタで示される賞球数と一致する状態となったか否かを確認する(ステップS507)。賞球数が1増加した後の賞球数表示が賞球数カウンタで示される賞球数とまだ一致していなければ、演出制御用CPU201は、再び演出表示装置9において第1速度で賞球数を1増加させる演出を開始し、第1賞球増加演出を開始する制御を行う(ステップS508)。そして、ステップS510に移行する。
賞球数が1増加した後の賞球数表示が賞球数カウンタで示される賞球数と一致していれば、演出制御用CPU201は、第1賞球増加演出実行中フラグをリセットし(ステップS509)、第1賞球増加演出を終了する。そして、ステップS510に移行する。
この実施の形態では、大当り遊技中に大入賞口への入賞が発生した場合には、直ちに賞球15個の払出制御が行われる(ステップS30参照)とともに、直ちに賞球数カウンタに15が加算される(ステップS652参照)のであるが、ステップS500〜S509の処理が実行されることによって、賞球数表示は直ちに15が加算された値に更新されるのではなく、第1速度(本例では、0.1秒)で賞球数が1ずつ増加していくような態様で賞球数表示が更新される。従って、この実施の形態では、1回の大入賞口への入賞に対して、15個全ての賞球数の更新が終了するまで0.1秒×15=1.5秒をかけて賞球数表示の更新が行われることになる。なお、この場合、15個全ての賞球数の更新が終わる前に次の大入賞口への入賞が発生してしまう場合も考えられるが、例えば、15個の賞球のうちの5個目までしか賞球数の増加表示が行われていない段階で次の大入賞口への入賞が発生した場合であっても、引き続き次の6個目の賞球数が増加する態様の表示が行われ、新たな入賞で追加された分の賞球数も含めて全ての賞球数の増加表示が終わるまで、第1賞球増加演出が継続して実行されることになる(この場合、追加で発生した賞球数分も含めて3.0秒をかけて賞球数表示の更新が行われることになる)。ただし、この実施の形態では、第1賞球増加演出が実行される場合には、賞球数が更新されていく第1速度が0.1秒と比較的速いので、少なくとも大当り遊技を終了するまでには、全ての賞球数が増加する演出が終了するように構成されている。
次いで、演出制御用CPU201は、特殊入賞口入賞フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS510)。特殊入賞口入賞フラグがセットされていれば(すなわち、特殊入賞口24への入賞が発生していれば)、演出制御用CPU201は、特殊入賞口入賞フラグをリセットし(ステップS511)、第2KT状態フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS512)。第2KTフラグがセットされていれば(すなわち、第2KT状態中であれば)、ステップS523に移行する。第2KT状態フラグがセットされていなければ、演出制御用CPU201は、第1KT状態フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS513)。第1KT状態フラグもセットされていなければ(すなわち、非KT状態であれば)、そのまま処理を終了する。すなわち、非KT状態中に稀に特殊入賞口24への入賞が発生したとしても、そもそも賞球数表示が行われていないので、賞球増加演出を行うことなく、そのまま処理を終了する。
第1KT状態フラグがセットされていれば(すなわち、第1KT状態中であれば)、演出制御用CPU201は、第2賞球増加演出の実行中であることを示す第2賞球増加演出実行中フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS514)。第2賞球増加演出実行中フラグがセットされていれば(すなわち、既に第2賞球増加演出の実行中であれば)、ステップS519に移行する。
第2賞球増加演出実行中フラグがセットされていなければ(すなわち、まだ第2賞球増加演出が実行されていなければ)、演出制御用CPU201は、演出表示装置9において第1速度で賞球数を1増加させる演出を開始し、第2賞球増加演出を開始する制御を行う(ステップS515)。また、演出制御用CPU201は、第2賞球増加演出実行中フラグをセットする(ステップS516)。そして、ステップS540に移行する。
この実施の形態では、第1KT状態フラグがセットされていた(第1KT状態中)ということは、第1KTパターンによる賞球数表示が表示されている場合であるから、ステップS515において第1KTパターンにより表示されている賞球数表示において第1速度(本例では、0.1秒)で賞球数が1ずつ増加していく第2賞球増加演出が開始される。
特殊入賞口入賞フラグがセットされていなければ(すなわち、特殊入賞口24への入賞が発生していなければ)、第3賞球増加演出の実行中であることを示す第3賞球増加演出実行中フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS517)。第3賞球増加演出実行中フラグがセットされていれば(すなわち、第3賞球増加演出の実行中であれば)、ステップS533に移行する。第3賞球増加演出実行中フラグがセットされていなければ(すなわち、第3賞球増加演出が実行されていなければ)、演出制御用CPU201は、第2賞球増加演出実行中フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS518)。第2賞球増加演出実行中フラグがセットされていなければ(すなわち、第2賞球増加演出の実行中でなければ)、ステップS540に移行する。
ステップS514またはステップS518で第2賞球増加演出実行中フラグがセットされていれば(すなわち、第2賞球増加演出の実行中であれば)、演出制御用CPU201は、賞球数表示において賞球数を1増加させる表示が終了したか否か(すなわち、賞球数を1増加させる演出を開始してから0.1秒経過したか否か)を確認する(ステップS519)。賞球数表示において賞球数を1増加させる表示が終了していれば、演出制御用CPU201は、賞球数が1増加した後の賞球数表示が賞球数カウンタで示される賞球数と一致する状態となったか否かを確認する(ステップS520)。賞球数が1増加した後の賞球数表示が賞球数カウンタで示される賞球数とまだ一致していなければ、演出制御用CPU201は、再び演出表示装置9において第1速度で賞球数を1増加させる演出を開始し、第2賞球増加演出を開始する制御を行う(ステップS521)。そして、ステップS540に移行する。
賞球数が1増加した後の賞球数表示が賞球数カウンタで示される賞球数と一致していれば、演出制御用CPU201は、第2賞球増加演出実行中フラグをリセットし(ステップS522)、第2賞球増加演出を終了する。そして、ステップS540に移行する。
この実施の形態では、第1KT状態中に発生した小当り遊技において特殊入賞口24への入賞が発生した場合には、直ちに賞球15個の払出制御が行われる(ステップS30参照)とともに、直ちに賞球数カウンタに15が加算される(ステップS655参照)のであるが、ステップS510〜S522の処理が実行されることによって、賞球数表示は直ちに15が加算された値に更新されるのではなく、第1速度(本例では、0.1秒)で賞球数が1ずつ増加していくような態様で賞球数表示が更新される。従って、この実施の形態では、第1KT状態中では1回の特殊入賞口24への入賞に対して、15個全ての賞球数の更新が終了するまで0.1秒×15=1.5秒をかけて賞球数表示の更新が行われることになる。なお、この場合、15個全ての賞球数の更新が終わる前に次の特殊入賞口24への入賞が発生してしまう場合も考えられるが、例えば、15個の賞球のうちの5個目までしか賞球数の増加表示が行われていない段階で次の特殊入賞口24への入賞が発生した場合であっても、引き続き次の6個目の賞球数が増加する態様の表示が行われ、新たな入賞で追加された分の賞球数も含めて全ての賞球数の増加表示が終わるまで、第2賞球増加演出が継続して実行されることになる(この場合、追加で発生した賞球数分も含めて3.0秒をかけて賞球数表示の更新が行われることになる)。ただし、この実施の形態では、第2賞球増加演出が実行される場合には、賞球数が更新されていく第1速度が0.1秒と比較的速いので、少なくとも小当り遊技を終了するまでには、全ての賞球数が増加する演出が終了するように構成されている。
ステップS512で第2KT状態フラグがセットされていれば(すなわち、第2KT状態中であれば)、演出制御用CPU201は、演出表示装置9においてエフェクト演出を開始する制御を行う(ステップS523)。次いで、演出制御用CPU201は、入賞演出の実行中であることを示す入賞演出実行中フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS524)。入賞演出実行中フラグがセットされていれば(すなわち、入賞演出の実行中であれば)、演出制御用CPU201は、待機中の入賞演出の数をカウントするための入賞演出待機数カウンタの値を1加算する(ステップS525)。そして、ステップS529に移行する。
入賞演出実行中フラグがセットされていなければ(すなわち、入賞演出の実行中でなければ)、演出制御用CPU201は、演出表示装置9において賞球増加表示(例えば、「+15」などの文字表示)を表示する制御を行う(ステップS526)とともに、演出表示装置9において入賞演出を開始する制御を行う(ステップS527)。また、演出制御用CPU201は、入賞演出実行中フラグをセットする(ステップS528)。そして、ステップS529に移行する。
次いで、演出制御用CPU201は、第3賞球増加演出の実行中であることを示す第3賞球増加演出実行中フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS529)。第3賞球増加演出実行中フラグがセットされていれば(すなわち、既に第3賞球増加演出の実行中であれば)、ステップS533に移行する。
第3賞球増加演出実行中フラグがセットされていなければ(すなわち、まだ第3賞球増加演出が実行されていなければ)、演出制御用CPU201は、演出表示装置9において第2KTパターンで表示されている賞球数表示の拡大表示を開始する制御を行う(ステップS530)。また、演出制御用CPU201は、演出表示装置9において第2速度で賞球数を1増加させる演出を開始し、第3賞球増加演出を開始する制御を行う(ステップS531)。また、演出制御用CPU201は、第3賞球増加演出実行中フラグをセットする(ステップS532)。そして、ステップS540に移行する。
この実施の形態では、第2KT状態フラグがセットされていた(第2KT状態中)ということは、第2KTパターンによる賞球数表示が表示されている場合であるから、ステップS531において第2KTパターンにより表示され拡大表示されている賞球数表示において第2速度(本例では、0.5秒)で賞球数が1ずつ増加していく第3賞球増加演出が開始される。
ステップS517またはステップS529で第3賞球増加演出実行中フラグがセットされていれば(すなわち、第3賞球増加演出の実行中であれば)、演出制御用CPU201は、エフェクト演出の終了タイミングとなっているか否かを確認する(ステップS533)。なお、エフェクト演出の終了タイミングとなっているか否かは、例えば、ステップS523でエフェクト演出を開始するときに、エフェクト演出の演出期間を計測するためのタイマをセットしておき、そのタイマがタイムアウトしたか否かを確認することにより判定できる。エフェクト演出の終了タイミングとなっていれば、演出制御用CPU201は、演出表示装置9においてエフェクト演出を終了する制御を行う(ステップS534)。
次いで、演出制御用CPU201は、賞球数表示において賞球数を1増加させる表示が終了したか否か(すなわち、賞球数を1増加させる演出を開始してから0.5秒経過したか否か)を確認する(ステップS535)。賞球数表示において賞球数を1増加させる表示が終了していれば、演出制御用CPU201は、賞球数が1増加した後の賞球数表示が賞球数カウンタで示される賞球数と一致する状態となったか否かを確認する(ステップS536)。賞球数が1増加した後の賞球数表示が賞球数カウンタで示される賞球数とまだ一致していなければ、演出制御用CPU201は、再び演出表示装置9において第2速度で賞球数を1増加させる演出を開始し、第3賞球増加演出を開始する制御を行う(ステップS537)。そして、ステップS540に移行する。
賞球数が1増加した後の賞球数表示が賞球数カウンタで示される賞球数と一致していれば、演出制御用CPU201は、演出表示装置9において第2KTパターンで表示されている賞球数表示の拡大表示を終了する制御を行う(ステップS538)。また、演出制御用CPU201は、第3賞球増加演出実行中フラグをリセットし(ステップS539)、第3賞球増加演出を終了する。そして、ステップS540に移行する。
この実施の形態では、第2KT状態中に発生した小当り遊技において特殊入賞口24への入賞が発生した場合には、直ちに賞球15個の払出制御が行われる(ステップS30参照)とともに、直ちに賞球数カウンタに15が加算される(ステップS655参照)のであるが、ステップS510,S517,S529〜S532,S535〜S359の処理が実行されることによって、賞球数表示は直ちに15が加算された値に更新されるのではなく、エフェクト演出が実行されるとともに賞球数表示が拡大表示され、第2速度(本例では、0.5秒)で賞球数が1ずつ増加していくような態様で賞球数表示が更新される。従って、この実施の形態では、第2KT状態中では1回の特殊入賞口24への入賞に対して、15個全ての賞球数の更新が終了するまで0.5秒×15=7.5秒をかけて賞球数表示の更新が行われることになる。なお、この場合、15個全ての賞球数の更新が終わる前に次の特殊入賞口24への入賞が発生してしまう場合も考えられるが、例えば、15個の賞球のうちの5個目までしか賞球数の増加表示が行われていない段階で次の特殊入賞口24への入賞が発生した場合であっても、引き続き次の6個目の賞球数が増加する態様の表示が行われ、新たな入賞で追加された分の賞球数も含めて全ての賞球数の増加表示が終わるまで、第3賞球増加演出が継続して実行されることになる(この場合、追加で発生した賞球数分も含めて15.0秒をかけて賞球数表示の更新が行われることになる)。
ここで、この実施の形態では、第3賞球増加演出が実行される場合には、賞球数が更新されていく第2速度が0.5秒と比較的遅いので、小当り遊技を終了するまでに全ての賞球数が増加する演出が終了しない場合もある。この実施の形態では、賞球数表示処理(ステップS707)は、演出制御メイン処理で実行される演出として構成され、変動表示の実行中であるかや、大当り遊技中または小当り遊技中であるかに関係なく、タイマ割込の発生ごとに実行されるので、小当り遊技中に第3賞球増加演出が終了しなかった場合には、その小当り遊技終了後の変動表示にわたって第3賞球増加演出が継続して実行される(さらに、変動表示を挟んで複数の小当り遊技にわたって第3賞球増加演出が実行されてもよい)。
次いで、演出制御用CPU201は、入賞演出実行中フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS540)。入賞演出実行中フラグがセットされていれば(すなわち、入賞演出の実行中であれば)、演出制御用CPU201は、入賞演出の終了タイミングとなっているか否かを確認する(ステップS541)。なお、入賞演出の終了タイミングとなっているか否かは、例えば、ステップS527で入賞演出を開始するときに、入賞演出の演出期間を計測するためのタイマをセットしておき、そのタイマがタイムアウトしたか否かを確認することにより判定できる。入賞演出の終了タイミングとなっていれば、演出制御用CPU201は、演出表示装置9において入賞演出を終了する制御を行う(ステップS542)。
次いで、演出制御用CPU201は、入賞演出待機数カウンタの値が0であるか否かを確認する(ステップS543)。入賞演出待機数カウンタの値が0でなければ(すなわち、未実行の待機中の入賞演出があれば)、演出制御用CPU201は、入賞演出待機数カウンタの値を1減算する(ステップS544)。また、演出制御用CPU201は、演出表示装置9において賞球増加表示(例えば、「+15」などの文字表示)を表示する制御を行う(ステップS545)とともに、演出表示装置9において入賞演出を開始する制御を行う(ステップS546)。
入賞演出待機数カウンタの値が0であれば(すなわち、未実行の待機中の入賞演出がなければ)、演出制御用CPU201は、入賞演出実行中フラグをリセットする(ステップS547)。
この実施の形態では、ステップS524〜S528,S540〜S547の処理が実行されることによって、第2KT状態中に特殊入賞口24への入賞が発生した場合には、賞球増加表示が表示されるとともに入賞演出が実行される。この場合、入賞演出の実行中に新たに次の特殊入賞口24への入賞が発生する場合もありうるのであるが、そのような場合には実行中の入賞演出が終了するまで待機し、その実行中の入賞演出が終了してから次の賞球増加表示の表示および入賞演出を実行する(遅れて賞球増加表示の表示および入賞演出を実行する)。
ここで、この実施の形態では、賞球増加表示の表示や入賞演出が遅れて実行される場合があることから、小当り遊技を終了するまでに全ての賞球増加表示の表示や入賞演出を実行できない場合も考えられる。この実施の形態では、賞球数表示処理(ステップS707)は、演出制御メイン処理で実行される演出として構成され、変動表示の実行中であるかや、大当り遊技中または小当り遊技中であるかに関係なく、タイマ割込の発生ごとに実行されるので、小当り遊技中に賞球増加表示の表示や入賞演出が終了しなかった場合には、その小当り遊技終了後の変動表示にわたって賞球増加表示の表示や入賞演出が実行される(さらに、変動表示を挟んで複数の小当り遊技にわたって賞球増加表示の表示や入賞演出が実行されてもよい)。
なお、この実施の形態では、特殊入賞口24への入賞が発生したときにエフェクト演出も実行されるのであるが、エフェクト演出に関しては特殊入賞口24への入賞が発生したタイミングで直ちに実行される(ステップS523,S533,S534参照)。
また、この実施の形態では、特殊入賞口24への入賞が発生したことにもとづいて賞球増加表示の表示や入賞演出を実行する場合を示しているが、例えば、さらに特殊入賞口ランプ24aを点灯表示させるように構成してもよい。
また、この実施の形態では、大入賞口や特殊入賞口24への入賞が発生したことにもとづいて賞球増加演出を実行して賞球数が1ずつ増加していく演出を実行する場合を示しているが、そのような態様にかぎられない。例えば、いわゆる一般入賞口(入賞しても可変入賞球装置の開放などは行われず、所定個数(例えば、5個)の賞球の払い出しのみが行われる入賞口)を備えるように構成した遊技機において、一般入賞口への入賞が発生した場合にも賞球増加演出を実行して賞球数が1ずつ増加していく演出を実行するように構成してもよい。この場合、一般入賞口への入賞が発生した場合には、賞球増加演出において一律に第1速度(例えば、0.1秒)で賞球数が1ずつ増加していく演出を実行してもよいし、第2KT状態であれば一般入賞口への入賞が発生した場合であっても、賞球増加演出において第2速度(例えば、0.5秒)で賞球数が1ずつ増加していく演出を実行してもよい。また、このように構成した場合であっても、第1KT状態(低確率/第1KT状態、高確率/第1KT状態)であれば、一般入賞口への入賞が発生しても賞球増加演出を実行しないように構成してもよい。
次に、この実施の形態における賞球増加演出の演出態様の具体例について説明する。図43〜図46は、賞球増加演出の演出態様の具体例を示す説明図である。このうち、図43は、大当り遊技中に大入賞口への入賞が発生したことにもとづいて実行される賞球増加演出の演出態様の具体例を示している。また、図44は、第1KT状態中の小当り遊技において特殊入賞口24への入賞が発生したことにもとづいて実行される賞球増加演出の演出態様の具体例を示している。また、図45および図46は、第2KT状態中の小当り遊技において特殊入賞口24への入賞が発生したことにもとづいて実行される賞球増加演出の演出態様の具体例を示している。なお、図43〜図46において、(A)(B)(C)・・・の順に演出画面の態様が遷移する。
まず、図43を用いて、大当り遊技中に大入賞口への入賞が発生したことにもとづいて実行される賞球増加演出の演出態様の具体例について説明する。図43(A)に示す例では、大当り遊技中である場合には、演出表示装置9において、大当りパターンによる賞球数表示300が表示されるとともに、例えば、キャラクタ301が表示され、キャラクタ301のセリフとして「大当り中!」などの文字表示302が表示される場合が示されている。なお、この実施の形態では、図43に示すように、大当りパターンによる賞球数表示300として、演出表示装置9の表示画面の左下端部において賞球数表示300を表示する場合が示されている。
次いで、大当り遊技中に大入賞口への入賞が発生したものとする。この場合、図43(B)に示すように、演出表示装置9において第1速度で賞球数を1増加させる演出が実行され、第1賞球増加演出が実行される(ステップS500〜S509参照)。この実施の形態では、第1賞球増加演出では、第1速度として比較的速い速度(本例では、0.1秒)で賞球数表示の更新が行われ、図43(C)に示すように、全ての賞球数表示の更新が終了すると、第1賞球増加演出が終了する。
次に、図44を用いて、第1KT状態中の小当り遊技において特殊入賞口24への入賞が発生したことにもとづいて実行される賞球増加演出の演出態様の具体例について説明する。図44(A)に示す例では、第1KT状態中である場合には、演出表示装置9において、第1KTパターンによる賞球数表示303が表示される(ステップS639,S644参照)とともに、小当りが発生した場合には、例えば、「小当り発生!」などの文字表示304が表示される場合が示されている。なお、この実施の形態では、図44に示すように、第1KTパターンによる賞球数表示303として、演出表示装置9の表示画面の右上端部において賞球数表示303を表示する場合が示されている。
次いで、小当り遊技中に特殊入賞口24への入賞が発生したものとする。この場合、図44(B)に示すように、演出表示装置9において第1速度で賞球数を1増加させる演出が実行され、第2賞球増加演出が実行される(ステップS510〜S522参照)。この実施の形態では、第2賞球増加演出では、第1速度として比較的速い速度(本例では、0.1秒)で賞球数表示の更新が行われ、図44(C)に示すように、全ての賞球数表示の更新が終了すると、第2賞球増加演出が終了する。
次に、図45および図46を用いて、第2KT状態中の小当り遊技において特殊入賞口24への入賞が発生したことにもとづいて実行される賞球増加演出の演出態様の具体例について説明する。図45(A)に示す例では、第2KT状態中である場合には、演出表示装置9において、第2KTパターンによる賞球数表示305が表示される(ステップS649参照)とともに、小当りが発生した場合には、例えば、「小当り発生!」などの文字表示306が表示される場合が示されている。なお、この実施の形態では、図45および図46に示すように、第2KTパターンによる賞球数表示305として、演出表示装置9の表示画面の中央付近において賞球数表示305を表示する場合が示されている。
次いで、小当り遊技中に特殊入賞口24への入賞が発生したものとする。この場合、図45(B)に示すように、演出表示装置9においてエフェクト演出が開始される(ステップS523参照)とともに、賞球数表示305の拡大表示が開始される(ステップS530参照)。なお、図45(B)に示す例では、エフェクト演出として、賞球数表示305の周囲に所定のエフェクト画像307(例えば、キラキラ光るような態様の画像)が表示される場合が示されている。また、特殊入賞口24への入賞が発生すると、図45(B)に示すように、賞球増加表示が表示される(ステップS526参照)とともに入賞演出が開始される(ステップS527参照)。なお、図45(B)に示す例では、入賞演出として所定のキャラクタ308が表示される演出が実行されるとともに、賞球増加表示として「+15」などの文字表示309が表示される場合が示されている。
また、図45(C)に示すように、演出表示装置9において第2速度で賞球数を1増加させる演出が開始され、第3賞球増加演出が開始される(ステップS510,S517,S529〜S539参照)。この実施の形態では、図45(C)〜図46(H)に示すように、第3賞球増加演出では、第1賞球増加演出や第2賞球増加演出と比較して、第2速度として比較的遅い速度(本例では、0.5秒)で賞球数表示の更新が行われる。
次いで、図45(D)に示すように、エフェクト演出が終了したものとし(入賞演出は継続している)、入賞演出の実行中に新たに次の特殊入賞口24への入賞が発生したものとする。この場合、図46(E)に示すように、演出表示装置9においてエフェクト演出が開始される(ステップS523参照)。ただし、この場合、まだ入賞演出の実行中であるので、新たな賞球増加表示の表示と入賞演出はまだ実行されない。
次いで、図46(F)に示すように、エフェクト演出が終了したものとし、さらに、図46(G)に示すように、入賞演出を終了したものとする。そして、入賞演出を終了すると、未実行の待機中の入賞演出があることにもとづいて、図46(H)に示すように、遅れて賞球増加表示が表示される(ステップS526参照)とともに入賞演出が開始される(ステップS527参照)。
そして、その後、図46(E)で追加で発生した特殊入賞口24への入賞にもとづく賞球数分も含めて全ての賞球数表示の更新が行われるまで、第2賞球増加演出が実行される。
なお、図45および図46に示す例では、エフェクト演出として、賞球数表示305の周囲にキラキラ光るような態様のエフェクト画像307を表示する場合を示しているが、そのような態様にかぎられない。例えば、エフェクト演出として、賞球数表示305を覆うような態様の画像を表示するなど、何らかの形式で賞球数表示305に作用するような態様の演出を実行するように構成してもよい。そのように賞球数表示305に作用することにより、賞球数表示305が視認しにくくなるような演出を実行するものであってもよい。
また、この実施の形態では、大当り遊技中に獲得した賞球数にKT状態中に獲得した賞球数を加算して賞球数表示を行っていく場合を示したが、そのような態様にかぎらず、大当り遊技中に獲得した賞球数とKT状態中に獲得した賞球数とを別々に表示するように構成してもよい。例えば、大当り遊技中である場合には、図43に示した態様で演出表示装置9の表示画面の左下端部に大当り遊技で獲得した賞球数を表示するとともに、図44に示した態様で演出表示装置9の表示画面の右上端部に第1KT状態中に獲得した賞球数も表示したり、図45(A)に示した態様で演出表示装置9の表示画面の中央付近に第2KT状態中に獲得した賞球数も表示したり(KT状態中に獲得した賞球数を別個独立に表示する)してもよい。
また、例えば、(1)KT状態が一旦終了して大当り遊技が開始するときに、KT状態中に獲得した賞球数の賞球数表示を消去し、大当り遊技中に表示する賞球数表示に合算して表示するように構成してもよいし、(2)KT状態を終了して非KT状態に移行するまでKT状態中に獲得した賞球数の賞球数表示を継続するように構成してもよい。なお、(2)の態様によれば、KT状態中のみの賞球の獲得数を認識することができることにより、遊技に対する興趣を向上させることができる。
次に、第2KT状態中の小当り遊技における演出の演出タイミングについて説明する。図47は、第2KT状態中の小当り遊技における演出の演出タイミングを説明するためのタイミングチャートである。図47に示すように、第2KT状態中の小当り遊技において、特殊入賞口24が開放状態であるときに1つ目の入賞が発生すると、賞球数表示の拡大表示が開始され(ステップS530参照)、1つ目の入賞に対する賞球数の更新表示が開始されて第3賞球増加演出が開始される(ステップS510,S517,S529〜S539参照)とともに、エフェクト演出が実行される(ステップS523参照)。また、図47に示すように、1つ目の入賞に対する入賞演出が開始される(ステップS527参照)。
次いで、図47に示すように、第2KT状態中の小当り遊技において、第2賞球増加演出や入賞演出の実行中であるときに2つ目の入賞が発生すると、2つ目の入賞にもとづくエフェクト演出が直ちに実行されるとともに、2つ目の入賞で増加した分の賞球数も引き継いで第3賞球増加演出が継続して実行される。また、図47に示す例では、2つ目の入賞が発生したときに未だ入賞演出を実行中であることから、2つ目の入賞に対する入賞演出が直ちには実行されず、図47に示すように、1つ目の入賞に対する入賞演出を終了してから、遅れて2つ目の入賞に対する入賞演出が実行される。
そして、その後、特殊入賞口24(特殊可変入賞球装置22)が閉鎖状態に制御され小当り遊技を終了した後であっても、第3賞球増加演出において全ての賞球数表示の更新が終わっていない場合や、全ての入賞演出を終了していなければ、図47に示すように、特殊入賞口24の閉鎖後、小当り遊技終了後の変動表示やさらに次の小当り遊技においても、第3賞球増加演出や入賞演出を継続して実行可能である。
なお、上記第2実施形態や変形例における賞球数増加演出を第1実施形態における賞球数表示の処理として適用してもよい。
[その他の変形例等]
次に、以上に説明した実施の形態の変形例や特徴点等を以下に列挙する。
上記の各実施の形態では、履歴アイコンの表示のさせ方として、どこまでの区間とするかにより様々なパターンが考えられる。例えば、複数種類の大当りが設けられている場合に大当り毎に履歴アイコンを表示してもよいし、第2KT状態に移行する大当りについては、大当りと第2KT状態とを1区間としてもよいし、第2KT状態から次の大当りまでを1区間としてもよい。より具体的には、「16R確変大当り+第2KT状態+6R確変大当り」、「16R確変大当り+第2KT状態+4R通常大当り」のように区間を区切り履歴アイコンを表示してもよい。また、「16R確変大当り+第2KT状態+16R確変大当り+第2KT状態」、「4R通常大当り」のように区間を区切り履歴アイコンを表示してもよい。また、「16R確変大当り」、「第2KT状態+16R確変大当り」、「第2KT状態+4R通常大当り」のように区間を区切り履歴アイコンを表示してもよい。また、「16R確変大当り+第2KT状態+16R確変大当り+第2KT状態+6R確変大当り」、「16R確変大当り+第2KT状態」、「4R通常大当り」のように区間を区切り履歴アイコンを表示してもよい。つまり、第2KT状態となる大当りの前後や第2KT状態とならない大当りの前後や第2KT状態の前後等において区間を区切るようにするのが望ましい。
また、上記の各実施の形態では、複数回の大当りが連続した場合(いわゆる連荘時)において、連荘終了時に表示される結果表示では、大当り中に獲得した賞球数と、第2KT状態中のみにおいて獲得した賞球数と、総獲得数表示とを別々に画面上に大きく表示するようにしてもよい。これにより、どの遊技状態においてどのくらいの遊技球を獲得できたのかを認識することができる。
また、上記の各実施の形態では、履歴アイコンを段階的に変化させる獲得数の区間を次のようにしてもよい。例えば、前回の大当りでの獲得数+第2KT状態中の獲得数+第2KT状態終了後の大当りでの獲得数の区間を変化させる区間の対象としてもよい。また、それ以外の区間であってもよく、区間によって変化するための獲得数が異なるようにしてもよい。
また、上記の各実施の形態では、一般入賞口に入賞した賞球を獲得数として加算するようにしてもよい。そして、第2KT状態が終了したときの大当りの終了時において、一般入賞口における賞球数も踏まえて組合せ演出を実行してもよい。
また、上記の各実施の形態では、メイン表示装置とサブ表示装置とを設け、賞球表示の処理をいずれか一方または両方の表示装置において実行するようにしてもよい。
また、上記の各実施の形態では、組合せ演出の開始タイミングとして大当りの開始時のタイミング以外のタイミングであってもよい。例えば、組合せ演出の開始タイミングとして、第2KT状態終了時(大当り開始前)のタイミング、第2KT状態に突入しない大当りの終了時のタイミングであってもよい。なお、第2KT状態に突入しない大当りにおいては、履歴アイコンに大当り中に獲得した賞球数を合わせて表示するようにしてもよい。
また、上記の各実施の形態では、第2KT状態で獲得した賞球が所定数未満のときには、組合せ演出を実行しないようにしてもよい。このような場合であっても総獲得数表示は表示することが望ましい。また、組合せ演出が実行されるときと、実行されないときとで総獲得数表示の表示態様を異ならせてもよい。また、第2KT状態における賞球数によらず組合せ演出を実行するものにおいて、獲得総数の違いにより組合せ演出の態様を異ならせてもよい。なお、賞球が所定数とは、次のような値である。例えば、約1/48の大当りが発生するまでに約1/4で小当りとなるものにおいては約12回の小当りが発生する。よって、1回の小当りで概ね2個入賞すると考えると、12回×2個×15個=360個程度の払出しが想定される。そこで、平均値として約360個を所定数としてもよい。
また、上記の各実施の形態では、履歴アイコンを表示するか否かを遊技者が選択できるようにしてもよい。例えば、デモンストレーション中や大当り遊技中において、履歴アイコンを表示するか否かをプッシュボタンや十字キー等の遊技者が操作可能な操作手段を操作することにより選択可能としてもよい。
また、上記の各実施の形態では、通常想定される1回の小当り遊技状態で獲得できる賞球数よりも多くの賞球があった場合に、演出の表示態様や音の態様を変化させるようにしてもよい。例えば、通常1回の小当りで特殊入賞口に2個の入賞による30個の賞球がある場合においては、特殊入賞口に3個以上の入賞があったときに、通常とは異なる演出の表示態様や音の態様としてもよい。
なお、上記の各実施の形態においては、変動時間およびリーチ演出の種類や擬似連の有無等の変動態様を示す変動パターンを演出制御用マイクロコンピュータ200に通知するために、変動を開始するときに1つの変動パターンコマンドを送信する例を示したが、2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを演出制御用マイクロコンピュータ200に通知するようにしてもよい。具体的には、2つのコマンドにより通知する場合、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、1つ目のコマンドでは擬似連の有無、滑り演出の有無など、リーチとなる以前(リーチとならない場合には所謂第2停止の前)の変動時間や変動態様を示すコマンドを送信し、2つ目のコマンドではリーチの種類や再抽選演出の有無など、リーチとなった以降(リーチとならない場合には所謂第2停止の後)の変動時間や変動態様を示すコマンドを送信するようにしてもよい。この場合、演出制御用マイクロコンピュータ200は2つのコマンドの組合せから導かれる変動時間にもとづいて変動表示における演出制御を行うようにすればよい。なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560の方では2つのコマンドのそれぞれにより変動時間を通知し、それぞれのタイミングで実行される具体的な変動態様については演出制御用マイクロコンピュータ200の方で選択を行うようにしてもよい。2つのコマンドを送る場合、同一のタイマ割込内で2つのコマンドを送信する様にしてもよく、1つ目のコマンドを送信した後、所定期間が経過してから(例えば次のタイマ割込において)2つ目のコマンドを送信するようにしてもよい。なお、それぞれのコマンドで示される変動態様はこの例に限定されるわけではなく、送信する順序についても適宜変更可能である。このように2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを通知するようにすることで、変動パターンコマンドとして記憶しておかなければならないデータ量を削減することができる。
また、上記の各実施の形態において、「割合が異なる」とは、A:B=70%:30%やA:B=30%:70%のような関係で割合が異なるものだけにかぎらず、A:B=100%:0%のような関係で割合が異なるもの(すなわち、一方が100%の割り振りで他方が0%の割り振りとなるようなもの)も含む概念である。
また、上記の各実施の形態では、例えば「1」〜「9」の複数種類の特別図柄や背景図柄(演出図柄)、普通図柄を可変表示し表示結果を導出表示する場合を示したが、可変表示は、そのような態様にかぎられない。例えば、可変表示される図柄と導出表示される図柄とが必ずしも同じである必要なく、可変表示された図柄とは異なる図柄が導出表示されるものであってもよい。また、必ずしも複数種類の図柄を可変表示する必要はなく、1種類の図柄のみを用いて可変表示を実行するものであってもよい。この場合、例えば、その1種類の図柄表示を交互に点灯および点滅を繰り返すことによって、可変表示を実行するものであってもよい。そして、この場合であっても、その可変表示に用いられる1種類の図柄が最後に導出表示されるものであってもよいし、その1種類の図柄とは異なる図柄が最後に導出表示されるものであってもよい。
また、上記の各実施の形態では、演出装置を制御する回路が搭載された基板として、演出制御基板80、音声出力基板70およびランプドライバ基板35が設けられているが、演出装置を制御する回路を1つの基板に搭載してもよい。さらに、演出表示装置9等を制御する回路が搭載された第1の演出制御基板(表示制御基板)と、その他の演出装置(ランプ、LED、スピーカ27など)を制御する回路が搭載された第2の演出制御基板との2つの基板を設けるようにしてもよい。
また、上記の各実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、演出制御用マイクロコンピュータ200に対して直接コマンドを送信していたが、遊技制御用マイクロコンピュータ560が他の基板(例えば、図5に示す音声出力基板70やランプドライバ基板35など、または音声出力基板70に搭載されている回路による機能とランプドライバ基板35に搭載されている回路による機能とを備えた音/ランプ基板)に演出制御コマンドを送信し、他の基板を経由して演出制御基板80における演出制御用マイクロコンピュータ200に送信されるようにしてもよい。その場合、他の基板においてコマンドが単に通過するようにしてもよいし、音声出力基板70、ランプドライバ基板35、音/ランプ基板にマイクロコンピュータ等の制御手段を搭載し、制御手段がコマンドを受信したことに応じて音声制御やランプ制御に関わる制御を実行し、さらに、受信したコマンドを、そのまま、または例えば簡略化したコマンドに変更して、演出表示装置9を制御する演出制御用マイクロコンピュータ200に送信するようにしてもよい。その場合でも、演出制御用マイクロコンピュータ200は、上記の各実施の形態における遊技制御用マイクロコンピュータ560から直接受信した演出制御コマンドに応じて表示制御を行うのと同様に、音声出力基板70、ランプドライバ基板35または音/ランプ基板から受信したコマンドに応じて表示制御を行うことができる。
また、上記の各実施の形態では、遊技機としてパチンコ機を例にしたが、本発明を、メダルが投入されて所定の賭け数が設定され、遊技者による操作レバーの操作に応じて複数種類の図柄を回転させ、遊技者によるストップボタンの操作に応じて図柄を停止させたときに停止図柄の組合せが特定の図柄の組み合わせになると、所定数のメダルが遊技者に払い出されるスロット機に適用することも可能である。
また、上記の各実施の形態では、遊技機として遊技媒体を使用するものを例にしたが本発明による遊技機は、所定数の景品としての遊技媒体を払い出す遊技機に限定されず、遊技球等の遊技媒体を封入し景品の付与条件が成立した場合に得点を付与する封入式の遊技機に適用することもできる。
また、上記の各実施の形態では、大当り種別として確変大当りや通常大当りがあり、大当り種別として確変大当りと決定されたことにもとづいて、大当り遊技終了後に確変状態に制御される遊技機を示したが、そのような遊技機に限定されない。例えば、内部に所定の確変領域が設けられた特別可変入賞球装置(1つだけ設けられた特別可変入賞球装置内に確変領域が設けられていてもよいし、複数設けられた特別可変入賞球装置のうちの一部に確変領域が設けられていてもよい)を備え、大当り遊技中に特別可変入賞球装置内における確変領域を遊技球が通過したことにもとづいて確変が確定し、大当り遊技終了後に確変状態に制御される遊技機に上記の各実施の形態で示した構成を適用することもできる。
なお、従来の遊技機としては、特別状態である小当りタイム中に獲得した遊技価値としての賞球の払出しを示す表示を行うものがあった(特開2014−30634号公報)。しかし、従来の遊技機では、特定状態としての大当り遊技状態中に獲得した遊技価値を示す表示と、特別状態中に獲得した遊技価値を示す表示とをどのように制御するかについて考慮されていなかった。特徴部158Fの遊技機は、かかる実情に鑑み考え出されたものであり、その目的は、特定状態中に獲得した遊技価値を示す表示と、特別状態中に獲得した遊技価値を示す表示との制御を好適に実行することのできる遊技機を提供することである。
(1) 上記目的を達成するため、本願発明に係る遊技機は、
識別情報(例えば、特別図柄、飾り図柄、背景図柄)の可変表示を行い、特定表示結果(例えば大当り表示結果)が導出表示されたときに遊技者に所定の遊技価値を付与する特定状態(例えば、大当り遊技状態)に制御可能な遊技機(例えば、パチンコ遊技機1)であって、
前記特定状態を含む複数の遊技状態のいずれかに制御可能な状態制御手段(例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560)と、
付与された遊技価値(例えば、賞球)に関する表示が可能な表示手段(例えば、演出表示装置9)とを備え、
前記状態制御手段は、
前記特定表示結果とは異なる所定表示結果(例えば、小当り表示結果)が導出表示されたときに、前記特定状態よりも少ない前記遊技価値を付与可能な所定状態(例えば、小当り遊技状態)に制御可能であり、
前記特定状態に制御されたことに基づいて、前記所定状態に制御される頻度が通常状態よりも高い特別状態(例えば、第2KT状態)に制御可能であり、
前記表示手段は、前記特別状態中に付与された前記遊技価値と、当該特別状態に制御される前の前記特定状態で付与された前記遊技価値を示す表示とを合わせて表示可能である(例えば、図34(C)に示すように、第2KT状態中に付与された賞球と、第2KT状態に制御される前の大当り遊技状態で付与された賞球とを合わせて履歴アイコン画像158F002として表示可能である)。
このような構成によれば、特定状態中に獲得した遊技価値を示す表示と、特別状態中に獲得した遊技価値を示す表示との制御を好適に実行することができる。
(2) 上記(1)の遊技機において、
前記表示手段は、前記特別状態に制御される前の前記特定状態で付与された前記遊技価値を履歴画像として表示可能である(例えば、図34(B)に示すように、第2KT状態に制御される前の大当り遊技状態で付与された賞球を履歴アイコン画像158F002として表示可能である)。
このような構成によれば、付与された遊技価値の履歴が認識可能となり、遊技の興趣を向上させることができる。
(3) 上記(2)の遊技機において、
前記表示手段は、前記履歴画像に前記特別状態中に付与された前記遊技価値を即座に更新して表示可能である(例えば、図34(C)に示すように、履歴アイコン画像158F002に第2KT状態中に付与された小当りによる賞球を即座に更新して表示可能である)。
このような構成によれば、一連の区間において付与された遊技価値の履歴が認識可能となり、遊技の興趣を向上させることができる。
(4) 上記(2)または(3)の遊技機において、
前記表示手段は、前記履歴画像が対象とする区間とは異なる連続した前記特定状態の区間における総獲得数表示を表示可能である(例えば、図34に示すように、履歴アイコン画像158F002が対象とする区間とは異なる連続した大当り遊技状態の区間における総獲得数表示画像158F001を表示可能である)。
このような構成によれば、連続した特定状態の区間において付与された遊技価値の履歴が認識可能となり、遊技の興趣を向上させることができる。
(5) 上記(2)から(4)のいずれかの遊技機において、
前記表示手段は、付与された前記遊技価値に応じて前記履歴画像の表示態様を段階的に変化させて表示可能である(例えば、図36の158FS014〜158FS016に示すように、第2KT状態で付与された賞球数が所定の段階として決められた数値以上の場合に履歴アイコン画像158F002の表示態様を段階に応じた色に変化させる)。
このような構成によれば、履歴画像の表示態様により遊技者に優越感を与えることで遊技の興趣を向上させることができる。
(6) 上記(4)または(5)の遊技機において、
前記表示手段は、前記特別状態中以外に前記所定状態に制御されたときに付与された前記遊技価値を前記総獲得数表示に加算表示しない(例えば、図36の158FS023、158F024に示すように、第2KT状態中以外の第1KT状態中に小当り遊技状態に制御されたときに付与された賞球は総獲得数表示画像158F001に加算表示しない)。
このような構成によれば、特別状態中であると勘違いしてしまうことを防止することができる。
(7) 上記(1)から(6)のいずれかの遊技機において、
前記表示手段は、前記特別状態に制御される前の前記特定状態で付与された前記遊技価値の表示と、前記特別状態中に付与された前記遊技価値の表示とを別々に表示可能であり(例えば、図38(C)に示すように、第2KT状態に制御される前の大当り遊技状態で付与された賞球の表示と、第2KT状態中に付与された賞球の表示とを別々に表示可能であり)、
前記特別状態に制御される前の前記特定状態で付与された前記遊技価値の表示と、前記特別状態中に付与された前記遊技価値の表示とを組合せる特別演出(例えば、図38(D),(E)に示すように、第2KT状態に制御される前の大当り遊技状態で付与された賞球の表示と、第2KT状態中に付与された賞球の表示とを組合せる組合せ演出)を実行する特別演出実行手段(例えば、演出制御用マイクロコンピュータ200)をさらに備える。
このような構成によれば、特別演出により特別感を与えることで遊技の興趣を向上させることができる。
(8) 上記(7)の遊技機において、
前記特別演出実行手段は、前記特別状態中に付与された前記遊技価値が所定数以上であるときは前記特別演出を実行し、前記特別状態中に付与された前記遊技価値が所定数未満であるときは前記特別演出を実行しない(例えば、変形例に示すように、第2KT状態中に付与された賞球数が600個以上であるときは組合せ演出を実行し、第2KT状態中に付与された賞球数が600個未満であるときは組合せ演出を実行しない)。
このような構成によれば、付与された遊技価値が所定数未満であるときは特別演出が実行されないので特別演出が複数回繰返されるストレスを防止することができ、付与された遊技価値が所定数以上であるときには特別演出により特別感を与えることで遊技の興趣を向上させることができる。
また、本発明の遊技機は、以下の手段を備えるようにしてもよい。
(手段1)本発明による遊技機は、遊技を行うことが可能な遊技機であって、所定の契機(例えば、大入賞口や特殊入賞口24に遊技球が入賞したこと)にもとづいて計数表示(例えば、賞球数表示)を更新表示可能な計数表示実行手段(例えば、演出制御用マイクロコンピュータ200におけるステップS707を実行する部分)を備え、計数表示実行手段は、更新後の計数結果を表示するまでの期間が第1期間である第1パターン、および更新後の計数結果を表示するまでの期間が第1期間よりも長い第2期間である第2パターンにより、計数表示を更新表示可能である(例えば、大当りパターンで賞球数表示300を表示する場合には、第1速度(例えば、0.1秒)で賞球数を1ずつ増加させる表示を行い、第2KTパターンで賞球数表示305を表示する場合には、第2速度(例えば、0.5秒)で賞球数を1ずつ増加させる表示を行う)ことを特徴とする。そのような構成によれば、計数表示を更新表示するパターンを複数種類備えることにより、計数表示の更新表示を行う場合に遊技に対する興趣を向上させることができる。
(手段2)手段1において、少なくとも第1状態(例えば、大当り遊技状態)および第2状態(例えば、第2KT状態)を含む複数の状態に制御可能な状態制御手段(例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560におけるステップS305〜S307,S355〜S357,S2208A,S2210Bを実行する部分)を備え、計数表示実行手段は、第1状態に制御されている場合には、第1パターンにより計数表示を更新表示可能であり、第2状態に制御されている場合には、第2パターンにより計数表示を更新表示可能である(例えば、大当り遊技状態では大当りパターンによる表示される賞球数表示300において賞球数を1ずつ増加させる表示を行い、第2KT状態では第2KTパターンによる表示される賞球数表示305において賞球数を1ずつ増加させる表示を行う)ように構成されていてもよい。そのような構成によれば、状態に応じて計数表示の更新表示の態様を異ならせることにより、計数表示の更新表示を行う場合に遊技に対する興趣を向上させることができる。
(手段3)手段2において、状態制御手段は、遊技者にとって有利な特殊状態(例えば、小当り遊技状態)に制御可能であり(例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ56は、ステップS358〜S360を実行する)、第1状態として、特殊状態よりも遊技者にとって有利度合いが高い特定状態(例えば、大当り遊技状態)に制御可能であり(例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ステップS305〜S307,S355〜S357を実行する部分)、第2状態として、特別条件が成立したこと(例えば、16R確変大当りとなったこと)にもとづいて、該特別条件が成立する前に比べて特殊状態(例えば、第2KT状態)に制御される頻度を高めた特別状態に制御可能である(例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ステップS2208A,S2210Bを実行する部分)ように構成されていてもよい。そのような構成によれば、状態に応じて計数表示の更新表示の態様を異ならせることにより、計数表示の更新表示を行う場合に遊技に対する興趣を向上させることができる。
(手段4)手段3において書き、特別状態に制御されている場合には、特定状態に制御されている場合と比較して遊技媒体の入賞頻度が低く(例えば、大当り遊技状態では1ラウンドあたり遊技球が最大で10球入賞可能であるのに対して、第2KT状態では1回の小当り遊技中に1〜3個程度遊技球が入賞することが可能である)、計数表示実行手段は、特別状態に制御されている場合には、特定状態に制御されている場合と比較して、遅い更新速度により計数表示を更新表示する(例えば、大当り遊技状態において大当りパターンで賞球数表示300を表示する場合には、第1速度(例えば、0.1秒)で賞球数を1ずつ増加させる表示を行い、第2KT状態において第2KTパターンで賞球数表示305を表示する場合には、第2速度(例えば、0.5秒)で賞球数を1ずつ増加させる表示を行う)ように構成されていてもよい。そのような構成によれば、特別状態に制御されている場合には遊技媒体の入賞頻度が低いので、計数表示の更新表示の更新速度を遅くすることによって、計数表示の連続感を生み出すことができる。
(手段5)手段3または手段4において、計数表示実行手段は、特殊状態に制御された後に再び特殊状態に制御される場合において、計数表示の更新表示を継続して実行可能である(例えば、図47に示すように、特殊入賞口24(特殊可変入賞球装置22)が閉鎖状態に制御され小当り遊技を終了した後であっても、第3賞球増加演出において全ての賞球数表示の更新が終わっていない場合には、特殊入賞口24の閉鎖後、小当り遊技終了後の変動表示やさらに次の小当り遊技においても、第3賞球増加演出を継続して実行可能である)ように構成されていてもよい。そのような構成によれば、計数表示の更新表示を継続して実行可能とすることによって、計数表示の連続感を生み出すことができる。
(手段6)手段3から手段5のうちのいずれかにおいて、遊技媒体(例えば、遊技球)が進入可能な進入有利状態(例えば、開放状態)と遊技媒体が進入不能または困難な進入不利状態(例えば、閉鎖状態)とに変化可能な可変始動装置(例えば、可変入賞球装置15)と、可変始動装置の下流側に設けられ、進入有利状態と進入不利状態とに変化可能な特殊可変装置(例えば、特殊可変入賞球装置22)と、可変始動装置に遊技媒体が進入したことにもとづいて可変表示を実行可能な可変表示実行手段(例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560において、ステップS350〜S354を実行することによって、可変入賞球装置15が有する第2始動入賞口14に遊技球が入賞したことにもとづいて第2特別図柄の変動表示を実行する部分)とを備え、状態制御手段は、可変表示の表示結果が特殊表示結果(例えば、小当り図柄)となったことにもとづいて、特殊可変装置を進入有利状態に変化させる特殊状態(例えば、小当り遊技状態)に制御可能である(例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ステップS358〜S360を実行する)ように構成されていてもよい。そのような構成によれば、状態に応じて計数表示の更新表示の態様を異ならせることにより、計数表示の更新表示を行う場合に遊技に対する興趣を向上させることができる。
(手段7)手段6において、進入有利状態と進入不利状態とに変化可能な特定可変装置(例えば、特別可変入賞球装置20)を備え、状態制御手段は、可変表示の表示結果が特定表示結果(例えば、大当り図柄)となったことにもとづいて、特定可変装置を進入有利状態に変化させる特定状態(例えば、大当り遊技状態)に制御可能であり(例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ステップS305〜S307,S355〜S357を実行する)、計数表示実行手段は、所定の契機として特定可変装置に遊技媒体が進入したことおよび特殊可変装置に遊技媒体が進入したことにもとづいて、計数表示を更新表示可能であり、特定可変装置に遊技媒体が進入した場合と特殊可変装置に遊技媒体が進入した場合とで、異なる更新速度により計数表示を更新表示する(例えば、大当り遊技状態において大当りパターンで賞球数表示300を表示する場合には、大入賞口への入賞が発生したことにもとづいて第1速度(例えば、0.1秒)で賞球数を1ずつ増加させる表示を行い、第2KT状態において第2KTパターンで賞球数表示305を表示する場合には、特殊入賞口24への入賞が発生したことにもとづいて第2速度(例えば、0.5秒)で賞球数を1ずつ増加させる表示を行う)ように構成されていてもよい。そのような構成によれば、いずれの可変装置に遊技媒体が進入したかに応じて計数表示の更新表示の態様を異ならせることにより、計数表示の更新表示を行う場合に遊技に対する興趣を向上させることができる。
(手段8)手段1から手段7のうちのいずれかにおいて、計数表示実行手段は、第1パターンにより計数表示を更新表示する場合と第2パターンにより計数表示を更新表示する場合とで、異なる更新速度により計数表示を更新表示する(例えば、大当りパターンで賞球数表示300を表示する場合には第1速度(例えば、0.1秒)で賞球数を1ずつ増加させる表示を行い、第2KTパターンで賞球数表示305を表示する場合には第2速度(例えば、0.5秒)で賞球数を1ずつ増加させる表示を行う)ように構成されていてもよい。そのような構成によれば、計数表示を更新表示するパターンに応じて計数表示の更新表示の更新速度を異ならせることにより、計数表示の更新表示を行う場合に遊技に対する興趣を向上させることができる。
(特徴部269Fに関する説明)
次に、特徴部269Fについて説明する。特徴部269Fでは、遊技者にとって有利な特定状態の終了後に、所定回数の可変表示が実行されるまで特別状態に制御される。特別状態においては、特別状態が終了するまでの可変表示の残回数の表示が可能である。また、特徴部269Fは、第1特別図柄に対応する第1可変表示と、第2特別図柄に対応する第2可変表示とが同時に可変表示可能であり、特別状態においては、第2可変表示に対応する可変表示を遊技者に視認しやすい態様で実行する。そして、特徴部269Fでは、残回数の表示制御に関して、特別状態の開始前に所定回数を表示し、特別状態の開始時には残回数を表示せず、特別状態の開始後から所定期間が経過したときに残回数を表示するとともに以降の可変表示が開始される毎に残回数の表示を更新する表示制御が実行される。
(図柄の表示制御)
特徴部269Fでは、図1に示すように、通常状態(低確率/非KT状態)では、遊技領域7のうちの左遊技領域に設けられた第1始動入賞口13を狙い遊技を実行する。また、特徴部269では、図1に示すように、遊技者にとって有利な大当り遊技状態終了後の特別状態としての低確率/第1KT状態、高確率/第1KT状態、または高確率/第2KT状態では、遊技領域7のうちの右遊技領域に打分けられた第2始動入賞口14を狙い遊技を実行する。
また、第1始動入賞口13に入った第1保留記憶数の上限値は4であり、第2始動入賞口14に入った第2保留記憶数の上限値も4である。可変表示に対応する保留記憶が消化されることに基づいて、第1特別図柄による第1可変表示あるいは第2特別図柄による第2可変表示が実行される。
通常状態(低確率/非KT状態)では、第1可変表示が実行されやすく、演出表示装置9の表示画面上には、第1可変表示に対応した背景図柄の表示制御が実行される。また、特別状態としての低確率/第1KT状態、高確率/第1KT状態、または高確率/第2KT状態では、第2可変表示が実行されやすく、演出表示装置9の表示画面上には、第2可変表示に対応した背景図柄の表示制御が実行される。ここで、通常状態では、第1可変表示のみを背景図柄として表示し、特別状態では、第2可変表示のみを背景図柄として表示し、もう一方の可変表示は表示しないように制御される。このような場合でも遊技制御手段にて制御される特別図柄表示器や演出制御手段により制御されるその他の可変表示装置(例えば、特図とは異なる液晶の外に配置されるランプによる点灯と消灯の繰返し等)によりもう一方の可変表示の変動の様子が示される。なお、同時に可変表示される場合において、背景画像として表示されない方の可変表示に対応して、背景画像を縮小した態様の小図柄の可変表示を画面の隅で表示するようにしてもよい。このような場合、通常状態では、第2可変表示に対応する小図柄の可変表示を画面の隅に表示し、特別状態では、第1可変表示に対応する小図柄の可変表示を画面の隅に表示すればよい。
(残回数の表示制御)
演出制御用CPU201は、大当り終了後に特別状態としての低確率/第1KT状態となる場合に、「チャンスタイム」の文字を演出表示装置9の画面上に表示する。また、低確率/第1KT状態は、途中で大当りが発生しなければ100回の可変表示間継続する。演出制御用CPU201は、低確率/第1KT状態の開始前である大当りのエンディング時に低確率/第1KT状態が100回実行されることを表示する制御(残りの可変表示の回数である低確率/第1KT状態の可変表示の残回数を表示する制御)を実行する。
演出制御用CPU201は、低確率/第1KT状態の開始前に表示した100回の残回数を、低確率/第1KT状態の開始時には表示しないように制御する。その後、演出制御用CPU201は、低確率/第1KT状態の開始から所定期間が経過したときに再度残回数を表示するとともに、以降の可変表示が開始される毎に残回数の表示を更新する制御を実行する。以下に、具体的な演出画面を用いて説明する。
(特徴部269Fにおける演出動作例)
図48は、特徴部269Fにおける演出動作例を示す図である。図48(A)〜(H)は、演出表示装置9の画面上で実行される各種演出動作が時系列順に示されている。図48(A)は、通常大当りの終了後である特別状態開始前を示す図である。図48(A)に示すように、特別状態開始前には、特別状態である低確率/第1KT状態が開始されることが、チャンスタイム画像269F001として画面の中央上部に表示される。また、チャンスタイム画像269F001の下には、低確率/第1KT状態が100回継続することを示す第1残回数表示269F002が表示される。遊技者は、第1残回数表示269F002で示す「100回」の表示により特別状態終了までの可変表示の回数を知ることができる。
次いで、図48(B)に示すように、特別状態である低確率/第1KT状態の開始時には、大当りとなったときの背景図柄が表示される。このとき、チャンスタイム画像269F001および第1残回数表示269F002が消去される。次いで、図48(C)は、特別状態としての低確率/第1KT状態中に第2特別図柄による第2可変表示が実行されている様子が、3つの下向きの矢印により示されている。大当り終了後、第2始動入賞口14に遊技球が入賞することにより第2可変表示が開始される。なお、第1保留記憶バッファに第1保留記憶がある場合には、特別状態開始時に第1可変表示が開始される。ただし、第1可変表示は、演出表示装置9の画面上には表示されない。なお、小図柄として画面の端で第1可変表示を実行してもよい。
その後、50回の可変表示が経過したときの画面の様子を図48(D)に示す。可変表示が50回実行されたときは、画面中央に残りの低確率/第1KT状態おける可変表示を示す第1残回数表示269F002が表示される。その後、図48(E)に示すように、中央で表示されていた第1残回数表示269F002が画面の右上で小さく第2残回数表示269F003として表示される。このとき、画面の中央には今回の可変表示によるはずれ図柄の組合せが背景図柄として表示される。
次いで、図48(F)に示すように、51回目の可変表示開始時には、第2残回数表示269F003の表示が更新される。これにより、50回の残回数表示が49回に更新される。その後、図48(G)に示すように、51回目の可変表示中は、第2残回数表示269F003が消去される。そして、図48(H)に示すように、51回目の可変表示停止時には、背景図柄としてはずれ図柄の組合せが表示されるとともに、画面の右上に第2残回数表示269F003が再度表示される。
(特徴部269Fの効果・変形例等)
