JP2020059458A - カップホルダ - Google Patents

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貴浩 舟橋
Takahiro Funabashi
貴浩 舟橋
善成 前田
Yoshinari Maeda
善成 前田
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【課題】カップ状部材を安定して保持でき且つ収納スペースを小さくできるカップホルダを提供する。【解決手段】カップホルダ1は、開口部11を有するケース10と、ケース10に収納された収納位置P2と上記ケースから上記開口部を通じて引き出された使用位置P1との間でスライド可能な本体部20と、本体部20に異なる回動軸33,34を中心に回動可能に取付けられた2つのアーム31,32と、を備え、2つのアーム31,32は、本体部20が使用位置P1にあるときに本体部20との間で周方向Dについて閉じられたカップ保持空間22を形成し、本体部20が使用位置P1から収納位置P2に向けてスライドするときにそれぞれの回動軸33,34を中心にカップ保持空間22を狭める折り畳み方向D1,D2に回動するように構成されている。【選択図】図1

Description

本発明は、カップ状部材を保持するためのカップホルダに関する。
従来、この種のカップホルダとして、車両のインストルメントパネルなどに設けられるものが知られている。下記の特許文献1に開示のカップホルダは、使用位置と収納位置との間でスライド可能な本体部と、この本体部に設けられ使用位置でカップ状部材を収容可能な2つのリング部と、を備えている。2つのリング部は、本体部が使用位置から収納位置までスライドするとき互いに近接する方向に移動して部分的に重なり、収納位置で本体部とともにケースに完全に収納されるように構成されている。
上記のカップホルダは、2つのリング部がケースに収納された収納状態で部分的に重なるため嵩張るという問題を抱えている。そこで、このような問題に対しては、リング部の一部或いは全体を、回動軸を中心に回動できるように構成されたアームで置き換えるのが好ましい。この場合、例えば、下記の特許文献2,3にカップホルダを採用することができる。
特許文献2に開示のカップホルダは、本体部の両側に回動可能に取付けられた2つのアームを備えている。このカップホルダでは、上記のリング部の一部がアームで置き換えられている。各アームは、使用位置において本体部とで囲まれる略円形断面の保持空間を形成し、本体部が使用位置から収納位置へとスライドするときに内方へ回動して折り畳まれるように構成されている。
特許文献3に開示のカップホルダは、本体部に同軸で回動可能に取付けられた2つのアームを備えている。このカップホルダでは、上記のリング部の全体が2つのアームで置き換えられている。2つのアームは、使用位置において略円形断面の保持空間を形成し、本体部が使用位置から収納位置へとスライドするときにそれぞれが内方へ回動して折り畳まれるように構成されている。
特開2001−253287 特開平10−236210号公報 特開2014−113846号公報
しかしながら、特許文献2に開示のカップホルダは、使用位置で本体部とアーム先端部との間に切り欠き部を設ける構造を有しているため、カップ状部材を保持する保持力が足りなかったり小型のカップ状部材がカップ保持空間から切り欠き部を通じて抜け出したりするそれがある。このため、カップ状部材を安定して保持するのが難しいことがある。また、特許文献3に開示のカップホルダは、本体部を収納するときに2つのアームを大きく回動させる必要があり、2つのアームを本体部とともに収納するために大きなスペースを要する。
本発明は、かかる課題に鑑みてなされたものであり、カップ状部材を安定して保持でき且つ収納スペースを小さくできるカップホルダを提供しようとするものである。
本発明の一態様は、
開口部を有するケースと、
上記ケースに収納された収納位置と上記ケースから上記開口部を通じて引き出された使用位置との間でスライド可能な本体部と、
上記本体部に異なる回動軸を中心に回動可能に取付けられた複数のアームと、
を備え、
