JP2020055259A - インクジェット記録装置及び中間転写体 - Google Patents
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Abstract
Description
インクを吐出する記録ヘッドと、
前記記録ヘッドから吐出されたインクが着弾して一次画像が形成される中間転写体を有し、当該中間転写体上のインクを記録媒体に転写して当該記録媒体に画像を記録する転写部と、
所定のエネルギー線を発生させるエネルギー線発生源と、
を備え、
前記中間転写体は、
前記記録ヘッドから吐出されたインクが着弾する外周面を備えた環状の形状を有し、
前記エネルギー線発生源が発生させた前記エネルギー線を放射するエネルギー線放射部を内部に有し、
前記エネルギー線放射部から放射された前記エネルギー線を前記外周面から射出させて当該外周面上のインクに照射可能である
ことを特徴としている。
前記エネルギー線放射部に前記エネルギー線発生源が設けられていることを特徴としている。
前記中間転写体の側端部には、前記エネルギー線発生源に電気的に接続された端子が設けられており、当該端子を介して外部から前記エネルギー線発生源に電力が供給されることを特徴としている。
前記エネルギー線発生源は、前記中間転写体の外部に設けられており、
前記エネルギー線放射部は、
前記エネルギー線発生源から前記中間転写体に入射した前記エネルギー線を前記外周面に沿った方向に伝播させる伝播部と、
前記伝播部内の前記エネルギー線の一部を、前記外周面を通って前記中間転写体の外部に向かう方向に反射させる反射部と
を有することを特徴としている。
前記伝播部は、前記中間転写体の前記外周面と内周面との間の側面から入射した前記エネルギー線を前記外周面に沿った方向に伝播させることを特徴としている。
前記エネルギー線放射部は、前記外周面と平行な面に沿って面状に設けられていることを特徴としている。
前記エネルギー線放射部及び前記エネルギー線発生源は、前記外周面と平行な面に沿って面状に設けられていることを特徴としている。
前記インクは、前記エネルギー線の照射により粘度が変化するものであることを特徴としている。
前記記録ヘッドは、所定の波長域の光により硬化反応が進行して粘度が増大する前記インクを吐出し、
前記エネルギー線は、前記波長域内の光を含む
ことを特徴としている。
前記中間転写体には、前記外周面をなす保護層が表面に設けられていることを特徴としている。
前記外周面が所定の周回経路で周回するように前記中間転写体を周回移動させる中間転写体駆動部を備え、
前記エネルギー線放射部は、各々独立に前記エネルギー線を放射可能な複数の副放射部を有し、
前記複数の副放射部は、各副放射部の位置における前記周回移動の方向に沿って配列されている
ことを特徴としている。
前記記録ヘッドは、前記周回経路のうち所定の着弾範囲内にインクが着弾するようにインクを吐出し、
前記転写部は、前記周回経路のうち所定の転写範囲において前記中間転写体上のインクを前記記録媒体に転写し、
前記複数の副放射部のうち、前記周回移動の方向について前記着弾範囲の下流側端部から前記転写範囲の下流側端部までの間にある副放射部の少なくとも一部が前記エネルギー線を放射する
ことを特徴としている。
前記複数の副放射部のうち前記転写範囲にある副放射部から放射される前記エネルギー線の第1の強度と、前記転写範囲にある副放射部を除いた副放射部から放射される前記エネルギー線の第2の強度とが異なることを特徴としている。
前記第1の強度は、前記第2の強度より大きいことを特徴としている。
インクを吐出する記録ヘッドと、前記記録ヘッドから吐出されたインクが着弾して一次画像が形成される中間転写体を有し、当該中間転写体上のインクを記録媒体に転写して当該記録媒体に画像を記録する転写部と、所定のエネルギー線を発生させるエネルギー線発生源と、を備えるインクジェット記録装置に用いられる前記中間転写体であって、