特別状態の開始時に残回数を表示すると、特別状態の開始時に第1可変表示と第2可変表示とが同時に実行し得ることにより、残回数が2回分減ってしまい違和感を生じさせてしまう虞がある。しかしながら、特徴部269Fでは、図48(A)に示すように、特別状態の開始前に第1残回数表示269F002を表示し、図48(B)に示すように、特別状態の開始時に第1残回数表示269F002を表示しないようにしている。さらに、特徴部269Fでは、図48(E)に示すように、50回の可変表示が経過したときに、第2残回数表示269F003を表示するとともに以降の可変表示が開始される毎に第2残回数表示269F003を更新するようにしている。
このようにすれば、特別状態である低確率/第1KT状態の開始時に第1可変表示と第2可変表示とが同時に可変表示されることにより、残回数が2回分減ってしまった場合であっても、特別状態の開始時には第1残回数表示269F002が表示されない。そして、その後も残回数表示は表示されず、50回の可変表示が経過したときに、第2残回数表示269F003を表示される。このときには、第1保留バッファに第1保留記憶が残っておらず、以降の可変表示において第1可変表示と第2可変表示とが同時に実行されるということは右打ちをしているため起こり難い。したがって、残回数の表示が適切に実行されるため、第1可変表示と第2可変表示とが同時に実行される遊技機において、残回数を適切に表示することができる。
なお、特別状態の開始時に第2保留記憶バッファに第2保留記憶が存在しない場合には、第1保留記憶に対応した第1可変表示のみが実行されることとなる。このとき残回数が表示し続けられていると、第2可変表示が実行されないため背景図柄は何ら変化しないが、第1可変表示による残回数のみが更新されてしまうような状況にもなる。しかしながら、特徴部269Fでは、特別状態の開始時に残回数が表示されないため第1可変表示と第2可変表示とが同時に実行される遊技機において、残回数を適切に表示することができる。
また、特別状態としての低確率/第1KT状態の開始後から所定期間として50回の可変表示の実行後に残回数が表示される場合を説明したが、所定期間は、第1保留記憶バッファに記憶された第1保留記憶としての可変表示の実行期間の合計期間よりも長い期間であればよい。具体的には、第1保留記憶バッファには最大4つの保留記憶が記憶されるため、4回の第1可変表示の合計期間よりも長い期間が経過したことにもとづいて残回数が表示されるようにすればよい。
このようにすれば、第1保留記憶バッファに記憶されている第1保留記憶に対応する最大4つの第1可変表示の実行期間の合計期間よりも長い期間が経過したときに残回数が表示される。よって、残回数が再び表示される際には、第1可変表示に関する可変表示が終了することとなり、残回数の表示を更新するときの違和感を低減することができる。なお、第1可変表示の実行期間の合計期間よりも長い期間は、第1保留記憶バッファに記憶されている第1保留記憶の情報を確認し、変動パターンの合計の時間よりも長い時間を設定すればよい。このとき、残回数を表示するための所定期間は、合計期間よりすぐ後の期間を設定してもよいし、合計期間からかなりはなれた期間(例えば、5分後)を設定してもよい。
また、第1保留記憶バッファに記憶された第1保留記憶としての可変表示が全て実行された後に残回数を表示するようにしてもよい。つまり、第1保留記憶バッファに記憶された最大4つの保留記憶による第1可変表示が実行された後に残回数を表示するようにしてもよい。
このようにすれば、少なくとも特別状態が開始された、4回の第1可変表示が実行された後に残回数が表示されるため、第1可変表示と第2可変表示とが同時に実行される状況が無くなり、残回数の表示を更新するときの違和感を低減することができる。
また、演出制御用CPU201は、図48(F)に示すように、50回の可変表示経過後の51回目の可変表示開始時に第2残回数表示269F003を表示し、図48(G)に示すように、可変表示中は残回数表示を消去し、図48(H)に示すように、51回目の可変表示停止時に再度第2残回数表示269F003を表示するように制御する。
このようにすれば、第2可変表示の実行中に第1可変表示が実行されることにより、第1可変表示に基づく残回数が更新されてしまうことによる違和感を低減することができる。つまり、第2可変表示が未だ実行中にも関わらず可変表示の途中で残回数が減少してしまう状況を防止することができる。
特徴部269Fにおいては、大当り終了後に、所定回数の可変表示が実行されるまで制御される特別状態として低確率/第1KT状態について説明した。しかし、特別状態はその他の状態であってもよい。例えば、特別状態は、確変状態が所定回数(例えば、100回)実行される状態であってもよい。また、特別状態は、発射球数に対して入賞に応じて賞球として払出される遊技球数の割合である「ベース」が、当該制御が行なわれないときと比べて、高い高ベース状態が所定回数実行される状態であってもよい。また、特別状態は、図柄の変動時間が短縮される時短状態が所定回数実行される状態であってもよい。また、特別状態は、これら有利な状態を組合せた状態が所定回数続く状態であってもよい。
残回数表示として、中央に表示される第1残回数表示269F002と、画面の隅に表示される第2残回数表示269F003とを示した。しかし、表示される残回数は、目立たない態様で表示される第2残回数表示269F003のみであってもよい。
特別状態において、第1可変表示に対応し小図柄を表示してもよい。また、小図柄は、通常状態において、第2可変表示に対応して表示されるようにしてもよい。また、通常状態と特別状態とで、小図柄の表示態様が異なるようにしてもよい。
残回数の表示制御を実行する再に、現在保留記憶領域に第1保留記憶があるか否かを判定し、第1保留記憶がないと判定された場合に残回数を表示するようにしてもよい。
特徴部269Fにおいては、特別状態において、第1可変表示を第2可変表示よりも遊技者に認識しやすい態様で実行するようにしてもよい。また、通常状態としての低確率/非KT状態においては、第1可変表示および第2可変表示の両方ともを認識しやすい態様で表示するようにしてもよい。両方とも認識しやすい態様とは、例えば、第1可変表示および第2可変表示に対応した背景図柄をそれぞれ画面上に表示することである。
なお、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
本発明は、以上に説明したものに限られるものではない。また、その具体的な構成は上述の実施形態や後述の他の形態例に加えて、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれる。
また、上述した実施の形態及び各変形例に示した構成、後述の形態例及び各変形例に示した構成のうち、全部または一部の構成を任意に組み合わせることとしてもよい。
なお、今回開示された上述の実施形態及び後述の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上述の説明及び後述の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
可変表示(例えば、特別図柄、飾り図柄、背景図柄の可変表示)を行い、遊技者にとって有利な特定状態(例えば、大当り遊技状態)に制御可能な遊技機(例えば、パチンコ遊技機1)であって、
第1可変表示(例えば、第1特別図柄の可変表示)を行い表示結果を導出表示する第1可変表示手段(例えば、第1特別図柄表示器8a)と、
第2可変表示(例えば、第2特別図柄の可変表示)を行い表示結果を導出表示する第2可変表示手段(例えば、第2特別図柄表示器8b)と、
前記特定状態の終了後に、所定回数(例えば、100回)の可変表示が実行されるまで特別状態(例えば、低確率/第1KT状態)に制御可能な特別状態制御手段(例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560)と、
前記特別状態において、当該特別状態が終了するまでの可変表示の残回数の表示(例えば、第1残回数表示269F002,第2残回数表示269F003)を制御可能な残回数表示制御手段(例えば、演出制御用マイクロコンピュータ200)とを備え、
前記第1可変表示手段と前記第2可変表示手段とが同時に可変表示可能であり(例えば、図8のS26A,S26B)、
少なくとも前記特別状態において、前記第1可変表示と前記第2可変表示とのうち少なくともいずれか一方の可変表示を他方の可変表示よりも遊技者に認識しやすい態様で実行し(例えば、図48に示すように、低確率/第1KT状態では、第2特別図柄に対応する可変表示を背景図柄して画面の中央に表示する)、
前記残回数表示制御手段は、前記特別状態の開始前に前記所定回数を表示し、前記特別状態の開始時には前記残回数を表示せず(例えば、図48(A)に示すように、低確率/第1KT状態の開始前に第1残回数表示269F002を表示し、図48(B)に示すように、低確率/第1KT状態の開始時に第1残回数表示269F002を表示せず)、前記特別状態の開始後から所定期間が経過したときに前記残回数を表示するとともに以降の可変表示が開始される毎に前記残回数の表示を更新する(例えば、図48(E)に示すように、50回の可変表示が経過したときに、第2残回数表示269F003を表示するとともに以降の可変表示が開始される毎に第2残回数表示269F003を更新する)。
さらに、
前記有利状態に制御されることを示唆する示唆演出(例えばリーチ演出)を実行可能な示唆演出実行手段(例えば演出制御用CPU90120)と、
前記示唆演出に対応したタイトルを報知可能なタイトル報知手段(例えば演出制御用CPU90120)と、を備え、
前記タイトル報知手段は、前記示唆演出の開始から所定期間経過したときに当該示唆演出に対応したタイトルを報知可能である(例えば図57(D)、(F))。遊技機が挙げられる。
このような構成によれば、第1可変表示と第2可変表示とが同時に実行される遊技機において、残回数を適切に表示することができる。さらに、いずれの示唆演出が実行されるかに注目させることができ、興趣が向上する。
この場合、タイトル報知を実行するタイミングでは残回数の視認性を低下または困難にするようにしてもよい。そうすることでタイトル報知に注目させることができ興趣が向上する。
さらに、興趣を向上させることができる遊技機の一例として、遊技者にとって有利な有利状態(例えば大当り遊技状態)に制御可能な遊技機(例えばパチンコ遊技機901)であって、
前記有利状態に制御されることを示唆する示唆演出(例えばリーチ演出)を実行可能な示唆演出実行手段(例えば演出制御用CPU90120)と、
前記示唆演出に対応したタイトルを報知可能なタイトル報知手段(例えば演出制御用CPU90120)と、を備え、
前記タイトル報知手段は、前記示唆演出の開始から所定期間経過したときに当該示唆演出に対応したタイトルを報知可能である(例えば図43(D)、(F))遊技機が挙げられる。
以下に、この遊技機の形態例の一例を他の形態例として説明する。
(他の形態例)
まず、パチンコ遊技機901の基本的な構成及び制御(一般的なパチンコ遊技機の構成及び制御でもある。)について説明する。
(パチンコ遊技機901の構成等)
図49は、パチンコ遊技機901の正面図であり、主要部材の配置レイアウトを示す。パチンコ遊技機(遊技機)901は、大別して、遊技盤面を構成する遊技盤(ゲージ盤)902と、遊技盤902を支持固定する遊技機用枠(台枠)903とから構成されている。遊技盤902には、遊技領域が形成され、この遊技領域には、遊技媒体としての遊技球が、所定の打球発射装置から発射されて打ち込まれる。
遊技盤902の所定位置(図49に示す例では、遊技領域の右側方)には、複数種類の特別識別情報としての特別図柄(特図ともいう)の可変表示(特図ゲームともいう)を行う第1特別図柄表示装置904A及び第2特別図柄表示装置904Bが設けられている。これらは、それぞれ、7セグメントのLEDなどからなる。特別図柄は、「0」〜「9」を示す数字や「−」などの点灯パターンなどにより表される。特別図柄には、LEDを全て消灯したパターンが含まれてもよい。
なお、特別図柄の「可変表示」とは、例えば、複数種類の特別図柄を変動可能に表示することである(後述の他の図柄についても同じ)。変動としては、複数の図柄の更新表示、複数の図柄のスクロール表示、1以上の図柄の変形、1以上の図柄の拡大/縮小などがある。特別図柄や後述の普通図柄の変動では、複数種類の特別図柄又は普通図柄が更新表示される。後述の飾り図柄の変動では、複数種類の飾り図柄がスクロール表示又は更新表示されたり、1以上の飾り図柄が変形や拡大/縮小されたりする。なお、変動には、ある図柄を点滅表示する態様も含まれる。可変表示の最後には、表示結果として所定の特別図柄が停止表示(導出又は導出表示などともいう)される(後述の他の図柄の可変表示についても同じ)。なお、可変表示を変動表示、変動と表現する場合がある。
なお、第1特別図柄表示装置904Aにおいて可変表示される特別図柄を「第1特図」ともいい、cにおいて可変表示される特別図柄を「第2特図」ともいう。また、第1特図を用いた特図ゲームを「第1特図ゲーム」といい、第2特図を用いた特図ゲームを「第2特図ゲーム」ともいう。なお、特別図柄の可変表示を行う特別図柄表示装置は1種類であってもよい。
遊技盤902における遊技領域の中央付近には画像表示装置905が設けられている。画像表示装置905は、例えばLCD(液晶表示装置)や有機EL(Electro Luminescence)等から構成され、各種の演出画像を表示する。画像表示装置905は、プロジェクタ及びスクリーンから構成されていてもよい。画像表示装置905には、各種の演出画像が表示される。
例えば、画像表示装置905の画面上では、第1特図ゲームや第2特図ゲームと同期して、特別図柄とは異なる複数種類の装飾識別情報としての飾り図柄(数字などを示す図柄など)の可変表示が行われる。ここでは、第1特図ゲーム又は第2特図ゲームに同期して、「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア905L、905C、905Rにおいて飾り図柄が可変表示(例えば上下方向のスクロール表示や更新表示)される。なお、同期して実行される特図ゲーム及び飾り図柄の可変表示を総称して単に可変表示ともいう。
画像表示装置905の画面上には、実行が保留されている可変表示に対応する保留表示や、実行中の可変表示に対応するアクティブ表示を表示するための表示エリアが設けられていてもよい。保留表示及びアクティブ表示を総称して可変表示に対応する可変表示対応表示ともいう。
保留されている可変表示の数は保留記憶数ともいう。第1特図ゲームに対応する保留記憶数を第1保留記憶数、第2特図ゲームに対応する保留記憶数を第2保留記憶数ともいう。また、第1保留記憶数と第2保留記憶数との合計を合計保留記憶数ともいう。
また、遊技盤902の所定位置には、複数のLEDを含んで構成された第1保留表示器9025Aと第2保留表示器9025Bとが設けられ、第1保留表示器9025Aは、LEDの点灯個数によって、第1保留記憶数を表示し、第2保留表示器9025Bは、LEDの点灯個数によって、第2保留記憶数を表示する。
画像表示装置905の下方には、入賞球装置906Aと、可変入賞球装置906Bとが設けられている。
入賞球装置906Aは、例えば所定の玉受部材によって常に遊技球が進入可能な一定の開放状態に保たれる第1始動入賞口を形成する。第1始動入賞口に遊技球が進入したときには、所定個(例えば3個)の賞球が払い出されるとともに、第1特図ゲームが開始され得る。
可変入賞球装置906B(普通電動役物)は、ソレノイド9081(図50参照)によって閉鎖状態と開放状態とに変化する第2始動入賞口を形成する。可変入賞球装置906Bは、例えば、一対の可動翼片を有する電動チューリップ型役物を備え、ソレノイド9081がオフ状態であるときに可動翼片が垂直位置となることにより、当該可動翼片の先端が入賞球装置906Aに近接し、第2始動入賞口に遊技球が進入しない閉鎖状態になる(第2始動入賞口が閉鎖状態になるともいう。)。その一方で、可変入賞球装置906Bは、ソレノイド9081がオン状態であるときに可動翼片が傾動位置となることにより、第2始動入賞口に遊技球が進入できる開放状態になる(第2始動入賞口が開放状態になるともいう。)。第2始動入賞口に遊技球が進入したときには、所定個(例えば3個)の賞球が払い出されるとともに、第2特図ゲームが開始され得る。なお、可変入賞球装置906Bは、閉鎖状態と開放状態とに変化するものであればよく、電動チューリップ型役物を備えるものに限定されない。
遊技盤902の所定位置(図49に示す例では、遊技領域の左右下方4箇所)には、所定の玉受部材によって常に一定の開放状態に保たれる一般入賞口9010が設けられる。この場合には、一般入賞口9010のいずれかに進入したときには、所定個数(例えば10個)の遊技球が賞球として払い出される。
入賞球装置906Aと可変入賞球装置906Bの下方には、大入賞口を有する特別可変入賞球装置907が設けられている。特別可変入賞球装置907は、ソレノイド9082(図50参照)によって開閉駆動される大入賞口扉を備え、その大入賞口扉によって開放状態と閉鎖状態とに変化する特定領域としての大入賞口を形成する。
一例として、特別可変入賞球装置907では、大入賞口扉用(特別電動役物用)のソレノイド9082がオフ状態であるときに大入賞口扉が大入賞口を閉鎖状態として、遊技球が大入賞口に進入(通過)できなくなる。その一方で、特別可変入賞球装置907では、大入賞口扉用のソレノイド9082がオン状態であるときに大入賞口扉が大入賞口を開放状態として、遊技球が大入賞口に進入しやすくなる。
大入賞口に遊技球が進入したときには、所定個数(例えば14個)の遊技球が賞球として払い出される。大入賞口に遊技球が進入したときには、例えば第1始動入賞口や第2始動入賞口及び一般入賞口9010に遊技球が進入したときよりも多くの賞球が払い出される。
一般入賞口9010を含む各入賞口に遊技球が進入することを「入賞」ともいう。特に、始動口(第1始動入賞口、第2始動入賞口始動口)への入賞を始動入賞ともいう。
遊技盤902の所定位置(図49に示す例では、遊技領域の左側方)には、普通図柄表示器9020が設けられている。一例として、普通図柄表示器9020は、7セグメントのLEDなどからなり、特別図柄とは異なる複数種類の普通識別情報としての普通図柄の可変表示を行う。普通図柄は、「0」〜「9」を示す数字や「−」などの点灯パターンなどにより表される。普通図柄には、LEDを全て消灯したパターンが含まれてもよい。このような普通図柄の可変表示は、普図ゲームともいう。
画像表示装置905の左方には、遊技球が通過可能な通過ゲート9041が設けられている。遊技球が通過ゲート9041を通過したことに基づき、普図ゲームが実行される。
普通図柄表示器9020の上方には、普図保留表示器9025Cが設けられている。普図保留表示器9025Cは、例えば4個のLEDを含んで構成され、実行が保留されている普図ゲームの数である普図保留記憶数をLEDの点灯個数により表示する。
遊技盤902の表面には、上記の構成以外にも、遊技球の流下方向や速度を変化させる風車及び多数の障害釘が設けられている。遊技領域の最下方には、いずれの入賞口にも進入しなかった遊技球が取り込まれるアウト口が設けられている。
遊技機用枠903の左右上部位置には、効果音等を再生出力するためのスピーカ908L、908Rが設けられており、さらに遊技領域周辺部には、遊技効果用の遊技効果ランプ90909が設けられている。遊技効果ランプ909は、LEDを含んで構成されている。
遊技盤902の所定位置(図49では図示略)には、演出に応じて動作する可動体9032が設けられている。
遊技機用枠903の右下部位置には、遊技球を打球発射装置により遊技領域に向けて発射するために遊技者等によって操作される打球操作ハンドル(操作ノブ)9030が設けられている。
遊技領域の下方における遊技機用枠903の所定位置には、賞球として払い出された遊技球や所定の球貸機により貸し出された遊技球を、打球発射装置へと供給可能に保持(貯留)する打球供給皿(上皿)が設けられている。上皿の下方には、上皿満タン時に賞球が払い出される打球供給皿(下皿)が設けられている。
遊技領域の下方における遊技機用枠903の所定位置には、遊技者が把持して傾倒操作が可能なスティックコントローラ9031Aが取り付けられている。スティックコントローラ9031Aには、遊技者が押下操作可能なトリガボタンが設けられている。スティックコントローラ9031Aに対する操作は、コントローラセンサユニット9035A(図50参照)により検出される。
遊技領域の下方における遊技機用枠903の所定位置には、遊技者が押下操作などにより所定の指示操作を可能なプッシュボタン9031Bが設けられている。プッシュボタン9031Bに対する操作は、プッシュセンサ9035B(図50参照)により検出される。
パチンコ遊技機901では、遊技者の動作(操作等)を検出する検出手段として、スティックコントローラ9031Aやプッシュボタン9031Bが設けられるが、これら以外の検出手段が設けられていてもよい。
(遊技の進行の概略)
パチンコ遊技機901が備える打球操作ハンドル9030への遊技者による回転操作により、遊技球が遊技領域に向けて発射される。遊技球が通過ゲート9041を通過すると、普通図柄表示器9020による普図ゲームが開始される。なお、前回の普図ゲームの実行中の期間等に遊技球が通過ゲート9041を通過した場合(遊技球が通過ゲート9041を通過したが当該通過に基づく普図ゲームを直ちに実行できない場合)には、当該通過に基づく普図ゲームは所定の上限数(例えば4)まで保留される。
この普図ゲームでは、特定の普通図柄(普図当り図柄)が停止表示されれば、普通図柄の表示結果が「普図当り」となる。その一方、確定普通図柄として、普図当り図柄以外の普通図柄(普図ハズレ図柄)が停止表示されれば、普通図柄の表示結果が「普図ハズレ」となる。「普図当り」となると、可変入賞球装置906Bを所定期間開放状態とする開放制御が行われる(第2始動入賞口が開放状態になる)。
入賞球装置906Aに形成された第1始動入賞口に遊技球が進入すると、第1特別図柄表示装置904Aによる第1特図ゲームが開始される。
可変入賞球装置906Bに形成された第2始動入賞口に遊技球が進入すると、第2特別図柄表示装置904Bによる第2特図ゲームが開始される。
なお、特図ゲームの実行中の期間や、後述する大当り遊技状態や小当り遊技状態に制御されている期間に、遊技球が始動入賞口へ進入(入賞)した場合(始動入賞が発生したが当該始動入賞に基づく特図ゲームを直ちに実行できない場合)には、当該進入に基づく特図ゲームは所定の上限数(例えば4)までその実行が保留される。
特図ゲームにおいて、確定特別図柄として特定の特別図柄(大当り図柄、例えば「7」、後述の大当り種別に応じて実際の図柄は異なる。)が停止表示されれば、「大当り」となり、大当り図柄とは異なる所定の特別図柄(小当り図柄、例えば「2」)が停止表示されれば、「小当り」となる。また、大当り図柄や小当り図柄とは異なる特別図柄(ハズレ図柄、例えば「−」)が停止表示されれば「ハズレ」となる。
特図ゲームでの表示結果が「大当り」になった後には、遊技者にとって有利な有利状態として大当り遊技状態に制御される。特図ゲームでの表示結果が「小当り」になった後には、小当り遊技状態に制御される。
大当り遊技状態では、特別可変入賞球装置907により形成される大入賞口が所定の態様で開放状態となる。当該開放状態は、所定期間(例えば29秒間や1.8秒間)の経過タイミングと、大入賞口に進入した遊技球の数が所定個数(例えば9個)に達するまでのタイミングと、のうちのいずれか早いタイミングまで継続される。前記所定期間は、1ラウンドにおいて大入賞口を開放することができる上限期間であり、以下、開放上限期間ともいう。このように大入賞口が開放状態となる1のサイクルをラウンド(ラウンド遊技)という。大当り遊技状態では、当該ラウンドが所定の上限回数(15回や2回)に達するまで繰り返し実行可能となっている。
大当り遊技状態においては、遊技者は、遊技球を大入賞口に進入させることで、賞球を得ることができる。従って、大当り遊技状態は、遊技者にとって有利な状態である。大当り遊技状態におけるラウンド数が多い程、また、開放上限期間が長い程遊技者にとって有利となる。
なお、「大当り」には、大当り種別が設定されている。例えば、大入賞口の開放態様(ラウンド数や開放上限期間)や、大当り遊技状態後の遊技状態(後述の、通常状態、時短状態、確変状態など)を複数種類用意し、これらに応じて大当り種別が設定されている。大当り種別として、多くの賞球を得ることができる大当り種別や、賞球の少ない又はほとんど賞球を得ることができない大当り種別が設けられていてもよい。
小当り遊技状態では、特別可変入賞球装置907により形成される大入賞口が所定の開放態様で開放状態となる。例えば、小当り遊技状態では、一部の大当り種別のときの大当り遊技状態と同様の開放態様(大入賞口の開放回数が上記ラウンド数と同じであり、かつ、大入賞口の閉鎖タイミングも同じ等)で大入賞口が開放状態となる。なお、大当り種別と同様に、「小当り」にも小当り種別を設けてもよい。
大当り遊技状態が終了した後は、上記大当り種別に応じて、時短状態や確変状態に制御されることがある。
時短状態では、平均的な特図変動時間(特図を変動させる期間)を通常状態よりも短縮させる制御(時短制御)が実行される。時短状態では、平均的な普図変動時間(普図を変動させる期間)を通常状態よりも短縮させたり、普図ゲームで「普図当り」となる確率を通常状態よりも向上させる等により、第2始動入賞口に遊技球が進入しやすくなる制御(高開放制御、高ベース制御)も実行される。時短状態は、特別図柄(特に第2特別図柄)の変動効率が向上する状態であるので、遊技者にとって有利な状態である。
確変状態(確率変動状態)では、時短制御に加えて、表示結果が「大当り」となる確率が通常状態よりも高くなる確変制御が実行される。確変状態は、特別図柄の変動効率が向上することに加えて「大当り」となりやすい状態であるので、遊技者にとってさらに有利な状態である。
時短状態や確変状態は、所定回数の特図ゲームが実行されたことと、次回の大当り遊技状態が開始されたこと等といった、いずれか1つの終了条件が先に成立するまで継続する。所定回数の特図ゲームが実行されたことが終了条件となるものを、回数切り(回数切り時短、回数切り確変等)ともいう。
通常状態とは、遊技者にとって有利な大当り遊技状態等の有利状態、時短状態、確変状態等の特別状態以外の遊技状態のことであり、普図ゲームにおける表示結果が「普図当り」となる確率及び特図ゲームにおける表示結果が「大当り」となる確率などのパチンコ遊技機901が、パチンコ遊技機901の初期設定状態(例えばシステムリセットが行われた場合のように、電源投入後に所定の復帰処理を実行しなかったとき)と同一に制御される状態である。
確変制御が実行されている状態を高確状態、確変制御が実行されていない状態を低確状態ともいう。時短制御が実行されている状態を高ベース状態、時短制御が実行されていない状態を低ベース状態ともいう。これらを組み合わせて、時短状態は低確高ベース状態、確変状態は高確高ベース状態、通常状態は低確低ベース状態などともいわれる。高確状態かつ低ベース状態は高確低ベース状態ともいう。
小当り遊技状態が終了した後は、遊技状態の変更が行われず、特図ゲームの表示結果が「小当り」となる以前の遊技状態に継続して制御される(但し、「小当り」発生時の特図ゲームが、上記回数切りにおける上記所定回数目の特図ゲームである場合には、当然遊技状態が変更される)。なお、特図ゲームの表示結果として「小当り」がなくてもよい。
なお、遊技状態は、大当り遊技状態中に遊技球が特定領域(例えば、大入賞口内の特定領域)を通過したことに基づいて、変化してもよい。例えば、遊技球が特定領域を通過したとき、その大当り遊技状態後に確変状態に制御してもよい。
(演出の進行など)
パチンコ遊技機901では、遊技の進行に応じて種々の演出(遊技の進行状況を報知したり、遊技を盛り上げたりする演出)が実行される。当該演出について以下説明する。なお、当該演出は、画像表示装置905に各種の演出画像を表示することによって行われるが、当該表示に加えて又は代えて、スピーカ908L、908Rからの音声出力、及び/又は、遊技効果ランプ909の点等/消灯、可動体9032の動作等により行われてもよい。
遊技の進行に応じて実行される演出として、画像表示装置905に設けられた「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア905L、905C、905Rでは、第1特図ゲーム又は第2特図ゲームが開始されることに対応して、飾り図柄の可変表示が開始される。第1特図ゲームや第2特図ゲームにおいて表示結果(確定特別図柄ともいう。)が停止表示されるタイミングでは、飾り図柄の可変表示の表示結果となる確定飾り図柄(3つの飾り図柄の組合せ)も停止表示(導出)される。
飾り図柄の可変表示が開始されてから終了するまでの期間では、飾り図柄の可変表示の態様が所定のリーチ態様となる(リーチが成立する)ことがある。ここで、リーチ態様とは、画像表示装置905の画面上にて停止表示された飾り図柄が後述の大当り組合せの一部を構成しているときに未だ停止表示されていない飾り図柄については可変表示が継続している態様などのことである。
また、飾り図柄の可変表示中に上記リーチ態様となったことに対応してリーチ演出が実行される。パチンコ遊技機901では、演出態様に応じて表示結果(特図ゲームの表示結果や飾り図柄の可変表示の表示結果)が「大当り」となる割合(大当り信頼度、大当り期待度とも呼ばれる。)が異なる複数種類のリーチ演出が実行される。リーチ演出には、例えば、ノーマルリーチと、ノーマルリーチよりも大当り信頼度の高いスーパーリーチと、がある。
特図ゲームの表示結果が「大当り」となるときには、画像表示装置905の画面上において、飾り図柄の可変表示の表示結果として、予め定められた大当り組合せとなる確定飾り図柄が導出される(飾り図柄の可変表示の表示結果が「大当り」となる)。一例として、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア905L、905C、905Rにおける所定の有効ライン上に同一の飾り図柄(例えば、「7」等)が揃って停止表示される。
大当り遊技状態の終了後に確変状態に制御される「確変大当り」である場合には、奇数の飾り図柄(例えば、「7」等)が揃って停止表示され、大当り遊技状態の終了後に確変状態に制御されない「非確変大当り(通常大当り)」である場合には、偶数の飾り図柄(例えば、「6」等)が揃って停止表示されるようにしてもよい。この場合、奇数の飾り図柄を確変図柄、偶数の飾り図柄を非確変図柄(通常図柄)ともいう。非確変図柄でリーチ態様となった後に、最終的に「確変大当り」となる昇格演出を実行するようにしてもよい。
特図ゲームの表示結果が「小当り」となるときには、画像表示装置905の画面上において、飾り図柄の可変表示の表示結果として、予め定められた小当り組合せとなる確定飾り図柄(例えば、「1 3 5」等)が導出される(飾り図柄の可変表示の表示結果が「小当り」となる)。一例として、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア905L、905C、905Rにおける所定の有効ライン上にチャンス目を構成する飾り図柄が停止表示される。なお、特図ゲームの表示結果が、一部の大当り種別(小当り遊技状態と同様の態様の大当り遊技状態の大当り種別)の「大当り」となるときと、「小当り」となるときとで、共通の確定飾り図柄が導出表示されてもよい。
特図ゲームの表示結果が「ハズレ」となる場合には、飾り図柄の可変表示の態様がリーチ態様とならずに、飾り図柄の可変表示の表示結果として、非リーチ組合せの確定飾り図柄(「非リーチハズレ」ともいう。)が停止表示される(飾り図柄の可変表示の表示結果が「非リーチハズレ」となる)ことがある。また、表示結果が「ハズレ」となる場合には、飾り図柄の可変表示の態様がリーチ態様となった後に、飾り図柄の可変表示の表示結果として、大当り組合せでない所定のリーチ組合せ(「リーチハズレ」ともいう)の確定飾り図柄が停止表示される(飾り図柄の可変表示の表示結果が「リーチハズレ」となる)こともある。
パチンコ遊技機901が実行可能な演出には、上記の可変表示対応表示(保留表示やアクティブ表示)を表示することも含まれる。また、他の演出として、例えば、大当り信頼度を予告する予告演出等が飾り図柄の可変表示中に実行される。予告演出には、実行中の可変表示における大当り信頼度を予告する予告演出や、実行前の可変表示(実行が保留されている可変表示)における大当り信頼度を予告する先読み予告演出がある。先読み予告演出として、可変表示対応表示(保留表示やアクティブ表示)の表示態様を通常とは異なる態様に変化させる演出が実行されるようにしてもよい。
また、画像表示装置905において、飾り図柄の可変表示中に飾り図柄を一旦仮停止させた後に可変表示を再開させることで、1回の可変表示を擬似的に複数回の可変表示のように見せる擬似連演出を実行するようにしてもよい。
大当り遊技状態中にも、大当り遊技状態を報知する大当り中演出が実行される。大当り中演出としては、ラウンド数を報知する演出や、大当り遊技状態の価値が向上することを示す昇格演出が実行されてもよい。また、小当り遊技状態中にも、小当り遊技状態を報知する小当り中演出が実行される。なお、小当り遊技状態中と、一部の大当り種別(小当り遊技状態と同様の態様の大当り遊技状態の大当り種別で、例えばその後の遊技状態を高確状態とする大当り種別)での大当り遊技状態とで、共通の演出を実行することで、現在が小当り遊技状態中であるか、大当り遊技状態中であるかを遊技者に分からないようにしてもよい。そのような場合であれば、小当り遊技状態の終了後と大当り遊技状態の終了後とで共通の演出を実行することで、高確状態であるか低確状態であるかを識別できないようにしてもよい。
また、例えば特図ゲーム等が実行されていないときには、画像表示装置905にデモ(デモンストレーション)画像が表示される(客待ちデモ演出が実行される)。
(基板構成)
パチンコ遊技機901には、例えば図50に示すような主基板9011、演出制御基板9012、音声制御基板9013、ランプ制御基板9014、中継基板9015などが搭載されている。その他にも、パチンコ遊技機901の背面には、例えば払出制御基板、情報端子基板、発射制御基板、電源基板などといった、各種の基板が配置されている。
主基板9011は、メイン側の制御基板であり、パチンコ遊技機901における上記遊技の進行(特図ゲームの実行(保留の管理を含む)、普図ゲームの実行(保留の管理を含む)、大当り遊技状態、小当り遊技状態、遊技状態など)を制御する機能を有する。主基板9011は、遊技制御用マイクロコンピュータ90100、スイッチ回路90110、ソレノイド回路90111などを有する。
主基板9011に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータ90100は、例えば1チップのマイクロコンピュータであり、ROM(Read Only Memory)90101と、RAM(Random Access Memory)90102と、CPU(Central Processing Unit)90103と、乱数回路90104と、I/O(Input/Output port)90105とを備える。
CPU90103は、ROM90101に記憶されたプログラムを実行することにより、遊技の進行を制御する処理(主基板9011の機能を実現する処理)を行う。このとき、ROM90101が記憶する各種データ(後述の変動パターン、後述の演出制御コマンド、後述の各種決定を行う際に参照される各種テーブルなどのデータ)が用いられ、RAM90102がメインメモリとして使用される。RAM90102は、その一部または全部がパチンコ遊技機901に対する電力供給が停止しても、所定期間記憶内容が保存されるバックアップRAMとなっている。なお、ROM90101に記憶されたプログラムの全部又は一部をRAM90102に展開して、RAM90102上で実行するようにしてもよい。
乱数回路90104は、遊技の進行を制御するときに使用される各種の乱数値(遊技用乱数)を示す数値データを更新可能にカウントする。遊技用乱数は、CPU90103が所定のコンピュータプログラムを実行することで更新されるもの(ソフトウェアで更新されるもの)であってもよい。
I/O90105は、例えば各種信号(後述の検出信号)が入力される入力ポートと、各種信号(第1特別図柄表示装置904A、第2特別図柄表示装置904B、普通図柄表示器9020、第1保留表示器9025A、第2保留表示器9025B、普図保留表示器9025Cなどを制御(駆動)する信号、ソレノイド駆動信号)を伝送するための出力ポートとを含んで構成される。
スイッチ回路90110は、遊技球検出用の各種スイッチ(ゲートスイッチ9021、始動口スイッチ(第1始動口スイッチ9022Aおよび第2始動口スイッチ9022B)、カウントスイッチ9023)からの検出信号(遊技球が通過又は進入してスイッチがオンになったことを示す検出信号など)を取り込んで遊技制御用マイクロコンピュータ90100に伝送する。検出信号の伝送により、遊技球の通過又は進入が検出されたことになる。
ソレノイド回路90111は、遊技制御用マイクロコンピュータ90100からのソレノイド駆動信号(例えば、ソレノイド9081やソレノイド9082をオンする信号など)を、普通電動役物用のソレノイド9081や大入賞口扉用のソレノイド9082に伝送する。
主基板9011(遊技制御用マイクロコンピュータ90100)は、遊技の進行の制御の一部として、遊技の進行に応じて演出制御コマンド(遊技の進行状況等を指定(通知)するコマンド)を演出制御基板9012に供給する。主基板9011から出力された演出制御コマンドは、中継基板9015により中継され、演出制御基板9012に供給される。当該演出制御コマンドには、例えば主基板9011における各種の決定結果(例えば、特図ゲームの表示結果(大当り種別を含む。)、特図ゲームを実行する際に使用される変動パターン(詳しくは後述))、遊技の状況(例えば、可変表示の開始や終了、大入賞口の開放状況、入賞の発生、保留記憶数、遊技状態)、エラーの発生等を指定するコマンド等が含まれる。
演出制御基板9012は、主基板9011とは独立したサブ側の制御基板であり、演出制御コマンドを受信し、受信した演出制御コマンドに基づいて演出(遊技の進行に応じた種々の演出であり、可動体9032の駆動、エラー報知、電断復旧の報知等の各種報知を含む)を実行する機能を有する。
演出制御基板9012には、演出制御用CPU90120と、ROM90121と、RAM90122と、表示制御部90123と、乱数回路90124と、I/O90125とが搭載されている。
演出制御用CPU90120は、ROM90121に記憶されたプログラムを実行することにより、表示制御部90123とともに演出を実行するための処理(演出制御基板9012の上記機能を実現するための処理であり、実行する演出の決定等を含む)を行う。このとき、ROM90121が記憶する各種データ(各種テーブルなどのデータ)が用いられ、RAM90122がメインメモリとして使用される。
演出制御用CPU90120は、コントローラセンサユニット9035Aやプッシュセンサ9035Bからの検出信号(遊技者による操作を検出したときに出力される信号であり、操作内容を適宜示す信号)に基づいて演出の実行を表示制御部90123に指示することもある。
表示制御部90123は、VDP(Video Display Processor)、CGROM(Character Generator ROM)、VRAM(Video RAM)などを備え、演出制御用CPU90120からの演出の実行指示に基づき、演出を実行する。
表示制御部90123は、演出制御用CPU90120からの演出の実行指示に基づき、実行する演出に応じた映像信号を画像表示装置905に供給することで、演出画像を画像表示装置905に表示させる。表示制御部90123は、さらに、演出画像の表示に同期した音声出力や、遊技効果ランプ909の点灯/消灯を行うため、音指定信号(出力する音声を指定する信号)を音声制御基板9013に供給したり、ランプ信号(ランプの点灯/消灯態様を指定する信号)をランプ制御基板9014に供給したりする。また、表示制御部90123は、可動体9032を動作させる信号を当該可動体9032又は当該可動体9032を駆動する駆動回路に供給する。
音声制御基板9013は、スピーカ908L、908Rを駆動する各種回路を搭載しており、当該音指定信号に基づきスピーカ908L、908Rを駆動し、当該音指定信号が指定する音声をスピーカ908L、908Rから出力させる。
ランプ制御基板9014は、遊技効果ランプ909を駆動する各種回路を搭載しており、当該ランプ信号に基づき遊技効果ランプ909を駆動し、当該ランプ信号が指定する態様で遊技効果ランプ909を点灯/消灯する。このようにして、表示制御部90123は、音声出力、ランプの点灯/消灯を制御する。
なお、音声出力、ランプの点灯/消灯の制御(音指定信号やランプ信号の供給等)、可動体9032の制御(可動体9032を動作させる信号の供給等)は、演出制御用CPU90120が実行するようにしてもよい。
乱数回路90124は、各種演出を実行するために使用される各種の乱数値(演出用乱数)を示す数値データを更新可能にカウントする。演出用乱数は、演出制御用CPU90120が所定のコンピュータプログラムを実行することで更新されるもの(ソフトウェアで更新されるもの)であってもよい。
演出制御基板9012に搭載されたI/O90125は、例えば主基板9011などから伝送された演出制御コマンドを取り込むための入力ポートと、各種信号(映像信号、音指定信号、ランプ信号)を伝送するための出力ポートとを含んで構成される。
演出制御基板9012、音声制御基板9013、ランプ制御基板9014といった、主基板9011以外の基板をサブ基板ともいう。パチンコ遊技機901のようにサブ基板が機能別に複数設けられていてもよいし、1のサブ基板が複数の機能を有するように構成してもよい。
(動作)
次に、パチンコ遊技機901の動作(作用)を説明する。
(主基板9011の主要な動作)
まず、主基板9011における主要な動作を説明する。パチンコ遊技機901に対して電力供給が開始されると、遊技制御用マイクロコンピュータ90100が起動し、CPU90103によって遊技制御メイン処理が実行される。図51は、主基板9011におけるCPU90103が実行する遊技制御メイン処理を示すフローチャートである。
図51に示す遊技制御メイン処理では、CPU90103は、まず、割込禁止に設定する(ステップS901)。続いて、必要な初期設定を行う(ステップS902)。初期設定には、スタックポインタの設定、内蔵デバイス(CTC(カウンタ/タイマ回路)、パラレル入出力ポート等)のレジスタ設定、RAM90102をアクセス可能状態にする設定等が含まれる。
次いで、クリアスイッチからの出力信号がオンであるか否かを判定する(ステップS903)。クリアスイッチは、例えば電源基板に搭載されている。クリアスイッチがオンの状態で電源が投入されると、出力信号(クリア信号)が入力ポートを介して遊技制御用マイクロコンピュータ90100に入力される。クリアスイッチからの出力信号がオンである場合(ステップS903;Yes)、初期化処理(ステップS908)を実行する。初期化処理では、CPU90103は、RAM90102に記憶されるフラグ、カウンタ、バッファをクリアするRAMクリア処理を行い、作業領域に初期値を設定する。
また、CPU90103は、初期化を指示する演出制御コマンドを演出制御基板9012に送信する(ステップS909)。演出制御用CPU90120は、当該演出制御コマンドを受信すると、例えば画像表示装置905において、遊技機の制御の初期化がなされたことを報知するための画面表示を行う。
クリアスイッチからの出力信号がオンでない場合には(ステップS903;No)、RAM90102(バックアップRAM)にバックアップデータが保存されているか否かを判定する(ステップS904)。不測の停電等(電断)によりパチンコ遊技機901への電力供給が停止したときには、CPU90103は、当該電力供給の停止によって動作できなくなる直前に、電源供給停止時処理を実行する。この電源供給停止時処理では、RAM90102にデータをバックアップすることを示すバックアップフラグをオンする処理、RAM90102のデータ保護処理等が実行される。データ保護処理には、誤り検出符号(チェックサム、パリティビット等)の付加、各種データをバックアップする処理が含まれる。バックアップされるデータには、遊技を進行するための各種データ(各種フラグ、各種タイマの状態等を含む)の他、前記バックアップフラグの状態や誤り検出符号も含まれる。ステップS904では、バックアップフラグがオンであるか否かを判定する。バックアップフラグがオフでRAM90102にバックアップデータが記憶されていない場合(ステップS904;No)、初期化処理(ステップS908)を実行する。
RAM90102にバックアップデータが記憶されている場合(ステップS904;Yes)、CPU90103は、バックアップしたデータのデータチェックを行い(誤り検出符号を用いて行われる)、データが正常か否かを判定する(ステップS905)。ステップS905では、例えば、パリティビットやチェックサムにより、RAM90102のデータが、電力供給停止時のデータと一致するか否かを判定する。これらが一致すると判定された場合、RAM90102のデータが正常であると判定する。
RAM90102のデータが正常でないと判定された場合(ステップS905;No)、内部状態を電力供給停止時の状態に戻すことができないので、初期化処理(ステップS908)を実行する。
RAM90102のデータが正常であると判定された場合(ステップS905;Yes)、CPU90103は、主基板9011の内部状態を電力供給停止時の状態に戻すための復旧処理(ステップS906)を行う。復旧処理では、CPU90103は、RAM90102の記憶内容(バックアップしたデータの内容)に基づいて作業領域の設定を行う。これにより、電力供給停止時の遊技状態に復旧し、特別図柄の変動中であった場合には、後述の遊技制御用タイマ割込み処理の実行によって、復旧前の状態から特別図柄の変動が再開されることになる。
そして、CPU90103は、電断からの復旧を指示する演出制御コマンドを演出制御基板9012に送信する(ステップS907)。これに合わせて、バックアップされている電断前の遊技状態を指定する演出制御コマンドや、特図ゲームの実行中であった場合には当該実行中の特図ゲームの表示結果を指定する演出制御コマンドを送信するようにしてもよい。これらコマンドは、後述の特別図柄プロセス処理で送信設定されるコマンドと同じコマンドを使用できる。演出制御用CPU90120は、電断からの復旧時を特定する演出制御コマンドを受信すると、例えば画像表示装置905において、電断からの復旧がなされたこと又は電断からの復旧中であることを報知するための画面表示を行う。演出制御用CPU90120は、前記演出制御コマンドに基づいて、適宜の画面表示を行うようにしてもよい。
復旧処理または初期化処理を終了して演出制御基板9012に演出制御コマンドを送信した後には、CPU90103は、乱数回路90104を初期設定する乱数回路設定処理を実行する(ステップS9010)。そして、所定時間(例えば2ms)毎に定期的にタイマ割込がかかるように遊技制御用マイクロコンピュータ90100に内蔵されているCTCのレジスタの設定を行い(ステップS9011)、割込みを許可する(ステップS9012)。その後、ループ処理に入る。以後、所定時間(例えば2ms)ごとにCTCから割込み要求信号がCPU90103へ送出され、CPU90103は定期的にタイマ割込み処理を実行することができる。
こうした遊技制御メイン処理を実行したCPU90103は、CTCからの割込み要求信号を受信して割込み要求を受け付けると、図52のフローチャートに示す遊技制御用タイマ割込み処理を実行する。図52に示す遊技制御用タイマ割込み処理を開始すると、CPU90103は、まず、所定のスイッチ処理を実行することにより、スイッチ回路90110を介してゲートスイッチ9021、第1始動口スイッチ9022A、第2始動口スイッチ9022B、カウントスイッチ9023といった各種スイッチからの検出信号の受信の有無を判定する(ステップS9021)。続いて、所定のメイン側エラー処理を実行することにより、パチンコ遊技機901の異常診断を行い、その診断結果に応じて必要ならば警告を発生可能とする(ステップS9022)。この後、所定の情報出力処理を実行することにより、例えばパチンコ遊技機901の外部に設置されたホール管理用コンピュータに供給される大当り情報(大当りの発生回数等を示す情報)、始動情報(始動入賞の回数等を示す情報)、確率変動情報(確変状態となった回数等を示す情報)などのデータを出力する(ステップS9023)。
情報出力処理に続いて、主基板9011の側で用いられる遊技用乱数の少なくとも一部をソフトウェアにより更新するための遊技用乱数更新処理を実行する(ステップS9024)。この後、CPU90103は、特別図柄プロセス処理を実行する(ステップS9025)。CPU90103がタイマ割込み毎に特別図柄プロセス処理を実行することにより、特図ゲームの実行及び保留の管理や、大当り遊技状態や小当り遊技状態の制御、遊技状態の制御などが実現される(詳しくは後述)。
特別図柄プロセス処理に続いて、普通図柄プロセス処理が実行される(ステップS9026)。CPU90103がタイマ割込み毎に普通図柄プロセス処理を実行することにより、ゲートスイッチ9021からの検出信号に基づく(通過ゲート9041に遊技球が通過したことに基づく)普図ゲームの実行及び保留の管理や、「普図当り」に基づく可変入賞球装置906Bの開放制御などを可能にする。普図ゲームの実行は、普通図柄表示器9020を駆動することにより行われ、普図保留表示器9025Cを点灯させることにより普図保留数を表示する。
普通図柄プロセス処理を実行した後、遊技制御用タイマ割込み処理の一部として、電断が発生したときの処理、賞球を払い出すための処理等などが行われてもよい。その後、CPU90103は、コマンド制御処理を実行する(ステップS9027)。CPU90103は、上記各処理にて演出制御コマンドを送信設定することがある。ステップS9027のコマンド制御処理では、送信設定された演出制御コマンドを演出制御基板9012などのサブ側の制御基板に対して伝送させる処理が行われる。コマンド制御処理を実行した後には、割込みを許可してから、遊技制御用タイマ割込み処理を終了する。
図53は、特別図柄プロセス処理として、図52に示すステップS9025にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。この特別図柄プロセス処理において、CPU90103は、まず、始動入賞判定処理を実行する(ステップS90101)。
始動入賞判定処理では、始動入賞の発生を検出し、RAM90102の所定領域に保留情報を格納し保留記憶数を更新する処理が実行される。始動入賞が発生すると、表示結果(大当り種別を含む)や変動パターンを決定するための乱数値が抽出され、保留情報として記憶される。また、抽出した乱数値に基づいて、表示結果や変動パターンを先読み判定する処理が実行されてもよい。保留情報や保留記憶数を記憶した後には、演出制御基板9012に始動入賞の発生、保留記憶数、先読み判定等の判定結果を指定するための演出制御コマンドを送信するための送信設定が行われる。こうして送信設定された始動入賞時の演出制御コマンドは、例えば特別図柄プロセス処理が終了した後、図52に示すステップS9027のコマンド制御処理が実行されることなどにより、主基板9011から演出制御基板9012に対して伝送される。
S101にて始動入賞判定処理を実行した後、CPU90103は、RAM90102に設けられた特図プロセスフラグの値に応じて、ステップS90110〜S120の処理のいずれかを選択して実行する。なお、特別図柄プロセス処理の各処理(ステップS90110〜S120)では、各処理に対応した演出制御コマンドを演出制御基板9012に送信するための送信設定が行われる。
ステップS90110の特別図柄通常処理は、特図プロセスフラグの値が“0”(初期値)のときに実行される。この特別図柄通常処理では、保留情報の有無などに基づいて、第1特図ゲーム又は第2特図ゲームを開始するか否かの判定が行われる。また、特別図柄通常処理では、表示結果決定用の乱数値に基づき、特別図柄や飾り図柄の表示結果を「大当り」または「小当り」とするか否かや「大当り」とする場合の大当り種別を、その表示結果が導出表示される以前に決定(事前決定)する。さらに、特別図柄通常処理では、決定された表示結果に対応して、特図ゲームにおいて停止表示させる確定特別図柄(大当り図柄や小当り図柄、ハズレ図柄のいずれか)が設定される。その後、特図プロセスフラグの値が“1”に更新され、特別図柄通常処理は終了する。なお、第2特図を用いた特図ゲームが第1特図を用いた特図ゲームよりも優先して実行されるようにしてもよい(特図2優先消化ともいう)。また、第1始動入賞口及び第2始動入賞口への遊技球の入賞順序を記憶し、入賞順に特図ゲームの開始条件を成立させるようにしてもよい(入賞順消化ともいう)。
乱数値に基づき各種の決定を行う場合には、ROM90101に格納されている各種のテーブル(乱数値と比較される決定値が決定結果に割り当てられているテーブル)が参照される。主基板9011における他の決定、演出制御基板9012における各種の決定についても同じである。演出制御基板9012においては、各種のテーブルがROM90121に格納されている。
ステップS90111の変動パターン設定処理は、特図プロセスフラグの値が“1”のときに実行される。この変動パターン設定処理には、表示結果を「大当り」または「小当り」とするか否かの事前決定結果等に基づき、変動パターン決定用の乱数値を用いて変動パターンを複数種類のいずれかに決定する処理などが含まれている。変動パターン設定処理では、変動パターンを決定したときに、特図プロセスフラグの値が“2”に更新され、変動パターン設定処理は終了する。
変動パターンは、特図ゲームの実行時間(特図変動時間)(飾り図柄の可変表示の実行時間でもある)や、飾り図柄の可変表示の態様(リーチの有無等)、飾り図柄の可変表示中の演出内容(リーチ演出の種類等)を指定するものであり、可変表示パターンとも呼ばれる。
ステップS90112の特別図柄変動処理は、特図プロセスフラグの値が“2”のときに実行される。この特別図柄変動処理には、第1特別図柄表示装置904Aや第2特別図柄表示装置904Bにおいて特別図柄を変動させるための設定を行う処理や、その特別図柄が変動を開始してからの経過時間を計測する処理などが含まれている。また、計測された経過時間が変動パターンに対応する特図変動時間に達したか否かの判定も行われる。そして、特別図柄の変動を開始してからの経過時間が特図変動時間に達したときには、特図プロセスフラグの値が“3”に更新され、特別図柄変動処理は終了する。
ステップS90113の特別図柄停止処理は、特図プロセスフラグの値が“3”のときに実行される。この特別図柄停止処理には、第1特別図柄表示装置904Aや第2特別図柄表示装置904Bにて特別図柄の変動を停止させ、特別図柄の表示結果となる確定特別図柄を停止表示(導出)させるための設定を行う処理が含まれている。そして、表示結果が「大当り」である場合には特図プロセスフラグの値が“4”に更新される。その一方で、大当りフラグがオフであり、表示結果が「小当り」である場合には、特図プロセスフラグの値が“8”に更新される。また、表示結果が「ハズレ」である場合には、特図プロセスフラグの値が“0”に更新される。表示結果が「小当り」又は「ハズレ」である場合、時短状態や確変状態に制御されているときであって、回数切りの終了成立する場合には、遊技状態も更新される。特図プロセスフラグの値が更新されると、特別図柄停止処理は終了する。
ステップS90114の大当り開放前処理は、特図プロセスフラグの値が“4”のときに実行される。この大当り開放前処理には、表示結果が「大当り」となったことなどに基づき、大当り遊技状態においてラウンドの実行を開始して大入賞口を開放状態とするための設定を行う処理などが含まれている。大入賞口を開放状態とするときには、大入賞口扉用のソレノイド9082に対してソレノイド駆動信号を供給する処理が実行される。このときには、例えば大当り種別がいずれであるかに対応して、大入賞口を開放状態とする開放上限期間や、ラウンドの上限実行回数を設定する。これらの設定が終了すると、特図プロセスフラグの値が“5”に更新され、大当り開放前処理は終了する。
ステップS90115の大当り開放中処理は、特図プロセスフラグの値が“5”のときに実行される。この大当り開放中処理には、大入賞口を開放状態としてからの経過時間を計測する処理や、その計測した経過時間やカウントスイッチ9023によって検出された遊技球の個数などに基づいて、大入賞口を開放状態から閉鎖状態に戻すタイミングとなったか否かを判定する処理などが含まれている。そして、大入賞口を閉鎖状態に戻すときには、大入賞口扉用のソレノイド9082に対するソレノイド駆動信号の供給を停止させる処理などを実行した後、特図プロセスフラグの値が“6”に更新し、大当り開放中処理を終了する。
ステップS90116の大当り開放後処理は、特図プロセスフラグの値が“6”のときに実行される。この大当り開放後処理には、大入賞口を開放状態とするラウンドの実行回数が設定された上限実行回数に達したか否かを判定する処理や、上限実行回数に達した場合に大当り遊技状態を終了させるための設定を行う処理などが含まれている。そして、ラウンドの実行回数が上限実行回数に達していないときには、特図プロセスフラグの値が“5”に更新される一方、ラウンドの実行回数が上限実行回数に達したときには、特図プロセスフラグの値が“7”に更新される。特図プロセスフラグの値が更新されると、大当り解放後処理は終了する。
ステップS90117の大当り終了処理は、特図プロセスフラグの値が“7”のときに実行される。この大当り終了処理には、大当り遊技状態の終了を報知する演出動作としてのエンディング演出が実行される期間に対応した待ち時間が経過するまで待機する処理や、大当り遊技状態の終了に対応して確変制御や時短制御を開始するための各種の設定を行う処理などが含まれている。こうした設定が行われたときには、特図プロセスフラグの値が“0”に更新され、大当り終了処理は終了する。
ステップS90118の小当り開放前処理は、特図プロセスフラグの値が“8”のときに実行される。この小当り開放前処理には、表示結果が「小当り」となったことに基づき、小当り遊技状態において大入賞口を開放状態とするための設定を行う処理などが含まれている。このときには、特図プロセスフラグの値が“9”に更新され、小当り開放前処理は終了する。
ステップS90119の小当り開放中処理は、特図プロセスフラグの値が“9”のときに実行される。この小当り開放中処理には、大入賞口を開放状態としてからの経過時間を計測する処理や、その計測した経過時間などに基づいて、大入賞口を開放状態から閉鎖状態に戻すタイミングとなったか否かを判定する処理などが含まれている。大入賞口を閉鎖状態に戻して小当り遊技状態の終了タイミングとなったときには、特図プロセスフラグの値が“10”に更新され、小当り開放中処理は終了する。
ステップS90120の小当り終了処理は、特図プロセスフラグの値が“10”のときに実行される。この小当り終了処理には、小当り遊技状態の終了を報知する演出動作が実行される期間に対応した待ち時間が経過するまで待機する処理などが含まれている。ここで、小当り遊技状態が終了するときには、小当り遊技状態となる以前のパチンコ遊技機901における遊技状態を継続させる。小当り遊技状態の終了時における待ち時間が経過したときには、特図プロセスフラグの値が“0”に更新され、小当り終了処理は終了する。
(演出制御基板9012の主要な動作)
次に、演出制御基板9012における主要な動作を説明する。演出制御基板9012では、電源基板等から電源電圧の供給を受けると、演出制御用CPU90120が起動して、図54のフローチャートに示すような演出制御メイン処理を実行する。図54に示す演出制御メイン処理を開始すると、演出制御用CPU90120は、まず、所定の初期化処理を実行して(ステップS9071)、RAM90122のクリアや各種初期値の設定、また演出制御基板9012に搭載されたCTC(カウンタ/タイマ回路)のレジスタ設定等を行う。また、初期動作制御処理を実行する(ステップS9072)。初期動作制御処理では、可動体9032を駆動して初期位置に戻す制御、所定の動作確認を行う制御といった可動体9032の初期動作を行う制御が実行される。
その後、タイマ割込みフラグがオンとなっているか否かの判定を行う(ステップS9073)。タイマ割込みフラグは、例えばCTCのレジスタ設定に基づき、所定時間(例えば2ミリ秒)が経過するごとにオン状態にセットされる。このとき、タイマ割込みフラグがオフであれば(ステップS9073;No)、ステップS9073の処理を繰り返し実行して待機する。
また、演出制御基板9012の側では、所定時間が経過するごとに発生するタイマ割込みとは別に、主基板9011からの演出制御コマンドを受信するための割込みが発生する。この割込みは、例えば主基板9011からの演出制御INT信号がオン状態となることにより発生する割込みである。演出制御INT信号がオン状態となることによる割込みが発生すると、演出制御用CPU90120は、自動的に割込み禁止に設定するが、自動的に割込み禁止状態にならないCPUを用いている場合には、割込み禁止命令(DI命令)を発行することが望ましい。演出制御用CPU90120は、演出制御INT信号がオン状態となることによる割込みに対応して、例えば所定のコマンド受信割込み処理を実行する。このコマンド受信割込み処理では、I/O90125に含まれる入力ポートのうちで、中継基板9015を介して主基板9011から送信された制御信号を受信する所定の入力ポートより、演出制御コマンドを取り込む。このとき取り込まれた演出制御コマンドは、例えばRAM90122に設けられた演出制御コマンド受信用バッファに格納する。その後、演出制御用CPU90120は、割込み許可に設定してから、コマンド受信割込み処理を終了する。
