JP2020056885A - 光学装置及びレーザレーダ装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】簡便な構造で、製造が容易であり、投光効率が良好な回折格子及び当該回折格子を用いたレーザレーダ装置を提供する。【解決手段】所定位置28から入射した光を屈折させて上面から外界に出射する回折格子14と、回折格子と所定距離で並行して配設されると共に回折格子を構成する物質よりも高屈折率な物質で構成され、回折格子の上面と逆側の下面から出射された光を反射して外界に出射する回折格子12と、回折格子14と回折格子12との間隙及び周囲を被覆する、回折格子14の構成物質よりも低屈折率な物質で構成されたクラッド16と、を備える。【選択図】図1

Description

本発明は、光学装置及びレーザレーダ装置に関する。
測定対象物との距離を測定するレーザレーダ装置で、レーザ光を外界に投光する光アンテナとして、回折格子を含む光学装置が用いられる場合がある。図12は、回折格子102を含む光学装置100の一例を示した概略図であり、図12(A)は光学装置100において投光に係る上面を、図12(B)は図12(A)で示した光学装置100をC−C線で切断した場合の断面図である。
図12(B)に示したように、光学装置100は、Siで構成された回折格子102が、SiO2で構成されたクラッド16で被覆されている。レーザ光源から導波路を介してレーザ光20が光学装置100に入射されると、回折効果により、出射光24が図12(A)で示した上面(第1面)から投光される。
しかしながら、光学装置100は、出射光24のみならず、出射光24が投光される面の裏面(第2面)からも出射光26が出射される。その結果、導波路から導入されたレーザ光20の一部分が意に反した方向に出射されることになり、光アンテナとしての投光効率を低下させるという問題があった。
非特許文献1には、下面からの放射を抑制する多層膜が施された回折格子が開示されている。
16 August 2010 / Vol. 18. No.17 / OPTICS EXPRESS 18280
しかしながら、非特許文献1に開示された回折格子は、多層膜の実装が技術的にもコスト的にも困難であり、回折格子の製造が困難かつ高コストになるというおそれがあった。
本発明は、上記に示した問題点を鑑みてなされたものであり、従来よりも簡便な構造で、製造が容易であり、投光効率が良好な光学装置及び当該光学装置を用いたレーザレーダ装置を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、所定位置から入射した光が伝搬され、かつ、前記光を屈折させて第1面から外界に出射するように構成された第1回折格子を有する第1層と、前記第1回折格子と所定距離で並行して配設されると共に前記第1回折格子を構成する物質よりも高屈折率な物質で構成され、前記第1回折格子の前記第1面と逆側の第2面から出射された光を反射し、かつ、前記第1層を介して前記外界に出射するように構成された第2回折格子を有する第2層と、を備え、前記第1回折格子と前記第2回折格子との間隙及び周囲を、前記第1回折格子の構成物質よりも低屈折率な物質で被覆している。
請求項2に記載の発明は、前記第2格子のピッチは、前記第2回折格子の格子ピッチは、前記第1回折格子のピッチ以下の所定範囲である。
請求項3に記載の発明は、前記第1回折格子のピッチが0.88μm〜1.2μmであり、前記第2回折格子のピッチが0.58μm〜0.80μmである。
また、請求項4に記載の発明のように、前記第2回折格子のピッチは、前記第1回折格子のピッチと略同じでもよい。
請求項5に記載の発明は、前記第1格子及び前記第2格子の各々のパターンは、前記第1回折格子のパターンは、前記所定位置を中心とした同心楕円に係る楕円弧状に形成された、中屈折率部材を、所定のピッチで並べたものであり、前記第2回折格子のパターンは、前記所定位置を中心とした同心楕円に係る楕円弧状に形成された、高屈折率部材を、所定のピッチで並べたものである。
また、請求項6に記載の発明のように、前記第1回折格子のパターンは、前記所定位置を中心とした同心楕円に係る円弧状に形成された、中屈折率部材を、所定のピッチで並べたものであり、前記第2回折格子のパターンは、前記所定位置を中心とした同心楕円に係る円弧状に形成された、高屈折率部材を、所定のピッチで並べたものである。
請求項7に記載の発明は、前記第1回折格子の物質は、SiN及びGaNのいずれかのであり、前記第2回折格子の物質は、Si、GaAs、InGaAsP、InGaAs、AlGaAs及びSiGeのいずれかであり、前記被覆する物質はSiO2である。