上記複数のアームは、上記本体部が上記使用位置にあるときに上記本体部との間で周方向について閉じられたカップ保持空間を形成し、上記本体部が上記使用位置から上記収納位置に向けてスライドするときにそれぞれの上記回動軸を中心に上記カップ保持空間が狭まる折り畳み方向に回動するように構成されている、カップホルダ、
にある。
上記のカップホルダによれば、本体部が使用位置にあるとき、この本体部と複数のアームとによって周方向について閉じられたカップ保持空間が形成される。本体部とアーム先端部との間に切り欠き部のような間隔を設けないようにすることによって、カップ状部材を保持する保持力が足りなかったり小型のカップ状部材がカップ保持空間から抜け出したりするのを防ぐことができる。このため、カップ状部材を安定して保持することが可能になる。
また、本体部を収納するときには、複数のアームがそれぞれの回動軸を中心に折り畳み方向に回動することによってカップ保持空間が狭まる。このため、複数のアームを1つの回転軸を中心に回動させる構造に比べて、複数のアームを収納するための回動角度を小さくでき、複数のアームを本体部とともに収納するためのスペースを小さく抑えることができる。
以上のごとく、上記の態様によれば、カップ状部材を安定して保持でき且つ収納スペースを小さくできるカップホルダを提供することができる。
実施形態1のカップホルダの斜視図。 図1のカップホルダの分解斜視図。 図1のカップホルダについて本体部が使用位置にあるときの断面図。 図3において本体部が中間領域にあるときの断面図。 図3において本体部が収納位置にあるときの断面図。 図1のカップホルダについて本体部が使用位置にあるときの平面図。 図6において本体部が中間領域にあるときの平面図。 図6において本体部が中間領域にあるときの平面図。 図6において本体部が中間領域にあるときの平面図。 図6において本体部が収納位置にあるときの平面図。 実施形態2のカップホルダの図1に対応した斜視図。
上述の態様の好ましい実施形態について以下に説明する。
上記のカップホルダにおいて、上記複数のアームは、駆動アーム及び被動アームによって構成されており、上記駆動アームが上記折り畳み方向に回動することによって上記被動アームを上記折り畳み方向に押動するように構成されているのが好ましい。
このカップホルダによれば、駆動アームが折り畳み方向に回動する動作を利用して、駆動アームによって被動アームを押して折り畳み方向に回動させることが可能になる。このため、被動アームを折り畳み方向に回動させる構造について部品点数を少なくして製品コストを低減することができる。
上記のカップホルダにおいて、上記駆動アームは、上記本体部が上記使用位置にあるときに上記開口部の開口幅方向について縁部よりも外方へ突出した突出部を有し、上記本体部が上記使用位置から上記収納位置に向けてスライドするときに上記突出部において上記縁部と干渉することによって上記折り畳み方向に回動するように構成されているのが好ましい。
このカップホルダによれば、本体部が上記使用位置から上記収納位置に向けてスライドする動作に連動して、突出部においてケースの縁部と干渉した駆動アームが折り畳み方向に回動する。そして、この駆動アームが折り畳み方向に回動する動作に連動して、被動アームが折り畳み方向に回動する。この場合、本体部がスライドする動作を利用して、駆動アーム及び被動アームのそれぞれを回動させることができるため、駆動アーム及び被動アームを回動させる構造について、部品点数を少なくして製品コストを低減することができる。
上記のカップホルダにおいて、上記被動アームの先端部には被動側係合面が設けられ、上記駆動アームの先端部には、上記本体部が上記使用位置にあるときに上記折り畳み方向の後方側から上記被動側係合面に係合可能に対向する駆動側係合面が設けられているのが好ましい。
このカップホルダによれば、駆動アームの折り畳み方向の回動時の押圧力を駆動側係合面及び被動側係合面を介して被動アームに伝えることができる。
上記のカップホルダにおいて、上記開口部の開口幅方向について上記本体部の両側のそれぞれに上記駆動アーム及び上記被動アームからなるアームセットが設けられているのが好ましい。
このカップホルダによれば、本体部に2つのアームセットを設けることによって2つのカップ状部材を同時に保持することが可能になる。