ステップS9073にてタイマ割込みフラグがオンである場合には(ステップS9073;Yes)、タイマ割込みフラグをクリアしてオフ状態にするとともに(ステップS9074)、コマンド解析処理を実行する(ステップS9075)。コマンド解析処理では、例えば主基板9011の遊技制御用マイクロコンピュータ90100から送信されて演出制御コマンド受信用バッファに格納されている各種の演出制御コマンドを読み出した後に、その読み出された演出制御コマンドに対応した設定や制御などが行われる。例えば、どの演出制御コマンドを受信したかや演出制御コマンドが特定する内容等を演出制御プロセス処理等で確認できるように、読み出された演出制御コマンドをRAM90122の所定領域に格納したり、RAM90122に設けられた受信フラグをオンしたりする。また、演出制御コマンドが遊技状態を特定する場合、遊技状態に応じた背景の表示を表示制御部90123に指示してもよい。
ステップS9075にてコマンド解析処理を実行した後には、演出制御プロセス処理を実行する(ステップS9076)。演出制御プロセス処理では、例えば画像表示装置905の表示領域における演出画像の表示動作、スピーカ908L、908Rからの音声出力動作、遊技効果ランプ909及び装飾用LEDといった装飾発光体における点灯動作、可動体9032の駆動動作といった、各種の演出装置を動作させる制御が行われる。また、各種の演出装置を用いた演出動作の制御内容について、主基板9011から送信された演出制御コマンド等に応じた判定や決定、設定などが行われる。
ステップS9076の演出制御プロセス処理に続いて、演出用乱数更新処理が実行され(ステップS9077)、演出制御基板9012の側で用いられる演出用乱数の少なくとも一部がソフトウェアにより更新される。その後、ステップS9073の処理に戻る。ステップS9073の処理に戻る前に、他の処理が実行されてもよい。
図55は、演出制御プロセス処理として、図54のステップS9076にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図55に示す演出制御プロセス処理において、演出制御用CPU90120は、まず、先読予告設定処理を実行する(ステップS90161)。先読予告設定処理では、例えば、主基板9011から送信された始動入賞時の演出制御コマンドに基づいて、先読み予告演出を実行するための判定や決定、設定などが行われる。また、当該演出制御コマンドから特定される保留記憶数に基づき保留表示を表示するための処理が実行される。
ステップS90161の処理を実行した後、演出制御用CPU90120は、例えばRAM90122に設けられた演出プロセスフラグの値に応じて、以下のようなステップS90170〜S177の処理のいずれかを選択して実行する。
ステップS90170の可変表示開始待ち処理は、演出プロセスフラグの値が“0”(初期値)のときに実行される処理である。この可変表示開始待ち処理は、主基板9011から可変表示の開始を指定するコマンドなどを受信したか否かに基づき、画像表示装置905における飾り図柄の可変表示を開始するか否かを判定する処理などを含んでいる。画像表示装置905における飾り図柄の可変表示を開始すると判定された場合、演出プロセスフラグの値を“1”に更新し、可変表示開始待ち処理を終了する。
ステップS90171の可変表示開始設定処理は、演出プロセスフラグの値が“1”のときに実行される処理である。この可変表示開始設定処理では、演出制御コマンドにより特定される表示結果や変動パターンに基づいて、飾り図柄の可変表示の表示結果(確定飾り図柄)、飾り図柄の可変表示の態様、リーチ演出や各種予告演出などの各種演出の実行の有無やその態様や実行開始タイミングなどを決定する。そして、その決定結果等を反映した演出制御パターン(表示制御部90123に演出の実行を指示するための制御データの集まり)を設定する。その後、設定した演出制御パターンに基づいて、飾り図柄の可変表示の実行開始を表示制御部90123に指示し、演出プロセスフラグの値を“2”に更新し、可変表示開始設定処理を終了する。表示制御部90123は、飾り図柄の可変表示の実行開始の指示により、画像表示装置905において、飾り図柄の可変表示を開始させる。
ステップS90172の可変表示中演出処理は、演出プロセスフラグの値が“2”のときに実行される処理である。この可変表示中演出処理において、演出制御用CPU90120は、表示制御部90123を指示することで、ステップS90171にて設定された演出制御パターンに基づく演出画像を画像表示装置905の表示画面に表示させることや、可動体9032を駆動させること、音声制御基板9013に対する指令(効果音信号)の出力によりスピーカ908L、908Rから音声や効果音を出力させること、ランプ制御基板9014に対する指令(電飾信号)の出力により遊技効果ランプ909や装飾用LEDを点灯/消灯/点滅させることといった、飾り図柄の可変表示中における各種の演出制御を実行する。こうした演出制御を行った後、例えば演出制御パターンから飾り図柄の可変表示終了を示す終了コードが読み出されたこと、あるいは、主基板9011から確定飾り図柄を停止表示させることを指定するコマンドを受信したことなどに対応して、飾り図柄の表示結果となる確定飾り図柄を停止表示させる。確定飾り図柄を停止表示したときには、演出プロセスフラグの値が“3”に更新され、可変表示中演出処理は終了する。
ステップS90173の特図当り待ち処理は、演出プロセスフラグの値が“3”のときに実行される処理である。この特図当り待ち処理において、演出制御用CPU90120は、主基板9011から大当り遊技状態又は小当り遊技状態を開始することを指定する演出制御コマンドの受信があったか否かを判定する。そして、大当り遊技状態又は小当り遊技状態を開始することを指定する演出制御コマンドを受信したきに、そのコマンドが大当り遊技状態の開始を指定するものであれば、演出プロセスフラグの値を“6”に更新する。これに対して、そのコマンドが小当り遊技状態の開始を指定するものであれば、演出プロセスフラグの値を小当り中演出処理に対応した値である“4”に更新する。また、大当り遊技状態又は小当り遊技状態を開始することを指定するコマンドを受信せずに、当該コマンドの受信待ち時間が経過したときには、特図ゲームにおける表示結果が「ハズレ」であったと判定して、演出プロセスフラグの値を初期値である“0”に更新する。演出プロセスフラグの値を更新すると、特図当り待ち処理を終了する。
ステップS90174の小当り中演出処理は、演出制御プロセスフラグの値が“4”のときに実行される処理である。この小当り中演出処理において、演出制御用CPU90120は、例えば小当り遊技状態における演出内容に対応した演出制御パターン等を設定し、その設定内容に基づく小当り遊技状態における各種の演出制御を実行する。また、小当り中演出処理では、例えば主基板9011から小当り遊技状態を終了することを指定するコマンドを受信したことに対応して、演出プロセスフラグの値を小当り終了演出に対応した値である“5”に更新し、小当り中演出処理を終了する。
ステップS90175の小当り終了演出処理は、演出制御プロセスフラグの値が“5”のときに実行される処理である。この小当り終了演出処理において、演出制御用CPU90120は、例えば小当り遊技状態の終了などに対応した演出制御パターン等を設定し、その設定内容に基づく小当り遊技状態の終了時における各種の演出制御を実行する。その後、演出プロセスフラグの値を初期値である“0”に更新し、小当り終了演出処理を終了する。
ステップS90176の大当り中演出処理は、演出プロセスフラグの値が“6”のときに実行される処理である。この大当り中演出処理において、演出制御用CPU90120は、例えば大当り遊技状態における演出内容に対応した演出制御パターン等を設定し、その設定内容に基づく大当り遊技状態における各種の演出制御を実行する。また、大当り中演出処理では、例えば主基板9011から大当り遊技状態を終了することを指定するコマンドを受信したことに対応して、演出制御プロセスフラグの値をエンディング演出処理に対応した値である“7”に更新し、大当り中演出処理を終了する。
ステップS90177のエンディング演出処理は、演出プロセスフラグの値が“7”のときに実行される処理である。このエンディング演出処理において、演出制御用CPU90120は、例えば大当り遊技状態の終了などに対応した演出制御パターン等を設定し、その設定内容に基づく大当り遊技状態の終了時におけるエンディング演出の各種の演出制御を実行する。その後、演出プロセスフラグの値を初期値である“0”に更新し、エンディング演出処理を終了する。
(基本説明の変形例)
この発明は、上記基本説明で説明したパチンコ遊技機901に限定されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、様々な変形及び応用が可能である。
上記基本説明のパチンコ遊技機901は、入賞の発生に基づいて所定数の遊技媒体を景品として払い出す払出式遊技機であったが、遊技媒体を封入し入賞の発生に基づいて得点を付与する封入式遊技機であってもよい。
特別図柄の可変表示中に表示されるものは1種類の図柄(例えば、「−」を示す記号)だけで、当該図柄の表示と消灯とを繰り返すことによって可変表示を行うようにしてもよい。さらに可変表示中に当該図柄が表示されるものも、可変表示の停止時には、当該図柄が表示されなくてもよい(表示結果としては「−」を示す記号が表示されなくてもよい)。
上記基本説明では、遊技機としてパチンコ遊技機901を示したが、メダルが投入されて所定の賭け数が設定され、遊技者による操作レバーの操作に応じて複数種類の図柄を回転させ、遊技者によるストップボタンの操作に応じて図柄を停止させたときに停止図柄の組合せが特定の図柄の組み合わせになると、所定数のメダルが遊技者に払い出されるゲームを実行可能なスロット機(例えば、ビッグボーナス、レギュラーボーナス、RT、AT、ART、CZ(以下、ボーナス等)のうち1以上を搭載するスロット機)にも本発明を適用可能である。
本発明を実現するためのプログラム及びデータは、パチンコ遊技機901に含まれるコンピュータ装置などに対して、着脱自在の記録媒体により配布・提供される形態に限定されるものではなく、予めコンピュータ装置などの有する記憶装置にインストールしておくことで配布される形態を採っても構わない。さらに、本発明を実現するためのプログラム及びデータは、通信処理部を設けておくことにより、通信回線等を介して接続されたネットワーク上の、他の機器からダウンロードすることによって配布する形態を採っても構わない。
そして、ゲームの実行形態も、着脱自在の記録媒体を装着することにより実行するものだけではなく、通信回線等を介してダウンロードしたプログラム及びデータを、内部メモリ等に一旦格納することにより実行可能とする形態、通信回線等を介して接続されたネットワーク上における、他の機器側のハードウェア資源を用いて直接実行する形態としてもよい。さらには、他のコンピュータ装置等とネットワークを介してデータの交換を行うことによりゲームを実行するような形態とすることもできる。
なお、本明細書において、演出の実行割合などの各種割合の比較の表現(「高い」、「低い」、「異ならせる」などの表現)は、一方が「0%」の割合であることを含んでもよい。例えば、一方が「0%」の割合で、他方が「100%」の割合又は「100%」未満の割合であることも含む。
(特徴部31AKに関する説明)
次に、本実施の形態の特徴部31AKについて説明する。図56は、本実施の形態のパチンコ遊技機901における変動パターンやリーチの種類を説明するための図である。図56(A)に示すように、本実施の形態では、飾り図柄の可変表示の態様がリーチ態様とならずに表示結果が「ハズレ」となる非リーチハズレの変動パターンPA1’−1、PA1’−2、飾り図柄の可変表示の態様がリーチ態様となって表示結果が「ハズレ」となるリーチハズレの変動パターンPA2’−1〜PA2’−6、PA3’−1〜PA3’−4等、表示結果が「大当り」となる変動パターンPB2’−1〜PB2’−6、PB3’−1〜PB3’−4等が用意されている。
また、図56(B)に示すように、本実施の形態では、ノーマルリーチ、スーパーリーチA〜Eといったリーチ演出が実行されるようになっている。この実施の形態では、リーチ演出は、大当り状態に制御されることを示唆する示唆演出とも称される。各リーチが実行されたときの信頼度(大当り信頼度)は、図56(B)の黒色の星の数で表すように、ノーマルリーチ<スーパーリーチE<スーパーリーチD<スーパーリーチC<スーパーリーチB<スーパーリーチAの順番に高くなっている。なお、大当りとなることが確定するリーチを設けてもよい。
この実施の形態では、スーパーリーチはノーマルリーチを経由して実行されるようになっている。また、スーパーリーチのリーチ演出中に、より信頼度の高いリーチに発展(昇格)する発展演出が実行される場合がある。図56(A)に示す変動パターンPA3’−1〜PA3’−4等、変動パターンPB3’−1〜PB3’−4等が、発展演出が実行されることに対応した変動パターンとなっている。なお、図56(A)では、信頼度が一段階上のスーパーリーチに発展する変動パターンが示されているが、信頼度が二段階以上発展する変動パターンも設けられる。また、発展演出が複数回実行される変動パターンを設けてもよい。
この実施の形態では、信頼度が最も低いノーマルリーチ以外では、リーチ成立後の所定タイミングにおいて、そのリーチのタイトルが報知されるようになっている。図56(B)に示すように、リーチの種類によってタイトルの報知態様が異なっている。具体的には、スーパーリーチの中で最も信頼度の低いスーパーリーチEは、表示のみでリーチのタイトルが報知され、それ以外のスーパーリーチは、表示及び音声によりタイトルが報知される。このように、信頼度の高いリーチの方が信頼度の低いリーチより多くの演出装置によりタイトルの報知が実行されるようになっている。これにより、遊技者の期待感を効果的に煽ることができ演出効果が向上する。なお、タイトルの報知態様は、信頼度によってまたは信頼度によらず任意に変更してもよい。また、同じリーチ演出においても、実際の表示結果等に応じて報知態様を異ならせてもよい。また、リーチの種類によってタイトル文字のフォント(ゴシック体、明朝体等)や書体(行書、楷書等)を異ならせてもよい。
リーチのタイトルの報知(タイトル報知)とは、リーチの名称といったタイトルそのものを示すものに限定されず、リーチ演出で登場するキャラクタの名称、リーチ演出の演出内容等を示すものであってもよい。
(特徴部31AKの演出動作例)
続いて、本実施の形態における演出動作例について説明する。以下の演出動作は、主基板9011から送信される演出制御コマンドに基づいて、演出制御用CPU90120が演出制御プロセス処理を実行することで実行される。図57、図58は、本実施の形態におけるスーパーリーチの演出動作例を示す図である。図57(A)は、画像表示装置905の「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア905L、905C、905Rにおいて飾り図柄の可変表示が実行されていることを示している。その後、例えば、図57(B)に示すように、「左」及び「右」に7の数字を示す飾り図柄が停止してリーチ態様となる。その後はリーチの種類に応じて演出が分岐する。
(スーパーリーチA)
スーパーリーチAとなる場合には、図57(C)に示すように、画像表示装置905に味方キャラであるキャラクタ31AK001が表示されてリーチ演出が開始される。ここでは、例えばキャラクタ31AK001を使用したアニメーション等が表示される。スーパーリーチのリーチ演出(スーパーリーチ演出ともいう)の導入部分が終了する等、スーパーリーチ演出が開始されてから所定期間経過すると、図57(D)に示すように、画像表示装置905の画面全体にスーパーリーチAのタイトル31AK002(ここでは「SPリーチA」の文字)が表示されるとともに、スピーカ908からリーチのタイトル名に対応する音声(ここでは「スーパーリーチA」)が出力されることで、スーパーリーチAのタイトルが報知される。その後、スーパーリーチAのタイトル31AK002が消去され、図57(E)に示すように、敵キャラであるキャラクタ31AK003が表示され、キャラクタ31AK001のセリフ31AK004が表示されたり、キャラクタ31AK001とキャラクタ31AK003とが対決するスーパーリーチAのリーチ演出の後続部分が実行される。キャラクタ同士が対決する演出をバトル演出ともいい、バトル演出において味方キャラが勝利すると大当りとなり、味方キャラが敗北するとハズレとなる。
なお、スーパーリーチ演出中に画像表示装置905にセリフを表示するときに、スピーカ908からセリフに対応する音声が出力されるようにしてもよい。また、セリフは図57(E)に示すように吹き出しに表示することに限定されず、画像表示装置905の下部等に字幕で表示するようにしてもよい。
(スーパーリーチB)
スーパーリーチBとなる場合には、図57(C)に示すように、画像表示装置905にキャラクタ31AK001が表示されてリーチ演出が開始される。ここでは、例えばキャラクタ31AK001を使用したアニメーション等が表示される。スーパーリーチ演出の導入部分が終了する等、スーパーリーチ演出が開始されてから所定期間経過すると、図57(F)に示すように、画像表示装置905の画面全体にスーパーリーチBのタイトル31AK005(ここでは「SPリーチB」の文字)が表示されるとともに、スピーカ908からリーチのタイトル名に対応する音声(ここでは「スーパーリーチB」)が出力されることで、スーパーリーチBのタイトルが報知される。その後、スーパーリーチBのタイトル31AK005が消去され、図57(G)に示すように、敵キャラであるキャラクタ31AK006が表示され、キャラクタ31AK001のセリフ31AK004が表示されたり、キャラクタ31AK001とキャラクタ31AK006とが対決するスーパーリーチBのリーチ演出の後続部分が実行される。
このように、スーパーリーチAとスーパーリーチBとでは、スーパーリーチ演出が開始されてから所定期間経過したときにリーチのタイトルが報知されるようになっている。このようにすることで、スーパーリーチ演出の導入部分等を遊技者に見せた後にタイトルを報知できるので、タイトル報知の演出効果を高めることができる。
また、スーパーリーチA(図57(C)→(D)→(E)・・・)とスーパーリーチB(図57(C)→(F)→(G)・・・)とでは、タイトルが報知されるまでの導入部分においては、共通の演出態様でスーパーリーチ演出が実行されるようになっている(図57(C))。このようにすることで、スーパーリーチ演出が開始されてからいずれのスーパーリーチとなるか、いずれのタイトルが報知されるかに遊技者を注目させることができる。スーパーリーチAとスーパーリーチBとにおいて、タイトルが報知されるまでの演出態様を完全に共通にすることに限定されず、演出を注視すればいずれのスーパーリーチとなるかを判別できる等、少なくとも一部を共通の演出態様にするようにしてもよい。例えば、スーパーリーチAとスーパーリーチBとの導入部分において、その後に報知されるタイトルに関連する態様でスーパーリーチ演出(例えば敵キャラを表示したり敵キャラを示唆するような演出)を実行するようにしてもよい。このようにすることで、演出効果が向上し、遊技者が演出に注目するようになる。このように、いずれのスーパーリーチとなるかを特定可能にしてからタイトル報知を実行するようにしてもよい。
(スーパーリーチD)
スーパーリーチDとなる場合には、図57(H)に示すように、画像表示装置905の中央の一部にスーパーリーチDのタイトル31AK007(ここでは「SPリーチD」の文字)が表示されるとともに、スピーカ908からリーチのタイトル名に対応する音声(ここでは「敵を倒せ」)が出力されることで、スーパーリーチDのタイトルが報知される。このように、スーパーリーチDでは、スーパーリーチ演出の開始時にタイトルが報知されるようになっている。また、タイトル31AK007の下には、当該リーチの期待度を示唆する期待度示唆表示31AK008が表示される。期待度は、図57(H)に示すように、黒い星の数で表される。ここで、期待度とは大当りとなる期待度であるが、リーチの大当り信頼度と完全に一致していなくてもよい。
なお、スーパーリーチDの音声による報知は、タイトル名をそのまま報知するのではなく、リーチの内容を報知するようになっている。このように、この実施の形態では、リーチの種類によって音声によるタイトル報知の報知態様を異ならせている。これにより、タイトル報知の報知態様が多彩になり、興趣が向上する。
スーパーリーチDにおいてタイトルが報知された後には、図57(I)に示すように、画像表示装置905にキャラクタ31AK001が表示される。このとき、タイトル31AK007及び期待度示唆表示31AK008は、画像表示装置905の右上部分等に縮小して表示され続ける。このようにすることで、リーチ演出中にも遊技者がリーチの期待度を把握することができる。なお、図57(I)では、図57(C)(スーパーリーチA、スーパーリーチB)と共通の演出内容が示されているが、スーパーリーチD専用のスーパーリーチ演出が実行されてもよい。
その後、図57(J)に示すように、敵キャラであるキャラクタ31AK009が表示され、キャラクタ31AK001のセリフ31AK004が表示されたり、キャラクタ31AK001とキャラクタ31AK009とが対決するスーパーリーチDのリーチ演出が実行される。
(スーパーリーチE)
スーパーリーチEとなる場合には、図58(A)に示すように、画像表示装置905の左上の一部にスーパーリーチEのタイトル31AK010(ここでは「SPリーチE」の文字)が表示されることで、スーパーリーチEのタイトルが報知される。なお、スーパーリーチEでは、音声によるタイトルの報知が行われない。また、タイトル31AK010の表示と合わせて、キャラクタ31AK001と敵キャラであるキャラクタ31AK011とが表示され、キャラクタ31AK001のセリフ31AK004が表示されたり、キャラクタ31AK001とキャラクタ31AK011とが対決するスーパーリーチEのリーチ演出が実行される。このように、スーパーリーチEでは、リーチ演出の進行と合わせてタイトルが報知されるようになっている。スーパーリーチEでは、リーチ演出中にタイトル31AK010が表示され続ける。
大当り信頼度の低いスーパーリーチEのリーチ演出では、リーチ演出の進行を止めずにタイトル報知を行うことで、遊技者に過度な期待感を与えることを防止できる。これに対して、スーパーリーチA、スーパーリーチB、スーパーリーチDのリーチ演出では、リーチ演出の進行を停止してタイトル報知を行うようになっている(図57(D)、(F)、(H))。このようにすることで、スーパーリーチ演出に応じたタイトル報知を実行でき演出効果が向上する。なお、スーパーリーチA、スーパーリーチB、スーパーリーチDといったスーパーリーチ演出においてもリーチの進行を停止せずにタイトル報知を行うようにしてもよい。また、この実施の形態とは逆に、大当り信頼度の高いスーパーリーチのリーチ演出では、リーチ演出の進行を止めずにタイトル報知を行うようにしてもよい。大当り信頼度の低いスーパーリーチのリーチ演出では、リーチ演出の進行を停止してタイトル報知を行うようにしてもよい。
(タイトルの報知タイミング)
以上のように、この実施の形態では、スーパーリーチA及びスーパーリーチBにおいては、スーパーリーチ演出開始後所定期間経過してからタイトルが報知され、スーパーリーチD及びスーパーリーチEにおいては、スーパーリーチ演出開始時にタイトルが報知されるようになっている。このようにすることで、リーチ演出に応じたタイトル報知を実行でき演出効果が向上する。なお、この実施の形態では、大当り信頼度の高いスーパーリーチA及びスーパーリーチBにおいては、スーパーリーチ演出開始後所定期間経過してからタイトルが報知され、大当り信頼度の低いスーパーリーチD及びスーパーリーチEにおいては、スーパーリーチ演出開始時にタイトルが報知されるようになっていたが、大当り信頼度の高いリーチの場合にスーパーリーチ演出開始時にタイトルが報知され、大当り信頼度の低いリーチの場合にスーパーリーチ演出後所定期間経過してからタイトルが報知されるようにしてもよい。
(タイトルの表示領域)
また、この実施の形態では、スーパーリーチA及びスーパーリーチBにおいては、画像表示装置905の画面全体(第1領域)においてタイトルが報知され、スーパーリーチD及びスーパーリーチEにおいては、画像表示装置905の画面の一部(第2領域)においてタイトルが報知される。このようにすることで、リーチ演出に応じたタイトル報知を実行でき演出効果が向上する。特に、大当り信頼度の高いリーチである場合には、信頼度の低いリーチである場合よりも広い表示領域でタイトル報知が実行されるので効果的なタイトル報知が可能になる。なお、画像表示装置905の画面全体におけるタイトル報知とは、画面いっぱいに収まるサイズでタイトルが表示されるものであってもよいし、背景全体をタイトル報知用の背景としてそこにタイトルが表示されるもの(画面全体を使用したタイトル報知)等であってもよい。また、スーパーリーチAとスーパーリーチBとでタイトル報知を行う表示領域を異ならせてもよいし、スーパーリーチDとスーパーリーチEとでタイトル報知を行う表示領域を異ならせてもよい。
リーチ演出に応じてタイトル報知を行う表示領域を異ならせる方法は、この実施の形態の例に限定されず、リーチ演出に応じてタイトル報知を行う表示領域を任意に異ならせてもよい。例えば、大当り信頼度の高いリーチである場合には、信頼度の低いリーチである場合よりも狭い表示領域でタイトル報知が実行されてもよい。また、リーチ演出に応じてタイトル報知を行う表示領域を異ならせる場合において、この実施の形態のように表示面積を異ならせてもよいし、表示させる場所を異ならせてもよい。
(期待度示唆表示)
この実施の形態では、大当り信頼度の高いスーパーリーチA及びスーパーリーチBにおけるタイトル報知では、期待度示唆表示を表示せずに、スーパーリーチA及びスーパーリーチBよりも大当り信頼度の低いスーパーリーチDにおけるタイトル報知では、期待度示唆表示を表示するようにしていた。このようにすることで、演出がくどくなることを防止できる。また、スーパーリーチDよりも大当り信頼度の低いスーパーリーチEにおけるタイトル報知では、期待度示唆表示を表示しないようになっていた。このようにすることで、信頼度の低いリーチにおいて信頼度が低いことを示す期待度示唆表示が表示されることで遊技者が期待感を失うことを防止できる。なお、スーパーリーチA、スーパーリーチB、スーパーリーチEの少なくとも一部において期待度示唆表示を表示するようにしてもよい。
なお期待度示唆表示は、図57(H)等に示すように、黒い星の数によって示すものに限定されず、メーターやゲージにより期待度を示唆するようにしてもよいし、期待度に対応した数値を表示するようにしてもよい。また、図57(H)等に示すように、黒い星の数によって示す場合において、半個相当(半分)の黒い星を表示可能ようにして、期待度の段階数を増やしてもよい。
(タイトルの表示終了タイミング)
また、この実施の形態では、スーパーリーチA及びスーパーリーチBにおいては、タイトルが表示された後、タイトルが消去されてスーパーリーチ演出が実行される。これにより、スーパーリーチA及びスーパーリーチBにおいては、リーチ演出に注目させることができる。また、スーパーリーチD及びスーパーリーチEにおいては、タイトルが表示された後、後述の決め演出が実行されるまでタイトルが表示され続ける。これにより、スーパーリーチD及びスーパーリーチEにおいては、スーパーリーチ演出中もリーチの種類を把握することができる。また、以上のようにすることで、リーチ演出に応じたタイトル報知を実行でき演出効果が向上する。なお、タイトルの表示終了タイミングは、いずれであっても演出効果の向上を図れるため、任意に変更してもよい。
なお、ここではスーパーリーチCのリーチ演出の演出動作については省略するが、例えば大当り信頼度に応じたタイトル報知や期待度示唆表示が実行されればよい。
(決め演出)
各リーチ演出が実行されてから、表示結果を導出するタイミング(可変表示の終盤)になると、表示結果が「大当り」となるか否かを報知するための決め演出が実行される。決め演出には、表示結果が「大当り」となることを示す決め演出と、表示結果が「ハズレ」となることを示す決め演出と、が含まれる。この実施の形態では、図58(B)に示すように、画像表示装置905に画像31AK012が表示される決め演出が実行される。その後、表示結果が「大当り」であれば、図58(C)に示すように、味方キャラが勝利したことを示す画像31AK013が表示され、図58(D)に示すように、大当り組合せとなる確定飾り図柄が導出される。なお、表示結果が「ハズレ」であれば、味方キャラが敗北したことを示す画像が表示され、リーチハズレ組合せとなる確定飾り図柄が導出される。
この実施の形態では、リーチ演出中も継続してタイトルを報知する場合でも、決め演出が実行される前にタイトルの報知を終了するようになっている。これにより、決め演出に注目させることができ、また、メリハリのあるタイトル報知を実行できる。
図57、図58に示した演出動作例では、スーパーリーチのリーチ演出中は画像表示装置905の右下部分で飾り図柄を縮小して可変表示を実行するようになっていたが、リーチ演出中の飾り図柄の表示のさせ方は任意でよい。例えば、リーチ演出中は飾り図柄が表示されなくてもよいし、リーチ演出の種類によって表示態様(大きさ、位置、濃淡、数等)を異ならせてもよい。
なお、画像表示装置905に保留表示、アクティブ表示、可変表示中に常駐表示されるキャラクタ、携帯連動関連の表示を表示する場合、スーパーリーチのリーチ演出中はリーチ演出に注目させるために適宜非表示としてもよい。その際に、スーパーリーチEといった低信頼度のリーチ演出中には、これらの表示を表示したままにするようにしてもよい。このようにすることで、低信頼度のリーチ演出により遊技者を過度に期待させてしまうことを防止できるとともに、高信頼度のリーチ演出ではリーチ演出に注目させることができる。
(発展演出)
続いて、発展演出が実行される場合の演出動作例について説明する。図59(A)に示すように、スーパーリーチDのリーチ演出が実行されている(スーパーリーチDのタイトル報知が実行されている)ときに発展演出が実行される場合、図59(B)に示すように、リーチ演出が中断して画面が裂けるような演出が実行される。その後、スーパーリーチAに発展する場合には、図59(C)に示すように、スーパーリーチAのタイトルが報知され、スーパーリーチAのリーチ演出が実行される。スーパーリーチBに発展する場合には、図59(D)に示すように、スーパーリーチBのタイトルが報知され、スーパーリーチのリーチ演出が実行される。このように、発展演出が実行された場合には、発展元のリーチのタイトル報知から発展先のリーチのタイトル報知に切り替えられるで、いずれのリーチに発展したかがわかりやすくなる。図59に示すように、発展先のリーチが表示及び音声によりタイトル報知を行うリーチである場合には、表示及び音声によるタイトル報知が改めて実行される。
なお、発展演出は図59(B)に示すような例に限定されず、画面に徐々にヒビが入って割れるような演出であってもよいし、砂嵐(故障したような表示)を表示するようにしてもよい。このような演出とすることで、意外性のある演出を実行できる。なお、画面に徐々にヒビが入るがリーチが発展しない演出といった、ガセの発展演出があってもよい。
(期待度示唆演出)
図57(H)に示す演出動作例では、期待度示唆表示31AK008が期待度を示す黒い星が最初から表示されるようになっていたが、最初に5つの白い星を表示し、段階的に黒い星となることで期待度示唆する期待度示唆演出を実行するようにしてもよい。
例えば、図60(A)に示すように、スーパーリーチDのタイトルを報知する際に、最初に5つの白い星の期待度示唆表示31AK021が表示される。そして、図60(B)に示すように、期待度示唆表示31AK021の星より大きな黒い星31AK022が表示され、図60(C)に示すように、黒い星31AK022が移動して期待度示唆表示31AK021の白い星の一つに収まるような演出が実行される。このとき、スピーカ908から期待度を示す黒い星が増加したことを示す「ピン」という音声が出力される。図60(D)、(E)に示すように、リーチの期待度に対応した回数同じ演出が繰り返される。このときに、繰り返される毎(星の数毎)にスピーカ908から出力される音声(音量、音階、音質等)を段階的に変化させるようにしてもよい。期待度示唆表示31AK021に期待度に対応した数の黒い星が収まった段階で、図60(F)に示すように、その黒い星が光るといったように強調表示される。このようにすることで、期待度示唆演出が終了したことがわかりやすくなる。
図60(A)〜(F)に示す例では、黒い星が1つずつ表示されて期待度示唆表示により示される期待度が1段階ずつ上がるようになっていたが、黒い星が2つ以上表示されて期待度が2段階以上上がるようにしてもよい。また、半分の黒い星が表示されて期待度が半段階上がるようにしてもよい。この場合において、表示される星の数(上昇する期待度の段階数)に応じて、異なる音声を出力するようにしてもよいし、同じ音声を出力するようにしてもよい。例えば、半分の黒い星が表示されるときと1つの黒い星が表示されるときとで同じ音声を出力するようにしてもよい。2つ半の黒い星が表示されるときと3つの黒い星が表示されるときとで同じ音声を出力するようにしてもよい。また、音声を出力しない場合があってもよい。このようにすることで、期待度示唆演出が多彩になり、演出効果が向上する。なお、一度に増加する期待度の段階数によらず、同じ黒い星の画像が表示されて、期待度示唆表示の白い星に収まって、増加する期待度の段階数に応じた黒い星が増加するような演出を実行するようにしてもよい。
(演出モード)
画像表示装置905、スピーカ908、遊技効果ランプ909といった演出装置における演出モードが複数あってもよい。異なる演出モードでは、主基板9011から同じコマンド(例えば変動パターンを指定するコマンド)が送信された場合でも、当該コマンドに基づく演出が異なる演出態様で実行される。各演出モードでは、画像表示装置905に表示される背景、キャラクタ、モチーフ、スピーカ908から出力される音声等が異なっていればよい。演出モードは、可変表示の回数や遊技状態に応じて自動的に変更されるようにしてもよいし、遊技者の操作により変更可能にしてもよい。
図60(G)〜(L)は、演出モードとして通常モード及び特別モードが設けられる場合において、特別モードとなっている場合のタイトル報知及び期待度示唆演出の演出動作例である。通常モードでは、図60(A)〜(F)に示すようタイトル報知及び期待度示唆演出が実行される。特別モードでは、スーパーリーチDの変動パターンに基づくリーチ演出は、スーパーリーチDのリーチ演出とは演出態様の異なるスーパーリーチD2のリーチ演出となる。従って、スーパーリーチDの変動パターンが指定された場合、図60(G)に示すように、スーパーリーチD2のタイトル31AK023が表示される。このとき、スピーカ908からリーチのタイトル名に対応する音声が出力されるが、通常モードとは異なる音声(例えば声色が異なる音声)が出力される。また、スーパーリーチD2における期待度示唆表示31AK024は、星型ではなく菱形となっている。
その後、図60(H)に示すように、期待度示唆表示31AK024の星より大きな黒い菱形31AK025が表示され、図60(I)に示すように、黒い菱形31AK025が移動して期待度示唆表示31AK024の白い菱形の一つに収まるような演出が実行される。このとき、スピーカ908から期待度を示す黒い菱形が増加したことを示す「ポン」という音声が出力される。図60(J)、(K)に示すように、リーチの期待度に対応した回数同じ演出が繰り返される。期待度示唆表示31AK024に期待度に対応した数の黒菱形が収まった段階で、図60(L)に示すように、その黒い菱形が光るといったように強調表示される。このように、遊技者の選択や遊技状態等に応じて決定される演出モード(リーチ演出が実行されるときの状態)によって、タイトルの報知態様を異ならせることで演出が多彩になり演出効果が向上する。
図60では、スーパーリーチDの変動パターンが指定された場合の演出動作例を示したが、演出モード(リーチ演出が実行されるときの状態)によって他のリーチ演出(タイトル報知、期待度示唆演出を含む)の演出態様を異ならせるようにしてもよい。演出モード(リーチ演出が実行されるときの状態)によって、リーチのタイトルを報知するか否かやタイトル報知の実行割合を異ならせてもよい。例えば、所定の演出モードが選択された場合には、リーチのタイトルが報知されないようにしてもよい。このようにすることで、遊技者の好みに応じた演出を実行でき演出効果が向上する。
なお、この実施の形態では、期待度示唆表示における黒い星の数によって期待度を示唆し、黒い星の数を段階的に増加させる期待度示唆演出を実行するようになっていたが、期待度を示唆する表示の数を段階的に減少させる期待度示唆演出を実行するようにしてもよい。そのような期待度示唆演出をこの実施の形態の期待度示唆演出に加えて実行するようにしてもよいし、代えて実行するようにしてもよい。
(発展演出の他の例)
期待度示唆表示の期待度を示す表示を段階的に増加させる期待度示唆演出を実行する場合において、期待度を示す表示を増加させた後に発展演出を実行するようにしてもよい。この場合において、発展演出後に期待度を示す表示を増加させる場合、増加させる表示については段階的ではなく一度に表示するようにしてもよい。例えば図61(A)に示すように、スーパーリーチDのタイトルが報知され、黒い星を段階的に増加させる演出が完了した後に、図61(B)に示すように、画像表示装置905にボタン画像31AK031が表示される発展演出が実行される。ここで、プッシュボタン9031Bへの操作が検出されると、図61(C)に示すように、スーパーリーチCのタイトル31AK032(ここでは「SPリーチC」の文字)が表示されることで、スーパーリーチCのタイトルが報知される。このように、発展演出が実行された場合には、発展元のリーチのタイトル報知から発展先のリーチのタイトル報知に切り替えられるで、いずれのリーチに発展したかがわかりやすくなる。また、タイトル31AK032の下には、黒い星の数が3個である期待度示唆表示31AK033が強調表示される。なお、黒い星の数が2個以上増加する場合でも一度に表示される。なお、可動体9032が動作した後に、タイトルや期待度示唆表示が変化する発展演出を実行するようにしてもよい。
(予告演出)
この実施の形態では、予告演出として、タイトルの報知態様(例えばタイトルの表示色等)によって、大当り信頼度を予告するタイトル予告を実行するようになっている。例えば図62(A)に示すように、スーパーリーチAのタイトル31AK036が黒色で表示されるとともに、スピーカ908からリーチのタイトル名に対応する音声が出力されることで、スーパーリーチAのタイトルが報知された後、図62(B)に示すようにタイトル31AK036の表示色が赤色に変化するタイトル予告を実行するようになっている。このように、タイトル予告が実行されない場合はタイトルが黒色で表示され、タイトル予告が実行される場合はタイトルが黒色以外の色で表示される。図62に示すタイトル予告では、音声によりリーチのタイトルが報知された後に、タイトルの表示態様(表示色)が変化する場合がある。このようにすることで、予告演出の演出効果を高めることができる。なお、タイトルが黒色以外で表示されるタイミングはこれに限定されず、タイトルの表示開始時から黒色以外で表示されるようにしてもよい。
また、タイトルの表示態様(表示色)が変化するタイトル予告が実行された場合には、タイトルの表示態様が変化した後に、変化後の表示態様に応じた音声を出力するようにしてもよい。このようにすることで、予告演出の演出効果を高めることができる。また、音声によるタイトル報知は、タイトルの表示態様(表示色)が変化した後に実行されるようにしてもよい。この場合、変化後のタイトルの表示態様(表示色)に応じた音声が出力するようにしてもよい。
(タイトル報知の実行タイミング)
リーチ中のタイトルの報知は、予告演出や発展演出といった、大当り有利状態に制御される期待度が向上する演出(特定演出)の実行タイミング以外で実行することが好ましい。このようにすることで、一旦タイトルが報知された場合、期待度が向上する演出が実行され得るので、遊技者の期待感を維持することができる。
図63は、予告演出の実行の有無や演出態様を決定するための予告演出決定処理の一例を示すフローチャートである。予告演出決定処理は、演出制御用CPU90120が図55のステップS90171の可変表示開始設定処理内で実行する。予告演出決定処理では、演出制御用CPU90120は、先ず、主基板9011から送信されるコマンドから特定される変動パターンがスーパーリーチの変動パターンであるか否かを判定する(ステップ31AKS001)。
スーパーリーチの変動パターンである場合には(ステップ31AKS001;Yes)、スーパーリーチのタイトルの表示色(タイトル予告の実行の有無)を決定する(ステップ31AKS002)。
ステップ31AKS002では、表示結果が「大当り」となるか「ハズレ」となるかに応じて、例えば図64(A)に示す決定割合で、スーパーリーチのタイトルの表示色を決定する。スーパーリーチのタイトルの表示色は、図64(A)に示すように、「黒」、「赤」、「黒」から「赤」に変化するもの、「黒」から「フルーツ柄」に変化するもの、「赤」から「フルーツ柄」に変化するものが設けられており、この順番(昇順)で大当り信頼度が高くなっている。即ち、タイトルの表示色の変化タイミングに応じて大当り信頼度が異なっている。このようにすることで、遊技者がタイトルの表示色の変化タイミングに注目するようになり、演出効果が向上する。
なお、「フルーツ柄」は、タイトルの文字が太字で表示され文字そのものが「フルーツ柄」であってもよいし、タイトルの表示領域の背景部分が「フルーツ柄」となるものであってもよい。最初から「フルーツ柄」で表示されるパターンがあってもよい。表示色が変化するものについては、図62に示したように、タイトル報知が実行された後に表示色が変化すればよい。表示色が変化するものについて、表示色が変化するタイミングが複数あってもよい。そして、表示色が変化するタイミングに応じて大当り信頼度を異ならせてもよい。また、スーパーリーチの種類によって、タイトルの表示期間が異なるため、スーパーリーチの種類によって表示色が変化するタイミングが異なるようにしてもよい。タイトルの表示期間が長いスーパーリーチ(例えばスーパーリーチDやスーパーリーチE)の場合には、変化するタイミングを複数設けて、変化タイミングをいずれかに決定するようにしてもよい。そして、タイトルの表示期間が短いスーパーリーチ(例えばスーパーリーチAやスーパーリーチB)の場合には、変化するタイミングの数を1つ又はタイトルの表示期間が長いスーパーリーチよりも少数にしてもよい。
演出モードとして、通常モードと特別モードとがある場合、通常モードでは図64(A)に示す決定割合でタイトルの表示色を決定し、特別モードでは図64(B)に示すような通常モードと異なる割合でタイトルの表示色を決定する。なお、特別モードでは、表示色のパターンや信頼度の順位が通常モードと異なるようにしてもよい。このように、演出モードによってタイトル予告の実行態様(表示色や表示色の変化タイミング)を異ならせることで、演出が多彩になり演出効果が向上する。
この実施の形態では、予告演出として、スーパーリーチのリーチ演出におけるキャラクタのセリフの表示態様(例えばセリフの表示色等)によって、大当り信頼度を予告するセリフ予告を実行するようになっている。
スーパーリーチのタイトルの表示色を決定した後には、スーパーリーチのリーチ演出におけるキャラクタのセリフの表示色(セリフ予告の実行の有無)を決定する(ステップ31AKS003)。
ステップ31AKS003では、表示結果が「大当り」となるか「ハズレ」となるかに応じて、例えば図64(C)に示す決定割合で、リーチ演出におけるセリフの表示色を決定する。リーチ演出におけるセリフの表示色は、図64(C)に示すように、「白」、「赤」、「白」から「赤」に変化するものが設けられており、この順番(昇順)で大当り信頼度が高くなっている。即ち、セリフの表示色の変化タイミングに応じて大当り信頼度が異なっている。このようにすることで、遊技者がセリフの表示色の変化タイミングに注目するようになり、演出効果が向上する。なお、表示色が変化するものについては、セリフが表示された後に表示色が変化すればよい。表示色が変化するものについて、表示色が変化するタイミングが複数あってもよい。そして、表示色が変化するタイミングに応じて大当り信頼度を異ならせてもよい。
また、タイトル予告とセリフ予告との演出態様の組み合わせで、大当り信頼度が異なるようにしてもよい。例えば、タイトル予告とセリフ予告とで同じ演出態様(表示色)が含まれる場合、同じ演出態様となった場合には大当り信頼度が高くなるようにしてもよい。また、タイトル予告とセリフ予告との演出態様の変化タイミングの組み合わせで、大当り信頼度が異なるようにしてもよい。例えば、変化タイミングが同じ場合に変化タイミングが異なる場合より大当り信頼度が高くなるようにしたり、いずれの変化が先かで大当り信頼度を異ならせてもよい。このようにすることで、タイトル予告とセリフ予告とのそれぞれの変化タイミングに注目させることができる。
演出モードとして、通常モードと特別モードとがある場合、特別モードでは通常モードと異なる割合でセリフの表示色を決定するようにしてもよい。なお、特別モードでは、表示色のパターンや信頼度の順位が通常モードと異なるようにしてもよい。
なお、セリフ予告に代えてリーチ演出の演出態様の変化によって大当り信頼度を予告する予告演出を実行するようにしてもよい。その場合、その予告演出において、演出態様の変化タイミングを複数設けて、変化タイミングに応じて大当り信頼度が異なるようにすればよい。
リーチ演出におけるセリフの表示色を決定した後や、スーパーリーチの変動パターンでないと判定された場合(ステップAK31S001;No)、その他の予告演出に実行有無や演出態様を決定する(ステップAK31S004)。その後、31AKS002〜31AKS004における決定結果をRAM90122の所定領域に保存し(ステップAK31S005)、予告演出決定処理を終了する。
なお、この実施の形態では、スーパーリーチである場合に、タイトル予告及びセリフ予告を実行可能となっているが、特定のスーパーリーチ(例えば信頼度の低いスーパーリーチ以外)である場合に、タイトル予告及びセリフ予告のうち少なくとも一方を実行可能にしてもよい。また、タイトル予告及びセリフ予告については、図64に示す決定割合で決定されるものとして説明したが、決定割合は任意であり、例えばスーパーリーチの種類に応じて決定割合を異ならせてもよい。このようにすることで、リーチの種類に応じた予告演出を実行でき、演出効果が向上する。
この実施の形態では、タイトル予告とセリフ予告とでは、実行可能な演出態様の数(表示可能な表示色の数)が異なっている。このようにすることで、演出が多彩になり演出効果が高まる。タイトル予告とセリフ予告とにおいて、実行可能な演出態様の数は任意に変更してもよく、実行可能な演出態様の数や種類が同じであってもよい。このようにすることで、統一感ある予告演出が実行でき、遊技者は大当り信頼度を把握しやすくなる。
(作用演出)
このタイトル予告とセリフ予告との演出態様が変化するときに、演出態様が変化することを示す演出を実行するようにしてもよい。例えば、画像表示装置905に作用演出画像を表示し、その画像がタイトル及びセリフのうち少なくとも1つに作用する作用演出を実行するようにしてもよい。そして、作用演出が実行された後に、タイトルやセリフの演出態様(表示色)が変化するようにしてもよい。作用演出の演出態様(作用演出画像等)はタイトル及びセリフにいずれに作用する場合でも共通としてもよい。なお、作用演出が実行されたにも関わらず、タイトルやセリフの演出態様が変化しない場合があってもよい。作用演出を実行する場合には、タイトル予告とセリフ予告に係る決定結果に基づいて、作用演出の実行の有無や実行タイミング、演出態様を決定するようにすればよい。そのような決定はステップAK31S004の処理で実行されればよい。例えば、作用演出の演出態様に応じて、タイトル予告とセリフ予告との少なくとも一方の演出態様が変化する割合(作用演出により演出態様が変化する割合)が異なるようにしてもよいし、タイトル予告とセリフ予告といずれの演出態様が変化するかの割合(いずれに作用するかの割合)が異なるようにしてもよいし、何色に(何段階)変化するかの割合が異なるようにしてもよい。このような作用演出を実行することで、遊技者はいずれ作用演出画像が表示されたときに、タイトルとセリフのいずれに作用するかに注目するようになり演出効果が向上する。なお、複数の演出モードがある場合、演出モードに応じて異なる割合で作用演出の実行有無や演出態様を決定するようにしてもよい。このようにすることで、演出モードに応じた作用演出を実行でき、演出効果が向上する。
このような作用演出の他の例として、リーチ演出の演出内容(例えばキャラクタの動作やバトル演出における演出内容等)に応じて、タイトル及びセリフのいずれかのうち少なくとも1つの演出態様(表示色)が変化するようにしてもよい。このようにすることで、遊技者はリーチ演出の演出内容に注目するようになる。
この発明は、上記特徴部31AKで説明したパチンコ遊技機901に限定されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、様々な変形及び応用が可能である。例えば、上記実施の形態で説明した特徴部分は、全てが必須構成ではなく、適宜省略可能である。
(サブ液晶)
画像表示装置905とは異なるサブ表示装置として、遊技盤902または遊技機用枠903にサブ液晶が設けられていてもよい。ここではサブ液晶と表現するが、サブ表示装置は、有機ELやドットマトリクスのLEDにより構成されてもよい。サブ液晶装置は、例えば画像表示装置905の近傍等に固定されるものであってもよいし、可動式または収納式であってもよい。サブ液晶においては、予告演出や保留表示の表示といった各種演出を実行する。例えば、サブ液晶においてタイトル報知を実行するようにしてもよい。上記実施の形態のスーパーリーチD及びスーパーリーチEのように、タイトル報知後にも継続してタイトルを表示する場合に、サブ液晶においてタイトルや期待度示唆表示を表示するようにしてもよい。この場合、画像表示装置905においてタイトルを報知した後に、サブ液晶においてタイトルや期待度示唆表示を表示するようにしてもよい。このようにすることで、画像表示装置905におけるスーパーリーチ演出を阻害することなくタイトルや期待度示唆表示を表示することができる、タイトルや期待度示唆表示もわかりやすくなる。
上記実施の形態では、示唆演出としてのリーチ演出のタイトルの報知について、本発明を適用した例を説明したが、他の演出に関するタイトル報知(主に文字を表示する報知)に本発明を適用してもよい。例えば、予告演出(例えば先読み予告演出)として、画像表示装置905における背景画像や演出態様がそれぞれ異なる複数のゾーン(ステージ、演出モード等)に移行させる先読みゾーン演出を実行する場合において、移行したゾーンのタイトル報知に本発明を適用してもよい。ミッション(「7でリーチをかけろ」、「スティックコントローラを使って敵を全滅させろ」等)を提示し、当該ミッションを達成したときに遊技者に有利な状態となるミッション演出を実行する場合に、ミッションのタイトル報知に本発明を適用してもよい。
(特徴部31AKの変形例1)
上記実施の形態では、表示結果を導出するタイミングになると、表示結果が「大当り」となるか否かを報知するための決め演出が実行され、その後、表示結果が示されるようになっていた(図58(B)〜(D))。このような決め演出に代えて、表示結果を導出する前の所定タイミングになると、スティックコントローラ9031Aやプッシュボタン9031Bの操作を促す操作演出が実行され、操作有効期間に所定の操作が検出されるとバトル演出の勝敗が表示されたり、表示結果が仮停止される等により、表示結果が示されるようにしてもよい。このようにすることで、遊技者の操作に応じて表示結果が示されるため、遊技者の遊技参加意欲を高めることができ、興趣が向上する。
図65、図66は、操作演出が実行され、その操作に応じて表示結果が示される変形例におけるスーパーリーチの演出動作例を示す図である。図65(A)に示すように、画像表示装置905においてリーチ態様となった後、例えば図65(B)に示すように、味方キャラであるのキャラクタ31AK041と敵キャラであるキャラクタ31AK042とが表示され、図65(C)〜(F)、図66(G)〜(I)に示すように、キャラクタ31AK041とキャラクタ31AK042とが対決するリーチ演出が実行される。
リーチ演出に伴い、図65(C)に示すように、画像表示装置905の右下に小ボタン画像31AK043と小ボタン画像31AK043に重畳する規制線31AK044とが表示される。これにより、プッシュボタン9031Bを使用する操作演出が実行されるが、現状は操作の受付が規制されていることが示唆される。
この変形例では、操作演出が実行されることを示す操作演出画像が複数種類用意されている。そして、いずれの操作演出画像が表示されて操作演出が実行されるかによって大当り信頼度が異なるようになっている。また、リーチ演出中に操作演出が実行されることを示す画像がより信頼度の高い態様に変化する場合があるようになっている。
例えば、図65(D)に示すように、祈るキャラクタ31AK045が表示され、図65(E)に示すように、祈るキャラクタ31AK045が喜ぶキャラクタ31AK046に変化するとともに、小ボタン画像31AK043が大ボタン画像31AK047に変化する。
その後、図66(H)に示すように、大砲31AK048が表示され、図66(I)に示すように、大砲31AK048から弾が発射されるエフェクト31AK049が表示され、大ボタン画像31AK047に弾が命中するエフェクト31AK050が表示される。そして、大ボタン画像31AK047がスティック画像31AK051に変化する。
このように、この変形例では、操作演出画像が変化する場合には操作演出画像が変化することを示す作用演出が実行される。なお、作用演出を伴わずに操作演出画像が変化する場合があってもよい。また、作用演出が実行されたにも関わらず操作演出画像が変化しない場合があってもよい。作用演出の種類によって、操作演出画像が変化する割合が異なっていてもよい。
その後、表示結果が導出される所定時間前に、図66(J)に示すように、規制線31AK044が消去され、図66(K)に示すように、スティック画像31AK051が中央部に拡大表示され、スティックコントローラ9031Aを引く操作を促す表示がされる。また、このときスティックコントローラ9031Aへの操作が有効な操作有効期間となる。
ここで、スティックコントローラ9031Aを引く操作が検出されると、図66(L)に示すように、味方キャラが勝利したことを示す画像31AK052が表示される。その後、変動時間の終了するタイミングで、図66(M)に示すように、大当り組合せとなる確定飾り図柄が導出される。なお、予め定められた操作有効期間内に操作が検出されなかった場合には、自動的に図66(L)に示す画像が表示される。
この変形例では、操作演出画像として、小ボタン画像、大ボタン画像、スティック画像とがあり、小ボタン画像<大ボタン画像<スティック画像の順でこれらの画像を用いた操作演出が実行された場合の大当り信頼度が高くなっている。信頼度の低い操作演出画像が表示された場合であっても、リーチ演出中に信頼度の高い操作演出画像に変化する場合があるので、演出効果が向上し、また、遊技者の期待感を維持することができる。
なお、図65、図66に示した演出動作例では、リーチのタイトル報知や、期待度示唆表示は省略しているが、図65、図66に示したリーチ演出や操作演出と並行して適宜実行されるようにしてもよい。操作演出や操作演出画像に係る決定(操作演出の有無、表示する操作演出画像、作用演出の有無等)は、図63のステップ31AKS004にて実行されればよい。
(特徴部31AKの変形例2)
大当り遊技状態等の有利状態への制御の期待度を示唆する示唆表示を行なうようにしてもよい。例えば、第1示唆表示を行うシャッター演出と、第2示唆表示を行うリーチタイトル演出と、実行するようにしてもよい。シャッター演出では、可変表示開始後に画面上をシャッター表示で覆う演出が実行される。また、リーチタイトル演出では、リーチ後にリーチ演出の発展先を示すリーチタイトル表示をする演出が実行される。シャッター表示およびリーチタイトル表示のいずれを表示するときにも特定画像が含まれて表示される場合がある。リーチタイトル演出は、上記実施の形態のタイトル予告と同じであってもよいし、別の処理で決定される別の演出であってもよい。
特定画像とは、画像内に複数種類の要素を含んで表示される大当り信頼度の高い画像のことである。複数種類の要素としては、要素E1のバナナ画像、要素E2のメロン画像、要素E3のリンゴ画像、要素E4のスイカ画像、要素E5のイチゴ画像が含まれる。これら要素E1〜E5を含んで構成されたフルーツ柄画像が特定画像である。シャッター表示およびリーチタイトル表示のいずれにおいても、要素E1〜E5の全てが視認可能となるように表示される。また、特定画像を構成する要素E1〜E5の表示サイズは、シャッター表示とリーチタイトル表示との表示サイズの違いに応じて変更して表示される。また、要素E1〜E5のすべてがシャッター表示およびリーチタイトル表示のそれぞれに収まるように表示される。
可変表示開始後にシャッター演出が実行された場合に、フルーツ柄画像が表示されるときには、フルーツ柄画像が表示されないときよりも大当り信頼度が高い。また、リーチ演出実行中に、リーチタイトル表示をする際に、フルーツ柄画像で表示がされるときには、フルーツ柄画像で表示がされないときよりも大当り信頼度が高い。フルーツ柄が表示されないときには、たとえば、各要素E1〜E5を含まない無地の画像が表示される。なお、シャッター演出およびリーチタイトル演出が実行されたときの大当り信頼度を示す画像として、フルーツ柄画像以外の画像のパターンが用意されていてもよい。たとえば、大当り信頼度の順に白画像<青画像<赤画像<フルーツ柄画像が用意されていてもよい(たとえば、赤色のシャッターや赤文字のリーチタイトル等)。そして、可変表示の表示結果が大当りとなるか否かにより、所定の乱数抽選でいずれか1つの画像パターンが選択されるようにしてもよい。
シャッター表示およびリーチタイトル表示を行なう際に、フルーツ柄が表示される際においても、スピーカ908による共通音(メロディ)を出力する報知を行なうとともに遊技効果ランプ909の発光による報知を行なう。共通音および遊技効果ランプ909の発光制御により、フルーツ柄が特別な画像であることが遊技者に示される。このような、シャッター表示およびリーチタイトル表示を行なう際には、フルーツ柄に対する共通報知が実行される。また、リーチタイトル表示では、共通報知の後に、特定音(ボイス)がさらに出力される。なお、共通音と特定音とは、出力期間が一部重なるようにしてもよい。
図67は、シャッター演出およびリーチタイトル演出が実行されるときの表示画面図である。図67(a)に示すように、シャッター演出が実行される場合、画像表示装置905において可変表示の開始時にシャッター画像31AK061が表示される。シャッター画像31AK061には、要素E1〜E5全てを含むフルーツ柄の画像が表示される。また、シャッター演出実行時には、スピーカ908による共通音(メロディ)を出力する報知が実行されるとともに遊技効果ランプ909の発光による報知が実行される。閉じていたシャッターが開くと、図67(b)に示すように、飾り図柄の可変表示が開始される。下向きの矢印が左、中、右図柄の可変表示を示している。左図柄および右図柄の可変表示が仮停止すると、図67(c)に示すように、リーチ状態となる。
次いで、図67(d)に示すように、スーパーリーチ演出が開始される。可変表示は例えば画面右上に小さく表示され、画面左側にキャラクタが表示される。画面右下には、リーチタイトル画像31AK062が表示され、これから実行されるスーパーリーチの内容がリーチタイトル表示として示される。リーチタイトル画像31AK062には、要素E1〜E5全てを含むフルーツ柄の画像が表示される。また、リーチタイトル画像31AK062には、バトル演出を伴うリーチ演出が実行されることを示す「バトルリーチ」の文字が表示される。
また、リーチタイトル演出実行時には、スピーカ908による共通音(メロディ)を出力する報知が実行されるとともに遊技効果ランプ909の発光による報知が実行される。さらに、共通音を出力後に、キャラクタが「アツイアツイ」のような大当り信頼度が高いことを示す特定音(ボイス)を発する演出が実行される。ここで、リーチタイトル演出ではシャッター演出に比べ表示する示唆表示のサイズが小さい。しかし、このように、リーチタイトル演出においては、特定音を出力することで、フルーツ柄画像が表示されたことを遊技者により認識させやすくすることができる。なお、共通音と特定音とは、出力期間が完全に分かれている場合を説明したが、出力期間が一部重なるようにしてもよい。
その後、図67(e)に示すような、バトルリーチ演出が実行される。画面左には敵キャラクタが表示され、画面右には味方キャラクタが表示される。味方キャラクタが敵キャラクタとのバトルに勝利すると、画面左上には「バトル勝利!」の文字が表示される。バトルに勝利したことで大当りが確定したことが報知される。バトル演出が終了すると元の数字図柄による可変表示画面に戻る。図67(f)に示すように、全ての図柄が停止し、「777」の大当り図柄が表示される。
図67(a)、(d)に示すように、シャッター画像31AK061およびリーチタイトル画像31AK062のいずれにもフルーツ柄画像を構成する全ての要素E1〜E5を含んで表示される。このようにすれば、表示サイズの異なるシャッター画像31AK061とリーチタイトル画像31AK062とのいずれにおいても、フルーツ柄画像を好適に表示することができる。これにより、大当り信頼度の高いフルーツ柄画像が表示されたことを正確に伝えることができる。
また、図67(a)に示すシャッター画像31AK061の表示サイズは、図67(d)に示すリーチタイトル画像31AK062の表示サイズよりも大きく表示される。よって、シャッター画像31AK061の表示サイズとリーチタイトル画像31AK062の表示サイズとの違いに注目させることができる。
また、図67(a)に示すシャッター画像31AK061と図67(d)に示すリーチタイトル画像31AK062とは異なるタイミングで表示される。このようにすれば、実行タイミングが重なることにより特定画像であるフルーツ柄画像が見えづらくなってしまうことを防止することができる。