前記記録ヘッドから吐出されたインクが着弾する外周面を備えた環状の形状を有し、
前記エネルギー線発生源が発生させた前記エネルギー線を放射するエネルギー線放射部を内部に有し、
前記エネルギー線放射部から放射された前記エネルギー線を前記外周面から射出させて当該外周面上のインクに照射可能である
ことを特徴としている。
前記エネルギー線放射部には、前記エネルギー線を発生させるエネルギー線発生源が設けられていることを特徴としている。
前記エネルギー線放射部は、
外部から当該中間転写体に入射した前記エネルギー線を前記外周面に沿った方向に伝播させる伝播部と、
前記伝播部内の前記エネルギー線の一部を、前記外周面を通って前記中間転写体の外部に向かう方向に反射させる反射部と
を有することを特徴としている。
図1は、インクジェット記録装置1の概略構成を示す図である。
インクジェット記録装置1は、画像形成部2と、転写部3と、制御部4(図5参照)などを備えている。インクジェット記録装置1は、転写部3のベルト状の中間転写体10に対して画像形成部2からインクを吐出して中間転写体10(像担持体)の外周面(画像形成面)に一次画像を形成し、当該一次画像を形成しているインクを記録媒体Mに転写することで記録媒体Mに画像を記録する。記録媒体Mとしては、紙、樹脂板、金属、布帛、ゴムなどの種々の媒体が用いられ得る。また、紙としては、普通紙、板紙、塗工紙、レジンコート紙、合成紙などを挙げることができる。
本実施形態では、紫外線を照射することで硬化反応が進行して粘度が増大する紫外線硬化性インクが用いられている。
本実施形態で用いられるインクは、光重合性化合物(モノマー)、光重合開始剤、ゲル化剤及び着色剤を含む。このうち光重合性化合物は、紫外線が照射されることにより重合反応が進行して高分子化する化合物である。この高分子化により、インクが増粘して硬化する。光重合開始剤は、上記重合反応を開始させるための化合物である。ゲル化剤は、インクが加熱されてゾル化温度以上になるとインク中に溶解してインクをゾル化させ、インクが冷却されてゲル化温度以下になると架橋構造を形成したり繊維状会合体を形成したりすることによりインクをゲル化させる性質を有する化合物である。また、着色剤は、当該インクに係る色の顔料又は染料を含む。
図3は、中間転写体10の構成を示す平面図である。この図3は、中間転写体10を外周面側から見た図である。
また、図4は、図3のA−A線における中間転写体10の断面を示す図である。
副放射部130の周回移動方向についての長さは、特には限られないが、後述する紫外線照射区間の制御を所望の態様で行うことができる程度の長さとすることができる。また、中間転写体10の外周面において、一次画像が各々形成される複数の画像形成領域が予め定められている場合には、この画像形成領域ごとに副放射部130を設けても良い。
なお、副放射部130としては、有機EL素子に代えて無機EL素子が用いられても良い。
端子131a及び端子133aに対する電力供給手段は、導電パッド60によるものに限られず、導電ブラシといった他の手段を用いても良い。
また、端子131a及び端子133aの双方を、幅方向についての一方側に露出させても良い。
また、端子131a、133aのうち一方又は両方を、外周面10a以外の面(例えば内周面10b)に露出させても良い。
また、陰極131及び陽極133のうちいずれか一方(通常は、内周面側の陰極131)を、中間転写体10の全周に亘って一繋がりに形成しても良い。この場合には、例えば一繋がりに形成された陰極131(端子131a)に対して一箇所で電力供給のための導電パッド60を当接させれば良いため、構成を簡素化することができる。あるいは、陰極131に接続された端子131aを中間転写体10の内周面10bに露出させるとともに、駆動ローラー31、従動ローラー32及び加圧ローラー33の少なくとも一つの表面を導体により構成し、当該導体を介して陰極131を所定の電位(接地電位等)としても良い。