請求項8に記載の発明は、請求項1〜7のいずれか1項に記載の光学装置を、レーザ光を外界に出射すると共に、該出射した光が対象物で反射されて生じた反射光を受信する光アンテナとして用いるレーザレーダ装置である。
以上説明したように、従来よりも簡便な構造で、製造が容易であり、投光効率が良好な光学装置及び当該光学装置を用いたレーザレーダ装置を提供できる、という効果を奏する。
(A)はレーザ光を外界に投光する本発明の実施の形態に係る光学装置の上面を示した概略図であり、(B)は(A)で示した光学装置をA−A線で切断した場合の断面図である。 (A)は、回折格子が1層の光学装置の回折の態様を、(B)は、本発明の実施の形態に係る光学装置の回折の態様を、各々示した説明図である。 (A)は、回折格子が1層の光学装置におけるレーザ光の波長と、回折格子のピッチと、回折格子の実効屈折率と、SiO2で構成されたクラッドのクラッド屈折率と、伝搬方向の法線に対する角度との関係を、(B)は、本発明の実施の形態に係る光学装置におけるレーザ光の波長と、回折格子のピッチと、回折格子の実効屈折率と、SiO2で構成されたクラッドのクラッド屈折率と、伝搬方向の法線に対する角度との関係を、各々示した説明図である。 反射層である回折格子のピッチ(Siピッチ)と伝搬層である回折格子のピッチ(SiNピッチ)との対応を示した説明図である。 本発明の実施の形態に係る光学装置の製造工程を示した説明図である。 伝搬層である回折格子と反射層である回折格子とを備えた本実施の形態の変形例に係る光学装置を用いた光偏向素子の構成例を示す図である。 図6に示した回折格子の概略図である。 (A)は、伝搬層である回折格子と反射層である回折格子とを備えた本実施の形態の他の変形例に係る光学装置の平面図であり、(B)は光学装置の拡大図である。 図8に示した光学装置の生成原理を示した説明図である。 図6〜8に示した光フェーズドアレイアンテナで受信したレーザ光の強度を検出するフォトダイオードの詳細な構造を示した概略図である。 図10のフォトダイオードが、B−B線に沿って切断された状態を示す断面図である。 (A)は回折格子を用いた光学装置において投光に係る上面を示した概略図であり、(B)は(A)で示した光学装置をC−C線で切断した場合の断面図である。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。図1は、本実施の形態に係る光学装置10の構成例を示す図である。光学装置10は、レーザレーダ装置の光フェーズドアレイアンテナ等に用いられる素子である。
図1(A)は光学装置10のレーザ光20を外界に投光する上面(第1面)を、図1(B)は図1(A)で示した光学装置10をA−A線で切断した場合の断面図である。
図1(A)に示したように、光学装置10の回折格子のパターンは、レーザ光20が入射される所定位置28を中心とした同心円の円弧状を呈する。回折格子のパターンは、所定位置28を中心とする同心楕円の楕円弧状でもよい。
図1(B)に示したように、光学装置10は、SiNで構成された回折格子14とSiで構成された回折格子12が、SiO2で構成されたクラッド16で被覆されている。レーザ光源から導波路を介してレーザ光20が光学装置10に入射されると、回折効果により、出射光22が図1(A)で示した上面から投光される。
図2(A)は、回折格子18が1層の光学装置100の、回折の態様を、図2(B)は、本実施の形態に係る光学装置10の回折の態様を、各々示した説明図である。
図2(A)に示した光学装置100の回折格子18は、屈折率3.4のSiで構成され、導波路から入射されたレーザ光20を出射光24として外界に出射する。しかしながら、回折格子18は、出射光24とは逆方向にも出射光26を出射するので、光アンテナとしての投光効率を低下させる。
図2(B)に示した本実施の形態に係る光学装置10は、屈折率2のSiNで構成された回折格子14の下層にSiで構成された回折格子12を備え、回折格子14に導波路からレーザ光20が入射される。入射されたレーザ光20の一部は回折格子14の上面(第1面)及び下面(第2面)から出射されるが、回折格子14の下面から出射された光は、回折格子14の下層に設けられた回折格子12によって反射され、回折格子12の上面に出射された光と共に、出射光22として回折格子14の上面から光学装置10の外界に出射される。従って、本実施の形態に係る光学装置10では、回折格子14はレーザ光の伝搬層として機能し、回折格子12はレーザ光の反射層として機能する。