シャッター演出に係る決定(シャッター演出の有無や演出態様)は、図63のステップ31AKS004にて実行されればよい。その際には、図63のステップ31AKS002におけるタイトルの表示色の決定結果に基づいてシャッター演出に係る決定を行うようにしてもよい。例えば、タイトルの表示色がフルーツ柄になるものが決定されている場合は、フルーツ柄のシャッター演出が実行されやすくしてもよい。また、リーチタイトル演出の係る決定もシャッター演出に係る決定と合わせて図63のステップ31AKS004にて実行されるようにしてもよい。
(特徴部121IWに関する説明)
次に、特徴部121IWについて説明する。先ず、図68−1及び図68−2に示すように、パチンコ遊技機(遊技機)901は、大別して、縦長の方形枠状に形成された外枠121IW001aと、遊技盤面を構成する遊技盤(ゲージ盤)902(図49参照)と、遊技盤902を支持固定する遊技機用枠(台枠)121IW003とから構成されている。遊技盤902には、遊技領域が形成され、この遊技領域には、遊技媒体としての遊技球が所定の打球発射装置から発射されて打ち込まれる。また、遊技機用枠121IW003には、ガラス窓を有するガラス扉枠121IW003aが左側辺を中心として遊技機用枠121IW003の前面を開放する扉開放位置と該前面を閉鎖する扉閉鎖位置との間で回動可能に設けられ、該ガラス扉枠121IW003aにより遊技領域を開閉できるようになっており、ガラス扉枠121IW003aを閉鎖したときにガラス窓を通して遊技領域を透視できるようになっている。
また、遊技機用枠121IW003は、遊技場の店員等が所有する扉キーを図示しない錠前に挿入して解錠することで開放可能となり、店員以外の遊技者等は遊技機用枠121IW003及びガラス扉枠121IW003aを開放することはできないようになっている。
主基板9011は、第1部材と第2部材とにより開放可能に構成された基板ケース121IW201に収納された状態でパチンコ遊技機901の背面に搭載されている。また、主基板9011には、後述する設定変更状態または設定確認状態に切り替えるための設定キー121IW051と、設定変更状態において後述する大当りの当選確率(出玉率)等の設定値を変更するための設定スイッチとして機能する設定切替スイッチ121IW052が設けられている。
これら設定キー121IW051及び設定切替スイッチ121IW052といった遊技者が操作可能な操作部が設けられた設定切替本体部は、主基板9011とともに基板ケース121IW201内に収容されており、設定キー121IW051及び設定切替スイッチ121IW052は、基板ケース121IW201を開放しなくても操作可能となるように基板ケース121IW201の背面右部に形成された開口を介して背面側に露出している。
設定キー121IW051及び設定切替スイッチ52を有する基板ケース121IW201は、パチンコ遊技機901の背面に設けられているため、遊技機用枠903を閉鎖した状態ではパチンコ遊技機901の正面側からの操作が不可能であり、所定の扉キーを用いて遊技機用枠903を開放することで操作が可能となる。また、設定キー121IW051は、遊技場の店員等が所有する設定キーの操作を要することから、設定キーを所持する店員のみ操作が可能とされている。また、設定キー121IW051は、後述するONとOFFの切替操作を実行可能なスイッチでもある。尚、この特徴部121IWでは、扉キーと設定キーとが別個のキーである形態を例示したが、一のキーにて兼用されていてもよい。
また、基板ケース121IW201には、表示モニタ121IW029と、該表示モニタ121IW029の表示を切り替えるための表示切替スイッチ121IW030が配置されている。これら表示モニタ121IW029及び表示切替スイッチ121IW030は、主基板9011に接続されているとともに、基板ケース121IW201の左上部に配置されている。つまり、表示モニタ121IW029及び表示切替スイッチ121IW030は、基板ケース121IW201における主基板9011を視認する際の正面に配置されている。主基板9011は、遊技機用枠121IW003を開放していない状態では視認できないので、主基板9011を視認する際の正面とは、遊技機用枠121IW003を開放した状態における遊技盤902の裏面側を視認する際の正面であり、パチンコ遊技機901の正面とは異なる。ただし、主基板9011を視認する際の正面とパチンコ遊技機901の正面とが共通するようにしてもよい。
前述したように、本特徴部121IWにおける設定キー121IW051や設定切替スイッチ121IW052は、遊技機用枠903を閉鎖した状態ではパチンコ遊技機901の正面側からは操作が不可能となっているが、該パチンコ遊技機901が設置される遊技島の内側等から設定キー121IW051や設定切替スイッチ121IW052が操作される虞がある。そこで本特徴部121IWでは、図68−2及び図68−3に示すように、外枠121IW001aの右端部には、遊技機用枠121IW003の閉鎖時に、設定キー121IW051と設定切替スイッチ52とを含む基板ケース121IW201の右側部を背面側から被覆するセキュリティカバー121IW500Aが取り付けられている。このキュリティーカバー121IW500Aは、前後方向を向く短片121IW500Aaと、該短片121IW500Aaの後端部からパチンコ遊技機901の左側方に向けて伸びる長片121IW500Abと、を備える略L字状の部材であって、透過性を有する板状の合成樹脂材によって構成されている。短片121IW500Aaの上下寸法は、基板ケース121IW201の背板の上下寸法とほぼ同寸とされている。また、セキュリティカバー121IW500Aは、短片121IW500Aaの前端部を介して外枠121IW001aの右端部に固定されている。
尚、図68−2に示すように、長片121IW500Abは、遊技機用枠121IW003が閉鎖されている状態において、基板ケース121IW201の右部にパチンコ遊技機901の後方から当接(または近接)することによって設定キー121IW051と設定切替スイッチ121IW052とを含む基板ケース121IW201の右側部をパチンコ遊技機901の背面側から被覆する。このため、設定キー121IW051及び設定切替スイッチ121IW052は、長片121IW500Abによって操作不能な状態となる。一方で、図68−3に示すように、遊技機用枠121IW003が開放されている状態においては、設定キー121IW051と設定切替スイッチ121IW052とは、遊技機用枠121IW003とともに移動して長片121IW500Abから離間することによって長片121IW500Abによる被覆状態が解除されることで操作可能な状態となる。
つまり、本特徴部121IWにおけるパチンコ遊技機901は、遊技機用枠121IW003が閉鎖されている状態においては、セキュリティカバー121IW500Aによって設定キー121IW051と設定切替スイッチ121IW052を含む操作部に対する操作が規制される規制状態に維持される一方で、遊技機用枠121IW003が開放されている状態においては、前述したセキュリティカバー121IW500Aによる規制状態が解除され、設定キー121IW051と設定切替スイッチ121IW052との操作が許容される許容状態となる。
基板ケース121IW201は、パチンコ遊技機901の背面側に設けられているため、遊技機用枠121IW003が閉鎖されている状態において、設定キー121IW051や設定切替スイッチ121IW052にアクセスすることは極めて困難であるため、遊技場の店員等が扉キーにより遊技機用枠121IW003を開放しない限り設定キー121IW051や設定切替スイッチ121IW052を操作して設定値を変更することはできない。
しかし、パチンコ遊技機901が遊技場の遊技島(図示略)に設置された状態において、遊技機用枠121IW003が閉鎖されていても、例えば、パチンコ遊技機901に隣接する他のパチンコ遊技機との間に設置されるカードユニット等の遊技用装置やスペーサ部材とパチンコ遊技機901との間から針金やセル板等の不正部材を進入させて、パチンコ遊技機901の背面側にある設定キー121IW051や設定切替スイッチ121IW052を操作することで設定値が変更されるといった不正行為が行われる可能性があるため、遊技機用枠121IW003が閉鎖されている状態においてセキュリティカバー121IW500Aによって設定キー121IW051と設定切替スイッチ121IW052を含む操作部に対する操作が規制される規制状態に維持されることで、上記不正行為を好適に抑制することができる。
また、遊技機用枠121IW003が閉鎖され、セキュリティカバー121IW500Aによって設定キー121IW051と設定切替スイッチ121IW052を含む基板ケース121IW201の背面右側が被覆されている規制状態でも、透過性を有するセキュリティカバー121IW500Aを通して、基板ケース121IW201に収容されている主基板9011等を透視することができるため、主基板9011におけるCPU90103などの電子部品が実装される実装面や封印シール等の状況を容易に確認することができる。
遊技制御用マイクロコンピュータ90100では、CPU90103がROM90101から読み出したプログラムを実行し、RAM90102をワークエリアとして用いることで、パチンコ遊技機901における遊技の進行を制御するための各種の処理が実行される。また、CPU90103は、乱数生成プログラムを実行することで、主基板9011の側において用いられる各種の乱数の全てを生成可能とされている。
本特徴部121IWでは、主基板9011の側において、特図表示結果判定用の乱数値MR1’の他、大当り種別判定用の乱数値MR2’、変動パターン判定用の乱数値MR3’、普図表示結果判定用の乱数値MR4、MR4の初期値決定用の乱数値MR5のそれぞれを示す数値データが、カウント可能に制御される。尚、遊技効果を高めるために、これら以外の乱数値が用いられてもよい。これらの乱数値MR1’〜MR5は、CPU90103にて、異なるランダムカウンタを用いて、ソフトウェアによる更新によってカウントするようにしてもよいし、乱数回路90104によって更新されてもよい。乱数回路90104は、遊技制御用マイクロコンピュータ90100に内蔵されるものであってもよいし、遊技制御用マイクロコンピュータ90100とは異なる乱数回路チップとして構成されるものであってもよい。こうした遊技の進行を制御するために用いられる乱数は、遊技用乱数ともいう。
遊技制御用マイクロコンピュータ90100が備えるROM90101には、ゲーム制御用のプログラムの他にも、遊技の進行を制御するために用いられる各種のテーブルデータなどが記憶されている。例えば、ROM90101には、CPU90103が各種の判定や決定を行うために用意された、図68−4及び図68−5などに示す複数の判定テーブルを構成するテーブルデータが記憶されている。また、ROM90101には、CPU90103が主基板9011から各種の制御信号を出力させるために用いられる複数の制御パターンテーブルを構成するテーブルデータや、特別図柄や普通図柄などの変動表示における各図柄の変動態様となる変動パターンを複数種類格納する変動パターンテーブルなどが記憶されている。
ROM90101が記憶する判定テーブルには、例えば図68−4(A)に示す表示結果判定テーブル(設定値1)、図68−4(B)に示す表示結果判定テーブル(設定値2)、図68−4(C)に示す表示結果判定テーブル(設定値3)、図68−5(A)に示す大当り種別判定テーブルの他、大当り変動パターン判定テーブル(図示略)、小当り変動パターン判定テーブル(図示略)、図68−6に示すハズレ変動パターン判定テーブル、普図表示結果判定テーブル(図示略)、普図変動パターン判定テーブル(図示略)などが含まれている。
本特徴部121IWにおけるパチンコ遊技機901は、設定値に応じて大当りの当選確率(出玉率)が変わる構成とされている。具体的には、特別図柄プロセス処理の特別図柄通常処理において、設定値に応じた表示結果判定テーブル(当選確率)を用いることにより、大当りの当選確率(出玉率)が変わるようになっている。設定値は1〜3の3段階からなり、1が最も出玉率が低く、1、2、3の順に値が大きくなるほど出玉率が高くなる。すなわち、設定値として1が設定されている場合には遊技者にとって最も有利度が低く、2、3の順に値が大きくなるほど有利度が段階的に高くなる。なお、本特徴部121IWでは、小当りの当選確率については、設定値に関係なく同じである。
(表示結果判定テーブル)
図68−4(A)〜(C)は、各設定値に対応する表示結果判定テーブルを示す説明図である。表示結果判定テーブルとは、ROM90101に記憶されているデータの集まりであって、MR1’と比較される当り判定値が設定されているテーブルである。各表示結果判定テーブルは、変動特図指定バッファが1(第1)である、つまり、第1特別図柄が変動表示の対象とされている場合と、変動特図指定バッファが2(第2)である、つまり、第2特別図柄が変動表示の対象とされている場合のそれぞれについて、大当りとする判定値と、小当りとする判定値が設定されている。
図68−4(A)に示すように、設定値1に対応する表示結果判定テーブルを用いるときに、変動特図指定バッファが第1である場合、つまり、第1特別図柄が変動表示の対象とされている場合には、設定値が「2」、「3」である場合よりも低い確率(非確変時は1/320、確変時は1/32)で大当りに当選する。一方、これら判定値のうちの一部が小当りに対応する判定値として設定されており、設定値が「2」、「3」である場合と同じ確率(1/99)で小当りに当選するようになっている。また、変動特図指定バッファが第2である場合には、大当りに対応する判定値として、変動特図指定バッファが第1である場合と同様の判定値が設定されており、第2特別図柄が変動表示の対象とされている場合にも、第1特別図柄が変動表示の対象とされている場合と同じ確率(非確変時は1/320、確変時は1/32)で大当りに当選する。一方、これら判定値のうちの半数が小当りに対応する判定値として設定されていることで、第1特別図柄が変動表示の対象とされている場合よりも高い確率(1/2)で小当りに当選するようになっている。
また、図68−4(B)に示すように、設定値2に対応する表示結果判定テーブルを用いるときに、変動特図指定バッファが第1である場合には、設定値が「1」である場合よりも高い確率(非確変時は1/300、確変時は1/30)で大当りに当選する。一方、これら判定値のうちの一部が小当りに対応する判定値として設定されており、設定値が「1」、「3」である場合と同じ確率(1/99)で小当りに当選するようになっている。また、変動特図指定バッファが第2である場合には、大当りに対応する判定値として、変動特図指定バッファが第1である場合と同様の判定値が設定されており、第2特別図柄が変動表示の対象とされている場合にも、第1特別図柄が変動表示の対象とされている場合と同じ確率(非確変時は1/300、確変時は1/30)で大当りに当選する。一方、これら判定値のうちの半数が小当りに対応する判定値として設定されていることで、第1特別図柄が変動表示の対象とされている場合よりも高い確率であり、かつ、設定値が「1」、「3」である場合と同じ確率(1/2)で小当りに当選するようになっている。
また、図68−4(C)に示すように、設定値3に対応する表示結果判定テーブルを用いるときに、変動特図指定バッファが第1である場合には、設定値が「1」、「2」である場合よりも高い確率(非確変時は1/280、確変時は1/28)で大当りに当選する。一方、これら判定値のうちの一部が小当りに対応する判定値として設定されており、設定値が「1」、「2」である場合と同じ確率(1/99)で小当りに当選するようになっている。また、変動特図指定バッファが第2である場合には、大当りに対応する判定値として、変動特図指定バッファが第1である場合と同様の判定値が設定されており、第2特別図柄が変動表示の対象とされている場合にも、第1特別図柄が変動表示の対象とされている場合と同じ確率(非確変時は1/280、確変時は1/28)で大当りに当選する。一方、これら判定値のうちの半数が小当りに対応する判定値として設定されていることで、第1特別図柄が変動表示の対象とされている場合よりも高い確率であり、かつ、設定値が「1」、「2」である場合と同じ確率(1/2)で小当りに当選するようになっている。
つまり、CPU90103は、その時点で設定されている設定値に対応する表示結果判定テーブルを参照して、MR1’の値が図68−4(A)〜(C)に示す大当りに対応するいずれかの当り判定値に一致すると、特別図柄に関して大当り(大当り種別A〜大当り種別C)とすることを決定する。また、MR1’が図68−4(A)〜(C)に示す小当りに対応するいずれかの当り判定値に一致すると、特別図柄に関して小当りとすることを決定する。すなわち、設定値に応じた確率で大当り及び小当りの当選を決定する。尚、図68−4(A)〜(C)に示す「確率」は、大当りになる確率(割合)並びに小当りになる確率(割合)を示す。また、大当りにするか否か決定するということは、大当り遊技状態に制御するか否か決定するということであるが、第1特別図柄表示器4Aまたは第2特別図柄表示器4Bにおける停止図柄を大当り図柄にするか否か決定するということでもある。また、小当りにするか否か決定するということは、小当り遊技状態に制御するか否か決定するということであるが、第1特別図柄表示器4Aまたは第2特別図柄表示器4Bにおける停止図柄を小当り図柄にするか否か決定するということでもある。
なお、本例では、図68−4に示すように、設定値に関係なく、小当りの当選確率が同じである場合を示しているが、そのような態様にかぎられない。例えば、大当りの当選確率と同様に、1、2、3の順に設定値の値が大きくなるほど小当りの当選確率が高くなるように構成してもよい。また、この場合、小当りの当選確率の設定差が大当りの当選確率の設定差と同じ比率となるようにしてもよい。具体的には、設定値「1」における小当りの当選確率を1/100とするのであれば、設定値「2」における小当りの当選確率が1/93.75となるように設計し、設定値「3」における小当りの当選確率が1/87.5となるように設定してもよい。
また、小当りを設けない遊技機において、本特徴部121IWで示した構成を適用するように構成してもよい。
また、本特徴部121IWでは、CPU90103は、図68−4(A)〜(C)に示す表示結果判定テーブルを用いて大当りまたは小当りとするか否かを判定するようになっているが、大当り判定テーブルと小当り判定テーブルとを別個に設け、大当りの判定は、変動特図指定バッファによらず第1特別図柄の変動表示である場合と第2特別図柄の変動表示である場合とで共通のテーブルを用いて行うようにし、小当りの判定は、変動特図指定バッファが第1である場合と第2である場合とで別個のテーブルを用いて行うようにしてもよい。
また、本特徴部121IWでは、設定値「1」<設定値「2」<設定値「3」の順に有利度が高くなる場合を示しているが、例えば、遊技状態に応じて有利度の順位が変化するように構成してもよい。例えば、高確率/高ベース状態に制御され、次回の大当りが発生するまで高確率/高ベース状態が維持され、且つ小当り遊技である程度の賞球が得られるように構成された遊技機に適用した場合に、本例では、図68−4に示すように、第2特別図柄の変動表示が実行される場合には1/2の高い確率で小当りが発生し賞球が得られやすい期間となりうるので、特定の遊技状態(この例では、高確率/高ベース状態)では、他の遊技状態とは異なり、逆に大当りが発生しにくい(高確率/高ベース状態が継続しやすい)設定値「1」が最も有利度が高い設定となるようにしてもよい。
また、例えば、確変状態(高確率状態)に制御された後、所定回数(確変終了回数)の変動表示が実行されたことにもとづいて確変状態が終了する遊技機に適用した場合に、同じ確変終了回数であれば、設定値「1」<設定値「2」<設定値「3」の順に確変継続率(連荘率)が高くなるように構成してもよい。
尚、本特徴部121IWでは、パチンコ遊技機901に設定可能な設定値として1〜3の計3個の設定値を設けているが、本発明はこれに限定されるものではなく、パチンコ遊技機901に設定可能な設定値は、2個または4個以上であってもよい。
(大当り種別判定テーブル)
図68−5(A)は、ROM90101に記憶されている大当り種別判定テーブルを示す説明図である。なお、本特徴部121IWでは、遊技球が第1始動入賞口に入賞したことに基づく保留記憶を用いて(すなわち、第1特別図柄の変動表示が行われるとき)大当り種別を決定する場合と、遊技球が第2始動入賞口に入賞したことに基づく保留記憶を用いて(すなわち、第2特別図柄の変動表示が行われるとき)大当り種別を決定する場合とで、共通の大当り種別判定テーブルを用いるように構成されているが、異なるテーブルを設けて、いずれの大当り種別に決定されるかの割合が異なるようにしてもよい。
大当り種別判定テーブルは、変動表示結果を大当り図柄にする旨の判定がなされたときに、大当り種別判定用の乱数(MR2’)に基づいて、大当りの種別を大当り種別A〜大当り種別Cのうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。
図68−5(A)に示す大当り種別判定テーブルにおいては、設定値ごとに大当り種別判定用の乱数(MR2’)に対応する判定値が割り当てられているが、説明を簡略化するために、割り当てられた判定値の割合が示されている。つまり、設定値ごとに大当り種別A〜大当り種別Cのいずれに判定されるかの割合が示されている。なお、後述する図68−6に示すハズレ変動パターン判定テーブルや、図68−7に示す非リーチハズレ変動パターン判定テーブル等についても、実際には乱数に対応する判定値が割り当てられているが、説明を簡略化するために、割り当てられた判定値の割合が示されている。
図68−5(A)に示すように、大当り種別判定テーブルにおいては、設定値が「1」である場合、大当り種別Cに決定される割合が高く、設定値が「2」である場合、大当り種別Bに決定される割合が高く、設定値が「3」である場合、大当り種別Aに決定される割合が高くなるように判定値が割り当てられている。
ここで、本特徴部121IWにおける大当り種別について、図68−5(B)を用いて説明すると、本特徴部121IWでは、大当り種別毎に、大当り遊技におけるファンファーレ期間、インターバル期間およびエンディング期間がそれぞれ定められている。
ファンファーレ期間とは、例えば、主基板9011側において、ステップS90114の大当り開放前処理が実行される期間であり、演出制御基板9012側において、大当り図柄が停止表示された後に、大当り遊技状態の開始を報知する演出動作としてのファンファーレ演出が実行される期間である。
インターバル期間とは、例えば、主基板9011側において、ステップS90116の大当り開放後処理が実行される期間であり、演出制御基板9012側において、大入賞口を開放状態とするラウンドが終了した後に、次のラウンドの開始を報知する演出動作としてのインターバル演出が実行される期間である。
エンディング期間とは、例えば、主基板9011側において、ステップS90117の大当り終了処理が実行される期間であり、演出制御基板9012側において、大当り遊技状態の終了を報知する演出動作としてのエンディング演出が実行される期間である。
図68−5(B)に示すように、ファンファーレ期間、インターバル期間およびエンディング期間は、大当り種別Aの場合に最も長くなり、次に大当り種別Bの場合に長くなり、大当り種別Cの場合に最も短くなるように設定されている。
上述のように、本特徴部121IWでは、設定値が「1」である場合には、大当り種別Cと判定される割合が高いため、ファンファーレ期間、インターバル期間およびエンディング期間が比較的短くなりやすい。一方、設定値が「3」である場合には、大当り種別Aと判定される割合が高いため、ファンファーレ期間、インターバル期間およびエンディング期間が比較的長くなりやすい。よって、設定値が「1」<「2」<「3」の順に、ファンファーレ期間、インターバル期間およびエンディング期間の平均期間は長くなる。
本特徴部121IWでは、設定値が「1」<「2」<「3」の順に、大当りの当選確率(出玉率)が高くなるように構成されているが、同時に、設定値が「1」<「2」<「3」の順に、ファンファーレ期間、インターバル期間およびエンディング期間の平均期間は長くなるようにも構成されている。このような構成により、大当りの当選確率(出玉率)が高い設定であるときには、ファンファーレ期間、インターバル期間およびエンディング期間の平均期間を長くすること、すなわち遊技の進行を遅らせることができ、射幸性が高くなり過ぎてしまうことを防止することができる。
本特徴部121IWでは、大当り遊技中に、設定値を示唆する大当り中示唆演出(詳細については後述する)を実行可能に構成されているが、この大当り中示唆演出をファンファーレ期間、インターバル期間およびエンディング期間において実行可能である。そのような構成により、ファンファーレ期間、インターバル期間およびエンディング期間の興趣を高めることができる。また、遊技者の関心を大当り中示唆演出に向けることにより、各期間の長短に気付かれにくくすることができる。
なお、ファンファーレ期間、インターバル期間およびエンディング期間においては、設定される期間の長さに関わらず、共通の演出を実行するようにしてもよい。この場合には、遊技者が期間の長短に気付きにくい演出(例えば、静止画像の表示等)が共通して実行されることが望ましい。
また、本特徴部121IWでは、大当り種別ごとにファンファーレ期間、インターバル期間およびエンディング期間が設定され、設定値ごとにいずれの大当り種別と判定されるかの割合が異なるように構成することにより、大当りの当選確率(出玉率)が高い設定であるときには、ファンファーレ期間、インターバル期間およびエンディング期間の平均期間を長くする、すなわち遊技の進行を遅らせるようにしているが、このような構成に限らず、設定値ごとにファンファーレ期間、インターバル期間およびエンディング期間が固定的に設定されているようにしてもよい。また、例えば、予め定められた期間が異なる複数種類のファンファーレ期間、インターバル期間およびエンディング期間からいずれかを抽選によって決定するようにしてもよい。この場合には、大当り種別A<B<Cの順に、比較的長い期間が設定されたファンファーレ期間、インターバル期間およびエンディング期間が選択される割合が高くなるように判定値が設定されたテーブルを用いることで、設定値が「1」<「2」<「3」の順に、ファンファーレ期間、インターバル期間およびエンディング期間の平均期間が長くなるようにすることができる。
本特徴部121IWでは、大当り種別A〜大当り種別Cのいずれの場合にも、大当り遊技状態の終了後において実行される時短制御および確変制御は、所定回数(本特徴部121IWでは100回)の特図ゲームが実行されること、或いは該所定回数の特図ゲームが実行される前に大当り遊技状態となることにより終了するが、例えば、大当り種別ごとに時短制御および確変制御の回数が異なるようにしてもよいし、特定の大当り種別の場合には、大当り遊技状態の終了後において実行される高確制御および時短制御が、該大当り遊技状態の終了後において再度大当りが発生するまで継続して実行されるようにしてもよい。このような特定の大当り種別となる場合には、大当り遊技状態が通常状態を介することなく連続的に発生する、いわゆる連荘状態となる。本特徴部121IWでは、パチンコ遊技機901に設定される設定値毎に大当りとなる割合が異なるように構成されているが、このような構成に加えて、または代えて、設定値毎に確変継続率(連荘率)が異なるようにしてもよい。
また、本特徴部121IWでは、大当り種別A〜大当り種別Cに有利度(例えば、大当り遊技中のラウンド数や、時短制御および確変制御の有無、制御回数など)の違いはなく、ファンファーレ期間、インターバル期間およびエンディング期間の平均期間が異なるように構成されているが、例えば、大当り種別ごとに、大当り遊技中のラウンド数や、時短制御および確変制御の有無、制御回数を異ならせ、有利度が異なるようにしてもよい。この場合には、ラウンド中の演出は、大当り種別ごとに異なるようにしてもよいし、大当り種別に関わらず同じようにしてもよい。
尚、本特徴部121IWでは、設定されている設定値に応じて、変動表示結果が大当りとなる場合の大当り種別を大当り種別A、大当り種別B、大当り種別Cから異なる割合で決定する形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、設定されている設定値によっては、大当り種別A、大当り種別B、大当り種別Cのうち、決定され得ない大当り種別が1つまたは複数あってもよい。つまり、設定されている設定値に応じて大当り種別の決定割合が異なることには、いずれかの大当り種別を決定しないこと(決定割合が0%である)や、特定の大当り種別を100%の割合で決定すること含まれている。
また、本特徴部121IWでは、大当り種別に応じてファンファーレ期間、インターバル期間およびエンディング期間が異なる場合を示したが、そのような態様にかぎらず、大当り種別によらずにファンファーレ期間、インターバル期間およびエンディング期間を異ならせるように構成してもよい。例えば、設定値「1」〜「3」のいずれであるかに応じて、その設定値に応じたファンファーレ期間、インターバル期間およびエンディング期間を一律に決定するように構成してもよい。また、例えば、設定値「1」〜「3」のいずれであるかに応じて、その設定値に応じた選択確率による抽選処理を行い、ファンファーレ期間、インターバル期間およびエンディング期間を決定するように構成してもよい。
このように、本特徴部121IWでは、設定されている設定値に応じて変動表示結果が大当りとなった場合の大当り種別の決定割合が異なっているので、遊技興趣を向上できるようになっている。
尚、本特徴部121IWでは、大当り種別を大当り種別判定用の乱数値であるMR2’を用いて決定しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、大当り種別は、特図表示結果判定用の乱数値であるMR1’を用いて決定してもよい。
また、本特徴部121IWでは、パチンコ遊技機901に設定される設定値が大きいほど遊技者にとって有利となる(大当り確率や小当り確率が高まることや、大当り種別としての大当り種別Cが決定されやすくなること等)形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、パチンコ遊技機901に設定される設定値が小さいほど遊技者にとって有利となるようにしてもよい。
また、本特徴部121IWでは、パチンコ遊技機901に設定される設定値に応じて大当り確率が変化する一方で、遊技性自体は変化しない形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、パチンコ遊技機901に設定される設定値に応じて遊技性が変化するようにしてもよい。
例えば、パチンコ遊技機901に設定される設定値が1である場合は、通常状態での大当り確率が1/320、確変状態が65%の割合でループする遊技性(所謂確変ループタイプ)とし、パチンコ遊技機901に設定されている設定値が2である場合は、通常状態での大当り確率が1/200、大当り遊技中の特定のラウンドにおいて遊技球が特別可変入賞球装置907内に設けられた所定のカウントスイッチを通過することに基づいて大当り遊技終了後の遊技状態を確変状態に制御する一方で、大当り種別に応じて大当り遊技中に遊技球が該カウントスイッチを通過する割合が異なる遊技性(所謂V確変タイプ)とし、パチンコ遊技機901に設定されている設定値が3である場合は、大当り確率が1/320且つ小当り確率が1/50であり、高ベース中(時短制御中)に遊技球が特別可変入賞球装置907内に設けられた所定のカウントスイッチを通過することに基づいて大当り遊技状態に制御する遊技性(所謂1種2種混合タイプ)としてもよい。更に、パチンコ遊技機901に設定されている設定値が1〜3と遊技性が同一であるが、これら設定値が1〜3のいずれかである場合よりも大当り確率や小当り確率が高い一方で大当り遊技中に獲得可能な賞球数が少ない設定(例えば、パチンコ遊技機901に設定されている設定値が4である場合)を設けてもよい。
更に、このように、設定値に応じて遊技性を変化させる場合は、共通のスイッチを異なる用途に使用してもよい。具体的には、上述の例であれば、設定値が1や4の場合は、特別可変入賞球装置907内に設けられた所定のカウントスイッチを演出用スイッチ(遊技球が該カウントスイッチを通過する毎に所定の演出を実行するためのスイッチ)として使用し、設定値が2や3の場合は、特別可変入賞球装置907内に設けられた所定のカウントスイッチを遊技用スイッチ(遊技球が該カウントスイッチを通過したことに基づいて遊技状態を確変状態や大当り遊技状態に制御するためのスイッチ)として使用してもよい。
(小当り種別判定テーブル)
図68−5(C)は、ROM90101に記憶されている小当り種別判定テーブルを示す説明図である。図68−5(C)に示すように、本特徴部121IWでは、小当り種別として小当り種別A〜Cが設けられている。図68−5(C)に示すように、本特徴部121IWでは、設定値「1」〜「3」のいずれであるかに関係なく、小当り種別A〜Cの決定割合は同じである。
また、本特徴部121IWでは、小当り種別A〜Cのいずれであるかに関係なく、小当り遊技中の大入賞口の開放期間や開放回数は同じであり、遊技における有利度合いは同じである。
(変動パターン判定テーブル)
また、ROM90101には、変動パターン判定用の乱数値MR3’に基づいて変動パターンを決定するための変動パターン判定テーブルも記憶されており、変動パターンを、事前決定結果に応じて前述した複数種類のうちのいずれかの変動パターンに決定する。
具体的には、変動パターン判定テーブルとしては、変動表示結果を「大当り」にすることが事前決定されたときに使用される大当り変動パターン判定テーブルと、変動表示結果を「小当り」にすることが事前決定されたときに使用される小当り変動パターン判定テーブルと、変動表示結果を「ハズレ」にすることが事前決定されたときに使用されるハズレ変動パターン判定テーブルとが予め用意されている。
(ハズレ変動パターン判定テーブル)
図68−6は、ハズレ変動パターン判定テーブルを示す説明図である。本特徴部121IWでは、電源投入時に設定変更が行われた時点から変動表示が所定回(本例では30回)実行されるまでの期間(以下、特別期間ともいう)と、それ以外の期間(以下、非特別期間ともいう)とで、異なるハズレ変動パターン判定テーブルを用いるように構成されている。
具体的には、特別期間においては、図68−6(A)に示す第1ハズレ変動パターン判定テーブルを用いて変動パターンを判定し、非特別期間においては、図68−6(B)に示す第2ハズレ変動パターン判定テーブルを用いて変動パターンを判定する。なお、本特徴部121IWでは、電源投入時に設定変更が行われた時点から変動表示が所定回(本例では30回)実行されるまでの期間を特別期間としているが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、電源投入時に設定変更が行われたか否かに関わらず、変動表示が所定回(本例では30回)実行されるまでの期間を特別期間としてもよい。また、リアルタイムクロック等を用いて、所定の時間帯(例えば、午前9時から午前11時まで)であれば特別期間としてもよい。また、初回の大当りが発生するまでの期間を特別期間としてもよい。
図68−6(A),(B)に示す第1,第2ハズレ変動パターン判定テーブルは、いずれも設定値「1」<「2」<「3」の順に、ノーマルリーチハズレやスーパーリーチハズレとなる割合が高く、非リーチハズレとなる割合が低くなるように判定値が割り当てられている。このような構成により、設定値に応じてノーマルリーチやスーパーリーチの実行割合が異なるため、ノーマルリーチやスーパーリーチが実行される頻度によって設定値が示唆されることになる。
また、図68−6(A)に示す第1ハズレ変動パターン判定テーブルは、図68−6(B)に示す第2ハズレ変動パターン判定テーブルよりも、ノーマルリーチハズレとなる割合が高く、さらに設定値間のノーマルリーチハズレとなる割合の差が大きくなるように判定値が割り当てられている。このような構成により、特別期間においては、非特別期間よりもノーマルリーチが実行される頻度の違いが認識しやすくなる(すなわち設定値の示唆を認識しやすくなる)ため、特別期間に遊技を行う動機を与えることができ、遊技興趣を高めることができる。
なお、例えば、スーパーリーチを伴う変動パターン(またはそのうちの特定の変動パターン)については、設定値の違いに関わらず(または特別期間と非特別期間との違いに関わらず)、同じ割合で決定されるようにしてもよい。このようにすることにより、設定値に応じて、特定の変動パターン(本例ではノーマルリーチハズレ)のみ実行割合が異なることになり、特定の変動パターンが実行される頻度によって設定値が示唆されることになる。なお、逆に、設定値に応じてスーパーリーチハズレとなる変動パターンの選択割合も異ならせてもよい。
また、図68−6(A),(B)に示す第1,第2ハズレ変動パターン判定テーブルは、設定値に応じて、非リーチハズレ以外のときに、ノーマルリーチハズレとスーパーリーチハズレとのいずれとなるかの割合(すなわち、ノーマルリーチハズレ:スーパーリーチハズレのバランス)が異なるように判定値が割り当てられている。具体的には、図68−6(A)に示す第1ハズレ変動パターン判定テーブルは、設定値「1」<「2」<「3」の順に、ノーマルリーチハズレの比率が著しく高くなり(本例では、5%ずつ高くなる)、具体的には、図68−6(B)に示す第2ハズレ変動パターン判定テーブルは、設定値「1」<「2」<「3」の順に、ノーマルリーチハズレの比率が僅かに高くなる(本例では、0.2%ずつ高くなる)ように構成されている。このような構成により、ノーマルリーチハズレとスーパーリーチハズレとの選択傾向によって設定値が示唆されることになる。また、特別期間と非特別期間とで選択傾向の違いを大きくすることができる。
本特徴部121IWでは、設定値に応じて、異なる割合で設定示唆演出を実行可能であるが、これは、設定値に応じてノーマルリーチハズレおよびスーパーリーチハズレ全体の実行割合が異なること、設定値に応じてノーマルリーチハズレおよびスーパーリーチハズレの実行比率が異なること、設定値に応じてノーマルリーチハズレのみ実行割合が異なることを含む概念である。
本特徴部121IWでは、図68−6(A),(B)に示す第1,第2ハズレ変動パターン判定テーブルのいずれが用いられたときにも、画像表示装置905において共通の背景画像を表示して、飾り図柄の変動表示を行う。また、設定値が1〜3のいずれに設定されているときにも、画像表示装置905において共通の背景画像を表示して、飾り図柄の変動表示を行う。なお、特別期間や電源投入時から変動表示が所定回(本例では30回)実行されるまでの期間のみ、専用の背景画像が表示されるようにしてもよい。このような構成により、特別期間や電源投入時から変動表示が所定回(本例では30回)実行されるまでの期間の遊技興趣を高めることができる。
なお、本特徴部121IWの例に限らず、例えば、設定値を示唆する特殊変動パターン(例えば、飾り図柄の変動表示の態様が通常とは異なる変動パターンであって、設定値1または2の場合にのみ選択される)を設け、特別期間においてのみ特殊変動パターンが選択され得るようにしてもよい。このような構成によっても、特別期間に遊技を行う動機を与えることができ、遊技興趣を高めることができる。
(非リーチハズレ変動パターン判定テーブル)
図68−7は、非リーチハズレ変動パターン判定テーブルを示す説明図である。本特徴部121IWでは、変動時間が異なる複数種類の非リーチハズレ変動パターンが設けられており、変動パターンが非リーチハズレに決定されたときに、さらに非リーチハズレA〜Cのいずれにするかに決定するように構成されている。なお、このような構成に限らず、例えば、図68−6に示すハズレ変動パターン判定テーブルに、非リーチハズレA〜Cが含まれるようにして、非リーチハズレA〜C、ノーマルリーチハズレ、スーパーリーチハズレのいずれかに決定するように構成してもよい。
図68−7に示すように、非リーチハズレ変動パターン判定テーブルにおいては、設定値が「1」である場合、非リーチハズレC(変動時間7秒)に決定される割合が高く、設定値が「2」である場合、非リーチハズレB(変動時間8秒)に決定される割合が高く、設定値が「3」である場合、非リーチハズレA(変動時間9秒)に決定される割合が高くなるように判定値が割り当てられている。
本特徴部121IWでは、設定値が「1」である場合には、非リーチハズレCと判定される割合が高いため、非リーチハズレ時の変動時間が比較的短くなりやすい。一方、設定値が「3」である場合には、非リーチハズレAと判定される割合が高いため、非リーチハズレ時の変動時間が比較的長くなりやすい。よって、設定値が「1」<「2」<「3」の順に、平均変動時間が長くなる。
本特徴部121IWでは、設定値が「1」<「2」<「3」の順に、大当りの当選確率(出玉率)が高くなるように構成されているが、同時に、設定値が「1」<「2」<「3」の順に、平均変動時間が長くなるようにも構成されている。このような構成により、大当りの当選確率(出玉率)が高い設定であるときには、平均変動時間を長くすること、すなわち遊技の進行を遅らせることができ、射幸性が高くなり過ぎてしまうことを防止することができる。
本特徴部121IWでは、設定値に応じて、変動時間が異なる非リーチハズレA〜Cのいずれとなるかの割合を異ならせることにより、平均変動時間が異なるように構成されているが、例えば、非リーチハズレ以外の変動パターン(例えば、ノーマルリーチハズレやスーパーリーチハズレ等)も、変動時間が異なるように複数種類設け、設定値に応じて、選択される割合が異なるようにしてもよい。なお、変動パターン(例えば、ノーマルリーチハズレやスーパーリーチハズレ等)を変動時間が異なるように複数種類設ける場合には、飾り図柄の揺れ表示や高速変動表示の時間等を異ならせるようにして、演出等の見え方には違いがないようにすることが望ましい。
また、本特徴部121IWでは、設定値に応じて、平均変動時間が異なるように構成されているが、このような構成に代えて、または加えて、設定値に応じて、確定飾り図柄(最終停止図柄)が停止表示される期間が異なるようにしてもよい。このような構成により、大当りの当選確率(出玉率)が高い設定であるときには、確定飾り図柄(最終停止図柄)が停止表示される期間を長くすること、すなわち遊技の進行を遅らせることができ、射幸性が高くなり過ぎてしまうことを防止することができる。
また、本特徴部121IWでは、非リーチハズレA〜Cにそれぞれ変動時間が設定され、設定値ごとに非リーチハズレA〜Cのいずれに決定するかの割合が異なるように構成することにより、大当りの当選確率(出玉率)が高い設定であるときには、平均変動時間を長くする、すなわち遊技の進行を遅らせるようにしているが、このような構成に限らず、設定値ごとに各変動パターンの変動時間が固定的に設定され、大当りの当選確率(出玉率)が高い設定の方が、変動時間が長くなるようにしてもよい。
なお、本特徴部121IWでは、他の変動パターンに比べて変動時間が短い短縮用の変動パターンが設けられている。例えば、非リーチハズレA(変動時間9秒)よりも変動時間が短い短縮非リーチハズレ(変動時間1.5秒)の変動パターンが設けられている。そして、この短縮用の変動パターンは、例えば、保留記憶数が所定数(例えば3)以上であるときに、用いられるように構成されている。このような構成は、保留記憶数が上限に達している状態、または上限に近い状態であるときに、この状態を解消して、効率的に変動表示を行う(すなわち効率的に遊技を進行する)ことを目的とするものである。ゆえに、保留記憶数が所定数以上であるときに、遊技の進行を遅らせることは不適当であるともいえる。そのため、本特徴部121IWでは、保留記憶数が所定数以上であるときに用いられる短縮用の変動パターンについては、設定値に関わらず、共通の変動時間となっている。なお、本特徴部121IWの構成に関わらず、保留記憶数が所定数以上であるときに用いられる短縮用の変動パターンについても、設定値に応じて変動時間を異ならせるようにしてもよい。
(設定変更処理)
次に、本特徴部121IWにおけるパチンコ遊技機901の設定値の変更について説明する。図68−8および図68−9は、特徴部121IWにおける遊技制御メイン処理を示すフローチャートである。なお、本特徴部121IWにおいて、ステップIWS001〜S002の処理は、図51で示したステップS901〜S902の処理と同様である。
初期設定を行うと、CPU90103は、遊技機への電源供給を開始したときに演出制御手段(具体的には、演出制御用CPU90120)が起動するまでの時間を計測するための演出制御手段起動待ちタイマをセットする(ステップ121IWS003)。この場合、演出制御手段起動待ちタイマには、遊技機への電源供給を開始してから演出制御用CPU90120が起動するまでに十分な時間がセットされる。次いで、CPU90103は、演出制御手段起動待ちタイマの値を1減算し(ステップ121IWS004)、減算後の演出制御手段起動待ちタイマの値が0となっているか否かを確認する(ステップ121IWS005)。演出制御手段起動待ちタイマの値が0となっていなければ、ステップ121IWS004に戻り、ステップ121IWS004〜S005の処理を繰り返し実行する。演出制御手段起動待ちタイマの値が0となっていれば、ステップ121IWS006に移行する。
ステップ121IWS003〜S005の処理が実行されることによって、演出制御用CPU90120が起動するまで待ってからステップ121IWS006以降の処理が実行され、設定値の変更や確認、RAMの初期化や復旧処理などが実行される。そのため、後述する設定値コマンドや初期化指定コマンド、復旧時のコマンドなど各種のコマンド類が演出制御用CPU90120が起動する前に送信されてしまうような事態を防止することができ、コマンドの取りこぼしが発生することを防止することができる。
次いで、CPU90103は、例えば、RAM90102に工場出荷時の設定のままであることを示す工場出荷時設定フラグ(例えば、このフラグは、後述するRAMクリア処理1,2や復旧処理が実行されてもクリアされないようにし、後述する設定変更処理が実行されたときにクリアされる)がセットされるようにしておき、ステップ121IWS006では、この工場出荷時設定フラグがセットされているか否かを確認するようにすればよい。なお、そのような態様にかぎらず、例えば、設定値として工場出荷時のままであることを示す値(例えば、「0」や「−」)をセットするようにし、ステップ121IWS006で設定値の値が工場出荷時の値のままであるか否かを確認するようにしてもよい。工場出荷時の設定のままであれば(ステップ121IWS006;No)、ステップIWS010に移行する。
工場出荷時の設定でなければ(ステップ121IWS006;Yes)、すなわち少なくとも既に1回は設定値の変更が行われていれば、CPU90103は、ステップS904と同様の処理により、RAM90102(バックアップRAM)にバックアップデータが保存されているか否かを判定する(ステップ121IWS007)。具体的には、ステップ121IWS007では、CPU90103は、バックアップフラグがオンであるか否かを判定する。バックアップフラグがオフでRAM90102にバックアップデータが記憶されていない場合(ステップ121IWS007;No)、ステップIWS010に移行する。
RAM90102にバックアップデータが記憶されている場合(ステップ121IWS007;Yes)、CPU90103は、ステップS905と同様の処理により、バックアップしたデータのデータチェックを行い(誤り検出符号を用いて行われる)、データが正常か否かを判定する(ステップ121IWS008)。ステップ121IWS008では、例えば、パリティビットやチェックサムにより、RAM90102のデータが、電力供給停止時のデータと一致するか否かを判定する。これらが一致すると判定された場合、RAM90102のデータが正常であると判定する。RAM90102のデータが正常でないと判定された場合(ステップ121IWS008;No)、ステップIWS010に移行する。
RAM90102のデータが正常であると判定された場合(ステップ121IWS008;Yes)、CPU90103は、現在設定値の変更中であることを示す設定変更中フラグがセットされているか否かを確認する(ステップ121IWS009)。設定変更中フラグがセットされていれば(ステップ121IWS009;No)、すなわち設定値の変更中に電断などが発生して遊技機への電源供給が再開された場合、ステップIWS010に移行する。
ステップ121IWS010では、CPU90103は、RAM異常エラー報知コマンドを演出制御用CPU90120に対して送信する制御を行う(ステップ121IWS010)。なお、CPU90103は、表示モニタ121IW029においてRAM異常エラーであることを示す表示(例えば、「E」の表示)を表示する制御を行うようにしてもよい。
次いで、CPU90103は、扉開放センサ121IW090からの出力信号がオンであるか否かを判定する(ステップ121IWS011)。扉開放センサ121IW090からの出力信号がオンであれば、CPU90103は、設定キー121IW051がオンであるか否かを判定する(ステップ121IWS012)。設定キー121IW051がオンであれば、CPU90103は、クリアスイッチからの出力信号がオンであるか否かを判定する(ステップ121IWS013)。クリアスイッチからの出力信号がオンであれば、CPU90103は、RAMクリア1処理を実行する(ステップ121IWS014)。RAMクリア1処理では、CPU90103は、RAM90102に記憶されるフラグ、カウンタ、バッファをクリアするRAMクリア処理を行い、作業領域に初期値を設定する。ただし、RAMクリア1処理では、RAM90102の記憶領域のうち連比や役比、ベースなどの性能表示用の情報を記憶する領域以外の領域がクリアされ、連比や役比、ベースなどの性能表示用の情報はクリアされず保持される。また、RAMクリア1処理では、RAM90102に記憶される設定値の値もクリアされる。そして、ステップ121IWS027に移行する。
一方、扉開放センサ121IW090からの出力信号がオフである場合や(ステップ121IWS011のN)、設定キー121IW051がオフである場合(ステップ121IWS012のN)、クリアスイッチからの出力信号がオフである場合(ステップ121IWS013のN)には、ステップ121IWS014には移行せず、ループ処理に移行する。
ステップ121IWS006〜S014の処理が実行されることによって、本特徴部121IWでは、バックアップRAMが正常でない場合や(ステップ121IWS007,S008のN)、工場出荷時用の設定のままとなっている場合(ステップ121IWS006のY)、設定変更中に電断などが発生した場合(ステップ121IWS009のY)には、遊技機用枠121IW003が開放された状態で設定キー121IW051がオン操作され且つクリアスイッチがオン操作されたことを条件にRAMクリアされてステップ121IWS027以降の設定値の変更が可能となる。一方で、遊技機用枠121IW003が開放され、設定キー121IW051およびクリアスイッチがオン操作されないかぎり、ループ処理が実行され、設定値の変更を行えず、遊技制御も進行しない。
設定変更中フラグがセットされていなければ(ステップ121IWS009;No)、CPU90103は、クリアスイッチからの出力信号がオンであるか否かを判定する(ステップ121IWS015)。
クリアスイッチからの出力信号がオンでなければ、CPU90103は、扉開放センサ121IW090からの出力信号がオンであるか否かを判定する(ステップ121IWS016)。扉開放センサ121IW090からの出力信号がオンであれば、CPU90103は、設定キー121IW051がオンであるか否かを判定する(ステップ121IWS017)。設定キー121IW051がオンであれば、CPU90103は、設定確認処理を開始することを示す設定確認処理開始コマンドを演出制御基板9012に送信する(ステップ121IWS018)。
演出制御基板9012側では、設定確認処理開始コマンドを受信すると、設定確認中である旨を報知する制御を行う(例えば、画像表示装置905において所定の画像を表示したり、スピーカ908L、908Rから所定の音を出力したり、装飾用LEDといった装飾発光体を所定の態様により発光させたりする)。なお、この場合、演出制御基板9012側において、プッシュボタン9031Bなど演出用の操作ボタンが押下されることによって、「メンテナンスモード」などと表示してメンテナンスモードに移行するように構成してもよい。「メンテナンスモード」とは、例えば、リアルタイムクロックの日時設定や、各種エラーの発生履歴(いつどのようなエラーが発生したかの記録)、設定変更履歴(いつ設定値を変更したかや変更後の設定値の記録)を確認できるモードである。なお、設定キー121IW051がオフとなり設定確認処理や設定変更処理が終了すると、メンテナンスモードも終了する。
次いで、CPU90103は、設定確認処理(ステップ121IWS019)を実行する。
設定確認処理を終了すると、CPU90103は、ステップS906と同様の処理により、主基板9011の内部状態を電力供給停止時の状態に戻すための復旧処理(ステップ121IWS020)を行う。復旧処理では、CPU90103は、RAM90102の記憶内容(バックアップしたデータの内容)に基づいて作業領域の設定を行う。次いで、CPU90103は、設定確認処理が終了したことを示す設定確認処理終了コマンドを演出制御基板9012に送信する(ステップ121IWS021)。そして、ステップ121IWS034に移行する。
一方、扉開放センサ121IW090からの出力信号がオンでなかった場合(ステップ121IWS016のN)や設定キー121IW051がオンでなかった場合(ステップ121IWS017のN)には、CPU90103は、ステップS906と同様の処理により、主基板9011の内部状態を電力供給停止時の状態に戻すための復旧処理(ステップ121IWS022)を行う。復旧処理では、CPU90103は、RAM90102の記憶内容(バックアップしたデータの内容)に基づいて作業領域の設定を行う。また、CPU90103は、ステップS907と同様の処理により、電断からの復旧を指示する演出制御コマンドを演出制御基板9012に送信する(ステップ121IWS023)。そして、ステップ121IWS034に移行する。
クリアスイッチからの出力信号がオンであれば、CPU90103は、RAMクリア2処理を実行する(ステップ121IWS024)。RAMクリア2処理では、CPU90103は、RAM90102に記憶されるフラグ、カウンタ、バッファをクリアするRAMクリア処理を行い、作業領域に初期値を設定する。ただし、RAMクリア2処理では、RAM90102の記憶領域のうち連比や役比、ベースなどの性能表示用の情報を記憶する領域、および設定値を記憶する領域以外の領域がクリアされ、連比や役比、ベースなどの性能表示用の情報、および設定値の情報はクリアされず保持される。
次いで、CPU90103は、扉開放センサ121IW090からの出力信号がオンであるか否かを判定する(ステップ121IWS025)。扉開放センサ121IW090からの出力信号がオンであれば、CPU90103は、設定キー121IW051がオンであるか否かを判定する(ステップ121IWS026)。設定キー121IW051がオンであれば、CPU90103は、設定変更中フラグをセットする(ステップ121IWS027)。
次いで、CPU90103は、設定変更処理を開始することを示す設定変更処理開始コマンドを演出制御基板9012に送信する(ステップ121IWS028)。演出制御基板9012側では、設定変更処理開始コマンドを受信すると、設定変更中である旨を報知する制御を行う(例えば、画像表示装置905において所定の画像を表示したり、スピーカ908L、908Rから所定の音を出力したり、装飾用LEDといった装飾発光体を所定の態様により発光させたりする)。
次いで、CPU90103は、設定変更処理(ステップ121IWS029)を実行する。
設定変更処理を終了すると、CPU90103は、設定変更中フラグをリセットする(ステップ121IWS030)。また、CPU90103は、設定された設定値を示す設定値コマンドを演出制御基板9012に送信する(ステップ121IWS031)。また、設定変更処理が終了したことを示す設定変更処理終了コマンドを演出制御基板9012に送信する(ステップ121IWS032)。そして、ステップ121IWS034に移行する。
一方、扉開放センサ121IW090からの出力信号がオンでなかった場合(ステップ121IWS025のN)や設定キー121IW051がオンでなかった場合(ステップ121IWS026のN)には、CPU90103は、ステップS909と同様の処理により、初期化を指示する演出制御コマンドを演出制御基板9012に送信する(ステップS909)。そして、ステップ121IWS034に移行する。
なお、本特徴部121IWにおいて、ステップIWS034〜S036の処理は、図51で示したステップS9010〜S9012の処理と同様である。
次に、設定確認処理(ステップ121IWS019)について説明する。図68−10(A)は、設定確認処理(ステップ121IWS019)を示すフローチャートである。
設定確認処理では、CPU90103は、先ず、RAM90102のバックアップ領域に格納されている設定値を特定し、特定した設定値を表示モニタ121IW029に表示する(ステップ121IWSA01)。
次いで、CPU90103は、設定キー121IW051からの出力信号がオンであるか否かを判定する(ステップ121IWSA02)。設定キー121IW051がオンであれば、CPU90103は、扉開放センサ121IW090からの出力信号がオンであるか否かを判定する(ステップ121IWSA03)。扉開放センサ121IW090からの出力信号がオンであれば、ステップ121IWSA02に移行し、ステップ121IWSA02〜SA03の処理を繰り返し実行する。すなわち、遊技機用枠121IW003が開放状態であり且つ設定キー121IW051がオンの間は設定値を表示モニタ121IW029に表示する。
扉開放センサ121IW090からの出力信号がオンでなければ、CPU90103は、設定確認エラー処理を実行する(ステップ121IWSA04)。そして、その後、ループ処理に移行する。なお、ステップ121IWSA04では、例えば、CPU90103は、設定確認エラーである旨を示すコマンドを送信して、演出制御用CPU90120側でコマンドを受信したことにもとづいて設定確認エラー報知を実行するようにしてもよい。また、例えば、CPU90103は、遊技機が搭載する基板のエラー用LEDを点灯などさせることによってエラー報知を行うようにしてもよい。また、本例では、設定確認エラー処理を実行すると、ループ処理に移行することによって、その後、電源を再投入するまでエラー状態を継続し、処理を進行させないようにしている。
設定キー121IW051がオンでなければ、CPU90103は、扉開放センサ121IW090からの出力信号がオンであるか否かを判定する(ステップ121IWSA05)。扉開放センサ121IW090からの出力信号がオンであれば、ステップ121IWSA05の処理を繰り返し実行する。扉開放センサ121IW090からの出力信号がオンでなければ(すなわち、遊技機用枠121IW003が閉鎖状態であれば)、設定確認処理を終了する。
次に、設定変更処理(ステップ121IWS029)について説明する。図68−10(B)は、設定変更処理(ステップ121IWS029)を示すフローチャートである。
設定変更処理では、CPU90103は、先ず、RAM90102のバックアップ領域に格納されている設定値を特定し、特定した設定値を表示モニタ121IW029に表示する(ステップ121IWSB01)。
次いで、CPU90103は、設定切替スイッチ121IW052からの出力信号がオンであるか否かを判定する(ステップ121IWSB02)。設定切替スイッチ121IW052からの出力信号がオンでなければ、ステップ121IWSB05に移行する。設定切替スイッチ121IW052からの出力信号がオンとであれば(ステップ121IWSB02のY)、CPU90103は、表示モニタ121IW029に表示されている設定値を更新表示する(ステップ121IWSB03)。例えば、表示モニタ121IW029に設定値として「1」が表示されている場合は、表示モニタ121IW029の表示を「2」に更新表示し、表示モニタ121IW029に設定値として「2」が表示されている場合は、表示モニタ121IW029の表示を「3」に更新表示し、表示モニタ121IW029に設定値として「3」が表示されている場合は、表示モニタ121IW029の表示を「1」に更新表示すればよい。また、CPU90103は、表示モニタ121IW0029に表示されている設定値(更新後の設定値)をRAM90102のバックアップ領域に記憶(既に記憶されている設定値に対して更新記憶)させる(ステップ121IWSB04)。
次いで、CPU90103は、設定キー121IW051からの出力信号がオンであるか否かを判定する(ステップ121IWSB05)。設定キー121IW051がオンであれば、CPU90103は、扉開放センサ121IW090からの出力信号がオンであるか否かを判定する(ステップ121IWSB06)。扉開放センサ121IW090からの出力信号がオンであれば、ステップ121IWSB02に移行し、ステップ121IWSB02〜SB06の処理を繰り返し実行する。すなわち、遊技機用枠121IW003が開放状態であり且つ設定キー121IW051がオンの間はステップ121IWSB02〜SB06の処理が繰り返し実行される。
扉開放センサ121IW090からの出力信号がオンでなければ、CPU90103は、設定変更エラー処理を実行する(ステップ121IWSB07)。そして、その後、ループ処理に移行する。なお、ステップ121IWSB07では、例えば、CPU90103は、設定変更エラーである旨を示すコマンドを送信して、演出制御用CPU90120側でコマンドを受信したことにもとづいて設定変更エラー報知を実行するようにしてもよい。また、例えば、CPU90103は、遊技機が搭載する基板のエラー用LEDを点灯などさせることによってエラー報知を行うようにしてもよい。また、本例では、設定変更エラー処理を実行すると、ループ処理に移行することによって、その後、電源を再投入するまでエラー状態を継続し、処理を進行させないようにしている。なお、この場合、ステップ121IWS027で設定変更中フラグがセットされたままとなっていることから、電源が再投入された後、RAMクリア1処理が実行されて(ステップ121IWS009のY、121IWS014参照)、エラー状態が解除されることになる。
