JP2020056842A5 - - Google Patents
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Description
従来のコート膜および接着層の剥離評価試験では、眼鏡レンズの表面に傷を意図的に施して、コート膜の剥がれを観察するが、本実施形態では、眼鏡レンズ表面に傷を付けることなく、膜剥がれの評価を行う。特に、傷を付けることなく、コート膜及び接着層にせん断力を与えることができるので、眼鏡レンズの端部における剥離を評価することができる他、コート膜や接着層に傷が一端ついた時、この傷からせん断力を受けて剥離し易くなる程度を知ることができる。
JIS K5600におけるクロスハッチ法では、コート膜や接着層を、レンズ基材からレンズ面に対して垂直方向に引き剥がす力を与えて剥離の評価を行うが、眼鏡を使用する際に、眼鏡使用者は、レンズ基材からコート膜を引き剥がすように垂直方向に力を与えることはなく、レンズ表面上の異物をふき取る場合のように、布等で表面を擦る場合が多く、コート膜にせん断力を与える場合が殆どである。また、眼鏡レンズを研磨する場合も、一方のレンズ表面を押さえながら他方のレンズ表面を研磨するが、この場合もコート膜にせん断力を与える。したがって、せん断力に対する接着層やコート膜のレンズ基材に対する剥離評価が、眼鏡レンズの使用における接着層やコート膜の密着性の耐久性に対応する。
本実施形態の接着層やコート膜のレンズ基材に対する剥離評価は、せん断力を与えた場合の剥離大きさに基づいて評価する。剥離評価を行う眼鏡レンズは、例えば、実際の眼鏡の使用条件を再現する加速処理を施したものを用いることが好ましい。
JIS K5600におけるクロスハッチ法では、コート膜や接着層を、レンズ基材からレンズ面に対して垂直方向に引き剥がす力を与えて剥離の評価を行うが、眼鏡を使用する際に、眼鏡使用者は、レンズ基材からコート膜を引き剥がすように垂直方向に力を与えることはなく、レンズ表面上の異物をふき取る場合のように、布等で表面を擦る場合が多く、コート膜にせん断力を与える場合が殆どである。また、眼鏡レンズを研磨する場合も、一方のレンズ表面を押さえながら他方のレンズ表面を研磨するが、この場合もコート膜にせん断力を与える。したがって、せん断力に対する接着層やコート膜のレンズ基材に対する剥離評価が、眼鏡レンズの使用における接着層やコート膜の密着性の耐久性に対応する。
本実施形態の接着層やコート膜のレンズ基材に対する剥離評価は、せん断力を与えた場合の剥離大きさに基づいて評価する。剥離評価を行う眼鏡レンズは、例えば、実際の眼鏡の使用条件を再現する加速処理を施したものを用いることが好ましい。
図1(a),(b)は、眼鏡レンズ10とレンズ表面に与えるせん断力SFを説明する図である。眼鏡レンズ10は、研磨及び玉型加工をする前のものである。
図1(a)に示すように、眼鏡レンズ10は、湾曲している。湾曲した凸状のレンズ表面上に、接着層14及び調光膜16が形成されている。
せん断力SFは、例えば、図1(b)に示すように、高圧水(所定の吐出圧力の水)Wを噴出させ、高圧水Wを眼鏡レンズ10の外周部の端部に近いレンズ表面に略平行な方向に吹き付けることで、調光膜16及び接着層14にせん断力SFを与えることができる。
図1(a)に示すように、眼鏡レンズ10は、湾曲している。湾曲した凸状のレンズ表面上に、接着層14及び調光膜16が形成されている。
せん断力SFは、例えば、図1(b)に示すように、高圧水(所定の吐出圧力の水)Wを噴出させ、高圧水Wを眼鏡レンズ10の外周部の端部に近いレンズ表面に略平行な方向に吹き付けることで、調光膜16及び接着層14にせん断力SFを与えることができる。
特に、眼鏡レンズ10の端部には、高圧水Wが直接吹き付けられて大きなせん断力を受けるので剥離の起点となり易い。また、レンズ表面は、凸状な曲面を有しているので、眼鏡レンズの端部のレンズ表面に略平行な方向に高圧水Wを吹き付けたとしても、高圧水Wは完全な平行な流れではないので、内側部分のレンズ表面では高圧水Wは傾斜角度をつけてレンズ表面に衝突する。この傾斜角度によって、内側部分のレンズ表面では、この衝突によって受ける力のレンズ表面に平行な成分がせん断力として作用する。特に、剥離のうち、レンズ基材12と接着層14の界面における剥離が最も生じ易いことから、接着層14とレンズ基材12の密着性に注目している。
また、内側部分のレンズ表面の調光膜及び接着層14に傷があると、その部分からせん断力SFが作用して剥離の起点となり易い。
また、内側部分のレンズ表面の調光膜及び接着層14に傷があると、その部分からせん断力SFが作用して剥離の起点となり易い。
Claims (13)
- コート膜付き眼鏡レンズの作製方法であって、
プラスチックレンズ基材の上層に、前記プラスチックレンズ基材と接する、ウレタン系、オレフィン系、アクリル系、及びエポキシ系の群の中から選択される水分散系樹脂を含む接着層と、前記接着層の上層に、前記接着層と接するコート膜と、を形成するステップと、
前記接着層及び前記コート膜を形成した前記プラスチックレンズ基材を100℃以上130℃以下の温度で熱処理するステップと、を備え、
前記熱処理の前記温度を含む熱処理条件は、前記接着層及び前記コート膜を形成して前記熱処理を施すことにより予め作製したコート膜付き眼鏡レンズにせん断力を与えたときに、前記コート膜及び前記接着層が剥がれる剥離大きさに基づいて設定される、ことを特徴とするコート膜付き眼鏡レンズの作製方法。 - 前記プラスチックレンズ基材の屈折率は、1.60以下である、請求項1に記載のコート膜付き眼鏡レンズの作製方法。