なお、記録媒体Mが搬送ローラー34の外周面に保持されて搬送される態様に代えて、加圧ローラー33と搬送ローラー34とのニップ部Nに記録媒体Mが(図1の右方向から水平に)直接差し込まれる態様としても良い。
定着部35を通過した記録媒体Mは、搬送ローラー34の外周面から取り外されて、図示しない所定の排紙部に搬送される。
インクジェット記録装置1は、制御部4と、ヘッド制御部214及び記録ヘッド211を有するヘッドユニット21と、紫外線放射部13を有する中間転写体10と、定着部35と、発光駆動部51と、ローラー駆動部52(中間転写体駆動部)と、操作表示部53と、通信部54と、バス55などを備える。
図6では、中間転写体10(外周面10a)の周回経路のうち、画像形成部2から吐出されたインクが着弾する着弾範囲R1から、中間転写体10上のインクが記録媒体Mに転写される転写範囲R2(すなわち、ニップ部Nの範囲)までの区間が拡大されて描かれている。周回移動方向について着弾範囲R1から転写範囲R2までの各位置では、外周面10a上に着弾したインクが付着した状態となっている。以下では、着弾範囲R1の下流側端部から転写範囲R2の下流側端部までの範囲(すなわち、外周面10a上でインクが移送される範囲)を、「インク移送範囲」と記す。
その後、ニップ部Nに進入したインクに対して、副放射部130Aによってより大きな強度I1の紫外線が外周面10a側から照射される。これにより、ニップ部N内において記録媒体Mに転写されているインクの粘度をさらに増大させて(硬化反応を進行させて)、記録媒体Mへのインクの密着度が高められる。周回移動方向についての副放射部130の長さをニップ部Nの長さに近付けることで、ニップ部N内のインクに対してより正確に、強度I1の紫外線を照射することができる。
ニップ部Nを通過した記録媒体M上のインクは、上述したとおり、定着部35からの紫外線照射により本硬化される。
例えば、紫外線を放射する全ての副放射部130から、均一な強度の紫外線が放射されるようにしても良い。
また、インク移送範囲にある全ての副放射部130から紫外線を放射させても良い。
また、ヘッドユニット21のインク吐出動作を始めとするインクジェット記録装置1の各部の動作に問題が生じない場合には、中間転写体10の全周に亘る全ての副放射部130から紫外線を放射させても良い。この場合、紫外線放射部13を、単一の副放射部130からなる構成とし、陰極131、有機発光層132及び陽極133が中間転写体10の全周に亘って一繋がりに形成された構成とすることができる。また、端子131a及び端子133aについても中間転写体10の全周に亘って一繋がりに形成し、中間転写体10の位置によらず導電パッド60が常に端子131a及び端子133aのいずれかの位置に当接する態様とすれば良い。
以上のように、本実施形態に係るインクジェット記録装置1は、インクを吐出する記録ヘッド211と、記録ヘッド211から吐出されたインクが着弾して一次画像が形成される中間転写体10を有し、当該中間転写体10上のインクを記録媒体Mに転写して当該記録媒体Mに画像を記録する転写部3と、紫外線を発生させる有機発光層132と、を備え、中間転写体10は、記録ヘッド211から吐出されたインクが着弾する外周面10aを備えた環状の形状を有し、有機発光層132が発生させた紫外線を放射する紫外線放射部13を内部に有し、紫外線放射部13から放射された紫外線を外周面10aから射出させて当該外周面10a上のインクに照射可能である。
このような構成によれば、中間転写体10の内部(すなわち、外周面10aと内周面10bとの間)から外周面10a上のインクに対して紫外線を照射することができる。これにより、インクの記録媒体M側の表面の粘度をある程度低く保ちつつ、外周面10a側の表面の硬化反応を進行させて粘度を高めることができる。インクの外周面10a側の粘度を高めることで、インクを外周面10aから容易に剥離できるようになり、また転写時のインクの潰れによる画質低下を抑えることができる。他方で、インクの記録媒体M側の表面の粘度を低く保つことで、インクが記録媒体Mに密着しやすい状態で維持されるため、容易に記録媒体Mにインクを転写することが可能となる。