設定キー121IW051がオンでなければ、CPU90103は、扉開放センサ121IW090からの出力信号がオンであるか否かを判定する(ステップ121IWSB08)。扉開放センサ121IW090からの出力信号がオンであれば、ステップ121IWSB08の処理を繰り返し実行する。扉開放センサ121IW090からの出力信号がオンでなければ(すなわち、遊技機用枠121IW003が閉鎖状態であれば)、設定変更処理を終了する。
図68−11は、電源投入時に実行される処理を示す説明図である。本特徴部121IWでは、図68−11に示すように、電源投入時に設定キー121IW051がオンである場合(さらに、扉開放センサ121IW090からの出力信号がオンである場合)には、クリアスイッチがオンであれば、設定変更処理(ステップ121IWS029)が実行され、クリアスイッチがオフであれば、設定確認処理(ステップ121IWS015〜S017)が実行される。また、電源投入時に設定キー121IW051がオフである場合には、クリアスイッチがオンであれば、初期化処理(ステップS908)が実行され、クリアスイッチがオフであれば、復旧処理(ステップS906)が実行される。
次に、設定変更処理における表示モニタ121IW029の表示態様について説明する。先ず、図68−12(A)及び図68−12(B)に示すように、遊技場の店員等の操作によって電源がOFFとなる(電断させる)と、パチンコ遊技機901への電力の供給が停止することによって表示モニタ121IW029での表示が終了する。尚、電源をOFFとするタイミングにおいて大当り遊技中や小当り遊技中等の大入賞口の開放中である場合は、ソレノイド9082への電力の供給が停止することによって大入賞口が閉鎖される。
次に、図68−12(C)に示すように、遊技場の店員等がクリアスイッチを操作しつつ電源を投入すると(遊技制御メイン処理のステップS903でYesの場合)、設定キー121IW051がONとなっていることを条件にCPU90103によって設定変更処理が実行され、表示モニタ121IW029においてRAM90102のバックアップ領域に格納されている設定値が表示される。
このように表示モニタ121IW029にて設定値が表示されている状態において、図68−12(D)に示すように、CPU90103は、遊技場の店員等による設定切替スイッチ121IW052の操作を検出する毎に表示モニタ121IW029に表示している数値を順次更新(例えば、設定切替スイッチ121IW052が操作される毎に1→2→3→1→・・・のように更新)表示していく。また、表示モニタ121IW029に表示されている設定値をRAM90102のバックアップ領域に格納(更新記憶)する。
次いで、図68−12(E)に示すように、CPU90103は、設定キー121IW051が遊技場の店員等の操作によってOFFとなったことに基づいて、表示モニタ121IW029を点滅表示させることによって、遊技場の店員等に新たな設定値がRAM90102のバックアップ領域に格納されたことを報知する。なお、図示する例では、表示モニタ121IW029を点滅表示させる例を示しているが、消灯させてもよい。
また、RAM90102のバックアップ領域に保留記憶が記憶されている場合は、該保留記憶がクリアされる。また、図68−12(A)のタイミング(パチンコ遊技機901の電源がOFFとなったタイミング)にて大入賞口が閉鎖された場合には、設定変更が行われるとRAMクリア処理が実行されて大当りに関する記憶が消去されるため、大入賞口は閉鎖されたままとなる。以降、CPU90103は、設定変更処理を終了し、遊技が可能な状態、つまり、変動表示結果や大当り種別、変動パターンの決定抽選や、賞球の払出等が実行可能な状態となる。
尚、本特徴部121IWにおける設定変更処理では、表示モニタ121IW029に表示する初期表示として、RAM90102のバックアップ領域に格納されている設定値を表示する形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、設定変更処理において表示モニタ121IW029に表示する初期表示としては、遊技者にとって最も不利な設定値(本特徴部121IWであれば「1」)、或いは、遊技者にとって最も有利な設定値(本特徴部121IWであれば「3」)を表示するようにしてもよい。
また、図68−12に示す例では、設定値の確認時や変更時に表示モニタ121IW029の4桁の表示のうち1つ目の表示を用いて設定値を表示する場合を示したが、そのような態様にかぎらず、例えば、表示モニタ121IW029の2つ目以降の表示を用いて設定値を表示するように構成してもよい。また、例えば、表示モニタ121IW029において専用の4桁表示を行うことによって設定値を表示するように構成してもよい。この場合、例えば、設定値「1」であれば表示モニタ121IW029において「−S−1」の4桁の表示を行ったり、設定値「2」であれば表示モニタ121IW029において「−S−2」の4桁の表示を行ったり、設定値「3」であれば表示モニタ121IW029において「−S−3」の4桁の表示を行ったりしてもよい。また、例えば、例えば、表示モニタ121IW029の4桁の全ての表示に設定値を表示するように構成してもよい。例えば、設定値「1」であれば表示モニタ121IW029において「1111」の4桁の表示を行ったり、設定値「2」であれば表示モニタ121IW029において「2222」の4桁の表示を行ったりしてもよい。
(特別図柄通常処理)
次に、本特徴部121IWにおける特別図柄通常処理(ステップS90110)の処理について説明する。図68−13および図68−14は、特別図柄プロセス処理における特別図柄通常処理(ステップS90110)を示すフローチャートである。特別図柄通常処理において、CPU90103は、合算保留記憶数(第1保留記憶数と第2保留記憶数との合計数)の値を確認する(ステップ121IWS101)。例えば、合算保留記憶数をカウントするための合算保留記憶数カウンタのカウント値を確認する。
合算保留記憶数が0でなければ、CPU90103は、第2保留記憶数が0であるか否かを確認する(ステップ121IWS102)。例えば、第2保留記憶数をカウントするための第2保留記憶数カウンタのカウント値が0であるか否かを確認する。第2保留記憶数が0でなければ、CPU90103は、特別図柄ポインタ(第1特別図柄について特別図柄プロセス処理を行っているのか第2特別図柄について特別図柄プロセス処理を行っているのかを示すフラグ)に「第2」を示すデータを設定する(ステップ121IWS103)。第2保留記憶数が0であれば、CPU90103は、特別図柄ポインタに「第1」を示すデータを設定する(ステップ121IWS104)。
ステップ121IWS102〜S104の処理が実行されることによって、本特徴部121IWでは、第2特別図柄の変動表示が第1特別図柄の変動表示よりも優先して実行される。なお、そのような態様にかぎらず、例えば、第1始動入賞口と第2始動入賞口とに遊技球が入賞した始動入賞順に従って、第1特別図柄の変動表示と第2特別図柄の変動表示とを実行するように構成してもよい。
次いで、CPU90103は、RAM90102において、特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読み出してRAM90102の乱数バッファ領域に格納する(ステップ121IWS105)。具体的には、CPU90103は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、第1保留記憶バッファにおける第1保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読み出してRAM90102の乱数バッファ領域に格納する。また、CPU90103は、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合には、第2保留記憶バッファにおける第2保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読み出してRAM90102の乱数バッファ領域に格納する。
そして、CPU90103は、特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、各保存領域の内容をシフトする(ステップ121IWS106)。具体的には、CPU90103は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、第1保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、第1保留記憶バッファにおける各保存領域の内容をシフトする。また、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合に、第2保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、第2保留記憶バッファにおける各保存領域の内容をシフトする。
すなわち、CPU90103は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合に、RAM90102の第1保留記憶バッファにおいて第1保留記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている各乱数値を、第1保留記憶数=n−1に対応する保存領域に格納する。また、特別図柄ポインタが「第2」を示す場合に、RAM90102の第2保留記憶バッファにおいて第2保留記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている各乱数値を、第2保留記憶数=n−1に対応する保存領域に格納する。
よって、各第1保留記憶数(または、各第2保留記憶数)に対応するそれぞれの保存領域に格納されている各乱数値が抽出された順番は、常に、第1保留記憶数(または、第2保留記憶数)=1,2,3,4の順番と一致するようになっている。
そして、CPU90103は、合算保留記憶数の値を1減らす。すなわち、合算保留記憶数カウンタのカウント値を1減算する(ステップ121IWS107)。なお、CPU90103は、カウント値が1減算される前の合算保留記憶数カウンタの値をRAM90102の所定の領域に保存する。
次いで、CPU90103は、RAM90102に設定されている設定値を示す設定値コマンドを演出制御基板9012に送信する(ステップ121IWS108)。本特徴部では、既に説明したように、ステップ121IWS031の処理が実行されることによって電源投入時に設定変更処理を実行したときに設定値コマンドが送信されるのであるが、電源投入後も、ステップ121IWS108の処理が実行されることによって変動表示を開始するごとに設定値コマンドが送信される。
なお、同じ変動パターンを用いる場合であっても設定値ごとに異なる変動パターンコマンドを送信するように構成すると、変動パターンの総数×設定値の数(本例では3)分の変動パターンコマンドが必要となり、データ容量が増大してしまうおそれがある。そこで、例えば、特定の変動パターンを用いる場合にのみ設定値コマンドを送信するようにし、特定の変動パターンに対応する変動パターンコマンドのみ設定値の数分の変動パターンコマンドを設けるように構成してもよい。この場合、例えば、出力頻度が最も高い通常変動の変動パターンを用いる場合にのみ設定値コマンドを送信するようにし、通常変動の変動パターンに対応する変動パターンコマンドのみ設定値の数分の変動パターンコマンドを設けるようにしてもよい。
また、本例では、電源投入時に送信する設定値コマンド(ステップ121IWS031参照)と変動開始時に送信する設定値コマンド(ステップ121IWS108参照)とで同じ設定値コマンドを送信する場合を示したが、そのような態様にかぎられない。例えば、電源投入時用の設定値コマンドと変動開始時用の設定値コマンドとを別々のコマンドとして構成し、電源投入時と変動開始時とで異なる設定値コマンドを送信するように構成してもよい。
また、本例では、変動開始時に変動パターンコマンドとは別に設定値コマンドを送信する場合を示しているが、変動パターンコマンドと設定値コマンドとを兼用する演出制御コマンドを送信するように構成してもよい。この場合、例えば、同じ変動パターンAを指定する変動パターンコマンドであっても、設定値「1」である場合には変動パターンコマンドA−1を送信し、設定値「2」である場合には変動パターンコマンドA−2を送信し、設定値「3」である場合には変動パターンコマンドA−3を送信するように構成してもよい。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ90100側では設定値に関係なく同じ変動パターンコマンド(例えば、変動パターンコマンドA)を出力可能に構成し、演出制御用CPU90120側でいずれの設定値であるかに応じていずれの変動パターンを選択するかやその選択割合を異ならせるように構成してもよい。例えば、設定値1であれば変動パターンA−1を選択または変動パターンA−1を高い割合で選択したり、設定値2であれば変動パターンA−2を選択または変動パターンA−2を高い割合で選択したり、設定値3であれば変動パターンA−3を選択または変動パターンA−3を高い割合で選択したりしてもよい。この場合、例えば、変動パターンA−1〜A−3は、変動時間は同じであるが、擬似連の有無や擬似連回数、リーチの有無や種類が異なるように構成されていればよい。また、この場合、例えば、設定値コマンドを正常に受信できていない場合には、一律に変動パターンA−1を選択するようにしたり、設定値コマンドを正常に受信できていない場合専用の選択割合で変動パターンを選択したりするように構成すればよい。
また、本例では、変動開始時に設定値コマンドを送信する場合を示したが、そのような態様にかぎらず、例えば、変動終了時に設定値コマンドを送信するように構成してもよい。
また、CPU90103は、現在の遊技状態に応じて背景指定コマンドを演出制御基板9012に送信する制御を行う(ステップ121IWS109)。この場合、CPU90103は、例えば、確変状態である場合には確変状態背景指定コマンドを送信する制御を行い、時短状態である場合には時短状態背景指定コマンドを送信する制御を行い、通常状態である場合には通常状態背景指定コマンドを送信する制御を行う。
次いで、CPU90103は、乱数バッファ領域から特図表示結果判定用の乱数値MR1’を読み出し、大当り判定モジュールを実行する。大当り判定モジュールは、あらかじめ決められている大当り判定値や小当り判定値(図68−4参照)と乱数値MR1’とを比較し、それらが一致したら大当りや小当りとすることに決定する処理を実行するプログラムである。すなわち、大当り判定や小当り判定の処理を実行するプログラムである。
乱数値MR1’の値がいずれの大当り判定値にも一致しなければ(ステップ121IWS110のN)、CPU90103は、小当りの判定の処理を行う(ステップ121IWS111)。そして、小当りとすることに決定した場合には(ステップ121IWS111のY)、CPU90103は、小当りであることを示す小当りフラグをセットし(ステップ121IWS112)、ステップ121IWS116に移行する。
なお、乱数値MR1’の値が大当り判定値および小当り判定値のいずれにも一致しない場合には(ステップ121IWS111のN)、すなわち、はずれである場合には、そのままステップ121IWS116に移行する。
乱数値MR1’の値がいずれかの大当り判定値に一致した場合には(ステップ121IWS110のY)、CPU90103は、大当りであることを示す大当りフラグをセットする(ステップIWS113)。次いで、CPU90103は、大当り種別判定テーブル(図68−5参照)を用いて、乱数バッファ領域に格納された大当り種別判定用の乱数値MR2’の値と一致する値に対応した種別(「大当り種別A」、「大当り種別B」または「大当り種別C」)を大当りの種別に決定する(ステップ121IWS114)。
また、CPU90103は、決定した大当りの種別を示すデータをRAM90102における大当り種別バッファに設定する(ステップ121IWS115)。例えば、大当り種別が「大当り種別A」の場合には大当り種別を示すデータとして「01」が設定され、大当り種別が「大当り種別B」の場合には大当り種別を示すデータとして「02」が設定され、大当り種別が「大当り種別C」の場合には大当り種別を示すデータとして「03」が設定される。
次いで、CPU90103は、特別図柄の停止図柄を決定する(ステップ121IWS116)。例えば、大当りフラグおよび小当りフラグのいずれもセットされていない場合には、はずれ図柄となる「−」を特別図柄の停止図柄に決定する。また、例えば、大当りフラグがセットされている場合には、大当り図柄となる「7」を特別図柄の停止図柄に決定する。なお、さらに大当り種別に応じて異なる特別図柄の停止図柄に決定してもよい。また、例えば、小当りフラグがセットされている場合には、小当り図柄となる「5」を特別図柄の停止図柄に決定する。
そして、CPU90103は、特別図柄プロセスフラグの値を変動パターン設定処理(ステップS90111)に対応した値に更新する(ステップ121IWS117)。
(演出モード変更処理)
次に、本特徴部121IWにおける演出制御手段の動作について説明する。図68−15は、特徴部121IWにおける演出制御メイン処理の一部を示すフローチャートである。本特徴部121IWでは、演出制御メイン処理において、演出制御用CPU90120は、ステップS9077の演出制御用乱数更新処理を実行すると、演出モードを変更する演出モード変更処理を実行し(ステップ121IWS201)、その後、ステップS9073の処理に戻る。
本特徴部121IWでは、演出モードA〜演出モードCの3種類の演出モードに制御可能であり、いずれの演出モードに制御されているかに応じて、例えば、画像表示装置905の背景画面が異なり、予告演出やリーチ演出に登場するキャラクタの種類が異なる。ステップ121IWS201の演出モード変更処理では、演出制御用CPU90120は、所定の演出モード変更条件が成立すると、現在の演出モードから異なる演出モードに変更する制御を行う。例えば、演出制御基板9012にリアルタイムクロックが搭載されている場合には、リアルタイムクロックからの日時情報にもとづいて所定の日や時刻となったことにもとづいて演出モードを変更するようにしてもよい。また、例えば、乱数にもとづく抽選処理を実行し、演出モードを変更すると決定したことにもとづいて演出モードを変更するようにしてもよい。
ステップ121IW201では、演出制御用CPU90120は、演出モードを変更すると、例えば、変更後の演出モードに対応したフラグをセットし、変更前の演出モードに対応したフラグをリセットするようにすればよい。例えば、演出モードAに変更した場合には、演出モードAフラグをセットし、変更前の演出モードBフラグまたは演出モードCフラグをリセットするようにすればよい。また、例えば、演出モードBに変更した場合には、演出モードBフラグをセットし、変更前の演出モードAフラグまたは演出モードCフラグをリセットするようにすればよい。また、例えば、演出モードCに変更した場合には、演出モードCフラグをセットし、変更前の演出モードAフラグまたは演出モードBフラグをリセットするようにすればよい。
なお、演出モードの変更の仕方は、演出モードA→演出モードB→演出モードC→演出モードA→・・・のように予め決められた順番で変更していくようにしてもよいし、演出モードA〜Cの中からランダムに変更するようにしてもよい。
(コマンド解析処理)
図68−16〜図68−18は、コマンド解析処理(ステップS9075)の具体例を示すフローチャートである。主基板9011から受信された演出制御コマンドは受信コマンドバッファに格納されるが、コマンド解析処理では、演出制御用CPU90120は、コマンド受信バッファに格納されているコマンドの内容を確認する。
コマンド解析処理において、演出制御用CPU90120は、まず、コマンド受信バッファに受信コマンドが格納されているか否か確認する(ステップ121IWS301)。格納されているか否かは、コマンド受信個数カウンタの値と読出ポインタとを比較することによって判定される。両者が一致している場合が、受信コマンドが格納されていない場合である。コマンド受信バッファに受信コマンドが格納されている場合には、演出制御用CPU90120は、コマンド受信バッファから受信コマンドを読み出す(ステップ121IWS302)。なお、読み出したら読出ポインタの値を+2しておく(ステップ121IWS303)。+2するのは2バイト(1コマンド)ずつ読み出すからである。
受信した演出制御コマンドが設定値コマンドであれば(ステップ121IWS304)、演出制御用CPU90120は、受信した設定値コマンドで示される設定値を、RAM90122に形成されている設定値格納領域に格納する(ステップ121IWS305)。また、演出制御用CPU90120は、遊技機への電源投入がされてから設定値コマンドを少なくとも1回正常に受信したことを示す設定値コマンド受信フラグをセットする(ステップ121IWS306)。
なお、本特徴部121IWでは、演出制御基板9012に搭載されているRAM90122は電源バックアップされていないので、設定値格納領域に格納された設定値および設定値コマンド受信フラグは、遊技機への電源供給が停止されたときにクリアされる。従って、遊技機への電源供給が開始されたときには、RAM90122の設定値格納領域には何も設定値が格納されていない状態であり、設定値コマンド受信フラグもクリアされた状態で処理が開始される。なお、演出制御基板9012側では設定値が格納されていない状態で起動されるので、遊技制御用マイクロコンピュータ90100は、設定確認処理や復旧処理を実行した場合であっても設定値コマンドを送信するように構成し、電源投入時に必ず設定値コマンドを送信するように構成してもよい。
また、本特徴部121IWでは、遊技機への電源投入がされて設定変更処理が行われたときに設定値コマンドが送信されるのであるが、コマンドの取りこぼしやデータ化けなどにより設定値コマンドを正常に受信できなかった場合には、ステップ121IWS305の処理は実行されず、設定値格納領域に設定値は格納されない。しかしながら、本特徴部121IWでは、電源投入時に設定値コマンドを正常に受信できなくても、変動表示ごとに設定値コマンドが送信されるので、その後受信した設定値コマンドにもとづいてステップ121IWS305の処理が実行され、設定値格納領域に設定値が格納されるようにすることができる。
また、設定値コマンドを受信しても、設定値コマンドに含まれる設定値が異常な値である場合も考えられることから、演出制御用CPU90120側で設定値コマンドを読み出すときに、設定値コマンドに含まれる設定値が正常な値であるか否かを判定するように構成してもよい。例えば、本例では、設定値は「1」〜「3」のいずれかの値に設定されるように構成されているところ、「5」や「10」など設定されず筈のない値が含まれる場合には、設定値コマンドに含まれる設定値が異常であると判定するように構成してもよい。また、例えば、演出制御用CPU90120側で、受信した設定値コマンドで示される設定値を記憶しておくようにし、その後、新たな設定値コマンドを受信したときに、新たに受信した設定値コマンドで示される設定値と前回記憶した設定値とが一致しない場合に不整合が発生したと判定し、異常であると判定するように構成してもよい。そして、設定値コマンドに含まれる設定値が異常な値であると判定した場合にも、やはり設定値コマンドを正常に受信できていないものとして、本特徴部121IWで示した処理方法に従って演出を制限するように構成してもよい。
(初期出目設定)
本特徴部121IWでは、演出制御基板9012側において、コマンド解析処理にて、主基板9011から初期化指定コマンド、復旧時のコマンド、設定変更処理終了コマンドおよび設定確認処理終了コマンドのいずれかを受信すると、画像表示装置905において、所定の初期出目(具体的には、飾り図柄の組み合わせであって、最初の変動表示が開始されるまで画像表示装置905において表示されるもの)を表示する制御を行う(以下、初期出目演出ともいう)。
受信した演出制御コマンドが設定変更処理終了コマンドであれば(ステップ121IWS307)、演出制御用CPU90120は、設定値コマンド受信フラグがセットされているか否かを確認する(ステップ121IWS308)。設定値コマンド受信フラグがセットされていれば(すなわち、設定変更処理が実行され、且つ設定値コマンドを正常に受信した場合には)、演出制御用CPU90120は、RAM90122の設定値格納領域に格納されている設定値にもとづいて、初期出目決定テーブルを用いて、偶数の飾り図柄の組み合わせである偶数初期出目(例えば、「246」や「224」など)と、奇数の飾り図柄の組み合わせである奇数初期出目(例えば、「135」や「113」など)と、特殊図柄(例えば、星図柄)を含む飾り図柄の組み合わせである特殊初期出目とのいずれかに決定する(ステップ121IWS309)。そして、ステップ121IWS314に移行する。
図68−19は、初期出目決定テーブルの一例を示す説明図である。ステップ121IWS309では、図68−19(A)に示す初期出目決定テーブルを用いて、設定値格納領域に格納されている設定値に応じた判定値の割り振りに従って乱数にもとづく抽選処理を行い、初期出目を決定する。図68−19(A)に示す初期出目決定テーブルでは、設定値「1」<「2」<「3」の順に、奇数初期出目に決定される割合が高くなっている。そのため、遊技開始前の画像表示装置905において、奇数初期出目が表示されていれば、設定変更が行われたこと、および偶数初期出目が表示されている場合と比較して有利な設定値に設定されていることが示唆されることになる。また、図68−19(A)に示すように、設定値「3」である場合にのみ特殊初期出目に決定される場合がある。そのため、遊技開始前の画像表示装置905において、特殊初期出目が表示されていれば、設定変更が行われたこと、および設定値「3」であることが確定することになる。このような構成により、遊技開始前のパチンコ遊技機901の状態に関心を持たせ、遊技店の営業時間のうち早い時間帯から遊技を行う動機を与えることができ、興趣を高めることができる。
設定値コマンド受信フラグがセットされていなければ(すなわち、設定変更処理が実行されたが、コマンドの取りこぼしやデータ化けなどの理由により設定値コマンドを正常に受信できなかった場合には)、演出制御用CPU90120は、現在の演出モードが演出モードAであるか否かを確認する(ステップ121IWS310)。なお、演出モードAであるか否かは、例えば、演出モードAフラグがセットされているか否かを確認することにより判定できる。演出モードAであれば、演出制御用CPU90120は、設定値「1」であるものとして、図68−19(A)に示す初期出目決定テーブルを用いて、初期出目を決定する(ステップ121IWS311)。そして、ステップ121IWS314に移行する。
ステップ121IWS310〜S311の処理が実行されることによって、本特徴部121IWでは、設定値コマンドを正常に受信できなかった場合であって演出モードAである場合には、最も不利な設定である設定値「1」であるものとして初期出目が決定される。図68−19(A)に示すように、設定値「1」に対しては、奇数初期出目と決定される割合が最も低く、特殊初期出目と決定される場合はない。そのように構成することによって、不利な設定値が設定されているにも関わらず奇数初期出目や特殊初期出目を表示して遊技者を却って落胆させてしまう事態を低減し、遊技に対する興趣の低下を防止できるようにしている。
演出モードAでなければ、演出制御用CPU90120は、現在の演出モードが演出モードCであるか否かを確認する(ステップ121IWS312)。なお、演出モードCであるか否かは、例えば、演出モードCフラグがセットされているか否かを確認することにより判定できる。演出モードCであれば、演出制御用CPU90120は、演出モードC用の初期出目決定テーブルを用いて、初期出目を決定する(ステップ121IWS313)。そして、ステップ121IWS314に移行する。
図68−19(B)は、演出モードC用の初期出目決定テーブルの一例を示す説明図である。図68−19(B)に示すように、演出モードC用の初期出目決定テーブルでは、遊技者にとって最も有利な設定値「3」の場合と比較して、奇数初期出目と決定される割合が低く、特殊初期出目と決定される場合もない。
ステップ121IWS312〜S313の処理が実行されることによって、本特徴部121IWでは、設定値コマンドを正常に受信できなかった場合であって演出モードCである場合には、不利な設定値が設定されているにも関わらず奇数初期出目や特殊初期出目を表示して遊技者を却って落胆させてしまう事態を低減し、遊技に対する興趣の低下を防止できるようにしている。
そして、演出制御用CPU90120は、画像表示装置905において、ステップ121IWS309,S311,S313で決定した初期出目を表示する制御を行う(ステップ121IWS314)。
一方、演出モードCでもなかった場合(すなわち、現在の演出モードが演出モードBであった場合)には、演出制御用CPU90120は、初期出目を偶数初期出目に決定し、画像表示装置905において、偶数初期出目を表示する制御を行う(ステップ121IWS315)。
ステップ121IWS315の処理が実行されることによって、本特徴部121IWでは、設定値コマンドを正常に受信できなかった場合であって演出モードBである場合には、一律に偶数初期出目を表示することにより、不利な設定値が設定されているにも関わらず奇数初期出目や特殊初期出目を表示して遊技者を却って落胆させてしまう事態を低減し、遊技に対する興趣の低下を防止できるようにしている。
なお、演出モードBで設定値コマンドを正常に受信できていなかった場合であっても、低い割合で奇数初期出目図柄を決定可能に構成してもよい。この場合、例えば、図68−19(A)に示す初期出目決定テーブルの設定値「1」よりもさらに全体的に奇数初期出目図柄の決定割合を低く設定したテーブルを用いて、初期出目図柄を決定するように構成してもよい。
なお、本例では、設定値コマンドを正常に受信できなかった場合であって演出モードBである場合に一律に偶数初期出目を表示する場合を示したが、そのような態様にかぎられない。例えば、設定値コマンドを正常に受信できなかった場合であって演出モードBである場合に、初期出目として「???」の図柄の組み合わせなど、設定値コマンドを正常に受信できなかったとき専用の初期出目を表示するように構成してもよい。そのように何らかの形式で設定値を全く示唆しない図柄の組み合わせを初期出目として表示するものであればよい。
また、設定値コマンドを正常に受信できなかった場合(または設定値を正常に格納できていない場合)の処理は、本例で示したものにかぎられない。例えば、ステップ121IWS308でNと判定したときに、デフォルトとして設定値「1」を設定値格納領域に格納して初期出目を決定するように構成してもよい。また、例えば、設定値コマンドを正常に受信できなかったことを示す専用の設定値(例えば、設定値「4」)を設定値格納領域に格納して初期出目を決定するように構成してもよい。
受信した演出制御コマンドが初期化指定コマンド、復旧時のコマンドおよび設定確認処理終了コマンドのいずれかであれば(ステップ121IWS316)、すなわち設定変更処理が実行されていない場合には、演出制御用CPU90120は、初期出目を偶数初期出目に決定し、画像表示装置905において、偶数初期出目を表示する制御を行う(ステップ121IWS317)。なお、本特徴部121IWでは、設定変更処理が実行されていない場合には、初期出目は偶数初期出目に決定され、奇数初期出目に決定されることがないが、抽選により偶数初期出目と奇数初期出目とのいずれかに決定されるようにしてもよい。この場合には、設定値に応じて決定される割合が異なるようにしてもよい。
受信した演出制御コマンドがRAM異常エラー報知コマンドであれば(ステップ121IWS318)、演出制御用CPU90120は、RAMエラー報知を実行する(ステップ121IWS319)。例えば、演出制御用CPU90120は、画像表示装置905において「RAMエラー異常が発生しています」などの文字表示を表示したり、スピーカ908L,8RからRAMエラー異常を示す音声やエラー音を音出力したり、遊技効果ランプ909やLEDを所定のエラーパターンで発光させたりする制御を行う。なお、この場合、RAMエラー異常報知を行う際に、スピーカ908L,908Rから最大音量の音声やエラー音を音出力したり、遊技効果ランプ909やLEDを最大輝度で発光(例えば、フルカラーLEDの場合は白色で発光)させたりすることが望ましい。
受信した演出制御コマンドが変動パターンコマンド(変動パターンを指定する演出制御コマンド)であれば(ステップ121IWS320)、演出制御用CPU90120は、受信した変動パターンコマンドを、RAMに形成されている変動パターンコマンド格納領域に格納する(ステップ121IWS321)。そして、変動パターンコマンド受信フラグをセットする(ステップ121IWS322)。
受信した演出制御コマンドが表示結果指定コマンド(大当りとするか否かや小当りとするか否か、大当り種別、小当り種別を指定する演出制御コマンド)であれば(ステップ121IWS323)、演出制御用CPU90120は、受信した表示結果指定コマンドを、RAMに形成されている表示結果指定コマンド格納領域に格納する(ステップ121IWS324)。
受信した演出制御コマンドが図柄確定指定コマンド(飾り図柄の停止図柄を確定表示することを指定する演出制御コマンド)であれば(ステップ121IWS325)、演出制御用CPU90120は、確定コマンド受信フラグをセットする(ステップ121IWS326)。
受信した演出制御コマンドが大当り開始指定コマンド(大当り遊技の開始を指定する演出制御コマンド)であれば(ステップ121IWS327)、演出制御用CPU90120は、大当り開始指定コマンド受信フラグをセットする(ステップ121IWS328)。
受信した演出制御コマンドが大当り終了指定コマンド(大当り遊技の終了を指定する演出制御コマンド)であれば(ステップ121IWS329)、演出制御用CPU90120は、大当り終了指定コマンド受信フラグをセットする(ステップ121IWS330)。
受信した演出制御コマンドが図柄指定コマンド(始動入賞判定処理(ステップS90101参照)で先読み判定された大当りとなるか否かや小当りとなるか否か、大当り種別、小当り種別の判定結果を指定する演出制御コマンド)であれば(ステップ121IWS331)、演出制御用CPU90120は、受信した図柄指定コマンドを、RAMに形成されている始動入賞時コマンド格納領域の空いている最初の格納領域に格納する(ステップ121IWS332)。
受信した演出制御コマンドが変動カテゴリコマンド(始動入賞判定処理(ステップS90101参照)で先読み判定された変動カテゴリ(変動パターン種別や変動パターン)の判定結果を指定する演出制御コマンド)であれば(ステップ121IWS333)、演出制御用CPU90120は、受信した変動カテゴリコマンドを、RAMに形成されている始動入賞時コマンド格納領域の各格納領域のうち最新の図柄指定コマンドが格納されている格納領域に格納する(ステップ121IWS334)。
受信した演出制御コマンドが第1保留記憶数加算指定コマンドであれば(ステップ121IWS335)、演出制御用CPU90120は、受信した第1保留記憶数加算指定コマンドを、RAMに形成されている始動入賞時コマンド格納領域の各格納領域のうち最新の図柄指定コマンドおよび変動カテゴリコマンドが格納されている格納領域に格納する(ステップ121IWS336)。また、演出制御用CPU90120は、画像表示装置905の第1保留記憶表示領域において保留表示を1つ増加させ、第1保留記憶数表示を更新する(ステップ121IWS337)。また、演出制御用CPU90120は、第1保留記憶数保存領域に格納する第1保留記憶数の値を1加算する(ステップ121IWS338)。
受信した演出制御コマンドが第2保留記憶数加算指定コマンドであれば(ステップ121IWS339)、演出制御用CPU90120は、受信した第2保留記憶数加算指定コマンドを、RAMに形成されている始動入賞時コマンド格納領域の各格納領域のうち最新の図柄指定コマンドおよび変動カテゴリコマンドが格納されている格納領域に格納する(ステップ121IWS340)。また、演出制御用CPU90120は、画像表示装置905の第2保留記憶表示領域において保留表示を1つ増加させ、第2保留記憶数表示を更新する(ステップ121IWS341)。また、演出制御用CPU90120は、第2保留記憶数保存領域に格納する第2保留記憶数の値を1加算する(ステップ121IWS342)。
受信した演出制御コマンドが第1保留記憶数減算指定コマンドであれば(ステップ121IWS343)、演出制御用CPU90120は、画像表示装置905の第1保留記憶表示領域における保留表示を1つ消去し、残りの保留表示を1つずつシフトして、第1保留記憶数表示を更新する(ステップ121IWS344)。また、演出制御用CPU90120は、第1保留記憶数保存領域に格納する第1保留記憶数の値を1減算する(ステップ121IWS345)。
受信した演出制御コマンドが第2保留記憶数減算指定コマンドであれば(ステップ121IWS346)、演出制御用CPU90120は、画像表示装置905の第2保留記憶表示領域における保留表示を1つ消去し、残りの保留表示を1つずつシフトして、第2保留記憶数表示を更新する(ステップ121IWS347)。また、演出制御用CPU90120は、第2保留記憶数保存領域に格納する第2保留記憶数の値を1減算する(ステップ121IWS348)。
受信した演出制御コマンドがその他のコマンドであれば、演出制御用CPU90120は、受信した演出制御コマンドを格納したり、受信した演出制御コマンドに応じたフラグをセットしたりする(ステップ121IWS349)。そして、ステップ121IWS301に移行する。
なお、本特徴部121IWでは、電源投入時に設定変更処理が実行されていない場合には、奇数初期出目が表示されないように構成されているが、奇数初期出目が表示され得るようにしてもよい。また、この場合にも、設定値に応じて奇数初期出目に決定される割合が異なるようにしてもよい(すなわち設定値の示唆が行われるようにしてもよい)。
また、例えば、奇数初期出目や偶数初期出目に代えて、または加えて、特定の設定値である可能性を否定する初期出目(例えば、設定値1である可能性が否定され、設定値2または設定値3であることが確定する)や、特定の設定値であることが確定する初期出目などを設け、設定値に応じて表示されるようにしてもよい。例えば、設定値1の場合には、特定の初期出目に決定されないようにすることにより、特定の初期出目が表示されると、設定値1である可能性が否定され、設定値2または設定値3であることが確定することになる。また、例えば、設定値3の場合にのみ、特定の初期出目に決定されるようにすることにより、特定の初期出目が表示されると、設定値3であることが確定することになる。また、初期出目決定時には、抽選によりこれらの初期出目のいずれかに決定されるようにしてもよい。この場合には、設定値に応じて決定される割合が異なるようにしてもよい。
(設定示唆演出)
本特徴部121IWでは、設定値を変更可能に構成されるとともに、設定値を示唆する設定示唆演出(設定示唆)として、上述した初期出目演出や上述した変動パターンの決定傾向による設定示唆を実行可能に構成されている。なお、遊技開始前に実行される遊技前示唆演出や遊技中(例えば、飾り図柄の変動表示中)に実行される遊技中示唆演出、大当り中(例えば、大当り遊技中)に実行される大当り中示唆演出を実行可能に構成されてもよい。この場合、本特徴部121IWでは、遊技前示唆演出、遊技中示唆演出および大当り中示唆演出を、それぞれ示唆の信頼度が異なる複数種類の演出態様により実行可能とすればよく、例えば、設定示唆演出の種別ごとに示唆の信頼度が異なるようにしてもよい。例えば、遊技前示唆演出>大当り中示唆演出>遊技中示唆演出の順や、遊技前示唆演出>遊技中示唆演出>大当り中示唆演出の順に示唆の信頼度が高くなるようにしてもよいし、遊技中示唆演出>大当り中示唆演出>遊技前示唆演出の順や、大当り中示唆演出>遊技中示唆演出>遊技前示唆演出の順に示唆の信頼度が高くなるようにしてもよい。また、各設定示唆演出の実行割合を設定可能に構成してもよい。例えば、遊技機の管理者が、設定示唆演出のうちの一部(例えば、設定変更が行われたことが示唆される遊技前示唆演出や初期出目演出)もしくは全てを実行しない、または実行割合を低くする(もしくは高くする)ように設定変更できるようにしてもよい。例えば、電源投入後に設定画面が表示され、プッシュボタン9031B等の操作手段や、遊技機内部に設けられたスイッチ等の操作手段(管理者のみ操作可能)を操作することにより、設定示唆演出に関する設定を変更できるようにしてもよい。
(特徴部112AKに関する説明)
次に、本実施の形態の特徴部112AKについて説明する。図68−20は、特徴部112AKにて実行される特図当り待ち処理の一例を示すフローチャートである。特図当り待ち処理において、演出制御用CPU90120は、まず、当り開始指定コマンド受信待ち時間が経過したか否かを判定する(ステップS90600)。当り開始指定コマンド受信待ち時間は、ステップS90182の可変表示中演出処理にて、飾り図柄停止コマンドを受信したことなどに応じて予め定められた一定時間が設定される。
ステップS90600にて当り開始指定コマンド受信待ち時間が経過していない場合には(ステップS90600;No)、主基板9011から伝送される大当り開始指定コマンドの受信があったか否かを判定する(ステップS90601)。大当り開始指定コマンドの受信があれば(ステップS90601;Yes)、演出プロセスフラグの値を大当り中演出処理に対応した値である“6”に更新する(ステップS90602)。
ステップS90602の処理を大当り遊技状態の開始を報知するために予め用意された大当り報知用の演出制御パターンを選択し、使用パターンとしてセットする(ステップS90604)。その後、使用パターンとしてセットした演出制御パターンから読み出した演出制御実行データなどに基づいて、大当り報知動作の制御を開始するための設定を行う(ステップS90605)。そして、右打ち指示報知を行う右打ち指示報知処理を行う(ステップ112AKS001)。
特徴部112AKにおけるパチンコ遊技機901の遊技領域には、遊技者にとって右側の右遊技領域に普通可変入賞球装置906Bと通過ゲート9041とが設けられている。したがって、時短制御とともに高開放制御が行われているときには、右遊技領域に向けて遊技球を発射すれば、普通可変入賞球装置906Bに形成された第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)しやすい。また、時短制御が行われていることから、速やかに特図ゲームを消化して、可変表示結果が「大当り」となるまでの時間を短縮することができる。このように、時短制御とともに高開放制御が行われる時短状態では、遊技領域内における遊技球の最適な発射位置(発射目標位置)が右遊技領域となる。また、特徴部112AKにおけるパチンコ遊技機901では、右遊技領域に特別可変入賞球装置907が設けられている。したがって、大当り遊技状態や小当り遊技状態に制御されて大入賞口が開放状態(第1状態)と閉鎖状態(第2状態)とに変化するときには、右遊技領域に向けて遊技球を発射すれば、大入賞口を遊技球が通過(進入)することにより、景品として多数の賞球が得られる可能性がある。このように、大当り遊技状態や小当り遊技状態にて大入賞口が開放状態(第1状態)と閉鎖状態(第2状態)とに変化するときには、遊技領域内における遊技球の最適な発射位置(発射目標位置)が右遊技領域となる。ステップ112AKS001では、遊技領域内における遊技球の最適な発射位置(発射目標位置)が右遊技領域ことを遊技者に報知する処理を行う。
図68−21は、図68−20のステップ112AKS001にて実行される右打ち指示報知処理の一例を示すフローチャートである。図68−21に示す右打ち指示報知処理において、演出制御用CPU90120は、右打ち指示報知において設定値を示唆する設定示唆演出(設定示唆)を行うか否かを決定する(ステップ112AKS002)。具体的に、ステップ112AKS002の処理では、大当り種別に基づいて、図68−22に示す決定割合に従って、設定示唆の実行有無を決定する。この実施の形態では、図68−22に示すように、大当り種別A<大当り種別B<大当り種別Cの順に設定示唆が実行される割合が高くなっている。なお、この実施の形態における大当り種別Aと大当り種別Bは、大当り遊技中のラウンド数が16の大当り(16R大当り)であり、大当り種別Cは大当り遊技中のラウンド数が4Rの大当り(4R大当り)となっている。すなわち、特徴部112AKでは、大当り種別Cよりも遊技者にとって有利な大当り種別Aや大当り種別Bの方が、設定示唆が実行される割合が低くなっており、大当り種別Aや大当り種別Bよりも有利度の低い大当り種別Cの方が、設定示唆が実行される割合が高くなっている。そのため、有利度の低い大当り種別Cの大当りに対しても遊技者の注目を集めることができ、演出効果を高めることができる。なお、ラウンド数に限られず、例えば、確変大当りよりも非確変大当りの方が、設定示唆が実行される割合が高いなど、一方の大当りよりも有利度の低い大当りの方が、有利度の高い大当りよりも高い割合で設定示唆が行われればよい。さらに、大当り種別に限られず、例えば、可変表示中に設定示唆を行う場合において、遊技状態が通常状態である場合には、通常状態以外(確変状態や時短状態)よりも高い割合で設定示唆が行われればよい。
図68−21に戻り、ステップ112AKS002の処理を実行した後、演出制御用CPU90120は、ステップ112AKS002にて設定示唆を実行すると決定したか否か、すなわち設定示唆有りか否かを判定する(ステップ112AKS003)。設定示唆なしの場合、すなわちステップ112AKS002にて設定示唆を実行しないと決定した場合(ステップ112AKS003;No)、演出制御用CPU90120は、通常態様の右打ち指示報知、すなわち、設定示唆を行わない右打ち指示報知を実行すると決定する(ステップ112AKS004)。ここで、通常態様の右打ち指示報知は、図68−24に示す通常態様の右打ち指示報知112AK001のように「右打ちしてね!」のメッセージを表示することにより行われる。
一方、ステップ112AKS002にて設定示唆を実行すると決定した場合、すなわち設定示唆有りの場合(ステップ112AKS003;Yes)、演出制御用CPU90120は、設定示唆を含む右打ち指示報知の実行態様を決定する(ステップ112AKS005)。具体的に、ステップ112AKS005の処理では、設定されている設定値に基づいて、図68−23に示す決定割合に従って、態様1〜態様3のいずれかを、設定示唆を含む右打ち指示報知の実行態様として決定する。この実施の形態における設定示唆を含む右打ち指示報知は、図68−24に示す通常態様の右打ち指示報知112AK001と、図68−24(A)〜(C)に示す態様1〜3といった特定態様の右打ち指示報知112AK002とを含んでおり、当該態様1〜3の右打ち指示報知112AK002により設定値がいずれであるかを示唆する演出である。この実施の形態における態様1の右打ち指示報知は、設定値が「1」であることを示唆し、態様2の右打ち指示報知は、設定値が「2」であることを示唆し、態様3の右打ち指示報知は、設定値が「3」であることを示唆するものとなっている。この他にも、設定値そのものではなく、例えば、設定値が「1」ではないことを示唆したり、高設定値であること、偶数の設定値であることや奇数の設定値であること、をそれぞれの態様によって示唆するようにしてもよい。なお、設定示唆を含む右打ち指示報知では、図68−24に示す通常態様の右打ち指示報知112AK001を行った後に、図68−24(A)〜(C)に示す態様1〜3の右打ち指示報知112AK002を表示する。そのため、通常態様の右打ち指示報知が行われた後に特定態様の右打ち指示報知が行われるかに対する遊技者の注目を集めることができるとともに、いずれの態様の右打ち指示報知が行われるかに対する遊技者の注目を集めることができる。特徴部112AKでは、通常態様の右打ち指示報知と特定態様の右打ち指示報知とを合わせて遊技に関する説明を行う特定報知と呼ぶ。すなわち、特徴部112AKでは、通常態様の右打ち指示報知が行われた後、特定態様の右打ち指示報知が行われる場合と、通常態様の右打ち指示報知が行われた後、特定態様の右打ち指示報知が行われない場合とがあり、特定報知に注目させることができる。図68−24は、当該通常態様の右打ち指示報知と特定態様の右打ち指示報知とを含む特定報知の演出動作例を示している。
図68−23に示すように、特徴部112AKでは、設定されている設定値に応じて異なる実行割合で、異なる実行態様により、設定示唆を含む右打ち指示報知を実行可能に決定割合が設定されている。したがって、設定値に応じて異なる実行態様の特定報知が、異なる実行割合で実行されることから、演出効果を高めることができる。なお、異なる実行態様の特定報知が、異なる実行割合で実行されること、すなわち、実行される特定報知の種類や態様や実行割合が異なることを含めて、単に異なる実行態様により実行されるということがある。また、図68−23に示すように、態様3の右打ち指示報知は、設定値「3」である場合にのみ決定される。そのため、特定報知として態様3の右打ち指示報知が行われた場合には、設定値「3」であることが確定することになる。これに対し、態様1および態様2の右打ち指示報知は、設定値がいずれであっても決定される。そのため、態様1または態様2の右打ち指示報知が行われた場合と、態様3の右打ち指示報知が行われた場合とでは、示唆の信頼度が異なるものとなっている。したがって、示唆の信頼度が異なる態様の右打ち指示報知が実行可能であり、演出効果を高めることができる。なお、例えば変動回数が多いほど、示唆の信頼度が高い右打ち指示報知を実行可能であったり、遊技場の営業開始時よりも営業終了間際の方が示唆の信頼度が高い右打ち指示報知を実行可能であったり、遊技状態に応じて示唆の信頼度が異なるなど、状況に応じて、設定示唆を含む右打ち指示報知による示唆の信頼度が異なるようにしてもよい。この場合、例えば、図68−23に示す決定割合とは別に設定された(より示唆の信頼度が高く決定割合が設定された)テーブルを設け、状況に応じて選択するテーブルを変更し、特定報知の実行態様を決定すればよい。これによれば、状況に応じて示唆の信頼度が異なることから、演出効果を高めることができる。
図68−21に戻り、ステップ112AKS004またはステップ112AKS005の処理を実行した後、演出制御用CPU90120は、決定した実行態様の右打ち指示報知を実行し(ステップ112AKS006)、右打ち指示報知処理を終了する。なお、ステップ112AKS006にて設定示唆を含む右打ち指示報知が実行された場合には、図68−24に示す特定報知が実行される。なお、画像表示装置905における画像の表示に加えて、スピーカ908L、908Rからの音声出力や、遊技効果ランプ909および装飾用LEDといった発光体の点灯動作などにより、右打ち指示報知が行われるようにしてもよい。また、一旦行われた右打ち指示報知は、例えば、時短状態が終了したタイミングなど、遊技領域内における遊技球の最適な発射位置(発射目標位置)が右遊技領域でなくなったタイミングで消去されればよい。
図68−20に戻り、ステップ112AKS001の処理を実行した後、演出制御用CPU90120は、当該特図当り待ち処理を終了する。
ステップS90601にて大当り開始指定コマンドの受信がない場合には(ステップS90601;No)、小当り開始指定コマンドの受信があったか否かを判定する(ステップS90608)。小当り開始指定コマンドの受信がなければ(ステップS90608;No)、特図当り待ち処理を終了して、当り開始指定コマンド受信待ち時間が経過するまで待機する。小当り開始指定コマンドの受信があった場合には(ステップS90608;Yes)、演出プロセスフラグの値を小当り中演出処理に対応した値である“4”に更新して(ステップS90609)特図当り待ち処理を終了する。また、ステップS90600にて当り開始指定コマンド受信待ち時間が経過した場合には(ステップS90600;Yes)、演出プロセスフラグをクリアして、その値を“0”に初期化してから(ステップS90613)、特図当り待ち処理を終了する。
(特徴部112AKの変形例)
上記実施の形態では、図68−24に示すように、通常態様の右打ち指示報知112AK001が「右打ちしてね!」のメッセージを表示するものであり、特定態様の右打ち指示報知112AK002が図68−24(A)〜(C)に示す態様1〜3といった右向きの矢印の画像を態様に応じた柄にて表示する例を示したが、これは一例である。設定示唆を含む右打ち指示報知として、例えば、通常態様の右打ち指示報知として「右打ちしてね!」のメッセージに加えて右向きの矢印の画像を表示し(態様は1態様でよい)、当該矢印の上部にキャラクタ画像を表示することで設定示唆を行うようにしてもよい。具体的に、態様Aの場合にはキャラクタAを表示し、態様Bの場合にはキャラクタBを表示し、態様Cの場合にはキャラクタCを表示するようにしてもよい。また、例えば、示唆の信頼度に応じて特定態様の右打ち指示報知112AK002とするのかキャラクタとするのかが異なっていてもよい。これによれば、信頼度に応じて設定示唆の種類が異なるため演出の幅が広がり演出効果を高めることができる。
また、上記実施の形態では、右打ち指示報知に設定示唆を含む例を示したが、これは一例である。設定示唆は、遊技に関する説明を行う演出に含まれていればよく、例えば、所定のアイテムやキャラクタを取得してミッションをクリアさせることを遊技者に説明する演出において、上記右打ち指示報知のような特定態様の表示を行うことで設定示唆を行ってもよい。また、例えば、デモ中に再生される動画にて攻略情報(例えばいずれの種類の演出が大当り期待度が高いかなど)を遊技者に説明するような場合に、当該特定態様の表示にて説明を行うことで設定示唆を行ってもよい。
(特徴部112AKに係る手段の説明)
以上の特徴部112AKに関して、従来、遊技に関する設定を変更可能な遊技機として、例えば特開2010−200902号公報に記載されているものがある。特開2010−200902号公報には、設定値にもとづく演出の表示制御を行い、キリン、ゾウ、ライオンの各キャラクタ画像を表示させる処理を所定のタイミングで実行することが記載されている。また、所定のタイミングとは、例えば特別図柄の変動時などが考えられるが、さらに定期的(全変動時、所定変動回数ごとなど)でもよいし、不定期(乱数抽選で当選した場合など)であってもよいことが記載されている。しかしながら、特開2010−200902号公報に記載の遊技機にあっては、設定されている設定値にもとづいて有利状態の制御を実行可能に構成した遊技機において、必ずしも演出効果を高めることはできない。そこで、演出効果を高めることが可能な遊技機を提供するための特徴部112AKに係る手段1の遊技機として、
遊技を行う遊技機(例えばパチンコ遊技機901など)であって、
遊技者にとって有利度が異なる複数種類の設定値のうちから、いずれかの設定値(例えば設定値1〜3のいずれかなど)を設定可能であり、
遊技に関する説明を行う特定報知を実行可能な特定報知手段(例えば右打ち指示報知を行う演出制御用CPU90120など)と、を備え、
前記特定報知手段は、設定されている設定値に応じて異なる実行態様により前記特定報知を実行可能である(例えば設定されている設定値に応じて異なる実行割合で、異なる実行態様により、設定示唆を含む右打ち指示報知(特定報知)を実行可能であるなど)、
ことを特徴とする遊技機であってもよい。
このような構成によれば、演出効果を高めることができる。
特徴部112AKに係る手段2の遊技機として、
遊技者にとって有利な有利状態に制御可能であり、
前記有利状態は、第1有利状態(例えば大当り種別Cの4R大当りなど)と、前記第1有利状態よりも有利な第2有利状態(例えば大当り種別AやBの16R大当りなど)とを少なくとも含み、
前記特定報知手段は、前記第1有利状態に制御されるときに前記特定報知を実行可能である(例えば大当り種別Aや大当り種別Bよりも有利度の低い大当り種別Cの方が、設定示唆が実行される割合が高くなっているなど)、
ことを特徴とする特徴部112AKに係る手段1の遊技機であってもよい。
このような構成によれば、有利度の低い第1有利状態に対しても注目させることができ演出効果を高めることができる。
特徴部112AKに係る手段3の遊技機として、
前記特定報知手段は、設定値に関わらず共通の演出(例えば通常態様の右打ち指示報知など)を実行した後、設定値に応じて異なる実行態様により演出が実行されるように前記特定報知を実行可能である(例えば通常態様の右打ち指示報知が行われた後に特定態様の右打ち指示報知が行われるなど)
ことを特徴とする特徴部112AKに係る手段1または手段2の遊技機であってもよい。
このような構成によれば、特定報知の実行有無について遊技者の注目を集めることができる。
特徴部112AKに係る手段4の遊技機として、
前記特定報知手段は、前記特定報知として、設定されている設定値を示唆する第1特定報知(例えば態様1または態様2の右打ち指示報知など)と、前記第1特定報知よりも示唆される設定値の信頼度が高い第2特定報知(例えば態様3の右打ち指示報知など)と、を実行可能である、
ことを特徴とする特徴部112AKに係る手段1〜手段3のいずれかの遊技機であってもよい。
このような構成によれば、演出効果を高めることができる。
特徴部112AKに係る手段5の遊技機として、
前記特定報知手段は、状況に応じて異なる実行態様により前記特定報知を実行可能である(例えば遊技場の営業開始時よりも営業終了間際の方が示唆の信頼度が高い右打ち指示報知を実行可能であるなど)、
ことを特徴とする特徴部112AKに係る手段4の遊技機であってもよい。
このような構成によれば、演出効果を高めることができる。
特徴部112AKに係る手段6の遊技機として、
いずれの設定値に設定されているかを特定可能な設定値情報(例えば、設定値コマンド)を出力可能な情報出力手段(例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ90100におけるステップ121IWS031,S108を実行する部分)と、
前記情報出力手段から入力された前記設定値情報にもとづいて、示唆演出(例えば、初期出目演出)を実行可能な示唆演出実行手段(例えば、演出制御用CPU90120におけるステップ121IWS308〜S315を実行する部分)と、を備え、
前記示唆演出実行手段は、
前記示唆演出として第1示唆演出(例えば、特殊初期出目による初期出目演出)と第2示唆演出(例えば、偶数初期出目による初期出目演出)とを実行可能であり、
前記設定値情報が正常に入力されなかった場合、前記示唆演出として前記第1示唆演出を実行せず、前記示唆演出として前記第2示唆演出を実行可能である(例えば、演出制御用CPU90120は、ステップ121IWS313を実行することにより、特殊初期出目による初期出目演出を実行しない)、
ことを特徴とする特徴部112AKに係る手段1〜手段5のいずれかの遊技機であってもよい。
このような構成によれば、設定されている設定値にもとづいて有利状態の制御を実行可能に構成した遊技機において、遊技に対する興趣の低下を防止することができる。
(特徴部113AKに関する説明)
次に、本実施の形態の特徴部113AKについて説明する。図68−25は、特徴部113AKにて実行される先読み予告設定処理の一例を示すフローチャートである。先読み予告設定処理を開始すると、演出制御用CPU90120は、まず、始動入賞時コマンドを受信したか否かを判定する(ステップ113AKS101)。始動入賞時コマンドを受信したと判定した場合(ステップ113AKS101;Yes)、演出制御用CPU90120は、受信した始動入賞時コマンドが、低ベース状態で受信した第1始動入賞口指定コマンド、または、高ベース状態で受信した第2始動入賞口指定コマンド、のいずれかであるか否かを判定する(ステップ113AKS102)。本実施の形態では、ステップ113AKS102の処理が実行されることによって、低ベース状態では第1始動入賞口への入賞に基づいて保留記憶が増加したときに先読み予告演出が実行可能となり、高ベース状態では第2始動入賞口への入賞に基づいて保留記憶が増加したときに先読み予告演出が実行可能になる。
低ベース状態で受信した第1始動入賞口指定コマンド、または、高ベース状態で受信した第2始動入賞口指定コマンド、のいずれかであると判定した場合(ステップ113AKS102;Yes)、演出制御用CPU90120は、保留表示の最終段階を決定する(ステップ113AKS103)。演出制御用CPU90120は、例えば、可変表示の可変表示結果および変動パターンに応じて、ROM90121の所定領域に予め記憶されている図68−26(A)〜(C)に示す保留表示段階決定テーブルのいずれかを、設定されている設定値に応じて参照して、第1保留表示または第2保留表示における最終段階(先読み予告演出を実行した場合に何段階まで変化させるか)を決定する。なお、演出制御用CPU90120は、始動入賞時コマンドに含まれる図柄判定結果指定コマンドおよび変動パターン判定結果指定コマンドを参照して、可変表示の可変表示結果および変動パターンを取得すればよい。
次に、保留表示の最終表示段階の決定について具体的に説明する。本実施の形態では、未だ開始されていない可変表示に対応する保留表示の表示態様(形状または色)を段階的に変化させる先読み予告演出(保留予告演出)が実行される。図68−26に示す保留表示段階決定テーブルは、この表示態様の変化(遷移)の最終段階である保留表示の表示態様(「最終表示段階」ともいう)をあらかじめ決定するためのテーブルである。保留表示段階決定テーブルは、図68−26に示すように、可変表示結果(大当り種別および変動パターンを含む)ごとに、最終表示段階を段階1〜段階4までのいずれとするかを決定するための決定割合が割り当てられている。より具体的には、可変表示結果は、「大当り(確変/非確変)」、「大当り(突確)」、「ハズレ(スーパーリーチ)/小当り」、「上記以外」に区分され、それぞれに、最終表示段階として用意された「段階1」、「段階2」、「段階3」、「段階4」に異なる決定割合が割り当てられている。
