以下、図面を適宜参照して、本発明の実施の形態について、詳細に説明する。但し、必要以上に詳細な説明は省略する場合がある。例えば、既によく知られた事項の詳細説明や実質的に同一の構成に対する重複説明を省略する場合がある。これは、以下の説明が不必要に冗長になるのを避け、当業者の理解を容易にするためである。
なお、添付図面および以下の説明は、当業者が本開示を十分に理解するために、提供されるのであって、これらにより特許請求の範囲に記載の主題を限定することは意図されていない。
(第1の実施の形態)
図1は、第1の実施の形態に係る追跡システムの構成例を示した図である。図1に示すように、追跡システムは、基地局1a〜1eと、無人飛行体2a〜2eと、を有している。
無人飛行体2a〜2eは、例えば、カメラを搭載したドローンである。無人飛行体2a〜2eは、バッテリにより飛行し、容疑者または容疑者が運転する車両等の追跡対象を自律的に追跡する。例えば、無人飛行体2a〜2eは、カメラが撮影する画像から、追跡する追跡対象を判定し、容疑者等の追跡対象を自律的に追跡する。なお、無人飛行体2a〜2eは、自律飛行中、遠隔操作装置によるユーザの操作があると、自律飛行からユーザの手動飛行に切り替えてもよい。
基地局1a〜1eは、例えば、各地の警察署の屋上等に設置される。無人飛行体2a〜2eの各々は、基地局1a〜1eの各々に属し、基地局1a〜1eと無線通信を行う。例えば、基地局1aは、無人飛行体2aと無線通信を行う。基地局1bは、無人飛行体2bと無線通信を行う。以下同様に、基地局1c〜1eの各々は、無人飛行体2c〜2eの各々と無線通信を行う。
基地局1a〜1eは、無人飛行体2a〜2eと無線通信を行う通信エリアを形成する。無人飛行体2a〜2eは、飛行中、基地局1a〜1eと無線通信ができるように、基地局1a〜1eの通信エリア内において飛行する。例えば、図1に示すゾーン3aは、無人飛行体2aの飛行範囲を示している。ゾーン3aは、例えば、基地局1aが形成する通信エリアと同じ形状を有してもよいし、基地局1aが形成する通信エリアより小さくてもよい。
同様に、ゾーン3b〜3eのそれぞれも、無人飛行体2b〜2eの飛行範囲を示している。ゾーン3b〜3eのそれぞれは、例えば、基地局1b〜1eのそれぞれが形成する通信エリアと同じ形状を有してもよいし、基地局1b〜1eのそれぞれが形成する通信エリアより小さくてもよい。
ゾーン3a〜3eは、隣接するゾーン3a〜3eと一部がオーバラップするように設定される。言い換えれば、通信エリアは、隣接する通信エリアと一部がオーバラップするように形成される。例えば、ゾーン3aは、点線A1において、ゾーン3bとオーバラップしている。ゾーン3aは、一点鎖線A2において、ゾーン3cとオーバラップしている。以下では、ゾーン3a〜3eの一部がオーバラップする領域を、ゾーンの端と呼ぶことがある。例えば、ゾーン3aの点線A1および一点鎖線A2に示す領域を、ゾーン3aの端と呼ぶことがある。
無人飛行体2a〜2eは、GPS(Global Positioning System)を搭載している。無人飛行体2a〜2eは、GPSによる位置情報に基づいて、ゾーン3a〜3eの端を飛行しているか否かを判定する。
無人飛行体2a〜2eは、飛行しないとき、待機場で待機する。待機場は、例えば、基地局1a〜1eの近くに設置され、警察署の屋上等に設置される。待機場には、例えば、無人飛行体2a〜2eのバッテリを充電する充電台が設置される。無人飛行体2a〜2eは、待機しているとき、充電台でバッテリが充電される。
基地局1a〜1eは、有線または無線によって互いに接続される。例えば、基地局1a〜1eは、LAN(Local Area Network)またはインターネット等のネットワークによって互いに接続される。
ここで、無人飛行体2a〜2eは、バッテリにより飛行するため、長距離にわたって移動する追跡対象の追跡が困難な場合がある。そこで、図1の追跡システムでは、無人飛行体2a〜2eの飛行範囲を予め決めておく。例えば、上記したように、無人飛行体2a〜2eのそれぞれは、ゾーン3a〜3eのそれぞれにおいて飛行する。
そして、無人飛行体2a〜2eは、追跡対象が長距離にわたり移動する場合、リレー形式で追跡対象を追跡する。例えば、追跡対象がゾーン3aからゾーン3cに移動し、さらにゾーン3cからゾーン3eに移動する。この場合、ゾーン3aを飛行する無人飛行体2aが、ゾーン3a内を移動する追跡対象を追跡する。追跡対象がゾーン3aからゾーン3cに移動すると、ゾーン3cを飛行する無人飛行体2cが、ゾーン3c内を移動する追跡対象を追跡する。そして、追跡対象がゾーン3cからゾーン3eに移動すると、ゾーン3eを飛行する無人飛行体2eが、ゾーン3e内を移動する追跡対象を追跡する。このようにして、図1の追跡システムは、長距離にわたって移動する追跡対象を追跡する。
図1の追跡システムの概略動作例について説明する。無人飛行体2aは、無人飛行体2aの飛行範囲であるゾーン3aを自律飛行し、追跡対象を追跡している。無人飛行体2b〜2eは、待機場で待機している。
無人飛行体2aは、GPSによって、無人飛行体2aの位置情報を逐次取得し、ゾーン3aの端を飛行しているか否かの判定を行う。無人飛行体2aは、ゾーン3aの端を飛行すると、基地局1aに対し、追跡対象の追跡の引き継ぎ要求を送信する。このとき、無人飛行体2aは、現在の位置情報も基地局1aに送信する。
基地局1aは、無人飛行体2aから引き継ぎ要求を受信すると、無人飛行体2aから受信した位置情報に基づいて、追跡対象の移動先となるゾーン(通信エリア)を判定(推定)する。
例えば、無人飛行体2aは、一点鎖線A2に示すゾーン3aの端を飛行する。この場合、追跡対象は、ゾーン3aと一部がオーバラップしているゾーン3cに移動する可能性が高い(一点鎖線A2に示すゾーン3aの端は、ゾーン3cの端でもあり、追跡対象は、ゾーン3cに移動していると捉えることができる)。従って、基地局1aは、追跡対象の移動先ゾーンとして、ゾーン3c(基地局1cの通信エリア)を判定する。なお、無人飛行体2aが、点線A1に示すゾーン3aの端を飛行している場合、追跡対象は、ゾーン3aと一部がオーバラップしているゾーン3bに移動する可能性が高い(点線A1に示すゾーン3aの端は、ゾーン3bの端でもあり、追跡対象は、ゾーン3bに移動していると捉えることができる)。従ってこの場合、基地局1aは、追跡対象の移動先ゾーンとして、ゾーン3bを判定する。
基地局1aは、追跡対象の移動先ゾーンとしてゾーン3cを判定すると、判定したゾーン3cが設定された基地局1cに、追跡対象の追跡の引き継ぎ要求を送信する。このとき、基地局1aは、無人飛行体2aの位置情報も、基地局1cに送信する。
基地局1cは、基地局1aから引き継ぎ要求を受信すると、ゾーン3cを飛行する無人飛行体2cに、追跡対象の追跡を開始させる追跡開始指示を送信する。このとき、基地局1cは、基地局1aから受信した、無人飛行体2aの位置情報も無人飛行体2cに送信する。
無人飛行体2cは、基地局1cから追跡開始指示を受信すると、基地局1cから受信した位置情報の位置に飛行する。すなわち、無人飛行体2cは、無人飛行体2aが飛行している場所に飛行する。無人飛行体2cは、位置情報が示す位置に到着すると、無人飛行体2aに代わって、追跡対象の追跡を開始する。追跡を終えた無人飛行体2aは、無人飛行体2aの待機場に帰還する。
このように、無人飛行体2a〜2eは、ゾーン3a〜3e内(基地局1a〜1eの通信エリア内)を飛行し、ゾーン3a〜3eを跨いで移動する追跡対象をリレー形式で追跡する。これにより、図1の追跡システムは、長距離にわたり、追跡対象を追跡できる。
なお、図1では、ゾーン3a〜3eのそれぞれにおいて、1台の無人飛行体2a〜2eが属していたが、これに限られない。ゾーン3a〜3eのそれぞれには、複数の無人飛行体が属していてもよい。
また、基地局1a〜1eは、警察センタの情報処理装置または警察官が所持する携帯端末と接続されてもよい。基地局1a〜1eは、無人飛行体2a〜2eのカメラが撮影する画像を受信し、警察センタの情報処理装置または警察官が所持する携帯端末に送信してもよい。
図2は、基地局1aのブロック構成例を示した図である。図2に示すように、基地局1aは、制御部11と、通信部12,13と、記憶部14と、を有している。