上記のカップホルダは、上記本体部に支持位置と格納位置との間で回動可能に取付けられたトレイを備え、上記本体部は、上記トレイを上記格納位置において外郭内に格納する格納空間を有するのが好ましい。
このカップホルダ装置によれば、本体部を使用位置から収納位置までスライドさせて収納するときに、トレイを本体部の格納空間に格納することによって、トレイが本体部の収納の邪魔になるのを防ぐことができる。
上記のカップホルダにおいて、上記トレイは、上記支持位置において上記本体部の上記カップ保持空間に挿入されたカップ状部材を下方から支持する支持部を有し、
上記支持部は、上記トレイが上記格納位置にあるとき、上記カップ保持空間のうち上記駆動アーム及び上記被動アームとの干渉が回避された干渉回避領域に配置されるように構成されているのが好ましい。
このカップホルダによれば、トレイを格納位置に格納したときに、トレイの支持部を干渉回避領域に配置することによって、トレイの支持部が駆動アーム及び被動アームの折り畳みの邪魔になるのを防ぐことができる。
以下、車両に装着されるカップホルダの実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
なお、このカップホルダの説明のための図面において、特にことわらない限り、カップホルダが装着される車両の前方を矢印FRで示し、この車両の右方を矢印RHで示し、この車両の上方を矢印UPで示すものとする。また、カップホルダの左右方向を矢印Xで示し、このカップホルダの前後方向を矢印Yで示し、このカップホルダの高さ方向を矢印Zで示すものとする。
(実施形態1)
図1に示されるように、実施形態1のカップホルダ1は、車両前部のインストルメントパネル2のうち運転席と助手席との間の部位に組付けられるものである。このカップホルダ1は、樹脂材料を主材料とした樹脂成形体として構成されている。
カップホルダ1は、カップ状部材Wを保持するためのものであり、ケース10と、本体部20と、2つのアームセット30と、トレイ40と、2つのサポート42と、を備えている。
ここでいう「カップ状部材W」として典型的には、飲み物などの液体を溜めることができる筒状部を有するカップ、コップ、グラスなどの容器や、ペットボトル、飲料缶などが挙げられる。
ケース10は、車室に向かう対向面に開口部11を有する。この開口部11は、左右方向Xを開口幅方向とした矩形の開口部である。
本体部20は、ケース10に収納された収納位置P2(図5参照)と、ケース10から開口部11を通じて引き出された使用位置P1と、の間でケース10の湾曲形状に倣った曲線方向にスライド可能に構成されている。この本体部20は、左右方向Xの一方から視た側面視で前方FR側を凸として湾曲したプレート部材によって構成されている。
この本体部20は、操作部21を有し、この操作部21がユーザによって操作されることによって、その位置が使用位置P1と収納位置P2とのいずれかに設定されるように構成されている。
2つのアームセット30は、開口部11の開口幅方向である左右方向Xについて本体部20の両側のそれぞれに設けられており、いずれも本体部20に異なる回動軸33,34を中心に回動可能に取付けられた駆動アーム31及び被動アーム32を備えている。被動アーム32は、駆動アーム31よりも前後方向Yの後方に配置されている。
回動軸33,34はいずれも、本体部20が使用位置P1にあるときに、前後方向Yに沿って並置され且つ軸線が高さ方向Zに沿って延びるように配置される。また、前後方向Yの前側に回動軸33が配置され、前後方向Yの後側に回動軸34が配置される。
駆動アーム31及び被動アーム32は、本体部20の高さ方向Zの領域の範囲内で回動するように構成されている。これにより、本体部20の高さ方向Zの寸法が抑えられた薄型のカップホルダ構造を実現できる。
また、ケース10及び本体部20をともに湾曲形状とすることによって、前後方向Yの寸法を抑えた小型のカップホルダ構造を実現できる。
右側のアームセット30は、駆動アーム31としての右側駆動アーム31Rと、被動アーム32としての右側被動アーム32Rと、を備え、右側駆動アーム31Rが回動軸33としての右側回動軸33Rを介して、また右側被動アーム32Rが回動軸33としての右側回動軸34Rを介して、本体部20にそれぞれ取付けられている。
