JP2020061723A - D/a変換回路、量子化回路およびa/d変換回路 - Google Patents

D/a変換回路、量子化回路およびa/d変換回路 Download PDF

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Abstract

【課題】内部に設けられる容量の電気的特性の悪影響を低減することができるようにしたD/A変換回路、量子化回路およびA/D変換回路を提供する。【解決手段】D/A変換回路では、4個のデジタル入力に対して3個のアナログ電位Vrefp、Vcm、Vrefmをサンプル期間、ホールド期間で選択して出力する。このとき、サンプル期間では基準電位Vcmを選択することができるが、ホールド期間ではVcmを選択しない構成としている。D/A変換回路のDAC容量が電気特性を有するので、出力側の積分回路のアンプがオフセットを有する場合でも誤差が発生するのを抑制できる。【選択図】図5

Description

本発明は、D/A変換回路、量子化回路およびこれらを用いた構成のA/D変換回路に関する。
D/A変換回路の中でも、ΔΣ(デルタ・シグマ)変調型A/D変換回路に用いられるものでは、出力可能なレベルが5段階に設定されるものがある。このものでは、参照電位としてアナログレベルの電圧で一般的に、高、中、低の3レベル(Vrefp、Vcm、Vrefm)が設定されている。
通常、3つの参照電位のうち、Vcmはオペアンプの基準電位(アナロググランド:AGND)と同電位とされ、VrefpおよびVrefnはVrefp+Vrefm=Vcm/2を満たすように設定される。つまり、Vcm=0Vとすれば、Vrefm=−Vrefpである。
そして、入力される5段階(−2、−1、0、1、2)のデジタル信号に対応して出力可能な5段階の出力レベルのうち、「0」に対応するアナログ信号を出力するとき、サンプル期間、ホールド期間のそれぞれでアナロググランド電位に対応するVcmを選択してDAC容量に出力している。
この場合、D/A変換回路に接続されるオペアンプは、非反転入力端子がグランド電位とされており、非反転入力端子と反転入力端子とが仮想接地することから、反転入力端子に接続されるDAC容量の一端がグランド電位となる。上記のとおり、Vcm=AGND(アナログ・グランド)であることから、D/A変換回路の参照電位としてVcmを選択するとき、理想的にはDAC容量の両端に電位差は生じないはずである。
一般に、容量素子は両端にかかる電位差に応じて容量値が変化する電気特性がある。このため、DAC容量の出力部に接続されるアンプのオフセットによって、反転入力端子の電位が、AGNDと異なる場合には、DAC容量にオフセットおよび容量素子の両端の電位差に依存する容量値に対応する電荷が蓄積される。ホールド期間では、DAC容量の両端の電位差は参照電圧によって大きく異なるため、DAC容量の値も選択される参照電圧によって変動することとなる。
この結果、D/A変換回路で減算される電荷量も変動してしまうため、ホールド期間に複数の異なる参照電圧から一つの参照電圧を選択するDACをA/D変換回路に用いる場合には、DAC容量の容量値の電圧特性およびオペアンプのオフセットに起因して、A/D変換の特性として線形性が低下する恐れがあった。
米国特許第7388533号明細書
本発明は、上記事情を考慮してなされたもので、その目的は、内部に設けられる容量の電気的特性の悪影響を低減し、高速かつ高精度なD/A変換回路、このD/A変換回路に対応した量子化回路およびA/D変換回路を提供することにある。
請求項1に記載のD/A変換回路は、出力端子が量子化回路(4)に接続されたオペアンプの入力端子に接続されるD/A変換回路であって、DAC容量(Cd)と、前記DAC容量の入力側にアナログ電位として、基準電位(Vcm)、前記基準電位よりも高電位の第1電圧(Vrefp)および前記基準電圧よりも低電位の第2電圧(Vrefm)を選択的に与える選択スイッチ(Sdt、Sdm、Sdb)と、前記DAC容量の出力側をアナロググランド電位に接続する接地スイッチ(Sd2)と、前記DAC容量の出力側を出力端子に接続する出力スイッチ(Sd3)とを備え、前記量子化回路から出力される4レベルの量子化結果の値に対応して、第1期間で前記選択スイッチをいずれかの電位に選択接続し且つ前記接地スイッチをオンさせて前記DAC容量に充電し、前記第1期間に続く第2期間で前記選択スイッチを前記第1電圧および前記第2電圧のいずれかに選択接続し且つ前記出力スイッチをオンさせて前記DAC容量から前記出力端子に4レベルのいずれかのアナログ電位を出力する。
上記構成において、D/A変換回路は、入力される4レベルの入力デジタル信号に対して、第1期間で選択スイッチをいずれかの電位となるように選択接続してDAC容量に充電し、続く第2期間ではVrefpおよびVrefmのいずれかを選択接続してDAC容量の電位を出力端子に出力する。この結果、第1期間でVcmを選択した場合でも、第2期間ではVcmを選択する条件を使用しないので、DAC容量からの電荷の転送時におけるDAC容量の容量値の電圧特性とオペアンプのオフセットの影響を低減でき、出力として精度良くアナログ電位を出力することができる。
発明者は、上記の構成および作用を得るために、次の点を考慮している。
すなわち、高精度のA/D変換回路は、一般的には差動の回路構成を用いるため、DAC容量に電圧特性が存在しても、差動の一方側にVrefp(Vrefm)を選択すれば差動の反対側はVrefm(Vrefp)となるため、差動両側のDAC容量の和は同等となる。
しかし、Vcmを選択した場合には、DAC容量の両端の電位はオフセットの影響を受けるものの、ほぼ同電位となるため、参照電圧としてVrefpもしくはVrefnを選択する場合と較べて、DAC容量の容量値が電圧特性の分だけ異なる値となる。この結果、特に差動構成では第2期間に参照電圧としてVrefp、Vrefmを選択する場合とVcmを選択する場合において、アンプのオフセットに起因してDAC容量により減算される電荷の量が変動する。すなわち、A/D変換の線形性が低下する。