制御部11は、基地局1a全体を制御する。制御部11は、例えば、CPU(Central Processing Unit)によって構成されてもよい。
通信部12は、無人飛行体2aと無線通信を行う。通信部13は、他の基地局1b〜1eと通信を行う。
記憶部14には、制御部11が動作するためのプログラムが記憶される。また、記憶部14には、制御部11が計算処理を行うためのデータ、または、制御部11が各部を制御するためのデータ等が記憶される。記憶部14は、RAM、ROM、フラッシュメモリ、およびHDDなどの記憶装置によって構成されてもよい。
図2では、基地局1aのブロック構成例について説明したが、基地局1b〜1eも基地局1aと同様のブロックを有している。基地局1a〜1eの各々は、同様の機能を有している。
図3は、無人飛行体2aのブロック構成例を示した図である。図3に示すように、無人飛行体2aは、制御部21と、通信部22と、カメラ23と、GPS受信部24と、駆動部25と、バッテリ26と、通信部27と、記憶部28と、を有している。
制御部21は、無人飛行体2a全体を制御する。制御部21は、例えば、CPUによって構成されてもよい。
通信部22は、基地局1aと無線通信を行う。カメラ23は、光学レンズ、レンズ制御機構、およびイメージセンサ等を含む。カメラ23は、撮影する画像の画像データを制御部21に出力する。
GPS受信部24は、複数のGPS衛星から送信されるGPS信号を受信し、受信したGPS信号を用いて、無人飛行体2aの現在位置を算出する。現在位置には、例えば、緯度および経度が含まれる。
駆動部25は、例えば、モータであり、制御部21の制御に応じて、無人飛行体2aのプロペラ(図示せず)を回す。バッテリ26は、無人飛行体2aの電源であり、例えば、充電可能な2次電池である。通信部27は、基地局1aを介さずに、他の無人飛行体2b〜2eと直接無線通信を行う。
記憶部28には、制御部21が動作するためのプログラムが記憶される。また、記憶部28には、制御部21が計算処理を行うためのデータ、または、制御部21が各部を制御するためのデータ等が記憶される。記憶部28は、RAM、ROM、フラッシュメモリ、およびHDDなどの記憶装置によって構成されてもよい。
図3では、無人飛行体2aのブロック構成例について説明したが、無人飛行体2b〜2eも無人飛行体2aと同様のブロックを有している。無人飛行体2a〜2eの各々は、同様の機能を有している。
図4は、追跡システムの動作例を示したシーケンス図である。以下では、追跡対象は、ゾーン3aからゾーン3bに移動する。無人飛行体2b〜2eは、待機場で待機している。
無人飛行体2aの制御部21は、移動する追跡対象を、無人飛行体2aが追跡するよう駆動部を制御する(ステップS1)。ここで、無人飛行体2aが追跡対象の追跡を開始するまでの動作例について説明する。まず、無人飛行体2aの制御部21は、カメラ23が撮影する画像を、基地局1aを介して、警察センタの情報処理装置に送信する。
警察センタは、カメラ23が撮影する画像から、追跡すべき追跡対象を選択する。例えば、警察センタは、カメラ23の画像が表示されている情報処理装置のディスプレイにおいて、追跡すべき追跡対象をクリックまたはタップし、追跡すべき追跡対象を選択する。情報処理装置は、選択された追跡対象の追跡情報(例えば、形状、大きさ、色、模様などの特徴量、追跡対象の画面上の座標)を、基地局1aを介して、無人飛行体2aに送信する。
無人飛行体2aの制御部21は、情報処理装置から送信された追跡対象の追跡情報と、カメラ23が撮影する画像とに基づいて駆動部25を制御し、追跡対象を自律的に追跡する。例えば、制御部21は、カメラ23が撮影する画像の画像データに、追跡情報が含まれるように駆動部25を制御し、追跡対象を自律的に追跡する。このようにして、無人飛行体2aは、移動する追跡対象の追跡を開始する。
なお、制御部21は、カメラ23が撮影する画像を、警察官が所持する携帯端末に送信してもよい。そして、携帯端末を所持する警察官が、携帯端末を用いて、追跡すべき追跡対象を選択してもよい。
無人飛行体2aの制御部21は、無人飛行体2aがゾーン3aの端に移動したことを検知する(ステップS2)。例えば、無人飛行体2aの記憶部28には、ゾーン3aの端の情報(緯度および経度)を含む、ゾーン3aの地図情報が記憶されている。GPS受信部24は、逐次、無人飛行体2aの位置情報を取得する。制御部21は、GPS受信部24が取得する無人飛行体2aの位置情報と、記憶部28に記憶されているゾーン3aの地図情報とから、無人飛行体2aがゾーン3aの端に移動したことを検知する。
無人飛行体2aの制御部21は、ゾーン3aの端に移動したことを検知すると、通信部22を介して、引き継ぎ要求を基地局1aに送信する(ステップS3)。なお、制御部21は、基地局1aに引き継ぎ要求を送信する際、無人飛行体2aのID(識別子)と、無人飛行体2aの飛行位置を示す位置情報とを基地局1aに送信する。
基地局1aの制御部11は、通信部12を介して、無人飛行体2aから、引き継ぎ要求と、無人飛行体2aのIDと、無人飛行体2aの位置情報とを受信する(ステップS4)。
基地局1aの制御部11は、無人飛行体2aから引き継ぎ要求を受信すると、ステップS4にて受信した無人飛行体2aの位置情報に基づいて、追跡対象の移動先ゾーンを判定する(ステップS5)。例えば、制御部11は、ゾーン3aとゾーン3bとがオーバラップしている領域(図1の点線A1に示す領域)と、ゾーン3aとゾーン3cとがオーバラップしている領域(図1の一点鎖線A2に示す領域)とのいずれに無人飛行体2aが位置(飛行)しているかに基づいて、追跡対象の移動先ゾーンを判定する。より具体的には、制御部11は、ゾーン3aとゾーン3bとがオーバラップしている領域に、無人飛行体2aが位置している場合、追跡対象の移動先ゾーンとしてゾーン3bを判定する。また、制御部11は、ゾーン3aとゾーン3cとがオーバラップしている領域に、無人飛行体2aが位置している場合、追跡対象の移動先ゾーンとしてゾーン3cを判定する。ここでは、無人飛行体2aは、ゾーン3aとゾーン3bとがオーバラップしている領域(図1の点線A1に示す領域)を飛行し、制御部11は、追跡対象の移動先ゾーンとしてゾーン3bを判定する。
基地局1aの制御部11は、追跡対象の移動先ゾーンを判定すると、通信部12を介して、移動先ゾーンの基地局1bに引き継ぎ要求送信する(ステップS6)。なお、制御部11は、基地局1bに引き継ぎ要求を送信する際、ステップS4にて受信した無人飛行体2aのIDと、無人飛行体2aの位置情報とを、基地局1bに送信する。
基地局1bの制御部は、通信部を介して、基地局1aから、引き継ぎ要求と、無人飛行体2aのIDと、無人飛行体2aの位置情報とを受信する(ステップS7)。
基地局1bの制御部は、基地局1aから引き継ぎ要求を受信すると、ゾーン3b内で待機している無人飛行体の中から、追跡を引き継ぐ無人飛行体を決定する(ステップS8)。例えば、基地局1bの制御部は、最も長く待機している無人飛行体(最も過去に飛行した無人飛行体)を、追跡を引き継ぐ無人飛行体として決定してもよい。ここでは、基地局1bの制御部は、無人飛行体2bを、追跡を引き継ぐ無人飛行体として決定する。
基地局1bの制御部は、追跡を引き継ぐ無人飛行体2bを決定すると、無人飛行体2bに対し、追跡開始指示を送信する(ステップS9)。なお、基地局1bの制御部は、無人飛行体2bに追跡開始指示を送信する際、ステップS7にて受信した無人飛行体2aのIDと、無人飛行体2aの位置情報とを無人飛行体2bに送信する。
無人飛行体2bの制御部は、通信部を介して、基地局1bから、追跡開始指示と、無人飛行体2aのIDと、無人飛行体2aの位置情報とを受信する(ステップS10)。
無人飛行体2bの制御部は、基地局1bから追跡開始指示を受信すると、引き継ぎ処理を開始する(ステップS11)。例えば、無人飛行体2bの制御部は、駆動部を制御し、飛行を開始する。