- 前記プラスチックレンズ基材の材料は、アミノ基、アミド基、ヒドロキシ基、カルボキシ基、ウレア基、及び、ウレタン結合のうち、少なくともいずれか1つを含む、請求項1または2に記載のコート膜付き眼鏡レンズの作製方法。
- 前記プラスチックレンズ基材の材料は、ウレタンとウレアの共重合体、又はポリカーボネートである、請求項1または2に記載のコート膜付き眼鏡レンズの作製方法。
- 前記コート膜及び前記接着層は、シランカップリング剤を含む、請求項1〜4のいずれか1項に記載のコート膜付き眼鏡レンズの作製方法。
- 前記眼鏡レンズの外周部の端部から中心に向かって剥がれる長さを、前記剥離大きさとして用いる、請求項1〜5のいずれか1項に記載のコート膜付き眼鏡レンズの作製方法。
- 前記せん断力は、温度50〜70℃で、吐出圧力0.6MPa〜1.0MPaの水を、前記眼鏡レンズの外周部の端部から外側に10〜15mm離間した位置から、前記端部の側に向けて吹き付けることにより生じる力である、請求項1〜6のいずれか1項に記載の眼鏡レンズの作製方法。
- 前記せん断力を5〜15秒の時間範囲うちの一定の時間継続して付与したときに、前記コート膜及び前記接着層が、前記中心に向かって剥がれる長さが2mm以下となるように、前記熱処理条件が設定されている、請求項7に記載のコート膜付き眼鏡レンズの作製方法。
- 前記コート膜は、フォトクロミック色素を含む調光膜である、請求項1〜8のいずれか1項に記載の眼鏡レンズの作製方法。
- 前記コート膜は、スピンコートによりコーティングされたものである、請求項1〜9のいずれか1項に記載の眼鏡レンズの作製方法。
- 前記接着層は、スピンコートによりコーティングされたものである、請求項1〜9のいずれか1項に記載の眼鏡レンズの作製方法。
- 眼鏡レンズのコート膜密着性能の評価方法であって、
プラスチックレンズ基材の上層に、
ウレタン系、オレフィン系、アクリル系、及びエポキシ系の群の中から選択される水分散系樹脂を含む接着層と、
前記接着層と接するコート膜と、
を形成するステップと、
前記接着層及び前記コート膜を形成した前記プラスチックレンズ基材を100℃以上130℃以下の温度で熱処理するステップと、
前記接着層及び前記コート膜を形成した前記プラスチックレンズ基材の外周部に、レンズ表面に略平行な方向から、所定吐出圧力の高圧水を所定時間吹き付けることによって、前記接着層及び前記コート膜にせん断力を与えるステップと、
前記接着層および前記コート膜の、前記プラスチックレンズ基材からの剥離の存在しないこと、または剥離の大きさによって、密着性を評価するステップと、
を有する、
眼鏡レンズのコート膜密着性能の評価方法。 - 前記コート膜は、フォトクロミック色素を含む調光膜である、請求項12に記載の眼鏡レンズのコート膜密着性能の評価方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2018186045A JP7286292B2 (ja) | 2018-09-28 | 2018-09-28 | コート膜付き眼鏡レンズの作製方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2018186045A JP7286292B2 (ja) | 2018-09-28 | 2018-09-28 | コート膜付き眼鏡レンズの作製方法 |
Publications (3)
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---|---|
JP2020056842A JP2020056842A (ja) | 2020-04-09 |
JP2020056842A5 true JP2020056842A5 (ja) | 2021-05-27 |
JP7286292B2 JP7286292B2 (ja) | 2023-06-05 |
Family
ID=70107311
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2018186045A Active JP7286292B2 (ja) | 2018-09-28 | 2018-09-28 | コート膜付き眼鏡レンズの作製方法 |
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EP1965234B1 (en) * | 2007-02-28 | 2019-03-20 | Corning Incorporated | Light polarizing articles and method of making same |
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JP2010037394A (ja) * | 2008-08-01 | 2010-02-18 | Hoya Corp | コーティング組成物、光学部材及びその製造方法 |
CN105398068A (zh) * | 2015-11-27 | 2016-03-16 | 江苏视客光学眼镜有限公司 | 眼镜镜片的绿色制造方法及系统 |
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-
2018
- 2018-09-28 JP JP2018186045A patent/JP7286292B2/ja active Active
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