反射層として機能する回折格子12は、Siのほかに、GaAs、InGaAsP、InGaAs、AlGaAs及びSiGe等の屈折率が高い物質が用いられる。
伝搬層として機能する回折格子14は、SiNのほかに、中程度の屈折率を有する物質が使用可能で、例えば、GaN等が用いられる。
本実施の形態に係る光学装置10では、回折格子12、14の各々のピッチも重要な要素となる。図3(A)は、回折格子18が1層の光学装置100におけるレーザ光20の波長λと、回折格子18のピッチΛと、回折格子18の実効屈折率neffと、SiO2で構成されたクラッド16のクラッド屈折率ncと、伝搬方向の法線に対する角度θとの関係を、図3(B)は、本実施の形態に係る光学装置10におけるレーザ光20の波長λと、回折格子14のピッチΛと、回折格子14の実効屈折率neffと、SiO2で構成されたクラッド16のクラッド屈折率ncと、伝搬方向の法線に対する角度θとの関係を、各々示した説明図である。
図3(A)に示したように、導波路からレーザ光20が入射されると、レーザ光20は回折格子18によって回折されて、伝搬方向と放射方向とに分離する。図3(A)に示した放射方向の光が外界へ投光される出射光であり、出射光は、角度θをもって外界に投光される。
レーザ光20の波長λと、回折格子18のピッチΛと、回折格子18の実効屈折率neffと、SiO2で構成されたクラッド16のクラッド屈折率ncと、角度θとの関係は、下記の通りである。
eff:実効屈折率
c:クラッド屈折率
Λ:回折格子18のピッチ
λ:波長
0=2π/λ
0csinθ=k0eff + q(2π/Λ)
q:0、±1、±2等の整数
上記の関係式から、レーザ光20の波長に応じた回折格子18のピッチΛを算出する。
図3(B)に示した本実施の形態に係る光学装置10についても、上記の関係式から、レーザ光20の波長に応じた回折格子14のピッチΛが算出され、設計される。算出する回折格子のピッチは、屈折率が高く、反射層として機能する回折格子12のピッチではなく、屈折率が中程度で、伝搬層として機能する回折格子14のピッチである。なお、回折格子12と回折格子14との間隔は、レーザ光20の波長にもよるが、0.3μm〜0.4μmである。
図3(B)に示したように、本実施の形態に係る光学装置10の回折格子12、14の各々のピッチは、回折格子12、14で略同じとする。また、回折格子12、14のパターンは、所定位置28を中心とした同心円に係る円弧状、又は所定位置28を中心とした同心楕円に係る楕円弧状の中屈折率部材、高屈折率部材を、略同じピッチで並べたものである。しかしながら、以下のように回折格子12、14の各々のピッチを異ならせて設定してもよい。
図4は、反射層である回折格子12のピッチ(Siピッチ)に対する、伝搬層である回折格子14のピッチ(SiNピッチ)のそれぞれにおける投光効率の関係を示した説明図である。
図4に示したように、導波路を介して光学装置10に入射されたレーザ光20を外界に出射する投光効率が高い点が特異点30として存在する。特異点30では、概ねSiNピッチとSiピッチとが一致している。従って、図2(B)に示したように、本実施の形態に係る光学装置10の回折格子12、14の各々のピッチを略同じとすることにより、高い投光効率を担保できる。
また、図4には、0.88μm〜1.2μmのSiNピッチに対して、安定して高い投光効率を示す高効率範囲32が存在する。高効率範囲32は、0.58μm〜0.80μmである。本実施の形態では、光学装置10の回折格子12、14の各々のピッチを略同じとすることのみならず、0.88μm〜1.2μmのSiNピッチに対して、Siピッチを0.58μm〜0.80μmとすることによっても、高い投光効率を得ることができる。ただし、回折格子12、14の各々のパターンは、各々のピッチが異なる場合でも、同じパターンとする。例えば、回折格子12、14のパターンは、所定位置28を中心とした同心円に係る円弧状、又は所定位置28を中心とした同心楕円に係る楕円弧状の中屈折率部材、高屈折率部材を、それぞれのピッチで並べたものである。
図5は、本実施の形態に係る光学装置10の製造工程を示した説明図である。図5(A)に示したように第1Si層50に第1SiO2層52と第2Si層54とを積層させてウエハ状の基板を作成する。次に、図5(B)に示したように、第2Si層54上の一部をフォトレジスト56でマスクする。さらに、図5(C)に示したように、ドライエッチングでフォトレジスト56によって保護されていない第2Si層54を除去する。