無人飛行体2bの制御部は、無人飛行体2aが飛行している場所に、無人飛行体2bが移動するよう駆動部を制御する(ステップS12)。例えば、無人飛行体2bの制御部は、ステップS10にて受信した無人飛行体2aの位置情報を用いて、無人飛行体2aが飛行している場所に、無人飛行体2bが移動するよう駆動部を制御する。なお、無人飛行体2bの制御部は、無人飛行体2bの待機場から、無人飛行体2aが飛行している場所まで、例えば、まっすぐ移動するように駆動部を制御してもよい。これにより、無人飛行体2bは、無人飛行体2aが飛行している場所に早く到着でき、また、バッテリの電力消費を抑制できる。
無人飛行体2bの制御部は、引き継ぎ元である無人飛行体2aを検知する(ステップS13)。例えば、無人飛行体2bの制御部は、通信部を介して無人飛行体2aと直接無線通信を行い、無人飛行体2aのIDを受信する。無人飛行体2bの制御部は、ステップS10にて受信したIDと、無人飛行体2aから無線通信によって受信したIDとに基づいて、引き継ぎ元である無人飛行体2aを検知する。なお、無人飛行体2bの制御部は、カメラが撮影する画像の画像認識により、引き継ぎ元である無人飛行体2aを検知してもよい。
無人飛行体2bの制御部は、引き継ぎ元である無人飛行体2aを検知すると、無人飛行体2aを一定時間追尾するよう駆動部を制御する(ステップS14)。
無人飛行体2bの制御部は、無人飛行体2aを一定時間追尾する間に、無人飛行体2aが追跡していた追跡対象を判定(認識)する。無人飛行体2bの制御部は、例えば、無人飛行体2aと同じ方向に移動する物体を、無人飛行体2aが追跡していた追跡対象として判定してもよい。また、無人飛行体2bの制御部は、基地局1a,1bを介して、無人飛行体2aから、無人飛行体2aが追跡していた追跡対象の追跡情報を受信してもよい。また、無人飛行体2bの制御部は、通信部を介して無人飛行体2aと直接無線通信し、無人飛行体2aから、無人飛行体2aが追跡していた追跡対象の追跡情報を受信してもよい。このように、追跡の引き継ぎを行う際、無人飛行体2aの追跡と無人飛行体2bの追跡とをオーバラップさせることにより、追跡対象を見失うことを防止できる。
無人飛行体2bの制御部は、無人飛行体2aが追跡していた追跡対象を判定すると、基地局1bに対し、引き継ぎ準備完了を送信する(ステップS15)。
無人飛行体2bの制御部は、無人飛行体2aから引き継いだ追跡対象を追跡するように駆動部を制御部する(ステップS16)。
基地局1bの制御部は、通信部を介して、無人飛行体2bから送信された引き継ぎ準備完了を受信すると、基地局1aに対し、引き継ぎ準備完了を送信する(ステップS17)。
基地局1aの制御部11は、通信部12を介して、基地局1bから送信された引き継ぎ準備完了を受信すると、無人飛行体2aに対し、引き継ぎ準備完了を送信する(ステップS18)。
無人飛行体2aの制御部21は、通信部22を介して、基地局1aから送信された引き継ぎ準備完了を受信すると、基地局1aに設置されている待機場に帰還する(ステップS19)。
以上説明したように、追跡システムは、通信エリアを形成する基地局1a〜1eと、基地局1a〜1eの各々に属し、基地局1a〜1eの通信エリア内を飛行して、追跡対象を追跡する無人飛行体2a〜2eと、を有する。ここで、例えば、無人飛行体2aは、無人飛行体2aの飛行位置を示す位置情報を、無人飛行体2aが属する基地局1aに送信する。基地局1aは、無人飛行体2aから受信した位置情報に基づいて、無人飛行体2aが追跡している追跡対象の移動先の通信エリアを判定し、判定した通信エリアを形成する基地局(例えば、基地局1c)に追跡対象の追跡の引き継ぎ要求を送信する。基地局1cは、基地局1aからの引き継ぎ要求に応じて、基地局1cの通信エリア内を飛行する無人飛行体2cに追跡対象の追跡開始指示を送信する。これにより、追跡システムは、長距離にわたり、容疑者等の追跡対象を追跡できる。
(変形例1)
上記では、無人飛行体2a〜2eが、ゾーン3a〜3eの端を飛行しているか否かを検知したが(例えば、図4のステップS2を参照)、これに限られない。基地局1a〜1eが、無人飛行体2a〜2eのゾーン3a〜3eの端における飛行を検知してもよい。
例えば、基地局1a〜1eの各々の記憶部には、図4のステップS2において行った説明と同様の地図情報が記憶される。無人飛行体2a〜2eの制御部は、例えば、GPS受信部が取得した位置情報を逐次、通信部を介して、基地局1a〜1eに送信する。基地局1a〜1eの制御部は、無人飛行体2a〜2eから送信された位置情報と、記憶部に記憶されている地図情報とに基づいて、無人飛行体2a〜2eが、ゾーン3a〜3eの端を飛行しているか否かを判定する。
なお、無人飛行体2a〜2eが、ゾーン3a〜3eの端を飛行しているか否かを検知する場合、無人飛行体2a〜2eは逐次、位置情報を基地局1a〜1eに送信しなくて済む。従って、無人飛行体2a〜2eは、無線通信による消費電力を抑制できる。
(変形例2)
上記では、無人飛行体2a〜2eは、GPS受信部が受信した位置情報を用いて、ゾーン3a〜3eの端を飛行しているか否かを判定したが(例えば、図4のステップS2を参照)、これに限られない。無人飛行体2a〜2eは、例えば、基地局1a〜1eから受信する信号の受信電力に基づいて、ゾーン3a〜3eの端を飛行しているか否かを判定してもよい。例えば、無人飛行体2a〜2eは、基地局1a〜1eから受信する信号の受信電力が所定値以下であれば、ゾーン3a〜3eの端を飛行していると判定してもよい。
(変形例3)
上記では、基地局1a〜1eは、無人飛行体2a〜2eの位置情報に基づいて、追跡対象の移動先ゾーンを判定した(例えば、図4のステップS5を参照)。基地局1a〜1eは、無人飛行体2a〜2eの位置情報に加え、さらに無人飛行体2a〜2eの移動方向を示す方向情報に基づいて、追跡対象の移動先ゾーンを判定してもよい。
例えば、無人飛行体2aの制御部21は、無人飛行体2aがゾーン3aの端に移動すると、GPS受信部が受信する少なくとも2つの位置情報から、無人飛行体2aの移動方向を算出する。無人飛行体2aの制御部21は、算出した移動方向を含む移動情報を、通信部22を介して、基地局1aに送信する。
基地局1aの制御部11は、無人飛行体2aから送信された無人飛行体2aの位置情報と方向情報とに基づいて、追跡対象の移動先ゾーンを判定する。例えば、基地局1aの制御部11は、無人飛行体2aが、図1に示す一点鎖線A2に示す領域を飛行し、ゾーン3cの方向に向かって移動している場合、追跡対象の移動先としてゾーン3cを判定する。一方、基地局1aの制御部11は、無人飛行体2aが、図1に示す一点鎖線A2に示す領域を飛行していても、ゾーン3bの方向に向かって移動している場合、追跡対象の移動先としてゾーン3bを判定する。これにより、基地局1aの制御部11は、追跡対象の移動先となるゾーン3a〜3eの判定精度を向上できる。なお、基地局1aには、基地局1aの周囲のゾーン3b,3cの地図情報も記憶される。
なお、無人飛行体2aの制御部21は、位置情報を基地局1aに送信せず、方向情報を基地局1aに送信してもよい。基地局1aの制御部21は、無人飛行体2aから送信された方向情報から、追跡対象の移動先ゾーンを判定してもよい。
(変形例4)
ゾーン3a〜3eのオーバラップは、隣接する2つのゾーン3a〜3eがオーバラップするだけでなく、隣接する3以上のゾーン3a〜3eがオーバラップする場合もある。例えば、図1の矢印A3に示す領域は、3つのゾーン3a,3b,3cがオーバラップしている。
基地局1a〜1eは、3以上のゾーン3a〜3eがオーバラップする領域に、無人飛行体2a〜2eが位置した場合、追跡対象の移動先ゾーンとして、オーバラップしているすべてのゾーン3a〜3eを判定してもよい。例えば、図1において、無人飛行体2aは、矢印A3に示す領域(ゾーン3a,3b,3cがオーバラップする領域)に位置したとする。この場合、基地局1aの制御部11は、追跡対象の移動先ゾーンとして、ゾーン3b,3cを判定する。
なお、基地局1aの制御部11が、ゾーン3b,3cを判定した場合、無人飛行体2b,2cが飛行を開始する。飛行を開始した無人飛行体2b,2cは、引き継ぎ元の無人飛行体2aを一定時間追尾する(例えば、図4のステップS14を参照)。追跡対象が、ゾーン3b,3cのいずれか一方に移動した場合、無人飛行体2b,2cのいずれか一方は、追跡対象を追跡でき、他方は、追跡対象を追跡できなくなる。追跡対象を追跡できる無人飛行体2b,2cは、追跡対象の追跡を続け、追跡対象を追跡できなくなった無人飛行体2b,2cは、待機場に帰還する。