この場合、VrefpおよびVrefmは外部の電源より供給されるか、もしくは、そのICが専用の外部端子を有することが多く、DAC容量の入力側とVrefpおよびVrefmとの間のインピーダンスとの間のインピーダンスはそれぞれ低いインピーダンスであることが多い。一方で、VcmはIC内部のアンプで生成されることが多いため、DAC容量の入力側とVcmとの間のインピーダンスは、VrefpおよびVrefmとの間のインピーダンスよりも高くなる傾向がある。
また、参照電圧にVcmを選択する場合に、Vcmを選択するためのスイッチは、スイッチを駆動するための電源とグランド(アナロググランドとは異なる電位で、アナロググランドを0Vとするとマイナスの電位となる)との中間の電位となることが多く、その場合にはスイッチのオン抵抗が高くなる傾向にある。この結果、第2期間でVcmを選択する場合には、Vcmを生成するアンプの性能とVcmを選択するスイッチのオン抵抗の影響をすべて受けるので、動作速度が低下してしまうという問題も出てくるものであった。
したがって、本発明では、上記の問題を回避することができるので、出力容量の電圧特性に依存した技術的課題を回避しながら高速かつ高精度なD/A変換を実施することができる。
第1実施形態を示す電気的構成図 A/D変換におけるフェーズと閾値との関係を示す図 入力回路のスイッチのサンプルとホールドにおける動作関係を示す図 D/A変換回路のスイッチのQout値に対応したサンプル期間とホールド期間における動作関係を示す図 アンプ出力電圧V1と第1量子化後のアンプ出力Vampとの関係を示す図 第1量子化Qout1、第2量子化Qout2に対応したD/A変換回路の動作説明図 アンプ出力電圧V2と第2量子化後のアンプ出力Vampとの関係を示す図 第1量子化の条件を閾値電圧で示した図 第2量子化の条件を閾値電圧で示した図 第1および第2量子化の条件を合成して閾値電圧で示した図 第1および第2量子化の条件を合成して参照電圧で示した図 第2実施形態を示すアンプ出力電圧電圧V1と第1量子化後のアンプ出力Vampとの関係を示す図 アンプ出力電圧V2と第2量子化後のアンプ出力Vampとの関係を示す図 第1および第2量子化の条件を合成して閾値電圧で示した図 第1および第2量子化の条件を合成して参照電圧で示した図 第3実施形態を示すアンプ出力電圧V1と第1量子化後のアンプ出力Vampとの関係を示す図 アンプ出力電圧V2と第2量子化後のアンプ出力Vampとの関係を示す図 第1および第2量子化の条件を合成して閾値電圧で示した図 第1および第2量子化の条件を合成して参照電圧で示した図
(第1実施形態)
以下、本発明のD/A変換回路をΔΣ変調型のA/D変換回路に用いた場合の第1実施形態について、図1〜図11を参照して説明する。
図1において、ΔΣ変調型のA/D変換回路(以下、単にA/D変換回路と称する)1はアナログ入力Vinの入力端子1aおよびデジタル出力Doutの出力端子1bを備えている。A/D変換回路1は、入力回路2、積分回路3、量子化回路4、制御回路5およびD/A変換回路6を備えている。
入力回路2は、サンプリング用の容量Csおよび4つのスイッチSs1〜Ss4を備えている。入力端子1aは、スイッチSs1、容量CsおよびスイッチSs3を直列に介して積分回路3に接続される。容量Csの入出力側はそれぞれスイッチSs4、Ss2を介してアナロググランドAGND(以下単にAGNDと称する)に接続される。4つのスイッチSs1〜Ss4は、制御回路5によりオンオフの動作制御がなされる。ここで、AGNDは、任意に設定可能なもので、この実施形態で説明するような0Vとは限らないものである。
スイッチSs1およびスイッチSs2がオンされて、スイッチSs3およびスイッチSs4がオフされることにより、サンプリング容量Csの積分回路3側の一端は積分回路3から電気的に切断されて、AGNDに接続される。これにより、アナログ入力Vinに対応した電荷がサンプリング容量Csに蓄積される。また、スイッチSs1およびスイッチSs2がオフされて、スイッチSs3およびスイッチSs4がオンされることにより、サンプリング容量Csに蓄積された電荷が積分回路3の帰還容量Cfに転送される。
積分回路3は、アンプ31および帰還用の容量Cfを備えている。アンプ31の反転入力端子は入力回路2のスイッチSs3に接続されると共に、容量Cfを介して出力端子に接続される。アンプ31の非反転入力端子はアナロググランドに接続される。AGNDはアンプ31の基準電位であり、ひいてはA/D変換回路1全体の基準電位である。
量子化回路4は、5個のコンパレータ41〜45を備える。5個のコンパレータ41〜45は、反転入力端子に閾値電圧Vth2+、Vth1+、Vth0、Vth1-、Vth2-がそれぞれ与えられる。また、5個のコンパレータ41〜45の非反転入力端子は共通にしてアンプ31の出力端子に接続される。
コンパレータ41〜45はアンプの出力電圧Vampとそれぞれの閾値電圧Vth2+、Vth1+、Vth0、Vth1-、Vth2-とを比較した結果を、量子化結果Qoutとして後述の制御回路5へと出力する。本実施形態では、4つのレベル「2」、「1」、「−1」、「−2」の量子化結果Qoutを出力する。
制御回路5は、量子化結果Qoutに対応した制御信号を後述するD/A変換回路6に出力するとともに、量子化結果Qoutに対して積分もしくはフィルタ等の信号処理を実行した結果をA/D変換結果Doutとして、出力端子1bに出力する。
なお、上記した5つの閾値電圧Vth2+、Vth1+、Vth0、Vth1-、Vth2- は、図示しない閾値生成回路により生成される。この場合、Vth0は基準閾値であり、AGNDレベルに設定され、Vth1+ は、正の第1閾値であり、Vth0よりも第1電圧分だけ高い電位に設定される。Vth2+ は、正の第2閾値であり、Vth1+ よりもさらに高い電位であってVth0よりも第2電圧分だけ高い電位に設定される。また、Vth1- は、負の第1閾値であり、Vth0よりも第1電圧分だけ低い電位に設定される。Vth2- は、負の第2閾値であり、Vth1- よりもさらに低い電位であってVth0よりも第2電圧分だけ低い電位に設定される。