図5(D)に示した工程では、フォトレジスト56を除去し、基板を加熱するアニーリングにより、残存するフォトレジスト56を完全に除去する。図5(E)に示した工程では、第2Si層54、第1SiO2層52上に、CVD(Chemical Vapor Deposition:プラズマ化学気相成長)等によって第2SiO2層58を堆積させ、さらに第2SiO2層58の上にSiN層60を堆積させる。
図5(F)に示した工程では、SiN層60上の一部をフォトレジスト62でマスクし、図5(G)に示した工程では、ドライエッチングでフォトレジスト62によって保護されていないSiN層60を除去する。図5(H)に示した工程では、フォトレジスト62を除去する。可能であれば、基板を加熱するアニーリングにより、残存するフォトレジスト62を完全に除去した後、SiN層60、第2SiO2層58上に、第3SiO2層64を堆積させて、光学装置10を製造する。残存する第2Si層54は、回折格子12となり、同SiN層60は、回折格子14となる。
図6は、伝搬層である回折格子と反射層である回折格子とを備えた本実施の形態の変形例に係る光学装置36を用いた光偏向素子40の構成例を示す図である。光偏向素子40は、レーザレーダ装置の光フェーズドアレイアンテナ等を構成する。図6の光学装置36は、レーザ光20を外界に出射すると共に、出射した光が対象物で反射されて生じた反射光を受信する光アンテナとして用いられる。レーザレーダ装置は、図6に示した光アンテナのほかに、レーザ光源(図示せず)、後述するフォトダイオード等を備える。
図6に示すように、光偏向素子40は、レーザ光源から照射されたレーザ光20を本実施の形態に係る光学装置36まで導く導波路42と、光学装置36の導波路部分36−1〜36−8を加熱するヒータ48A、48Bと、回折効果により散乱させたレーザ光を測定対象物(図示せず)に投光する光学装置36と、を含む。以下、レーザ光を外界に投光する場合の光偏向素子40について説明する。
導波路42は、ヒータ48A、48Bの手前で複数の導波路42−1〜42−8に分岐し、レーザ光を分配する分配器として機能する。以下では、導波路42−1から導波路42−8を一括して「導波路42」と称する場合がある。
導波路42−1〜42−8の端部には光学装置36が各々設けられている。導波路42を伝播した送信光は、光学装置36から測定対象物に向けて放射される。図7は、光学装置36の概略図である。光学装置36は、電流Iが通電される半導体薄膜38上に設けられた反射層として機能する第1回折格子36Aの上に第1回折格子36Aより屈折率が低く、かつ第1回折格子36Aに対応するピッチを有する伝搬層として機能する第2回折格子36Bが設けられている。第1回折格子36A及び第2回折格子36Bの各々は、角柱状のグレーチングがアレイ状に配設されている。一例として、第1回折格子36Aは屈折率3.4のSiで構成され、第2回折格子36Bは屈折率2のSiNで構成される。第2回折格子36Bには導波路部分36−1〜36−8からレーザ光が入射される。入射されたレーザ光の一部は第2回折格子36Bの上面(第1面)及び下面(第2面)から出射されるが、第2回折格子36Bの下面から出射された光は、第2回折格子36Bの下層に設けられた第1回折格子36Aによって反射され、第1回折格子36Aの上面に出射された光と共に、出射光として第2回折格子36Bの上面から光学装置36の外界に出射される。
また、ヒータ48A、48Bに通電して導波路部分36−1〜36−8を加熱することにより、導波路部分36−1〜36−8を伝播する光の屈折率を変化させ、光学装置36から放射される光の方向を変えることができる。
ヒータ48Aは、導波路部分36−1から導波路部分36−8に向かうに従って、導波路部分36−1〜36−8を加熱する面積が大きくなるような形状を有する。逆に、ヒータ48Bは、導波路部分36−1から導波路部分36−8に向かうに従って、導波路部分36−1〜36−8を加熱する面積が小さくなるような形状を有する。一例として、図6ではヒータ48A、48Bが逆三角形の形状である場合について示した。ヒータ48A、48Bは、Si基板上にチタン、白金等の導電率が比較的低い金属を蒸着して生成してもよいし、P型半導体又はN型半導体等の不純物半導体で構成してもよい。
導波路部分36−1〜36−8を構成するSiO2の光の屈折率は、導波路部分36−1〜36−8に供給される熱量(ヒータ48A、48Bの発熱量)に比例して増大する。従って、ヒータ48A、48Bにより導波路部分36−1〜36−8が加熱されると、ヒータ48A、48Bの発熱量に対して導波路部分36−1〜36−8を通過する光の位相が線形的に変化し、結果的に、ヒータ48A、48Bは光の位相を変化させる移相器として機能する。その結果、導波路部分36−1〜36−8の各々から放射されるレーザ光は、加熱によって増大した屈折率に応じて伝播方向が変化する。