左側のアームセット30は、駆動アーム31としての左側駆動アーム31Lと、被動アーム32としての左側被動アーム32Lと、を備え、左側駆動アーム31Lが回動軸33としての左側回動軸33Lを介して、また左側被動アーム32Lが回動軸34としての左側回動軸34Lを介して、本体部20にそれぞれ取付けられている。
なお、以下の説明では、便宜上、右側駆動アーム31R及び右側被動アーム32Rをそれぞれ、単に駆動アーム31R及び被動アーム32Rといい、左側駆動アーム31L及び左側被動アーム32Lをそれぞれ、単に駆動アーム31L及び被動アーム32Lという。また、右側回動軸33R及び右側回動軸34Rをそれぞれ、単に回動軸33R及び回動軸34Rといい、左側回動軸33L及び左側回動軸34Lをそれぞれ、単に回動軸33L及び回動軸34Lという。
右側のアームセット30において、駆動アーム31R及び被動アーム32Rは、本体部20が使用位置P1にあるときに本体部20の凹部との間で周方向Dについて閉じられたカップ保持空間22を形成している。このとき、駆動アーム31R及び被動アーム32Rは、右側のカップ保持空間22を区画する円環状のリング部分の一部を構成している。
駆動アーム31Rは、カップ保持空間22の上面視を略円形とする保持位置に向けてバネ部材37によって常時に弾性付勢されており、且つカップ保持空間22を広げる方向の動きがストッパ(図示省略)によって阻止されている。
被動アーム32Rは、カップ保持空間22の上面視を略円形とする保持位置に向けてバネ部材37によって常時に弾性付勢されており、且つカップ保持空間22を広げる方向の動きが駆動アーム31Rとの係合によって阻止されている。
左側のアームセット30においても同様に、駆動アーム31L及び被動アーム32Lは、本体部20が使用位置P1にあるときに本体部20の凹部との間で周方向Dについて閉じられたカップ保持空間22を形成している。このとき、駆動アーム31L及び被動アーム32Lは、左側のカップ保持空間22を区画する円環状のリング部分の一部を構成している。
駆動アーム31Lは、カップ保持空間22の上面視を略円形とする保持位置に向けてバネ部材37によって常時に弾性付勢されており、且つカップ保持空間22を広げる方向の動きがストッパ(図示省略)によって阻止されている。
被動アーム32Lは、カップ保持空間22の上面視を略円形とする保持位置に向けてバネ部材37によって常時に弾性付勢されており、且つカップ保持空間22を広げる方向の動きが駆動アーム31Lとの係合によって阻止されている。
トレイ40は、本体部20に支持位置Q1と後述の格納位置Q2(図2参照)との間で回動可能に取付けられている。このトレイ40は、支持位置Q1において本体部20のカップ保持空間22に挿入されたカップ状部材Wを下方から支持する2つの支持部41を有する。2つの支持部41のうちの一方は右側のアームセット30に対応して設けられ、他方は左側のアームセット30に対応して設けられている。
サポート42は、カップ状部材Wの径方向の寸法が異なる場合でも当該カップ状部材Wをカップ保持空間22で保持するための凹面を有する。このサポート42は、本体部20の凹部からカップ保持空間22に回動軸42a(図6参照)を中心に回動可能に突出しており、且つバネ部材(図示省略)の弾性付勢力によってその突出位置に設定されている。
このため、カップ状部材Wの径方向の寸法がサポート42と干渉する程度に大きいときには、サポート42は、カップ保持空間22に挿入されたカップ状部材Wによって押圧されてバネ部材の弾性付勢力に抗して下向きに回動できるようになっている。
なお、必要に応じて、このサポート42を省略することもできる。
ケース10は、上部ケース部材13、下部ケース部材14、及びレール部材16を有する。上部ケース部材13、下部ケース部材14、及びレール部材16はいずれも、本体部20の湾曲形状に倣って湾曲している。
上部ケース部材13は、後述の第1ギア17aに噛み合うギア溝13aを有する。下部ケース部材14は、後述の板バネ19の他端部を係止する係止部14aを有する。上部ケース部材13及び下部ケース部材14は、互いに接合されることによって、レール部材16及び本体部20を収納するための収納空間15を形成する。この収納空間15では、レール部材16と下部ケース部材14との間に本体部20が配置されるようになっている。