また、中間転写体10の内部に紫外線放射部13を設けたことで、中間転写体10の全体を透過させてインクに紫外線を照射する従来の構成と比較して、より効率良く紫外線をインクに照射することができる。よって、インクの転写性を容易に高めることができる。
また、中間転写体10の内部に紫外線放射部13を設けた構成によれば、中間転写体10及び記録媒体Mが不透明なローラーのニップ部において挟持されている状態において、記録媒体Mに転写中のインクに対して中間転写体10から紫外線を照射することができる。よって、ローラーによる押圧と紫外線照射によるインクの硬化とを同時に行うことができるため、より確実かつ強固にインクを記録媒体Mに定着させることができる。
また、中間転写体10の内部に紫外線放射部13を設けたことで、中間転写体10のうち紫外線放射部13より内周面10b側の部材については、紫外線透過性を有しない材質のものを用いることができる。すなわち、紫外線放射部13より内周面10b側の部材については、強度や耐久性を重視した材質のものを用いることができる。このため、本実施形態の構成によれば、中間転写体10においてより高い強度や耐久性を得ることができ、かつインクに対して中間転写体10側から適切に紫外線を照射することができる。
次に、第2の実施形態について説明する。
第2の実施形態は、エネルギー線放射部としての紫外線放射部13が、外部から中間転写体10の内部に入射した紫外線を、外周面10aを通って中間転写体10の外部に向かう方向に反射させるものである点で上記第1の実施形態と異なる。以下では、第1の実施形態との相違点を中心に説明する。
また、図8は、図7のB−B線における中間転写体10の断面を示す図である。
また、本実施形態の発光駆動部51は、紫外線光源70に対して所定の駆動信号を供給することで、各紫外線光源70から紫外線を放射させる。
反射板135は、表面に凹凸が設けられており、当該凹凸に入射した紫外線を入射面の向きに応じた方向に反射させる。入射面は、導光板134を伝播している紫外線を外周面10a方向に反射させやすい向きで形成されている。なお、反射板135を設けず、導光板134と弾性層12との界面に凹凸を設けて当該凹凸により紫外線を反射させるようにしても良い。この場合は、当該界面により「反射部」が構成される。
このような構成の副放射部130を有する中間転写体10によっても、外周面10a上のインクに対して外周面10a側から紫外線を照射することができる。
さらに、転写範囲R2を含む位置にある副放射部130Aに対して紫外線光源70から照射される紫外線の強度は、副放射部130Bに対して紫外線光源70から照射される紫外線の強度より高くなっている。すなわち、発光駆動部51は、副放射部130Aに対応する位置に設けられた紫外線光源70により、3つの副放射部130Bに対応する位置に設けられた紫外線光源70よりも高い強度で紫外線を放射させる。この結果、第1の実施形態と同様に、副放射部130Aから放射される紫外線の強度I1が、副放射部130Bから放射される紫外線の強度I2より大きくなる。
以上のように、第2の実施形態に係るインクジェット記録装置1では、エネルギー線発生源としての紫外線光源70が中間転写体10の外部に設けられており、紫外線放射部13は、紫外線光源70から中間転写体10に入射したエネルギー線を外周面10aに沿った方向に伝播させる導光板134と、導光板134内の紫外線の一部を、外周面10aを通って中間転写体10の外部に向かう方向に反射させる反射板135とを有する。これにより、中間転写体10の内部に光源を設けない構成においても、中間転写体10の内部から外周面10a上のインクに対して紫外線を照射することができる。また、このような構成とすることで、第1の実施形態と比較して中間転写体10の構造をより簡素にすることができるため、中間転写体10の強度や耐久性をより容易に高めることができる。