光学装置36の基部(第1回折格子36Aの下層)には、Si単結晶にホウ素又はアルミニウム等の微量の三価元素を添加(ドープ)して得たP型半導体の薄膜が設けられており、P型半導体の薄膜上に光学装置36が設けられている。当該薄膜に電流Iが通電されると、薄膜にはジュール熱が生じる。かかるジュール熱により、光学装置36の屈折率は光学装置36を構成する回折格子のピッチが変化した場合と同様に変化し、レーザ光の伝播方向が変化する。電流Iの通電方向は、図6の方向に限定されず、図6とは逆方向の通電でもよい。
光学装置36の基部に設けられる不純物半導体の薄膜は、N型半導体でもよい。かかる場合には、Si単結晶にリン又はヒ素等の微量の五価元素をドープすることにより、N型半導体の薄膜を得る。
図8(A)は、伝搬層である回折格子と反射層である回折格子とを備えた本実施の形態の他の変形例に係る光学装置120の平面図であり、図8(B)は光学装置120の拡大図である。光学装置120は、投光したレーザ光20が対象物に反射して生じた光を受信する光フェーズドアレイアンテナに用いられる。
図8(A)に示したように、光学装置120を構成する回折格子は、各々底面が十字型の柱状をしており、当該回折格子により、受信光をTE波(直交偏波:Transverse Electric Wave)と、TM波(平行偏波:Transverse Magnetic Wave)とに分離する。光学装置120で分離されたTM波は、導波路142Mを介して、同TE波は、導波路142Eを介して、各々後述するフォトダイオードに入力される。
光学装置120は、図8(B)に示したように、回折格子122の下層に回折格子124が設けられている。上層の回折格子122は屈折率が中程度のSiNで構成され、下層の回折格子124は屈折率が高いSiで構成されている。従って、上述の光学装置10と同様に、回折格子122は伝搬層として、回折格子124は反射層として、各々機能し、回折格子122を透過した受信光を回折格子124で反射して、回折格子122に戻すことにより、受信光を効率よく導波路142E、142Mに導くことができる。
図9は、図8に示した光学装置120の生成原理を示した説明図である。図9に示したように、光学装置120は、TM波用の回折格子110と、TE波用の回折格子112とを重ね合わせた回折格子114を基にしている。回折格子114を、回折格子122、124のように十字型の柱状とすることにより、光学装置120を得る。
底面が十字型の回折格子122、124は、TE波及びTM波の各々に対応した回折格子114を基にしているので、偏光依存性が少ないという特性を有する。従って、TE波又はTM波等の特定の偏光を、他の偏光よりも効率よく分離するという現象が抑制され、TE波及びTM波の各々が略等しい分離効率で分離されて導波路142E、142Mに各々導かれる。
仮に、光学装置120の回折格子122、124を十字型の柱状ではなく、略円柱状(〇)又は角柱状(□)にした場合、レーザ光20の波長依存性は低下する、すなわち、特定の波長以外のレーザ光も受光できるが、偏光依存性が強くなるので、偏光を分離する光フェーズドアレイアンテナには適しない。
図10は、図6〜8に示した光フェーズドアレイアンテナで受信したレーザ光の強度を検出するフォトダイオード130の詳細な構造を示した概略図である。フォトダイオード130は、SiO2基板138上に、Siで構成されたシリコン導波路136が帯状に形成され、シリコン導波路136の上にはGe吸収層134が形成され、Ge吸収層134の上にはN電極132Nが、シリコン導波路136の上にはP電極132Pが、各々形成されている。シリコン導波路136及びGe吸収層134は、一例として、ヘテロエピタキシャルにより、各々形成される。
図11は、図10のフォトダイオード130が、B−B線に沿って切断された状態を示す断面図である。図11は、説明を簡略化するために、図10で示したSiO2基板138等は省略している。
フォトダイオード130のシリコン導波路136は、Siにホウ素等の不純物をドーピングしたP型半導体で構成され、シリコン導波路136の表面にはP電極132Pが電気的に接続されている。
シリコン導波路136の上に形成されたGe吸収層134は、Geにヒ素又はリン等の不純物をドーピングしたN型半導体で構成されている。Ge吸収層134の表面にはN電極132Nが電気的に接続されている。