(変形例5)
上記では、基地局1a〜1eは、互いに通信を行って、引き継ぎ要求、無人飛行体2a〜2eのID、および無人飛行体2a〜2eの位置情報等の情報を送信および受信していたがこれに限られない。例えば、基地局1a〜1eは、基地局1a〜1eを制御する中央制御装置を経由して、引き継ぎ要求、無人飛行体2a〜2eのID、および無人飛行体2a〜2eの位置情報等の情報を送信および受信してもよい。
(変形例6)
引き継ぎ元の無人飛行体2a〜2eは、引き継ぎ要求を基地局1a〜1eに送信した後、基地局1a〜1eから引き継ぎ準備完了を受信するまで、位置情報を逐次、基地局1a〜1eに送信してもよい。これにより、引き継ぎ先の無人飛行体2a〜2eは、基地局1a〜1eから追跡開始指示を受信して飛行を開始してから、引き継ぎ元の無人飛行体2a〜2eの場所へ移動するまでの間、引き継ぎ元の無人飛行体2a〜2eの更新される位置情報を取得でき、引き継ぎ元の無人飛行体2a〜2eを検知するまでの時間を短縮できる。
(変形例7)
上記では、1つのゾーン内において、1台の無人飛行体が追跡対象を追跡したが、これに限られない。1つのゾーン内において、複数台の無人飛行体が追跡対象を追跡してもよい。
(第2の実施の形態)
第2の実施の形態では、1つの通信エリア内において複数の無人飛行体がリレー形式で巡回する。
図5は、第2の実施の形態に係る巡回システムの構成例を示した図である。図5に示すように、巡回システムは、基地局31と、無人飛行体32a〜32cと、を有している。
無人飛行体32a〜32cは、例えば、カメラを搭載したドローンである。無人飛行体32a〜32cは、バッテリにより飛行する。無人飛行体32a〜32cは、例えば、街中をカメラで撮影しながら巡回する。無人飛行体32a〜32cは、予め決められた(設定された)ルートを巡回してもよいし、自律的に街中を巡回してもよい。
基地局31は、例えば、警察署の屋上等に設置される。基地局31は、無人飛行体32a〜32cと無線通信を行う通信エリア33を形成する。無人飛行体32a〜32cは、通信エリア33内を飛行し、基地局31と無線通信を行う。
無人飛行体32a〜32cは、飛行しないとき、待機場で待機する。待機場は、例えば、基地局31の近くに設置され、警察署の屋上等に設置される。待機場には、例えば、無人飛行体32a〜32cのバッテリを充電する充電台が設置される。無人飛行体32a〜32cは、待機しているとき、充電台でバッテリが充電される。
ここで、無人飛行体32a〜32cは、バッテリにより飛行するため、長時間にわたって街中を巡回することが困難な場合がある。そこで、図5の巡回システムでは、複数の無人飛行体32a〜32cが交代しながら街中を巡回する。
図5の巡回システムの概略動作例について説明する。無人飛行体32aは、街中を飛行し、巡回している。無人飛行体32b,32cは、待機場で待機している。
飛行中の無人飛行体32aは、周期的にバッテリ残量を判定する。無人飛行体32aは、バッテリ残量が所定値以下になると、飛行(巡回)の引き継ぎ要求を基地局31に送信する。このとき、無人飛行体32aは、例えば、GPSによって現在の位置情報を取得し、取得した位置情報も基地局31に送信する。
基地局31は、無人飛行体32aから引き継ぎ要求を受信すると、待機している無人飛行体32b,32cの中から、巡回を引き継ぐ無人飛行体を決定する。ここでは、基地局31は、巡回を引き継ぐ無人飛行体として、無人飛行体32bを決定する。
基地局31は、巡回を引き継ぐ無人飛行体32bを決定すると、無人飛行体32bに引き継ぎ要求を送信する。このとき、基地局31は、引き継ぎ元の無人飛行体32aから受信した位置情報も、巡回を引き継ぐ無人飛行体32bに送信する。
無人飛行体32bは、基地局31から引き継ぎ要求を受信すると、基地局31から受信した位置情報の位置に飛行する。すなわち、無人飛行体32bは、無人飛行体32aが飛行している場所に飛行する。無人飛行体32bは、位置情報が示す位置に到着すると、無人飛行体32aに代わって、巡回を開始する。巡回を無人飛行体32bに引き継いだ無人飛行体32aは、無人飛行体32aの待機場に帰還する。
巡回を引き継いだ無人飛行体32bも、周期的にバッテリ残量を判定する。無人飛行体32bは、バッテリ残量が所定値以下になると、飛行の引き継ぎ要求を基地局31に送信する。そして、基地局31は、無人飛行体32bから引き継ぎ要求を受信すると、待機している無人飛行体32a,32cの中から、巡回を引き継ぐ無人飛行体を決定する。
このように、街中を巡回している無人飛行体32a〜32cは、周期的にバッテリ残量を判定し、バッテリ残量が所定値以下になると、待機している無人飛行体32a〜32cと巡回を交代する。これにより、図5の巡回システムは、長時間にわたり、街中を巡回できる。
なお、基地局31は、警察センタの情報処理装置または警察官が所持する携帯端末と接続されてもよい。基地局31は、無人飛行体32a〜32cのカメラが撮影する画像を受信し、警察センタの情報処理装置または警察官が所持する携帯端末に送信してもよい。
基地局31は、図2に示した基地局1aと同様のブロック構成を有する。無人飛行体32a〜32cは、図3に示した無人飛行体2aと同様のブロック構成を有する。無人飛行体32a〜32cの各々は、同様の機能を有している。
図6Aおよび図6Bは、巡回システムの動作例を示したシーケンス図である。無人飛行体32aの制御部は、無人飛行体32aが街中を巡回するよう駆動部を制御する(ステップS31)。例えば、無人飛行体32aの記憶部には、予め無人飛行体32aが巡回する巡回ルートの情報(例えば、緯度および経度)が記憶されている。無人飛行体32aの制御部は、記憶部に記憶された巡回ルートを巡回するように駆動部を制御する。また、無人飛行体32aの制御部は、自律的に街中を巡回するように駆動部を制御してもよい。
無人飛行体32aの制御部は、バッテリ残量の低下を検知する(ステップS32)。例えば、無人飛行体32aの制御部は、バッテリの電圧を周期的に取得する。無人飛行体32aの制御部は、バッテリの電圧が所定値以下になると、バッテリ残量の低下を検知する。
無人飛行体32aの制御部は、バッテリ残量の低下を検知すると、通信部を介して、引き継ぎ要求を基地局31に送信する(ステップS33)。なお、無人飛行体32aの制御部は、基地局31に引き継ぎ要求を送信する際、GPS受信部から位置情報を取得する。無人飛行体32aの制御部は、GPS受信部から取得した位置情報と、無人飛行体32aのIDとを基地局31に送信する。
基地局31の制御部は、通信部を介して、無人飛行体32aから、引き継ぎ要求と、無人飛行体32aのIDと、無人飛行体32aの位置情報とを受信する(ステップS34)。
基地局31の制御部は、無人飛行体32aから引き継ぎ要求を受信すると、待機場で待機している無人飛行体32b,32cの中から、巡回を引き継ぐ無人飛行体を決定する(ステップS35)。例えば、基地局31の制御部は、最も長く待機している無人飛行体(最も過去に飛行した無人飛行体)を、巡回を引き継ぐ無人飛行体として決定してもよい。ここでは、基地局31の制御部は、無人飛行体32bを、巡回を引き継ぐ無人飛行体として決定する。
基地局31の制御部は、巡回を引き継ぐ無人飛行体32bを決定すると、無人飛行体32bに対し、巡回開始指示を送信する(ステップS36)。なお、基地局31の制御部は、無人飛行体32bに巡回開始指示を送信する際、ステップS34にて受信した無人飛行体32aのIDと、無人飛行体32aの位置情報とを無人飛行体32bに送信する。
無人飛行体32bの制御部は、通信部を介して、基地局31から、巡回開始指示と、無人飛行体32aのIDと、無人飛行体32aの位置情報とを受信する(ステップS37)。
無人飛行体32bの制御部は、基地局31から巡回開始指示を受信すると、引き継ぎ処理を開始する(ステップS38)。例えば、無人飛行体32bの制御部は、駆動部を制御し、飛行を開始する。