レール部材16は、上部ケース部材13にレール溝(図示省略)を介してスライド可能に係合している。このレール部材16は、貫通穴16aにギア機構17が回転可能に取付けられている。ギア機構17は、いずれも円柱形状の第1ギア17a及び第2ギア17bを有する。このギア機構17は、第1ギア17aにおいて上部ケース部材13のギア溝13aと噛み合い、第2ギア17bにおいて本体部20に設けられているギア溝20aと噛み合うように構成されている。
図2及び図3に示されるように、このレール部材16は、板バネ19と、この板バネ19の巻き出し及び巻き取りが可能な回転軸18と、を備えている。板バネ19は、その一端部が回転軸18に連結され、その他端部が下部ケース部材14の係止部14aに連結されている。この板バネ19は、巻き取り式のバネであり、本体部20を使用位置P1(図1参照)に向けて常時に弾性付勢する機能を果たす。
図3に示されるように、本体部20は、その裏面側に格納空間23を有する。この格納空間23は、トレイ40を格納位置Q2において本体部20の外郭内に格納するためのもものである。トレイ40は、回動軸40aを中心に支持位置Q1から格納位置Q2まで回動した状態では、高さ方向Zについて本体部20からはみ出すことがない。このため、トレイ40を含めて本体部20の高さ方向Zの寸法が抑えられた薄型のカップホルダ構造を実現できる。
図3及び図4に示されるように、使用位置P1にある本体部20は、操作部21がユーザによってインストルメントパネル2に向けて押されることによって、板バネ19の弾性付勢力に抗して収納空間15に押し込まれる。このとき、本体部20は、レール部材16に沿って下降する。また、ギア機構17は、図中の時計回り方向に回転しながらギア溝13a及びギア溝20aに沿って下方する。
このとき、トレイ40は、本体部20が中間領域P3を収納位置P2に向けてスライドする途中で下部ケース部材14に接触して支持位置Q1から格納位置Q2まで回動するようになっている。勿論、ユーザがトレイ40を直に把持して支持位置Q1から格納位置Q2まで予め回動させてもよい。
図5に示されるように、操作部21がインストルメントパネル2と概ね面一な状態まで押し込まれることによって、本体部20が格納位置Q2に達する。このとき、本体部20は、上部ケース部材13に設けられている既知のロック機構(図示省略)によって格納位置Q2でロックされ、また操作部21が再び押されることによってこのロック機構によるロックが解除されるように構成されている。このため、本体部20は、ロックが解除されることによって、板バネ19の弾性付勢力にしたがって使用位置P1まで自動復帰するようになっている(図3参照)。
図6に示されるように、右側のアームセット30の駆動アーム31R及び被動アーム32Rは、本体部20が使用位置P1から収納位置P2に向けてスライドするときにそれぞれの回動軸33R,34Rを中心にバネ部材37の弾性付勢力に抗してカップ保持空間22を狭める折り畳み方向D1,D2に回動するように構成されている。
同様に、左側のアームセット30の駆動アーム31L及び被動アーム32Lは、本体部20が使用位置P1から収納位置P2に向けてスライドするときにそれぞれの回動軸33L,34Lを中心にバネ部材37の弾性付勢力に抗してカップ保持空間22を狭める折り畳み方向D1,D2に回動するように構成されている。
カップ保持空間22を狭める折り畳み方向D1,D2とは、本体部20の上面視でカップ保持空間22の面積(断面積)を縮小する方向をいう。駆動アーム31R,31Lの折り畳み方向D1と、被動アーム32R,32Lの折り畳み方向D2は、周方向Dについて互いに逆向きの関係にある。
ここで、駆動アーム31R,31Lはいずれも、本体部20が使用位置P1にあるときに開口部11の開口幅方向である左右方向Xについて縁部12よりも外方へ突出した突出部31aを有する。このため、駆動アーム31R,31Lはいずれも、本体部20が使用位置P1から収納位置P2に向けてスライドするときに突出部31aにおいてケース10の縁部12に干渉することによって折り畳み方向D1に回動するように構成されている。