なお、AGNDレベルが0Vの場合には、Vth1+およびVth1- は第1電圧である絶対値Vth1が同じで正負のレベル、Vth2+およびVth2-は第2電圧である絶対値Vth2がVth1よりも大きい正負のレベルに設定されている。また、後述するように、Vth1およびVth2は参照電圧Vrefと関係づけられたレベルで設定される。
D/A変換回路6は、DAC容量Cdおよび5個のスイッチSdt、Sdm、Sdb、Sd2、Sd3を備える。また、D/A変換回路6には、3つのアナログ電位としてVrefp、Vrefm、Vcmが参照電位として設定されている。例えば、基準電位となるVcmはAGNDに設定され、VrefpはAGNDよりも高い電位に設定され、VrefmはAGNDよりも低い電位に設定される。
なお、VrefpとVrefmは、AGNDが0Vの場合には、互いに絶対値が同一で正負が逆の関係にあり、Vrefp=−Vrefmを満たすように設定される。スイッチSdt、Sdm、Sdbは選択スイッチとして機能するもので、それぞれVrefp、Vcm、VrefmをDAC容量Cdの入力側に接続する。つまり、DAC容量Cdの入力側の電位は、スイッチSdt、SdmおよびSdbによって排他的に選択されるVrefp、VrefmもしくはVcmのうちいずれかと等しくなる。
DAC容量Cdの出力側は、スイッチSd2を介してAGNDに接続されると共に、スイッチSd3を介してアンプ31の反転入力端子と帰還容量Cfとの中間点に接続される。5個のスイッチSdt、Sdm、Sdb、Sd2、Sd3は、制御回路5によりオンオフの動作制御がなされる。
この場合、制御回路5は、量子化回路4から与えられる信号に基づいて、サンプル動作およびホールド動作を実施する。制御回路5は、サンプル動作では、スイッチSd3をオフしつつスイッチSd2をオンさせると共に選択スイッチSdt、Sdm、Sdbのうちのいずれかをオンすることによって所定の電荷を蓄積する。また、制御回路5は、ホールド動作では、スイッチSd2をオフしつつスイッチSd3をオンさせると共に選択スイッチSdtあるいはSdbのいずれか一方をオンさせる。
これによって、サンプル動作期間にDAC容量Cdに蓄積された電荷と、スイッチSdtもしくはSdbのいずれかがオンすることにより決定されるDAC容量Cdの入力側の電位に応じた電荷が、帰還容量Cfに転送される。すなわちD/A変換回路6によって、量子化結果Qoutに応じた減算が実行される。
図2はA/D変換回路1によるアナログ電位VinのA/D変換処理におけるフェーズと閾値電圧との関係を示している。フェーズは第1量子化と第2量子化をそれぞれ示しており、各フェーズにおけるサンプル動作およびホールド動作において使用する閾値電圧を示している。ここで、第1量子化では、量子化回路4では、5個の閾値電圧Vth2+、Vth1+、Vth0、Vth1-、Vth2- をすべて用いる。また、第2量子化では、量子化回路4では、3個の閾値電圧Vth1+、Vth0、Vth1- を用いる。
上記構成において、この実施形態では、例えば、サンプル用容量Csと帰還用容量Cfとは同じ容量値に設定され、DAC容量Cdは帰還用容量Cfの1/8の容量値に設定されている。
Cs=Cf
Cd=Cf/8
さらに、閾値電圧として上記した5個の閾値電圧Vth2+、Vth1+、Vth0、Vth1-、Vth2- は、参照電圧Vrefを分圧して生成した電圧が次のように設定されている。
Vth2+=7/16×Vref(V)
Vth1+=3/16×Vref(V)
Vth0=0(V)
Vth1-=−3/16×Vref(V)
Vth2-=−7/16×Vref(V)
次に、上記構成の作用について図3から図10も参照して説明する。まず、入力回路2およびD/A変換回路5での各スイッチの基本的な動作について説明する。
制御回路5では、量子化回路4から与えられる量子化回路出力Qoutに応じて第1期間であるサンプル期間および第2期間であるホールド期間でのスイッチ制御と選択される参照電圧の組み合わせを図4に示すようにして実行する。
まず、Qoutの値が「2」の場合には、制御回路5は、サンプル期間でスイッチSdbおよびSd2をオン、スイッチSdm、Sdt、Sd3をオフさせる。これにより、DAC容量Cdの入力側は「L」のVrefmが接続され、出力側はAGNDに接続されるので、DAC容量Cdは、Vrefm−AGNDで充電される。
次に、ホールド期間でスイッチSdt、Sd3をオンさせ、スイッチSdb、SdmおよびSd2をオフさせる。これにより、DAC容量Cdの入力側は「H」のVrefpが接続され、出力側はアンプ31の反転入力端子に接続される。これにより、それぞれの期間で選択された参照電圧の電位差Vrefm−Vrefpに対応する電荷がDAC容量Cdから帰還容量Cfに転送される。
また、Qoutの値が「1」の場合には、制御回路5は、サンプル期間でスイッチSdmおよびSd2をオン、スイッチSdt、Sdb、Sd3をオフさせる。これにより、DAC容量Cdの入力側は「0」のVcmが接続され、出力側はAGNDに接続されるので、Vcm=AGNDだとすると、DAC容量Cdは、端子間が0Vの状態が保持される。
次に、ホールド期間でスイッチSdt、Sd3をオンさせ、スイッチSdb、SdmおよびSd2をオフさせる。これにより、DAC容量Cdの入力側は「H」のVrefpが接続され、出力側はアンプ31の反転入力端子に接続される。これにより。それぞれの期間で選択された参照電圧の電位差Vcm−Vrefpに対応する電荷がDAC容量Cdから帰還容量Cfに転送される。
また、Qoutの値が「−1」の場合には、制御回路5は、サンプル期間でスイッチSdmおよびSd2をオン、スイッチSdt、Sdb、Sd3をオフさせる。これにより、DAC容量Cdの入力側は「0」のVcmが接続され、出力側はAGNDに接続されるので、Vcm=AGNDだとすると、DAC容量Cdは、端子間が0Vの状態が保持される。