無人飛行体32bの制御部は、無人飛行体32aが飛行している場所に、無人飛行体32bが移動するよう駆動部を制御する(ステップS39)。例えば、無人飛行体32bの制御部は、ステップS37にて受信した無人飛行体32aの位置情報を用いて、無人飛行体32aが飛行している場所に、無人飛行体32bが移動するよう駆動部を制御する。なお、無人飛行体32bの制御部は、無人飛行体32bの待機場から、無人飛行体32aが飛行している場所まで、例えば、まっすぐ移動するように駆動部を制御してもよい。これにより、無人飛行体32bは、無人飛行体32aが飛行している場所に早く到着でき、また、バッテリの電力消費を抑制できる。
無人飛行体32bの制御部は、引き継ぎ元である無人飛行体32aを検知する(ステップS40)。例えば、無人飛行体32bの制御部は、通信部を介して無人飛行体32aと直接無線通信を行い、無人飛行体32aのIDを受信する。無人飛行体32bの制御部は、ステップS37にて受信したIDと、無人飛行体32aから無線通信によって受信したIDとに基づいて、引き継ぎ元である無人飛行体32aを検知する。なお、無人飛行体32bの制御部は、カメラが撮影する画像の画像認識により、引き継ぎ元である無人飛行体32aを検知してもよい。
無人飛行体32bの制御部は、引き継ぎ元である無人飛行体32aを検知すると、無人飛行体32aを一定時間追尾するよう駆動部を制御する(ステップS41)。このように、巡回システムは、巡回の引き継ぎを行う際、無人飛行体32aの巡回と無人飛行体32bの巡回とをオーバラップさせることにより、巡回の抜け(巡回の空白時間)を防止できる。
無人飛行体32bの制御部は、無人飛行体32aを一定時間追尾すると、基地局31に対し、引き継ぎ準備完了を送信する(ステップS42)。
無人飛行体32bの制御部は、無人飛行体32bが街中を巡回するよう駆動部を制御する(ステップS43)。
基地局31の制御部は、通信部を介して、無人飛行体32bから送信された引き継ぎ準備完了を受信すると、引き継ぎ元の無人飛行体32aに対し、引き継ぎ準備完了を送信する(ステップS44)。
無人飛行体32aの制御部は、通信部を介して、基地局31から送信された引き継ぎ準備完了を受信すると、基地局31に設置されている待機場に、無人飛行体32aが帰還するよう駆動部を制御する(ステップS45)。
無人飛行体32bの制御部は、バッテリ残量の低下を検知する(ステップS46)。例えば、無人飛行体32bの制御部は、バッテリの電圧を周期的に取得する。無人飛行体32bの制御部は、バッテリの電圧が所定値以下になると、バッテリ残量の低下を検知する。
無人飛行体32bの制御部は、バッテリ残量の低下を検知すると、通信部を介して、引き継ぎ要求を基地局31に送信する(ステップS47)。なお、無人飛行体32bの制御部は、基地局31に引き継ぎ要求を送信する際、GPS受信部から位置情報を取得する。無人飛行体32bの制御部は、GPS受信部から取得した位置情報と、無人飛行体32bのIDとを基地局31に送信する。
基地局31の制御部は、通信部を介して、無人飛行体32bから、引き継ぎ要求と、無人飛行体32bのIDと、無人飛行体32bの位置情報とを受信する(ステップS48)。
基地局31の制御部は、無人飛行体32bから引き継ぎ要求を受信すると、待機場で待機している無人飛行体32a,32cの中から、巡回を引き継ぐ無人飛行体を決定する(ステップS49)。例えば、基地局31の制御部は、最も長く待機している無人飛行体(最も過去に飛行した無人飛行体)を、巡回を引き継ぐ無人飛行体として決定してもよい。なお、無人飛行体32cが、無人飛行体32aより長く待機しているので、基地局31の制御部は、無人飛行体32cを、巡回を引き継ぐ無人飛行体として決定する。
基地局31の制御部は、巡回を引き継ぐ無人飛行体32cを決定すると、無人飛行体32cに対し、巡回開始指示を送信する(ステップS50)。なお、基地局31の制御部は、無人飛行体32cに巡回開始指示を送信する際、ステップS48にて受信した無人飛行体32bのIDと、無人飛行体32bの位置情報とを無人飛行体32cに送信する。
無人飛行体32cの制御部は、通信部を介して、基地局31から、巡回開始指示と、無人飛行体32bのIDと、無人飛行体32bの位置情報とを受信する(ステップS51)。
無人飛行体32cの制御部は、基地局31から巡回開始指示を受信すると、引き継ぎ処理を開始する(ステップS52)。例えば、無人飛行体32cの制御部は、駆動部を制御し、飛行を開始する。
無人飛行体32cの制御部は、無人飛行体32bが飛行している場所に、無人飛行体32cが移動するよう駆動部を制御する(ステップS53)。例えば、無人飛行体32cの制御部は、ステップS51にて受信した無人飛行体32bの位置情報を用いて、無人飛行体32bが飛行している場所に、無人飛行体32cが移動するよう駆動部を制御する。なお、無人飛行体32cの制御部は、無人飛行体32cの待機場から、無人飛行体32bが飛行している場所まで、例えば、まっすぐ移動するように駆動部を制御してもよい。これにより、無人飛行体32cは、無人飛行体32bが飛行している場所に早く到着でき、また、バッテリの電力消費を抑制できる。
無人飛行体32cの制御部は、引き継ぎ元である無人飛行体32bを検知する(ステップS54)。例えば、無人飛行体32cの制御部は、通信部を介して無人飛行体32bと直接無線通信を行い、無人飛行体32bのIDを受信する。無人飛行体32cの制御部は、ステップS51にて受信したIDと、無人飛行体32bから無線通信によって受信したIDとに基づいて、引き継ぎ元である無人飛行体32bを検知する。なお、無人飛行体32cの制御部は、カメラが撮影する画像の画像認識により、引き継ぎ元である無人飛行体32bを検知してもよい。
無人飛行体32cの制御部は、引き継ぎ元である無人飛行体32bを検知すると、無人飛行体32bを一定時間追尾するよう駆動部を制御する(ステップS55)。このように、巡回システムは、巡回の引き継ぎを行う際、無人飛行体32bの巡回と無人飛行体32cの巡回とをオーバラップさせることにより、巡回の抜け(巡回の空白時間)を防止できる。
無人飛行体32cの制御部は、無人飛行体32bを一定時間追尾すると、基地局31に対し、引き継ぎ準備完了を送信する(ステップS56)。
無人飛行体32cの制御部は、無人飛行体32cが街中を巡回するよう駆動部を制御する(ステップS57)。
基地局31の制御部は、通信部を介して、無人飛行体32cから送信された引き継ぎ準備完了を受信すると、引き継ぎ元の無人飛行体32bに対し、引き継ぎ準備完了を送信する(ステップS58)。
無人飛行体32bの制御部は、通信部を介して、基地局31から送信された引き継ぎ準備完了を受信すると、基地局31に設置されている待機場に、無人飛行体32bが帰還するよう駆動部を制御する(ステップS59)。
以上説明したように、巡回システムは、通信エリアを形成する基地局31と、基地局31の通信エリア内を飛行する無人飛行体32a〜32cと、を有する。飛行中の無人飛行体32a〜32cは、バッテリ残量が所定値以下になると、飛行の引き継ぎ要求を基地局31に送信する。基地局31は、飛行中の無人飛行体32a〜32cから引き継ぎ要求を受信すると、飛行を待機している無人飛行体32a〜32cに対し、飛行開始指示を送信する。飛行を待機している無人飛行体32a〜32cは、基地局31からの飛行開始指示に応じて飛行を開始する。これにより、巡回システムは、長時間にわたり、街中等を巡回できる。
(変形例1)
無人飛行体32a〜32cの待機場は、基地局31の通信エリア33内において、異なる場所に設置されてもよい(通信エリア33内に分散して設置されてもよい)。この場合、基地局31の制御部は、引き継ぎ元の無人飛行体32a〜32cが飛行している位置に最も近い待機場で待機している無人飛行体32a〜32cから、引き継ぎ先の無人飛行体32a〜32cを決定してもよい。これにより、引き継ぎ先の無人飛行体32a〜32cは、引き継ぎ元の無人飛行体32a〜32cが飛行している場所に早く到着でき、また、バッテリの電力消費を抑制できる。
(変形例2)
上記では、巡回システムは、1台ずつ無人飛行体32a〜32cを飛行させたが、複数の無人飛行体を同時に飛行させてもよい。この場合、同時に飛行する複数の無人飛行体のそれぞれは、異なる巡回ルートを巡回してもよい。