次に、上記各実施形態の効果を確認するために行った実験について説明する。
図9は、実験に用いた中間転写体10の構成及び実験結果を示す図である。
この実験は、上記各実施形態の構成に対応する中間転写体10の5つの実施例と、従来技術に対応する中間転写体10の2つの比較例と、を対象に行った。実験では、中間転写体10上のインクに対する紫外線照射、及び記録媒体Mへのインクの転写動作を繰り返し行い、記録媒体Mへのインクの転写率に係る転写性の評価、及び中間転写体10の耐久性の評価を行った。
実施例2の中間転写体10は、実施例1の紫外線放射部13を、厚さ400μmの導光板134及び反射板135からなるものに変更したものである。
実施例3の中間転写体10は、実施例1の紫外線放射部13を、厚さ300μmの無機EL方式の発光素子に変更したものである。
実施例4の中間転写体10は、実施例1の構成から保護層14を削除したものである。
実施例5の中間転写体10は、実施例1の構成と同一であり、後述するように実施例1とは紫外線の露光パターンを異ならせた。
これらのうち実施例1、3−5は、第1の実施形態に対応し、実施例2は、第2の実施形態に対応する。
具体的には、比較例1の中間転写体10は、実施例4の構成から紫外線放射部13を削除したものである。
また、比較例2の中間転写体10は、比較例1の構成において、基材11の材質を透明なPET(ポリエチレンテレフタラート)に変更したものである。
露光パターンAは、インク移送範囲の全体に亘って均一な強度で露光(紫外線の照射)を行うものである。すなわち、露光パターンAでは、副放射部130ごとの紫外線照射強度の調整は行わず、発光させる全ての副放射部130で紫外線照射強度を均一とした。この露光パターンAにおいて、ニップ部Nに進入する前にインクが受ける積算露光量(当該インクに含まれる光重合開始剤の反応波長である395nmでの積算露光量、以下同じ)は、100mJ/cm2であり、ニップ部N内でインクが受ける積算露光量は、0.3mJ/cm2であった。
露光パターンBは、図6に示した例のように、ニップ部Nに進入する前にインクに照射される紫外線の強度I2より、ニップ部N内でインクに照射される紫外線の強度I1を高くするものである。この露光パターンBにおいて、ニップ部Nに進入する前にインクが受ける積算露光量は、50mJ/cm2であり、ニップ部N内でインクが受ける積算露光量は、400mJ/cm2であった。
露光パターンCは、従来技術に係る露光方法であり、インクがニップ部Nに進入する前においてのみ紫外線を照射するものである。この露光パターンBにおいて、ニップ部Nに進入する前にインクが受ける積算露光量は、100mJ/cm2であった。
詳しくは、実施例1〜5では、上記各実施形態のように、中間転写体10の内部に設けられた紫外線放射部13から外周面上のインクに向けて紫外線を放射させた。
比較例1では、インクの中間転写体10側とは反対側に設けられた光源から外周面上のインクに紫外線を照射した。
比較例2では、中間転写体10の全体を透明な部材で構成し、中間転写体10の内周面側に設けられた光源から中間転写体10を通して外周面上のインクに紫外線を照射した。
また、中間転写体10の耐久性については、以下の基準に基づいて評価を行った。すなわち、目視で中間転写体10に汚れや傷の発生が見られなかった場合を「◎」、目視で中間転写体10に汚れや傷の発生が見られたが画質に影響がなかった場合を「○」、中間転写体10の汚れや傷による画質不良が発生した場合を「×」とした。
他方で、インクの記録媒体M側から紫外線を照射した比較例1では、記録媒体Mへの転写前にインクの記録媒体M側が硬くなり、また中間転写体10側が相対的に柔らかく剥離しにくい状態となったことに起因して「×」の評価結果となった。
また、中間転写体10の内周面側から中間転写体10を通してインクに紫外線を照射した比較例2では、比較例1よりも転写率が高かったものの、実施例1〜5よりも中間転写体10における紫外線の吸収が大きいことに起因して「△」の評価結果となった。