次に、ホールド期間でスイッチSdb、Sd3をオンさせ、スイッチSdt、SdmおよびSd2をオフさせる。これにより、DAC容量Cdの入力側は「L」のVrefmが接続され、出力側はアンプ31の非反転入力端子に接続される。これにより。それぞれの期間で選択された参照電圧の電位差Vcm−Vrefmに対応する電荷がDAC容量Cdから帰還容量Cfに転送される。
そして、Qoutの値が「−2」の場合には、制御回路5は、サンプル期間でスイッチSdtおよびSd2をオン、スイッチSdb、Sdm、Sd3をオフさせる。これにより、DAC容量Cdの入力側は「H」のVrefpが接続され、出力側はAGNDに接続されるので、DAC容量Cdは、Vrefp−AGNDで充電される。
次に、ホールド期間でスイッチSdb、Sd3をオンさせ、スイッチSdt、SdmおよびSd2をオフさせる。これにより、DAC容量Cdの入力側は「L」のVrefmが接続され、出力側はアンプ31の非反転入力端子に接続される。これにより。それぞれの期間で選択された参照電圧の電位差Vrefp−Vrefmに対応する電荷がDAC容量Cdから帰還容量Cfに転送される。
上記の場合、D/A変換回路6からアンプの出力電圧にフィードバックされる電圧は、前述のように、DAC容量Cdと帰還容量Cfの比の値からサンプル期間とホールド期間のそれぞれで選択された参照電圧の電位差の8分の1に相当する電圧となる。また、一般的に差動の回路構成をとるため、選択された参照電圧の電位差は2倍される。
つまり、Vref=(Vrefp−Vcm)×2=(Vcm−Vrefm)×2としたとき、選択された参照電圧の電位差がVcm−VrefmあるいはVrefp−Vrefmの場合にはVref/8あるいはVref/4がアンプの出力電圧に加算され、Vcm−VrefpあるいはVrefm−Vrefpの場合にはアンプの出力電圧にVref/8あるいはVref/4が減算される。
次に、D/A変換回路6による1回目のD/A変換処理の内容について説明する。図5に示すように、入力電位Vinとアンプ31の出力電圧Vampとの関係は、D/A変換前はV1、D/A変換後はV2となる。
ここで、まずD/A変換をする前のアンプ出力電圧V1に対して、量子化回路4において前述したように5個の閾値電圧で第1量子化を実施すると、アンプ出力電圧V1の大きさに応じて図8に示すように、「2」、「1」、「−1」、「−2」の4レベルの量子化出力Qout1が得られる。この結果に基づいて、アンプ出力電圧V1をD/A変換回路6からの出力と加算すると、次のような結果となる。
D/A変換回路6では、第1量子化の値Qout1に対して、図6に示すような動作を実施する。すなわち、Qout1が「2」の場合には、サンプル期間では「L」となりホールド期間では「H」となる。Qout1が「1」の場合には、サンプル期間では「0」となりホールド期間では「H」となる。Qout1が「−1」の場合には、サンプル期間では「0」となりホールド期間では「L」となる。Qout1が「−2」の場合には、サンプル期間では「H」となりホールド期間では「L」となる。
したがって、アンプ出力電圧V1に第1量子化の結果によるD/A変換回路6の出力を加算すると、図5に太実線で示すようにアンプ出力電圧V2を得ることができる。この場合、第1量子化の出力Qout1は、アンプ出力電圧V1が閾値Vth0以上で閾値Vth1+ 未満では「−1」、アンプ出力電圧V1が閾値Vth1- 以上で閾値Vth0未満では「1」としている。
なお、上述の場合に、量子化結果Qoutの値にかかわらず、ホールド期間では参照電圧としてVcmの選択をしないようにしてDAC容量Cdの電位をアンプ31の入力端子に出力しているので、DAC容量Cdが電圧特性を有する場合でも、アンプ31のオフセットに起因して出力誤差が発生するのを抑制することができる。
次に、D/A変換回路6による2回目のD/A変換処理の内容について説明する。図7に示すように、入力電位Vinとアンプ31の出力電圧Vampとの関係は、1回目のD/A変換後はV2、2回目のA/D変換後はV3となる。
ここで、D/A変換をする前のアンプ出力電圧V2に対して、量子化回路4において前述したように3個の閾値電圧で第2量子化を実施すると、アンプ出力電圧V2の大きさに応じて図9に示すように、「2」、「1」、「−1」、「−2」の4レベルの量子化出力Qout2が得られる。この結果に基づいて、アンプ出力電圧V2をD/A変換回路6からの出力と加算すると、次のような結果となる。この場合、第2量子化では、アンプ出力電圧V2に対して図9に示すように、閾値Vth2+ および閾値Vth2- は使用しないで、4つのレベルに分けて量子化出力Qout2を出力する。
D/A変換回路6では、第2量子化の値Qout2に対して、第1量子化の場合と同様に図6に示すような動作を実施する。すなわち、Qout2が「2」の場合には、サンプル期間では「L」となりホールド期間では「H」となる。Qout2が「1」の場合には、サンプル期間では「0」となりホールド期間では「H」となる。Qout2が「−1」の場合には、サンプル期間では「0」となりホールド期間では「L」となる。Qout2が「−2」の場合には、サンプル期間では「H」となりホールド期間では「L」となる。したがって、アンプ出力電圧V2に第2量子化の結果によるD/A変換回路6の出力を加算すると、図7に太実線で示すようにアンプ出力電圧V3を得ることができる。
なお、上述の場合に、1回目のD/A変換と同様に、量子化結果Qoutの値にかかわらず、ホールド期間では参照電圧としてVcmの選択をしないようにしてDAC容量Cdの電位をアンプ31の入力端子に出力しているので、DAC容量Cdが電圧特性を有する場合でも、アンプ31のオフセットに起因して出力誤差が発生するのを抑制することができる。
上記のようにして、2回の量子化およびD/A変換処理を実行することで、9レベルの量子化結果を出力することができるようになる。また、この場合に、D/A変換回路5では、ホールド期間においてVcmを選択する動作を行わないので、DAC容量Cdの電気特性がアンプ31のオフセットで誤差を発生するのを回避することができるので、精度の良いA/D変換を実行することができる。