また、巡回システムは、同時に複数の無人飛行体を飛行させる場合、同時に飛行させる無人飛行体の台数をダイナミックに変更してもよい。例えば、巡回システムは、夜間と昼間とにおいて、同時に飛行させる無人飛行体の台数を変えてもよい。例えば、巡回システムは、夜間に巡回させる無人飛行体の数を、昼間に巡回させる無人飛行体の数より多くしてもよい。
(変形例3)
引き継ぎ元の無人飛行体32a〜32cの制御部は、無人飛行体32a〜32cの位置情報に加え、さらに無人飛行体32a〜32cの移動方向を示す方向情報を基地局31に送信してもよい。基地局31は、引き継ぎ元の無人飛行体32a〜32cから受信した位置情報と方向情報とを引き継ぎ先の無人飛行体32a〜32cに送信してもよい。引き継ぎ先の無人飛行体32a〜32cは、基地局31から受信した位置情報と移動方向とに基づいて、引き継ぎ元の無人飛行体32a〜32cへ移動してもよい。これにより、引き継ぎ先の無人飛行体32a〜32cが、位置情報の示す位置に到着するまでの間に、引き継ぎ元の無人飛行体32a〜32cが、位置情報の示す位置から移動していても、引き継ぎ先の無人飛行体32a〜32cは移動方向を元に、引き継ぎ元の無人飛行体32a〜32cを探索できる。
(変形例4)
引き継ぎ元の無人飛行体32a〜32cは、引き継ぎ要求を基地局31に送信した後、基地局31から引き継ぎ準備完了を受信するまで、位置情報を逐次、基地局31に送信してもよい。これにより、引き継ぎ先の無人飛行体32a〜32cは、基地局31から巡回開始指示を受信して飛行を開始してから、引き継ぎ元の無人飛行体32a〜32cの場所へ移動するまでの間、引き継ぎ元の無人飛行体32a〜32cの更新される位置情報を取得でき、引き継ぎ元の無人飛行体32a〜32cを検知するまでの時間を短縮できる。
(第3の実施の形態)
巡回システムは、車両と無人飛行体とを用いて街中等を巡回する場合がある。第3の実施の形態の巡回システムは、街中をきめ細かく巡回するように、車両が巡回するルートと、無人飛行体が巡回するルートとが重ならないようにする。
図7は、第3の実施の形態に係る巡回システムの構成例を示した図である。図7に示すように、巡回システムは、基地局41と、無人飛行体42と、車両43と、情報処理装置44と、を有している。
無人飛行体42は、例えば、カメラを搭載したドローンである。無人飛行体42は、バッテリにより飛行する。無人飛行体42は、例えば、街中をカメラで撮影しながら巡回する。無人飛行体42は、予め決められた既定ルートを巡回する。無人飛行体42は、無人飛行体42の位置情報を逐次、基地局41に送信する。既定ルートは、例えば、緯度および経度で示されてもよい。
基地局41は、例えば、警察署の屋上等に設置される。基地局41は、通信エリア45を形成する。無人飛行体42は、通信エリア45内を飛行し、基地局41と無線通信を行う。基地局41は、無人飛行体42から受信した位置情報を情報処理装置44に送信する。
車両43は、例えば、警察車両である。車両43は、車内カメラを搭載し、街中を巡回する。車両43は、巡回ルートが予め決められていてもよいし、決められていなくてもよい。車両43は、巡回ルートが予め決められている場合でも、運転者の意思により、自由に巡回ルートが変更される。
車両43は、コントロールボックス(CB)を搭載している。車両43のCBは、車両43の位置を逐次取得し、取得した位置の位置情報を情報処理装置44に送信する。
情報処理装置44は、無人飛行体42および車両43の巡回ルートを管理するサーバである。情報処理装置44は、例えば、警察署に設置される。情報処理装置44は、例えば、無線通信ネットワークおよびインターネット等のネットワーク(図示せず)を介して、車両43と通信を行う。また、情報処理装置44は、インターネット等のネットワークを介して、基地局41と通信を行う。
ここで、車両43は、巡回ルートが決められていない。また、車両43は、巡回ルートが決められていても、運転者の意思により、巡回ルートが変更される場合がある。このため、無人飛行体42の既定ルートのうち、無人飛行体42が巡回(飛行)していない未飛行ルートに、車両43が巡回した巡回ルートが重なる場合がある(以下、車両43が巡回したルートを走行ルートと呼ぶことがある)。無人飛行体42がこれから巡回する未飛行ルートに、車両43の走行ルートが重なっていると、無人飛行体42は、すでに車両43が巡回したルートを巡回することになり、巡回の無駄が生じる。また、巡回システムは、街中を網羅した巡回ができなくなる。
そこで、図7の巡回システムは、無人飛行体42の未飛行ルートに、車両43の走行ルートが重なった場合、未飛行ルートの走行ルートが重なった部分を、車両43が巡回(走行)していないルートに変更する。
図7の巡回システムの概略動作例について、図8Aおよび図8Bを用いて説明する。
図8Aおよび図8Bは、巡回システムの概略動作例を説明する図である。図8Aおよび図8Bには、街中の地図が示してある。図8Aの地図と図8Bの地図は、同じである。
図8Aの既定ルート51aは、無人飛行体42が巡回するルートを示している。無人飛行体42は、既定ルート51aに従って、街中を巡回する。なお、無人飛行体42は、図8Aに示す既定ルート51aをまだ巡回していないとする。すなわち、図8Aに示す既定ルート51aは、未飛行ルートでもある。
図8Bの走行ルート52は、車両43が巡回したルートを示している。走行ルート52は、図8Aに示す区間A11において、無人飛行体42の既定ルート51a(未飛行ルート)と重なっている。
情報処理装置44は、無人飛行体42の未飛行ルート(図8Aの既定ルート51a)に、車両43が巡回した走行ルート52が重なった場合、走行ルート52が重なった未飛行ルートの部分を、車両43が巡回していないルートに変更する。例えば、情報処理装置44は、図8Bの既定ルート51bに示すように、無人飛行体42が巡回するルートを変更する。
このように、巡回システムは、無人飛行体42の未飛行ルートに、車両43が巡回した走行ルート52が重なった場合、無人飛行体42の巡回ルートを変更する。これにより、巡回システムは、車両43の走行ルートと重ならないように、無人飛行体42を巡回させることができる。
なお、基地局41は、警察センタの情報処理装置または警察官が所持する携帯端末と接続されてもよい。基地局41は、無人飛行体42のカメラが撮影する画像を受信し、警察センタの情報処理装置または警察官が所持する携帯端末に送信してもよい。
基地局41は、図2に示した基地局1aと同様のブロック構成を有する。無人飛行体42は、図3に示した無人飛行体2aと同様のブロック構成を有する。
図9は、車両43のCB60のブロック構成例を示した図である。図9に示すように、車両43のCB60は、制御部61と、通信部62と、カメラ63と、GPS受信部64と、記憶部65と、を有している。
制御部61は、CB60全体を制御する。制御部61は、例えば、CPUによって構成されてもよい。
通信部62は、例えば、無線通信ネットワークおよびインターネット等のネットワークを介して、情報処理装置44と通信を行う。カメラ63は、光学レンズ、レンズ制御機構、およびイメージセンサ等を含む。カメラ63は、撮影する画像の画像データを制御部61に出力する。
GPS受信部64は、複数のGPS衛星から送信されるGPS信号を受信し、受信したGPS信号を用いて、車両43の現在位置を算出する。現在位置には、例えば、緯度および経度が含まれる。
記憶部65には、制御部61が動作するためのプログラムが記憶される。また、記憶部65には、制御部61が計算処理を行うためのデータ、または、制御部61が各部を制御するためのデータ等が記憶される。記憶部65は、RAM、ROM、フラッシュメモリ、およびHDDなどの記憶装置によって構成されてもよい。
図10は、情報処理装置44のブロック構成例を示した図である。図10に示すように、情報処理装置44は、制御部71と、通信部72と、記憶部73と、を有している。
制御部71は、情報処理装置44全体を制御する。制御部71は、例えば、CPUによって構成されてもよい。
通信部72は、例えば、インターネット等のネットワークを介して、基地局41と通信を行う。また、通信部72は、例えば、無線通信ネットワークおよびインターネット等のネットワークを介して、車両43のCB60と通信を行う。