図68−26に示すように、特徴部113AKでは、保留表示の最終段階の表示態様が段階1である「白」<段階2である「青」<段階3である「緑」<段階4である「赤」の順に大当り期待度が高くなっている。なお、段階1である「白」の表示態様は通常態様であり、最終段階の表示態様が「白」に決定された場合には、保留表示の表示態様は変化せず、すなわち先読み予告演出が実行されないことを示している。そのため、段階2〜4の「青」〜「赤」の態様を通常態様と区別するため、特定態様という。また、特徴部113AKでは、図68−26に示すように、設定値がいずれに設定されているかに応じて保留表示の最終段階の表示態様がいずれの態様となるかの割合が異なっている。したがって、設定値に応じて最終段階の保留表示の表示態様がいずれとなるかの割合が異なるため、演出効果を高めることができる。また、特徴部113AKでは、図68−26に示すように、設定値がいずれに設定されているかに応じて先読み予告演出の実行割合が異なっている(保留表示の表示態様が変化しない割合が異なる)。したがって、設定値に応じて保留表示の表示態様が変化するか否かの割合が異なるため、演出効果を高めることができる。
さらに、図68−26(C)に示すように、設定値が「3」である場合には、最終段階の保留表示の表示態様が「赤」であると、可変表示結果が「大当り」となることが確定するのに対し、設定値が「3」以外の場合には、図68−26(A)および(B)に示すように、最終段階の保留表示の表示態様が「赤」であっても可変表示結果が「ハズレ」となる場合がある。そのため、設定値が「1」または「2」である場合に最終段階の保留表示の表示態様が「赤」である場合、設定値が「3」である場合に最終段階の保留表示の表示態様が「赤」である場合よりも大当り期待度が低くなる。このように、特徴部113AKでは、最終段階の保留表示の表示態様が同じ態様であっても、設定値によって大当り期待度が異なるものとなっている。これによれば、設定値に応じて保留表示の表示態様における大当り期待度が異なり演出効果を高めることができる。
ステップ113AKS103の処理により保留表示の最終段階を決定した後、演出制御用CPU90120は、ステップ113AKS103で決定した最終表示段階および第1特図保留記憶数指定コマンドと第2特図保留記憶数指定コマンドのいずれかに示される保留記憶数にしたがって、表示段階変化パターンを決定する(ステップ113AKS104)。なお、保留記憶数は、ステップ113AKS102にて第1始動入賞口指定コマンドを受信した場合には、第1特図保留記憶数指定コマンドを、第2始動入賞口指定コマンドを受信した場合には、第2特図保留記憶数指定コマンドを参照することにより特定すればよい。ステップ113AKS104の処理では、図68−27〜図68−30に示す表示段階変化パターン決定テーブルを参照して、第1保留表示または第2保留表示における表示段階変化パターンを決定する。表示段階変化パターンは、最終段階まで変化させる場合に、何回目のシフトでどの段階に遷移させるかといった変化パターンを示すものある。ステップ113AKS104にて決定された表示段階変化パターンは、第1始動入賞時コマンドバッファ内または、に示す第2始動入賞時コマンドバッファ内の表示段階変動パターンの格納領域に格納される。
図68−27〜図68−30に示す表示段階変化パターン決定テーブルは、上述したように、保留予告演出の予告対象となる保留表示の表示段階の変化を示す表示段階変化パターンを決定するために参照されるテーブルである。表示段階変化パターン決定テーブルは、保留記憶数(保留予告演出の予告対象である保留記憶の保留表示番号)および最終表示段階に応じて区分されている。具体的には、「4」〜「2」の保留数の別、および、「段階1」〜「段階4」の最終表示段階の別に応じて表示段階変化パターン決定テーブルは区分されている。また、保留記憶数(保留数)および最終表示段階により区分された各表示段階変化パターン決定テーブルでは、「大当り(16R)」、「大当り(4R)」、「ハズレ(スーパーリーチ)」または「小当り」といった可変表示結果(大当り種別)ごとに、最終表示段階に応じて設定された表示段階変化パターンに異なる決定割合が割り当てられている。
保留表示は、始動入賞に伴う保留表示開始時に、「段階1」〜「段階4」のいずれかの段階で表示される。また、保留表示は、保留記憶の消化に伴ってシフト表示されるごとに異なる段階に変化可能であり、「段階1」→「段階2」→「段階3」→「段階4」の順に段階的に変化する。また、保留表示は、保留表示番号「1」に対応する保留表示からその段階が変化して表示されることもある(段階1ではなく、当初から段階3の保留表示が行われるなど)。なお、段階の変化にあたり、上位の段階への変化のみ許容され(上位から下位の段階へは変化しない)、例えば、「段階1」→「段階3」のように途中を省略して上位の段階に変化することもある。
図68−27(A)〜図68−28(D)は、保留記憶数(保留数)が「4」のとき(保留予告演出の予告対象の保留記憶が保留表示番号「4」のとき)に参照される表示段階変化パターン決定テーブルであり、保留表示番号「4」〜「1」に対応する保留表示の表示段階の変化を示す表示段階変化パターンが設定されている。
図68−26(A)は、最終表示段階が「段階1」である場合に参照される表示段階変化パターン決定テーブルである。図501(A)に示すように、最終表示段階が「段階1」である場合、保留表示番号「4」〜「1」に対応する保留表示が「段階1」のまま変化しない表示段階変化パターンPT4−1−01(表示段階変化回数「0」)のみが設定され、可変表示結果ごとに割り当てられる決定割合は一律100%である。
図68−26(B)は、最終表示段階が「段階2」である場合に参照される表示段階変化パターン決定テーブルである。図501(B)に示すように、表示段階変化パターンとして、保留表示番号「4」〜「1」に対応する保留表示が「段階2」のまま変化しないPT4−2−01(表示段階変化回数「0」)と、保留表示番号「4」に対応する保留表示において「段階1」であって、保留表示番号「3」〜「1」に対応する保留表示のいずれかにおいてが「段階1」から「段階2」に変化するPT4−2−02〜04(表示段階変化回数「1」)が設定されている。
図68−26(B)に示すように、可変表示結果が「ハズレ(スーパーリーチ)」または「小当り」の場合、表示段階の変化回数が「0」の表示段階変化パターンPT4−2−01に割り当てられた決定割合が他の可変表示結果の場合と比較して高い。また、可変表示結果が「大当り(16R)」および「ハズレ(スーパーリーチ)」または「小当り」の場合、表示段階の変化回数が「1」の表示段階変化パターンPT4−2−02〜04のうち、PT4−2−04に割り当てられた決定割合が最も高く、PT4−2−01に割り当てられた決定割合が最も低い。一方、可変表示結果が「大当り(4R)」の場合、表示段階の変化回数が「1」の表示段階変化パターンのうち、PT4−2−02に割り当てられた決定割合が最も高く、PT4−2−01に割り当てられた決定割合が最も低い。
このような設定により、保留表示が「段階2」のまま変化しない表示段階変化パターンPT4−2−01が実行される場合には、可変表示結果が「ハズレ」となる可能性が高いことを示唆することができる。また、保留表示の表示段階が「段階1」から「段階2」に変化するタイミングが早いほど可変表示が「大当り(16R)」、「ハズレ(スーパーリーチ)」または「小当り」となる可能性が高く、そのタイミングが遅いほど可変表示が「大当り(4R)」となる可能性が高いことを示唆することができる。なお、これとは別に、保留表示が「段階2」のまま変化しない表示段階変化パターンPT4−2−01が実行される場合に、可変表示結果が「大当り(16R)」となる可能性が高いように表示段階変化パターン決定テーブルの決定割合を設定してもよい。これによれば、入賞当初から「段階2」の保留表示が行われるため、遊技者に安心感を与えることができる。また、保留表示の表示段階が「段階1」から「段階2」に変化するタイミングが遅いほど可変表示結果が「大当り(16R)」となる可能性が高いように表示段階変化パターン決定テーブルの決定割合を設定してもよい。これによれば、保留表示に対する遊技者の注目を集めることができる。
図68−26(C)は、最終表示段階が「段階3」である場合に参照される表示段階変化パターン決定テーブルである。図68−26(C)に示すように、表示段階変化パターンとして、保留表示番号「4」〜「1」に対応する保留表示が「段階3」のまま変化しないPT4−3−01(表示段階変化回数「0」)と、保留表示番号「4」に対応する保留表示において「段階1」であって、保留表示番号「3」〜「1」に対応する保留表示のいずれかにおいて「段階1」から「段階3」に変化するPT4−3−02〜04(表示段階変化回数「1」)と、保留表示番号「4」に対応する保留表示において「段階2」であって、保留表示番号「3」〜「1」に対応する保留表示のいずれかにおいて「段階2」から「段階3」に変化するPT4−3−05〜07(表示段階変化回数「1」)と、保留表示番号「4」に対応する保留表示において「段階1」であって、保留表示番号「3」〜「1」に対応する保留表示のいずれかにおいて「段階1」から「段階2」、さらに「段階2」から「段階3」に変化するPT4−3−08〜10(表示段階変化回数「2」)が設定されている。
図68−26(C)に示すように、可変表示結果が「ハズレ(スーパーリーチ)」または「小当り」の場合、表示段階の変化回数が「0」の表示段階変化パターンPT4−3−01に割り当てられた決定割合が他の可変表示結果の場合と比較して高く、表示段階の変化回数が「2」のPT4−3−08〜10には決定割合が割り当てられていない。また、可変表示結果が「大当り(16R)」、「ハズレ(スーパーリーチ)」または「小当り」の場合、表示段階の変化回数が「1」の表示段階変化パターンPT4−3−02〜04とPT4−3−05〜07の各区分において、PT4−3−04とPT4−3−07にそれぞれ割り当てられた決定割合が最も高く、PT4−3−02とPT4−3−05にそれぞれ割り当てられた決定割合が最も低い。また、可変表示結果が「大当り(16R)」の場合、保留表示が「段階1」から「段階2」、さらに「段階2」から「段階3」に変化する表示段階の変化回数が「2」の表示段階変化パターンPT4−3−08〜10のうち、PT4−3−10に割り当てられた決定割合が最も高く、PT4−3−08に割り当てられた決定割合が最も低い。一方、可変表示結果が「大当り(4R)」の場合、表示段階の変化回数が「1」の表示段階変化パターンPT4−3−02〜04とPT4−3−05〜07の各区分において、PT4−3−02とPT4−3−05とにそれぞれ割り当てられた決定割合が最も高く、PT4−3−04とPT4−3−07とにそれぞれ割り当てられた決定割合が最も低い。また、保留表示が「段階1」から「段階2」、さらに「段階2」から「段階3」に変化する表示段階の変化回数が「2」の表示段階変化パターンPT4−3−08〜10のうち、PT4−3−08に割り当てられた決定割合が最も高く、PT4−3−10に割り当てられた決定割合が最も低い。すなわち、表示段階変化パターンPT4−3−02〜04、PT4−3−05〜07、PT4−3−08〜10の各区分において、保留番号が「1」のときに「段階3」にはじめて変化する表示段階変化パターンPT4−3−02、PT4−3−05、PT4−3−08にそれぞれ割り当てられた決定割合が、他の表示段階変化パターンと比較して高い。
このような設定により、保留表示の表示色が「段階3」のまま変化しない表示段階変化パターンPT4−3−01が実行される場合には、可変表示結果が「ハズレ」となる可能性が高いことを示唆することができる。また、保留表示が、「段階1」から「段階3」、または「段階2」から「段階3」に変化するタイミングが早いほど可変表示が「大当り(16R)」、「ハズレ(スーパーリーチ)」または「小当り」となる可能性が高く、そのタイミングが遅いほど、可変表示が「大当り(4R)」となる可能性が高いことを示唆することができ、さらに、保留番号が「1」のときに「段階3」にはじめて変化する場合には、可変表示が「大当り(突確)」となる可能性が特に高いことを示唆することができる。なお、これとは別に、保留表示が「段階3」のまま変化しない表示段階変化パターンPT4−3−01が実行される場合に、可変表示結果が「大当り(16R)」となる可能性が高いように表示段階変化パターン決定テーブルの決定割合を設定してもよい。これによれば、入賞当初から「段階3」の保留表示が行われるため、遊技者に安心感を与えることができる。また、保留表示の表示段階が「段階3」に変化するタイミングが遅いほど可変表示結果が「大当り(16R)」となる可能性が高いように表示段階変化パターン決定テーブルの決定割合を設定してもよい。これによれば、保留表示に対する遊技者の注目を集めることができる。また、「段階1」から「段階3」へ複数段階一気に変化するパターンほど可変表示結果が「大当り(16R)」となる可能性が高いように表示段階変化パターン決定テーブルの決定割合を設定してもよい。これによれば、複数段階格上げされた効果を発揮する(遊技者にインパクトを与える)ことができ、遊技興趣を向上させることができる。
図68−28(D)は、最終表示段階が「段階4」である場合に参照される表示段階変化パターン決定テーブルである。図68−28(D)に示すように、表示段階変化パターンとして、保留表示番号「4」〜「1」に対応する保留表示が「段階4」のまま変化しないPT4−4−01(表示段階変化回数「0」)と、保留表示番号「4」に対応する保留表示において「段階1」であって、保留表示番号「3」〜「1」に対応する保留表示のいずれかにおいて「段階1」から「段階4」に変化するPT4−4−02〜04(表示段階変化回数「1」)と、保留表示番号「4」に対応する保留表示において「段階2」であって、保留表示番号「3」〜「1」に対応する保留表示のいずれかにおいて「段階2」から「段階4」に変化するPT4−4−05〜07(表示段階変化回数「1」)と、保留表示番号「4」に対応する保留表示において「段階3」であって、保留表示番号「3」〜「1」に対応する保留表示のいずれかにおいて「段階3」から「段階4」に変化するPT4−4−08〜10(表示段階変化回数「1」)と、保留表示番号「4」に対応する保留表示において「段階1」であって、保留表示番号「3」〜「1」に対応する保留表示のいずれかにおいて「段階1」から「段階2」、さらに「段階2」から「段階4」に変化するPT4−4−11〜13(表示段階変化回数「2」)と、保留表示番号「4」に対応する保留表示において「段階1」であって、保留表示番号「3」〜「1」に対応する保留表示のいずれかにおいて「段階1」から「段階3」、さらに「段階3」から「段階4」に変化するPT4−4−14〜16(表示態様変化回数「2」)と、保留表示番号「4」に対応する保留表示において「段階1」であって、保留表示番号「3」に対応する保留表示において「段階1」から「段階2」、保留表示番号「2」に対応する保留表示において「段階2」から「段階3」、保留表示番号「1」に対応する保留表示においてから「段階3」から「段階4」に変化するPT4−4−17(表示段階変化回数「3」)が設定されている。
図68−28(D)に示すように、可変表示結果が「大当り(16R)」の場合、表示段階の変化回数が「0」の表示段階変化パターンPT4−4−01には、他の可変表示結果の場合と比較して、高い決定割合が割り当てられている。また、可変表示結果が「大当り(16R)」、表示段階の変化回数が「1」の表示態様変化パターンPT4−4−02〜04とPT4−4−05〜07とPT4−4−08〜10の各区分において、PT4−4−04とPT4−4−07とPT4−4−10とにそれぞれ割り当てられた決定割合が最も高く、PT4−4−02とPT4−4−05とPT4−4−08とにそれぞれ割り当てられた決定割合が最も低い。また、可変表示結果が「大当り(16R)」の場合、表示段階の変化回数が「2」の表示段階変化パターンPT4−4−11〜13とPT4−4−14〜16の各区分において、PT4−4−13とPT4−4−16とにそれぞれ割り当てられた決定割合が最も高く、PT4−4−11とPT4−4−14とにそれぞれ割り当てられた決定割合が最も低い。さらに、表示段階の変化回数が「3」の表示段階変化パターンPT4−4−17では、変化回数が「0」の表示段階変化パターンPT4−4−01よりも決定割合が高く設定されており、さらに、他の可変表示結果の場合と比較して、高い決定割合が割り当てられている。一方、可変表示結果が「大当り(4R)」の場合、表示段階の変化回数が「1」の表示段階変化パターンPT4−4−02〜04とPT4−4−05〜07とPT4−4−08〜10の各区分において、PT4−4−02とPT4−4−05とPT4−4−08とにそれぞれ割り当てられた決定割合が最も高く、PT4−4−04とPT4−4−07とPT4−4−10とにそれぞれ割り当てられた決定割合が最も低い。また、表示段階の変化回数が「2」の表示段階変化パターンPT4−4−11〜13とPT4−4−14〜16の各区分において、PT4−4−11とPT4−4−14とにそれぞれ割り当てられた決定割合が最も高く、PT4−3−13とPT4−4−16とにそれぞれ割り当てられた決定割合が最も低い。表示段階の変化回数が「3」の表示段階変化パターンPT4−4−17には変化回数が「0」の表示段階変化パターンPT4−4−01よりも決定割合が高く設定されている。可変表示結果が「ハズレ(スーパーリーチ)」または「小当り」の場合、最終表示態様が「段階4」とはならないため、表示段階変化パターンPT4−4−01〜17には決定割合が割り当てられていない。
このような設定により、保留表示が「段階4」のまま変化しない表示段階変化パターンPT4−4−01が実行される場合には、可変表示結果が「大当り(16R)」となる可能性が高い(「4R」よりも高い)ことを示唆することができる。また、保留表示が「段階4」に変化するタイミングが早いほど可変表示が「大当り(16R)」となる可能性が高く、そのタイミングが遅いほど、可変表示が「大当り(4R)」となる可能性が高いことを示唆することができる。さらに、保留表示の段階が3回変化する場合には、可変表示が「大当り(16R)」となる可能性が高いことを示唆することができる。なお、これとは別に、保留表示が「段階4」のまま変化しない表示段階変化パターンPT4−4−01が実行される場合に、可変表示結果が「大当り(16R)」となる可能性が高いように表示段階変化パターン決定テーブルの決定割合を設定してもよい。これによれば、入賞当初から「段階4」の保留表示が行われるため、遊技者に安心感を与えることができる。また、保留表示の表示段階が「段階4」に変化するタイミングが遅いほど可変表示結果が「大当り(16R)」となる可能性が高いように表示段階変化パターン決定テーブルの決定割合を設定してもよい。これによれば、保留表示に対する遊技者の注目を集めることができる。また、「段階1」から「段階4」へ複数段階一気に変化するパターンほど可変表示結果が「大当り(16R)」となる可能性が高いように表示段階変化パターン決定テーブルの決定割合を設定してもよい(例えば、表示段階変化回数が「2」よりも「1」である表示段階変化パターンの方が「大当り(16R)」となる可能性が高く、また、表示段階変化回数が「1」であっても、PT4−4−02〜04が最も「大当り(16R)」となる可能性が高く、次にPT4−4−05〜07が高く、PT4−4−08〜10が最も低いようにしてもよい)。これによれば、複数段階格上げされた効果を発揮する(遊技者にインパクトを与える)ことができ、遊技興趣を向上させることができる。
図68−29(A)〜(D)は、保留数「3」のとき(保留予告演出の予告対象の保留記憶が保留表示番号「3」のとき)に参照される表示段階変化パターン決定テーブルであり、保留表示番号「3」〜「1」に対応する保留表示の表示段階の変化を示す表示段階変化パターンが設定されている。また、図68−30(A)〜(D)は、保留数「2」のとき(保留予告演出の予告対象の保留記憶が保留表示番号「2」のとき)に参照される表示段階変化パターン決定テーブルであり、保留表示番号「2」〜「1」に対応する保留表示の表示段階を示す表示段階変化パターンが設定されている。
図68−29(A)〜(D)および図68−30(A)〜(D)に示す表示段階変化パターン決定テーブルにおける決定割合の設定は、上述した図68−27(A)〜図68−28(D)に示す表示段階変化パターン決定テーブルにおける決定割合の設定と同様の特徴を有する。保留表示の最終表示段階に変化するタイミングが早いほど、可変表示が「大当り(16R)」となる可能性が高いことを示唆し、そのタイミングが遅いほど、可変表示が「大当り(4R)」となる可能性が高いことを示唆することができる。また、保留表示の変化回数が多いほど、可変表示が「大当り(16R)」となる可能性が高いことを示唆することができる。
また、この実施の形態では、設定値に応じて最終段階の保留表示の表示態様がいずれとなるかの割合が異なる例を示したが、この他にも、設定値に応じていずれの表示段階変化パターンとなるかの割合が異なっていてもよい。例えば、設定値が高いほど、「段階1」→「段階2」→「段階3」→「段階4」の順に段階的に変化するのではなく、「段階1」→「段階3」のように途中を省略して上位の段階に変化する割合が高くなっていたり、設定値が高いほど、最終表示段階に変化するタイミングが早いようにしてもよい。これによれば、最終段階の保留表示の表示態様がいずれとなるかだけでなく、変化パターンに対する遊技者の注目を集めることができる。
図68−25に示す保留表示設定処理の説明に戻り、ステップ113AKS102の処理において、低ベース状態で受信した第1始動入賞口指定コマンド、および、高ベース状態で受信した第2始動入賞口指定コマンド、のいずれでもないと判定した場合(ステップ113AKS102;No)、演出制御用CPU90120は、第1保留表示または第2保留表示の表示態様を、第1段階の表示態様に決定する(ステップ113AKS105)。
ステップ113AKS104またはステップ113AKS105の処理を実行した後、演出制御用CPU90120は、ステップ113AKS104またはステップ113AKS105の処理にて決定した表示態様にて、画像表示装置905の表示画面の第1保留表示部または第2保留表示部に、第1保留表示または第2保留表示を追加表示させるとともに、入賞音を出力する(ステップ113AKS106)。
ステップ113AKS106の処理を実行した後、またはステップ113AKS101の処理において始動入賞時コマンドを受信していないと判定した場合(ステップ113AKS101;No)、演出制御用CPU90120は、変動開始指定コマンドを受信したか否かを判定する(ステップ113AKS107)。ステップ113AKS107では、例えば、第1変動開始指定コマンド受信フラグまたは第2変動開始指定コマンド受信フラグのいずれかがセットされているか否かを参照することにより、変動開始指定コマンドを受信したか否かを判定すればよい。変動開始指定コマンドを受信していないと判定した場合(ステップ113AKS107;No)、演出制御用CPU90120は、先読み予告設定処理を終了する。
一方、変動開始指定コマンドを受信したと判定した場合(ステップ113AKS107;Yes)、演出制御用CPU90120は、第1保留表示や第2保留表示の表示態様が変化することを示唆する(または煽る)作用演出の実行設定を行う作用演出実行設定処理を行う(ステップ113AKS108)。作用演出設定処理には、作用演出を実行するか否かを決定する処理や作用演出を実行するための処理が含まれていればよい。具体的に、可変表示が終了して保留表示がシフトするとき(すなわち新たな可変表示を実行するとき)に、当該保留表示が変化することを示唆する作用演出を実行すればよく、例えば、可変表示が終了して保留表示がシフトするとき(新たな可変表示を実行するとき)に、画像表示装置905において、保留表示に向かって流れ星の演出画像を表示する特定演出が実行されればよい。そして、保留表示の表示態様が変化する場合には、流れ星の演出画像(後述するように、特徴部113AKでは、星型の画像の他、五角形の画像や三角形の画像が設定値に応じて異なる割合で表示される)がその保留表示にぶつかる成功態様の特定演出が実行され、保留表示の表示態様が変化しない場合には、流れ星の演出画像(後述するように、特徴部113AKでは、星型の画像の他、五角形の画像や三角形の画像が設定値に応じて異なる割合で表示される)がその保留表示にぶつからずに、例えば、消滅したり逸れたりする失敗態様の特定演出が実行される。なお、成功態様の特定演出が実行された場合には保留表示の表示態様が変化し、失敗態様の特定演出が実行された場合には保留表示の表示態様が変化しない。なお、ステップ113AKS108における作用演出実行設定処理は、ステップS90171の可変表示開始設定処理にて行われてもよい。
図68−31は、作用演出実行設定処理の一例を示すフローチャートである。なお、特図表示結果が「大当り」または「小当り」である場合には、可変表示の終了後に大当り遊技状態や小当り遊技状態に移行するので、作用演出を実行しないようにしてもよい。この場合、主基板9011から伝送された表示結果指定コマンド(表示結果指定コマンド格納領域に格納されているコマンド)などに基づいて、特図表示結果が「ハズレ」となるか否かを判定し、「ハズレ」の場合に作用演出実行処理を実行すればよい。また、大当り遊技状態や小当り遊技状態に移行する前の可変表示中や、大当り遊技状態や小当り遊技状態において作用演出を実行するようにしてもよい。
図68−31に示す当該作用設定処理を開始すると、演出制御用CPU90120は、保留表示の表示態様がどのように変化するかあるいは維持されるか(保留表示の表示態様変化パターン)に基づいて、図68−32に示す決定割合に従って、作用演出を実行するか否かを判定し、実行する場合における作用演出の態様(作用演出態様として成功態様とするか失敗態様とするか)を合わせて決定する(ステップ113AKS121)。なお、低ベース状態では第1保留表示において先読み予告演出(保留予告演出)が実行可能であり、高ベース状態では第2保留表示において保留予告演出が実行可能である。したがって、ステップ113AKS121では、低ベース状態においては、第1保留表示それぞれに対して作用演出を実行するか否かを判定し、高ベース状態においては、第2保留表示それぞれに対して作用演出を実行するか否かを判定する。なお、この実施の形態では、複数の保留表示に対して作用演出が同時に実行される場合があるようになっている。これに対して作用演出の対象を明確にしたい場合などには、1つの保留表示に対して作用演出を実行するようにしてもよい。この場合、例えば、表示態様が変化する保留表示に対して優先的に作用演出を実行するようにしてもよい。そのようにすることで、一の保留表示に対して失敗態様の作用演出が実行されたにも関わらず、作用演出の対象ではない他の保留表示の表示態様が変化して、演出がかみ合わずに遊技者が戸惑ってしまうことを防止できる。
なお、保留表示の表示態様が変化するタイミングであるかについては、入賞時コマンドバッファに記憶される表示態様変化パターン及びその保留表示番号から特定すればよい。例えば、保留表示番号2に表示態様変化パターンPT4−3−06(図68−27(C)参照)が記憶されている場合には、保留表示の表示態様(表示色)は「青」が維持される(青→青)ことが特定され、保留表示番号4に表示態様変化パターンPT4−4−17(図68−28(D)参照)が記憶されている場合には、保留表示の表示態様(表示色)は「白」から「青」に変化する(白→青)ことが特定される。
図68−32に示すように、保留表示の表示態様(表示色)が維持される場合(例えば、「白→白」等)に作用演出を実行するときには、失敗態様の作用演出を実行することが決定され、保留表示の表示態様(表示色)が変化する場合(例えば、「白→青」等)に作用演出を実行するときには、成功態様の作用演出を実行することが決定される。なお、保留表示の表示態様(表示色)が変化する場合、変化する段階数に応じて作用演出の成功態様の演出態様を変化させてもよい。このようにすることで、作用演出が実行されることに対する遊技者の期待感を向上させることができる。また、この他にも、設定されている設定値に応じて作用演出の実行割合が異なるよう、設定値に応じて実行割合が異なるようにしてもよい。
また、図68−32に示すように、保留表示の表示態様(表示色)が変化する場合の方が、変化しない場合よりも作用演出が実行されやすくなっている。例えば、表示態様が「白」のまま維持される場合には、作用演出の実行割合は3%であるのに対して、「白」から「青」に変化する場合には、作用演出の実行割合は30%となっている。また、表示態様が「青」のまま維持される場合には、作用演出の実行割合は5%であるのに対して、「青」から「緑」に変化する場合には、作用演出の実行割合は50%となっている。そして、表示態様が「緑」のまま維持される場合には、作用演出の実行割合は0%であるのに対して、「緑」から「赤」に変化する場合には、作用演出の実行割合は70%となっている。このような設定により、作用演出が実行されることによって、保留表示の表示態様が変化することを遊技者に示唆することができる。
また、保留表示の表示態様が3段階変化する場合には2段階変化する場合よりも作用演出が実行される割合が高く、保留表示の表示態様が2段階変化する場合には1段階変化する場合よりも作用演出が実行される割合が高くなっている。
この実施の形態では、「白」→「青」→「緑」→「赤」の順に段階的に大当り信頼度が高くなっている。そして、表示態様が「緑」のまま維持される場合には、特定演出は実行されないようになっている。即ち、表示態様が「緑」であるときに作用演出が実行された場合には、必ず「赤」に変化するようになっている。言い換えると、「緑」の表示態様である場合には、失敗態様の特定演出が実行されないようになっている。したがって、保留表示(保留予告演出)の段階が所定段階(ここでは「赤」の一個手前の「緑」)以上である場合には、失敗態様の作用演出が実行されない(成功態様の作用演出をのみ実行可能である)ようにして、遊技者の期待感を損ない、遊技の興趣が低下してしまうことを防止している。
図68−31に戻り、ステップ113AKS121の処理を実行した後、演出制御用CPU90120は、ステップ113AKS121にて作用演出を実行すると決定したか否か、すなわち、作用演出実行有りか否かを判定する(ステップ113AKS122)。作用演出実行なしの場合(ステップ113AKS122;No)、作用演出実行設定処理を終了する。一方、作用演出実行有りの場合(ステップ113AKS122;Yes)、演出制御用CPU90120は、実行する作用演出の種類として、作用演出にて表示する画像の形状を、設定値に応じて図68−33に示す決定割合にて「五角形」、「三角形」、「星」のいずれかを選択し(ステップ113AKS123)、可変表示が終了して保留表示がシフトするときに、選択された形状の画像を表示する作用演出を実行する設定をしてから作用演出実行設定処理を終了する。なお、この実施の形態における「五角形」の作用演出は、設定値が「1」であることを示唆し、「三角形」の作用演出は、設定値が「2」であることを示唆し、「星」の作用演出は、設定値が「3」であることを示唆するものとなっている。この他にも、設定値そのものではなく、例えば、設定値が「1」ではないことを示唆したり、高設定値であること、偶数の設定値であることや奇数の設定値であること、をそれぞれの態様によって示唆するようにしてもよい。なお、この実施の形態では、作用演出として形状の異なる演出画像が保留表示にぶつかる成功態様と、ぶつからない失敗演出、といったように、作用演出の種類が異なっていても動作は共通する(形状のみ異なる)例を示したが、作用演出の種類に応じて動作(すなわち保留表示に対する作用)が異なっていてもよい。例えば、キャラクタが登場して保留表示に対して作用する種類の作用演出(より具体的には保留表示に対してキャラクタが色を塗る作用を行うなど)や、玉子が孵化するといったように保留表示自体にヒビが入って異なる態様に変化する種類の作用演出など、作用の異なる種類の作用演出が実行されてもよい。
図68−33に示すように、特徴部113AKでは、設定されている設定値に応じて異なる実行割合で、異なる形状(異なる種類)により、作用演出を実行可能に決定割合が設定されている。したがって、設定値に応じて異なる種類の作用演出が、異なる実行割合で実行されることから、演出効果を高めることができる。また、図68−33に示すように、「星」の形状の作用演出は、設定値「3」である場合にのみ決定される。そのため、作用演出として「星」の形状の作用演出が行われた場合には、設定値「3」であることが確定することになる。これに対し、「五角形」の形状の作用演出および「三角形」の形状の作用演出は、設定値がいずれであっても決定される。そのため、「五角形」の形状の作用演出または「三角形」の形状の作用演出が行われた場合と「星」の形状の作用演出が行われた場合とでは、すなわち、実行される作用演出の種類により、示唆の信頼度が異なるものとなっている。したがって、信頼度が異なる種類の作用演出が実行可能であり、演出効果を高めることができる。
なお、特徴部113AKでは、成功演出ではなく失敗演出が実行される場合についても、「星」の形状の作用演出が行われるが、成功演出を実行する場合にのみ「星」の形状の作用演出が行われるようにしてもよい。この場合、例えば、実行する作用演出が成功演出であるか失敗演出であるかに応じて参照するテーブルを別々にし、失敗演出の場合には、設定値が「3」であっても「星」の形状の作用演出が実行されないよう決定割合が設定されたテーブルを参照するようにすればよい。
図68−25に戻り、ステップ113AKS108の処理を実行した後、演出制御用CPU90120は、受信した変動指定コマンドが第2変動開始指定コマンドであるか否かを判定する(ステップ113AKS109)。受信した変動開始指定コマンドが第2変動開始指定コマンドではない、すなわち、受信した変動開始指定コマンドが第1変動開始指定コマンドであると判定した場合(ステップ113AKS109;No)、演出制御用CPU90120は、第1始動入賞時コマンドバッファ内の表示段階変動パターンの格納領域に格納された表示段階変動パターンを参照して、各第1保留表示を各々に対応付けられた表示段階変動パターンに従って変化または維持させ、画像表示装置905の第1保留表示部において、保留表示番号「1」の保留表示番号の保留表示を消去するとともに、「2」〜「4」に対応する各第1保留表示の表示位置を1つずつ右方向に移動(シフト)させる(ステップ113AKS110)。ステップ113AKS110では、保留表示の表示態様が変化する前に、ステップ113AKS108にて設定された作用演出が実行される。
ステップ113AKS110の処理を実行した後、演出制御用CPU90120は、第1始動入賞時コマンドバッファ内の保留表示番号「1」の記憶内容を消去し、保留表示番号「2」〜「4」に対応する記憶内容を1つずつシフトさせ(ステップ113AKS111)、先読み予告設定処理を終了する。
ステップ113AKS109の処理において、受信した変動指定コマンドが第2変動開始指定コマンドであると判定した場合(ステップ113AKS109;Yes)、演出制御用CPU90120は、第2始動入賞時コマンドバッファ内の表示段階変動パターンの格納領域に格納された表示段階変動パターンを参照して、各第2保留表示を各々に対応付けられた表示段階変動パターンに従って変化または維持させ、画像表示装置905の第2保留表示部において、保留表示番号「1」の保留表示番号の保留表示を消去するとともに、「2」〜「4」に対応する各第2保留表示の表示位置を1つずつ左方向に移動(シフト)させる(ステップ113AKS112)。ステップ113AKS112では、保留表示の表示態様が変化する前に、ステップ113AKS108にて設定された作用演出が実行される。
ステップ113AKS112の処理を実行した後、演出制御用CPU90120は、第2始動入賞時コマンドバッファ内の保留表示番号「1」の記憶内容を消去し、保留表示番号「2」〜「4」に対応する記憶内容を1つずつシフトさせ(ステップ113AKS113)、先読み予告設定処理を終了する。これにより、特徴部113AKにおける先読み予告演出および作用演出が実行される。
図68−34は、作用演出と先読み予告演出が実行された場合における演出動作例を示している。なお、図示する例では、設定値が「3」であるものとする。図68−34(A)に示すように、画像表示装置905の表示画面における飾り図柄表示エリア905L、905C、905Rでは、可変表示が実行中である。第1保留表示部には、保留表示番号「1」〜「4」に対応する第1保留表示H1〜H4が表示されている。これらの保留表示H1〜H4のうち、保留表示H2は「青」で表示され、保留表示H1、H3、H4は通常態様である「白」で表示されている。なお、保留表示H2は、変動パターンがスーパーリーチA(ハズレ)である保留記憶に基づく保留表示であり、保留表示H4は、変動パターン判定結果がスーパーリーチB(大当り)である保留記憶に基づく保留表示であるものとする。図68−34(A)の第1保留表示H2に対して、「星」の形状の作用演出を実行することが決定された場合には、図68−34(B)に示すように、表示色が「青」の第1保留表示H2に向かって流れ星の演出画像113AK001が飛んで行く特定演出が実行される。ここでは、流れ星の演出画像113AK001が第1保留表示H2にぶつかる前に消滅する失敗態様の特定演出が実行された例を示している。図示するように、図68−34(A)において実行中であった可変表示が終了し、画像表示装置905の表示画面では、飾り図柄表示エリア905L、905C、905Rにおいてハズレ図柄が可変表示結果として導出表示されている。そして、図68−34(C)に示すように、第1保留表示H2は右側にシフトするがその表示色は「青」のままとなり、図68−34(A)および(B)において第1保留表示部に表示されていた保留表示H1に対応する可変表示が開始される。
その後、図68−34(D)に示すように、第1保留表示H4に対して、「星」の形状の作用演出を実行することが決定された場合には、表示色が「白」の第1保留表示H4に向かって流れ星の演出画像113AK002が飛んで行く作用演出が実行される。ここでは、流れ星の演出画像113AK002が第1保留表示H4にぶつかって保留表示の表示態様を変化させる成功態様の作用演出が実行された例を示している。続いて図68−34(E)に示すように、第1保留表示H4は表示態様変化パターンPT4−4−14に従ってその表示色が「白」(段階1)から「緑」(段階3)に変化している。そして、図68−34(F)の第1保留表示H4に対して、「星」の形状の作用演出を実行することが決定された場合には、図68−34(G)に示すように、表示色が「緑」の第1保留表示H4に向かって流れ星の演出画像113AK002が飛んで行く特定演出が実行される。ここでは、流れ星の演出画像113AK002が第1保留表示H4にぶつかって保留表示の表示態様を変化させる成功態様の特定演出が実行された例を示している。そして、図68−34(H)に示すように、第1保留表示H4は右側にシフトして表示色が「赤」に変化している。なお、上述したように、表示色が「緑」である保留表示に対して特定演出が実行された場合には、必ず成功態様の特定演出が実行されて表示色が「赤」に変化するようになっている。したがって、遊技者の期待感を損ない、遊技の興趣が低下してしまうことを防止することができる。
(特徴部113AKの変形例)
上記実施の形態では、設定値がいずれに設定されているかに応じて保留表示の最終段階の表示態様がいずれの態様となるかの割合が異なっており、保留表示の表示態様(最終段階の表示態様)により設定示唆(設定値を示唆する設定示唆演出)が行われる例を示したが、これは一例である。例えば、最終段階の表示態様が「青」であり、当該保留に対応する可変表示中に行われる演出としてストーリーが展開するスーパーリーチ(ストーリースーパーリーチ)である場合と、バトルを行うスーパーリーチ(バトルスーパーリーチ)である場合と、で示唆内容が異なるようにしてもよい。さらに、ストーリースーパーリーチが行われた場合であっても、当該可変表示に対応する保留表示の最終段階の表示態様が「青」である場合と、「緑」である場合とで示唆内容が異なるようにしてもよい。すなわち、最終段階の保留表示の表示態様と、当該保留表示に対応する可変表示中における演出との組み合わせにより異なる内容の設定示唆が異なる実行割合で行われてもよい。これによれば、保留表示とその後の変動に行われる演出の組み合わせに対する遊技者の注目を集めることができ、演出効果を高めることができる。
また、上記実施の形態における先読み予告演出(保留予告演出)とは別に、例えば、保留表示を、色と種類の異なるキャラクタにて表示し、白キャラAの保留は大当り期待度が低く、白キャラBの保留は大当り期待度が低いものの高設定であることを示唆し、赤キャラAの保留は大当り期待度が高く、赤キャラBの保留は大当り期待度が高く、さらに高設定であることを示唆する、といったように、1つの保留表示にけるキャラの種類および色を複数設け、異ならせこれにより大当り期待度と高設定示唆をそれぞれ報知可能としてもよい。これによれば、大当り期待度の報知と設定示唆とが遊技者に明確に報知されるため、演出効果を高めることができる。
また、上記実施の形態では、保留表示の表示態様を段階的に変化させる先読み予告演出(保留予告演出)が実行される例を示したが、これは一例である。これに加え、例えば、実行中の可変表示に対応するアクティブ表示を行い、当該アクティブ表示の表示態様を変化させるようにしてもよい(アクティブ変化演出を実行してもよい)。この場合には、アクティブ表示の表示態様を変化させるか否かを決定し、変化させる場合には、例えばステップ113AKS103の処理において、変化させる最終段階としてアクティブ表示の表示態様を決定し、変化させない場合には、最終段階として保留表示の表示態様を決定すればよい。そして、アクティブ変化演出を実行する場合には、その実行割合や保留表示から順次変化する変化パターン、作用演出の実行割合など、設定値に応じて異なるようにすればよい。また、保留表示の段階で最終段階の表示態様である「赤」となる場合と、保留表示から順次変化してアクティブ表示にて「赤」となる場合とで、例えば、アクティブ表示にて「赤」となる場合の方が、大当り期待度が高いなど、同じ表示態様であっても、保留表示にて表示された場合とアクティブ表示で表示された場合とで、大当り期待度が異なるようにしてもよい。さらに、設定値に応じて、アクティブ表示にて「赤」となる場合の方が保留表示の段階で最終段階の表示態様である「赤」となる場合よりも大当り期待度が高い場合と、その逆の場合と、があってもよい。
(特徴部113AKに係る手段の説明)
以上の特徴部113AKに関して、従来、遊技に関する設定を変更可能な遊技機として、例えば特開2010−200902号公報に記載されているものがある。特開2010−200902号公報には、設定値にもとづく演出の表示制御を行い、キリン、ゾウ、ライオンの各キャラクタ画像を表示させる処理を所定のタイミングで実行することが記載されている。また、所定のタイミングとは、例えば特別図柄の変動時などが考えられるが、さらに定期的(全変動時、所定変動回数ごとなど)でもよいし、不定期(乱数抽選で当選した場合など)であってもよいことが記載されている。しかしながら、特開2010−200902号公報に記載の遊技機にあっては、設定されている設定値にもとづいて有利状態の制御を実行可能に構成した遊技機において、必ずしも演出効果を高めることはできない。そこで、演出効果を高めることが可能な遊技機を提供するための特徴部113AKに係る手段1の遊技機として、
遊技を行う遊技機(例えばパチンコ遊技機901など)であって、
遊技者にとって有利度が異なる複数種類の設定値のうちから、いずれかの設定値(例えば設定値1〜3のいずれかなど)を設定可能であり、
可変表示に関する情報を保留記憶情報として記憶可能な保留記憶手段(例えばRAM90102の所定領域に保留情報を格納するCPU90103など)と、
前記保留記憶手段に記憶されている保留記憶情報に対応して保留表示を表示する保留表示手段(例えば保留表示を表示する演出制御用CPU90120など)と、を備え、
前記保留表示手段は、設定されている設定値に応じて、複数の表示態様のうちいずれかの表示態様により前記保留表示を表示可能である(例えば設定値に応じて最終段階の保留表示の表示態様がいずれとなるかの割合が異なるなど)、
ことを特徴とする遊技機であってもよい。
このような構成によれば、演出効果を高めることができる。
特徴部113AKに係る手段2の遊技機として、
前記複数の表示態様には、設定されている設定値を示唆する第1態様(例えば特定態様など)と、設定されている設定値を示唆しない第2態様(例えば通常態様など)とを含み、
前記保留表示手段は、設定されている設定値に応じて異なる割合で前記第1態様と前記第2態様のいずれかの表示態様の前記保留表示を表示可能である(例えば設定値がいずれに設定されているかに応じて先読み予告演出の実行割合が異なっているなど)、
ことを特徴とする特徴部113AKに係る手段1の遊技機であってもよい。
このような構成によれば、演出効果を高めることができる。
特徴部113AKに係る手段3の遊技機として、
前記保留表示手段は、同一態様の保留表示であっても、設定されている設定値に応じて前記有利度が異なるように前記保留表示を表示可能である(例えば最終段階の保留表示の表示態様が同じ態様であっても、設定値によって大当り期待度が異なるものとなっているなど)、
ことを特徴とする特徴部113AKに係る手段1または手段2の遊技機であってもよい。
このような構成によれば、演出効果を高めることができる。
特徴部113AKに係る手段4の遊技機として、
前記保留表示手段により表示される保留表示の表示態様と、可変表示中に実行される演出の種類との組み合わせにより設定されている設定値を示唆可能である(例えば最終段階の保留表示の表示態様と、当該保留表示に対応する可変表示中における演出との組み合わせにより異なる内容の設定示唆が異なる実行割合で行われるなど)、
ことを特徴とする特徴部113AKに係る手段1〜手段3のいずれかの遊技機であってもよい。
このような構成によれば、演出効果を高めることができる。
特徴部113AKに係る手段5の遊技機として、
所定画像を前記保留表示に作用させることにより前記保留表示の表示態様を変化させる作用演出手段(例えば作用演出を実行する演出制御用CPU90120など)をさらに備え、
前記作用演出手段は、設定されている設定値に応じて、複数種類の作用演出うちのいずれかの種類の前記作用演出を実行可能である(例えば設定されている設定値に応じて異なる実行割合で、異なる形状(異なる種類)により、作用演出を実行可能であるなど)、
ことを特徴とする特徴部113AKに係る手段1〜4のいずれかの遊技機であってもよい。
このような構成によれば、演出効果を高めることができる。
特徴部113AKに係る手段6の遊技機として、
前記保留表示手段は、前記有利状態に制御される期待度が第1期待度であることを示す第1表示態様と、前記有利状態に制御される期待度が前記第1期待度であり、かつ設定されている設定値を示唆する第2表示態様と、前記有利状態に制御される期待度が前記第1期待度よりも高い第2期待度であることを示す第3表示態様と、前記有利状態に制御される期待度が前記第2期待度であり、かつ設定されている設定値を示唆する第4表示態様と、のいずれかの表示態様により前記保留表示を表示可能である(例えば1つの保留表示におけるキャラの種類および色を複数設け、大当り期待度と高設定示唆をそれぞれ報知するなど)、
ことを特徴とする特徴部113AKに係る手段1〜5のいずれかの遊技機であってもよい。
このような構成によれば、演出効果を高めることができる。
特徴部113AKに係る手段7の遊技機として、
いずれの設定値に設定されているかを特定可能な設定値情報(例えば、設定値コマンド)を出力可能な情報出力手段(例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ90100におけるステップ121IWS031,S108を実行する部分)と、
前記情報出力手段から入力された前記設定値情報にもとづいて、示唆演出(例えば、初期出目演出)を実行可能な示唆演出実行手段(例えば、演出制御用CPU90120におけるステップ121IWS308〜S315を実行する部分)と、を備え、
前記示唆演出実行手段は、
前記示唆演出として第1示唆演出(例えば、特殊初期出目による初期出目演出)と第2示唆演出(例えば、偶数初期出目による初期出目演出)とを実行可能であり、
前記設定値情報が正常に入力されなかった場合、前記示唆演出として前記第1示唆演出を実行せず、前記示唆演出として前記第2示唆演出を実行可能である(例えば、演出制御用CPU90120は、ステップ121IWS313を実行することにより、特殊初期出目による初期出目演出を実行しない)、
ことを特徴とする特徴部113AKに係る手段1〜手段6のいずれかの遊技機であってもよい。
このような構成によれば、設定されている設定値にもとづいて有利状態の制御を実行可能に構成した遊技機において、遊技に対する興趣の低下を防止することができる。
(特徴部114AKに関する説明)
次に、本実施の形態の特徴部114AKについて説明する。図68−35は、特徴部114AKにて実行される可変表示開始設定処理の一例を示すフローチャートである。可変表示開始設定処理において、演出制御用CPU90120は、まず、例えば主基板9011から伝送された可変表示結果通知コマンドにおけるEXTデータを読み取ることなどにより、特図表示結果が「ハズレ」となるか否かを判定する(ステップS90521)。このとき、特図表示結果が「ハズレ」となる旨の判定がなされた場合には(ステップS90521;Yes)、例えば変動パターン指定コマンドにおけるEXTデータを読み取ることなどにより、指定された変動パターンが飾り図柄の可変表示態様を「非リーチ」とする場合に対応した非リーチ変動パターンであるか否かを判定する(ステップS90522)。
ステップS90522にて非リーチ変動パターンであると判定された場合には(ステップS90522;Yes)、非リーチ組合せを構成する最終停止図柄となる確定飾り図柄の組合せを決定する(ステップS90523)。一例として、ステップS90523の処理では、まず、乱数回路90124またはRAM90122の所定領域(演出制御カウンタ設定部など)に設けられた演出用ランダムカウンタ等により更新される左確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM90121に予め記憶されて用意された左確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、確定飾り図柄のうち画像表示装置905の表示領域における「左」の飾り図柄表示エリア905Lに停止表示される左確定飾り図柄を決定する。次に、乱数回路90124または演出用ランダムカウンタ等により更新される右確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM90121に予め記憶されて用意された右確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、確定飾り図柄のうち画像表示装置905の表示領域における「右」の飾り図柄表示エリア905Rに停止表示される右確定飾り図柄を決定する。このときには、右確定図柄決定テーブルにおける設定などにより、右確定飾り図柄の図柄番号が左確定飾り図柄の図柄番号とは異なるように、決定されるとよい。続いて、乱数回路90124または演出用ランダムカウンタ等により更新される中確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM90121に予め記憶されて用意された中確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、確定飾り図柄のうち画像表示装置905の表示領域における「中」の飾り図柄表示エリア905Cに停止表示される中確定飾り図柄を決定する。
ステップS90522にて非リーチ変動パターンではないと判定された場合には(ステップS90522;No)、リーチ組合せを構成する最終停止図柄となる確定飾り図柄の組合せを決定する(ステップS90524)。一例として、ステップS90524の処理では、まず、乱数回路90124または演出用ランダムカウンタ等により更新される左右確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM90121に予め記憶されて用意された左右確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、確定飾り図柄のうち画像表示装置905の表示領域における「左」と「右」の飾り図柄表示エリア905L、5Rにて揃って停止表示される図柄番号が同一の飾り図柄を決定する。さらに、乱数回路90124または演出用ランダムカウンタ等により更新される中確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM90121に予め記憶されて用意された中確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、確定飾り図柄のうち画像表示装置905の表示領域における「中」の飾り図柄表示エリア905Cにて停止表示される中確定飾り図柄を決定する。ここで、例えば中確定飾り図柄の図柄番号が左確定飾り図柄及び右確定飾り図柄の図柄番号と同一になる場合のように、確定飾り図柄が大当り組合せとなってしまう場合には、任意の値(例えば「1」)を中確定飾り図柄の図柄番号に加算または減算することなどにより、確定飾り図柄が大当り組合せとはならずにリーチ組合せとなるようにすればよい。あるいは、中確定飾り図柄を決定するときには、左確定飾り図柄及び右確定飾り図柄の図柄番号との差分(図柄差)を決定し、その図柄差に対応する中確定飾り図柄を設定してもよい。
ステップS90521にて特図表示結果が「ハズレ」ではないと判定されたときには(ステップS90521;No)、特図表示結果が「小当り」である場合であるか、これ以外の場合であるかを判定する(ステップS90525)。「小当り」であると判定されたときには(ステップS90525;Yes)、例えば開放チャンス目といった、「小当り」の場合に対応した最終停止図柄となる確定飾り図柄の組合せを決定する(ステップS90527)。一例として、変動パターン指定コマンドにより変動パターンPC1−1〜PC1−3のいずれかが指定された場合に対応して、複数種類の開放チャンス目のうち、いずれかを構成する最終停止図柄となる確定飾り図柄の組合せを決定する。この場合には、演出制御カウンタ設定部193に設けられたランダムカウンタ等により更新されるチャンス目決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM90121などに予め記憶された所定のチャンス目決定テーブルを参照することなどにより、開放チャンス目のいずれかを構成する確定飾り図柄の組合せを決定すればよい。
ステップS90525にて「小当り」以外の「非確変」または「確変」であると判定されたときには(ステップS90525;No)、大当り組合せを構成する最終停止図柄となる確定飾り図柄の組合せを決定する(ステップS90526)。一例として、ステップS90526の処理では、まず、演出制御カウンタ設定部193のランダムカウンタなどにより更新される大当り確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、続いてROM90121などに予め記憶された所定の大当り確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、画像表示装置905の画面上で「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア905L、905C、905Rに揃って停止表示される図柄番号が同一の飾り図柄を決定する。このときには、大当り種別が「非確変」、「確変」のいずれであるかや、大当り中における昇格演出の有無などに応じて、異なる飾り図柄を確定飾り図柄とする決定が行われるようにしてもよい。
具体的な一例として、大当り種別が「非確変」である場合には、複数種類の通常図柄のうちいずれか1つの飾り図柄を選択して、非確変大当り組合せを構成する確定飾り図柄に決定すればよい。また、大当り種別が「確変」である場合には、複数種類の通常図柄または確変図柄のうちからいずれか1つの飾り図柄を選択して、非確変大当り組合せまたは確変大当り組合せを構成する確定飾り図柄に決定すればよい。このとき、非確変大当り組合せの確定飾り図柄に決定された場合には、可変表示中の再抽選演出において確変状態に制御される旨の報知が行われず、大当り遊技状態に対応して実行される大当り中昇格演出などにより確変状態に制御される旨が報知されればよい。他方、確変大当り組合せの確定飾り図柄に決定された場合には、可変表示中の再抽選演出において、あるいは再抽選演出を実行することなく、確変状態に制御される旨の報知が行われる。
ステップS90523、ステップS90524、ステップS90526、ステップS90527のいずれかの処理を実行した後、演出制御用CPU90120は、所定演出実行設定処理を行う(ステップ114AKS001)。特徴部114AKにおける所定演出では、例えば2体のキャラクタ(主人公のキャラクタと敵のキャラクタ)がバトルを行うバトル演出(共通演出)が行われ、その演出結果が表示される。また、特徴部114AKにおける所定演出では、共通演出の実行後に設定示唆(設定値を示唆する設定示唆演出)が行われることもある。共通演出には、主人公が勝利する成功演出(実行結果が成功となる場合)と主人公が敗北する失敗演出(実行結果が失敗となる場合)とが含まれ(その他、後述するように実行結果が大成功となる場合も含まれる)、成功演出が行われる場合(すなわち共通演出の演出結果として成功の表示が行われる場合)には、失敗演出が行われる場合(すなわち共通演出の演出結果として失敗の表示が行われる場合)よりも高い割合で設定示唆が行われる。ステップ114AKS001における所定演出実行設定処理では、当該共通演出とその演出結果、および設定示唆の実行設定が行われる(すなわち、共通演出と設定示唆を合わせて所定演出という)。共通演出は、成功演出となる場合と失敗演出となる場合とで行われる演出が共通であり、演出結果が異なるものである。なお、この実施の形態では、共通演出としてバトル演出を行う例を示しているが、バトル演出に限られず、例えば、くじ引きをする演出を行い、成功や失敗といった表示結果を表示したり、釣りをする演出を行い、釣れるか否かで成功や失敗を表示するようなものであってもよい。
図68−36は、所定演出実行設定処理の一例を示すフローチャートである。図68−36に示す所定演出実行設定処理において、演出制御用CPU90120は、まず、共通演出の実行有無を決定する(ステップ114AKS002)。具体的に、ステップ114AKS002の処理では、可変表示結果に基づいて、図68−37に示す決定割合に従って、共通演出の実行有無を決定する。この実施の形態における共通演出は、可変表示中に行われる演出であり、実行された場合には実行されない場合よりも大当り期待度の高い演出である。また、例えば、共通演出が実行されるタイミングが遅いほど期待度が高くなるように、実行する場合における実行タイミングについても複数タイミングのうちからいずれかのタイミングを決定するようにしてもよい。
ステップ114AKS002の処理に続いて演出制御用CPU90120は、ステップ114AKS002にて共通演出の実行が「有り」と決定されたか否かを判定する(ステップ114AKS003)。共通演出の実行が「無し」と決定された場合(ステップ114AKS003;No)、演出制御用CPU90120は、そのまま所定演出実行設定処理を終了する。一方、共通演出の実行が「有り」であると判定された場合(ステップ114AKS003;Yes)、共通演出の実行結果を決定する(ステップ114AKS004)。具体的に、ステップ114AKS004の処理では、変動パターン指定コマンドに基づいて変動パターンを特定し、特定した変動パターンに基づいて、図68−38に示す決定割合に従って、共通演出の実行結果を「成功」、「失敗」、「大成功」のいずれかに決定する。なお、図68−38に示すように、共通演出の実行結果が「成功」または「大成功」となる場合には、「失敗」となる場合よりも可変表示結果が「大当り」となる割合が高くなっている。また、共通演出の実行結果が「大成功」の場合には、スーパーリーチ以上が確定するように、決定割合が割り当てられている。なお、実行結果が「大成功」となる共通演出は、可変表示結果が「大当り」となる場合にのみ決定されるようにしてもよい。
ステップ114AKS004の処理を実行した後、出制御用CPU90120は、実行する共通演出の種類を決定する(ステップ114AKS006)。具体的に、ステップ114AKS006の処理では、ステップ114AKS004で決定した共通演出の実行結果に基づいて、図68−39に示す決定割合に従って、共通演出の種類を「種類A」、「種類B」、「種類C」のいずれかに決定する。この実施の形態における「種類A」の共通演出は、バトル演出において表示される主人公のキャラクタがキャラAであり、「種類B」の共通演出は、バトル演出において表示される主人公のキャラクタがキャラBであり、「種類C」の共通演出は、バトル演出において表示される主人公のキャラクタがキャラCである。なお、このように、バトル演出にて表示されるキャラクタの種類が異なるのではなく、「種類A」の共通演出ではバトル演出が行われ、「種類B」の共通演出では、くじびきを行う演出が行われ、「種類C」の共通演出では、釣りを行う演出が行われるなど、それぞれの演出自体が異なっていてもよい。
図68−39に示すように、特徴部114AKでは、「種類A」、「種類B」、「種類C」のいずれの種類の共通演出が実行されるかに応じて、共通演出の実行結果が「成功」、「失敗」、「大成功」のいずれとなるかの割合が異なるように決定割合が設定されている。具体的に、特徴部114AKでは、実行される共通演出の種類に応じて当該共通演出の実行結果がいずれの結果となるかの割合が異なっており、共通演出の実行結果が「成功」または「大成功」の場合には、「種類C」<「種類B」<「種類A」といった順に、実行される割合が高くなっている。なお、共通演出の実行結果が「大成功」となる割合は、他の実行結果よりも低いことから、例えば、実行結果が「成功」となる割合の最も低い「種類C」の共通演出が実行された場合には、「種類A」または「種類B」の共通演出が実行された場合よりも実行結果が「大成功」となる割合が高くなるようにしてもよい。これによれば、実行結果が「失敗」となる割合の高い「種類C」の共通演出が行われた場合であっても、「大成功」となる可能性が他の種類の共通演出よりも高いため、遊技者に期待感を与えることができる。