次に、図8から図11を参照して、上記した2回の量子化およびD/A変換処理における動作をまとめた結果について説明する。前述の説明のように、第1量子化では、図8に示すようにしてアンプ出力電圧V1に対して5個の閾値電圧により4レベルの量子化結果Qout1を出力している。また、第2量子化では、図9に示すようにしてアンプ出力電圧V2に対して3個の閾値電圧により4レベルの量子化結果Qout2を出力している。
ここで、2回目のD/A変換前のアンプ出力電圧V2は、1回目のD/A変換前のアンプ出力電圧V1からD/A変換回路6の出力との差分を演算した結果となっているため、D/A変換回路6の出力リファレンス電圧Vrefを用いて次式(1)のように表すことができる。
またVref×Cd/Cfは一定値であるからVRと置くと、式(1)は次式(2)のように簡略した表現で示すことができる。
V2=V1−Qout1×Vref×Cd/Cf (1)
V2=V1−Qout1×VR (2)
ここで、第1量子化では、図8に示したように、5個の閾値電圧によって6個の判定条件が設定される。このとき、例えば記号1bで示す条件に該当する場合には、第2量子化で図9に記号2a、2bで示す2通りの条件に該当する可能性がある。
すなわち、第2量子化では、アンプ出力電圧V2に対応しているが、式(2)で示したV1を用いて2a、2bの条件を書き直してみる。まず、記号2aの条件は、次式(3)であるから、これに式(2)を代入すると、次式(4)のようになる。
記号2aの条件:V2≧Vth1+ (3)
→V1−Qout1×VR≧Vth1+ (4)
記号2bの条件:Vth1+>V2≧Vth0 (5)
→Vth1+>V1−Qout1×VR≧Vth0 (6)
そこで、第1量子化のアンプ出力電圧V1が記号1bの条件すなわち、次式(7)に該当する場合には、Qout1は「1」であるから、記号2a、2bの条件をアンプ出力電圧V1の条件として書き直すと、式(8)、(9)のようになる。
Vth2+ >V1≧Vth1+ (7)
記号2aの条件:V1−VR≧Vth1+
→V1≧Vth1+ +VR (8)
記号2bの条件:Vth1+>V1−VR≧Vth0
→Vth1+ +VR>V1≧Vth0+VR (9)
これにより、第1量子化の記号1bの条件を満たすとき、第2量子化の記号2a、2bの条件をアンプ出力電圧V1で示すと、次式(10)、(11)のようになる。
記号2aの条件:Vth2+ >V1≧Vth1+ +VR (10)
記号2bの条件:Vth1+ +VR>V1≧Vth1+ (11)
他の記号についても同様の考え方で書き換えを行うと、2つのレベルに分けられる部分が互いに異なる量子化の値Qout2を出力することで、最終的には、図10に示すように、9レベルの量子化レベルの出力を得ることができるようになる。
さらに、上記した5個の閾値電圧を、前述した参照電圧Vrefとの関係で書き直すと、図11のようにすべての条件を参照電圧Vrefの分圧として設定することができる。
このような第1実施形態によれば、D/A変換回路6により4レベルの量子化結果Qout値「2」、「1」、「−1」、「−2」に基づいて4レベルのアナログ電位を出力する構成とした。このとき、D/A変換回路6においては、サンプル期間ではAGNDに相当するVcmを選択しても、ホールド期間ではVcmを選択しないので積分回路3のアンプ31がオフセットを有する場合でも、DAC容量Cdの電気的特性に起因した誤差が生ずるのを抑制することができる。これにより、精度の高いアナログ電位を出力することができる。
また、上記した4レベルのD/A変換回路6を2回用いることで、A/D変換回路1においては、最終的に9レベルの出力を得ることができるようになる。
そして、本実施形態によれば、上記したようにD/A変換回路6において、高インピーダンスになるAGND電位のVcmをホールド期間で使用しないので、動作速度の低下を抑制することができる。
さらに、D/A変換回路6における動作で、サンプル期間およびホールド期間でAGND電位となるVcmを連続して用いないので、アンプ31の出力を同じレベルに固着させることがなくなり、ディザ的な役割を果たすことができるようになる。
(第2実施形態)
図12から図15は第2実施形態を示すもので、以下、第1実施形態と異なる部分について説明する。この実施形態では、5個の閾値電圧Vth2+ 、Vth1+ 、Vth0、Vth1- 、Vth2- の設定の条件を変えている。
すなわち、具体的には閾値電圧のうち閾値電圧Vth2+ およびVth2- の2個について、第1実施形態と異なる値として、次のように設定している。
Vth2+=5/16×Vref(V)
Vth2-=−5/16×Vref(V)
次に、D/A変換回路6による1回目のD/A変換処理の内容について説明する。図12に示すように、入力電位Vinとアンプ31の出力電圧Vampとの関係は、D/A変換前はV1、D/A変換後はV2となる。
D/A変換をする前のアンプ出力電圧V1に対して、量子化回路4において5個の閾値電圧で1回目の量子化(以下、第1量子化と称する)を実施すると、アンプ出力電圧V1の大きさに応じて図8に示しているように、「2」、「1」、「−1」、「−2」の4レベルの量子化出力Qout1が得られる。この結果に基づいて、アンプ出力電圧V1をD/A変換回路6からの出力と加算すると、次のような結果となる。
D/A変換回路6では、第1量子化出力Qout1に対して、図6に示すような動作を実施する。したがって、アンプ出力電圧V1に第1量子化の結果によるD/A変換回路6の出力を加算すると、図12に太実線で示すようにアンプ出力電圧V2を得ることができる。この場合、第1量子化出力Qout1は、アンプ出力電圧V1が閾値Vth0以上で閾値Vth1+ 未満では「−1」、アンプ出力電圧V1が閾値Vth1- 以上で閾値Vth0未満では「1」としている。
なお、上述の場合に、量子化結果Qoutの値にかかわらず、ホールド期間では参照電圧としてVcmの選択をしないようにしてDAC容量Cdの電位をアンプ31の入力端子に出力しているので、DAC容量Cdが電圧特性を有する場合でも、アンプ31のオフセットに起因して出力誤差が発生するのを抑制することができる。