また、被動アーム32R,32Lの先端部にはいずれも、被動側係合面36が設けられている。これに対して、駆動アーム31R,31Lの先端部にはいずれも、本体部20が使用位置P1にあるときに折り畳み方向D1の後方側から被動側係合面36に係合可能に対向する駆動側係合面35が設けられている。
これら駆動側係合面35及び被動側係合面36はいずれも、左右方向Xに対して互いに概ね平行に傾斜した傾斜面である。駆動側係合面35は、左右方向Xについて被動側係合面36よりも外側に配置されている。本体部20の使用位置P1において2つの係合面35,36において互いに面接触した状態では、駆動アーム31R,31Lと被動アーム32R,32Lとによって形成される外周面及び内周面はいずれも面一な曲面となる。
本体部20が使用位置P1から収納位置P2に向けてスライドするときに、駆動アーム31R,31Lが折り畳み方向D1に回動し、この折り畳み方向D1の押圧力を駆動側係合面35及び被動側係合面36を介して被動アーム32R,32Lに伝えることができる。その結果、被動アーム32R,32が折り畳み方向D2に回動し始める。このように、駆動アーム31R,31Lが被動アーム32R,32Lを折り畳み方向D2に押動するように構成されている。
図7に示されるように、本体部20の中間領域P3では、駆動アーム31R,31Lの折り畳み方向D1の回動に伴って、駆動側係合面35及び被動側係合面36がカップ保持空間22を狭める方向に互いに摺動する。このとき、駆動側係合面35及び被動側係合面36がともに傾斜面であるため、この摺動が円滑に行われる。
図8に示されるように、駆動アーム31R,31Lの折り畳み方向D1の回動が進行すると、被動アーム32R,32Lは、駆動アーム31R,31Lの内側に配置され、その外周面が駆動アーム31R,31Lと摺動しながら折り畳み方向D2に回動する。
図9に示されるように、駆動アーム31R,31L及び被動アーム32R,32Lが最終的な折り畳み位置まで回動した状態では、トレイ40が格納位置Q2(図3参照)に配置されて本体部20の格納空間23に格納される。
トレイ40が格納位置Q2にあるとき、支持部41及びサポート42は、本体部20の外郭からはみ出すことなく、カップ保持空間22において折り畳み位置まで回動した駆動アーム31R,31L及び被動アーム32R,32Lと並置される。
ここで、トレイ40の支持部41は、カップ保持空間22のうち駆動アーム31R,31L及び被動アーム32R,32Lとの干渉が回避された干渉回避領域22aに配置されるように構成されている。また、サポート42もこの干渉回避領域22aに配置されている。
干渉回避領域22aは、駆動アーム31R,31Lの回動軸33R,33Lと被動アーム32R,32Lの回動軸34R,34Lとを通る仮想直線Lを挟んで駆動アーム31R,31L及び被動アーム32R,32Lとは反対側に設けられた領域である。
上記のように、本体部20を使用位置P1から収納位置P2までスライドさせて収納するときに、トレイ40を本体部20の格納空間23に格納することによって、トレイ40が本体部20の収納の邪魔になるのを防ぐことができる。また、トレイ40を格納位置Q2に格納したときに、トレイ40の支持部41を干渉回避領域22aに配置することによって、トレイ40の支持部41が駆動アーム31R,31L及び被動アーム32R,32Lの折り畳みの邪魔になるのを防ぐことができる。
図10に示されるように、本体部20が中間領域P3を経て最終的にケース10の収納空間15に収納されると、折り畳み位置まで回動した駆動アーム31R,31L及び被動アーム32R,32Lもケース10の収納空間15に収納される。
次に、実施形態1の作用効果について説明する。
上記のカップホルダ1によれば、本体部20が使用位置P1にあるとき、2つのアームセット30のそれぞれにおいて、本体部20と駆動アーム31R,31L及び被動アーム32R,32Lとによって周方向Dについて閉じられたカップ保持空間22が形成される。本体部20とアーム先端部との間に切り欠き部のような間隔を設けないようにすることによって、カップ状部材Wを保持する保持力が足りなかったり小型のカップ状部材Wがカップ保持空間22から抜け出したりするのを防ぐことができる。このため、カップ状部材Wを安定して保持することが可能になる。