図68−36に戻り、ステップ114AKS006の処理を実行した後、演出制御用CPU90120は、ステップ114AKS004にて決定した共通演出の実行結果が「成功」または「大成功」であるか否かを判定する(ステップ114AKS007)。共通演出の実行結果が「成功」でも「大成功」でもない場合、すなわち「失敗」である場合(ステップ114AKS007;No)、演出制御用CPU90120は、所定演出実行設定処理を終了する。一方、共通演出の実行結果が「成功」または「大成功」である場合(ステップ114AKS007;Yes)、演出制御用CPU90120は、設定示唆の実行設定を行う設定示唆実行設定処理を実行してから(ステップ114AKS008)、所定演出実行設定処理を終了する。
図68−40は、図68−36のステップ114AKS008にて実行される設定示唆実行設定処理の一例を示すフローチャートである。図68−40に示す設定示唆実行設定処理において、演出制御用CPU90120は、まず、設定示唆(設定値を示唆する設定示唆演出)の実行有無を決定する(ステップ114AKS111)。具体的に、ステップ114AKS111の処理では、可変表示結果に基づいて、図68−41に示す決定割合に従って、設定示唆の実行有無を決定する。特徴部114AKにおける設定示唆は、共通演出の実行結果が「成功」または「大成功」である場合に、共通演出の実行結果に合わせて表示され得る演出であり、共通演出の実行結果が「失敗」である場合には実行されない。そのため、共通演出の実行結果が「成功」または「大成功」の場合に、さらなる遊技者の興味を引きつけることができ、演出効果を高めることができる。なお、共通演出の実行結果が「失敗」となる場合であっても、「成功」または「大成功」の場合と比較して低い割合で設定示唆が実行されてもよい。図68−41に示すように、特徴部114AKでは、可変表示結果が「大当り」となる場合、「ハズレ」となる場合よりも設定示唆が行われる割合が高くなっている。したがって、設定示唆によりいずれの設定値の示唆が行われるかといった設定示唆の内容だけでなく、当該設定示唆が実行されるか否かに対する遊技者の注目を集めることができる。なお、この実施の形態では、共通演出の実行結果が「成功」または「大成功」の場合に、設定示唆が実行されない場合がある例を示しているが、共通演出の実行結果が「成功」または「大成功」の場合には必ず設定示唆が実行されるようにしてもよい。この場合、例えば、図68−36に示すステップ114AKS007の処理を実行せず、ステップ114AKS008の処理において、図68−41に示す決定割合ではなく、例えば「成功」または「大成功」の場合には「実行有り」に100%、「失敗」の場合には「実行無し」に100%といった決定割合に設定されたテーブルを参照することにより設定示唆の実行有無を決定すればよい。また、この実施の形態では、共通演出の実行設定を行った後に設定示唆の実行設定を行う例を示したが、設定示唆の実行設定を行った後に、共通演出の実行設定を行ってもよい。この場合、例えば、設定示唆を実行する場合には、共通演出として成功演出を実行するよう設定し、設定示唆を実行しない場合には、共通演出として失敗演出を実行するよう設定すればよい。
図68−40に戻り、ステップ114AKS111の処理を実行した後、演出制御用CPU90120は、ステップ114AKS111にて設定示唆を実行すると決定したか否か、すなわち設定示唆の実行が「有り」と決定されたか否かを判定する(ステップ114AKS112)。設定示唆の実行が「無し」であると判定された場合(ステップ114AKS112;No)、演出制御用CPU90120は、そのまま設定示唆実行設定処理を終了する。一方、設定示唆の実行が「有り」であると判定された場合(ステップ114AKS112;Yes)、演出制御用CPU90120は、設定示唆の実行態様を決定してから(ステップ114AKS113)、設定示唆実行設定処理を終了する。具体的に、ステップ114AKS113の処理では、共通演出の実行結果が「成功」であるか「大成功」であるかに応じて図68−42(A)または図68−42(B)に示す決定割合に従い、設定示唆態様1〜設定示唆態様3のいずれかの実行態様を、設定値に応じて決定する。この実施の形態における「設定示唆態様1」の設定示唆は、設定値が「1」であることを示唆し、「設定示唆態様2」の設定示唆は、設定値が「2」であることを示唆し、「設定示唆態様3」の設定示唆は、設定値が「3」であることを示唆するものとなっている。この他にも、設定値そのものではなく、例えば、設定値が「1」ではないことを示唆したり、高設定値であること、偶数の設定値であることや奇数の設定値であること、をそれぞれの態様によって示唆するようにしてもよい。
図68−42に示すように、特徴部114AKでは、設定されている設定値に応じて異なる実行割合で、異なる態様により設定示唆を実行可能に決定割合が設定されている。したがって、設定値に応じて異なる種類の設定示唆が、異なる実行割合で実行されることから、演出効果を高めることができる。また、図68−42に示すように、「設定示唆態様3」の態様の設定示唆は、設定値「3」である場合にのみ決定される。そのため、「設定示唆態様3」の設定示唆が行われた場合には、設定値「3」であることが確定することになる。これに対し、「設定示唆態様1」および「設定示唆態様2」の設定示唆は、設定値がいずれであっても決定される。そのため、「設定示唆態様1」の設定示唆、または「設定示唆態様2」の設定示唆が行われた場合と、「設定示唆態様3」の設定示唆が行われた場合とでは、示唆の信頼度が異なるものとなっている。すなわち、実行される設定示唆態様により、示唆の信頼度が異なるものとなっている。したがって、信頼度が異なる種類の設定示唆が実行可能であり、演出効果を高めることができる。さらに、図68−42(B)に示すように、共通演出の実行結果が「大成功」の場合には、図68−42(A)に示すように、共通演出の実行結果が「成功」である場合よりも示唆の信頼度が高くなるように、決定割合が割り当てられている。具体的に、共通演出の実行結果が「大成功」であり設定値が「1」の場合には、共通演出の実行結果が「成功」であり設定値が「1」である場合よりも高い割合で「設定示唆態様1」の態様の設定示唆が実行されるように決定割合が設定されている。また、共通演出の実行結果が「大成功」であり設定値が「2」の場合には、共通演出の実行結果が「成功」であり設定値が「2」である場合よりも高い割合で「設定示唆態様2」の態様の設定示唆が実行されるように決定割合が設定されている。すなわち、特徴部114AKでは、共通演出の実行結果が「成功」となったときよりも、「大成功」となったときの方が、示唆される設定値の信頼度が高いこととなる。したがって、共通演出の実行結果により示唆の信頼度が異なるため演出効果を高めることができる。なお、「設定示唆態様3」の設定示唆が行われた場合には、共通演出の実行結果がいずれであっても、設定値「3」であることが確定することになるが、この実施の形態では、共通演出の実行結果が「大成功」である場合の方が、「成功」である場合よりも「設定示唆態様3」の設定示唆が行われる割合が高くなっている。そのため、共通演出の実行結果が「大成功」となるか否かに対する遊技者の注目を集めることができる。
また、共通演出の実行結果が「成功」となった場合と、共通演出の実行結果が「大成功」となった場合とで、例えば、「大成功」となった場合には、「成功」となった場合よりも設定示唆の表示を大きく表示したり、異なる表示色としたり、特殊音を出力するなど、共通演出の実行結果に応じて、同じ「設定示唆態様1」〜「設定示唆態様3」でも異なる表示態様としてもよい。また、例えば、共通演出の実行結果が「成功」となった場合と、共通演出の実行結果が「大成功」となった場合とで、それぞれ設定示唆の信頼度を合わせて表示するようにしてもよく、共通演出の実行結果が「大成功」となった場合には、共通演出の実行結果が「成功」となった場合よりも信頼度が高いことを示す表示を行うようにしてもよい。
図68−35に戻り、ステップ114AKS001の処理を実行した後、演出制御用CPU90120は、その他の演出実行設定を行う(ステップS90531)。例えば可変表示の開始時や実行中における所定のタイミングにて、スピーカ908L、908Rから所定の効果音(例えばアラーム音やチャイム音、サイレン音など)が出力されるような態様の演出や、遊技効果ランプ909などに含まれるフラッシュランプが光るような態様の演出のうち、一部または全部を含む所定態様の演出を実行することにより、可変表示結果が「大当り」となることを直ちに告知(確定的に報知)する一発告知態様の演出が実行されてもよい。あるいは、変動中予告演出として、可変表示結果が「大当り」となることに対応した特別な演出画像(プレミアム画像)を表示する演出が実行されてもよい。
他の一例として、ステップS90531の処理では、可変表示結果が「大当り」となる可能性などにはかかわらず、例えば賑やかしのために所定態様の演出を実行するための設定が行われてもよい。より具体的には、遊技効果ランプ909に含まれる所定のランプが光るような態様の演出や、ミニキャラとなる所定の演出画像を表示する演出といった、所定態様の演出を実行できればよい。
その後、演出制御パターンを予め用意された複数パターンのいずれかに決定する(ステップS90532)。このとき、演出制御用CPU90120は、例えば変動パターン指定コマンドにより指定された変動パターンなどに対応して、複数用意された特図変動時演出制御パターンのいずれかを選択し、使用パターンとしてセットする。 ステップS90532の処理を実行した後には、例えば変動パターン指定コマンドにより指定された変動パターンに対応して、RAM90122に設けられた演出制御プロセスタイマの初期値を設定する(ステップS90533)。続いて、画像表示装置905における飾り図柄などの変動を開始させるための設定を行う(ステップS90534)。このときには、例えばステップS90532にて使用パターンとして決定された特図変動時演出制御パターンに含まれる表示制御データが指定する表示制御指令を表示制御部90123のVDP等に対して伝送させることなどにより、画像表示装置905の画面上に設けられた「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア905L、905C、905Rにて飾り図柄の変動を開始させればよい。その後、演出プロセスフラグの値を可変表示中演出処理に対応した値である“2”に更新してから(ステップS90535)、可変表示開始設定処理を終了する。
図68−43は、共通演出と設定示唆(示唆演出)の演出動作例を示す図である。図68−43(A)に示すように可変表示が開始され、共通演出の実行期間となると、図68−43(B)に示すように種類Aの共通演出として、キャラAと敵キャラクタとがバトルを行うバトル演出114AK001が行われる。なお、共通演出実行期間は、図68−35のステップ114AKS001にて設定される。そして、図68−43(C)に示すように、バトル演出が進行し、成功演出となる場合、図68−43(D−1)に示すように、当該共通演出の実行結果としてキャラAが勝利し「成功!!」のメッセージ表示が行われるとともに、設定示唆として「設定3!?」といった示唆表示114AK003が行われる。図示する例では「設定示唆態様3」の設定示唆が行われた例を示している。一方、失敗演出となる場合には、図68−43(D−2)に示すように、当該共通演出の実行結果としてキャラAが敗北し「失敗!!」のメッセージ表示が行われる。なお、失敗演出が実行される場合には、設定示唆は実行されないことから、図示する例では示唆表示114AK003が行われていない。なお、共通演出の実行結果が「大成功」となる場合には、図68−43(D−1)と同様に、「大成功」であることを示すメッセージ表示が行われればよいが、「成功」の場合とは異なり、例えば「成功」の場合よりも大きく表示するなど、遊技者がより認識しやすい態様で表示されればよい。また、共通演出の実行結果が「大成功」となる場合には、図68−43(D−1)とは異なる態様で、より遊技者に認識しやすい態様で設定示唆が行われてもよい。
(特徴部114AKの変形例)
上記実施の形態では、図68−42に示すように、共通演出の実行結果が「成功」であるか「大成功」であるかに応じて、設定示唆が行われた場合、同じ態様の設定示唆であっても示唆の信頼度が異なる例を示したが、これは一例である。この他にも、例えば、実行される共通演出の種類に応じて、設定示唆が行われた場合にその示唆の信頼度が異なるようにしてもよい。この場合、例えば、図68−40のステップ114AKS113において、共通演出の種類に応じて、図68−44(A)〜(C)に示す決定割合に従い、設定示唆の実行態様を決定すればよい。図68−44に示す「設定示唆態様1」〜「設定示唆態様3」は、上記実施の形態と同様、それぞれ設定値が「1」〜「3」であることを示唆するものとなっている。図68−44に示すように、この変形例では、実行される共通演出の種類が種類Aである場合、種類Bである場合よりも設定示唆が実行されたときに、その信頼度が高くなるように決定割合が設定されている。また、実行される共通演出の種類が種類Bである場合、種類Cである場合よりも設定示唆が実行されたときに、その信頼度が高くなるように決定割合が設定されている。すなわち、種類A>種類B>種類Cといった順に、設定示唆が行われた場合にその信頼度が低くなっている。このように、実行される共通演出の種類に応じて、設定示唆が行われた場合にその示唆の信頼度が異なるようにすることで、実行される共通演出の種類に対する遊技者の注目を集めることができ、演出効果を高めることができる。
また、この変形例では、実行される共通演出の種類に応じて、設定示唆が行われた場合にその示唆の信頼度が異なる例を示したが、実行される共通演出の種類に応じて、設定示唆が行われた場合にその示唆内容が異なるようにしてもよい。例えば、実行された共通演出の種類が種類Aであれば、設定示唆にて設定値が「1」〜「3」のいずれかであるか、すなわち設定値そのものを示唆し、実行された共通演出の種類が種類Bであれば、設定示唆にて高設定である確率を示唆し(例えば高設定である確率を星の数で示唆するなど)、実行された共通演出の種類が種類Cであれば、設定示唆にて設定値が「1」でないことや奇数の設定値であること、偶数の設定値であること、などを示唆するようにしてもよい。このように、実行される共通演出の種類に応じて、設定示唆が行われた場合にその示唆内容が異なるようにすることで、様々な設定示唆を視認することができ、演出効果を高めることができる。
(特徴部114AKに係る手段の説明)
以上の特徴部114AKに関して、従来、遊技に関する設定を変更可能な遊技機として、例えば特開2010−200902号公報に記載されているものがある。特開2010−200902号公報には、設定値にもとづく演出の表示制御を行い、キリン、ゾウ、ライオンの各キャラクタ画像を表示させる処理を所定のタイミングで実行することが記載されている。また、所定のタイミングとは、例えば特別図柄の変動時などが考えられるが、さらに定期的(全変動時、所定変動回数ごとなど)でもよいし、不定期(乱数抽選で当選した場合など)であってもよいことが記載されている。しかしながら、特開2010−200902号公報に記載の遊技機にあっては、設定されている設定値にもとづいて有利状態の制御を実行可能に構成した遊技機において、必ずしも演出効果を高めることはできない。そこで、演出効果を高めることが可能な遊技機を提供するための特徴部114AKに係る手段1の遊技機として、
遊技を行う遊技機(例えばパチンコ遊技機901など)であって、
遊技者にとって有利度が異なる複数種類の設定値のうちから、いずれかの設定値(例えば設定値1〜3のいずれかなど)を設定可能であり、
設定されている設定値に応じて異なる割合で示唆演出を実行可能な示唆演出実行手段(例えば設定されている設定値に応じて設定示唆を実行する演出制御用CPU90120など)と、を備え、
前記示唆演出実行手段は、共通演出の演出結果が第1結果となった後に前記示唆演出を実行せず、前記共通演出の演出結果が第2結果となった後に前記示唆演出を実行する(例えば共通演出の実行結果が「失敗」である場合には設定示唆を実行せず、「成功」である場合に実行するなど)、
ことを特徴とする遊技機であってもよい。
このような構成によれば、演出効果を高めることができる。
特徴部114AKに係る手段2の遊技機として、
前記示唆演出実行手段は、前記共通演出の演出結果が第3結果となった場合、前記第2結果となったときよりも示唆される設定値の信頼度が高い態様で前記示唆演出を実行する(例えば共通演出の実行結果が「大成功」となった場合には、「成功」となった場合よりも、設定示唆が行われた場合における示唆の信頼度が高いなど)
ことを特徴とする特徴部114AKに係る手段1の遊技機であってもよい。
このような構成によれば、演出効果を高めることができる。
特徴部114AKに係る手段3の遊技機として、
前記共通演出は複数種類あり、いずれの種類の前記共通演出が実行されるかに応じて、前記共通演出の演出結果がいずれとなるかの割合が異なる(例えば実行される共通演出の種類に応じて、共通演出の実行結果がいずれの結果となるかの割合が異なっているなど)、
ことを特徴とする特徴部114AKに係る手段1または手段2の遊技機であってもよい。
このような構成によれば、演出効果を高めることができる。
特徴部114AKに係る手段4の遊技機として、
前記共通演出は複数種類あり、いずれの種類の前記共通演出が実行されるかに応じて、前記示唆演出が実行された場合に示唆される設定値の信頼度が異なる(例えば実行される共通演出の種類に応じて、設定示唆が行われた場合にその示唆の信頼度が異なるなど)、
ことを特徴とする特徴部114AKに係る手段1〜手段3のいずれかの遊技機であってもよい。
このような構成によれば、演出効果を高めることができる。
特徴部114AKに係る手段5の遊技機として、
前記共通演出は複数種類あり、いずれの種類の前記共通演出が実行されるかに応じて、前記示唆演出が実行された場合に示唆される内容が異なる、
ことを特徴とする特徴部114AKに係る手段1〜4のいずれかの遊技機であってもよい。
このような構成によれば、演出効果を高めることができる。
特徴部114AKに係る手段6の遊技機として、
いずれの設定値に設定されているかを特定可能な設定値情報(例えば、設定値コマンド)を出力可能な情報出力手段(例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ90100におけるステップ121IWS031,S108を実行する部分)と、
前記情報出力手段から入力された前記設定値情報にもとづいて、示唆演出(例えば、初期出目演出)を実行可能な示唆演出実行手段(例えば、演出制御用CPU90120におけるステップ121IWS308〜S315を実行する部分)と、を備え、
前記示唆演出実行手段は、
前記示唆演出として第1示唆演出(例えば、特殊初期出目による初期出目演出)と第2示唆演出(例えば、偶数初期出目による初期出目演出)とを実行可能であり、
前記設定値情報が正常に入力されなかった場合、前記示唆演出として前記第1示唆演出を実行せず、前記示唆演出として前記第2示唆演出を実行可能である(例えば、演出制御用CPU90120は、ステップ121IWS313を実行することにより、特殊初期出目による初期出目演出を実行しない)、
ことを特徴とする特徴部114AKに係る手段1〜手段5のいずれかの遊技機であってもよい。
このような構成によれば、設定されている設定値にもとづいて有利状態の制御を実行可能に構成した遊技機において、遊技に対する興趣の低下を防止することができる。
(特徴部115AKに関する説明)
次に、本実施の形態の特徴部115AKについて説明する。図68−45は、特徴部115AKにて実行される可変表示開始設定処理の一例を示すフローチャートである。図示するように、特徴部115AKにて実行される可変表示開始設定処理では、特徴部114AKにて実行される可変表示開始設定処理におけるステップ114AKS001の所定演出実行設定処理(図68−35参照)に代えて、ステップ115AKS001にて設定示唆実行設定処理を実行する。なお、その他の処理については、特徴部114AKにて実行される可変表示開始設定処理と同様であるため、説明を省略する。ステップ115AKS001における設定示唆実行設定処理は、設定示唆(設定値を示唆する設定示唆演出)の実行設定を行う処理であり、特徴部115AKにおける設定示唆は、可変表示中に行われる演出で、遊技者が遊技を終了するタイミングとなったなどの所定条件が成立する場合に、当該所定条件が成立しない場合よりも高い割合で実行される演出である。
図68−46は、図68−45のステップ115AKS001にて行われる設定示唆実行設定処理の一例を示すフローチャートである。図68−45に示す設定示唆実行設定処理において、演出制御用CPU90120は、まず、設定示唆の実行有無を決定する(ステップ115AKS002)。具体的に、ステップ115AKS002の処理では、実行対象の可変表示が、時短状態の終了条件を成立する可変表示であるか、すなわち時短終了回の可変表示であるか否か、に基づいて、図68−47に示す決定割合に従って、設定示唆の実行有無を決定する。時短終了回とは、大当り遊技状態の終了時に設定された回数の特図ゲームの最終回(例えば、設定された回数が「100」であれば、大当り終了後の100回目の可変表示)のことをいう。そして、ステップ115AKS002において、時短終了回の可変表示であるか否かは、時短状態において可変表示が実行される度にカウントされたカウント値と、大当り終了時に設定された回数とを比較して一致するか否かにより行われればよい(なお、大当り終了時に設定された時短カウント値を、可変表示の終了時に減算していくような場合には、当該時短カウント値が「1」であるか否かにより、時短終了回であるか否かを判定すればよい)。なお、時短終了回の可変表示が終了した場合には、時短状態であることを示す時短フラグと、当該カウント値(大当り終了時に設定された回数も含む)がクリアされることとなる。
図68−47に示すように、特徴部115AKでは、実行対象の可変表示が時短終了回の可変表示である場合に、そうでない場合(時短状態ではなく通常状態である場合も含む)よりも高い割合で設定示唆を実行すると決定する。そのため、時短終了回の可変表示に対する遊技者の注目を集めることができ、演出効果を高めることができる。なお、図示する例では、実行対象の可変表示が時短終了回ではない場合(通常状態である場合も含む)についても設定示唆を実行する例を示しているが、時短終了回である場合にのみ設定示唆を実行すると決定してもよい。また、ステップ115AKS002の処理では、時短終了回の可変表示であるか否かに加え、さらに、可変表示結果が「大当り」となるか否かにより、設定示唆の実行割合が異なっていてもよい。例えば、時短終了回の可変表示であり、可変表示結果が「大当り」である場合>時短終了回の可変表示であり、可変表示結果が「ハズレ」である場合>時短終了回の可変表示ではなく、可変表示結果が「大当り」である場合>時短終了回の可変表示ではなく、可変表示結果が「ハズレ」である場合、といった順に、設定示唆の実行割合が低くなっていてもよい。また、可変表示結果に代えて、設定されている設定値に応じて設定示唆の実行割合が異なっていてもよい。例えば、時短終了回の可変表示であり、設定値が「3」である場合>時短終了回の可変表示であり、設定値が「2」である場合>時短終了回の可変表示であり、設定値が「1」である場合>時短終了回の可変表示ではなく、設定値が「3」である場合>時短終了回の可変表示ではなく、設定値が「2」である場合>時短終了回の可変表示ではなく、設定値が「1」である場合、といった順に、設定示唆の実行割合が低くなっていてもよい。すなわち、時短終了回の可変表示であるか否かに加え、設定されている設定値に応じて異なる割合で設定示唆を実行してもよい。さらに、実行対象の可変表示が時短終了回の可変表示であるか否かに関わらず、設定されている設定値に応じて異なる割合で設定示唆を実行してもよい。
図68−46に戻り、ステップ115AKS002の処理を実行した後、演出制御用CPU90120は、ステップ115AKS002にて設定示唆を実行すると決定したか否か、すなわち、設定示唆実行有りか否かを判定する(ステップ115AKS003)。設定示唆実行なしの場合(ステップ115AKS003;No)、設定示唆実行設定処理を終了する。一方、設定示唆実行有りの場合(ステップ115AKS003;Yes)、演出制御用CPU90120は、実行対象の可変表示が時短状態の終了条件を成立する可変表示であるか、すなわち時短終了回の可変表示であるか否かを判定する(ステップ115AKS004)。時短終了回の可変表示ではない(通常状態である場合も含む)場合(ステップ115AKS004;No)、演出制御用CPU90120は、図68−48(A)に示す通常テーブルを参照用のテーブルとして選択する(ステップ115AKS005)。これに対し、時短終了回の可変表示である場合(ステップ115AKS004;Yes)、演出制御用CPU90120は、図68−48(B)に示す特別テーブルを参照用のテーブルとして選択する(ステップ115AKS005)。
図68−48に示す通常テーブルおよび特別テーブルは、設定示唆の実行態様を決定するため(後述するステップ115AKS007の処理を行うため)に参照されるテーブルであり、当該通常テーブルおよび特別テーブルは、設定示唆の実行態様として「設定示唆態様1」〜「設定示唆態様3」のそれぞれに対し、設定されている設定値に応じて決定割合が割り当てられている。この実施の形態における「設定示唆態様1」の設定示唆は、設定値が「1」であることを示唆し、「設定示唆態様2」の設定示唆は、設定値が「2」であることを示唆し、「設定示唆態様3」の設定示唆は、設定値が「3」であることを示唆するものとなっている。この他にも、設定値そのものではなく、例えば、設定値が「1」ではないことを示唆したり、高設定値であること、偶数の設定値であることや奇数の設定値であること、をそれぞれの態様によって示唆するようにしてもよい。
図68−48(A)に示す通常テーブルでは、図示するように、「設定示唆態様3」の態様の設定示唆が、設定値「3」である場合にのみ決定されるよう、決定割合が設定されている。そのため、「設定示唆態様3」の設定示唆が行われた場合には、設定値「3」であることが確定することになる。これに対し、「設定示唆態様1」および「設定示唆態様2」の設定示唆は、設定値がいずれであっても決定される。そのため、「設定示唆態様1」の設定示唆、または「設定示唆態様2」の設定示唆が行われた場合と、「設定示唆態様3」の設定示唆が行われた場合とでは、示唆の信頼度が異なるものとなっている。すなわち、実行される設定示唆態様により、示唆の信頼度が異なるものとなっている。したがって、信頼度が異なる種類の設定示唆が実行可能であり、演出効果を高めることができる。これに対し、図68−48(B)に示す特別テーブルでは、図示するように、通常テーブルとは異なり、「設定示唆態様3」の態様の設定示唆が、設定値「1」〜「3」のいずれであっても決定され得るよう、決定割合が設定されている。したがって、時短終了回の可変表示では、時短終了回の可変表示ではない(通常状態である場合も含む)場合よりも、設定値が「3」であることを示唆する設定示唆(すなわち高設定であることを示唆する設定示唆)が行われる割合が高い。一方で、時短終了回の可変表示では、「設定示唆態様3」の態様の設定示唆が、設定値「1」〜「3」のいずれであっても決定され得ることから、時短終了回の可変表示ではない(通常状態である場合も含む)場合よりも、示唆の信頼度が低くなっている。ここで、時短終了回の可変表示が終了すると、時短状態が終了することとなる。そのため、当該時短終了回の可変表示が終了することにより、有利な状態が終了したとして、遊技者は遊技を終了することが多々ある。特徴部115AKでは、時短終了回の可変表示において、高設定であることを示唆する設定示唆が、時短終了回以外の可変表示よりも高い割合で実行されることから、遊技者の遊技を継続させることができ、稼働率を向上させることができる。また、示唆の信頼度は低いものの、時短終了回の可変表示では、時短終了回の可変表示ではない(通常状態である場合も含む)場合よりも、設定値が「3」であることを示唆する設定示唆(すなわち高設定であることを示唆する設定示唆)が行われる割合が高いことから、遊技者は高設定であることを示唆する設定示唆を認識しやすくなり、遊技を継続させることができ、稼働率を向上させることができる。
図68−46に戻り、ステップ115AKS005またはステップ115AKS006の処理を実行した後、演出制御用CPU90120は、ステップ115AKS005またはステップ115AKS006にて選択したテーブルに基づいて、設定値に応じて、実行する設定示唆態様を決定し(ステップ115AKS007)、設定示唆実行設定処理を終了する。なお、ステップ115AKS007の処理では、設定示唆の実行態様を決定するとともに、当該設定示唆の実行タイミングなど(設定示唆実行期間も含む)についても決定されればよい。このようにステップ115AKS001における設定示唆実行設定処理が行われ、設定示唆の実行設定が行われると、ステップS90172の可変表示中演出処理において、設定示唆実行期間に設定示唆が実行されることとなる。なお、例えば、図68−48(A)に示す通常テーブルにおける設定示唆態様よりも、図68−48(B)に示す特別テーブルにおける設定示唆態様の方が、すなわち、時短終了回に実行される設定示唆の方が、時短終了回以外(通常状態である場合も含む)で行われる設定示唆よりも遊技者にとって認識しやすい態様で設定示唆が行われてもよい。すなわち、通常テーブルに基づいて決定された設定示唆態様1よりも、特別テーブルに基づいて決定された設定示唆態様1の方が、大きく表示されたり、輝度が高かったり、出力される音量が大きいなど、遊技者が認識しやすい態様となっていてもよい。これによれば、遊技の継続を促進することができ、稼働率を向上させることができる。
図68−49は、特徴部115AKにて実行される設定示唆の演出動作例を示す図である。図68−49(A)に示すように大当り遊技状態の終了時において、時短制御が行われる可変表示の回数が報知される(図示する例では20回)。そして、大当り遊技状態が終了し、可変表示が開始されると、図68−49(B)に示すように設定示唆が行われる。図68−49(B)に示す例では、当該可変表示が時短終了回である20回目の可変表示ではないため、図68−46のステップ115AKS005にて通常テーブルが選択され、当該通常テーブルに基づいて決定された態様の設定示唆が行われる。そして、図68−49(C)に示すように、時短終了回である20回目の可変表示が開始されると、ステップ115AKS006にて特別テーブルが選択され、当該特別テーブルに基づいて決定された態様の設定示唆が行われる。なお、図68−49(B)に示す例では、「設定示唆態様2」の設定示唆が行われ、図68−49(C)に示す例では、「設定示唆態様3」の設定示唆が行われた場合を示している。また、図示する例では、時短終了回に実行される設定示唆の方が、時短終了回以外(通常状態である場合も含む)で行われる設定示唆よりも、設定示唆の表示サイズが大きく、かつ表示枠の態様を異ならせて、遊技者にとって認識しやすい態様で実行された場合について示している。また、上述したように、設定値がいずれであっても、時短終了回では「設定示唆態様3」の設定示唆が行われ得ることから(時短終了回以外よりも高い割合で行われることから)、図68−49(C)に示す例では、「設定示唆態様3」の設定示唆が行われた場合を示している。このように、時短終了回の可変表示において「設定示唆態様3」の設定示唆、すなわち高設定であることを示唆する設定示唆が行われることで、時短状態の終了に合わせて遊技を終了してしまう、といったことを抑制し、遊技継続を好適に促進することができる。なお、この実施の形態では、時短終了回以外(通常状態である場合も含む)においても設定示唆が実行され得る例を示したが、時短終了回以外では設定示唆が実行されないようにしてもよい。また、例えば、時短終了回の可変表示に近づくほど設定示唆の実行割合が高くなるようにしてもよい。また、この実施の形態では、図68−47に示すように、時短終了回の可変表示にて設定示唆が実行されない場合がある例を示したが、時短終了回の可変表示では必ず設定示唆が行われるようにしてもよい。また、時短終了回であるか否かに関わらず設定示唆が行われるようにしてもよい。なお、例えば5日間など、数日間に亘る遊技データ(変動回数、大当り回数、払出玉数、連荘割合など)を記憶しておき、当該記憶した遊技データに基づいて、その日に実行する設定示唆の実行態様や実行割合を異ならせてもよい。具体的に、設定されている大当り確率が1/300である場合、5日間の遊技データとして記憶されている大当り確率が1/500であるときには、設定示唆を行う割合を高くしてもよい。また、前日の払出玉数が差玉で10000発以上である場合、低設定であっても、高設定であることを示唆する態様の設定示唆が高い割合で実行されるようにしてもよい。
(特徴部115AKの変形例)
上記実施の形態では、実行対象の可変表示が時短終了回の可変表示である場合に、時短終了回以外の可変表示である場合よりも高い割合で設定示唆を実行する例を示したが、これは一例である。特徴部115AKでは、遊技者が遊技を終了してしまうようなタイミング(所定条件が成立するタイミング)において高設定であることを示唆する示唆演出が高い割合で実行されれば、時短終了回の可変表示中のタイミングに限られず、所定条件が成立するタイミングは、任意のタイミングであってもよい。例えば、連続して大当りとなる連荘の終了時のタイミング、遊技者の使用金額が10000円などといった特定金額となったタイミング、予め定められた可変表示回数(例えば確変状態終了後100回など)に達したタイミング、遊技場に設置された所定の遊技機全体で一斉に行われる一斉演出が終了したタイミング、確変潜伏状態を示す背景から通常の背景に切り替わったタイミング、遊技場の閉店1時間前のタイミングなどといったタイマにて設定されたタイミングなど、所定条件が成立するタイミングは、任意のタイミングであってよい。また、当該所定条件が成立するタイミングは、複数タイミングあってもよく、遊技機の管理者が設定可能であればよい。なお、連荘の終了時のタイミングは、例えば、初回の大当りから、時短状態中における大当りを連続した大当り(連荘)とし、当該時短状態の終了時を連荘の終了時のタイミングとして判定すればよい。また、遊技者の使用金額が10000円などといった特定金額となったタイミングについては、例えば、遊技者が貸玉ボタンを20回押したことで特定金額分(この場合は1万円分)となったことを判定すればよい。一斉演出は、例えば、可変表示が行われていない期間であっても、遊技球を発射している期間や発射していない期間において、遊技場に設置された複数のパチンコ遊技機901について、リアルタイムクロック機能(RTC機能)により予め定められた時刻になる毎、また、電源投入から所定時間経過する毎などのように、所定期間毎に一斉に行われる演出である。そして、一斉演出の終了タイミングは、当該RTC機能により予め定められた時刻となってから一斉演出の実行期間経過したことをもって判定すればよい。また、確変潜伏とは、大当り遊技状態の終了後に確変状態に制御されているか否かを特定困難にするものをいい、例えば確変状態に制御されているか否かに関わらず共通の背景画像を表示することにより、確変状態に制御されているか否かを特定困難にすることをいう。そして、確変潜伏状態を示す背景から通常の背景に切り替わったタイミングは、当該共通の背景画像から、確変が潜伏されていないことを示す通常の背景画像(例えば通常状態中に表示される背景画像)に切り替わったタイミングを判定すればよい。なお、上記実施の形態では、時短終了回の可変表示である場合に設定示唆を行う例を示したが、例えば、時短終了回の可変表示の前後3回の可変表示においても設定示唆を行うようにしてもよい。
(特徴部115AKに係る手段の説明)
以上の特徴部115AKに関して、従来、遊技に関する設定を変更可能な遊技機として、例えば特開2010−200902号公報に記載されているものがある。特開2010−200902号公報には、設定値にもとづく演出の表示制御を行い、キリン、ゾウ、ライオンの各キャラクタ画像を表示させる処理を所定のタイミングで実行することが記載されている。また、所定のタイミングとは、例えば特別図柄の変動時などが考えられるが、さらに定期的(全変動時、所定変動回数ごとなど)でもよいし、不定期(乱数抽選で当選した場合など)であってもよいことが記載されている。しかしながら、特開2010−200902号公報に記載の遊技機にあっては、設定されている設定値にもとづいて有利状態の制御を実行可能に構成した遊技機において、必ずしも演出効果を高めることはできない。そこで、演出効果を高めることが可能な遊技機を提供するための特徴部115AKに係る手段1の遊技機として、
遊技を行う遊技機(例えばパチンコ遊技機901など)であって、
遊技者にとって有利度が異なる複数種類の設定値のうちから、いずれかの設定値(例えば設定値1〜3のいずれかなど)を設定可能であり、
設定されている設定値に応じて示唆演出を実行可能な示唆演出実行手段(例えば設定されている設定値に応じて設定示唆を実行する演出制御用CPU90120など)と、を備え、
前記示唆演出実行手段は、所定条件が成立した場合に前記示唆演出を実行可能である(例えば実行対象の可変表示が時短終了回の可変表示である場合に設定示唆を実行するなど)、
ことを特徴とする遊技機であってもよい。
このような構成によれば、演出効果を高めることができる。
特徴部115AKに係る手段2の遊技機として、
前記示唆演出実行手段は、前記所定条件が成立した場合、前記所定条件が成立していない場合よりも高い割合で、前記示唆演出として、設定されている設定値が、複数種類のうち、遊技者にとって有利度の高い設定値であることを示唆する(例えば時短終了回の可変表示では、高設定であることを示唆する設定示唆を、時短終了回以外の可変表示よりも高い割合で実行するなど)、
ことを特徴とする特徴部115AKに係る手段1の遊技機であってもよい。
このような構成によれば、遊技の継続を促進することができ、稼働率を向上させることができる。
特徴部115AKに係る手段3の遊技機として、
前記示唆演出実行手段は、前記所定条件が成立していない場合においても前記示唆演出を実行可能であり(例えば時短終了回以外の可変表示にて設定示唆を実行可能であるなど)、
前記所定条件が成立した場合には、前記所定条件が成立していない場合よりも高い割合で前記示唆演出を実行する一方、前記所定条件が成立していない場合に実行される前記示唆演出よりも示唆される設定値の信頼度が低い(例えば時短終了回の可変表示では、高設定であることを示唆する設定示唆を、時短終了回以外の可変表示よりも高い割合で実行するものの、示唆の信頼度が低いなど)、
ことを特徴とする特徴部115AKに係る手段1または手段2の遊技機であってもよい。
このような構成によれば、遊技の継続を促進することができ、稼働率を向上させることができる。
特徴部115AKに係る手段4の遊技機として、
前記示唆演出実行手段は、前記所定条件が成立していない場合においても前記示唆演出を実行可能であり(例えば時短終了回以外の可変表示にて設定示唆を実行可能であるなど)、
前記所定条件が成立した場合には、前記所定条件が成立していない場合よりも、示唆される設定値が認識しやすい態様の前記示唆演出を実行する(例えば時短終了回に実行される設定示唆の方が、時短終了回以外(通常状態である場合も含む)で行われる設定示唆よりも遊技者にとって認識しやすい態様で設定示唆が行われるなど)、
ことを特徴とする特徴部115AKに係る手段1〜手段3のいずれかの遊技機であってもよい。
このような構成によれば、演出効果を高めることができる。
特徴部115AKに係る手段5の遊技機として、
いずれの設定値に設定されているかを特定可能な設定値情報(例えば、設定値コマンド)を出力可能な情報出力手段(例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ90100におけるステップ121IWS031,S108を実行する部分)と、
前記情報出力手段から入力された前記設定値情報にもとづいて、示唆演出(例えば、初期出目演出)を実行可能な示唆演出実行手段(例えば、演出制御用CPU90120におけるステップ121IWS308〜S315を実行する部分)と、を備え、
前記示唆演出実行手段は、
前記示唆演出として第1示唆演出(例えば、特殊初期出目による初期出目演出)と第2示唆演出(例えば、偶数初期出目による初期出目演出)とを実行可能であり、
前記設定値情報が正常に入力されなかった場合、前記示唆演出として前記第1示唆演出を実行せず、前記示唆演出として前記第2示唆演出を実行可能である(例えば、演出制御用CPU90120は、ステップ121IWS313を実行することにより、特殊初期出目による初期出目演出を実行しない)、
ことを特徴とする特徴部115AKに係る手段1〜手段4のいずれかの遊技機であってもよい。
このような構成によれば、設定されている設定値にもとづいて有利状態の制御を実行可能に構成した遊技機において、遊技に対する興趣の低下を防止することができる。
(特徴部116AKに関する説明)
次に、本実施の形態の特徴部116AKについて説明する。図68−50は、特徴部116AKにて実行される可変表示開始設定処理の一例を示すフローチャートである。図示するように、特徴部116AKにて実行される可変表示開始設定処理では、特徴部114AKにて実行される可変表示開始設定処理におけるステップ114AKS001の所定演出実行設定処理(図68−35参照)に代えて、ステップ116AKS001にて設定示唆実行設定処理を実行する。なお、その他の処理については、特徴部114AKにて実行される可変表示開始設定処理と同様であるため、説明を省略する。ステップ116AKS001における設定示唆実行設定処理は、設定示唆(設定値を示唆する設定示唆演出)の実行設定を行う処理である点で、特徴部115AKにおける設定示唆実行設定処理と共通するが、特徴部115AKにおける設定示唆は、可変表示中に行われる演出で、所定条件が成立する場合に、当該所定条件が成立しない場合よりも高い割合で実行される演出であるのに対し、特徴部116AKにおける設定示唆は、特徴部115AKのような所定条件に関わらず実行される演出であり、実行態様に応じて遊技者の認識しやすさが異なる演出である点で相違する。特徴部116AKにおけるステップ116AKS001の設定示唆実行設定処理では、このように、特徴部115AKとは異なる設定示唆の実行設定を行う。
図68−51は、図68−50のステップ116AKS001にて行われる設定示唆実行設定処理の一例を示すフローチャートである。図68−51に示す設定示唆実行設定処理において、演出制御用CPU90120は、まず、設定示唆の実行有無を決定する(ステップ116AKS002)。具体的に、ステップ116AKS002の処理では、可変表示結果に基づいて、図68−52に示す決定割合に従って、設定示唆の実行有無を決定する。この実施の形態における設定演出は、可変表示中に行われる演出であり、実行された場合には実行されない場合よりも大当り期待度の高い演出となっている。また、ステップ116AKS002の処理では、例えば、設定示唆が実行されるタイミングが遅いほど期待度が高くなるように、実行する場合における実行タイミングについても複数タイミングのうちからいずれかのタイミングを決定するようにしてもよい。また、可変表示結果に代えて、設定されている設定値に応じて設定示唆の実行割合が異なっていてもよい。例えば、設定値が「3」である場合>設定値が「2」である場合>設定値が「1」である場合、といった順に、設定示唆の実行割合が低くなっていてもよい。さらに、可変表示結果に加えて、設定されている設定値に応じて設定示唆の実行割合が異なっていてもよい。例えば、可変表示結果が「大当り」であり、設定値が「3」である場合>可変表示結果が「ハズレ」であり、設定値が「3」である場合>可変表示結果が「大当り」であり、設定値が「2」である場合>可変表示結果が「ハズレ」であり、設定値が「2」である場合>可変表示結果が「大当り」であり、設定値が「1」である場合>可変表示結果が「ハズレ」であり、設定値が「1」である場合、といった順に、設定示唆の実行割合が低くなっていてもよい。
図68−51に戻り、ステップ116AKS002の処理を実行した後、演出制御用CPU90120は、ステップ116AKS002にて設定示唆を実行すると決定したか否か、すなわち設定示唆実行有りか否かを判定する(ステップ116AKS003)。設定実行示唆なしの場合、すなわちステップ116AKS002にて設定示唆を実行しないと決定した場合(ステップ116AKS003;No)、演出制御用CPU90120は、そのまま設定示唆実行設定処理を終了する。一方、ステップ116AKS002にて設定示唆を実行すると決定した場合、すなわち設定示唆有りの場合(ステップ116AKS003;Yes)、演出制御用CPU90120は、設定示唆の実行態様(設定示唆態様)を決定し(ステップ116AKS004)、設定示唆実行設定処理を終了する。具体的に、ステップ116AKS004の処理では、設定されている設定値に基づいて、図68−53に示す決定割合に従って、「設定示唆態様1」〜「設定示唆態様3」のいずれかを、設定示唆の実行態様として決定する。
この実施の形態における「設定示唆態様1」は、打球操作ハンドル(操作ノブ)30を振動させる態様の演出であり、設定値が「1」であることを示唆するものとなっている(図68−54(A)参照)。また「設定示唆態様2」は、打球操作ハンドル(操作ノブ)30を振動させるとともに、音声を出力する態様の演出であり、設定値が「2」であることを示唆するものとなっている(図68−54(B)参照)。「設定示唆態様3」は、打球操作ハンドル(操作ノブ)30を振動させるとともに、音声を出力し、さらに画像表示装置905にて表示を行うとともに遊技効果ランプ909などの各種ランプを点灯させる態様の演出であり、設定値が「3」であることを示唆するものとなっている(図68−54(C)参照)。すなわち、特徴部116AKにおける設定示唆は、「設定示唆態様1」<「設定示唆態様2」<「設定示唆態様3」といった順に遊技者が設定示唆(すなわち示唆される内容)を認識しやすい態様となっている。したがって、実行される設定示唆の態様によって、示唆される内容の認識しやすさが異なるため、演出効果を高めることができる。また、「設定示唆態様1」の設定示唆は、打球操作ハンドル(操作ノブ)30を振動させる態様の演出であることから、遊技者のみが認識可能な態様であり、「設定示唆態様3」の設定示唆は、打球操作ハンドル(操作ノブ)30を振動させるとともに、音声を出力し、さらに画像表示装置905にて表示を行うとともに遊技効果ランプ909などの各種ランプを点灯させる態様の演出であることから、遊技者のみならず、他の遊技者や遊技店員なども認識可能な態様である。このように特徴部116AKでは、遊技者のみが認識可能な態様の設定示唆と、遊技者以外も認識可能な態様の設定示唆が行われるため、演出効果を高めることができる。また、低設定値であることを示唆する設定示唆については遊技者のみが認識可能な態様で設定示唆が行われ、高設定値であることを示唆する設定示唆については遊技者以外も認識可能な態様で設定示唆が行われることから、高設定であることが遊技者以外にも認識可能な上、低設定値であることは遊技者以外には認識されないことから、演出効果を高めることができる。なお、例えば、画像表示装置905における表示の大小や色相を異ならせることで認識しやすさを異ならせてもよい。また、役物を動作させる設定示唆があってもよい。この他にも、設定値そのものではなく、例えば、設定値が「1」ではないことを示唆したり、高設定値であること、偶数の設定値であることや奇数の設定値であること、をそれぞれの態様によって示唆するようにしてもよい。
図68−53に示すように、特徴部116AKでは、設定されている設定値に応じて異なる実行割合で、異なる実行態様により、設定示唆が実行されるよう、設定値に応じてそれぞれの実行態様に決定割合が設定されている。したがって、設定値に応じて異なる実行態様の設定示唆が、異なる実行割合で実行されることから、演出効果を高めることができる。また、図68−53に示すように、「設定示唆態様3」の設定示唆は、設定値「3」である場合にのみ決定される。そのため、「設定示唆態様3」の設定示唆が行われた場合には、設定値「3」であることが確定することになる。これに対し、「設定示唆態様1」および「設定示唆態様2」の設定示唆は、設定値がいずれであっても決定される。そのため、「設定示唆態様1」または「設定示唆態様2」の設定示唆が行われた場合と、「設定示唆態様3」の設定示唆が行われた場合とでは、示唆の信頼度が異なるものとなっている。すなわち、特徴部116AKでは、遊技者が設定示唆(すなわち示唆される内容)を認識しやすい「設定示唆態様3」の設定示唆は、「設定示唆態様1」および「設定示唆態様2」の設定示唆よりも示唆の信頼度が高くなっている。なお、例えば、「設定示唆態様1」<「設定示唆態様2」<「設定示唆態様3」といった順に、示唆の信頼度が高くなるようにしてもよい。すなわち、遊技者が設定示唆(すなわち示唆される内容)を認識しやすい順に示唆の信頼度が高くなるようにしてもよい。
また、この実施の形態では、「設定示唆態様1」<「設定示唆態様2」<「設定示唆態様3」といった順に、遊技者が設定示唆(すなわち示唆される内容)を認識しやすい例を示したが、これとは別に、設定が「1」であることを示唆する設定示唆であっても、打球操作ハンドル(操作ノブ)30を振動させるのみの態様と、打球操作ハンドル(操作ノブ)30を振動させ、さらに画像表示装置905にて表示を行う態様など、同じ設定値を示唆する設定示唆であっても、遊技者が認識しやすい態様とそうでない態様とを設け、例えば可変表示結果に応じて異なる決定割合にていずれかの態様を決定するようにしてもよい。
図68−51におけるステップ116AKS004では、設定示唆の実行態様(設定示唆態様)を決定し、これに合わせて実行する設定示唆の実行タイミングなど(設定示唆実行期間も含む)が決定される。特徴部116AKでは、遊技者が設定示唆(すなわち示唆される内容)を認識しやすい「設定示唆態様3」の設定示唆の実行期間を、「設定示唆態様1」および「設定示唆態様2」の設定示唆よりも長い期間に設定する。「設定示唆態様3」の設定示唆は、打球操作ハンドル(操作ノブ)30を振動させるとともに、音声を出力し、さらに画像表示装置905にて表示を行うとともに遊技効果ランプ909などの各種ランプを点灯させる態様の演出であることから、遊技者のみならず、他の遊技者や遊技店員などといった周囲の者も認識可能な態様となっている。そのため、当該「設定示唆態様3」の設定示唆の実行期間を、「設定示唆態様1」および「設定示唆態様2」の設定示唆よりも長い期間に設定することにより、他の遊技者など、当該パチンコ遊技機901の遊技者以外にも高設定であることを示唆する設定示唆が行われたことを、より好適に認識させることが可能となり、演出効果を高めることができる。
(特徴部116AKの変形例)
上記実施の形態における「設定示唆態様1」の設定示唆は、打球操作ハンドル(操作ノブ)30を振動させる態様の演出である例を示したが、これは一例である。この他にも、例えば、プッシュボタン9031Bを振動させるなど、遊技者のみが認識可能な態様であれば任意の態様であってよい。なお、遊技者のみが認識可能な態様には、遊技者以外が認識不可能な態様の他、遊技者以外が認識困難な態様が含まれる。そのため、例えば、「設定示唆態様1」の設定示唆は、打球操作ハンドル(操作ノブ)30やプッシュボタン9031Bを振動させる態様の演出に限られず、「設定示唆態様1」の設定示唆には、例えば、画像表示装置905において、当該パチンコ遊技機901の隣に設置されたパチンコ遊技機の遊技者から認識困難な態様(小さい表示サイズや、背景色と同色で表示するなど)にてメッセージを表示することや、当該パチンコ遊技機901の隣に設置されたパチンコ遊技機の遊技者が認識困難な程度の音量で音声を出力することなどが含まれる。
また、上記実施の形態では、遊技者が設定示唆(すなわち示唆される内容)を認識しやすい「設定示唆態様3」の設定示唆の実行期間を、「設定示唆態様1」および「設定示唆態様2」の設定示唆よりも長い期間に設定することで、遊技者のみならず、他の遊技者や遊技店員などといった周囲の者も、より好適に認識可能にする例を示したが、これは一例である。例えば、これとは反対に、「設定示唆態様3」の設定示唆の実行期間を、「設定示唆態様1」および「設定示唆態様2」の設定示唆よりも短い期間に設定するようにしてもよい。これによれば、高設定であることが示唆されたことを周囲の者に認識されにくくなるため、当該パチンコ遊技機901の遊技者に特別感を与えることができる。
(特徴部116AKに係る手段の説明)
以上の特徴部116AKに関して、従来、遊技に関する設定を変更可能な遊技機として、例えば特開2010−200902号公報に記載されているものがある。特開2010−200902号公報には、設定値にもとづく演出の表示制御を行い、キリン、ゾウ、ライオンの各キャラクタ画像を表示させる処理を所定のタイミングで実行することが記載されている。また、所定のタイミングとは、例えば特別図柄の変動時などが考えられるが、さらに定期的(全変動時、所定変動回数ごとなど)でもよいし、不定期(乱数抽選で当選した場合など)であってもよいことが記載されている。しかしながら、特開2010−200902号公報に記載の遊技機にあっては、設定されている設定値にもとづいて有利状態の制御を実行可能に構成した遊技機において、必ずしも演出効果を高めることはできない。そこで、演出効果を高めることが可能な遊技機を提供するための特徴部116AKに係る手段1の遊技機として、
遊技を行う遊技機(例えばパチンコ遊技機901など)であって、
遊技者にとって有利度が異なる複数種類の設定値のうちから、いずれかの設定値(例えば設定値1〜3のいずれかなど)を設定可能であり、
設定されている設定値に応じて示唆演出を実行可能な示唆演出実行手段(例えば設定されている設定値に応じて設定示唆を実行する演出制御用CPU90120など)を備え、
前記示唆演出実行手段は、前記示唆演出として、認識しやすさが異なる複数種類の示唆演出を実行可能である(例えば「設定示唆態様1」や「設定示唆態様2」の設定示唆よりも「設定示唆態様3」の設定示唆の方が示唆内容を認識しやすいなど)、
ことを特徴とする遊技機であってもよい。
このような構成によれば、演出効果を高めることができる。
特徴部116AKに係る手段2の遊技機として、
前記複数種類の示唆演出のうち、認識しやすい示唆演出は、認識しにくい示唆演出よりも示唆される前記設定値の信頼度が高い(例えば「設定示唆態様3」の設定示唆は、「設定示唆態様1」および「設定示唆態様2」の設定示唆よりも示唆の信頼度が高いなど)、
ことを特徴とする特徴部116AKに係る手段1の遊技機であってもよい。
このような構成によれば、演出効果を高めることができる。
特徴部116AKに係る手段3の遊技機として、
前記複数種類の示唆演出のうち、認識しやすい示唆演出は、認識しにくい示唆演出よりも前記設定値を示唆する期間が長い(例えば遊技者が設定示唆(すなわち示唆される内容)を認識しやすい「設定示唆態様3」の設定示唆の実行期間を、「設定示唆態様1」および「設定示唆態様2」の設定示唆よりも長い期間に設定するなど)、
ことを特徴とする特徴部116AKに係る手段1または手段2の遊技機であってもよい。
このような構成によれば、演出効果を高めることができる。
特徴部116AKに係る手段4の遊技機として、
認識しやすさが異なる複数種類の示唆演出は、示唆される前記設定値を遊技者のみが認識可能な示唆演出と(例えば打球操作ハンドル9030を振動させる態様の演出であるなど)、示唆される前記設定値を遊技者以外の者も認識可能な示唆演出とを含む(例えば打球操作ハンドル9030を振動させるとともに、音声を出力し、さらに画像表示装置905にて表示を行うとともに遊技効果ランプ909などの各種ランプを点灯させる態様の演出であるなど)、
ことを特徴とする特徴部116AKに係る手段1〜手段3のいずれかの遊技機であってもよい。
このような構成によれば、演出効果を高めることができる。
特徴部116AKに係る手段5の遊技機として、
いずれの設定値に設定されているかを特定可能な設定値情報(例えば、設定値コマンド)を出力可能な情報出力手段(例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ90100におけるステップ121IWS031,S108を実行する部分)と、
前記情報出力手段から入力された前記設定値情報にもとづいて、示唆演出(例えば、初期出目演出)を実行可能な示唆演出実行手段(例えば、演出制御用CPU90120におけるステップ121IWS308〜S315を実行する部分)と、を備え、
前記示唆演出実行手段は、
前記示唆演出として第1示唆演出(例えば、特殊初期出目による初期出目演出)と第2示唆演出(例えば、偶数初期出目による初期出目演出)とを実行可能であり、
前記設定値情報が正常に入力されなかった場合、前記示唆演出として前記第1示唆演出を実行せず、前記示唆演出として前記第2示唆演出を実行可能である(例えば、演出制御用CPU90120は、ステップ121IWS313を実行することにより、特殊初期出目による初期出目演出を実行しない)、
ことを特徴とする特徴部116AKに係る手段1〜手段4のいずれかの遊技機であってもよい。
また、特開2010−200902号公報に記載の遊技機の問題を解決する特徴部116AKに係る手段Aの遊技機として、
遊技を行う遊技機(例えばパチンコ遊技機901など)であって、
遊技者にとって有利度が異なる複数種類の設定値のうちから、いずれかの設定値(例えば設定値1〜3のいずれかなど)を設定可能であり、
設定されている設定値に応じて示唆演出を実行可能な示唆演出実行手段(例えば設定されている設定値に応じて設定示唆を実行する演出制御用CPU90120など)を備え、
前記示唆演出実行手段は、前記示唆演出として、認識しやすさが異なる複数種類の示唆演出を実行可能であり(例えば「設定示唆態様1」や「設定示唆態様2」の設定示唆よりも「設定示唆態様3」の設定示唆の方が示唆内容を認識しやすいなど)、
さらに、
可変表示(例えば、特別図柄、飾り図柄、背景図柄の可変表示)を行い、遊技者にとって有利な特定状態(例えば、大当り遊技状態)に制御可能であって、
第1可変表示(例えば、第1特別図柄の可変表示)を行い表示結果を導出表示する第1可変表示手段(例えば、第1特別図柄表示器8a)と、
第2可変表示(例えば、第2特別図柄の可変表示)を行い表示結果を導出表示する第2可変表示手段(例えば、第2特別図柄表示器8b)と、
前記特定状態の終了後に、所定回数(例えば、100回)の可変表示が実行されるまで特別状態(例えば、低確率/第1KT状態)に制御可能な特別状態制御手段(例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560)と、
前記特別状態において、当該特別状態が終了するまでの可変表示の残回数の表示(例えば、第1残回数表示269F002,第2残回数表示269F003)を制御可能な残回数表示制御手段(例えば、演出制御用マイクロコンピュータ200)とを備え、
前記第1可変表示手段と前記第2可変表示手段とが同時に可変表示可能であり(例えば、図8のS26A,S26B)、
少なくとも前記特別状態において、前記第1可変表示と前記第2可変表示とのうち少なくともいずれか一方の可変表示を他方の可変表示よりも遊技者に認識しやすい態様で実行し(例えば、図48に示すように、低確率/第1KT状態では、第2特別図柄に対応する可変表示を背景図柄して画面の中央に表示する)、
前記残回数表示制御手段は、前記特別状態の開始前に前記所定回数を表示し、前記特別状態の開始時には前記残回数を表示せず(例えば、図48(A)に示すように、低確率/第1KT状態の開始前に第1残回数表示269F002を表示し、図48(B)に示すように、低確率/第1KT状態の開始時に第1残回数表示269F002を表示せず)、前記特別状態の開始後から所定期間が経過したときに前記残回数を表示するとともに以降の可変表示が開始される毎に前記残回数の表示を更新する(例えば、図48(E)に示すように、50回の可変表示が経過したときに、第2残回数表示269F003を表示するとともに以降の可変表示が開始される毎に第2残回数表示269F003を更新する)
ことを特徴とする遊技機であってもよい。
このような構成によれば、演出効果を高めることができる。さらに、第1可変表示と第2可変表示とが同時に実行される遊技機において、残回数を適切に表示することができる。
また、設定値と残回数表示の更新とを関連付けてもよい。例えば、設定値が特定の値である場合には特定の残回数表示が出現しやすい(例えば、設定値が1の場合は残回数表示が小さく、設定値が6の場合は残回数表示が大きい/設定値が1の場合は残回数表示を青色で表示し、設定値が6の場合は残回数表示を赤文字で表示する等)ようにしてもよい。そのようにすれば、残回数表示の態様が変化に富み、しかも、特定の残回数表示の出現割合によって設定値を推測する機会を遊技者に与えることができるので、遊技興趣を向上させることができる。
また、特別状態において残回数の表示を行う際に、演出表示装置(画像表示装置)によって設定値示唆演出を行うようにしてもよい。例えば、特別状態において残回数の表示を行う際に演出表示装置にキャラクタを表示させ、該キャラクタを残回数の表示の実行毎に複数種類の中から抽選等により選択するとともに、設定されている設定値によって各キャラクタの選択割合を異ならせることにより、設定されている設定値が遊技者にとって有利であるほど、残回数の表示において特定種類のキャラクタによる演出が行われやすくなるようにしてもよい。そのようにすれば、残回数の表示が実行されれば設定値示唆演出が行われるようになるため、遊技興趣を向上させることができる。
なお、上記した特徴部116AKの手段1の遊技機に適用できる特徴部116AKの手段2〜手段5に記載の遊技機は、上記した特徴部116AKの手段Aの遊技機にも適用することができる。
このような構成によれば、設定されている設定値にもとづいて有利状態の制御を実行可能に構成した遊技機において、遊技に対する興趣の低下を防止することができる。
(特徴部117AKに関する説明)