図11に示したように、P電極132PとN電極132Nとの間には、P型半導体であるシリコン導波路136及びN型半導体であるGe吸収層34が介在している。P型半導体であるシリコン導波路136は正孔が生じやすく、当該正孔に電子が移動しやすい。また、N型半導体であるGe吸収層34は、P型半導体等に移動容易な自由電子が豊富である。図11に示したフォトダイオード130は、Ge吸収層34からシリコン導波路136への自由電子の移動により、受信光の信号を電気信号に変換する。
以上説明したように、本実施の形態によれば、SiNを用いた伝搬層である回折格子14と、回折格子12の下層にSiを用いた反射層である回折格子12とを備えることにより、投光効率が良好な光学装置10を得ることができる。
光学装置10は、上述のように、回折格子12、14の単純な2層構造であり、非特許文献1に記載の回折格子のように、多層膜を配設するような技術的に困難な加工技術を要しない簡素な構造である。
また、製造は、図5に示したように、ドライエッチング及びCVD等の、既知の半導体装置の製造方法を用いて行うので、既存の半導体装置の製造設備を用いて容易に行うことができる。
なお、本発明は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲内で様々な変形や応用が可能であることはいうまでもない。
10 光学装置
12、14 回折格子
16 クラッド
18 回折格子
20 レーザ光
22、24、26 出射光
28 所定位置
30 特異点
32 高効率範囲
34 吸収層
36 光学装置
36−1〜36−8 導波路部分
36A 第1回折格子
36B 第2回折格子
38 半導体薄膜
40 光偏向素子
42、42−1〜42−8 導波路
48A、48B ヒータ
50 第1Si層
52 第1SiO2
54 第2Si層
56 フォトレジスト
58 第2SiO2
60 SiN層
62 フォトレジスト
64 第3SiO2
100 光学装置
102、110、112、114 回折格子
120 光学装置
122、124 回折格子
130 フォトダイオード
132N N電極
132P P電極
134 Ge吸収層
136 シリコン導波路
138 SiO2基板
142E、142M 導波路

Claims (8)

  1. 所定位置から入射した光が伝搬され、かつ、前記光を屈折させて第1面から外界に出射するように構成された第1回折格子を有する第1層と、
    前記第1回折格子と所定距離で並行して配設されると共に前記第1回折格子を構成する物質よりも高屈折率な物質で構成され、前記第1回折格子の前記第1面と逆側の第2面から出射された光を反射し、かつ、前記第1層を介して前記外界に出射するように構成された第2回折格子を有する第2層と、を備え、
    前記第1回折格子と前記第2回折格子との間隙及び周囲を、前記第1回折格子の構成物質よりも低屈折率な物質で被覆した光学装置。
  2. 前記第2回折格子の格子ピッチは、前記第1回折格子のピッチ以下の所定範囲である請求項1に記載の光学装置。
  3. 前記第1回折格子のピッチが0.88μm〜1.2μmであり、前記第2回折格子のピッチが0.58μm〜0.80μmである請求項2に記載の光学装置。
  4. 前記第2回折格子のピッチは、前記第1回折格子のピッチと略同じである請求項2に記載の光学装置。
  5. 前記第1回折格子のパターンは、前記所定位置を中心とした同心楕円に係る楕円弧状に形成された、中屈折率部材を、所定のピッチで並べたものであり、
    前記第2回折格子のパターンは、前記所定位置を中心とした同心楕円に係る楕円弧状に形成された、高屈折率部材を、所定のピッチで並べたものである請求項1〜4のいずれか1項に記載の光学装置。
  6. 前記第1回折格子のパターンは、前記所定位置を中心とした同心楕円に係る円弧状に形成された、中屈折率部材を、所定のピッチで並べたものであり、
    前記第2回折格子のパターンは、前記所定位置を中心とした同心楕円に係る円弧状に形成された、高屈折率部材を、所定のピッチで並べたものである請求項1〜4のいずれか1項に記載の光学装置。
  7. 前記第1回折格子の物質は、SiN及びGaNのいずれかのであり、前記第2回折格子の物質は、Si、GaAs、InGaAsP、InGaAs、AlGaAs及びSiGeのいずれかであり、前記被覆する物質はSiO2である請求項1〜6のいずれか1項に記載の光学装置。
  8. 請求項1〜7のいずれか1項に記載の光学装置を、レーザ光を外界に出射すると共に、該出射した光が対象物で反射されて生じた反射光を受信する光アンテナとして用いるレーザレーダ装置。
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