次に、D/A変換回路6による2回目のD/A変換処理の内容について説明する。図13に示すように、入力電位Vinとアンプ31の出力電圧Vampとの関係は、1回目のD/A変換後はV2、2回目のA/D変換後はV3となる。
ここで、D/A変換をする前のアンプ出力電圧V2に対して、量子化回路4において前述したように3個の閾値電圧で第2量子化を実施すると、アンプ出力電圧V2の大きさに応じて「2」、「1」、「−1」、「−2」の4レベルの量子化出力Qout2が得られる。この結果に基づいて、アンプ出力電圧V1をD/A変換回路6からの出力と加算すると、次のような結果となる。この場合、第2量子化では、アンプ出力電圧V2に対して図9に示すように、閾値Vth2+ および閾値Vth2- は使用しないで、4つのレベルに分けて量子化出力Qout2を出力する。
D/A変換回路6では、第2量子化の値Qout2に対して、第1量子化の場合と同様に図6に示すような動作を実施する。したがって、アンプ出力電圧V2に第2量子化の結果によるD/A変換回路6の出力を加算すると、図13に太実線で示すようにアンプ出力電圧V3を得ることができる。この場合に、1回目のD/A変換と同様に、量子化結果Qoutの値にかかわらず、ホールド期間では参照電圧としてVcmの選択をしないようにしてDAC容量Cdの電位をアンプ31の入力端子に出力しているので、DAC容量Cdが電圧特性を有する場合でも、アンプ31のオフセットに起因して出力誤差が発生するのを抑制することができる。
上記のようにして、2回の量子化およびD/A変換処理を実行することで、9レベルの量子化結果を出力することができるようになる。また、この場合に、D/A変換回路6では、ホールド期間においてVcmを選択する動作を行わないので、DAC容量Cdの電気特性がアンプ31のオフセットで誤差を発生するのを回避することができるので、精度の良いA/D変換を実行することができる。
次に、図14および図15を参照して、上記した2回の量子化およびD/A変換処理における動作をまとめた結果について説明する。前述の説明のように、第1量子化では、図8に示すようにしてアンプ出力電圧V1に対して5個の閾値電圧により4レベルの量子化結果Qout1を出力している。また、第2量子化では、図9に示すようにしてアンプ出力電圧V2に対して3個の閾値電圧により4レベルの量子化結果Qout2を出力している。
ここで、2回目のD/A変換前のアンプ出力電圧V2は、1回目のD/A変換前のアンプ出力電圧V1からD/A変換回路6の出力との差分を演算した結果となっているので、D/A変換回路6の出力リファレンス電圧Vrefを用いて前述した式(1)のように表せ、Vref×Cd/Cf=VRと置くと、前述の式(2)のように表すことができる。
ここで、第1量子化では、図8に示したように、5個の閾値電圧によって6個の判定条件が設定される。このとき、例えば記号1aで示す条件に該当する場合には、2回目の量子化で図9に記号2a、2bで示す2通りの条件に該当する可能性がある。
すなわち、第2量子化では、アンプ出力電圧V2に対応しているが、式(2)で示したV1を用いて2a、2bの条件を書き直してみる。まず、記号2aの条件は、次式(12)であるから、これに式(2)を代入すると、次式(13)のようになる。同様に、記号2bの条件は、次式(14)であるから、これに式(2)を代入すると、次式(15)のようになる。
記号2aの条件:V2≧Vth1+ (12)
→V1−Qout1×VR≧Vth1+ (13)
記号2bの条件:Vth1+>V2≧Vth0 (14)
→Vth1+>V1−Qout1×VR≧Vth0 (15)
そこで、第1量子化のアンプ出力電圧V1が記号1aの条件すなわち、次式(16)に該当する場合には、Qout1は「2」であるから、記号2a、2bの条件をアンプ出力電圧V1の条件として書き直すと、式(16)、(17)のようになる。
V1≧Vth2+ (16)
記号2aの条件:V1−2VR≧Vth1+
→V1≧Vth1+ +2VR (17)
記号2bの条件:Vth1+>V1−2VR≧Vth0
→Vth1+ +2VR>V1≧Vth0+2VR (18)
これにより、第1量子化の記号1aの条件を満たすとき、第2量子化の記号2a、2bの条件をアンプ出力電圧V1で示すと、次式(19)、(20)のようになる。
記号2aの条件:V1≧Vth1+ +2VR (19)
記号2bの条件:Vth1+ +2VR>V1≧Vth2+ (20)
他の記号についても同様の考え方で書き換えを行うと、2つのレベルに分けられる部分が互いに異なる量子化の値Qout2を出力することで、最終的には、図14に示すように、9レベルの量子化レベルの出力を得ることができるようになる。
さらに、上記した5個の閾値電圧を、前述した参照電圧Vrefとの関係で書き直すと、図15のようにすべての条件を参照電圧Vrefの分圧として設定することができる。
このような第2実施形態によっても、第1実施形態と同様の作用効果を得ることができる。
(第3実施形態)
図16から図19は第3実施形態を示すもので、以下、第2実施形態と異なる部分について説明する。この実施形態では、5個の閾値電圧Vth2+ 、Vth1+ 、Vth0、Vth1- 、Vth2- の設定の条件を変えている。
すなわち、具体的には閾値電圧のうち閾値Vth2+ およびVth2- の2個について、第1実施形態と異なる値として、次のように設定している。
Vth2+=6/16×Vref(V)
Vth2-=−6/16×Vref(V)
次に、D/A変換回路6による1回目のD/A変換処理の内容について説明する。図16に示すように、入力電位Vinとアンプ31の出力電圧Vampとの関係は、D/A変換前はV1、D/A変換後はV2となる。
D/A変換をする前のアンプ出力電圧V1に対して、量子化回路4において5個の閾値電圧で第1量子化を実施すると、アンプ出力電圧V1の大きさに応じて図8に示しているように、「2」、「1」、「−1」、「−2」の4レベルの量子化出力Qout1が得られる。この結果に基づいて、アンプ出力電圧V1をD/A変換回路6からの出力と加算すると、次のような結果となる。