記憶部73には、制御部71が動作するためのプログラムが記憶される。また、記憶部73には、制御部71が計算処理を行うためのデータ、または、制御部71が各部を制御するためのデータ等が記憶される。記憶部73は、RAM、ROM、フラッシュメモリ、およびHDDなどの記憶装置によって構成されてもよい。
なお、情報処理装置44の機能は、パトカー位置情報システムによって実現されてもよい。
図11は、巡回システムの動作例を示したシーケンス図である。基地局41の制御部は、例えば、警察署内の情報処理装置(図示せず)から、巡回開始の指示を受信すると、無人飛行体42の既定ルートを、無人飛行体42および情報処理装置44に送信する(ステップS71)。なお、既定ルートは、基地局41の記憶部に記憶されていてもよい。基地局41の制御部は、記憶部に記憶されている既定ルートを無人飛行体42および情報処理装置44に送信してもよい。また、警察署内の情報処理装置が、既定ルートを基地局41に送信してもよい。基地局41の制御部は、警察署内の情報処理装置から受信した既定ルートを、無人飛行体42および情報処理装置44に送信してもよい。
無人飛行体42の制御部は、基地局41から送信された既定ルートを記憶部に記憶する(ステップS72)。なお、無人飛行体42の制御部は、既定ルートを記憶部に記憶すると、記憶部に記憶した既定ルートに従って無人飛行体42が街中を巡回するよう駆動部を制御する。
情報処理装置44の制御部71は、基地局41から送信された既定ルートを記憶部73に記憶する(ステップS73)。
CB60の制御部61は、GPS受信部64から位置情報を取得し、取得した位置情報を、通信部62を介して、情報処理装置44に送信する(ステップS74)。
情報処理装置44の制御部71は、CB60から送信された位置情報に基づいて、車両43の走行ルートを更新する(ステップS75)。例えば、情報処理装置44の制御部71は、CB60から送信された位置情報を記憶部73に記憶し、記憶した位置情報を車両43が走行(巡回)した走行ルートとして管理する。
CB60の制御部61は、GPS受信部64から位置情報を取得し、取得した位置情報を、通信部62を介して、情報処理装置44に送信する(ステップS76)。
情報処理装置44の制御部71は、CB60から送信された位置情報に基づいて、車両43の走行ルートを更新する(ステップS77)。
なお、図11では、CB60の制御部61は、ステップS74,S76において、位置情報の送信を2回行っているが、車両43の巡回が終了するまで、一定間隔で位置情報を情報処理装置44に送信する。情報処理装置44の制御部71は、CB60から送信される位置情報に基づいて、車両43の走行ルートを更新する。
無人飛行体42の制御部は、GPS受信部から位置情報を取得し、取得した位置情報を、通信部を介して、基地局41に送信する(ステップS78)。
基地局41の制御部は、無人飛行体42から送信された位置情報を、通信部を介して、情報処理装置44に送信する(ステップS79)。
情報処理装置44の制御部71は、基地局41から送信された位置情報に基づいて、無人飛行体42の飛行ルート(無人飛行体42が巡回したルート)を更新する(ステップS80)。例えば、情報処理装置44の制御部71は、基地局41から送信された位置情報を記憶部73に記憶し、記憶した位置情報を無人飛行体42が飛行した飛行ルートとして管理する。
無人飛行体42の制御部は、GPS受信部から位置情報を取得し、取得した位置情報を、通信部を介して、基地局41に送信する(ステップS81)。
基地局41の制御部は、無人飛行体42から送信された位置情報を、通信部を介して、情報処理装置44に送信する(ステップS82)。
情報処理装置44の制御部71は、基地局41から送信された位置情報に基づいて、無人飛行体42の飛行ルートを更新する(ステップS83)。
なお、図11では、無人飛行体42の制御部は、ステップS78,S81において、位置情報の送信を2回行っているが、無人飛行体42の巡回が終了するまで、一定間隔で位置情報を情報処理装置44に送信する。情報処理装置44の制御部71は、無人飛行体42から送信される位置情報に基づいて、無人飛行体42の飛行ルートを更新する。
情報処理装置44の制御部71は、走行ルートと未飛行ルートとの重なりを検知する(ステップS84)。
情報処理装置44の制御部71は、未飛行ルートの走行ルートが重なった部分を、車両43が巡回していないルートに変更し、既定ルートを変更する(ステップS85)。
なお、図11に図示していないが、情報処理装置44の制御部71は、一定間隔で走行ルートと未飛行ルートとの重なりを判定する。また、情報処理装置44の制御部71は、既定ルートと、飛行ルートとから、未飛行ルートを取得できる。例えば、情報処理装置44の制御部71は、既定ルートから、飛行ルートを除いたルートを未飛行ルートとする。
情報処理装置44の制御部71は、通信部72を介して、変更した既定ルート(以下、変更既定ルートと呼ぶことがある)を基地局41に送信する(ステップS86)。
基地局41の制御部は、情報処理装置44から送信された変更既定ルートを無人飛行体42に送信する(ステップS87)。
無人飛行体42の制御部は、記憶部に記憶した既定ルートを、基地局41から送信された変更既定ルートに更新し、更新した変更既定ルートに基づいて街中を巡回するように駆動部を制御する(ステップS88)。
以上説明したように、巡回システムは、車両43と、情報処理装置44と、予め決められた既定ルートを巡回飛行する無人飛行体42と、を有する。情報処理装置44は、車両43から車両43の走行位置を示す位置情報を逐次受信して、車両43の走行ルートを取得する。情報処理装置44は、無人飛行体42から無人飛行体42の飛行位置を示す位置情報を逐次受信して、既定ルートのうち無人飛行体42が飛行していない未飛行ルートを取得する。そして、情報処理装置44は、未飛行ルートに走行ルートが重なった場合、未飛行ルートの走行ルートが重なった部分を車両43が走行していないルートに変更する。これにより、巡回システムは、車両43の走行ルートと重ならないように、無人飛行体42を巡回させることができる。また、巡回システムは、巡回の無駄を抑制し、また、街中を網羅した巡回ができる。
(変形例1)
上記の巡回システムには、ウェアラブルカメラが加わってもよい。ウェアラブルカメラは、例えば、警察官に装着または所持される。
図12は、ウェアラブルカメラ80のブロック構成例を示した図である。図12に示すように、ウェアラブルカメラ80は、制御部81と、通信部82と、カメラ83と、GPS受信部84と、記憶部85と、を有している。
制御部81は、ウェアラブルカメラ80全体を制御する。制御部81は、例えば、CPUによって構成されてもよい。
通信部82は、例えば、無線通信ネットワークおよびインターネット等のネットワークを介して、情報処理装置44と通信を行う。カメラ83は、光学レンズ、レンズ制御機構、およびイメージセンサ等を含む。カメラ83は、撮影する画像の画像データを制御部81に出力する。
GPS受信部84は、複数のGPS衛星から送信されるGPS信号を受信し、受信したGPS信号を用いて、ウェアラブルカメラ80の現在位置を算出する。現在位置には、例えば、緯度および経度が含まれる。
記憶部85には、制御部81が動作するためのプログラムが記憶される。また、記憶部85には、制御部81が計算処理を行うためのデータ、または、制御部81が各部を制御するためのデータ等が記憶される。記憶部85は、RAM、ROM、フラッシュメモリ、およびHDDなどの記憶装置によって構成されてもよい。
情報処理装置44の制御部71は、車両43の場合と同様に、ウェアラブルカメラ80の巡回ルートに基づいて、無人飛行体42の飛行ルートを変更する。例えば、情報処理装置44の制御部71は、ウェアラブルカメラ80からウェアラブルカメラ80の位置情報を逐次受信し、ウェアラブルカメラ80が移動(巡回)したルート(以下、移動ルートと呼ぶことがある)を取得する。
情報処理装置44は、無人飛行体42の未飛行ルートに、ウェアラブルカメラ80の移動ルートが重なった場合、未飛行ルートの移動ルートが重なった部分をウェアラブルカメラ80が移動していないルートに変更する。