次に、本実施の形態の特徴部117AKについて説明する。図68−55は、特徴部117AKにて実行される設定示唆モード設定処理の一例を示すフローチャートである。図68−55に示す設定示唆モード設定処理は、ステップS9076の演出制御プロセス処理(より具体的には図55のステップS90161の処理の後など)にて実行される処理である。特徴部117AKでは、遊技店員などの遊技機の管理者(遊技管理者)による操作により、設定示唆(設定値を示唆する設定示唆演出)の実行割合や実行タイミング、示唆の方法などが異なる複数のモードからいずれかのモード(設定示唆モード)を選択可能である。すなわち、特徴部117AKでは、設定示唆に関する設定が可能である。具体的に、遊技店員などの遊技管理者により設定示唆モード設定用の設定示唆モードスイッチが押下されると(演出制御基板9012の、当該遊技管理者のみ操作可能な位置(例えばパチンコ遊技機901の裏側など)に設けられていればよい)、演出制御用CPU90120は、続けて行われる遊技管理者の操作にしたがって、設定示唆モードを選択する。図68−55に示す設定示唆モード設定処理は、設定示唆モードスイッチが押下されたことに基づいて、設定示唆モードをいずれかのモードに選択する処理である。なお、パチンコ遊技機901の裏側に設けられた設定示唆モードスイッチが押下された後は、画像表示装置905に当該複数の設定示唆モードが表示され、例えばスティックコントローラ9031Aやプッシュボタン9031Bに対する遊技管理者の操作により、いずれかの設定示唆モードが選択可能となっている。なお、この実施の形態では、設定示唆の実行割合、実行タイミング、示唆方法の組合せが予め設定された設定示唆モードを複数の中から選択する例を示しているが、例えば、設定示唆の実行割合、実行タイミング、示唆方法をそれぞれ個別に選択可能としてもよい。なお、例えば、当該設定示唆モード設定処理は、電源投入後、所定期間内(例えば3秒以内)に実行されるようにしてもよい。この場合、電源投入後所定期間内に設定示唆モードスイッチが押下されることで、いずれかの設定示唆モードが選択可能となればよい。
図68−55に示す設定示唆モード設定処理において、演出制御用CPU90120は、まず、設定示唆モード設定画面が画像表示装置905に表示中であるか否かを判定する(ステップ117AKS001)。設定示唆モード設定画面は、例えば図68−59(A)に示すように、複数用意された設定示唆モードを一覧表示し、遊技管理者による選択によりいずれかのモードを選択可能とする画面である。設定示唆モード設定画面が表示中でなければ(ステップ117AKS001;No)、主基板9011から設定示唆モード指定コマンドを受信しているか否かを判定する(ステップ117AKS002)。主基板9011から設定示唆モード指定コマンドを受信していなければ(ステップ117AKS002;No)、設定示唆モード設定処理を終了する。
主基板9011から設定示唆モード指定コマンドを受信していれば(ステップ117AKS002;Yes)、設定示唆モードをいずれかに選択するための設定示唆モード設定画面を画像表示装置905に表示させる(ステップ117AKS003)。続いて、ステップ117AKS001にて、設定示唆モード設定画面が表示中である場合や(ステップ117AKS001;Yes)、ステップ117AKS003の処理で設定示唆モード設定画面を表示した後には、操作手段により設定示唆モート゛の選択操作がなされたか否かを判定する(ステップ117AKS004)。設定示唆モードの選択操作がなければ(ステップ117AKS004;No)、設定示唆モード設定処理を終了する。
設定示唆モードの選択操作がなされた場合は(ステップ117AKS004;Yes)、例えば、RAM90122に設けられた演出制御用データ保持エリアの設定示唆モード格納領域に、選択された設定示唆モードを特定可能な情報を格納することにより、当該選択された設定示唆モードを記憶する(ステップ117AKS005)。なお、設定示唆モード格納領域には、初期値として、いずれかの設定示唆モードが格納されていればよい。例えば、初期値として「設定示唆モード2」が格納される。ステップ117AKS005の処理の後、設定示唆モード設定処理を終了する。ステップ117AKS005にて、設定示唆モードを格納したときには、画面表示装置5などにおいて、その設定示唆モードを遊技管理者が認識可能に表示するようにしてもよい。
特徴部117AKでは、図68−56に示すように、「設定示唆モード1」〜「設定示唆モード3」といった複数の設定示唆モードがあり、遊技店員など遊技管理者の操作に基づいていずれかの設定示唆モードが選択されることとなる。「設定示唆モード1」は、設定示唆の実行割合が最も高く、設定示唆の実行タイミングとしていつでも実行可能であり、示唆方法として、「音」、「画像」、「ランプ」、「振動」といった方法で設定示唆を実行可能なモードである。「設定示唆モード2」は、設定示唆の実行割合が「設定示唆モード1」よりも低く、後述する「設定示唆モード3」よりも設定示唆の実行割合が高いモードであり、設定示唆の実行タイミングとして変動中や大当り中といったタイミングに実行可能であり、示唆方法として「音」、「画像」、「振動」といった方法で設定示唆を実行可能なモードである。「設定示唆モード3」は、設定示唆の実行割合が最も低く、設定示唆の実行タイミングとして変動中のリーチ演出中や大当り中といったタイミングで実行可能であり、示唆方法として、「音」、「画像」といった方法で設定示唆を実行可能なモードである。すなわち、「設定示唆モード1」>「設定示唆モード2」>「設定示唆モード3」の順に実行割合が低くなり、かつ、実行タイミングも限定され、さらに、示唆方法についても少なくなる。このように、特徴部117AKにおける設定示唆モード設定処理では、設定示唆に関する様々な設定が可能となっている。そのため、設定示唆に関する設定により様々な態様の設定示唆が実行可能となり、演出効果を高めることができる。また、特徴部117AKにおける設定示唆モード設定処理では、遊技店員など遊技管理者による操作に基づいて設定示唆モードを設定可能であることから、遊技環境に合わせた設定が可能であり演出効果を高めることができる。なお、図示する例の他、例えば、設定値「3」であることが確定する設定示唆など、特定の内容を示唆する設定示唆についての実行割合を高くするか低くするか(実行するか否か設定も含む)の設定が可能であってもよい。
図68−57は、特徴部117AKにて実行される設定示唆パターン設定処理の一例を示すフローチャートである。図68−57に示す設定示唆パターン設定処理は、ステップS90170の可変表示開始待ち処理内にて実行される処理である。特徴部117AKでは、上述したように、遊技店員などの遊技機の管理者(遊技管理者)による操作により、設定示唆(設定値を示唆する設定示唆演出)の実行割合や実行タイミング、示唆の方法などが異なる複数のモードからいずれかのモード(設定示唆モード)を選択可能である。図68−57に示す設定示唆パターン設定処理では、当該遊技管理者により設定された設定示唆モードに応じた範囲内において、具体的な設定示唆の実行タイミング、示唆方法、画像表示装置905における表示位置(画像表示位置)などの設定示唆のパターン(設定示唆パターン)を、遊技者の操作(スティックコントローラ9031Aやプッシュボタン9031Bに対する操作)に応じて設定する。特徴部117AKにおける設定示唆パターン設定処理では、設定示唆モードに応じた設定示唆パターンを、遊技者の操作に応じて複数の中から選択する処理を実行する。すなわち、特徴部117AKでは、まず、遊技店員などの遊技管理者により設定示唆モードが設定され、その後当該遊技管理者により設定された設定示唆モードに応じた設定示唆パターンが遊技者により設定される。そのため、遊技者は遊技店員など遊技管理者により設定された範囲内において設定示唆パターンを設定可能となることから、遊技環境に合わせた設定が可能であり演出効果を高めることができる。なお、設定示唆モードおよび設定示唆パターンのいずれも、遊技管理者により設定可能であってよい。また、設定示唆モードおよび設定示唆パターンのいずれも遊技者により設定可能であってもよい。これによれば、遊技者により設定示唆に関する様々な設定が可能となり、演出効果を高めることができる。なお、この実施の形態では、設定示唆の実行タイミング、示唆方法、画像表示位置の組合せが予め設定された設定示唆パターンを複数の中から選択する例を示しているが、例えば、実行タイミング、示唆方法、画像表示位置をそれぞれ個別に選択可能としてもよい。
図68−57に示す設定示唆パターン設定処理において、演出制御用CPU90120は、まず、設定示唆パターン設定画面が画像表示装置905に表示中であるか否かを判定する(ステップ117AKS101)。設定示唆パターン設定画面は、例えば図68−59(B)に示すように、複数用意された設定示唆パターンを一覧表示し、遊技者による選択によりいずれかの設定示唆パターンを選択可能とする画面である。設定示唆パターン設定画面が表示中でなければ(ステップ117AKS101;No)、主基板9011から客待ちデモ指定コマンドを受信しているか否かを判定する(ステップ117AKS102)。主基板9011から客待ちデモ指定コマンドを受信していなければ(ステップ117AKS102;No)、設定示唆パターン設定処理を終了する。
客待ちデモ指定コマンドは、特図ゲームの保留記憶数が「0」である場合に主基板9011の側にてデモ表示設定が行われることで送信されるコマンドである。デモ表示設定では、例えば画像表示装置905において所定の演出画像を表示することなどによるデモンストレーション表示(デモ画面表示)を指定する演出制御コマンド(客待ちデモ指定コマンド)が、主基板9011から演出制御基板9012に対して送信済みであるか否かが判定され、送信済みであれば、そのままデモ表示設定を終了し、未送信であれば、客待ちデモ指定コマンドを送信する処理が行われる。なお、デモ画面表示を開始する契機としては、この例に限定されず、特図ゲームの保留記憶数が「0」になってからの時間を演出制御基板9012の側で計測し、一定期間(例えば30秒など)が経過したらデモ画面表示を開始するための処理を実行するようにしてもよい。また、特図ゲームの保留記憶数が「0」になってからの時間を主基板9011の側で計測し、一定期間が経過したら客待ちデモ指定コマンドを送信して、演出制御基板9012の側でデモ画面表示を行うようにしてもよい。また、演出制御基板9012の側で、変動終了後に所定期間、主基板9011から演出制御コマンドを受信しなかった場合には、遊技者が遊技中でないと判別し、デモ画面表示を開始するようにしてもよい。この他、デモ画面表示を開始する際の制御は、客待ち中にデモ画面を表示できるものであれば任意でよい。
主基板9011から客待ちデモ指定コマンドを受信していれば(ステップ117AKS102;Yes)、設定示唆パターン設定画面を表示されるための操作が遊技者から行われたか否か、すなわち、設定示唆パターン設定画面移行操作が行われたか否かを判定する(ステップ117AKS103)。設定示唆パターン設定画面移行操作は、遊技者によるスティックコントローラ9031Aやプッシュボタン9031Bの操作により行われればよい。設定示唆パターン設定画面移行操作が行われていない場合(ステップ117AKS103;No)、演出制御用CPU90120は、設定示唆パターン設定処理を終了する。
一方、設定示唆パターン設定画面移行操作が行われた場合(ステップ117AKS103;Yes)、演出制御用CPU90120は、設定示唆パターンをいずれかに選択するための設定示唆パターン設定画面を、図68−55に示す設定示唆モード設定処理にて設定された設定示唆モードに応じて画像表示装置905に表示させる(ステップ117AKS104)。具体的に、ステップ117AKS104では、設定された設定示唆モードを設定示唆モード格納領域を確認することにより特定し、当該設定された設定示唆モードに応じて図68−58に示す設定示唆パターンの一覧を、設定示唆パターン設定画面として選択可能に表示する。図示するように、この実施の形態では、設定示唆パターンとしてパターン1〜パターン3といったパターンが用意されており、設定示唆モードに応じて同じパターンであっても内容が異なるものとなっている。また、図示するように、この実施の形態では、設定示唆モードが異なっていても、設定示唆パターンが同一であれば設定示唆の実行タイミングは共通するものとなっている(すなわち、一部の内容については設定示唆モードに関わらず共通である)。そのため、設定示唆の実行タイミングが複雑化して遊技者を混乱させてしまうことを防止することができる。なお、実行タイミングだけでなく、設定示唆モードに関わらず共通の設定示唆パターン(内容が全て共通するパターン4の設定示唆パターンなど)が用意されていてもよい。その他、同じ設定示唆パターンであっても、実行タイミングを含む全ての内容が設定示唆モードに応じて異なるようにしてもよい。図68−59(B)に示す例では、設定示唆モードが設定示唆モード2である場合の例を示しており、図68−58(B)に示すパターン1〜パターン3の内容の設定示唆設定画面が表示された場合の例を示している。図68−57のステップ117AKS104の処理では、このような設定示唆設定画面を表示する。
続いて、ステップ117AKS101にて、設定示唆パターン設定画面が表示中である場合や(ステップ117AKS101;Yes)、ステップ117AKS104の処理で設定示唆モードに対応した設定示唆パターン設定画面を表示した後には、操作手段により設定示唆パターンの選択操作がなされたか否かを判定する(ステップ117AKS105)。設定示唆パターンの選択操作がなければ(ステップ117AKS105;No)、設定示唆パターン設定処理を終了する。
設定示唆パターンの選択操作がなされた場合は(ステップ117AKS105;Yes)、例えば、RAM90122に設けられた演出制御用データ保持エリアの設定示唆パターン格納領域に、選択された設定示唆パターンを特定可能な情報を格納することにより、当該選択された設定示唆パターンを記憶する(ステップ117AKS106)。なお、設定示唆パターン格納領域には、初期値として、いずれかの設定示唆パターンが格納されていればよい。例えば、初期値として「パターン2」が格納される。ステップ117AKS106の処理の後、設定示唆パターン設定処理を終了する。ステップ117AKS106にて、設定示唆パターンを格納したときには、画面表示装置5などにおいて、その設定示唆パターンを遊技者が認識可能に表示するようにしてもよい。
(特徴部117AKの変形例)
上記実施の形態では、図68−57における設定示唆パターン設定処理において、設定された設定示唆モードの範囲内において遊技者が設定示唆に関する具体的な設定を行う例を示したが、これは一例である。これに加え、例えば、あるミッション(課題または指令)を遊技者が認識可能に報知するミッション報知演出が行われてもよく、達成すべきミッションを遊技者により設定可能としてもよい。ミッションを報知する演出動作としては、例えば画像表示装置905の表示画面に達成条件を示す演出画像を表示するものや、遊技者が達成条件を認識できる音声をスピーカ908L、908Rから出力するもの、遊技効果ランプ909や装飾用LEDに含まれる所定のランプやLEDを点灯させて達成条件を報知するもの、遊技領域内または遊技領域外に設けられた演出用役物が備える可動部材を動作させることにより達成条件を報知するもの、あるいは、これらの一部または全部を組み合わせて達成条件を遊技者に提示できるものであればよい。このミッション報知演出において報知されるミッション(すなわち達成すべきミッション)に、設定示唆の実行というミッションが含まれていてもよく(その他、スーパーリーチAの実行や、擬似連の可変表示演出の実行などといったミッションなど、複数種類のミッションが用意されていればよい)、複数のミッションが表示されるミッション一覧から、遊技者の選択操作により選択されたミッションが、達成すべきミッションとして設定されればよい。
ミッション報知演出により報知されたミッションが達成されたときには、ミッション達成時演出を実行する。ミッション達成時演出の実行態様(出現可能な所定表示態様)は、遊技者により設定されたミッションの種類に応じた態様であればよく、例えば、達成されたミッションが設定示唆の実行であれば、当該実行された設定示唆の実行態様に応じた態様のミッション達成時演出が実行されればよい。また、ミッション報知演出により報知されたミッションが達成されないことが確定したときには、ミッション失敗時演出を実行することができればよい。なお、報知されたミッションが達成されないときでも、可変表示結果が「大当り」となることや、特定の変動パターンによるリーチ演出などが実行されて所定表示態様となることがあってもよい。このように、達成条件として提示されるミッションは、それが達成されたことに基づいて、可変表示結果が「大当り」となることや、特定の変動パターンによるリーチ演出などが実行されて所定表示態様となることが確定する一方で、ミッションが達成されないときでも可変表示結果が「大当り」となる可能性や特定の変動パターンによるリーチ演出を実行する可能性があるものであればよい。あるいは、ミッションが達成されたときでも、可変表示結果が「大当り」とならないことや特定の変動パターンによるリーチ演出が実行されないことがあるようにしてもよい。この場合、可変表示結果が「大当り」とならないときや特定の変動パターンによるリーチ演出が実行されないときには、可変表示結果が「大当り」となるときや特定の変動パターンによるリーチ演出が実行されるときに比べて、ミッションが報知される可能性を十分に低下させて、ミッションが達成されたときに可変表示結果が「大当り」となることや特定の変動パターンによるリーチ演出が実行されることへの遊技者の期待感を高めるようにすればよい。
(特徴部117AKに係る手段の説明)
以上の特徴部117AKに関して、従来、遊技に関する設定を変更可能な遊技機として、例えば特開2010−200902号公報に記載されているものがある。特開2010−200902号公報には、設定値にもとづく演出の表示制御を行い、キリン、ゾウ、ライオンの各キャラクタ画像を表示させる処理を所定のタイミングで実行することが記載されている。また、所定のタイミングとは、例えば特別図柄の変動時などが考えられるが、さらに定期的(全変動時、所定変動回数ごとなど)でもよいし、不定期(乱数抽選で当選した場合など)であってもよいことが記載されている。しかしながら、特開2010−200902号公報に記載の遊技機にあっては、設定されている設定値にもとづいて有利状態の制御を実行可能に構成した遊技機において、必ずしも演出効果を高めることはできない。そこで、演出効果を高めることが可能な遊技機を提供するための特徴部117AKに係る手段1の遊技機として、
遊技を行う遊技機(例えばパチンコ遊技機901など)であって、
遊技者にとって有利度が異なる複数種類の設定値のうちから、いずれかの設定値(例えば設定値1〜3のいずれかなど)を設定可能であり、
設定されている設定値に応じて示唆演出を実行可能な示唆演出実行手段(例えば設定されている設定値に応じて異なる割合で設定示唆を実行するなど)と、を備え、
操作手段の操作にもとづいて前記示唆演出の実行態様に関する設定が可能な実行態様設定手段(例えば設定示唆モード設定処理を実行する演出制御用CPU90120など)と、
を備えることを特徴とする遊技機であってもよい。
このような構成によれば、演出効果を高めることができる。
特徴部117AKに係る手段2の遊技機として、
前記実行態様設定手段は、遊技店員による前記操作手段の操作にもとづいて前記示唆演出の実行態様に関する設定が可能である(例えば遊技店員などの操作にもとづいて設定示唆モード設定処理を実行可能であるなど)、
ことを特徴とする特徴部117AKに係る手段1の遊技機であってもよい。
このような構成によれば、遊技環境に合わせた設定が可能であり演出効果を高めることができる。
特徴部117AKに係る手段3の遊技機として、
前記実行態様設定手段は、遊技者による前記操作手段の操作にもとづいて前記示唆演出の実行態様に関する設定が可能である(例えば設定示唆設定処理を実行する演出制御用CPU90120など)、
ことを特徴とする特徴部117AKに係る手段1または手段2の遊技機であってもよい。
このような構成によれば、演出効果を高めることができる。
特徴部117AKに係る手段4の遊技機として、
前記実行態様設定手段は、遊技店員により設定された範囲内で、遊技者による前記操作手段の操作にもとづいて前記示唆演出の実行態様に関する設定が可能である(例えば遊技管理者により設定された設定示唆モードに応じた設定示唆パターンが遊技者により設定されるなど)、
ことを特徴とする特徴部117AKに係る手段1〜手段3のいずれかの遊技機であってもよい。
このような構成によれば、遊技環境に合わせた設定が可能であり演出効果を高めることができる。
特徴部117AKに係る手段5の遊技機として、
所定条件が成立したときに条件達成を報知する条件達成報知を実行可能な条件達成報知実行手段(例えばミッション達成時演出を実行する演出制御用CPU90120など)をさらに備え、
前記条件達成報知実行手段は、実行された前記示唆演出の種類に応じた態様の前記条件達成報知を実行可能である(例えば達成されたミッションが設定示唆の実行であれば、当該実行された設定示唆の実行態様に応じた態様のミッション達成時演出が実行されるなど)、
ことを特徴とする特徴部117AKに係る手段1〜手段4のいずれかの遊技機であってもよい。
このような構成によれば、演出効果を高めることができる。
特徴部117AKに係る手段6の遊技機として、
いずれの設定値に設定されているかを特定可能な設定値情報(例えば、設定値コマンド)を出力可能な情報出力手段(例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ90100におけるステップ121IWS031,S108を実行する部分)と、
前記情報出力手段から入力された前記設定値情報にもとづいて、示唆演出(例えば、初期出目演出)を実行可能な示唆演出実行手段(例えば、演出制御用CPU90120におけるステップ121IWS308〜S315を実行する部分)と、を備え、
前記示唆演出実行手段は、
前記示唆演出として第1示唆演出(例えば、特殊初期出目による初期出目演出)と第2示唆演出(例えば、偶数初期出目による初期出目演出)とを実行可能であり、
前記設定値情報が正常に入力されなかった場合、前記示唆演出として前記第1示唆演出を実行せず、前記示唆演出として前記第2示唆演出を実行可能である(例えば、演出制御用CPU90120は、ステップ121IWS313を実行することにより、特殊初期出目による初期出目演出を実行しない)、
ことを特徴とする特徴部117AKに係る手段1〜手段5のいずれかの遊技機であってもよい。
このような構成によれば、設定されている設定値にもとづいて有利状態の制御を実行可能に構成した遊技機において、遊技に対する興趣の低下を防止することができる。
(特徴部118AKに関する説明)
次に、本実施の形態の特徴部118AKについて説明する。図68−60は、特徴部118AKにて実行される可変表示開始設定処理の一例を示すフローチャートである。図示するように、特徴部118AKにて実行される可変表示開始設定処理では、特徴部114AKにて実行される可変表示開始設定処理とは異なり、ステップ118AKS001における選択演出実行設定処理を実行する。また、特徴部118AKにて実行される可変表示開始設定処理では、特徴部114AKにて実行される可変表示開始設定処理におけるステップ114AKS001の所定演出実行設定処理(図68−35参照)に代えて、ステップ118AKS002にて設定示唆実行設定処理を実行する。なお、その他の処理については、特徴部114AKにて実行される可変表示開始設定処理と同様であるため、説明を省略する。ステップ118AKS002における設定示唆実行設定処理は、設定示唆(設定値を示唆する設定示唆演出)の実行設定を行う処理である点で、特徴部115AKおよび特徴部116AKにおける設定示唆実行設定処理と共通するが、特徴部115AKにおける設定示唆は、可変表示中に行われる演出で、所定条件が成立する場合に、当該所定条件が成立しない場合よりも高い割合で実行される演出であり、特徴部116AKにおける設定示唆は、特徴部115AKのような所定条件に関わらず実行される演出であり、実行態様に応じて遊技者の認識しやすさが異なる演出である。これに対し、特徴部118AKにおける設定示唆は、ステップ118AKS001にて設定された選択演出の実行中(より具体的には演出設定が行われる前の選択肢が表示されている期間中)に行われる演出であり、当該選択演出に関連する演出である点で相違する。特徴部118AKにおけるステップ118AKS002の設定示唆実行設定処理では、このように、特徴部115AKや特徴部116AKとは異なる設定示唆の実行設定を行う。
図68−61は、図68−60のステップ118AKS001にて行われる選択演出実行設定処理の一例を示すフローチャートである。選択演出は、複数回の変動に亘って遊技者に対して選択肢(質問内容とその選択内容(回答)とを含む)を段階的に表示し、遊技者によるスティックコントローラ9031Aやプッシュボタン9031Bの操作により選択された回答パターン(表示した選択肢に対する回答のパターン)に従って、その後に実行される演出の種類を設定する(演出設定を行う)演出である。すなわち、特徴部118AKにおける選択演出では、遊技者による選択肢の選択パターン(表示した選択肢に対する回答のパターン)に応じた演出設定を行うため、遊技者の性格や嗜好性に沿った演出設定を行うことが可能である。また、選択演出は、複数の変動に亘って実行されることから(変動中に行われる演出の一貫として行われることから)、選択操作に対する遊技者の参加率を高めることができる。なお、選択演出には、選択肢を段階的に表示する演出の他、演出設定が行われた後の変動において実行される、当該演出設定に応じた態様の演出が含まれる。すなわち、選択演出には、演出設定前における選択肢を段階的に表示する演出に加え、演出設定が行われた後に行われる当該演出設定に応じた態様の演出が含まれる。このように、特徴部118AKの選択演出は、複数の変動に亘って遊技者の性格や嗜好性に沿った演出設定を行うことが可能な演出であり、これにより演出効果を高めることができる。
図68−61に示す選択演出実行設定処理において、演出制御用CPU90120は、まず、設定完了フラグがオン状態にセットされているか否かを判定する(ステップ118AKS002)。設定完了フラグは、RAM90122の所定領域に設けられており、遊技者による選択肢の選択が終了して演出設定が完了したことを示すフラグである。設定完了フラグは、最終段階の選択肢に対する選択がなされたことによりオン状態にセットされ、客待ちデモ演出が実行されることによりオフ状態にクリアされる。設定完了フラグは、この他にも、例えば、発射操作が所定期間行われていないことなど、非遊技時間の長さによりクリアされればよい。特徴部118AKでは、設定完了フラグがオフ状態であることを条件に選択肢を表示し、演出設定を行う。
設定完了フラグがオフ状態であれば(ステップ118AKS002;No)、演出制御用CPU90120は、設定中フラグがオン状態にセットされているか否かを判定する(ステップ118AKS003)。設定中フラグは、RAM90122の所定領域に設けられており、遊技者による選択肢の選択中であるか否かを示すフラグである。なお、設定中フラグは、後述するステップ118AKS004にて開始時選択肢(第1段階の選択肢)が表示されたことによりオン状態にセットされ、最終段階の選択肢が表示されたことにより、ステップ118AKS109にてオフ状態にセットされる(合わせて設定完了フラグがオン状態にセットされる)。
設定中フラグがオフである場合(ステップ118AKS003;No)、演出制御用CPU90120は、客待ち状態から変動状態に移行した際に実行された可変表示(変動)であるとして、開始時選択肢(第1段階の質問内容とその回答)を画像表示装置905に表示する設定を行い(ステップ118AKS004)、選択演出実行設定処理を終了する。一方、設定中フラグがオンである場合(ステップ118AKS003;Yes)、演出制御用CPU90120は、選択段階(種類も含む)および選択内容に応じた選択肢(前回表示された質問内容とその選択内容(回答)に応じた選択肢)を表示する選択肢表示設定を行い(ステップ118AKS005)、選択演出実行設定処理を終了する。具体的に、ステップ118AKS005の処理では、図68−62に示すように、選択段階(種類も含む)と選択内容に応じた選択肢(質問内容とその選択内容(回答)とを含む)を表示する設定を行う。この実施の形態では、表示した選択肢の段階(種類も含む)と遊技者による選択内容(回答)が記憶される。そして、この実施の形態では、図68−62に示すように、前回表示した選択肢の段階(種類も含む)とその選択内容(回答)に応じて(すなわち前回の質問内容とその回答に応じて)、予め表示すべき選択肢のパターンが用意されている。より具体的に、例えば、開始時選択肢にて「Yes」が選択された場合、次の変動の開始時に実行されるステップ118AKS005において、図68−62に示すように、第2段階の選択肢Aが表示されることとなる。また、第2段階の選択肢A(選択肢の段階が第2段階で種類が選択肢A)にて「Yes」が選択された場合には、次の変動において第3段階の選択肢Aが表示される設定が行われ、「No」が選択された場合には、第3段階の選択肢Bが表示される設定が行われる。なお、この実施の形態では、「Yes」または「No」といった態様の答えだけでなく、例えば、第3段階の選択肢Aに示すように「朝」や「夜」といった態様の答えなど、より遊技者の嗜好に沿った回答が可能な態様(具体的態様)が用意されている(図68−62の第3段階の選択肢Dについても同様)。また、図示する例では、回答が2択であるが、例えば、第3段階の選択肢Aに示すように「朝」や「夜」といった態様の回答に加え、さらに「どちらも不得意」といった態様の回答を用意し、3択としてもよい。このように、図68−61のステップ118AKS005では、図68−62に示すパターンに従い、表示した選択肢の段階(種類も含む)とその選択内容(選択結果)に応じて(すなわち前回の質問内容とその回答に応じて)、今回の変動において表示すべき選択肢を表示する設定を行う。なお、この実施の形態では、図68−62に示すように、第3段階を最終段階の選択肢として、第1段階である開始時選択肢から第3段階までの選択肢に対する回答に応じて、設定A〜設定Hの演出設定がそれぞれ行われる例を示している。なお、選択肢の表示段階は第3段階に限られず、より多くの段階を設けてもよいし、設定数においても同様である。また、最終段階にて異なる選択肢が表示される場合であっても、設定される演出設定が同じでとなるパターンがあってもよい。なお、この実施の形態において、設定A〜設定Hといった演出は、遊技者の選択パターンに応じて決定され、実行される演出の内容や背景、出力音量や発光するライトの輝度などがそれぞれ異なっている。具体的に、特徴部118AKでは、遊技者の選択パターンに応じて遊技者のタイプ別に設定A〜設定Hのいずれかに決定する。例えば、選択肢の選択パターンとして、図68−62に示す第2段階の選択肢Bにて「Yes」と選択し、第3段階の選択肢Cにて「Yes」と選択した遊技者については、活発的なタイプの遊技者として「設定E」に決定する。「設定E」では、演出内容としてバトル演出を、背景として原色系の色を使用し、出力音量を他の設定よりも大きくするなど、一般的に、活発的な遊技者が好む傾向の演出設定が行われる。また、例えば、第2段階の図68−62に示す第2段階の選択肢Aにて「Yes」と選択し、第3段階の選択肢Aにて「Yes」と選択した遊技者については、慎重派なタイプの遊技者として「設定A」に決定する。「設定A」では、演出内容として大当り期待度を例えば星の数で表示するなど、遊技者に期待度を認識しやすい態様で報知する演出を実行する。その他、背景や出力音量などについてはその他の演出設定と同様であっても異なっていてもよい。すなわち、遊技者のタイプ別に、当該タイプの遊技者であれば好むであろうと想定される演出内容が、設定A〜設定Hに予め設定されていればよい。なお、例えば、遊技の途中において、決定された演出設定の内容が遊技者の嗜好に合っていない場合には、他の演出設定に変更可能としてもよい。この場合には、変更前の演出設定と変更後の演出設定の内容を記憶しておき、学習により選択肢および演出設定を増加することが可能であってもよい。例えば、図68−62に示す第3段階の選択肢Cにて「Yes」と回答され「設定E」に決定された場合であって、遊技者がバトル演出を好まない割合が高くなったときには、例えば「格闘漫画は好きですか?」などといった選択肢を追加し、この回答に応じて「設定E1」と「設定E2」を追加するようにしてもよい。
一方、設定完了フラグがオン状態である場合(ステップ118AKS002;Yes)、演出制御用CPU90120は、図68−62に示す設定A〜設定Hのいずれかの設定に応じた演出を実行する設定を行い(ステップ118AKS006)、選択演出実行設定処理を終了する。なお、ステップ118AKS004やステップ118AKS005の処理では、選択演出として選択肢を表示する期間およびその回答期間についても設定される(選択演出期間が設定される)。また、ステップ118AKS006では、設定された演出設定に応じた演出を実行する期間が、選択演出期間として設定される。なお、遊技者による操作が行われない場合には、回答期間の終了時に任意の回答が選択されればよい。
図68−60に戻り、ステップ118AKS001の選択演出実行設定処理を実行した後、演出制御用CPU90120は、設定示唆実行設定処理を実行する(ステップ118AKS002)。図68−63は、特徴部118AKにて実行される設定示唆実行設定処理の一例を示すフローチャートである。設定示唆実行設定処理において、演出制御用CPU90120は、まず、設定完了フラグがオン状態にセットされているか否かを判定する(ステップ118AKS002)。特徴部118AKでは、演出設定が行われる前の、選択肢が表示される選択演出の実行中に、設定値を示唆する演出である設定示唆が行われる。そのため、ステップ118AKS002では、設定完了フラグがオン状態にセットされているか否かを確認することで、演出設定が既に行われているか否かを判定している。選択完了フラグがオンである場合(ステップ118AKS010;Yes)、すなわち既に演出設定が行われている場合、演出制御用CPU90120は、設定示唆を実行可能な期間ではないとして、そのまま設定示唆実行設定処理を終了する。
一方、選択完了フラグがオフである場合(ステップ118AKS010;No)、演出制御用CPU90120は、設定示唆を実行可能な期間であるとして、設定示唆の実行有無を決定する(ステップ118AKS011)。具体的に、ステップ118AKS011の処理では、可変表示結果に基づいて、図68−64に示す決定割合に従って、設定示唆の実行有無を決定する。この実施の形態における設定演出は、選択演出にて選択肢が表示されている期間に実行される演出であり、実行された場合には実行されない場合よりも大当り期待度の高い演出となっている。また、ステップ118AKS002の処理では、例えば、設定示唆が実行されるタイミングが遅いほど期待度が高くなるように、実行する場合における実行タイミングについても複数タイミングのうちからいずれかのタイミングを決定するようにしてもよい。具体的に、特徴部118AKにおける設定示唆は、選択演出にて選択肢が表示されている期間中に行われる演出であり、選択肢は、第1段階から第3段階(最終段階)まで、すなわち3回の変動に亘って表示される。そのため、例えば、第1段階の選択肢や第2段階の選択肢が表示されるタイミングで設定示唆が行われるよりも最終段階である第3段階の選択肢が表示されるタイミングで設定示唆が行われた方が、大当り期待度が高くなるようにしてもよい。なお、この実施の形態では、第1段階の選択肢が表示されるタイミング、すなわち開始時選択肢が表示されるタイミングでは設定示唆が行われないこととなっている(図68−60にて設定中フラグがオンである場合にのみステップ118AKS002の処理が行われればよい)。これにより、最初の選択肢で設定示唆が行われてしまうことで遊技者の選択意欲が減少してしまうことを防止することができる。また、第1段階の選択肢が表示されるタイミングにおいても設定示唆が行われるようにしてもよい。また、この実施の形態では、第2段階の選択肢が表示されるタイミングと、第3段階の選択肢が表示されるタイミング、といった複数のタイミングにおいて設定示唆を実行可能であるが、いずれか一のタイミングのみ実行可能としてもよい。
また、可変表示結果に代えて、設定されている設定値に応じて設定示唆の実行割合が異なっていてもよい。例えば、設定値が「3」である場合>設定値が「2」である場合>設定値が「1」である場合、といった順に、設定示唆の実行割合が低くなっていてもよい。さらに、可変表示結果に加えて、設定されている設定値に応じて設定示唆の実行割合が異なっていてもよい。例えば、可変表示結果が「大当り」であり、設定値が「3」である場合>可変表示結果が「ハズレ」であり、設定値が「3」である場合>可変表示結果が「大当り」であり、設定値が「2」である場合>可変表示結果が「ハズレ」であり、設定値が「2」である場合>可変表示結果が「大当り」であり、設定値が「1」である場合>可変表示結果が「ハズレ」であり、設定値が「1」である場合、といった順に、設定示唆の実行割合が低くなっていてもよい。
図68−63に戻り、ステップ118AKS011の処理を実行した後、演出制御用CPU90120は、ステップ118AKS011にて設定示唆を実行すると決定したか否か、すなわち設定示唆実行有りか否かを判定する(ステップ118AKS012)。設定実行示唆なしの場合、すなわちステップ118AKS011にて設定示唆を実行しないと決定した場合(ステップ118AKS012;No)、演出制御用CPU90120は、そのまま設定示唆実行設定処理を終了する。一方、ステップ118AKS011にて設定示唆を実行すると決定した場合、すなわち設定示唆有りの場合(ステップ118AKS012;Yes)、演出制御用CPU90120は、設定示唆の実行態様(設定示唆態様)を決定し(ステップ118AKS013)、設定示唆実行設定処理を終了する。具体的に、ステップ118AKS013の処理では、設定されている設定値に基づいて、図68−65に示す決定割合に従って、「設定示唆態様1(キャラA)」〜「設定示唆態様3(キャラC)」のいずれかを、設定示唆の実行態様として決定する。
この実施の形態における「設定示唆態様1(キャラA)」は、キャラクタAの画像を選択肢の表示上に表示する態様であり、設定値が「1」であることを示唆する態様である。「設定示唆態様2(キャラB)」は、キャラクタBの画像を選択肢の表示上に表示する態様であり、設定値が「2」であることを示唆する態様である。「設定示唆態様3(キャラC)」は、キャラクタBの画像を選択肢の表示上に表示する態様であり、設定値が「3」であることを示唆する態様となっている。この他にも、設定値そのものではなく、例えば、設定値が「1」ではないことを示唆したり、高設定値であること、偶数の設定値であることや奇数の設定値であること、をそれぞれの態様によって示唆するようにしてもよい。
図68−65に示すように、特徴部118AKでは、設定されている設定値に応じて異なる実行割合で、異なる態様により設定示唆を実行可能に決定割合が設定されている。したがって、設定値に応じて異なる種類の設定示唆が、異なる実行割合で実行されることから、演出効果を高めることができる。また、図68−65に示すように、「設定示唆態様3(キャラC)」の態様の設定示唆は、設定値「3」である場合にのみ決定される。そのため、「設定示唆態様3(キャラC)」の設定示唆が行われた場合には、設定値「3」であることが確定することになる。これに対し、「設定示唆態様1(キャラA)」および「設定示唆態様2(キャラB)」の設定示唆は、設定値がいずれであっても決定される。そのため、「設定示唆態様1(キャラA)」の設定示唆、または「設定示唆態様2(キャラB)」の設定示唆が行われた場合と、「設定示唆態様3(キャラC)」の設定示唆が行われた場合とでは、示唆の信頼度が異なるものとなっている。すなわち、実行される設定示唆態様により、示唆の信頼度が異なるものとなっている。したがって、信頼度が異なる種類の設定示唆が実行可能であり、演出効果を高めることができる。
このように、特徴部118AKでは、選択演出の実行設定が行われた後、変動中に選択肢が表示される場合に、設定値に応じて異なる割合で異なるキャラクタ画像を選択肢の表示上に表示する設定示唆の実行設定が行われることとなる。これにより、選択演出における選択肢の表示中に、設定値に応じて異なる割合で、異なる態様の設定示唆を実行することができ、演出効果を高めることができる。なお、設定示唆は、キャラクタ画像に限られず、メッセージ表示やランプの点灯、音声出力など、様々な実行態様により行われてもよい。
図68−66は、特徴部118AKにて実行される可変表示中演出処理の一例を示すフローチャートである。可変表示中演出処理において、演出制御用CPU90120は、まず、演出制御プロセスタイマのタイマ値などに基づいて、変動パターンに対応した可変表示時間が経過したか否かを判定する(ステップS90801)。演出制御用CPU90120は、例えば、演出制御プロセスタイマのタイマ値を更新(例えば、1減算)し、更新後の演出制御プロセスタイマ値に対応して演出制御パターンから終了コードが読み出されたときなどに、可変表示時間(変動時間)が経過したと判定すればよい。
ステップS90801にて可変表示時間が経過していないと判定した場合(ステップS90801;No)、演出制御用CPU90120は、リーチ演出を実行するためのリーチ演出期間であるか否かを判定する(ステップS90804)。リーチ演出期間は、例えば、変動パターンに応じて決定された演出制御パターンにおいて、予め定められていればよい。リーチ演出期間であると判定した場合(ステップS90804;Yes)、演出制御用CPU90120は、リーチ演出用の背景画像を表示するなど、リーチ演出を実行するための制御を行う(ステップS90805)。
ステップS90805の処理の実行後、または、リーチ演出期間でないと判定した場合(ステップS90804;No)、演出制御用CPU90120は、選択演出期間であるか否かを判定する(ステップ118AKS101)。当該選択演出期間の始期は、図68−61のステップ118AKS003またはステップ118AKS004の処理にて決定された、選択肢を表示するタイミング(選択肢表示タイミング)または設定内容に応じた演出の実行タイミングであり、当該演出期間の長さは、それぞれの演出に応じてステップS90532の処理にて決定された演出制御パターンにおいて予め定められていればよい。
選択演出期間であると判定した場合(ステップ118AKS101;Yes)、演出制御用CPU90120は、設定完了フラグがオン状態にセットされているか否かを判定する(ステップ118AKS102)。設定完了フラグがオフである場合(ステップ118AKS102;No)、続いて設定中フラグがオン状態であるか否かを判定する(ステップ118AKS103)。設定中フラグは、RAM90122の所定領域に設けられており、遊技者による選択肢の選択中であるか否かを示すフラグである。なお、設定中フラグは、開始時選択肢(第1段階の選択肢)が表示されたことによりオン状態にセットされ、最終段階の選択肢が表示されたことによりオフ状態にセットされる(合わせて設定完了フラグがオン状態にセットされる)。設定中フラグがオフである場合(ステップ118AKS103;No)、演出制御用CPU90120は、客待ち状態から変動状態に移行した際に実行された可変表示(変動)であるとして、開始時選択肢を画像表示装置905に表示するとともに、設定中フラグをオン状態にセットする(ステップ118AKS104)。なお、ステップ118AKS104にて表示された選択肢について、遊技者の選択操作が行われると(選択操作が行われず回答期間が終了した場合も含む)、その内容(表示した選択肢の段階(種類も含む)と遊技者による選択内容(回答))を記憶するとともに、当該選択肢の表示が消去されればよい。
一方、設定中フラグがオンである場合(ステップ118AKS103;Yes)、演出制御用CPU90120は、前回表示された選択肢とその選択内容(回答)に応じた選択肢を表示する(ステップ118AKS105)。例えば、ステップ118AKS105では、前回表示された選択肢が図68−62に示す開始時選択肢であり、その選択内容(回答)が「Yes」である場合、第2段階の選択肢Aの選択肢を表示する。また、前回表示された選択肢が図68−62に示す第2段階の選択肢Aの選択肢であり、その選択内容(回答)として「Yes」が選択された場合には、第3段階の選択肢Aを表示する。図68−66に示すステップ118AKS105の処理を実行した後、演出制御用CPU90120は、設定示唆期間であるか否かを判定する(ステップ118AKS106)。当該設定示唆期間の始期は、図68−63のステップ118AKS011の処理にて決定されていればよく、当該設定示唆期間の長さは、設定示唆の実行態様に応じてステップS90532の処理にて決定された演出制御パターンにおいて予め定められていればよい。なお、設定示唆期間の始期についても、設定示唆の実行態様に応じて異なるようにしてもよい。なお、ステップ118AKS105にて表示された選択肢について、遊技者の選択操作が行われると(選択操作が行われず回答期間が終了した場合も含む)、その内容(表示した選択肢の段階(種類も含む)と遊技者による選択内容(回答))を記憶するとともに、当該選択肢の表示が消去されればよい。また、表示された選択肢が最終段階の選択肢である場合には、選択内容に応じた演出設定を記憶する。
設定示唆期間である場合(ステップ118AKS106;Yes)、演出制御用CPU90120は、図68−63のステップ118AKS013にて決定された態様の設定示唆を実行する(ステップ118AKS107)。ステップ118AKS107の処理を実行した後、またはステップ118AKS106にて設定示唆期間ではないと判定した場合(ステップ118AKS106;No)、演出制御用CPU90120は、ステップ118AKS105の処理にて表示した選択肢が最終段階の選択肢であるか否かを判定する(ステップ118AKS108)。表示した選択肢が最終段階の選択肢である場合(ステップ118AKS108;Yes)、演出制御用CPU90120は、設定中フラグをオフ状態にクリアするとともに、設定完了フラグをオン状態にセットする(ステップ118AKS109)。
ステップ118AKS102にて設定完了フラグがオン状態であると判定した場合(ステップ118AKS102;Yes)、演出制御用CPU90120は、設定内容に応じた演出制御、すなわち設定A〜設定Hのいずれかの演出設定に応じた演出を実行する制御を行う(ステップ118AKS110)。
ステップ118AKS110、ステップ118AKS104、ステップ118AKS109のいずれかの処理を実行した後、ステップ118AKS101にて選択演出期間でないと判定した場合(ステップ118AKS101;No)、またはステップ118AKS108にて最終段階ではないと判定した場合(ステップ118AKS108;No)、演出制御用CPU90120は、変動パターンに対応して決定された演出制御パターンにおける設定などに基づいて、その他、飾り図柄の可変表示動作を含めた可変表示中における演出を実行するための制御を行い(ステップS90808)、可変表示中演出処理を終了する。
一方、ステップS90801にて可変表示時間が経過したと判定した場合(ステップS90801;Yes)、主基板9011から伝送される図柄確定コマンドの受信があったか否かを判定する(ステップS90809)。このとき、図柄確定コマンドの受信がなければ(ステップS90809;No)、可変表示中演出処理を終了して待機する。
ステップS90809にて図柄確定コマンドの受信があった場合(ステップS90809;Yes)、演出制御用CPU90120は、例えば、表示制御部90123のVDP等に対して所定の表示制御指令を伝送させることといった、飾り図柄の可変表示において表示結果となる最終停止図柄(確定飾り図柄)を導出表示させる制御を行う(ステップS810)。続いて、大当り開始指定コマンド受信待ち時間として予め定められた一定時間を設定する(ステップS90811)。次に、演出制御用CPU90120は、演出プロセスフラグの値を特図当り待ち処理に対応した値である「3」に更新し(ステップS90812)、可変表示中演出処理を終了する。このようにして、特徴部118AKでは、選択演出や設定示唆が実行される。
図68−67は、選択演出および設定示唆が実行された場合における演出動作例を示している。図示する例では、設定示唆態様3(キャラC)の設定示唆が第2段階の選択肢を表示するタイミングで行われる例を示している。客待ち状態から変動状態に移行して変動が開始されると、図68−67(A)に示すように、開始時選択肢に対応する質問内容とその選択内容(回答)とを含む選択肢118AK001を表示する。そして、図68−67(B)に示すように変動が終了する。続いて次の変動が開始され、選択演出期間となると、開始時選択肢にて「Yes」と判定した場合には、図68−67(C−1)に示すように、選択肢118AK001として、第2段階の選択肢Aが表示される。なお、図68−67(C−1)に示す例では、設定示唆を実行しないと決定した場合について示している。一方、開始時選択肢にて「No」と判定した場合には、図68−67(C−2)に示すように、選択肢118AK001として、第2段階の選択肢Bが表示される。なお、図68−67(C−2)に示す例では、設定示唆を実行すると決定した場合について示している。そのため、図68−67(C−2)に示すように、当該選択肢118AK001とともに、設定示唆態様3(キャラC)の設定示唆が行われ、キャラクタCの画像が選択肢上に表示される。なお、設定示唆としてのキャラクタ画像が表示される位置については任意の位置であってよい。また、開始時選択肢にて「Yes」と判定した場合には、図68−67(C−1)に示すように、選択肢118AK001として、第2段階の選択肢Aが表示されるが、設定示唆を実行すると決定した場合には、図68−67(C−2)と同様に、設定示唆が行われ、設定示唆態様3(キャラC)である場合にはキャラクタCの画像が選択肢上に表示される。
続いて図68−67(C−1)や図68−67(C−2)に示す第2段階の選択肢が表示された後、当該選択肢の選択内容(回答)に応じて、次の変動において最終段階の選択肢が表示され、その選択内容(回答)により、図68−67(D−1)や図68−67(D−2)に示すように、選択内容に応じた演出設定が行われる。図68−67(D−1)に示す例では、演出設定として「設定A」が、図68−67(D−2)に示す例では、演出設定として「設定E」が設定されたことを示している。その後、続けて実行される変動において、当該設定された演出設定に応じた態様の演出が実行される。なお、質問内容とその選択内容(回答)とを含む選択肢上にキャラクタ画像を表示することで設定示唆を行う例を示しているが、例えば、質問内容の上に表示する場合と、選択内容(YesやNo)の上に表示する場合とがあってもよい。また、例えば、キャラクタ画像を表示するのではなく、質問内容の表示色や選択内容の表示色を、通常時とは異なる表示色(例えば緑、青、赤といった3態様のいずれか)とすることにより設定示唆を行うようにしてもよい。
(特徴部118AKの変形例)
上記実施の形態における設定示唆では、キャラクタ画像を選択肢の表示上に表示する例を示したが、これは一例である。例えば、選択演出にて表示される選択肢を、例えば、「午後の予定はキャンセルできますか?」などといったように、図68−62に示す質問内容とは異なる特殊内容の選択肢とすることで設定示唆を行うようにしてもよい。具体的に、図68−60のステップ118AKS002における設定示唆実行設定処理において、設定示唆を実行する場合に、その実行態様として特殊内容の質問内容を複数の中から決定すればよい。そして、図68−60のステップ118AKS001にて選択演出実行設定処理を行った後、ステップ118AKS002にて設定示唆実行設定処理を行い、設定示唆を実行する場合には、ステップ118AKS001にて表示するよう設定した選択肢を、ステップ118AKS002の設定示唆実行設定処理にて決定した態様の設定示唆(決定した質問内容)に変更すればよい。なお、設定示唆態様として、図68−65に示すように3態様の特殊内容が用意されていればよい。すなわち、当該変形例では、設定示唆を、選択演出における選択肢として表示することで実行する。これによれば、特殊な内容の選択肢が表示され得るため、演出効果を高めることができる。
図68−68は、当該変形例における選択演出と設定示唆が実行された場合の演出動作例を示している。図示する例では、図68−67(C−2)に示すように選択肢118AK001とともに、設定示唆態様3(キャラC)の設定示唆が行われ、キャラクタCの画像が選択肢上に表示されるのとは異なり、図68−68(C−2)に示すように、設定示唆を実行する場合に特殊内容118AK002が表示される。なお、図示するように、特殊内容を表示する場合には、通常の選択肢(予め設定されたパターンの選択肢であって図68−62に示す内容の選択肢)を表示する場合よりも、表示枠やメッセージ(選択内容も含む)を、太く、大きく、かつ点滅させて表示するように、遊技者に認識しやすい態様で表示する。このように、この変形例における設定示唆では、遊技者が通常の選択肢よりも特殊内容の選択肢を認識しやすい態様で表示する。したがって、演出効果を高めることができる。なお、遊技者が通常の選択肢よりも特殊内容の選択肢を認識しやすい態様であれば、任意の態様であってよい。また、上記実施の形態における設定示唆にて表示されるキャラクタ画像を、例えば点滅させて表示するなど、遊技者がより認識しやすい態様で表示してもよい。すなわち、この変形例では、設定示唆にて表示される画像(例えば特殊内容の選択肢やキャラクタ画像)を、通常の選択肢よりも認識しやすい態様で表示する。これによれば、演出効果を高めることができる。なお、開始時選択肢にて「Yes」と判定した場合には、図68−68(C−1)に示すように、選択肢118AK001として、第2段階の選択肢Aが表示されるが、設定示唆を実行すると決定した場合には、図68−68(C−2)と同様に、特殊内容118AK002が表示されればよい。
また、上記変形例では、上記実施の形態における選択演出として演出設定を行うための選択肢として、特殊内容の選択肢を表示する例を示したが、これは一例である。例えば、上記実施の形態のように遊技者が選択を行う選択演出の選択肢としてではなく、例えば、「チャンス」、「スーパーリーチ」、「NEXT」など、のようにスーパーリーチのリーチ演出が行われることを示す選択肢、擬似連の可変表示演出が行われることを示す選択肢など、複数の選択肢がルーレットのように表示され、時間経過とともにいずれかが選択される(操作に関わらず選択される)ルーレット演出における選択肢の一つとして、例えば「設定2」などといった、設定値を示唆する示唆画像が表示されるようにしてもよい。なお、例えば「チャンス」の選択肢が選択された場合にはリーチ状態となりリーチ演出が実行され(ノーマルリーチを含む)、「スーパーリーチ」の選択肢が選択された場合には、スーパーリーチのリーチ演出が実行され、「NEXT」の選択肢が選択された場合には、擬似連の可変表示演出が実行されるなど、選択された選択肢の内容の演出が実行されればよい。すなわち、複数の選択肢の中から時間経過とともにいずれかの選択肢が操作に起因せずに選択されるルーレット演出の選択肢の一つとして示唆画像が表示される。これによれば、ルーレット演出の一貫として設定示唆を行うことができ、遊技興趣を向上させることができる。
(特徴部118AKに係る手段の説明)
以上の特徴部118AKに関して、従来、遊技に関する設定を変更可能な遊技機として、例えば特開2010−200902号公報に記載されているものがある。特開2010−200902号公報には、設定値にもとづく演出の表示制御を行い、キリン、ゾウ、ライオンの各キャラクタ画像を表示させる処理を所定のタイミングで実行することが記載されている。また、所定のタイミングとは、例えば特別図柄の変動時などが考えられるが、さらに定期的(全変動時、所定変動回数ごとなど)でもよいし、不定期(乱数抽選で当選した場合など)であってもよいことが記載されている。しかしながら、特開2010−200902号公報に記載の遊技機にあっては、設定されている設定値にもとづいて有利状態の制御を実行可能に構成した遊技機において、必ずしも演出効果を高めることはできない。そこで、演出効果を高めることが可能な遊技機を提供するための特徴部118AKに係る手段1の遊技機として、
遊技を行う遊技機(例えばパチンコ遊技機901など)であって、
遊技者にとって有利度が異なる複数種類の設定値のうちから、いずれかの設定値(例えば設定値1〜3のいずれかなど)を設定可能であり、
複数の選択肢として複数の選択肢画像を表示し、いずれかの前記選択肢画像を選択する選択演出を実行可能な選択演出実行手段(例えば選択演出において選択肢を表示する演出制御用CPU90120など)と、を備え、
前記選択演出実行手段によって前記選択演出が実行されるときに、設定されている設定値に応じた示唆画像を表示可能である(例えば変動中に選択肢が表示される場合に、設定値に応じて異なる割合で異なるキャラクタ画像を選択肢の表示上に表示するなど)、
ことを特徴とする遊技機であってもよい。
このような構成によれば、演出効果を高めることができる。
特徴部118AKに係る手段2の遊技機として、
前記選択演出実行手段は、実行条件が成立した場合、複数回の可変表示に亘って前記選択演出を実行可能であり(例えば客待ち状態から変動状態に移行した際に選択演出を実行するなど)、
前記複数回の可変表示に亘って表示される前記複数の選択肢画像が選択されることで演出態様の設定が可能である(例えば遊技者による選択肢の選択パターン(表示した選択肢に対する回答のパターン)に応じた演出設定を行うなど)、
ことを特徴とする特徴部118AKに係る手段1の遊技機であってもよい。
このような構成によれば、演出効果を高めることができる。
特徴部118AKに係る手段3の遊技機として、
前記選択演出実行手段は、前記複数の選択肢画像に前記示唆画像を含めて表示可能である(例えば選択演出にて表示される選択肢を特殊内容の選択肢とすることで設定示唆を行うなど)、
ことを特徴とする特徴部118AKに係る手段1または手段2の遊技機であってもよい。
このような構成によれば、演出効果を高めることができる。
特徴部118AKに係る手段4の遊技機として、
前記選択演出実行手段は、前記示唆画像を前記複数の選択肢画像よりも遊技者が認識しやすい態様にて表示可能である(例えば設定示唆にて表示される画像(例えば特殊内容の選択肢やキャラクタ画像)を、通常の選択肢よりも認識しやすい態様で表示するなど)、
ことを特徴とする特徴部118AKに係る手段1〜手段3のいずれかの遊技機であってもよい。
このような構成によれば、演出効果を高めることができる。
特徴部118AKに係る手段5の遊技機として、
前記選択演出実行手段は、前記複数の選択肢画像として、前記示唆画像と、選択された場合に実行される所定演出の内容を報知する演出報知画像と、を表示可能であり、いずれかの前記選択肢画像が遊技者の選択操作によらず選択される前記選択演出を実行可能である(例えば、複数の選択肢の中から時間経過とともにいずれかの選択肢が操作に起因せずに選択されるルーレット演出の選択肢の一つとして示唆画像が表示されるなど)、
ことを特徴とする特徴部118AKに係る手段1〜手段4のいずれかの遊技機であってもよい。
このような構成によれば、演出効果を高めることができる。
特徴部118AKに係る手段6の遊技機として、
いずれの設定値に設定されているかを特定可能な設定値情報(例えば、設定値コマンド)を出力可能な情報出力手段(例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ90100におけるステップ121IWS031,S108を実行する部分)と、
前記情報出力手段から入力された前記設定値情報にもとづいて、示唆演出(例えば、初期出目演出)を実行可能な示唆演出実行手段(例えば、演出制御用CPU90120におけるステップ121IWS308〜S315を実行する部分)と、を備え、
前記示唆演出実行手段は、
前記示唆演出として第1示唆演出(例えば、特殊初期出目による初期出目演出)と第2示唆演出(例えば、偶数初期出目による初期出目演出)とを実行可能であり、
前記設定値情報が正常に入力されなかった場合、前記示唆演出として前記第1示唆演出を実行せず、前記示唆演出として前記第2示唆演出を実行可能である(例えば、演出制御用CPU90120は、ステップ121IWS313を実行することにより、特殊初期出目による初期出目演出を実行しない)、
ことを特徴とする特徴部118AKに係る手段1〜手段5のいずれかの遊技機であってもよい。
このような構成によれば、設定されている設定値にもとづいて有利状態の制御を実行可能に構成した遊技機において、遊技に対する興趣の低下を防止することができる。
(特徴部の関連づけに係る説明)
特徴部31AK、特徴部121IW、および特徴部112AK〜特徴部118AKに関する各構成は、他の特徴部に関する各構成の一部または全部と、適宜、組み合わせられてもよい。このように組み合わせられた特徴部、あるいは、組み合わせられていない個別の特徴部について、他の特徴部に関する各構成の一部または全部と、適宜、組み合わせられてもよい。例えば、特徴部121IWでは、コマンドの取りこぼしやデータ化けなどの理由により設定値コマンドを正常に受信できなかった場合に不利な設定値が設定されているにも関わらず奇数初期出目や特殊初期出目を表示して遊技者を却って落胆させてしまう事態を低減し、遊技に対する興趣の低下を防止できるようにしている。この特徴部を当該特徴部112AK〜特徴部118AKにおける設定示唆に適用し、設定値コマンドに限られず、設定示唆の演出時に必要となるコマンドの取りこぼしやデータ化けなどが生じた場合、不利な設定値が設定されているにも関わらず遊技者にとって有利な設定値を示唆する設定示唆の実行を防止するよう、低い設定値であることを示唆する設定示唆を実行すればよい。
また、例えば特徴部117AKにおける設定示唆モードの一例として特徴部118AKにおける演出設定が可能となるモードがあってもよい。そして、例えば、特徴部118AKにおける演出設定の設定A〜設定Hの一例として、例えば特徴部31AK、特徴部112AK〜特徴部116AKのいずれか1つの特徴部、または複数の特徴部の組合せが演出設定として決定されるようにしてもよい。