D/A変換回路6では、第1量子化の値Qout1に対して、図6に示すような動作を実施する。したがって、アンプ出力電圧V1に第1量子化の結果によるD/A変換回路6の出力を加算すると、図16に太実線で示すようにアンプ出力電圧V2を得ることができる。この場合、第1量子化の出力Qout1は、アンプ出力電圧V1が閾値Vth0以上で閾値Vth1+ 未満では「−1」、アンプ出力電圧V1が閾値Vth1- 以上で閾値Vth0未満では「1」としている。
なお、上述の場合に、量子化結果Qoutの値にかかわらず、ホールド期間では参照電圧としてVcmの選択をしないようにしてDAC容量Cdの電位をアンプ31の入力端子に出力しているので、DAC容量Cdが電圧特性を有する場合でも、アンプ31のオフセットに起因して出力誤差が発生するのを抑制することができる。
次に、D/A変換回路6による2回目のD/A変換処理の内容について説明する。図17に示すように、入力電位Vinとアンプ31の出力電圧Vampとの関係は、1回目のD/A変換後はV2、2回目のA/D変換後はV3となる。
ここで、D/A変換をする前のアンプ出力電圧V2に対して、量子化回路4において前述したように3個の閾値電圧で第2量子化を実施すると、アンプ出力電圧V2の大きさに応じて「2」、「1」、「−1」、「−2」の4レベルの量子化出力Qout2が得られる。この結果に基づいて、アンプ出力電圧V1をD/A変換回路6からの出力と加算すると、次のような結果となる。この場合、第2量子化では、アンプ出力電圧V2に対して図9に示すように、閾値Vth2+ および閾値Vth2- は使用しないで、4つのレベルに分けて量子化出力Qout2を出力する。
D/A変換回路6では、第2量子化の値Qout2に対して、第1量子化の場合と同様に図6に示すような動作を実施する。したがって、アンプ出力電圧V2に第2量子化の結果によるD/A変換回路6の出力を加算すると、図17に太実線で示すようにアンプ出力電圧V3を得ることができる。この場合に、1回目のD/A変換と同様に、量子化結果Qoutの値にかかわらず、ホールド期間では参照電圧としてVcmの選択をしないようにしてDAC容量Cdの電位をアンプ31の入力端子に出力しているので、DAC容量Cdが電圧特性を有する場合でも、アンプ31のオフセットに起因して出力誤差が発生するのを抑制することができる。
上記のようにして、2回の量子化およびD/A変換処理を実行することで、9レベルの量子化結果を出力することができるようになる。また、この場合に、D/A変換回路6では、ホールド期間においてVcmを選択する動作を行わないので、DAC容量Cdの電気特性がアンプ31のオフセットで誤差を発生するのを回避することができるので、精度の良いA/D変換を実行することができる。
次に、図18および図19を参照して、上記した2回の量子化およびD/A変換処理における動作をまとめた結果について説明する。前述の説明のように、第1量子化では、図8に示すようにしてアンプ出力電圧V1に対して5個の閾値電圧により4レベルの量子化結果Qout1を出力している。また、第2量子化では、図9に示すようにしてアンプ出力電圧V2に対して3個の閾値電圧により4レベルの量子化結果Qout2を出力している。
ここで、2回目のD/A変換前のアンプ出力電圧V2は、1回目のD/A変換前のアンプ出力電圧V1からD/A変換回路5の出力との差分を演算した結果となっているから、D/A変換回路6の出力リファレンス電圧Vrefを用いて前述した式(1)のように表せ、Vref×Cd/Cf=VRと置くと、前述の式(2)のように表すことができる。
ここで、第1量子化では、図8に示したように、5個の閾値電圧によって6個の判定条件が設定される。このとき、例えば記号1aで示す条件に該当する場合には、第2実施形態と同様にして、第2量子化の記号2a、2bの条件をアンプ出力電圧V1で示すと、次式(19)、(20)のようになる。
そして、例えば記号1bで示す条件に該当する場合には、第2量子化で図9に示している記号2a、2bで示す2通りの条件に該当する可能性がある。すなわち、第2量子化では、アンプ出力電圧V2に対応しているが、式(2)で示したアンプ出力電圧V1を用いて2a、2bの条件を書き直してみる。まず、記号2aの条件は、次式(21)であるから、これに式(2)を代入すると、次式(22)のようになる。同様に、記号2bの条件は、次式(23)であるから、これに式(2)を代入すると、次式(24)のようになる。
記号2aの条件:V2≧Vth1+ (21)
→V1−Qout1×VR≧Vth1+ (22)
記号2bの条件:Vth1+>V2≧Vth0 (23)
→Vth1+>V1−Qout1×VR≧Vth0 (24)
そこで、第1量子化のアンプ出力電圧V1が記号1bの条件すなわち、次式(7)に該当する場合には、Qout1は「1」であるから、記号2a、2bの条件をアンプ出力電圧V1の条件として書き直すと、式(25)、(26)のようになる。
Vth2+ >V1≧Vth1+ (7)
記号2aの条件:V1−VR≧Vth1+
→V1≧Vth1+ +VR (25)
記号2bの条件:Vth1+>V1−VR≧Vth0
→Vth1+ +VR>V1≧Vth0+VR (26)
これにより、第1量子化の記号1bの条件を満たすとき、第2量子化の記号2a、2bの条件を入力V1で示すと、次式(27)、(28)のようになる。
記号2aの条件:Vth2+ >V1≧Vth1+ +VR (27)
記号2bの条件:Vth1+ +VR>V1≧Vth1+ (28)
他の記号についても同様の考え方で書き換えを行うと、2つのレベルに分けられる部分が互いに異なる量子化の値Qout2を出力することで、最終的には、図18に示すように、9レベルの量子化レベルの出力を得ることができるようになる。
さらに、上記した5個の閾値電圧を、前述した参照電圧Vrefとの関係で書き直すと、図19のようにすべての条件を参照電圧Vrefの分圧として設定することができる。
このような第3実施形態によっても、第1実施形態と同様の作用効果を得ることができる。また、この第3実施形態では、閾値Vth2+ およびVth2- をそれぞれ閾値Vth1+ およびVth1- の整数倍となるように設定しているので、閾値電圧の生成回路を簡単な構成とすることができる。