他方で、ポリイミドより強度や耐久性に劣るPETの基材11を用いた比較例2では、「×」の結果となった。
また、保護層14を設けた実施例1〜3、5と、保護層14のない実施例4との比較により、中間転写体10の表層に保護層14を設けることで汚れや傷が付くのを抑制することができ、中間転写体10の耐久性を向上できることが確認された。
また、ニップ部Nでの紫外線強度を高めた実施例5と、実施例1〜4との比較により、インクがニップ部Nに進入する前にインクをある程度増粘(硬化)させた上で、ニップ部N内でより強い紫外線を照射することで、アンカー効果によりインクの記録媒体Mへの密着力を高めて転写率を向上できることが確認された。
例えば、上記各実施形態では、紫外線硬化性の相変化インクを例に挙げて説明したが、インクの種別はこれに限られない。
例えば、分散媒としての水に顔料粒子等の色材を分散させた水系インクを用いても良い。水系インクでは、吐出性向上やインク物性の調整などの目的で水溶性有機溶媒がさらに添加されていても良い。水系インクを用いる場合に中間転写体10の内部に設けるエネルギー放射部は、赤外線を放射する赤外線放射部や、マイクロ波を照射するマイクロ波放射部とすることができる。これらのエネルギー放射部から外周面10a上のインクに赤外線やマイクロ派を照射することでインクが加熱され、インクの溶媒水分を除去して増粘(硬化)させることができる。また、中間転写体10の内部に、エネルギー放射部として熱放射部(ヒーター)を設けても良い。
2 画像形成部
3 転写部
4 制御部
10 中間転写体
10a 外周面
10b 内周面
10c 側面
11 基材
12 弾性層
13 紫外線放射部
130 副放射部
131 陰極
131a、133a 端子
132 有機発光層
133 陽極
134 導光板
135 反射板
14 保護層
15 スペーサー部材
21 ヘッドユニット
31 駆動ローラー
32 従動ローラー
33 加圧ローラー
34 搬送ローラー
35 定着部
51 発光駆動部
52 ローラー駆動部
53 操作表示部
54 通信部
55 バス
60 導電パッド
70 紫外線光源
211 記録ヘッド
212 インク吐出面
213 ノズル
214 ヘッド制御部
M 記録媒体
N ニップ部
R1 着弾範囲
R2 転写範囲
Claims (17)
- インクを吐出する記録ヘッドと、
前記記録ヘッドから吐出されたインクが着弾して一次画像が形成される中間転写体を有し、当該中間転写体上のインクを記録媒体に転写して当該記録媒体に画像を記録する転写部と、
所定のエネルギー線を発生させるエネルギー線発生源と、
を備え、
前記中間転写体は、
前記記録ヘッドから吐出されたインクが着弾する外周面を備えた環状の形状を有し、
前記エネルギー線発生源が発生させた前記エネルギー線を放射するエネルギー線放射部を内部に有し、
前記エネルギー線放射部から放射された前記エネルギー線を前記外周面から射出させて当該外周面上のインクに照射可能である
ことを特徴とするインクジェット記録装置。 - 前記エネルギー線放射部に前記エネルギー線発生源が設けられていることを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録装置。
- 前記中間転写体の側端部には、前記エネルギー線発生源に電気的に接続された端子が設けられており、当該端子を介して外部から前記エネルギー線発生源に電力が供給されることを特徴とする請求項2に記載のインクジェット記録装置。
- 前記エネルギー線発生源は、前記中間転写体の外部に設けられており、
前記エネルギー線放射部は、
前記エネルギー線発生源から前記中間転写体に入射した前記エネルギー線を前記外周面に沿った方向に伝播させる伝播部と、
前記伝播部内の前記エネルギー線の一部を、前記外周面を通って前記中間転写体の外部に向かう方向に反射させる反射部と