また、本体部20を収納するときには、駆動アーム31R,31L及び被動アーム32R,32Lがそれぞれの回動軸33,34を中心に折り畳み方向D1,D2に回動することによってカップ保持空間22が狭まる。このため、駆動アーム31R,31L及び被動アーム32R,32Lを1つの回転軸を中心に回動させる構造に比べて、駆動アーム31R,31L及び被動アーム32R,32Lを収納するための回動角度を小さくでき、駆動アーム31R,31L及び被動アーム32R,32Lを本体部20とともに収納するためのスペースを小さく抑えることができる。
従って、カップ状部材Wを安定して保持でき且つ収納スペースを小さくできるカップホルダ1を提供することができる。
上記のカップホルダ1によれば、駆動アーム31R,31Lが折り畳み方向D1に回動する動作を利用して、駆動アーム31R,31Lによって被動アーム32R,32Lを押して折り畳み方向D2に回動させることが可能になる。このため、被動アーム32R,32Lを折り畳み方向D2に回動させる構造について、部品点数を少なくして製品コストを低減することができる。
上記のカップホルダ1によれば、本体部20が使用位置P1から収納位置P2に向けてスライドする動作に連動して、突出部31aにおいてケース10の縁部12と干渉した駆動アーム31R,31Lが折り畳み方向D1に回動する。そして、この駆動アーム31R,31Lが折り畳み方向D1に回動する動作に連動して、被動アーム32R,32Lが折り畳み方向D2に回動する。この場合、本体部20がスライドする動作を利用して、駆動アーム31R,31L及び被動アーム32R,32Lのそれぞれを回動させることができるため、駆動アーム31R,31L及び被動アーム32R,32Lを回動させる構造について、部品点数を少なくして製品コストを低減することができる。
上記のカップホルダ1によれば、本体部20に2つのアームセット30を設けることによって2つのカップ状部材Wを同時に保持することが可能になる。
以下、上記の実施形態1に関連する他の実施形態について図面を参照しつつ説明する。他の実施形態において、実施形態1の要素と同一の要素には同一の符号を付しており、当該同一の要素についての説明は省略する。
(実施形態2)
図11に示されるように、実施形態2のカップホルダ101は、アームセット30が1つのである点で、実施形態1のカップホルダ1と相違している。アームセット30は、回動軸33を中心に回動可能な駆動アーム31と、回動軸34を中心に回動可能な被動アーム32と、によって構成されている。
その他の構成は、実施形態1と同様である。
実施形態2によれば、カップ状部材Wを安定して保持でき且つ収納スペースを小さくできる一人用のカップホルダ101を提供できる。
その他、実施形態1と同様の作用効果を奏する。
本発明は、上述の実施形態のみに限定されるものではなく、本発明の目的を逸脱しない限りにおいて種々の応用や変更が考えられる。例えば、上述の実施形態を応用した次の各形態を実施することもできる。
上述の実施形態では、アームセット30を構成するアームの数が2つである場合について例示したが、アームセット30を構成するアームの数はこれに限定されるものではなく、必要に応じて3つ以上にすることもできる。
上述の実施形態では、本体部20がスライドするときに駆動アーム31の突出部31aがケース10の縁部12と干渉することを利用して、駆動アーム31を折り畳み方向D1に回動させる構造について例示したが、駆動アーム31を折り畳み方向D1に回動させる構造は本構造以外であってもよい。例えば、駆動アーム31が本体部20に既知のリンク機構やギア機構を介して連結された構造を採用することができる。
上述の実施形態では、駆動アーム31が回動時に被動アーム32を折り畳み方向D2に押動する場合について例示したが、被動アーム32を折り畳み方向D2に回動させる構造は本構造以外であってもよい。例えば、被動アーム32が駆動アーム31に既知のリンク機構やギア機構を介して連結された構造を採用することができる。
上述の実施形態では、駆動アーム31の駆動側係合面35と被動アーム32の被動側係合面36がいずれも傾斜面である場合について例示したが、必要に応じて、駆動側係合面35及び被動側係合面36を互いに面接触可能な段差面、湾曲面等に変更することもできる。