(他の実施形態)
本開示は、実施例に準拠して記述されたが、本開示は当該実施例や構造に限定されるものではないと理解される。本開示は、様々な変形例や均等範囲内の変形をも包含する。加えて、様々な組み合わせや形態、さらには、それらに一要素のみ、それ以上、あるいはそれ以下、を含む他の組み合わせや形態をも、本開示の範疇や思想範囲に入るものである。
図面中、1はA/D変換回路、2は入力回路、3は積分回路、4は量子化回路、5は制御回路、6はD/A変換回路、31はアンプ、41〜45はコンパレータ、Csはサンプリング用の容量、Cfは帰還用の容量、CdはDAC容量、Ss1〜Ss4はスイッチ、Sdt、Sdm、Sdbは選択スイッチ、Sd2は接地スイッチ、Sd3は出力スイッチである。

Claims (9)

  1. 出力端子が量子化回路(4)に接続されたオペアンプの入力端子に接続されるD/A変換回路であって、
    DAC容量(Cd)と、
    前記DAC容量の入力側にアナログ電位として、基準電位(Vcm)、前記基準電位よりも高電位の第1電圧(Vrefp)および前記基準電位よりも低電位の第2電圧(Vrefm)を選択的に与える選択スイッチ(Sdt、Sdm、Sdb)と、
    前記DAC容量の出力側をアナロググランド電位に接続する接地スイッチ(Sd2)と、
    前記DAC容量の出力側を出力端子に接続する出力スイッチ(Sd3)とを備え、
    前記量子化回路から出力される4レベルの量子化結果の値に対応して、第1期間で前記選択スイッチをいずれかの電位に選択接続し且つ前記接地スイッチをオンさせて前記DAC容量に充電し、前記第1期間に続く第2期間で前記選択スイッチを前記第1電圧および前記第2電圧のいずれかに選択接続し且つ前記出力スイッチをオンさせて前記DAC容量から前記出力端子に4レベルのいずれかのアナログ電位を出力するD/A変換回路(6)。
  2. 前記4レベルの量子化結果の値は、「+2」、「+1」、「−1」、「−2」のいずれかの値として設定され、
    前記選択スイッチに対して、
    前記量子化結果の値が「+2」のときに、前記第1期間で前記第2電圧、前記第2期間で前記第1電圧に接続し、
    前記量子化結果の値が「+1」のときに、前記第1期間で前記基準電位、前記第2期間で前記第1電圧に接続し、
    前記量子化結果の値が「−1」のときに、前記第1期間で前記基準電位、前記第2期間で前記第2電圧に接続し、
    前記量子化結果の値が「−2」のときに、前記第1期間で前記第1電圧、前記第2期間で前記第2電圧に接続する請求項1に記載のD/A変換回路(6)。
  3. 前記量子化回路によりアナログ電位を5個の閾値電圧で比較して4レベルに変換する処理が2回繰り返し実施された量子化の結果が与えられ、
    第1回量子化では、アナログ電位が、正の前記第2閾値以上で「2」、正の前記第2閾値未満且つ正の前記第1閾値以上で「1」、正の前記第1閾値未満且つ前記基準閾値以上で「−1」、前記基準閾値未満且つ負の前記第1閾値以上で「1」、負の前記第1閾値未満且つ負の前記第2閾値以上で「−1」、負の前記第2閾値未満で「−2」のデジタル値として生成したものが与えられ、
    第2回量子化では、アナログ電位が、正の前記第1閾値以上で「2」、正の前記第1閾値未満且つ正の前記基準閾値以上で「1」、前記基準閾値未満且つ負の前記第1閾値以上で「−1」、負の前記第1閾値未満且つ負の前記第2閾値以上で「−2」のデジタル値として生成したものが与えられ、
    前記第1期間および前記第2期間を経て前記出力端子に4レベルのアナログ電位を出力することにより、前記量子化回路から9レベルのデジタル値を生成させる請求項2に記載のD/A変換回路。
  4. アナログ電位を5個の閾値電圧で比較して4レベルのデジタル値に変換して請求項2に記載のD/A変換回路に与える前記入力デジタル信号を生成する量子化回路であって、
    前記5個の閾値電圧は、前記基準電位に対応した基準閾値(Vth0)、前記基準閾値から正負に第1電圧分の差を有する正負の第1閾値(Vth1+、Vth1-)、前記基準閾値から正負に前記第1電圧よりも大きい第2電圧分の差を有する正負の第2閾値(Vth2+、Vth2-)として設定され、
    入力される前記アナログ電位が、正の前記第2閾値以上で「2」、正の前記第2閾値未満且つ正の前記第1閾値以上で「1」、正の前記第1閾値未満且つ前記基準閾値以上で「−1」、前記基準閾値未満且つ負の前記第1閾値以上で「1」、負の前記第1閾値未満且つ負の前記第2閾値以上で「−1」、負の前記第2閾値未満で「−2」のデジタル値として生成する量子化回路(4)。
  5. 正負の前記第2閾値は、基準閾値との差の絶対値が前記第1閾値よりも大きく且つ整数倍に設定される請求項4に記載の量子化回路。
  6. 正負の前記第2閾値は、絶対値が前記第1閾値よりも大きく且つ2倍よりも小さく設定される請求項4に記載の量子化回路。
  7. 請求項2に記載のD/A変換回路(6)と、
    請求項4ないし6のいずれか一項に記載の量子化回路(4)と、
    外部から入力されるアナログ電位と前記D/A変換回路が出力するアナログ電位とを加算して前記量子化回路の前記入力アナログ電位とするアンプ(3)と
    を備えたA/D変換回路。
  8. ΔΣ変調型A/D変換回路として構成され、
    前記量子化回路は、前記外部から入力されるアナログ電位に対応して少なくとも2回の変換処理を実行して9レベルのデジタル値を生成する請求項7に記載のA/D変換回路。
  9. 前記量子化回路は、2回目の変換処理では、
    外部から入力される前記アナログ電位が、正の前記第1閾値以上で「2」、正の前記第1閾値未満且つ前記基準閾値以上で「1」、前記基準閾値未満且つ負の前記第1閾値以上で「−1」、負の前記第1閾値以下で「−2」のデジタル値を生成する請求項7に記載のA/D変換回路。
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