これにより、巡回システムは、ウェアラブルカメラ80の移動ルートと重ならないように、無人飛行体42を巡回させることができる。また、巡回システムは、巡回の無駄を抑制し、また、街中を網羅した巡回ができる。
(変形例2)
上記では、街中を巡回する無人飛行体および車両は、各々1台ずつであったがこれに限られない。街中を巡回する無人飛行体および車両は、各々複数台であってもよい。
(第4の実施の形態)
第4の実施の形態では、無人飛行体の飛行速度を超えて移動する追跡対象に対し、発射物を発射して、追跡対象を威嚇する。
図13は、第4の実施の形態に係る無人飛行体の外観例を示した図である。図13に示すように、無人飛行体90は、発射部91a,91bを有している。発射部91a,91bからは、発射物が発射される。例えば、発射部91aからは、電子が発射(照射)される。発射部91bからは、マグネットが付いた発信器が発射される。発信器は、例えば、警察センタの情報処理装置または警察官が所持する携帯端末に発信器の位置情報を送信する。無人飛行体90は、図3に示した無人飛行体2aと同様のブロックを有する。
ここで、無人飛行体90の飛行速度には限りがある。そのため、無人飛行体90の飛行速度を超えた速度で追跡対象が移動(逃走)すると、無人飛行体90は、追跡対象を追跡できなくなる。そこで、無人飛行体90は、無人飛行体90と、追跡対象との距離が所定値以上になると、発射部91a,91bから発射物を発射し、追跡対象を威嚇する。
図14は、無人飛行体の動作例を示したフローチャートである。無人飛行体90の制御部は、追跡対象の追跡情報を記憶部に記憶する(ステップS91)。追跡対象の追跡情報(特徴量)は、例えば、警察センタの情報処理装置または警察官が所持する携帯端末から送信される。
無人飛行体90の制御部は、記憶部に記憶した追跡情報から、追跡対象が人であるかまたは車両であるかを判定する(ステップS92)。例えば、無人飛行体90の制御部は、記憶部に記憶した追跡情報が、人の特徴量に適合するものであれば、追跡対象は人であると判定する。一方、無人飛行体90の制御部は、記憶部に記憶した追跡情報が、車両の特徴量に適合するものであれば、追跡対象は車両であると判定する。
無人飛行体90の制御部は、無人飛行体90から追跡対象までの距離を算出する(ステップS93)。例えば、無人飛行体90の制御部は、カメラが撮影する画像の画像データを解析し、無人飛行体90から追跡対象までの距離を算出する。
無人飛行体90の制御部は、ステップS93にて算出した距離が所定値を超えたか否かを判定する(ステップS94)。所定値は、少なくとも、発射部91a,91bから発射される発射物が、追跡対象に届く距離に設定される。無人飛行体90の制御部は、ステップS93にて算出した距離が所定値を超えたと判定しない場合(S94の「No」)、追跡対象の追跡を続け(ステップS95)、処理をステップS93に移行する。
一方、無人飛行体90の制御部は、ステップS93にて算出した距離が所定値を超えたと判定する場合(S94の「Yes」)、ステップS92にて判定した判定結果が、人であったかまたは車両であったかを判定する(ステップS96)。無人飛行体90の制御部は、追跡対象が車両であった場合、車両に向け、マグネット付きの発信器を発射する(ステップS97)。これにより、マグネット付きの発信器は、例えば、車両のボディにくっつき、逃走する車両を発信器で追跡できる。
一方、無人飛行体90の制御部は、追跡対象が人であった場合、人に向け、電子を発射する(ステップS98)。これにより、人の逃走を抑制できる。
無人飛行体90の制御部は、ステップS97またはステップS98にて発射物を発射すると、無人飛行体90を待機場に帰還するよう駆動部を制御する(ステップS99)。
以上説明したように、無人飛行体90のカメラは、追跡対象を撮影する。無人飛行体90の制御部は、カメラが撮影する追跡対象の画像に基づいて、追跡対象までの距離を算出する。無人飛行体90の発射部91a,91bは、制御部が算出した距離が所定値を超えた場合、追跡対象に対して発射物を発射する。これにより、無人飛行体90は、追跡対象との距離が所定値を超えると、発射物を発射し、追跡対象を威嚇する。また、無人飛行体90は、追跡対象が人の場合、電子を発射するので、人の逃走を抑止できる。また、無人飛行体90は、追跡対象が車両の場合、発信器を発射するので、発信器から車両を追跡できる。
(変形例1)
無人飛行体90の制御部は、追跡対象との距離が一定時間以上、所定値を超えた場合に、発射部91a,91bから発射物を発射させてもよい。これにより、無人飛行体90の発射部91a,91bは、例えば、追跡対象との距離が一時所定値を超えても、その後逃走をあきらめた追跡対象に発射物を発射しなくて済む。
(変形例2)
無人飛行体90の制御部は、無人飛行体90の速度が所定値を超えた場合に、発射部91a,91bから発射物を発射させてもよい。例えば、所定値は、無人飛行体90の最高速度より小さく、かつ、無人飛行体90の最高速度に近い値に設定する。具体的には、所定値を、最高速度の90%から最高速度の間のいずれかの速度に設定する。これにより、無人飛行体90の発射部91a,91bは、無人飛行体90が追跡対象を追跡できている間に、発射物を発射できる。
(変形例3)
上記では、無人飛行体90は、2つの発射部91a,91bを備えるとしたが、1つの発射部または3以上の発射部を備えてもよい。無人飛行体90の制御部は、追跡対象である人の特徴に応じて、複数の発射部から、異なる発射物を発射してもよい。また、発射部91a,91bから発射される発射物は、電子または発信器に限られない。例えば、人を捕獲するネットまたはインクの入ったボールであってもよい。
(変形例4)
上記では、無人飛行体90の制御部は、カメラの画像を解析して、無人飛行体90と追跡対象との距離を算出したが、これに限られない。例えば、無人飛行体90は、レーザ等の光を追跡対象に照射し、追跡対象からの反射光に基づいて距離を測定する測定装置を備えてもよい。具体的には、無人飛行体90の制御部は、カメラの画像に基づいて、測定装置から出力される光を、追跡対象に照射するように測定装置を制御する。そして、無人飛行体90の制御部は、測定装置が測定した追跡対象との間の距離を取得してもよい。
また、無人飛行体90は、超音波等の音を追跡対象に照射し、追跡対象からの反射音に基づいて距離を測定する測定装置を備えてもよい。具体的には、無人飛行体90の制御部は、カメラの画像に基づいて、測定装置から出力される音を、追跡対象に照射するように測定装置を制御する。そして、無人飛行体90の制御部は、測定装置が測定した追跡対象との間の距離を取得してもよい。
上記で説明した各実施の形態は組み合わされてもよい。例えば、第1の実施の形態と第2の実施の形態とを組み合わせてもよい。例えば、1つのゾーン内において、追跡対象を追跡していた無人飛行体のバッテリ残量が所定値以下になると、別の無人飛行体が追跡対象を追跡してもよい。また、第2の実施の形態と第3の実施の形態とを組み合わせてもよい。例えば、リレー形式による無人飛行体の巡回において、車両が巡回したルートと重ならないように、無人飛行体を巡回させてもよい。また、第1〜第3の実施の形態と、第4の実施の形態とを組み合わせてもよい。例えば、第1〜第3の実施の形態の無人飛行体に、第4の実施の形態の発射機能を設けてもよい。
また、上記の実施の形態の説明に用いた各機能ブロックは、典型的には集積回路であるLSIとして実現される。これらは個別に1チップ化されてもよいし、一部または全てを含むように1チップ化されてもよい。ここでは、LSIとしたが、集積度の違いにより、IC、システムLSI、スーパーLSI、ウルトラLSIと呼称されることもある。
また、集積回路化の手法はLSIに限るものではなく、専用回路または汎用プロセッサで実現してもよい。LSI製造後に、プログラムすることが可能なFPGA(Field Programmable Gate Array)、又は、LSI内部の回路セルの接続や設定を再構成可能なリコンフィギュラブル・プロセッサを利用してもよい。
さらには、半導体技術の進歩または派生する別技術によりLSIに置き換わる集積回路化の技術が登場すれば、当然、その技術を用いて機能ブロックの集積化を行ってもよい。バイオ技術の適用等が可能性としてありえる。