上述の実施形態では、トレイ40が格納位置Q2において本体部20の外郭内に格納される場合について例示したが、これに代えて、トレイ40が格納位置Q2において本体部20の外郭からはみ出す構造を採用することもできる。
上述の実施形態では、本体部20が曲線方向にスライドする構造について例示したが、これに代えて、本体部20が水平方向に直線的にスライドする構造を採用することもできる。
上述の実施形態では、車両前部のインストルメントパネル2に組付けられるカップホルダ1,101について例示したが、組付け箇所はインストルメントパネル2に限定されるものではない。これらのカップホルダ1,101の構造を、例えば、車両の他の部位に組付けられるカップホルダや、会議場、劇場、映画館などの屋内施設に配置されるシート等に装着されるカップホルダの構造に適用することもできる。
1,101 カップホルダ
10 ケース
11 開口部
12 縁部
20 本体部
22 カップ保持空間
22a 干渉回避領域
23 格納空間
30 アームセット
31,31R,31L 駆動アーム
32,32R,32L 被動アーム
33,33R,33L,34,34R,34L 回動軸
35 駆動側係合面
36 被動側係合面
40 トレイ
41 支持部
D 周方向
D1,D2 折り畳み方向
P1 使用位置
P2 収納位置
Q1 支持位置
Q2 格納位置
X 左右方向(開口幅方向)
W カップ状部材

Claims (7)

  1. 開口部を有するケースと、
    上記ケースに収納された収納位置と上記ケースから上記開口部を通じて引き出された使用位置との間でスライド可能な本体部と、
    上記本体部に異なる回動軸を中心に回動可能に取付けられた複数のアームと、
    を備え、
    上記複数のアームは、上記本体部が上記使用位置にあるときに上記本体部との間で周方向について閉じられたカップ保持空間を形成し、上記本体部が上記使用位置から上記収納位置に向けてスライドするときにそれぞれの上記回動軸を中心に上記カップ保持空間が狭まる折り畳み方向に回動するように構成されている、カップホルダ。
  2. 上記複数のアームは、駆動アーム及び被動アームによって構成されており、上記駆動アームが上記折り畳み方向に回動することによって上記被動アームを上記折り畳み方向に押動するように構成されている、請求項1に記載のカップホルダ。
  3. 上記駆動アームは、上記本体部が上記使用位置にあるときに上記開口部の開口幅方向について縁部よりも外方へ突出した突出部を有し、上記本体部が上記使用位置から上記収納位置に向けてスライドするときに上記突出部において上記縁部に当接することによって上記折り畳み方向に回動するように構成されている、請求項2に記載のカップホルダ。
  4. 上記被動アームの先端部には被動側係合面が設けられ、上記駆動アームの先端部には、上記本体部が上記使用位置にあるときに上記折り畳み方向の後方側から上記被動側係合面に係合可能に対向する駆動側係合面が設けられている、請求項2または3に記載のカップホルダ。
  5. 上記開口部の開口幅方向について上記本体部の両側のそれぞれに上記駆動アーム及び上記被動アームからなるアームセットが設けられている、請求項2〜4のいずれか一項に記載のカップホルダ。
  6. 上記本体部に支持位置と格納位置との間で回動可能に取付けられたトレイを備え、上記本体部は、上記トレイを上記格納位置において外郭内に格納する格納空間を有する、請求項2〜5のいずれか一項に記載のカップホルダ。
  7. 上記トレイは、上記支持位置において上記本体部の上記カップ保持空間に挿入されたカップ状部材を下方から支持する支持部を有し、
    上記支持部は、上記トレイが上記格納位置にあるとき、上記カップ保持空間のうち上記駆動アーム及び上記被動アームとの干渉が回避された干渉回避領域に配置されるように構成されている、請求項6に記載のカップホルダ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN112158115A (zh) * 2020-08-18 2021-01-01 东风延锋汽车饰件系统有限公司 可隐藏杯托结构及汽车

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