を有することを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録装置。 - 前記伝播部は、前記中間転写体の前記外周面と内周面との間の側面から入射した前記エネルギー線を前記外周面に沿った方向に伝播させることを特徴とする請求項4に記載のインクジェット記録装置。
- 前記エネルギー線放射部は、前記外周面と平行な面に沿って面状に設けられていることを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載のインクジェット記録装置。
- 前記エネルギー線放射部及び前記エネルギー線発生源は、前記外周面と平行な面に沿って面状に設けられていることを特徴とする請求項2又は3に記載のインクジェット記録装置。
- 前記インクは、前記エネルギー線の照射により粘度が変化するものであることを特徴とする請求項1から7のいずれか一項に記載のインクジェット記録装置。
- 前記記録ヘッドは、所定の波長域の光により硬化反応が進行して粘度が増大する前記インクを吐出し、
前記エネルギー線は、前記波長域内の光を含む
ことを特徴とする請求項8に記載のインクジェット記録装置。 - 前記中間転写体には、前記外周面をなす保護層が表面に設けられていることを特徴とする請求項1から9のいずれか一項に記載のインクジェット記録装置。
- 前記外周面が所定の周回経路で周回するように前記中間転写体を周回移動させる中間転写体駆動部を備え、
前記エネルギー線放射部は、各々独立に前記エネルギー線を放射可能な複数の副放射部を有し、
前記複数の副放射部は、各副放射部の位置における前記周回移動の方向に沿って配列されている
ことを特徴とする請求項1から10のいずれか一項に記載のインクジェット記録装置。 - 前記記録ヘッドは、前記周回経路のうち所定の着弾範囲内にインクが着弾するようにインクを吐出し、
前記転写部は、前記周回経路のうち所定の転写範囲において前記中間転写体上のインクを前記記録媒体に転写し、
前記複数の副放射部のうち、前記周回移動の方向について前記着弾範囲の下流側端部から前記転写範囲の下流側端部までの間にある副放射部の少なくとも一部が前記エネルギー線を放射する
ことを特徴とする請求項11に記載のインクジェット記録装置。 - 前記複数の副放射部のうち前記転写範囲にある副放射部から放射される前記エネルギー線の第1の強度と、前記転写範囲にある副放射部を除いた副放射部から放射される前記エネルギー線の第2の強度とが異なることを特徴とする請求項12に記載のインクジェット記録装置。
- 前記第1の強度は、前記第2の強度より大きいことを特徴とする請求項13に記載のインクジェット記録装置。
- インクを吐出する記録ヘッドと、前記記録ヘッドから吐出されたインクが着弾して一次画像が形成される中間転写体を有し、当該中間転写体上のインクを記録媒体に転写して当該記録媒体に画像を記録する転写部と、所定のエネルギー線を発生させるエネルギー線発生源と、を備えるインクジェット記録装置に用いられる前記中間転写体であって、
前記記録ヘッドから吐出されたインクが着弾する外周面を備えた環状の形状を有し、
前記エネルギー線発生源が発生させた前記エネルギー線を放射するエネルギー線放射部を内部に有し、
前記エネルギー線放射部から放射された前記エネルギー線を前記外周面から射出させて当該外周面上のインクに照射可能である
ことを特徴とする中間転写体。 - 前記エネルギー線放射部には、前記エネルギー線を発生させるエネルギー線発生源が設けられていることを特徴とする請求項15に記載の中間転写体。
- 前記エネルギー線放射部は、
外部から当該中間転写体に入射した前記エネルギー線を前記外周面に沿った方向に伝播させる伝播部と、
前記伝播部内の前記エネルギー線の一部を、前記外周面を通って前記中間転写体の外部に向かう方向に反射させる反射部と
を有することを特徴とする請求項15に記載の中間転写体。
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